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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】燃料電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20250212BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20250212BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20250212BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20250212BHJP
   H01M 8/0228 20160101ALI20250212BHJP
   H01M 8/02 20160101ALI20250212BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/04537
H01M8/00 Z
H01M8/2465
H01M8/0228
H01M8/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543857
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2022087804
(87)【国際公開番号】W WO2023138884
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】2200562
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2200565
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323001937
【氏名又は名称】シンビオ・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャッキー・ショセ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアンニー・ボニファス
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・オクレール
(72)【発明者】
【氏名】ビラル・ナイーム
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ビルマズ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126AA02
5H126AA12
5H126AA15
5H126AA28
5H126JJ03
5H127AA06
5H127AC01
5H127AC07
5H127BA02
5H127BB02
5H127DB55
5H127DB68
5H127EE01
5H127EE27
(57)【要約】
本発明は、積み重ね方向(L)においてバイポーラプレート(12)のスタック(11)を備える燃料電池(10)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)の各々がそれらの間に少なくとも1つのセル(14)を形成し、電池(10)は、スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)と、複数の測定モジュール(20)とをさらに備え、各々のモジュール(20)が、バイポーラプレート(12)のスタック(11)の診断特性および前兆特性を決定することができるコンピュータを備える少なくとも1つの印刷回路と、測定モジュール(20)を保持するための機械的フレーム(40)とを備え、測定モジュール(20)は、機械的フレーム(40)に固定され、ケーブルの媒介なしで、互いに、および、バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続される、燃料電池(10)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねの方向(L)に沿ってバイポーラプレート(12)のスタック(11)を備える燃料電池(10)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にセル(14)を形成し、当該燃料電池(10)は、前記スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)をさらに備え、複数の測定モジュール(20)が前記バイポーラプレート(12)に接続され、各々の測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)の電気的特性を決定するのに適した計算機を含む少なくとも1つの印刷回路(22)と、前記測定モジュール(20)を保持するための機械的フレーム(40)とを備え、前記測定モジュール(20)は、前記機械的フレーム(40)に留め付けられ、ケーブルの媒介なしで、互いに、および、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続される、燃料電池(10)。
【請求項2】
前記機械的フレーム(40)は、端プレート(16)に各々が留め付けられる2つの枢動ブラケット(46、48)と、一方の枢動支持部(46)から他方の枢動支持部(48)へと、積み重ねの方向(L)と実質的に平行に延びる枢動シャフト(44)と、一方の枢動支持部(46)から他方の枢動支持部(48)へと、前記積み重ねの方向(L)および前記枢動シャフト(44)と実質的に平行に延びる留め付けレール(42)とを備え、前記機械的フレーム(40)は、すべての前記測定モジュール(20)が前記機械的フレーム(40)によって形作られるように構成されている、請求項1に記載の燃料電池(10)。
【請求項3】
搭載レール(42)は、各々の枢動支持部(46、48)を前記搭載レール(42)に留め付けるための手段(56)の通過のための開口(54)が設けられ、前記留め付けレール(42)に留め付けるための手段(56)の通過のための孔(54)は楕円形である、請求項2に記載の燃料電池(10)。
【請求項4】
各々のモジュール(20)は外殻(92)によって覆われ、各々のモジュール(20)の前記外殻(92)は、フールプルーフ部材を備え、フールプルーフによって互いに組み合わさる、請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項5】
フールプルーフ要素は、雌留め付け要素(32)と相補的な雄留め付け要素(93)を含み、
各々の外殻(92)は、第1の横断側(94)において雄留め具(93)が設けられ、一方で、雌留め具(32)は、前記第1の横断側(94)と反対の前記外殻(92)の第2の横断側(34)に形成されている、請求項4に記載の燃料電池(10)。
【請求項6】
前記雄留め具(93)はスタッドであり、前記雌留め具(32)は、前記スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である、請求項5に記載の燃料電池(10)。
【請求項7】
各々の外殻(92)は、枢動シャフト(44)と嵌まり合う円筒形の溝(72)を有する、請求項4から6のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項8】
各々の外殻(92)は、前記留め付けレール(42)に留め付くための突起(70)を有する、請求項4から7のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項9】
各々のモジュール(20)は、前記モジュール(20)を一緒に接続する接続ストリップ(76)であって、第2の隣接するモジュール(20)の前記外殻(92)との第1のモジュール(20)の前記外殻(92)の接触が、前記接続ストリップ(76)の各々の板バネ(80)の圧縮を発生させるような方法で、前記積み重ねの方向(L)に対して垂直な横断方向(T)に沿って前記接続ストリップ(76)の両側に配置される前記板バネ(80)を有する接続ストリップ(76)に接続されている、請求項4から8のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項10】
各々のモジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)に形成されたポケット(84)へと挿入されることになるピン(90)を用いて、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項11】
枢動支持部(46)のうちの一方は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)をマザーボードに接続するためのコネクタ(122)を支持している、請求項2から10のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項12】
枢動支持部(46)のうちの一方は、前記バイポーラプレート(12)を隣接する前記モジュール(20)に接続することになる、前記枢動支持部(46)に最も近い前記バイポーラプレート(12)との接触のために、追加の構成要素(108)を支えている、請求項2から11のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料電池(10)に測定モジュール(20)を設置する方法であって、前記機械的フレーム(40)への各々のモジュール(20)の留め付けと、ケーブルの介在なしでの、互いへの、および前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)への前記測定モジュール(20)の接続とを含んでなる、方法。
