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特表2025-5046843次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム
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  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図1
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図2
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図3
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図4
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図5A
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図5B
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図6
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図7
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図8
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図9A
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図9B
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図10
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図11
  • 特表-3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-14
(54)【発明の名称】3次元画像位置合わせを介した、単一粒子の向上された干渉検出および特性評価のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/483 20060101AFI20250206BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20250206BHJP
   G06T 7/33 20170101ALI20250206BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250206BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20250206BHJP
【FI】
G01N33/483 C
G06T7/60 110
G06T7/33
G06T7/00 630
G06T7/70 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545157
(86)(22)【出願日】2023-01-27
(85)【翻訳文提出日】2024-09-25
(86)【国際出願番号】 US2023061490
(87)【国際公開番号】W WO2023147499
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/303,888
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/345,200
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524282928
【氏名又は名称】アンチェインド ラブズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン, デイビッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】ダーブール, ジョージ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】シェル, スティーブン エム.
(72)【発明者】
【氏名】スード, チェタン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, リーフ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン, デニス アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】アクヒャル, ムブタシム
(72)【発明者】
【氏名】リスゴー, グレッグ
【テーマコード(参考)】
2G045
5L096
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045CB01
2G045FA11
2G045FA16
2G045FB12
2G045JA01
2G045JA02
2G045JA03
5L096AA06
5L096BA13
5L096CA04
5L096EA03
5L096EA14
5L096EA15
5L096EA16
5L096FA12
5L096FA25
5L096FA32
5L096FA52
5L096FA60
5L096FA62
5L096FA64
(57)【要約】
本明細書に提示されるものは、基板の表面に結合された標的粒子の画像を分析するためのシステムおよび方法である。ある実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、小粒子の干渉画像から背景ノイズを除去し、個々の粒子の検出および/または特性評価の増加された正確度を可能にする技法を利用する。そのような技法は、本明細書に説明されるように、約100nmを下回るサイズ(例えば、約50nmを下回る、例えば、最低20nm)を有する個々の粒子が、画像内で正確に検出され、とりわけ、それらの特徴的サイズが、例えば、それらのコントラストを利用して測定されることを可能にし得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元(3D)画像位置合わせおよび背景補正を介して干渉画像内の背景を低減させるための方法であって、前記方法は、
(a)コンピューティングデバイスのプロセッサが、センサチップ表面の第1の領域の複数の画像を含む前走査スタックを受信することであって、前記前走査スタックの前記複数の画像は、前記センサチップ表面と1つ以上の標的粒子を含むサンプルとを接触させることに先立って取得されており、前記前走査スタックの各画像は、撮像システムの対物レンズから異なる軸方向距離において撮影された前記センサチップ表面の第1の領域の画像に対応する、ことと、
(b)前記プロセッサが、前記センサチップ表面の第2の領域(例えば、前記第1の領域と実質的に重複する第2の領域)の複数の画像を含む後走査スタックを受信することであって、前記後走査スタックの前記複数の画像は、前記センサチップ表面と前記サンプルとを接触させた後に取得されており、前記後走査スタックの各画像は、前記撮像システムの対物レンズから異なる軸方向距離において撮影された前記センサチップ表面の前記第2の領域の画像に対応する、ことと、
(c)前記プロセッサが、前記前走査スタックに関する前走査焦点面位置を決定し、前記前走査焦点面位置を使用して、前記前走査スタックから集束した前走査画像を取得することと、
(d)前記プロセッサが、前記後走査スタックに関する後走査焦点面位置を決定し、前記後走査焦点面位置を使用して、前記後走査スタックから集束した後走査画像を取得することと、
(e)前記プロセッサが、前記集束した前走査画像と前記集束した後走査画像とを位置合わせすることと、
(f)ステップ(e)に続いて、前記プロセッサが、相互と位置合わせされている前記集束した前走査画像および前記集束した後走査画像を使用して、低減された背景、1つ以上の最終的な粒子画像を生成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記前走査スタック内で撮像された前記センサチップ表面の前記第1の領域は、前記前走査スタックの複数の前走査画像の少なくとも一部のそれぞれが1つ以上の基準粒子特徴を含むように、複数の基準粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(c)は、
前記前走査スタックの前記複数の画像の少なくとも一部のそれぞれの中で、個々の基準粒子に対応する1つ以上の基準粒子特徴のセットを検出することと、
前記前走査スタックの前記複数の画像内で、前記基準粒子特徴のセットを使用して、前記前走査焦点面位置を決定することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
(A)前記前走査スタックの複数の画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、前記画像に関する前記検出された基準粒子特徴の検出されたセットを使用して、1つ以上の焦点メトリックを決定することであって、前記1つ以上の焦点メトリックを決定することは、
(i)前記複数の前走査画像の前記一部のそれぞれ内の基準粒子特徴の数を決定することと、
(ii)前記複数の前走査画像の前記一部のそれぞれに関して、基準粒子コントラストの尺度を決定することと、
(iii)前記複数の前走査画像の前記一部のそれぞれに関して、基準粒子サイズの尺度を決定することと、
のうちの1つ以上を含む、ことと、
(B)前記1つ以上の焦点メトリックを使用して、前記前走査焦点面位置を決定することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記後走査スタック内で撮像された前記センサチップ表面の前記第2の領域は、前記後走査スタックの前記複数の画像の少なくとも一部のそれぞれが1つ以上の基準粒子特徴を含むように、複数の基準粒子を含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(d)は、
前記後走査スタックの前記複数の画像の少なくとも一部のそれぞれの中で、個々の基準粒子に対応する1つ以上の基準粒子特徴のセットを検出することと、
前記後走査スタックの前記複数の画像内で、前記基準粒子特徴のセットを使用して、前記後走査焦点面位置を決定することと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
(A)前記後走査スタックの複数の画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、前記画像に関する前記検出された基準粒子特徴の検出されたセットを使用して、1つ以上の焦点メトリックを決定することであって、前記1つ以上の焦点メトリックを決定することは、
(i)前記複数の前走査画像の前記一部のそれぞれ内の基準粒子特徴の数を決定することと、
(ii)前記複数の前走査画像の前記一部のそれぞれに関して、基準粒子コントラストの尺度を決定することと、
(iii)前記複数の前走査画像の前記一部のそれぞれに関して、基準粒子サイズの尺度を決定することと
のうちの1つ以上を含む、ことと、
