(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】イメージセンサのパッケージ方法及びパッケージ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/29 20060101AFI20250214BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20250214BHJP
【FI】
H01L23/30 B
H04N23/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538671
(86)(22)【出願日】2023-12-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2023139343
(87)【国際公開番号】W WO2024146362
(87)【国際公開日】2024-07-11
(31)【優先権主張番号】202311154608.5
(32)【優先日】2023-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524238626
【氏名又は名称】積高電子(無錫)有限公司
【氏名又は名称原語表記】JACAL ELECTRONIC (WUXI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.2, Yanggong Road, Liangxi District, Wuxi City, Jiangsu Province, 214000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】王 国建
(72)【発明者】
【氏名】付 義徳
【テーマコード(参考)】
4M109
5C122
【Fターム(参考)】
4M109AA02
4M109DB09
4M109EA02
4M109EC03
5C122EA01
5C122EA55
5C122FC00
5C122GE11
(57)【要約】
本発明は、イメージセンサのパッケージ方法及びパッケージ構造を開示し、半導体パッケージ技術分野に関し、パッケージ方法は具体的に充填ゴムを分配する際に、霧化充填ゴムを使用してリード線に高周波で射出する必要があり、リード線の外側が充填ゴムで完全に被覆されるまでリード線の表面に塗装することを含む。次に、リード線表面の充填ゴムがまだ硬化していないときに、充填ゴムの液面高さがすべてのリード線の最高高さよりも高くなるまで、充填チャンバに向かって液体状の充填ゴムを充填する。本発明が提供するイメージセンサのパッケージング方法は、従来の技術において、完成品のイメージセンサが揺れる時リード線が断裂しやすいという問題を解決した。本発明が提供するイメージセンサのパッケージング方法によって製造されたイメージセンサのパッケージング構造におけるリード線は、充填ゴムによってさらに安定的に固定されて断裂しにくい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサのパッケージ方法であって、下記ステップを含み、
S1:基板を提供し、前記基板は、第一表面、及び第一表面に対向する第二表面を有し、
S2:前記イメージセンサを前記基板に貼り付け、即ち前記イメージセンサの下表面を前記基板の第一表面に固定し、
S3:透明カバープレートを前記イメージセンサの上方に固定し、透明カバープレートは支持側壁によって前記イメージセンサの受光領域のエッジ領域に固定し、前記透明カバープレートと前記イメージセンサとの間に密封の光透過区域を形成し、
S4:前記イメージセンサを前記基板に電気的に接続し、即ち前記基板の第一表面と前記イメージセンサの上表面とを複数のリード線を介して電気的に接続し、且つ電気的接続用の前記リード線が前記光透過区域の外側に位置し、
S5:側板を提供し、且つ前記側板を前記基板の境界を囲むように設けて密封し、複数の前記リード線をすべて前記基板と前記側板より囲まれる充填チャンバ内に位置させ、
S6:充填ゴムを分配し、前記側板の内側と、前記基板の第一表面の上方と、前記支持側壁の外側とによって構成される前記充填チャンバ内に前記充填ゴムを分配し、前記充填ゴムの上表面が前記透明カバープレートの頂面より高くなく、
前記S6中に前記充填ゴムを分配することは以下を含み、
S61:霧化充填ゴムを使用して高周波で前記リード線に射出し、前記リード線の外側が完全に前記充填ゴムを被覆するまで前記リード線の表面に塗装を行い、
