(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】生理センサを用いて健康維持状態を監視するためのシステム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20250204BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527798
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 US2022054054
(87)【国際公開番号】W WO2023129534
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524255302
【氏名又は名称】リンゴ・センシング・テクノロジー・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Lingo Sensing Technology Unlimited Company
【住所又は居所原語表記】70 Sir John Rogersons Quay, Dublin 2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ジャスティン エヌ
(72)【発明者】
【氏名】インチャウスぺ,ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】マッカーター,ジェイムズ ピー
(72)【発明者】
【氏名】オウ,ジュンリー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
対象者のグルコース変動を監視するためのシステム及び方法が記載される。まず、センサ制御デバイスから対象者のグルコース値を示すデータを受信する。次に、第1の期間における対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定する。この第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較する。そして、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示する。また、移動窓に従って、その後の期間のさらなるグルコース変動メトリックも特定することができ、メトリックのリアルタイム表示又はレポート表示を行うことができる。グルコース変動メトリックは、ベースライン対比の変動幅、最大グルコース値と最小グルコース値の差、又は目標範囲にあった時間、又は目標範囲から外れていた時間とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者のグルコース変動を監視する方法であって、
センサ制御デバイスから前記対象者のグルコース値を示すデータを受信するステップと、
第1の期間における前記対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の期間と重なりがある第2の期間における前記対象者の第2のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて前記第2の期間が始まる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記時間間隔が約30分である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記同一の総時間長が約2時間である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が異なる総時間長である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のグルコース変動メトリックが二値判定である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における流動的ベースラインからの変動幅である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間における前記グルコース値の中央値である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間における前記グルコース値の平均である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記閾値が約±30mg/dLである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のグルコース変動メトリックが目標グルコース範囲から外れていた時間の長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記目標グルコース範囲が、上側グルコース閾値と下側グルコース閾値により規定される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記閾値が約20分である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態が、前記第2のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態へと切り替えられる、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の期間と重なりがある第3の期間であって、前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長と前記第3の期間の総時間長が同一の総時間長である、第3の期間における前記対象者の第3のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
対象者のグルコース変動を監視するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
第1の期間における前記対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を実行させる、システム。
【請求項22】
前記命令が前記1つ以上のプロセッサに、
前記第1の期間と重なりがある第2の期間における前記対象者の第2のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに実行させる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記同一の総時間長が約2時間である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1のグルコース変動メトリックが二値判定である、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差である、請求項21に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における流動的ベースラインからの変動幅である、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間におけるグルコース値の中央値である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間におけるグルコース値の平均である、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記閾値が約±30mg/dLである、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1のグルコース変動メトリックが目標グルコース範囲から外れていた時間の長さである、請求項21に記載のシステム。
【請求項34】
前記目標グルコース範囲が、上側グルコース閾値と下側グルコース閾値により規定される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記閾値が約20分である、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態が、前記第2のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態へと切り替えられる、請求項22に記載のシステム。
【請求項37】
前記命令が前記1つ以上のプロセッサに、
前記第2の期間と重なりがある第3の期間であって、前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長と前記第3の期間の総時間長が同一の総時間長である、第3の期間における前記対象者の第3のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに実行させる、請求項22に記載のシステム。
【請求項38】
対象者のグルコース変動を監視する方法であって、
センサ制御デバイスから前記対象者のグルコース値を示すデータを受信するステップと、
或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別するステップと、
前記期間における前記最大グルコース値と前記最小グルコース値の差を計算するステップと、
前記差を閾値と比較するステップと、
前記差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項39】
前記期間が第1の期間であり、
前記最大グルコース値が第1の最大グルコース値であり、
前記最小グルコース値が第2の最大グルコース値であり、
前記方法が、
第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値を識別するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の第2の差を計算するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の前記第2の差を前記閾値と比較するステップと、
前記第2の差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第2の差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記期間が約1時間である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記期間が約2時間である、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて前記第2の期間が始まる、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記時間間隔が約30分である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の期間が前記第1の期間と重なりがある、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が異なる総時間長である、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記閾値が約30mg/dLである、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
対象者のグルコース変動を監視するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別するステップと、
前記期間における前記最大グルコース値と前記最小グルコース値の差を計算するステップと、
前記差を閾値と比較するステップと、
前記差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を実行させる、システム。
【請求項51】
前記期間が第1の期間であり、
前記最大グルコース値が第1の最大グルコース値であり、
前記最小グルコース値が第2の最大グルコース値であり、
前記命令が前記1つ以上のプロセッサに、
第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値を識別するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の第2の差を計算するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の前記第2の差を前記閾値と比較するステップと、
前記第2の差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第2の差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
をさらに実行させる、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記期間が約1時間である、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記期間が約2時間である、請求項50に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて前記第2の期間が始まる、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記時間間隔が約30分である、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第2の期間が前記第1の期間と重なりがある、請求項51に記載のシステム。
【請求項57】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、請求項51に記載のシステム。
【請求項58】
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が異なる総時間長である、請求項51に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、請求項50に記載のシステム。
【請求項60】
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、請求項50に記載のシステム。
【請求項61】
前記閾値が約30mg/dLである、請求項50に記載のシステム。
【請求項62】
対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、前記対象者のグルコースの状態を判定するステップと、
前記対象者の前記グルコースの状態の表示であって、テキスト記述と、第1の色を有するグラフィックとを含む前記グルコースの状態の表示を、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に表示するステップと、
前記GUIにグラフを表示するステップと、
を実行させ、
前記グラフは、第1の部分と第2の部分とを含むグルコースプロファイルを含み、
前記第1の部分と前記第2の部分が異なる色であり、前記第2の部分が前記第1の色である、システム。
【請求項63】
前記グラフィックが円形である、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記グルコースの状態が二値の状態である、請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記二値のグルコースの状態が、安定した状態と不安定な状態とで構成される、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記二値のグルコースの状態が、安定した状態と急変が検出された状態とで構成される、請求項64に記載のシステム。
【請求項67】
前記命令が前記システムに、前記対象者の現在のグルコース濃度を表示するステップをさらに実行させる、請求項62に記載のシステム。
【請求項68】
前記対象者の前記現在のグルコース濃度が前記グラフ内に表示される、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記グラフが、前記グルコースプロファイル上に、現在のグルコース値に対応するマークをさらに含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項70】
前記マークが大きな丸印である、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記GUIが、前記対象者の現在のグルコース値の数値表示を含まない、請求項62に記載のシステム。
【請求項72】
前記移動窓の期間が、或る時刻からさかのぼって計測される所定の時間間隔を有している、請求項62に記載のシステム。
【請求項73】
前記時刻が現在時刻である、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記所定の時間間隔が約2時間である、請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記移動窓の期間に受信した前記グルコースデータの変動幅を特定することにより、前記グルコースの状態が判定される、請求項62に記載のシステム。
【請求項76】
流動的ベースラインからの前記変動幅が所定の閾値を下回っている場合に、前記グルコースの状態が安定していると判定される、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記所定の閾値が±約30mg/dLである、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間におけるグルコース濃度の中央値である、請求項76に記載のシステム。
【請求項79】
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間における平均グルコース濃度である、請求項76に記載のシステム。
【請求項80】
前記移動窓の期間に受信した前記グルコースデータの流動的ベースラインからの変動幅が所定の閾値を上回っている場合に、前記グルコースの状態が不安定であると判定される、請求項75に記載のシステム。
【請求項81】
前記所定の閾値が±約30mg/dLである、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間におけるグルコース濃度の中央値である、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間における平均グルコース濃度である、請求項80に記載のシステム。
【請求項84】
前記移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値を、上側閾値と下側閾値とを有する目標範囲を基準に分析することにより、前記グルコースの状態が判定される、請求項62に記載のシステム。
【請求項85】
前記移動窓の期間中の前記複数のグルコース濃度値のすべてが前記目標範囲内にある場合に、前記グルコースの状態が安定していると判定される、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記移動窓の期間中の前記複数のグルコース濃度値のいずれかが前記上側閾値を上回っているか前記下側閾値を下回っているかしている場合に、前記グルコースの状態が不安定であると判定される、請求項84に記載のシステム。
【請求項87】
(a)前記移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値を、上側閾値と下側閾値とを有する目標範囲を基準に分析すること、及び(b)前記移動窓の期間に受信した前記グルコースデータの流動的ベースラインからの変動幅を特定することにより、前記グルコースの状態が判定される、請求項62に記載のシステム。
【請求項88】
前記対象者の前記グルコースの状態が安定している場合、前記第1の色が緑色とされる、請求項62に記載のシステム。
【請求項89】
前記対象者の前記グルコースの状態が不安定である場合、前記第1の色がオレンジ色とされる、請求項62に記載のシステム。
【請求項90】
前記命令が前記システムに、複数の記事の要約を表示するステップをさらに実行させる、請求項62に記載のシステム。
【請求項91】
前記複数の記事の要約が、複数の前記記事へのリンクを含む、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
表示される前記複数の記事の要約が、前記対象者の前記グルコースの状態に関するものである、請求項90に記載のシステム。
【請求項93】
前記命令が前記システムに、前記対象者の前記グルコースの状態に関するさらなる詳細を含む第2のGUIへのリンクを表示するステップをさらに実行させる、請求項62に記載のシステム。
【請求項94】
前記GUIの前記グラフが、第1のGUIの第1のグラフであり、
前記命令が前記システムに、前記リンクの選択に反応して、前記対象者の前記グルコースの状態に関する前記さらなる詳細を含む前記第2のGUIを表示するステップをさらに実行させる、請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
前記第2のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態の前記表示と、前記第1のGUIの前記第1のグラフの前記第2の部分を含む第2のグラフとを含んでいる、請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
前記第2のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態に関する追加の説明をさらに含んでいる、請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
前記第2のGUIが、複数の記事の要約をさらに含んでいる、請求項95に記載のシステム。
【請求項98】
前記複数の記事の要約が、回転棚式表示で表示される、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
表示される前記複数の記事の要約が、前記対象者の現在のグルコースの状態に関するものである、請求項97に記載のシステム。
【請求項100】
前記第2のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態に関する情報を共有するための第3のGUIへのリンクをさらに含んでいる、請求項94に記載のシステム。
【請求項101】
前記命令が前記システムに、共有するグラフと複数のサードパーティアプリケーションへのリンクとを含む前記第3のGUIを表示するステップをさらに実行させる、請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記共有するグラフが、前記第1のGUIの前記第1のグラフである、請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
前記複数のリンクが、メッセージ交換アプリケーションへの少なくとも1つのリンクと、ソーシャルメディアアプリケーションへの少なくとも1つのリンクとを含む、請求項101に記載のシステム。
【請求項104】
前記第3のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態に関する前記情報に写真を関連付けるためのリンクをさらに含んでいる、請求項101に記載のシステム。
【請求項105】
対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データとログに記録した活動の情報とを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
複数の移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、前記対象者の複数のグルコースの状態を判定するステップであって、前記移動窓の期間のそれぞれにログに記録した活動が含まれる、ステップと、
第1の移動窓の期間の第1のグルコースプロファイルと、ログに記録した第1の活動の説明とを含む第1のグラフを表示するステップであって、前記第1のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、前記第1の部分と前記第3の部分が第1の色であり、前記第2の部分が第2の色である、ステップと、
第2の移動窓の期間の第2のグルコースプロファイルと、ログに記録した第2の活動の説明とを含む第2のグラフを表示するステップであって、前記第2のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、前記第1の部分と前記第3の部分が前記第1の色であり、前記第2の部分が第3の色である、ステップと、
を実行させる、システム。
【請求項106】
前記第1のグラフが、ログに記録した前記第1の活動を表す第1の画像表現をさらに含み、前記第2のグラフが、ログに記録した前記第2の活動を表す第2の画像表現をさらに含む、請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記第2の色と前記第3の色が同じ色である、請求項105に記載のシステム。
【請求項108】
前記第2の色と前記第3の色が異なる色である、請求項105に記載のシステム。
【請求項109】
前記命令が前記システムに、さらに少なくとも1つの移動窓の期間のさらに少なくとも1つのグルコースプロファイルと、ログに記録したさらに少なくとも1つの活動の説明とを含むさらに少なくとも1つのグラフを表示するステップであって、前記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、前記第1の部分と前記第3の部分が前記第1の色であり、前記第2の部分が前記第2の色又は前記第3の色である、ステップをさらに実行させる、請求項105に記載のシステム。
【請求項110】
前記第1のグラフが、前記第1のグルコースプロファイル上に、ログに記録した前記第1の活動に関連付けられた第1のアイコンをさらに含み、
前記第1のアイコンが、前記第1のグルコースプロファイルの前記第1の部分から前記第2の部分への移行部に配置される、請求項105に記載のシステム。
【請求項111】
前記第2のグラフが、前記第2のグルコースプロファイル上に、ログに記録した前記第2の活動に関連付けられた第2のアイコンをさらに含み、
前記第2のアイコンが、前記第2のグルコースプロファイルの前記第1の部分から前記第2の部分への移行部に配置される、請求項105に記載のシステム。
【請求項112】
前記さらに少なくとも1つのグラフが、前記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイル上に、ログに記録したさらに前記少なくとも1つの活動に関連付けられたさらに少なくとも1つのアイコンをさらに含み、
前記さらに少なくとも1つのアイコンが、前記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイルの前記第1の部分から前記第2の部分への移行部に配置される、請求項109に記載のシステム。
【請求項113】
前記第1のグラフの前記第2の部分が、前記第1のグラフの約2時間長の期間である、請求項105に記載のシステム。
【請求項114】
前記第2のグラフの前記第2の部分が、前記第2のグラフの約2時間長の期間である、請求項105に記載のシステム。
【請求項115】
前記さらに少なくとも1つのグラフの前記第2の部分が、前記さらに少なくとも1つのグラフの約2時間長の期間である、請求項112に記載のシステム。
【請求項116】
ログに記録した活動の前記情報が、ログに記録した食べ物、ログに記録した飲み物、ログに記録した運動、ログに記録した気持ち、及びそれらの組み合わせを含む、請求項105に記載のシステム。
【請求項117】
前記第1の移動窓の期間と前記第2の移動窓の期間が同日の期間である、請求項105に記載のシステム。
【請求項118】
ログに記録した前記第1の活動とログに記録した前記第2の活動が互いに関連している、請求項105に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2022年5月2日を出願日とする米国仮特許出願第63/337442号、及び2021年12月30日を出願日とする米国仮特許出願第63/295284号の優先権の利益を主張するものであり、これらの出願のすべての開示内容は、その目的を問わず、参照により明示的に本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本明細書に記載の主題は、一般に、被検物質監視システム用のデジタルインタフェース及びユーザインタフェース、並びにそれらに関連するシステム、方法、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
グルコース、ケトン、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸)、乳酸、酸素、ヘモグロビンA1Cなどの被検物質値の検出、監視、又は検出と監視を行うことは、人、特に糖尿病を持つ個人の健康全般にとって極めて重要な意味を持つ場合がある。糖尿病(diabetes mellitus)の患者は、意識消失や、心血管疾患、網膜症、神経障害、腎症などの合併症を起こす恐れがある。一般に、糖尿病患者は、グルコース値が臨床的に安全な範囲内に維持されていることを確認するためにグルコース値の監視を行う必要があり、さらにこの情報を利用して、インスリンで体内のグルコース値を下げる必要があるかや、それがいつ必要か、又はグルコースを追加して体内のグルコース値を上げる必要がいつあるかを判断することもできる。
【0004】
そして、グルコース監視の頻度と血糖の制御との間に強い相関関係があることを示す臨床データも集まってきている。しかし、このような相関関係があるにもかかわらず、糖尿病状態にあると診断された人の多くは、煩わしさや、検査に慎重な姿勢、グルコース検査に伴う痛みや費用などの要因が重なり、グルコース値の監視を然るべき頻度で行っていない。
【0005】
そこで、頻回にグルコース監視を実施する計画を、患者がより忠実に守ることができるよう、インビボ(in vivo)被検物質監視システムを利用して、被検物質の監視が必要な個人の身体にセンサ制御デバイスを装着することができる。センサ制御デバイスは、装着する個人の快適性や利便性を高めるため、センサ制御デバイスのフォームファクタ(form factor)を小型化し、センサ制御デバイスの取り付けを個人自身がセンサアプリケータを用いて行うことができるようにしている。この取り付け手順には、ユーザの人体の或る層内の体液における被検物質値を感知するセンサが体液に接触するように、アプリケータ(挿入機構)を用いてセンサの少なくとも一部分を挿入する工程が含まれる。また、被検物質監視システムは、被検物質データ、アラーム、又はその両方を別のデバイスに送信するように構成することもでき、親、配偶者、医療提供者(health care provider:HCP)などの介護者は、この別のデバイスで被検物質データを確認して、治療決定を行うことができる。さらに、被検物質監視システムからメリットが得られるのは、糖尿病患者だけに止まらない。例えば、被検物質監視システムは、健康(health)と健康維持(wellness)の向上に関心のある個人に対しても、有用な情報や知見を提供することができる。一例を挙げれば、アスリートがスポーツのパフォーマンスを向上させる目的で、自分の身体にセンサ制御デバイスを装着し、これを利用して、1つ以上の被検物質(例えば、グルコース、乳酸、又はその両方)に関するデータを収集することができる。また、詳細は後述するが、被検物質監視システムを、他の非医療用途でも利用することができる。
【0006】
しかし、被検物質監視システムを利用することにはメリットがあるにもかかわらず、様々な理由から、その利用に積極的になれない人もいた。この理由としては、提示されるデータが複雑かつ膨大であること、被検物質監視システムのソフトウェアとユーザインタフェースの習熟には学習曲線の問題が伴うこと、提示される情報の中にすぐに行動に反映できる情報が全体として少ないことなどが挙げられる。
【0007】
それでも、センサ制御デバイスは、ユーザにとって利便性や快適性が向上しているとともに価格も入手しやすいものになってきたため、医療以外の分野への応用が実現可能な段階に入っている。例えば、高いパフォーマンスを発揮するアスリートたちは、トレーニングや試合の前や最中に、パフォーマンスに影響する被検物質(例えば、血中グルコース)を最適な値に調整することに関心を持っている。しかし、既存のセンサ制御デバイスのユーザインタフェースの中には、インタフェース設計が、医師の管理下にある患者による医療用途向けの設計となっており、例えば、運動競技のトレーニングや試合などの非医療用途向けの設計とはなっていないものがあった。そのため、センサ制御デバイスが収集するデータ、そしてこのデータをユーザに提示する方法が、非医療用途に適したものとなっていない場合があった。またこれに加えて、非医療用途(健康維持とフィットネスの用途)向けのセンサ制御デバイスが、医療用途向けの類似デバイスと間違われてしまい、データの解釈や利用に問題が生じることもあった。
【0008】
様々なアプリケーションがセンサデータを利用して、健康維持機能を含む様々な機能を発揮している。しかし、ソフトウェアでセンサデータを利用しようとする場合、それらのソフトウェアのそれぞれがプログラム医療機器(Software as a Medical Device:SaMD)と見なされ、規制基準の対象となる可能性や、規制当局の認可が必要となる可能性があった。よって、新しいアプリケーションで、センサから得られる生理データのユースケースを構築しようとする場合に、食品医薬品局の規制上の障害に直面する可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、生理センサと通信して、サードパーティアプリケーションを含む様々なアプリケーションで使用するための被検物質データを受信することができ、しかも受信した被検物質データのすべてのユースケースに対して規制当局の承認を取得する必要性を回避することができるフレームワークを提供するニーズが存在している。さらに、堅牢且つユーザフレンドリーで、行動に反映できる応答を適切なタイミングで返すことのできる、医療用途、非医療用途、又は医療及び非医療用途の被検物質監視システム用のデジタルインタフェース及びグラフィカルユーザインタフェース、並びにそれらに関連するシステム、方法、及びデバイスに対するニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の主題の目的及び利点については、以下の説明に記載するものとする。かかる目的及び利点は、部分的には以下の説明から明らかとなるであろうし、又は本開示の主題を実施することにより知ることができるであろう。さらに、本方法及びシステムが実現、達成する本開示の主題のさらなる利点についても、本明細書の説明、特許請求の範囲、及び添付の図面において具体的に言及している。
【0011】
上記の利点などの利点を達成するため且つ本開示の主題の目的に従い、実施形態で示して概説しているように、本開示の主題は、アプリケーションがセンサデータを取得するために使用するソフトウェアライブラリに関するものである。ソフトウェアライブラリは、センサ制御モジュールと遠隔管理モジュールとを備え、複数の生理センサやアプリケーションと通信を行うためのソフトウェアロジックを備えることができる。センサ制御モジュールは、受信デバイスによるセンサデータの受信を許可するための受信デバイスの認証(受信デバイスと複数の生理センサとの通信を有効化することにより、センサごとに異なる生理信号を示すデータを含むセンサデータの受信を当該受信デバイスに対して許可するなど)を行う。さらに、センサ制御モジュールは、コンピューティングデバイスのメモリにセンサデータを格納することもできる。センサ制御モジュールは、複数の生理センサそれぞれのセンサデータから、センサごとに異なる生理信号を示す出力を取得することができる。また、センサ制御モジュールは、生理センサから取得したセンサごとに異なる生理信号の出力を、コンピューティングデバイス上で動作中の認証済のサードパーティアプリケーションに提供することができる。
【0012】
本開示の主題によれば、生理センサは、ユーザの体液中の被検物質値を検出するように構成された被検物質センサを備えることができる。また、様々に異なる生理信号の出力に、被検物質値を含めることもできる。この出力には、生理的状態の通知をさらに含めることができる。さらに、この出力で、ユーザへの薬剤の送達に関する情報を示すこともできる。
【0013】
