IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フューチャー ファーマテック インコーポレーテッドの特許一覧

特表2025-504219PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ
<>
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図1
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図2
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図3
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図4
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図5
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図6
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図7
  • 特表-PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、血管疾患を治療するための化合物の組合せ
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20250130BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20250130BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20250130BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20250130BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20250130BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P15/10
A61P9/00
A61P9/12
A61P43/00 121
A61K31/198
A61K45/06
A61K31/519
A61K31/53
A61K31/4985
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547249
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-09-25
(86)【国際出願番号】 GB2023050296
(87)【国際公開番号】W WO2023152500
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】111104639
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524296899
【氏名又は名称】フューチャー ファーマテック インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,ミン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リン,チン ハン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ポー トン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA22
4C084MA16
4C084MA34
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084NA05
4C084ZA361
4C084ZA421
4C084ZA811
4C084ZB322
4C084ZB352
4C084ZC202
4C084ZC751
4C084ZC801
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086CB06
4C086CB09
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA16
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA81
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206HA32
4C206JA59
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA36
4C206MA54
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206NA05
4C206ZA36
4C206ZA42
4C206ZA81
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、医薬の技術分野に関する。特に、本開示は、ホスホジエステラーゼ5型(PD1 5)阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む医薬組合せ/組成物、並びに心血管疾患及び勃起障害の治療におけるその適用を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤又はその薬学的に許容される塩、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む、医薬組合せであって、任意選択で、医薬組合せが、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物の形態である、医薬組合せ。
【請求項2】
PDE5阻害剤が、シルデナフィル、タダラフィル、及びバルデナフィルから選択される、請求項1に記載の医薬組合せ。
【請求項3】
PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインの量が、それぞれ、約0.1%(w/w)~約50%(w/w)、約4.0%(w/w)~約80%(w/w)、及び約4%(w/w)~約80%(w/w)の範囲であるか、又は
医薬組合せが、約0.5mg~約250mgのPDE5阻害剤、約25mg~約400mgのアルギニン、及び約25mg~約400mgのN-アセチルシステインを含む、請求項1又は2に記載の医薬組合せ。
【請求項4】
抗細菌剤、抗真菌剤、及び消毒剤からなる群から選択される1つ以上の保存剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項5】
固体又は液体製剤の形態である、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項6】
カプセル又は錠剤である、請求項6に記載の医薬組合せ。
【請求項7】
血管疾患の治療を必要とする対象における血管疾患の治療において使用するための、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組合せ。
【請求項8】
PDE5阻害の有害作用を減少させながらPDE5の阻害に関連する疾患を治療するのに使用するための、PDE5阻害剤又はその薬学的に許容される塩と組合せて有効量のNAC及びアルギニンを含む、医薬組合せ。
【請求項9】
血管疾患が、勃起障害、高山病、肺高血圧症、血管線維症、及び血管硬化症から選択される、請求項7又は8に記載の使用のための医薬組合せ。
【請求項10】
組合せが、シルデナフィル単独の投与と比較して、シルデナフィルの反応速度を増加させるか、又はシルデナフィルの反応時間を減少させる、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための医薬組合せ。
【請求項11】
組合せが、細胞内の一酸化窒素合成酵素の発現を著しく増加させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬組合せ。
【請求項12】
PDE5阻害剤又は薬学的に許容される塩、アルギニン、及びN-アセチルシステインが、同時に、逐次的に、又は別々に投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための医薬組合せ。
【請求項13】
PDE5阻害剤が、シルデナフィル又はシルデナフィルクエン酸塩である、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のための医薬組合せ。
【請求項14】
組合せが、1日に2回投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための医薬組合せ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2022年2月9日に出願された、台湾(R.O.C.)特許出願第111104639号の利益を主張する。その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、医薬の技術分野に関する。特に、本開示は、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインを含む医薬組合せ/組成物、並びに心血管疾患及び勃起障害の治療におけるその適用を提供する。
【背景技術】
【0003】
心血管疾患は、現代社会における非常に深刻な健康問題である。高塩分及び高脂肪の食事に加え、産業の発展に伴い、日常生活における様々な環境汚染物質又は化合物の吸い込みにより、心血管損傷の可能性が年々増加している。
【0004】
勃起障害(ED)は、近年大きな注目を集めている問題である。心理的要因に加えて、勃起障害は、異常な身体機能によって引き起こされる可能性がある。EDを治療し軽減するための薬物の使用について著しい量の研究が行われている。
【0005】
ホスホジエステラーゼ5型阻害剤(PDE5阻害剤)は、様々な組織に供給する血管を裏打ちする平滑筋細胞における環状GMPに対するcGMP特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)の分解作用を遮断することによって作用する血管拡張薬である。血管拡張の生理学的プロセスの一部は、血管内皮細胞による一酸化窒素(NO)の放出を含み、これは次いで、近くの血管平滑筋細胞に拡散する。そこで、NOは可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化し、これがグアノシン三リン酸(GTP)をこの系の主なエフェクターである環状グアノシン一リン酸(cGMP)に変換する。PDE5阻害剤は、体中に見出される酵素PDE5によるcGMPの分解を阻害することによって、cGMPの作用を延長する(Goldstein I、Lue TF、Padma-Nathan H、Rosen RC、Steers WD、Wicker PA (1998年5月). 「Oral sildenafil in the treatment of erectile dysfunction. Sildenafil Study Group」、The New England Journal of Medicine. 338 (20): 1397~404)。PDE5阻害剤は、アルファ-遮断薬、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬、又は硝酸塩薬剤との併用が禁忌であり、これにより血圧が低くなりすぎる可能性がある。PDE5阻害剤は、投与後に、頭痛、腹痛、下痢、紅潮、めまい、脱力感、掻痒症、紅斑などを引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在までに、心血管疾患及びEDを治療又は予防するのに有用な、より安全で、より有効な医薬組成物又は組合せを開発する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、アルギニン及び/又はN-アセチルシステイン(NAC)と組合せたPDE5阻害剤又はその薬学的に許容される塩に関し、これは、驚くべきことに、PDE5阻害剤の反応速度を増加させる。特に、反応時間が短縮され、急速な血管拡張によって生成される内因性フリーラジカルがさらに除去されるため、血管が保護され得る。
