(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-19
(54)【発明の名称】布を洗浄するタブレットおよび方法
(51)【国際特許分類】
D06L 1/16 20060101AFI20250212BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20250212BHJP
C11D 3/10 20060101ALI20250212BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20250212BHJP
C11D 1/83 20060101ALI20250212BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20250212BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20250212BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20250212BHJP
C11D 3/22 20060101ALI20250212BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
D06L1/16
C11D17/06
C11D3/10
C11D1/66
C11D1/83
C11D1/02
C11D3/386
C11D3/48
C11D3/22
D06F35/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024546492
(86)(22)【出願日】2023-02-05
(85)【翻訳文提出日】2024-10-07
(86)【国際出願番号】 IL2023050127
(87)【国際公開番号】W WO2023152736
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524293441
【氏名又は名称】ピカ ダイアパーズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーエン、アロン
(72)【発明者】
【氏名】ドルフマン、モティ
【テーマコード(参考)】
3B168
4H003
【Fターム(参考)】
3B168AE04
3B168AE11
3B168BA52
3B168FA01
3B168FA13
4H003AB27
4H003AC08
4H003BA17
4H003DA01
4H003DC02
4H003EA15
4H003EA16
4H003EB16
4H003EB24
4H003EB30
4H003EB42
4H003EC02
4H003EE09
4H003FA09
4H003FA26
4H003FA34
(57)【要約】
布を洗浄する方法であって、連続した以下の段階:(i)少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの前洗浄サイクルは、前記布を、室温の水で3~10分間洗浄し、前記水を、2~10分間排水し、それにより水量の少なくとも30%を排水する段階を含む;(ii)前記布を、水および洗剤を含む溶液で、50~90分間35℃~90℃で洗浄する段階;および(iii)少なくとも3回の、洗剤を含まない後洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの後洗浄サイクルは、室温の水に浸漬した前記布を前記3~10分間洗浄し、前記水を前記2~10分間排水し、それにより、前記水量の少なくとも30%を排水する段階を含む、を備える方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布を洗浄する方法であって、連続した以下の段階:
(d)少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの前洗浄サイクルは、前記布を、室温の水で3~10分間洗浄し、前記水を、2~10分間排水し、それにより水量の少なくとも30%を排水する段階を含む;
(e)前記布を、水および洗剤を含む溶液で、50~90分間35℃~90℃で洗浄する段階;および
(f)少なくとも3回の、洗剤を含まない後洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの後洗浄サイクルは、室温の水に浸漬した前記布を3~10分間洗浄し、前記水を2~10分間排水し、それにより、前記水量の少なくとも30%を排水する段階を含む、
を備える、方法。
【請求項2】
前記少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階は、洗剤を含まない水で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2回の前洗浄サイクルのうちの少なくとも1回の前洗浄サイクルを実施する段階は、洗剤を含む水で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
段階(a)は、少なくとも3回の前洗浄サイクルを実施する段階を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記洗剤は、第1の層および第2の層を含むタブレットを有し、
前記第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素、前記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、を含み;
前記第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の陰イオン性界面活性剤は、前記第2の陰イオン性界面活性剤と同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の非イオン性界面活性剤は、前記第2の非イオン性界面活性剤と同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む、請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1の層および第2の層を備えるタブレットであって、
前記第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素、前記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、を含み;
