(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-12
(54)【発明の名称】医療映像分析支援システムおよび医療映像分析結果提供方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/46 20240101AFI20250204BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20250204BHJP
G16H 30/40 20180101ALI20250204BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20250204BHJP
【FI】
A61B6/46 536A
A61B6/03 560J
G16H30/40
G16H50/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545008
(86)(22)【出願日】2023-01-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2023001351
(87)【国際公開番号】W WO2023146368
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0013399
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524281149
【氏名又は名称】モニター コーポレーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MONITOR CORPORATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C-02, 6F, 172, Dolma-ro, Bundang-gu, Seongnam-si Gyeonggi-do 13605 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オ ドンユル
(72)【発明者】
【氏名】パク ジェヒョン
【テーマコード(参考)】
4C093
5L099
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA18
4C093DA03
4C093FF17
4C093FF42
4C093FF45
4C093FG13
4C093FH07
5L099AA04
5L099AA26
(57)【要約】
本発明の実施形態による医療映像分析支援システムは、患者の身体が撮影された複数の医療映像画像を含む医療映像情報を読影して前記複数の医療映像画像から病変の存在を推定し、推定された前記病変の位置および情報を検出する病変読影部と、前記複数の医療映像画像のうち、前記病変が存在する医療映像画像および前記複数の医療映像画像に基づいて前記病変が表現されるように生成された医療映像画像のうち少なくとも1つを含むスカウト画像上に前記病変に関するマーキングを表示した読影情報を生成する読影情報生成部と、を備え、前記マーキングは、前記スカウト画像で前記病変の位置に対応するように表示され、前記病変のタイプに応じて異なるダイヤグラムに表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体が撮影された複数の医療映像画像を含む医療映像情報を読影して前記複数の医療映像画像から病変の存在を推定し、推定された前記病変の位置および情報を検出する病変読影部と、
前記複数の医療映像画像のうち、前記病変が存在する医療映像画像および前記複数の医療映像画像に基づいて前記病変が表現されるように生成された医療映像画像のうち少なくとも1つを含むスカウト画像上に前記病変に関するマーキングを表示した読影情報を生成する読影情報生成部と、を備え、
前記マーキングは、前記スカウト画像で前記病変の位置に対応するように表示され、前記病変のタイプに応じて異なるダイヤグラムに表示される、医療映像分析支援システム。
【請求項2】
前記ダイヤグラムの大きさは、前記病変の大きさと関連するように表示される、請求項1に記載の医療映像分析支援システム。
【請求項3】
前記病変のタイプは、非固形結節(non-solid nodule)、部分固形結節(part-solid nodule)、固形結節(solid nodule)を含み、
前記ダイヤグラムは、前記病変のタイプに応じて点線、実線、二重実線で表示される、請求項1に記載の医療映像分析支援システム。
【請求項4】
前記医療映像情報および前記読影情報は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式のデータを含み、
前記読影情報生成部は、前記読影情報のDICOMヘッダ情報のうち画像位置患者の座標情報を、前記病変が存在する前記医療映像画像のDICOMヘッダ情報のうち画像位置患者の座標情報と、前記病変が存在する前記医療映像画像内で前記病変の位置情報に基づいて決定する、請求項1に記載の医療映像分析支援システム。
【請求項5】