【0008】
一実施形態では、本開示は、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤又はその薬学的に許容される塩と、アルギニンと、N-アセチルシステインとを含む、医薬組合せ又は組成物に関する。
【0009】
一実施形態では、本開示は、PDE5阻害剤又はその薬学的に許容される塩と、アルギニンと、N-アセチルシステインと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
【0010】
一実施形態では、本開示におけるPDE5阻害剤は、シルデナフィル、タダラフィル、及びバルデナフィル、及び/又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0011】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物中のPDE5阻害剤の量は、約0.1%(w/w)~約50%(w/w)の範囲である。PDE5阻害剤の量のある特定の実施形態としては、以下に限定されないが、約0.1%(w/w)~約45%(w/w)、約0.1%(w/w)~約40%(w/w)、約0.1%(w/w)~約35%(w/w)、約0.1%(w/w)~約30%(w/w)、約0.1%(w/w)~約25%(w/w)、約0.1%(w/w)~約20%(w/w)、約0.1%(w/w)~約15%(w/w)、約0.1%(w/w)~約10%(w/w)、約0.1%(w/w)~約5%(w/w)、約0.1%(w/w)~約2.5%(w/w)、約0.1%(w/w)~約1%(w/w)、約0.5%(w/w)~約50%(w/w)、約0.5%(w/w)~約45%(w/w)、約0.5%(w/w)~約40%(w/w)、約0.5%(w/w)~約35%(w/w)、約0.5%(w/w)~約30%(w/w)、約0.5%(w/w)~約25%(w/w)、約0.5%(w/w)~約20%(w/w)、約0.5%(w/w)~約15%(w/w)、約0.5%(w/w)~約10%(w/w)、約0.5%(w/w)~約5%(w/w)、約0.5%(w/w)~約2.5%(w/w)、約0.5%(w/w)~約1%(w/w)、約1.0%(w/w)~約50%(w/w)、約1.0%(w/w)~約45%(w/w)、約1.0%(w/w)~約40%(w/w)、約1.0%(w/w)~約35%(w/w)、約1.0%(w/w)~約30%(w/w)、約1.0%(w/w)~約25%(w/w)、約1.0%(w/w)~約20%(w/w)、約1.0%(w/w)~約15%(w/w)、約1.0%(w/w)~約10%(w/w)、約1.0%(w/w)~約5%(w/w)、約5%(w/w)~約50%(w/w)、約5%(w/w)~約45%(w/w)、約5%(w/w)~約40%(w/w)、約5%(w/w)~約35%(w/w)、約5%(w/w)~約30%(w/w)、約5%(w/w)~約25%(w/w)、約5%(w/w)~約20%(w/w)、約5%(w/w)~約15%(w/w)、約5%(w/w)~約10%(w/w)、約10%(w/w)~約50%(w/w)、約10%(w/w)~約45%(w/w)、約10%(w/w)~約40%(w/w)、約10%(w/w)~約35%(w/w)、約10%(w/w)~約30%(w/w)、約10%(w/w)~約25%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約15%(w/w)~約50%(w/w)、約15%(w/w)~約45%(w/w)、約15%(w/w)~約40%(w/w)、約15%(w/w)~約35%(w/w)、約15%(w/w)~約30%(w/w)、約15%(w/w)~約25%(w/w)、約20%(w/w)~約50%(w/w)、約20%(w/w)~約45%(w/w)、約20%(w/w)~約40%(w/w)、約20%(w/w)~約35%(w/w)、約20%(w/w)~約30%(w/w)、約20%(w/w)~約25%(w/w)、約25%(w/w)~約50%(w/w)、約25%(w/w)~約45%(w/w)、約25%(w/w)~約40%(w/w)、約25%(w/w)~約35%(w/w)、約30%(w/w)~約50%(w/w)、約30%(w/w)~約45%(w/w)、約30%(w/w)~約40%(w/w)、約35%(w/w)~約50%(w/w)、約35%(w/w)~約45%(w/w)、約40%(w/w)~約50%(w/w)及び約40%(w/w)~約45%(w/w)が挙げられる。
【0012】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物中のアルギニンの量は、約4.0%(w/w)~約80%(w/w)の範囲である。アルギニンの量のある特定の実施形態としては、以下に限定されないが、約4.0%(w/w)~約75%(w/w)、約4.0%(w/w)~約70%(w/w)、約4.0%(w/w)~約65%(w/w)、約4.0%(w/w)~約60%(w/w)、約4.0%(w/w)~約55%(w/w)、約4.0%(w/w)~約50%(w/w)、約4.0%(w/w)~約45%(w/w)、約4.0%(w/w)~約40%(w/w)、約4.0%(w/w)~約35%(w/w)、約4.0%(w/w)~約30%(w/w)、約4.0%(w/w)~約25%(w/w)、約4.0%(w/w)~約20%(w/w)、約4.0%(w/w)~約15%(w/w)、約4.0%(w/w)~約10%(w/w)、約10.0%(w/w)~約80%(w/w)、約10.0%(w/w)~約75%(w/w)、約10.0%(w/w)~約70%(w/w)、約10.0%(w/w)~約65%(w/w)、約10.0%(w/w)~約60%(w/w)、約10.0%(w/w)~約55%(w/w)、約10.0%(w/w)~約50%(w/w)、約10.0%(w/w)~約45%(w/w)、約10.0%(w/w)~約40%(w/w)、約10.0%(w/w)~約35%(w/w)、約10.0%(w/w)~約30%(w/w)、約10.0%(w/w)~約25%(w/w)、約10.0%(w/w)~約20%(w/w)、約10.0%(w/w)~約15%(w/w)、約15.0%(w/w)~約80%(w/w)、約15.0%(w/w)~約75%(w/w)、約15.0%(w/w)~約70%(w/w)、約15.0%(w/w)~約65%(w/w)、約15.0%(w/w)~約60%(w/w)、約15.0%(w/w)~約55%(w/w)、約15.0%(w/w)~約50%(w/w)、約15.0%(w/w)~約45%(w/w)、約15.0%(w/w)~約40%(w/w)、約15.0%(w/w)~約35%(w/w)、約15.0%(w/w)~約30%(w/w)、約15.0%(w/w)~約25%(w/w)、約15.0%(w/w)~約20%(w/w)、約20.0%(w/w)~約80%(w/w)、約20.0%(w/w)~約75%(w/w)、約20.0%(w/w)~約70%(w/w)、約20.0%(w/w)~約65%(w/w)、約20.0%(w/w)~約60%(w/w)、約20.0%(w/w)~約55%(w/w)、約20.0%(w/w)~約50%(w/w)、約20.0%(w/w)~約45%(w/w)、約20.0%(w/w)~約40%(w/w)、約20.0%(w/w)~約35%(w/w)、約20.0%(w/w)~約30%(w/w)、約20.0%(w/w)~約25%(w/w)、約25.0%(w/w)~約80%(w/w)、約25.0%(w/w)~約75%(w/w)、約25.0%(w/w)~約70%(w/w)、約25.0%(w/w)~約65%(w/w)、約25.0%(w/w)~約60%(w/w)、約25.0%(w/w)~約55%(w/w)、約25.0%(w/w)~約50%(w/w)、約25.0%(w/w)~約45%(w/w)、約25.0%(w/w)~約40%(w/w)、約25.0%(w/w)~約35%(w/w)、約25.0%(w/w)~約30%(w/w)、約30.0%(w/w)~約80%(w/w)、約30.0%(w/w)~約75%(w/w)、約30.0%(w/w)~約70%(w/w)、約30.0%(w/w)~約65%(w/w)、約30.0%(w/w)~約60%(w/w)、約30.0%(w/w)~約55%(w/w)、約30.0%(w/w)~約50%(w/w)、約30.0%(w/w)~約45%(w/w)、約30.0%(w/w)~約40%(w/w)、約30.0%(w/w)~約35%(w/w)、約35.0%(w/w)~約80%(w/w)、約35.0%(w/w)~約75%(w/w)、約35.0%(w/w)~約70%(w/w)、約35.0%(w/w)~約65%(w/w)、約35.0%(w/w)~約60%(w/w)、約35.0%(w/w)~約55%(w/w)、約35.0%(w/w)~約50%(w/w)、約35.0%(w/w)~約45%(w/w)、約35.0%(w/w)~約40%(w/w)、約40.0%(w/w)~約80%(w/w)、約40.0%(w/w)~約75%(w/w)、約40.0%(w/w)~約70%(w/w)、約40.0%(w/w)~約65%(w/w)、約40.0%(w/w)~約60%(w/w)、約40.0%(w/w)~約55%(w/w)、約40.0%(w/w)~約50%(w/w)、約40.0%(w/w)~約45%(w/w)、約45.0%(w/w)~約80%(w/w)、約45.0%(w/w)~約75%(w/w)、約45.0%(w/w)~約70%(w/w)、約45.0%(w/w)~約65%(w/w)、約45.0%(w/w)~約60%(w/w)、約45.0%(w/w)~約55%(w/w)、約45.0%(w/w)~約50%(w/w)、約50.0%(w/w)~約80%(w/w)、約50.0%(w/w)~約75%(w/w)、約50.0%(w/w)~約70%(w/w)、約50.0%(w/w)~約65%(w/w)、約50.0%(w/w)~約60%(w/w)、約50.0%(w/w)~約55%(w/w)、約55.0%(w/w)~約80%(w/w)、約55.0%(w/w)~約75%(w/w)、約55.0%(w/w)~約70%(w/w)、約55.0%(w/w)~約65%(w/w)、約55.0%(w/w)~約60%(w/w)、約60.0%(w/w)~約80%(w/w)、約60.0%(w/w)~約75%(w/w)、約60.0%(w/w)~約70%(w/w)、約60.0%(w/w)~約65%(w/w)、約65.0%(w/w)~約80%(w/w)、約65.0%(w/w)~約75%(w/w)、約65.0%(w/w)~約70%(w/w)、約70.0%(w/w)~約80%(w/w)、約70.0%(w/w)~約75%(w/w)、又は約75.0%(w/w)~約80%(w/w)が挙げられる。