前記第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む、タブレット。
【請求項13】
前記第1の陰イオン性界面活性剤は、前記第2の陰イオン性界面活性剤と同じである、請求項12に記載のタブレット。
【請求項14】
前記第1の非イオン性界面活性剤は、前記第2の非イオン性界面活性剤と同じである、請求項12に記載のタブレット。
【請求項15】
前記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる、請求項12に記載のタブレット。
【請求項16】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項17】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項18】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、香料を含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項19】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、顔料を含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項20】
前記酵素はスブチリシンである、請求項12に記載のタブレット。
【請求項21】
前記消毒剤は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物である、請求項12に記載のタブレット。
【請求項22】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項23】
前記第1の層は、重量%で、少なくとも2重量%の第1の硬水軟化剤を含む、請求項22に記載のタブレット。
【請求項24】
前記第1の層は、重量%で、少なくとも2重量%の、第1の硬水軟化剤とは異なる第2の硬水軟化剤を含む、請求項23に記載のタブレット。
【請求項25】
前記第2の層は、2~15重量%の間の蛍光増白剤を含む、請求項12から24のいずれか一項に記載のタブレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、布の洗浄に関し、より詳細には、布を洗浄するタブレットおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレットの形状の洗濯用洗剤が、近ごろ多くの家庭で広く使用されている。最初の洗濯用タブレットは、1960年代半ばに、市場に導入された。最初のタブレットは、完全に水に溶解させることができず、したがって溶解性の改善された新規のタブレットが開発された。
【0003】
洗濯用タブレットは、活性および非活性の材料、例えば、可溶性固形物、硬水軟化剤、界面活性剤、洗濯用漂白剤、酵素、香料、および顔料の混合物を含有する。付加的な成分としては、微細な土壌粒子が洗濯中の製品に再び付着することを防止するために使用されるカルボキシメチルセルロースなどの「再付着防止剤」、1つの物品の染料により他のアイテムが色づくことを防止する色移り防止剤(例えば、染料が優先的に結合するポリビニルピロリドンなどの極性水溶性高分子)などが含まれてよい。
【0004】
市販の洗濯機は、第1の、および場合によっては第2の洗浄サイクル中に、タブレットまたは他の形状の洗剤を使用する。洗浄サイクルは、室温から90℃まで上昇する温度において、20分から数時間にわたって実施されてよい。それぞれの洗浄サイクルの終わりに、洗濯機は、複数回の(通常は少なくとも2回の)すすぎを実施して、ほとんどの洗剤を除去し、その後、任意選択で遠心脱水して水が絞り出される。
【0005】
洗浄が最も困難な布のうちの1つは、汚れた布おむつであり、それにより親たちは、主要な環境リスクを生じさせる使い捨ておむつを好むようになる。毎年推定274億個の使い捨ておむつが、米国において使用されており、その結果、毎年340万トンの使用済みおむつが、埋め立てごみに追加される可能性がある。廃棄された使い捨ておむつは、分解するのにおよそ450年かかる。家庭用洗濯機は、特に年長幼児のおむつを適切に洗濯することができない。
【0006】
したがって、排泄物などの落ちにくい汚れを洗浄するための新規の洗浄方法、および落ちにくい汚れを効率的に除去することができるタブレットが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
以下の実施形態およびその態様は、範囲を限定せずに例示的で説明的であること意図したシステム、ツール、および方法と併せて説明および図示される。
【0008】
一態様において、布を洗浄する方法であって、連続した以下の段階:
(a)少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの前洗浄サイクルは、前記布を、室温の水で3~10分間洗浄し、前記水を、2~10分間排水し、それにより水量の少なくとも30%を排水する段階を含む;
(b)前記布を、水および洗剤を含む溶液で、50~90分間35℃~90℃で洗浄する段階;および
(c)少なくとも3回の、洗剤を含まない後洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの後洗浄サイクルは、室温の水に浸漬した前記布を3~10分間洗浄し、前記水を2~10分間排水し、それにより、前記水量の少なくとも30%を排水する段階を含む、を備える、方法が提供される。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階は、洗剤を含まない水で実施される。いくつかの実施形態において、前記少なくとも2回の前洗浄サイクルのうちの少なくとも1回の前洗浄サイクルを実施する段階は、洗剤を含む水で実施される。いくつかの実施形態において、段階(a)は、少なくとも3回の前洗浄サイクルを実施する段階を含む。いくつかの実施形態において、前記洗剤は、第1の層および第2の層を含むタブレットを有し、前記第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素、前記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、を含み、前記第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記第1の陰イオン性界面活性剤は、前記第2の陰イオン性界面活性剤と同じである。いくつかの実施形態において、前記第1の非イオン性界面活性剤は、前記第2の非イオン性界面活性剤と同じである。いくつかの実施形態において、前記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む。