前記読影情報生成部は、前記病変が存在する前記医療映像画像のDICOMヘッダ情報のうち画素間隔情報と、前記画像位置患者の座標情報に対応する基準点と前記病変との間の画素数に基づいて前記病変の位置情報を決定する、請求項4に記載の医療映像分析支援システム。
【請求項6】
患者の身体が撮影された複数の医療映像画像を含む医療映像情報を読影して前記複数の医療映像画像から病変の存在を推定し、推定された前記病変の位置および情報を検出し、
前記複数の医療映像画像のうち、前記病変が存在する医療映像画像および前記複数の医療映像画像に基づいて前記病変が表現されるように生成された医療映像画像のうち少なくとも1つを含むスカウト画像上に前記病変に関するマーキングを表示した読影情報を生成し、
前記マーキングは、前記スカウト画像で前記病変の位置に対応するように表示され、前記病変のタイプに応じて異なるダイヤグラムに表示される、医療映像分析結果提供方法。
【請求項7】
前記ダイヤグラムの大きさは、前記病変の大きさと関連するように表示される、請求項6に記載の医療映像分析結果提供方法。
【請求項8】
前記病変のタイプは、非固形結節(non-solid nodule)、部分固形結節(part-solid nodule)、固形結節(solid nodule)を含み、
前記ダイヤグラムは、前記病変のタイプに応じて点線、実線、二重実線で表示される、請求項6に記載の医療映像分析結果提供方法。
【請求項9】
前記病変が存在する前記医療映像画像のDICOMヘッダ情報のうち画像位置患者の座標情報と、前記病変が存在する前記医療映像画像内で前記病変の位置情報に基づいて前記読影情報のDICOMヘッダ情報のうち画像位置患者の座標情報を決定する、請求項6に記載の医療映像分析結果提供方法。
【請求項10】
前記病変が存在する前記医療映像画像のDICOMヘッダ情報のうち画素間隔情報と、前記画像位置患者の座標情報に対応する基準点と前記病変との間の画素数に基づいて前記病変の位置情報を決定する、請求項9に記載の医療映像分析結果提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療映像分析支援システムおよび医療映像分析結果提供方法に関し、より詳細には、医療映像内の病変診断を支援するための医療映像分析支援システムおよびそれを利用する医療映像分析結果提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの病院では、X-ray、CT、MRI映像などの医療映像を撮影する機器と連携する医学映像情報システム(PACS,Picture Archiving Communications System)を使用している。
【0003】
医学映像情報システムは、撮影された医療映像をデジタル形態で保存し、臨床医のPCに伝送し、臨床医がPCで医療映像を確認し、患者の病変を診断するようにする。
【0004】
特に、CT、MRI映像は300枚の連続的な断層画像で構成されるが、臨床医は300枚の画像を確認して病変を抜け出すことなくチェックし、正確な診断をしなければならない負担を持つようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、使用者がより便利かつ正確に病変を診断できる医療映像分析支援システムおよび医療映像分析結果提供方法を提供することである。
【0006】
本発明の課題は、上記の課題に限定されず、言及されていない他の課題は、以下の説明から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の実施形態による医療映像分析支援システムは、患者の身体が撮影された複数の医療映像画像を含む医療映像情報を読影して前記複数の医療映像画像から病変の存在を推定し、推定された前記病変の位置および情報を検出する病変読影部と、前記複数の医療映像画像のうち、前記病変が存在する医療映像画像および前記複数の医療映像画像に基づいて前記病変が表現されるように生成された医療映像画像のうち少なくとも1つを含むスカウト画像上に前記病変に関するマーキングを表示した読影情報を生成する読影情報生成部と、を備え、前記マーキングは、前記スカウト画像で前記病変の位置に対応するように表示され、前記病変のタイプに応じて異なるダイヤグラムに表示される。
【0008】
上記の課題を解決するための本発明の実施形態による医療映像分析結果提供方法は、患者の身体が撮影された複数の医療映像画像を含む医療映像情報を読影して前記複数の医療映像画像から病変の存在を推定し、推定された前記病変の位置および情報を検出し、前記複数の医療映像画像のうち、前記病変が存在する医療映像画像および前記複数の医療映像画像に基づいて前記病変が表現されるように生成された医療映像画像のうち少なくとも1つを含むスカウト画像上に前記病変に関するマーキングを表示した読影情報を生成し、前記マーキングは、前記スカウト画像で前記病変の位置に対応するように表示され、前記病変のタイプに応じて異なるダイヤグラムに表示される。
【0009】
本発明の他の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、少なくとも次のような効果がある。