【0013】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物中のN-アセチルシステインの量は、約4%(w/w)~約80%(w/w)の範囲である。アルギニンの量のある特定の実施形態としては、以下に限定されないが、約4.0%(w/w)~約75%(w/w)、約4.0%(w/w)~約70%(w/w)、約4.0%(w/w)~約65%(w/w)、約4.0%(w/w)~約60%(w/w)、約4.0%(w/w)~約55%(w/w)、約4.0%(w/w)~約50%(w/w)、約4.0%(w/w)~約45%(w/w)、約4.0%(w/w)~約40%(w/w)、約4.0%(w/w)~約35%(w/w)、約4.0%(w/w)~約30%(w/w)、約4.0%(w/w)~約25%(w/w)、約4.0%(w/w)~約20%(w/w)、約4.0%(w/w)~約15%(w/w)、約4.0%(w/w)~約10%(w/w)、約10.0%(w/w)~約80%(w/w)、約10.0%(w/w)~約75%(w/w)、約10.0%(w/w)~約70%(w/w)、約10.0%(w/w)~約65%(w/w)、約10.0%(w/w)~約60%(w/w)、約10.0%(w/w)~約55%(w/w)、約10.0%(w/w)~約50%(w/w)、約10.0%(w/w)~約45%(w/w)、約10.0%(w/w)~約40%(w/w)、約10.0%(w/w)~約35%(w/w)、約10.0%(w/w)~約30%(w/w)、約10.0%(w/w)~約25%(w/w)、約10.0%(w/w)~約20%(w/w)、約10.0%(w/w)~約15%(w/w)、約15.0%(w/w)~約80%(w/w)、約15.0%(w/w)~約75%(w/w)、約15.0%(w/w)~約70%(w/w)、約15.0%(w/w)~約65%(w/w)、約15.0%(w/w)~約60%(w/w)、約15.0%(w/w)~約55%(w/w)、約15.0%(w/w)~約50%(w/w)、約15.0%(w/w)~約45%(w/w)、約15.0%(w/w)~約40%(w/w)、約15.0%(w/w)~約35%(w/w)、約15.0%(w/w)~約30%(w/w)、約15.0%(w/w)~約25%(w/w)、約15.0%(w/w)~約20%(w/w)、約20.0%(w/w)~約80%(w/w)、約20.0%(w/w)~約75%(w/w)、約20.0%(w/w)~約70%(w/w)、約20.0%(w/w)~約65%(w/w)、約20.0%(w/w)~約60%(w/w)、約20.0%(w/w)~約55%(w/w)、約20.0%(w/w)~約50%(w/w)、約20.0%(w/w)~約45%(w/w)、約20.0%(w/w)~約40%(w/w)、約20.0%(w/w)~約35%(w/w)、約20.0%(w/w)~約30%(w/w)、約20.0%(w/w)~約25%(w/w)、約25.0%(w/w)~約80%(w/w)、約25.0%(w/w)~約75%(w/w)、約25.0%(w/w)~約70%(w/w)、約25.0%(w/w)~約65%(w/w)、約25.0%(w/w)~約60%(w/w)、約25.0%(w/w)~約55%(w/w)、約25.0%(w/w)~約50%(w/w)、約25.0%(w/w)~約45%(w/w)、約25.0%(w/w)~約40%(w/w)、約25.0%(w/w)~約35%(w/w)、約25.0%(w/w)~約30%(w/w)、約30.0%(w/w)~約80%(w/w)、約30.0%(w/w)~約75%(w/w)、約30.0%(w/w)~約70%(w/w)、約30.0%(w/w)~約65%(w/w)、約30.0%(w/w)~約60%(w/w)、約30.0%(w/w)~約55%(w/w)、約30.0%(w/w)~約50%(w/w)、約30.0%(w/w)~約45%(w/w)、約30.0%(w/w)~約40%(w/w)、約30.0%(w/w)~約35%(w/w)、約35.0%(w/w)~約80%(w/w)、約35.0%(w/w)~約75%(w/w)、約35.0%(w/w)~約70%(w/w)、約35.0%(w/w)~約65%(w/w)、約35.0%(w/w)~約60%(w/w)、約35.0%(w/w)~約55%(w/w)、約35.0%(w/w)~約50%(w/w)、約35.0%(w/w)~約45%(w/w)、約35.0%(w/w)~約40%(w/w)、約40.0%(w/w)~約80%(w/w)、約40.0%(w/w)~約75%(w/w)、約40.0%(w/w)~約70%(w/w)、約40.0%(w/w)~約65%(w/w)、約40.0%(w/w)~約60%(w/w)、約40.0%(w/w)~約55%(w/w)、約40.0%(w/w)~約50%(w/w)、約40.0%(w/w)~約45%(w/w)、約45.0%(w/w)~約80%(w/w)、約45.0%(w/w)~約75%(w/w)、約45.0%(w/w)~約70%(w/w)、約45.0%(w/w)~約65%(w/w)、約45.0%(w/w)~約60%(w/w)、約45.0%(w/w)~約55%(w/w)、約45.0%(w/w)~約50%(w/w)、約50.0%(w/w)~約80%(w/w)、約50.0%(w/w)~約75%(w/w)、約50.0%(w/w)~約70%(w/w)、約50.0%(w/w)~約65%(w/w)、約50.0%(w/w)~約60%(w/w)、約50.0%(w/w)~約55%(w/w)、約55.0%(w/w)~約80%(w/w)、約55.0%(w/w)~約75%(w/w)、約55.0%(w/w)~約70%(w/w)、約55.0%(w/w)~約65%(w/w)、約55.0%(w/w)~約60%(w/w)、約60.0%(w/w)~約80%(w/w)、約60.0%(w/w)~約75%(w/w)、約60.0%(w/w)~約70%(w/w)、約60.0%(w/w)~約65%(w/w)、約65.0%(w/w)~約80%(w/w)、約65.0%(w/w)~約75%(w/w)、約65.0%(w/w)~約70%(w/w)、約70.0%(w/w)~約80%(w/w)、約70.0%(w/w)~約75%(w/w)、又は約75.0%(w/w)~約80%(w/w)が挙げられる。
【0014】
一実施形態では、PDE5阻害剤、アルギニン及びN-アセチルシステインの量は、それぞれ、約0.1%(w/w)~約50%(w/w)、約4.0%(w/w)~約80%(w/w)及び約4%(w/w)~約80%(w/w)の範囲である。PDE5阻害剤、アルギニン、及びN-アセチルシステインの量のある特定の実施形態は、本明細書に記載される範囲である。
【0015】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物中のPDE5阻害剤の量は、約0.5mg~約250mgの範囲である。PDE5阻害剤の量のある特定の実施形態としては、以下に限定されないが、約0.5mg~約250mg、約0.5mg~約240mg、約0.5mg~約230mg、約0.5mg~約220mg、0.5mg~約210mg、約0.5mg~約200mg、約0.5mg~約190mg、約0.5mg~約180mg、約0.5mg~約170mg、約0.5mg~約160mg、約0.5mg~約150mg、約0.5mg~約140mg、約0.5mg~約130mg、約0.5mg~約120mg、約0.5mg~約110mg、約0.5mg~約100mg、約0.5mg~約90mg、約0.5mg~約80mg、約0.5mg~約70mg、約0.5mg~約60mg、約0.5mg~約50mg、約0.5mg~約40mg、約0.5mg~約30mg、約0.5mg~約20mg、約0.5mg~約10mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~約1mg、約1mg~約250mg、約1mg~約240mg、約1mg~約230mg、約1mg~約220mg、約1mg~約210mg、約1mg~約200mg、約1mg~約190mg、約1mg~約180mg、約1mg~約170mg、約1mg~約160mg、約1mg~約150mg、約1mg~約140mg、約1mg~約130mg、約1mg~約120mg、約1mg~約110mg、約1mg~約100mg、約1mg~約90mg、約1mg~約80mg、約1mg~約70mg、約1mg~約60mg、約1mg~約50mg、約1mg~約40mg、約1mg~約30mg、約1mg~約20mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約5mg~約250mg、約5mg~約240mg、約5mg~約230mg、約5mg~約220mg、約5mg~約210mg、約5mg~約200mg、約5mg~約190mg、約5mg~約180mg、約5mg~約170mg、約5mg~約160mg、約5mg~約150mg、約5mg~約140mg、約5mg~約130mg、約5mg~約120mg、約5mg~約110mg、約5mg~約100mg、約5mg~約90mg、約5mg~約80mg、約5mg~約70mg、約5mg~約60mg、約5mg~約50mg、約5mg~約40mg、約5mg~約30mg、約5mg~約20mg、約5mg~約10mg、約10mg~約250mg、約10mg~約240mg、約10mg~約230mg、約10mg~約220mg、約10mg~約210mg、約10mg~約200mg、約10mg~約190mg、約10mg~約180mg、約10mg~約170mg、約10mg~約160mg、約10mg~約150mg、約10mg~約140mg、約10mg~約130mg、約10mg~約120mg、約10mg~約110mg、約10mg~約100mg、約10mg~約90mg、約10mg~約80mg、約10mg~約70mg、約10mg~約60mg、約10mg~約50mg、約10mg~約40mg、約10mg~約30mg、約10mg~約20mg、約20mg~約250mg、約20mg~約240mg、約20mg~約230mg、約20mg~約220mg、約20mg~約210mg、約20mg~約200mg、約20mg~約190mg、約20mg~約180mg、約20mg~約170mg、約20mg~約160mg、約20mg~約150mg、約20mg~約140mg、約20mg~約130mg、約20mg~約120mg、約20mg~約110mg、約20mg~約100mg、約20mg~約90mg、約20mg~約80mg、約20mg~約70mg、約20mg~約60mg、約20mg~約50mg、約20mg~約40mg、約20mg~約30mg、約30mg~約250mg、30mg~約240mg、30mg~約230mg、30mg~約220mg、30mg~約210mg、約30mg~約200mg、約30mg~約190mg、約30mg~約180mg、約30mg~約170mg、約30mg~約160mg、約30mg~約150mg、約30mg~約140mg、約30mg~約130mg、約30mg~約120mg、約30mg~約110mg、約30mg~約100mg、約30mg~約90mg、約30mg~約80mg、約30mg~約70mg、約30mg~約60mg、約30mg~約50mg、約30mg~約40mg、約40mg~約250mg、約40mg~約240mg、約40mg~約230mg、約40mg~約220mg、約40mg~約210mg、約40mg~約200mg、約40mg~約190mg、約40mg~約180mg、約40mg~約170mg、約40mg~約160mg、約40mg~約150mg、約40mg~約140mg、約40mg~約130mg、約40mg~約120mg、約40mg~約110mg、約40mg~約100mg、約40mg~約90mg、約40mg~約80mg、約40mg~約70mg、約40mg~約60mg、約40mg~約50mg、約50mg~約250mg、約50mg~約240mg、約50mg~約230mg、約50mg~約220mg、約50mg~約210mg、約50mg~約200mg、約50mg~約190mg、約50mg~約180mg、約50mg~約170mg、約50mg~約160mg、約50mg~約150mg、約50mg~約140mg、約50mg~約130mg、約50mg~約120mg、約50mg~約110mg、約50mg~約100mg、約50mg~約90mg、約50mg~約80mg、約50mg~約70mg、約50mg~約60mg、約60mg~約250mg、約60mg~約240mg、約60mg~約230mg、約60mg~約220mg、約60mg~約210mg、約60mg~約200mg、約60mg~約190mg、約60mg~約180mg、約60mg~約170mg、約60mg~約160mg、約60mg~約150mg、約60mg~約140mg、約60mg~約130mg、約60mg~約120mg、約60mg~約110mg、約60mg~約100mg、約60mg~約90mg、約60mg~約80mg、約60mg~約70mg、約70mg~約250mg、約70mg~約240mg、約70mg~約230mg、約70mg~約220mg、約70mg~約210mg、約70mg~約200mg、約70mg~約190mg、約70mg~約180mg、約70mg~約170mg、約70mg~約160mg、約70mg~約150mg、約70mg~約140mg、約70mg~約130mg、約70mg~約120mg、約70mg~約110mg、約70mg~約100mg、約70mg~約90mg、約70mg~約80mg、約80mg~約250mg、約80mg~約240mg、約80mg~約230mg、約80mg~約220mg、約80mg~約210mg、約80mg~約200mg、約80mg~約190mg、約80mg~約180mg、約80mg~約170mg、約80mg~約160mg、約80mg~約150