【請求項15】
積み重ねの方向(L)に沿って複数のバイポーラプレート(12)のスタックによって形成される燃料電池(10)であって、各々のバイポーラプレート(12)は、アノードプレート(12′)およびカソードプレート(12″)を含む2つの重ね合わされたモノポーラプレート(12′、12″)によって形成され、2つの連続したバイポーラプレート(12)はそれらの間にセル(14)を形成し、
当該燃料電池(10)は、前記スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)と、前記セル(14)の電気的特定を測定するための複数のモジュール(20)とをさらに備え、各々のモジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)の電気的特性を決定するのに適したコンピュータを含む印刷回路(22)を備え、
2つの連続したモノポーラプレート(12′、12″)は、前記モジュール(20)のピン(90、95)を各々が受け入れるための少なくとも1つのポケット(84)を一緒に形成し、各々のポケット(84)は、前記ピン(90、95)と協働するように成形され、周囲壁(92)を有し、前記モジュール(20)の各々のピン(90、95)は、前記ピン(90、95)が前記ポケット(84)へと挿入された後、前記ポケット(84)の前記周囲壁(92)に2つの相対する力を発揮するような形状を有することを特徴とする、燃料電池(10)。
【請求項16】
2つの連続したモノポーラプレート(12)は、前記少なくとも1つのポケット(84)を形成するために背中合わせで配置されている、請求項15に記載の燃料電池(10)。
【請求項17】
各々のピン(90、95)は、実質的に第1の方向(Z)に沿って延び、一部分(96)にわたって、前記第1の方向(Z)に沿う切り込み部(97)を有し、前記切り込み部(97)は、前記一部分(96)を、前記切り込み部(97)の両側における2つの副部分(98)へと分離し、各々の副部分(98)は第2の方向(L)に沿って隆起を有し、前記第2の方向(L)は前記第1の方向(Z)に対して垂直であり、2つの前記副部分(98)の隆起(40)は前記第2の方向(L)に沿って反対方向に延在している、請求項15または16に記載の燃料電池(10)。
【請求項18】
前記第2の方向(L)は、前記第1の方向(Z)に対して垂直である第3の方向(T)に対して垂直であり、2つの前記副部分(98)は、前記第3の方向に沿う前記切り込み部(97)の両側において、互いから分離されている、請求項17に記載の燃料電池(10)。
【請求項19】
前記切り込み部(97)は、前記第1の方向(Z)に沿って近位端と遠位端との間で延在し、2つの前記副部分(98)は、前記切り込み部の遠位端および近位端において一緒に繋げられている、請求項17または18に記載の燃料電池(10)。
【請求項20】
各々のポケット(84)は、前記周囲壁(92)が円錐形を有する開口端(94)を有する、請求項15から19のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項21】
各々のポケット(84)の前記周囲壁(92)は、ピン(90、95)のための小さい区域の通過を形成するように、スタンピング(93)を有する、請求項15から20のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項22】
2つの連続したバイポーラプレート(12)は、1つおきのバイポーラプレート(12)の前記少なくとも1つのポケット(84)だけが前記モジュール(20)の近傍において同じ高さとなるように、ヘッドトゥーテールで積み重ねられている、請求項15から21のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項23】
各々のバイポーラプレート(12)は、ピン(90、95)を各々で受け入れるための正確に2つのポケット(84)を形成している、請求項15から22のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項24】
各々のモジュール(20)は、10個の別々のバイポーラプレート(12)の10個のポケット(84)を前記モジュール(20)に接続するように構成される10個の並べられたピン(90、95)と、10個の前記バイポーラプレート(12)のうちの1つの第2のポケット(84)を前記モジュール(20)に接続するための追加のピン(95)とを有する、請求項23に記載の燃料電池(10)。
【請求項25】
請求項15から24のいずれか一項に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、様々な用途において、具体的には電気車両において、エネルギー源として使用されている。高分子電解質膜燃料電池(PEFC)では、水素が燃料電池のアノードに供給され、酸素が酸化剤としてカソードに供給される。高分子電解質膜燃料電池(PEFC)は、その一方の側におけるアノード触媒と、その反対側におけるカソード触媒とを有する非導電性でプロトン交換の固体高分子電解質膜を備える膜電極接合体(MEA)を備える。膜電極接合体(MEA)は、炭素繊維などから作られるガス拡散層を用いて、バイポーラプレートと呼ばれる導電性要素の対の間に挟まれる。バイポーラプレートは、概して剛性であり、熱伝導性である。バイポーラプレートは、アノードおよびカソードのための集電体として主に機能し、燃料電池からのガス反応物をアノード触媒およびカソード触媒のそれぞれの表面にわたって分配するために、および、電極において生成された水を除去するために、適切な開口を伴う通路を含む。
【0003】
燃料電池は、アノードに供給される水素である燃料と、カソードに供給される酸素または空気である酸化剤とによって電力供給される。
【0004】
例えば、米国特許第9997792号は、接続タブによってセルの各々に接続されるケーブルのリボンを用いてコンピュータに接続されるセルのスタックを備える燃料電池を開示しており、そのケーブルは、ケーブルを接続タブに押し付けるためにハーネスによって保持される。
【0005】
しかしながら、このような種類の構成で行われる測定は信頼性がなく、セルは大きな空間を占め、さらに、ケーブルは、セルの動作の間に発生させられる振動または膨張などの機械的応力によって損傷させられやすく、そのため耐用期間を短くしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9997792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、測定の信頼性を向上させ、燃料電池の全体寸法を小さくし、燃料電池の耐用期間を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の主題は、積み重ねの方向においてバイポーラプレートのスタックを備える燃料電池であって、2つの連続したバイポーラプレートがそれらの間にセルを形成し、電池は、スタックの両側における2つの端プレートをさらに備え、複数の測定モジュールがバイポーラプレートに接続され、各々のモジュールは、バイポーラプレートのスタックの電気的特性を決定するのに適した計算機を含む少なくとも1つの印刷回路と、測定モジュールを保持するための機械的フレームとを備え、測定モジュールは、機械的フレームに留め付けられ、ケーブルの媒介なしで、互いに、および、バイポーラプレートのスタックに接続される、燃料電池である。
【0009】
燃料電池は、個別に、または、任意の技術的に可能な組み合わせに従って取られる、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
- 機械的フレームは、端プレートに各々が留め付けられる2つの枢動支持部と、一方の枢動支持部から他方の枢動支持部へと、積み重ねの方向と実質的に平行に延びる1つの枢動シャフトと、一方の枢動支持部から他方の枢動支持部へと、積み重ねの方向および枢動シャフトと実質的に平行に延びる搭載レールとを備え、機械的フレームは、すべての測定モジュールがフレームによって形作られるように構成される。
- 留め付けレールは、留め付けレールへの各々の枢動支持部の留め付け手段の通過のための孔が設けられ、留め付けレールの留め付け手段の通過のための孔は楕円形である。
- 各々のモジュールは外殻で覆われ、各々のモジュールの外殻は、フールプルーフ部材を備え、フールプルーフによって互いに組み合わさる。
- フールプルーフデバイスは、雌留め具と嵌まり合う雄留め具を含み、一方、各々の外殻は、第1の横断側において雄留め具が設けられ、その一方で、雌留め具は、第1の側と反対の外殻の第2の横断側に形成される。
- 雄留め具はスタッドであり、雌留め具は、スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である。
- 各々の外殻は、枢動シャフトと嵌まり合う円筒形の溝を有する。
- 各々の外殻は、搭載レールに留め付くための突起を有する。
- 各々のモジュールは、第2の隣接するモジュールの外殻との第1のモジュールの外殻の接触が、ストリップの各々の板バネの圧縮を発生させるような方法で、積み重ねの方向に対して垂直な横断方向に沿ってストリップの両側に配置される板バネを有するモジュール間コネクタストリップに接続される。
- 各々のモジュールは、バイポーラプレートに形成されたポケットへと挿入され得るピンを用いて、バイポーラプレートのスタックに接続される。
- 枢動支持部のうちの一方は、バイポーラプレートのスタックをマザーボードに繋げるためのコネクタを支える。