【0011】
本発明のいくつかの態様は、第1の層および第2の層を含むタブレットであって、前記第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素、前記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、を含み、前記第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む、タブレットを対象とする。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記第1の陰イオン性界面活性剤は、前記第2の陰イオン性界面活性剤と同じである。いくつかの実施形態において、前記第1の非イオン性界面活性剤は、前記第2の非イオン性界面活性剤と同じである。いくつかの実施形態において、前記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、香料を含む。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、顔料を含む。いくつかの実施形態において、前記酵素はスブチリシンである。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記消毒剤は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物である。いくつかの実施形態において、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む。いくつかの実施形態において、前記第1の層は、重量%で、少なくとも2重量%の第1の硬水軟化剤を含む。いくつかの実施形態において、前記第1の層は、重量%で、少なくとも2重量%の、第1の硬水軟化剤とは異なる第2の硬水軟化剤を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の層は、2~15重量%の間の蛍光増白剤を含む。
【0015】
上述した例示的な態様および実施形態に加えて、以下の詳細な説明を研究することにより、さらなる態様および実施形態が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明のいくつかの実施形態が、添付図面を参照しながら単なる例として、本明細書において説明される。ここで詳細な図面について具体的に言及するが、示してある詳細事項は、例であり、本発明の実施形態の説明的な考察を目的としていることが強調される。この点で、説明は図面とともに、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に対して明らかにする。
【0017】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による、布を洗浄する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、排泄物などの落ちにくい汚れを洗浄するための新規の洗浄方法、および落ちにくい汚れを効率的に除去することができるタブレットを対象とする。新規の方法は、落ちにくい汚れを軟化および除去しやすくする付加的な前洗浄の短いサイクル、布を洗濯する洗剤を用いた長い洗浄サイクル、および洗剤および汚れを除去する少なくとも3回の付加的な後洗浄サイクルを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、洗剤は、少なくとも2つの層を含む多層タブレットであり、第1の層は、長くても30分後に完全に溶解し、第2の層は、40℃で長くても70分後に完全に溶解する。
洗浄方法
【0020】
ここで、本発明のいくつかの実施形態による、布を洗浄する方法のフローチャートである
図1を参照する。
図1の方法は、この方法を実施するように再プログラムされたプロセッサを有する任意の市販の洗濯機によって実施されてよい。したがって、この方法は、洗濯機のプロセッサによって実行されてよい。段階110において、少なくとも2回の前洗浄サイクル(例えば、2回、3回、4回、5回のサイクルなど)が実施され、ここでそれぞれの洗浄サイクルは、水に浸漬された布を3~10分間洗浄する段階、および水を2~10分間排水し、それにより水量のうちの少なくとも30%(例えば少なくとも40%、50%、60%、70%、またはそれより多く)を排水する段階を含む。
【0021】
本明細書において使用される「布」という用語は、天然繊維、合成繊維、またはその両方の組み合わせから作られた任意の織布または不織布のことを指してよい。例えば、布は、再使用可能なおむつであってよい。いくつかの実施形態において、布は、例えば排泄物、泥、乾いた血液などの落ちにくい汚れで汚れていることがある。
【0022】
いくつかの実施形態において、それぞれの前洗浄サイクルは、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、またはそれより長く継続してよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、段階110における少なくとも2回の前洗浄サイクルは、洗剤を含まない水で実施される。いくつかの実施形態において、段階110における上記少なくとも2回の前洗浄サイクルのうちの少なくとも1回の洗浄サイクルは、洗剤を含む水で実施される。いくつかの実施形態において、水は室温である。いくつかの実施形態において、少なくとも1回の排水段階は、遠心脱水を含んでよい。いくつかの実施形態において、全ての排水段階が遠心脱水を含む。したがって、この排水により、水量の少なくとも80%、例えば85%、90%、93%、95%、またはそれより多くが排水される。
【0024】
いくつかの実施形態において、全ての前洗浄サイクルは実質的に同一であり、実質的に同じ継続時間を有し、実質的に同じ量の水を使用する。代替的に、前洗浄サイクルは、洗浄の継続時間、水の量、洗剤の使用、排水される水の量、および遠心脱水の追加のうちの少なくとも1つにおいて異なる。いくつかの実施形態において、それぞれの洗浄サイクルは、2~30リットルの水を消費することがある。5±2、10±2、15±2、20±2、25±2、30±2、35±2、40±2、またはそれより多い。
【0025】
