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▶ アスペン メディカル プロダクツ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】整形外科用装具と装着方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/02 20060101AFI20250130BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20250130BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61F5/02 Z
A61F5/01 Z
A41D13/05 131
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546191
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-09-27
(86)【国際出願番号】 US2023012137
(87)【国際公開番号】W WO2023150179
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】63/305,678
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/162,383
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524289639
【氏名又は名称】アスペン メディカル プロダクツ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ASPEN MEDICAL PRODUCTS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】ツィンマー,エリック
(72)【発明者】
【氏名】プライス,ジェーン
【テーマコード(参考)】
3B211
4C098
【Fターム(参考)】
3B211AB08
3B211AC17
4C098AA02
4C098BB03
4C098BB04
4C098BB05
4C098BB08
4C098BC02
4C098BC08
4C098BC15
4C098BC18
4C098BD01
(57)【要約】
整形外科用装具は、前部装具システムに結合された後部装具システムを備えている。後部装具システムは、第1の複数の伸縮側方パネルを含み、第1の伸縮側方パネルは第1のベルト部材に結合され、第2の伸縮側方パネルは第2のベルト部材に結合されている。前部装具システムは、第3の伸縮側方パネルおよび第4の伸縮側方パネルなどの第2の複数の伸縮側方パネルを含む。第1の伸縮側方パネルおよび第1のベルト部材は、第1のベルト部材が前部装具システムの第3の伸縮側方パネルに取り付けられるように湾曲した形状に配置され、第2の伸縮側方パネルおよび第2のベルト部材は、第2のベルト部材が前部装具システムの第4の伸縮側方パネルに取り付けられるように湾曲した形状に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数の伸縮側方パネルを含む後部装具システムと、
第2の複数の伸縮側方パネルを含む前部装具システムと、を有し、
前記第1の複数の伸縮側方パネルは、第1のベルト部材に結合された第1の伸縮側方パネルと、第2のベルト部材に結合された第2の伸縮側方パネルとを備え、
前記第2の複数の伸縮側方パネルには、第3の伸縮側方パネルと、第4の伸縮側方パネルとが含まれ、
前記第1の伸縮側方パネルおよび前記第1のベルト部材は、前記第1のベルト部材が前記前部装具システムの前記第3の伸縮側方パネルに取り付けられるように湾曲した形状に配置され、前記第2の伸縮側方パネルおよび前記第2のベルト部材は、前記第2のベルト部材が前記前部装具システムの前記第4の伸縮側方パネルに取り付けられるように湾曲した形状に配置されることを特徴とする整形外科用装具。
【請求項2】
前記後部装具システムは、
後部パネルと、
前記後部パネルに結合した後部カバーと、
前記後部カバーに結合されたプーリーカバーと、を備え、
前記後部カバーは、前記後部カバーの前面と前記後部パネルの後面とによって部分的に形成された第1のチャンバーを形成するように構成されており、
前記プーリーカバーは、前記プーリーカバーの前面と前記後部カバーの後面とによって部分的に形成された第2のチャンバーを形成し、
前記第1のチャンバーは、前記第1および第2の複数の伸縮側方パネルを収容するように構成され、前記第1の伸縮側方パネルおよび前記第2の伸縮側方パネルのそれぞれは、前記第1のチャンバーの外側に横方向に伸長するように配置されており、
前記第2のチャンバーは、複数のプーリーベースを含むプーリーサブシステムを収容するように構成されている、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項3】
前記後部カバーの前記後面は、前記後部カバーの前記後面上に形成されたガイドチャネルを備え、
前記ガイドチャネルは、(i)前記複数の前記プーリーベースのうちの第1のプーリーベースを前記第2のチャンバー内の第1の開口部と前記第2のチャンバーの中央領域との間で横方向に移動させ、(ii)前記複数の前記プーリーベースのうちの第2のプーリーベースを前記第2のチャンバー内の第2の開口部と前記第2のチャンバーの前記中央領域との間で横方向に移動させることを可能にする、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項4】
前記第2のチャンバーの前記第1の開口部は、前記第2の開口部とは反対側の前記第2のチャンバーに配置されている、請求項3に記載の整形外科用装具。
【請求項5】
前記第1のベルト部材は前記第1のプーリーベースに取り付けられ、前記第2のベルト部材は前記第2のプーリーベースに取り付けられる、請求項3に記載の整形外科用装具。
【請求項6】
前記複数のプーリーベースのうちの前記第1のプーリーベースには、前記ガイドチャネルの第1の縁に向かって延在する第1のフランジが含まれ、
前記ガイドチャネルの前記第1の縁には、前記第1のフランジが接触すると、前記第1のプーリーベースが前記第1の開口部に向かってさらに横方向に動くのを防止する少なくとも1つの第1のストッパーが含まれる、請求項3に記載の整形外科用装具。
【請求項7】
前記第1の複数の伸縮側方パネルのそれぞれは、メインパネル領域と保持パネル領域とを含み、
前記第1の伸縮側方パネルの前記メインパネル領域は、前記第1のチャンバーから取り外し可能な前記第1の伸縮側方パネルの第1の部分に対応し、前記保持パネル領域は、前記第1のチャンバー内に残っている前記第1の伸縮側方パネルの第2の部分に対応する、請求項2に記載の整形外科用装具。
【請求項8】
前記第1の伸縮側方パネルの前記保持パネル領域には、前記後部カバーのポストに接触してストッパーとして機能し、前記第1の伸縮側方パネルが前記第1のチャンバーから完全に取り外されるのを防止するストッパーとして機能する第1のタブ部分と第2のタブ部分とが含まれる、請求項7に記載の整形外科用装具。
【請求項9】
後部パネルと、
前記後部パネルの後面の一部の上に配置され、前記後部パネルに結合した後部カバーと、を備え、
前記後部カバーは、前記後部カバーの前面と前記後部パネルの後面との間に部分的に形成された第1のチャンバーを形成するように構成され、
前記第1のチャンバーは、各パネルが前記第1のチャンバーの横方向外側に部分的に伸長して配置された複数の剛性伸縮パネルを収容し、前記整形外科用装具の前方に向かって凹状に曲がるように構成され、前記整形外科用装具の着用者に横方向のサポートを提供するように構成される、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項10】
前記後部装具システムは、さらに、平面パネルと、前記平面パネル内に配置された複数のロック突起とを含む延長パネルと、を備え、
前記複数のロック突起は、前記後部パネル内に配置された複数のロックスロットにしっかりと取り付けられるように構成されており、前記延長パネルの一部は、前記後部パネルの上端から上側に延在している、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項11】
前記前部装具システムは、
前部パネルと、
横方向に伸長するか内側方向に収縮する、前記前部パネルの後側に配置されている前記第2の複数の伸縮側方パネルと、を備え
前記前部パネルは、前記前部パネルの反対側にそれぞれ配置された複数の回転可能なロック部材を含み、
前記複数の回転可能なロック部材は、開位置と閉位置の間で回転するように構成されており、(i)前記開位置では、前記第2の複数の伸縮側方パネルは伸長または収縮することができ、(ii)前記閉位置では、前記第2の複数の伸縮側方パネルは現在の位置にロックされる、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項12】
前記第2の複数の伸縮側方パネルのうち少なくとも前記第3の伸縮側方パネルには、第1のファスナーが配置された前面が含まれ、
前記第1のファスナーは、前記複数の回転可能なロック部材のうちの第1の回転可能なロック部材の後側に配置された第2のファスナーと相補的である、請求項11に記載の整形外科用装具。
【請求項13】
前部装具システムの前部パネルは、さらに、(i)延長ロッドを受け入れるように適合された開口レセプタクルと、(ii)延長ロッドの解放または挿入を可能にする開位置と、延長ロッドを特定の位置でロックして保持するための閉位置との間で回転するように適合された延長ロッドロック部材と、を備える、請求項11に記載の整形外科用装具。
【請求項14】
前記延長ロッドの第1の遠位端にはウィッシュボーンカプラが含まれ、
前記ウィッシュボーンカプラには、本体部分と、前記ウィッシュボーンカプラの中央線に対してわずかに反対の角度で上方向に伸びる一対の延長アームとが含まれる、請求項13に記載の整形外科用装具。
【請求項15】
前記ウィッシュボーンカプラの一対の延長アームは、(i)頸椎カラー装具にしっかりと固定された頸椎胸部装具(CTO)クリップ、または(ii)サポート胸部プレートのいずれかに結合される、請求項14に記載の整形外科用装具。
【請求項16】
前記第1の伸縮側方パネルには、着用者の腋窩の下に配置された第1のサポートストラップのバックルを保持するためのバックル取付開口部が設けられ、
前記第1のサポートストラップは、前記着用者への前記整形外科用装具の保持を補助する
、請求項10に記載の整形外科用装具。
【請求項17】
前記整形外科用装具は、前記延長パネル内に形成されたストラップスロットに挿入され、前記ストラップスロットによって保持される第2のサポートストラップをさらに備え、
前記第2のサポートストラップは、前記着用者の肩の上に配置される、請求項16に記載の整形外科用装具。
【請求項18】
後部パネルと、前記後部パネルから伸長可能な第1の複数の伸縮側方パネルと、複数のプーリーベースと、前記複数のプーリーベースに結合された複数のベルト部材と、前記後部パネルに結合され、前記後部パネルの上端を超えて上方に延びる延長パネルとを含む後部装具システムと、
前部パネルと、前記前部パネルから伸長可能な第2の複数の伸縮側方パネルとを含む前部装具システムと、を有する整形外科用装具であって、
前記前部装具システムは前記整形外科用装具の前部として機能し、前記後部装具システムは前記整形外科用装具の後部として機能し、
着用プロセス中、前記第2の複数の伸縮側方パネルが前記後部パネルに向かって移動され、前記第1の複数の伸縮側方パネルが前部パネルに向かって移動されるときに、前記第1の複数の伸縮側方パネルおよび前記複数のベルト部材は、前記第2の複数の伸縮側方パネルの一部に重なるように配置されることを特徴とする整形外科用装具。
【請求項19】
後部装具システムおよび前部装具システムを含む整形外科用装具の装着方法であって、
後部装具システムの一部であるベルト部材のサイズを合わせる工程と、
着用者の胸部および腰部を前記後部装具システムの後部パネルの前向き部分に載せる工程と、
前記後部装具システムに関連する第1の複数の伸縮側方伸縮パネルおよび前記第1の複数の伸縮側方パネルに取り付けられたベルト部材を前記後部パネルから離して伸長させる工程と、
前記前部装具システムを前記着用者の腹部上に配置する工程と、
ロック部材を外して、前記前部装具システムに関連する第2の複数の伸縮側方パネルの調整を可能にする工程と、
前記第1の複数の伸縮側方パネルが前記第2の複数の伸縮側方パネルの上に重なるように、前記第1の複数の伸縮側方パネルの位置を前部パネルに向けて調整する工程と、
前記前部パネルの前面および前記第2の複数の伸縮側方パネルの1つの前面に配置された1つ以上のファスナーに結合するために、前記ベルト部材の位置を前記前部パネルに向けて調整する工程と、を有することを特徴とする装着方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2022年2月1日に出願された米国仮出願第63/305,678号に基づく優先権を主張する、2023年1月31日に出願された米国出願第18/162383号に基づく優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、医療機器の分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態の1つは、整形外科用装具およびその装着方法に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の説明には、記載されている発明を理解する上で役立つ可能性のある情報が含まれている。ここで提供される情報のいずれかが先行技術であるか、現在、請求の範囲に記載されている発明に関連している、または具体的または暗黙的に参照されている出版物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
整形外科用装具(装具)は、通常、装具を装着する身体部位に合わせて何らかの方法で調整またはカスタマイズし、その後適切に配置する必要がある。典型的な装具は、通常、少なくとも2つの部分、身体部位を支える剛性部分と、装具を身体に固定する柔軟性または半柔軟性部分から構成される。整形外科用装具の1つのタイプは、「胸腰仙椎装具(thoracic-lumbar-sacral orthosis)」または頭字語「TLSO」と呼ばれる。
【0005】
TLSOは、着用者の胸部(背中の中央部分)から仙骨(腰の部分)までの脊椎の動きを制限する装具である。同時に、TLSOは着用者の首が自由に動くことを可能にする。このタイプの装具は通常、背中の怪我や手術後に脊椎を支えて安定させるために使用され、場合によっては脊椎の病状に対処するために利用されることもある。
【0006】
従来のTLSOに共通する問題の1つは、装着プロセスが非常に難しいことである。特に、装具士が、TLSOが適切にフィットして患者を固定しようとしている場合は、装具が適切にフィットすると通常、装着者の痛みが軽減され、治癒が促進される。従来のTLSOは、柔らかい素材、つまり、前部装具の上面にある相補的なフック・ループファスナーに取り付けられたフック・ループファスナー付きの後部装具(後部ブレース)から伸びる長いベルトに依存して、前部装具(前部ブレース)を後部装具に固定する。したがって、装着プロセスでは、TLSOを患者に合わせて調整し装着するために、患者を「丸太転がし」する(うつ伏せから仰向けへ、またはその逆へ動かす)ことが複数回必要になる場合がある。例えば、患者を後部装具システムに乗せ、次に「丸太転がし」て前部装具に乗せ、ベルトのサイズを調整し、余分なベルトストラップを隠す。その後、患者を1回以上「丸太転がし」、後部装具システムまたはベルトを調整して、患者の固定性を高めることができる。複雑な(場合によっては痛みを伴う)装着プロセスを回避することで、TLSOベースの整形外科用装具をより効果的に使用することができる。
【0007】
さらに、さまざまな状態に合わせてさまざまな装具があり、その中には頸部カラー付きの整形外科用装具(頸部胸部腰部仙骨装具(CTLSO)と呼ばれる)の使用も含まれる。TLSOからCTLSOへの移行、およびその逆を可能にするために、均一な構造を特徴とする整形外科用装具を提供することが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態は、添付の図面において、限定ではなく例として示されており、図面において、同様の参照番号は同様の要素を示している。
【0009】
図1図1は、後部装具システムを備えた整形外科用装具の例示的な実施形態の背面透視図である。
【0010】
図2A図2Aは、図1の後部装具システムの例示的な実施形態の分解図である。
【0011】
図2B図2Bは、装着用のライナーパッドを備えた図1の後部装具システムの例示的な実施形態である。
【0012】
図3A図3Aは、図2Aの後部カバー内に形成されたガイドチャネルを備えたプーリーサブシステムの例示的な実施形態の上下平面図である。
【0013】
図3B図3Bは、少なくとも部分的にガイドチャネルによって形成された第2のチャンバーを示す後部カバーの例示的な実施形態の側面図である。
【0014】
図3C図3Cは、図2Aの後部パネル内に実装されたサポート開口部の例示的な実施形態の断面図である。
【0015】