- 枢動支持部のうちの一方は、前記バイポーラプレートを隣接するモジュールに接続するのに適した、前記枢動支持部に最も近いバイポーラプレートとの接触のために、追加の構成要素を支える。
【0010】
本発明のさらなる主題は、上記で定められているような燃料電池を少なくとも1つ備える車両である。
【0011】
本発明のさらなる主題は、本発明による燃料電池に測定モジュールを設置するための方法であって、機械的フレームへの各々のモジュールの留め付けと、モジュールを、ケーブルの介在なしで、互いへ、およびバイポーラプレートのスタックへ接続することとを含む方法である。
【0012】
本発明の他の態様は、積み重ねの方向に沿った複数のバイポーラプレートのスタックによって形成される燃料電池であって、各々のバイポーラプレートは、アノードプレートおよびカソードプレートを含む2つの重ね合わされたモノポーラプレートによって形成され、2つの連続したバイポーラプレートはそれらの間にセルを形成し、燃料電池は、スタックの両側における2つの端プレートと、セルの電気的特定を測定するための複数のモジュールとをさらに備え、各々のモジュールは、バイポーラプレートのスタックの電気的特性を決定するのに適したコンピュータを含む印刷回路を備え、2つの連続したモノポーラプレートは、前記モジュールのピンを各々が受け入れるための少なくとも1つのポケットを一緒に形成し、各々のポケットは、前記ピンと協働するように成形され、周囲壁を有し、モジュールの各々のピンは、ピンがポケットへと挿入された後、ポケットの周囲壁に2つの相対する力を発揮するような形状を有する、燃料電池に関する。
【0013】
燃料電池は、個別に、または、任意の技術的に可能な組み合わせに従って取られる、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
- 2つの連続したモノポーラプレートは、少なくとも1つのポケットを形成するために背中合わせで配置される。
- 各々のピンは、主に第1の方向に沿って延び、一部分にわたって、前記第1の方向に沿う切り込み部を有し、切り込み部は、前記一部分を、切り込み部の両側における2つの副部分へと分離し、各々の副部分は第2の方向において隆起を有し、第2の方向は第1の方向に対して垂直であり、2つの副部分の隆起は第2の方向に沿って反対方向に延びる。
- 第2の方向は、第1の方向に対して垂直である第3の方向に対して垂直であり、2つの副部分は、第3の方向における切り込み部の両側において、互いから分離される。
- 切り込み部は、第1の方向に沿って近位端と遠位端との間で延び、2つの副部分は、切り込み部の遠位端および近位端において一緒に繋げられる。
- 各々のポケットは、周囲壁が円錐形を有する開口端を有する。
- 各々のポケットの周囲壁は、ピンのための小さい断面の通過を形成するように、スタンピングを有する。
- 2つの連続したバイポーラプレートは、1つおきのバイポーラプレートの少なくとも1つのポケットだけがモジュールの近傍において同じ高さとなるように、ヘッドトゥーテールで積み重ねられる。
- 各々のバイポーラプレートは、ピンを各々で受け入れるための正確に2つのポケットを形成する。
- 各々のモジュールは、10個の別々のバイポーラプレートの10個のポケットを前記モジュールに接続するように構成される10個の並べられたピンと、10個のバイポーラプレートのうちの1つの第2のポケットを前記モジュールに接続するための追加のピンとを有する。
【0014】
本発明のさらなる主題は、上記で定められているような燃料電池を少なくとも1つ備える車両である。
【0015】
本発明は、単に例として提供された、図面を参照する以下の記載を読むことで、より良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態による燃料電池の概略的な正面および側面斜視図である。
図2図1に示されている燃料電池のスタックの概略的な背面斜視図である。
図3図1に示されている燃料電池のバイポーラプレートのスタックの概略図である。
図4図1に示されている燃料電池の測定モジュールのための外殻の第1の横断側の概略図である。
図5図1に示されている燃料電池の測定モジュールのための外殻の第2の横断側の概略図である。
図6】モジュール外殻が除去されている、図1に示されている燃料電池の上面概略図である。
図7図6の変形による、モジュール外殻が除去されている、図1に示されている燃料電池の上面概略図である。
図8図1に示されている燃料電池のバイポーラプレートのスタックのモジュールとセルとの間の接続の概略的な斜視図である。
図9図1に示されている燃料電池の測定モジュールのピンの概略図である。
図10図1に示されている燃料電池の枢動支持部の第1の横断側の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および図2は、バイポーラプレート12のスタック11によって形成された燃料電池10を示している。
【0018】
各々のバイポーラプレート12は、ここでは、図3において見られる、アノードプレート12′とカソードプレート12″とを備える2つの重ね合わされたモノポーラプレート12′、12″によって形成されている。冷却回路が、有利には、封止された手法で互いに組み立てられる2つのモノポーラプレートの間に配置される。
【0019】
図示されている例では、同じバイポーラプレート12と関連する2つのモノポーラプレート12′、12″は金属から作られ、一体に溶接または接合される。
【0020】
変形(図示されていない)では、モノポーラプレートは、例えば、シリコーンシールなどの直接的に搭載される封止部を用いて、他の方法で組み立てられる。他の変形(図示されていない)によれば、バイポーラプレートは一体品であり、例えば黒鉛から作られる。
【0021】
より具体的には、燃料電池10は、バイポーラプレート12のスタック11の形態で作られた複数のセル14を備え、セル14は、2つの連続したバイポーラプレート12の間に形成される。それによって、スタック11は、直列に接続された複数の個別のセル14から成る。各々の個別のセル14について、燃料電池10は膜電極接合体をさらに備え、膜電極接合体は、セル14と関連する2つのバイポーラプレート12の間に介在させられる。膜電極接合体は図示されていない。
【0022】
燃料電池10は、例えば動力車両で使用されるように意図される。
【0023】
バイポーラプレート12は積み重ねの方向に沿って積み重ねられる。
【0024】
以下、説明の中で、積み重ねの方向は長手方向Lであるとして定められている。
【0025】
燃料電池10は、スタック11の両側に配置される2つの端プレート16も備える。バイポーラプレート12は2つの端プレート16の間に挟まれる。
【0026】
端プレート16は例えば、アルミニウムから作られる。
【0027】
外部流体回路(図示されていない)が、端プレート16において燃料電池10に接続されており、反応性ガスが、バイポーラプレート12にエッチング処理された通路を介して、バイポーラプレート12の表面における膜電極接合体に分配される。
【0028】
セル14の電気的特定を測定するために、測定モジュール20がバイポーラプレート12のスタック11に接続されている。
【0029】
各々のモジュール20は、燃料電池システム10の制御に適合するために、スタック11の状態を監視する働きをする。
【0030】
各々のモジュール20は、後で詳細に検討されている図6および図7において見られる、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定するのに適するコンピュータを含む少なくとも1つの印刷回路22を備え、より具体的には3つの印刷回路22を備える。
【0031】
例えば、特性には、バイポーラプレート12のスタック11の健全性の状態、バイポーラプレート12のスタックにおけるセル14の場所、燃料電池10のセル14の電圧、インピーダンス、および供給が含まれる。
【0032】
モジュール20は、印刷回路22を覆うように、および、印刷回路22を保護するように意図されている外殻26でそれぞれ覆われている。
【0033】
外殻26は複数の機能性を有し、これは以下で詳細に検討される。
【0034】
モジュール20の外殻26は、具体的にはフールプルーフである。
【0035】
したがって、モジュール20は、誤差の可能性なく一体に組み立てられるように構成される。「誤差の可能性なく」という用語は、2つの隣接するモジュール20が、組み立てられると、2つのモジュール20の1つだけの相対的な配向において互いに組み立てられるように構成されることを意味するが、これは当然ながら、モジュール20が外殻26の材料を変形させることで無理やり組み立てる場合を除くものである。したがって、他のモジュール20への測定モジュール20の組み立ては、1つの構成においてのみ可能である。配向誤差の可能性のないこのような組み立てはフールプルーフ組み立てとも呼ばれる。
【0036】
例えば、図4に示されているように、各々の外殻26は、第1の横断側28において、図5において見られる、第1の側28と反対の外殻26の第2の横断側34に形成された雌留め具32と嵌まり合う雄留め具30が設けられている。それによって、外殻26同士は誤差の危険性なく一体に組み立てることができる。
【0037】
例えば、雄留め具30はスタッドであり、雌留め具32は、スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である。
【0038】
より一般的には、雄留め具30と雌留め具32とは、嵌まり合う形状によって互いに協働し、1つだけの構成において互いに組み立てることができるフールプルーフ部材の例を一緒に形成する。
【0039】
