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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】靴底
(51)【国際特許分類】
   A43B 7/14 20220101AFI20250130BHJP
   A43B 5/04 20060101ALI20250130BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A43B7/14 A
A43B5/04 Q
A43B13/14 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024547085
(86)(22)【出願日】2023-02-06
(85)【翻訳文提出日】2024-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2023052880
(87)【国際公開番号】W WO2023152094
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】000110/2022
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】000145/2022
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524295711
【氏名又は名称】イクス10デー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ヤン スバガー ファン ドク
(72)【発明者】
【氏名】トビアス シューマッハー
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA02
4F050BA07
4F050BA08
4F050HA56
4F050HA58
4F050JA00
(57)【要約】
靴底(100)であって、靴底(100)は、ガイド要素(40、41)を備えており、ガイド要素(40、41)は、地面接触面(12)と靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれており、足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されており、靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びている、靴底(100)を、ユーザの自然又は正しい歩行をさらにサポートするように、さらに形成するために、ガイド要素(40)は、固有受容覚用ガイド要素であり、かつ足接触面に向かって延びる隆起部(42、44)を有していること、及び/又は、靴底(100)が、実質的にS字形状の線(G)の内側に配置された踵セクション(3)の中に、安定化要素(50)を有しており、安定化要素(50)は、靴底(100)の中に取外し可能に固定され得るのであり、かつ、靴底(100)の外部に向かって、地面接触面(12)の平面の方向に、かつ該平面まで、延びていること、が提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、
前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、
前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って走り、かつ前記前足セクション(6)で終わる、
靴底において、
前記ガイド要素(40)は、固有受容覚用ガイド要素であり、かつ、前記足接触面に向かって延びる隆起部(42、44)を有しており、前記隆起部(42、44)は、少なくともS字形状の前記線に沿った領域に配置されており、かつ局所的な圧力上昇を前記靴底(100)の装着者の足(2)にもたらすように設計されている、ことを特徴とする、靴底。
【請求項2】
前記隆起部(42、44)は、球状セグメントとして設計されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の靴底。
【請求項3】
前記隆起部(42、44)は、前記踵セクション(3)、前記母指球セクション(5)、及び前記前足セクション(6)の領域内に配置されている、ことを特徴とする、請求項1又は2のうち一項に記載の靴底。
【請求項4】
実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された内側踵セクション(3a)内の前記隆起部(42、44)は、実質的にS字形状の前記線(G)の外側に配置された外側踵セクション(3b)内の前記隆起部(42、44)よりも小さな高さ及び/又はより小さな体積を有している、ことを特徴とする、請求項3に記載の靴底。
【請求項5】
実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された内側母指球セクション(5a)内の前記隆起部(42、44)は、実質的にS字形状の前記線(G)の外側に配置された外側母指球セクション(5b)内の前記隆起部(42、44)よりも大きな高さ及び/又はより大きな体積を有している、ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の靴底。
【請求項6】
前記靴底(100)は、前記アウトソール(10)と前記固有受容覚用ガイド要素(40)の間に配置された少なくとも1つのミッドソール(20)を有しており、前記固有受容覚用ガイド要素(40)は、前記ミッドソール(20)よりも幅が狭いことを、特に、前記地面接触面(12)及び前記固有受容覚用ガイド要素(40)は両方とも前記ミッドソール(20)よりも幅が狭いことを、特徴とする、請求項1から5のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項7】
-前記地面接触面(12)は、前記ミッドソール(20)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の前記足(2)の横方向の不安定性がもたらされており、かつ、
-前記アウトソール(10)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定される少なくとも1つの安定化要素(50)をさらに有しており、前記安定化要素(50)は、
-前記前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びており、
-前記踵セクション(3)の領域内かつ実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置されており、かつ、
-オプションとして、歩行又は走行中の前記足(2)の横方向の安定性を向上させるために、前記靴底(100)内に挿入されること又はかつ前記靴底(100)から取外されることができる、
ことを特徴とする、請求項6に記載の靴底。
【請求項8】
前記固有受容覚用ガイド要素(40)は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)を取り囲む、特に外側で取り囲む、前記靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている、ことを特徴とする、請求項1から7のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項9】