図3D図3Dは、ポストおよびサポート開口部が、図2Aの後部パネルと後部カバーとの間の連結点として機能する、ヒートステーキングプロセスの例示的な実施形態の斜視図である。
【0016】
図4A図4Aは、図2の後部パネルと後部カバーとの間に配置される伸縮パネルおよびベルトを備えた装具調整システムの上から見た平面図である。
【0017】
図4B図4Bは、後部パネルと後部カバーとの間に形成される第1のチャンバーから伸縮側方パネルが引き続き伸長するのを防ぐための第1の停止タイプを含む停止部を示す装具調整システムの断面図である。
【0018】
図4C図4Cは、調節可能なベルト部材とともに動作する伸縮側方パネルを備えた後部装具システムの上から見た平面図である。
【0019】
図5A図5Aは、図1の整形外科用装具内に配置された装具固定サブシステムの例示的な実施形態である。
【0020】
図5B図5Bは、図5Aのプーリーサブシステムを備えた後部装具システムの例示的な実施形態の側面図である。
【0021】
図5C図5Cは、図5Aのプーリーベースの例示的な実施形態の上下平面図である。
【0022】
図5D図5Dは、第1の状態で動作するプーリーサブシステムの例示的な実施形態の上下平面図である。
【0023】
図5E図5Eは、伸縮側方パネルおよびベルト部材が第1および第2のチャンバーに部分的に戻る締め付け操作に応答して第2の状態で動作するプーリーサブシステムの例示的な実施形態の上下平面図である。
【0024】
図6A図6Aは、図2Aの後部装具システム内に配置されたベルトの内部サイズ調整とそれに続く伸縮側方パネルのサイズ調整の例示的な実施形態である。
図6B図6Bは、図2Aの後部装具システム内に配置されたベルトの内部サイズ調整とそれに続く伸縮側方パネルのサイズ調整の例示的な実施形態である。
【0025】
図6C図6Cは、ベルトの外部サイズ調整と、図2Aの後部装具システム内に配置された伸縮側方パネルのその後のサイズ調整の例示的な実施形態である。
図6D図6Dは、ベルトの外部サイズ調整と、図2Aの後部装具システム内に配置された伸縮側方パネルのその後のサイズ調整の例示的な実施形態である。
【0026】
図6E図6Eは、図6A-6Dに示すように、異なるベルトサイズ設定プロセスに従って実施された、異なるサイズ設定を有する異なる側方パネルおよびベルト部材の組み合わせを示すために調整されている装具固定システムの例示的な実施形態である。
【0027】
図7A図7Aは、第1のタイプの後部パネルと異なるタイプの延長パネルとを含む第1のグループの後部装具システムの例示的な実施形態の背面透視図である。
【0028】
図7B図7Bは、第2のタイプの後部パネルと異なるタイプの延長パネルとを含む第2のグループの後部装具システムの例示的な実施形態の背面透視図である。
【0029】
図8A図8Aは、図7Aに示すように、後部パネル上に配置された第1のタイプの延長パネルの斜視図である。
【0030】
図8B図8Bは、図7Aに示すように、後部パネル上に配置された第2のタイプの延長パネルの斜視図である。
【0031】
図8C図8Cは、図7A-7Bに示すように、後部パネルに取り付けられた第3のタイプの延長パネルの斜視図である。
【0032】
図9図9は、図7A-7Bに示すように、後部パネル上に配置された第3のタイプの延長パネルの斜視図である。
【0033】
図10A図10Aは、前部装具システムを備えた整形外科用装具の例示的な実施形態の正面透視図である。
図10B図10Bは、前部装具システムを備えた整形外科用装具の例示的な実施形態の正面透視図である。
図10C図10Cは、前部装具システムを備えた整形外科用装具の例示的な実施形態の正面透視図である。
図10D図10Dは、前部装具システムを備えた整形外科用装具の例示的な実施形態の正面透視図である。
【0034】
図11図11は、図10A-10Dの前部装具システムの例示的な実施形態の背面透視図である。
【0035】
図12A図12Aは、図10A-10Dの前部装具システムの前部パネルの正面透視図である。
【0036】
図12B図12Bは、図12Aの前部パネルの背面透視図であり、第1の側面の縫製チャネルを示している。
【0037】
図13A図13Aは、図12A-12Bの前部パネルにフィラーが取り付けられた状態の背面透視図である。
図13B図13Bは、図12A-12Bの前部パネルにフィラーが取り付けられた状態の背面透視図である。
【0038】
図14図14は、図10A-10Bの前部装具システムの底面透視図である。
【0039】
図15A図15Aは、図10A-10Dの前部装具システムの実施形態の様々なサイズの前部パネルの追加の正面透視図である。
図15B図15Bは、図10A-10Dの前部装具システムの実施形態の様々なサイズの前部パネルの追加の正面透視図である。
図15C図15Cは、図10A-10Dの前部装具システムの実施形態の様々なサイズの前部パネルの追加の正面透視図である。
【0040】
図16A図16Aは、延長ロッドと頸部装具に結合された頸部胸部装具(CTO)クリップとを結合するウィッシュボーン延長カプラの正面右側面透視図である。
【0041】
図16B図16Bは、図16Aの頸部装具に結合された延長ロッドとCTOクリップとを結合するウィッシュボーン延長カプラの背面透視図である。
【0042】
図16C図16Cは、図16Aの頸部装具に結合された延長ロッドとCTOクリップとを結合するウィッシュボーン延長カプラの側面透視図である。
【0043】
図16D図16Dは、ウィッシュボーン延長カプラの第2実施形態と、そのCTOクリップへの結合の正面透視図である。
【0044】
図17A図17Aは、整形外科用装具の取り外しを特定の側に制限するための側方パネルロックアウトプロセスを示す例示的な実施形態である。
図17B図17Bは、整形外科用装具の取り外しを特定の側に制限するための側方パネルロックアウトプロセスを示す例示的な実施形態である。
図17C図17Cは、整形外科用装具の取り外しを特定の側に制限するための側方パネルロックアウトプロセスを示す例示的な実施形態である。
図17D図17Dは、整形外科用装具の取り外しを特定の側に制限するための側方パネルロックアウトプロセスを示す例示的な実施形態である。
【0045】
図18A図18Aは、図1-9の後部装具システムと図10A-16Cの前部装具システムとを相互接続するためのサポートストラップ構成の例示的な実施形態である。
図18B図18Bは、図1-9の後部装具システムと図10A-16Cの前部装具システムとを相互接続するためのサポートストラップ構成の例示的な実施形態である。
【0046】
図19A図19Aは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19B図19Bは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19C図19Cは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19D図19Dは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19E図19Eは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19F図19Fは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19G図19Gは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19H図19Hは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
図19I図19Iは、着用される整形外科用装置の構成における装着プロセスの例示的な実施形態である。
【0047】
図20A図20Aは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20B図20Bは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20C図20Cは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20D図20Dは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20E図20Eは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20F図20Fは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20G図20Gは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20H図20Hは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20I図20Iは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20J図20Jは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
図20K図20Kは、着用者に整形外科用装具を配置するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示の実施形態は、一般的に、後部装具システムおよび前部装具システムを含む整形外科用装具に関する。本開示の一実施形態によれば、後部装具システムは、後部装具システムの反対側から伸び、調整可能なベルトと連動して動作し、整形外科用装具を患者に装着するのを助ける伸縮自在の側方パネルを含む装具固定サブシステムに特徴を有する。本明細書で説明するように、整形外科用装具は、標準的なLSO(腰部装具ベルト)や、以下に説明する胸部LSO(TLSO)や頸部TLSO(CTLSO)など、患者の固定性を高めるように構成されたその他の装具を含む、あらゆるタイプの腰仙部装具(LSO)を構成することができる。
【0049】
TLSO、CTLSOまたはLSOとして配置される場合、整形外科用装具の後部装具システムは、後部パネル、後部カバーおよびプーリーカバーを含む積層コンポーネント構造に従って構成することができる。これらの各コンポーネントは、患者の固定のために剛性を高めるために、例えば、硬化プラスチックなどの剛性材料で形成されてもよい。ここでは、後方パネルは、患者の背骨を部分的に固定するために、患者の背中の中央から下部に寄りかかるように形作られ、サイズが決められている。後部カバーは、後部パネルの中央領域を覆うようにサイズが決められており、プーリーカバーは、後部カバーの中央領域を覆うようにサイズが決められている。この積層構造により、装具固定サブシステムを形成するさまざまなコンポーネントを収容するための個別のチャンバーが作成される。例えば、後部パネルと後部カバーは、第1のチャンバー内の側面開口部から伸縮式にスライドして伸長できる側方(サイド)パネルの端部を収容して固定するための第1のチャンバーを作成する。同様に、後部カバーとプーリーカバーは、調整可能なベルト部材が取り付けられるプーリーサブシステムを収容するための第2のチャンバーを作成する。ベルト部材は、ベルト部材のサイズに基づいた位置で伸縮側方パネルに固定される。例えば、ベルト部材の完全な横方向の伸長は、伸縮側方パネルの取り付け後のベルト部材の横方向の動きと一致する距離だけ第1のチャンバーから伸長するように伸縮側方パネルの配置を補完する場合がある。
【0050】
本開示の一実施形態によれば、例示的な例として、後部カバーは、後部パネルの中央部などの後部パネルの背面を部分的に覆うように配置される。その結果、第1のチャンバーは、後部カバーの前面(前向きの表面)と後部パネルの背面(後向きの表面)との間に形成される。さらに、プーリーカバーは、後部カバーの一部として形成された凹部領域を覆うなど、後部カバーの背面を部分的に覆うように配置される。その結果、第2のチャンバーは、プーリーカバーの前面(前向きの表面)と後部カバーの背面(後向きの表面)との間に形成される。
【0051】
同様に、前部装具システムは、前部装具システムの反対側から伸び、前部装具システムの反対側のロック機構によって所定の位置に固定される伸縮側方パネルを含む装具固定サブシステムを特徴としており、各伸縮側方パネルの伸長は、後部装具システムと組み合わせた場合の整形外科用装具の全体的なサイズ設定に役立つ。整形外科用装具は、患者の胴体の周りに配置することができる。ここで説明するように、整形外科用装具は、標準的なLSO(腰部装具ベルト)や、以下に説明する胸部LSO(TLSO)や頸部TLSO(CTLSO)など、患者の固定性を高めるように構成されたその他の装具を含む、あらゆるタイプの腰仙部装具(LSO)を構成することができる。
【0052】
TLSOまたはCTLSOとして配置される場合、整形外科用装具の前部装具システムは、反対側にロック機構を備えた前部パネルと、前部パネルの内側(または「後部」)側にスライド可能に結合された伸縮側方パネルを含む構造に従って構成することができる。したがって、前部装具システムは、伸縮側方パネルが前部パネルに結合され、前部パネルのロック機構が回転して伸縮側方パネルと取り外し可能に結合し、それによって所定の位置にロックされるように、スライド可能に伸長(または収縮)するように動作する。その結果、伸縮側方パネルは、患者の胴体のサイズに基づいて、例えば患者(着用者)を固定する目的で、サイズ調整機構として伸長または収縮することができる。
【0053】
前部装具システムの各コンポーネントは、患者の固定のためにより大きな剛性を提供するために、例えば硬化プラスチックなどの剛性材料で形成されてもよい。ここで、前部パネルは、患者の前胴体の中央から下部を再び支えるように形作られ、サイズが決められており、神経筋系および骨格系の一部、例えば患者の脊椎を部分的に固定する。
【0054】
以下で説明し、添付の図に示すように、前部パネルの内部には、伸縮側方パネルのガイドチャネルと結合するように構成された複数の側方パネルガイドポスト(ガイドポスト)が含まれる。特に、前部パネルの結合ポストと伸縮側方パネルのガイドチャネルとを組み合わせることで、伸縮側方パネルを制御された方法で伸長(または収縮)させることができる。さらに、前部パネルの外側の反対側に配置されたロック機構は、ヒンジを中心に回転し、伸縮側方パネルの外側と結合して、所望の伸長位置または収縮位置にロックする。所望の伸長位置または収縮位置は、各伸縮側方パネルの外側に提供された特定のサイズ標識に従っていてもよい。
【0055】
側方パネルロック機構(ロック機構)はそれぞれ、ヒンジと、ヒンジの周りで回転可能な回転可能なロック部材とを含むことができる。ロック機構は、フック・ループファスナーシステムを使用して、伸縮側方パネル(側方パネル)を好ましい位置に取り外し可能にロック(または保持)するように構成することができる。より具体的には、側方パネルの外側部分には切れ目のないループ(UBL)材料が含まれ、回転可能なロック部材の第1の側面にはUBL材料と結合するフック材料が含まれ、回転可能なロック部材が回転してUBL材料に接触すると、側面パネルが現在の位置にロック(または保持)される。回転可能なロック部材の第2の側面には、整形外科用装具の後部装具システムのベルトと結合するためのUBL材料が配置されていてもよい。
【0056】
前部装具システムは、前部パネルから垂直に上方に伸びる延長ロッドも含み得る。延長ロッドの遠位端には、ウィッシュボーン延長アタッチメント(ウィッシュボーンカプラ)が結合されている。ウィッシュボーンカプラは、さらに複数のアタッチメントと結合し、それによって、整形外科用装具がTLSO配置用に構成されている場合のサポート胸部プレートや、整形外科用装具がCTLSO配置用に構成されている場合の頸部装具にさらに結合するCTOクリップなどのアタッチメント間の互換性を提供する。
【0057】
一実施形態によれば、患者は仰向けになって、例えば後部装具システムの上に横たわり、前部装具システムは患者の前胴体上にライナー(パッド)が患者に当たるように配置することができる。前部パネルは、患者の前胴体の湾曲に沿うように輪郭が形作られている。前部の外側に面する表面は、両側にUBL材料の2つの部分を含み、各部分がロック機構を少なくとも部分的に取り囲んでいる。ロック機構の回転可能なロック部材は、開位置から閉位置まで回転可能であり、閉位置では、回転可能なロック部材が側面パネルに接触して結合し、側面パネルが現在の位置に保持される。
【0058】
したがって、前部装具システムは、側方パネルを側方(外側)に伸長することにより、患者にフィットするサイズにすることができる。側方パネルの所望の長さ(例えば、側方パネルの遠位端が側方パネルの端から側方に伸長した量)に達すると、回転可能なロック部材が開位置から閉位置まで回転し、側方パネルの外側に面する側と接触して、側方パネルを現在の位置に保持する。側方パネルは、患者の側方胴体の一部を覆うことができる。その結果、側方パネルの長さは、前部装具システムのサイズと相関する。
【0059】
側方パネルは、患者の正中線からほぼ垂直方向に伸びる(または引っ込む)。側方パネルには、前部パネルから後方向(例えば、患者の体に向かって)に伸びるガイドポストを受け入れるように構成された1つ以上のスロットレールが含まれいてもよい。したがって、側方パネルの動きは、患者の正中線からほぼ垂直方向に制限される。
【0060】