また、モジュール20は、誤差の可能性なくバイポーラプレート12に組み付けられるように構成される。各々のモジュール20は、好ましくは、フールプルーフによってバイポーラプレート12に組み付けられる。
【0040】
外殻26はモジュール20の印刷回路22を保護する。
【0041】
好ましくは、すべてのモジュール20の外殻26は同一である。
【0042】
モジュール20は、具体的には機械的フレーム40を用いて、バイポーラプレート12のスタック11に一緒に組み付けられる。
【0043】
図1および図2に戻ると、機械的フレーム40は、留め付けレール42と、枢動シャフト44と、2つの枢動支持部46、48とを有利に備える。
【0044】
各々の枢動支持部46、48は、設置されるとき、端プレート16およびモジュール20と接触しているように配置される。
【0045】
枢動支持部46、48は、長手方向Lに対して垂直な横断方向Tに主に沿って延びる。長手方向Lおよび横断方向Tに対して直交する高さの方向Zも定められており、そのため、長手方向、横断方向、および高さ方向は直接的な座標系を形成する。
【0046】
各々の枢動支持部46、48は、横断方向Tに沿って定められるそれぞれの端プレート16の最大幅Wより小さい、横断方向Tに沿って定められる大きい寸法Dを有する。
【0047】
好ましくは、各々の枢動支持部46、48は、それぞれの端プレート16の最大幅Wの70%から80%の間に含まれる大きい寸法Dを有する。
【0048】
各々の枢動支持部46、48は、長手方向Lに沿って定められるそれぞれの端プレート16の厚さEに実質的に等しい、長手方向Lに沿って定められる小さい寸法dを有する。
【0049】
有利には、2つの端プレート16の各々に、枢動支持部46、48をそれぞれの端プレート16に留め付けるための手段52を受け入れるための少なくとも1つのオリフィスが設けられる。
【0050】
例えば、留め付け手段52はねじである。
【0051】
このような例によれば、少なくとも1つの受入オリフィス50はねじ山が切られる。
【0052】
各々の枢動支持部46、48は、それぞれの端プレート16への留め付けのための手段52が通過する少なくとも1つのオリフィス54を有する。留め付け手段52の通過のための少なくとも1つの貫通オリフィス54は、それぞれの端プレート16に設けられた少なくとも1つの受入オリフィス50の反対に配置されるように構成される。
【0053】
より具体的には、各々の枢動支持部46、48は、2つのねじ52を用いて、2つの端プレート16の一方に留め付けられる。各々のねじ52は、例えば、直径6mmで16mmの長さの6つの内部突出部を伴い、強度クラス8.8を有し、鋼鉄および亜鉛から作られるドーム形ねじである。
【0054】
留め付けレール42は、長手方向Lに沿って一方の枢動支持部46、48から他方へと延びる。
【0055】
有利には、留め付けレール42には、各々の枢動支持部46、48を留め付けレール42に留め付けるための手段56の通過のためのオリフィス55が設けられる。
【0056】
各々の枢動支持部46、48は、留め付けレール42に留め付けるための手段56の通過のための少なくとも1つの貫通孔54′を有する。
【0057】
例えば、留め付け手段56はねじである。
【0058】
より具体的には、各々の枢動支持部46、48は、ねじ56を用いて留め付けレール42に留め付けられる。ねじ56は、例えば、直径6mmで長さ16mmの6つの内部突出部を伴い、強度クラス8.8を有し、鋼鉄および亜鉛から作られるドーム形ねじである。
【0059】
有利には、留め付けレール42を留め付けるための手段56が通過する孔55は楕円形である。
【0060】
楕円形の孔55は、長手方向Lに沿って枢動支持部46、48に留め付けレール42の若干のクリアランスを生じさせ、それによって、燃料電池10の耐用期間の間に引き起こされる振動および膨張に対するモジュールの耐性を向上させる。
【0061】
有利には、図10において見られるように、各々の枢動支持部46、48は、各々のモジュール20の外殻26の横断側28、34にそれぞれ形成された雌留め具32または雄留め具30とそれぞれ嵌まり合う雄留め具または雌留め具59によってモジュール20と接触しているように意図されている横断側57に設けられている。それによって、外殻26同士は誤差の危険性なく枢動支持部46、48に組み付けることができる。
【0062】
例えば、雄留め具59はスタッドであり、雌留め具61は、スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である。
【0063】
枢動シャフト44は2つの長手方向端60、62の間で延びる。
【0064】
枢動シャフト44は留め付けレール42と平行に延びる。
【0065】
枢動シャフト44の各々の長手方向端60、62はそれぞれの枢動支持部46、48によって保持される。
【0066】
そのために、枢動支持部46、48は、例えば、枢動シャフト44を受け入れるための2つの並べられた円筒形の貫通孔64を有する。
【0067】
枢動シャフト44は、枢動シャフト44がそれぞれの枢動支持部46、48において係合させられるときに枢動シャフト44を受け入れるための2つの貫通孔64の間に位置付けられるように構成される溝を好ましくは有する。
【0068】
各々の枢動支持部46、48は、枢動シャフト44を受け入れるための2つの貫通孔64の間に置かれるタブ66も有利に有する。
【0069】
枢動シャフト44はタブ66において所定位置で係止される。スタック11が圧縮または膨張するとき、枢動支持部46は枢動シャフト44に沿って並進で移動する。
【0070】
枢動支持部46、48は、枢動シャフト44および留め付けレール42によって形成された全体のシステムを機械的に保持する。
【0071】
モジュール20の外殻26は、例えば、係止歯71を備える突起70を用いて、留め付けレール42に留め付けられる。
【0072】
突起70は、長手方向Lおよび横断方向Tに対して垂直な高さの方向Zに沿って有利に延びる。
【0073】
モジュール20の外殻26は、例えば、枢動シャフト44と嵌まり合う円筒形の溝72を用いて、枢動シャフト44に留め付けられる。溝72は、例えば線状の輪郭を有する。変形では、溝72は、例えば立体の輪郭を有する。
【0074】
モジュール20の外殻26が、枢動シャフト44に留め付けられるが、留め付けレール42に留め付けられないとき、外殻26は、枢動シャフト44によって形成される軸Aを中心に回転移動可能である。
【0075】
モジュール20の外殻26は、雄留め具30および雌留め具32を用いて、留め付けレール42および枢動シャフト44に一体に組み付けられるとき、それによって横断方向Tおよび高さ方向Zに沿った並進に対して係止され、回転において係止される。
【0076】
若干の遊びが、振動および膨張による摩耗を制限するために、長手方向Lに沿って許容される。
【0077】
図6に示されている例によれば、各々のモジュール20は3つの印刷回路22を備える。印刷回路22は主に横断方向Tに沿って延び、2つの印刷回路22は主に高さの方向Zに沿って延びる。
【0078】
3つの印刷回路22はケーブルのリボン75によって互いに電気的に接続され、例えば、印刷回路22同士の間の2つのリボン75が主に横断方向Tに沿って延び、2つの印刷回路22のうちの一方が主に高さの方向Zに沿って延び、2つの印刷回路22の間のリボン75が主に高さの方向Zに沿って延びる。
【0079】
モジュール20同士を互いに電気的に接続するために、および、セル14の電気的特性の測定の連続性を確保するために、各々のモジュール20は、モジュール20同士を互いに接続するためのストリップ76に接続される。
【0080】
図6に示されている例によれば、ストリップ76は、モジュール20の正中横断面Pの両側に配置される2つの半体ストリップの形態である。ストリップ76は主に横断方向Tに沿って延びる。
【0081】
好ましくは、ストリップ76は、外殻26を留め付けレール42に留め付けるための突起70の近傍に配置される。
【0082】
ストリップ76は、ストリップ76をモジュール20の少なくとも1つの印刷回路22に接続するための複数のピン78を備える。
【0083】
ピン78は高さの方向Zに沿って配向される。
【0084】
ピン78は、ストリップ76とモジュール20とを機械的および電気的に接続する働きをする。
【0085】
ストリップ76は、横断方向Tに沿ってストリップ76の両側に配置される板バネ80をさらに備える。
【0086】
ストリップ76は、例えば板バネ80の7つの対を有する。
【0087】
板バネ80はドーム形とされる。
【0088】
ストリップ76は、ストリップ76のピン78がストリップ76と印刷回路22との間に位置付けられるように、モジュール20に組み付けられる。
【0089】
このように、ストリップ76がモジュール20に組み付けられるとき、板バネ80は、モジュール20の外殻26の各々の横断側28、34から突出する。
【0090】
2つの隣接するモジュール20の外殻26の板バネ80は、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る圧縮および膨張を相殺し、したがって、2つの外殻26のストリップ76の間の機械的および電気的な接触を常に確保し、結果として、2つの隣接するモジュール20の間の機械的および電気的な接触を常に確保する。
【0091】
板バネ80は、2つの隣接するモジュール20の間の接触器の好ましい実施形態の例である。
【0092】