S62:ステップS61を実行した後、前記リード線の表面の前記充填ゴムがまだ硬化していない時に、前記充填ゴムの液位高さがすべての前記リード線の最高高さより高く、且つ前記透明カバープレートの頂面より高くない高さまで、前記充填チャンバに向かって液状の前記充填ゴムを充填する、ことを特徴とするイメージセンサのパッケージ方法。
【請求項2】
前記ステップS62の後にさらにステップS63を含み、
前記ステップS62で充填された前記充填ゴムの垂直上方に第二充填ゴムを、前記第二充填ゴムの上表面が前記透明カバープレートの頂面と面一になるまで、充填し、
前記充填ゴムはエポキシ樹脂であり、前記第二充填ゴムは光を透過しない熱硬化性シール剤である、ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサのパッケージ方法。
【請求項3】
前記イメージセンサの受光領域の外側を取り巻く前記イメージセンサの上表面に、前記支持側壁が分布され、且つ前記支持側壁は均一な高さを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサのパッケージ方法。
【請求項4】
前記透明カバープレートを前記イメージセンサに固定する前に、又は前記透明カバープレートを前記イメージセンサに固定した後に、前記イメージセンサを前記基板に電気的に接続する、ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサのパッケージ方法。
【請求項5】
UV接着剤又は熱硬化性シール剤を選択して支持側壁とし、硬化過程において前記透明カバープレートを前記イメージセンサの上方に固定する、ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサのパッケージ方法。
【請求項6】
前記ステップS61において、前記霧化充填ゴムはエポキシ樹脂霧化装置によって生成され、前記エポキシ樹脂霧化装置は、エポキシ樹脂ミストを噴出するのに用いる二つのノズルを含み、
二つの前記ノズルの口部は対向に設置され、
前記リード線は、二つのピンがそれぞれ前記イメージセンサと前記基板に接続されることを除いて、前記リード線の他の部分は前記イメージセンサと前記基板に隙間を残し、
前記ノズルの高さは、前記リード線の最高部より低く、
前記イメージセンサの片側に複数のリード線を設置し、二つの前記ノズルの間の距離は、前記イメージセンサの片側のすべての隣接するリード線の間の距離の合計より長い、ことを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサのパッケージ方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のイメージセンサのパッケージ方法で製造したイメージセンサのパッケージ構造であって、
前記基板、前記イメージセンサ、前記透明カバープレート、前記支持側壁、複数の前記リード線、前記側板、及び前記充填ゴムを含み、
前記基板は、前記第一表面及び前記第二表面を含み、前記第二表面は前記第一表面と対向しており、
前記イメージセンサは、前記基板に固定され、前記イメージセンサは受光領域を含み、 前記イメージセンサに前記受光領域が設置される面は、前記イメージセンサの上表面であり、前記上表面に対向する面は前記イメージセンサの下表面であり、
前記透明カバープレートは、前記イメージセンサの上方に接着され、前記イメージセンサは前記透明カバープレートを通して感知信号を受信し、前記透明カバープレートに接着される面は、前記透明カバープレートの底面であり、前記透明カバープレートの底面に対向する面は、前記透明カバープレートの頂面であり、
前記支持側壁は、それぞれ前記透明カバープレート及び前記イメージセンサに接着され、前記透明カバープレートと前記イメージセンサの前記受光領域との間に密閉の光透過領域を形成し、前記支持側壁は前記イメージセンサの前記受光領域の外側の上表面を囲んで固定設置され、
複数の前記リード線は、前記基板と前記イメージセンサとを電気的に接続し、且つ複数の前記リード線は前記支持側壁の外側に分布し、
前記側板を前記基板の境界を囲むように固定されて密封し、且つ複数の前記リード線はいずれも前記基板と前記側板で囲まれた前記充填チャンバ内に位置し、前記側板の前記充填チャンバに隣接する側は内側であり、
