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特表2025-504196平衡化された地熱エネルギー伝達ループ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】平衡化された地熱エネルギー伝達ループ
(51)【国際特許分類】
   F03G 4/00 20060101AFI20250130BHJP
   F03G 4/06 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
F03G4/00 501
F03G4/06
F03G4/00 521
F03G4/00 541
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024546500
(86)(22)【出願日】2023-02-06
(85)【翻訳文提出日】2024-10-03
(86)【国際出願番号】 CA2023050146
(87)【国際公開番号】W WO2023147670
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】63/306,555
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524293463
【氏名又は名称】ノーヴァス アース エナジー オペレーションズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】メスナー,ジェフリー アーンスト
(72)【発明者】
【氏名】サルム,ラルフ メルビン
(72)【発明者】
【氏名】シラ,ナヴニート
(57)【要約】
地熱の熱生成のためのシステム及び方法。平衡化された地熱エネルギー伝達ループは、地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔及び第2の坑井孔と、第1の坑井孔と第2の坑井孔との間に地熱地層を通って延在し、実質的に密閉された閉ループを形成する複数の平衡化された裸坑回路と、を含む。複数の回路はそれぞれ、実質的に等しい回路パラメータを有するように設計又は修正される。回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の容積、及び/又は回路の長さのうちの1つ又は複数を含むことができる。回路パラメータは、回路の長さ及び容積を含むことができ、回路は、供給/戻り坑井を先出し/後入れ構成で接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
a.地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、前記地中の地層内に横方向の区分を含む第1の坑井孔と、
b.前記地表から前記地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、前記地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔と、
c.前記第1の坑井孔の前記横方向の区分と、前記第2の坑井孔の前記横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路と、
を含むとともに、
前記第1の坑井孔、前記第2の坑井孔、及び前記複数の回路が、実質的に密閉された閉ループを形成し、
前記複数の回路が、平衡化されているシステム。
【請求項2】
前記複数の回路が、
a.実質的に等しい回路の速度、
b.実質的に等しい回路の圧力降下、
c.実質的に等しい回路の長さ、
d.実質的に等しい回路の容積、
e.実質的に等しい抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の回路の回路パラメータが実質的に一致している、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記回路パラメータが、
a.回路の流体速度、
b.回路の圧力降下、
c.回路の長さ、
d.回路の容積、
e.抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記回路パラメータが回路の流体速度、及び回路の長さを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の裸坑回路が、前記第1の坑井孔と前記第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続するとともに、前記複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の裸坑回路を通して循環される作動流体から熱エネルギーを抽出するように適合された熱交換をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
方法であって、
地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、前記地中の地層内に横方向の区分を含む前記第1の坑井孔を設けることと、
前記地表から前記地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、前記地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔を設けることと、
前記第1の坑井孔の前記横方向の区分と、前記第2の坑井孔の前記横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路を設けることと、
を含むとともに、
前記第1の坑井孔、前記第2の坑井孔、及び前記複数の回路が、実質的に密閉された閉ループを形成し、
前記複数の回路が平衡化され、前記地中の地熱地層から前記地表まで熱エネルギーを運ぶために、前記実質的に密閉された閉ループを通して作動流体を循環させている方法。
【請求項9】
前記複数の回路が、
a.実質的に等しい回路の流体速度、
b.実質的に等しい回路の圧力降下、
c.実質的に等しい回路の長さ、
d.実質的に等しい回路の容積、
e.実質的に等しい抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、前記回路パラメータと実質的に一致するように、前記複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ適合させることと、をさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記回路パラメータが、
a.回路の流体速度、
b.回路の圧力降下、
c.回路の容積、
d.回路の長さ、
e.回路の抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、前記回路パラメータと実質的に一致するように、前記複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ修正することと、をさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記回路パラメータが、
a.回路の流体速度、
b.回路の圧力降下、
c.回路の長さ、
d.回路の容積、
e.回路の抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の回路のうちの前記残りの回路をそれぞれ修正することが、前記複数の回路のうちの少なくとも1つの、少なくとも一部を大きくすることを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記作動流体が熱サイホン結果によって少なくとも部分的に循環される、請求項8~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
熱エネルギーの少なくとも一部を使用して、ユーザに暖房を提供することをさらに含む、請求項8~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記熱エネルギーの少なくとも一部を使用して電気を生成することをさらに含む、請求項8~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記回路パラメータが回路の流体速度、及び回路の長さを含む、請求項11又は13に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の裸坑回路を用いて、前記第1の坑井孔と前記第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続することをさらに含む、請求項8~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月4日に申請された米国仮特許出願第63/306,555号の利益及び優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は概して、地熱エネルギー及び地熱井に関する。より詳細には、本開示は、高度な、閉ループの、地熱エネルギー及び地熱井に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
従来の地熱井からのエネルギー抽出は、地表下の高温の帯水層を利用することに依存している。問題は、高温の帯水層に容易にアクセスできないことである。
【0004】
強化地熱井は、空隙率及び浸透率が低い地下層に設置され、その後、帯水層内の流量を高めるために浸透率を向上させるために破砕(又は「フラッキング(水圧破砕)」)される。問題は、地層破砕により、誘発地震活動を引き起こし、著しい水損失が生じる可能性があることである。
【0005】
閉ループ構成のような高度な地熱システムは、熱を有するあらゆる地層で需給調整可能な発送電を行うことができ、帯水層へのアクセスを必要としない。しかしながら、閉ループ設計を実装する試みは、現在試験中のダウンホールループ設計の構成が原因で、あまり大した成功はしていない。
【0006】
したがって、高度な地熱井構成及び/又は閉ループを改良することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
概要
従前の地熱井及び/又は閉ループ設計の少なくとも1つの短所をなくすこと、又は軽減することが本開示の目的である。
【0008】
流れが平衡された設計を使用すると、流れが平衡化されていない設計とは対照的に、抽出可能な熱エネルギーの量を増やすことができる。平衡化されたシステムは、ポンピングの負担を増やすことなく、水平回路を通して実質的に等しい流量を供給する。平衡化されていないシステムには、流量が不均等であることにより生じ得る様々な課題がある。例えば、ポンピングの負担の増加、回路全体の熱伝達能力のばらつき、及びループ内の露出面に関する熱伝導を計算する実行可能な手段がない、などである。
【0009】