段階120において、布は、水および洗剤を含む溶液で、35℃~60℃で50~90分間、洗浄されてよい。例えば、洗浄は、本発明のいくつかの実施形態による洗剤タブレットを使用して実施されてもよいし、または任意の他の適切な洗剤を用いて実施されてもよい。いくつかの実施形態において、洗浄は、50分、60分、65分、70分、75分、80分、85分、90分、またはそれより長く継続されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、洗浄溶液は35℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は40℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は45℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は50℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は55℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は60℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は70℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は80℃に加熱されてよい。いくつかの実施形態において、洗浄溶液は90℃に加熱されてよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、1種類の洗剤(モノ洗剤(mono-detergent))が使用されてよい。そのような場合、粉末、溶液、または1つより多くの粉末または溶液を含むポッド(pod)が、一度に添加および溶解されてよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、溶解時間のそれぞれ異なる2種類の異なる洗剤が、水に追加されてよい。例えば、第1の洗剤は、(他の活性材料に加えて)酵素を含んでよく、第2の洗剤は、消毒剤(例えば、他の活性材料に加えて、塩素化)を含んでよい。当業者には明らかなように、消毒剤は、ともに追加されると酵素を破壊することがある。したがって、酵素および消毒剤の両方が適切に機能して汚れを分解するためには、消毒剤を含む洗剤の一部(例えば、40重量%未満)のみが溶解して酵素に影響を及ぼし得る消毒剤の量が制限されているときに、酵素を含む洗剤が完全に溶解しなくてはならない。したがって、第1の洗剤は、30分未満で溶解してよく、第2の洗剤は、90分未満で溶解してよい。
【0029】
本明細書において使用される消毒剤は、無生物上の微生物を不活性化または破壊するために使用される任意の物質または組成物を含んでよい。本発明の実施形態による消毒剤は、布のバクテリア、菌、およびウイルスなどの微生物を不活性化または破壊するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1の洗剤は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素を含み、上記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される。いくつかの実施形態において、第2の洗剤は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む。
【0031】
段階130において、少なくとも3回の、洗剤を含まない後洗浄サイクルが実施されてよく、それぞれの、洗剤を含まない後洗浄サイクルは、室温の水に浸漬された布を3~10分間洗浄し、水を2~10分間排水し、それにより上記水量の少なくとも30%(例えば、少なくとも40%、50%、60%、70%、またはそれより多く)を排水することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、少なくとも1回の排水段階は、遠心脱水を含んでよい。いくつかの実施形態において、全ての排水段階が遠心脱水を含んでよい。したがって、排水により、水量のうちの少なくとも80%、例えば85%、90%、92%、95%、またはそれより多くが排水される。
タブレット
【0033】
本発明の実施形態によるタブレットは、第1の層および第2の層を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は酵素を含んでよく、第2の層は消毒剤を含んでよい。当業者には明らかであるように、モノ洗剤に酵素および消毒剤(例えば、塩素化)の両方を含めると、結果的に消毒剤によって酵素が破壊されることになり得る。したがって、本発明の実施形態によるタブレットの層のそれぞれは、異なる溶解時間を有してよい。いくつかの実施形態において、酵素を含む第1の層は、30分未満で溶解してよく、消毒剤を含む第2の層は、90分未満で溶解してよい。したがって、消毒剤を含む層の一部(例えば、40重量%未満)のみが溶解するときに、酵素を含む層は完全に溶解していることになる。酵素に影響を及ぼし得る消毒剤の量が制限される。
【0034】
いくつかの実施形態において、タブレットは、2つより多くの層を含んでよく、それにより上記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる。非限定的な例において、タブレットの大きさは、40×40×17mmであってよい。いくつかの実施形態において、第2の層に対する第1の層の重量比は、2~0.3の間である。例えば、第2の層に対する第1の層の重量比は、1.7、1.6、1.5、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、および0.5である。
【0035】