前記充填ゴムは、前記側板の内側、前記基板の第一表面の上方及び前記支持側壁の外側で構成される前記充填チャンバ内に充填され、前記充填ゴムは内、外2層に分けられ、内層の前記充填ゴムは前記リード線の外側を完全に覆い、外層の前記充填ゴムは、前記内層の前記充填ゴム及び内部の前記リード線を隙間なく覆い、前記外層の前記充填ゴムの液位高さは全ての前記リード線より高く、前記外層の前記充填ゴムの上表面は前記透明カバープレートの頂面より高くない、ことを特徴とするイメージセンサのパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体パッケージ技術分野に関し、特にイメージセンサのパッケージ方法及びパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサはデジタル画像機器の中核装置であり、光学画像信号を電子信号に変換して処理することができる。イメージセンサのチップを保護し、長期間安定に動作させ、良好な検知感度を長期間維持するために、安定で信頼性の高いパッケージ構造を設計する必要がある。イメージセンサの実装時には、一方でセンサチップの受光領域を保護する必要がある。他方、センサと外部回路との電気接続線を保護し、外部要素がセンサ信号の正常な獲得と処理に対する影響を防止する。
【0003】
従来の技術において、例えば中国特許出願番号の201910414621.7で開示したイメージセンサのパッケージ構造及びパッケージ方法は、リード線の鉛直上方から第一充填ゴムを直接注入し、比較的安定で信頼性の高いパッケージ構造を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のパッケージ方法に存在する欠陥は以下のとおりである。第一充填ゴムは比較的大きい粘性を有するため、リード線の鉛直上方から第一充填ゴムを注入した後、第一充填ゴムはリード線に接触した後分流し、リード線が第一充填ゴムの注入方向に背を向ける部位に、第一充填ゴムは完全にリード線に貼り付けることができず、これによってリード線が第一充填ゴム内のキャビティ内に充填されることを引き起こし、第一充填ゴムはリード線を完全に覆うことができない。引用文献にこの問題を解決する方法を提供せず、従来の方法によって充填を完成して第一充填ゴムが完全に凝固した後、リード線はこのキャビティ内で振動して断裂する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術問題に対し、本発明の提供するイメージセンサのパッケージ方法は、イメージセンサのパッケージ構造におけるリード線をより安定的に固定することができる。
【0006】
前記目的を実現するために、本発明が採用する技術的解決手段は以下のとおりである。
本発明が提供するイメージセンサのパッケージ方法は、下記ステップを含む。S1:基板を提供し、前記基板は、第一表面、及び第一表面に対向する第二表面を有する。S2:前記イメージセンサを前記基板に貼り付け、即ち前記イメージセンサの下表面を前記基板の第一表面に固定する。S3:透明カバープレートを前記イメージセンサの上方に固定し、前記透明カバープレートは支持側壁によって前記イメージセンサの受光領域のエッジ領域に固定し、前記透明カバープレートと前記イメージセンサとの間に密封の光透過区域を形成する。S4:前記イメージセンサを基板に電気的に接続し、即ち前記基板の第一表面と前記イメージセンサの上表面とを複数のリード線を介して電気的に接続し、且つ電気的接続用の前記リード線が前記光透過区域の外側に位置する。S5:側板を提供し、且つ前記側板を前記基板の境界を囲むように設けて密封し、複数の前記リード線をすべて前記基板と前記側板より囲まれる充填チャンバ内に位置させる。S6:充填ゴムを分配し、前記側板の内側と、前記基板の第一表面の上方と、前記支持側壁の外側とによって構成される前記充填チャンバ内に充填ゴムを分配する。前記充填ゴムの上表面が前記透明カバープレートの頂面より高くない。そのうち、前記S6中に前記充填ゴムを分配することは以下を含む。S61:霧化充填ゴムを使用して高周波で前記リード線に射出し、前記リード線の外側が完全に前記充填ゴムを被覆するまで前記リード線の表面に塗装を行う。S62:ステップS61を実行した後、前記リード線の表面の前記充填ゴムがまだ硬化していない時に、前記充填ゴムの液位高さがすべての前記リード線の最高高さより高く、且つ前記透明カバープレートの頂面より高くない高さまで、前記充填チャンバに向かって液状の前記充填ゴムを充填する。
【0007】
本発明の提供するイメージセンサのパッケージング方法は、好ましくは、前記ステップS62の後にさらにステップS63を含む:前記ステップS62で充填された前記充填ゴムの垂直上方に第二充填ゴムを、前記第二充填ゴムの上表面が前記透明カバープレートの頂面と面一になるまで、充填する。前記充填ゴムはエポキシ樹脂である。前記第二充填ゴムは光を透過しない熱硬化性シール剤である。
【0008】
本発明が提供するイメージセンサのパッケージ方法は、好ましくは、前記イメージセンサの受光領域の外側を取り巻く前記イメージセンサの上表面に前記支持側壁が分布され、且つ前記支持側壁は均一な高さを有する。