本開示の主題によれば、コンピューティングデバイス内及びコンピューティングデバイスと生理センサとの間の通信セッションは、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)などの当技術分野において公知の任意の適切な無線通信プロトコルを用いることができる。
【0014】
また、ソフトウェアライブラリは、ネットワークを介してセンサデータを遠隔サーバに送信するよう指示する命令を含む遠隔データ管理モジュールをさらに含むことができる。この遠隔管理モジュールは、遠隔サーバと通信して、センサ制御モジュール又はサードパーティアプリケーションなどのアプリケーションの認証を行うように構成することができる。この認証は、ソフトウェアライブラリにアクセスするアプリケーションに関係なく、統一的なユーザインタフェースを利用して行うことができる。
【0015】
本開示の主題によれば、複数の生理センサとソフトウェアライブラリは、プログラム医療機器として承認を受けるなどの規制当局の承認の対象となる。また、生理センサからの生理信号を示す出力も、規制当局の承認の対象となる。しかし、このコンピューティングデバイス上で実行されるサードパーティアプリケーションは、規制当局の承認の対象とはならない。
【0016】
ソフトウェアライブラリは、認証済のサードパーティアプリケーションのコンポーネントとして実装されるように構成することができる。モジュラアーキテクチャと機能の共通化により、複数の生理センサから取得したセンサデータの受信、解釈、表示を実質的に同時に行うことが可能となる。
【0017】
本開示の主題によれば、グルコース変動を監視する方法が、センサ制御デバイスから対象者のグルコース値を示すデータを受信するシステムを含むことが記載されている。本方法では、第1の期間における対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定することができる。次に、第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較することができる。そして、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示することができ、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示することができる。
【0018】
グルコース変動メトリックは、流動的ベースラインからの変動幅、最大グルコース値と最小グルコース値の差、対象期間において目標範囲内にあった時間又は目標範囲から外れていた時間の長さ、又はそれらの組み合わせなどの尺度とすることができる。
【0019】
本開示の主題によれば、グルコース変動を監視する方法が、センサ制御デバイスから対象者のグルコース値を示すデータを受信するシステムを含むことが記載されている。本方法では、或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別することができる。次に、当該期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差を計算することができる。この差を閾値と比較することができる。そして、この差が閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示することができ、この差が閾値を上回っている場合に第2の表示を表示することができる。
【0020】
本開示の主題によれば、対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムが記載される。本システムは、1つ以上のプロセッサと、命令を格納しているメモリとを備える。そして、当該命令を1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は本システムに、移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、対象者のグルコースの状態を判定するステップと、対象者のグルコースの状態の表示であって、テキスト記述と、第1の色を有するグラフィックとを含むグルコースの状態の表示を、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に表示するステップと、GUIにグラフを表示するステップと、を実行させる。当該グラフは、第1の部分と第2の部分とを含むグルコースプロファイルを含み、第1の部分と第2の部分は異なる色であり、第2の部分は第1の色である。
【0021】
本開示の主題によれば、対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムが記載される。本システムは、1つ以上のプロセッサと、命令を格納しているメモリとを備える。そして、当該命令を1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は本システムに、複数の移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、対象者の複数のグルコースの状態を判定するステップであって、移動窓の期間のそれぞれにログに記録した活動が含まれる、ステップと、第1の移動窓の期間の第1のグルコースプロファイルと、ログに記録した第1の活動の説明とを含む第1のグラフを表示するステップであって、第1のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、第1の部分と第3の部分が第1の色であり、第2の部分が第2の色である、ステップと、第2の移動窓の期間の第2のグルコースプロファイルと、ログに記録した第2の活動の説明と、を含む第2のグラフを表示するステップであって、第2のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、第1の部分と第3の部分が第1の色であり、第2の部分が第3の色である、ステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付の図面を検討することにより、本明細書に記載の主題の詳細が、その構造と動作の両面において明らかとなるであろう。なお、添付図面において、同様の箇所には同様の参照番号を付している。また、図面では、必ずしも縮尺通りに構成要素を図示しているわけではなく、むしろ、主題の原理を説明することに重点を置いたものとなっている。さらに、いずれの図も概念を伝えることを目的としており、相対的な大きさや形状などの詳細な属性については、模式的に示し、忠実、正確には示していない場合がある。
【
図1】ソフトウェアライブラリと、受信デバイスと、センサアセンブリとを備えるシステムの全体図
【
図2】受信デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図3】センサアセンブリの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図4】アプリケーションと通信するためのソフトウェアライブラリの一例としてセンサ制御モジュールと遠隔管理モジュールを備えるソフトウェアライブラリを示すブロック図
【
図5】センサ制御モジュールの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図6】遠隔管理モジュールの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図7A】本発明のアーキテクチャを利用するアプリケーションの例示的な実施形態
【
図7B】本発明のアーキテクチャを利用するアプリケーションの例示的な実施形態
【
図7C】本発明のアーキテクチャを利用するアプリケーションの例示的な実施形態
【
図8】本開示の主題を利用してセンサからアプリケーション又はサードパーティアプリケーションにセンサデータを伝達する例示的な方法を示す図
【
図9】本開示の主題を利用してセンサからアプリケーション又はサードパーティアプリケーションにセンサデータを伝達する例示的な方法を示す図
【
図10A】バイオセンサバナーに関連するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図10C】バイオセンサバナーに関連するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図10D】バイオセンサバナーに関連するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図10E】バイオセンサバナーに関連するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図11A】バイオセンサモジュールの詳細に関するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図11B】バイオセンサモジュールの詳細に関するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図12A】バイオセンサに関連するシステムメッセージに関するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図12B】バイオセンサに関連するシステムメッセージに関するGUIの例示的な実施形態を示す図
【
図13A】バイオセンサと読取デバイスとのペアリングに関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図13B】バイオセンサと読取デバイスとのペアリングに関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図13C】バイオセンサと読取デバイスとのペアリングに関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図13D】バイオセンサと読取デバイスとのペアリングに関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図14】センサアプリケータと、センサ制御デバイスと、読取デバイスと、ネットワークと、高信頼性コンピュータシステムと、ローカルコンピュータシステムとを備える被検物質監視システムのシステム概要図
【
図15A】読取デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図15B】センサ制御デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図15C】センサ制御デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図16A】ライブホーム画面に関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図16B】ライブホーム画面に関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図17A】さらなる詳細を含む「理解を深める」画面に関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図17B】さらなる詳細を含む「理解を深める」画面に関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図18】ユーザの経過状況の共有に関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図19】様々な活動の追跡に関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図20】知ったり調べたりすることに関連するGUIの例示的な実施形態を示すブロック図
【
図21A】グルコース変動を特定する例示的な方法を示す図
【
図21B】グルコース変動を特定する例示的な方法を示す図
【
図21C】グルコース変動を特定する例示的な方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本開示の主題の種々の例示的な実施形態について詳細に説明する。添付の図面は、これらの例示的な実施形態を示すものである。
【0024】
本システムは、被検物質監視装置で測定した被検物質データと送達デバイスで記録した薬物送達データとを受け取って、これらのデータの処理、ユーザに対して任意の数の形態でのこれらのデータの表示、又はその両方を行うデバイスを備えることができる。当該デバイス及びその変化形は、「受信デバイス(receiving device)」「読取デバイス(reader device)」(又は単に「リーダー(reader)」)、「携帯電子機器(handheld electronics)」(又は単に携帯(handheld))、「携帯データ処理(portable data processing)」デバイス又はユニット、「データ受信(data receiver)」、「受信(receiver)」デバイス又はユニット(又は単に受信機(receiver))、又は「遠隔(remote)」デバイス又はユニットと呼ぶ場合があるが、これらは当該デバイスの呼称のほんの数例にすぎない。このデバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ、又はディスプレイデバイスとすることができる。
【0025】
また、本システムは、インビボ被検物質監視センサアセンブリをさらに備えることができ、インビボ被検物質監視センサアセンブリが、種々の種類の監視装置を備えることができる。例えば、「持続被検物質監視(Continuous Analyte Monitoring)」システム(又は「持続グルコース監視(Continuous Glucose Monitoring)」システム)は、要請ベース(prompting)ではなく継続的に(例えば、スケジュールに従って自動的に)、センサデバイスから読取デバイスにデータを送信することができる。また、他の例として、「フラッシュ被検物質監視(Flash Analyte Monitoring)」システム(又は「フラッシュグルコース監視(Flash Glucose Monitoring)」システム、あるいは単に「フラッシュ(Flash)」システム)も挙げられる。フラッシュ被検物質監視システムは、「Bluetooth」 Low-Energy(BLE)近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)プロトコル又は無線自動識別(Radio Frequency Identification:RFID)プロトコルを用いるなどして、読取デバイスによるデータスキャン又はデータ要求に応じてセンサデバイスからデータを伝送することができる。また、インビボ被検物質センサアセンブリは、指先穿刺によるキャリブレーションを必要とすることなく動作することができる。
【0026】
インビボ監視センサアセンブリはセンサを備えることができる。センサを生体内に配置すると、センサがユーザの体液と接触して、体液に含まれる被検物質値を示す被検物質データを生成する。センサアセンブリは、ユーザの身体上に留置されるデバイスであり、被検物質感知の実現と制御を担う電子部品と電源とを内蔵する。センサアセンブリ(sensor assembly)及びその変化形は、「身体装着型電子機器(on-body electronics)」デバイス又はユニット、「身体装着型(on-body)」デバイス又はユニット、「センサデータ通信(sensor data communication)」デバイス又はユニット、被検物質センサ(analyte sensor)、センサデバイス(sensor device)、インビボ被検物質監視センサアセンブリ(in vivo analyte monitor sensor assembly)、センサ(sensor)などと呼ぶ場合もあり、これらはセンサアセンブリの別称のほんの数例にすぎない。
【0027】
さらに、システムは、被検物質センサと共に使用するための外部デバイスを備えることができる。例えば、限定されるものではないが、外部デバイスには、被検物質センサからの情報を利用して、薬剤などの有益な作用物質の送達量の決定やユーザへの送達を行う送達デバイスを含めることができる。また、これに加えて又は代えて、外部デバイスに、他の被検物質センサ、加速度計、圧力センサなど他のセンサや、外部コンピューティングデバイスを含めることもできる。かかる外部コンピューティングデバイスとしては、例えば、被検物質センサ情報を利用してさらなる知見(限定されるものではないが、病状(medical condition)、幸福(well-being)、フィットネス、又は食欲に関する知見などの医学的又は非医学的な知見又は分析など)をユーザに提供するように構成された医療サーバ又はスマートフォンアプリケーションが挙げられる。
【0028】
概して、そして以下により詳細に説明するように、本明細書において提示する本開示の主題には、受信デバイス内のソフトウェアライブラリが含まれる。このソフトウェアライブラリは、被検物質センサと通信して、サードパーティアプリケーションに、医療上必要な用途又はユーザの幸福に関連する用途でセンサデータを利用するためにセンサデータにアクセスすることを許可するものである。よって、本システムは、ソフトウェアライブラリをさらに備える。ソフトウェアライブラリは、センサと独立して実装することができ、サードパーティアプリケーション内に統合することにより、サードパーティアプリケーションがセンサデータにアクセスすることを可能にするものである。さらに、センサ制御モジュールが、複数のセンサアセンブリから同時又は実質的に同時にデータを受信できる方式で、複数のセンサアセンブリと通信することができる。またさらに、本システムにより、センサ情報をセンサ制御モジュールから遠隔管理モジュールに転送することも可能となる。
【0029】
本明細書に記載の実施形態を利用することにより、1つ以上の任意の数の異なる被検物質に関する情報の監視及び/又は処理を行うことができる。監視することのできる被検物質としては、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)、クレアチンキナーゼ(例えば、CK-MB)、クレアチン、クレアチニン、DNA、フルクトサミン、グルコース、グルコース誘導体、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸)、乳酸、過酸化物、前立腺特異抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン、トロポニンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、例えば、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン、バンコマイシンなど)、ジギトキシン、ジゴキシン、乱用薬物、テオフィリン、ワルファリンなどの薬物の濃度を監視することもできる。2つ以上の被検物質の監視を行う実施形態では、それらの被検物質の監視は、同時に行ってもよく、時間をずらして行ってもよい。
【0030】
図1は、ソフトウェアライブラリ400と、種々のアプリケーション420と、センサアセンブリ300と、受信デバイス200とを利用したモジュール式接続フレームワークを備えるシステム100の例示的な実施形態を示す模式図である。
【0031】
本開示の主題によれば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体にソフトウェアライブラリが含まれており、受信デバイス200上のアプリケーション420又はスタンドアロン型のデバイス(例えば、ポンプ、インスリンペンなど)は、このソフトウェアライブラリを利用してセンサデータを取得する。ソフトウェアライブラリは、センサ制御モジュールと遠隔管理モジュールとを備え、複数のセンサやアプリケーションと通信を行うためのソフトウェアロジックを備えることができる。センサ制御モジュールは、受信デバイスによるセンサデータの受信を許可するための受信デバイスの認証(受信デバイスと複数のセンサとの通信を有効化することにより、センサごとに異なる信号を示すデータを含むセンサデータの受信を当該受信デバイスに対して許可するなど)を行う。さらに、センサ制御モジュールは、コンピューティングデバイスのメモリにセンサデータを格納することもできる。センサ制御モジュールは、複数のセンサそれぞれのセンサデータから、センサごとに異なる信号を示す出力を取得することができる。また、センサ制御モジュールは、センサから取得したセンサごとに異なる信号の出力を、コンピューティングデバイス上で動作中の認証済のサードパーティアプリケーションに提供することができる。
【0032】
システム100は、モジュラアーキテクチャで機能するソフトウェアライブラリ400を備えている。モジュラアーキテクチャにより、センサ制御モジュール500が、受信デバイス200上の種々のアプリケーション420と通信し、種々のアプリケーション420内に常駐することが可能となる。さらに、アプリケーション420は、センサ制御モジュール500を介してセンサアセンブリ300とインタフェース接続することができる。かかるインタフェース接続は、特定的には、通信制御モジュール540(
図5に図示)に対して、センサアセンブリ300と直接インタフェース接続するように要求するリクエストを与えることにより行われる。センサアセンブリ300は、複数のセンサ302を備えた1つのデバイスとすることができるほか、2つ以上の被検物質を検出するように構成された1つのセンサ302とすることもできる。
【0033】
受信デバイス200は、1つ以上のアプリケーション420を含んでおり、各アプリケーションインスタンスにより、ソフトウェアライブラリ400の埋め込みが行われる。受信デバイス200は、アプリケーション420に対してモジュール式接続フレームワークを採用している。特定的には、各アプリケーション420が、ソフトウェアライブラリ400を含み、ソフトウェアライブラリ400が、遠隔管理モジュール600と1つ以上のセンサアセンブリ300と通信を行うためのセンサ制御モジュール500とを備えている。また、ソフトウェアライブラリ400を、基礎となるアプリケーションと同時に実行されるサービスとして走らせることもでき、これにより、センサ制御モジュール500又は遠隔管理モジュール600を、1つ以上のアプリケーションと並行して実行されるサービスとすることもできる。
【0034】
さらに、センサ制御モジュール500は、センサデータとのインタフェースをとることもできる。アプリケーション420内に実装されたソフトウェアライブラリ400内の各種モジュールは、通信リンク102を介してセンサアセンブリ300と通信を送受信することができる。
【0035】
なお、センサ制御モジュール500は、受信デバイス200のアプリケーション420内に存在しているが、センサ制御モジュール500の基本コンポーネントを、スマートウォッチやモバイルデバイスなどのウェアラブルデバイスのような第2の受信デバイスに置くこともできる。このようなスマートウォッチやウェアラブルデバイスなどのデバイスでは、スマートフォンや、タブレット端末、コンピュータが提供するようなユーザインタフェース体験は実現できないかもしれないが、かかるデバイスにセンサ制御モジュール500を組み込むことにより、スマートウォッチ又は携帯ウェアラブルデバイス上のセンサ制御モジュール500から直接、センサアセンブリ300と通信することが可能となる。これにより、ウェアラブルデバイスに特化したアプリケーションからもセンサデータを利用することが可能となる。ウェアラブルデバイスはそれぞれ独立に、受信デバイス200と同期することができ、センサデータの受信実行や受信開始のために必要なユーザログイン機能、初期設定機能、認証機能、及び同意機能の大部分は、受信デバイス200を利用して実行することができる。
【0036】
通信リンク102は、「Bluetooth」、「Bluetooth」 Low Energy(BLE、BTLE、「Bluetooth」 SMARTなど)、近距離無線通信(NFC)などの無線プロトコルとすることができる。各通信リンク102は、同一の無線プロトコルを使用してもよく、異なる無線プロトコルを使用してもよい。また、他の無線データ通信リンクを介して通信するようにシステム100を構成することもできる。かかる無線データ通信リンクとしては、RF通信リンクや赤外線通信リンクなどの、2つ以上の電子デバイスを接続する任意の種類の適切な無線通信接続(さらに、単方向通信であっても双方向通信であってもよい)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。あるいは、データ通信リンクに有線ケーブル接続を含めることもできる。かかる有線ケーブル接続としては、RS232接続、USB接続、FireWire(登録商標)接続、Lightning接続、シリアルケーブル接続が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
例えば、本明細書の実施形態に示しているように、通信リンク102を、BLEなどの「Bluetooth」プロトコルを使用するように構成することができるほか、又は、通信リンク102を、NFCプロトコルを使用するように構成することもできる。これに加えて又は代えて、第2のセンサアセンブリとの間に、図示しない他の通信リンクが存在し、当該他の通信リンクを、BLEを使用するように構成する、又はNFCとBLEを併用するように構成することもできる。通信リンクごとに異なる動作を実行するように、通信リンクを構成することができる。例えば、通信リンク102は、センサアセンブリのアクティブ化のみを担うように構成することができる。さらに、全体的なシステム構成に応じて、又は或る時刻でシステムのどのコンポーネントがアクティブ化された状態又は使用中となっているかに応じて、通信リンクの設定を異なるものとすることもできる。例えば、本明細書の実施形態に示しているように、通信リンク102は、システムにおいて受信デバイス200がアクティブであるときの第1の通信設定と、受信デバイスがアクティブでなはいとき又はシステムに受信デバイスが含まれていないときの第2の通信設定とを有することができる。
【0038】
第1の通信設定では、NFC無線プロトコルを使用してセンサのアクティブ化のみを行うように、通信リンク102を構成することができる。他の設定では、センサアセンブリ300とアプリケーション420との間のBLE機能(BLE機能の提供がある場合)をオフにしたままとすることができる。アプリケーション420は、NFC無線プロトコルを利用してセンサアセンブリ300をアクティブ化し、センサコンテキスト情報を取得することができる。センサコンテキスト情報には、センサアセンブリ300との通信セッションを認証するための認証情報と、通信リンクを介して暗号化データ通信を行えるようにするための暗号化情報と、センサアセンブリ300とのBLE接続を開始するためのBLE通信アドレスとを含めることができる。ソフトウェアライブラリ400は、BLEを介してセンサアセンブリ300からセンサコンテキスト情報を取得することもできる。センサコンテキスト情報を使用することにより、ソフトウェアライブラリ400には、スマートフォンなどの或る受信デバイス200上のアプリケーション420からスマートウォッチなどの別の受信デバイス200上の別のアプリケーション420に、セッションを切り替える機能が備えられる。センサコンテキスト情報の送信は、これらのアプリケーション420内で行うことができる。
【0039】
本開示の主題によれば、図示のようなセンサアセンブリ300は、同じセンサアセンブリ内で異なる被検物質を検出する複数のセンサ素子を備えることができる。また、システム100は、本明細書に記載の通信リンク102と同様の通信機能を有する通信リンクを介して接続された、図示のようなセンサアセンブリ300を複数備えることもできる。2つ以上のセンサアセンブリ300を組み合わせて使用することにより、複数のセンサ素子で協働して或る被検物質の指示値を生成することができるほか、又は複数のセンサ素子が個々で独立に様々な異なる被検物質の指示値を生成するようにすることもできる。任意の数のセンサアセンブリを一緒に使用して、任意の数の異なる被検物質値を測定することができるが、本開示では、2つのセンサアセンブリを図示している。これは、説明を目的としたものであり、限定を意図するものではない。
【0040】
いくつかの実施形態では、無線通信リンク710を介して遠隔のクラウド700のインフラからソフトウェアライブラリ400にアクセスするように、アプリケーション420を構成することができる。特定の実施形態では、通信リンク710は、システム100との間でデータを送受信するために他のデバイスと双方向無線周波数(RF)通信を行うように構成された無線通信部を含む。さらに、通信リンク710は、物理ポート又は物理インタフェースを備えるように構成することもできる。かかる物理ポート又は物理インタフェースとしては、USBポート、RS-232ポート、シリアルポート、IEEE1394(Firewire)ポート、又はイーサネットポートなどの、システム100と受信デバイス200との間のデータ通信を可能にする任意の適切な電気接続ポートのうちの1つ以上が挙げられる。また、受信デバイス200としては、パーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ(laptop computer、notebook computer)、iPad(登録商標)、タブレット型コンピューティングデバイス、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(personal data assistant)、ワークステーション、サーバ、メインフレームコンピュータ、クラウドコンピューティングシステム、外部医療機器(例えば、注入デバイス、被検物質監視デバイス、又はインスリン送達デバイスを含むデバイス)、又は、これらと同様の相補的なデータの通信を行うように構成された他のデバイスが挙げられる。特定の実施形態では、通信リンク710は、セルラー通信プロトコル又はWi-Fi(IEEE802.1x)通信プロトコル、又は、潜在的なデータのコリジョンや干渉を回避しながら、(例えば、HIPPAの要件に従って)複数のユニットが安全に無線通信することを可能にする、これらと同等の無線通信プロトコルを含むことができる。
【0041】
他の実施形態では、無線通信部710は、赤外線通信、「Bluetooth」通信、無線USB通信、ZigBee通信、セルラー通信、Wi-Fi(IEEE802.1Ix)通信、又はRFID(パッシブRFID又はアクティブRFID)通信などの、受信デバイス200が他のデバイスと通信することを可能にする任意の適切な無線通信機構である。かかる他のデバイスとしては、注入デバイス、被検物質監視デバイス、コンピュータ端末、サーバ、パーソナルコンピュータ、ノート型コンピュータ(laptop computer、notebook computer)、「iPad」、タブレット型コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、ワークステーション、メインフレームコンピュータ、クラウドコンピューティングシステム、通信可能な携帯電話、携帯情報端末、又は、患者又はデバイスユーザが糖尿病などの健康状態の治療を管理する際に、組み合わせて使用することができる他の通信デバイスが挙げられる。
【0042】
システム100は、開ループ系、閉ループ系、ハイブリッド閉ループ系のシステムとして動作するように構成することができる。開ループ系のシステムの場合、センサアセンブリ300に関する特定の機能を制御するために、ユーザによる手動入力が必要となる。一方、閉ループ系のシステムの場合、センサアセンブリ300からのデータとアルゴリズムとを使用して、ユーザ入力なしでソフトウェアライブラリ400の制御を行う。また、ハイブリッドシステムでは、アプリケーション420を制御してソフトウェアライブラリ400を開始するために、ユーザによる入力が必要となる場合がある。ハイブリッド閉ループ系のシステムは、閉ループ系のシステムと一緒に使用することができるほか、閉ループ系のシステムの代わりに使用することもできる。本明細書に開示しているように、システム100で採用しているシステム構成の種類に関係なく、規制当局の認可の対象をソフトウェアライブラリ400に限定することができる。
【0043】
受信デバイス
図2は、受信デバイス200の例示的な実施形態を示すブロック図である。ソフトウェアライブラリ400は、サードパーティに提供して、携帯電話、タブレット端末、個人用受信デバイス、又は他の同様の受信デバイスなどの多目的受信デバイス200用のアプリケーション420内に組み込むことができる。デバイスアプリケーションソフトウェアの具現化と実行を担う受信デバイス200は、コンピューティングデバイス又は多目的デバイスと呼ぶこともできる。受信デバイス200は、センサアセンブリ300と通信するように構成されたセンサ制御モジュール500を有するソフトウェアライブラリ400を組み込んだアプリケーション420を実行する、適切に構成されたハードウェアデバイスを指している。ここで、受信デバイス200は、ディスプレイ202と、入力コンポーネント204と、メモリ208と結合したプロセッサ206とを備えることができる。また、アンテナ212と結合した通信回路210と、電源214も備えることができる。当業者であれば理解するように、これらのコンポーネントは、機能デバイスを成すように電気的且つ通信可能に結合される。本明細書の実施形態に示しているように、メモリ208は、アプリケーションとセンサアセンブリ300用のセンサ制御モジュール500とを含むことができる。アプリケーション420は、センサ制御モジュール500を含むソフトウェアライブラリ400をインポートすることもできる。ソフトウェアライブラリ400とセンサ制御モジュール500は、センサアセンブリ300の提供者が開発することができる。
【0044】
受信デバイスは、ユーザへの表示に適した最終結果データのレンダリングを行うためのシステム100の処理能力の大部分を担うことができる。受信デバイス200は、スマートフォン又はスマートウォッチとすることができる。
【0045】
受信デバイス200は、グルコースデータなどの被検物質データを受信し、低被検物質値及び高被検物質値を計算し、対応するアラームとメッセージを生成することができる。受信デバイス200は、センサアセンブリ300などの他のデバイスが生成したアラート通知をミラーリングすることもできる。受信デバイス200は、被検物質データをプロセッサ206で処理して、被検物質に関する情報を値、トレンド、グラフとしてディスプレイ202にレンダリングし、受信した被検物質値に基づいた追加のメッセージや通知を提供することができる。
【0046】
センサアセンブリ
図3は、グルコースセンサ302とセンサ電子部品304(被検物質監視回路を含む)とを備えるセンサアセンブリ300の例示的な実施形態を示すブロック図である。グルコースセンサ302は、約13~30日間の使用期間のインビボ被検物質センサとすることができる。また、センサアセンブリ300は、広域ネットワーク通信機能を持たない構成とすることができる。
【0047】
グルコースセンサ302は、患者のグルコース値を測定するための生のデータ信号を生成する。センサ電子部品304は、グルコースセンサ302に動作可能に結合され、センサ電子部品304に関連付けられた1つ以上の所定の特性322を記憶するメモリ316を備えている。メモリ316は、いわゆる「ワンタイムプログラマブル」(one-time programmable:OTP)メモリとすることができ、メモリの特定のアドレス又は領域に書き込むことができる回数を定義するサポートアーキテクチャを含むなどの方法により、かかる書き込み回数を定義するように構成することができる。この書き込み回数は、1回でも2回以上でもよく、定義された回数に達すると、それ以降は、当該メモリに使用不可能というマークを付けるなどの方法により、当該メモリをプログラミングに使用できない状態とすることができる。本明細書において開示している主題は、このようなOTPメモリを新しい情報で更新するためのシステム及び方法に関する。
【0048】
図示しているように、センサ電子部品304は、特注の特定用途向け集積回路(ASIC306)とすることができる1枚の半導体チップを備えることができる。図中、ASIC306の内部には、アナログフロントエンド(AFE308)、電源管理(制御)回路310、プロセッサ312、及び通信回路314(通信プロトコルに従って、送信器、受信器、送受信器、受動回路などとして実装可能)などのいくつかの高次機能ユニットが設けられている。例えば、限定するものではないが、例示的な通信回路314としては、「Bluetooth」 Low Energy(「BLE」)チップセット、近距離無線通信(「NFC」)チップセット、又はこれらと同様の近距離通信方式(例えば、IEEE802.15プロトコル、IEEE802.11プロトコルに準拠したパーソナルエリアネットワーク、IrDA(Infrared Data Association)規格に準拠した赤外線通信など)で使用するための他のチップセットを挙げることができる。通信回路314は、同様の機能を持つ通信モジュールと相互作用することにより、データやコマンドを送受信することができる。或る特定の通信チップセットを、ASIC306に埋め込むことができる(例えば、NFCアンテナ)。