いくつかの実施形態において、タブレットの総重量は、20~40グラムの間であってよい。例えば、タブレットの総重量は、24グラム、26グラム、28グラム、30グラム、32グラム、35グラム、および38グラムであってよい。いくつかの実施形態において、タブレットの総重量は、40グラムより大きくてよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1の層は、長くても30分、例えば25分、20分、15分、またはそれ未満後に、水に完全に溶解するように構成される。いくつかの実施形態において、第2の層は、長くても70分、例えば長くても65分、60分、50分、45分、40分、またはそれ未満後に、水に完全に溶解するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素を含み、上記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1の陰イオン性界面活性剤は、第2の陰イオン性界面活性剤と同じである。いくつかの実施形態において、第1の非イオン性界面活性剤は、第2の非イオン性界面活性剤を同じである。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも5重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも7重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも8重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも12重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも13重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも14重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも15重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも17重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも8重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも12重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも15重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも17重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも21重量%の第1の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも22重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、少なくとも25重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも7重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも8重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも10重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも12重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも13重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも14重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも15重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも17重量%の第2の陰イオン性界面活性剤を含んでよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも5重量%の第1の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも10重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも12重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも15重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも17重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の層は、重量%で、少なくとも20重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含んでよい。
【0043】
「陰イオン性界面活性剤」という用語は、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、およびカルボン酸塩を含む陰イオン官能基を含む任意の界面活性剤のことを指す。
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明の陰イオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸、アルコールエーテル硫酸、第2級アルカンスルホン酸、およびアルキル硫酸、加えてこれらの任意の組み合わせおよび/または任意の塩であるか、またはこれらを含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明の陰イオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの直鎖(C5~C20)アルキルベンゼンスルホン酸)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、または(ドデシル硫酸ナトリウム、SDS)、ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、またはSLES)、マイレス硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(ドクサート)、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロブタンスルホン酸、アルキル-アリールエーテルリン酸、アルキルエーテルリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、パーフルオロノナン酸、およびパーフルオロオクタン酸(PFOAまたはPFO)、加えてこれらの任意の塩であるか、またはこれらを含む。いくつかの実施形態において、陰イオン性界面活性剤はSDSである。
【0046】
「非イオン性界面活性剤」という用語は、疎水性親構造に結合している、共有結合した酸素含有親水基を有する任意の界面活性剤のことを指す。
【0047】
いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、本発明の非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化脂肪酸、グルコシルジアルキルエーテル、ポリソルベート、スパン、トウィーン、ポリエーテル、ポリオール、多糖類、ポリペプチド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、およびポリアクリレート、加えてこれらの任意の混合物または共重合体であるか、またはこれらを含む。他の非イオン性界面活性剤は、当技術分野において周知である。いくつかの実施形態において、本発明の非イオン性界面活性剤は、高分子界面活性剤(例えば、分散剤)を含む。多数の分散剤が、当技術分野において周知である。いくつかの実施形態において、アルコキシル化脂肪酸は、エトキシ化ヒマシ油を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、本発明の非イオン性界面活性剤は、ポリエーテル、ポリオール(例えば、ポリビニルアルコールまたはPVA)、多糖類(例えば、セルロース、アルキル化セルロース、または任意の他のセルロース誘導体)、ポリペプチド、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、およびポリアクリレート、加えてこれらの任意の混合物または共重合体を含む高分子界面活性剤を含む。
【0049】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、これらに限定されないが、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、40、60、および80)、エトキシ化ヒマシ油、狭範囲エトキシレート、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノノキシノール、トリトンX-100、ポリエトキシ化タローアミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポロクサマー、モノステアリン酸グリセロール、グリセロールモノラウレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジメチルスルホキシド、ホスフィンオキシド、およびその他を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート20である。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、ポリエーテルを含む。いくつかの実施形態において、ポリエーテルは、本明細書においてポリアルコキシレートとしても使用される脂肪族ポリグリコールを含む。いくつかの実施形態において、ポリエーテルは、ポリエチレングリコール(PEG)、アルキル化PEG、ポリプロピレングリコール(PPG)、アルキル化PPG、分岐型PEG、分岐型PPG、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アミノ変性ポリプロピレングリコール、およびエステル変性ポリプロピレングリコール、またはPPGおよびPEGブロックを含む任意の共重合体を含む。他のポリエーテルは、とりわけ、変性C5~C18脂肪族アルコールエトキシレート、C10~C18オキソアルコールエトキシレート、Cl6~C18不飽和脂肪族アルコールエトキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示的なポリアルコキシレートベースの界面活性剤は、当技術分野において周知であり、とりわけ、Agnique(登録商標)、Disponil(登録商標)、Emulan(登録商標)、Eumulgin(登録商標)、Lutensol(登録商標)、Synperonic(登録商標)を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、ポリオールを含む。いくつかの実施形態において、ポリオールは、複数のヒドロキシ基、および任意選択でカルボキシ基、および/またはそれに結合したC1~C10カルボキシレート基を含むポリアルキルバックボーンを含む。いくつかの実施形態において、ポリオールまたはポリアルコールは、少なくとも部分的に多糖類から(例えば、脱エステル化によって)誘導される。いくつかの実施形態において、ポリオールは、少なくとも部分的に脱エステル化または加水分解された多糖類を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、ポリオールは、ポリエステルポリオール(例えば、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、マレイン(酸)無水物、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメル酸、スベリック酸、およびアゼライン酸などのジカルボン酸;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびグリセロールなどのポリオール組成物から選択されるポリエステルポリオール;ならびにポリカプロラクトンポリオールおよび(ポリ)P-メチル-α-バレロラクトン)などのポリラクトンポリエステルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール(例えば(ポリ)ヒドロキシポリマー)、ポリオールキシレン樹脂、ポリブタジエン系ポリオール(例えば、ポリブタジエンバックボーン(1,2付加物および1,4付加物)を有するホモポリマーから成るポリオール);ブタジエン、およびスチレン、およびアクリロニトリルが共重合されたポリブタジエン共重合体から成るポリオール;ならびにこれらの水素化類似体)、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、およびヒマシ油誘導体(例えば、精製ヒマシ油、脱水ヒマシ油、重合脱水ヒマシ油、およびヒマシ油ポリオール)を含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、PVA(例えば、水溶性PVA、PVAまたはPVAの任意の共重合体を含む高分子樹脂)を含む。いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、PVAを含み、ここでPVAは、ポリアセテートから誘導される。いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、少なくとも部分的に脱エステル化または加水分解されたポリアセテートを含む。