ストリップ76は、セルの電気的特性の測定において連続性を確保し、モジュール20間でのケーブルの使用なしで、供給線および通信バスによってすべてのモジュール20を繋げるための接続線を作り出す。それによって、各々のモジュール20には、それ自体の動作のためにエネルギーが供給され、具体的には、印刷回路22の動作、電気的特性の測定を行うこと、測定の結果を送信することなどのためにエネルギーが供給される。有利には、燃料電池10のモジュール20のうちの1つが失陥したとき、このことが電池10の他のモジュール20が機能することを妨げない。
【0093】
変形では、図7において見られるように、3つの印刷回路22は、例えば、主に横断方向Tに沿って延びる印刷回路22と主に高さの方向Zに沿って延びる2つの印刷回路22のうちの一方との間の複数の接点75′、および、主に横断方向Tに沿って延びる印刷回路22と主に高さの方向Zに沿って延びる2つの印刷回路22のうちの他方との間の複数の接点75′など、接点75′によって互いに電気的に接続される。このような変形によれば、ストリップ76は、図6の変形におけるのと同じ形状を有する。
【0094】
有利には、セル14は20個のセル14のパケットで配置される。
【0095】
20個のセル14は21個のバイポーラプレート12を必要とする。
【0096】
そのために、21個のバイポーラプレート12が積み重ねられ、2つの連続したバイポーラプレート12がそれらの間にセル14を画定する。
【0097】
2つの連続したモノポーラプレート12′、12″は、背中合わせで配置され、それらの間で、高さの方向Zに沿ってバイポーラプレート12の1つの端85において少なくとも1つのポケット84を形成する。
【0098】
各々のポケット84は、セル14の電気的特性を測定するためのモジュール20のピン90を受け入れるように構成される。
【0099】
好ましくは、2つの連続したバイポーラプレート12は、図3において見られるように、1つおきのバイポーラプレート12の少なくとも1つのポケット84だけがモジュール20の近傍において同じ高さとなるように、ヘッドトゥーテールで積み重ねられる。
【0100】
図示されている例によれば、各々のバイポーラプレート12は、ピン90をそれぞれ受け入れるための正確に2つのポケット84を形成する。
【0101】
第2のポケット84は、20個のセル14のグループごとに4つのワイヤを測定することを可能にする。同じことがインピーダンスを測定するために使用される。
【0102】
より具体的には、各々のポケット84は前記ピン90と協働するように成形される。
【0103】
各々のポケット84について、2つの連続したバイポーラプレート12は、互いに接触するときにポケット84の周囲壁92を画定する。
【0104】
好ましくは、各々のポケット84は、周囲壁92が円錐形を有する開口端94を有する。
【0105】
このような形状は、モジュール20のピン90を前記ポケット84の内部に案内するという利点を有する。
【0106】
有利には、各々のポケット84の周囲壁92は、ピン90のための小さい断面の通過を形成するように、スタンピング93を有する。
【0107】
スタンピング93は、ポケット84を強固にする役割を果たし、ピン90とポケット84との間においてポケット84の内側に電気接触を確保することを可能にする。
【0108】
スタンピング93も、ピン90がポケット84へと挿入されるときにピン90をある深さで係止するという機能も有し、前記ポケット84を穿孔することを回避することを可能にする。
【0109】
各々のモジュール20は、有利には、前記バイポーラプレート12の10個のポケット84を前記モジュール20に接続するように構成される10個の並べられたピン90と、図8において見られるように、10個のバイポーラプレート12のうちの1つの第2のポケット84に接続するように構成される追加のピン95とを含む。
【0110】
10個の並べられたピン90は、2つの連続したピン90の間で、2つの連続したセル14の電圧を測定するために役立つ。
【0111】
追加のピン95は、ピン90の並びと実質的に平行に、好ましくはモジュール20の長手方向の端において配置される。
【0112】
追加のピン95は、電流が受け入れられるポケット84へと電流を注入するように構成され、それによって、20個のセル14におけるインピーダンスを測定することを可能にする。したがって、各々のモジュール20は、20個のセル14ごとに1つのインピーダンスを測定することになる。
【0113】
モジュールの各々のピン90、95は、図9に見られるように、モジュール20とバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触を促進させるように有利に設計される。
【0114】
そのために、モジュール20の各々のピン90、95は、ピン90、95が対応するポケット84へと挿入されると、ピン90、95がポケット84の周囲壁92に2つの相反する力を発揮するような形状を有する。
【0115】
モジュール20のピン90、95は好ましくは同一である。
【0116】
これはモジュールの設計を容易にする。
【0117】
各々のピン90、95は、第1の方向、より具体的には、高さの方向Zに主に沿って延び、一部分96にわたって、前記第1の方向に沿う切り込み部97を有し、切り込み部97は、前記一部分96を、切り込み部97の両側における2つの副部分98へと分離する。より具体的には、切り込み部97は、ここでは高さの方向Zである第1の方向に沿って、近位端と、近位端の反対の遠位端との間で延び、2つの副部分98は、切り込み部97の遠位端および近位端において互いに繋げられる。
【0118】
各々の副部分98は、第2の方向、より具体的には、長手方向Lに沿って、隆起100を有し、第2の方向は第1の方向に対して垂直である。したがって、横断方向Tは、ここでは、第2の方向および第1の方向と直交する第3の方向を形成する。
【0119】
2つの副部分98の隆起100は、第2の方向、ここでは長手方向Lに沿って反対方向に延びており、2つの副部分98は、第3の方向、ここでは横断方向Tに沿う切り込み部97の両側において、互いから分離されている。
【0120】
それによって、ピン90、95は副部分98においてドーム形とされており、副部分98の剛性と若干の弾性とを両立させている。ポケット84におけるピン90の接続は、ピンを押し込むことを必要とする。これは、ピン90とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0121】
電気接触は、具体的には、ポケット84およびピン90の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0122】
変形によれば、各々のモジュール20のピン90、95は、異なる形状を有し、より具体的には、各々のモジュール20をセル14に接続するために技術的に実現可能な任意の形を有する。
【0123】
モジュール20がセル14に接続されるとき、モジュール20に接続されないセル14のスタック11の長手方向端104においてバイポーラプレート12によって形成される少なくとも1つのポケット84が残存する。このバイポーラプレート12は最後のバイポーラプレート12と呼ばれる。
【0124】
そのために、図10に戻ると、枢動支持部46のうちの1つは、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108を留め付けるための場所106を有する。
【0125】
追加の構成要素108は、バイポーラプレート12によって形成されたポケット84に受け入れられるように意図される少なくとも1つのピン110を有する。
【0126】
より具体的には、追加の構成要素108は2つのピン110を有する。
【0127】
モジュール20と同じ方法で、追加の構成要素108の各々のピン110は、ピン110がポケット84へと挿入されると、ピン110がポケット84の周囲壁に2つの相対する力を発揮するような形状を有する。
【0128】
追加の構成要素108の2つのピン110は好ましくは同一である。
【0129】
各々のピン110は、第1の方向、より具体的には、高さの方向Zに主に沿って延び、一部分112にわたって、前記第1の方向に沿う切り込み部114を有し、切り込み部114は、前記一部分を、切り込み部114の両側における2つの副部分116へと分離する。
【0130】
各々の副部分116は、第2の方向に沿って隆起118を有し、第2の方向は第1の方向に対して垂直である。
【0131】
2つの副部分116の隆起118は反対方向において延びる。
【0132】
それによって、ピン110は副部分116においてドーム形とされており、副部分116の剛性と若干の弾性とを両立させている。ポケット84におけるピン110の接続は、ピンを押し込むことを必要とする。これは、ピン110とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0133】
さらに、追加の構成要素108は、隣接するモジュール20との接続のために、少なくとも1つの金属接点120を有し、より具体的には2つの金属接点120を有する。
【0134】
さらに、追加の構成要素108を支持する枢動支持部46は、隣接するモジュール20との接続のために、少なくとも1つの金属接点121を有し、より具体的には5つの金属接点121を有する。
【0135】
より具体的には、金属接点120、121は、前記隣接するモジュール20と関連するストリップ76の板バネ80と接触するように意図されている。
【0136】
結果として、最後のバイポーラプレート12の電位は隣接するモジュール20の計算機へと送信される。それによって、燃料電池10のすべてのセル14は、その電気的特性の測定を可能とするために、モジュール20に接続される。
【0137】
有利には、追加の構成要素108を支持する枢動支持部46は、バイポーラプレート12のスタック11をマザーボードに繋げるためのコネクタ122をさらに備える。コネクタ122はケーブルを必要としない。