(B)前記1つ以上の焦点メトリックを使用して、前記後走査焦点面位置を決定することと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基準粒子は、ポリスチレンビーズと、シリカビーズと、ラテックスビーズと、硫酸ポリスチレンビーズとから成るグループから選択される1つ以上の構成要素を含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準粒子は、約2.5ミクロン以下の直径を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサチップ表面の前記第1の領域および前記第2の領域のうちの少なくとも一方は、スポットを含み、前記スポットは、前記標的粒子に結合する1つ以上の標的結合剤を含む、請求項2~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記基準粒子は、前記基準粒子の表面において、1つ以上の分子を含み、前記スポットの1つ以上の標的結合剤も、前記基準粒子の前記表面に結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スポットは、前記基準粒子に結合する1つ以上の基準結合剤も含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記スポット内の基準粒子の数は、粒子約25個~約100個の範囲に及ぶ、請求項10~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(e)は、前記集束した前走査画像内の検出された基準粒子特徴のセットおよび前記集束した後走査画像内の検出された基準粒子特徴のセットを使用して、前記集束した前走査画像および前記集束した後走査画像を相互と位置合わせすることを含む、請求項2~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記センサチップ表面は、基点マーカを備え、ステップ(e)は、前記画像位置合わせのために前記基点マーカを使用することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(c)は、前記前走査スタックの前記複数の画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、背景強度変動の尺度を決定することと、前記背景強度変動の前記尺度を使用して、前記前走査焦点面位置を決定することとを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(d)は、前記後走査スタックの前記複数の画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、背景強度変動の尺度を決定することと、前記背景強度変動の前記尺度を使用して、前記後走査焦点面位置を決定することとを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(f)は、前記集束した後走査画像から前記集束した前走査画像を減算することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記プロセッサが、前記1つ以上の最終的な粒子画像の少なくとも一部内で、それぞれが個々の標的粒子に対応する1つ以上の標的粒子特徴を検出することと、前記検出された1つ以上の標的粒子を使用して、前記センサチップ表面に結合された個々の標的粒子の数を枚挙および/または特性評価することとをさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記プロセッサが、前記センサチップ表面の第3の領域の蛍光画像を受信する、および/または前記蛍光画像にアクセスすることであって、前記第3の領域は、前記第2の領域と実質的に重複する、ことと、前記蛍光画像および前記1つ以上の最終的な粒子画像の少なくとも一部を使用して、特定のバイオマーカを含む標的粒子の母集団を定量化および/または特性評価することとをさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記標的粒子のサイズは、約20nm~約50nmである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記標的粒子は、細胞外小胞を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記標的粒子は、ウイルスまたはウイルス様粒子を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記ウイルスは、レンチウイルスまたはアデノ随伴ウイルス(AAV)である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記標的粒子は、脂質ナノ粒子を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、
前記センサチップ表面と前記サンプルとを接触させることに先立って、前記撮像システムの対物レンズから複数の異なる軸方向距離において、前記撮像システムを使用して、前記センサチップ表面を撮像し、それによって、前記前走査スタックの複数の画像を取得することと、
前記センサチップ表面と前記サンプルとを接触させ、それによって、前記センサ表面において前記サンプル中の前記標的粒子の少なくとも一部を捕捉することと、
前記撮像システムを使用して、前記撮像システムの対物レンズから複数の異なる軸方向距離において、その上で捕捉された前記標的粒子の一部とともに、前記センサチップ表面を撮像し、それによって、前記後走査スタックの複数の画像を取得することと
を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記センサチップ表面は、ベース基板上の薄い部分的に透明な層の上部表面である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記センサチップ表面は、1つ以上の基点マーカを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記基点マーカの複数の画像を使用して、1つ以上の焦点メトリックを算出することによって、前記前走査焦点面位置または前記後走査焦点面位置を決定することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記基点マーカの複数の画像を使用して、
前記集束した前走査画像内の1つ以上の基点マーカのそれぞれに関して、前記基点マーカを位置特定する座標のセットを識別し、それによって、前記集束した前走査画像内の基点座標の第1のセットを識別することと、
前記集束した後走査画像内の1つ以上の基点マーカのそれぞれに関して、前記基点マーカを位置特定する座標のセットを識別し、それによって、前記集束した後走査画像内の基点座標の第2のセットを識別することと、
前記基点マーカの第1のセットおよび前記基点マーカの第2のセットを使用して、面内偏移を決定することと
によって、前記集束した前走査画像と前記集束した後走査画像とを位置合わせすることを含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ステップ(e)は、
前記集束した前走査画像内の前走査背景領域を識別することと、
前記集束した後走査画像内の後走査背景領域を識別することと、
前記前走査背景領域および前記後走査背景領域を使用して、微細な面内偏移または微細な面内回転のうちの少なくとも一方を決定することと
を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、
前記後走査画像に対して、変動された2D面内偏移および回転を前記前走査画像に適用することと、
後走査背景領域から前走査背景領域を減算し、それによって、減算された画像を取得することと、
前記減算された画像を使用して、変動の尺度を算出することと、
変動の尺度を最小限にする偏移または回転であるような2D偏移および回転を決定することと
を繰り返し行うことを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、
第1の前走査背景領域および第1の後走査背景領域を識別し、前記第1の前走査背景領域および前記第1の後走査背景領域を使用して、微細な面内偏移を決定することと、
第2の前走査背景領域および第2の後走査背景領域を識別し、前記第2の前走査背景領域および前記第2の後走査背景領域を使用して、微細な面内回転を決定することと
を含む、請求項31または請求項32に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(f)は、
前記前走査スタックの前記撮像された第1の領域および前記後走査スタックの前記撮像された第2の領域を複数の部分領域に分割することと、
前記複数の部分領域のそれぞれに関して、最適な前走査画像と最適な後走査画像とを備える対応する最適な画像対を決定することにより、面外傾斜を考慮することと
を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の部分領域のそれぞれの特定の部分領域に関して、前記対応する最適な画像対を決定することは、
各検査画像対が、前記前走査スタックから選択された前走査画像と前記後走査スタックから選択された後走査画像とを備える検査画像対を繰り返し取得し、画像対に関して、特定の部分領域内の前記前走査画像と前記後走査画像との間の背景変動の尺度を算出することと、
前記背景変動の算出された尺度に基づいて、前記特定のものに関する前記最適な画像対を選択することと
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(f)は、それぞれの特定の部分領域に関して、前記対応する最適な画像対を使用して、前記特定の部分領域のための対応する最終的な部分領域画像を生成することを含む、請求項34または請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記方法は、前記干渉画像に対する倍率変化を補償することをさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記干渉画像は、液体媒体中で撮影される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
システムであって、前記システムは、
コンピューティングデバイスのプロセッサと、
メモリと
を備え、前記メモリは、前記メモリ上に記憶される命令を有し、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法を前記プロセッサに実施させる、システム。
【請求項40】
前記システムは、撮像デバイスまたはセンサチップをさらに備える、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記センサチップ表面は、ベース基板上の薄い部分的に透明な層の上部表面である、請求項40に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、そのそれぞれが参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2022年1月27日に出願された、米国仮出願第63/303,888号、および2022年5月24日に出願された、米国仮出願第63/345,200号の優先権を主張する。
【0002】
本願は、概して、画像を分析するための方法およびシステムに関する。ある実施形態では、画像は、小粒子の干渉散乱ベースの画像である。小粒子は、細胞外小胞、エキソソーム、ウイルス、ウイルス様粒子、または脂質ナノ粒子であり得る。画像内の小粒子の検出は、患者内の疾患を分類、診断、および/または監視するため、または患者のための治療選択肢を選択するために使用され得る。
【背景技術】
【0003】
生物学的標的分子を検出するための能力は、細胞生理学および疾患進行度の両方の我々の理解のため、ならびに疾患の早期かつ迅速な評価および疾患診断等の種々の用途における使用のために必須である。
【0004】
故に、生物学的分子の検出および特性評価、特に、小さい生物学的粒子の改良された検出を提供する、システムおよび方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に説明されるものは、基板の表面上に結合される粒子(例えば、本明細書に説明される小粒子および標的粒子)の画像を分析するためのシステムおよび方法である。ある実施形態では、本システムおよび方法は、粒子の干渉画像から背景ノイズを除去する、技法を利用してもよく、これは、個々の粒子の検出および/または特性評価の正確度を増加させ得る。アフィン変換を含み得る、そのような技法は、約100nmを下回るサイズ(例えば、その中の全ての値と、下位範囲とを含め、約75nmを下回る、約50nmを下回る、約25nmを下回る、最低約20nm)を有する、個々の粒子が、画像内で正確に検出されることを可能にし得る。言い換えると、検出され得る個々の粒子のサイズは、その中の全ての値と、下位範囲とを含め、約20nm~約100nmの範囲に及び得る。例えば、個々の粒子のサイズは、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約85nm、約90nm、約95nm、または約100nmであってもよい。個々の粒子サイズは、例えば、それらのコントラストを利用して測定されてもよい。
【0006】
ある実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、サンプルが、センサがサンプルと接触された後に同一の領域または実質的に同一の領域(例えば、XおよびY方向において約±5ミクロン以内、Z方向において約100nm以内、および/または回転の約±2度以内の領域)の撮影された後走査画像から背景を除去するために、サンプルがセンサ表面と接触される前に、その領域の前走査画像を利用する。このように、背景増減および基板粗度および不完全性のような、変化されていない、後走査画像内の特徴は、除去され、センサ表面において捕捉されている、サンプル内の標的粒子を表す、着目特徴のみが、残され得る。画像は、干渉バイオセンサ、例えば、SP-IRIS(単一粒子干渉反射率撮像センサ)を含む、撮像システムを使用して撮影されてもよい。
【0007】
センサ表面上に設置され、撮像され得る、サンプルの実施例は、限定ではないが、細胞、微生物、溶解細胞、細胞抽出物、核抽出物、細胞または微生物の成分、細胞外流体、その中で細胞が培養される、培地、血液、血漿、血清、胃腸分泌物、組織または腫瘍のホモジネート、関節液、便、唾液、痰、嚢胞液、羊水、脳脊髄液、腹水、肺洗浄液、精液、リンパ液、涙、および前立腺液を含む。加えて、サンプルは、ウイルスまたは細菌サンプル、汚濁された水域等の環境源から取得されたサンプル、空気サンプル、または土壌サンプル、ならびに食品産業サンプルであってもよい。撮像によって検出され得る標的粒子は、限定ではないが、細胞外小胞、エキソソーム、ウイルス、ウイルス様粒子、または脂質ナノ粒子を含む。