【0009】
本発明が提供するイメージセンサのパッケージ方法は、好ましくは、前記透明カバープレートを前記イメージセンサに固定する前に、又は前記透明カバープレートを前記イメージセンサに固定した後に、前記イメージセンサを前記基板に電気的に接続する。
【0010】
本発明が提供するイメージセンサのパッケージ方法は、好ましくは、UV接着剤又は熱硬化性シール剤を選択して支持側壁とし、硬化過程において前記透明カバープレートを前記イメージセンサの上方に固定する。
【0011】
本発明が提供するイメージセンサのパッケージ方法は、好ましくは、前記ステップS61において、前記霧化充填ゴムはエポキシ樹脂霧化装置によって生成される。前記エポキシ樹脂霧化装置は、エポキシ樹脂ミストを噴出するのに用いる二つのノズルを含む。二つの前記ノズルの口部は対向に設けられる。前記リード線は、二つのピンがそれぞれ前記イメージセンサと前記基板に接続されることを除いて、前記リード線の他の部分は前記イメージセンサと前記基板に隙間を残す。前記ノズルの高さは前記リード線の最高部より低い。前記ノズルから噴出されたエポキシ樹脂ミストは前記隙間から貫通できる。前記イメージセンサの片側に複数のリード線を設置する。二つの前記ノズルの間の距離は、前記イメージセンサの片側のすべての隣接するリード線の間の距離の合計より長い。
【0012】
本発明が提供するイメージセンサのパッケージ方法で製造したイメージセンサのパッケージ構造は、前記基板、前記イメージセンサ、前記透明カバープレート、前記支持側壁、複数の前記リード線、前記側板、及び前記充填ゴムを含む。前記基板は前記第一表面及び前記第二表面を含む。前記第二表面は前記第一表面と対向する。イメージセンサであって、前記イメージセンサは前記基板に固定される。前記イメージセンサは受光領域を含み、前記イメージセンサに前記受光領域が設けられる面は、前記イメージセンサの上表面であり、前記上表面に対向する面は前記イメージセンサの下表面である。前記透明カバープレートであって、前記透明カバープレートは前記イメージセンサの上方に接着される。前記イメージセンサは前記透明カバープレートを通して感知信号を受信する。前記透明カバープレートに接着される一面は、前記透明カバープレートの底面であり、前記透明カバープレートの底面に対向する面は、前記透明カバープレートの頂面である。支持側壁であって、前記支持側壁はそれぞれ前記透明カバープレート及び前記イメージセンサに接着され、前記透明カバープレートと前記イメージセンサの受光領域との間に密閉光透過領域を形成する。前記支持側壁は前記イメージセンサの前記受光領域の外側の上表面を囲んで固定設置される。複数の前記リード線は、前記基板と前記イメージセンサとを電気的に接続し、且つ複数の前記リード線は前記支持側壁の外側に分布する。側板であって、前記側板を前記基板の境界を囲むように固定されて密封し、且つ複数の前記リード線はいずれも前記基板と前記側板で囲まれた前記充填チャンバ内に位置する。前記側板の前記充填チャンバに隣接する側は内側である。充填ゴムであって、前記充填ゴムは前記側板の内側、前記基板の第一表面の上方及び前記支持側壁の外側で構成される前記充填チャンバ内に充填される。前記充填ゴムは内、外2層に分けられる。内層の前記充填ゴムは前記リード線の外側を完全に覆う。外層の前記充填ゴムは、前記内層の前記充填ゴム及び内部の前記リード線を隙間なく覆う。前記外層の前記充填ゴムの液位高さは全ての前記リード線より高い。前記外層の前記充填ゴムの上表面は前記透明カバープレートの頂面より高くない。
【発明の効果】
【0013】
前記技術方案は以下の利点又は有益な効果を有する。
本発明はイメージセンサのパッケージ方法及びパッケージ構造を開示し、半導体パッケージ技術分野に関し、イメージセンサのパッケージ方法は以下のステップを含む。S1:基板を提供し、前記基板は、第一表面、及び第一表面に対向する第二表面を有する。S2:イメージセンサを基板に貼り付け、即ちイメージセンサの下表面を基板の第一表面に固定する。S3:透明カバープレートをイメージセンサの上方に固定し、透明カバープレートは支持側壁によってイメージセンサの受光領域のエッジ領域に固定し、透明カバープレートとイメージセンサの間に密封の光透過区域を形成する。S4:イメージセンサを基板に電気的に接続し、即ち基板の第一表面とイメージセンサの上表面とを複数のリード線を介して電気的に接続し、且つ電気的接続用のリード線が光透過区域の外側に位置する。S5:側板を提供し、且つ側板を基板の境界を囲むように設けて密封し、複数の前記リード線をすべて前記基板と前記側板より囲まれる充填チャンバ内に位置させる。