mg、約80mg~約140mg、約80mg~約130mg、約80mg~約120mg、約80mg~約110mg、約80mg~約100mg、約80mg~約90mg、約90mg~約250mg、90mg~約240mg、90mg~約230mg、90mg~約220mg、90mg~約210mg、90mg~約200mg、90mg~約190mg、90mg~約180mg、約90mg~約170mg、約90mg~約160mg、約90mg~約150mg、約90mg~約140mg、約90mg~約130mg、約90mg~約120mg、約90mg~約110mg、約90mg~約100mg、約100mg~約250mg、約100mg~約240mg、約100mg~約230mg、約100mg~約220mg、約100mg~約210mg、約100mg~約200mg、約100mg~約190mg、約100mg~約180mg、約100mg~約170mg、約100mg~約160mg、約100mg~約150mg、約100mg~約140mg、約100mg~約130mg、約100mg~約120mg、約100mg~約110mg、約110mg~約250mg、約110mg~約240mg、約110mg~約230mg、約110mg~約220mg、約110mg~約210mg、約110mg~約200mg、約110mg~約190mg、約110mg~約180mg、約110mg~約170mg、約110mg~約160mg、約110mg~約150mg、約110mg~約140mg、約110mg~約130mg、約110mg~約120mg、約120mg~約250mg、約120mg~約240mg、約120mg~約230mg、約120mg~約220mg、約120mg~約210mg、約120mg~約200mg、約120mg~約190mg、約120mg~約180mg、約120mg~約170mg、約120mg~約160mg、約120mg~約150mg、約120mg~約140mg、約120mg~約130mg、約130mg~約250mg、130mg~約240mg、約130mg~約230mg、約130mg~約220mg、約130mg~約210mg、約130mg~約200mg、約130mg~約190mg、約130mg~約180mg、約130mg~約170mg、約130mg~約160mg、約130mg~約150mg、約130mg~約140mg、約130mg~約250mg、約130mg~約240mg、約130mg~約230mg、約130mg~約220mg、約130mg~約210mg、約130mg~約200mg、約130mg~約190mg、約130mg~約180mg、約130mg~約170mg、約130mg~約160mg、約130mg~約150mg、約130mg~約140mg、約140mg~約250mg、約140mg~約240mg、約140mg~約230mg、約140mg~約220mg、約140mg~約210mg、約140mg~約200mg、約140mg~約190mg、約140mg~約180mg、約140mg~約170mg、約140mg~約160mg、約140mg~約150mg、約150mg~約250mg、約150mg~約240mg、約150mg~約230mg、約150mg~約220mg、約150mg~約210mg、約150mg~約200mg、約150mg~約190mg、約150mg~約180mg、約150mg~約170mg、約150mg~約160mg、約200mg~約250mg、約200mg~約240mg、約200mg~約230mg、約200mg~約220mg、約200mg~約210mgが挙げられる。
【0016】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物中のアルギニン又はN-アセチルシステインの量は、約25mg~約400mgの範囲である。アルギニン又はN-アセチルシステインの量のある特定の実施形態としては、以下に限定されないが、約25mg~約400mg、約25mg~約390mg、約25mg~約380mg、約25mg~約370mg、約25mg~約360mg、約25mg~約350mg、約25mg~約340mg、約25mg~約330mg、約25mg~約320mg、約25mg~約310mg、約25mg~約300mg、約25mg~約290mg、約25mg~約280mg、約25mg~約270mg、約25mg~約260mg、約25mg~約250mg、約25mg~約240mg、約25mg~約230mg、約25mg~約220mg、約25mg~約210mg、約25mg~約200mg、約25mg~約190mg、約25mg~約180mg、約25mg~約170mg、約25mg~約160mg、約25mg~約150mg、約25mg~約140mg、約25mg~約130mg、約25mg~約120mg、約25mg~約110mg、約25mg~約100mg、約25mg~約90mg、約25mg~約80mg、約25mg~約70mg、約25mg~約60mg、約25mg~約50mg、約25mg~約40mg、約25mg~約30mg、約30mg~約400mg、約30mg~約390mg、約30mg~約380mg、約30mg~約370mg、約30mg~約360mg、約30mg~約350mg、約30mg~約340mg、約30mg~約330mg、約30mg~約320mg、約30mg~約310mg、約30mg~約300mg、約30mg~約290mg、約30mg~約280mg、約30mg~約270mg、約30mg~約260mg、約30mg~約300mg、約30mg~約240mg、約30mg~約230mg、約30mg~約220mg、約30mg~約210mg、約30mg~約200mg、約30mg~約190mg、約30mg~約180mg、約30mg~約170mg、約30mg~約160mg、約30mg~約150mg、約30mg~約140mg、約30mg~約130mg、約30mg~約120mg、約30mg~約110mg、約30mg~約100mg、約30mg~約90mg、約30mg~約80mg、約30mg~約70mg、約30mg~約60mg、約30mg~約50mg、約30mg~約40mg、約40mg~約400mg、約40mg~約390mg、約40mg~約380mg、約40mg~約370mg、約40mg~約360mg、約40mg~約350mg、約40mg~約340mg、約40mg~約330mg、約40mg~約320mg、約40mg~約310mg、約40mg~約300mg、約40mg~約290mg、約40mg~約280mg、約40mg~約270mg、約40mg~約260mg、約40mg~約400mg、約40mg~約240mg、約40mg~約230mg、約40mg~約220mg、約40mg~約210mg、約40mg~約200mg、約40mg~約190mg、約40mg~約180mg、約40mg~約170mg、約40mg~約160mg、約40mg~約150mg、約40mg~約140mg、約40mg~約130mg、約40mg~約120mg、約40mg~約110mg、約40mg~約100mg、約40mg~約90mg、約40mg~約80mg、約40mg~約70mg、約40mg~約60mg、約40mg~約50mg、約50mg~約400mg、約50mg~約390mg、約50mg~約380mg、約50mg~約370mg、約50mg~約360mg、約50mg~約350mg、約50mg~約340mg、約50mg~約330mg、約50mg~約320mg、約50mg~約310mg、約50mg~約300mg、約50mg~約290mg、約50mg~約280mg、約50mg~約270mg、約50mg~約260mg、約50mg~約500mg、約50mg~約240mg、約50mg~約230mg、約50mg~約220mg、約50mg~約210mg、約50mg~約200mg、約50mg~約190mg、約50mg~約180mg、約50mg~約170mg、約50mg~約160mg、約50mg~約150mg、約50mg~約140mg、約50mg~約130mg、約50mg~約120mg、約50mg~約110mg、約50mg~約100mg、約50mg~約90mg、約50mg~約80mg、約50mg~約70mg、約50mg~約60mg、約75mg~約400mg、約75mg~約390mg、約75mg~約380mg、約75mg~約370mg、約75mg~約360mg、約75mg~約350mg、約75mg~約340mg、約75mg~約330mg、約75mg~約320mg、約75mg~約310mg、約75mg~約300mg、約75mg~約290mg、約75mg~約280mg、約75mg~約270mg、約75mg~約260mg、約75mg~約750mg、約75mg~約240mg、約75mg~約230mg、約75mg~約220mg、約75mg~約210mg、約75mg~約200mg、約75mg~約190mg、約75mg~約180mg、約75mg~約170mg、約75mg~約160mg、約75mg~約150mg、約75mg~約140mg、約75mg~約130mg、約75mg~約120mg、約75mg~約110mg、約75mg~約100mg、約75mg~約90mg、約75mg~約80mg、約100mg~約400mg、約100mg~約390mg、約100mg~約380mg、約100mg~約370mg、約100mg~約360mg、約100mg~約350mg、約100mg~約340mg、約100mg~約330mg、約100mg~約320mg、約100mg~約310mg、約100mg~約300mg、約100mg~約290mg、約100mg~約280mg、約100mg~約270mg、約100mg~約260mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約240mg、約100mg~約230mg、約100mg~約220mg、約100mg~約210mg、約100mg~約200mg、約100mg~約190mg、約100mg~約180mg、約100mg~約170mg、約100mg~約160mg、約100mg~約150mg、約100mg~約140mg、約100mg~約130mg、約100mg~約120mg、約100mg~約110mg、約125mg~約400mg、約125mg~約390mg、約125mg~約380mg、約125mg~約370mg、約125mg~約360mg、約125mg~約350mg、約125mg~約340mg、約125mg~約330mg、約125mg~約320mg、約125mg~約310mg、約125mg~約300mg、約125mg~約290mg、約125mg~約280mg、約125mg~約270mg、約125mg~約260mg、約125mg~約1250mg、約125mg~約240mg、約125mg~約230mg、約125mg~約220mg、約125mg~約210mg、約125mg~約200mg、約125mg~約190mg、約125mg~約180mg、約125mg~約170mg、約125mg~約160mg、約125mg~約150mg、約125mg~約140mg、約125mg~約130mg、約150mg~約400mg、約150mg~約390mg、約150mg~約380mg、約150mg~約370mg、約150mg~約360mg、約150mg~約350mg、約150mg~約340mg、約150mg~約330mg、約150mg~約320mg、約150mg~約310mg、約150mg~約300mg、約150mg~約290mg、約150mg~約280mg、約150mg~約270mg、約150mg~約260mg、約150mg~約250mg、約150mg~約240mg、約150mg~約230mg、約150mg~約220mg、約150mg~約210mg、約150mg~約200mg、約150mg~約190mg、約150mg~約180mg、約150mg~約170mg、約150mg~約160mg、約175mg~約400mg、約175mg~約390mg、約175mg~約380mg、約175mg~約370mg、約175mg~約360mg、約175mg~約350mg、約175mg~約340mg、約175mg~約330mg、約175mg~約320mg、約175mg~約310mg、約175mg~約300mg、約175mg~約290mg、約175mg~約280mg、約175mg~約270mg、約175mg~約260mg、約175mg~約250mg、約175mg~約240