【0011】
使用者がより便利かつ正確に病変を診断することができる。
【0012】
本発明による効果は、上記に例示された内容によって限定されず、さらに様々な効果が本明細書に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による医療映像分析支援システムが使用されるシステムを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による医療映像分析結果提供方法を説明するためのフローチャートである。
【
図3】複数の医療映像画像を含む一実施形態による医療映像情報を概略的に示す図である。
【
図4】第1病変が検出された第1医療映像画像を示す図である。
【
図5】第2病変が検出された第2医療映像画像を示す図である。
【
図6】スカウト画像を生成する方法を説明するための図である。
【
図7】第1病変にマーキングが表示された第1スカウト画像を示す図である。
【
図8】第2病変にマーキングが表示された第2スカウト画像を示す図である。
【
図9】複数の病変にそれぞれマーキングが表示されたスカウト画像の例を示す図である。
【
図10】
図2のステップS30を説明するためのフローチャートである。
【
図11】DICOM形式のデータの構成を概略的に示す図である。
【
図12】本発明によるスカウト画像の活用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施形態を参照することによって明らかになるであろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、それぞれ異なる様々な形態で実現することができ、単に本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
【0015】
また、本明細書に記載の実施形態は、本発明の理想的な例示図である断面図および/または概略図を参照して説明される。したがって、製造技術および/または許容誤差などによって例示図の形態を変形することができる。また、本発明に示す各図面において、各構成要素は、説明の便宜を考慮して多少拡大または縮小して示したものであってもよい。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0016】
以下、本発明の実施形態による医療映像分析支援システムおよびこれを用いた医療映像分析結果提供方法を説明するための図面を参照して本発明を説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による医療映像分析支援システムが使用されるシステムを概略的に示す図であり、
図2は、本発明の一実施形態による医療映像分析結果提供方法を説明するためのフローチャートである。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による医療映像分析支援システム1は、PACS(Picture Archiving Communications System、2)と通信可能に接続される。PACSは現在の病院で広く使用されている医療映像情報システムである。
【0019】
本実施形態では、医療映像分析支援システム1が接続される医療映像情報システムの一例としてPACS2を基準に説明するが、本発明の一実施形態による医療映像分析支援システム1は、PACS2以外の他の医療映像情報システムと通信可能に接続して使用することもできる。
【0020】
医療映像分析支援システム1は、病院外部の遠隔地に存在することができ、この場合、PACS2と有無線の遠隔通信網を介して通信可能に接続することができる。例えば、医療映像分析支援システム1とPACS2とは、インターネットなどの広域ネットワークを介して接続することができる。
【0021】
あるいは、医療映像分析支援システム1は、PACS2を運用する病院内に位置することができる。この場合、医療映像分析支援システム1は、病院内の有無線通信網を介してPACS2と通信可能に接続することができる。
【0022】
また、医療映像分析支援システム1は、入力装置と画面を有する端末と通信可能に接続することができる。端末は、デスクトップ、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンなどの電子装置であり得る。
【0023】
医療映像分析支援システム1は、端末に対して遠隔地に存在し、端末と有無線の遠隔通信網を介して通信可能に接続することができる。例えば、医療映像分析支援システム1は、クラウド方式で端末と接続されてサービスを提供することができる。
【0024】
または、医療映像分析支援システム1は、端末にインストールされたソフトウェアで提供することもできる。
【0025】
または、医療映像分析支援システム1の一部の構成は端末にインストールされたソフトウェアで提供され、他の一部の構成は遠隔地に設けられ、端末と有無線の遠隔通信網を介して通信可能に接続することもできる。