【0049】
センサアセンブリ300は、1つ以上のブロック暗号を使用したアプリケーション層暗号化を利用して、システム100内の他のデバイスとの間で相互認証・暗号化を確立することができる。アプリケーション層に実装する非標準の暗号化設計を採用することには、いくつかの利点がある。この手法の利点の1つを挙げれば、特定の実施形態において、ユーザは、センサアセンブリ300と他のデバイスとのペアリングを、NFCスキャンを使用するのみなどの最小限の相互作用で完了することができ、ユーザがセキュリティピンの入力やペアリングの承認などの追加入力を行う必要がない点がある。センサアセンブリ300は、認証鍵と暗号鍵を動的に生成するように構成することができる。また、特定のクラスのデバイスと使用するための有効な認証鍵と暗号鍵の組を、事前にセンサアセンブリ300にプログラムしておくこともできる。さらに、ASIC306を、受信したデータを用いて他のデバイスとの認証手順(例えば、ハンドシェイク、相互認証など)を行うように構成し、生成した鍵を取扱いに配慮をすべきデータに適用してから当該要配慮データを送信するようにすることもできる。
【0050】
本実施形態では、AFE308とプロセッサ312の両方を被検物質監視回路として利用しているが、他の実施形態では、いずれか一方の回路で被検物質監視機能を果たすことができる。プロセッサ312は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、及び/又はマイクロコントローラを備えることができ、これらは、それぞれを別個のチップとしてもよく、又はいくつかの異なるチップ(及びその一部)に分散させてもよい。
【0051】
また、ASIC306内には、メモリ316が含まれている。メモリ316は、ASIC306内に存在する種々の機能ユニットで共有することができるほか、又はかかる機能ユニットのうちの2つ以上に分散させることもできる。メモリ316は、別体のチップとすることもできる。メモリ316は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリとすることができる。本実施形態では、ASIC306は、コイン電池バッテリなどとすることができる電源318に結合されている。AFE308は、グルコースセンサ302とインタフェース接続し、グルコースセンサ302から測定データを受信し、このデータをデジタル形式でプロセッサ312に出力する。そして、このデータは、アンテナ320を経由してソフトウェアライブラリ400に送信するため、通信回路314に提供される。
【0052】
これに代えて、グルコースセンサ302は他の被検物質を監視することもでき、例えば、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ(例えば、CK-MB)、クレアチン、DNA、フルクトサミン、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン、ケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸)、乳酸、過酸化物、前立腺特異抗原、プロトロンビン、RNA、甲状腺刺激ホルモン、及びトロポニンを監視することができる。
【0053】
センサアセンブリ300は、センサアセンブリ300から受信した情報に基づいて、ソフトウェアライブラリ400にセンサアセンブリデータを提供するように構成されたセンサアセンブリ埋め込みライブラリ(図示せず)を含んでいる。センサアセンブリデータには、グルコース指示値と、データの型と、範囲と、リアルタイム及び過去のグルコース値とそのトレンドと、センサ動作情報と、センサシステム情報とを含めることができる。
【0054】
ソフトウェアライブラリ
図4は、アプリケーション420(アプリケーション422、424、426、及びサードパーティアプリケーション428として図示)と通信するためのソフトウェアライブラリ400の一例を示すブロック図である。なお、アプリケーション420と記載している場合、アプリケーション422、424、426、サードパーティアプリケーション428のうちの1つ以上を指している。ソフトウェアライブラリ400は、センサ制御モジュール500と遠隔管理モジュール600とを備え、それぞれが独立に、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428と通信する機能を有している。本開示の主題によれば、センサ制御モジュール500と遠隔管理モジュール600のそれぞれが、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428と通信するためのインタフェースとして1つの統一的なインタフェースを提供することができる。
【0055】
ソフトウェアライブラリ400は、モジュラアーキテクチャを利用することができ、ソフトウェア開発キットにより、複数のアプリケーション420で共通に利用可能とすることができる。ソフトウェアライブラリ400は、2つのモジュールを備えることができ、これらのモジュールはそれぞれを独立して他のアプリケーション420で使用できるように提供することができる。そして、かかるモジュールのうちの第1のモジュールを、センサ制御モジュール500とすることができる。センサ制御モジュールは、センサアセンブリ300と通信し、センサアセンブリ300から特定の値の結果を受信することができる。さらに、センサ制御モジュール500は、センサ制御モジュールインタフェース(sensor control module interface:SCMI)520を利用して、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428と通信することもできる。
【0056】
ソフトウェアライブラリ400は、後述にてさらに説明する遠隔管理モジュール600をさらに備えることができる。遠隔管理モジュール600は、遠隔管理モジュールインタフェース(remote management module interface:RMMI)620を利用して、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428と通信する。
【0057】
さらに、遠隔管理モジュール600は、モジュール間インタフェース450を介してセンサ制御モジュール500からセンサデータを受信することができ、さらに、遠隔管理モジュール600を利用して、受信したデータを、クラウドストレージなどの遠隔記憶用の遠隔サーバ640(
図6に示す)に格納することもできる。アプリケーション開発者にとっては、遠隔管理モジュール600を利用することにより、サードパーティアプリケーション428などの様々に異なるサードパーティアプリケーション間で一貫したユーザインタフェースでユーザのアカウント管理を行うことができるという利点がある。さらに、アカウント管理の目的で、データの機密性保護を遠隔管理モジュール600に取り入れることができる。
【0058】
センサ制御モジュール500は、センサアセンブリ300の起動を要求するリクエストを受信することができる。センサ制御モジュール500は、リクエストを行っている受信デバイス200の具体的な種類を識別するロジックを備えることができ、受信デバイス200の認証機能を実行することができる。認証には、複数の異なる鍵を利用する3パス設計を使用することができる。鍵は、様々な役割(製造業者、アプリケーション開発者など)にそれぞれ結びつけることができる。また、セキュリティ情報が漏れる恐れのある、取扱いに配慮をすべきコマンドの場合には、これをトリガに、認証済の追加鍵セットを利用した認証暗号化を行うことができる。センサ制御モジュール500に提供され、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーションに送信されるセンサデータは、取扱いに非常に配慮すべきデータであり、これを保護することにはメリットがある。患者に関する医療データの少なくとも一部は、健康状態の監視や薬剤投与の判断などの様々な目的で利用することのできる情報であるため、取扱いに配慮をすべきデータである。本明細書の実施形態に示しているように、この通信データ及び関連データの機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)(「CIA」)を保護するように設計されたセキュリティインタフェースに準拠して、種々のモジュール及びアプリケーション422、424、426、及びサードパーティアプリケーション428を構成することができる。このCIAに関する懸念に対処するため、データの機密性を高めるべく、センサアセンブリ300とセンサ制御モジュール500の間の通信接続の相互認証を行ってから、取扱いに配慮をすべきデータの送信を行うことができる。また、センサ制御モジュール500とアプリケーション422、424、426及びサードパーティアプリケーション428との間の通信についても同様に処理される。通信接続は、デバイスごとに一意の暗号鍵又はセッションごとに一意の暗号鍵を使用して暗号化することができる。本明細書の実施形態に示しているように、暗号化パラメータは、通信のデータブロックごとに変更するように構成することができる。
【0059】
本明細書の実施形態に示しているように、データの完全性を保証するために、2つのコンポーネント間(例えば、センサ制御モジュール500とセンサアセンブリ300との間)で暗号化通信が行われた場合には、通信に組み込まれた伝送完全性チェックで当該通信を検証することができる。本明細書の実施形態に示しているように、セッション鍵情報を利用して通信を暗号化することができるが、その場合には、2つのデバイスの認証が完了した後に、両デバイス間でセッション鍵情報を交換することができる。センサアセンブリ300と専用のセンサ制御モジュール500の間の暗号化通信は、誤り検出コード又は誤り訂正コードを用いて検証することができる。かかる誤り検出コード又は誤り訂正コードとしては、限定されるものではないが、例えば、非セキュア誤り検出コード、最小距離符号化、繰り返し符号、パリティビット、チェックサム、巡回冗長検査、暗号学的ハッシュ関数、誤り訂正コードなどの、デジタルメッセージの誤りの有無を検出するための適切な方法が挙げられる。
【0060】
さらに、センサ制御モジュール500は、受信デバイス200がセンサデータの取得を望んでいる状態が続いている間、受信デバイス200に対してアクティブな状態を維持するための状態情報を生成することができる。
【0061】
センサ制御モジュール500は、ユーザインタフェース510を備えることができる。ユーザインタフェース510は、アプリケーションとのデータ共有の有効化に必要な許可を出すなど、アプリケーションとのデータ共有を有効化することができる。また、センサ制御モジュール500のユーザインタフェース510は、センサアセンブリ300から受信したセンサデータを表示することもできる。
【0062】
本明細書では、ソフトウェアライブラリのユーザインタフェース510を、異なるセンサアセンブリ300で測定することが可能な異なる複数の被検物質の共有と表示を可能にするモジュール式ユーザインタフェース510として開示している。特定的には、本明細書で開示しているように、ソフトウェアライブラリ400とセンサ制御モジュール500とを利用することにより、複数のセンサアセンブリ300から得られるセンサデータを表示するための共有ユーザインタフェースを開発することができる。ユーザインタフェース510を共有する場合には、ユーザインタフェース510は、様々なセンサアセンブリ300に関するセンサデータ間で切り替えを行ったり、センサデータを1つの画面に表示したり、異なる複数の組み合わせでセンサデータを表示したりすることができる。
【0063】
センサ制御モジュール500とアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428との間の通信は、センサ制御モジュールインタフェース520を介して行われる。遠隔管理モジュール600とアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428との間の通信は、遠隔管理モジュールインタフェース620を介して行われる。さらに、イベント通知又はコールバックプロセスによっても生じる通信もある。例えば、センサ制御モジュール500がサードパーティアプリケーション428からセンサデータを要求するリクエストを受信すると、当該リクエストがセンサ制御モジュールインタフェース520を介して伝達され、認証を開始するイベントをセンサ制御モジュール500のユーザインタフェース510で生成することができる。
【0064】
他にも例えば、センサ制御モジュール500が通信リンク102を介してセンサデータを受信すると、センサ制御モジュール500のユーザインタフェース510上に当該センサデータを表示できる状態となった旨の通知をソフトウェアアーキテクチャ内の他のモジュール又はコンポーネントに対して行うイベントを生成することができる。
【0065】
本システムは、ソフトウェアライブラリ400とセンサ制御モジュール500とを利用したモジュラアーキテクチャで、アプリケーション422、424、426及びサードパーティアプリケーション428とインタフェース接続する方式を用いることにより、複数のセンサアセンブリ300を含む、様々に異なる種類のセンサアセンブリ300との通信を可能にするものである。特定的には、通信制御モジュール540は、システム内のセンサアセンブリ300のそれぞれに特化した機能を有することができ、種々のセンサアセンブリ300に同時にアクセス、通信して、センサデータを受信することができる。
【0066】
他にも、例えば、サードパーティアプリケーション428の開発者は、ソフトウェアライブラリ400のモジュールの中から、サードパーティアプリケーション428内の機能を支援するために利用する特定のモジュールを選択することができる。例えば、特定のサードパーティアプリケーション428は、センサデータを健康維持データとして利用することができる。一般に、健康維持データとしては、体重、心拍数、血圧、血中グルコース値など、人の健康に関連するあらゆる種類のデータを挙げることができる。センサアセンブリが提供するセンサデータは、かかる健康維持データを含み得るものである。サードパーティアプリケーションは、当該サードパーティアプリケーションが所望するセンサデータの利用範囲内で、ソフトウェアライブラリ400から各モジュールにアクセスして所望のセンサデータを利用することができる。ソフトウェアライブラリ400があることにより、サードパーティアプリケーション428がセンサデータを受信する際に、センサアセンブリ300と直接インタフェース接続する必要がなくなる。ソフトウェアライブラリ400は、センサ制御モジュール500を備えており、センサ制御モジュール500は、センサデータを受信して、それを各サードパーティアプリケーション428に提供することができる。なお、「サードパーティ(third party)」とは、センサアセンブリ300やソフトウェアライブラリ400の製造業者とは異なる主体に対応し得る用語であることを理解されたい。サードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュールインタフェース520を介してアクセス可能なデータベース530上の特定の許可されたデータにアクセスすることができる。また、これとは別に、サードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュール500を介して受信したセンサデータを格納するための独自のデータベース(図示せず)を備えることもできる。
【0067】
特定の用途では、ユーザとの相互作用から得られるデータ又はユーザの健康情報を感知するセンサアセンブリなどの医療機器と連動して動作するソフトウェアは、医療機器ソフトウェアとして規制される場合がある。医療機器ソフトウェアの規制に関連する規格としては、ISO13485:2016「医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項」、ISO14971:2012「医療機器-リスクマネジメントの医療機器への適用」、IEC62304,Ed1.1:2015「医療機器ソフトウェア-ソフトウェアライフサイクルプロセス」を参照したものなどが挙げられる。具体的には、規制の規定により、医療機器として機能するソフトウェア(一般に「プログラム医療機器」と呼ばれる)は、米国食品医薬品局などの規制当局による規制の対象とされる。この規制が少なくとも要求しているのが、規制当局の認可取得のための申請書の提出である。
【0068】
本開示では、本開示の主題として記載しているように、プログラム医療機器の規制対象となる箇所を、ソフトウェアライブラリ400とセンサアセンブリ300の中に収めることができる。これにより、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428がセンサデータを利用する際に、規制当局の承認や認可を受ける必要性をなくすことができる。具体的には、サードパーティの開発者により、1つ以上の健康維持目的のサードパーティアプリケーションを開発することができるが、規制対象の機能はすべてソフトウェアライブラリ400の中に収められているため、この開発の際に、サードパーティの開発者が、「プログラム医療機器」の定義に基づく承認取得のための申請書提出を要求されることはない。これにより、別の異なる健康状態追跡アプリケーションを新規開発するなどの、センサアセンブリ300の正規の製造業者が当初考えたこともなかったようなセンサデータの他の利用方法が創出できるようになるため、ユーザの利益になると考えられる。
【0069】
アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュールインタフェース520を利用してセンサ制御モジュール500との通信を行う。センサ制御モジュールインタフェース520を利用することにより、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュール500を介してデータを受信することができる。
【0070】
また任意選択的に、センサ制御モジュール500は、センサデータによりトリガされるアラームや通知を管理するためのアラームモジュール(図示せず)を備えることもできる。本開示の主題によれば、アラームモジュールは、センサアセンブリ300が測定するセンサデータの種類ごとにアラームを生成するロジックを備えることができる。具体的には、センサアセンブリ300のデバイスハードウェアに問題が発生した場合に、アラームをトリガすることができる。またこれに加えて、センサアセンブリ300で監視中のユーザが特定の状態を示していることをトリガに、アラームを発することもできる。モジュール式フレームワークにより、センサ制御モジュール500内において、アラームモジュールのアラームロジックを個別に保持することができる。
【0071】
本明細書では、説明の便宜上、アラームモジュールが、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428及びセンサ制御モジュール500と連携して動作するものとして説明する。センサ制御モジュール500は、センサアセンブリ300から被検物質値を表すセンサデータを受信する。かかる値のひとつとして、グルコース指示値が挙げられる。センサ制御モジュール500及びアラームモジュールは閾値検出ロジックを有し、閾値検出ロジックにより、グルコース指示値などの特定の被検物質値に基づいて、アラームのトリガ条件を識別することができる。
【0072】
初期設定時に、サードパーティアプリケーション428又はアプリケーション422、424、426が、アラームのトリガが必要となる条件をコールバック関数として提供することもできる。このトリガには、センサデータの値と時間的関係を考慮に入れたロジックを含めることができる。例えば、センサアセンブリがグルコースデータを提供するものである場合、アラームをトリガするトリガ値を、時間的関係と一緒に設定することができ、例えば、特定の期間をかけてトリガ値が特定の数値だけ増加した場合、又は特定の期間にわたりトリガ値が特定の値を上回る状態を保っている場合、などのように設定することができる。また、これらのトリガ条件に、アラームをトリガする仕組みとして変化率を含めることもできる。アラームモジュールをセンサ制御モジュール500内に組み込むことにより、規制当局の審査と承認が必要なアラーム条件をセンサ制御モジュール500内に組み込むことができるため、規制当局の承認取得のためにアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428を提出する必要性をさらに低減することができる。
【0073】
センサ制御モジュール
図5は、ソフトウェアライブラリ400内のセンサ制御モジュール500の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【0074】
特定の実施形態では、センサ制御モジュール500は通信制御モジュール540を備えている。通信制御モジュール540は、通信リンク102を介してセンサアセンブリ300と通信するロジックを備える。また、通信制御モジュール540は、センサデータを受信して、センサデータをユーザインタフェース510に表示するためのロジックをさらに備えている。特定的には、各センサアセンブリ300は、センサ通信に関連する操作、特に、センサ通信に関連する専有的な操作を実行するための制御ロジックを備えている。例えば、センサアセンブリ300は、センサ制御デバイスの製造業者によって提供されるロジックとして、センサ測定値を受信し、測定値に対してデータ復号化及びグルコース計算などの複雑なアルゴリズムを実行するためのロジックを備える。この点で、通信制御モジュール540は、データの正確性と、閉じたセンサアセンブリ300で発生する複雑な専有アルゴリズムを保護できるデータの完全性とを備えた処理計算結果を受信するだけでよい。また、センサアセンブリ300は、センサ制御デバイスの製造業者によって提供されるロジックとして、認証を実行するためのロジックをさらに備えている。これにより、センサアセンブリ300は、種々のセンサのセンサ測定から得られるデータであるセンサデータを通信制御モジュール540に提供する機能を備えることができる。モジュール式フレームワークを利用することにより、通信制御モジュール540には、複数のセンサアセンブリ300からデータを受信するロジックが備えられており、これにより、複数のセンサアセンブリ300から実質的に同時に通信を受けることが可能となる。よって、認定を受けたサードパーティがモバイルアプリを開発する際に、同レベルの性能や正確な結果をサードパーティが独自に提供するという重大な責任を負うことなくモバイルアプリを開発することが可能となる。
【0075】
これによりさらに、製造業者が現在サポートしているユースケースとは異なる様々なユースケースを有する様々なサードパーティ企業が、ソフトウェアライブラリ400及びセンサ制御モジュール500を介して製造業者のセンサアセンブリ300と連携する独自のモバイルアプリケーションを開発することが可能となる。モジュラアーキテクチャを利用することにより、サードパーティは、実装するインタフェースコールの数を抑えて、ソフトウェアライブラリ400の各モジュールコンポーネントを参照するだけで実装することが可能となる。
【0076】
センサ制御モジュール500内における各種コンポーネントとの通信は、センサ制御モジュールのメッセージ送受信チャネル104を介して行われる。センサ制御モジュールのメッセージ送受信チャネル104を介してセンサデータを受信すると、ユーザインタフェース510を使用してセンサデータを表示することができる。
【0077】
アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュールインタフェース520を介して通信制御モジュール540と通信するためのロジックを備えている。このロジックは、フレームワーク内で動作し、センサデータの受信を可能にするものである。アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュール500に対し、有効化機能を行うようリクエストする。このリクエストは、まずセンサ制御モジュール500を起動し、続いてセンサデータの取得を要求するリクエストを送信することにより行われる。センサ制御モジュール500は、種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に重複して必要とされる機能の一貫性を確保するために、センサ制御モジュールインタフェース520を備えている。センサ制御モジュールインタフェース520は、基礎となるアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のアプリケーションプログラムインタフェース(API)として実装される。また、センサ制御モジュール500が共通機能用の標準インタフェースを備えることにより、センサ制御モジュール500を利用して、複数のセンサから実質的に同時にセンサデータを受信することも可能となる。ソフトウェアライブラリ内には、センサデータの受信が許可された種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の有効化を管理するためのロジックが収められている。また、センサ制御モジュール500は、センサ制御モジュールインタフェース520を介して、種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の状態を制御・管理するロジックをさらに備えることもできる。
【0078】
ソフトウェアライブラリ400内のセンサ制御モジュール500は、センサアセンブリ300とともに規制当局の認可が必要なプログラム医療機器と位置づけられる。プログラム医療機器規制上の問題の要因となるコンポーネントを、センサアセンブリと通信するソフトウェアライブラリ内に収容することにより、規制当局の承認取得のために、追加のサードパーティアプリケーション428を提出する必要がなくなる。これにより、他のアプリケーション開発者は、他のユースケースの構築を、規制当局の審査を受けるために当該アプリケーションのユースケースを提出することなく行うことができるため、規制対象外のアプリケーションでセンサデータを活用することが可能となる。この利点は、ソフトウェアライブラリ400に関する説明において述べたモジュール式ロジックを採用することによって得られるものである。
【0079】
ユーザインタフェース510により、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428が受信したセンサデータを表示するための統一的なインタフェースが得られる。ユーザインタフェース510は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に対するユーザの同意とオンボーディングの機能を担うことができる。オンボーディングには、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の新規ユーザから、センサデータにアクセスするために必要なすべての同意を得ることが含まれる。また、ユーザインタフェース510は、種々のセンサアセンブリ300が適切に機能しているかの判定を通信制御モジュール540を通じて行うための準備完了チェック機能をさらに備えることができる。ユーザインタフェース510は、センサデータを表示するための表示機能を備えることができる。ユーザインタフェース510は、ユーザのアカウント作成、データの機密性保護と共有に関する同意、及び他の同様の機能などの、任意の数の共通機能用のユーザインタフェースとして、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の間で共通の形式で利用することができる。本開示の実施形態によれば、センサ制御モジュール500は、センサアセンブリ300の製造業者が開発したアプリケーション422、424、426の動作時には、特定のカスタマイズされたユーザインタフェース510を提示する一方、開発者がセンサアセンブリ300の製造業者とは異なるサードパーティアプリケーション428の動作時には、全く異なるユーザインタフェース510を提示することができる。したがって、ユーザインタフェース510の外観と操作性は、アプリケーション422、424、426とサードパーティアプリケーション428のいずれがセンサデータを要求しているかに応じて自動調整される。なお、本明細書に開示しているように、センサ制御モジュール500は、ユーザインタフェース510コンポーネントを備えずに実装することもできる。この構成では、センサ制御モジュールインタフェース520は、基礎となるアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のディスプレイに直接情報を提供するように機能する。
【0080】
任意選択的に、センサ制御モジュール500は、センサとの接続とセンサデータへのアクセスとを許可するための、アカウントの完全性と初期設定のチェック機能を備えることができる。アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の起動時に、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュール500に、識別情報とセンサ制御モジュール500が認証に使用できる認証情報とを提供することにより、センサ制御モジュール500の初期設定をリクエストする。完全性チェックを通過できない場合には、センサ制御モジュール500は、そのアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の動作を許可しない。サードパーティアプリケーション428の場合、遠隔管理モジュール600を利用することにより、遠隔管理モジュール600と遠隔サーバ640の接続性により定められる、製造業者の現在の許可と目的とに基づいて、サードパーティアプリケーション428のセンサ制御モジュール500に対するアクセス権の取り消し又は認証の削除を行うことができる。遠隔管理モジュール600は、サードパーティアプリケーション428の認証をセンサ制御モジュール500から取り消すプロセスを開始して、サードパーティアプリケーション428がそれ以上動作をしないようにすることもできる。初期設定に成功すると、センサ制御モジュール500は、遠隔管理モジュール600に認証に必要な識別情報と認証情報を提供することにより、遠隔管理モジュール600の初期設定を行う。
【0081】
センサ制御モジュール500には、センサデータを要求するリクエストを行っているのが、認証済の適切なアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428であるかどうか確認する保護機能を含めることができる。
【0082】
通信制御モジュール540は、通信リンク102を介してセンサアセンブリ300と通信することができる。センサアセンブリ300から受信したセンサデータは、センサ制御モジュールのメッセージ送受信チャネル104を使用してセンサ制御モジュール500の他のコンポーネントに提供される。また、センサ制御モジュール500と遠隔管理モジュール600との間にある他のモジュール間インタフェース450を介して、センサデータを遠隔管理モジュール600にも伝達することができる。さらに、センサデータは、データベースマネージャ532により管理されるデータベース530にも格納される。
【0083】
ソフトウェアライブラリ400にモジュラアーキテクチャを採用しているため、通信制御モジュール540は、センサアセンブリ300に代表される様々な種類のセンサのいずれからもデータを受信することができる。これにより、システムはセンサデータを実質的に同時に受信することが可能となっている。複数の異なる種類のセンサのサポートがモジュール形式のシステムレベルで行われているため、将来的に追加のデータを追跡する新たなセンサが構築されれば、ソフトウェアライブラリ400とセンサ制御モジュール500内に必要なモジュールを組み込むことによって、システムを拡張することができる。
【0084】
ユーザインタフェース510が備える機能は、グルコース値などのセンサデータを表示する機能に限られ、この形式を保つことにより、複数のセンサ指示値の間で一律にユーザインタフェース510を利用してセンサデータを表示することが可能となる。処理計算はセンサアセンブリ300で行われ、通信制御モジュール540は、そのセンサデータの結果を値で受け取る。
【0085】
センサデータを受信した通信制御モジュール540は、センサ制御モジュールインタフェース520を介してセンサデータの利用とアクセスが可能な状態となっていることを各アプリケーション422、424、426に通知するイベント通知を生成し、これによりイベントをポストすることができる。センサデータはデータベース530に格納され、センサ制御モジュールインタフェース520から直接アクセスすることができる。センサ制御モジュールインタフェース520とユーザインタフェース510を利用することにより、センサ制御モジュール500は、種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428がセンサデータをアクティブ化し、センサデータの結果を受信するための統一的なインタフェースを提示する。またこれに加えて、統一的インタフェース510は、コールバックにより特定の種類のセンサデータを受信できるように、種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の識別と登録を行うためのソフトウェアロジックも備えている。例えば、グルコースセンサデータが取得できる状態になった場合には、統一的インタフェースソフトウェアロジックは、センサ制御モジュールインタフェース520を介して、グルコースセンサデータの受信が許可されたアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428内のコールバックを呼び出す。
【0086】
統一的インタフェースロジックは、一意の識別子を使用して、センサデータがリクエストされているセンサアセンブリ300を識別することができる。図示していないが、実施形態の一態様によれば、一意の識別子オブジェクトがまだ存在していない場合には、最初のステップとして一意の識別子オブジェクトを作成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、一意の識別子オブジェクトは、ユーザ固有の識別子オブジェクト(例えば、ユーザ名、ユーザプロファイル、又はユーザアカウントID)とすることができる。かかるユーザ固有の識別子オブジェクトは、アプリケーション420上で実行されているソフトウェアライブラリ400内のソフトウェアアプリケーション、モジュール、又はルーチンによって、入力、生成、又はその支援を行うことができる。他の実施形態では、一意の識別子オブジェクトは、物理デバイス、例えば、特定のセンサアセンブリ300と関連付けることができ、例えば、シリアル番号、MAC(Media access control)アドレス、公開鍵、秘密鍵、又は同様の文字列を含むことができる。
【0087】
実施形態の他の態様によれば、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のそれぞれが、コールを行うたびにセンサ制御モジュール500に渡すことができるパラメータを備えている。センサ制御モジュール500がセンサアセンブリ300にアクセスしてセンサデータを受信するのを支援するため、これらの各種構造及びデータ種類は、センサ制御モジュール500が利用できるものとすることができる。
【0088】
実施形態の他の態様によれば、センサ制御モジュール500に、センサアセンブリ300又はアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に関連付けられたメタデータ及び状態情報を格納することができる。さらに、センサ制御モジュール500は、このデータを暗号化された形式で格納することができる。かかる暗号化は、例えば、受信デバイス200又はセンサアセンブリ300に関する識別子や状態情報などの、センサアセンブリ300、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428との接続の確立や維持に有用な任意の情報を使用して行うことができる。このデータベースは、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428内においてアクティブな(ただし、通常アクセスできない)コンポーネントであり、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428がアクセス可能なデータベースとは別体のデータベースとすることができる。また、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の無効化又はセンサデータに対するアクセス権の削除を行うこともできる。