mg、約175mg~約230mg、約175mg~約220mg、約175mg~約210mg、約175mg~約200mg、約175mg~約190mg、約175mg~約180mg、約200mg~約400mg、約200mg~約390mg、約200mg~約380mg、約200mg~約370mg、約200mg~約360mg、約200mg~約350mg、約200mg~約340mg、約200mg~約330mg、約200mg~約320mg、約200mg~約310mg、約200mg~約300mg、約200mg~約290mg、約200mg~約280mg、約200mg~約270mg、約200mg~約260mg、約200mg~約2000mg、約200mg~約240mg、約200mg~約230mg、約200mg~約220mg、約200mg~約210mg、約225mg~約400mg、約225mg~約390mg、約225mg~約380mg、約225mg~約370mg、約225mg~約360mg、約225mg~約350mg、約225mg~約340mg、約225mg~約330mg、約225mg~約320mg、約225mg~約310mg、約225mg~約300mg、約225mg~約290mg、約225mg~約280mg、約225mg~約270mg、約225mg~約260mg、約225mg~約250mg、約225mg~約240mg、約225mg~約230mg、約225mg~約220mg、約225mg~約210mg、約225mg~約200mg、約250mg~約400mg、約250mg~約390mg、約250mg~約380mg、約250mg~約370mg、約250mg~約360mg、約250mg~約350mg、約250mg~約340mg、約250mg~約330mg、約250mg~約320mg、約250mg~約310mg、約250mg~約300mg、約250mg~約290mg、約250mg~約280mg、約250mg~約270mg、約250mg~約260mg、約275mg~約400mg、約275mg~約390mg、約275mg~約380mg、約275mg~約370mg、約275mg~約360mg、約275mg~約350mg、約275mg~約340mg、約275mg~約330mg、約275mg~約320mg、約275mg~約310mg、約275mg~約300mg、約275mg~約290mg、約275mg~約280mg、約300mg~約400mg、約300mg~約390mg、約300mg~約380mg、約300mg~約370mg、約300mg~約360mg、約300mg~約350mg、約300mg~約340mg、約300mg~約330mg、約300mg~約320mg、約300mg~約310mg、約325mg~約400mg、約325mg~約390mg、約325mg~約380mg、約325mg~約370mg、約325mg~約360mg、約350mg~約350mg、約325mg~約340mg、約325mg~約330mg、約350mg~約400mg、約350mg~約390mg、約350mg~約380mg、約350mg~約370mg、約350mg~約360mg、約375mg~約400mg、約375mg~約390mg、約375mg~約380mgが挙げられる。
【0017】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物は、約0.5mg~約250mgのPDE5阻害剤、約25mg~約400mgのアルギニン及び約25mg~約400mgのN-アセチルシステインを含む。本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物のある特定の実施形態は、本明細書に開示される量のPDE5阻害剤、N-アセチルシステイン、及びアルギニンを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物中のPDE5阻害剤の量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50mgであり、アルギニンの量は、約225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、又は275mgであり、且つ/又はN-アセチルシステインの量は、約225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、又は275mgである。ある特定の実施形態では、PDE5阻害剤の量は約20mgであり、アルギニンの量は約250mgであり、且つ/又はN-アセチルシステインの量は約250mgである。ある特定の実施形態では、PDE5阻害剤の量は約20mgであり、アルギニンの量は約250mgであり、N-アセチルシステインの量は約250mgである。
【0019】
一実施形態では、医薬組合せ又は組成物の1日用量は、本明細書に記載されるPDE5阻害剤、アルギニン、及び/又はN-アセチルシステインの用量の2倍である。一実施形態では、本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物は、1日に2回投与されるため、医薬組合せ又は組成物の1日用量は、本明細書に記載されるPDE5阻害剤、アルギニン、及び/又はN-アセチルシステインの用量の2倍である。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物中のPDE5阻害剤の1日用量は、約4mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物中のアルギニンの1日用量は、約20mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物中のN-アセチルシステインの1日用量は、約20mg~約1000mgである。本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物のある特定の実施形態は、約40mgであるPDE5阻害剤の1日用量を有する。本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物のある特定の実施形態は、約500mgであるアルギニンの1日用量を有する。本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物のある特定の実施形態は、約500mgであるN-アセチルシステインの1日用量を有する。本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物のある特定の実施形態は、約40mgであるPDE5阻害剤の1日用量、約500mgであるアルギニンの1日用量、及び/又は約500mgであるN-アセチルシステインの1日用量を有する。
【0021】
一実施形態では、本明細書に記載される医薬組合せ又は組成物は液体製剤におけるものであり、化合物の組合せにおいて、本明細書に開示されるシルデナフィルの濃度は約1~1000nMであり、アルギニンの濃度は1~1000μMであり、且つ/又はN-アセチルシステインの濃度は0.1~100mMである。
【0022】
一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物は、即効性であり、且つ/又はより少ない副作用で長期間摂取することができる。
【0023】
一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物は、固体又は液体製剤、特に、注射又は経口投与用のカプセル又は錠剤又は溶液の形態である。
【0024】
本開示はまた、本明細書に開示される医薬組成物又は組合せを対象に投与するステップを含む、血管疾患の治療を必要とする対象における血管疾患を治療する方法を提供する。あるいは、本開示は、血管疾患の治療に使用するための、本明細書に開示される医薬組成物又は組合せに関する。あるいは、本発明は、血管疾患を治療するための薬物の調製における組合せの使用であって、組合せが、シルデナフィル、アルギニン及びN-アセチルシステインを含む、使用を開示する。
【0025】
一実施形態では、NAC及びアルギニンは、PDE5阻害剤の効果を増強し、同時にPDE5阻害剤の有害作用を減少させることができる。したがって、本開示はまた、PDE5阻害剤とともにNAC及びアルギニンの組合せ又は組成物を投与するステップを含む、PDE5阻害剤の有害作用を減少させる方法を提供する。
【0026】
一実施形態では、本明細書に開示される投薬量又は投与量は、有効量又は治療有効量である。
【0027】
一実施形態では、本開示における血管疾患は、勃起障害、高山病、肺高血圧症、血管線維症、及び血管硬化症から選択される。
【0028】
一実施形態では、本明細書に開示されるPDE5阻害剤又はその薬学的に許容される塩と、アルギニンと、N-アセチルシステインとは、同時に、逐次的に、又は別々に投与される。
【0029】
一実施形態では、本明細書に開示されるPDE5阻害剤又はその薬学的に許容される塩は、N-アセチルシステインと同時に投与される。
【0030】
さらなる実施形態では、PDE5阻害剤は、シルデナフィル又はシルデナフィルクエン酸塩である。
【0031】
一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物は、単独のPDE5阻害剤又はその薬学的に許容される塩、例えば、シルデナフィル又はシルデナフィルクエン酸塩と比較して、相乗効果をもたらす。
【0032】
一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物は、経口投与用である。
【0033】
一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物は、1日に1回又は2回又は3回;又は1週間に1回、2回、3回、4回、5回、6回、又は7回投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組合せ又は組成物は、1日に2回投与される。
【0034】
一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物中の薬剤(PDE5阻害剤、アルギニン、及びNAC)は、前記薬剤の誘導体、例えば以下に限定されないが、その塩、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、エステル、互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、又はジアステレオマーである。別段指定されない限り、本明細書に開示される組合せ又は組成物中の薬剤は、前述の誘導体を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、シルデナフィル(SILD)による血管内皮細胞の処理における、NO放出量と、処理時間との間の関係のスケールチャートである。
図2図2は、血管内皮細胞をシルデナフィル(SILD)、シルデナフィル+N-アセチルシステイン(SN)、及びシルデナフィル+アルギニン+N-アセチルシステイン(SAN)で10分間処理した後の、血管内皮細胞のNO放出量のスケールチャートである。
図3図3は、血管内皮細胞をシルデナフィル(SILD)、シルデナフィル+N-アセチルシステイン(SN)、及びシルデナフィル+アルギニン+N-アセチルシステイン(SAN)で10分間処理した後の、血管内皮一酸化窒素合成酵素の発現量のスケールチャートである。
図4図4は、シルデナフィル(SILD)による平滑筋細胞の処理における、平滑筋細胞のcGMP発現量と、処理時間との間の関係を示すスケールチャートである。
図5図5は、平滑筋細胞をシルデナフィル(SILD)、シルデナフィル+N-アセチルシステイン(SN)、及びシルデナフィル+アルギニン+N-アセチルシステイン(SAN)で10分間処理した後の、平滑筋細胞のcGMP発現量のスケールチャートである。
図6図6は、血管内皮細胞をシルデナフィル(SILD)、シルデナフィル+N-アセチルシステイン(SN)、及びシルデナフィル+アルギニン+N-アセチルシステイン(SAN)で10分間処理した後の、血管内皮細胞フリーラジカル含有量のスケールチャートである。