ここで、後部装具システムと前部装具システムとの間の接続は、伸縮側方パネルに取り付けられたベルト部材と、これらの装具システム間に延びるサポートストラップによって実現される。より具体的には、後部装具システムのベルト部材と伸縮側方パネルを所望の長さ(サイズ)まで伸長した後、伸縮側方パネルは、着用者の腰部に部分的に巻き付けられ、前部装具システムの伸長された側方パネルに部分的に重なることができる。特に、伸縮側方パネルは、前部装具システムの取り付け後、着用者の側部に隣接したまま曲率をもって伸びて曲がる。各ベルト部材の第1の部分は、プーリーサブシステムから伸び、対応する側方パネルに重なる。各ベルト部材の第2の部分は、対応する側方パネルの縁を越えて伸び、前部パネルの前面に取り付けられる。この取り付けは、前部パネルの前面に非連続ループ(UBL)生地を配置し、ベルト部材の後面にフックとフックファスナーとして機能させるようにUBL生地に取り付けるためのフックを含むループ・フックファスナーによって行うことができる。
【0061】
各ベルト部材は、プーリーサブシステムに取り付けるための第1の端部と、前部パネルの前面に取り付けるための第2の端部とを含む。ベルト部材の第2の端部は、幅方向(縦方向)に配向され、第2の端部に使用される布地内に挿入される剛性部分を含む。ベルト部材の第2の端部の布地の一部として統合されたガイドストラップは、ガイドストラップが第1の動作状態に置かれると、統合された剛性部分から縦方向に配向されてループ構造を形成する。ここで、第1のガイドストラップは、第1表面(後向き表面)に配置されたフックファスナーを含み、第2のガイドストラップの第1(前向き)表面上に配置されたUBL布地への取り付け用であり、前部パネルの前面から延びるループを形成する。
【0062】
第1および第2のガイドストラップは、取り外して第2の動作状態にすることができる。この状態では、第1のガイドストラップおよび第2のガイドストラップは、装着者(または第三者)がアクセス可能なループを形成するように接続されて前部パネルの前面に配置される代わりに、切り離されて前部装具システムの前部パネルの縁部に巻き付けられ、第1のガイドストラップのフックファスナーが第2のガイドストラップに配置されているUBLファブリックにしっかりと取り付けられる。その結果、ベルト部材は前部パネルに接続され、着用者はこのベルト部材を前部パネルから外すことによって整形外科用装具から抜け出すことができなくなる。代わりに、もう一方のベルト部材は、そのベルト部材を前部パネルから外して、着用者が整形外科用装具を取り外すための側面開口部を形成できるようにするための第1の動作状態(ループ)のままとなる。
【0063】
連動して作動する後部装具システムは、複数のサポートストラップを介して前部装具システムに結合され得る。以下に説明するように、各サポートストラップは、第1の端部セグメントと第2の端部セグメントを含む。サポートストラップの第1の端部セグメントは、フック・ループファスナーシステムを含み得る。例えば、ループファスナーは、第1の端部セグメントの第1の表面に配置され得、フックファスナーは、第1の端部セグメントの遠位端の第1の表面に配置される。したがって、第1の端部セグメントの遠位端が、後部装具システムの延長パネル内に配置されたストラップスロット(または、延長パネルのスロットと位置合わせされた後部パネルのストラップガイドの第1の開口部)に挿入され、折り返された後、フックファスナーは、ループファスナーに固定され得る。これにより、サポートストラップが後部装具システムに接続される。第2の端部セグメントには、第2の端部セグメントの遠位端に配置され、確実に取り付けるためのバックルが含まれている。複数のバックルを、以下で説明するサポート胸部プレートの各スナップコネクタに接続することができる。
【0064】
より具体的には、第1の複数のサポートストラップのそれぞれを後部装具システムと前部装具システムとの間に接続するために、各サポートストラップは、肩の上にサポートストラップを配置するための1つ以上のストラップ保持部材(例えば、延長パネルのストラップスロットまたは後部パネルのストラップガイド)に結合され得る。本開示の一実施形態によれば、ストラップ保持部材は、延長パネルの上部に向かって形成された単一のスロットを含み、このスロットに、サポートストラップの第1の端部セグメントの遠位端がストラップスロットの前側から後側に挿入され、延長パネルの上部にループバックされる。第1の端部セグメントの遠位端は、第1の端部セグメントの別の部分に取り付けられ、延長パネルに固定されたループ端を形成する。
【0065】
さらに、または代替的に、複数のサポートストラップ(または第2の複数のサポートストラップ)の各サポートストラップは、ストラップガイドに結合されてもよい。ストラップガイドは、後部パネルの上部に形成された開口部を含み、開口部を横切って配置された部材が第1の開口部および第2の開口部を形成する。第1および第2の開口部は、延長パネルの下部に向かって配置されたストラップスロットと一列に並べられ、ストラップスロットには、サポートストラップをストラップスロットに挿入したり、ストラップスロットから戻したりすることができる領域の開口部がある。図示の例では、各サポートストラップの第1の端部セグメントの遠位端は、ストラップガイドの第1の開口部に挿入され、部材の周囲にループバックされてストラップガイドの第2の開口部に通される。その結果、部材はサポートストラップの第1の端部セグメントの終端点として構成される。サポートストラップの第2の端部セグメントは、サポート胸部プレートに取り付けるためのバックルが第2の端部セグメントの遠位端に配置された状態で構成されてもよい。
【0066】
これらの複数のサポートストラップは、着用者の肩の上に配置することができる。ただし、第1の複数のサポートストラップが延長パネルの上部に向かって形成されたストラップスロットに結合されている場合、1つ以上のサポートストラップが、着用者の腋窩の下の後部装具システムと前部装具システムとの間に延びるように、前述のストラップガイドに結合されてもよい。これにより、整形外科用装具のさらなる固定性が提供される。
【0067】
1.用語
以下の説明では、本発明の側面を説明するために特定の用語が使用される。例えば、「部材」という用語は、整形外科用装具の構造部品として解釈されてもよい。特定の状況では、部材には、1つ以上の織物、1つ以上の布地(織物および/または不織布)、皮革、および/または別のカバー材料などの柔らかい商品で覆われた部品が含まれてもよい。これらの柔らかい商品は、「フック」タイプのファスナーを取り付けることができる「ループ」タイプのファスナーまたはその他の変形を特徴とするか、ループタイプのファスナーに取り付けるためのフックタイプのファスナーを特徴としてもよい。他の状況では、部材は、ポケット付きのニット織物など、一緒に縫い合わされた織物または布地などの整形外科用装具の別の構造部品に取り付けられた柔らかい商品であり、ポケット内に構造部品を配置することができる。
【0068】
「チャンバー」という用語は、部分的に密閉されたハウジング、つまり、例えば、周囲に沿って反対側に少なくとも2つの開口部など、1つ以上の開口部を除いて部分的に密閉された周囲を持つ構造である。その結果、部分的に密閉されたチャンバーは、装具固定サブシステムコンポーネントを固定、維持、および保護するように構成された構造として機能する。
【0069】
「取り付ける」という用語および用語の他の時制(取り付けられる、取り付けているなど)は、第1の部材を第2の部材に物理的に接続すると解釈することができる。「ファスナー」は、異なる部材を一緒に取り付けるために使用される任意の物理的コンポーネントと解釈することができる。さまざまな種類のファスナーと留め具技術の実例としては、スナップ、ボタン、留め金、バックル、接着剤、縫製、ヒートシール(または溶融)、接着、編み、またはフックとループとの接続などのその他の物理的結合技術が含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
部材または部材の一部に関する「剛い」または「剛性」という用語は、部材が少なくとも部分的に曲げや変形に抵抗するように構成されていると解釈することができる。この定義によると、特定の構造および構成の異なる長さは、短い長さでは剛性があり、長い長さでは柔軟性がある。本明細書で使用されているように、部材または部材の一部に関する「剛性」という用語は、部材が少なくとも90度曲げられたりねじれたりすると永久に変形したり破損したりする可能性があると解釈することができる。剛性部材の例には、後部パネル、前部パネル、または延長パネルが含まれるが、これらに限定されない。伸縮側方パネルは剛性を有しているが、凹型に配置できるように柔軟性があり、破損することなく配置することができる。
【0071】
最後に、本明細書で使用されている「または」および「および/または」という用語は、包括的、またはいずれか1つ、または任意の組み合わせを意味するものとして解釈される。例えば、「A、BまたはC」または「A、Bおよび/またはC」は、「A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、A、BおよびCのいずれか」を意味する。この定義の例外は、要素、機能、手順、または行為の組み合わせが何らかの形で本質的に相互に排他的である場合にのみ発生する。
【0072】
本発明は、多くの異なる形態の実施形態が可能であることから、本開示は、本発明の原理の一例として考慮されるべきであり、本発明を図示および説明した特定の実施形態に限定するものではないことが意図されている。
【0073】
2.一般的な構造-後部装具システム
図1を参照すると、整形外科用装具100の一部として配置された後部装具システム110の例示的な実施形態の透視背面図が示されている。ここで、後部装具システム110は、装着時に患者の前頭部とほぼ平行に位置するか、または実質的に平行になるように配向された後部パネル120を特徴とする。図示のように、充填材115(パッド)は、後部パネル120の前面に隣接して挿入されてもよい。後部パネル120は、患者の脊椎の胸部および腰部に沿って支持を提供する。
【0074】
さらに図示されているように、後部装具システム110は、後部パネル120の上に重ねられた複数の構造部材をさらに備え、それらの間に複数のチャンバーを形成する。これらの構造部材には、後部カバー140およびプーリーカバー160が含まれるが、これらに限定されない。後部カバー140は、後部パネル120の湾曲した中間領域125に結合される。この中間領域125は、患者の脊椎の胸部および腰部領域に適合するように、概ね凹面形状になっている。中間領域125の各側(左側126、右側128)に1つ以上のスロット開口部130が配置され、後部パネル120の横方向の剛性を低下させて、着用時に後部パネル120の側面が横方向および前方に動くことを可能にする。また、図に示すように、後部パネル120の上部領域132には、延長パネル(図示せず)を保持するためのロックスロット134と、取り付けストラップ(図示せず)を保持するためのストラップガイド136が備えられている。
【0075】
プーリーカバー160は、後部カバー140に、すなわち後部カバー140の中央領域145に結合されている。後部カバー140のこの中央領域145には、複数のプーリーベース152-152を含むプーリーサブシステム150を保持するように形作られた凹み領域(図示せず)が設けられる。各プーリーベース152または152には、(i)複数のプーリー部材(図示せず)が互い違いに配置され、ハンドル185または185を備えた指定されたプーリーコード180または180と相互接続されたベース部材154または154、および(ii)プーリーベース部材154または154の外側の側縁に配置されたベルトスロット156または156が含まれる。各プーリーコード180または180は、同じ横断面内にあるコード通過開口部170または170に通される。プーリーカバー160は、後部カバー140の凹部領域を覆うように後部カバー140よりもサイズ(例えば、幅および高さ)が小さく、これにより、プーリーカバー160は後部カバー140の上部カバー領域158および下部カバー領域159を覆わないように構成される。
【0076】
図2Aを参照すると、図1の後部装具システム110の例示的な実施形態の分解図が示されている。ここで、後部装具システム110は、図1に示すように、後方パネル120、後部カバー140およびプーリーカバー160を特徴とする。ライナー115は、後部パネル120の前面200の前方に配置される。さらに、複数の側方パネル210は、任意のタイプの硬化した柔軟なプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリカーボネートなどのシート)などの剛性または半剛性の材料で作られており、後部パネル120の後面205と後部カバー140の前面220との間に形成された(別のライナー117に隣接した)第1のチャンバー280(図2Bも参照)内に配置されている。プーリーサブシステム150は、後部カバー140の後面225とプーリーカバー160の前面230との間に形成された第2のチャンバー290(図2Bも参照)内に配置される。調整可能なベルト部材240は、プーリーベース152-152内に形成されたベルトスロット156-156に取り付けられる。
【0077】
より具体的には、後部カバー140の前面220には、後部パネル120に結合された複数のポスト260が含まれ、このような結合は、ポスト260を後部パネル120内の対応するサポート開口部265に挿入し、そこに永久的に融合することによって実現される(例えば、熱かしめプロセスによって互いに結合される)。ポスト260は、(i)第1のチャンバー280内に形成された側面開口部の幅を実質的に一定に維持して構造的完全性を提供するスペーサーとして機能し(図2Bを参照)、伸縮側方パネル210を第1のチャンバー280から内側および外側に調整できるようにし、(ii)図4Aおよび4Bに示され、以下に説明されるように、側方パネル210のタブ部分がポスト260と係合することによって側方パネル210が第1のチャンバー280から完全に取り外されることを防ぐストッパーとして機能する。
【0078】
ここで、本開示の一実施形態によれば、伸縮側方パネル210は、円周方向の圧力を軽減し、脊椎系が横方向(冠状面)に曲がらないように安定化させることでサポートを提供する。剛性プラスチック側方パネル210は、仙尾骨接合部から伸び、肩甲骨のすぐ下まで存在する。恥骨結合から胸骨切痕、ソフトライナーまで伸びる前部装具システム(図10Aのシステム1110を参照)に関連する側方パネルと組み合わせることで、側方パネル210は、矢状面、冠状面、横断面における体幹全体の動きを制限するのに役立ち、横方向の強度も提供する。
【0079】
さらに、プーリーカバー160は、複数のポスト270も備えた前面230を特徴とする。ただし、ポスト270は、後部カバー140内に形成されたサポート開口部275に取り外し可能に結合してもよい。ポスト270はスペーサーとして機能し、プーリーカバー160に前方方向D1で加えられた力、または後部カバー140に後方方向D2で加えられた力に応じて、第2のチャンバー290内に形成された側面開口部が大幅に狭くなったり閉じたりするのを防ぐ構造的完全性を提供する。これにより、プーリーベース152-152にあるベルトスロット156-156を第2のチャンバー290から露出させ、使用中に邪魔にならないようにすることができる。
【0080】
図2Aおよび2Bの両方を参照すると、プーリーベース152-152はプーリーコード180-180によって相互接続されており、プーリーコード180-180の一方または両方を締めると(つまり、プーリーコード180の端にあるハンドル185を引くと)、両方のプーリーベース152-152が、後部カバー140の背面225に形成されたガイドチャネル222に沿って、互いに向かって内側に移動する。移動中、整形外科用ベルト部材240の1つ以上が締められる。このような締め付けの間、プーリーベース152-152は互いに向かって内側に移動し、これにより、第1のチャンバー280および第2のチャンバー290からそれぞれ延びる各側方パネル(たとえば、側方パネル210)および対応するベルト部材240の長さが短縮される。これは、各ベルト部材240がフック・ループファスナーを介して対応する側面パネルに結合され、ループ接続がベルト部材240の表面に取り付けられ、側面パネル210のスロットに通されて側面パネルの補完的な留め具に取り付けられるためである。その結果、調整中、側方パネル210とそれに対応するベルト部材240との両方が、第1の横方向(L1)292に沿って第1および第2のチャンバー280および290から離れて移動される可能性がある。ただし、締め付け中、側方パネル210とそれに対応するベルト部材240とは、以下でより詳細に説明するように、第2の横方向(L2)294に従って第1のチャンバー280および第2のチャンバー290に引き戻される。
【0081】
図3Aを参照すると、後部カバー140内に形成されたガイドチャネル222を備えたプーリーサブシステム150の例示的な実施形態の上から下への平面図が示されている。後部カバー140の背面225を示すと、後部カバー140は、上部カバー領域158と下部カバー領域159とが一体化され、その間に介在する中間部カバー領域145で構成することができる。中間部カバー領域145は、第1のガイド部材300、第2のガイド部材310、および第3のガイド部材320によって形成されたガイドチャネル222を備えている。
【0082】