流れが平衡化されれば、地層から坑井までの熱の伝達を大幅に増やすことができる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本開示は、システムであって、地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、地中の地層内に横方向の区分を含む第1の坑井孔と、地表から地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔と、第1の坑井孔の横方向の区分と、第2の坑井孔の横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路と、を含むとともに、第1の坑井孔、第2の坑井孔、及び複数の回路は、実質的に密閉された閉ループを形成し、複数の回路が平衡化されているシステムを提供する。
【0011】
開示されている一実施形態では、複数の回路は、実質的に等しい回路の速度、実質的に等しい回路の圧力降下、実質的に等しい回路の長さ、実質的に等しい回路の容積、実質的に等しい抵抗、△P/流量、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0012】
開示されている一実施形態では、複数の回路の回路パラメータが実質的に一致している。
【0013】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の長さ、回路の容積、抵抗、△P/流量、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0014】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは回路の流体速度、及び回路の長さを含む。
【0015】
開示されている一実施形態では、複数の裸坑回路は、第1の坑井孔と第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続するとともに、複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている。
【0016】
開示されている一実施形態では、システムは、複数の裸坑回路を通して循環される作動流体から熱エネルギーを抽出するように適合された熱交換をさらに含む。
【0017】
さらなる一態様では、本開示は、方法であって、地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、地中の地層内に横方向の区分を含む第1の坑井孔を設けることと、地表から地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔を設けることと、第1の坑井孔の横方向の区分と、第2の坑井孔の横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路を設けることと、を含むとともに、第1の坑井孔、第2の坑井孔、及び複数の回路が、実質的に密閉された閉ループを形成し、複数の回路が平衡化され、地中の地熱地層から地表まで熱エネルギーを運ぶために、実質的に密閉された閉ループを通して作動流体を循環させている方法を提供する。
【0018】
開示されている一実施形態では、複数の回路は、実質的に等しい回路の流体速度、実質的に等しい回路の圧力降下、実質的に等しい回路の長さ、実質的に等しい回路の容積、実質的に等しい抵抗、△P/流量、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0019】
開示されている一実施形態では、方法は、複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、回路パラメータと実質的に一致するように、複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ適合させることと、をさらに含む。
【0020】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の容積、回路の長さ、回路の抵抗、△P/流量、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0021】
開示されている一実施形態では、方法は、複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、回路パラメータと実質的に一致するように、複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ修正することと、をさらに含む。
【0022】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の長さ、回路の容積、回路の抵抗、△P/流量、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0023】
開示されている一実施形態では、複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ修正することが、複数の回路のうちの少なくとも1つの、少なくとも一部を大きくすることを含む。
【0024】
開示されている一実施形態では、ループの作動流体は熱サイホン結果によって少なくとも部分的に循環される。
【0025】
開示されている一実施形態では、方法は、熱エネルギーの少なくとも一部を使用して、ユーザに暖房を提供することをさらに含む。
【0026】
開示されている一実施形態では、方法は、熱エネルギーの少なくとも一部を使用して電気を生成することをさらに含む。
【0027】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは回路の流体速度、及び回路の長さを含む。
【0028】
開示されている一実施形態では、方法は、複数の裸坑回路を用いて、第1の坑井孔と第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続することを含む。
【0029】
開示されている一実施形態では、複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている。
【0030】
開示されている一実施形態では、平衡化は、実質的に等しい回路の流体速度、実質的に等しい回路の圧力降下、実質的に等しい回路の長さ、実質的に等しい回路の容積、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0031】
開示されている一実施形態では、複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータが事前に決定され、複数の回路のうちの残りの回路がそれぞれ、この回路パラメータと実質的に一致するように適合される。
【0032】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の容積、回路の長さ、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0033】
開示されている一実施形態では、複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータが計算され、複数の回路のうちの残りの回路がそれぞれ、この回路パラメータと実質的に一致するように修正される。
【0034】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の容積、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0035】
開示されている一実施形態では、修正は、複数の回路のうちの少なくとも1つの、少なくとも一部を大きくすることを含む。
【0036】
開示されている一実施形態では、方法は、地中の地熱地層から地表まで熱エネルギー/熱を運ぶために、実質的に密閉された閉ループを通して作動流体を循環させることを含む。
【0037】
開示されている一実施形態では、平衡化は、実質的に等しい回路の速度、実質的に等しい回路の圧力降下、実質的に等しい回路の長さ、実質的に等しい回路の容積、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0038】
開示されている一実施形態では、複数の回路の回路パラメータは互いに実質的に一致している。すなわち、回路パラメータは、複数の回路間で実質的に等しい。
【0039】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の長さ、回路の容積、及びそれらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0040】
開示されている一実施形態では、回路パラメータは、回路の流体速度及び回路の長さを含む。
【0041】
開示されている一実施形態では、複数の裸坑回路は、第1の坑井孔と第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続するとともに、複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている。
【0042】
開示されている一実施形態では、回路の長さ及び容積が実質的に等しいことに加えて、それらは、供給/戻り坑井を先出し/後入れ構成で接続し、これにより、すべての回路全体にわたって自然に平衡化された流れを作り出している。
【0043】
本開示の他の態様及び特徴は、添付の図面と併せて特定の実施形態の以下の説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【0044】
図面の簡単な説明
ここで、添付の図面を参照しながら、本開示の実施形態を単なる例として説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本開示の閉ループ坑井システムを単純化した平面図である。
図2】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態i)の平面図である。
図3図2の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図4図2の閉ループ坑井システムの正面断面図である。
図5】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態ii)の平面図である。
図6図5の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図7図5の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図8】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態iii)の平面図である。
図9図8の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図10図8の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図11】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態1A)の平面図である。
図12図11の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図13図11の閉ループ坑井システムの正面断面図である。
図14】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態1B)の平面図である。