いくつかの実施形態において、本発明のPVAは、70および90重量%の間、70および75重量%の間、75および80重量%の間、80および85重量%の間、85および90重量%の間、90および95重量%の間、95および99重量%の間の脱エステル化または加水分解されたポリ酢酸ビニルを含む。例示的なPVA高分子界面活性剤は、これらに限定されないが、ポバール4‐88(登録商標)、ポバール5‐88(登録商標)、ポバール6‐88(登録商標)、ポバール8‐88(登録商標)、加えてこれらの任意の混合物を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、高分子界面活性剤(例えばPVA)であるか、またはそれを含み、ここで高分子界面活性剤の重量平均分子量は、10,000から250,000、10,000から250,000、10,000から20,000、20,000から30,000、30,000から40,000、40,000から50,000、50,000から60,000、60,000から70,000、70,000から80,000、80,000から90,000、90,000から100,000、100,000から150,000、150,000から200,000、200,000から250,000、加えてこれらの間の任意の範囲または値である。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、10,000から250,000、加えてこれらの間の任意の範囲または値の高分子界面活性剤の重量平均分子量を有するポリ酢酸ビニルから誘導されたPVAであるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、異なる分子量および/または脱エステル化の程度(例えば、70および90%の間、加えてこれらの間の任意の範囲)を有する複数のPVAポリマーであるか、またはそれを含む。
【0056】
非限定的な例において、酵素はスブチリシンである。
【0057】
非限定的な例において、消毒剤は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物などの、塩含有塩素を含んでよい。付加的な任意選択の塩含有塩素は、次亜塩素酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸を含んでよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、上記第1の層、上記第2の層、またはその両方は、それぞれの層の総重量の少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。例えば、第2の層および/または第1の層は、4重量%のステアリン酸マグネシウム、5重量%のステアリン酸マグネシウム、6重量%のステアリン酸マグネシウム、7重量%のステアリン酸マグネシウム、8重量%のステアリン酸マグネシウム、またはそれより多くを含んでよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、第1の層、第2の層、またはその両方は、それぞれの層の総重量の少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む。例えば、第1の層は、5重量%の微結晶セルロース、8重量%の微結晶セルロース、10重量%の微結晶セルロース、15重量%の微結晶セルロース、20重量%の微結晶セルロース、22重量%の微結晶セルロース、25重量%の微結晶セルロース、28重量%の微結晶セルロース、30重量%の微結晶セルロース、および32重量%の微結晶セルロースを含んでよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1の層、第2の層、またはその両方は、香料を含む。いくつかの実施形態において、上記第1の層、上記第2の層、またはその両方は、顔料を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、第2の層は、2~15重量%の間のエチレンジアミン四酢酸を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、上記第1の層、上記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む。いくつかの実施形態において、第1の層は、重量%で、第1の硬水軟化剤を少なくとも2重量%、例えば2.2重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.7重量%、3重量%、3.2重量%、3.4重量%、3.5重量%、4重量%、またはそれより多く含む。いくつかの実施形態において、第1の層はさらに、重量%で、第1の硬水軟化剤とは異なる第2の硬水軟化剤を少なくとも2.5重量%、例えば2.5重量%、2.7重量%、3重量%、3.2重量%、3.4重量%、3.5重量%、4重量%、またはそれより多く含む。非限定的な例において、第1の硬水軟化剤は、ポリホスホン酸ナトリウム塩である。別の非限定的な例において、第2の硬水軟化剤は、ポリアクリル酸、ナトリウム塩である。他の可能な硬水軟化剤は、トリポリリン酸ナトリウム、二リン酸カリウム、ジエチルエステルジメチル塩化アンモニウムなどから選択されてよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、上記第1の層、上記第2の層、またはその両方は、カルボキシメチルセルロースなど少なくとも1つの再付着防止剤を含む。例えば、それぞれの層は、重量%で、カルボキシメチルセルロースを少なくとも2重量%、例えば2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3重量%、またはそれより多く含んでよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、第2の層は、0.1~0.5重量%の間の蛍光増白剤を含む。例えば、蛍光増白剤は、ベンゼンスルホン酸2,2'-([1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-二ナトリウム塩であってよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、タブレットは、任意の既知の方法を使用して作製されてよい。例えば、第1の層の成分がともに混合されて、第1の混合物が形成されてよく、第2の層の成分がともに混合されて、第2の混合物が形成されてよい。第1の混合物は、型に注入され圧縮されてよく、第2の混合物は、型内の第1の混合物の上に注入され、圧縮されてよい。タブレットは、さらなる強度を付加するために乾燥されてよい。