図3Aにさらに示すように、第1のセット(2つ以上)のプーリーストップ330が第1のガイド部材300の側面305に沿って配置され、第2のセットのプーリーストップ335が第3のガイド部材320の側面325に沿って配置されている。第1および第2のプーリーストップ330および335のセットは、プーリーベース152および152が誤ってスライドしてガイドチャネル222から外れることを防止するように配置されている。より具体的には、各プーリーベース部材154および154は、第1のフランジ340および341を備えており、各ベルト部材240が所定のサイズに設定され、第2のチャンバー290から完全に伸長されたときに、第1のセットのプーリーストップ330(例えば、プーリーストップ331および332)の1つと係合するように配置されている。同様に、各プーリーベース部材154および154は、第2のセットのプーリーストップ335(例えば、プーリーストップ336および337)の1つと係合するように配置されている。オプション機能として、プーリーストップ331-332および336-337に加えて、第1および第2のセットのプーリーストップ330および335には、プーリーベース152および152が所定の位置を超えてさらに内側に移動するのを防ぐためのプーリーストップ333-334および338-339が含まれてもよい。
【0083】
ここで図3Bを参照すると、後部カバー140の例示的な実施形態の側面図が示されており、少なくとも部分的にガイドチャネル222によって形成された第2のチャンバー290が示されている。ここで、後部パネル120が胸部および腰部の輪郭に沿うように形作られていることを考えると、第2のガイド部材310の背面312は、第1のガイド部材300の背面302および第3のガイド部材320の背面322の下に位置する。第1のガイド部材300の背面302は、第1のガイド部材300の側面305とほぼ直交し、第3のガイド部材320の背面322は、第3のガイド部材320の側面325とほぼ直交する。この構造により、ベルトスロット156に加えられた力および/またはプーリー350を介して加えられた力に応じてプーリーベース152が第1のガイド部材300および第3のガイド部材320に沿ってスライドするときに、プーリーベース部材(例えば、プーリーベース152のプーリーベース部材154)の前面352に取り付けられたプーリー350に十分なクリアランスが提供される。
【0084】
図3Cを参照すると、図2Aの後部パネル120内に実装された支持開口部265の例示的な実施形態の断面図が示されている。ここで、図3A図3Cに示すように、図3B-3Cでは、複数のサポート開口部265は、後部カバー140の前面220から延びる複数のポスト260に対応するように配置されている。図示のように、第1のサポート開口部360のセットは、後部カバー140の上部カバー領域158から延びる第1のポスト370のセットと係合するように配置されている。さらに、第2のサポート開口部365のセットは、後部カバー140の下部カバー領域159から延びる第2のポスト375のセットと係合するように配置されている。1つの実施形態によれば、オプションの中央サポート開口部361を除いて、第1のサポート開口部360のセットの残りは、同一平面上にあってもよい。同様に、中央サポート開口部366を除いて、第2のサポート開口部365のセットの残りは、同一平面上にあってもよい。プーリーカバー160(図2Aを参照)に関連付けられたポスト270と係合するためのサポート開口部275は、第1のガイド部材300および第2のガイド部材320に沿って、サポート開口部265よりもプーリーストップ331-332および336-337に近い位置に配置することができる。
【0085】
図3Dを参照すると、ヒートスケーティングプロセスの例示的な実施形態の斜視図が示されており、ポスト260およびサポート開口部265は、後部パネル120と後部カバー140との間の結合点として、また補強部材として機能している。本開示のこの実施形態によれば、後部カバー140のポスト260は、後部パネル120内に形成された対応するサポート開口部265に挿入され、互いに結合される。例えば、ポスト260とサポート開口部265は、熱かしめプロセスによって互いに結合される。特に、ポスト260をサポート開口部265内に挿入した後、所定の量の熱がポスト260に加えられる。この熱により、ポスト260に関連する材料がわずかに溶けて、開口部よりも大きい直径を持つヘッド部分(ドーム)が形成されるため、冷却すると、ヘッド部分が変形したり消失したりすることなく、ポスト260をサポート開口部265から取り外すことができなくなる。
【0086】
図4Aを参照すると、後部パネル120と後部カバー140との間に形成された第1のチャンバー280の間に配置した伸縮側方パネル210を特徴とする後部装具システム110の上下平面図が示されている。本開示の一実施形態によれば、伸縮側方パネル210は、メインパネル領域400と保持パネル領域410とを含む。図示のように、メインパネル領域400は、第1のチャンバー280から取り外すことができる側方パネル210の部分、すなわち、後部パネル120の後面205と後部カバー140の前面220との間に形成される囲い部分に対応する。第1のチャンバー280から取り外されるメインパネル領域400の量は、図6A-6Eに示すように、側方パネル210に取り付けられたベルトストラップ部材240に選択されたサイズ(大(L)、中(M)、小(S)、またはそれらのバリエーション、たとえばXL、2XL、XSなど)によって異なる。
【0087】
本開示の一実施形態によれば、伸縮側方パネル210のメインパネル領域400には、着用者の腋窩の下に配置されたサポートストラップ(図示せず)に関連付けられたバックルを収容できる大きさのバックル取付開口部425が含まれ得る。サポートストラップが挿入されると、バックル取付開口部425にはバックル保持付属部426が備わり、この付属部は柔軟であり、挿入されたバックルに対して力を加えて、バックルを少なくとも部分的にバックル取付開口部425内に保持する。その結果、バックル取付開口部425は、バックルとそのサポートストラップが着用者の腋窩の下にあり、腋窩から離れた位置に保持されるのを助ける。これにより、整形外科用装具100を着用しているときにストラップが不必要に動くのを防ぐことができる。
【0088】
さらに図に示すように、図4A-4Bに示すように、保持パネル領域410は、常に第1のチャンバー280内に留まるように構成された側方パネル210の最小部分に対応する。本開示のこの実施形態によれば、保持パネル領域410は、その縁部430から延びる第1のタブ部分420を含む。第1のタブ部分420(および側方パネル210)は、側方パネル210が、メインパネル領域400が第1のチャンバー280から完全に取り外されるサイズまで伸長されたときに、後部カバー140のポスト260と係合するように配置されており、側方パネル210の「ストッパー」として機能する。第1のタブ部分420は、ポスト260と係合する際に、側面パネル210が第1のチャンバー280から誤って取り外されることを防止する。図4Aに示すように、第1のタブ部分420の他に、第2のタブ部分440が保持パネル領域410の縁450から延びて、メインパネル領域400が第1のチャンバー280から完全に取り外されたときに、後部カバー140の別のポスト260と係合するように配置されてもよい。
【0089】
図4Cを参照すると、調節可能なベルト部材240とともに動作する伸縮側方パネル210を備えた後部装具システム110の上下平面図が示されている。ここで、ベルト部材240は、ベルトスロット156を介してプーリーベース152に取り付けられる。ベルト部材240は、ベルトスロット156などのプーリーベース152の一部と位置合わせされたベルト部材240に取り付けられた標識460に基づいてサイズ設定することができる。ただし、ここでは、ベルト部材240は、第1のフランジ340および第2のフランジ342がプーリーストップ331および336に係合していることで示される最大長さにサイズ設定されている。側方パネル210およびベルト部材240は、図20Lに示すように、前部装具システムと結合するために、横方向および前方に動かされて結合される。
【0090】
ここで図5Aを参照すると、整形外科用装具100内に配置された装具固定サブシステム500の例示的な実施形態が示されている。後部装具システム110のコンポーネントとして実装された装具固定サブシステム500は、プーリーサブシステム150、伸縮側方パネル210(例えば、図示されている第1の側方パネル520)、およびベルト部材240(例えば、図示されている第1のベルト部材525)を備えており、これらは一緒に動作して、整形外科用装具100のサイズ調整と患者への取り付けを行う。第1の伸縮側方パネル520は、後部カバー140の下に形成された第1のチャンバー280から、第2の伸縮側方パネル(図示せず)の伸長方向とは反対方向にスライド可能に延びる。さらに、第1のベルト部材525の第1の端部510は、第1のプーリーベース152のベルトスロット156に固定され、第2のベルト部材(図示せず)の第1の端部は、第2のプーリーベース152のベルトスロット156に固定される。
【0091】
さらに図5A-5Bに示すように、プーリーサブシステム150には、プーリーコード180および180を介して互いに結合された第1のプーリーベース152および第2のプーリーベース152が含まれる。図示されていないが、プーリーベース152-152の下に取り付けられたプーリーは張力を加え、プーリーコード180が前方および/または横方向に引っ張られると(i)第1のベルト部材525を内側に動かし(第2のチャンバー290の中央領域550に向かって)、プーリーコード180が前方および/または横方向に引っ張られると(ii)第2のベルト部材(図示せず)を内側に動かす。さらに、図5Bに示すように、第1のベルト部材525の第2の端530に近い第1のベルト部材525の一部が、例えば相補的なループ・フックファスナーを介して第1の側方パネル520に取り付けられていることを考えると、第1のベルト部材525の内側への動きは、第1の側方パネル520の相補的な内側の動きを引き起こし、その逆も同様である。同じ調整方式が第2の側方パネル(図示せず)にも適用できる。これにより、後側方パネルのカスタマイズされた再装着のために患者を転がすことなく、整形外科用装具をより簡単に装着させることができる。
【0092】
図5Cを参照すると、図5Aのプーリーベース(例えば、プーリーベース152)の例示的な実施形態の上下の平面図が示されている。ここで、プーリーベース152は、(i)ベース部材154の第1の外側横縁560に近接して配置されたベルトスロット156、(ii)ベース部材154の第2の外側横縁562に配置された第1のフランジ340、および(iii)ベース部材154の第3の外側横縁564に配置された第2のフランジ342を特徴とするベース部材154を含む。ここで、第2および第3の外側横縁562および564は、第1の外側横縁560に対して概ね直交している。第2および第3の外側横縁562および564は、ベース部材154の反対側に配置されている。
【0093】
ベース部材154に取り付けられた第1のプーリーコード取付部材570は、第2のプーリーコード180の端部182をプーリーベース152にしっかりと取り付けるように構成されている。第2のプーリーコード180は、図5Aに示すように、第1のプーリーコード取付部材570から第2のプーリーベース152まで設けられている。さらにベース部材154に取り付けられた第1のプーリー580は、第2のプーリーベース152に取り付けられたプーリーから第2のプーリーコード180を受け取るように構成されており、第2のプーリーコード180は入力ポート581に通され、第1のプーリーホイール582に巻き付けられ、出力ポート583からコード通過開口部170に向かって通される。第2のプーリー585は、第2のプーリーベース152から第1のプーリーコード180を受け取るように構成されており、第1のプーリーコード180は入力ポート586に通され、第2のプーリーホイール587に巻き付けられ、出力ポート588から通されて第2のプーリーベース152の別のプーリーに戻るように構成される。
【0094】
図5Dに示すように、ベルト部材240のサイズ設定と横パネル210への取り付け後、プーリーサブシステム150のプーリーベース152-152は第1の状態に配置される。第1の状態では、プーリーベース152-152は、第2のチャンバー290の中央領域550よりもプーリーストップ331-332および336-337に近い位置に配置することができる。図5Eに示すように、プーリーコード180および/または180の締め付けに応じて、プーリーベース152-152は、ガイドチャネル222、特に第1および第3のガイド部材300および320に沿って、第2のチャンバー290の中央領域550に向かって移動する。プーリーベース152-152は、初期サイズ調整時に、対応する側方パネル/ベルト部材の組み合わせを第1および第2のチャンバーから外側に押し出すとともに、締め付け時に、対応する側方パネル/ベルト部材の組み合わせを第1および第2のチャンバー280および290に引き込むため、非固定である。例えば、プーリーベース152は、初期サイズ調整時に、対応する側方パネル/ベルト部材の組み合わせ520/525を第1および第2のチャンバー280および290に引き込むように構成されている。
【0095】
ここで図6A-6Bを参照すると、第2のベルト部材600(例えば、図5Aのベルト部材525の反対側)の内部サイズ設定の例示的な実施形態が示されており、それに続いて伸縮側方パネル620(例えば、図5Aの側方パネル520の反対側)のサイズ設定が行われる。ここで、第2のベルト部材540には、プーリーベース152の選択された部分に合わせて方向付けられたときに異なるベルトサイズ(大、中、小など)を識別する第1のセットの標識610が含まれている。例えば、図示された実施形態として、標識610には、それぞれ異なるベルトサイズに対応する複数の標識要素615が含まれ、第2のベルト部材600のサイズがそれに応じて設定される。より具体的には、選択された標識要素612は、プーリーベース152の選択された部分(例えば、プーリーベース152のベルトスロット156内)に向けられ、その後、第2のベルト部材600の第1の端部622にある第1のファスナー625(例えば、ループ・フックファスナー)が、第2のベルト部材600の内面628に沿って配置された第2のファスナー626(例えば、相補的なループ・フックファスナー)に結合され、第2のベルト部材600がベルトスロット156の周りに巻き付けられ、接続点が内側を向く。その結果、第2のベルト部材600は、選択された標識要素612に対応するサイズで配置される。
【0096】
図6Bに示すように、第2のベルト部材600のサイズが決まると、その外面632にある目印630が伸縮側方パネル620の背面642にある標識640と揃うため、伸縮側方パネル620のサイズが同じになる。したがって、第2のベルト部材600は伸縮側方パネル620の横方向の伸びを制限し、第2のベルト部材600のサイズに合わせる。外側のサイズのベルト600を側方パネル620に半永久的に取り付けることも可能で、これにより整形外科医によるサイズ調整の必要性が軽減される。その結果、整形外科医または臨床医は、ベルトを側方パネル620の標識640に揃える必要がなくなる。
【0097】
図6C-6Dを参照すると、ベルト部材(例えば、図5Aの第1のベルト部材525)の外部サイズ設定の例示的な実施形態が示されており、それに続いて伸縮側方パネル520のサイズ設定が行われる。ここで、第1のベルト部材525には、プーリーベース1521の選択された部分に合わせて方向付けられたときに、異なるベルトサイズ(大、中、小など)を識別する第1のセットの標識650が含まれる。例えば、図示された実施形態として、図6A-6Bに示されているベルト部材の内部サイズ設定と同様に、標識650には、それぞれ異なるベルトサイズに対応する複数の標識要素660が含まれ、第1のベルト部材530のサイズがそれに応じて設定されてもよい。より具体的には、選択された標識要素は、プーリーベース1522の選択された部分(例えば、プーリーベース1521のベルトスロット1561内)に向けられ、その後、第1のベルト部材525の第1の端部672にある第1のファスナー670(例えば、ループ・フックファスナー)が、第1のベルト部材525の外面676に沿って配置された第2のファスナー674(例えば、相補的なループ・フックファスナー)に結合され、第1のベルト部材525がベルトスロット1561の周りに巻き付けられ、接続点が外側を向く。その結果、第1のベルト部材525は、選択された標識要素に対応するサイズで配置される。
【0098】
図6Dに示すように、第1のベルト部材525のサイズが決まると、その外面682にある標識680が、伸縮側方パネル520の背面686にある標識684と揃うため、伸縮側方パネル520のサイズは同じになる。したがって、第1のベルト部材525は、伸縮側方パネル520の横方向の伸びを、第1のベルト部材525のサイズに合わせて制限する。
【0099】
その結果、図6Eに例示されているように、第1のベルト部材525は、外部サイジングプロセスに従って「中」サイズにサイズ調整されている。第2のベルト部材600は、内部サイジングプロセスに従って「大」サイズにサイズ調整されている。第1のベルト部材525の標識680は、第1の伸縮側方パネル520のスロット(または標識)と一列に並んでいる。第2のベルト部材600の標識630は、第2の伸縮側方パネル620のスロット(または標識)と一列に並んでいる。その結果、側方パネル520および620の両方のサイズが、対応するベルト部材525および600と一致するため、第2の伸縮側方パネル620(大サイズ)は、第1の伸縮側方パネル520(中サイズ)よりも第1のチャンバーの外側にさらに伸びる。