前記アウトソール(10)は、凹部(18)であって、実質的にS字形状の前記線(G)から見て前記アウトソール(10)の内側(10a)から、実質的にS字形状の前記線(G)から見て前記アウトソール(10)の外側(10b)に向かって、特に、前記靴底(100)に対して横方向に、又はS字形状の前記線(G)に対して垂直に、延びている凹部(18)を有しており、前記凹部(18)は例えばU字形状又はV字形状のノッチであり、前記凹部(18)の幅は前記固有受容覚用ガイド要素(40)の幅に対応しており、かつ、前記凹部(18)は、前記踵セクション(3)上を、前記中足セクション(4)上を、かつ前記母指球セクション(5)上を、S字形状の前記線(G)に沿って、互いに対して距離を有して配置されている、ことを特徴とする、請求項1から8のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項10】
前記靴底は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)に加えて、少なくとも1つのさらなるガイド要素(41)を有しており、前記さらなるガイド要素(41)は、安定化ガイド要素(42)であって、
-前記地面接触面(12)と前記固有受容覚用ガイド要素(40)の間に配置されており、かつ、
-前記安定化ガイド要素(40)を外側で取り囲む前記靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている、
安定化ガイド要素(42)として設計されている、ことを特徴とする、請求項1から9のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項11】
前記凹部(18)は、前記安定化ガイド要素(41)を通過して延びており、かつそれを中断している、ことを特徴とする、請求項9及び10に記載の靴底。
【請求項12】
前記安定化ガイド要素(41)は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)よりも硬質な材料から作製されていることを、特に、前記安定化ガイド要素(41)の硬度、約80ショア~約98ショアの範囲であり、かつ、前記固有受容覚用ガイド要素(40)の硬度は約75ショア~約90ショアの範囲であることを、特徴とする、請求項10又は11に記載の靴底。
【請求項13】
前記固有受容覚用ガイド要素(40)に加えて、前記安定化ガイド要素もまた、前記足接触面に向かって延びており、局所的な圧力上昇を前記靴底(100)の装着者の前記足にもたらすように設計されている、隆起部(42、44)を有している、ことを特徴とする、請求項10から12のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項14】
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って延び、かつ前記前足セクション(6)で終わり、かつ、前記地面接触面(12)は、S字形状の前記線(G)に沿って延びており、かつ前記靴底(100)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の足(2)の横方向の不安定性がもたらされている、靴底において、
前記靴底(100)が、実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された前記踵セクション(3)の中に、安定化要素(50)を有しており、前記安定化要素(50)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定され得るのであり、かつ、前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びている、ことを特徴とする、靴底。
【請求項15】
請求項1から14のうち少なくとも一項に記載の靴底を含む靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の包括的概念による履物の物品に適した靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の包括的用語による靴底は、特許文献1から公知である。この公知の靴底は、生理学的歩行パターンを、即ち自然又は正しい歩行を、サポートするように設計されたインソールを有している。
【0003】
自然又は正しい歩行において、足は地面に交互に接し、それに従って、足が地面に接するときには、足はまずその踵で地面に接するか、又は踵及び中足部で同時に地面に接する。その後、足は、足のわずかな変形を伴って地面の上を滑らかにロールし、それに従って、その踵セクション、中足セクション、母指球セクション、そして前足セクションが地面に接触する。このようにして、足は、地面との接触線を、又は、より正確には歩行線を、例えば生理学的歩行線を、画定する。
【0004】
最適には、即ち、健康な骨格、腱、筋肉及び神経を有し、自然な歩行を行う人間においては、この歩行線は、典型的には、各足のソール上の、実質的に/概ねS字形状の線である。最適な歩行線は、踵セクションからはじまり、中足セクション及び母指球セクションに沿って走り、前足セクションで、典型的には前足セクションの内側で、第1中足骨及び第2中足骨の領域内かつ親指及び人差し指の領域内で、終わる。
【0005】
足の固有受容覚を、即ち足の空間中の位置の認識を、特に歩行線の認識を、サポートするために、特許文献1は、靴底と比べてより幅が狭いインソールを有する靴底を提供している。それにより、インソールは靴底のS字形状の線に沿って延びるのである。固有受容覚を向上させかつ足の最適な動きを制御するために、この公知のインソールは、インソールを取り囲む靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている。このより硬質なインソールは、ニュートンの第3法則に従って、歩行時に足によってソール上に及ぼされる圧力に抗する対圧を生む。
【0006】
さらに、靴底のためのモジュール性を有するインソールシステムが、特許文献2から公知である。このモジュール性を有するインソールシステムは、かなり軟質でありかつレジリエンス性があるミッドソールと、ミッドソールの鉛直キャビティ内に挿入されることを意図された硬質なインサート要素と、を備えている。ユーザの自然又は正しい歩行は、異なる鉛直キャビティ内のインサートの硬度を変化させることによってサポートされ得る。特に、回内運動が、即ち、外側足領域が持ち上げられ内側足領域が下ろされている足の内向きの回転が、装着者の歩行に適合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2013056864号
【特許文献2】国際公開第2016092353号
【発明の概要】
【0008】
本発明は、冒頭で述べられたタイプの靴底をさらに発達させ、該靴底がユーザの自然又は正しい歩行を支持するようにする、というタスクに基づいている。この靴底は、最適な歩行線の認識を最適化することを意図されている。特に、該靴底は、ユーザの足を最適な歩行線へとガイドするべきである。
【0009】
このタスクは、請求項1において特定される特徴を有する靴底によって、かつ、請求項14において特定される特徴を有する靴底によって、解決される。本発明の有利な実施形態及び有用なさらなる実施形態は、それぞれの従属請求項において特徴づけられる。従って、本発明は、ガイド要素を、又はガイド要素のうち少なくとも1つを、足接触面に向かって延びる隆起部を有する固有受容覚用ガイド要素として形成することに基づいており、ここで、隆起部は、S字形状の線に沿った領域に少なくとも配置されており、かつ局所的な圧力上昇を靴底の装着者の足にもたらすように設計されている。このように、固有受容覚用ガイド要素は、局所的な圧力上昇を装着者の足に、少なくともS字形状の線に沿った特定の領域にもたらすように、設計されている。
【0010】
S字形状の線は、生理学的歩行線の中心を通って走る架空の線である。現在の例では、生理学的歩行線は、自然又は正しい歩行の間における足の地面との接触の線を指している。これは、踵セクションにはじまり、足の中足部に対して内側に配置された踵セクションの一領域から中足セクション及び母指球セクションに沿ったS字形状を走り、そして前足セクションで終わる。中足セクションでは、S字形状の線は、典型的には、足の中心の外側に位置する中足セクションの一領域を通って走り、その後、まず母指球セクションの中心を通って、そして足の中心の内側に位置する母指球セクションの一領域を通って、走る。前足セクションでは、S字形状の線は、典型的には、足の中心の内側に配置された前足セクションの側で、第1中足骨及び第2中足骨の領域内かつ親指及び人差し指の領域内で、終わる。