図15図14の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図16図14の閉ループ坑井システムの正面断面図である。
図17】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態2A)の平面図である。
図18図17の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図19図17の閉ループ坑井システムの正面断面図である。
図20】本開示の閉ループ坑井システム(実施形態2B)の平面図である。
図21図20の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図22図20の閉ループ坑井システムの正面断面図である。
図23】閉ループ坑井システム(実施形態3)の平面図である。
図24図23の閉ループ坑井システムの側面断面図である。
図25図23の閉ループ坑井システムの正面断面図である。
図26図23の閉ループ坑井システムの断面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
詳細な説明
概して、本開示は、高度な地熱井及び/又は閉ループ構成のための方法及びシステムを提供する。
【0047】
熱伝達溶液はループ作動流体として、ループを通して、等しい抵抗を有する2つの垂直の坑井孔を接続する複数の回路全体にわたり実質的に等しい流量で運ぶことができる。熱伝達流体は、任意の適切な流体のうちの1つとすることができ、例えば、水、水/グリコール、又は超臨界COを含むことができる。
【0048】
流れを起こすために表面昇圧ポンプが必要な場合がある。流れ出したら、平衡化されたループ設計及び温度差動は、熱サイホン効果を開始、又は維持することができる。熱サイホン結果は、ポンピングの負担の低減に寄与する場合がある。
【0049】
地表からの低温熱伝達流体がループ内に位置する高温熱伝達流体に取って代わると、熱伝達溶液は、周囲の岩石から熱を吸収し、ループ回路を通して強制的に地表に戻され得、色々な用途に利用することができる。
【0050】
温度は監視することができ、単に流体の速度を制御するだけで、最大限の熱伝達を実現することができる。相変化が生じないように、又は相変化を誘発しないように、熱伝達溶液を選択、又は修正することができる。
【0051】
例示的な実施形態では、ターゲットゾーン内の温度は50°Cから200°C以上の範囲で、世界中で変わる場合がある。高温熱伝達溶液は、様々な用途で、例えば、直接又は間接の加熱及び/又は冷却、及び/又は発電、及び/又は他の熱の使用、及び/又はそれらの組み合わせに利用することができる。エネルギーは、プロセスサイクルを用いて使用又は変換することができ、例えば、電気は、例えば、フラッシュスチーム、ダブルフラッシュ、有機ランキンサイクル(ORC:Organic Rankine Cycle)、又はループ溶液のエンタルピーに応じてその他のプロセスなどのプロセスサイクルを用いて、生成することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、高温ループ溶液中の利用可能な熱は、比較的低温、例えば、50°Cから70°Cの熱である場合がある。このような場合では、地域暖房などの低品位熱用途、水産養殖、温室暖房又はプロセス加熱/冷却などの現場に特有の用途が、安定した熱源の理想的な最終用途である。熱のエンタルピーが低い電気が必要な場合、熱電供給の熱の抽出、又はカルノーエンジン(Carnot engine)などのプロセスサイクルを使用して、近隣のユーザへの送電用、及び/又は送電前の貯蔵の有無にかかわらず、グリッド送電するための電気を生成することができる。
【0053】
ループ溶液から抽出した熱エネルギーを用いて、低温流体をダウンホールに還流させて、サイクルを繰り返すことができる。昇圧ポンプ及び/又はプロセスサイクル及び/又は補助装置に電力を供給するエネルギーは、システムそれ自体によって供給することができ、システムの材料及び構造を考慮したゼロ炭素排出システム、及び/又は正味マイナス炭素排出システムを提供することができる。
【0054】
同様な、又は同じ坑井設計を仕上げるために、いくつかの手順を用いる場合がある。開示されている一実施形態では、以下で第1の坑井及び第2の坑井と記載されている坑井は、同じ坑井敷地(well pad)から掘削することができる。
【実施例
【0055】
実施例1
図1を参照すると、本開示のシステム10では、坑井敷地20から、傾斜掘削ツールを用いて第1の坑井40を地層の垂直深度(TVD:true vertical depth)まで掘削し、約90度で着地させることができる。第1の坑井40は、中間ケーシング地点(ICP:intermediate casing point)、第1の坑井のICP50として識別されるこの地点までケーシングすることができ、その後、掘削を継続し、第1の坑井40の先端60まで第1の坑井40の長さにわたって約90度を保持しながら穴を開けることができる。
【0056】
坑井敷地20から、第2の坑井70を同様のTVDまで約90度で掘削することができ、第1の坑井40と第2の坑井70との間の坑井離隔距離は、例えば、約1000m程度である。第2の坑井70は、その後、ICP、すなわち第2の坑井のICP80までケーシングすることができる。第2の坑井70を掘削する際に、第1の坑井40の先端60の方に向かう前にオープンホールサイドトラック(裸坑からの枝掘り)地点を可能にする坑跡を追従することができる。
【0057】
開示されている一実施形態では、地層110から、例えば、第1の坑井40、第2の坑井70、及び複数の回路100のうちの1つ又は複数を通して循環される熱伝達流体への熱の伝達を増やすために、複数の回路100が、第1の坑井40と第2の坑井70との間に地層110を通って延在し得る。所与のシステムにおいて、回路100の数はnとすることができ、この場合、2≦n≦yである。図解を単純化するために、n=4、すなわち四(4)個の回路100又は「区間(leg)」が、単なる一例として、100-1、100-2、100-3、100-4として示されている。回路100の最大数は4よりもずっと大きくてもよく、例えば、yは無制限であってもよい。しかしながら、実際的/物理的に言えば、第1の坑井40と第2の坑井70との間に延在する回路100の数は、例えば、2個から200個の間、2個から100個の間、2個から75個の間、2個から50個の間、2個から40個の間、2個から30個の間、2個から25個の間、2個から20個の間、及び/又は2個から10個の間であるように選択、又は事前に決定することができる。
【0058】
第1の坑井の先端60(図1の領域40Dを参照)では、磁気測距技術などのガイドを使用して、第2の坑井70の回路100-1を第1の坑井40へと導いて、(図1の領域70Aを領域40Dに)接続を仕上げることができる。その後、掘削を枝掘り地点(図1の領域70B)まで引き戻し、オープンホールサイドトラックを行って回路100-2を形成することができる。第2の坑井70の回路100-2は、前方(図1の領域70Aから領域70B)に掘削され、その後、第1の坑井40(図1の領域70Bから領域40C)に向かって掘削され、枝掘り地点が形成され、磁気測距技術を用いて(図1の領域70Bを領域40Cに)接続することができる。
【0059】
第2の回路100-2を掘削した後、第1の回路100-1と比較した第2の回路100-2における容積を決定するために、計算、及び/又は測定、及び/又は、その他の判定を行うことができ、ストリングホールオープナを使用して、例えば、第1の回路100-1の容積の約10パーセント以下といったような、選択された差異内で一致するように、第2の回路100-2の一部を開放することができる。
【0060】
その後、掘削を第2の回路100-2の枝掘り地点まで引き戻し、(図1の領域70Cから領域40Bまでの)第3の回路100-3、及び(図1の領域70Dから領域40Aまでの)第4の回路100-4に対して、容積合わせを含め、このプロセスを繰り返すことができる。開示されている一実施形態では、回路100の長さは、互いに可能な限り近づけることができる。
【0061】
したがって、回路100の直径及び長さが対称的であれば、流れに対する実質的に等しい抵抗を回路全体にわたって実現することができる。出口点の回路間の間隔が入口点の回路間の距離と同程度であることもまた適切である。
【0062】
実施例2
図2図4(実施形態i)を参照すると、第1の坑井40は、傾斜掘削ツールを用いて地層のTVD120まで掘削し、約90度で着地させることができる。図示されている4500mのTVDは、単なる一例である。第1の坑井40は、この地点、すなわち第1の坑井のICP50までケーシングされ、その後、第1の坑井40の長さにわたって約90度を保持しながら掘削を継続することができる。
【0063】
第2の坑井70は、その後、わずかに、例えば、約100~200m高いTVDで約80度まで掘削することができ、第1の坑井40と第2の坑井70との間の坑井離隔距離130は、例えば、約1000m程度である。第2の坑井70は、その後、第2の坑井のICP80までケーシングすることができる。
【0064】
第2の坑井70を掘削した後、傾斜140は、例えば、約80~90度程度の傾斜を全深度(TD:Total Depth)まで維持することができる。
【0065】
裸坑用の回収可能なホイップストックは、その後、第4の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Dで第2の坑井70に設置することができ、第4の回路100-4(すなわち、本例ではn=4の場合が示されている)は、第2の坑井70から第1の坑井40に向かって掘削することができ、磁気測距ツールなどのガイドを使用して、領域40Aで第1の坑井40と接続するように、第4の回路100-4を導くことができる。
【0066】
裸坑用の回収可能なホイップストックは、回収され、第3の枝掘り地点、すなわち領域70Cに移動され、この手順は、領域40Bで第1の坑井40に向けて繰り返すことができ、その後、第2の坑井70の領域70Bと、第1の坑井40の領域40Cとの間の第2の回路100-2に対して、その後、第2坑井70の領域70Aと、第1の坑井40の領域40Dとの間の第1の回路100-1に対して繰り返すことができる。概括すれば、このプロセスは、第1の回路に達するまで、各回路n、n-1、n-2、n-3、等々に対して繰り返すことができる。
【0067】
各回路100を掘削した後、回路100内の容積を決定するために、計算、及び/又は測定、及び/又は、その他の判定を行うことができ、ストリングホールオープナを使用して、例えば、第4の回路100-4(すなわち、仕上げが完了した最初の回路)の容積の約10パーセント以下といったような、選択された差異内で一致するように、各回路の少なくとも一部を開放することができる。
【0068】
仕上げ後、及び動作中に、回路100を通して作動流体を循環させて、地中の地層110から地表30まで熱を運ぶことができる。図示されているように、例えば、比較的低温の作動流体又は冷却された作動流体は、第2の坑井70を下向きに循環させることができ、回路100を通過して比較的高温になるか、又は加熱されて第1の坑井40を上向きに循環させることができる。しかしながら、このようなループの循環方向は逆にすることができる。
【0069】