【0100】
図7Aを参照すると、第1のグループの後部装具システム700の例示的な実施形態の透視背面図が示されており、各後部装具システム700は、第1のタイプの後部パネルと異なるタイプの延長パネルを特徴としている。より具体的には、説明のために、第1のグループの後部装具システム700には、第1の後部装具システム710、第2の後部装具システム712、および第3の後部装具システム714が含まれる。これらの後部装具システム710、712および714のそれぞれは、第1のタイプの後部パネル720(図1の後部パネル120に相当)を含み、この後部パネル720は、第1の規定された長さおよび幅を有する概ね八角形の形状をしており、そのため、第1の後部パネル720は、患者に装着されると、患者の脊椎の胸部および腰部領域に接して支持する。
【0101】
本開示の一実施形態によれば、第1の後部パネル720は、複数のロックスロット730、複数のストラップガイド732(例えば、第1ストラップガイド734および第2ストラップガイド735)、および安定化スロット736を含む。より具体的には、第1の後部パネル720には、(i)各延長パネル750、760、770内に形成されたロック突起740を受け入れるサイズに設定された一対のロックスロット730と、(ii)取り付けストラップ(図示せず)を保持するためのストラップガイド732とが含まれ得る。ストラップガイド732は、各延長パネルの特定の場所に実装されたストラップスロットと揃うように配置されており、ストラップが延長パネル750を通過してから、対応するストラップガイド732に巻き付けられて固定される。以下で説明するように、安定化スロット736は、第3(頸部)延長パネル770上の安定化コンポーネントを受け入れるサイズにされており、それ以外の場合は、第1または第2の延長パネル750および760によって使用されないままである。
【0102】
以下でさらに図示および説明するように、第1の後部パネル720は、第1の延長パネル750、第2の延長パネル760、または第3の延長パネル770に適合させることができる。第1および第2の延長パネル750および760は、第1の後部パネル720に取り付けられてTLSOとして機能する。TLSOでは、延長パネル750/160が背中上部と首の領域に追加のサポートを提供し、患者が整形外科用装具を装着した後でも患者の頭が自由に動くことを可能にする。第1の延長パネル750と第2の延長パネル760との違いは、患者のサイズに関係する。第1の延長パネル750は患者の標準サイズであるが、第2の延長パネル760は、背の高い患者を考慮して長さ761が長くなっている(場合によっては幅762が狭くなっている)。しかしながら、第3の延長パネル770は、第1の後部パネル720に取り付けられてCTLSOとして動作し、第3の延長パネル770は頸部カラー780の後部に取り付けられ、装着後の患者の頭部の動きを遮断する。第3の延長パネル770の下部領域771は、第1および第2の延長パネル750および760とほぼ同じ幅である。第3の延長パネル770の上部領域772は、第1および第2の延長パネル750および760よりも狭く、さらにCTLSO延長770には、これらの延長パネル750および760の上部領域に配置されたストラップスロット755および765がない。
【0103】
さらに図示されているように、後部装具システム710は、第1の後部パネル720上に積層され、その間に複数のチャンバーを形成する複数の構造部材をさらに備えている。これらの構造部材には、後部カバー790およびプーリーカバー791が含まれているが、これらに限定されない。後部カバー790は、後部パネル720に結合され、第1の保護チャンバーから伸びる伸縮側方パネル(図示せず)を収容する第1の保護チャンバーを提供する。プーリーカバー791は、後部カバー790に結合され、プーリーサブシステム(図示せず)を保護する。プーリーサブシステムは、プーリーカバー791の前面と後部カバー790内の後面の凹み領域との間に形成された第2の保護チャンバー内に設けられる。プーリーカバー791は、プーリーサブシステムを含む後部カバー790の凹み領域を覆い、複数のロックスロット730、複数のストラップガイド732、および安定化スロット736を含む少なくとも上部後部パネル領域792を覆うことがないように、後部カバー790よりもサイズ(幅や長さなど)が小さくなっている。
【0104】
図7Bを参照すると、第2のグループの後部装具システム705の例示的な実施形態の透視背面図が示されており、各後部装具システムには、第2のタイプの後部パネル795と、オプションで第3の延長パネル770が含まれている。第1の後部パネル720と同様に、第2の後部パネル795は概ね八角形の形状であり、第2の規定長さおよび幅は第1の規定長さおよび幅よりも小さくなっている。したがって、この配置は小柄な患者を対象としており、CTLSO機能を提供するには第3の延長パネル770に適合させるだけで済む。もちろん、第2の後部パネル795は、ロックスロット796、ストラップガイド797、および安定化スロット798で構成されており、これらは、第1のタイプの後部パネル720によって提供されるロックスロット730、ストラップガイド732、および安定化スロット736と互いに同じ関係で配置されている。これにより、延長パネル750および760、および延長ロッドと頸椎カラーの後部(図示)を備えた第3(頸椎)の延長パネル770を、第1の後部パネル720または第2の後部パネル795のいずれかの間で交換可能に使用できるようになる。
【0105】
ここで図8Aを参照すると、図7A-7Bの後方パネル720/795上に配置可能な第1の延長パネル750の透視図が示されている。ここでは、第1の後部パネル720が後部パネルタイプとして選択されており、延長パネル750/760/770との接続を示している。一般的に多角形(例えば六角形の構成)で構成される第1の延長パネル750には、上部領域800、中間領域802、左下部領域804、および右下部領域806が含まれる。ここでは、延長パネルの上部領域800には、ユーザーの肩に配置される調節可能なストラップを受け入れるように配置される第1および第2のストラップスロット755が備えられている。中間領域802には、固定クリップ810が設けられており、これは、延長パネル750が第1の後部パネル720に固定されているときに、後部パネル720の上端にしっかりと結合されるように配置されている。固定クリップ810は、図7Aに示すように、後部パネル(例えば、第1後部パネル720)の固定スロット730に挿入できる固定突起740の間にほぼ中心に配置されている。
【0106】
図8Aにさらに示されているように、左下領域804には、第1の延長パネル750が後部パネル(例えば、第1の後部パネル720)に取り付けられているときに、第1の後部パネル720の第1のストラップガイド734と水平に位置合わせされた第3のストラップスロット820が備えられている。第3のストラップスロット820は、第1および第2のストラップスロット755のいずれの幅よりも広い幅に構成されており、これにより、調整ストラップは、第1の後部パネル720内に配置された第1のストラップガイド734を邪魔されることなく通過し、第1のストラップガイド734を横切って延びる部材の周りをループし、後部装具システム710の前面に戻ることができる。方向は同様であるが、第4のストラップスロット825は、ロックスロット730/突起係合740を介して延長パネル750が第1の後部パネル720に取り付けられたときに、第2のストラップガイド735と水平に位置合わせされるように配置されている。左下領域804から上領域800に向かって延びる第1の周囲セクションの第1の曲率(DC1)は、右下領域806から上領域800に向かって延びる第2の周囲セクションの第2の曲率(DC2)と実質的に同等であってもよい。
【0107】
次に、図8Bを参照すると、図7Aに示すように後部パネルに取り付けられるように構成された第2のタイプの延長パネル760(以下、「第2の延長パネル760」)の透視図が示されている。第1の延長パネル750と同様に、第2の延長パネル760は、一般的に、上部領域830、中間領域832、左下部領域834、および右下部領域836を含む多角形(例えば、六角形の構成)で構成される。延長パネルの上部領域830には、ストラップスロット765、つまり、ユーザーの肩に配置される調節可能なストラップを受け入れるように配置された第1のスロット840および第2のストラップスロット842が備えられている。中間領域832には、第2の延長パネル760が第1の後部パネル720に固定されているときに、第1の後部パネル720の上部周囲セクション(縁)785(図7Aを参照)にしっかりと結合されるように配置される固定クリップ810も備わっている。固定クリップ810は、ロック突起846/848の中央に配置され、ロック突起は、例えば第1の後部パネル720のロックスロット730などの後部パネルのロックスロットに挿入することができる。
【0108】
図8Bにさらに示されているように、左下領域834には、第2の延長パネル760が第1の後部パネル720に取り付けられているときに、第1の後部パネル720の第1のストラップガイド734と水平に一列に並ぶように配置される第3のストラップスロット850が備えられている。同様に、第4のストラップスロット852は、第2の延長パネル760が第1の後部パネル720に取り付けられているときに、第2のストラップガイド735と水平に一列に並ぶように配置される。図8Aに示されているように、第2の延長パネル760の周囲セクションに沿った曲率(DC3-DC4)は、第1の延長パネル750の周囲セクションに沿った曲率(DC1-DC2)よりも大きい。
【0109】
次に、図8Cを参照すると、図7A図7Bに示すように、後部パネル720または795に取り付けられるように構成された第3のタイプの延長パネル770(以下、「第3の延長パネル770」)の透視図が示されている。第2の延長パネル760と同様に、第3の延長パネル770は、一般に、上部領域860、左下部領域862、および右下部領域864を含む多角形(例えば、六角形構成)で構成される。第3の延長パネル770の上部領域860と下部領域862/864とを交差するカンチレバー支持部870は、カンチレバー支持部870のチャネル874にロッド900が挿入されたときに、カンチレバー支持部870の一部として配置された1つ以上のファスナー872と係合するようにサイズ設定された、図9の高さ設定開口部905を有する頸部カラー調整ロッド900を固定および維持するように構成されている。
【0110】
左下領域862には、第1のストラップスロット890が設けられており、第3の延長パネル770が第1の後部パネル720に取り付けられると、第1の後部パネル720の第1のストラップガイド734と水平に揃うように配置されている。同様の向きで、第2のストラップスロット892は、第3の延長パネル770が第1の後部パネル720に取り付けられると、第2のストラップガイド735と水平に揃うように配置されている。1つ以上のロック突起895のそれぞれは、カンチレバーサポート870と対応するストラップスロット890/892の間に配置することができ、図7Aに示すように、後部パネル(例えば、第1の後部パネル720)のロックスロット730にしっかりと結合されるサイズになっている。
【0111】
ここで図9を参照すると、図7Aの後部装具システム714と図8Cの第3の延長パネル770の背面図が示されている。カンチレバーサポート870には、さらに、切り抜き領域910を介して第3の延長パネル770の左下領域862および右下領域864の一部から外れた密閉端部900が含まれている。切り抜き領域910は、(i)第3の延長パネル770の左下領域862の後面920とカンチレバーサポート870の第1のレール930との間、および(ii)第3の延長パネル770の右下領域864の後面925とカンチレバーサポート870の第2のレール935との間の分離を構成する。接続時に、安定化コンポーネント950がスライド可能に係合するため、第1の後部パネル720の上部周囲940が切り抜き領域910に挿入される。安定化スロット736により、第3の延長パネル770の横方向の安定性がさらに高まる。したがって、カンチレバーサポート870は第1の後部パネル720の後方側960に配置され、第3の延長パネル770の他の部分(例えば、第1および第2の下部領域862および864)は第1の後部パネル720の前方側970に配置される。
【0112】
3.一般的な構造-前部装具システム
ここで図10A~10Dを参照すると、いくつかの実施形態による、前部装具システムを備えた整形外科用装具の例示的な実施形態の複数の正面透視図が示されている。図10Aを参照すると、整形外科用装具システム1100の前部装具システム1110が示されており、前部パネル1120、前部パネル1120に結合され、そこから上方向に延びる延長ロッド1140、及びそこから横方向に延びる第1および第2の伸縮側方パネル1130A、1130B(総称して側方パネル1130)を含む。ここで、側方パネル1130は、任意のタイプの硬化した柔軟なプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリカーボネートなどのシート)などの剛性又は半剛性の材料で作られ得る。その結果、側方パネル1130は、整形外科用装具システム1100の横方向のサポートを提供するために、凹形状に角度を付けて曲げられ得る。
【0113】
図に示すように、前部パネル1120には、延長ロッド1140を受け入れるための開口レセプタクルが含まれ、延長ロッドロックメンバー1128は、開位置と閉位置の間で回転して、延長ロッド1140を特定の位置でロック(または保持)する。ここで、延長ロッド1140の位置とは、延長ロッド1140が上方向に伸びる量を指す。前部パネル1120には、前側に配置された一対のロック機構1124A、1124B(総称してロック機構1124)も含まれ、ロック機構1124は、側方パネル1130の前側に配置された留め具材料と係合(結合)するように構成されている。
【0114】
さらに、ロック機構1124はそれぞれ、ヒンジ1126A、1126B(総称してヒンジ1126)の周りを回転するように構成された回転可能なロック部材1127A、1127B(総称してロック部材1127)と、第1のファスナー材料を含むファスナー部分1125A、1125B(総称してファスナー部分1125)とを含む。ロック部材1127は、対応するヒンジを中心に、開位置と閉位置(またはロック位置)の間で回転するように構成されている。閉位置とは、ロック部材が側方パネル1130の前側に接触する位置にあることを意味する。開位置とは、ロック部材が閉位置以外の位置にあることを意味する。さらに、ロック部材は第1および第2の側面を含み、第1の側面には第1のファスナー材料が含まれ、第2の側面には第2のファスナー材料が含まれる。第1の側面とは、ロック部材が閉位置にあるときの前側を指し、第2の側面とは、ロック部材が閉位置にあるときの後側を指す。したがって、第2の側面は、ロック部材(たとえば、回転可能なロック部材1127Aまたは1127B)が閉位置にあるときに側方パネル1130の前側に接触するように構成されている。
【0115】
さらに、「第1のファスナー材料」および「第2のファスナー材料」という用語は、フック・ループファスナーシステムの補完的な構成要素を指し、第1のファスナー材料と第2のファスナー材料とは接触すると結合するように構成されている。
【0116】
さらに、図10Aは、側方パネル1130が後側にフィラー1131A、1131B(総称してフィラー1131またはパッド1131)を備え、パッド1131が患者の体に接するように構成されていることを示している。さらに、各側方パネル1130は、その前側の一部に、前述の回転可能なロック部材1127に配置された第1のファスナー1129と相補的な第2のファスナー1135A、1135B(総称して第1のファスナー1135)を備えている。側面パネル1130には、サイズ標識1137A1-xおよび1137B1-x図10Aではx≧1、x=3)(総称して標識1137)も含まれてもよい。標識1137は、大(1137A、1137B)、中(1137A、1137B)、小(1137A、1137B)などの所定のサイズ設定を表す。表示1137B1-xは、単に1137Bとして表されることに留意された。したがって、表示1137は、側方パネルを特定のサイズ設定に伸長または収縮するための医療専門家のサイズ設定パラメータを提供する。その結果、サイズ表示1137は、医療専門家(または装着者)が、前部装具システム1110を事前設定されたサイズに配置するために、各側方パネル1130を伸長または収縮させる量を迅速に決定できるようにするという利点を提供する。
【0117】