図7図7は、血管内皮細胞をシルデナフィル(SILD)、シルデナフィル+N-アセチルシステイン(SN)、及びシルデナフィル+アルギニン+N-アセチルシステイン(SAN)で10分間処理した後の、血管層線維化指標のスケールチャートである。
図8図8は、血管内皮細胞をシルデナフィル(SILD)、シルデナフィル+N-アセチルシステイン(SN)、及びシルデナフィル+アルギニン+N-アセチルシステイン(SAN)で10分間処理した後の、血管透過性のスケールチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書で使用される場合、「治療」は、治療されている個体又は細胞の自然な経過を変えようとする臨床介入を指し、予防のため又は臨床病理の経過中のいずれかで実施することができる。治療の望ましい効果は、疾患の発生又は再発の予防、症状の軽減、疾患の任意の直接的又は間接的な病理学的結果の減少、炎症及び/又は組織/臓器損傷の予防又は減少、疾患の発生率の減少、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善を含む。
【0037】
本明細書において形容詞として使用される場合、用語「薬学的」又は「薬学的に許容される」は、受容者に対して実質的に非毒性であり、実質的に非有害であることを意味する。「医薬組成物」とは、担体、溶媒、賦形剤及び塩が、組成物の活性成分(例えば、本発明の化合物)と適合性でなければならないことをさらに意味する。用語「医薬製剤」及び「医薬組成物」は、一般に交換可能であり、この出願の目的のためにそのように使用されることが、当業者には理解される。
【0038】
本明細書に開示される「個体」又は「対象」は、脊椎動物である。ある特定の実施形態では、脊椎動物は哺乳動物である。哺乳動物としては、以下に限定されないが、家畜(例えばウシ)、スポーツ動物、ペット(例えばネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類、マウス及びラットが挙げられる。ある特定の実施形態では、脊椎動物はヒトである。
【0039】
本明細書に開示される「有効量」は、ある特定の投薬量において及び必要な期間について、所望の治療又は予防結果を達成するのに有効な量を指す。一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物中のPDE5阻害剤、アルギニン、及び/又はNACは、有効量におけるものである。
【0040】
本開示の物質/分子の「治療有効量」は、個体の疾患状態、年齢、性別、及び体重、並びに個体において所望の応答を誘発する物質/分子の能力などの要因に応じて変化し得る。治療有効量はまた、治療上有益な効果が、物質/分子のあらゆる毒性又は有害作用に勝る量である。「予防有効量」は、ある特定の投薬量において及び必要な期間について、所望の予防結果を達成するのに有効な量を指す。典型的には、必ずではないが、予防用量は疾患のより初期の段階の前又はより初期の段階で対象に使用されるため、予防有効量は、治療有効量よりも少ないであろう。一実施形態では、本明細書に開示される組合せ又は組成物中のPDE5阻害剤、アルギニン、及び/又はNACは、治療有効量におけるものである。
【0041】
本明細書に開示される「~と組合せた」投与は、同時の(同時発生的な)投与及び任意の順序における連続した投与を含む。本明細書で使用される場合、「併用療法」又は「組合せにおける」は、PDE5阻害剤、アルギニン、及びNACの、これらの薬剤の共同作用からの有益な効果を提供することが意図された特定の治療レジメンの一部としての投与を含む。
【0042】
「賦形剤」は、本明細書で使用される場合、用いられる投薬量及び濃度において、それに曝露されている細胞又は哺乳動物に対して非毒性である薬学的に許容される担体又は安定剤を含む。一実施形態では、生理学的に許容される担体は、水性pH緩衝溶液である。
【0043】
用語「約」は、本明細書で使用される場合、約±1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10%の変動を示す。
【0044】
本開示は、驚くべきことに、PDE5阻害剤(好ましくはシルデナフィル)、アルギニン及びN-アセチルシステインの組合せ又は組成物が、PDE5阻害剤単独の投与と比較して、PDE5阻害剤の反応速度を増加させるか、又はPDE5阻害剤の反応時間を減少させることができ、且つ/又は細胞内の一酸化窒素合成酵素の発現を著しく増加させることを見出した。したがって、本開示は、PDE5阻害剤(好ましくはシルデナフィル)、アルギニン及びN-アセチルシステインを含む医薬組合せ、及びより少ない副作用で血管疾患を効果的に治療するために組合せ又は組成物を使用する方法を提供する。
【0045】
いくつかのホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤又はそれらの薬学的に許容される塩、例えばシルデナフィル(SLID)、タダラフィル、及びバルデナフィルは、勃起障害を治療するために保健当局によって承認されている。陰茎の勃起を引き起こすメカニズムは、一酸化窒素(NO)が血管内皮細胞から陰茎の平滑筋細胞に拡散してグアニル酸シクラーゼ(GC)を活性化し、それによって環状グアノシン一リン酸(cGMP)の生成を増加させ、カルシウムイオンの流入を阻害し、これが細胞内のカルシウムイオンの濃度を減少させ、海綿体の平滑筋を弛緩させることであることが以前の実験で見出されている;次いで、海綿体は、大量の血液によりうっ血し、勃起する。例えば、シルデナフィルは、cGMPの加水分解を阻害する役割を果たすため、cGMPが連続的に作用して、うっ血及び勃起の効果を達成することができる。シルデナフィルの添付文書によれば、シルデナフィルは、単離されたヒト海綿体に対して直接的な弛緩効果を有しないが、海綿体におけるcGMPの分解を担うホスホジエステラーゼ5型(PDE5)を阻害することによって一酸化窒素(NO)の効果を増強する。しかし、シルデナフィルは、複数の副作用も有する。シルデナフィルは、投与後に、頭痛、腹痛、下痢、紅潮、めまい、脱力感、掻痒症、紅斑などを引き起こす可能性がある。副作用は、大方、シルデナフィルを摂取した後数分以内に生じる。シルデナフィルを長期間摂取した場合、重篤な高血圧が生じる可能性があり、視力の一過性喪失、冠状動脈硬化などの問題が増加する可能性がある。これらの副作用は、一般に、血管拡張によって引き起こされると考えられる;また、急速な血管拡張により、血管内皮細胞が高血流からの圧力を受ける可能性があり、これにより血管内皮細胞が内因性フリーラジカルを放出し、それによって、血管細胞がフリーラジカルによって損傷する。
【0046】
アルギニンは、経口錠剤及び経口カプセルとして使用することができる薬剤である。勃起プロセスでは、L-アルギニンは、触媒されて、内皮一酸化窒素合成酵素によって一酸化窒素を生成することができ、一酸化窒素は、海綿体組織間の空間に急速に放出され得るため、海綿体動脈平滑筋細胞内の二価カルシウムイオンの量が減少して、平滑筋の弛緩を引き起こし、血流を増加させる。
【0047】
N-アセチルシステイン(NAC)は、抗酸化作用を有し、細胞内でグルタチオンジスルフィド(GSSG)のグルタチオン(GSH)への変換を促進することが可能であり、GSHは、体内で最も有効な抗酸化酵素を合成するために不可欠な要素である。さらに、NACは、誘導性一酸化窒素合成酵素(NOS)タンパク質及びNO生成に対して阻害作用を有することが報告された(Arakiら、N-acetylcysteine inhibits induction of nitric oxide synthase in 3T3-L1 adipocytes、J UOEH 29 (4):417~429 (2007); Bergaminiら、N-acetylcysteine inhibits in vivo nitric oxide production by inducible nitric oxide synthase、NITRIC OXIDE: Biology and Chemistry 5巻、4号、349~360頁(2001); Rotaら、N-acetylcysteine negatively modulates nitric oxide production in endotoxin-treated rats through inhibition of NF-κB activation; Antioxidants & Redox Signaling、4巻、1号(2004))。したがって、NACは、アルギニンによってもたらされる効果とは反対に、NO生成において有害作用を引き起こす。
【0048】
しかし、本開示は、予想外に、NAC及びアルギニンの組合せが、PDE5阻害剤の効果を増強し、同時にその有害作用を減少させることができることを見出した。
【0049】
医薬組合せにおいて、本明細書で使用されるPDE5阻害剤の量又は用量の例としては、以下に限定されないが、約1mg~約500mg、約5mg~約490mg、約5mg~約450mg、約5mg~約400mg、約5mg~約350mg、約5mg~約300mg、約5mg~約250mg、約5mg~約200mg、約5mg~約175mg、約5mg~約150mg、約5mg~約125mg、約5mg~約100mg、約5mg~約90mg、約5mg~約80mg、約5mg~約70mg、約5mg~約60mg、約5mg~約50mg、約5mg~約40mg、約5mg~約30mg、約5mg~約20mg、約5mg~約10mg、約10mg~約480mg、約10mg~約470mg、約10mg~約460mg、約10mg~約450mg、約10mg~約440mg、約10mg~約430mg、約10mg~約420mg、約10mg~約410mg、約10mg~約400mg、約10mg~約390mg、約10mg~約380mg、約10mg~約370mg、約10mg~約360mg、約10mg~約350mg、約10mg~約340mg、約10mg~約330mg、約10mg~約320mg、約10mg~約310mg、約10mg~約300mg、約10mg~約290mg、約10mg~約280mg、約10mg~約270mg、約10mg~約260mg、約10mg~約250mg、約10mg~約240mg、約10mg~約230mg、約10mg~約220mg、約10mg~約210mg、約10mg~約200mg、約10mg~約190mg、約10mg~約180mg、約10mg~約170mg、約10mg~約160mg、約10mg~約150mg、約10mg~約140mg、約10mg~約130mg、約10mg~約120mg、約10mg~約110mg、約10mg~約100mg、約10mg~約90mg、約10mg~約80mg、約10mg~約70mg、約10mg~約60mg、約10mg~約50mg、約10mg~約40mg、約10mg~約30mg、約10mg~約20mg、約20mg~約450mg、約20mg~約400mg、約20mg~約350mg、約20mg~約300mg、約20mg~約250mg、約20mg~約200mg、約20mg~約175mg、約20mg~約150mg、約20mg~約125mg、約20mg~約100mg、約20mg~約90mg、約20mg~約80mg、約20mg~約70mg、約20mg~約60mg、約20mg~約50mg、約20mg~約40mg、約20mg~約30mg、約50mg~約450mg、約50mg~約400mg、約50mg~約350mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約175mg、約50mg~約150mg、約50mg~約125mg、約50mg~約100mg、約50mg~約90mg、約50mg~約80mg、約50mg~約70mg、約50mg~約60mg、約100mg~約450mg、約100mg~約400mg、約100mg~約350mg、約100mg~約300mg、約100mg~約250mg、約100mg~約200mg、約100mg~約175mg、約100mg~約150mg、約100mg~約125mg、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100mgが挙げられる。
【0050】