示されている寸法、例えば、図3の4500mのTVD及び4500mの長さ、並びに図4の1000mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0070】
実施例3
図5図7(実施形態ii)を参照すると、傾斜掘削ツールを用いて第1の坑井40を地層のTVDまで掘削し、約80~90度で着地させることができる。第1の坑井40をこの地点、すなわち第1の坑井のICP50までケーシングした後、次に、第1の坑井40の長さにわたって約90度を保持しながら掘削を継続することができる。TDの後、回収可能な裸坑用ホイップストックは、第4の回路接続地点、すなわち領域40Dに設置することができ、後の磁気測距を用いた接続を容易にするために、例えば、約100m程度の枝掘りが行われる。ホイップストックは、その後、回収され、第3の回路接続地点、すなわち領域40Cに移動され、この手順を繰り返すことができ、次に、第2の回路接続地点、すなわち領域40Bに対して、次に、第1の回路接続地点、すなわち領域40Aに対して継続することができる。
【0071】
第2の坑井70は、その後、わずかに高いTVDで、約80~90度まで掘削することができ、第1の坑井40と第2の坑井70との間の坑井離隔距離130は、例えば、約1000m程度である。第2の坑井70は、その後、第2の坑井のICP80までケーシングすることができる。第2の坑井70を掘削した後、約80~90度の傾斜140をTDまで維持することができる。裸坑用の回収可能なホイップストックは、その後、第4の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Dに設置することができ、第4の回路100-4は、第1の坑井40に向かって掘削し、磁気測距ツールを用いて、領域40Aに接続させることができる。裸坑用の回収可能なホイップストックは、回収され、第3の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Cに移動され、第3の回路100-3は、第1の坑井40に向かって掘削し、磁気測距ツールを用いて、領域40Bに接続させることができ、この手順は、領域70Bと領域40Cとの間に延在する第2の回路100-2に対して、その後、領域70Aと40Dとの間に延在する第1の回路100-1に対して継続することができる。各回路を掘削した後、回路100内の容積を決定するために、計算、及び/又は測定、及び/又は、その他の判定を行うことができ、ストリングホールオープナを使用して、例えば、第4の回路100-4(すなわち、仕上げが完了した最初の回路)の容積の約10パーセント以下といったような、選択された差異内で一致するように、各回路の部分を開放することができる。
【0072】
仕上げ後、及び動作中に、回路100を通して作動流体を循環させて、地中の地層110から地表30まで熱を運ぶことができる。図示されているように、例えば、比較的低温の作動流体又は冷却された作動流体は、第2の坑井70を下向きに循環させることができ、回路100を通過して比較的高温になるか、又は加熱されて第1の坑井40を上向きに循環させることができる。しかしながら、このようなループ方向は逆にすることができる。
【0073】
示されている寸法、例えば、図6の4500mのTVD及び4500mの長さ、並びに図7の1000mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0074】
実施例4
図8図10(実施形態iii)を参照すると、第1の坑井40は、傾斜掘削ツールを用いて地層のTVDまで掘削し、約80~90度で着地させることができる。第1の坑井40をこの地点、すなわち第1の坑井のICPまでケーシングした後、次に、第1の坑井40の長さにわたって掘削を継続し、約80~90度を保持することができる。
【0075】
第2の坑井70は、その後、わずかに高いTVDで、約80~90度まで掘削することができ、第1の坑井40と第2の坑井70との間の坑井離隔距離は、例えば、約1000m程度である。第2の坑井70は、その後、第2の坑井のICP80までケーシングすることができる。
【0076】
第2の坑井70を掘削した後、傾斜140は、例えば、約80~90度程度の傾斜をTDまで維持することができる。
【0077】
裸坑用の回収可能なホイップストックは、その後、第4の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Dに設置することができ、第4の回路100-4は、第2の坑井70から第1の坑井40に向かって掘削し、磁気測距ツールを用いて領域40Aに接続させることができる。
【0078】
裸坑用の回収可能なホイップストックは、回収され、第3の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Cに移動され、第3の回路100-3は、第2の坑井70から第1の坑井40、すなわち領域40Bに向かって掘削することができ、この手順は、領域70Bと領域40Cとの間の第2の回路100-2に対して、及び領域70Aと領域40Dとの間の第1の回路100-1に対して継続することができる。各回路を掘削した後、回路内の容積を決定するために、計算、及び/又は測定、及び/又は、その他の判定を行うことができ、ストリングホールオープナを使用して、例えば、第4の回路100-4(すなわち、仕上げが完了した最初の回路)の容積の約10%未満といったような、選択された差異内で一致するように、各回路の部分を開放することができる。
【0079】
仕上げ後、及び動作中に、回路100を通して作動流体を循環させて、地中の地層110から地表30まで熱を運ぶことができる。図示されているように、例えば、比較的低温の作動流体又は冷却された作動流体は、第2の坑井70を下向きに循環させ、回路100を通過して比較的高温になるか、又は加熱されて第1の坑井40を上向きに循環させることができる。しかしながら、このようなループの循環方向は逆にすることができる。
【0080】
示されている寸法、例えば、図8の1000m及び4500mの長さ、図9の4500mのTVD、並びに図10の4500mのTVD及び3~4kmの長さはどれも、単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0081】
変形例
本開示のシステム及び方法は、種々様々の坑井の構成及び掘削/仕上げ技法を使用して実践することができる。下記の実施例5~8は、実施形態1及び2、並びにオプションA及びBに関連する。実施例9は、実施形態3に関連する。
【0082】
坑井の全般的な設計及び形状の点では、1A、1B、2A及び2Bは、実質的に同様とすることができる。実施形態1及び2のいずれの場合も、AとBとの間の違いは、例えば、坑井の掘削のやり方、及び接続のやり方とすることができ、やり方はそれぞれ、本開示の範囲内で企図される一例である。しかしながら、第1の坑井孔、第2の坑井孔、及び第1の坑井孔と第2の坑井孔との間に延在し、実質的に密閉された閉ループを形成する複数の裸坑回路は、既知の坑井掘削技法に従って掘削し、仕上げることができる。
【0083】
実施形態1及び2は、実質的に同様であり、違いは、下向区間が掘削される形状/方向とすることができる。実施形態1は、2つの区間が左側に枝分かれし、2つの区間が右側に枝分かれした「直線」(平面視)形状を有することができる。実施形態2は、主縦坑が「湾曲」(平面視)し、その後、枝分かれした区間が右側に出ている下向区間を有することができる。
【0084】
オプションBでは、上向坑井をTD(全深度)まで掘削し、その後、ドリルストリングを引き戻し、枝掘りして、枝分かれした縦坑(「A」の印が付けられた区分)をそれぞれ順番に(A、B、C、D)掘削する。方向誘導追尾装置は、例えば、コイル配管リグに配備することができる。追尾装置が方向誘導されているので、方向測距ツールを用いて個々の縦坑にリエントリーすることが可能になり、次に、下向区間を掘削するときに、それぞれの枝分かれの中で測距ツールを目指して進み、それらを接続することができる。
【0085】
実施形態3は、例えば、地表の位置が対象となるターゲット貯留層に対して概ね中心に位置し得るときに、実装することができる。実施形態3の閉ループシステムは、湾曲したフック状の中間区分を使用し、掘削しながら、水平方向又は約90度へと向かう傾斜を得ることができる。
【0086】
実施例5
図11図13(実施形態1A)を参照すると、全般的な概略図が、地中の地熱地層から抽出された熱を使用するためのいくつかのオプションを図示している。回収された熱エネルギーは、例えば、温度及び/又は量、及び/又はユーザの必要及び/又は経済性、及び/又は他の要因のうちの1つ又は複数に応じて、様々な目的に使用することができる。ループ作動流体の熱エネルギーは、例えば、熱エネルギープロセスに使用することができ、及び/又は温室の暖房などの暖房に使用することができる。
【0087】
開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体は、地域暖房用の熱エネルギーとして直接使用することができる。例えば、加熱後の作動流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、パイプライン190によってループに戻される。開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体、及び地域暖房用の流体は、互いに分離され、地域暖房用の流体は、熱交換器160を介して作動流体によって加熱され、また、地域暖房用の流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、作動流体によって再加熱するために、熱交換器160に戻される。開示されている一実施形態では、熱エネルギーの使用は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150などの熱プロセスを含むことができる。このような実施形態では、ORCシステム150又はその他の熱力学系が存在すれば、ループ作動流体は、ORCシステムの流体から分離されたままになり、ORCシステムの流体と接触/混合することはない。作動流体は、熱交換器160を通過した後には、例えば、上記のように使用することができる。開示されている一実施形態では、さらなる熱交換器を使用して、例えば、上記のような、及び/又はそれらの組み合わせのような地域暖房するための地域暖房用の流体を加熱することができる。ORCシステム150がインストールされておらず、例えば、電気の生成がなく、熱エネルギー/熱の使用だけであれば、地域暖房用パイプライン180内でループ作動流体を直接使用することができる。これらは、例えば、図1図10に示されているような、本開示の閉ループ坑井システムと関連して示されているいくつかの例にすぎない。
【0088】
開示されている一実施形態では、作動流体の熱エネルギー、ユーザの近接度、及びその他の要因が、設計に影響を及ぼす可能性がある。開示されている一実施形態では、例えば、120°Cの熱エネルギーが熱エネルギープロセスに、より適している場合がある。
【0089】