【0008】
ある実施形態では、本開示のアプローチは、前走査画像が後走査画像と正確に位置合わせされることを可能にし得る、3次元位置合わせアプローチを利用する。本アプローチは、(例えば、センサ表面に対して平行な)横方向平面内での平行移動、回転等を考慮するだけではなく、(例えば、センサ表面と撮像システムの対物レンズとの間の)異なる軸方向距離において収集された画像のスタックも活用し、前走査焦点面および後走査焦点面を正確に識別し、合致させる。ある実施形態では、基準粒子が、センサ表面を中心として配置され、画像内で検出され得る特徴を提供し、軸方向位置が、変動され、焦点面を識別するために使用される。
【0009】
このように、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、そうでなければ干渉散乱画像内のナノスケール粒子(例えば、50nmを下回るサイズを有する粒子)を検出するための能力を低減させるであろう、背景特徴を除去し、それによって、撮像アプリケーションのためのドアを、50nmまたはそれを下回るサイズを有する細胞外小胞等(例えば、エクソメアおよびスーパーメア)、遺伝子送達のためのウイルスベクタ(例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクタ)、脂質ナノ粒子、および同等物等、以前には非現実的に小さかった粒子に対して開放する。
【0010】
一側面では、3次元(3D)画像位置合わせおよび背景補正を介して干渉画像(例えば、SP-IRIS画像)内の背景を低減させるための方法は、(a)コンピューティングデバイスのプロセッサによって、センサチップ表面の第1の領域の複数の画像を含む、前走査スタックを受信する、および/またはそれにアクセスするステップであって、前走査スタックの画像は、センサチップ表面と、1つまたはそれを上回る標的粒子を含む、サンプルを接触させるステップに先立って取得されており、前走査スタックの各画像は、撮像システム(例えば、SP-IRIS撮像システム)の対物レンズから異なる軸方向距離において撮影される、センサチップ表面の第1の領域の画像に対応する、ステップと、(b)プロセッサによって、センサチップ表面の第2の領域の複数の画像を含む、後走査スタックを受信する、および/またはそれにアクセスするステップであって、第2の領域は、第1の領域と同一である、またはそれと実質的に重複しており(例えば、第1の領域のXおよびY方向において約±5ミクロン以内、Z方向において約100nm以内、および/または回転の約±2度以内であり)、後走査スタックの画像は、センサチップ表面とサンプルを接触させるステップの後に取得されており(例えば、それによって、サンプル表面上の1つまたはそれを上回る標的粒子の少なくとも一部を捕捉し)、後走査スタックの各画像は、撮像システム(例えば、SP-IRIS撮像システム)の対物レンズから異なる軸方向距離において撮影される、センサチップ表面の第2の領域の画像に対応する、ステップと、(c)プロセッサによって、前走査スタックのための前走査焦点面位置を(例えば、自動的に)決定し、前走査焦点面位置を使用し、前走査スタックから集束した前走査画像(例えば、焦点面位置にある、および/またはそれに最も近接しているものとして識別される、前走査スタックの特定の画像)を取得するステップと、(d)プロセッサによって、後走査スタックのための後走査焦点面位置を(例えば、自動的に)決定し、後走査焦点面位置を使用し、後走査スタックから集束した後走査画像(例えば、焦点面位置にある、および/またはそれに最も近接しているものとして識別される、後走査スタックの特定の画像)を取得するステップと、(e)プロセッサによって、集束した前走査画像と集束した後走査画像を(例えば、自動的に)位置合わせするステップと、(f)(例えば、ステップ(e)に続いて、)プロセッサによって、相互と位置合わせされている、集束した前走査画像および集束した後走査画像を使用し、背景が除去された1つまたはそれを上回る最終的な粒子画像を生成するステップとを含む。本方法のいくつかの変形例では、撮像は、液体媒体中で実施されてもよい。
【0011】
ある実施形態では、前走査スタック内で撮像される、センサチップ表面の第1の領域は、前走査スタックの前走査画像の少なくとも一部がそれぞれ、1つまたはそれを上回る基準粒子特徴(例えば、スポット)を含むように、それぞれが個々の基準粒子に対応する(例えば、それを表す)、複数の基準粒子を含む。
【0012】
ある実施形態では、ステップ(c)は、前走査スタックの画像の少なくとも一部のそれぞれの中で、それぞれが個々の基準粒子に対応する(例えば、それを表す)、1つまたはそれを上回る基準粒子特徴のセット(例えば、それらの囲繞エリアに対して比較的に高いまたは低いコントラストの局所的領域(例えば、明るいおよび/または暗いスポット))を検出するステップと、前走査スタックの画像内で基準粒子特徴のセットを使用し、前走査焦点面位置を決定するステップとを含む。
【0013】
ある実施形態では、本方法は、(A)前走査スタックの画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、画像のための検出された基準粒子特徴の検出されたセットを使用して、1つまたはそれを上回る焦点メトリックを決定するステップであって、1つまたはそれを上回る焦点メトリックを決定するステップは、(i)前走査画像の一部のそれぞれ内の基準粒子特徴の数を決定する(例えば、検出された基準粒子の数をカウントする)ステップと、(ii)前走査画像の一部のそれぞれに関して、基準粒子コントラストの尺度(例えば、統計的尺度(例えば、代表値、平均値、中央値、最頻値等)を決定するステップと、(iii)前走査画像の一部のそれぞれに関して、基準粒子サイズの尺度(例えば、統計的尺度(例えば、代表値、平均値、中央値、最頻値等))を決定するステップとのうちの1つまたはそれを上回るものを含み得る、ステップと、(B)1つまたはそれを上回る焦点メトリックを使用し、前走査焦点面位置を決定するステップとを含む。いくつかの事例では、前走査焦点面位置を決定するステップはさらに、(例えば、基準粒子サイズの既知の値に基づいて)例えば、特定の焦点メトリックと基準値および/または範囲を比較することによって、特定の焦点メトリックを最大限化する、前走査スタック内の軸方向位置を決定するステップを含む。
【0014】
ある実施形態では、後走査スタック内で撮像される、センサチップ表面の第2の領域は、複数の基準粒子を含み、第1および第2の領域の基準粒子の少なくとも一部は、合致し(例えば、同一の粒子であり)、したがって、後走査スタックの画像の少なくとも一部はそれぞれ、それぞれが、個々の基準粒子に対応する(例えば、それを表す)、1つまたはそれを上回る基準粒子特徴(例えば、スポット)を含む。
【0015】
ある実施形態では、ステップ(d)は、後走査スタックの画像の少なくとも一部のそれぞれの中で、それぞれが個々の基準粒子に対応する(例えば、それを表す)、1つまたはそれを上回る基準粒子特徴のセット(例えば、それらの囲繞エリアに対して比較的に高いまたは低いコントラストの局所的領域(例えば、明るいおよび/または暗いスポット))を検出するステップと、後走査スタックの画像内で基準粒子特徴のセットを使用し、後走査焦点面位置を決定するステップとを含む。
【0016】
ある実施形態では、本方法は、(A)後走査スタックの画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、画像のための検出された基準粒子特徴の検出されたセットを使用して、1つまたはそれを上回る焦点メトリックを決定するステップであって、1つまたはそれを上回る焦点メトリックを決定するステップは、(i)前走査画像の一部のそれぞれ内の基準粒子特徴の数を決定する(例えば、検出された基準粒子の数をカウントする)ステップと、(ii)前走査画像の一部のそれぞれに関して、基準粒子コントラストの尺度(例えば、統計的尺度(例えば、代表値、平均値、中央値、最頻値等))を決定するステップと、(iii)前走査画像の一部のそれぞれに関して、基準粒子サイズの尺度(例えば、統計的尺度(例えば、代表値、平均値、中央値、最頻値等))を決定するステップとのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、ステップと、(B)1つまたはそれを上回る焦点メトリックを使用し、後走査焦点面位置を決定するステップとを含む。いくつかの事例では、後走査焦点面位置を決定するステップはさらに、(例えば、基準粒子サイズの既知の値に基づいて)例えば、特定の焦点メトリックと基準値および/または範囲を比較することによって、特定の焦点メトリックを最大限化する、後走査スタック内の軸方向位置を決定するステップを含む。
【0017】
ある実施形態では、基準粒子は、その中の全ての値と、下位範囲とを含め、約1.2~約2.0の範囲に及ぶ屈折率を有する、球状または略球状粒子である。例えば、屈折率は、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、または約2.0であってもよい。いくつかの変形例では、屈折率は、2.0未満またはそれにほぼ等しくてもよい。一変形例では、屈折率は、約1.45であってもよい。基準粒子が、ビーズから成るとき、ビーズは、ポリスチレンビーズと、シリカビーズと、ラテックスビーズと、硫酸ポリスチレンビーズとから成るグループから選択される、1つまたはそれを上回る構成要素であってもよい。基準粒子は、約2.5ミクロンまたはそれ未満、約2.25ミクロンまたはそれ未満、約2.0ミクロンまたはそれ未満、約1.75ミクロンまたはそれ未満、約1.5ミクロンまたはそれ未満、約1.25ミクロンまたはそれ未満、約1.0ミクロンまたはそれ未満、約0.75ミクロンまたはそれ未満、約0.5ミクロンまたはそれ未満、約0.2ミクロンまたはそれ未満、または約0.1ミクロンまたはそれ未満の直径を有してもよい。
【0018】
ある実施形態では、センサチップ表面の第1および/または第2の領域は、少なくとも一部(例えば、同一の部分)であって、標的粒子に結合する(例えば、標的粒子の表面における1つまたはそれを上回るマーカに結合する)、1つまたはそれを上回る標的結合剤を含む、スポットを含む、部分を含む。本実施形態では、標的粒子は、抗体であってもよい。
【0019】
ある実施形態では、基準粒子は、それらの表面において、それにスポットの1つまたはそれを上回る標的結合剤もまた結合する、1つまたはそれを上回る分子を含む。
【0020】
ある実施形態では、スポットはまた、基準粒子に結合する、1つまたはそれを上回る基準結合剤を含む。
【0021】
スポット内の基準粒子の数は、その中の全ての値と、下位範囲とを含め、約25~約100の範囲に及んでもよい。例えば、スポット内の基準粒子の数は、約25、約30、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、または約100であってもよい。
【0022】
ある実施形態では、ステップ(e)は、集束した前走査画像内の検出された基準粒子特徴のセットおよび集束した後走査画像内の検出された基準粒子特徴のセットを(例えば、基点マーカとして)使用し、集束した前走査画像および集束した後走査画像を相互と位置合わせするステップを含む。
【0023】
ある実施形態では、センサチップ表面は、基点マーカを備え、ステップ(e)は、画像位置合わせのために基点マーカを使用するステップを含む。いくつかの変形例では、基点マーカは、基準粒子であってもよい。他の変形例では、基点マーカは、リソグラフィによって画定される基点マーカであってもよい。他のタイプの基点マーカもまた、採用され得る。
【0024】
ある実施形態では、ステップ(c)は、前走査スタックの画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、背景強度変動の尺度(例えば、標準偏差)を決定し、背景強度変動の尺度を使用し、前走査焦点面位置を決定するステップを含む。
【0025】
ある実施形態では、ステップ(d)は、後走査スタックの画像の少なくとも一部のそれぞれに関して、背景強度変動の尺度(例えば、標準偏差)を決定し、背景強度変動の尺度を使用し、後走査焦点面位置を決定するステップを含む。
【0026】
ある実施形態では、ステップ(f)は、(例えば、最終的な粒子画像を生成するために)集束した後走査画像から集束した前走査画像を減算するステップ(例えば、ピクセル毎減算)を含む。
【0027】
ある実施形態では、本方法はさらに、プロセッサによって、1つまたはそれを上回る最終的な粒子画像の少なくとも一部(例えば、特定の1つ、例えば、亜集合)内で、それぞれが個々の標的粒子に対応する(例えば、それを表す)、1つまたはそれを上回る標的粒子特徴を検出し、検出された1つまたはそれを上回る標的粒子を使用し、センサチップ表面に結合される、個々の標的粒子の数を枚挙および/または特性評価する(例えば、サイズ、重量等の尺度を決定する)ステップを含む。
【0028】
ある実施形態では、本方法はさらに、プロセッサによって、センサチップ表面の第3の領域の蛍光画像を受信する、および/またはそれにアクセスするステップであって、第3の領域は、第2の領域と実質的に重複する、ステップと、蛍光画像および1つまたはそれを上回る最終的な粒子画像の少なくとも一部(例えば、特定の1つ、例えば、亜集合)を使用し、(例えば、それらの表面において、またはその中に)特定のバイオマーカを含む、標的粒子の母集団を定量化および/または特性評価するステップとを含む。