【0138】
機械的フレーム40は、モジュール20、枢動シャフト44、留め付けレール42、および枢動支持部46、48によって形成されるシステム全体を保持し、モジュール20の膨張を許容する。
【0139】
各々のモジュール20の外殻26は、スタック11を外部損傷から保護する一方で、印刷回路22をスタック11の非常に近くに配置することを可能にする。
【0140】
モジュール20によって行われる測定の品質が向上させられることで、さらに後述で詳細に検討されるが、モジュールの多周波インピーダンス測定を行わせることができる。
【0141】
より一般的には、各々のモジュール20によって測定される電気的特性が、モジュール20に接続されたすべての他の要素について、接触器80を通じて利用可能であることは、理解されるものである。より具体的には、必要とされる場合、追加の構成要素108は各々のセル14の電気的特性の測定へのアクセスを有する。同様に、コネクタ122に接続されるマザーボードは、電圧測定がモジュール20によって実施される端子において、各々のセルの電気的特性の測定、または、本例では、2つの連続したセルの各々のセットの電気的特性の測定へのアクセスも有する。
【0142】
接触器80と金属接点120とは、隣接するモジュール20の間、または、追加の構成要素108と追加の構成要素108に隣接するモジュール20との間で、電気エネルギーを送るようにも構成され、それによって、その電気エネルギーは、モジュール20の動作のために利用可能とされ、具体的には、各々のモジュール20の印刷回路22の動作のために、電圧測定、インピーダンス測定を行うために、電流を注入するなどのために利用可能とされる。
【0143】
図示されている例では、モジュール20の印刷回路22は、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定する計算機を組み込んでいる。代替で、診断特性および前兆特性は、コネクタ122に接続されたマザーボードによってなど、他で決定されてもよく、しかし一方で、各々のモジュール20は、測定スタック11の電気的特性を決定し、具体的には、電圧、インピーダンスなどの測定を決定する。それによって、セル14に関する電気量の信頼できる測定を行うように、比較的単純で堅牢な構造でモジュール20を構築することが可能である。
【0144】
ここで、本発明による、測定モジュール20を燃料電池10に設置する方法が、説明される。
【0145】
第1のモジュール20が、枢動支持部46のうちの1つの近傍において機械的フレーム40に組み付けられる。
【0146】
より具体的には、第1のモジュール20の外殻26は、例えば、枢動シャフト44に嵌まる外殻26の円筒形の溝72を用いて、枢動シャフト44に留め付けられる。
【0147】
第1のモジュール20の外殻26は、枢動シャフト44によって形成される軸Aを中心に回転移動可能である。
【0148】
第1のモジュールの外殻26は、留め付けレール42を突起70に割り込ませることで、突起70を用いて留め付けレール42に有利に留め付けられる。
【0149】
第1のモジュール20は枢動支持部46のうちの1つに組み付けられる。
【0150】
より具体的には、枢動支持部46の雄留め具59は、第1のモジュール20の雌留め具32に接続される、または、第1のモジュール20の雄留め具30は、各々のモジュール20および枢動支持部46における雄部材および雌部材の配置に従って、枢動支持部46の雌留め具に接続される。
【0151】
図示されている例によれば、雄留め具30はスタッドであり、雌留め具32は円弧形の溝であり、スタッド30は溝32において枢動する。
【0152】
枢動支持部46に向けて配向された横断側28に位置が定められたストリップ76の板バネ80のうちの少なくとも1つが、有利には、最後のバイポーラプレート12および枢動支持部46の少なくとも1つの金属接点121との接触のために、追加の構成要素108の少なくとも1つの金属接点120と接触する。
【0153】
少なくとも1つの金属接点120、121との第1のモジュール20の外殻26の接触は、ストリップ76の板バネ80の圧縮を発生させる。
【0154】
さらに、第1のモジュール20の各々のピン90は、燃料電池10のスタック11の2つの連続したモノポーラプレート12′、12″によって形成されるポケット84に受け入れられる。
【0155】
より具体的には、第1のモジュール20の10個の並べられたピン90が、10個のバイポーラプレート12の10個のポケット84に受け入れられ、追加のピン95は、バイポーラプレート12のうちの1つの第2のポケット84に受け入れられる。
【0156】
第1のモジュール20の10個の並べられたピン90は、2つの連続したピン90の間で、2つの連続したセル14の電圧を測定する働きをする。
【0157】
枢動支持部46および機械的フレーム40への第1のモジュール20の事前の留め付けは、第1のモジュール20のピン90が対応するポケット84に受け入れられることを確保する。
【0158】
このために、第1のモジュール20の各々のピン90は、好ましくはそれぞれのポケット84へと押し込まれる。
【0159】
各々のポケット84の形状は、第1のモジュール20の各々のピン90を前記ポケット84の内部に有利に案内する。
【0160】
第1のモジュール20の各々のピン90の形状は、第1のモジュール20と各々のバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触に有利である。
【0161】
このような配置は、ピン90とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0162】
電気接触は、具体的には、ポケット84およびピン90の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0163】
第1のモジュール20がそれぞれのセル14に接続されるとき、第1のモジュール20に隣接する枢動支持部46に最も近い2つのモノポーラプレート12′、12″″によって形成される少なくとも1つのポケット84は、第1のモジュール20のピン90を受け入れない。
【0164】
このために、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の少なくとも1つのピン110が、前記ポケット84に受け入れられる。
【0165】
それによって、第1のモジュール20の隣の枢動支持部46に最も近い2つの連続したセル14の電圧を測定することが可能である。
【0166】
より具体的には、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の2つのピン110が、第1のモジュール20に隣接する枢動支持部46に最も近いバイポーラプレート12によって形成される2つのポケット84に受け入れられる。
【0167】
第1のモジュール20と同じ方法では、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の各々のピン110が、好ましくはそれぞれのポケット84へと押し込まれる。
【0168】
各々のポケット84の形状は、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の各々のピン110を前記ポケット84の内部に有利に案内する。
【0169】
最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の各々のピン110の形状は、追加の構成要素108とバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触を促進させる。
【0170】
このような配置は、ピン110とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″″がポケット84を形成することになる。
【0171】
電気接触は、具体的には、ポケット108およびピン110の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0172】
測定モジュール20を設置する方法は、第2のモジュール20を、第1のモジュール20と、燃料電池10のバイポーラプレート12によって形成されるポケット84とに組み付けることを含む。
【0173】
より具体的には、第2のモジュール20は、第1のモジュール20と同じ方法で、枢動シャフト44と、機械的フレーム40の留め付けレール42とに留め付けられる。
【0174】
また、第1のモジュール20の雄留め具30は、第2のモジュール20の雌留め具32に接続される、または、第2のモジュール20の雄留め具30は、各々のモジュール20における雄部材および雌部材の配置に従って、第1のモジュール20の雌留め具32に接続される。
【0175】
図示されている例によれば、雄留め具30はスタッドであり、雌留め具32は円弧形の溝であり、スタッド30は溝32において枢動する。
【0176】
モジュール20の外殻26は、雄留め具30および雌留め具32を用いて、留め付けレール42および枢動シャフト44に一体に組み付けられるとき、それによって横断方向Tおよび高さ方向Zに沿った並進に対して係止され、回転する。
【0177】
モジュール20の外殻26の一体の組み立ては、方法の自動化だけでなく、バイポーラプレート12のスタックにおけるモジュール20の挿入のための時間の節約も可能にする。
【0178】
第1のモジュール20と第2のモジュール20とは互いに電気的に接続される。
【0179】
より具体的には、第2のモジュール20のストリップ76は、第1のモジュール20のストリップ76に組み付けられる。