加えて、図11は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150への熱交換器160及びパイプライン170を介して、高温熱伝達ループ溶液中の熱をORCシステム150に供給し得ることを図示している。熱エネルギーは、パイプライン180によって、加熱後の流体を地域暖房用に町、若しくは例えば、温室、水耕栽培、水産養殖、又はそれらの組み合わせのような近隣のユーザに送達するなどによって、地域暖房に使用することができる。ORCシステム150からの流体は、再加熱しプロセスを繰り返すために熱交換器160に戻すことができる。ORCシステムは、加熱後の流体を使用して、沸点が低いガスを膨張させてタービンを回し、電気を生成することができ、ORCによって使い切れない過剰な熱エネルギーは、次に、上述したような地域暖房のために、パイプライン180を通る加熱後の水を介して町に送ることができる。
【0090】
図面では、ORCシステム150は、単純化された形式で図示されている。高温ループ作動流体は、熱交換器160へと閉ループシステムを通過して、分離された(ループ作動流体から分離された)流体を加熱するが、この分離された加熱後の流体は、その後、パイプライン170を介してORCシステム150に送られ、そこで分離された流体中の熱エネルギーが使用される。熱は、電気を生成せずに上述したような地域暖房用に使用してもよいし、或いは、例えば、ガスを膨張させてタービンを駆動してORCシステム150内で電気を生成するために、又はその他の熱力学的プロセスのために熱を使用してもよい。一例として、分離された流体は、水を含むことができる。ORCによって使用された後に分離された流体、例えば、水には、いくらかの熱エネルギーが残っている可能性があり、この流体、例えば、水は、パイプライン180によって、地域暖房のために町に、及び/又はプロセス若しくは他の加熱のために工業用若しくは商業用ユーザに、といったように、近隣の暖房のユーザに送ることができる。ORCシステム150又は加熱により使用されない、残りの分離された水は、ループ作動流体が使用された場合に、再加熱するために戻り下向流ライン190を介してダウンホールに送ることもできるし、或いは、分離された流体が使用された場合に、再加熱するために熱交換器160に戻すこともできる。
【0091】
開示されている一実施形態では、熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するためにループ作動流体を直接使用することもできるし、或いは、ループ作動流体は、上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。開示されている一実施形態では、ループ作動流体は、中間の、分離された流体を加熱するために間接的に使用することができ、この分離された流体を熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するために使用することもできるし、或いは、この分離された流体を上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。ループ作動流体の熱エネルギーは、直接、及び/又は間接的に使用することができる。
【0092】
示されている寸法、例えば、図12の4500mのTVD及び4500mの長さ、並びに図13の1000mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0093】
実施例6
図14図16(実施形態1B)を参照すると、全般的な概略図が、地中の地熱地層から抽出された熱を使用するためのいくつかのオプションを図示している。回収された熱エネルギーは、例えば、温度及び/又は量、及び/又はユーザの必要及び/又は経済性、及び/又は他の要因のうちの1つ又は複数に応じて、様々な目的に使用することができる。ループ作動流体の熱エネルギーは、例えば、熱エネルギープロセスに使用することができ、及び/又は温室の暖房などの暖房に使用することができる。
【0094】
開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体は、地域暖房用の熱エネルギーとして直接使用することができる。例えば、加熱後の作動流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、パイプライン190によってループに戻される。開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体、及び地域暖房用の流体は、互いに分離され、地域暖房用の流体は、熱交換器160を介して作動流体によって加熱され、また、地域暖房用の流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、作動流体によって再加熱するために、熱交換器160に戻される。開示されている一実施形態では、熱エネルギーの使用は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150などの熱プロセスを含むことができる。このような実施形態では、ORCシステム150又はその他の熱力学系が存在すれば、ループ作動流体は、ORCシステムの流体から分離されたままになり、ORCシステムの流体と接触/混合することはない。作動流体は、熱交換器160を通過した後には、例えば、上記のように使用することができる。開示されている一実施形態では、さらなる熱交換器を使用して、例えば、上記のような、及び/又はそれらの組み合わせのような地域暖房するための地域暖房用の流体を加熱することができる。ORCシステム150がインストールされておらず、例えば、電気の生成がなく、熱エネルギー/熱の使用だけであれば、地域暖房用パイプライン180内でループ作動流体を直接使用することができる。これらは、例えば、図1図10に示されているような、本開示の閉ループ坑井システムと関連して示されているいくつかの例にすぎない。
【0095】
開示されている一実施形態では、作動流体の熱エネルギー、ユーザの近接度、及びその他の要因が、設計に影響を及ぼす可能性がある。開示されている一実施形態では、例えば、120°Cの熱エネルギーが熱エネルギープロセスに、より適している場合がある。
【0096】
加えて、図14は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150への熱交換器160及びパイプライン170を介して、高温熱伝達ループ溶液中の熱をORCシステム150に供給し得ることを図示している。熱エネルギーは、パイプライン180によって、加熱後の流体を地域暖房用に町、若しくは例えば、温室、水耕栽培、水産養殖、又はそれらの組み合わせのような近隣のユーザに送達するなどによって、地域暖房に使用することができる。ORCシステム150からの流体は、再加熱しプロセスを繰り返すために熱交換器160に戻すことができる。ORCシステムは、加熱後の流体を使用して、沸点が低いガスを膨張させてタービンを回し、電気を生成することができ、ORCによって使い切れない過剰な熱エネルギーは、次に、上述したような地域暖房のために、パイプライン180を通る加熱後の水を介して町に送ることができる。
【0097】
図面では、ORCシステム150は、単純化された形式で図示されている。高温ループ作動流体は、熱交換器160へと閉ループシステムを通過して、分離された(ループ作動流体から分離された)流体を加熱するが、この分離された加熱後の流体は、その後、パイプライン170を介してORCシステム150に送られ、そこで分離された流体中の熱エネルギーが使用される。熱は、電気を生成せずに上述したような地域暖房用に使用してもよいし、或いは、例えば、ガスを膨張させてタービンを駆動してORCシステム150内で電気を生成するために、又はその他の熱力学的プロセスのために熱を使用してもよい。一例として、分離された流体は、水を含むことができる。ORCによって使用された後に分離された流体、例えば、水には、いくらかの熱エネルギーが残っている可能性があり、この流体、例えば、水は、パイプライン180によって、地域暖房のために町に、及び/又はプロセス若しくは他の加熱のために工業用若しくは商業用ユーザに、といったように、近隣の暖房のユーザに送ることができる。ORCシステム150又は加熱により使用されない、残りの分離された水は、ループ作動流体が使用された場合に、再加熱するために戻り下向流ライン190を介してダウンホールに送ることもできるし、或いは、分離された流体が使用された場合に、再加熱するために熱交換器160に戻すこともできる。
【0098】
開示されている一実施形態では、熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するためにループ作動流体を直接使用することもできるし、或いは、ループ作動流体は、上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。開示されている一実施形態では、ループ作動流体は、中間の、分離された流体を加熱するために間接的に使用することができ、この分離された流体を熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するために使用することもできるし、或いは、この分離された流体を上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。ループ作動流体の熱エネルギーは、直接、及び/又は間接的に使用することができる。
【0099】
示されている寸法、例えば、図15の4500mのTVD及び4500mの長さ、並びに図16の1000mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0100】
実施例7
図17図19(実施形態2A)を参照すると、全般的な概略図が、地中の地熱地層から抽出された熱を使用するためのいくつかのオプションを図示している。回収された熱エネルギーは、例えば、温度及び/又は量、及び/又はユーザのニーズ及び/又は経済性、及び/又は他の要因のうちの1つ又は複数に応じて、様々な目的に使用することができる。ループ作動流体の熱エネルギーは、例えば、熱エネルギープロセスに使用することができ、及び/又は温室の暖房などの暖房に使用することができる。
【0101】
開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体は、地域暖房用の熱エネルギーとして直接使用することができる。例えば、加熱後の作動流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、パイプライン190によってループに戻される。開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体、及び地域暖房用の流体は、互いに分離され、地域暖房用の流体は、熱交換器160を介して作動流体によって加熱され、また、地域暖房用の流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、作動流体によって再加熱するために、熱交換器160に戻される。開示されている一実施形態では、熱エネルギーの使用は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150などの熱プロセスを含むことができる。このような実施形態では、ORCシステム150又はその他の熱力学系が存在すれば、ループ作動流体は、ORCシステムの流体から分離されたままになり、ORCシステムの流体と接触/混合することはない。作動流体は、熱交換器160を通過した後には、例えば、上記のように使用することができる。開示されている一実施形態では、さらなる熱交換器を使用して、例えば、上記のような、及び/又はそれらの組み合わせのような地域暖房するための地域暖房用の流体を加熱することができる。ORCシステム150がインストールされておらず、例えば、電気の生成がなく、熱エネルギー/熱の使用だけであれば、地域暖房用パイプライン180内でループ作動流体を直接使用することができる。これらは、例えば、図1図10に示されているような、本開示の閉ループ坑井システムと関連して示されているいくつかの例にすぎない。