S6:充填ゴムを分配し、前記側板の内側と、前記基板の第一表面の上方と、前記支持側壁の外側とによって構成される充填チャンバ内に前記充填ゴムを分配する。前記充填ゴムの上表面が前記透明カバープレートの頂面より高くない。そのうち、前記S6中に前記充填ゴムを分配することは以下を含む。S61:霧化充填ゴムを使用して高周波でリード線に射出し、リード線の外側が完全に充填ゴムを被覆するまでリード線の表面に塗装を行う。S62:ステップS61を実行した後、リード線表面の充填ゴムがまだ硬化していない時に、充填ゴムの液位高さがすべてのリード線の最高高さより高く、且つ透明カバープレートの頂面より高くない高さまで、前記充填チャンバに向かって液状の充填ゴムを充填する。本発明の提供する画像センサのパッケージ方法は、従来技術において、画像センサのパッケージ構造内のリード線は、充填ゴムがリード線を十分に被覆しないため、完成品の画像センサが揺れる時にリード線が破断しやすいという問題を解決する。本発明はイメージセンサのパッケージ構造におけるリード線が充填ゴムにより安定的に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の図面を参照して非限定的な実施例について詳細に説明することにより、本発明及びその特徴、外形及び利点がより明らかになる。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。図面を縮尺に応じて描くことを意図せず、本発明の要旨を示すことに重点を置く。
【
図1】本発明の実施例1に係るイメージセンサのパッケージ方法により製造されたイメージセンサのパッケージ構造の概略構成図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るイメージセンサのパッケージ方法のエポキシ樹脂霧化装置のリード線底部の塗装時の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
具体的には、本願の実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。具体的には、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明するためだけに使用され、本願に係る例示的な実施形態を限定することは意図されないことに留意されたい。
【0016】
具体的には、用語「包含」及び/又は「含む」が、本明細書において使用される場合、特徴、ステップ、動作、デバイス、コンポーネント、及び/又はそれらの組合せが存在することを示すことが理解されるべきである。
【0017】
「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の用語は、それによって示される向き又は位置関係は、図に示される向き又は位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであって、示される装置又は要素が特定の向きで構成され、特定の向きで動作しなければならないことを示す又は暗示するものではなく、したがって本発明を限定するものとは解釈されない。
【0018】
「第一」、「第二」、「第三」のような用語の出現は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するものと解釈されるべきではない。
【0019】
「取り付け」、「繋ぎ」、「接続」のような用語の出現は、他に特別な規定や制限がない限り、固定式、取り外し可能、又は一体式などの広い意味で解釈されるものとする。機械的又は電気的な接続が可能である。直接に接続することもでき、中間媒体を介して間接的に接続することもでき、2つの素子内部の連通であることもできる。本発明における上記の用語の意味は、当業者には十分に理解され得る。
【0020】
本発明の実施例における技術方案を以下に本発明の実施例中の添付図面と結合して説明するが、説明した実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。従って、添付図面に提供される本発明の実施例における以下の詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の選択された実施例を単に表すものである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得ることができる他の全ての実施例は、本発明の範囲内である。
【0021】
実施例1