【0026】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による医療映像分析支援システム1は、医療映像情報受信部10、病変読影部20、読影情報生成部30および読影情報送信部40を含むことができる。
【0027】
また、
図2を参照すると、本発明の一実施形態による医療映像分析結果提供方法は、医療映像情報を取得するステップS10と、医療映像情報を読影して病変を検出するステップS20と、読影情報を生成するステップS30と、生成された読影情報を送信するステップS40と、を含むことができる。
【0028】
医療映像情報を取得するステップS10において、医療映像情報受信部11は、PACS2からPACS2に保存されているか、またはPACS2と連携した医療映像装置が生成した医療映像情報を受信する。医療映像情報は、現在の一般的に使用されている標準化された医療映像情報であるタイコム(DICOM,Digital Imaging Communication in Medicine)形式のデータであり得る。本実施形態では、患者の身体断面が連続的に撮影された複数の医療映像画像が1つのセットとして構成された、CT(Computer Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの医療映像装置を用いて撮影した医療映像が含まれた医療映像情報に基づいて説明する。
【0029】
医療映像情報を読影して病変を検出するステップS20において、病変読影部20は、医療映像情報受信部10が取得した医療映像情報に含まれる複数の医療映像画像を読影して病変の存在を推定し、推定された病変の映像内の位置情報などを検出する。病変読影部20は、人工知能(AI,artificial intelligence)に基づいて医療映像を読影し、映像内に存在すると推定される病変を検出するように構成することができる。
【0030】
例えば、病変読影部20は、医療映像情報に含まれる複数の医療映像画像(例えば、CT映像)における肺(lung)部位の画像に対してCAD(Computer Aided Detection)アルゴリズムを用いて肺内の結節(nodule)を検出することができる。病変読影部20は、検出された結節の位置、大きさ、体積、タイプ、ハウンスフィールド(hounsfield)、カテゴリーなどを読影することができる。
【0031】
タイプは、非固形結節(non-solid nodule)、部分固形結節(part-solid nodule)、固形結節(solid nodule)、石灰化結節(Calcification nodule)、未分類(unknown)などに区分することができる。カテゴリーは、Lung-RADsに応じて、1、2、3、4A、4Bに分類することができる。カテゴリーは、検出された結節の大きさ、体積、類型(type)、ハウンスフィールド(hounsfield)情報に基づいて分類することができる。
【0032】
図3は、複数の医療映像画像を含む一実施形態による医療映像情報を概略的に示す図である。
【0033】
図3を参照すると、医療映像情報100は複数の医療映像画像101を含むことができる。例えば、医療映像情報100は360枚の軸方向(axial)スライス画像101を含むことができる。
【0034】
病変読影部20は、各医療映像画像101に対して読影を行い、各医療映像画像101で病変の存在を推定し、推定された病変の位置と情報を検出する。
【0035】
説明の便宜上、以下では、病変読影部20が2つの医療映像画像102、103で病変の存在を推定した場合を基準として説明する。
【0036】
図4は第1病変が検出された第1医療映像画像を示す図であり、
図5は第2病変が検出された第2医療映像画像を示す図である。
【0037】
図3を参照すると、各医療映像画像101の各画素は、3軸座標(x,y,z)で表すことができる。
【0038】
図4を参照すると、第1医療映像画像102で発見された第1病変N
1は(X
1,Y
1,Z
1)の座標上に位置する。第1医療映像画像102の全ての画素のz軸座標はZ
1と同じである。
【0039】
図5を参照すると、第2医療映像画像103で発見された第2病変N
2は(X
2,Y
2,Z
2)の座標上に位置する。第2医療映像画像103の全ての画素のz軸座標はZ
2と同じである。
【0040】
病変読影部20は、第1病変N1と第2病変N2の位置情報だけでなく、上述したように、第1病変N1と第2病変N2の大きさ、体積、タイプ、ハウンスフィールド(hounsfield)、カテゴリーなどを読影することができる。
【0041】
読影情報を生成するステップS30において、読影情報生成部30は、病変読影部20によって検出された病変に関する情報を用いて読影情報を生成する。
【0042】
読影情報生成部30は、読影情報としてスカウト画像を生成することができる。
【0043】
図6はスカウト画像を生成する方法を説明するための図であり、
図7は第1病変にマーキングが表示された第1スカウト画像を示す図であり、
図8は第2病変にマーキングが表示された第2スカウト画像を示す図である。
【0044】
図3~
図6を参照すると、第1病変N
1は第1のY平面201上に位置し、第2病変N