【0066】
上記に描写し、下記の特許請求の範囲のセクションで特許請求される本発明の様々な実施形態および態様は、以下の実施例において実験的支持を得る。実施例
【0067】
表1は、本発明のいくつかの実施形態によるタブレットの組成物を含む。タブレットは、2つの層を含み、第1の層の重さは16グラム、および第2の層の重さは12グラムである。
【0068】
【0069】
表2は、本発明のいくつかの実施形態による、別のタブレットの組成物を含む。このタブレットは、3つの層を含み、外側の2つの第1の層の重さはそれぞれ7グラムであり、中央の第2の層の重さは14グラムである。
【表3】
【表4】
【0070】
本発明は、その具体的な実施形態と併せて説明されてきたが、当業者にとって多くの代替形態、修正形態、および変形形態が明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の趣旨および広い範囲内に含まれる全てのそのような代替形態、修正形態、および変形形態を包含することが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布を洗浄する方法であって、連続した以下の段階:
(
a)少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの前洗浄サイクルは、前記布を、室温の水で3~10分間洗浄し、前記水を、2~10分間排水し、それにより水量の少なくとも30%を排水する段階を含む;
(
b)前記布を、水および洗剤を含む溶液で、50~90分間35℃~90℃で洗浄する段階;および
(
c)少なくとも3回の、洗剤を含まない後洗浄サイクルを実施する段階、ここでそれぞれの後洗浄サイクルは、室温の水に浸漬した前記布を3~10分間洗浄し、前記水を2~10分間排水し、それにより、前記水量の少なくとも30%を排水する段階を含む、
を備える、方法。
【請求項2】
前記少なくとも2回の前洗浄サイクルを実施する段階は、洗剤を含まない水で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2回の前洗浄サイクルのうちの少なくとも1回の前洗浄サイクルを実施する段階は、洗剤を含む水で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
段階(a)は、少なくとも3回の前洗浄サイクルを実施する段階を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記洗剤は、第1の層および第2の層を含むタブレットを有し、
前記第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素、前記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、を含み;
前記第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の陰イオン性界面活性剤は、前記第2の陰イオン性界面活性剤と同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の非イオン性界面活性剤は、前記第2の非イオン性界面活性剤と同じである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む、請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
第1の層および第2の層を備えるタブレットであって、
前記第1の層は、重量%で、少なくとも20重量%の炭酸ナトリウム;少なくとも10重量%の第1の非イオン性界面活性剤;少なくとも10重量%の第1の陰イオン性界面活性剤;少なくとも20重量%の酵素、前記酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、またはこれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、を含み;
前記第2の層は、重量%で、少なくとも30重量%の炭酸ナトリウム、少なくとも15重量%の消毒剤、少なくとも5重量%の第2の陰イオン性界面活性剤、および少なくとも5重量%の第2の非イオン性界面活性剤を含む、タブレット。
【請求項13】
前記第1の陰イオン性界面活性剤は、前記第2の陰イオン性界面活性剤と同じである、請求項12に記載のタブレット。
【請求項14】
前記第1の非イオン性界面活性剤は、前記第2の非イオン性界面活性剤と同じである、請求項12に記載のタブレット。
【請求項15】
前記第2の層は、2つの第1の層の間に挟まれる、請求項12に記載のタブレット。
【請求項16】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項17】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも2重量%の微結晶セルロースを含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項18】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、香料を含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項19】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、顔料を含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項20】
前記酵素はスブチリシンである、請求項12に記載のタブレット。
【請求項21】
前記消毒剤は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物である、請求項12に記載のタブレット。
【請求項22】
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、少なくとも1つの硬水軟化剤を含む、請求項12に記載のタブレット。
【請求項23】
前記第1の層は、重量%で、少なくとも2重量%の第1の硬水軟化剤を含む、請求項22に記載のタブレット。
【請求項24】
前記第1の層は、重量%で、少なくとも2重量%の、第1の硬水軟化剤とは異なる第2の硬水軟化剤を含む、請求項23に記載のタブレット。
【請求項25】
前記第2の層は、2~15重量%の間の蛍光増白剤を含む、請求項12から24のいずれか一項に記載のタブレット。
【国際調査報告】