【0089】
本明細書の実施形態に示すセンサ制御モジュール500は、タグ情報に基づいてアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428を識別することができる。アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に対応するタグ付け情報を、センサ制御モジュール500に事前にロードしておくことができるため、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のうち特定のアプリケーションがセンサデータへのアクセスを要求している場合、センサ制御モジュール500はこのアプリケーションを識別することができる。
【0090】
現在のフレームワーク及びシステムが、センサアセンブリ300の製造業者が開発した過去のアプリケーションと互換性を有することもできる。具体的には、センサ指示値を可用性のあるデータに変換するためのロジックを、センサアセンブリ300内、又は各アプリケーション422、424、426内に備えることができる。このようにして、システムはフレームワークを利用することにより、過去に開発したアプリケーションを本システムのフレームワークに統合することができるという利点がある。
【0091】
また、センサ制御モジュール500は、センサデータを要求するリクエストが、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のうちのいずれからのリクエストであるかを識別するロジックも備えている。さらに、センサ制御モジュールは、センサデータを要求するリクエストに関する情報を遠隔管理モジュール600に伝達することもできる。
【0092】
また、センサ制御モジュール500は、センサアセンブリ300のセンサコンポーネントのハードウェアの問題に関する情報を受信するロジックを有することもできる。センサ制御モジュール500は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に対して、センサアセンブリ300の問題に関する状態メッセージを表示するための通信を送信することができる。かかる状態メッセージは、例えば、センサの期限切れが近い、センサにハードウェア不良が生じているなどの、センサアセンブリ300が監視している被検物質に関するセンサデータの提供を阻害するような何らかの問題が生じていることを、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428を介して、ユーザにアラート通知するものである。センサ制御モジュール500は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428がバックグラウンドにあるときに、受信デバイス200のオペレーティングシステムに通信を送信して、センサアセンブリ300の問題を特定する通知を表示することができる。かかる問題としては、センサの期限切れが近い、センサにハードウェア不良が生じているなどの、センサアセンブリ300が監視している被検物質に関するセンサデータの提供を阻害するような何らかの問題を挙げることができる。
【0093】
アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、タッチ入力又は音声コマンド入力を含むユーザインタフェース(後述する
図7A~
図7Cでさらに示す)を備えることができ、このユーザインタフェースが、ユーザからのコマンドを受け付けるインタフェースとして機能する。これらのコマンド又は入力には、センサ指示値を要求するユーザのリクエスト、センサデータを取得するためにユーザが行うディスプレイ表示のタップ操作、アラームの確認などの、センサデータのディスプレイ上で行うことのできる任意の数の様々な操作が含まれる。
【0094】
センサ制御モジュール500は、ソフトウェアライブラリ400をアップグレードして新たに開発されたセンサアセンブリと通信するための機能を追加することが可能なモジュール方式でコーディングすることができる。ハードコード値に代えて変数を用いることにより、新たに開発されたセンサアセンブリと通信できるようにセンサ制御モジュール500を変更することが可能となるため、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、規制当局の審査や認可を受けるために基礎となっているアプリケーション自体の新規申請の提出や修正申請を行うことなく、新たに開発されたセンサアセンブリからセンサデータを取得することができる。
【0095】
遠隔管理モジュール
図6は、遠隔管理モジュール600の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【0096】
遠隔管理モジュール600のユーザインタフェース610は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の特定の共通機能に対するインタフェースを一貫したインタフェースとする機能を提供する。本明細書の実施形態に示しているように、これら共通の特徴及び機能としては、データの機密性保護、ユーザの同意、サードパーティの同意、アプリケーションの認証などの行為を挙げることができる。遠隔管理モジュール600のユーザインタフェース610は、種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428がこれらの共通機能にアクセスできるように、一貫したインタフェースとして提供される。遠隔管理モジュール600内における各種ソフトウェアロジックとの通信は、遠隔管理モジュールのメッセージ送受信チャネル106を利用して行うことができる。また、ユーザインタフェース610により、アカウントの一貫管理機能も得られ、この機能を利用して、ユーザは、アカウントの作成や、パスワードの設定、プロファイル関連情報の設定を行うことができる。
【0097】
また、遠隔管理モジュール600は、遠隔サーバ640との通信を可能にする遠隔制御モジュール630をさらに備えている。遠隔サーバ640との通信は、BLE通信やNFC通信などの任意の利用可能な通信手段を用いて無線で行われる。
【0098】
また、システムの一実施形態では、遠隔管理モジュール600は、ユーザがスマートフォン又は受信デバイス200をアップグレードした場合に、種々のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に格納されたデータをバックアップできるようにするためのトランスポート機能をさらに提供することもできる。遠隔管理モジュール600は、遠隔管理モジュールインタフェース620を介して、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428と通信することもできる。
【0099】
センサ制御モジュール500と遠隔管理モジュール600とを備えるソフトウェアライブラリ400は、ハッキングや遠隔アクセスなどのサイバー攻撃の脅威の予防を支援する複数のセキュアコーディング層を備えることができる。例えば、このような脅威に対する防御としては、デジタル証明書の使用やプロファイルプロビジョニングが挙げられる。
【0100】
センサ制御モジュール500は、センサデータを要求するリクエストが、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のうちのいずれによって生成されたかをさらに識別することができる。本明細書の実施形態に示しているように、センサ制御モジュールは、この識別情報を、モジュール間インタフェース450を介して遠隔管理モジュール600に渡すことができ、遠隔管理モジュール600は、遠隔インフラを利用して、当該アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428用にユーザインタフェース610をさらにカスタマイズすることができる。このカスタマイズされたユーザインタフェースの一部として、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のユーザにカスタム仕様のユーザ認証インタフェースを提示することができる。また、遠隔管理モジュール600は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428の認証を無効にするロジックをさらに備える。具体的には、サードパーティアプリケーション428の認証を削除することにより、遠隔管理モジュール600側で、サードパーティアプリケーション428によるアクセスを無効にできるようにすることにより、センサデータにアクセスするアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428に対する監視や制御が改善される。
【0101】
セットアップ
バイオセンサのセットアップを開始すると、ユーザが皮膚表面にバイオセンサを装着して、バイオセンサとアプリケーションをペアリングできるように支援する一連のGUIを表示することができる。いくつかの実施形態では、バナーを選択するだけで、セットアップGUIを始動することができる。他の実施形態では、セットアップボタン若しくは設定リンク又は設定ボタンにより、セットアップGUIを開くこともできる。
【0102】
アプリケーションは、バイオセンサの装着方法を説明する多数のGUIを提示することができる。箱の中に何が入っているかを示すGUIを表示することもできる。このGUIには、画像だけでなく、箱の中にバイオセンサパックとバイオセンサアプリケータが入っている旨の説明を付けることもできる。また、傷痕、ほくろ、皮膚線条、しこりから離れた上腕の後ろ側の部位を選択するようユーザに指示するGUIを表示することもできる。このGUIに、バイオセンサの装着に適した上腕の部位を目立つように表示した画像を添えることもできる。さらに、選択した部位を、普通の石鹸で洗浄し、アルコールで拭き取り、乾燥させるようユーザに指示するGUIを表示することもできる。
【0103】
アプリケーションは、バイオセンサパックとアプリケータの準備方法を説明するGUIを示すことができる。このGUIには、パックの開け方を示す画像だけでなく、バイオセンサパックの蓋を完全に剥がし、キャップを回してバイオセンサアプリケータから外すように指示する文言を含めることもできる。次に、アプリケーションは、人がアプリケータにバイオセンサを装填している様子を示す画像に、バイオセンサアプリケータの濃い色の印とバイオセンサパックの濃い色の印を一直線に合わせて、硬い平らな表面の上で、バイオセンサアプリケータを止まるところまでしっかりと押し下げるように求める指示を添えたGUIを表示することができる。次に、アプリケーションは、バイオセンサアプリケータをバイオセンサパックから持ち上げるようユーザに指示するとともに、バイオセンサアプリケータがバイオセンサを装着する準備が整った状態となったことをユーザに知らせるGUIを表示することができる。このGUIには、この状態のバイオセンサアプリケータには針が含まれているため、ユーザはバイオセンサアプリケータの内部に触れたり、バイオセンサパックに戻したりしてはいけないという警告を含めることができる。
【0104】
次に、アプリケーションは、ユーザの身体にバイオセンサを装着する方法を説明するGUIを表示することができる。
図13AのGUI3200に示しているように、導入用のGUI3200に、バイオセンサをペアリングするためのセットアップを開始するようユーザを案内する導入用のテキスト3204を添えたバイオセンサのグラフィック3202を含めることができる。そして、ユーザはセットアップ開始ボタン3206をタップ又は選択することにより、セットアッププロセスを開始することができる。
【0105】
図13BのGUI3210に示しているように、「バイオセンサをセットアップする」GUI3210には、人がアプリケータを身体(例えば、上腕の後ろ側)に当てている様子を示すグラフィック又は画像3212を含めることができる。また、GUI3210には、バイオセンサの装着方法を説明するテキスト3214を含めることもできる。テキスト3214により、バイオセンサアプリケータを部位に当て、バイオセンサが装着されるまでしっかりと押し込むようにユーザに指示することができる。次に、テキスト3214で、バイオセンサアプリケータを身体からそっと引き離すようにユーザに指示することができる。また、テキスト3214で、予期しない結果や怪我を防ぐため、装着部位に当たるまではバイオセンサアプリケータを押し下げないようにユーザに注意を与えることもできる。バイオセンサの装着が完了すると、ユーザは、矢印ボタンをタップしてGUI3220に進むことができる。
【0106】
また、アプリケーションは、粘着部を下に押してみることによって、バイオセンサがしっかりと固定されていることを確認するようにユーザに指示するGUIを提示することもできる。
【0107】
図13CのGUI3220に示すように、次の「バイオセンサをセットアップする」GUI3220では、装着したバイオセンサのすぐ近くに読取デバイス(例えば、スマートフォン)をかざすことによって、読取デバイスにバイオセンサをペアリングしている人を示すグラフィック又は画像3222を示すことができる。テキスト3224で、ペアリング開始ボタン3226をタップしてバイオセンサをペアリングするようユーザに指示することができる。読取デバイス(例えば、携帯電話)をバイオセンサのすぐ近くにかざすよう指示するポップアップウィンドウを表示させることもできる。バイオセンサのスキャンに成功すると、電話を振動させることもできる。
【0108】
バイオセンサのペアリングが完了すると、
図13Dに示しているように、バイオセンサの準備が整うまでの残り時間を示すGUI3230を表示することができる。GUI3230には、バイオセンサがアクティブになるまでの残り時間を強調表示するグラフィック3232を含めることができる。グラフィック3232には、放射状に広がるドットの円形(アニメーションを付けることもできる)を含めることができる。これに代えて、グラフィック3232に進行状況表示を含めることもできる。進行状況表示は、色の付いた部分を含むバー表示又は色の付いた部分が円周に沿って延びる表示とすることができ、この色の付いた部分が、センサがアクティブになるまでの残り時間の長さに比例する。例えば、円形の全周を60分とし、センサがアクティブになるまでの残り時間の長さ(1時間未満)に色の付いた円周部分を比例させることができる。これに代えて、グラフィック3232にアニメーションを付けて、残り時間が刻々と減っていくのにしたがって円周部分の色を変化させることもできる。また、GUI3230に、バイオセンサがアクティブになるまで残り何分かを示す表示3236を含める(例えば、センサの準備が整うまで又はセンサがアクティブになるまで55分10秒残っている場合、「55:10」という表示する)こともできる。またこれに代えて、いくつかの実施形態では、円形の内側又はグラフィック3236の下に、「準備中...残り時間:55分」というメッセージを表示し、色の付いた円周部分にアニメーションを付けて、バイオセンサがアクティブになるまでの残り時間が刻々と減っていくのにしたがって、円周部分の色を一定周期で変化させることもできる。また、このGUIに、複数の選択可能なリンクを含めることもでき、ユーザがリンクを選択すると、バイオセンサの交換方法、サポート、アプリケーションの詳細、バイオセンサの注文などの、他の箇所で説明しているような追加情報をユーザに表示することもできる。
【0109】
また、GUI3230に、現在バイオセンサがユーザ情報を取得中であり、表示3236に示す時間内にリアルタイム被検物質値が取得できるようになることをユーザに知らせる説明文又はメッセージ3234を含めることもできる。いくつかの実施形態では、GUI3230の各要素は、バイオセンサモジュールによって提供することができる。例えば、進行状況表示を含むグラフィック3232や、バイオセンサがアクティブになるまでの残り時間の表示3236は、バイオセンサモジュールが提供することができる。ユーザが「OK」をクリックすると、GUI3230は折り畳まれ、バナーが表示されたホーム画面がユーザに見える状態となる。
図10Aに示すように、バナー1002には、バイオセンサの状態を示すアイコン1008をバイオセンサの状態に関する情報1010とともに表示することができる。また、いくつかの実施形態では、グラフィック3232に関する説明で述べた進行状況表示と同様に、アイコン1008には、バイオセンサの準備が整うまでの残り時間を示す進行状況表示を含めることもできる。アイコン1008には、バイオセンサがアクティブになるまでの残り時間を強調表示するグラフィックを含めることができる。グラフィックには、放射状に広がるドットの円形(アニメーションを付けることもできる)を含めることができる。これに代えて、アイコン1008に進行状況表示を含めることもできる。進行状況表示は、色の付いた部分を含むバー表示又は色の付いた部分が円周に沿って延びる表示とすることができ、この色の付いた部分が、センサがアクティブになるまでの残り時間の長さに比例する。例えば、円形の全周を60分とし、センサがアクティブになるまでの残り時間の長さ(1時間未満)に色の付いた円周部分を比例させることができる。情報1010に、バイオセンサが「準備中...残り時間:XX」(XXは、分と秒で表示することができる)であることを示すテキストを含めることができる。例えば、バイオセンサが55分10秒後に起動する場合、バナー1002に「準備中...残り時間:55:10」と表示することができる。
【0110】
アプリケーション
図7A~
図7Cは、ソフトウェアライブラリ400とセンサ制御モジュール500を利用するアプリケーションの例示的な実施形態である。
【0111】
一例を挙げれば、アプリケーション420は被検物質の値を追跡するためのアプリケーションとすることができ、追跡する被検物質としては、例えば、
図7Aに示す乳酸、
図7Bに示すケトン又はケトン体(例えば、β-ヒドロキシ酪酸)、又は
図7Cに示すグルコースが挙げられる。ディスプレイ表示は、一部をセンサ制御モジュールインタフェース520に由来する表示とし、一部を基礎となるアプリケーション420内の処理に基づいた表示とすることができる。
【0112】
さらに、いくつかの実施形態によれば、アプリケーション720、722、724は、センサ制御モジュール500と通信することによりセンサデータの受信を可能にするアプリケーション422、424、426の代表例である。センサ制御モジュール500と遠隔管理モジュール600とを使用することにより、異なるアプリケーション間で一貫したユーザ体験を提供することができる。さらに、検出・感知が必要な被検物質値が追加された場合、当該アプリケーションが、更新後のソフトウェアライブラリ400をさらに取り込むことができ、通信や、アカウント管理、ユーザのプライバシー、同意のためのアーキテクチャ全体を開発する必要はない。
【0113】
本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載の種々の態様におけるGUIの改良によって、少なくとも、本デバイスのユーザが本デバイスをより正確、効率的、且つ安全に操作することを支援するという技術的効果がもたらされる。GUI上でユーザに提供する情報や、当該情報を提供する際の並び順、当該情報の構成の明確さが、ユーザの本システムとの関わり方やシステム運用のあり方に大きな影響を与え得るものであることが理解されるであろう。したがって、GUIは、ユーザがシステムを操作するという技術的な作業を行うことにより、正確且つ効率的に、必要な測定値の読み取りや情報の取得を行うことができるようにユーザを導くものである。
【0114】
バイオセンサモジュールのバナー
上述したように、センサ制御モジュール500のユーザインタフェース510は、種々のコンポーネントを含むことができる。
図10Aに見られるように、GUI1000は、ユーザインタフェース510が作成するバナー1002を含むことができる。バナー1002は、ホストアプリケーション(例えば、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428)が生成するGUIに組み込むことができる。ユーザインタフェース510が生成するバナー1002は、バナー1002が組み入れられるホストアプリケーションに応じて異なるインタフェースを示すことができる。バナー1002には、リアルタイム濃度値1004と、トレンド矢印1006と、バイオセンサの状態を示すアイコン1008と、バイオセンサの状態に関する情報1010と、バイオセンサの状態の追加表示1012とを含めることができる。バナー1002、又はバナー1002内の要素は、バイオセンサに関する追加情報を持つ他のGUIにリンクするように選択可能に構成することができる。例えば、ホストアプリケーションがグルコース健康維持アプリケーションである場合、バナー1002は、リアルタイム濃度値1004と、状態アイコン1008と、バイオセンサの状態に関する情報1010とを含むことができる。さらに、リアルタイム濃度値1004は、その他のバナー要素とは異なるGUIの部位に(例えば、被検物質グラフの一部として)配置することもできる。
【0115】
様々に異なる状態アイコン1008とバイオセンサの状態に関する情報1010を表示することができる。いくつかの実施形態では、バイオセンサが接続状態にないこと又は準備完了状態にないことを示す状態情報1010の隣に、ドットの円形(アニメーション付きの円形でもアニメーションが付いていない円形でもよい)を含む状態アイコン1008を表示することができる。例えば、状態情報1010は、バイオセンサの準備が一定時間内に完了すること(例えば、「準備中...残り時間:30分(Ready in 30 mins)」)を示すことができる。いくつかの実施形態では、状態情報1010に「探しています(Searching)」と表示して、アプリケーションがバイオセンサに接続しようとしていることを示すこともできる。
【0116】
図10Bに示すように、いくつかの実施形態では、GUI1000上にポップアップ画面1016を表示することもできる。ポップアップ画面1016により、バイオセンサの起動に関するメッセージを伝えることができる。ポップアップ画面1016で、バイオセンサの準備が完了するまでの残り時間を(例えば、時間、分、又は時間と分で)示すことができる。例えば、ポップアップ画面に、「バイオセンサの準備中...残り時間:55分」と示すことができる。他の実施形態では、スマートフォンなどの読取デバイスがロックされている場合に、バイオセンサの準備が完了したことを示す通知をロック画面に表示することもできる。
図10Aに示す、いくつかの実施形態では、バイオセンサが接続状態にあり且つ適切に動作中であることを示す状態情報1010の隣に、進行状況を色で表示する機能を有する円形を含む状態アイコン1008を表示することができる。例えば、状態情報1010には「ライブ(LIVE)」と表示される。いくつかの実施形態では、進行状況の表示機能を有する円形の状態アイコン1008の、進行状況表示を色付きとすることができ、色の付いた部分は、現在のバイオセンサの残存センサ寿命長に比例させることができる。いくつかの実施形態では、進行状況表示の色を、センサ寿命の残量に応じて変えることもできる。例えば、センサの残存寿命が、少なくとも約50%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約10%ある場合、進行状況表示の色を青色とすることができる。いくつかの実施形態では、センサの残存寿命が一定量を下回っている場合に、進行状況表示の色を、異なる色(例えば、オレンジ色又は赤色)とすることができる。例えば、センサの残存寿命が、約50%未満、又は約40%未満、又は約30%未満、又は約20%未満、又は約10%未満、又は約5%未満になると、進行状況表示の色をオレンジ色とすることができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、状態情報1010に「詳細を見る」などの文言を表示することにより、ユーザがバイオセンサの状態をさらに詳しく知る必要があることを示すこともできる。バナーの「詳細を見る」などの部分を選択すると、バイオセンサにエラー又は問題が生じている可能性があることを示す数多くの説明のうちの1つを表示することができる。いくつかの実施形態では、バイオセンサに問題があり且つ状態情報1010に「詳細を見る」が表示されている場合には、リアルタイム濃度値1004の表示を行わない構成とすることもできる。いくつかの実施形態では、バイオセンサが測定する被検物質濃度値であるリアルタイム濃度値1004に代えて、複数のダッシュ又は点(例えば、2本のダッシュ)を表示することもできる。
【0118】
いくつかの実施形態では、バナー1002に、リアルタイム濃度値1004と、バイオセンサの状態を示すアイコン1008と、バイオセンサの状態に関する情報1010とを含めることができる。また、
図10Cに示すように、リアルタイム被検物質濃度値1004を、バナー1002の他のコンポーネントとは異なる部分に配置したGUI1020とすることもできる。例えば、リアルタイム被検物質濃度値1004を、ホストアプリケーションが生成するGUIの一部1014であるグラフ1024内に配置することができる。このグラフは、被検物質曲線1028と現在の被検物質濃度を示すマーク1026とを含むグラフとすることができ、このマーク1026の上にリアルタイム被検物質濃度値1004を配置することができる。他の実施形態では、
図10Dに示すように、GUI1030においてリアルタイム被検物質濃度値1004を、ユーザの被検物質濃度に関する文言1032の中に入れることができる。例えば、文言1032は、グラフ1024の上に配置することができ、例えば、「現在のグルコース値は124mg/dLです。数字が安定しているので、いい調子ですよ。」という文言とすることができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、バナー1002に、リアルタイム濃度値1004と、バイオセンサの状態を示すアイコン1008と、バイオセンサの状態に関する情報1010とを含めることができる。
図10Eに示しているように、GUI1040のリアルタイム被検物質濃度値1004は、ホストアプリケーションが提供するグラフィック要素1042内に配置することができる。グラフィック要素1042は、色付きの円形などの形状とすることができる。本願の他の箇所でも説明しているように、被検物質値が目標範囲内にある場合、又は安定していると判定された場合、グラフィック要素1042の色を第1の色(例えば、緑色)とすることができる。一方、(本願の他の箇所で説明しているように、)被検物質値が目標範囲から外れている場合、又は不安定であると判定された場合、又は被検物質濃度の急変が検出された場合には、グラフィック要素1042の色を第2の色(例えば、オレンジ色)とすることができる。グラフィック要素の色は、被検物質グラフ1024の被検物質曲線1028と同じ色にすることができる。
【0120】
システムメッセージ
バイオセンサに問題がある場合、バイオセンサの状態に関するシステムメッセージを表示することができる。システムメッセージはポップアップウィンドウやアラート通知で表示することができる。またこれに代えて、いくつかの実施形態では、ユーザが「詳細を見る」を選択した後に、システムメッセージを表示することもできる。
【0121】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、ペアリングが失敗したことを示す「ペアリングエラーが発生しました(Pairing Error)」メッセージを含めることができる。さらに、本アプリケーションは、バイオセンサをもう一度ペアリングしてみるように勧めることもできる。
【0122】
図12Aに示すように、ユーザが「詳細を見る」を選択すると、複数のメッセージのうちの1つをGUI1200に表示するように、センサ制御モジュール500のユーザインタフェース510を構成することができる。メッセージには、詳細メッセージ1210、現在のバイオセンサのシリアル番号1106、複数の選択可能なリンク1110、1112、1114、1116を含めることができ、ユーザがリンク1110、1112、1114、1116を選択すると、他の箇所で説明しているような追加情報をユーザに表示することができる。いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210は、現在のバイオセンサの残存寿命を視覚的に示す進行状況表示を含む円形のグラフィック内に提示することができる。他の実施形態に関する説明で述べたように、グラフィックは円形とすることができ、進行状況表示は、異なる色を付けた円周部分とすることができる。進行状況表示は、現在のバイオセンサの残存センサ寿命長に比例させることができる。また、他の実施形態に関する説明で述べたように、進行状況表示の色を、センサ寿命の残量に応じて変えることもできる。
【0123】
いくつかの実施形態では、バイオセンサに問題がある場合、バナー1002は、バイオセンサが測定する被検物質濃度値又は被検物質値1004に代えて、複数のダッシュ又は点(例えば、2本のダッシュ)を表示することができる。バナー1002に、リアルタイムの被検物質濃度又は被検物質値が表示されず、例えば複数のダッシュ又は点が表示されている場合に、ユーザがバナー1002をタップすると、バイオセンサの問題に関する複数のシステムメッセージのうちの1つを表示することができる。ユーザがバナーをタップ又は選択すると、バイオセンサの状態に関する追加情報を提供する詳細メッセージGUIを表示することができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、バイオセンサがユーザに正しく装着されていないと思われることを示す「バイオセンサをチェックしてください(Check Biosensor)」メッセージを含めることができる。詳細メッセージ1210には、バイオセンサがユーザの皮膚にしっかりと装着されていない場合には、新しいバイオセンサの装着とペアリングをユーザが行う必要があることを示す指示をさらに含めることもできる。また、詳細メッセージ1210に、バイオセンサが適切に装着されている場合には、ユーザがバイオセンサのペアリングを再度試みる必要があることを示す指示をさらに含めることもできる。また任意選択的に、詳細メッセージ1210に、選択可能なボタンとして「ペアリングを行う」又は「バイオセンサのペアリングを行う」ボタンを含めることもでき、このボタンが選択されると、ユーザがペアリングプロセスを開始するのを支援するGUIを表示することもできる。
【0125】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、携帯電話を常にバイオセンサの圏内に保つようにユーザにアラート通知する「信号が失われました(Signal Loss)」メッセージを含めることができる。さらに、詳細メッセージ1210で、それでも問題が解決しない場合には、携帯電話の「Bluetooth」を一旦オフにしてからオンにするか、携帯電話を再起動してみるようユーザに指示することもできる。
【0126】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージをバイオセンサの温度に関連するメッセージとすることもできる。いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、バイオセンサの温度が高くなりすぎてバイオセンサから指示値が取得できなかったことをユーザに知らせる「バイオセンサの温度が高すぎます(Biosensor Too Hot)」メッセージを含めることができる。さらに、詳細メッセージ1210で、数分後に再度チェックしてくださいとユーザに要求することもできる。いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、バイオセンサの温度が低くなりすぎてバイオセンサから指示値が取得できなかったことをユーザに知らせる「バイオセンサの温度が低すぎます(Biosensor Too Cold)」メッセージを含めることができる。さらに、詳細メッセージ1210で、数分後に再度チェックしてくださいとユーザに要求することもできる。
【0127】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、バイオセンサの指示値が取得できなかったことをユーザに知らせる「バイオセンサにエラーが発生しました(Biosensor Error)」メッセージを含めることができる。さらに、詳細メッセージ1210で、例えば5分後、あるいは10分後、あるいは30分後などの一定時間後に再度チェックしてくださいとユーザに要求することもできる。
【0128】
いくつかの実施形態では、バイオセンサからの信号が突然途絶えた場合、バイオセンサの状態を直ちに「探しています(SEARCHING)」に切り替えることができる。そして、「探しています」の表示を選択又はタップすると、携帯電話を常にバイオセンサの圏内に保つようにユーザに勧める詳細メッセージ1210を表示することができる。それでも問題が解決しない場合、アプリケーションは、携帯電話の「BLUETOOTH」を一旦オフにしてからオンにするか、携帯電話を再起動してみるようユーザに勧めることもできる。
【0129】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、このバージョンのアプリケーションでは当該バイオセンサを使用できないことをユーザに知らせる「互換性のないバイオセンサです(Biosensor Incompatible)」メッセージを含めることができる。また、このメッセージで、バイオセンサを取り外して新しいものとペアリングするように勧めることもできる。
【0130】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、ユーザにバイオセンサが終了したことを知らせ、新しいバイオセンサとペアリングするようにユーザに指示する「バイオセンサが終了しました(Biosensor Ended)」メッセージを含めることができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、バイオセンサがペアリング済の状態にあるため使用できないことをユーザに知らせる「バイオセンサは使用中です(Biosensor already in use)」メッセージを含めることができる。また、このメッセージで、バイオセンサを取り外して新しいものとペアリングするように指示することもできる。
【0132】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、「現在のバイオセンサ(Current Biosensor)」メッセージを含めることもできる。このメッセージは、問題やエラーを示すメッセージとは異なる色で表示することができ、ユーザがペアリングしようとしているバイオセンサは、現在ユーザが使用しているものであり、被検物質指示値はいずれ直接自分のデバイスにリアルタイムで自動受信されることになると示すことができる。また、メッセージに、チェックマークなどの異なるアイコンを含めることもできる。
【0133】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、「BLUETOOTH」をオンにするようユーザに要求する「BLUETOOTHを有効にしてください」メッセージを含めることができる。さらに、詳細メッセージ1210で、バイオセンサ指示値を受信するために「BLUETOOTH」が必要であることを説明することもできる。
【0134】
いくつかの実施形態では、詳細メッセージ1210に、バイオセンサが動作していないことをユーザに知らせる「バイオセンサを交換してください(Replace Biosensor)」を含めることができる。さらに、詳細メッセージ1210で、バイオセンサを取り外して新しいものとペアリングするように要求することもできる。
【0135】
図12Bに示すように、ポップアップウィンドウ1220を表示して、ポップアップウィンドウ1220に詳細メッセージを含めることもできる。ポップアップウィンドウ1220の詳細メッセージの内容は、上述のGUI1200に表示することができる複数の詳細メッセージ1210に関する説明で述べたものと同一又は実質的に同一の内容とすることができる。
【0136】
また、バイオセンサモジュールは、エラーログの作成と格納を行うこともできる。
【0137】
「バイオセンサモジュールの詳細」GUI