【0102】
開示されている一実施形態では、作動流体の熱エネルギー、ユーザの近接度、及びその他の要因が、設計に影響を及ぼす可能性がある。開示されている一実施形態では、例えば、120°Cの熱エネルギーが熱エネルギープロセスに、より適している場合がある。
【0103】
加えて、図17は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150への熱交換器160及びパイプライン170を介して、高温熱伝達ループ溶液中の熱をORCシステム150に供給し得ることを図示している。熱エネルギーは、パイプライン180によって、加熱後の流体を地域暖房用に町、若しくは例えば、温室、水耕栽培、水産養殖、又はそれらの組み合わせのような近隣のユーザに送達するなどによって、地域暖房に使用することができる。ORCシステム150からの流体は、再加熱しプロセスを繰り返すために熱交換器160に戻すことができる。ORCシステムは、加熱後の流体を使用して、沸点が低いガスを膨張させてタービンを回し、電気を生成することができ、ORCによって使い切れない過剰な熱エネルギーは、次に、上述したような地域暖房のために、パイプライン180を通る加熱後の水を介して町に送ることができる。
【0104】
図面では、ORCシステム150は、単純化された形式で図示されている。高温ループ作動流体は、熱交換器160へと閉ループシステムを通過して、分離された(ループ作動流体から分離された)流体を加熱するが、この分離された加熱後の流体は、その後、パイプライン170を介してORCシステム150に送られ、そこで分離された流体中の熱エネルギーが使用される。熱は、電気を生成せずに上述したような地域暖房用に使用してもよいし、或いは、例えば、ガスを膨張させてタービンを駆動してORCシステム150内で電気を生成するために、又はその他の熱力学的プロセスのために熱を使用してもよい。一例として、分離された流体は、水を含むことができる。ORCによって使用された後に分離された流体、例えば、水には、いくらかの熱エネルギーが残っている可能性があり、この流体、例えば、水は、パイプライン180によって、地域暖房のために町に、及び/又はプロセス若しくは他の加熱のために工業用若しくは商業用ユーザに、といったように、近隣の暖房のユーザに送ることができる。ORCシステム150又は加熱により使用されない、残りの分離された水は、ループ作動流体が使用された場合に、再加熱するために戻り下向流ライン190を介してダウンホールに送ることもできるし、或いは、分離された流体が使用された場合に、再加熱するために熱交換器160に戻すこともできる。
【0105】
開示されている一実施形態では、熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するためにループ作動流体を直接使用することもできるし、或いは、ループ作動流体は、上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。開示されている一実施形態では、ループ作動流体は、中間の、分離された流体を加熱するために間接的に使用することができ、この分離された流体を熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するために使用することもできるし、或いは、この分離された流体を上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。ループ作動流体の熱エネルギーは、直接、及び/又は間接的に使用することができる。
【0106】
示されている寸法、例えば、図17の4500m及び1000m、図18の4500m、並びに図19の4500mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0107】
実施例8
図20図22(実施形態2B)を参照すると、全般的な概略図が、地中の地熱地層から抽出された熱を使用するためのいくつかのオプションを図示している。回収された熱エネルギーは、例えば、温度及び/又は量、及び/又はユーザのニーズ及び/又は経済性、及び/又は他の要因のうちの1つ又は複数に応じて、様々な目的に使用することができる。ループ作動流体の熱エネルギーは、例えば、熱エネルギープロセスに使用することができ、及び/又は温室の暖房などの暖房に使用することができる。
【0108】
開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体は、地域暖房用の熱エネルギーとして直接使用することができる。例えば、加熱後の作動流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、パイプライン190によってループに戻される。開示されている一実施形態では、ループ内で加熱された作動流体、及び地域暖房用の流体は、互いに分離され、地域暖房用の流体は、熱交換器160を介して作動流体によって加熱され、また、地域暖房用の流体は、パイプライン180によって、町や温室などユーザへと/ユーザから運ばれ、その後、作動流体によって再加熱するために、熱交換器160に戻される。開示されている一実施形態では、熱エネルギーの使用は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150などの熱プロセスを含むことができる。このような実施形態では、ORCシステム150又はその他の熱力学系が存在すれば、ループ作動流体は、ORCシステムの流体から分離されたままになり、ORCシステムの流体と接触/混合することはない。作動流体は、熱交換器160を通過した後には、例えば、上記のように使用することができる。開示されている一実施形態では、さらなる熱交換器を使用して、例えば、上記のような、及び/又はそれらの組み合わせのような地域暖房するための地域暖房用の流体を加熱することができる。ORCシステム150がインストールされておらず、例えば、電気の生成がなく、熱エネルギー/熱の使用だけであれば、地域暖房用パイプライン180内でループ作動流体を直接使用することができる。これらは、例えば、図1図10に示されているような、本開示の閉ループ坑井システムと関連して示されているいくつかの例にすぎない。
【0109】
開示されている一実施形態では、作動流体の熱エネルギー、ユーザの近接度、及びその他の要因が、設計に影響を及ぼす可能性がある。開示されている一実施形態では、例えば、120°Cの熱エネルギーが熱エネルギープロセスに、より適している場合がある。
【0110】
加えて、図20は、有機ランキンサイクル(ORC)システム150への熱交換器160及びパイプライン170を介して、高温熱伝達ループ溶液中の熱をORCシステム150に供給し得ることを図示している。熱エネルギーは、パイプライン180によって、加熱後の流体を地域暖房用に町、若しくは例えば、温室、水耕栽培、水産養殖、又はそれらの組み合わせのような近隣のユーザに送達するなどによって、地域暖房に使用することができる。ORCシステム150からの流体は、再加熱しプロセスを繰り返すために熱交換器160に戻すことができる。ORCシステムは、加熱後の流体を使用して、沸点が低いガスを膨張させてタービンを回し、電気を生成することができ、ORCによって使い切れない過剰な熱エネルギーは、次に、上述したような地域暖房のために、パイプライン180を通る加熱後の水を介して町に送ることができる。
【0111】
図面では、ORCシステム150は、単純化された形式で図示されている。高温ループ作動流体は、熱交換器160へと閉ループシステムを通過して、分離された(ループ作動流体から分離された)流体を加熱するが、この分離された加熱後の流体は、その後、パイプライン170を介してORCシステム150に送られ、そこで分離された流体中の熱エネルギーが使用される。熱は、電気を生成せずに上述したような地域暖房用に使用してもよいし、或いは、例えば、ガスを膨張させてタービンを駆動してORCシステム150内で電気を生成するために、又はその他の熱力学的プロセスのために熱を使用してもよい。一例として、分離された流体は、水を含むことができる。ORCによって使用された後に分離された流体、例えば、水には、いくらかの熱エネルギーが残っている可能性があり、この流体、例えば、水は、パイプライン180によって、地域暖房のために町に、及び/又はプロセス若しくは他の加熱のために工業用若しくは商業用ユーザに、といったように、近隣の暖房のユーザに送ることができる。ORCシステム150又は加熱により使用されない、残りの分離された水は、ループ作動流体が使用された場合に、再加熱するために戻り下向流ライン190を介してダウンホールに送ることもできるし、或いは、分離された流体が使用された場合に、再加熱するために熱交換器160に戻すこともできる。
【0112】
開示されている一実施形態では、熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するためにループ作動流体を直接使用することもできるし、或いは、ループ作動流体は、上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。開示されている一実施形態では、ループ作動流体は、中間の、分離された流体を加熱するために間接的に使用することができ、この分離された流体を熱力学的プロセス、例えば、ORCシステム150を駆動するために使用することもできるし、或いは、この分離された流体を上述したような地域暖房のためにパイプライン180に供給することもできる。ループ作動流体の熱エネルギーは、直接、及び/又は間接的に使用することができる。
【0113】
示されている寸法、例えば、図20の4500m及び1000m、図21の4500m、並びに図22の4500mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0114】
実施例9
図23図26(実施形態3)を参照すると、坑井敷地20から、傾斜掘削ツールを用いて湾曲したフックのように地層のTVDまで第1の坑井40を掘削し、約90度で着地させることができる。第1の坑井40は、この地点、すなわち第1の坑井のICP50までケーシングすることができる。
【0115】
ケーシングの後、第1の坑井40は、約90度で保持しながら掘削することができ、回収可能な裸坑用ホイップストックを第4の回路接続地点、すなわち領域40Dに設置し、例えば、約100~500m程度の枝掘り掘削を行って、磁気測距を用いた接続を容易にすることができる。ホイップストックは、その後、回収され、第3の回路接続地点、すなわち領域40Cに移動され、この手順を繰り返すことができ、次に、第2の回路接続地点、すなわち領域40Bに対して、次に、第1の回路接続地点、すなわち領域40Aに対して継続することができる。
【0116】