2は第2のY平面202上に位置する。
【0045】
読影情報生成部30は、第1病変N
1が表現されたスカウト画像として、第1病変N
1が表現されたコロナル(coronal)画像を生成することができる。この場合、読影情報生成部30は、複数の医療映像画像101において、y軸座標値が第1病変N
1のy軸座標(Y
-1)と同じ画素の画像を組み合わせて、
図7に示すように、第1病変N
1が表現されたコロナル画像を第1スカウト画像300として生成することができる。
【0046】
また、読影情報生成部30は、第2病変N2が表現されたスカウト画像として、第2病変N2が表現されたコロナル画像を生成することができる。この場合、読影情報生成部30は、複数の医療映像画像101において、y軸座標値が第2病変N2のy軸座標(Y-2)と同じ画素の画像を組み合わせて、図面に示すように、第2病変N2が表現されたコロナル画像を第2スカウト画像400として生成することができる。
【0047】
読影情報生成部30がスカウト画像として矢状(sagittal)画像を生成する場合、読影情報生成部30は、複数の医療映像画像101において、x軸座標値が当該病変のx軸座標と同じ画素の画像を組み合わせて矢状画像をスカウト画像として生成することができる。
【0048】
または、読影情報生成部30がスカウト画像として軸方向画像を用いる場合、読影情報生成部30は、スカウト画像を新たに生成せず、医療映像画像101をスカウト画像として用いることができる。
【0049】
一方、
図7を参照すると、読影情報生成部30は、第1スカウト画像300上に第1病変N
1に対する第1マーキング301を表示して読影情報を生成することができる。また、
図8を参照すると、読影情報生成部30は、第2スカウト画像400上に第2病変N
2に対する第2マーキング401を表示して読影情報を生成することができる。
【0050】
図7および
図8に示すように、マーキング301、401は、スカウト画像で病変の位置に対応するように表示することができる。例えば、マーキング301、401は、スカウト画像で病変の位置と重なるように表示されたり、病変の位置を示すように表示されたり、病変の少なくとも一部を囲むように表示されたりすることができる。
【0051】
読影情報生成部30は、病変のタイプに応じてマーキング301、401を異なるダイヤグラムで表示して、スカウト画像を確認する使用者がマーキングを確認することだけでマーキングが表示された病変のタイプを容易に認識できるようにすることができる。
【0052】
例えば、病変が結節(nodule)である場合、結節は非固形結節(non-solid nodule)、部分固形結節(part-solid nodule)、固形結節(solid nodule)、石灰化結節(Calcification nodule)、未分類(unknown)などのタイプに分類することができる。
【0053】
読影情報生成部30は、例えば、非固形結節(non-solid nodule)に対するマーキングは点線ダイヤグラム、部分固形結節(part-solid nodule)に対するマーキングは実線ダイヤグラム、固形結節(solid nodule)に対するマーキングは二重実線ダイヤグラム、石灰化結節(Calcification nodule)に対するマーキングは内部が満たされたダイヤグラム、未分類(unknown)はX形状のダイヤグラムで示すことができる
【0054】
(
図9参照)。マーキングは、線の種類だけでなく、線の太さ、線の色などの違いを有するダイヤグラムで示すことができる。
【0055】
一方、読影情報生成部30は、ダイヤグラムの大きさを病変の大きさと関連するように表示してもよい。すなわち、読影情報生成部30は、病変の大きさが大きいほどマーキングが大きいダイヤグラムで表示されるようにしてもよい。したがって、スカウト画像を確認する使用者は、マーキングを確認することだけでマーキングが表示された病変の絶対サイズまたは相対サイズを容易に認識することができる。
【0056】
一方、読影情報生成部30は、
図7および
図8に示すように、各スカウト画像300、400には異なるY平面上に位置する病変に関するマーキング302、303、402、403が共に表示されてもよい。この場合、スカウト画像300、400と同一平面上に位置する病変に関するマーキング301、401は、スカウト画像300、400とは異なる平面上に位置する病変に関するマーキング302、303、402、403と区別されるように表示することができる。例えば、スカウト画像300、400と同一平面上に位置する病変に関するマーキング301、401は、スカウト画像300、400とは異なる平面上に位置する病変に関するマーキング302、303、402、403よりも濃いか、または太く、または異なる色で表示することができる。
【0057】
図9は、複数の病変にそれぞれマーキングが表示されたスカウト画像の例を示す図である。
【0058】
図9を参照すると、読影情報生成部30は、医療映像情報100内で読影された全ての病変に関するマーキング501、502、503、504、505、506が1つのスカウト画像500上に表示された読影情報を生成することもできる。