従来の技術において、イメージセンサのパッケージ構造の組立過程において、充填ゴムを直接充填するため、充填ゴムはリード線に接触した後、リード線に阻止され、充填ゴムの進入方向に離反し、充填ゴムとリード線との間にキャビティが現れやすい。イメージセンサのパッケージ構造の組立が完成した後、イメージセンサのパッケージ構造内のリード線は十分に充填ゴムを被覆せず、充填ゴムに被覆されないリード線は脆弱で、製品のイメージセンサが揺れるような環境において、リード線の断裂を誘発しやすく、本発明の実施例1の提供するイメージセンサのパッケージ方法は、
図1~2に示すように、以下のステップを含む。
S1:基板1を提供し、前記基板1は、第一表面、及び第一表面に対向する第二表面を有する。
S2:イメージセンサ2を基板1に貼り付け、即ちイメージセンサ2の下表面を基板1の第一表面に固定する。
S3:透明カバープレート3をイメージセンサ2の上方に固定し、透明カバープレート3は支持側壁4によってイメージセンサ2の受光領域のエッジ領域に固定し、透明カバープレート3とイメージセンサ2との間に密封の光透過区域を形成する。
S4:イメージセンサ2を基板1に電気的に接続し、即ち基板1の第一表面とイメージセンサ2の上表面とを複数のリード線5を介して電気的に接続し、且つ電気的接続用のリード線5が光透過区域の外側に位置する。
S5:側板6を提供し、且つ側板6を基板1の境界を囲むように設けて密封し、複数の前記リード線5を、すべて前記基板1と前記側板6より囲まれる充填チャンバ内に位置させる。
S6:充填ゴム7を分配し、前記側板6の内側と、前記基板1の第一表面の上方と、前記支持側壁4の外側とによって構成される充填チャンバ内に前記充填ゴムを分配する。前記充填ゴム7の上表面が前記透明カバープレート3の頂面より高くない。
前記S6中に前記充填ゴムを分配することは以下を含む。
S61:霧化充填ゴムを使用して高周波でリード線5に射出し、リード線5の外側が完全に充填ゴムを被覆するまで、リード線5の表面に塗装を行う。
S62:ステップS61を実行した後、リード線5表面の充填ゴム7がまだ硬化していない時に、充填ゴム7の液位高さがすべてのリード線5の最高高さより高く、且つ透明カバープレート3の頂面より高くない高さまで、前記充填チャンバに向かって液状の充填ゴム7を充填する。
【0022】
本発明実施例1が提供するイメージセンサのパッケージ方法は、基板1とイメージセンサ2との間の接続用リード線に、まず霧化充填ゴムを使用してリード線に塗装を行い、リード線の外表面に充填ゴムを十分に被覆させ、その後リード線の外部の充填ゴムがまだ十分に硬化していない時に、液体の充填ゴムを注ぎ、側板6の内側、基板1の第一表面の上方及び支持側壁4の外側の充填チャンバ内に充填ゴムを充満させる。霧化充填ゴムと液体の充填ゴムが同じ材質であるため、液体充填ゴムが流動する時にリード線5の表面の充填ゴムにさらに容易に貼り付けることができ、これによってリード線と充填ゴムの構造性質が異なるためにリード線5の表面にぴったりくっつかないことを避ける。そのうち、霧化充填ゴムを使用して高周波でリード線に射出し、リード線表面に塗装を行い、高周波は霧化した充填ゴムを比較的高速で噴出させ且つリード線表面に打ち、このようにする目的は霧化した充填ゴムをさらに高速でリード線5に接触させ、したがって充填ゴムをさらに容易にリード線表面に粘着させ、そうすると霧化充填ゴムをリード線5表面に粘着する効率がさらに高くなる。このようにすると、充填ミストの移動速度が遅すぎてリード線5表面を完全に覆う時間が長すぎ、リード線5表面の充填ミストを徹底的に硬化させ、これらのリード線5表面に被覆する充填ゴムと後続充填する液体充填ゴムの間のシームレス接続に影響することを避けることができる。高周波を採用して直接高速充填ミストを使用しない理由は、一方で持続的な充填ミストが急速に液体充填ゴムに集まる可能性があり、リード線5の表面に充填ゴムを覆うことに不利であり、他方で、もし単に高速に霧化充填ゴムをパイプから噴出すれば、リード線は持続的な霧化充填ゴムの衝撃力を受けるため傾倒を発生する可能性があり、高周波数段を通じて充填ゴムをリード線に噴射すれば、リード線が受ける衝撃力は衝撃力の間に間隔が存在するため減少し、このようにして適当にリード線が受ける衝撃力を軽減することができ、したがって充填ゴムがリード線を変形に衝突する状況を軽減する。従来の技術と比較し、本実施例はリード線の外側に充填ゴムを十分に被覆させ、リード線5と充填ゴム7との間にキャビティが存在せず、リード線5は充填ゴム7によって形成されたキャビティ内で振動して破断しにくい。
【0023】
本発明の実施例1の提供するイメージセンサのパッケージ方法は、従来の技術における、イメージセンサのパッケージ構造内のリード線は、充填ゴムがリード線を十分に被覆していないため、完成品のイメージセンサが揺れる時にリード線が破断しやすいという問題を解決した。本発明は、イメージセンサのパッケージ構造内のリード線を充填ゴムでより安定的に固定することができる。