【0029】
ある実施形態では、標的粒子のサイズは、直径が約50nmまたはそれを下回る。例えば、標的粒子のサイズは、約45nmまたはそれを下回る、約40nmまたはそれを下回る、約35nmまたはそれを下回る、または約30nmであり、それを下回ってもよい。いくつかの実施形態では、標的粒子のサイズは、その中の全ての値と、下位範囲とを含め、約20nm~約50nmであってもよい。例えば、標的粒子のサイズは、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、または約50nmであってもよい。
【0030】
ある実施形態では、標的粒子は、細胞外小胞(例えば、エキソソーム、例えば、エクソメアおよび/またはスーパーメア)を含む。
【0031】
ある実施形態では、標的粒子は、ウイルスおよび/またはウイルス様粒子(例えば、レンチウイルス、例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV))を含む。
【0032】
ある実施形態では、標的粒子は、脂質ナノ粒子を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、背景が除去された画像内の標的粒子の検出は、患者内の疾患を分類、診断、および/または監視するため、または患者のための治療選択肢を選択するために使用され得る。
【0034】
ある実施形態では、本方法は、センサチップ表面とサンプルを接触させるステップに先立って、撮像システムの対物レンズから複数の異なる軸方向距離において、撮像システムを使用して、センサチップ表面を撮像し、それによって、前走査スタックの画像を取得するステップと、センサチップ表面とサンプルを接触させ、それによって、センサ表面においてサンプル中の標的粒子の少なくとも一部を捕捉するステップと、撮像システムを使用し、撮像システムの対物レンズから複数の異なる軸方向距離において、その上で捕捉された標的粒子の一部とともに、センサチップ表面を撮像し、それによって、後走査スタックの画像を取得するステップとを含む。
【0035】
ある実施形態では、センサチップ表面は、ベース基板(例えば、シリコン)上の薄い部分的に透明な層(例えば、酸化物層)の上部表面である。
【0036】
ある実施形態では、センサチップ表面は、1つまたはそれを上回る基点マーカを備える。基点マーカは、基準粒子、すなわち、(例えば、金属および/または誘電体等の堆積材料から成る、例えば、センサチップ表面の中にエッチングされる)リソグラフィによって画定される基点マーカであってもよい。
【0037】
ある実施形態では、本方法は、基点マーカの画像を使用し、例えば、DoGスコア(ガウス差分スコア)等のスコアを算出することによって1つまたはそれを上回る焦点メトリックを算出し、前走査スタックの各画像内および基点マーカのうちの1つまたはそれを上回るものを囲繞する領域に基づいて高空間周波数成分を測定することによって、および/または、例えば、DoGスコア等のスコアを算出することによって1つまたはそれを上回る焦点メトリックを算出し、後走査スタックの各画像内および基点マーカのうちの1つまたはそれを上回るものを囲繞する領域に基づいて高空間周波数成分を測定することによって、前走査焦点面位置および/または後走査焦点面位置を決定するステップを含む。
【0038】
ある実施形態では、本方法は、基点マーカの画像を使用し、例えば、集束した前走査画像内の1つまたはそれを上回る基点マーカのそれぞれに関して、基点マーカを位置特定する、(例えば、中心の、例えば、1つまたはそれを上回る頂点の、例えば、1つまたはそれを上回る縁を表す)座標のセットを識別し、それによって、集束した前走査画像内の基点座標の第1のセットを識別することと、集束した後走査画像内の1つまたはそれを上回る基点マーカのそれぞれに関して、基点マーカを位置特定する、(例えば、中心の、例えば、1つまたはそれを上回る頂点の、例えば、1つまたはそれを上回る縁を表す)座標のセットを識別し、それによって、集束した後走査画像内の基点座標の第2のセットを識別することと、基点マーカの第1および第2のセットを使用して、面内偏移を決定することとによって、集束した前走査画像と集束した後走査画像を位置合わせするステップを含む。
【0039】
ある実施形態では、ステップ(e)は、集束した前走査画像内の前走査背景領域を識別するステップと、集束した後走査画像内の後走査背景領域を識別するステップと、前走査背景領域および後走査背景領域を使用し、微細な面内偏移を決定するステップとを含む。微細な面内偏移は、横方向(例えば、X-Y)平面および/または微細な面内回転、例えば、横方向(例えば、X-Y)平面内の回転であってもよい。
【0040】
ある実施形態では、本方法は、繰り返して、他のもの(例えば、後走査背景領域および/または集束した後走査画像)に対して、変動された2D面内偏移および/または回転を1つの背景領域(例えば、前走査背景領域)および/または画像(例えば、集束した前走査画像)に適用するステップと、(例えば、続いて、偏移の後に)後走査背景領域から前走査背景領域を減算し、それによって、減算された画像を取得するステップと、減算された画像を使用して、変動の尺度(例えば、標準偏差)を算出するステップと(例えば、変動の尺度を最小限にするものであるような、最適な2D偏移および/または回転を決定するステップと)を含む。
【0041】
ある実施形態では、本方法は、第1の前走査背景領域および第1の後走査背景領域を識別し、第1の前走査背景領域および第1の後走査背景領域を使用し、微細な面内偏移、例えば、横方向(例えば、X-Y)平面内の偏移を決定するステップと、第2の前走査背景領域および第2の後走査背景領域を識別し、第2の前走査背景領域および第2の後走査背景領域を使用し、微細な面内回転、例えば、横方向(例えば、X-Y)平面内の回転を決定するステップとを含む。これらの実施形態では、第2の前走査背景領域は、第1の前走査背景領域より大きくてもよく、第2の後走査背景領域は、第1の後走査背景領域より大きくてもよい。
【0042】
ある実施形態では、ステップ(f)は、前走査スタックの撮像された第1の領域および後走査スタックの撮像された第2の領域を複数の部分領域(例えば、象限)に分割するステップと、複数の部分領域のそれぞれに関して、最適な前走査画像と、最適な後走査画像とから成る、対応する最適な画像対を決定する(例えば、それによって、面外傾斜を考慮する)ステップとを含む。
【0043】
ある実施形態では、複数の部分領域の特定の部分領域毎に、対応する最適な画像対を決定するステップは、繰り返して、各検査画像対が、前走査スタックから選択された前走査画像と、後走査スタックから選択された後走査画像とから成る、検査画像対を取得し、画像対に関して、特定の部分領域内の前走査画像と後走査画像との間の背景変動の尺度を算出するステップと、算出された背景変動の尺度に基づいて、特定のもののための最適な画像対を選択するステップとを含む。
【0044】
ある実施形態では、ステップ(f)は、特定の部分領域毎に、対応する最適な画像対を使用し、特定の部分領域のための対応する最終的な部分領域画像を生成するステップを含む。
【0045】
干渉画像から背景を除去する、システムもまた、本明細書に説明され、コンピューティングデバイスのプロセッサと、その上に記憶される命令を有する、メモリであって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に説明される側面および実施形態のいずれか1項に記載の方法を実施させる、メモリとを備えてもよい。
【0046】
ある実施形態では、本システムは、撮像デバイスおよび/またはセンサチップを備える。
【0047】
ある実施形態では、センサチップ表面は、ベース基板(例えば、シリコン)上の薄い部分的に透明な層(例えば、酸化物層)の上部表面である。
【0048】
本発明の一側面を伴う実施形態の要素(例えば、方法)は、本発明の他の側面を伴う実施形態にも適用されることができ、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は、前走査スタックを取得するための例示的方法を図示する、概略図である。
【0050】
図2図2は、後走査スタックを取得するための例示的方法を図示する、概略図である。
【0051】
図3図3は、集束した前走査画像および集束した後走査画像が相互と位置合わせされ、背景の除去を伴う、画像を取得するために使用される方法を図示する、概略図である。
【0052】
図4図4は、サンプル分析のための例示的方法を図示する。
【0053】
図5A図5Aは、画像位置合わせおよび減算のための例示的方法を描写する。
図5B図5Bは、図5Aの位置合わせプロセスを図示する、フロー図である。
【0054】
図6図6Aおよび図6Bは、基板の領域上の基準スポットから入手された前走査画像スタックおよび後走査画像スタックからの2つの例示的DoG焦点曲線を示す。図6Cは、基板上の基準スポットの例示的画像を描写する。
【0055】
図7図7Aは、同一の焦点面の前走査画像および後走査画像が、X-Y平面における整合を伴うことなく減算されている、基準領域の例示的画像である。図7Bは、前走査画像および後走査画像が、減算に先立って決定されたX-Yオフセットを使用して粗く整合されている、図7Aと同一の基準スポットの例示的画像である。
【0056】
図8図8は、マスクが適用されている、基準スポットおよび粒子の例示的画像である。
【0057】
図9A図9Aは、整合マーカを反転された「L」として含む、チップの例示的画像を描写する。
【0058】
図9B図9Bは、20×20ピクセル検索エリアにわたる2つの例示的画像間の差異の標準偏差を示す。
【0059】
図10図10Aおよび10Bは、前走査画像と後走査画像との間の回転整合のための例示的プロセスを示す。図10Bは、一方の画像が他方の画像にわたって回転されるような、図10Aにおいて描写される、2つの画像間の差異の標準偏差のグラフである。
【0060】
図11図11は、前走査画像が後走査スタックの画像内の対応する象限に沿って走査される際の、その4つの象限の最適化を示す、例示的プロットである。
【0061】
図12図12は、環境要因に起因する倍率および/またはスケーリングを考慮する、アフィン変換を生成するために使用される、複数の部分領域を含む、チップの例示的画像を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0062】
詳細な説明
本明細書に提示されるものは、画像内の背景ノイズを除去または最小限にするために画像を分析し、したがって、粒子(例えば、小粒子、標的粒子)の可視性を改良するための方法およびシステムである。本方法およびシステムは、センサ表面上へのサンプルの設置後に撮影される画像内の背景ノイズを除去または低減させるために、画像のスタックと、画像内の回転および平行移動を考慮する、アフィン変換とを使用してもよい。回転および平行移動に加えて、アフィン変換は、位置合わせプロセスの間の倍率および/またはスケーリング係数を考慮し得る。
【0063】
撮像によって検出され得る粒子は、限定ではないが、細胞外小胞、エキソソーム、ウイルス、ウイルス様粒子、または脂質ナノ粒子を含む。粒子は、その中の全ての値と、下位範囲とを含め、約20nm~約100nmの範囲に及ぶ直径を有する、小粒子であってもよい。例えば、小粒子の直径は、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約85nm、約90nm、約95nm、または約100nmであってもよい。
【0064】
粒子は、細胞、微生物、溶解細胞、細胞抽出物、核抽出物、細胞または微生物の成分、細胞外流体、その中で細胞が培養される、培地、血液、血漿、血清、胃腸分泌物、組織または腫瘍のホモジネート、関節液、便、唾液、痰、嚢胞液、羊水、脳脊髄液、腹水、肺洗浄液、精液、リンパ液、涙、または前立腺液のサンプル等、種々のタイプのサンプル内に含有されてもよい。加えて、サンプルは、ウイルスまたは細菌サンプル、汚濁された水域等の環境源から取得されたサンプル、空気サンプル、または土壌サンプル、ならびに食品産業サンプルであってもよい。画像内の粒子の検出は、患者内の疾患を分類、診断、および/または監視するため、または患者のための治療選択肢を選択するために使用され得る。
【0065】
本開示の方法およびシステムは、異なる軸方向位置におけるセンサチップ表面の撮影された複数の画像を含む、画像のスタックを利用してもよい。いくつかの実施形態では、本方法およびシステムは、粒子が液体媒体中にあるときの粒子の画像を取得してもよい。図1に図示されるように、前走査スタック100は、センサチップの表面と特定のサンプルを接触させることに先立って取得されてもよい。図2に目を向けると、センサチップの表面とサンプルを接触させた(例えば、インキュベートした)後、後走査スタック200が、取得されてもよい。本明細書に説明されるように、前走査スタックおよび後走査スタック(100、200)は、集束した前走査画像102および集束した後走査画像202を識別するために使用されてもよい。
【0066】