【0011】
局所的な圧力上昇を、装着者の足に、少なくともS字形状の線に沿った特定の領域に、与えるために、隆起部は、少なくともS字形状の線に沿った特定の領域内に、例えばS字形状の線の踵セクションの領域内に、かつS字形状の線の母指球セクションの領域内に、かつS字形状の線の前足セクションの領域内に、配置される。局所的な圧力上昇は、歩行の際のユーザの足の固有受容覚を、特に最適な歩行線の認識を向上させる。隆起部は、足をアクティベートしかつ刺激する。足は局所的な圧力上昇に従うので、固有受容覚用ガイド要素は、足を生理学的歩行線へとガイドする。
【0012】
それと独立して、又はそれと関連して、本発明は、靴底が、実質的にS字形状の線の内側に配置された踵セクションの中に、1つの安定化要素を有しており、この安定化要素は、靴底の中に取外し可能に固定され得るのであり、かつ、靴底の外部に向かって、地面接触面の平面の方向にかつ該平面まで、延びている、という事実に基づいている。現在の例では、上記の踵セクションは、踵セクションと中足セクションの間の移行領域とも呼称される。安定化要素は、歩行の際の足の固有受容覚を調整するように、例えば歩行線の認識の強度を調整するように、使用される。歩行の間の強い足の固有受容覚は、ユーザにとっては長時間にわたる負担又は疲労をもたらすものである場合もあるので、安定化要素は必要に応じて足の負担を軽減するように用いられることができると、有益である。従って、安定化要素は、固有受容覚の強度を、特に最適な歩行線の認識の強度を、必要に応じて最適化するように使用され得るのである。
【0013】
安定化要素が靴底に取付けられている場合には、それは、踵セクションの内側内部領域を支持する。これは、後足又は踵骨を安定化させ、足の回内運動を調整し、そして、歩行の際の足の固有受容覚の強度をわずかに下げる。このように、安定化要素は、足を生理的な歩行線へとガイドし、かつ足の最適な運動シークエンスを制御する。安定化要素が所定の位置にある状態では、靴底の装着者は、歩行の際に必要とするアクティブ性は少なくてよく、即ち、必要な筋肉のアクティベーションはより少なくてよく、これは、安定化要素が踵骨を内側から支持しているからである。
【0014】
固有受容覚を向上させるために、本発明の有利な実施形態では、地面接触面は、靴底よりも小さな幅の広がりを有している。従って、好ましくは、固有受容覚用ガイド要素及び地面接触面の両方が、S字形状の線に沿って延びている。換言すれば、この有利な例示的な実施形態では、中足セクション内の地面接触面は、内側及び外側に凹部を含んでいる。
【0015】
従って、有利には、靴底は、少なくとも1つのミッドソールを、例えばソールボディ又はボディを有しており、それにより、固有受容覚用ガイド要素及び地面接触面は、ミッドソールよりも幅が狭い。従って、好ましくは、固有受容覚用ガイド要素及び地面接触面の幅は、ミッドソール又はソールボディの幅よりも小さい。
【0016】
特に、地面接触面及び固有受容覚用ガイド要素の踵セクションは、ミッドソールの踵セクションよりも小さい面積を、例えば少なくとも1/20だけ、例えば少なくとも1/10だけ、好ましくは少なくとも1/8だけ小さい面積を、有している。
【0017】
地面接触面及び固有受容覚用ガイド要素の踵セクションは、従って、ミッドソールの踵領域と比較すると、凹部を有している。この凹部は、踵セクションを取り囲んでおり、踵セクションの内側内部領域に形成されてもいる。踵セクションの内側内部領域に配置された凹部の領域では、靴底は、好ましくは、安定化要素を受け入れるように設計された受け入れ要素を有している。例えば、踵セクションの地面接触面積は、踵セクションの地面接触面積の約3/4を満たすことができ、かつ、安定化要素を受け入れるように設計された受け入れ要素は、踵セクションの地面接触面積の約1/4を満たすことができる。
【0018】
さらに、地面接触面及び固有受容覚用ガイド要素の中足セクションは、ミッドソールの中足セクションよりも小さな面積を、例えば、少なくとも1/4だけ、少なくとも約1/3だけ、好ましくは少なくとも半分だけ、小さな面積を有している。
【0019】
地面接触面及び固有受容覚用ガイド要素の母指球セクションは、有利には、ミッドソールの母指球セクションよりも小さな面積を、例えば、少なくとも1/20だけ、例えば少なくとも約1/15だけ、好ましくは少なくとも1/10だけ、小さな面積を有している。
【0020】
地面接触面及び固有受容覚用ガイド要素の前足セクションは、ミッドソールの前足セクションよりも小さな面積を、例えば、少なくとも1/3だけ、少なくとも約半分だけ、好ましくは少なくとも3/5だけ、小さな面積を有している。このように、地面接触面及び固有受容覚用ガイド要素の前足セクションは、概ね足の親指の幅を有し得るのであり、前足セクションは前足全体の幅を有し得る。
【0021】
固有受容覚用ガイド要素及び地面接触面の、ミッドソールと比較して幅がより狭いという設計によって、横方向の不安定性が生じる、換言すれば、歩行又は走行中に、足が長手方向軸を中心としてロール又は傾斜する傾向が生じる。この横方向の不安定性により、自然又は正しい歩行及びユーザの足の固有受容覚が向上される。
【0022】
固有受容覚用ガイド要素及び地面接触面の両方がS字形状の線に沿って延びている実施形態では、安定化要素は特に疲労時に足の負担を軽減するために有用である。本発明による安定化要素は、歩行の際に踵セクション又は後足部の領域で靴底を安定化させるが、横方向の不安定性を完全に低減させるわけではない。このことは、横方向の不安定性は、幾分か弱まった形態で残存するということを意味する。対照的に、地面接触面が靴の幅全体にわたって延びている靴底は、例えば特許文献2(国際公開第2016092353号)から知られる靴底は、横方向の不安定性を何ら有していない。
【0023】
本発明によれば、安定化要素は、踵セクション又は踵領域に配置されている。このことは、上記の靴底の地面接触面の形状及びサイズは、安定化要素が靴底内に挿入されているか否かによらず、変化させられない、という有利な点を有する。
【0024】
固有受容覚をさらに強化するために、固有受容覚用ガイド要素は、固有受容覚用ガイド要素を取り囲む靴底の材料よりも硬質な材料から、特に少なくとも1つのより硬質なエラストマから、作製されてもよい。例えば、固有受容覚用ガイド要素は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び固有受容覚用ガイド要素を取り囲む靴底の材料から成る群から選択された少なくとも1つの材料から作製されてもよく、特に、ミッドソールの材料は、少なくとも1つのより軟質のエラストマから、例えばポリウレタン(PU)及び/又はエチレンビニルアセテート(EVA)から成る群から選択された材料から、作製されてもよい。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、
-固有受容覚用ガイド要素の硬度は約75ショア~約90ショアの範囲であり、例えば約81ショア~約90ショアの範囲であり、かつ、
-ミッドソールの硬度は約40ショア~約70ショアの範囲であり、かつ/又は、
-地面接触面の硬度は約40ショア~約70ショアの範囲である。
【0026】
安定化要素の硬度は、有利には、約20ショア~約95ショアの範囲であり、好ましくは50ショア~90ショアの間である。安定化要素の硬度が高くなればなるほど、靴底の内側の安定性も高まる。
【0027】