【0059】
生成された読影情報を送信するステップS40において、読影情報送信部40はステップS30を通じて生成された読影情報をPACS2に送信することができる。
【0060】
読影情報送信部40がPACS2に伝送する読影情報はダイコム(DICOM)形式のデータであってもよい。したがって、読影情報を受信した病院では、PACS2を用いて読影情報に含まれたスカウト画像とマーキングなどを確認することができる。
【0061】
読影情報は、
図7および
図8のように、病変ごとに生成されマーキングが表示されたスカウト画像と、全ての病変に関するマーキングが表示された1つのスカウト画像のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0062】
図10は、
図2のステップS30を説明するためのフローチャートである。
【0063】
図10を参照すると、読影情報を生成するステップS30は、スカウト画像上に病変に関するマーキングを表示するステップS31と、病変の座標情報を決定するステップS32と、読影情報のヘッダ情報を決定するステップS33と、を含むことができる。
【0064】
スカウト画像上に病変に関するマーキングを表示するステップS31は、
図6~
図8を参照して既に説明したので、これについてのさらなる説明は省略する。
【0065】
本発明の一実施形態による医療映像分析支援システムおよび医療映像分析結果提供方法は、実施形態によりステップS32およびステップS33をさらに含むことができる。
【0066】
病変の座標情報を決定するステップS32において、読影情報生成部30は検出された病変の座標情報を演算する。
【0067】
図11は、DICOM形式のデータの構成を概略的に示す図である。
【0068】
DICOM形式の医療映像情報100を構成する複数のスライス映像情報110は、DICOMヘッダ情報111とDICOM画像情報112とを含む。DICOM画像情報112は、上述したスライス画像101を構成するための情報を含んでいる。
【0069】
DICOMヘッダ情報111には、DICOM画像情報112に関する各種情報が記録される。例えば、DICOMヘッダ情報111は、患者情報、撮影機器情報、画像位置患者(Image Position Patient)情報111a、画素間隔(Pixel Spacing)情報111bなどを含む。
【0070】
ステップS32において、読影情報生成部30は、画像位置患者情報111aと画素間隔情報111bとを用いて検出された病変の座標情報を演算する。
【0071】
図4を参照して、ステップS32についてより具体的に説明する。
【0072】
読影情報生成部30は、第1病変N1が検出された第1医療映像画像102のDICOMヘッダ情報111から画像位置患者情報111a、画素間隔情報111bを確認することができる。
【0073】
X
1は、第1医療映像画像102の左上隅角点からx方向(
図3参照)で第1病変N
1が検出された画素までの画素数を意味する。
【0074】
Y
1は、第1医療映像画像102の左上隅角点からy方向(
図3参照)で第1病変N
1が検出された画素までの画素数を意味する。
【0075】
画素間隔情報111bは、画素間の間隔に関する情報を意味する。
【0076】
画像位置患者情報111aは第1医療映像画像102の基準座標に関する情報を含む。
図3を参照すると、医療映像情報100は、複数の軸方向医療映像画像101を含み、各軸方向医療映像画像101の画像位置患者情報111aはx座標とy座標が同じであり、z座標のみが異なる。
【0077】
画像位置患者情報111aが指示する座標は、各医療映像画像101の左上隅角点または各医療映像画像101の中央点であってもよい。
【0078】
読影情報生成部30は、以下のような数学式を用いて第1病変N1の座標情報を演算することができる。
【0079】
Xreal=u+Sx・X1
Yreal=v+Sy・Y1
【0080】
画像位置患者情報111aが指示する座標は(u,v,w)であり、Sxは画素間隔情報111bのうちx軸画素間隔であり、Syは画素間隔情報111bのうちy軸画素間隔である。
【0081】
Xrealは第1病変N1の実際のx座標を意味し、Yrealは第1病変N1の実際のy座標を意味する。
【0082】
第1病変N1の実際のz座標はwと同じである。
【0083】
読影情報生成部30は第1病変N1の座標情報として(Xreal,Yreal,w)を生成することができる。
【0084】
読影情報のヘッダ情報を決定するステップS33において、読影情報生成部30は、スカウト画像に対するDICOMヘッダ情報から画像位置患者情報を、ステップS32で演算した病変の座標情報として決定する。
【0085】
すなわち、読影情報生成部30は、第1病変N1に対するスカウト画像を含む読影情報のDICOMヘッダ情報から画像位置患者情報を、(Xreal,Yreal,w)を指示するように決定することができる。
【0086】
または、読影情報生成部30は、第1病変N1に対するスカウト画像を含む読影情報のDICOMヘッダ情報から画像位置患者情報を、(u,Yreal,w)を指示するように決定することができる。