【0024】
好ましい形態として、本実施例では、ステップS62の後に、ステップS63をさらに含む:ステップS62で充填した充填ゴム7に対し、第二充填ゴム8の上表面が透明カバープレート3の頂面と面一になるまで、垂直上方に第二充填ゴム8を充填する。充填ゴム7はエポキシ樹脂(Epoxy)である。第二充填ゴム8は光を透過しない熱硬化性シール剤である。従来技術と同様に、充填ゴム7が硬化した後、充填ゴム7の上方に第二充填ゴム8が設けられ、第二充填ゴム8は光を透過しないため、充填チャンバに照射する光線がイメージセンサ2に照射することを防止することができる。同時に、第二充填ゴム8の上表面は透明カバープレートと同じ高さにあり、パッケージ構造の最終外形の上表面を1つの平面にすることができ、透明カバープレートは側方向の圧力を受けて透明カバープレートが支持側壁4から脱落することを引き起こしにくい。そのうち、イメージセンサ2の受光領域外側を取り巻くイメージセンサ2の上表面に支持側壁4が分布され、且つ支持側壁4は均一な高さを有する。そのうち、支持側壁4はイメージセンサ2の受光領域の外側縁に沿って分布し、且つ均一な高さを有する。そのため支持側壁は、パッケージ後のイメージセンサをより容易に外部光学素子に平らに適合させることができる(透明カバープレート3は光源に貼り付け、イメージセンサ2の受光領域の面は外部光源の入射方向に垂直することができ、そのためイメージセンサ2はよりよく光源を受信することができる)。
【0025】
本実施形態では、イメージセンサ2と基板1との電気的接続は、透明カバープレート3がイメージセンサ2に固定される前になされるか、透明カバープレート3がイメージセンサ2に固定された後になされる。イメージセンサ2と基板1とがリード線5を介して電気的に接続されるのは、透明カバープレート3を組み立てる前であってもよいし、透明カバープレート3を組み立てた後であってもよい。
【0026】
支持側壁4をイメージセンサ2に固定することができるようにするために、本実施形態では、好ましい一例として、UV接着剤(UV Curable Adhesive)又は熱硬化性シール剤(Heat Curable Adhesive)が支持側壁4として選択され、透明カバープレート3は、充填ゴム7が硬化する間、イメージセンサ2の上方に固定される。支持側壁4は、それ自体が接着剤であるため、イメージセンサ2に取り付けたときに接着と硬化が同時に行われ、固定効率を向上させることができる。
【0027】
リード線5表面の全面被覆を実現するために、エポキシ樹脂ミストを噴霧し、好ましい方法として、本実施例では、ステップS61において、エポキシ樹脂霧化装置9によって霧化した充填ゴムが生成される。エポキシ樹脂霧化装置9は、エポキシ樹脂ミストを噴霧するための二つのノズル91を含む。二つのノズル91の口部は対向して設けられる。リード線5は、二つのピンがそれぞれイメージセンサ2と基板1に接続されることを除いて、リード線5の他の部分はイメージセンサ2と基板1に隙間を残す。ノズル91の高さはリード線5の最高部より低い。ノズル91からのエポキシ樹脂ミストは隙間を通り抜けることができる。イメージセンサ2の片側には複数のリード線5が配置される。イメージセンサ2の片側の全ての隣接するリード線5間の距離の合計よりも、二つのノズル91間の距離の方が長い。エポキシ樹脂霧化装置9は従来の技術に属し、よくあるのは高圧を利用してエポキシ樹脂液体を押し出し、エポキシ樹脂液体を霧化ノズルから噴出させる。本実施例において、リード線5とイメージセンサ2との間に隙間を残し、これはリード線5の非端点部位がイメージセンサに接触してリード線とイメージセンサの他の接触点が干渉することを防止する、しかしリード線5はイメージセンサ2に近く、噴霧管をリード線5の垂直下方に伸ばすことができず、そのため、本実施例におけるエポキシ樹脂霧化装置9は二つのノズル91を含み、この二つのノズル91は対向的に噴霧する。ノズル91の高さはリード線の最高高さより低いため、噴出されたエポキシ樹脂ミストはリード線5の底部で衝突し、衝突したミストの部分は垂直に上に向かい、リード線5の最も高い底部に移動し、霧化したエポキシ樹脂はリード線の底部に接触した後、リード線5の底部に沿って流れる。したがってリード線5の底部全体を覆うことにより、最もエポキシ樹脂を吹きつけられにくいリード線5の底部にも充填ゴムが被覆される。通常の垂直下向き噴霧ノズルと組み合わせ、リード線を十分に全面的に覆う噴霧を行い、これによって後続の液態エポキシ樹脂とエポキシ樹脂ミストを噴霧された後のリード線の密着に有利であり、リード線が充填ゴムに十分に被覆され、リード線の周囲にキャビティを形成しない。