固有受容覚用ガイド要素及び/又はミッドソール及び/又は地面接触面は、上記の範囲内で、一様な硬度を有している場合もあれば、異なる硬度を有している場合もある。さらに、固有受容覚用ガイド要素及び/又はミッドソール及び/又は地面接触面は、一様な厚さを有している場合もあれば、厚さが変化する場合もある。
【0028】
換言すれば、特許文献1(国際公開第2013056864号)に記載されているように、靴底は、S字形状の線に沿って延びる第1のソール部分と、実質的にS字形状の線の両側に沿って延びる第2のソール部分と、を備えている、という場合もある。
【0029】
従って、現在の例では、靴底は、固有受容覚用ガイド要素及びアウトソールを第1のソールセクションとして含み、さらに、任意には、安定化要素及び固有受容覚用ガイド要素に鉛直な平面内に配置された他のソール要素の領域を、例えばS字形状の線に沿って延びるミッドソールの領域を、含んでもよい。
【0030】
第2のソールセクションとして、靴底は、アウトソール及び任意には固有受容覚用ガイド要素に外側で隣接する他のソール要素の領域を、例えばミッドソールを、含み得るのである。
【0031】
第1のソールセクションの、例えば固有受容覚用ガイド要素及び/又は安定化ガイド要素の局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度は、第2のソールセクションの、例えば、第1のソールセクションに隣接した、ミッドソール等の局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度よりも大きくてよい。従って、現在の例では、固有受容覚用ガイド要素及び/又は安定化ガイド要素の局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度は、例えばS字形状の線の領域内では、ミッドソールの局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度よりも大きくてよい。
【0032】
例えば、特許文献1に記載されたように、第1のソールセクションの局所的な厚さは、第1のソールセクションに隣接した第2のソールセクションの局所的な厚さよりも大きい場合がある。ここで、第1のソールセクション及び第2のソールセクションは、同じ硬度を有している。従って、固有受容覚用ガイド要素及び/又は安定化ガイド要素の局所的な厚さは、ミッドソールの局所的な厚さよりも大きくあり得る。ここで、固有受容覚用ガイド要素及び/又は安定化ガイド要素は、ミッドソールと同じ硬度を有している。
【0033】
さらに、固有受容覚用ガイド要素及び/又は安定化ガイド要素の局所的な硬度は、ミッドソールの局所的な硬度よりも大きい場合がある。ここで、固有受容覚用ガイド要素及び/又は安定化ガイド要素は、ミッドソールと同じ厚さを有している。
【0034】
局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度における、
-固有受容覚用ガイド要素とミッドソールの間の差異は、かつ/又は、
-安定化ガイド要素とミッドソールの間の差異は、
踵セクションと母指球セクションの間に延びる中足セクションにおいて、より大きい場合がある。このような局所的な厚さ及び又は硬度の分布は、S字形状の線に沿ったさらなる局所的な圧力上昇を装着者の足にもたらし、従って、受容性感覚効果を高める。
【0035】
さらに、本発明の有利な実施形態では、アウトソールの高さ及び/又は厚さは、
踵セクションの内側領域において、踵セクションの外側領域においてよりも、約1mm~1.5mmだけ高い/厚い場合があり、かつ/又は、
母指球セクションの内側領域において、母指球セクションの外側領域においてよりも、約1mm~2mmだけ小さい場合があり、かつ/又は、
前足セクションの内側領域において、前足セクションの外側領域においてよりも、約1mm~2mmだけ小さい場合がある。
このようにすると、足は、最適には、生理学的歩行線に向かってガイドされる。
【0036】
代替的には、又はこれと一緒に、靴底は、固有受容覚用ガイド要素に加えて、S字形状の線に沿って延びるさらなるガイド要素を、例えば少なくとも1つの安定化ガイド要素を、備え得る。安定化ガイド要素は、地面接触面と固有受容覚用ガイド要素の間に、特に地面接触面とミッドソールの間に、配置されている。足の最適な運動を制御するために、上記さらなるガイド要素は、該さらなるガイド要素を外側から取り囲むか又は従って実質的にS字形状の線(G)の両側に沿って延びる靴底の材料よりも硬質な材料から、作製される。例えば、隆起部を有する固有受容覚用ガイド要素は、ポリウレタン(PU)及び/又はエチレンビニルアセテート(EVA)及び/又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)から成る群から選択された少なくとも1つの材料から作製され得る。さらに、安定化ガイド要素は、熱可塑性ポリウレタンから成る群から選択された少なくとも1つの材料から作製され得る。
【0037】
安定化ガイド要素は、靴底を、それが歩行の際の変形にかかわらず常にその元々の形状を回復するように、安定化させる。加えて、安定化ガイド要素は、固有受容覚用ガイド要素を支持し、かつ、作用反作用の原理に従い、固有受容覚用ガイド要素の隆起部によって、安定化ガイド要素に対して適用された圧力に抗する対圧を提供する。このように、この安定化ガイド要素は、固有受容覚用ガイド要素と相互作用し、隆起部によって引き起こされる局所的な圧力上昇が増幅される。このように、固有受容覚用ガイド要素及び安定化ガイド要素は、生理学的歩行パターンに関する情報としての地面と接触している足の圧力線を、相乗的に支持する。
【0038】
有利な例示的な実施形態では、安定化ガイド要素の硬度は、少なくとも80ショアであり、好ましくは80ショアよりも大きく、例えば約81ショア~98ショアの範囲内である。安定化ガイド要素は、上記の範囲内で、一様な硬度を有する場合もあれば、異なる硬度を有する場合もある。さらに、安定化ガイド要素は、一様な厚さを有する場合もあれば、厚さが変化する場合もある。
【0039】
有利な実施形態では、固有受容覚用ガイド要素は、ミッドソールよりも硬質だが、安定化ガイド要素よりも軟質であり従ってより動的であり、又は、換言すれば、より可撓性である。この例では、固有受容覚用ガイド要素は、安定化ガイド要素の硬度情報を足に伝達する。アウトソールと安定化ガイド要素とミッドソールと固有受容覚用ガイド要素の間の相互作用は、最適な歩行線の認識の強度を制御する。
【0040】
本発明の有利な実施形態では、固有受容覚用ガイド要素に加えて、安定化ガイド要素もまた、足接触面に向かって延びる隆起部を有し得る。該隆起部は、局所的な圧力上昇を靴底の装着者の足にもたらすように設計されている。これらの隆起部は、有利には、固有受容覚用ガイド要素の隆起部と類似に配置されている。結果として、靴底は、圧力上昇を示す。このように、固有受容覚の認識及び生理学的歩行線へのガイドが強化される。
【0041】
局所的な圧力上昇のために形成された隆起部は、好ましくは、踵セクション、母指球セクション、及び前足セクションの領域内に配置されている。従って、有利には、隆起部は、S字形状の線に沿って配置され、中足セクションは隆起部を有さない。踵セクション、母指球セクション、及び前足セクションの領域内での、歩行の間の地面接触のフィードバックは、特に、ユーザの自然又は正しい歩行を支持するのに有用である。
【0042】
隆起部は、例えば球状セグメントとして設計され得る。球状セグメントは、装着するに快適であり、かつ最適には、足の血液循環をアクティベートする。
【0043】
隆起部のサイズを変化させることによって、特にその高さ及び/又は体積を変化させることによって、足は最適な歩行線へとガイドされ得る。異なる高さの隆起部の圧覚点は、従って、それがロールすべき領域へと足を部分的にガイドすることが可能である。例えば、圧覚点の高さは、約0.2mm~約4mmの範囲で、好ましくは、約1mm~約2mmの範囲で変化することができる。例えば、約1mmの高さの小さな隆起部、約1.5mmの高さを有する中くらいの隆起部、及び約2mmの高さを有する大きな隆起部が設けられ得る。