センサ制御モジュール500のユーザインタフェース510は、ユーザがバナー1002における任意の要素を選択すると、
図11Aに示すような「バイオセンサモジュールの詳細」GUI1100を出力するように構成することができる。「バイオセンサモジュールの詳細」GUI1100には、現在のバイオセンサの残存寿命を視覚的に示す進行状況表示を含むグラフィック1102を含めることができる。いくつかの実施形態では、グラフィック1102は円形とすることができ、進行状況表示は、異なる色を付けた円周部分とすることができる。進行状況表示は、現在のバイオセンサの残存センサ寿命長に比例させることができる。例えば、総寿命がX日間のバイオセンサの残存寿命がY日間である場合、円形グラフィック1102の円周のY/X*100%の円周色表示を異なる色(例えば、青色)とする。例えば、総寿命が14日間のバイオセンサの残存寿命が12日間である場合、円形1102の円周色表示の約85.7%が青色となる。
【0138】
いくつかの実施形態では、進行状況表示の色を、センサ寿命の残量に応じて変えることもできる。例えば、センサの残存寿命が、少なくとも約50%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約10%ある場合、進行状況表示の色を青色とすることができる。いくつかの実施形態では、センサの残存寿命が一定量を下回っている場合に、進行状況表示の色を、異なる色(例えば、オレンジ色又は赤色)とすることができる。例えば、センサの残存寿命が、約50%未満、又は約40%未満、又は約30%未満、又は約20%未満、又は約10%未満、又は約5%未満になると、進行状況表示の色をオレンジ色とすることができる。
【0139】
また、GUI1100に、バイオセンサ寿命の残存時間のリアルタイム表示1104を含めることもできる。例えば、上記の例では、円形グラフィック1102の中央に「12日」と表示することができる。リアルタイム表示1104とグラフィック1102の進行状況表示とを比例させることもできる。リアルタイム表示1104は、バイオセンサ寿命の残存時間が約1日を上回っている場合、又は約23時間59分を上回っている場合に、バイオセンサ寿命の残存時間を日数で表示することができる。リアルタイム表示1104は、バイオセンサ寿命の残存時間が約24時間を下回ると、バイオセンサ寿命の残存時間を時間数で表示することができる。いくつかの実施形態では、バイオセンサ寿命の残存時間が約24時間を下回ると、進行状況表示の色を(例えば、色は青色、緑色、オレンジ色、赤色から)別の色に切り替えることができる。リアルタイム表示1104は、バイオセンサ寿命の残存時間が約1時間を下回る、又は約61分を下回ると、バイオセンサ寿命の残存時間を分数で表示することができる。また、このGUIに、バイオセンサ寿命が「まもなく終了します(Ending Soon)」という追加メッセージ1105を含めることもできる。
【0140】
GUI1100は、現在のバイオセンサのシリアル番号1106を掲示することにより、カスタマーサービスに支援を求めるユーザを支援することができる。
図11Bに示すように、ユーザがシリアル番号1106を選択すると、バイオセンサに関する追加詳細を含むポップアップ画面1120を表示することができる。ポップアップ画面1120には、現在のバイオセンサのシリアル番号1106及び現在のバイオセンサの状態1122を含めることができる。また、ポップアップ画面1120に、過去のバイオセンサの一覧表示1124、1126、1128を含めることもできる。過去のバイオセンサの一覧表示には、過去のバイオセンサのそれぞれに関連付けられた日付1124a、1126a、1128a(例えば、バイオセンサのアクティブ化を行った日、又はバイオセンサの連携を解除した日)を、過去のバイオセンサのシリアル番号と状態1124b、1126b、1128bとともに含めることができる。いくつかの実施形態では、現在及び過去のバイオセンサのシリアル番号などの情報を、必要に応じてユーザが(例えば、HCPやカスタマーサポートなどに)伝達するのを支援できるよう、この情報をコピーすることができる。
【0141】
また、GUI1100に、複数の選択可能なリンク1110、1112、1114、1116を含めることもでき、選択可能なリンク1110、1112、1114、1116をユーザが選択すると、バイオセンサの装着方法、バイオセンサの追加購入オプション、取扱説明書、バイオセンサの交換方法、サポート、アプリケーションの詳細、バイオセンサの詳細などについての追加情報を表示することができる。
【0142】
サポート
ユーザが、「サポート」へのリンクをタップ又は選択すると、「ヘルプと参考情報(Help and Learning)」セクションと、「情報(ABOUT)」セクションと、ヘルプラインへの連絡方法についての詳細情報を含む「カスタマーサービス(Customer Care)」セクションとを含むGUIを表示することができる。「ヘルプと参考情報」セクションには、「よくある質問(FAQ)」、「グルコース指示値を理解する(Understanding Glucose Readings)」、「アプリのチュートリアル(App Tutorial)」へのリンクを含めることができる。「情報」セクションには、「バイオセンサの識別情報(Biosensor IDs)」、「エラー履歴(Error History)」、「アプリとバイオセンサの情報(App and Biosensor information)」へのリンクを含めることができる。他の箇所でも説明しているように、「バイオセンサの識別情報」リンクから、現在のバイオセンサのシリアル番号を過去のバイオセンサの一覧と並べて示すGUIを表示することができる。過去のバイオセンサの一覧表示には、過去のバイオセンサのそれぞれに関連付けられた日付(例えば、バイオセンサのアクティブ化を行った日、又はバイオセンサの連携を解除した日)を、過去のバイオセンサのシリアル番号とバイオセンサの状態とともに含めることができる。「エラー履歴」リンクから、各エラーのエラーコード、簡単な説明、エラーの発生日時を一覧表示したGUIを表示することができる。「アプリとバイオセンサの情報」リンクからは、アプリケーションの名前と、ソフトウェアのフルバージョンと、SDKのバージョンと、OSのバージョンと、スマートフォンのモデルと、国と、参照番号とを一覧表示するGUIを表示することができる。
【0143】
通知
いくつかの実施形態では、バイオセンサモジュールは、ユーザに対してバイオセンサの状態についてのアラート通知を行うアプリ内通知を出すことができる。また、アプリ内通知により、バイオセンサに関連して行うことのできる行動に関するアラート通知をユーザに対して行うこともできる。バイオセンサモジュールは、ホストアプリケーションが、バイオセンサの状態に関連するオペレーティングシステムベースの通知(例えば、バイオセンサが終了したことをユーザに知らせる通知)を表示するのを支援するように機能することができる。ホストアプリケーションがフォアグラウンドにある場合、アプリ内通知を、ポップアップ通知で表示することができる。いくつかの実施形態では、バイオセンサの状態に関連してサードパーティアプリケーションが出すアプリ内通知を、バイオセンサモジュールが提供することができる。
【0144】
本明細書の他の箇所でも説明しているように、通知は、バイオセンサの状態に関するものとすることができる。通知は、「BLUETOOTH」を有効化することに関するものとすることができ、当該通知により、バイオセンサ指示値を受信するには「Bluetooth」が必要である旨のアラート通知を行い、ユーザに対して、今すぐ「Bluetooth」をオンにするようユーザに要求することができる。また、通知は、バイオセンサをチェックすることに関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して、バイオセンサが正しく装着されていないと思われる旨のアラート通知を行うことができる。また、通知は、バイオセンサを交換することに関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して、バイオセンサが動作していないというアラート通知を行い、バイオセンサを取り外して新しいものをペアリングするようユーザに指示することができる。また、通知は、バイオセンサのセッション終了に関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して、バイオセンサのセッションが終了したため、自身のグルコース値を知る取り組みを継続するために新しいバイオセンサをペアリングする時期が来たことをアラート通知することができる。また、通知は、バイオセンサの準備が完了したことに関するものとすることができ、当該通知により、バイオセンサのデータを受信中であり、いずれ自動的にデータが表示されるようになると示すことができる。また、通知は、グルコース健康維持アプリケーション内を探索してみるようユーザを促すものとすることもできる。また、通知は、バイオセンサが一定時間(数時間)で終了することに関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して新しいバイオセンサを購入し、現在のバイオセンサをすぐに交換するよう要求することもできる。このバイオセンサ終了までの残り時間は、24時間、12時間、6時間、1時間、又は30分とすることができる。また、通知は、バイオセンサからの信号が途絶えており、ユーザの携帯電話がバイオセンサの圏外にあることを示すものとすることもできる。また、通知は、バイオセンサの温度が高くなりすぎてバイオセンサから指示値が取得できなかったことに関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して数分後に再度チェックするよう要求することもできる。また、通知は、バイオセンサの温度が低くなりすぎてバイオセンサから指示値が取得できなかったことに関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して数分後に再度チェックするよう要求することもできる。また、通知は、バイオセンサのエラーに関するものとすることができ、当該通知により、ユーザに対して、バイオセンサの指示値が取得できなかったことを知らせ、10分後に再度チェックするよう要求することもできる。
【0145】
バイオセンサの終了/セッションの終了
バイオセンサセッションが終了し、バイオセンサの交換時期が来ると、センサ制御モジュール500は、新しいバイオセンサをペアリングするよう促すリマインダを様々な方法で発することができる。
図10A及び
図10Bに示すように、いくつかの実施形態では、新しいバイオセンサへの切り替えを忘れないようにユーザにリマインドするアイコン1008と状態情報メッセージ1010とを表示することができる。新しいバイオセンサへの切り替えを促す場合のアイコン1008は、バイオセンサの状態に関して使用される他のアイコンとは異なるアイコンとすることができ、満月や電球などを模したアイコンとすることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、状態情報メッセージ1010に加えて又は代えて、ポップアップウィンドウ1016を表示することができる。ポップアップウィンドウ1016では、バイオセンサのセッションが終了したため、新しいバイオセンサをペアリングする必要があることをユーザにリマインドすることができる。いくつかの実施形態では、バイオセンサの寿命が14日間である場合、ユーザが14日間のセッションをちょうど終えたときに、バイオセンサのセッションが終了したことを示すポップアップウィンドウ1016を表示することができる。またポップアップウィンドウ1016で、ユーザ対して、新しいバイオセンサのペアリングによりバイオセンサの交換を行う時期が来たことをリマインドすることもできる。また、ポップアップウィンドウ1016に、選択可能なボタンとして「ペアリングを行う」又は「バイオセンサのペアリングを行う」ボタンを含めることもでき、このボタンが選択されると、ユーザがペアリングプロセスを開始するのを支援するGUIを表示することもできる。また、ポップアップウィンドウ1016に、バイオセンサの装着方法に関する説明へのリンク、ユーザがバイオセンサを購入できるウェブサイトへのリンク、又はこれらの両方のリンクを含めることもできる。
【0147】
図10Bに示すように、いくつかの実施形態では、新しいセンサをセットアップしていない状態でユーザがホストアプリケーションに戻ったときに、ポップアップウィンドウ1016を表示することができる。いくつかの実施形態では、ポップアップウィンドウ1016は、アプリケーションに戻ってきたユーザを歓迎するものとすることができる。また、ポップアップウィンドウ1016で、ユーザに対して、新しいバイオセンサをペアリングするようリマインドすることもできる。ポップアップウィンドウ1016に、選択可能なボタンとして「ペアリングを行う」又は「バイオセンサのペアリングを行う」ボタンを含めることもでき、このボタンが選択されると、ユーザがペアリングプロセスを開始するのを支援するGUIを表示することもできる。また、ポップアップウィンドウ1016に、バイオセンサの装着方法に関する説明へのリンク、ユーザがバイオセンサを購入できるウェブサイトへのリンク、又はこれらの両方のリンクを含めることもできる。ユーザがアプリケーションを閲覧していないとき、又はアプリケーションがバックグラウンドで実行されているとき、又はアプリケーションが閉じているときは、デバイス上(例えば、ロック画面上)に通知を表示することができる。いくつかの実施形態では、通知は、「ご利用中のセッションが終了しました!(Your session is completed!)」と示し、ユーザに対して、自分の身体を知る取り組みを継続するために新しいバイオセンサをペアリングするよう勧めることができる。
【0148】
また、
図11A及び
図11Bに示すように、「バイオセンサモジュールの詳細」GUI1100に、グラフィック1102に関連付けたメッセージとして、新しいバイオセンサを開始するよう促すリマインダを表示することもできる。このメッセージにより、ユーザに対して新しいバイオセンサを開始するようリマインドすることができる。また、このメッセージで、バイオセンサを取り外して新しいバイオセンサとペアリングするようにアドバイスすることもできる。また、GUI1100に、選択可能なボタンとして「ペアリングを行う」又は「バイオセンサのペアリングを行う」ボタンを含めることもでき、このボタンが選択されると、ユーザがペアリングプロセスを開始するのを支援するGUIを表示することもできる。いくつかの実施形態では、ユーザが「ペアリングを行う」又は「バイオセンサのペアリングを行う」ボタンを選択した後に、新しいバイオセンサをスキャンする準備が整ったことを示すリマインダを含むポップアップウィンドウ1120を表示することができる。ポップアップウィンドウ1120には、携帯電話又は読取デバイスを示すグラフィックを含めることができ、さらに、ユーザに対して、電話の上部をバイオセンサのすぐ近くにかざすようリマインドする指示を含めることもできる。また、ポップアップウィンドウ1120で、バイオセンサのスキャンに成功すると、携帯電話を振動させるなどの方法(例えば、音)によりユーザに通知を行うことをユーザにリマインドすることもできる。
【0149】
他のGUI(例えば、「詳細」GUI)に関する説明で述べたように、アプリケーションは、新規ユーザに役立つと考えられる「バイオセンサの交換方法(how to replace your biosensor)」へのリンクを表示することもできる。ユーザが「バイオセンサの交換方法」へのリンクを選択すると、(1)バイオセンサを取り外す、(2)新しいバイオセンサを装着する、という選択肢を含むGUIが表示される。またこのGUIに、現在のバイオセンサが終了する前にセンサを交換するという選択肢を含めることもできる。
【0150】
ユーザがバイオセンサの取り外しを希望している場合、取り外したバイオセンサを元に戻すことはできないという警告を含むGUIを表示することができる。一度バイオセンサを取り外すと、ユーザは新しいバイオセンサに切り替えなければならなくなる。GUIには、バイオセンサをユーザの皮膚に貼り付けている粘着部の端を引き上げ、1回の動作で皮膚からゆっくりと剥がよう指示するとともに、皮膚に残った残留物は、温かい石鹸水又はイソプロピルアルコールで取り除くことができる旨の説明を含めることもできる。また、GUIには、使用済みのバイオセンサはその地域のルールに従って廃棄するようユーザに指示する説明も含めることもできる。さらに、「新しいバイオセンサを装着する(Apply New Biosensor)」リンクを表示し、ユーザが新しいバイオセンサを装着する準備ができたら、このリンクの指示に従うようユーザに指示することもできる。そして、「新しいバイオセンサを装着する」へのリンクを選択又はタップすると、『セットアップ』の欄で説明した各GUIを表示することができる。
【0151】
バイオセンサが終了する前にセンサを交換することをユーザが選択した場合、バイオセンサを期限前に終了させるかどうか尋ねるポップアップウィンドウを表示することができる。ユーザが「バイオセンサを終了する(END BIOSENSOR)」をタップすると、現在のバイオセンサが強制終了され、ユーザは現在のバイオセンサを取り外して新しいバイオセンサを装着しなければならなくなる。また、このポップアップに、この操作は取り消すことができないという警告を含めることもできる。ユーザがバイオセンサを終了するリンクを選択すると、アプリケーションは、他の箇所で説明したバイオセンサの交換に関連するGUIを表示することができる。
【0152】
また、1つ目のバイオセンサが終了すると、ユーザに監視アプリケーションの評価を行うよう促すポップアップを表示することができる。
【0153】
センサエラーによるバイオセンサの交換
バイオセンサを交換する必要がある場合、アプリケーションはその旨のポップアップやアラート通知を表示することができる。ポップアップやアラート通知には、バイオセンサが動作していないことを警告するとともに、ユーザに対して、バイオセンサを交換して新しいバイオセンサをペアリングするよう指示する警告アイコン(例えば、感嘆符付きのオレンジ色の三角形)を含めることができる。また、ポップアップには、「ペアリングを行う」又は「バイオセンサのペアリングを行う」への選択可能なリンクや、バイオセンサの交換方法に関する説明を含めることもできる。また、ライブ表示画面に、バイオセンサが正常に動作していないことを示す表示を含めることできる。バナーには、現在の被検物質値を表示する代わりに、数値の位置にダッシュ記号(例えば「--」)を表示し、「詳細を見る」いうテキスト情報を表示することもできる。ユーザがバナーのどこかをタップすると、他の箇所で説明している「詳細」GUIが表示され、バイオセンサを交換するよう求めるメッセージを表示することができる。他の箇所で説明しているように、「詳細」GUIには、追加情報へのリンクを含めることができる。例えば、「詳細」GUIには、バイオセンサの交換方法、バイオセンサの注文、サポート、監視アプリケーションに関する情報へのリンクを含めることができる。
【0154】
センサとアプリケーションの間の通信
図8は、センサからサードパーティアプリケーション428にセンサデータを伝達する例示的な方法を示している。始めに、本明細書に記載の方法ステップ及び/又はルーチンのうちのいずれか又はすべてが、センサ制御デバイス、遠隔デバイス(例えば、スマートフォン、リーダー)、及び/又は被検物質監視システムの一部であるか、又は被検物質監視システムと通信する他の任意のコンピューティングデバイスの不揮発性メモリに格納された命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェアなど)を含むことができることを、当業者であれば理解するであろう。さらに、上記の命令を当該各コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は1つ以上のプロセッサに、本明細書に記載の方法ステップのうちの1つ以上を実行させることができる。コンピューティングデバイスは、受信デバイス200とすることができる。また、本明細書に記載の方法ステップ及び/又はルーチンのうちの1つ以上は、単一のコンピューティングデバイス上に格納されたソフトウェア及び/又はファームウェアで構成することができるが、当業者であれば、特定の実施形態では、ソフトウェア及び/又はファームウェアを、複数の同種又は異種のコンピューティングデバイス又はソフトウェアモジュールに分散することができることを認識するであろう。
【0155】
実施形態の一態様によれば、方法800は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428が、アプリケーション内で利用するためにセンサデータを受信することを支援することができるものである。ステップ810で、サードパーティアプリケーション428が、システム内のセンサデータを要求するリクエストを送信する。リクエストはセンサ制御モジュールインタフェース520を介してセンサ制御モジュール500に送られ、センサ制御モジュール500は通信制御モジュール540を用いてセンサアセンブリ300と通信する。ステップ820で、センサ制御モジュール500は、サードパーティアプリケーション428の真正性及びセッションの完全性を検証する。さらに、センサ制御モジュール500は、ユーザ認証を支援する遠隔管理モジュール600と通信して、サードパーティアプリケーション428のコンテンツ特有の情報を取得することができる。これらのモジュールは、ソフトウェアライブラリ400内で提供することができ、これにより、サードパーティアプリケーション428の開発者は、これらのモジュールをフレームワークとしてサードパーティアプリケーション428のシステム内に統合することができる。ステップ830で、センサ制御モジュール500は、ロジックを使用して、サードパーティアプリケーションの種類と所望のセンサデータを特定することができる。
【0156】
ステップ840で、センサ制御モジュール500は、センサアセンブリにセンサデータを要求するリクエストを出すことができる。またこれに代えて、センサ制御モジュール500は、所定の伝送レートに基づいて(例えば、30秒毎、1分毎、5分毎などで)センサデータを受信することもできる。いくつかの実施形態によれば、センサデータには、例えば、グルコース値、グルコース変化率、グルコーストレンド、又はグルコースのアラーム条件などの被検物質値を示すデータを含めることができる。ステップ850で、センサデータは通信リンク102を介して配信されて、センサ制御モジュール500のデータベース530内に格納され、図示のステップ860でユーザインタフェース510に表示される。
【0157】
センサ制御モジュール500はデータベース530を含み、種々のセンサアセンブリ300が生成した値ごとに個別のセンサデータを格納することができる。センサデータは、センサアセンブリ300に含まれる種々のセンサごとに1つ以上のデータベース530にそれぞれ格納され、データベースマネージャ532は、この1つ以上のデータベース530を制御することができる。また、1つのデータベース530内にセンサデータをまとめて格納することもできる。なお、図示のデータベース530は、説明を目的としたものであり、限定を目的とするものではない。また、センサ制御モジュール500のデータベース530において、各アラームのアラーム条件とこれによりトリガされるアラーム結果又はアラーム通知を格納する専用のデータベースを別途設けることもできる。
【0158】
また、ユーザインタフェース510を利用して、センサデータに基づいて又はセンサアセンブリ300の状態に基づいてトリガされたアラームに対するユーザへのアラーム通知を生成することもできる。センサ制御モジュール500は、アラームの有無に関するアラート通知をユーザに行う必要がある場合もある。この通信は、センサ制御モジュールインタフェース520を介してユーザインタフェース510により行われる。
【0159】
さらに、遠隔管理モジュール600が、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428のアラーム通知及びイベントを、遠隔サーバ640にバックアップとして格納することができることも、本開示の主題に含まれる。これにより、規制当局の審査と承認が必要なモジュールの外部に格納することができるアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428用に、アラームイベントを生成することが可能となる。この方法により、ユーザの健康と健康維持を監視する目的で開発された様々なアプリケーションで、規制当局の認可が必要とされない健康維持上の目的のためにアラームイベントを使用することが可能となる。また、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428は、センサ制御モジュール500内のデータベース530とは別の独自のデータベース又は共有データベース内にセンサデータ、アラーム条件、又は通知を格納することもできる。
【0160】
本明細書に開示しているように、ソフトウェアライブラリ400とセンサ制御モジュール500をモジュール方式で利用することにより得られる利点の1つとして、ユーザ及びアプリケーション開発者が、センサデータ用の様々な健康維持関連アプリケーションを見出したり開発したりすることができる点が挙げられる。これにより、これまでグルコースの監視などの被検物質の追跡を行っていなかったユーザも、例えば、食事の追跡やカスタマイズ可能な糖尿病管理などの規制対象外の用途のような健康及び健康維持上の目的で、このような追跡アプリケーションを追加することを検討できるようになる。モジュール式センサ制御モジュール500を備えることにより、サードパーティアプリケーション428は、規制当局の認可プロセスを行うことなく、任意の規制対象とならない方法でセンサデータを利用することができる。これにより、製造業者のセンサの利用を検討しているユーザに提供できる機能が増えるため、製造業者のセンサアセンブリ300のユーザ層の拡大にもつながる。これらの機能のサードパーティアプリケーション428における実装及び改良は、規制当局の審査や認可を受けるために修正改良点を申請する必要なく行うことができるため、この点でも、本開示が、ユーザの健康維持を目的とする取り組みをいかに高めるものであるが示されている。
【0161】
また、これにより、センサ制御モジュール500を利用してまだ未開発のセンサのセンサデータの収集と提供が行えるように、ソフトウェアライブラリを拡張することも可能となる。本明細書に開示のモジュール式の手法により、種々の既存のセンサや新たに開発されたセンサからデータを読み取るための機能や手法のうち共通の機能や手法に関するコードの書き換えの必要性を低減し、新しいセンサの導入コストを最小限に抑え、健康維持アプリケーションにおける当該センサデータを活用する機能やオプションを拡充することができる。本システムは拡張可能な構成を有しているため、システム全体を将来世代のセンサアセンブリ300やセンサデータのアプリケーションに合わせて拡張して、健康維持分野のユースケースをさらに推進することができる。モジュール式の構成を採用することにより、様々なモジュールをうまく組み合わせる手法(mix and match approach)をサードパーティアプリケーション428に採用して、基礎となるサードパーティアプリケーション428の構築や拡張を行い、サードパーティアプリケーション428により提供する機能を拡張することができる。サードパーティアプリケーション428は、センサデータに基づいて、どの被検物質を監視して健康維持プログラムに組み込むかを選択することができる。
【0162】
さらに、ステップ870で、センサ制御モジュールは、サードパーティアプリケーション428に対して、センサデータを取得できることを示すイベント通知を発信することができる。さらに、センサ制御モジュールインタフェース520を利用して、センサデータを送信することもできる。
【0163】
図9は、センサからサードパーティアプリケーション428にセンサデータを伝達する例示的な方法を示している。始めに、本明細書に記載の方法ステップ及び/又はルーチンのうちのいずれか又はすべてが、センサ制御デバイス、遠隔デバイス(例えば、スマートフォン、リーダー)、及び/又は被検物質監視システムの一部であるか、又は被検物質監視システムと通信する他の任意のコンピューティングデバイスの不揮発性メモリに格納された命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェアなど)を含むことができることを、当業者であれば理解するであろう。さらに、上記の命令を当該各コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は1つ以上のプロセッサに、本明細書に記載の方法ステップのうちの1つ以上を実行させることができる。コンピューティングデバイスは、受信デバイス200とすることができる。また、本明細書に記載の方法ステップ及び/又はルーチンのうちの1つ以上は、単一のコンピューティングデバイス上に格納されたソフトウェア及び/又はファームウェアで構成することができるが、当業者であれば、特定の実施形態では、ソフトウェア及び/又はファームウェアを、複数の同種又は異種のコンピューティングデバイス又はソフトウェアモジュールに分散することができることを認識するであろう。
【0164】
実施形態の一態様によれば、方法900は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428が、アプリケーション内で利用するためにセンサデータを受信することを支援することができるものである。ステップ910で、サードパーティアプリケーション428が、システム内のセンサデータを要求するリクエストを送信するか、又はセンサアセンブリ300がサードパーティアプリケーション428に自動接続する。この自動接続は、例えばBLE接続を利用して、サードパーティアプリケーション428を備えたBLE対応受信デバイス200の検出リクエストをセンサアセンブリ300から発信することにより行うことができる。ステップ920で、センサ制御モジュール500は、サードパーティアプリケーション428の完全性を検証し、認証を実行する。さらに、センサ制御モジュール500は、完全性をサポートする遠隔管理モジュール600と通信して、サードパーティアプリケーション428のコンテンツ特有の情報を取得することができる。これらのモジュールは、ソフトウェアライブラリ400内で提供することができ、これにより、サードパーティアプリケーション428の開発者は、これらのモジュールをフレームワークとしてサードパーティアプリケーション428のシステム内に統合することができる。ステップ930で、センサ制御モジュール500は、ロジックを使用して、サードパーティアプリケーション428の種類と所望のセンサデータを特定し、所望のデータを要求するリクエストを出すことができる。任意選択的に、セッションが既に認証されていることを理由に、リクエストがなくても、センサアセンブリ300は、通信制御モジュール540及びセンサ制御モジュールインタフェース520を介してセンサデータを送信することもできる。
【0165】
ステップ940で、センサ制御モジュール500はセンサデータを受信する。上述したように、センサデータには、例えば、グルコース値、グルコース変化率、グルコーストレンド、又はグルコースのアラーム条件などの被検物質値を示すデータを含めることができる。
【0166】
ステップ950で、センサ制御モジュール500にあるセンサデータが、センサ制御モジュールインタフェース520を介してサードパーティアプリケーションに送信される。そして、ステップ960で、センサデータが、センサ制御モジュールのユーザインタフェース510に表示される。
【0167】
ステップ970で、サードパーティアプリケーション428は、センサアセンブリ300に関する追加メッセージを表示する。追加メッセージには、被検物質値に関するセンサデータ、通知、アラーム、メッセージ、又はセンサに関するその他の問題、又はステップ950により受信したセンサデータに基づく食事や運動についての助言を含めることができる。したがって、サードパーティアプリケーション428上の表示の一部を、センサ制御モジュール500を介した被検物質値に関する表示としながら、サードパーティアプリケーション428上の表示の他の一部を、センサ制御モジュール500の制御下にはないサードパーティアプリケーション428が特別に行う表示とすることができる。
【0168】
本明細書に開示のソフトウェアライブラリ400及びセンサ制御モジュール500は、アプリケーション422、424、426と一緒に使用することができる。アプリケーション422、424、426としては、糖尿病監視用のグルコースセンサ、糖尿病監視用のグルコース及びケトンセンサ、糖尿病監視用のグルコースセンサ及びインスリン送達デバイス、閉ループ系のインスリン送達システム、健康維持アプリケーション用のグルコースセンサなど、様々な既存のアプリケーションを挙げることができる。本明細書で開示しているように、これらのアプリケーションには様々な規制対象の機能が必要となる可能性があり、その場合には、規制当局の認可取得に必要なすべての申請手続きを行う必要がある。しかし、本明細書で開示しているように、これらのアプリケーションに、糖尿病の監視やインスリン送達の中核機能に該当しない様々な変更や機能を追加することもでき、センサデータに基づいてアプリケーションが提供する機能の拡張については、規制の対象とはならない。本明細書でさらに開示しているように、健康維持用のアプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428により追加の機能を実装することができる。かかる健康維持用のアプリケーションとしては、スポーツ又はフィットネスの監視用又は健康維持及び食事療法用のグルコースセンサ、健康維持又は食事療法計画(例えば、ケトン食療法計画)用のケトンセンサ、スポーツ及びフィットネスの監視用の乳酸センサ、又は治療目的や法令遵守目的のアルコールの監視用のアプリケーション、sST2、カルプロテクチン、HNL、NT-pro-BNPなどを監視する任意の数の他のアプリケーションを挙げることができる。このような機能は、アプリケーション422、424、426又はサードパーティアプリケーション428によって実行することができ、規制当局の審査が必要な中核機能の範疇には入らないものと位置づけることができる。したがって、本明細書に開示のモジュール式フレームワークを利用してこれらの機能を拡張する場合には、拡張した機能を消費者市場に投入する前に規制当局の認可取得のための申請が必要とはならない。
【0169】
被検物質システムの他の構成
図14は、センサアプリケータ2150と、センサ制御デバイス2102と、読取デバイス2120とを備える被検物質監視システム2100の例示的な実施形態を示す概念図である。本例では、センサアプリケータ2150は、センサ制御デバイス2102をユーザの皮膚上の監視位置に送達するために使用することができる。監視位置にセンサ制御デバイス2102を送達すると、粘着パッチ2105で一定期間の間、センサ2104が適切な位置に維持される。
図15B及び
図15Cでさらに説明するが、センサ制御デバイス2102は、任意の有線又は無線技術を用いて、通信路2140を介して読取デバイス2120と通信することができる。無線プロトコルの例としては、「Bluetooth」、「Bluetooth」 Low Energy(BLE、BTLE、「Bluetooth」 SMARTなど)、近距離無線通信(NFC)などが挙げられる。ユーザは、画面2122(多くの実施形態では、画面2122はタッチパネルで構成することができる)と入力部2121を用いて、読取デバイス2120のメモリにインストールされたアプリケーションの閲覧や利用を行うことができる。また、読取デバイス2120のデバイスバッテリは、電源ポート2123を用いて充電することができる。なお、図では、1台の読取デバイス2120のみ示しているが、センサ制御デバイス2102は、複数の読取デバイス2120と通信することができる。読取デバイス2120の間で、互いに通信してデータを共有することができる。なお、読取デバイス2120については、以下の