【0180】
このために、第1のモジュール20に向けて配向された横断側34に位置付けられた第2のモジュール20のストリップ76の板バネ80のうちの少なくとも1つは、第1のモジュール20のモジュール20の板バネ80のうちの少なくとも1つと有利に接触する。
【0181】
第2のモジュール20の外殻26との第1のモジュール20の外殻26の接触は、ストリップ76の各々の板バネ80の圧縮を発生させる。
【0182】
さらに、第2のモジュール20の各々のピン90は、燃料電池10の2つのモノポーラプレート12′、12″″によって形成されるポケットに受け入れられる。
【0183】
より具体的には、第2のモジュール20の10個の並べられたピン90が、10個のバイポーラプレート12の10個のポケット84に受け入れられ、追加のピン95は、バイポーラプレート12のうちの1つの第2のポケット84に受け入れられる。
【0184】
それによって、第1のモジュール20と第2のモジュール20との間に画定される2つの連続したセル14の電圧を測定することが可能である。
【0185】
第1のモジュール20および機械的フレーム40への第2のモジュール20の事前の留め付けは、第2のモジュール20のピン90が対応するポケット84に受け入れられることを確保する。
【0186】
このために、第2のモジュール20の各々のピン90は、好ましくはそれぞれのポケット84へと押し込まれる。
【0187】
各々のポケット84の形状は、第2のモジュール20の各々のピン90を前記ポケット84の内部に有利に案内する。
【0188】
第2のモジュール20の各々のピン90の形状は、第2のモジュール20と各々のバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触に有利である。
【0189】
このような配置は、ピン90とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、モノポーラプレート12′、12″″がポケット84を形成することになる。
【0190】
電気接触は、具体的には、ポケット84およびピン90の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0191】
それによって、モジュール20に含まれる計算機は、ケーブルを必要とすることなく、セル14に直接的に接続される。
【0192】
図示されている例は2つのモジュール20を備えるが、燃料電池10は2つのモジュールに限定されず、例えば、200個のセル14を接続するための10個のモジュール20など、より多くのモジュールを備えてもよい。
【0193】
同様に、図示されている例では、各々のモジュール20は、10個のバイポーラプレート12の10個のポケット84を前記モジュール20に接続するように構成される10個の並べられたピン90を備える。各々のモジュール90に設けられているピン90の数は限定ではなく、本発明の原理、具体的には、モジュール20に接続されるバイポーラプレート12の電位の取得、および、適切な場合、測定モジュール20に向けて移すことができる4つのワイヤのインピーダンスの測定は、10個より多いかまたは少ないピン90を備える。
【0194】
以下のモジュールを設置するためには、適切な場合、第2のモジュール20を設置するための、上記で詳細に検討された方法が、必要な回数で繰り返される。
【0195】
本発明による方法を用いることで、組み立てが簡潔であり、モジュール20をセル14に接続するために、および、モジュール20を互いに接続するために、ケーブルが使用されることはない。搭載は、モジュール20をマザーボードに接続するためにケーブルを使用することも有利に可能にしない。フールプルーフ部材のおかげで、各々のモジュール20は、誤差の危険性なく隣接するモジュールに組み付けられる。スタック11への測定モジュール20の搭載、さらには、欠陥のあるモジュール20の交換が、特に容易であり、素早く行える。
【0196】
それによって、測定の品質が向上させられ、その後のより詳細な分析を可能にする。
【0197】
モジュール20は、設置されると、バイポーラプレート12のスタック11の電気的特性を決定するのに適している。任意選択で、モジュール20は、設置されると、モジュール20が備えるコンピュータを用いて、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定するのに適している。
【0198】
例えば、特性には、バイポーラプレート12のスタック11の健全性の状態、バイポーラプレート12のスタックにおけるセル14の場所、燃料電池10のセル14の電圧、インピーダンス、および供給が含まれる。
【0199】
各々のモジュールの10個の並べられたピン90だけでなく、適切な場合、モジュール20のピン90と並べられる追加の接触構成要素108のピン110も、2つの連続したピン90、110の間の2つの連続したセル14の電圧を測定する働きをする。
【0200】
各々のモジュール20の追加のピン95だけでなく、適切な場合、追加の接触構成要素108は、それらが受け入れられるポケット84へと正弦波電流を注入するように構成され、それによって、燃料電池10が動作しているとき、各々のモジュール20が網羅するセル14の数において、より具体的には、図示されている例では20個のセル14において、インピーダンス測定を行うことを可能にする。
【0201】
動作中、燃料電池10は、スタックの技術に依存して、最大で500A(アンプ)の出力電流を有する。
【0202】
注入された正弦波電流は、100Hz(ヘルツ)から5kHz(キロヘルツ)までの間の周波数を有し、より具体的には、500Hzから2kHzまでの間の周波数を有する。
【0203】
スタック11へと注入される正弦波電流は、数mV(ミリボルト)の程度での電圧応答を含む。電圧は、増幅器段が搭載されたアナログ/デジタル変換器によって測定され得る。
【0204】
測定された電圧信号の中で、測定モジュール20は、注入された正弦波電流と同じ周波数を有する電圧成分を分離する。次に、電圧成分の振幅と注入された正弦波電流の振幅との間の比として、インピーダンスが測定モジュール20において計算される。
【0205】
インピーダンス値は、典型的には毎秒計算される。
【0206】
各々のモジュール20は他のモジュール20とは無関係に電流を注入し、それによって、注入された電流の周波数は、あるモジュール20と他のモジュール20とでは異なる可能性がある。各々のモジュール20は他のモジュール20とは無関係に電流を注入し、それによって、注入された電流の周波数は、あるモジュール20と他のモジュール20とでは異なる可能性がある。それによって、複数の測定モジュール20において、4線式のインピーダンス測定を同時に行うことが可能である。
【0207】
測定されたインピーダンスは、20個のセル14について5mΩ(ミリオーム)から20mΩまでの間であり、好ましくは、20個のセル14について約10mΩである。
【0208】
このような値は有利には小さく、このような構成は、バイポーラプレートのスタック11全体における単一のインピーダンス測定を実施する代わりに、モジュール式の多周波インピーダンス測定を行う働きをする。したがって、信頼性が向上させられる。
【0209】
本発明による方法を用いることで、組み立てが簡潔であり、モジュール20をセル14に接続するために、および、モジュール20を互いに接続するために、ケーブルが使用されることはない。搭載は、モジュール20をマザーボードに接続するためにケーブルを使用することも有利に可能にしない。それによって、測定の品質が向上させられ、その後のより詳細な分析を可能にする。
【0210】
前述の実施形態および変形は、本発明の追加の実施形態を作り出すように、互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0211】
10 燃料電池
11 スタック
12 バイポーラプレート
12′ アノードプレート、モノポーラプレート
12″ カソードプレート、モノポーラプレート
14 セル
16 端プレート
20 測定モジュール
22 印刷回路
26 外殻
28 第1の横断側
30 雄留め具、スタッド
32 雌留め具、溝
34 第2の横断側
40 機械的フレーム
42 留め付けレール
44 枢動シャフト
46、48 枢動支持部
50 受入オリフィス
52 留め付け手段、ねじ
54、54′ 貫通オリフィス、貫通孔
55 オリフィス、孔
56 留め付け手段、ねじ
57 横断側
59 雄留め具
61 雌留め具
60、62 長手方向端
64 貫通孔
66 タブ
70 突起
71 係止歯
72 円筒形の溝
75 リボン
75′ 接点
76 ストリップ
78 ピン
80 板バネ、接触器
84 ポケット
85 端
90 ピン
92 周囲壁
93 スタンピング
94 開口端
95 追加のピン
96 一部分
97 切り込み部
98 副部分
100 隆起
104 長手方向端
106 留め付け場所
108 追加の構成要素
110 ピン
112 一部分
114 切り込み部
116 副部分
118 隆起
120、121 金属接点
122 コネクタ
A 軸
D 枢動支持部46、48の大きい寸法
d 枢動支持部46、48の小さい寸法
E 端プレート16の厚さ
L 長手方向
P 正中横断面
T 横断方向
W 端プレート16の最大幅