【0028】
前記方法を使用して最終に製造したイメージセンサのパッケージ構造は、基板1、イメージセンサ2、透明カバープレート3、支持側壁4、複数のリード線5、側板6、及び充填ゴムを含む。前記基板1は第一表面及び第二表面を含む。前記第二表面は前記第一表面と対向する。イメージセンサ2であって、イメージセンサ2は基板1に固定される。イメージセンサ2は受光領域を含み、イメージセンサ2に受光領域が設置される面は、イメージセンサ2の上表面であり、上表面に対向する面はイメージセンサ2の下表面である。透明カバープレート3であって、透明カバープレート3はイメージセンサ2の上方に接着される。イメージセンサ2は透明カバープレート3を通して感知信号を受信する。透明カバープレート3に接着される面は、透明カバープレート3の底面であり、透明カバープレート3の底面に対向する面は、透明カバープレート3の頂面である。支持側壁4であって、支持側壁4はそれぞれ透明カバープレート3及びイメージセンサ2に接着され、透明カバープレート3とイメージセンサ2の受光領域との間に密閉の光透過領域を形成する。支持側壁4はイメージセンサ2の受光領域外側の上表面を囲んで固定設置される。複数のリード線5は、基板とイメージセンサを電気的に接続し、且つ複数の前記リード線5は支持側壁4の外側に分布する。側板6であって、側板6を基板1の境界を囲むように固定されて密封し、且つ複数の前記リード線5はいずれも基板1と側板6で囲まれた充填チャンバ内に位置する。側板6の充填チャンバに隣接する側は内側である。充填ゴムであって、前記充填ゴムは前記側板の内側、前記基板の第一表面の上方及び前記支持側壁の外側で構成される充填チャンバ内に充填される。前記充填ゴムは内、外2層に分けられる。内層の前記充填ゴムは前記リード線の外側を完全に覆う。外層の前記充填ゴムは、内層の前記充填ゴム及び内部の前記リード線を隙間なく覆う。外層の前記充填ゴムの液位高さは全ての前記リード線より高い。外層の前記充填ゴムの上表面は前記透明カバープレートの頂面より高くない。
【0029】
以上のように、本発明はイメージセンサのパッケージング方法及びパッケージング構造を開示し、半導体パッケージング技術分野に関し、イメージセンサのパッケージング方法は以下のステップを含む。S1:基板を提供し、前記基板は、第一表面、及び第一表面に対向する第二表面を有する。S2:イメージセンサを基板に貼り付け、即ちイメージセンサの下表面を基板の第一表面に固定する。S3:透明カバープレートをイメージセンサの上方に固定し、透明カバープレートは支持側壁によってイメージセンサの受光領域のエッジ領域に固定し、透明カバープレートとイメージセンサの間に密封の光透過区域を形成する。S4:イメージセンサを基板に電気的に接続し、基板の第一表面とイメージセンサの上表面とを複数のリード線を介して電気的に接続し、且つ電気的接続用のリード線が光透過区域の外側に位置する。S5:側板を提供し、且つ側板を基板の境界を囲むように設けて密封し、複数の前記リード線をすべて前記基板と前記側板より囲まれる充填チャンバ内に位置させる。S6:充填ゴムを分配し、前記側板の内側と、前記基板の第一表面の上方と、前記支持側壁の外側とによって構成される充填チャンバ内に充填ゴムを分配する。前記充填ゴムの上表面が前記透明カバープレートの頂面より高くない。そのうち、前記S6中に前記充填ゴムを分配することは以下を含む。S61:霧化充填ゴムを使用して高周波でリード線に射出し、リード線の外側が完全に充填ゴムを被覆するまでリード線の表面に塗装を行う。S62:ステップS61を実行した後、リード線表面の充填ゴムがまだ硬化していない時に、充填ゴムの液位高さがすべてのリード線の最高高さより高く、且つ透明カバープレートの頂面より高くない高さまで、前記充填チャンバに向かって液状の充填ゴムを充填する。本発明が提供するイメージセンサパッケージ方法は、従来の技術における、イメージセンサのパッケージ構造内のリード線は、充填ゴムがリード線を十分に被覆していないため、完成品のイメージセンサが揺れると破断しやすいという問題を解決した。本発明は、イメージセンサのパッケージ構造内のリード線を充填ゴムにより安定的に固定させることができる。
【0030】
以上の記述は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の特許範囲を制限するものではなく、本発明の明細書及び添付図面の内容を利用して行った等価構造変換、又は直接若しくは間接的に他の関連技術分野に応用することは全て、本発明の特許保護範囲に含まれる。
【国際調査報告】