第2の坑井70は、その後、第1の坑井40と実質的に平行、且つ反対方向に、例えば、約4500mの第1の坑井40と第2の坑井70との間の坑井離隔距離130で、同様に湾曲したフック状に約90度まで掘削することができる。第2の坑井70は、その後、そのICP、すなわち第2の坑井のICP80までケーシングすることができる。第2の坑井70を掘削した後、約90度の傾斜140をTDまで維持することができる。裸坑用の回収可能なホイップストックは、その後、第4の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Dに設置することができ、第4の回路100-4は、第1の坑井40に向かって掘削し、磁気測距ツールを用いて、領域40Aに接続させることができる。やはりここでも、上述したように、n=4の使用は単なる一例であり、本開示の回路100の数はnであり、したがって、これはn番目の回路から始まることになる。例えば、回路100の数が11であるならば、4番目からではなく11番目の回路から始まることになる。説明を続けると、このn=4の例の場合、裸坑用の回収可能なホイップストックは、回収し、第3の回路の枝掘り地点、すなわち領域70Cに移動させることができ、この手順は、第3の回路100-3、第2の回路100-2、そして次に、第1の回路100-1に対して継続することができる。各回路を掘削した後、回路100内の容積を決定するために、計算、及び/又は測定、及び/又は、その他の判定を行うことができ、ストリングホールオープナを使用して、例えば、第4の回路100-4(すなわち、仕上げが完了した最初の回路)の容積の約10パーセント以下といったような、選択された差異内で一致するように、各回路の部分を開放することになる。
【0117】
方向転換するために、掘削中に方向を変えるには、ある程度の距離/長さの坑井孔が必要な場合がある。開示されている一実施形態では、第1の坑井及び/又は第2の坑井の軌跡は、湾曲したフック状の軌跡を追従することができ、この軌跡では、坑井は、坑井敷地から、地層の地熱源ターゲット領域から離れる方向に、ある距離の間、及び/又は深度まで掘削され、その後、ターゲット領域に戻って通過する。開示されている一実施形態では、第1の坑井及び第2の坑井はいずれも、例えば、図25のような、湾曲したフック状の軌跡を追従する。これは、例えば、坑井敷地が、地熱源ターゲット領域の上方のほぼ中心に配置されて、例えば、掘削される可能性のある回路の数に対する収容能力、及び/又は、回路と地熱源との間の接触面積/容積が増大し得るときに、使用することができる。開示されている一実施形態では、例えば、湾曲したフック状の軌跡を使用することにより、垂直方向から横方向への軌跡と比較して、より多くの回路を掘削できる可能性がある。開示されている一実施形態では、例えば、湾曲したフック状の軌跡を使用することにより、8~10個以上の回路を可能にし得る。
【0118】
示されている寸法、例えば、図24の4500m及び4500mは、どれも単なる例であり、開示されている1つの実施形態を例示するものにすぎない。
【0119】
追加の実施形態
いくつかの態様では、本開示は、とりわけ、以下の実施形態による地熱システム及び関連する方法に関する。
【0120】
実施形態1。システムは、a)地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、地中の地層内に横方向の区分を含む第1の坑井孔と、b)地表から地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔と、c)第1の坑井孔の横方向の区分と、第2の坑井孔の横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路と、を含むとともに、第1の坑井孔、第2の坑井孔、及び複数の回路は、実質的に密閉された閉ループを形成し、複数の回路は、平衡化されている。
【0121】
実施形態2。複数の回路が、a)実質的に等しい回路の速度、b)実質的に等しい回路の圧力降下、c)実質的に等しい回路の長さ、d)実質的に等しい回路の容積、e)実質的に等しい抵抗、△P/流量、及びf)それらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む、実施形態1のシステム。
【0122】
実施形態3。複数の回路の回路パラメータが実質的に一致している、実施形態1又は2のシステム。
【0123】
実施形態4。回路パラメータが、a)回路の流体速度、b)回路の圧力降下、c)回路の長さ、d)回路の容積、e)抵抗、△P/流量、及びf)それらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む、実施形態3のシステム。
【0124】
実施形態5。回路パラメータが回路の流体速度、及び回路の長さを含む、実施形態3又は4のシステム。
【0125】
実施形態6。複数の裸坑回路が、第1の坑井孔と第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続するとともに、複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている、実施形態1~5のうちのいずれか1つのシステム。
【0126】
実施形態7。複数の裸坑回路を通して循環される作動流体から熱エネルギーを抽出するように適合された熱交換をさらに含む、実施形態1~6のうちのいずれか1つのシステム。
【0127】
実施形態8。方法であって、地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、地中の地層内に横方向の区分を含む第1の坑井孔を設けることと、地表から地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔を設けることと、第1の坑井孔の横方向の区分と、第2の坑井孔の横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路を設けることと、を含むとともに、第1の坑井孔、第2の坑井孔、及び複数の回路が、実質的に密閉された閉ループを形成し、複数の回路が平衡化され、地中の地熱地層から地表まで熱エネルギーを運ぶために、実質的に密閉された閉ループを通して作動流体を循環させている方法。
【0128】
実施形態9。複数の回路が、a)実質的に等しい回路の流体速度、b)実質的に等しい回路の圧力降下、c)実質的に等しい回路の長さ、d)実質的に等しい回路の容積、e)実質的に等しい抵抗、△P/流量、及びf)それらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む、実施形態8の方法。
【0129】
実施形態10。複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、回路パラメータと実質的に一致するように、複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ適合させることと、をさらに含む、実施形態8又は9の方法。
【0130】
実施形態11。回路パラメータが、a)回路の流体速度、b)回路の圧力降下、c)回路の容積、d)回路の長さ、e)回路の抵抗、△P/流量、及びf)それらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む、実施形態10の方法。
【0131】
実施形態12。複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、回路パラメータと実質的に一致するように、複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ修正することと、をさらに含む、実施形態8又は9の方法。
【0132】
実施形態13。回路パラメータが、a)回路の流体速度、b)回路の圧力降下、c)回路の長さ、d)回路の容積、e)回路の抵抗、△P/流量、及びf)それらの組み合わせ、のうちの1つ又は複数を含む、実施形態12の方法。
【0133】
実施形態14。複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ修正することが、複数の回路のうちの少なくとも1つの、少なくとも一部を大きくすることを含む、実施形態12又は13の方法。
【0134】
実施形態15。作動流体が熱サイホン結果によって少なくとも部分的に循環される、実施形態8~14のうちのいずれか1つの方法。
【0135】
実施形態16。熱エネルギーの少なくとも一部を使用して、ユーザに暖房を提供することをさらに含む、実施形態8~15のうちのいずれか1つの方法。
【0136】
実施形態17。熱エネルギーの少なくとも一部を使用して電気を生成することをさらに含む、実施形態8~16のうちのいずれか1つの方法。
【0137】
実施形態18。回路パラメータが回路の流体速度、及び回路の長さを含む、実施形態11又は13の方法。
【0138】
実施形態19。複数の裸坑回路を用いて、第1の坑井孔と第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続することをさらに含む、実施形態8~18のうちのいずれか1つの方法。
【0139】
実施形態20。複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている、実施形態8~19のうちのいずれか1つの方法。
【0140】
開示されている一実施形態では、供給垂直ヘッダ及び戻り垂直ヘッダを接続する回路はすべて、実質的に等しい長さ、実質的に等しい様々な直径、実質的に等しい抵抗のものとし、本明細書に記載のように接続されている回路が2個であろうと、又は10個であろうと、又は任意の数nであろうと、いずれにせよ、すべての回路を通して実質的に等しい流体流量率を強制する「先出し供給坑井-後入れ戻り坑井」構成で構成することができる。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0141】
開示されている一実施形態では、作動流体の実質的に等しい流量は、供給垂直ヘッダと戻り垂直ヘッダとの間のすべての回路全体にわたって供給することができる。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0142】
開示されている一実施形態では、各回路内の関連する条件が実質的に等しい場合、例えば、約+/-15パーセント以内、又は約+/-10パーセント以内の場合、2500以上のレイノルズ数(Reynolds number)が、向上した、又は最適な熱の伝達を提供することができる。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0143】
開示されている一実施形態では、すべての回路にわたって熱の伝達を最適化するために必要な流量を正確に予測するために、各回路に関する十分な情報を知り、回路(構築時の情報)から必要な情報を計算(ベストプラクティス)する必要がある。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0144】
すべての回路の容積及び通過流速が等しいことがわかれば、地層の熱伝達率を正確にモデル化できる可能性がある。同様に、ストリングホールオープナを用いて坑井孔の直径を変更することによって、レイノルズ数(無次元数)を大きくすることができ、したがって、熱伝達率もまた大きくすることできる。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0145】