【0087】
生成された読影情報を送信するステップS40において、読影情報送信部40は、ステップS31~S32を通じて生成された読影情報をPACS2に伝送することができる。
【0088】
図12は、本発明によるスカウト画像の活用方法を説明するための図である。
図12は、PACSを用いてDICOM形態の医療映像情報を確認するソフトウェアの実行画面を概略的に示す図である。
【0089】
図12を参照すると、画面の一側にはツール領域Aが表示され、画面の中央部にはスカウト画像領域Bが表示され、画面の他側には医療映像画像領域Cが表示されることができる。説明の便宜のために3分割で構成された画面構成を示したが、画面構成は様々に変形することができる。例えば、ツール領域A、スカウト画像領域B、医療映像画像領域Cのうち少なくとも一部の順序が変更されたり、3つの領域(A、B、C)のうち少なくとも一部が追加的な情報や画像を表示するためにさらに分割されたりしてもよい。
【0090】
スカウト画像などを含む読影情報を、ソフトウェアを実行して開くと、
図12に示すように、スカウト画像領域Bに病変の位置にマーキング301が表示されたスカウト画像が表示される。
【0091】
DICOM形態の医療映像情報を確認するソフトウェアのツールのうち、3DカーソルA1を用いてマーキング301または病変をクリックすると、医療映像画像領域Cに当該病変が位置した医療映像画像が表示される。医療映像画像は、医療映像情報100内に含まれる原本医療映像画像であり、マーキングなどが表示されていない画像であってもよい。
【0092】
ソフトウェアは、3Dカーソルによってクリックされたスカウト画像内の座標を使用して、対応する医療映像画像が医療映像画像領域Cに表示されるようにする。
【0093】
しかし、
図12に示すように、スカウト画像がコロナル画像である場合、3DカーソルA1を用いてマーキング301または病変をクリックしても、マーキング301または病変のx座標とz座標は特定できるが、y座標は特定できない。
【0094】
したがって、ステップS32およびS33を行っていない読影情報のスカウト画像で3DカーソルA1を用いてマーキング301または病変をクリックしても、クリックされたx座標とz座標を用いて医療映像画像領域Cに表示される軸方向医療映像画像を特定することはできるが、軸方向医療映像画像内で病変N1の位置を特定することはできない。したがって、使用者は軸方向医療映像画像内で病変N1の位置を再び探す必要がある。
【0095】
しかし、ステップS32およびS33によって、DICOMヘッダ情報において画像位置患者情報が(Xreal,Yreal,w)を指示する読影情報の場合、スカウト画像において3DカーソルA1を用いてクリックされたx座標とz座標と、画像位置患者情報が(Xreal,Yreal,w)を用いて医療映像画像領域Cに表示される軸方向医療映像画像を特定すると同時に、軸方向医療映像画像内で病変N1の位置を(Xclick,Yreal,Zclick)または(Xreal,Yreal,Zclick)として特定することができる。Xclickは3DカーソルA1を利用してクリックされたx座標を意味し、Zclickは3DカーソルA1を利用してクリックされたx座標を意味する。
【0096】
図12を参照すると、医療映像画像領域C内には、X
clickまたはX
real値と対応する垂直線と、Y
real値と対応する水平線が表示されることができ、垂直線と水平線の交差点は病変N
1の位置になるので、使用者は医療映像画像内で病変N
1を容易に確認することができる。
【0097】
または、医療映像画像領域C内には、XclickまたはXreal値に対応する垂直線とYreal値に対応する水平線のうちいずれか一方のみが表示されてもよい。この場合にも、使用者が医療映像画像内で垂直線または水平線上で病変N1を見つけることができるので、より容易に医療映像画像内で病変N1を容易に確認することができる。
【0098】
または、ステップS32およびS33によって、DICOMヘッダ情報において画像位置患者情報が(u,Yreal,w)を指示する読影情報の場合、スカウト画像において3DカーソルA1を利用してクリックされたx座標とz座標と、画像位置患者情報が(u,Yreal,w)を利用して医療映像画像領域Cに表示される軸方向医療映像画像を特定すると同時に、軸方向医療映像画像内で病変の位置を(Xclick,Yreal,Zclick)として特定することができる。
【0099】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることが理解されるであろう。したがって、上記で説明した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。本発明の範囲は、上記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、ならびにその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【国際調査報告】