要約すると、図10Aの前部装具システム1110には、前側に配置された第1および第2のロック機構を備えた前部パネル1120が含まれており、これらは開位置と閉位置の間で回転するように構成されている。さらに、前部装具システム1110には、ガイドポスト2120(図11参照)を介して前部パネル1120の後側に結合された第1および第2の側方パネル1130が含まれ、側方パネル1130は内側/外側方向に伸縮するように構成されている。前部装具システム1110は、患者の前胴体に対して支えられるように構成されており、側方パネル1130の伸長または収縮によって患者に合わせたサイズに調整される。患者の胴体のサイズに基づいて側方パネル1130が所望の量だけ伸長されると、ロック部材1127が開位置から閉位置まで回転する。このとき、側方パネルの第1のファスナー材料がロック部材の第2のファスナー材料に接触して両者が結合し、側方パネルが所望の位置(たとえば、所望の伸長量)でロックされる。側方パネルの伸長および収縮、ならびに所望の位置でのロックは、図10A-10Dに示されており、以下でさらに説明する。
【0118】
図10Aには、延長ロッド1140の遠位端に結合されたウィッシュボーン延長カプラ(ウィッシュボーンカプラ)1150も示されている。ウィッシュボーンカプラ1150は、挿入機構1165A、1165B(総称して挿入機構1165)を介してサポート胸部プレート1160にさらに結合されているように示されている。サポート胸部プレート1160には、後方側にパッド1170が配置された状態で示されている相補的なバックル(図18Bおよび図20Kを参照)を受け入れるように適合されたスナップコネクタ1167が含まれている。以下に説明するように、ウィッシュボーンカプラ1150は、延長ロッド1140を介してさまざまなアタッチメントを前部パネル1120に結合できるように構成されている。前述のように、整形外科用装具がTLSO配置用に構成されている場合、ウィッシュボーンカプラ1150はサポート胸部プレート1160に結合し、CTLSO展開用に構成されている場合、ウィッシュボーンカプラ1150は頸椎ブレースに結合する(図16A~16Cを参照)。
【0119】
ここで図10Bを参照すると、第1の側方パネル1130Aは、完全に伸長した位置にある第1の側方パネル1130Aを示す図10Aと比較して、収縮した位置で示されている。特に、第1の側方パネル1130Aは、図10Aに示す完全に伸長した位置から、標識1137Aで示される「中」の事前構成サイズまで収縮(内側方向にスライド)されている。例えば、前部装具システム1110は、前部パネル1120の外側(横方向)エッジ1124Aをいずれかの標識1137A1-xと位置合わせすることにより、所定のサイズ設定に従ってサイズ設定することができる。図示のように、前部装具システム1110は、標識1137A(「中」)に従ってサイズ設定されている。図10Bは、ロック部材1127Aが開いた位置にあることも示しており、これにより、側方パネル1130Aを容易に伸縮させることができる。
【0120】
次に、図10Cを参照すると、ロック部材1127Aは閉じた位置で示されており、ロック部材1127Aの第2の側面と側方パネル1130Aの前側に配置された留め具材料が結合している。この結合により、側方パネル1130Aが現在の位置に効果的にロックされる(例えば、ロック部材と側方パネルが結合解除されるまで、それ以上の伸長または収縮は許可されない)。ロック部材1127Aと側方パネル1130Aとは、ロック部材1127Aを側方パネル1130Aから引き離す力を使用することによって結合解除(その後伸長または収縮)することができる。
【0121】
図10Dを参照すると、第2の側方パネル1130Bは完全に伸長した位置にあり、ロック部材1127Bは閉じた位置にある。したがって、側方パネル1130Bは、ロック部材1127Bと側方パネル1130Bとが分離されるまで、現在の位置にロックされる。
【0122】
ここで図11を参照すると、いくつかの実施形態に従って、図10A-10Dの前部装具システムの例示的な実施形態の背面透視図が示されている。図11の背面図は、前部装具システム1110の後方側(または内側)2000を示している。図示のように、各側方パネル1130Aおよび1130Bには、それぞれガイドチャネル2100A1-2および2100B1-2(総称してガイドチャネル2100)のセットが含まれている。各ガイドチャネル2100A1-2および2100B1-2は、対応するガイドポスト2120A1-2、2120B1-2(総称してガイドポスト2120)と結合するように構成されている。図示のように、ガイドポスト2120は対応するガイドチャネル2100に収容され、それによって側面パネル1130がガイドポスト2120に沿ってスライド(伸縮)できるようになる。
【0123】
ガイドチャネル2100は、側方パネル1130の容易な、制限のない、または妨害のない動きを可能にする滑らかなエッジを備えていることが示されていることに留意されたい。ただし、一部の実施形態では、ガイドチャネル2100には、側方パネル1130の動きにいくらかの抵抗を与えるさまざまな隆起または切り込みが含まれていてもよい。例えば、ガイドチャネル2100のエッジはギザギザになっているか、一連の交互の山と谷を含んでいてもよい。他の実施形態では、ガイドチャネル2100には、サイズ標識1137に対応する間隔で切り込みまたは溝のいずれかが含まれる。
【0124】
本開示の一実施形態によれば、ガイドポストは、前部パネル1120から後方に延びる柱状体を含み、柱状体は対応するガイドチャネル2100内に配置される。柱状体の遠位端は、ガイドチャネル2100の幅よりも大きいサイズの後部キャップを含み、側方パネル1130と前部パネル1120との間の結合を維持するように動作する。後部キャップは、図示のように円形の断面を含むなど、さまざまな形状をとることができる。さらに、組み立て時に、柱状体は前部パネル1120の開口部に配置され、前端には、柱状体が開口部を完全に貫通するのを防ぐ前部キャップが含まれる場合がある(図10Dを参照)。側方パネル1130は、各ガイドポスト2120の柱体が側面パネルの対応するガイドチャネル2100内に配置されるように、前面パネル1120と結合することができる。その後、後部キャップを各ガイドポスト2120に取り付けることができる(例えば、ねじ留め具または接着剤を介して)。
【0125】
さらに、各側方パネル1130の前面には、フィラー4000A、4000B上に配置された対応するファスナー材料と結合するように構成されたファスナー材料2220A、2220Bの1つ以上のストリップが含まれる場合があり(図13Aおよび13Bを参照)、またはフィラー4000A、4000Bの前面と直接結合される場合もあり得る。
【0126】
ここで、図12Aを参照すると、いくつかの実施形態による、図10A-10Dの前部装具システム1110の前方パネル1120の正面透視図が示されている。図12Aに示される前部装具システム1110は、側方パネル1130またはそれに結合された延長ロッド1140のない前部パネル1120を示している。さらに、前部パネル1120は、図10A-11に示されるファスナー材料のオーバーレイ無しで示されている。したがって、図12Aは、ロック機構1124、特にロック機構1124Aの構成要素を明確に示している。特に、ロック部材1127Aは、閉じた位置にあり、ヒンジ1126Aはロック部材1127Aが回転する位置にある。さらに、ヒンジ1126Aを前面パネル1120に結合し、図10A~11のファスナー材料のオーバーレイの下に配置されるヒンジ取り付け部分3004Aが示されている。
【0127】
ファスナー部分1125の輪郭は、ファスナー部分1125Aがベース部分3000Aと、ベース部分3000Aから横方向に延び、ロック部材1127Aが閉じた位置にあるときにそれを部分的に取り囲む2つの部分3002A1-2を含むように示されている。いくつかの実施形態では、前部パネル1120は、中間本体部分3100と、中間本体部分3100の横方向に配置される横方向部分3105A1-2、3105B1-2に分割されてもよい。例えば、ファスナー部分1125Aの2つの部分3002A1-2は、側方部分3105A1-2上に配置されてもよい。同様に、図示されていないが、ファスナー部分1125Bの2つの部分3002B1-2は、側方部分3105B1-2上に配置されてもよい。
【0128】
図12Bを参照すると、いくつかの実施形態に従って、第1の側面にある縫製チャネルを示す図12Aの前面パネルの背面透視図が示されている。図12Bの背面透視図は、前部パネル1120の前面を示し、縫製チャネル3110、3115の1つの実施形態を示している。いくつかの実施形態では、ファスナー部分1125Aは、縫製チャネル3110、3115に沿って前部パネル1120に縫い付けられてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤がさらに使用され、他の実施形態では、接着剤が代替として使用されてもよい。
【0129】
図13A-13Bを参照すると、いくつかの実施形態に従って、図13A-13Bの前部パネルにフィラーが取り付けられた状態の背面透視図が示されている。図13Aは、フィラー(パッド)4000A、4000Bが側方パネル1130の前面に配置され、患者に当接するように構成され、側方パネル1130と患者の体との間にクッション性を提供する様子を示している。パッド4000A、4000Bは、1つ以上のファスナー材料ストリップ2220A、2220Bを介して側方パネル1130の前面と結合することができる。いくつかの実施形態では、パッド4000A、4000Bの前面には、補完的なファスナー材料ストリップ(図示せず)が含まれている。他の実施形態では、図示のように、パッド4000A、4000Bの後側は、ファスナー材料ストリップ2220A、2220Bに直接結合する。他の実施形態では、スナップファスナーやボタンなどのさまざまな留め具手段が利用されてもよい(この場合、前部パネルとパッド4000A、4000Bのそれぞれに、スナップファスナーとボタン留め機構の補完的なコンポーネント(たとえば、ボタンとレセプタクル)が含まれる)。図13Bは、中央胴体パッド4100が患者の体と前部装具システム1110の間に配置される場合もあることを示している。図示されていないが、パッド4100は、1つ以上のファスナー材料ストリップ、スナップファスナー、および/またはボタンを使用して前部パネルの前側に結合されてもよい。
【0130】
図14を参照すると、いくつかの実施形態による図10A-10Bの前部装具システムの底面透視図が示されている。特に、図14は、側方パネル1130が伸長または収縮して、前部パネル1120とパッド4100との間で動きが生じることを示している。さらに、図14は、ロック部材1127、すなわちロック部材1127Aおよび1127Bのそれぞれが開位置にあることを明瞭に示している。開位置にあるとき、ロック部材1127は、前部パネル1120から外側に伸びるフラップに似ている。
【0131】
図15A-15Cを参照すると、いくつかの実施形態による、図10A-10Dの前部装具システムの実施形態の様々なサイズの前部パネルの追加の正面透視図が示されている。図15A-15Cの前部パネルのサイズのバリエーションは、本明細書に開示される前部装具システム1100の相互運用性/互換性の1つの側面を強調している。特に、図15Aの前部パネル1120(および図10A-14のいくつかにも示されている)は、標準サイズの前部パネルと呼ばれ、第1の高さ(HSTD)を有するものとして示される。対照的に、図15Bの前部パネル6000は、HSTDよりも低い第2の高さを持つプチサイズの前部パネルと呼ばれることがあり、図15Cの前部パネル6100は、HSTDよりも高い第3の高さを持つグランデサイズの前面パネルと呼ばれることがある。
【0132】
前部パネル1120、6000、6100のサイズは異なる場合があるが、それぞれが側方パネル1130および延長ロッド1140との接続を維持する。場合によっては、延長ロッド1140と比較して短縮された延長ロッドが前部パネル6000で使用されてもよい。延長ロッド1140と短縮された(または延長された)バージョンの両方が、前部パネル1120、6000、6100のいずれか、およびウィッシュボーンカプラ1150と接続することができる。
【0133】
したがって、医療専門家は、患者のサイズに応じて、他のコンポーネントは同じまま、前部パネル1220、6000、6100のいずれかを別のバージョンに簡単に交換すうrことができる。場合によっては、延長ロッド1140の代わりに短縮された延長ロッドを使用することができる。
【0134】
4.一般的な構造-ウィッシュボーンカプラおよび頸胸部装具クリップ
図10A-15Cでは、前部装具システム1100が図示され、前部パネルと伸縮側方パネルの組み込み、伸縮側方パネルの操作性、およびロック機構を開いた状態から閉じた状態に移行させることで所定の位置にロック可能であることが詳細に説明されている。その結果、伸縮側方パネルは特定のサイズ構成でロックすることができる。さらに、図10A-15Cの多くには、前部パネルから上方遠位方向に延びる延長ロッドが含まれており、延長ロッドの遠位端には、サポート胸部プレートまたは頸部胸部装具(CTO)クリップのいずれかに結合されたウィッシュボーンカプラが含まれている。図16A-16C、および、それに続く説明では、ウィッシュボーンカプラとCTOクリップへの結合の態様について詳しく説明している。ただし、ウィッシュボーンカプラのCTOクリップへの結合は、ウィッシュボーンカプラをサポート胸部プレートに結合する場合と同じように機能する(図10A-10Dを参照)。したがって、ウィッシュボーンカプラのCTOクリップへの結合に関する以下の説明は、ウィッシュボーンカプラのサポート胸部プレートへの結合にも同様に当てはまる。
【0135】
ここで図16Aを参照すると、いくつかの実施形態による、延長ロッド1140と頸椎装具に結合された頸部胸部装具(CTO)クリップ7100とを結合するウィッシュボーン(延長)カプラ1150の前方右側斜視図が示されている。延長ロッド1140の遠位端は、CTOクリップ7100に回転可能に結合されたウィッシュボーンカプラ1150に結合されて示されている。CTOクリップ7100は、頸部カラー200(例えば、頸部装具)に結合され、具体的には胸部サポート装具202に結合されている。頸部カラー200は、さらに前方頸部カラー部分204を備える。
【0136】
延長ロッド1140は、延長ロッド1140の遠位端をウィッシュボーンカプラ1150の底部(下端)に位置する受容キャビティ7001に挿入することによって、ウィッシュボーンカプラ1150に結合することができる。延長ロッド1140は、1つ以上のラッチまたはノッチ(図示せず)の相互接続によって受容キャビティ7001内に保持することができる。
【0137】
ウィッシュボーンカプラ1150は、本体部分7000、受容キャビティ7001、および本体部分7000から上方向に遠位に伸びる延長アーム70021-2(総称して延長アーム7002)を含む。図に示すように、延長アーム7002はウィッシュボーン形状を形成し、延長アーム7002はそれぞれ、ウィッシュボーンカプラ1150の中心線に対してわずかに反対の角度で上方向に遠位に伸びる。この構造により、延長アーム7002の間に開口部7003が作成される。延長アーム7002は遠位端70041-2(総称して遠位端7004)で終了し、遠位リッジ70051-2(総称して遠位リッジ7005)および遠位接続リム70061-2(総称して接続リム)も含み、接続ノブ70071-2(総称して接続ノブ7007)は、遠位接続リム70061-2の末端に配置されている(図16C参照)。
【0138】
ウィッシュボーンカプラ1150をCTOクリップ7100に結合する際、遠位接続リム7006はCTOクリップ7100の受容コンポーネント71061-2内に伸長する。図16Aは、CTOクリップ7100の前面を示しており、これには、第1および第2の延長部71041-2(総称して第1および第2の延長部7104)から形成された本体部分7102と、下部支持部分7112が含まれている。第1および第2の延長部7104には、接続リム7006を受け入れ、接続ノブ7007を収容するように構成された第1および第2の受容コンポーネント71061-2(総称して受容コンポーネント7106)が含まれている。受容コンポーネント7106には、キャビティ71081-2(総称して、キャビティ7108)とスロット71101-2(総称してスロット7110)が含まれている。
【0139】
CTOクリップ7100には、頸部カラー200の胸部支持装具202の上部と結合する上部リッジ71051-2(総称して上部リッジ7105)も含まれており、これも図16Bに示されている。図16Bを参照すると、いくつかの実施形態に従って、延長ロッドと、図16Aの頸部装具に結合されたCTOクリップとを結合するウィッシュボーン延長カプラの背面透視図が示されている。後部ノッチ71141-2は、上部リッジ7105から延び、胸部支持ブレース202の後側を掴む。さらに、CTOクリップ7100の下側後部クリップ7115が示されており、下側ブリッジ部71171-2は、図16Aに示すように、下側後部クリップ7715をCTOクリップ7100の前側7113に結合する。開口部7116は、下側ブリッジ部71171-2の間に形成され、CTOクリップ7100の舌部206を受け入れるように構成されてもよい。
【0140】
図16Cを参照すると、いくつかの実施形態による、図16Aの頸椎装具に結合された延長ロッドとCTOクリップとを結合するウィッシュボーン延長カプラの側面透視図が示されている。図16Cは、頸椎装具(頸椎カラー)200に隣接するウィッシュボーンカプラ1150の図を示している。上述のように、図16Cは、遠位リッジ7005、接続リム7006、および接続ノブ7007を含む延長アーム7002の遠位端7004の図を示している。
【0141】