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねの方向(L)に沿ってバイポーラプレート(12)のスタック(11)を備える燃料電池(10)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にセル(14)を形成し、当該燃料電池(10)は、前記スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)をさらに備え、複数の測定モジュール(20)が前記バイポーラプレート(12)に接続され、各々の測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)の電気的特性を決定するのに適した計算機を含む少なくとも1つの印刷回路(22)と、前記測定モジュール(20)を保持するための機械的フレーム(40)とを備え、前記測定モジュール(20)は、前記機械的フレーム(40)に留め付けられ、ケーブルの媒介なしで、互いに、および、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続される、燃料電池(10)。
【請求項2】
前記機械的フレーム(40)は、端プレート(16)に各々が留め付けられる2つの枢動ブラケット(46、48)と、一方の枢動支持部(46)から他方の枢動支持部(48)へと、積み重ねの方向(L)と実質的に平行に延びる枢動シャフト(44)と、一方の枢動支持部(46)から他方の枢動支持部(48)へと、前記積み重ねの方向(L)および前記枢動シャフト(44)と実質的に平行に延びる留め付けレール(42)とを備え、前記機械的フレーム(40)は、すべての前記測定モジュール(20)が前記機械的フレーム(40)によって形作られるように構成されている、請求項1に記載の燃料電池(10)。
【請求項3】
搭載レール(42)は、各々の枢動支持部(46、48)を前記搭載レール(42)に留め付けるための手段(56)の通過のための開口(54)が設けられ、前記留め付けレール(42)に留め付けるための手段(56)の通過のための孔(54)は楕円形である、請求項2に記載の燃料電池(10)。
【請求項4】
各々のモジュール(20)は外殻(92)によって覆われ、各々のモジュール(20)の前記外殻(92)は、フールプルーフ部材を備え、フールプルーフによって互いに組み合わさる、請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項5】
フールプルーフ要素は、雌留め付け要素(32)と相補的な雄留め付け要素(93)を含み、
各々の外殻(92)は、第1の横断側(94)において雄留め具(93)が設けられ、一方で、雌留め具(32)は、前記第1の横断側(94)と反対の前記外殻(92)の第2の横断側(34)に形成されている、請求項4に記載の燃料電池(10)。
【請求項6】
前記雄留め具(93)はスタッドであり、前記雌留め具(32)は、前記スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である、請求項5に記載の燃料電池(10)。
【請求項7】
各々の外殻(92)は、枢動シャフト(44)と嵌まり合う円筒形の溝(72)を有する、請求項4に記載の燃料電池(10)。
【請求項8】
各々の外殻(92)は、前記留め付けレール(42)に留め付くための突起(70)を有する、請求項4に記載の燃料電池(10)。
【請求項9】
各々のモジュール(20)は、前記モジュール(20)を一緒に接続する接続ストリップ(76)であって、第2の隣接するモジュール(20)の前記外殻(92)との第1のモジュール(20)の前記外殻(92)の接触が、前記接続ストリップ(76)の各々の板バネ(80)の圧縮を発生させるような方法で、前記積み重ねの方向(L)に対して垂直な横断方向(T)に沿って前記接続ストリップ(76)の両側に配置される前記板バネ(80)を有する接続ストリップ(76)に接続されている、請求項4に記載の燃料電池(10)。
【請求項10】
各々のモジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)に形成されたポケット(84)へと挿入されることになるピン(90)を用いて、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続されている、請求項1からのいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項11】
枢動支持部(46)のうちの一方は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)をマザーボードに接続するためのコネクタ(122)を支持している、請求項2または3に記載の燃料電池(10)。
【請求項12】
枢動支持部(46)のうちの一方は、前記バイポーラプレート(12)を隣接する前記モジュール(20)に接続することになる、前記枢動支持部(46)に最も近い前記バイポーラプレート(12)との接触のために、追加の構成要素(108)を支えている、請求項2または3に記載の燃料電池(10)。
【請求項13】
請求項1からのいずれか一項に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【請求項14】
請求項1からのいずれか一項に記載の燃料電池(10)に測定モジュール(20)を設置する方法であって、前記機械的フレーム(40)への各々のモジュール(20)の留め付けと、ケーブルの介在なしでの、互いへの、および前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)への前記測定モジュール(20)の接続とを含んでなる、方法。
【請求項15】
積み重ねの方向(L)に沿って複数のバイポーラプレート(12)のスタックによって形成される燃料電池(10)であって、各々のバイポーラプレート(12)は、アノードプレート(12′)およびカソードプレート(12″)を含む2つの重ね合わされたモノポーラプレート(12′、12″)によって形成され、2つの連続したバイポーラプレート(12)はそれらの間にセル(14)を形成し、
当該燃料電池(10)は、前記スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)と、前記セル(14)の電気的特定を測定するための複数のモジュール(20)とをさらに備え、各々のモジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)の電気的特性を決定するのに適したコンピュータを含む印刷回路(22)を備え、
2つの連続したモノポーラプレート(12′、12″)は、前記モジュール(20)のピン(90、95)を各々が受け入れるための少なくとも1つのポケット(84)を一緒に形成し、各々のポケット(84)は、前記ピン(90、95)と協働するように成形され、周囲壁(92)を有し、前記モジュール(20)の各々のピン(90、95)は、前記ピン(90、95)が前記ポケット(84)へと挿入された後、前記ポケット(84)の前記周囲壁(92)に2つの相対する力を発揮するような形状を有することを特徴とする、燃料電池(10)。
【請求項16】
2つの連続したモノポーラプレート(12)は、前記少なくとも1つのポケット(84)を形成するために背中合わせで配置されている、請求項15に記載の燃料電池(10)。
【請求項17】
各々のピン(90、95)は、実質的に第1の方向(Z)に沿って延び、一部分(96)にわたって、前記第1の方向(Z)に沿う切り込み部(97)を有し、前記切り込み部(97)は、前記一部分(96)を、前記切り込み部(97)の両側における2つの副部分(98)へと分離し、各々の副部分(98)は第2の方向(L)に沿って隆起を有し、前記第2の方向(L)は前記第1の方向(Z)に対して垂直であり、2つの前記副部分(98)の隆起(40)は前記第2の方向(L)に沿って反対方向に延在している、請求項15または16に記載の燃料電池(10)。
【請求項18】
前記第2の方向(L)は、前記第1の方向(Z)に対して垂直である第3の方向(T)に対して垂直であり、2つの前記副部分(98)は、前記第3の方向に沿う前記切り込み部(97)の両側において、互いから分離されている、請求項17に記載の燃料電池(10)。
【請求項19】
前記切り込み部(97)は、前記第1の方向(Z)に沿って近位端と遠位端との間で延在し、2つの前記副部分(98)は、前記切り込み部の遠位端および近位端において一緒に繋げられている、請求項17に記載の燃料電池(10)。
【請求項20】
各々のポケット(84)は、前記周囲壁(92)が円錐形を有する開口端(94)を有する、請求項15または16に記載の燃料電池(10)。
【請求項21】
各々のポケット(84)の前記周囲壁(92)は、ピン(90、95)のための小さい区域の通過を形成するように、スタンピング(93)を有する、請求項15または16に記載の燃料電池(10)。
【請求項22】
2つの連続したバイポーラプレート(12)は、1つおきのバイポーラプレート(12)の前記少なくとも1つのポケット(84)だけが前記モジュール(20)の近傍において同じ高さとなるように、ヘッドトゥーテールで積み重ねられている、請求項15または16に記載の燃料電池(10)。
【請求項23】
各々のバイポーラプレート(12)は、ピン(90、95)を各々で受け入れるための正確に2つのポケット(84)を形成している、請求項15または16に記載の燃料電池(10)。
【請求項24】
各々のモジュール(20)は、10個の別々のバイポーラプレート(12)の10個のポケット(84)を前記モジュール(20)に接続するように構成される10個の並べられたピン(90、95)と、10個の前記バイポーラプレート(12)のうちの1つの第2のポケット(84)を前記モジュール(20)に接続するための追加のピン(95)とを有する、請求項23に記載の燃料電池(10)。
【請求項25】
請求項15または16に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【国際調査報告】