ある実施形態では、ポリスチレンビーズ等の基準粒子が、センサチップの表面に人工基準特徴を生成するように、センサの表面に意図的に添着される。これらの特徴は、次いで、前走査スタックおよび/または後走査スタックの画像内で検出され、焦点位置を識別するために使用されることができる。基準粒子は、様々な方法において、例えば、抗体(例えば、IgG、例えば、マウスIgG)、ビオチン、ストレプトアビジン等を使用して、センサ表面に結合されてもよい。ある実施形態では、硫酸ポリスチレン粒子(例えば、OptiBindTM)が、基準粒子として使用されてもよい。ポリスチレン粒子またはビーズに加えて、使用され得る他のタイプのビーズは、シリカビーズまたはラテックスビーズを含む。
【0067】
図3に目を向けると、ある実施形態では、集束した前走査302画像および集束した後走査304画像が、相互に位置合わせされ、位置合わせされた減算画像306に示されるように、サンプル(例えば、横方向)平面内で特徴を整合させる。ある実施形態では、位置合わせは、アフィン変換を使用して実施される。ある実施形態では、基準粒子はまた、画像位置合わせのための基点マークとして使用されてもよい。ある実施形態では、センサチップ表面上の他の基点マークが、位置合わせのために使用されてもよい。ある実施形態では、ピクセル単位未満の位置合わせが、達成される。
【0068】
図4は、本明細書に説明される種々の実施形態による、サンプル分析のための方法400の例証的実施形態である。ある実施形態では、センサの表面は、センサの表面上に1つまたはそれを上回るスポット(例えば、所定のスポット)を有してもよい。ある実施形態では、所定のスポットは、粒子(例えば、生物学的粒子、例えば、細胞外小胞、ウイルス)に結合するための1つまたはそれを上回る結合剤(例えば、タンパク質、抗原、抗体)を有してもよい。図4に示されるように、センサチップ表面の(例えば、異なる軸方向位置における)複数の画像を含む、前走査スタックが、取得される(402)。前走査スタックは、センサの表面上でサンプルをインキュベートすることに先立って、取得されてもよい(404)。ある実施形態では、前走査が、例えば、ミクロン未満のサイズ(例えば、1ミクロン未満またはそれに等しい直径)を有する単一粒子を撮像するために、(例えば、十分に高い分解能および/または倍率において撮像するために)好適な干渉撮像プラットフォームを使用して実施される。ある実施形態では、例えば、2017年2月3日に出願された、PCT出願第PCT/US2017/016434号、2019年5月31日に出願された、第PCT/US2019/034831号、および2020年1月31日に出願された、第PCT/US2020/016098号(そのそれぞれが、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)に説明される、約100nmおよびそれを下回る直径を有する粒子を撮像するために好適な単一粒子干渉撮像センサシステム等の干渉撮像プラットフォームが、使用されてもよい。ある実施形態では、前走査は、別の撮像プラットフォーム(例えば、顕微鏡)を使用して実施される。
【0069】
前走査スタックを入手した後、撮像されるべき、細胞外小胞、ウイルス、ウイルス様粒子、脂質ナノ粒子、および同等物等の粒子を含む、サンプル(例えば、生物学的サンプル)が、次いで、センサの表面上の1つまたはそれを上回る粒子を捕捉するために、センサチップ表面404の表面上でインキュベートされる。ある実施形態では、粒子は、1つまたはそれを上回る結合剤を使用して、センサの表面上のスポット(例えば、所定のスポット)に接着される。ある実施形態では、粒子は、二次マーカ(例えば、蛍光色素分子)で標識されてもよい。
【0070】
センサ上でのサンプルインキュベーション(404)の後、後走査スタックが、入手される(406)。ある実施形態では、後走査スタックおよび前走査画像は、両方とも、(例えば、本明細書に説明されるような)同一の撮像デバイスまたはプラットフォームを使用して入手される。(例えば、本明細書に説明されるような)1つまたはそれを上回る背景プロセス(408)が、前走査画像および/または後走査画像を処理するために使用される。ある実施形態では、背景プロセスは、背景減算、画像位置合わせ(例えば、画像整合)(例えば、回転、平行移動)、画像マスキング、傾斜、環境要因(例えば、温度および/または湿度)に起因する倍率および/またはスケーリングの補償、または(例えば、本明細書に議論される)別の画像処理方法を含んでもよい。
【0071】
本明細書に説明されるような背景プロセス(408)が、例えば、プロセッサによって、例えば、いかなるユーザ相互作用も伴わず、および/または実質的に限定された(例えば、最終的な品質制御検閲等を開始するためのクリックに限定された)ユーザ相互作用を用いて、自動的に実施されてもよい。特に、背景プロセス408は、前走査スタックの画像を後走査スタックの画像に位置合わせし、面内だけではなく、適切な焦点面位置も識別し、位置合わせされた減算が実施され、それによって、背景強度増減を最小限にし、高感度粒子撮像を可能にするために、特定の前走査画像が特定の後走査画像から減算されることを可能にする、本明細書に説明されるプロセスを含んでもよい。
【0072】
ここで説明される位置合わせ減算アプローチを介して取得された、最終的な粒子画像はさらに、着目標的粒子を検出および特性評価するために分析されてもよい。さらなる分析は、センサ表面に結合された粒子の数、タイプ、および/またはサイズ(例えば、直径、質量)等を識別するステップを含んでもよい。
【0073】
ある実施形態では、撮像は、単一粒子反射率撮像センサ(SP-IRIS)撮像技術に基づく撮像システムを使用して実施される。粒子検出および特性評価のために蛍光撮像法との組み合わせにおけるその使用を含む、SP-IRIS技術が、2017年2月3日に出願された、PCT出願第PCT/US2017/016434号、2019年5月31日に出願された、第PCT/US2019/034831号、2020年1月31日に出願された、第PCT/US2020/016098号(そのそれぞれは、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に説明されている。
【0074】
A.画像スタック
ある実施形態では、本明細書に説明される画像処理アプローチは、画像スタックを利用し、処理する。本明細書で使用されるように、「画像スタック」、「前走査スタック」、「後走査スタック」等、画像を参照して使用されるときの用語「スタック」は、撮像システムの対物レンズ等の撮像レンズに対して(サンプルの)種々の軸方向距離において記録される、サンプルの複数の画像を指す。故に、ある実施形態では、画像スタックの各画像は、撮像システムの焦点面に対して軸方向に沿った、異なるオフセット距離を表す。例えば、図1および図2に示されるように、画像スタック(100、200)は、それぞれが、異なる軸方向場所に記録され、それに対応する、複数の画像スライスを含む。各画像スライスは、2次元における空間座標を有し、ピクセルは、横方向(例えば、x-y)平面内のサンプルの異なる空間場所を表し、単一の軸方向(例えば、z-)座標またはスライスインデックスは、軸方向に沿ったサンプルの空間場所に対応する。
【0075】
ある実施形態では、画像スタックの画像は、各画像および隣接する画像が記録される、軸方向場所間の距離が、全ての画像に関して同一であるように、固定された間隔において記録される。例えば、画像スタックは、サンプルを最小軸方向場所に定置し、それを固定されたステップにおいて上向きに移動させ、各ステップにおいて一時停止し、画像を記録することによって撮影されてもよい。例えば、画像スタックは、サンプルを最大軸方向場所に定置し、それを固定されたステップにおいて下向きに移動させ、各ステップにおいて一時停止し、画像を記録することによって撮影されてもよい。ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像間の軸方向距離は、約1ミクロン未満である。ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像間の軸方向距離は、約500ナノメートル未満である。ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像間の軸方向距離は、約200ナノメートル未満である。ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像間の軸方向距離は、約100ナノメートル未満である。ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像間の軸方向距離は、約50ナノメートル未満である。
【0076】
ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像間の軸方向距離は、画像スタック内の画像の異なる隣接する対間で変動する。例えば、(例えば、異なる画像を撮影するためのステップの間の)第1の増分は、スタックの最大境界および最小境界の近傍で使用されてもよく、第2の増分(例えば、より小さく、より微細な増分)は、軸方向距離の範囲の中心により近接して、例えば、予期される焦点面位置の特定の近接部内で使用されてもよい。ある実施形態では、画像スタックの隣接する画像の間の軸方向ステップが、例えば、(例えば、二次)多項式等の関数形態を使用して、ステップ番号の関数として決定される。
【0077】
本明細書に説明されるように、画像スタックは、その上に生体分子捕捉プローブがスポット状に配置され、ひいては、細胞外小胞、ウイルス、ウイルス様粒子、脂質ナノ粒子、および同等物等の着目標的粒子を結合させるために使用され得る、略平面状表面を備える、センサチップのために記録されてもよい。本明細書に説明されるような、リソグラフィによって画定される基点マーカ、ポリスチレンビーズ等の基準粒子等の他の特徴もまた、センサチップの表面上に存在してもよい。
【0078】
ある実施形態では、センサチップは、SiO表面を備えてもよい。ある実施形態では、センサチップは、スライドガラス等の実質的に単一の材料、または他の(例えば、可視および/または近赤外スペクトル領域内の)実質的に透明な材料であってもよい。ある実施形態では、センサチップは、ベース基板の上の薄い半透明層等の多層基板を備える。ある実施形態では、半透明層は、SiOである、またはそれから成る。ある実施形態では、半透明層は、約1ミクロンまたはそれ未満の厚さを有する。ある実施形態では、半透明層は、約500nmまたはそれ未満の厚さを有する。ある実施形態では、半透明層は、約200nmまたはそれ未満の厚さを有する。ある実施形態では、半透明層は、約100nmまたはそれ未満の厚さを有する。ある実施形態では、ベース基板は、シリコン(Si)である、またはそれから成る。
【0079】
ある実施形態では、センサチップの画像が、記録されるとき、センサチップは、例えば、サンプル保持器によって撮像(例えば、対物)レンズからほぼ特定の軸方向距離に位置する。ある実施形態では、センサチップの表面は、略平面状であるが、種々の着目標的粒子、生体分子、および着目特徴は、物理的3次元物体であり、センサチップ表面の上方の種々の距離に位置し得る。例えば、ウイルスおよびエキソソーム等の粒子は、約数十~数百ナノメートルの直径を有し、故に、それらの中心は、チップ表面の上方に位置し得る。加えて、または代替として、捕捉プローブおよび種々の表面化学物質もまた、標的粒子がセンサチップ表面の上方の無視できない高さに位置していることをもたらし得る。加えて、または代替として、センサチップが複数の層を備える場合、付加的な、例えば、埋設された層表面が、センサチップの最上表面の真下の軸方向位置に位置してもよい。
【0080】
故に、ある実施形態では、センサチップの特定の位置付けに応じて、センサチップの最上表面等の種々の特徴、その上に位置する、種々の粒子、および任意の付加的(例えば、反射性)下側表面が、異なる精密な軸方向位置、故に、撮像システムの絶対焦点面からの異なるオフセット部に位置してもよい。例えば、着目粒子に対する、例えば、焦点面の精密な位置付けに応じて、粒子の可視性は、小粒子の検出のために、焦点面に対するサンプル位置の最適化が、所望されるように、影響を受け得る。加えて、または代替として、ある実施形態では、センサチップが除去され、サンプル保持器内で交換されるときに、軸方向において一貫して画像を整合させるための能力は、例えば、背景補正のために使用されるべき複数の画像の処理を可能にし、それによって、低可視性粒子が検出され、定量的に分析されることを可能にする。
【0081】
いかなる特定の理論にも拘束されることを所望するわけではないが、焦点面に対する軸方向位置付けは、特に、撮像された光強度が、例えば、単に粒子からの散乱の関数であるだけではなく、むしろ、粒子からの散乱場とセンサチップ表面から反射される光との間の位相化される干渉からも結果として生じる、干渉撮像モダリティにとって重要である。ある実施形態では、反射された場と散乱場との間のわずかな位相差(例えば、撮像システムの焦点面からの異なる距離から結果として生じ得る)が、画像強度の有意な変動につながり得る。
【0082】