ここで、図16Dを参照すると、いくつかの実施形態に従って、延長ロッド1140と頸椎装具に結合された頸部胸部装具(CTO)クリップ7200とを結合するウィッシュボーンカプラ1150の第2の実施形態の透視図が示されている。延長ロッド1140の遠位端は、CTOクリップ7200に回転可能に結合されたウィッシュボーンカプラ1150に結合されている。CTOクリップ7200は、頸椎カラー200(例えば、頸椎装具)に結合されている。
【0142】
延長ロッド1140は、延長ロッド1140の遠位端をウィッシュボーンカプラ1150の底部(下端)に位置する受容キャビティ7300に挿入することによって、ウィッシュボーンカプラ1150に結合することができる。延長ロッド1140は、1つ以上のラッチまたはノッチ(図示せず)の相互接続によって受容キャビティ7300内に保持することができる。
【0143】
ウィッシュボーンカプラ1150は、第1の本体部分7310、実質的に水平な回転軸を向いたヒンジ7325によって第1の本体部分7310に回転結合された第2の本体部分7320、および第2の本体部分7320から上方向に遠位に伸びる延長アーム73301-2(総称して延長アーム7330)を含む。図に示すように、延長アーム7330はウィッシュボーン形状を形成し、延長アーム7330はそれぞれ、ウィッシュボーンカプラ1150の中心線に対してわずかに反対の角度で上方向に遠位に伸びている。この構造により、延長アーム7330の間に開口部7340が作られる。延長アーム7330は遠位端73351-2(まとめて遠位端7335)で終わり、CTOクリップ7200の結合部材7210に回転結合されるように適合されている。
【0144】
ウィッシュボーンカプラ1150を連結するために、CTOクリップ7200には、第1のセットのファスナー部材72201-2(総称してファスナー部材7220)も含まれています。一例として、ファスナー部材7220は、CTOクリップ7200の一部として統合された「Dリング」ファスナーを構成することができる。Dリングファスナー72201-2は、第1のサポートストラップ72301-2を受け入れるように構成されており、各第1のサポートストラップ72301-2には、第1の端部72351-2と第2の端部72401-2が含まれている。より具体的には、第1のサポートストラップ7230の第1の端部7235は、Dリングファスナー7220にしっかりと取り付けられている。この取り付けは、Dリングファスナー7220に挿入した後、第1の端部7235の反対側の表面に沿って配置された相補的なフック・ループファスナー(UBL素材)によって実現することができる。同様の配置が、Dリングファスナー7220と第1のサポートストラップ7230の第2の端部7235の間で発生してもよい。
【0145】
図16Dにさらに示すように、第2の端部72401-2の各々の遠位部には、ブラケット72451-2が設けられ、このブラケット72451-2は、第2の支持ストラップ72551-2の遠位端にそれぞれ向けられた補完ブラケット72501-2に固定される。より具体的には、第1の支持ストラップ7230のブラケット7245は、第2の支持ストラップ7255の補完ブラケット7250にしっかりと取り付けられている。同様に、第2の支持ストラップ7230のブラケット7245は、第2の支持ストラップ7255の補完ブラケット7250にしっかりと取り付けられている。支持ストラップ72551-2は、着用者の腋窩の下に伸びていてもよい。
【0146】
5.側方パネルロックアウト
図17Aに示すように、後部装具システム110と前部装具システム1110との間の接続は、伸縮側方パネル210(例えば、第1の側方パネル8010と第2の側方パネル8015)に取り付けられたベルト部材240(例えば、第1のベルト部材8000と第2のベルト部材8005)と、これらの装具システム110と1110との間に延びる支持ストラップ8020とによって部分的に達成される。より具体的には、図17A-17Bにさらに示すように、後部装具システム110のベルト部材8000/8005および伸縮側方パネル8010/8015を所望の長さ(サイズ)まで延長した後、伸縮側方パネル8010および8015を部分的に巻き付け(通常は着用者の腰の周り)、前部装具システム1110の延長された側方パネル8030および8035に少なくとも部分的に重ね合わせることができる。特に、伸縮側方パネル8010および8015は、前部装具システム1110を取り付けた後、着用者の側部に隣接したままになるように、曲率をつけて伸びて曲がっている。各ベルト部材240の第1の部分は、プーリーサブシステムから伸び、図4Cに示すように、対応する側面パネルの上に重なる。各ベルト部材8000/8005の第2の部分8040/8045は、前部装具システム1110の適合された側方パネル8030および8045を超えて延び、前部パネル1120の前面8050に取り付けられる。この取り付けは、ループ・フックファスナーによって実現することができる。ループ・フックファスナーでは、前部パネル1120の前面8050に切れ目のないループ(UBL)ファブリック8060が配置され、ベルト部材8000/8005の第2の部分8040/8045の背面8070/8075には、UBLファブリック8060に取り付けるためのフックが含まれている。
【0147】
本発明の一実施形態によれば、ベルト部材8000/8005の第2の部分8040/8045のそれぞれ、特にベルト部材8000/8005の第2の部分8040/8045の遠位端8042/8047は、幅方向(縦方向)に配向された剛性部分8080を含む。例えば、図17Cに示すように、剛性部分8080が、第2の部分8040の遠位端8042を覆う布地8082の下に挿入されている。第1のガイドストラップ8090は、第1のベルト部材8000の第2の部分8040の一部として含まれる遠位端8042において、布地8082の一部として一体化されている。第1のガイドストラップ8090は、一体化された剛性部分8080から縦方向に配向され、第1のガイドストラップ8090が図17Bに示すように第1動作状態に置かれると、ループ構造を形成する。詳細には示されていないが、図17Bに示すように、同じ構造が第2のベルト部材8005にも適用される。
【0148】
図17Cに戻ると、第1のガイドストラップ8090は、第1の表面8110(後向き表面)上に配置されたフックファスナー8100を含み、第2のガイドストラップ8140の第1(前向き)表面8130上に展開されたUBLファブリック8120に取り付けられ、前部パネル1120の前面8050から延びるループを形成する。
【0149】
ここで、第1および第2のガイドストラップ8090/8140は、切断されて第2の動作状態に置かれてもよい。この状態では、図17Dに示すように、装着者(または第三者)がアクセス可能なループを形成するために互いに接続され、前部パネル1120の前面8050上に配置される代わりに、第1および第2のガイドストラップ8090/8140は切断され、前部装具システム1110の前部パネル1120のエッジ部8150に巻き付けられ、第1のガイドストラップ8090のフックファスナー8100は、第2のガイドストラップ8140(図示せず)上に配備されたUBLファブリック8120にしっかりと取り付けられてもよい。その結果、ベルト部材8000は前部パネル1120に接続され、着用者は、このベルト部材8000を前部パネル1120から外すことによって、整形外科用装具から抜け出すことが防止される。代わりに、第2のベルト部材8005は、前部パネル1120の前面8050のUBLファブリック8060に取り付けられているため、第1の動作状態のままである。その結果、第2のベルト部材8005の遠位端8047にあるガイドストラップ8160および8165によって形成されたループハンドルを掴むことで、着用者は第2のベルト部材8005を前部パネル1120から外して、側面の開口部から着用者が整形外科用装具を取り外せるようになる。
【0150】
6.サポートストラップの構成
図18A-18Bを参照すると、後部装具システム110と前部装具システム1110との間の接続も、図示のように、第1のセットのサポートストラップ(例えば、第1のサポートストラップ8500)および第2のセットのサポートストラップ(例えば、第2サポートストラップ8600)などのサポートストラップ8020を介して達成される。第1のサポートストラップ8500は、着用者の肩の上に展開することができ、第1のサポートストラップ8500は、延長パネル8570のストラップスロット8560を利用して展開されるが、ストラップガイド8580は、第1のサポートストラップの固定点として使用されてもよい。図示されていないが、第1のセットのサポートストラップに属する別のサポートストラップは、図18Aに示すように、ストラップスロット8565またはストラップガイド8585によって固定されてもよい。同様に、第2のサポートストラップ8600は、着用者の腋窩の下に配置されてもよい。ここで、第1のサポートストラップ8500は、第1のセットのサポートストラップの配置を示し、第2のサポートストラップ8600は、第2のセットのサポートストラップの配置を示す。
【0151】
特に、図18Aに示すように、第1のサポートストラップ8500は、第1の端部セグメント8510と第2の端部セグメント8550とを含む。第1の端部セグメント8510は、フック・ループファスナーシステム8520を含むことができる。例えば、ループファスナー8530は、図18Aに示すように、第1の端部セグメント8510の第1の表面8515(例えば、上向きの表面)上に配置することができる。したがって、第1の端部セグメント8510の遠位端8540が、(i)後部装具システム110の延長パネル8570内に配置されたストラップスロット8560(例えば、図7Aのストラップスロット755/765に相当)または(ii)後部パネル120のストラップガイド8580(例えば、図7Aのストラップガイド136に相当)の開口部8582/8584の1つに挿入され、折り返された後、フックファスナー8535がループファスナー8530に固定され得る。これにより、第1のサポートストラップ8500が後部ブレースシステム110に接続される。図18Bに示すように、第2の端部セグメント8550には、図10Aのサポート胸部プレート1160に取り付けるためのバックル8590が第2の端部セグメント8550の遠位端に配置されている。サポート胸部プレート1160の各スナップコネクタ1167に複数のバックルを同時に接続することができる。
【0152】
より具体的には、第1のサポートストラップ8500を後部装具システム110と前部装具システム1110との間に接続するために、第1の端部セグメント8515は、第1のサポートストラップ8500を着用者の肩の上に配置するために、1つ以上のストラップ保持部材(例えば、延長パネル8570のストラップスロット8560または後部パネル120のストラップガイド8580)によって固定されるように配置される。本開示の一実施形態によれば、ストラップ保持部材は、延長パネル8570の上部に向かって形成された単一のスロット(例えば、ストラップスロット8560)を含むことができ、このスロットには、第1の支持ストラップ8500の第1の端部セグメント8510の遠位端8540がストラップスロット8560の前側から後側に挿入され、図示のように延長パネル8570の上部にループバックされる。第1の端部セグメント8510の遠位端8540は、第1の端部セグメント8510の別の部分に取り付けられ、延長パネル8570に固定されたループ端を形成する。
【0153】
あるいは、図示されていないが、第1のサポートストラップ8500は、後部パネル110の上部内に形成されたストラップガイド8580に、開口部をまたぐように配置された部材8583によって結合され、第1の開口部8582および第2の開口部8584を形成する。第1の開口部8582および第2の開口部8584は、延長パネルの下部に向かって配置されたストラップスロット(図示せず)と一列に並んでおり、ストラップスロットには、必要に応じて第1のサポートストラップ8500をストラップスロットに挿入したり、ストラップスロットから戻したりできる領域の開口部がある。図示の例として、第2のサポートストラップ8600で示されているように、そのサポートストラップの遠位端は、ストラップガイド8580の第2の開口部8584に挿入され、ループファスナーに直接取り付けられるか、ストラップガイド8580の第1の開口部8582にループバックされる。その結果、部材8583は、サポートストラップの第1の端部セグメントの終端点として構成され、単一の開口部8582または8584がサポートストラップの取り付け点として使用される場合(サイズ調整用に複数の開口部が提供される場合)、または開口部8582および8584の両方が使用され、部材8583が取り付け点として機能する。
【0154】
図18A-18Bに示すように、第1のセットのサポートストラップ(例えば、第1のサポートストラップ8500および補完的なサポートストラップ(図示せず))が、延長パネル8570の上部に向かって形成されたストラップスロット8560および8562に結合されている場合、1つ以上のサポートストラップ(例えば、第2のサポートストラップ8600)が、上記のストラップガイド8580および/または8585に結合され、着用者の腋窩の下の後部装具システム110と前部装具システム1110との間に延びることができる。これにより、整形外科用装具のさらなる固定性が提供される。
【0155】
7.整形外科用装具の装着方法-サイズ設定
図19A-19Iを参照すると、整形外科用装具を着用者に装着するための装着プロセスの第1の例示的な実施形態が示されている。ここでは、図19A-19Dに示すように、各ベルト部材(例えば、図17Aの第2のベルト部材8005)は、図6A-6Dで説明した内部(またはオプションで外部)サイズ設定プロセスに従ってサイズ調整されてもよい。このサイズ設定プロセス(図19A-19E)はオプションであり、後部装具システム110は、装具士が装着プロセスを開始する前にサイズ調整されてもよいし、後部装具システム110は、後方ベルトを調整することなく大多数の患者にフィットするように製造されサイズ調整されてもよい。この場合、患者のサイズの違いは、前部装具システム1110によって対応されてもよい。
【0156】
ここで、本開示の一実施形態によれば、内部サイズ設定プロセスに従って、各ベルト部材(例えば、図17Aの第2のベルト部材8005)の第1の部分9000は、プーリーサブシステムのプーリーベース154のベルトスロット156に通され、ベルト部材8005の内面9010の所定の領域に折り返される端部9005を含む。その結果、端部9005は、伸縮側方パネル8015と直接接触する。ここで、端部9005は、フックファスナー9020を含み、所定の領域は、内面9020上に位置するUBLファブリック9025を特徴とし、ベルト部材8005は、上記で説明され、図6A-6Bに示されているように、指標によってサイズ設定され得る。
【0157】
図19C-19Dに示すように、本開示の一実施形態および外部サイズ設定プロセスによれば、各ベルト部材(例えば、図17Aの第1のベルト部材8000)の第1の部分9030には、プーリーサブシステムのプーリーベース1541のベルトスロット1561に通される端部9035が含まれる。第1の部分9030は、ベルト部材8000の外面9040上の所定の領域に折り返される。その結果、端部9035は伸縮側方パネル8010と反対側を向き、一実施形態によれば、端部9035は伸縮側方パネル8010のすぐ後ろに配置される。端部9035は、ベルト部材8000の外面9040の上または下に折り返されてもよい。これは、ベルト部材8000の上部/下部表面の大部分にUBLを配置することで実現することができる。
【0158】
図19Eに示すように、例示的な実施形態として、側方パネル(例えば、側方パネル8015)は、ベルト部材8005のサイズを表す目印(マーク)に従ってサイズ設定されてもよい。その結果、側方パネル8015は、ベルト部材8005に取り外し可能に接続される。したがって、図19Fに示すように、ベルト部材8005と側方パネル8015の両方に取り付けられたハンドル9045を引くと、ベルト/パネルの組み合わせ8005/8015は、規定のサイズまで伸長される。あるいは、各ベルト部材8000または8005の内側に縫い付けられたウェビングは、それぞれ対応する側方パネル8010または8015に引っ掛けるように構成される。したがって、ベルト部材(例えば、ベルト部材8000)の端部を引っ張ると、側方パネル(例えば、側方パネル8010)も一緒に引っ張られる。
【0159】
図19Gを参照すると、整形外科医は、前部装具システム1110の第1および第2の伸縮側方パネル1130A、1130Bを調整するが、この調整は、ベルト部材用に選択されたサイズに対応してもよい。しかしながら、側方パネル1130A、1130B用に選択されたサイズは、着用者に対する整形外科用装具の締め付け具合を調整するために独立していてもよいと考えられる。側方パネル1130A、1130Bのサイズは、前部パネル1120の側縁9050に揃えられた側方パネル1130A、1130Bに設けられた標識1137に基づいていてもよい。
【0160】