医薬組合せにおいて、本明細書で使用されるアルギニン又はN-アセチルシステインの量又は用量の例としては、以下に限定されないが、約10mg~約2g、約10mg~約1.9g、約10mg~約1.8g、約10mg~約1.7g、約10mg~約1.6g、約10mg~約1.5g、約10mg~約1.4g、約10mg~約1.3g、約10mg~約1.2g、約10mg~約1.1g、約10mg~約1.0g、約10mg~約900mg、約10mg~約800mg、約10mg~約700mg、約10mg~約600mg、約10mg~約500mg、約10mg~約400mg、約10mg~約300mg、約10mg~約200mg、約10mg~約100mg、約10mg~約50mg、約10mg~約25mg、約100mg~約2g、約100mg~約1.9g、約100mg~約1.8g、約100mg~約1.7g、約100mg~約1.6g、約100mg~約1.5g、約100mg~約1.4g、約100mg~約1.3g、約100mg~約1.2g、約100mg~約1.1g、約100mg~約1.0g、約100mg~約900mg、約100mg~約800mg、約100mg~約700mg、約100mg~約600mg、約100mg~約500mg、約100mg~約400mg、約100mg~約300mg、約100mg~約200mg、又は約2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、若しくは1.0g、又は約950、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、50、25、若しくは10mgが挙げられる。
【0051】
本明細書に開示される組合せ又は組成物は、一般に、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤を含む。使用される特定の担体、希釈剤又は賦形剤は、活性成分が適用されている手段及び目的に依存する。一般に、錠剤製剤は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤及びそれらの混合物などの物質を含む。好適な希釈剤としては、様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、無機塩(例えば、塩化ナトリウム)、粉糖、及び粉末セルロース誘導体が挙げられる。より具体的には、希釈剤又は充填剤の例としては、ラクトース、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、圧縮糖、微結晶セルロース、粉末セルロース、デンプン、アルファ化デンプン、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ポロキサマー、例えばポリエチレンオキシド及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。所望の場合、結合剤を添加してもよい。好適な結合剤としては、セルロース(例えば、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及びヒドロキシメチルセルロース)、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、デンプン、糖(例えば、ラクトース、スクロース、フルクトース、及びグルコース)、天然及び合成ゴム(例えば、アカシア、アルギネート、及びアラビアゴム)及びワックスなどの物質が挙げられる。錠剤及びパンチがダイの中でくっつくのを防ぐために、錠剤製剤中に典型的には滑沢剤が使用される。好適な滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水添植物油、軽鉱油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。剤形を崩壊させ、化合物を放出するために、組合せ又は組成物に崩壊剤を添加してもよい。好適な崩壊剤としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、ポラクリリンカリウム、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。
【0052】
アルギニン及びNACと組合せたPDE5阻害剤の組合せ又は組成物は、血管疾患の治療に有用である。驚くべきことに、NAC及びアルギニンの組合せ又は組成物は、PDE5阻害剤の効果を増強し、同時にPDE5阻害剤の有害作用を減少させることができる。したがって、本開示は、有効量の、PDE5阻害剤、アルギニン及びNACの医薬組合せ又は組成物を対象に投与するステップを含む、血管疾患を治療する方法を提供する。本開示はまた、PDE5阻害剤と組合せて有効量のNAC及びアルギニンを投与するステップを含む、PDE5阻害の有害作用を減少させながらPDE5の阻害に関連する疾患を治療する方法を提供する。
【0053】
血管疾患の例としては、以下に限定されないが、勃起障害、高山病、肺高血圧症、血管線維症、及び血管硬化症が挙げられる。
【0054】
組合せの有益な効果は、以下に限定されないが、前記薬剤の組合せから生じる薬物動態学的及び/又は薬力学的共同作用を含む。組合せにおけるこれらの薬剤の投与は、典型的には、所定の期間(通常、選択された組合せに応じて、数分、数時間、数日又は数週間)にわたって実施される。併用療法は、示される治療剤の逐次的な投与、すなわち、各治療剤が異なる時に投与されることだけでなく、これらの治療剤の実質的に同時の投与も包含することが意図される。投与は、例えば、固定比の各薬剤を有する単一経口剤形、又は複数の、治療剤のそれぞれについての単一経口剤形を対象に投与することによって達成することができる。各治療剤の逐次的又は実質的に同時の投与は、任意の適切な経路、例えば以下に限定されないが、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を通じた直接吸収によってもたらすことができる。
【0055】
別の実施形態では、本開示の組合せ及び組成物は、非経口的に(例えば、筋肉内、髄腔内、静脈内、及び動脈内経路によって)、好ましくは、静脈内に投与することができる。典型的には、静脈内投与のための本発明の化合物及び組成物は、滅菌等張水性ビヒクル、例えば水、食塩水、リンゲル液、又はデキストロース溶液中の溶液である。必要な場合、組成物はまた、可溶化剤を含んでもよい。静脈内投与のための組合せ及び組成物は、任意選択で、注射部位の痛みを和らげるためにリグノカインなどの局所麻酔薬を含んでもよい。静脈内投与の場合、本開示の組合せ及び組成物は、アンプル又は小袋などの密封容器中の滅菌した、乾燥した凍結乾燥粉末又は無水濃縮物として供給することができ、容器には活性剤の量が示されている。次いで、そのような粉末又は濃縮物は、静脈内投与前に適切な水性媒体で希釈される。滅菌水、食塩溶液、又は他の適切な水性媒体のアンプルに、投与前に希釈のための粉末又は濃縮物を提供することができる。又は、本開示の組合せ及び組成物は、すぐに投与できる、予め混合された形態で供給することができる。本開示の組合せ及び組成物が静脈内注入によって投与されることになる場合、それらは、例えば、滅菌医薬品グレードの水、食塩水、又は別の好適な媒体を含有する注入ボトルを用いて分配することができる。直腸投与は、カカオバター、改変された植物油、及び他の脂肪基材などの従来の担体から製剤化された坐剤の使用を通じて達成することができる。坐剤は、周知の製剤を使用して周知の方法によって製剤化することができる;例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、Alfonso R. Gennaro編、Mack Publishing Co. Easton、Pa.、19版、1995、1591~1597頁を参照されたい。
【0056】
特定の障害又は状態の治療のための治療上有効な投薬レジメンは、その性質及び重症度に依存し、医師の判断に従って標準的な臨床技術によって決定することができる。さらに、最適な投薬量の特定に役立つように、in vitro又はin vivoアッセイを使用することができる。当然、治療有効用量を構成する本発明の化合物の量は、投与経路にも依存する。
【実施例
【0057】
以下の実施例は実例として提供され、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0058】
実施例
実験方法
薬物の調製
シルデナフィル、アルギニン、N-アセチルシステイン、及びS-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン(SNAP)をリン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解し、希釈する。特に、以下の溶液を調製する:100nMシルデナフィルを含有する溶液(本明細書中、以降SILD又は「S」と呼ぶ);100nMのシルデナフィル及び10mMのN-アセチルシステインの混合溶液(本明細書中、以降「SN」と呼ぶ);100nMのシルデナフィル、150μMのアルギニン及び10mMのN-アセチルシステインの混合溶液(本明細書中、以降「SAN」と呼ぶ);100nMのシルデナフィル及び100μM S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン(SNAP)の混合溶液(本明細書中、以降「SS」と呼ぶ);及び100nMのシルデナフィル、100μM SNAP、及び10mMのN-アセチルシステインの混合溶液(本明細書中、以降「SSN」と呼ぶ)。溶液を4℃の温度で保存する。臨床試験及びヒトの試験について、20mgのシルデナフィル、250mgのアルギニン、及び250mgのNACを含むSANの組合せを使用し、対象に適用する。
【0059】
細胞培養
Bioresource Collection and Research Center(Hsinchu、Taiwan)から得たヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を、内皮細胞増殖サプリメント(Millipore)、ヘパリン(Sigma-Aldrich)、2.2mg/mL重炭酸ナトリウム、及び10%FBS(Gibco)を有するハムF-12K(Sigma-Aldrich)中で培養した。継代5~15におけるHUVECをすべての適用に使用した。ヒト肺動脈血管平滑筋(PAVSM)細胞及び増殖培地をLonza Inc.(Walkersville、MD.、USA)から得た。細胞を5%CO2雰囲気で37℃にて増殖させた。
【0060】
細胞の処理
細胞の処理のために、HUVEC及びPAVSM細胞を、Transwell(登録商標)ユニットの上部ウェル及び下部ウェルでそれぞれコンフルエントに増殖させた。各上部チャンバー中の培養培地体積は1.5mLであり、各下部チャンバー中の培養培地体積は2.5mLであった。コンフルエントなHUVEC細胞を、通常の培地で、S、SS、SN、SSN及びSANの存在下又は非存在下で、0、10、20、30及び60分間処理した。HUVEC及びPAVSMのすべての上清を、NO量分析のために処理の直後に収集した。HUVEC細胞及びPAVSM細胞を、氷冷リン酸緩衝食塩水中ですすぎ、次いで、タンパク質抽出のために氷冷6%トリクロロ酢酸に可溶化した。試料をアッセイまで-80°で保存した。
【0061】
内皮細胞からの一酸化窒素放出量の分析
一酸化窒素量を、NOアッセイキット(Promega)を使用して評価した。処理後、HUVECの上清をNOアッセイ試薬キットのために収集し、製造業者の説明書に従ってウェルあたり200μLを適用した。生成物によって放射される相対輝度単位(RLU)を、マイクロリーダーを使用して測定した。
【0062】
内皮一酸化窒素合成酵素の発現量の分析
内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性を、eNOSアッセイキット(Promega)を使用して評価した。処理後、上清プレートを、インキュベーターから取り出し、およそ30分間、室温に平衡化させ、次いで、製造業者の説明書に従ってeNOSアッセイ試薬(200μL/ウェル)を適用した。生成物によって放射される相対輝度単位(RLU)を、マイクロリーダーを使用して測定した。
【0063】
平滑筋細胞におけるcGMPの分析