図15Aに関する説明で詳述する。読取デバイス2120は、有線又は無線通信プロトコルを用いて、通信路2141を介してローカルコンピュータシステム2170と通信することができる。ローカルコンピュータシステム2170は、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット端末、ファブレット(電話とタブレット端末を組み合わせた機器)、スマートフォン、セットトップボックス、ビデオゲームコンソールなどのコンピューティングデバイスのうちの1つ以上を備えることができる。無線通信については、「Bluetooth」、「Bluetooth」 Low Energy(BTLE)、WiFiなど、多数の無線ネットワークプロトコルが利用可能であり、そのいずれかの無線ネットワークプロトコルを利用することができる。上述したような有線又は無線通信プロトコルにより、ローカルコンピュータシステム2170は、通信路2143を介してネットワーク2190と通信することができ、これと同様に、読取デバイス2120も、通信路2142を介してネットワーク2190と通信することができる。ネットワーク2190としては、プライベートネットワーク、公衆ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、又は広域ネットワークなど、多数のネットワークが考えられ、そのいずれかのネットワークとすることができる。高信頼性コンピュータシステム(trusted computer system)2180は、サーバを備えることができ、認証サービスや安全性の担保されたデータストレージを提供することができる。また、有線又は無線技術により、高信頼性コンピュータシステム2180は、通信路2144を介してネットワーク2190と通信することができる。
【0170】
読取デバイスの例示的な実施形態
図15Aは、読取デバイス2120の例示的な実施形態を示すブロック図である。読取デバイス2120は、いくつかの実施形態ではスマートフォンで構成することができる。本例では、読取デバイス2120は、ディスプレイ2122と、入力コンポーネント2121と、処理コア2206とを備えることができ、処理コア2206は、メモリ2223に結合された通信プロセッサ2222と、メモリ2225に結合されたアプリケーションプロセッサ2224とを備えることができる。また、読取デバイス2120は、別体のメモリ2230と、アンテナ2229を有するRF送受信器2228と、電源管理モジュール2238を有する電源2226とをさらに備えることができる。また、読取デバイス2120は、WiFi、NFC、「Bluetooth」、BTLE、及びGPSを介してアンテナ2234と通信可能な多機能送受信器2232をさらに備えることもできる。当業者であれば理解するように、これらのコンポーネントは、機能デバイスを成すように電気的且つ通信可能に結合されている。
【0171】
センサ制御装置の例示的な実施形態
図15B及び
図15Cは、被検物質センサ2104と、(被検物質監視回路を備える)センサ電子部品2160と、を有するセンサ制御デバイス2102の例示的な実施形態を示すブロック図である。センサ電子部品2160は、ユーザへの表示に適した形で最終結果データをレンダリングするための処理能力の大半を担っている。
図15Bには、1つの半導体チップ2161が示されている。半導体チップ2161は、特注の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)とすることができる。図中、ASIC2161の内部には、アナログフロントエンド(AFE)2162、電源管理(制御)回路2164、プロセッサ2166、及び通信回路2168(通信プロトコルに従って、送信器、受信器、送受信器、受動回路などとして実装可能)などのいくつかの高次機能ユニットが設けられている。本実施形態では、AFE2162とプロセッサ2166の両方を被検物質監視回路として利用しているが、他の実施形態では、いずれか一方の回路で被検物質監視機能を果たすことができる。プロセッサ2166は、1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、及び/又はマイクロコントローラを備えることができ、これらは、それぞれを別個のチップとしてもよく、又はいくつかの異なるチップ(及びその一部)に分散させてもよい。
【0172】
また、ASIC2161内には、メモリ2163も含まれている。メモリ2163は、ASIC2161内に存在する種々の機能ユニットで共有することができるほか、又はかかる機能ユニットのうちの2つ以上に分散させることもできる。メモリ2163は、別体のチップとすることもできる。メモリ2163は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリとすることができる。本実施形態では、ASIC2161は、コイン電池バッテリなどとすることができる電源2172に結合されている。AFE2162は、インビボ被検物質センサ2104とインタフェース接続してセンサ2104から測定データを受信し、かかるデータをデジタル形式でプロセッサ2166に出力する。そして、プロセッサ2166がこのデータを処理して、最終結果であるグルコースの離散値や傾向値などを求める。次に、このデータを通信回路2168に供給して、アンテナ2171を介して、読取デバイス2120(図示せず)に送信することができる。読取デバイス2120では、例えば、このデータに対して常駐ソフトウェアアプリケーションにより最小限の処理をさらに行うだけで、これを表示することができる。
【0173】
図15Cは、2つの異なる半導体チップ2162、2174を備える点を除いて、
図15Bと同様である。半導体チップ2162、2174は、同梱して包装することができるほか、それぞれ個別に包装することもできる。本例では、AFE2162はASIC2161に置かれる。プロセッサ2166は、電源管理回路2164及び通信回路2168と一体にチップ2174に設けられる。AFE2162はメモリ2163を備え、チップ2174はメモリ2165を備える。メモリ2165は、絶縁分離されたメモリとすることができるほか、分散メモリとして内蔵することもできる。例示的な一実施形態では、AFE2162を電源管理回路2164及びプロセッサ2166と組み合わせて1つのチップに設けて、通信回路2168を別のチップに設ける。他の例示的な一実施形態では、AFE2162と通信回路2168を1つのチップに設けて、プロセッサ2166と電源管理回路2164を別のチップに設ける。また、3つ以上のチップに設けるなどの他のチップ編成も可能であり、本明細書に記載の機能を各チップがそれぞれ別個に担うことができるほか、フェイルセーフ冗長化のためにチップ同士で1つ以上の機能を共有することもできる。
【0174】
グルコース健康維持アプリケーション
いくつかの実施形態では、対象者又はユーザのグルコース値を監視する健康維持アプリケーションは、センサ制御モジュール500と通信してグルコースデータを取得することができる。他の実施形態では、健康維持アプリケーションは、センサ制御デバイスと通信してグルコースデータを取得することもできる。糖尿病を持たないユーザでも、健康増進のためにグルコース値を監視することを望む場合がある。ユーザによるグルコース健康維持アプリケーションの初回起動又は初回ログイン時に、ユーザの体験をカスタマイズし、グルコース健康維持アプリケーションで監視する目標をユーザが設定できるように支援する一連のGUIを表示することができる。
【0175】
ライブ画面
グルコース健康維持アプリケーションは、ライブホーム画面を備えることができ、このライブホーム画面に、本出願の他の箇所で説明しているバナー1002を含めることができる。他の箇所でも説明しているように、バナー1002には、リアルタイム濃度値1004、トレンド矢印1006、バイオセンサの状態を示すアイコン1008、バイオセンサの状態に関する情報1010、バイオセンサの状態の追加表示1012のうちのいずれかを含めることができる。いくつかの実施形態では、バナーに、バイオセンサの状態を示すアイコン1008と、バイオセンサの状態に関する情報1010と、リアルタイム濃度値1004とを含めることができる。
図16A及び
図16Bに示しているように、これらのバナー要素は、グルコース健康維持ライブ画面のGUI3000、3030上では互いに隣接した配置とされない場合がある。例えば、バイオセンサの状態を示すアイコン1008とバイオセンサの状態に関する情報1010はGUIの上部に配置して、リアルタイム濃度値1004をグラフ内に配置することができる。
【0176】
図16A及び
図16Bに示しているように、グルコース健康維持ライブ画面又はホーム画面のGUI3000、3030には、現在表示中のデータの日付3002と、矢印3004、3006とを含めることができる。矢印3004、3006により、ユーザは日付を切り替えることができる。グルコース健康維持ライブGUI3000、3030は、ユーザの現在のグルコースの状態を示す色を付けたグラフィック3008を含むことができる。またこれに代えて、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030に、ユーザの現在のグルコース変動状態についての説明3010のみを含めることもできる。ユーザの現在のグルコースの状態は、ユーザのグルコース変動メトリックに基づいたものとすることができる。いくつかの実施形態では、グラフィック3008は円形とすることができる。いくつかの実施形態では、
図16Aで説明しているように、ユーザの現在のグルコースの状態が安定している(安定した状態にある)場合には、グラフィック3008の色を緑色とすることができる。いくつかの実施形態では、
図16Bで説明しているように、ユーザの現在のグルコースの状態が不安定である(グルコース値の急変が検出された)場合には、グラフィック3008の色をオレンジ色とすることができる。
【0177】
グルコース健康維持ライブGUI3000、3030(又は、本アプリケーションの他の箇所)に、ユーザのグルコース変動に関するメトリックに基づいたユーザの現在のグルコース変動状態についての説明3010を含めることができる。いくつかの実施形態では、
図16Aに示すように、ユーザの現在のグルコースの状態(変動)が安定している(安定した状態にある)場合、又はバランスが取れている(バランスの取れた状態にある)場合、「安定しています(Steady、It’s Steady)」、「バランスが取れています(Balanced)」、又は「大丈夫です(You’re Okay)」という説明を表示することができる。いくつかの実施形態では、
図16Bに示すように、ユーザの現在のグルコースの状態(変動)が安定していない(安定した状態でない)場合、バランスが悪い状態(バランスが取れていない状態)の場合、又は急変が検出された場合、「急変が検出されました(Spike Detected)」、「バランスが崩れています(Out of Balance)」、「バランスが悪い状態です(Unbalanced)」、「不安定な状態です(Unsteady)」、又は「まずい状態です!(Oh No!)」という説明を表示することができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、或る時間窓についての現在のグルコース変動状態(ユーザのグルコース変動メトリックに基づいたものであり得る)の判定を、二値判定とすることもできる。いくつかの実施形態では、ユーザのグルコース変動状態を、変動が小さい「良い」状態と変動が大きい「悪い」状態という2つの候補のうちの一方とすることができる。状態の判定は、閾値を参照して行うことができる。いくつかの実施形態では、この2つの候補を、「安定しています」と「不安定な状態です」、「安定しています」と「急変が検出されました」、「安定した状態です」と「安定した状態ではありません」、「バランスが取れています」と「バランスが悪い状態です」、又は「大丈夫です」と「まずい状態です!」の二択とすることもできる。また、いくつかの実施形態では、ある時間窓におけるユーザのグルコース変動メトリックを、三値判定とすることもできる。その場合、ユーザのグルコースの状態を、3つの候補のうちの1つとすることができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、現在時刻又は現在のグルコース濃度を起点とした移動窓(rolling window)を対象に分析を行うことにより、ユーザのグルコース変動状態又はグルコース変動メトリックを特定することもできる。移動窓は、現在のタイムスタンプより前の特定の時間枠から計算することができる。例えば、特定の時刻(例えば、現在時刻又は過去の或る時点)を起点とした約1時間、又は約1時間半、又は約2時間、又は約2時間半、又は約3時間、又は約3時間半、又は約4時間の移動窓を対象に分析を行うことにより、ユーザのグルコースの状態を判定することができる。移動窓は、一定の時間間隔でスライドさせることができる。例えば、移動窓は、10分ずつ、又は15分ずつ、又は20分ずつ、又は30分ずつ、又は40分ずつ、又は45分ずつ、又は50分ずつ、又は60分ずつスライドさせることができる。ユーザのグルコースの状態又はグルコース変動メトリックの特定は、移動窓をスライドさせる度に一定の時間間隔で行うことができる。例えば、固定長の時間窓(例えば、1時間長又は2時間長の時間窓)を30分ずつスライドさせて、30分ごとにユーザのグルコースの状態又はグルコース変動メトリックを特定することができる。いくつかの実施形態では、移動窓の長さを一定とすることができる。他の実施形態では、移動窓の長さを時間帯ごとに変化させることもできる。いくつかの実施形態では、移動窓のスライド幅を一定とすることができる。他の実施形態では、移動窓のスライド幅を時間帯ごとに変化させることもできる。
【0180】
いくつかの実施形態では、移動窓の期間における流動的ベースライン(running baseline)からのユーザのグルコース値の変動幅が所定の閾値を上回らなかった場合に、ユーザのグルコース変動状態を、変動が少ない、すなわち、安定している、安定した状態にある、又は、バランスが取れていると判定することができる。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインを、移動窓におけるグルコース値の平均とすることができる。他の実施形態では、流動的ベースラインを、移動窓におけるグルコース値の中央値とすることができる。いくつかの実施形態では、所定の閾値を、±約20mg/dL、又は±約25mg/dL、又は±約30mg/dL、又は±約35mg/dL、又は±約40mg/dLとすることができる。いくつかの実施形態では、グルコース値のベースラインからの逸脱が、所定の閾値から外れていると判定した場合に、急変を検出したものとすることができる。また、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030に、リンク3012を含めることもでき、このリンク3012をタップすることにより、ユーザは自分の現在のグルコースの状態に関するさらなる詳細を見ることができる。
【0181】
また、いくつかの実施形態では、或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差が所定の閾値を下回っていた場合に、ユーザのグルコース変動状態を、変動が少ない、すなわち、安定している、安定した状態にある、又は、バランスが取れていると判定することもできる。この閾値は、約20mg/dL、又は約25mg/dL、又は約30mg/dL、又は約35mg/dL、又は約40mg/dLとすることができる。
【0182】
他の実施形態では、移動窓において、ユーザのグルコース値が、上側閾値を上回ることも下側閾値を下回ることもなかった場合、すなわち目標範囲内にとどまった場合に、グルコース変動メトリックに基づくユーザの現在のグルコース変動状態を、変動が少ない、すなわち、安定している、安定した状態にある、又は、バランスが取れていると判定することもできる。範囲内にある時間(time in range)の長さが閾値を上回っている場合に、ユーザの現在のグルコース変動状態を、バランスが取れている、又は安定していると判定することもできる。範囲内にある時間を評価する場合の閾値は、期間の約100%、又は約95%、又は約90%、又は約85%、又は約80%、又は約75%、又は約70%とすることができる。したがって、期間が約2時間である場合、ユーザが範囲内にある時間が、約84分を上回っている場合、又は約90分を上回っている場合、又は約96分を上回っている場合、又は約102分を上回っている場合、又は約108分を上回っている場合、又は約114分を上回っている場合に、変動メトリックのバランスが取れている(良い状態である)とすることができる。また、これに代えて、範囲から外れている時間の長さが閾値を下回っている場合に、グルコース変動メトリックに基づくユーザの現在のグルコース変動状態を、バランスが取れている、又は安定していると判定することもできる。範囲から外れている時間を評価する場合の閾値は、期間の約5%、又は約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%、又は約35%とすることができる。したがって、期間が約2時間である場合、ユーザが範囲から外れている時間が、約6分を下回っている場合、又は約12分を下回っている場合、又は約18分を下回っている場合、又は約24分を下回っている場合、又は約28分を下回っている場合、又は約32分を下回っている場合に、変動メトリックのバランスが取れている(良い状態である)とすることができる。
【0183】
他の実施形態では、移動窓において、ユーザのグルコース値が、上側閾値を上回ることも下側閾値を下回ることもなかった場合、すなわち目標範囲内にとどまった場合、流動的ベースラインからのユーザのグルコース値の変動幅が所定の閾値を上回らなかった場合、又はその両方を満たした場合に、グルコース変動メトリックに基づくユーザの現在のグルコース変動状態を、変動が少ない、すなわち、安定している、安定した状態にある、又は、バランスが取れていると判定することもできる。ユーザのグルコース値が目標範囲から外れる時間が、約0分を上回ることがなかった場合、又は約5分以下であった場合、又は約10分以下であった場合、又は約15分以下であった場合、又は約20分以下であった場合、又は約30分以下であった場合に、ユーザのバランスが取れているとすることができる。
【0184】
グルコース変動メトリックに基づくユーザのグルコース変動状態(glucose variability state、glucose variability status)は、リアルタイムで表示することができる。グルコース変動状態の表示は、移動窓単位で行われ、各移動窓の評価が終わる度にグルコース変動状態の表示を次々に切り替えることができる。いくつかの実施形態では、ユーザのグルコースの状態の概要又はレポートを、或る期間に占める割合(%)で表示することができ、例えば、1日に占める時間的割合(%)、1週間に占める時間的割合(%)、2週間に占める時間的割合(%)、又は1カ月に占める時間的割合(%)として表示することができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、ユーザの現在のグルコースの状態又はグルコース変動メトリックを二値の状態とすることができ、例えば、2つの状態のうちの一方とすることができる。いくつかの実施形態では、かかる二値の状態は、「閾値を上回っています」と「閾値を下回っています」、「範囲内です」と「範囲から外れています」、「安定しています」と「急変が検出されました」、「安定しています」と「不安定です」、又は「バランスが取れています」と「バランスが崩れています」の二択である。
【0186】
例示的な方法3270では、
図21Aに示しているように、ステップ3272で、システムは、対象者のグルコース値を示すデータを受信することができる。そして、ステップ3274で、受信したグルコースデータから第1の期間のグルコース変動メトリックを特定することができる。他の箇所でも説明しているように、グルコース変動メトリックは、流動的ベースラインからの変動幅、最大グルコース値と最小グルコース値の差、対象期間において目標範囲内にあった時間又は目標範囲から外れていた時間の長さ、又はそれらの組み合わせなどの尺度とすることができる。
【0187】
そして、ステップ3276で、グルコース変動メトリックを閾値と比較することができる。閾値は、比較するグルコース変動メトリックの種類ごとに変えることができる。流動的ベースラインからの変動幅を評価する場合の閾値は、±約20mg/dL、又は±約25mg/dL、又は±約30mg/dL、又は±約35mg/dL、又は±約40mg/dLとすることができる。最大グルコース値と最小グルコース値の差を評価する場合の閾値は、約20mg/dL、又は約25mg/dL、又は約30mg/dL、又は約35mg/dL、又は約40mg/dLとすることができる。範囲から外れている時間を評価する場合の閾値は、期間の約5%、又は約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%、又は約35%とすることができる。したがって、期間が約2時間である場合には、ユーザが範囲から外れている時間について、ユーザをバランスが取れた状態にあるとみなすための閾値を、約6分、又は約12分、又は約18分、又は約24分、又は約28分、又は約32分とすることができる。
【0188】
グルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合には、ステップ3278で、第1の表示を表示することができる。第1の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスの取れた状態、又は安定した状態にあったことを示す肯定的な表示とすることができる。
【0189】
一方、グルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合には、ステップ3280で、第2の表示を表示することができる。第2の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスが取れていない状態、バランスが悪い状態、安定していない状態、不安定な状態、又は急変状態にあったことを示す否定的な表示とすることができる。
【0190】
他の例示的な方法3290では、
図21Bに示しているように、ステップ3292で、システムは、対象者のグルコース値を示すデータを受信することができる。そして、ステップ3294で、受信したグルコースデータから第1の期間の第1のグルコース変動メトリックを特定することができる。他の箇所でも説明しているように、第1のグルコース変動メトリックは、最大グルコース値と最小グルコース値の差、流動的ベースラインからの変動幅、対象期間において目標範囲内にあった時間又は目標範囲から外れていた時間の長さ、又はそれらの組み合わせなどの尺度とすることができる。
【0191】
そして、ステップ3296で、第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較する。閾値は、比較するグルコース変動メトリックの種類ごとに変えることができる。流動的ベースラインからの変動幅を評価する場合の閾値は、±約20mg/dL、又は±約25mg/dL、又は±約30mg/dL、又は±約35mg/dL、又は±約40mg/dLとすることができる。最大グルコース値と最小グルコース値の差を評価する場合の閾値は、約20mg/dL、又は約25mg/dL、又は約30mg/dL、又は約35mg/dL、又は約40mg/dLとすることができる。範囲から外れている時間を評価する場合の閾値は、期間の約5%、又は約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%、又は約35%とすることができる。したがって、期間が約2時間である場合には、ユーザが範囲から外れている時間の閾値を、約6分、又は約12分、又は約18分、又は約24分、又は約28分、又は約32分とすることができる。
【0192】
ステップ3298では、第1のグルコース変動メトリックと閾値との比較結果に応じて、第1の表示と第2の表示のうちのいずれかを表示することができる。例えば、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合には、第1の表示を表示することができる。第1の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスの取れた状態、又は安定した状態にあったことを示す肯定的な表示とすることができる。一方、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合には、第2の表示を表示することができる。第2の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスが取れていない状態、バランスが悪い状態、安定していない状態、不安定な状態、又は急変状態にあったことを示す否定的な表示とすることができる。
【0193】
そして、ステップ3300で、受信したグルコースデータからさらに少なくとも1つの期間のさらに少なくとも1つのグルコース変動メトリックを特定することができる。他の箇所でも説明しているように、さらに少なくとも1つのグルコース変動メトリックは、最大グルコース値と最小グルコース値の差、流動的ベースラインからの変動幅、対象期間において目標範囲内にあった時間又は目標範囲から外れていた時間の長さ、又はそれらの組み合わせなどの尺度とすることができる。いくつかの実施形態では、このさらに少なくとも1つのグルコース変動メトリックの種類は、第1のグルコース変動メトリックと同じ種類である。また、他の箇所でも説明しているように、当該期間は移動時間窓とすることができ、例えば15分、又は30分、又は45分、又は1時間などの単位で動く移動時間窓とすることができる。時間窓の長さは、約1時間、又は約2時間、又は約3時間、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0194】
そして、ステップ3302で、当該少なくとも1つのグルコース変動メトリックを閾値と比較する。いくつかの実施形態では、この閾値は、第1のグルコース変動メトリックと比較する閾値と同一のものとされる。閾値は、比較するグルコース変動メトリックの種類ごとに変えることができる。流動的ベースラインからの変動幅を評価する場合の閾値は、±約20mg/dL、又は±約25mg/dL、又は±約30mg/dL、又は±約35mg/dL、又は±約40mg/dLとすることができる。最大グルコース値と最小グルコース値の差を評価する場合の閾値は、約20mg/dL、又は約25mg/dL、又は約30mg/dL、又は約35mg/dL、又は約40mg/dLとすることができる。範囲から外れている時間を評価する場合の閾値は、期間の約5%、又は約10%、又は約15%、又は約20%、又は約25%、又は約30%、又は約35%とすることができる。したがって、期間が約2時間である場合には、ユーザが範囲から外れている時間の閾値を、範囲から外れている時間が約6分、又は範囲から外れている時間が約12分、又は範囲から外れている時間が約18分、又は範囲から外れている時間が約24分、又は範囲から外れている時間が約28分、又は範囲から外れている時間が約32分とすることができる。
【0195】
ステップ3304では、当該さらに少なくとも1つのグルコース変動メトリックの比較結果に応じて、第1の表示と第2の表示のうちのいずれかを表示することができる。例えば、当該さらに少なくとも1つのグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合には、第1の表示を表示することができる。第1の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスの取れた状態、又は安定した状態にあったことを示す肯定的な表示とすることができる。一方、当該さらに少なくとも1つのグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合には、第2の表示を表示することができる。第2の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスが取れていない状態、バランスが悪い状態、安定していない状態、不安定な状態、又は急変状態にあったことを示す否定的な表示とすることができる。
【0196】
他の例示的な方法3320では、
図21Cに示しているように、ステップ3322で、システムは、対象者のグルコース値を示すデータを受信することができる。そして、ステップ3324で、受信したグルコースデータから一期間の最大グルコース値と最小グルコース値を識別(特定)することができる。そして、ステップ3326で、最大グルコース値と最小グルコース値の差を計算(特定)することができる。
【0197】
そして、ステップ3328で、最大グルコース値と最小グルコース値の差を閾値と比較することができる。この閾値は、±約20mg/dL、又は±約25mg/dL、又は±約30mg/dL、又は±約35mg/dL、又は±約40mg/dLとすることができる。
【0198】
計算により求めた差が閾値を上回っていない場合には、ステップ3330で、第1の表示を表示することができる。第1の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスの取れた状態、又は安定した状態にあったことを示す肯定的な表示とすることができる。
【0199】
一方、計算により求めた差が閾値を上回っている場合には、ステップ3332で、第2の表示を表示することができる。第2の表示は、評価対象の期間における対象者の状態が、バランスが取れていない状態、バランスが悪い状態、安定していない状態、不安定な状態、又は急変状態にあったことを示す否定的な表示とすることができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、さらなるステップで、さらに少なくとも1つの期間において、さらに少なくとも1つの最大値とさらに少なくとも1つの最小値を識別することもできる。そして、当該さらに少なくとも1つの最大値と当該さらに少なくとも1つの最小値の差を計算することができる。次に、この差を閾値と比較し、この差が閾値を上回っているか下回っているかを判定することができる。そして、これらさらに少なくとも1つの最大値とさらに少なくとも1つの最小値の差が閾値を上回っていない場合には、第1の表示を表示することができる。一方、これらさらに少なくとも1つの最大値とさらに少なくとも1つの最小値の差が閾値を上回っている場合には、第2の表示を表示することができる。
【0201】
なお、ここまでに説明したすべての方法について、第1の表示又は第2の表示は、グラフィック、テキスト、又はアイコンで表示することができ、また、任意選択的に色分けすることもできる。
【0202】
また、ここまでに説明したすべての方法について、いくつかの実施形態では、或る期間について、第1の表示と第2の表示のうちのいずれが適切な表示であるかが割り出されるとリアルタイムで、その第1の表示と第2の表示のうちの適切な方を表示する。そして、さらに少なくとも1つの期間の適切な表示が割り出されると、この第1の期間の表示に代えて、当該さらに少なくとも1つの期間の適切な表示を表示する。このように、連続する移動窓の期間ごとに、前の期間の表示から次の期間の表示へと次々に表示を切り替えることができる。
【0203】
また、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030に、グルコース曲線3016を含むグラフ3014を含めることもできる。グラフ3046において、グルコース曲線3016上に大きなマーク3050を付けて現在のグルコース値を強調することもできる。いくつかの実施形態では、グラフ3014に、ユーザの現在のグルコース値1004を含めることもできる。現在のグルコース値は、グラフ3014のx軸上の適切な時間にわたって延びるグルコース曲線3016の終端位置に表示することができる。また、グルコース曲線3016は、グルコース曲線3016の他の部分とは異なる色を付けた部分3018を備えることもできる。いくつかの実施形態では、異なる色を付けた部分3018は、ユーザのグルコースの状態判別のための分析を現在行っている移動窓に対応するグラフ部分に相当するものとすることができる。いくつかの実施形態では、部分3018の色を、現在のグルコースの状態を示すグラフィック3008と同じ色とすることができる。例えば、ユーザの現在のグルコースの状態が「安定しています」である場合、グラフィック3008の色と部分3018の色をいずれも緑色とすることができる。他の実施形態では、ユーザの現在のグルコースの状態が「急変が検出されました」や「安定した状態ではありません」である場合、グラフィック3008の色と部分3018の色をいずれもオレンジ色とすることができる。
【0204】
いくつかの実施形態では、グルコース健康維持アプリケーションは、ユーザの目標濃度範囲を有することができる。目標濃度範囲は、グルコース健康維持アプリケーションによって自動的に設定することができるほか、ユーザ又はユーザの医療提供者によって手動で設定することもできる。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、グルコース曲線の移動窓枠内の部分が目標範囲内にある場合に、その部分の色を第1の色(例えば、緑色)とし、グルコース曲線の移動窓枠内の部分が目標範囲から外れている場合に、その部分の色を第2の色(例えば、オレンジ色)とすることができる。また、グルコース曲線の移動窓の期間外の部分の色は、第3の色(例えば、灰色)とすることができる。いくつかの実施形態では、グルコース曲線の下側領域にもグルコース曲線と同じ色を付けることができる。いくつかの実施形態では、グルコース曲線の移動窓枠内の部分が目標範囲の上側閾値を上回っている場合に、上側閾値を上回っているこのグルコース曲線部分の曲線下側領域を、2色で色分けすることができる。この曲線下側領域のうち、グルコース曲線から目標範囲の上側閾値までの部分の色を第2の色(例えば、オレンジ色)とし、この曲線下側領域のうち、上側閾値から下側閾値までの部分の色を第1の色(例えば、緑色)とすることができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030が、現在のグルコース値を大きなフォントで目立つようには表示しない構成とすることもできる。いくつかの実施形態では、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030は、現在のグルコース値を大きなフォント(例えば、サイズ16より大きい)のグラフィックで表示するのではなく、文などの言葉の表現で表示することができる。また、データが多すぎるとユーザを混乱させたりストレスを増大させたりする恐れがあることから、いくつかの実施形態では、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030に、現在のグルコース値を含めない構成とすることもできる。いくつかの実施形態では、ユーザが相対的なグルコース値を見ることができるが、実際の数値濃度は見ることができないようにするため、グラフ3043のy軸に濃度の単位を含めない構成とすることもできる。
【0206】
また、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030に、記事へのリンクを含む1枚以上のカード3020を含めることもできる。記事は、サポート情報やヒントを含むものとすることができる。カード3020に示す記事は、ユーザの現在のグルコースの状態などのユーザ情報に関連した記事となるように選択することができる。例えば、カード3020に示す記事は、ユーザが入力した目標に基づく記事とすることができるほか、ユーザのグルコースパターンに基づいてグルコース健康維持アプリケーションが収集した過去のデータに基づく記事とすることもできる。例えば、ユーザの現在のグルコースの状態が「安定しています」である場合、カード3020に示す記事を、安定した状態を維持する方法や、グルコース値が安定していることが体重減少にどのように役立つのかについての情報を提供する記事とすることができる。他の実施形態では、ユーザの現在のグルコースの状態が「急変が検出されました」や「安定した状態ではありません」である場合、カード3020に示す記事を、急変を回避する方法についての情報を提供する記事とすることができる。
【0207】
また、グルコース健康維持ライブGUI3000、3030に、ユーザが安定したグルコース値を維持できるように支援するためのちょっとした日常のヒントを含めることもできる。
【0208】
ユーザは、グルコース健康維持アプリケーションで過去数日間のデータを見ることもできる。いくつかの実施形態では、ユーザは、左矢印(back arrow)3004をタップすることによって、過去の日付に移動することができる。また、これに代えて、ユーザが現在の日付をタップするとカレンダーが表示され、ユーザがこのカレンダーで閲覧したい日を選択できるようにすることもできる。カレンダーは、ドロップダウンウィンドウ、ポップアップウィンドウ、又は別の独立した全画面ウィンドウとすることができる。過去の或る日のGUIには、24時間のグラフを含めることができ、さらに、その日の統計値も含めることができる。いくつかの実施形態では、統計値に、安定した状態にあった時間の量又はパーセント比率(例えば、「70%安定していました」)や、安定した状態の最長記録の量又はパーセント比率(例えば、「4.5時間安定していました」)を含めることができる。いくつかの実施形態では、統計値にその日の内訳として、ユーザが安定していた時間(「素晴らしいです(Awesome)」の時間)の量又はパーセント比率と、変動幅が小さかった(例えば、変動幅が第1の閾値(例えば、±20mg/dL)を上回った)時間(「いい感じで努力できています(Nice Effort)」の時間)の量と、変動幅が大きかった(例えば、変動幅が第1の閾値より大きい第2の閾値(例えば、±30mg/dL)を上回った、改善を要する)時間(「安定を心がけて!(Keep it flat!)」の時間)の量とを含めることができる。