【0044】
本発明の有利な実施形態では、ユーザの足を最適な歩行線へとガイドするために、実質的にS字形状の線の内側に配置された、踵領域内の隆起部は、即ち足の内側の踵領域内の隆起部は、実質的にS字形状の線の外側に配置された踵領域内の隆起部よりも小さな高さ及び/又は小さな体積を有している。「実質的にS字形状の線の内側に配置された」という語は、S字形状の線から見て足の内側に向かって配置されている領域を指す。「実質的にS字形状の線の外側に配置された」という語は、S字形状の線から見て足の外側に向かって配置されている領域を指す。
【0045】
それとは独立して、又はそれと関連して、ユーザの足を最適な歩行線へとガイドするために、実質的にS字形状の線の内側に配置された、母指球セクションの隆起部は、実質的にS字形状の線の外側に配置された母指球セクションの隆起部よりも大きな高さ及び/又は体積を有し得る。
【0046】
靴底によりよいロール行為を与えるために、凹部が、特にU字形状又はV字形状のノッチが、アウトソール内に、又はアウトソール内及びミッドソール内に配置される場合がある。従って、これらの凹部は、足の中央部に対して内側に配置されたアウトソールの側から、足の中央部に対して外側に配置されたアウトソールの側に、例えば靴底を横切るように、又はS字形状の線に直交して、延びる。凹部の幅は、固有受容覚用ガイド要素の幅に対応している。S字形状の線(G)の長手方向に沿って、凹部は、少なくとも踵セクション上に、中足セクション上に、かつ母指球セクション上に、配置される。凹部は、長手方向に互いに離隔して配置される。凹部の長手方向の間隔は、規則的に配置されてもよいし不規則的に配置されてもよく、即ち該間隔は変化し得る。凹部は、靴底の1つの側から他方の側に至る直線として延び得る。代替的には、凹部はアウトソールの2つの側同士の間で、曲線又は折り畳み線として、例えばC字形状で、延び得る。凹部は、好ましくは、S字形状の線上にのみ配置されている。凹部は、靴底が連続的にではなく動的にロールすることを引き起こす。靴底はより容易にロールし、より可撓性にされている。このことは、装着者がより安定化をさせなければならないことを意味する。
【0047】
本発明は、歩行修正又は歩行メンテナンスのための、特に歩行中の足の位置異常の治療処置のための、上記のタイプの靴底に関する。
【0048】
最後に、本発明は、上記のタイプの靴底を含む靴に関する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
既に上で論じたように、本発明の教えるところを有利に設計しかつさらに発展させるための様々なやり方がある。この目的のために、一方では、請求項1に続く請求項への参照が行われる。そして他方では、本発明のさらなる実施形態、特徴及び有利な点が、特に図1~8によって示される2つの実施形態を参照しつつ、以下でより詳細に説明される。
【0050】
図1】本発明による靴底の第1の実施形態の分解図である。
図2図1の靴底の平面図である。
図3図1の靴底の下面図である。
図4図3に示された断面線に沿った、図1の靴底の横断面図である。
図5図1の靴底の側面図である。
図6図1の靴底の安定化要素の分解図及び組立配置図である。
図7】本発明による靴底の第2の実施形態の下面図である。
図8図7の靴底の側面図である。
【0051】
図1~8において、同一又は類似の設計、要素、又は特徴は、同一の参照符号を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1~8を参照しつつ示される本発明の2つの実施形態において、歩行修正又は歩行メンテナンスのために、特に予防的支持及び生理学的歩行パターンの治療処置のために、設計された、履物に適した靴底が示される。
【0053】
図1に示されているように、靴底100は、そのアウトソール10の地面接触面12上に、靴底100に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション3、中足セクション4、母指球セクション5、及び前足セクション6を備えている。踵、中足、及び母指球のセクションは、各々、靴底100を装着する際に、足2のアーチの下方でそのアーチ領域に隣接している。例えば、アウトソールは、濡れた路面のよいグリップを提供しもする、耐久性のあるスリップ防止ソールとして設計され得る。
【0054】
さらに、靴底100は、地面接触面12と靴底100の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動を制御するように形成された、少なくとも1つの実質的にS字形状のガイド要素40、41を備えている。換言すれば、ガイド要素40、41は、実質的にS字形状の線(G)に沿って延びており、この実質的にS字形状の線(G)は、踵セクション3にはじまり、中足セクション4及び母指球セクション5に沿って延び、前足セクション6で終わる。
【0055】
図1~8に示されている例示的な実施形態では、靴底100は第1のガイド要素を、即ち足接触面に向かって延びる隆起部42、44を有する固有受容覚用ガイド要素40を、備えている(図2及び4を参照)。この実質的にS字形状の固有受容覚用ガイド要素40は、生理学的歩行パターンに関する情報としての地面と接触している足2の圧力線を支持する。さらに、圧覚点は、血液循環を刺激及び改善し、軽いマッサージとして機能する。
【0056】
その特性に関しては、特に、その硬度及び/又はその厚さの分布、ならびに靴底内での配置及びその形状に関しては、固有受容覚用ガイド要素40は、特許文献1に記載の第2のインソール又は上側インソールのように設計され得る。
【0057】
加えて、靴底100は、地面接触面12と固有受容覚用ガイド要素40の間に配置されたさらなるガイド要素41を、即ち安定化ガイド要素41を、例えばガイドする安定化要素を有している。これは、ガイド要素40、41を取り囲む靴底の材料よりも硬質な材料から形成される。従って、安定化ガイド要素41の局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度は、ガイド要素40、41を取り囲む、特に外側で取り囲む、靴底100の材料の局所的な厚さ及び/又は局所的な硬度よりも大きい。
【0058】
安定化ガイド要素41は、靴をその元々の位置に戻すように常にガイドし、靴がゆがんでしまうことを防止する。この目的のために、安定化ガイド要素41は、ミッドソール20よりも硬質な材料から作製されるのである。
【0059】
その特性に関して、特に、その硬度及び/又はその厚さの分布、ならびに靴底内での配置及びその形状に関しては、安定化ガイド要素41は、特許文献1に記載の第1のインソールのように設計され得る。
【0060】
ガイド要素40、41を取り囲む材料は、靴底100のミッドソール20に関連付けられている。このミッドソール20は、その特性に関連して、特にその形状、その材料、その機能及びその有利な点に関連して、特許文献1に記載のベースボディのように、設計され得る。
【0061】
このミッドソールは、例えばポリウレタンから作製され得る。ポリウレタンの密度が高可撓性を実現し、靴底の装着者に非常に快適な感覚を与える。また、ポリウレタンは耐久性があり、熱さ寒さにさらされたときでさえも安定性を維持する。
【0062】
ガイド要素40、41は、使用時にはミッドソール20に統合されており、例えばミッドソール20に接着されているか又はミッドソールに鋳込まれている。
【0063】
ガイド要素40、41は、ミッドソール20よりも小さな幅の広がりを有している。図1に示されているように、地面接触面12は、有利には、少なくとも1つのガイド要素40、41と同じ形状を有している。
【0064】