以前記載されたように(Garmaroudiら、Systems Pharmacology and Rational Polypharmacy: Nitric Oxide-Cyclic GMP Signaling Pathway as an Illustrative Example and Derivation of the General Case; PLOS COMPUTATIONAL BIOLOGY、DOI:10.1371/journal.pcbi.1004822 2016年3月17日)、0、10、20、30及び60分間の薬物処理に供した試料を処理し、cGMP及びタンパク質を測定した。cGMP形成を、cGMPアッセイ(Cayman Chemical Co.、Ann Arbor、MI)に従ってイムノアッセイによって測定した。
【0064】
定量的フリーラジカルROS含有量の検出方式
ROS検出研究を、Cm-H2DCFDA ROS検出キット(Invitrogen、Grand Island、NY、USA)を使用して実施した。無細胞ROS検出のために、各濃度のPM2.5を含有する100μL無血清培地のアリコートを、黒色96ウェルプレートへピペットで移し、37℃で30分間のプレインキュベーションによって活性化されたCm-H2DCFDA(終濃度25μM)を含有する10μLハンクス平衡塩溶液(HBSS)と混合した。ROS生成を、10分毎に2時間まで、490nm励起、530nm放射でマイクロリーダーを用いて測定した。値をRFUとして提示した。細胞内ROSの検出のために、HUVECをPM2.5とともに24時間インキュベートし、その後、それらをPBSで洗浄し、Cm-H2DCFDA(終濃度25μM)を含有する新しい無血清培地で処理した。次いで、試料を、Promegaマイクロリーダーを使用してすぐに測定した。2.5×104個の生存している処理細胞によって生成されたROSレベルを、同数の生存している陰性対照細胞によって生成されたROSのパーセンテージとして表した。
【0065】
血管線維症指標分析:フリーラジカル誘導性脂質過酸化(マロンジアルデヒド、MDA)の検出
HUVECタンパク質抽出物中の脂質過酸化を、Richardら、1992(Richardら、1992)によって記載されるように、「MDAアッセイキット」を使用した分光蛍光計アッセイによってMDAの濃度を測定して定量化した。定量化を、公知MDA濃度の標準曲線の並行測定によって達成し、結果を、対照のレベル変化として表した。
【0066】
血管透過性分析:VEGF-A放出量
VEGFA量を、VEGFAアッセイキット(Promega)を使用して評価した。処理後、プレートを、インキュベーターから移動し、およそ30分間、室温に平衡化させ、次いで、製造業者の説明書に従ってVEGFAアッセイ試薬(200μL/ウェル)を適用した。生成物によって放射される540nmにおける相対吸光度単位を、マイクロリーダーを使用して測定した。
【0067】
ヒトにおけるSANの有効性についての試験
勃起障害を有する患者を、20mgのシルデナフィル、250mgのアルギニン及び250mgのNACを含むSANの組合せで処置する、ヒト/臨床研究を実行する。SANの薬物動態及び薬力学、並びにED及び血管疾患の治療における有効性を含むSANの有効性をアッセイする。NO、NOS、ROS、cGMP、並びに本明細書に記載される若しくは当技術分野で公知の血管疾患に対する指標についてのアッセイを含む、当技術分野で公知のED及び血管疾患に対する評価指標を、本明細書で適用する。SANの組合せを投与する対象は、19歳から87歳の間である。EDに関して、SANの治療効果を、世界的評価アンケート、毎日の勃起記録、国際勃起機能スコア(IIEF、検証された性的機能アンケート)及び/又は性的パートナーのアンケート調査によって評価する。
【0068】
実験結果
実施例1. 組合せSANは、シルデナフィルの反応速度を増加させ、シルデナフィルの反応時間を減少させる
図1は、本明細書に開示される薬物又は薬物組合せによって処理した血管内皮細胞の、NO放出量と、処理時間との間の関係を示すスケールチャートである。図1に示すように、一酸化窒素の放出量は、SILDの処理時間とともに増加する。対照群(0分間の薬物処理)と比較して、一酸化窒素の放出量は、10分間の薬物処理後の時点で約1.6倍に達し、20分間の薬物処理後の時点で約2.6倍に達し、30分間の処理後の時点で約3.1倍に達し、60分間の処理後の時点で約3.5倍に達する。図2は、血管内皮細胞をSILD、SN及びSANで10分間処理した後の、血管内皮細胞の一酸化窒素放出量のスケールチャートである。図2に示すように、10分の薬物処理の後、対照群(薬物なし;参照と見なす)と比較して、SILD群(S)の一酸化窒素の放出量は約1.6倍に達し、SN群の一酸化窒素の放出量は約2倍に達し、SAN群の一酸化窒素の放出量は約3.1倍に達する。結果は、SANによるわずか10分の処理により、SILDによる30分の処理と同じNO放出効果を達成することができることを示す;図1及び図2を参照されたい。すなわち、組合せSANにおけるSILDの反応速度は、SILD単独よりも速い。
【0069】
実施例2. 組合せSANは、一酸化窒素合成酵素の発現を増加させる
図3は、血管内皮細胞をSILD、SN及びSANで10分間処理した後の、血管内皮一酸化窒素合成酵素の発現量のスケールチャートである;SS及びSSNも処理に使用した(結果は図3に示さない)。対照群(薬物なし;参照と見なす)と比較して、SILD(S)、SS、SN、及びSAN群の一酸化窒素合成酵素の発現量は、それぞれ、約2倍、2.5倍、2.4倍、及び2.8倍に達する。結果によれば、SANによる処理における内皮一酸化窒素合成酵素の発現量は、SILDのみによる処理における内皮一酸化窒素合成酵素の発現量よりも明らかに高い;図3を参照されたい。
【0070】
実施例3. 組合せSANは、シルデナフィルの効果及び反応速度を増加させ、シルデナフィルの反応時間を減少させる
図4は、シルデナフィル(SILD)による平滑筋細胞の処理における、平滑筋細胞のcGMP発現量と、処理時間との間の関係のスケールチャートである。平滑筋細胞のcGMP含有量は、血管拡張の程度を反映する;図4に示すように、cGMPの量は、SILDによる処理の作用時間とともに増加する。対照群(0分間の薬物処理;参照と見なす)と比較して、cGMPの量は、10、20、30、及び60分間の薬物処理後に、それぞれ、約2.6倍、3倍、4.7倍、及び5.5倍に達する。
【0071】
図5は、平滑筋細胞をSILD、SN及びSANで10分間処理した後の、平滑筋細胞のcGMP発現量のスケールチャートである。図5に示すように、10分の処理後、対照群(薬物なし;参照と見なす)と比較して、cGMPの量は、SILD(S)群では約2.6倍に達し、SN群では約2.7倍に達し、SAN群では約4.6倍に達する。結果は、細胞をSILDで処理した後、平滑筋細胞のcGMPの量が増加することを示す;細胞をSANで処理した場合、わずか10分の処理により、SILDによる30分の処理と同じ効果を達成することができる(図4及び図5を参照されたい)。すなわち、SANによる処理における薬物の反応速度は、SILDのみによる処理における薬物の反応速度よりも速い。
【0072】
実施例4. 組合せSANは、血管層線維化指標、及びシルデナフィルによって引き起こされる血管透過性を減少させる
図6は、血管内皮細胞をSILD、SN及びSANで10分間処理した後の、血管内皮細胞フリーラジカル含有量を示すスケールチャートである。SILDによる処理後、血管内皮細胞は、SILDによって引き起こされる急速な血管拡張による高血流からの圧力を受け、これは、血管内皮細胞が内因性フリーラジカルを放出することを促進する。図6は、細胞内のROSの量が、異なる薬物による処理に伴って変化することを示す。対照群(薬物処理なし;参照と見なす)と比較して、ROSの量は、SILD(S)群では約2.8倍に達し、SN群及びSAN群では約1倍に達する。結果は、SILDによる処理において生成されるROSの量が、本明細書に開示される組合せ、特に組合せ中のNACによって効果的に減少し得ることを示す。
【0073】
図7は、血管内皮細胞をSILD、SN及びSANで10分間処理した後の、血管層線維化指標を示すスケールチャートである。内因性フリーラジカルの増加は、細胞脂質の過酸化を引き起こし、血管線維症病変をさらに引き起こす。図7は、細胞内のマロンジアルデヒド(MDA)の量が、異なる薬物による処理後に変化することを示す。対照群(薬物処理なし;参照と見なす)と比較して、MDAの量は、SILD群では約2.8倍に達し、SN群及びSAN群では約1倍に達する。結果は、SILDからのMDA結果の量が、本明細書に開示される組合せ、特に組合せ中のNACによって効果的に減少することを示す。
【0074】
図8は、血管内皮細胞をSILD、SN、及びSANで10分間処理した後の、血管透過性を示すスケールチャートである。血管透過性の局所的な増加は、血管線維症及び血管硬化症の指標の1つであり、血管透過性因子VEGFA(血管内皮増殖因子A)の増加は、血管線維症及び血管硬化症を引き起こす。図8は、細胞内のVEGFAの量が、異なる薬物による処理に伴って変化することを示す。対照群(薬物処理なし;参照と見なす)と比較して、VEGFAの量は、SILD群(S)では約3.9倍に達し、SN群及びSAN群では約1倍に達する。結果は、SILDによる処理によって引き起こされるVEGFAの量が、本明細書に開示される組合せ、特に組合せ中のNACによって効果的に減少することを示す。
【0075】
実施例5.
勃起障害を有する患者を、20mgのシルデナフィル、250mgのアルギニン及び250mgのNACを含むSANの組合せで処置する、ヒト/臨床研究を実行する。対象が絶食状態でSANの組合せを経口摂取した場合に最高血中濃度を観察できる時間を決定する;過去のデータは、シルデナフィル単独が、投与後急速に吸収され(最高血中濃度は30~120分(中央値60分)以内に観察することができる)、経口投与の平均絶対バイオアベイラビリティが、25%から63%の間の範囲にあることを示す。シルデナフィルのクリアランス速度を、とりわけ、健康な高齢対象(65歳以上)について観察する;過去のデータは、シルデナフィル単独の投与後、高齢対象におけるクリアランス速度が減少し、その遊離血漿濃度が、より若い対象(18~45歳)におけるよりも40%高いことを示した。SANの有効性及び安全性を、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験でさらに評価する。SANの組合せを投与する対象は、19歳から87歳の間であり、患者は、様々な病因(器質性、心因性又は混合)による勃起障害を有する。次いで、SANの治療効果を、世界的評価アンケート、毎日の勃起記録、国際勃起機能スコア(IIEF、検証された性的機能アンケート)及び性的パートナーのアンケート調査によって評価する。過去のデータは、シルデナフィル単独摂取後の疾患改善の割合が、それぞれ62%(25mg)、74%(50mg)及び82%(100mg)であり、プラセボの場合はわずか25%であることを示す。関連する予備試験結果によれば、本発明者は、SANの組合せが、より高い用量、より速い応答/反応速度及び/又はより少ない副作用で、公知薬物の有効性と同じ有効性を達成できると確信する。
【0076】
結果によれば、本明細書に開示されるSANの組合せは、平滑筋細胞をSILDで処理した後に生成されるROSの量を明らかに減少させ、ROSによって引き起こされる細胞脂質過酸化、及びVEGFAを減少させ、さらに、異常に増加した血管透過性及び血管硬化症のリスクを減少させることができる。
【0077】
さらに、本明細書に開示されるSANの組合せは、驚くべきことに、血管を保護し、長期使用後に血管壁が線維化及び硬化することを防ぐ機能を達成するように、SILDの反応速度を増加させ、反応時間を減少させ、細胞内の余分なフリーラジカルを除去する。したがって、血管疾患を治療するための本明細書に開示される組合せ又は組成物は、より少ない副作用で長期間摂取することができる。
【0078】
上記の説明及び実例は、本発明の好ましい実施形態の説明を表すものにすぎない。当業者は、一般的知識及び本明細書の本発明に従って改変を行うことができるが、これらの改変は、依然として、本発明の精神について本明細書の本発明の範囲内にあるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】