【0209】
「理解を深める(詳細を見る)」画面
ユーザが
図16A及び
図16Bの「詳細を見る」リンク3012をタップ又は選択すると、
図17A及び
図17Bに示しているような、ポップアップウィンドウGUI3042、ドロップダウンウィンドウGUI、又は別の独立したウィンドウGUIを表示させることができる。ポップアップウィンドウ3042には、ユーザのグルコースの状態、例えば、ユーザの現在のグルコースの状態を示すグラフィック3008と説明3010を含めることができる。また、ポップアップウィンドウ3042に、ユーザのグルコースの状態に関するさらなる詳細3048を含めることもできる。例えば、ユーザの現在のグルコースの状態が、
図17Aに示すように「安定しています」の状態にある場合には、さらなる詳細3048で、ユーザが自分自身の身体が最適な健康状態となるように取り組めていることをユーザに知らせることができる。一方、ユーザの現在のグルコースの状態が、
図17Bに示すように、「急変が検出されました」の状態にある場合には、さらなる詳細3048で、検出された急変が原因で、空腹、疲労、渇望が生じている可能性があることをユーザに知らせることができる。さらに、さらなる詳細3048で、身体にはグルコース値を正常に戻そうとする力があるため心配はしなくてもよいことをユーザに教えることもできる。また、ポップアップウィンドウ3042に、様々な記事へのリンクを含むカードを回転棚式に提示する表示3044a、3044bを含めることもできる。上記でも説明しているように、回転棚式表示3044a、3044bに提示される記事は、判定結果として出した(又は表示している)ユーザのグルコースの状態などのユーザ情報に関連した記事となるように選択することができる。
【0210】
また、ポップアップウィンドウ3042に、現在のグルコースの状態の判定に用いたグルコース曲線部分3018を含むグラフ3046を含めることもできる。例えば、2時間の長さの移動窓で判定を行った場合には、グラフ3046に最後の2時間のデータを含めることができる。いくつかの実施形態では、グルコースグラフの部分3018の色を、現在のグルコースの状態を示すグラフィック3008やグラフ3014に示す色と同じ色とすることができる。いくつかの実施形態では、グラフ3046に含めるグルコース曲線の部分を、現在のグルコースの状態の判定に用いたグルコース曲線部分3018のより小さい部分とすることもできる。グラフ3046において、グルコース曲線部分3018上に大きなマーク3050を付けて現在のグルコース値を強調することもできる。
【0211】
いくつかの実施形態では、グルコース健康維持アプリケーションに、ユーザが目標範囲内にあった時間を表示することもできる。なお、この目標範囲は下側閾値と上側閾値を有しており、下側閾値から上側閾値までの範囲が目標範囲となる。グルコース健康維持アプリケーションは、その日、その週、及び/又は全期間のうちでユーザが目標範囲内にあった時間が何時間あったか又はそのパーセント比率を示すことができる。また、グルコース健康維持アプリケーションは、その日、その週、及び/又は全期間においてユーザが目標範囲内にあった時間の最長記録を示すこともできる。
【0212】
「
共有」画面
ポップアップウィンドウ3042に、共有リンクを含めることもできる。共有リンクが選択されると、
図18に示すような、ユーザによる経過状況の共有を可能にする「共有」GUI3060を表示させることができる。「共有」GUI3060には、自分の経過状況に写真を関連付けるためのリンク3062を含めることができる。この写真の関連付けは、新しい写真を撮影する、又はライブラリの写真を関連付ける、のいずれかにより行うことができる。共有する経過状況には、グルコースグラフ3016の何らかの版を含めることもできる。ユーザは、グラフの拡大やトリミングによりグラフの一部のみを共有することができる。また、「共有」GUI3060に、メッセージ3064、又はサードパーティのメッセージ交換アプリケーションやソーシャルメディアアプリケーション(例えば、フェイスブック3066、インスタグラム3068、又はその他の選択肢3070)を通じてユーザの経過状況を共有するためのリンクを含めることもできる。
【0213】
さらに、グルコース健康維持アプリケーションの種々のGUIにも、各種データ又は情報の共有を可能にする共有リンク1050を含めることができる。
【0214】
「追跡」画面
また、グルコース健康維持アプリケーションに、
図19に示しているような「追跡」GUI3080を含めることもできる。「追跡」GUI3808には、様々な状況に対するユーザのグルコース応答を示す複数のカード3082a、3082bを含めることができる。かかる状況には、様々な食べ物や飲み物の摂取、食べ物や飲み物の摂取前後に行った活動(例えば、運動)、ユーザの気持ち、その他の活動を含めることができる。これらのカードを表示することにより、これらの様々な活動が自分のグルコース値にどのような影響を与えたかをユーザがすぐに確認できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、各カード3082a、3082bに、当該状況又は活動(例えば、食べ物の摂取)が含まれる時間窓に対応するグルコース曲線3090を含めることができる。この時間窓には、その状況又は活動の前後の時間部分を含めることができる。例えば、この時間窓としては、2時間長の時間窓、2.5時間長の時間窓、3時間長の時間窓、3.5時間長の時間窓、4時間長の時間窓、4.5時間長の時間窓、5時間長の時間窓を挙げることができる。いくつかの実施形態では、当該状況又は活動の発生した時刻が、時間窓の最初の5分の1、又は時間窓の最初の4分の1、又は時間窓の最初の3分の1、又は時間窓の最初の2分の1に含まれるように、この時間窓を選択することができる。
【0215】
また、グルコース曲線3090は、グルコース曲線3090の他の部分とは異なる色を付けた色付き部分3092を備えることもできる。いくつかの実施形態では、異なる色を付けた部分3092は、当該状況に対するユーザの応答に対応するグラフ部分に相当するものとすることができる。色付き部分は、その状況が発生した時刻又はその状況をログに記録した時刻を始点とし、そこから所定期間長だけ延びるものとすることができる。いくつかの実施形態では、この所定期間長を、約1.5時間、又は約2時間、又は約2.5時間、又は約3時間、又は約3.5時間、又は約4時間とすることができる。いくつかの実施形態では、部分3092の色を、当該所定長の期間に対する判定結果として出されたグルコースの状態を示すグラフィック3008と同じ色とすることができる。例えば、当該所定長の期間に対する判定結果として出されたグルコースの状態が「安定しています」である場合、部分3092の色を緑色とすることができる。一方、当該所定長の期間に急変が検出された場合には、グラフ部分3092の色をオレンジ色とすることができる。
【0216】
各グルコースグラフカード3082a、3082bには、グルコース曲線3090と、アイコン3084a、3084bを含めることができる。アイコン3084a、3084bは、グルコース曲線3090上の、その状況が発生した時刻又はその状況をログに記録した時刻(例えば、食事をとった時刻)の位置に配置される。アイコンには、ログに記録(又は入力)した状況に関するグラフィックを含めることができる。例えば、食べ物や飲み物を摂取したことを表すアイコンを、ナイフとフォーク、皿と飲み物、ボウル1杯のシリアルなどのグラフィックとすることができ、運動を表すアイコンは、走っている棒人間のグラフィックとすることができる。また、各グルコースグラフカード3082a、3082bに、状況の説明3086を含めることもできる。この説明には、例えば、フライドポテトのみを食べた場合には「フライドポテト」と記載し、フライドポテトと一緒にサラダも食べた場合には「サラダ+フライドポテト」と記載することができる。いくつかの実施形態では、各グルコースグラフカード3082a、3082bに、摂取した食べ物又は入力した状況の種類を示す画像又は画像表現3088を含めることもできる。説明3086や画像3088を提示する場合は、これらをアイコン3084a、3084bの近傍、例えばアイコン3084a、3084bの上方に配置することができる。また、各グルコースグラフカード3082a、3082bに、その状況に関連する日時、例えば、その状況又はイベントが発生した日時、又はその状況又はイベントをログに記録した日時を含めることもできる。
【0217】
「追跡」GUI3080に表示される複数のカード3082a、3082bは、互いに関連したカードとすることもできる。いくつかの実施形態では、複数のカード3082a、3082bのすべてを、同じ日又は同じ週のログに記録したイベントを示すカードとすることができる。いくつかの実施形態では、複数のカード3082a、3082bのすべてを、ログに記録した互いに関連するイベントを示すカードとすることができる。例えば、複数のカード3082a、3082bに示しているログに記録したイベントが、いずれも特定の食品(例えば、ピザ)の摂取を含むイベントとなるようにすることができる。また、状況ごとにそれに対するグルコース応答がどのように変わるかをユーザが見ることができるように、複数のカード3082a、3082bのうちの何枚かには、例えば、ログに記録している、ピザを食べる前又は後に行った運動や、ピザと一緒に摂取したサラダも含めることができる。また、複数のカード3082a、3082bのうちの何枚かに、ログに記録した気持ちや元気度を含めることもできる。したがって、複数のカード3082a、3082bを提示することにより、複合的なイベントや状況がどのように相互作用しているのかをユーザに示すことができる。
【0218】
知ろう、調べよう
図20に示すように、ユーザは、リンク3026をタップして、様々な関連トピックに関する追加情報を提供する「知ろう、調べよう(learn and explore)」GUI3100を表示することができる。「知ろう、調べよう」GUI3100には、複数の選択可能なタブ3102a~3102dを含めることができ、各タブには、タブごとに異なる関心トピックに関するコンテンツが収められている。限定されるものではないが、複数の選択可能なタブ3102a~3102dのテーマとしては、ユーザ専用のコンテンツ(例えば、「あなた専用(for you)」)、グルコース健康維持に関する基本的なコンテンツ(例えば、「基本(basic)」)、食事に関するコンテンツ(例えば、「食事(food)」)、健康に関連するコンテンツ(例えば、「健康(health)」)、ライフスタイルに関連するコンテンツ(例えば、「ライフスタイル(lifestyle)」)などを挙げることができる。また、「知ろう、調べよう」GUI3100には、ユーザが後で簡単にアクセスできるように、ページをブックマーク又は保存しておけるようにするボタン3104を含めることもできる。
【0219】
各選択可能なタブ3102a~3102dの下には、選択可能なカード3106a~3106cで複数のコンテンツを表示することができる。かかるコンテンツには、限定されるものではないが、記事、写真、テキスト、グラフ、ヒント、概要を含めることができる。例えば、ユーザ専用のタブの下に表示されるコンテンツには、グルコース値を安定させる方法を説明する記事、グルコース値の急変から渇望がどのように生じるかについて説明する記事、空腹時に炭水化物を食べた場合の影響を説明する記事を含めることができる。
【0220】
表示している選択可能なカード3106a~3106cにおけるコンテンツの提示順序は変更することができる。いくつかの実施形態では、常に新鮮なユーザ体験が得られるように、コンテンツの提示順序をランダムとすることができる。また、いくつかの実施形態では、ユーザ体験プロセスのどの段階にいるかに基づいて提示するコンテンツを調整することもできる。例えば、ユーザ体験の開始時には、まず、アプリの始め方、グルコース値が安定していることが体重減少にどのように役立つのか、グルコース値の急変から渇望がどのように生じるかなどの基本情報に関するコンテンツをユーザに表示することができる。そして、ユーザに関するデータをより多く収集するにつれて、グルコース健康維持アプリケーションは、ユーザに提示するコンテンツをユーザに合わせて調整することができる。かかるデータの収集は、質問やプロンプトに対するユーザの回答、ユーザのグルコース値、又はユーザのグルコースデータから特定されるパターンを基に行われる。また、グルコース健康維持アプリケーションは、記事の最後や別のGUIで、ユーザに合わせてユーザ体験をさらにカスタマイズするために必要な入力を行うようユーザに求めることもできる。
【0221】
また、グルコース健康維持アプリケーションに、当該アプリケーションの様々な側面にアクセスするためのクイックリンクを含めることもできる。例えば、各GUIの下部に、「ライブ」GUIへのリンク3022と、「追跡」GUIへのリンク3024と、「知ろう」GUIへのリンク3026と、「設定」GUIへのリンク3028を表示することができる。
【0222】
以上、いくつかの実施形態を説明してきたが、その総括及び/又は補足として、以下に本主題の種々の態様を示す。なお、ここで強調したいのは、下記の各実施形態の相互関係及び交換可能性である。換言すれば、複数の実施形態の各特徴は、別段の明示的な記載がある場合や論理的妥当性を欠く場合を除き、他のあらゆる特徴と組み合わせることができるという事実に重きを置いている。なお、下記では、図面への参照を明示的には行ってはいないが、以下の各段落の記載は、本明細書に記載の各実施形態を再掲、発展させたものである。
【0223】
多くの実施形態において、対象者のグルコース変動を監視する方法が記載される。本方法は、センサ制御デバイスから対象者のグルコース値を示すデータを受信するステップと、第1の期間における対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定するステップと、第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の期間と重なりがある第2の期間における対象者の第2のグルコース変動メトリックを特定するステップと、第2のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、第2のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第2のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて第2の期間が始まる。いくつかの実施形態では、当該時間間隔は約30分である。
【0225】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は同一の総時間長である。いくつかの実施形態では、同一の総時間長は約2時間である。
【0226】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は異なる総時間長である。
【0227】
いくつかの実施形態では、第1の表示は、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである。
【0228】
いくつかの実施形態では、第2の表示は、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである。
【0229】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは二値判定である。
【0230】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは、第1の期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差である。
【0231】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは、第1の期間における流動的ベースラインからの変動幅である。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、第1の期間におけるグルコース値の中央値である。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、第1の期間におけるグルコース値の平均である。いくつかの実施形態では、閾値は約±30mg/dLである。
【0232】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは目標グルコース範囲から外れていた時間の長さである。いくつかの実施形態では、目標グルコース範囲は、上側グルコース閾値と下側グルコース閾値により規定される。いくつかの実施形態では、閾値は約20分である。
【0233】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックについての第1の表示又は第2の表示を表示している状態が、第2のグルコース変動メトリックについての第1の表示又は第2の表示を表示している状態へと切り替えられる。
【0234】
いくつかの実施形態では、第2の期間と重なりがある第3の期間であって、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長と第3の期間の総時間長が同一の総時間長である、第3の期間における対象者の第3のグルコース変動メトリックを特定するステップと、第3のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、第3のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第3のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、をさらに含む。
【0235】
多くの実施形態において、対象者のグルコース変動を監視するためのシステムは、グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、入力部、ディスプレイ、及び命令を格納しているメモリに結合された1つ以上のプロセッサとを備える。そして、当該命令を1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は本システムに、第1の期間における対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定するステップと、第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第1のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、を実行させる。
【0236】
いくつかの実施形態では、上記命令が1つ以上のプロセッサに、第1の期間と重なりがある第2の期間における対象者の第2のグルコース変動メトリックを特定するステップと、第2のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、第2のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第2のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、をさらに実行させる。
【0237】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は同一の総時間長である。いくつかの実施形態では、この同一の総時間長は約2時間である。
【0238】
いくつかの実施形態では、第1の表示は、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである。
【0239】
いくつかの実施形態では、第2の表示は、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである。
【0240】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは二値判定である。
【0241】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは、第1の期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差である。
【0242】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは、第1の期間における流動的ベースラインからの変動幅である。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、第1の期間におけるグルコース値の中央値である。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、第1の期間におけるグルコース値の平均である。いくつかの実施形態では、閾値は約±30mg/dLである。
【0243】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックは目標グルコース範囲から外れていた時間の長さである。いくつかの実施形態では、目標グルコース範囲は、上側グルコース閾値と下側グルコース閾値により規定される。いくつかの実施形態では、閾値は約20分である。
【0244】
いくつかの実施形態では、第1のグルコース変動メトリックについての第1の表示又は第2の表示を表示している状態が、第2のグルコース変動メトリックについての第1の表示又は第2の表示を表示している状態へと切り替えられる。
【0245】
いくつかの実施形態では、上記命令が1つ以上のプロセッサに、第2の期間と重なりがある第3の期間であって、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長と第3の期間の総時間長が同一の総時間長である、第3の期間における対象者の第3のグルコース変動メトリックを特定するステップと、第3のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、第3のグルコース変動メトリックが閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第3のグルコース変動メトリックが閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、をさらに実行させる。
【0246】
多くの実施形態において、対象者のグルコース変動を監視する方法が記載される。本方法は、センサ制御デバイスから対象者のグルコース値を示すデータを受信するステップと、或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別するステップと、当該期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差を計算するステップと、この差を閾値と比較するステップと、この差が閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、この差が閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、当該期間は第1の期間であり、最大グルコース値は第1の最大グルコース値であり、最小グルコース値は第2の最大グルコース値であり、本方法は、第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値を識別するステップと、第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値の第2の差を計算するステップと、第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値の第2の差を閾値と比較するステップと、第2の差が閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第2の差が閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、をさらに含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、当該期間は約1時間である。
【0249】
いくつかの実施形態では、当該期間は約2時間である。
【0250】
いくつかの実施形態では、第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて第2の期間が始まる。
【0251】
いくつかの実施形態では、時間間隔は約30分である。
【0252】
いくつかの実施形態では、第2の期間は第1の期間と重なりがある。
【0253】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は同一の総時間長である。
【0254】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は異なる総時間長である。
【0255】
いくつかの実施形態では、第1の表示は、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである。
【0256】
いくつかの実施形態では、第2の表示は、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである。
【0257】
いくつかの実施形態では、閾値は約30mg/dLである。
【0258】
多くの実施形態において、対象者のグルコース変動を監視するためのシステムが記載される。本システムは、グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、入力部、ディスプレイ、及び命令を格納しているメモリに結合された1つ以上のプロセッサとを備える。そして、当該命令を1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は本システムに、或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別するステップと、当該期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差を計算するステップと、この差を閾値と比較するステップと、この差が閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、この差が閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、を実行させる。
【0259】
いくつかの実施形態では、当該期間は第1の期間であり、最大グルコース値は第1の最大グルコース値であり、最小グルコース値は第2の最大グルコース値であり、上記命令は1つ以上のプロセッサに、第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値を識別するステップと、第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値の第2の差を計算するステップと、第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値の第2の差を閾値と比較するステップと、第2の差が閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、第2の差が閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、をさらに実行させる。
【0260】
いくつかの実施形態では、当該期間は約1時間である。
【0261】
いくつかの実施形態では、当該期間は約2時間である。いくつかの実施形態では、第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて第2の期間が始まる。いくつかの実施形態では、時間間隔は約30分である。
【0262】
いくつかの実施形態では、第2の期間は第1の期間と重なりがある。
【0263】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は同一の総時間長である。
【0264】
いくつかの実施形態では、第1の期間の総時間長と第2の期間の総時間長は異なる総時間長である。
【0265】
いくつかの実施形態では、第1の表示は、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである。
【0266】
いくつかの実施形態では、第2の表示は、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである。
【0267】
いくつかの実施形態では、閾値は約30mg/dLである。
【0268】
多くの実施形態において、対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムが記載される。本システムは、グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、入力部、ディスプレイ、及び命令を格納しているメモリに結合された1つ以上のプロセッサとを備える。そして、当該命令を1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は本システムに、移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、対象者のグルコースの状態を判定するステップと、対象者のグルコースの状態の表示であって、テキスト記述と、第1の色を有するグラフィックとを含むグルコースの状態の表示を、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に表示するステップと、GUIにグラフを表示するステップと、を実行させる。当該グラフは、第1の部分と第2の部分とを含むグルコースプロファイルを含み、第1の部分と第2の部分は異なる色であり、第2の部分は第1の色である。
【0269】
いくつかの実施形態では、当該グラフィックは円形である。
【0270】
いくつかの実施形態では、グルコースの状態は二値の状態である。いくつかの実施形態では、二値のグルコースの状態は、安定した状態と不安定な状態とで構成される。いくつかの実施形態では、二値のグルコースの状態は、安定した状態と急変が検出された状態とで構成される。
【0271】
いくつかの実施形態では、上記命令は本システムに、対象者の現在のグルコース濃度を表示するステップをさらに実行させる。いくつかの実施形態では、対象者の現在のグルコース濃度はグラフ内に表示される。
【0272】
いくつかの実施形態では、上記グラフは、グルコースプロファイル上に、現在のグルコース値に対応するマークをさらに含む。いくつかの実施形態では、当該マークは大きな丸印である。
【0273】
いくつかの実施形態では、上記GUIは、対象者の現在のグルコース値の数値表示を含まない。
【0274】
いくつかの実施形態では、移動窓の期間は、或る時刻からさかのぼって計測される所定の時間間隔を有している。いくつかの実施形態では、当該時刻は現在時刻である。いくつかの実施形態では、所定の時間間隔は約2時間である。
【0275】
いくつかの実施形態では、移動窓の期間に受信したグルコースデータの変動幅を特定することにより、グルコースの状態が判定される。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインからの変動幅が所定の閾値を下回っている場合に、グルコースの状態が安定していると判定される。いくつかの実施形態では、所定の閾値は±約30mg/dLである。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、移動窓の期間におけるグルコース濃度の中央値である。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、移動窓の期間における平均グルコース濃度である。
【0276】
いくつかの実施形態では、移動窓の期間に受信したグルコースデータの流動的ベースラインからの変動幅が所定の閾値を上回っている場合に、グルコースの状態が不安定であると判定される。いくつかの実施形態では、所定の閾値は±約30mg/dLである。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、移動窓の期間におけるグルコース濃度の中央値である。いくつかの実施形態では、流動的ベースラインは、移動窓の期間における平均グルコース濃度である。
【0277】
いくつかの実施形態では、移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値を、上側閾値と下側閾値とを有する目標範囲を基準に分析することにより、グルコースの状態が判定される。いくつかの実施形態では、移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値のすべてが目標範囲内にある場合に、グルコースの状態が安定していると判定される。いくつかの実施形態では、移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値のいずれかが上側閾値を上回っているか下側閾値を下回っているかしている場合に、グルコースの状態は不安定であると判定される。
【0278】
いくつかの実施形態では、(a)移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値を、上側閾値と下側閾値とを有する目標範囲を基準に分析すること、及び(b)移動窓の期間に受信したグルコースデータの流動的ベースラインからの変動幅を特定することにより、グルコースの状態が判定される。
【0279】
いくつかの実施形態では、対象者のグルコースの状態が安定している場合、第1の色は緑色とされる。
【0280】
いくつかの実施形態では、対象者のグルコースの状態が不安定である場合、第1の色はオレンジ色とされる。
【0281】
いくつかの実施形態では、上記命令は本システムに、複数の記事の要約を表示するステップをさらに実行させる。いくつかの実施形態では、複数の記事の要約は、複数の記事へのリンクを含む。いくつかの実施形態では、表示される複数の記事の要約は、対象者のグルコースの状態に関するものである。
【0282】
いくつかの実施形態では、上記命令は本システムに、対象者のグルコースの状態に関するさらなる詳細を含む第2のGUIへのリンクを表示するステップをさらに実行させる。いくつかの実施形態では、GUIのグラフは、第1のGUIの第1のグラフであり、上記命令は本システムに、リンクの選択に反応して、対象者のグルコースの状態に関するさらなる詳細を含む第2のGUIを表示するステップをさらに実行させる。
【0283】
いくつかの実施形態では、第2のGUIは、対象者のグルコースの状態の表示と、第1のGUIの第1のグラフの第2の部分を含む第2のグラフとを含んでいる。
【0284】
いくつかの実施形態では、第2のGUIは、対象者のグルコースの状態に関する追加の説明をさらに含んでいる。
【0285】
いくつかの実施形態では、第2のGUIは、複数の記事の要約をさらに含んでいる。いくつかの実施形態では、複数の記事の要約は、回転棚式表示で表示される。いくつかの実施形態では、表示される複数の記事の要約は、対象者の現在のグルコースの状態に関するものである。
【0286】
いくつかの実施形態では、第2のGUIは、対象者のグルコースの状態に関する情報を共有するための第3のGUIへのリンクをさらに含んでいる。いくつかの実施形態では、上記命令は本システムに、共有するグラフと複数のサードパーティアプリケーションへのリンクとを含む第3のGUIを表示するステップをさらに実行させる。いくつかの実施形態では、共有するグラフは、第1のGUIの第1のグラフである。いくつかの実施形態では、複数のリンクは、メッセージ交換アプリケーションへの少なくとも1つのリンクと、ソーシャルメディアアプリケーションへの少なくとも1つのリンクとを含む。いくつかの実施形態では、第3のGUIは、対象者のグルコースの状態に関する情報に写真を関連付けるためのリンクをさらに含んでいる。
【0287】