ここで図19H-19Iを参照すると、後部装具システム110は、後部パネル120の後面9060が表面(テーブル、地面など)に載るように配置されており、充填材115(パッド)は後部パネル120の前面9065に配置されている。前部装具システム1110の後側9070は、着用者の胸部の上に載るように配置され、後部パネル120の前面9065に面している。ベルト部材8000および8005は、前部パネル1120の前面8050に取り付けられたUBLファブリック8060に取り付けられるように、前部パネル1120の前面8050に向かって移動される。さらに、指定されたプーリーコード(例えば、コード1801)を介してプーリーサブシステムに結合されたハンドル(例えば、ハンドル1851)を調整して、UBLファブリック8060に取り付けることもできる。
【0161】
8.整形外科用装具の装着方法-装着
図20A-20Kを参照すると、整形外科用装具を着用者に装着するための装着プロセスの第2の例示的な実施形態が示されている。ここでは、図19A-19Iに示すように、整形外科医が装着プロセスを開始する前に、各ベルト部材(例えば、図17Aの第2のベルト部材8005)のサイズを決定してもよい。その結果、図20Aに示すように、後部装具システム110と前部装具システム1110の両方を着用者に装着することができる。
【0162】
図20Bに示すように、着用者9500は、胸部および腰部が、後部装具システム110の前向き部分に置かれたパッド115の上に載った状態で位置付けられる。後部装具システム110の伸縮側方パネル210およびベルト部材8000/8005は、後部パネル120から、着用者9500から離して伸長される。この伸長は、ガイドストラップ8090/8140を後部パネル120から横方向に引っ張ることによって達成することができ、その場合、ベルト部材の遠位端は、図20Cに示すように、伸縮側方パネル210の前側(例えば、伸縮側方パネル210の前側に取り付けられたパッド)への結合から外される。
【0163】
次に、図20Dを参照すると、前部装具システム1110は、着用者9500の腹部上に配置されている。ロック部材1127A/1127Bに関連付けられたファスナー1129A/1129Bは、各側方パネル1130A/1130Bの前側に配置された相補ファスナー1135A/1135Bから取り外されている。図示されるように、本開示の一実施形態によれば、フックファスナー1129A/1129Bは、ファスナー1135A/1135Bとして動作するUBL材料から取り外され、ロック部材1127A/1127Bをロック解除状態にする。この状態では、側方パネル1130A/1130Bは、横方向に調整することができる。
【0164】
より具体的には、図20E-20Fに示すように、第1および第2の伸縮側方パネル1130A/1130Bは、横方向に伸長され、着用者9500の側面を覆うように曲げられてもよい。側方パネル1130A/1130Bが適切なカバー距離まで伸長されると、ロック部材1127A/1127Bは、ロック部材1127A/1127Bの回転によってロック状態になり、ファスナー1129A/1129Bが、各側方パネル1130A/1130Bの前側に位置する補完ファスナー1135A/1135Bの異なる領域に再び取り付けられる。このとき、図20Gに示すように、前部装具システム1110の側方パネル1130A/1130Bは、後部装具システム110の側方パネル210の下に配置される。
【0165】
図20Hを参照すると、前部パネル1120に結合され、そこから上方向に伸びる延長ロッド1140は、サポート胸部プレート1160の位置を調整するために調整されてもよい。代替的に、図示されていないが、整形外科用装具がCTLSOとして作動する場合、延長ロッド1140の調整は、CTO首装具の位置を調整するために行われてもよい。図示されるように、延長ロッドロック部材1128は、開位置と閉位置との間で回転して、延長ロッド1140を特定の位置でロック(または保持)するように構成され、ここで、延長ロッド1140の位置とは、延長ロッド1140が上方向に伸びる量を指す。これは、サポート胸部プレート1160を着用者に適切に配置するために行われる。
【0166】
図20Iに示すように、後部装具システム110および前部装具システム1110が着用者に配置され、整形外科用装具として共同して機能した後、第1のセットのサポートストラップ(例えば、第1のサポートストラップ8500およびサポートストラップ9550)が着用者9500の肩の上または着用者の腋窩の下に配置される。サポートストラップ8500/9550のそれぞれは、ロックブラケット9560/9565を含み、ロックブラケット9560/9565の遠位端の所定の開口部9562/9567がサポート胸部プレート1160の対応するスナップロック9570/9575に係合すると、それぞれがロック位置にスナップする。
【0167】
さらに、図20Jに示すように、後部装具システム110と前部装具システム1110が着用者に配置され、整形外科用装具として共同で機能した後、第2のセットのサポートストラップ(たとえば、第2のサポートストラップ8600)が着用者9500の腋窩の下または肩の上に延長されることがある。後部装具システム110の各伸縮側方パネル(伸縮側方パネル210など)には、第2のサポートストラップ8600に関連付けられたバックル9580を収容できるサイズのバックル取り付け開口部425が含まれている。図に示すように、バックル9580はバックル取付開口部425に挿入され、バックル保持付属部426が係合して、バックル取付開口部425の隆起バー9590によって形成された開口部9585に挿入される。
【0168】
ここで、バックル取付開口部425は装着プロセスを支援する。説明例として、患者または臨床医が後側方パネルを引き出すと、バックル取付開口部425がサポートストラップ8600を外側に引っ張る。その結果、整形外科用装具100に簡単にアクセスすることができる。サポートストラップの他端は、後部背面パネルまたは延長パネルに固定することができる。
【0169】
最後に、図20Iおよび20Kに示すように、第1および第2のセットのサポートストラップを締め、ハンドル185および/または185を正中線に向かって引くことによって、指定されたプーリーコード180および/または180のそれぞれを締めることができまる。この調整により、後部パネル120から伸びる側方パネル520/620が、前部パネル1120から伸びる側方パネル1130の上をスライドする。これにより、パネル520と1130Aおよび620と1130Bが両側で対称的に実現する重なりの量が増加し、それによって整形外科用装具100が着用者にしっかりと固定される。図20Kには、損傷のない整形外科用装具100が示されている。
【0170】
前述の説明では、本発明を特定の例示的な実施形態を参照して説明した。例えば、プーリーサブシステムで動作する伸縮側方パネルと調節可能なベルト部材の組み合わせは、上記の整形外科用装具とは異なる構造のLSO整形外科用装具内に配置することができる。したがって、特定のコンポーネントを異なるタイプの整形外科用装具内に配置することができ、本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を加えることができることは明らかである。

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図19G
図19H
図19I
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図20G
図20H
図20I
図20J
図20K
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数の伸縮側方パネルを含む後部装具システムと、
第2の複数の伸縮側方パネルを含む前部装具システムと、を有し、
前記第1の複数の伸縮側方パネルの第1の伸縮側方パネルは、第1のベルト部材に結合され、前記後部装具システムから第1の横方向に伸長し、前記第1の複数の伸縮側方パネルの第2の伸縮側方パネルは、第2のベルト部材に結合され、前記後部装具システムから、前記第1の横方向とは反対の第2の横方向に伸長しており
前記第2の複数の伸縮側方パネルには、前記前部装具システムから前記第1の横方向に伸長する第3の伸縮側方パネルと、前記前部装具システムから前記第2の横方向に伸長する第4の伸縮側方パネルとが含まれ、
前記第1の伸縮側方パネルおよび前記第1のベルト部材は、前記第1のベルト部材が前記前部装具システムの前記第3の伸縮側方パネルに取り付けられるように湾曲した形状に配置され、前記第2の伸縮側方パネルおよび前記第2のベルト部材は、前記第2のベルト部材が前記前部装具システムの前記第4の伸縮側方パネルに取り付けられるように湾曲した形状に配置されることを特徴とする整形外科用装具。
【請求項2】
前記後部装具システムは、
後部パネルと、
前記後部パネルに結合した後部カバーと、
前記後部カバーに結合されたプーリーカバーと、を備え、
前記後部カバーは、前記後部カバーの前面と前記後部パネルの後面とによって部分的に形成された第1のチャンバーを形成するように構成されており、
前記プーリーカバーは、前記プーリーカバーの前面と前記後部カバーの後面とによって部分的に形成された第2のチャンバーを形成し、
前記第1のチャンバーは、前記第1および第2の複数の伸縮側方パネルを収容するように構成され、前記第1の伸縮側方パネルおよび前記第2の伸縮側方パネルのそれぞれは、前記第1のチャンバーの外側に横方向に伸長するように配置されており、
前記第2のチャンバーは、複数のプーリーベースを含むプーリーサブシステムを収容するように構成されている、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項3】
前記後部カバーの前記後面は、前記後部カバーの前記後面上に形成されたガイドチャネルを備え、
前記ガイドチャネルは、(i)前記複数の前記プーリーベースのうちの第1のプーリーベースを前記第2のチャンバー内の第1の開口部と前記第2のチャンバーの中央領域との間で横方向に移動させ、(ii)前記複数の前記プーリーベースのうちの第2のプーリーベースを前記第2のチャンバー内の第2の開口部と前記第2のチャンバーの前記中央領域との間で横方向に移動させることを可能にする、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項4】
前記第2のチャンバーの前記第1の開口部は、前記第2の開口部とは反対側の前記第2のチャンバーに配置されている、請求項3に記載の整形外科用装具。
【請求項5】
前記第1のベルト部材は前記第1のプーリーベースに取り付けられ、前記第2のベルト部材は前記第2のプーリーベースに取り付けられる、請求項3に記載の整形外科用装具。
【請求項6】
前記複数のプーリーベースのうちの前記第1のプーリーベースには、前記ガイドチャネルの第1の縁に向かって延在する第1のフランジが含まれ、
前記ガイドチャネルの前記第1の縁には、前記第1のフランジが接触すると、前記第1のプーリーベースが前記第1の開口部に向かってさらに横方向に動くのを防止する少なくとも1つの第1のストッパーが含まれる、請求項3に記載の整形外科用装具。
【請求項7】
前記第1の複数の伸縮側方パネルのそれぞれは、メインパネル領域と保持パネル領域とを含み、
前記第1の伸縮側方パネルの前記メインパネル領域は、前記第1のチャンバーから取り外し可能な前記第1の伸縮側方パネルの第1の部分に対応し、前記保持パネル領域は、前記第1のチャンバー内に残っている前記第1の伸縮側方パネルの第2の部分に対応する、請求項2に記載の整形外科用装具。
【請求項8】
前記第1の伸縮側方パネルの前記保持パネル領域には、前記後部カバーのポストに接触してストッパーとして機能し、前記第1の伸縮側方パネルが前記第1のチャンバーから完全に取り外されるのを防止するストッパーとして機能する第1のタブ部分と第2のタブ部分とが含まれる、請求項7に記載の整形外科用装具。
【請求項9】
後部パネルと、
前記後部パネルの後面の一部の上に配置され、前記後部パネルに結合した後部カバーと、を備え、
前記後部カバーは、前記後部カバーの前面と前記後部パネルの後面との間に部分的に形成された第1のチャンバーを形成するように構成され、
前記第1のチャンバーは、各パネルが前記第1のチャンバーから横方向外側に部分的に伸長して配置された、前記第1の複数の伸縮側方パネルとして動作する複数の剛性伸縮パネルを収容し、前記整形外科用装具の前方に向かって凹状に曲がるように構成され、前記整形外科用装具の着用者に横方向のサポートを提供するように構成される、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項10】
前記後部装具システムは、さらに、平面パネルと、前記平面パネル内に配置された複数のロック突起とを含む延長パネルと、を備え、
前記複数のロック突起は、前記後部パネル内に配置された複数のロックスロットにしっかりと取り付けられるように構成されており、前記延長パネルの一部は、前記後部パネルの上端から上側に延在している、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項11】
前記前部装具システムは、
前部パネルと、
前記第1の横方向に伸長するか内側方向に収縮する前記第3の伸縮側方パネルと、前記第2の横方向に伸長するか内側方向に収縮する前記第4の伸縮側方パネルとを含む前記第2の複数の伸縮側方パネルと、を備え
前記前部パネルは、前記前部パネルの反対側にそれぞれ配置された複数の回転可能なロック部材を含み、
前記複数の回転可能なロック部材は、開位置と閉位置の間で回転するように構成されており、(i)前記開位置では、前記第2の複数の伸縮側方パネルは伸長または収縮することができ、(ii)前記閉位置では、前記第2の複数の伸縮側方パネルは現在の位置にロックされる、請求項1に記載の整形外科用装具。
【請求項12】
前記第2の複数の伸縮側方パネルのうち少なくとも前記第3の伸縮側方パネルには、第1のファスナーが配置された前面が含まれ、
前記第1のファスナーは、前記複数の回転可能なロック部材のうちの第1の回転可能なロック部材の後側に配置された第2のファスナーと相補的である、請求項11に記載の整形外科用装具。
【請求項13】
前部装具システムの前部パネルは、さらに、(i)延長ロッドを受け入れるように適合された開口レセプタクルと、(ii)延長ロッドの解放または挿入を可能にする開位置と、延長ロッドを特定の位置でロックして保持するための閉位置との間で回転するように適合された延長ロッドロック部材と、を備える、請求項11に記載の整形外科用装具。
【請求項14】
前記延長ロッドの第1の遠位端にはウィッシュボーンカプラが含まれ、
前記ウィッシュボーンカプラには、本体部分と、前記ウィッシュボーンカプラの中央線に対してわずかに反対の角度で上方向に伸びる一対の延長アームとが含まれる、請求項13に記載の整形外科用装具。
【請求項15】
前記ウィッシュボーンカプラの一対の延長アームは、(i)頸椎カラー装具にしっかりと固定された頸椎胸部装具(CTO)クリップ、または(ii)サポート胸部プレートのいずれかに結合される、請求項14に記載の整形外科用装具。
【請求項16】
前記第1の伸縮側方パネルには、着用者の腋窩の下に配置された第1のサポートストラップのバックルを保持するためのバックル取付開口部が設けられ、
前記第1のサポートストラップは、前記着用者への前記整形外科用装具の保持を補助する
、請求項10に記載の整形外科用装具。
【請求項17】
前記整形外科用装具は、前記延長パネル内に形成されたストラップスロットに挿入され、前記ストラップスロットによって保持される第2のサポートストラップをさらに備え、
前記第2のサポートストラップは、前記着用者の肩の上に配置される、請求項16に記載の整形外科用装具。
【請求項18】
後部パネルと、前記後部パネルから反対方向に伸長可能な第1の複数の伸縮側方パネルと、複数のプーリーベースと、前記複数のプーリーベースに結合された複数のベルト部材と、前記後部パネルに結合され、前記後部パネルの上端を超えて上方に延びる延長パネルとを含む後部装具システムと、
前部パネルと、前記前部パネルから伸長可能な第2の複数の伸縮側方パネルとを含む前部装具システムと、を有する整形外科用装具であって、
前記前部装具システムは前記整形外科用装具の前部として機能し、前記後部装具システムは前記整形外科用装具の後部として機能し、
着用プロセス中、前記第2の複数の伸縮側方パネルが前記後部パネルに向かって移動され、前記第1の複数の伸縮側方パネルが前部パネルに向かって移動されるときに、前記第1の複数の伸縮側方パネルおよび前記複数のベルト部材は、前記第2の複数の伸縮側方パネルの一部に重なるように配置されることを特徴とする整形外科用装具。
【請求項19】
後部装具システムおよび前部装具システムを含む整形外科用装具の装着方法であって、
後部装具システムの一部であるベルト部材のサイズを合わせる工程と、
着用者の胸部および腰部を前記後部装具システムの後部パネルの前向き部分に載せる工程と、
前記後部装具システムに関連する第1の複数の伸縮側方パネルおよび前記第1の複数の伸縮側方パネルに取り付けられたベルト部材を前記後部パネルから離して伸長させる工程と、
前記前部装具システムを前記着用者の腹部上に配置する工程と、
ロック部材を外して、前記前部装具システムに関連する第2の複数の伸縮側方パネルの調整を可能にする工程と、
前記第1の複数の伸縮側方パネルが前記第2の複数の伸縮側方パネルの上に重なるように、前記第1の複数の伸縮側方パネルの位置を前部パネルに向けて調整する工程と、
前記前部パネルの前面および前記第2の複数の伸縮側方パネルの1つの前面に配置された1つ以上のファスナーに結合するために、前記ベルト部材の位置を前記前部パネルに向けて調整する工程と、を有することを特徴とする装着方法。
【国際調査報告】