地層接触面積を大きくすると、熱エネルギーをより効率的に生成できる可能性がある。
【0146】
開示されている一実施形態では、同じ場所(坑井敷地)から掘削することによって、プロジェクトを拡張可能とすることができ、南北、又は東西に限定されるのではなく、すべての羅針方位での地層との接触が可能になる。単一の場所であることで、坑井敷地には単一の設備だけが必要であり、一時的なインフラを必要としないことにより、資本的支出(CAPEX)もまた、大きく低減できる可能性がある。例えば、坑井敷地から、本明細書に記載されているような複数の閉ループ坑井システムを設けることができ、それらは坑井敷地から外側へと、複数の方向に、複数の深さまで、複数の長さまで、及び/又はそれらの組み合わせまで延在する。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0147】
開示されている平衡化されたループを設計すると、乾燥した狭い帯熱地層をターゲットとすることができる可能がある。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0148】
設計は、地層から抽出可能な熱の量を最適化して、低エンタルピー~中エンタルピーの地層からの地熱エネルギーの経済性を向上させることができる。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0149】
「熱伝達流体(heat transfer fluid)」又は「熱伝達溶液(heat transfer solution)」という用語は、本明細書では、地熱地層から地表まで熱を伝達するために、ループを通して運ばれる可能性がある任意の流体を指すように、広義に、区別なく使用される。この例には、水、水/グリコール、及び超臨界COが含まれるが、限定ではない。
【0150】
「回路(circuit)」又は「区間(leg)」又は「横方向の(lateral)」という用語は、本明細書では、第1の坑井と第2の坑井との間、回路間、又はこの両方の地熱地層を少なくとも部分的に通って延在する任意の裸坑用の導管を指すように、広義に、区別なく使用される。
【0151】
「抵抗(resistance)」又は「回路の抵抗(circuit resistance)」という用語は、本明細書では、流量で割り算した圧力の変化△P/流量を指すように、広義に使用される。
【0152】
開示されている一実施形態では、第2の坑井を供給坑井として使用することができ、第1の坑井を戻り坑井として使用することができる。供給坑井は「低温(cold)」坑井とも呼ばれる場合があり、戻り坑井は「高温(hot)」坑井とも呼ばれる場合がある。このような実施形態では、図面を参照すると、第2の坑井は「低温」であり、第1の坑井は「高温」である。開示されている一実施形態では、第1の坑井を供給坑井として使用することができ、第2の坑井を戻り坑井として使用することができる。開示されている一実施形態では、前記特徴は、実施形態1~20のうちの任意の1つと組み合わせることができる。
【0153】
開示されている一実施形態では、第1の坑井及び/又は第2の坑井は、地表で実質的に垂直とすることができ、第1の坑井と第2の坑井との間で異なっている場合がある深さまで垂直部分が実質的に垂直に延在し、その後、実質的に水平又は傾斜した部分へと方向転換する。方向転換は、当業者に既知の技法を使用することができ、限定するものではないが、例えば、傾斜掘削を使用して、垂直部分から延在する横方向の部分、又は垂直部分を水平若しくは傾斜した部分に続けて、垂直方向から水平方向に構築することができる。複数の回路の少なくとも一部は、地中の地熱地層の少なくとも一部を通って実質的に水平とすることができる。
【0154】
前述の説明では、実施形態を完全に理解できるようにするために、多数の詳細が説明目的で記載されている。しかしながら、これらの具体的な詳細が必須のものではないことが、当業者には明らかであろう。他の例では、理解を曖昧にしないために、よく知られた構造及びプロセスが、ブロック図の形態で示されている。
【0155】
本開示は、地熱の熱生成のためのシステム及び方法を提供する。平衡化された地熱エネルギー伝達ループは、地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔及び第2の坑井孔と、第1の坑井孔と第2の坑井孔との間に地熱地層を通って延在し、実質的に密閉された閉ループを形成する複数の平衡化された裸坑回路と、を含むことができる。複数の回路はそれぞれ、実質的に等しい回路パラメータを有するように設計又は修正することができる。回路パラメータは、回路の流体速度、回路の圧力降下、回路の容積、及び/又は回路の長さのうちの1つ又は複数を含むことができる。回路パラメータは、回路の長さ及び容積を含むことができ、回路は、供給/戻り坑井を先出し/後入れ構成で接続する。
【0156】
上記の実施形態は、単なる例であることが意図される。当業者により、特定の実施形態に対して、変更、修正及び変形が行われ得る。特許請求の範囲は、本明細書で明記されている特定の実施形態によって限定されないものとし、全体として、本明細書と矛盾しないように解釈されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
a.地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、前記地中の地層内に横方向の区分を含む第1の坑井孔と、
b.前記地表から前記地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、前記地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔と、
c.前記第1の坑井孔の前記横方向の区分と、前記第2の坑井孔の前記横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路と、
を含むとともに、
前記第1の坑井孔、前記第2の坑井孔、及び前記複数の回路が、実質的に密閉された閉ループを形成し、
前記複数の回路を通して実質的に等しい流量を供給するために、前記複数の回路が平衡化されているシステム。
【請求項2】
前記複数の回路が、
a.実質的に等しい回路の速度、
b.実質的に等しい回路の圧力降下、
c.実質的に等しい回路の長さ、
d.実質的に等しい回路の容積、
e.実質的に等しい抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の回路の回路パラメータが実質的に一致している、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記回路パラメータが、
a.回路の流体速度、
b.回路の圧力降下、
c.回路の長さ、
d.回路の容積、
e.抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記回路パラメータが回路の流体速度、及び回路の長さを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の裸坑回路が、前記第1の坑井孔と前記第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続するとともに、前記複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の裸坑回路を通して循環される作動流体から熱エネルギーを抽出するように適合された熱交換をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
方法であって、
地表から地中の地熱地層まで延在する第1の坑井孔であって、前記地中の地層内に横方向の区分を含む前記第1の坑井孔を設けることと、
前記地表から前記地中の地熱地層まで延在する第2の坑井孔であって、前記地中の地熱地層内に横方向の区分を含む第2の坑井孔を設けることと、
前記第1の坑井孔の前記横方向の区分と、前記第2の坑井孔の前記横方向の区分との間に延在する複数の裸坑回路を設けることと、
を含むとともに、
前記第1の坑井孔、前記第2の坑井孔、及び前記複数の回路が、実質的に密閉された閉ループを形成し、
前記複数の回路を通して実質的に等しい流量を供給するために、前記複数の回路が平衡化され、
前記地中の地熱地層から前記地表まで熱エネルギーを運ぶために、前記実質的に密閉された閉ループを通して作動流体を循環させている方法。
【請求項9】
前記複数の回路が、
a.実質的に等しい回路の流体速度、
b.実質的に等しい回路の圧力降下、
c.実質的に等しい回路の長さ、
d.実質的に等しい回路の容積、
e.実質的に等しい抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、前記回路パラメータと実質的に一致するように、前記複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ適合させることと、をさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記回路パラメータが、
a.回路の流体速度、
b.回路の圧力降下、
c.回路の容積、
d.回路の長さ、
e.回路の抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の回路のうちの最初の回路の回路パラメータを計算することと、前記回路パラメータと実質的に一致するように、前記複数の回路のうちの残りの回路をそれぞれ修正することと、をさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
前記回路パラメータが、
a.回路の流体速度、
b.回路の圧力降下、
c.回路の長さ、
d.回路の容積、
e.回路の抵抗、△P/流量、及び
f.それらの組み合わせ、
のうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の回路のうちの前記残りの回路をそれぞれ修正することが、前記複数の回路のうちの少なくとも1つの、少なくとも一部を大きくすることを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記作動流体が熱サイホン結果によって少なくとも部分的に循環される、請求項8~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
熱エネルギーの少なくとも一部を使用して、ユーザに暖房を提供することをさらに含む、請求項8~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記熱エネルギーの少なくとも一部を使用して電気を生成することをさらに含む、請求項8~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記回路パラメータが回路の流体速度、及び回路の長さを含む、請求項11又は13に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の裸坑回路を用いて、前記第1の坑井孔と前記第2の坑井孔とを、先出し/後入れ構成で接続することをさらに含む、請求項8~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の裸坑回路全体にわたる流れが平衡化されている、請求項19に記載の方法。
【国際調査報告】