図1~6は、アウトソール10、ミッドソール20、及び少なくとも1つの実質的にS字形状のガイド要素40、41を有する、靴底を示している。アウトソール10は、実質的にS字形状の地面接触面12を有している。ガイド要素40、41のうち少なくとも1つは、当該少なくとも1つの実質的にS字形状のガイド要素40、41を外側から取り囲む靴底100の材料よりも硬質である。地面接触面12及びガイド要素40、41は、両方とも、ミッドソール20よりも幅が狭く、かつ、それらがS字形状の線Gに沿って延びるような形状をしている。
【0065】
地面接触面12は、歩行又は走行中の足2の横方向の不安定性を引き起こすように設計されている。少なくとも1つのガイド要素、又はガイド要素40、41のうち少なくとも1つは、歩行線に沿った局所的な圧力上昇を装着者の足2にもたらすように設計されている。
【0066】
また、アウトソール10は、取り外し可能な安定化要素50も有しており、これは、踵セクション3内かつ地面接触面12の内側に、追加的な地面接触を提供するように、設計されている。オプションとして、安定化要素50は、歩行又は走行時の足の外側安定性を向上させるために、挿入又は取外しが可能である。本明細書では、足の側方安定性は、その長手方向軸を中心とした足の安定性を意味するものと理解されたい。このように、横方向の安定性は、その長手方向軸を中心とした足のロール傾向に反作用する。
【0067】
靴底100の踵領域を通る横断面が、左の靴に適したものが、図4に示されている。
【0068】
例えば、安定化要素50は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)の群から選択された少なくとも1つの材料から作製され得る。
【0069】
安定化要素50は、靴に内反方向の支持を与えることによって、後足又は踵骨をガイドする。このようにして、安定化要素50は、後足が自然な元々の位置に戻るように常にガイドする。従って、安定化要素50は、足がゆがむ、ねじれる、又は早くに変形してしまうことを防止する。
【0070】
外部上の外側では、地面接触面12も、踵領域3の靴底100よりも幅が狭い。従って、安定化要素50にもかかわらず、横方向の不安定性が踵領域において維持される。
【0071】
安定化要素50を収容するために、アウトソール10は有利には受け入れ要素14を有している。図6に示されているように、受け入れ要素14は、固定要素16を有し得る。この固定要素16は、安定化要素50が受け入れ要素14の中に取外し可能に固定されることができるように、安定化要素50の相補的な固定手段52と協働するように設計されている。さらに、安定化要素50はまた、少なくとも1つのプラグイン接続及び/又は少なくとも1つのスクリュー接続によって、靴底の中に保持され得る。
【0072】
上記されたように、かつ図2及び4に示されているように、少なくとも1つのガイド要素又はガイド要素40、41のうち少なくとも1つは、足2に面するその面上に、複数の固有受容覚向上用隆起部又は突出部42、44を有し得る。これらの固有受容覚向上用隆起部42、44は、例えば、泡のような形状を有し得る。この隆起部は、2つまたは3つの異なるサイズで形成され得る。これによって、例えば、足は歩行線Gに向かってガイドされ得る。固有受容覚用ガイド要素40、41は、好ましくは、固有受容覚向上用隆起部42、44を有する単一部片に形成される。
【0073】
図7及び8に示されている、本発明による靴底の第2の例示的な実施形態は、凹部18が、例えばU字形状又はV字形状の横方向ノッチが、例えば屈曲性の横方向溝が、アウトソール及びミッドソール内に配置されているという点で、図1~6に示されている例示的な実施形態とは異なっている。これらの凹部18は、前足領域においてはS字形状の線に対して横断するように走っており、靴底をさらに一層可撓性にし、かつロールしやすいようにする効果を有する。
【0074】
ノッチは、地面接触面12からミッドソール20に延びる、最小2mmで最大1cmの深さを有し得る。さらに、ノッチは、地面接触面に1mm~1cmの幅を有し得る。ノッチ同士の長手方向における間隔は、1mm~10mmであり得るのであって、好ましくは、例えば1mm~6mmであり得る。
【0075】
図1~8に示された靴底は、装着者がよりよくロールし、より直立的かつ健康的に歩行することを可能にする。靴底は、固有受容覚用ガイド要素40によって、S字形状の線Gに沿った軽い圧力で、足をガイドするのである。
【符号の説明】
【0076】
2 足
3 踵セクション又は踵領域又は後足領域、特に踵骨の領域
3a S字形状の線に対して内側に配置されている、内側踵セクション
3b S字形状の線に対して外側に配置されている、外側踵セクション
4 中足セクション又は中足領域
5 母指球セクション又は母指球領域
5a S字形状の線に対して内側に配置されている、内側母指球セクション
5b S字形状の線に対して外側に配置されている、外側母指球セクション
6 前足セクション又は前足領域、特に爪先領域
6a S字形状の線に対して内側に配置されている、内側前足セクション
6b S字形状の線に対して外側に配置されている、外側前足セクション
10 アウトソール
10a アウトソール10の内側又は内寄りの側
10b アウトソール10の外側又は外寄りの側
12 アウトソール10の床面接触領域
14 安定化要素50を受け入れるためのアウトソール10の受け入れ要素
16 取付要素14の固定手段
18 凹部、特に、よりダイナミックなロールのための横方向ノッチ。例えばフレックスな横方向溝
20 ミッドソール、例えば靴底100のミッドソール又はボディ
40 足接触面に向かって延びる隆起部42、44を有する固有受容覚用ガイド要素
41 安定化ガイド要素、特にガイドする安定化要素
42 隆起部又は固有受容覚向上用突出部、特に、足接触面に向かって延びる固有受容覚用要素40の球状セグメント。例えば、約1mmの高さを有する隆起部
44 さらなる隆起部又は固有受容覚向上用突出部、特に、足接触面に向かって延びる固有受容覚用要素40のさらなる球状セグメント。例えば、約2mmの高さを有する隆起部
50 安定化要素
52 安定化要素50の固定手段
100 靴底
G S字形状の線、特に生理学的ハイドログラフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、
前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、
前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って走り、かつ前記前足セクション(6)で終わる、
靴底において、
前記ガイド要素(40)は、固有受容覚用ガイド要素であり、かつ、前記足接触面に向かって延びる隆起部(42、44)を有しており、前記隆起部(42、44)は、少なくともS字形状の前記線に沿った領域に配置されており、かつ局所的な圧力上昇を前記靴底(100)の装着者の足(2)にもたらすように設計されている、ことを特徴とする、靴底。
【請求項2】
前記隆起部(42、44)は、球状セグメントとして設計されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の靴底。
【請求項3】
前記隆起部(42、44)は、前記踵セクション(3)、前記母指球セクション(5)、及び前記前足セクション(6)の領域内に配置されている、ことを特徴とする、請求項1又は2のうち一項に記載の靴底。
【請求項4】
実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された内側踵セクション(3a)内の前記隆起部(42、44)は、実質的にS字形状の前記線(G)の外側に配置された外側踵セクション(3b)内の前記隆起部(42、44)よりも小さな高さ及び/又はより小さな体積を有している、ことを特徴とする、請求項3に記載の靴底。
【請求項5】
実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された内側母指球セクション(5a)内の前記隆起部(42、44)は、実質的にS字形状の前記線(G)の外側に配置された外側母指球セクション(5b)内の前記隆起部(42、44)よりも大きな高さ及び/又はより大きな体積を有している、ことを特徴とする、請求項3又は4に記載の靴底。