多くの実施形態において、対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムが記載される。本システムは、グルコース測定データとログに記録した活動の情報とを受信するように構成された入力部と、情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、入力部、ディスプレイ、及び命令を格納しているメモリに結合された1つ以上のプロセッサとを備える。そして、当該命令を1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、命令は本システムに、複数の移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、対象者の複数のグルコースの状態を判定するステップであって、移動窓の期間のそれぞれにログに記録した活動が含まれる、ステップと、第1の移動窓の期間の第1のグルコースプロファイルと、ログに記録した第1の活動の説明とを含む第1のグラフを表示するステップであって、第1のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、第1の部分と第3の部分が第1の色であり、第2の部分が第2の色である、ステップと、第2の移動窓の期間の第2のグルコースプロファイルと、ログに記録した第2の活動の説明と、を含む第2のグラフを表示するステップであって、第2のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、第1の部分と第3の部分が第1の色であり、第2の部分が第3の色である、ステップと、を実行させる。
【0288】
いくつかの実施形態では、第1のグラフは、ログに記録した第1の活動を表す第1の画像表現をさらに含み、第2のグラフは、ログに記録した第2の活動を表す第2の画像表現をさらに含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、第2の色と第3の色は同じ色である。
【0290】
いくつかの実施形態では、第2の色と第3の色は異なる色である。
【0291】
いくつかの実施形態では、上記命令は本システムに、さらに少なくとも1つの移動窓の期間のさらに少なくとも1つのグルコースプロファイルと、ログに記録したさらに少なくとも1つの活動の説明とを含むさらに少なくとも1つのグラフを表示するステップであって、当該さらに少なくとも1つのグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、第1の部分と第3の部分が第1の色であり、第2の部分が第2の色又は第3の色である、ステップをさらに実行させる。
【0292】
いくつかの実施形態では、第1のグラフは、第1のグルコースプロファイル上に、ログに記録した第1の活動に関連付けられた第1のアイコンをさらに含み、第1のアイコンは、第1のグルコースプロファイルの第1の部分から第2の部分への移行部に配置される。
【0293】
いくつかの実施形態では、第2のグラフは、第2のグルコースプロファイル上に、ログに記録した第2の活動に関連付けられた第2のアイコンをさらに含み、第2のアイコンは、第2のグルコースプロファイルの第1の部分から第2の部分への移行部に配置される。いくつかの実施形態では、さらに少なくとも1つのグラフが、さらに少なくとも1つのグルコースプロファイル上に、ログに記録したさらに少なくとも1つの活動に関連付けられたさらに少なくとも1つのアイコンをさらに含み、当該さらに少なくとも1つのアイコンは、上記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイルの第1の部分から第2の部分への移行部に配置される。
【0294】
いくつかの実施形態では、第1のグラフの第2の部分は、第1のグラフの約2時間長の期間である。
【0295】
いくつかの実施形態では、第2のグラフの第2の部分は、第2のグラフの約2時間長の期間である。いくつかの実施形態では、さらに少なくとも1つのグラフの第2の部分は、さらに少なくとも1つのグラフの約2時間長の期間である。
【0296】
いくつかの実施形態では、ログに記録した活動の情報は、ログに記録した食べ物、ログに記録した飲み物、ログに記録した運動、ログに記録した気持ち、及びそれらの組み合わせを含む。
【0297】
いくつかの実施形態では、第1の移動窓の期間と第2の移動窓の期間は同日の期間である。
【0298】
いくつかの実施形態では、ログに記録した第1の活動とログに記録した第2の活動は互いに関連している。
【0299】
むすび
なお、本明細書に記載の任意の実施形態に関する説明において述べた、すべての特徴、要素、コンポーネント、機能、及びステップは、他の任意の実施形態の特徴、要素、コンポーネント、機能、及びステップと自由に組み合わせ可能かつ置換可能であることが意図されていることに留意されたい。また、特定の特徴、要素、コンポーネント、機能、又はステップを、1つの実施形態に関する説明だけで述べている場合、別段の明示的な記載がない限り、その特徴、要素、コンポーネント、機能、又はステップは、本明細書に記載の他のすべての実施形態にも使用することができることを理解されたい。従って、以下の説明において、特徴、要素、コンポーネント、機能、及びステップを異なる実施形態の間で組み合わせることが可能であること、又は、特徴、要素、コンポーネント、機能、及びステップを実施形態の間で置き換えることが可能であることを、特定の例として明示的に記載していなかったとしても、本段落が、そのような組み合わせ又は置き換えを行った請求項をいつでも加入することを可能にする、先行記載及びサポート記載の役割を果たす。したがって、本開示の主題の特定の実施形態に関する上述の説明は、例示と説明のために提示したものである。可能な限りのすべての組み合わせや置き換えを明示的に記載することが過度な負担であることは、当業者であれば、このようなあらゆる組み合わせや置き換えの許容性を容易に認識できることを考慮すれば特に、明確に認められるものである。
【0300】
実施形態は様々な変形や形態変更が可能であるが、そのうちの特定的な例を図面に示し、本明細書において詳細に説明している。当業者であれば、本開示の主題の趣旨及び範囲から逸脱しない範囲で、本開示の主題の方法及びシステムに種々の変形及び変更を行うことができることは明らかであろう。したがって、本開示の主題は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある変形や変更も含むことが意図されている。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、又は要素を、特許請求の範囲に記載又は加入することができ、また、特許請求の範囲に含まれない特徴、機能、ステップ、又は要素による否定的限定により、特許請求の範囲の発明的範囲を定義することもできる。
【0301】
項分け記載
以下、例示的な実施形態を、番号を付した項に分けて記載する。
【0302】
第1項
対象者のグルコース変動を監視する方法であって、
センサ制御デバイスから前記対象者のグルコース値を示すデータを受信するステップと、
第1の期間における前記対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を含む方法。
【0303】
第2項
前記第1の期間と重なりがある第2の期間における前記対象者の第2のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに含む、第1項に記載の方法。
【0304】
第3項
前記第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて前記第2の期間が始まる、第2項に記載の方法。
【0305】
第4項
前記時間間隔が約30分である、第3項に記載の方法。
【0306】
第5項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、第2項に記載の方法。
【0307】
第6項
前記同一の総時間長が約2時間である、第5項に記載の方法。
【0308】
第7項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が異なる総時間長である、第2項に記載の方法。
【0309】
第8項
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、第1項に記載の方法。
【0310】
第9項
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、第1項に記載の方法。
【0311】
第10項
前記第1のグルコース変動メトリックが二値判定である、第1項に記載の方法。
【0312】
第11項
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差である、第1項に記載の方法。
【0313】
第12項
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における流動的ベースラインからの変動幅である、第1項に記載の方法。
【0314】
第13項
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間における前記グルコース値の中央値である、第12項に記載の方法。
【0315】
第14項
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間における前記グルコース値の平均である、第12項に記載の方法。
【0316】
第15項
前記閾値が約±30mg/dLである、第12項に記載の方法。
【0317】
第16項
前記第1のグルコース変動メトリックが目標グルコース範囲から外れていた時間の長さである、第1項に記載の方法。
【0318】
第17項
前記目標グルコース範囲が、上側グルコース閾値と下側グルコース閾値により規定される、第16項に記載の方法。
【0319】
第18項
前記閾値が約20分である、第16項に記載の方法。
【0320】
第19項
前記第1のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態が、前記第2のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態へと切り替えられる、第2項に記載の方法。
【0321】
第20項
前記第2の期間と重なりがある第3の期間であって、前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長と前記第3の期間の総時間長が同一の総時間長である、第3の期間における前記対象者の第3のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに含む、第1項に記載の方法。
【0322】
第21項
対象者のグルコース変動を監視するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
第1の期間における前記対象者の第1のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックを閾値と比較するステップと、
前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第1のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を実行させる、システム。
【0323】
第22項
前記命令が前記1つ以上のプロセッサに、
前記第1の期間と重なりがある第2の期間における前記対象者の第2のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第2のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに実行させる、第21項に記載のシステム。
【0324】
第23項
前記同一の総時間長が約2時間である、第22項に記載のシステム。
【0325】
第24項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、第22項に記載のシステム。
【0326】
第25項
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、第21項に記載のシステム。
【0327】
第26項
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、第21項に記載のシステム。
【0328】
第27項
前記第1のグルコース変動メトリックが二値判定である、第21項に記載のシステム。
【0329】
第28項
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における最大グルコース値と最小グルコース値の差である、第21項に記載のシステム。
【0330】
第29項
前記第1のグルコース変動メトリックが、前記第1の期間における流動的ベースラインからの変動幅である、第21項に記載のシステム。
【0331】
第30項
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間におけるグルコース値の中央値である、第29項に記載のシステム。
【0332】
第31項
前記流動的ベースラインが、前記第1の期間における前記グルコース値の平均である、第29項に記載のシステム。
【0333】
第32項
前記閾値が約±30mg/dLである、第29項に記載のシステム。
【0334】
第33項
前記第1のグルコース変動メトリックが目標グルコース範囲から外れていた時間の長さである、第21項に記載のシステム。
【0335】
第34項
前記目標グルコース範囲が、上側グルコース閾値と下側グルコース閾値により規定される、第33項に記載のシステム。
【0336】
第35項
前記閾値が約20分である、第33項に記載のシステム。
【0337】
第36項
前記第1のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態が、前記第2のグルコース変動メトリックについての前記第1の表示又は前記第2の表示を表示している状態へと切り替えられる、第22項に記載のシステム。
【0338】
第37項
前記命令が前記1つ以上のプロセッサに、
前記第2の期間と重なりがある第3の期間であって、前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長と前記第3の期間の総時間長が同一の総時間長である、第3の期間における前記対象者の第3のグルコース変動メトリックを特定するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックを前記閾値と比較するステップと、
前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っていない場合に前記第1の表示を表示し、前記第3のグルコース変動メトリックが前記閾値を上回っている場合に前記第2の表示を表示するステップと、
をさらに実行させる、第22項に記載のシステム。
【0339】
第38項
対象者のグルコース変動を監視する方法であって、
センサ制御デバイスから前記対象者のグルコース値を示すデータを受信するステップと、
或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別するステップと、
前記期間における前記最大グルコース値と前記最小グルコース値の差を計算するステップと、
前記差を閾値と比較するステップと、
前記差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を含む方法。
【0340】
第39項
前記期間が第1の期間であり、
前記最大グルコース値が第1の最大グルコース値であり、
前記最小グルコース値が第2の最大グルコース値であり、
前記方法が、
第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値を識別するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の第2の差を計算するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の前記第2の差を前記閾値と比較するステップと、
前記第2の差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第2の差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
をさらに含む、第38項に記載の方法。
【0341】
第40項
前記期間が約1時間である、第38項に記載の方法。
【0342】
第41項
前記期間が約2時間である、第38項に記載の方法。
【0343】
第42項
前記第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて前記第2の期間が始まる、第39項に記載の方法。
【0344】
第43項
前記時間間隔が約30分である、第42項に記載の方法。
【0345】
第44項
前記第2の期間が前記第1の期間と重なりがある、第39項に記載の方法。
【0346】
第45項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、第39項に記載の方法。
【0347】
第46項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が異なる総時間長である、第39項に記載の方法。
【0348】
第47項
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、第38項に記載の方法。
【0349】
第48項
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、第38項に記載の方法。
【0350】
第49項
前記閾値が約30mg/dLである、第38項に記載の方法。
【0351】
第50項
対象者のグルコース変動を監視するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
或る期間における最大グルコース値と最小グルコース値を識別するステップと、
前記期間における前記最大グルコース値と前記最小グルコース値の差を計算するステップと、
前記差を閾値と比較するステップと、
前記差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
を実行させる、システム。
【0352】
第51項
前記期間が第1の期間であり、
前記最大グルコース値が第1の最大グルコース値であり、
前記最小グルコース値が第2の最大グルコース値であり、
前記命令が前記1つ以上のプロセッサに、
第2の期間における第2の最大グルコース値と第2の最小グルコース値を識別するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の第2の差を計算するステップと、
前記第2の期間における前記第2の最大グルコース値と前記第2の最小グルコース値の前記第2の差を前記閾値と比較するステップと、
前記第2の差が前記閾値を上回っていない場合に第1の表示を表示し、前記第2の差が前記閾値を上回っている場合に第2の表示を表示するステップと、
をさらに実行させる、第50項に記載のシステム。
【0353】
第52項
前記期間が約1時間である、第50項に記載のシステム。
【0354】
第53項
前記期間が約2時間である、第50項に記載のシステム。
【0355】
第54項
前記第1の期間が始まってから或る時間間隔を空けて前記第2の期間が始まる、第51項に記載のシステム。
【0356】
第55項
前記時間間隔が約30分である、第54項に記載のシステム。
【0357】
第56項
前記第2の期間が前記第1の期間と重なりがある、第51項に記載のシステム。
【0358】
第57項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が同一の総時間長である、第51項に記載のシステム。
【0359】
第58項
前記第1の期間の総時間長と前記第2の期間の総時間長が異なる総時間長である、第51項に記載のシステム。
【0360】
第59項
前記第1の表示が、バランスの取れた状態にあるという表示と、安定した状態にあるという表示のうちの1つである、第50項に記載のシステム。
【0361】
第60項
前記第2の表示が、バランスが悪い状態にあるという表示と、不安定な状態にあるという表示と、安定した状態ではないという表示と、急変状態にあるという表示のうちの1つである、第50項に記載のシステム。
【0362】
第61項
前記閾値が約30mg/dLである、第50項に記載のシステム。
【0363】
第62項
対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、前記対象者のグルコースの状態を判定するステップと、
前記対象者の前記グルコースの状態の表示であって、テキスト記述と、第1の色を有するグラフィックとを含む前記グルコースの状態の表示を、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)に表示するステップと、
前記GUIにグラフを表示するステップと、
を実行させ、
前記グラフは、第1の部分と第2の部分とを含むグルコースプロファイルを含み、
前記第1の部分と前記第2の部分が異なる色であり、前記第2の部分が前記第1の色である、システム。
【0364】
第63項
前記グラフィックが円形である、第62項に記載のシステム。
【0365】
第64項
前記グルコースの状態が二値の状態である、第62項に記載のシステム。
【0366】
第65項
前記二値のグルコースの状態が、安定した状態と不安定な状態とで構成される、第64項に記載のシステム。
【0367】
第66項
前記二値のグルコースの状態が、安定した状態と急変が検出された状態とで構成される、第64項に記載のシステム。
【0368】
第67項
前記命令が前記システムに、前記対象者の現在のグルコース濃度を表示するステップをさらに実行させる、第62項に記載のシステム。
【0369】
第68項
前記対象者の前記現在のグルコース濃度が前記グラフ内に表示される、第67項に記載のシステム。
【0370】
第69項
前記グラフが、前記グルコースプロファイル上に、現在のグルコース値に対応するマークをさらに含む、第62項に記載のシステム。
【0371】
第70項
前記マークが大きな丸印である、第69項に記載のシステム。
【0372】
第71項
前記GUIが、前記対象者の現在のグルコース値の数値表示を含まない、第62項に記載のシステム。
【0373】
第72項
前記移動窓の期間が、或る時刻からさかのぼって計測される所定の時間間隔を有している、第62項に記載のシステム。
【0374】
第73項
前記時刻が現在時刻である、第72項に記載のシステム。
【0375】
第74項
前記所定の時間間隔が約2時間である、第72項に記載のシステム。
【0376】
第75項
前記移動窓の期間に受信した前記グルコースデータの変動幅を特定することにより、前記グルコースの状態が判定される、第62項に記載のシステム。
【0377】
第76項
流動的ベースラインからの前記変動幅が所定の閾値を下回っている場合に、前記グルコースの状態が安定していると判定される、第75項に記載のシステム。
【0378】
第77項
前記所定の閾値が±約30mg/dLである、第76項に記載のシステム。
【0379】
第78項
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間におけるグルコース濃度の中央値である、第76項に記載のシステム。
【0380】
第79項
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間における平均グルコース濃度である、第76項に記載のシステム。
【0381】
第80項
前記移動窓の期間に受信した前記グルコースデータの流動的ベースラインからの変動幅が所定の閾値を上回っている場合に、前記グルコースの状態が不安定であると判定される、第75項に記載のシステム。
【0382】
第81項
前記所定の閾値が±約30mg/dLである、第80項に記載のシステム。
【0383】
第82項
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間におけるグルコース濃度の中央値である、第80項に記載のシステム。
【0384】
第83項
前記流動的ベースラインが、前記移動窓の期間における平均グルコース濃度である、第80項に記載のシステム。
【0385】
第84項
前記移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値を、上側閾値と下側閾値とを有する目標範囲を基準に分析することにより、前記グルコースの状態が判定される、第62項に記載のシステム。
【0386】
第85項
前記移動窓の期間中の前記複数のグルコース濃度値のすべてが前記目標範囲内にある場合に、前記グルコースの状態が安定していると判定される、第84項に記載のシステム。
【0387】
第86項
前記移動窓の期間中の前記複数のグルコース濃度値のいずれかが前記上側閾値を上回っているか前記下側閾値を下回っているかしている場合に、前記グルコースの状態が不安定であると判定される、第84項に記載のシステム。
【0388】
第87項
(a)前記移動窓の期間中の複数のグルコース濃度値を、上側閾値と下側閾値とを有する目標範囲を基準に分析すること、及び(b)前記移動窓の期間に受信した前記グルコースデータの流動的ベースラインからの変動幅を特定することにより、前記グルコースの状態が判定される、第62項に記載のシステム。
【0389】
第88項
前記対象者の前記グルコースの状態が安定している場合、前記第1の色が緑色とされる、第62項に記載のシステム。
【0390】
第89項
前記対象者の前記グルコースの状態が不安定である場合、前記第1の色がオレンジ色とされる、第62項に記載のシステム。
【0391】
第90項
前記命令が前記システムに、複数の記事の要約を表示するステップをさらに実行させる、第62項に記載のシステム。
【0392】
第91項
前記複数の記事の要約が、複数の前記記事へのリンクを含む、第90項に記載のシステム。
【0393】
第92項
表示される前記複数の記事の要約が、前記対象者の前記グルコースの状態に関するものである、第90項に記載のシステム。
【0394】
第93項
前記命令が前記システムに、前記対象者の前記グルコースの状態に関するさらなる詳細を含む第2のGUIへのリンクを表示するステップをさらに実行させる、第62項に記載のシステム。
【0395】
第94項
前記GUIの前記グラフが、第1のGUIの第1のグラフであり、
前記命令が前記システムに、前記リンクの選択に反応して、前記対象者の前記グルコースの状態に関する前記さらなる詳細を含む前記第2のGUIを表示するステップをさらに実行させる、第93項に記載のシステム。
【0396】
第95項
前記第2のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態の前記表示と、前記第1のGUIの前記第1のグラフの前記第2の部分を含む第2のグラフとを含んでいる、第94項に記載のシステム。
【0397】
第96項
前記第2のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態に関する追加の説明をさらに含んでいる、第95項に記載のシステム。
【0398】
第97項
前記第2のGUIが、複数の記事の要約をさらに含んでいる、第95項に記載のシステム。
【0399】
第98項
前記複数の記事の要約が、回転棚式表示で表示される、第97項に記載のシステム。
【0400】
第99項
表示される前記複数の記事の要約が、前記対象者の現在のグルコースの状態に関するものである、第97項に記載のシステム。
【0401】
第100項
前記第2のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態に関する情報を共有するための第3のGUIへのリンクをさらに含んでいる、第94項に記載のシステム。
【0402】
第101項
前記命令が前記システムに、共有するグラフと複数のサードパーティアプリケーションへのリンクとを含む前記第3のGUIを表示するステップをさらに実行させる、第100項に記載のシステム。
【0403】
第102項
前記共有するグラフが、前記第1のGUIの前記第1のグラフである、第101項に記載のシステム。
【0404】
第103項
前記複数のリンクが、メッセージ交換アプリケーションへの少なくとも1つのリンクと、ソーシャルメディアアプリケーションへの少なくとも1つのリンクとを含む、第101項に記載のシステム。
【0405】
第104項
前記第3のGUIが、前記対象者の前記グルコースの状態に関する前記情報に写真を関連付けるためのリンクをさらに含んでいる、第101項に記載のシステム。
【0406】
第105項
対象者に関連するメトリックを表示するためのシステムであって、該システムは、
グルコース測定データとログに記録した活動の情報とを受信するように構成された入力部と、
情報を視覚的に提示するように構成されたディスプレイと、
前記入力部と、前記ディスプレイと、命令を格納しているメモリとに結合された1つ以上のプロセッサと
を備え、
前記命令を前記1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、前記命令が前記システムに、
複数の移動窓の期間に受信したグルコースデータに基づいて、前記対象者の複数のグルコースの状態を判定するステップであって、前記移動窓の期間のそれぞれにログに記録した活動が含まれる、ステップと、
第1の移動窓の期間の第1のグルコースプロファイルと、ログに記録した第1の活動の説明とを含む第1のグラフを表示するステップであって、前記第1のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、前記第1の部分と前記第3の部分が第1の色であり、前記第2の部分が第2の色である、ステップと、
第2の移動窓の期間の第2のグルコースプロファイルと、ログに記録した第2の活動の説明とを含む第2のグラフを表示するステップであって、前記第2のグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、前記第1の部分と前記第3の部分が前記第1の色であり、前記第2の部分が第3の色である、ステップと、
を実行させる、システム。
【0407】
第106項
前記第1のグラフが、ログに記録した前記第1の活動を表す第1の画像表現をさらに含み、前記第2のグラフが、ログに記録した前記第2の活動を表す第2の画像表現をさらに含む、第105項に記載のシステム。
【0408】
第107項
前記第2の色と前記第3の色が同じ色である、第105項に記載のシステム。
【0409】
第108項
前記第2の色と前記第3の色が異なる色である、第105項に記載のシステム。
【0410】
第109項
前記命令が前記システムに、さらに少なくとも1つの移動窓の期間のさらに少なくとも1つのグルコースプロファイルと、ログに記録したさらに少なくとも1つの活動の説明とを含むさらに少なくとも1つのグラフを表示するステップであって、前記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイルが、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、前記第1の部分と前記第3の部分が前記第1の色であり、前記第2の部分が前記第2の色又は前記第3の色である、ステップをさらに実行させる、第105項に記載のシステム。
【0411】
第110項
前記第1のグラフが、前記第1のグルコースプロファイル上に、ログに記録した前記第1の活動に関連付けられた第1のアイコンをさらに含み、
前記第1のアイコンが、前記第1のグルコースプロファイルの前記第1の部分から前記第2の部分への移行部に配置される、第105項に記載のシステム。
【0412】
第111項
前記第2のグラフが、前記第2のグルコースプロファイル上に、ログに記録した前記第2の活動に関連付けられた第2のアイコンをさらに含み、
前記第2のアイコンが、前記第2のグルコースプロファイルの前記第1の部分から前記第2の部分への移行部に配置される、第105項に記載のシステム。
【0413】
第112項
前記さらに少なくとも1つのグラフが、前記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイル上に、ログに記録したさらに前記少なくとも1つの活動に関連付けられたさらに少なくとも1つのアイコンをさらに含み、
前記さらに少なくとも1つのアイコンが、前記さらに少なくとも1つのグルコースプロファイルの前記第1の部分から前記第2の部分への移行部に配置される、第109項に記載のシステム。
【0414】
第113項
前記第1のグラフの前記第2の部分が、前記第1のグラフの約2時間長の期間である、第105項に記載のシステム。
【0415】
第114項
前記第2のグラフの前記第2の部分が、前記第2のグラフの約2時間長の期間である、第105項に記載のシステム。
【0416】
第115項
前記さらに少なくとも1つのグラフの前記第2の部分が、前記さらに少なくとも1つのグラフの約2時間長の期間である、第112項に記載のシステム。
【0417】
第116項
ログに記録した活動の前記情報が、ログに記録した食べ物、ログに記録した飲み物、ログに記録した運動、ログに記録した気持ち、及びそれらの組み合わせを含む、第105項に記載のシステム。
【0418】
第117項
前記第1の移動窓の期間と前記第2の移動窓の期間が同日の期間である、第105項に記載のシステム。
【0419】
第118項
ログに記録した前記第1の活動とログに記録した前記第2の活動が互いに関連している、第105項に記載のシステム。
【符号の説明】
【0420】
100 システム
102、710 通信リンク
104 センサ制御モジュールのメッセージ送受信チャネル
106 遠隔管理モジュールのメッセージ送受信チャネル
200 受信デバイス
202 受信デバイスのディスプレイ
204 受信デバイスの入力コンポーネント
206 受信デバイスのプロセッサ
208 受信デバイスのメモリ
210 受信デバイスの通信回路
212 受信デバイスのアンテナ
214 受信デバイスの電源
300 センサアセンブリ
302 センサアセンブリのセンサ、グルコースセンサ
304 センサアセンブリのセンサ電子部品
306 センサアセンブリの特定用途向け集積回路(ASIC)
308 センサアセンブリのアナログフロントエンド(AFE)
310 センサアセンブリの電源管理(制御)回路
312 センサアセンブリのプロセッサ
314 センサアセンブリの通信回路
316 センサアセンブリのメモリ
318 センサアセンブリの電源
320 センサアセンブリのアンテナ
400 ソフトウェアライブラリ
420、422、424、426 アプリケーション
428 サードパーティアプリケーション
450 モジュール間インタフェース
500 センサ制御モジュール
510 センサ制御モジュールのユーザインタフェース
520 センサ制御モジュールインタフェース
530 データベース
532 データベースマネージャ
540 通信制御モジュール
600 遠隔管理モジュール
610 遠隔管理モジュールのユーザインタフェース
620 遠隔管理モジュールインタフェース
630 遠隔制御モジュール
640 遠隔サーバ
700 遠隔クラウド
2100 被検物質監視システム
2102 センサ制御デバイス
2104 インビボ被検物質センサ
2105 粘着パッチ
2120 読取デバイス
2121 読取デバイスの入力コンポーネント
2122 読取デバイスのディスプレイ
2123 読取デバイスの電源ポート
2140、2141、2142、2143、2144 通信路
2150 センサアプリケータ
2160 センサ制御デバイスのセンサ電子部品
2161 半導体チップ(ASIC)
2162 半導体チップ(AFE)
2163、2165 センサ制御デバイスのメモリ
2164 センサ制御デバイスの電源管理(制御)回路
2166 センサ制御デバイスのプロセッサ
2168 センサ制御デバイスの通信回路
2170 ローカルコンピュータシステム
2171 センサ制御デバイスのアンテナ
2172 センサ制御デバイスの電源
2174 半導体チップ
2180 高信頼性コンピュータシステム
2190 ネットワーク
2206 読取デバイスの処理コア
2222 読取デバイスの通信プロセッサ
2223、2225、2230 読取デバイスのメモリ
2224 アプリケーションプロセッサ
2226 読取デバイスの電源
2228 読取デバイスのRF送受信機
2229、2234 読取デバイスのアンテナ
2232 読取デバイスの多機能送受信器
2238 読取デバイスの電源管理モジュール
【国際調査報告】