故に、ある実施形態では、単一の軸方向場所において単一の画像を取得することではなく、本明細書に説明されるアプローチは、画像スタックを利用し、これは、複数の軸方向場所における画像が取得および分析されることを可能にする。このように、例えば、最適な軸方向場所は、例えば、処理するステップにおいて、および/または、ある実施形態において、検出感度および正確度を向上させるために分析される、スタック内の複数の画像を撮像した後に、識別されることができる。
【0083】
画像スタックは、正確な背景補正(例えば、減算)を実施するために分析されてもよい。特に、ある実施形態では、前走査(画像)スタックは、これを着目サンプルと接触させるステップに先立って、センサチップのために記録される。このように、前走査スタックは、着目粒子が結合される前にセンサチップ表面の画像を提供する。ある実施形態では、前走査スタックは、サンプルが、捕捉プローブを用いてスポット状に配置された後であるが、着目粒子を含む、サンプルと接触するステップの直前に記録される。ある実施形態では、センサチップが、着目サンプルと接触された(例えば、標的粒子と結合された)後、後続の後走査スタックが、記録される。
【0084】
ある実施形態では、後走査スタックの画像は、例えば、スポット状に配置された捕捉プローブ材料に起因する、面粗度および変動等の特徴から結果として生じ得る、背景ノイズに加えて、結合された着目標的粒子を表す、特徴を含む。チップ表面調製に起因する面粗度および変動等の背景ノイズはまた、前走査スタックの画像内に存在し得るため、これは、例えば、減算または除算によって実質的に除去されることができる。
【0085】
ある実施形態では、センサチップの、例えば、軸方向および/または横方向位置は、前走査スタックおよび後走査スタックの集合物間で変化され得る。例えば、前走査スタックが、記録された後、チップが、撮像デバイスから除去されてもよく、そのため、これは、サンプルとともにスポット状に配置され、種々の処理ステップを受け、濯洗および乾燥され、後走査撮像のために撮像デバイス内で交換されることができる。故に、ある実施形態では、前走査画像スタックおよび後走査画像スタックは、軸方向に整合される、および/または横方向平面内で位置合わせされ、正確な背景補正を可能にする。
【0086】
B.画像スタックの整合および焦点面位置の決定
ある実施形態では、前走査画像スタックおよび後走査画像スタックは、1つまたはそれを上回る特定の後走査画像がそれぞれ、実質的に同一の軸方向場所において記録される、対応する前走査画像に合致されることを可能にするように整合される。例えば、ある実施形態では、サンプルステージの同じ公称のz-位置が、前走査スタックおよび後走査スタックを収集するために使用される場合でも、ステージ正確度およびサンプル保持器内へのセンサチップの位置付けの変動は、前走査スタックの画像と後走査スタックのものとの間に軸方向におけるオフセット(例えば、固定されたオフセット)を生産し得る。例えば、前走査スタックおよび後走査スタックはそれぞれ、10個の画像を含み得るが、例えば、固定された2つの画像がオフセットされた状態において、第1の後走査画像の実際の軸方向位置は、第3の前走査画像のものに最も緊密に合致し、第2の後走査画像の軸方向位置は、第4の前走査画像のものに最も緊密に合致する等となり得る。故に、ある実施形態では、前走査スタックおよび後走査スタックは、例えば、背景補正の目的のために、それらが記録された軸方向位置に関して最も緊密に合致する各スタックの特定の画像が、相互と比較され得るように整合される。
【0087】
ある実施形態では、前走査スタックと後走査スタックを整合させるステップは、前走査スタックおよび/または後走査スタックの画像毎に1つまたはそれを上回る焦点メトリックを決定するステップを含む。例えば、ある実施形態では、焦点面メトリックは、画像内の1つまたはそれを上回る検出される特徴に基づいて画像スタックの特定の画像のために決定されてもよい。
【0088】
例えば、ある実施形態では、ポリスチレンビーズ等の基準粒子が、ある焦点面メトリックを算出するために使用され得る特徴を提供するために、センサチップ表面が着目サンプルと接触される前に、その上に設置される。例えば、ある実施形態では、焦点面メトリックは、特定の領域(例えば、基準領域)内の粒子の数である。ある実施形態では、焦点面メトリックは、基準の特定のコントラストの尺度である。ある実施形態では、基準粒子コントラストの尺度は、例えば、平均コントラスト、中央値コントラスト、最頻値等、特定の領域(例えば、基準領域)内に位置する複数の(例えば、10またはそれを上回る、100またはそれを上回る、500またはそれを上回る)基準粒子の測定値に基づいて算出される、統計的尺度であってもよい。ある実施形態では、焦点面メトリックは、基準粒子サイズの尺度である。ある実施形態では、基準粒子サイズの尺度は、例えば、平均サイズ、中央値サイズ、最頻値等、特定の領域(例えば、基準領域)内に位置する複数の(例えば、10またはそれを上回る、100またはそれを上回る、500またはそれを上回る)基準粒子の測定値に基づいて算出される、統計的尺度であってもよい。
【0089】
加えて、または代替として、ある実施形態では、センサチップは、その実施例が図6C、7A、7B、および9Aに示される、リソグラフィによって加工された(または別様にミクロ/ナノ加工された)マーカ等の基点マーカを備えてもよい。加工されたマーカは、例えば、金属または誘電体等の堆積材料から成ってもよい、および/またはセンサチップの表面の中にエッチングされてもよい。ある実施形態では、加工されたマーカの存在によって、ある焦点面メトリックが、1つまたはそれを上回る基準マーカを含む、特定の画像の1つまたはそれを上回る部分(例えば、部分領域)の分析を介して、特定の画像のために算出されることができる。例えば、ある実施形態では、空間周波数成分の尺度を表す数値スコアが、画像の領域のために算出されてもよい。例えば、ある実施形態では、ガウス差分(DoG)スコアが、特定の画像の基準領域の2つの不鮮明なバージョンを生成することによって、例えば、異なるように定寸される(すなわち、異なる標準偏差を有する)ガウス関数で畳み込み、ピクセル毎の方式において、一方を他方から減算し、DoG画像を生成することによって、特定の画像のために算出されてもよい。本DoGアプローチは、高空間周波数縁を強調し、各ピクセルの強度値が、基準領域にわたって合算され、画像のためのDoGスコアとして単一の数値を発生させることができる。他のアプローチも、特定の基準領域内のそれらの空間周波数成分に基づいて(例えば、フーリエ変換計算および同等物に基づいて)画像をスコア化するために使用され得る。
【0090】
ある実施形態では、前走査スタックおよび後走査スタックの画像のために算出される焦点メトリックは、例えば、図6Aおよび6Bに示されるように、焦点メトリック曲線を分析することによって、前走査画像スタックと後走査画像スタックを整合させる(例えば、オフセットを決定する)ために使用されることができる。例えば、ある実施形態では、前走査焦点面場所が、前走査スタックのために算出された焦点メトリックから決定されることができる。前走査焦点面場所は、集束した前走査画像を識別するために使用されることができる。本明細書で使用されるように、用語「前走査焦点面位置」は、例えば、プロセッサによって、ある標的基準を満たし、それに応じて、適切に集束画像位置を表すと決定される、前走査スタック内の特定の画像スライスインデックスおよび/または軸方向(例えば、z-)座標を指す。例えば、図6Aおよび6Bに示されるように、前走査焦点面位置は、ピークDoGスコアを見出し、スライスインデックスを1だけ増分させることによって決定される。集束した前走査画像は、前走査焦点面位置における画像である。同様に、後走査焦点面位置および集束した後走査画像も、同様に識別され得る。図6Aに示されるように、前走査焦点面位置602は、後走査604焦点面位置に合致してもよい、または図6Bに示されるように、それらは、異なってもよい。
【0091】
ある実施形態では、前走査画像は、特定の前走査画像と特定の後走査画像の対毎の比較に基づいて比較メトリックを算出することによって、後走査画像に合致されてもよい。例えば、ある実施形態では、特定の前走査画像と、特定の後走査画像とを含む、画像対が、取得され、2つの画像が、相互から減算され、標準偏差が、算出される。ある実施形態では、(例えば、センサチップ上の同一の物理的領域を表す)合致する部分領域が、識別され、減算が、合致する部分領域内で実施される。標準偏差が、次いで、例えば、画像全体ではなく、特定の部分領域のために算出されてもよい。これらの部分領域は、例えば、背景変動を反映するように識別されてもよい。加えて、または代替として、本明細書にさらに詳細に説明されるように、部分領域はまた、例えば、前走査スタックおよび後走査スタックが記録される時間間のセンサチップの相対的傾斜を考慮するために使用されてもよい。種々の画像の対が、背景標準偏差を最小限にする最適な対を検索するように、比較されることができる。ある実施形態では、本アプローチは、下記の実施例2に説明されるように、例えば、傾斜に起因する付加的なオフセットに関して調節するために使用されることができる。
【0092】
回転および平行移動に加えて、前走査画像および後走査画像は、倍率および/またはスケーリング係数を考慮する、アフィン変換を使用して整合されてもよい。前述に議論されるように、温度および湿度等の環境要因が、位置合わせプロセスの間に画像に影響を及ぼし得る。故に、いくつかの実施形態では、前走査画像および後走査画像の部分領域間のx-y平面内での局所平行移動偏移が、決定され得る。局所平行移動偏移は、下記の実施例2におけるマスキングおよび微細なx-y整合に関して説明されるステップによって決定されてもよい。次に、複数の部分領域が、局所平行移動偏移に関して分析され、許容可能な結果を有するものを識別し得る。2~12個の部分領域が、許容可能な結果のために分析されてもよい。例えば、2個の部分領域、3個の部分領域、4個の部分領域、5個の部分領域、6個の部分領域、7個の部分領域、8個の部分領域、9個の部分領域、10個の部分領域、11個の部分領域、または12個の部分領域が、分析されてもよい。許容可能な結果は、例えば、前走査画像および後走査画像内の部分領域間の差異の標準偏差が、最小標準偏差(例えば、約0.2%以下のコントラストパーセントの差異)である場合であってもよい。そこから局所平行移動偏移情報が取得され、アフィン変換に適合するために使用され得る、許容可能な部分領域の数は、2~5の範囲に及び得る。例えば、そこから局所平行移動偏移情報が取得され、アフィン変換に適合するために使用され得る、許容可能な部分領域の数は、2、3、4、または5であってもよい。いくつかの実施形態では、そこから局所平行移動偏移情報が取得され、アフィン変換に適合するために使用され得る、許容可能な部分領域の数は、3であってもよい。他の実施形態では、そこから局所平行移動偏移情報が取得され、アフィン変換に適合するために使用され得る、許容可能な部分領域の数は、5であってもよい。例えば、図12に示されるように、チップ1204上の12個の部分領域1200が、矢印1202によって示されるように、局所x-y平行移動に関して分析されてもよい。5個の許容可能な部分領域1200a、1200b、1200c、1200d、および1200eからの情報が、次いで、倍率を考慮する、アフィン変換において使用されてもよい。5個の部分領域からの局所平行移動偏移情報の使用は、倍率変化が約0.5%~約1.0%であるときに有益であり得る。いくつかの実施形態では、5個の部分領域からの局所平行移動偏移情報の使用は、約40nm未満の粒子を撮像する際に有益であり得る。
【0093】
C.面内画像位置合わせ
ある実施形態では、前走査スタックの画像および後走査スタックの画像もまた、横方向(例えば、x-y)平面内で相互に対して位置合わせされる。ある実施形態では、特定の前走査画像および特定の後走査画像が、ともに分析され、前走査スタックおよび後走査スタックの画像を位置合わせするために適用するための変換を決定する。例えば、ある実施形態では、いったん集束した前走査画像および集束した後走査画像が、(例えば、本明細書に説明されるように)取得されると、それらは、分析され、面内偏移および回転を算出する。
【0094】
ある実施形態では、(例えば、x-y平面内の)粗い面内偏移が、例えば、チップ表面上で基準粒子および/または基点マーカを使用することによって決定される。ある実施形態では、例えば、基準粒子および/または基点マーカの座標が、集束した前走査画像および集束した後走査画像内で識別され、相互に合致され、面内偏移を決定してもよい。例えば、合致する基点マーカが、集束した前走査画像および集束した後走査画像内で識別され、重心、頂点、縁等の座標が、面内(例えば、x-y)偏移を算出するために整合されてもよい。例示的な粗いx-y位置合わせの結果が、図7Aおよび7Bに示され、実施例2においてさらに詳細に説明される。
【0095】
ある実施形態では、微細な面内位置合わせもまた、例えば、粗い位置合わせに続いて実施されてもよい。微細な位置合わせは、集束した後走査画像内の(例えば、センサチップ表面上の実質的に同一の物理的領域に対応する)第2の合致する背景領域に加えて、集束した前走査画像内の第1の背景領域を識別することによって実施され得る。第1および第2の背景領域は、集束した前走査画像および集束した後走査画像の両方内に出現する、基点マーカの近傍の合致する領域(例えば、長方形部分領域)を位置特定することによって識別されてもよい。ある実施形態では、第1および第2の背景領域は、基点マーカの境界内に位置する。ある実施形態では、第1および第2の背景領域は、基点マーカの境界の外側に位置する。