【請求項6】
前記靴底(100)は、前記アウトソール(10)と前記固有受容覚用ガイド要素(40)の間に配置された少なくとも1つのミッドソール(20)を有しており、前記固有受容覚用ガイド要素(40)は、前記ミッドソール(20)よりも幅が狭いことを、特に、前記地面接触面(12)及び前記固有受容覚用ガイド要素(40)は両方とも前記ミッドソール(20)よりも幅が狭いことを、特徴とする、請求項1から5のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項7】
-前記地面接触面(12)は、前記ミッドソール(20)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の前記足(2)の横方向の不安定性がもたらされており、かつ、
-前記アウトソール(10)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定される少なくとも1つの安定化要素(50)をさらに有しており、前記安定化要素(50)は、
-前記前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びており、
-前記踵セクション(3)の領域内かつ実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置されており、かつ、
-オプションとして、歩行又は走行中の前記足(2)の横方向の安定性を向上させるために、前記靴底(100)内に挿入されること又はかつ前記靴底(100)から取外されることができる、
ことを特徴とする、請求項6に記載の靴底。
【請求項8】
前記固有受容覚用ガイド要素(40)は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)を取り囲む、特に外側で取り囲む、前記靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている、ことを特徴とする、請求項1から7のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項9】
前記アウトソール(10)は、凹部(18)であって、実質的にS字形状の前記線(G)から見て前記アウトソール(10)の内側(10a)から、実質的にS字形状の前記線(G)から見て前記アウトソール(10)の外側(10b)に向かって、特に、前記靴底(100)に対して横方向に、又はS字形状の前記線(G)に対して垂直に、延びている凹部(18)を有しており、前記凹部(18)は例えばU字形状又はV字形状のノッチであり、前記凹部(18)の幅は前記固有受容覚用ガイド要素(40)の幅に対応しており、かつ、前記凹部(18)は、前記踵セクション(3)上を、前記中足セクション(4)上を、かつ前記母指球セクション(5)上を、S字形状の前記線(G)に沿って、互いに対して距離を有して配置されている、ことを特徴とする、請求項1から8のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項10】
前記靴底は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)に加えて、少なくとも1つのさらなるガイド要素(41)を有しており、前記さらなるガイド要素(41)は、安定化ガイド要素(42)であって、
-前記地面接触面(12)と前記固有受容覚用ガイド要素(40)の間に配置されており、かつ、
-前記安定化ガイド要素(40)を外側で取り囲む前記靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている、
安定化ガイド要素(42)として設計されている、ことを特徴とする、請求項1から9のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項11】
前記凹部(18)は、前記安定化ガイド要素(41)を通過して延びており、かつそれを中断している、ことを特徴とする、請求項9及び10に記載の靴底。
【請求項12】
前記安定化ガイド要素(41)は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)よりも硬質な材料から作製されていることを、特に、前記安定化ガイド要素(41)の硬度、約80ショア~約98ショアの範囲であり、かつ、前記固有受容覚用ガイド要素(40)の硬度は約75ショア~約90ショアの範囲であることを、特徴とする、請求項10又は11に記載の靴底。
【請求項13】
前記固有受容覚用ガイド要素(40)に加えて、前記安定化ガイド要素もまた、前記足接触面に向かって延びており、局所的な圧力上昇を前記靴底(100)の装着者の前記足にもたらすように設計されている、隆起部(42、44)を有している、ことを特徴とする、請求項10から12のうち少なくとも一項に記載の靴底。
【請求項14】
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って延び、かつ前記前足セクション(6)で終わり、かつ、前記地面接触面(12)は、S字形状の前記線(G)に沿って延びており、かつ前記靴底(100)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の足(2)の横方向の不安定性がもたらされている、靴底において、
前記靴底(100)が、実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された前記踵セクション(3)の中に、単一の安定化要素(50)を有しており、前記安定化要素(50)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定され得るのであり、かつ、前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びている、ことを特徴とする、靴底。
【請求項15】
請求項1から14のうち少なくとも一項に記載の靴底を含む靴。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
図1~8に示された靴底は、装着者がよりよくロールし、より直立的かつ健康的に歩行することを可能にする。靴底は、固有受容覚用ガイド要素40によって、S字形状の線Gに沿った軽い圧力で、足をガイドするのである。
また、本開示は、以下の態様を含む。
〔態様1〕
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、
前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、
前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って走り、かつ前記前足セクション(6)で終わる、
靴底において、
前記ガイド要素(40)は、固有受容覚用ガイド要素であり、かつ、前記足接触面に向かって延びる隆起部(42、44)を有しており、前記隆起部(42、44)は、少なくともS字形状の前記線に沿った領域に配置されており、かつ局所的な圧力上昇を前記靴底(100)の装着者の足(2)にもたらすように設計されている、ことを特徴とする、靴底。
〔態様2〕
前記隆起部(42、44)は、球状セグメントとして設計されている、ことを特徴とする、態様1に記載の靴底。
〔態様3〕
前記隆起部(42、44)は、前記踵セクション(3)、前記母指球セクション(5)、及び前記前足セクション(6)の領域内に配置されている、ことを特徴とする、態様1又は2のうち一つに記載の靴底。
〔態様4〕