【0096】
ある実施形態では、第1の背景領域が、第2の背景領域から減算され、ピクセル強度の標準偏差等の結果として生じた減算画像を横断した変動の尺度が、算出される。ある実施形態では、マスクが、第1および第2の背景領域から粒子および/または基点マーカを除去し、例えば、主として、(例えば、粒子の存在に起因しない)純粋背景の変動を測定するために適用される。ある実施形態では、本プロセスが、xおよび/またはy方向における偏移(例えば、小さい、例えば、約10またはそれ未満または50またはそれ未満のピクセル)が一方の画像に、他方に対して適用されるにつれて、繰り返される。図9Bに図示されるように、最適な偏移が、最小標準偏差(または変動の他の尺度)を生産する偏移として識別されることができる。
【0097】
ある実施形態では、加えて、または代替として、回転偏移が、集束した前走査画像および集束した後走査画像を使用して決定される。例えば、ある実施形態では、集束した前走査画像が、集束した後走査画像から減算され、ピクセル強度の標準偏差等の結果として生じた減算画像を横断した変動の尺度が、算出される。ある実施形態では、マスクが、集束した前走査画像および集束した後走査画像から粒子および/または基点マーカを除去し、例えば、主として、(例えば、粒子の存在に起因しない)純粋背景の変動を測定するために適用される。ある実施形態では、本プロセスが、一方の画像が他方に対して回転されるにつれて、繰り返される。図10Bに図示されるように、最適な偏移が、最小標準偏差(または変動の他の尺度)を生産する偏移として識別されることができる。ある実施形態では、集束した前走査画像および集束した後走査画像の全体または実質的に大部分が、減算および回転偏移決定を実施するために使用される。ある実施形態では、小さい部分領域が、(例えば、微細なx-y整合に関して上記に説明されるアプローチと同様に)使用される。
【0098】
ある実施形態では、前走査スタックおよび後走査スタックが、加えて、または代替として、撮像の間のセンサチップの傾斜と考慮するために使用されてもよい。例えば、ある実施形態では、画像領域が、限定ではないが、象限等の複数の部分領域に分割されてもよい。図11に図示されるように、ある実施形態では、前走査画像の各部分領域(例えば、象限)が、(例えば、本明細書に、例えば、第B節内において説明されるように、対毎の方式において、)1つまたはそれを上回る後走査画像の合致する部分領域(例えば、象限)と比較され、例えば、傾斜に起因して異なる部分領域にわたって異なり得る、部分領域に特有のオフセットを決定してもよい。
【0099】
D.背景減算および最終的な粒子画像
故に、様々な画像整合および位置合わせステップが、本明細書に説明されるように、種々の組み合わせにおいて実施され、軸方向および面内(例えば、横方向)方向の両方において前走査画像および後走査画像を整合させ得る。本正確な3次元(例えば、軸方向位置を含む)整合によって、合致する前走査画像および後走査画像またはそれらの一部(例えば、本明細書に説明されるような、傾斜を考慮するような部分領域)が、識別され、相互から減算され、1つまたはそれを上回る最終的な粒子画像を発生させることができる。例えば、ある実施形態では、単一粒子画像が、画像スタックの単一の前走査画像および後走査画像から発生されてもよい。ある実施形態では、後走査スタックの少なくとも一部の各画像が、前走査スタックの前走査画像に合致され、(例えば、異なるレベルの脱集束における)複数の最終的な粒子画像を決定するために使用される。
【0100】
ある実施形態では、減算は、一方または両方の画像に加重する、および/または他方の、例えば、基準画像によって分割する、またはそれを減算し、例えば、暗電流および/または照明源の変動を考慮するステップを含んでもよい。ある実施形態では、(例えば、前走査画像による後走査画像の)除算が、減算に加えて、または代替として、使用されてもよい。
【0101】
F.実施例
実施例1:ExoViewプラットフォームを用いた例示的細胞外小胞検出
本実施例は、SP-IRISベースの撮像デバイスのある実施形態および本明細書に説明される画像処理アプローチのある実施形態を利用する、細胞外小胞粒子の検出を実証する。
【0102】
緒言
ExoViewプラットフォームは、研究者が、表面抗原固有抗体(例えば、テトラスパニン)を用いて細胞外小胞(EV)を捕捉し、2つの撮像技法、すなわち、単一粒子干渉反射率撮像センサ(SP-IRIS)撮像および蛍光撮像を使用して、個々の粒子を枚挙することを可能にする。ExoViewプラットフォームを使用するSP-IRIS撮像は、典型的には、約50nmのEVの検出のより低いサイズ限界を有している。最低20nmの生物学的粒子を測定することが可能である技術の開発は、直径が50nm未満である、近年発見されたエクソメアおよびスーパーメア-EV亜集合の分析を可能にするであろう。本実施例では、R200 ExoViewプラットフォームを使用して、本明細書に説明されるある実施形態による、SP-IRIS技法に対してエンジニアリングされた改良が、直径が20nm程度に小さいEVの検出を可能にした。検出のサイズ限界を有していない、蛍光撮像と組み合わせられると、新しい洞察が、EVの異なるサイズの母集団の表面およびカーゴ発現パターンにおいて発見され得る。
【0103】
方法
ヒト細胞培養培地が、印刷されたCD9、CD63、およびCD81抗体捕捉プローブを用いてチップ上で一晩インキュベートされた。不動化されたEVが、固定、透過処理、および蛍光抗体のカクテル(CD9、CD63、CD81、Syntenin、ALIX、TSG101)を用いて染色された。チップが、ExoView R200プラットフォーム上で走査され、画像分析が、ExoView分析器3.1を使用して実施された。
【0104】
結果
30~200nmのEVサイズヒストグラムが、提示され、50nm未満の最頻値サイズを示す。EVが、それらのサイズに基づいて容器に入れられると、EVマーカ(CD9、CD63、CD81、Syntenin、ALIX、TSG101)の明確に異なる4色の発現プロファイルが、サイズグループ間で観察される。
【0105】
まとめ/結論
近年では、EVのサイズおよび機能の多様性の知識が、劇的に成長している。いかなる特定の理論にも拘束されることを所望するわけではないが、25nmと同程度に小さい粒子が、ヒトの身体に生物学的に関連のある影響を及ぼし得ることを予期している人は、殆どいないであろう。これらの発見を用いることによって、20nmと同程度に小さい表現型EVを確実に測定し得る、技術を開発および利用することは、EV分野にとって重要な機能性をもたらす。
【0106】
実施例2:例示的3D画像位置合わせおよび減算アプローチ
本実施例は、リソグラフィによって画定される基点マーカを利用する、画像位置合わせおよび減算のためのアプローチを実証し、性能を、堆積されたビーズが使用される、代替実施形態と比較する。
【0107】
サンプルワークフロー
図5Aは、本明細書で使用される、例示的ワークフロー500を示す。図5Aに図示されるように、センサチップは、センサチップ表面に結合される、複数のプローブ(例えば、抗体捕捉プローブ)を備えてもよい。プローブは、各スポットが、例えば、微小アレイ形式における、特定のタイプのプローブを有する、複数のスポットの中に配列されてもよい。捕捉プローブは、チップの表面上に細胞外小胞(EV)を不動化するために使用されてもよい。
【0108】
センサチップの表面と着目サンプルを接触させるステップに先立って、前走査スタックが、取得された(502)。前走査スタックが、前走査スタックの各画像が撮像システムの対物レンズから異なる距離において撮影されるように、チップが軸方向に(例えば、ステップ毎方式において)移動されるにつれて、センサチップ表面を撮像することによって、図1に図示されるように入手された。前走査の後、粒子(例えば、細胞外小胞)を含有する生物学的サンプルが、センサチップの表面上に標的粒子を捕捉するように、センサチップ上でインキュベートされた(504)。ある実施形態では、インキュベーションは、例えば、二次プローブ(例えば、蛍光色素分子)で標識するステップと、(例えば、細胞外小胞、脂質ナノ粒子、およびウイルス(例えば、封入されるウイルス)等の粒子内の生体分子カーゴへのアクセスを提供する)固定および透過処理ステップとを含む、種々の処理ステップを含んでもよい。
【0109】
インキュベーションの後に、後走査スタックが、入手された(506)。後走査スタックは、例えば、図2に図示されるように、前走査スタックが入手された様式に類似の方式において入手された。画像位置合わせおよび減算プロセスは、以下にさらに詳細に説明されるように、前走査スタックおよび後走査スタック内の焦点面位置を合致させ、集束画像を識別および位置合わせし、チップ傾斜を考慮するように調節を実施し、最終的に、最終的な粒子画像を生産するために使用された。最終的な粒子画像が、次いで、分析された(510)。510に示されるように、分析は、ヒートマップの発生を含んでよく、これは、印刷されたスポット上で不動化された粒子(例えば、EV)の数を示す。分析はさらに、粒子のサイズ、形状、およびタイプの決定を含むことができる。
【0110】
3D画像位置合わせプロセス
本実施例において使用されるセンサチップは、例えば、図6C図7Aおよび7B、ならびに図9Aに示されるように、それらの表面上に複数の基点基準マーカを備えていた。前走査スタックおよび後走査スタックの画像内の基準マーカの存在が、一連の画像処理ステップとの組み合わせにおいて使用され、位置合わせされた減算を実施し、とりわけ、センサチップ面粗度に起因する背景ノイズ(例えば、増減)が減算および最小限にされた、最終的な粒子画像を取得し、改良された粒子検出を可能にした。
【0111】
図5Bは、本明細書に説明されるある実施形態による、本実施例において実施される、位置合わせされた画像減算を図示する、フロー図を示す。
【0112】
1.基準領域上でのDoG曲線を使用したZ-スタックの整合
第1のステップ552において、前走査スタックおよび後走査スタックが、整合された。特に、画像スタック内の各画像(例えば、スライス)が、顕微鏡対物レンズから異なる軸方向距離において入手される。便宜上、本実施例では、3次元(3D)空間内のX-Y平面は、センサチップの表面と整合されると見なされる一方、平面に対して直角の移動は、「Z-軸」に沿った移動であると見なされる。画像スタックを入手するために、スタック内の画像(例えば、スライス)が、Z-軸に沿って、第1の軸方向場所において撮影され、次いで、撮像デバイスが、(例えば、機械的に)第2の位置に対して調節され、第2の焦点面における第2の画像(例えば、第2のスライス)を入手する。調節は、スタックの各画像(例えば、スライス)が、Z-軸に沿った異なる位置を表すように行われる。本プロセスは、Z-軸に沿った一連の画像(例えば、複数のスライス)を発生させ、したがって、画像のZ-スタックを発生させるために必要に応じた回数繰り返されることができる。ある実施形態では、近隣する焦点面間の距離は、実質的に均一である。
【0113】
インキュベーションの前後のセンサチップの絶対z-位置間の小さいオフセットを考慮するために、前走査画像スタックおよび後走査画像スタックが、整合され、前走査スタック内の特定のスライス番号に対応する、前走査焦点面位置、および後走査スタック内の特定のスライス番号に対応する、後走査焦点面位置を決定する。
【0114】
特に、本例示的処理アプローチでは、前走査スタック内の特定の基点マーカ画像を囲繞する、基準領域が、識別され、前走査スタックの画像毎に、ガウスの差異(DoG)スコアが、基準領域を使用して算出された。これが、後走査画像スタックに関しても同様に繰り返された。図6Aおよび図6Bは、基板のある領域上の基準スポットから入手される、前走査画像スタックおよび後走査画像スタック(例えば、図6C)からの2つの例示的DoG焦点曲線を示す。図6Cは、明るい、反転された「L」字形状領域が、基準スポットである、基板上の基準スポットの例示的画像である。ある実施形態では、Z-スタックの画像は、非飽和画像(例えば、25%の完全良好露光)である。ある実施形態では、基準スポットの縁上(例えば、図6Cに示される、反転された「L」字形状の輪郭上)には、粒子が殆ど存在しない。
【0115】
DoG焦点曲線が、前走査スタックの特定のスライスを集束した前走査画像として、および後走査スタックの特定のスライスを集束した後走査画像として識別するために使用された。
【0116】
2.基準領域の粗い局所整合
Z-スタック画像の整合の後に、チップの表面上の基準領域の粗い局所整合が、集束した前走査画像および集束した後走査画像を使用して実施された(554)。図7Aは、X-Y平面内の整合を伴うことなく、同一の焦点面の前走査画像および後走査画像が減算されている、基準領域の例示的画像である。粗いX-Yオフセットが見出された後、例えば、基準基点の場所を識別することによって、X-Y偏移が、画像を粗く整合させるための減算に先立って、画像に適用されることができる。図7Bは、前走査画像および後走査画像が、減算に先立って決定されたX-Yオフセットを使用して粗く整合されている、図7Aと同一の基準スポットの例示的画像である。図7Bに示される、粒子および基準マーカは両方とも、(例えば、図7Aの整合されていない画像に示される、正および負のコントラスト縁と対照的に)明確な良好に輪郭が描かれる縁を有する。
【0117】
3.基準領域上の粒子のマスク
次のステップ556では、マスクが、前走査画像および後走査画像の画像内で見出される粒子、基準領域、および他の特徴に適用される。図8は、マスクが適用されている、基準スポットおよび粒子の例示的画像である。マスクは、センサチップ表面上の粒子、基準マーカ、および他の小さい特徴を除外する、小さい背景領域を決定し、背景粗度を表す、画像の小さい背景領域を残すために使用されることができ、すなわち、背景領域内の強度増減が、(例えば、単独で)面粗度に起因するようなものである。背景領域は、チップ上の(捕捉分子の)スポットの内または外側に位置してもよい。合致する背景領域が、(粗い位置合わせに続いて)集束した前走査画像および集束した後走査画像内で識別される。
【0118】
4.局所近隣場所の微細なX-Y整合
次のステップでは、x-y平面内で微細な整合558を実施するために、前走査画像および後走査画像の背景領域が、図9Aおよび9Bに図示されるように、局所近隣場所を検索するためにx-y平面内の小さい相対的偏移が適用されるにつれて、相互から繰り返して減算される。図9Aは、その上に示される(反転された「L」のような)整合マーカ900を伴うチップの画像である。整合マーカ900aのうちの1つが、赤色ボックス902の境界内にある。緑色および青色の挿入ボックス903、904は、小さい背景領域を表す。ある実施形態では、基準スポットを伴わない前走査画像の一部(緑色に示されるような906)が、(例えば、図9Aにおいて青色ボックス904によって示される)対応する後走査画像の小さいエリアにわたって走査されることができる。これは、2つの画像間の最適な整合を可能にする。図9Bは、20×20ピクセル検索エリアにわたる(すなわち、各画像がXおよびY方向において0~20ピクセル相互に対して偏移される際の)2つの画像間の差異の標準偏差を示す。2つの画像が、それらの間にいかなる差異も伴わずに完全に整合される場合、その差異の標準偏差は、最小限にされることが予期される。故に、3Dプロット上に示される最小値は、2つの画像を整合させるために適用されるべきである、最適な偏移に対応する。
【0119】
5.大きい画像上での回転整合
局所整合が、達成された後、2つの画像の回転整合が、実施される(560)。2つの画像の回転整合は、微細なX-Y整合より大きいエリアの画像にわたって行われる。図10Aおよび10Bは、前走査画像と後走査画像との間の回転整合のためのプロセスを示す。回転の中心が、微細なX-Y整合を実施するステップにおいて使用される、以前に整合された基準領域の中心に設置される。図10Bは、一方の画像が他方の画像にわたって回転される際の2つの画像間の差異の標準偏差のグラフである。より大きい画像が、相互にわたって回転されるにつれて、2つの画像間の最適な整合は、本実施例では約0.002ラジアンである、画像間の差異の最小標準偏差に対応する。故に、回転は、それらの間のより良好整合を達成するために、画像に適用されることができる。
【0120】
6.チップ面外傾斜検索
回転の後、面外傾斜検索が、画像減算のための最適なスライスを決定するために行われることができる(562)。本明細書に議論されるように、前走査または後走査画像スタックの各スライスが、撮像デバイスが画像を入手したZ-軸に沿った異なる軸平面に対応する。ある実施形態では、画像減算のために最適なスライスは、1つのスタック(例えば、前走査スタック)から画像を撮影し、それを4つの実質的に等しい正方形象限に分割することによって決定されてもよい。例えば、正方形または長方形の画像に関して、これは、左上(TL)、右上(TR)、左下(BL)、右下(BR)象限に対応し得る。次いで、スライスが、画像間の差異を最小限にするために、第2のスタック(例えば、後走査スタック)の画像の対応する領域と比較される。画像間の差異の標準偏差は、スライス間のより良好な整合に伴って減少するはずである。図11は、前走査画像が後走査スタックの画像内の対応する象限に沿って走査される際の、その4つの象限、すなわち、TL1100、TR1102、BL1104、およびBR1106の最適化を示す、例示的プロットである。
【0121】
結果
本明細書に説明されるような位置合わせを実施した後、位置合わせおよび集束された前走査画像および後走査画像の最適な対が、取得され、相互から減算され、最終的な粒子画像を取得した。背景の標準偏差が、背景増減を最小限にする際のアプローチの性能を評価するために算出された。下記の表1は、基点マーカおよび背景強度増減を使用する、本実施例のアプローチとビーズベースのアプローチを比較する。
【表1】
【0122】
結果は、背景標準偏差が32個のフレーム平均を使用するビーズレス方法が、2つの方法間で同等であることを示す。しかしながら、平均化されるフレームの数を256に増加させることは、ビーズベースの方法と比較して、ビーズレス方法の標準偏差の小さい減少を示す。ビーズレス方法を実施するために要する時間は、ビーズベースの方法を上回る。画像を処理するためにスポットあたり約14秒を要するビーズレス方法と比較して、ビーズベースの方法を使用して画像を処理するためには、スポットあたり約7秒を要する。しかしながら、ビーズレス方法のための処理時間を短縮させるために、さらなる最適化が、達成されることができる。
【0123】
本明細書に説明される撮像方法によって検出され得る粒子は、限定ではないが、細胞外小胞、エキソソーム、ウイルス、ウイルス様粒子、または脂質ナノ粒子を含む。画像内の粒子の検出は、患者内の(例えば、腫瘍、癌、悪性腫瘍を伴う)疾患を分類、診断、および/または監視するため、または患者のための治療選択肢を選択するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、患者を治療するステップを含んでもよい。
【0124】
一実施形態では、本明細書に説明される撮像方法による粒子の検出は、腫瘍または癌を分類、診断、および/または監視するために使用され得る。いくつかの実施形態では、癌は、腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は、乳房、肺、頭部または頸部、前立腺、食道、気管、脳、肝臓、膀胱、胃、膵臓、卵巣、子宮、子宮頚部、精巣、結腸、直腸、および皮膚から選択される。いくつかの実施形態では、癌は、乳房、肺、頭部または頸部、前立腺、食道、気管、脳、肝臓、膀胱、胃、膵臓、卵巣、子宮頸部、精巣、結腸、直腸、または皮膚の腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は、膵臓、肺(例えば、小細胞または非小細胞)、および乳房から選択される。
【0125】
腫瘍、癌、または悪性腫瘍の他の実施例は、限定ではないが、上記に列挙される器官系内に位置する、新生物以外に、急性小児リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、成人(原発性)肝細胞癌、成人(原発性)肝臓癌、成人急性リンパ球性白血病、成人急性骨髄性白血病、成人ホジキン病、成人ホジキンリンパ腫、成人リンパ球性白血病、成人非ホジキンリンパ腫、成人原発性肝臓癌、成人軟部組織肉腫、AIDS関連リンパ腫、AIDS関連悪性腫瘍、肛門癌、星状細胞腫、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、乳癌、腎盂・尿管癌、中枢神経系(原発性)リンパ腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、子宮頚部癌、小児(原発性)肝細胞癌、小児(原発性)肝臓癌、小児急性リンパ芽球性白血病、小児急性骨髄性白血病、小児脳幹膠腫、小児小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、小児ホジキン病、小児ホジキンリンパ腫、小児視床下部および視経路膠腫、小児リンパ芽球性白血病、小児髄芽腫、小児非ホジキンリンパ腫、小児松果体部およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児原発性肝臓癌、小児横紋筋肉腫、小児軟部組織肉腫、小児視覚路および視床下部膠腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、内分泌膵島細胞癌、子宮内膜癌、上衣腫、上皮癌、食道癌、ユーイング肉腫および関連腫瘍、外分泌膵臓癌、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝臓外胆管癌、眼癌、女性乳癌、ゴーシェ病、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管腫瘍、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛性腫瘍、有毛細胞白血病、頭頸部癌、肝細胞癌、ホジキン病、ホジキンリンパ腫、高ガンマグロブリン血症、下咽頭癌、腸癌、眼球内黒色腫、島細胞癌、島細胞膵臓癌、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、口唇癌および口腔癌、肝臓癌、肺癌、リンパ増殖性障害、マクログロブリン血症、男性乳癌、悪性中皮腫、悪性胸腺腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、転移性潜在原発性扁平上皮頸部癌、転移性原発性扁平上皮頸部癌、転移性扁平上皮頸部癌、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄白血病、骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、妊娠中の非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌、潜在原発性転移性扁平上皮頸部癌、口腔咽頭癌、骨/悪性線維性肉腫、骨肉腫/悪性線維性組織球腫、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性潜在腫瘍、膵臓癌、異常タンパク血症、紫斑、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫、脳下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性肝臓癌、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎盂尿管癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、サルコイドーシス肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮頸部癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉性腫瘍および松果体腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行細胞癌、移行性腎盂尿管癌、絨毛性腫瘍、尿管および腎盂細胞癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、視覚路および視床下部膠腫、外陰部癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍、および任意の他の過剰増殖性疾患を含む。
【0126】
本明細書に説明される、異なる実装の要素が、上記に具体的に述べられていない他の実装を形成するように組み合わせられ得る。要素は、それらの動作に悪影響を及ぼすことなく、本明細書に説明されるプロセス、コンピュータプログラム、データベース等から除外され得る。加えて、図内に描写される論理フローは、望ましい結果を達成するために示される特定の順序または順次順序を要求するものではない。種々の別個の要素は、本明細書に説明される機能を実施するために、1つまたはそれを上回る個々の要素に組み合わせられてもよい。
【0127】
装置およびシステムが具体的な構成要素を有する、含む、または備えるものとして説明される、または、プロセスおよび方法が具体的なステップを有する、含む、または備えるものとして説明される、説明の全体を通して、加えて、列挙される構成要素から本質的に成る、またはそれらから成る、説明される技術の装置およびシステムが存在すること、および列挙される処理ステップから本質的に成る、またはそれらから成る、説明される技術による、プロセスおよび方法が存在することが、想定される。
【0128】
説明される技術が動作可能なままである限り、ステップの順序またはあるアクションを実施するための順序が、重要ではないことを理解されたい。また、2つまたはそれを上回るステップもしくはアクションが、同時に行われてもよい。
【0129】
説明される技術は、特に、具体的実施形態を参照して示され、説明されているが、形態および詳細における種々の変更が、添付の請求項によって定義されるような説明される技術の精神および範囲から逸脱することなく、その中で行われ得ることが、当業者によって理解されるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
【国際調査報告】