実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された内側踵セクション(3a)内の前記隆起部(42、44)は、実質的にS字形状の前記線(G)の外側に配置された外側踵セクション(3b)内の前記隆起部(42、44)よりも小さな高さ及び/又はより小さな体積を有している、ことを特徴とする、態様3に記載の靴底。
〔態様5〕
実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された内側母指球セクション(5a)内の前記隆起部(42、44)は、実質的にS字形状の前記線(G)の外側に配置された外側母指球セクション(5b)内の前記隆起部(42、44)よりも大きな高さ及び/又はより大きな体積を有している、ことを特徴とする、態様3又は4に記載の靴底。
〔態様6〕
前記靴底(100)は、前記アウトソール(10)と前記固有受容覚用ガイド要素(40)の間に配置された少なくとも1つのミッドソール(20)を有しており、前記固有受容覚用ガイド要素(40)は、前記ミッドソール(20)よりも幅が狭いことを、特に、前記地面接触面(12)及び前記固有受容覚用ガイド要素(40)は両方とも前記ミッドソール(20)よりも幅が狭いことを、特徴とする、態様1から5のうち少なくとも一つに記載の靴底。
〔態様7〕
-前記地面接触面(12)は、前記ミッドソール(20)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の前記足(2)の横方向の不安定性がもたらされており、かつ、
-前記アウトソール(10)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定される少なくとも1つの安定化要素(50)をさらに有しており、前記安定化要素(50)は、
-前記前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びており、
-前記踵セクション(3)の領域内かつ実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置されており、かつ、
-オプションとして、歩行又は走行中の前記足(2)の横方向の安定性を向上させるために、前記靴底(100)内に挿入されること又はかつ前記靴底(100)から取外されることができる、
ことを特徴とする、態様6に記載の靴底。
〔態様8〕
前記固有受容覚用ガイド要素(40)は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)を取り囲む、特に外側で取り囲む、前記靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている、ことを特徴とする、態様1から7のうち少なくとも一つに記載の靴底。
〔態様9〕
前記アウトソール(10)は、凹部(18)であって、実質的にS字形状の前記線(G)から見て前記アウトソール(10)の内側(10a)から、実質的にS字形状の前記線(G)から見て前記アウトソール(10)の外側(10b)に向かって、特に、前記靴底(100)に対して横方向に、又はS字形状の前記線(G)に対して垂直に、延びている凹部(18)を有しており、前記凹部(18)は例えばU字形状又はV字形状のノッチであり、前記凹部(18)の幅は前記固有受容覚用ガイド要素(40)の幅に対応しており、かつ、前記凹部(18)は、前記踵セクション(3)上を、前記中足セクション(4)上を、かつ前記母指球セクション(5)上を、S字形状の前記線(G)に沿って、互いに対して距離を有して配置されている、ことを特徴とする、態様1から8のうち少なくとも一つに記載の靴底。
〔態様10〕
前記靴底は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)に加えて、少なくとも1つのさらなるガイド要素(41)を有しており、前記さらなるガイド要素(41)は、安定化ガイド要素(42)であって、
-前記地面接触面(12)と前記固有受容覚用ガイド要素(40)の間に配置されており、かつ、
-前記安定化ガイド要素(40)を外側で取り囲む前記靴底の材料よりも硬質な材料から作製されている、
安定化ガイド要素(42)として設計されている、ことを特徴とする、態様1から9のうち少なくとも一つに記載の靴底。
〔態様11〕
前記凹部(18)は、前記安定化ガイド要素(41)を通過して延びており、かつそれを中断している、ことを特徴とする、態様9及び10に記載の靴底。
〔態様12〕
前記安定化ガイド要素(41)は、前記固有受容覚用ガイド要素(40)よりも硬質な材料から作製されていることを、特に、前記安定化ガイド要素(41)の硬度、約80ショア~約98ショアの範囲であり、かつ、前記固有受容覚用ガイド要素(40)の硬度は約75ショア~約90ショアの範囲であることを、特徴とする、態様10又は11に記載の靴底。
〔態様13〕
前記固有受容覚用ガイド要素(40)に加えて、前記安定化ガイド要素もまた、前記足接触面に向かって延びており、局所的な圧力上昇を前記靴底(100)の装着者の前記足にもたらすように設計されている、隆起部(42、44)を有している、ことを特徴とする、態様10から12のうち少なくとも一つに記載の靴底。
〔態様14〕
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って延び、かつ前記前足セクション(6)で終わり、かつ、前記地面接触面(12)は、S字形状の前記線(G)に沿って延びており、かつ前記靴底(100)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の足(2)の横方向の不安定性がもたらされている、靴底において、
前記靴底(100)が、実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された前記踵セクション(3)の中に、安定化要素(50)を有しており、前記安定化要素(50)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定され得るのであり、かつ、前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びている、ことを特徴とする、靴底。
〔態様15〕
態様1から14のうち少なくとも一つに記載の靴底を含む靴。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物のための靴底(100)であって、前記靴底(100)は、地面接触面(12)を有するアウトソール(10)を備えており、前記地面接触面(12)は、前記靴底(100)に沿って後方端から前方端に向かう順番に、踵セクション(3)と、中足セクション(4)と、母指球セクション(5)と、前足セクション(6)と、を備えており、前記靴底(100)は、前記地面接触面(12)と前記靴底(100)の足接触面の間に埋め込まれておりかつ足の最適な運動シークエンスを制御するように設計されている、少なくとも1つのガイド要素(40、41)を備えており、前記ガイド要素(40、41)は前記靴底(100)よりも小さな幅の広がりを有しており、かつS字形状の線(G)に沿って延びており、S字形状の前記線(G)は前記踵セクション(3)にはじまり、前記中足セクション(4)及び前記母指球セクション(5)に沿って延び、かつ前記前足セクション(6)で終わり、かつ、前記地面接触面(12)は、S字形状の前記線(G)に沿って延びており、かつ前記靴底(100)よりも幅が狭く、歩行又は走行中の足(2)の横方向の不安定性がもたらされている、靴底において、
前記靴底(100)が、実質的にS字形状の前記線(G)の内側に配置された前記踵セクション(3)の中に、単一の安定化要素(50)を有しており、前記安定化要素(50)は、前記靴底(100)の中に取外し可能に固定され得るのであり、かつ、前記靴底(100)の外部に向かって、前記地面接触面(12)の平面の方向に、かつ前記平面まで、延びている、ことを特徴とする、靴底。
【請求項2】
請求項に記載の靴底を含む靴。
【国際調査報告】