(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】二重容積エアスプリング
(51)【国際特許分類】
B60G 11/27 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
B60G11/27
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024540669
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 IB2023051157
(87)【国際公開番号】W WO2023152670
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202211007021
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524250846
【氏名又は名称】ベニワル,サリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ベニワル,サリカ
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA01
3D301AA69
3D301DA14
3D301DA22
3D301DA31
3D301DA84
(57)【要約】
車両用の二重容積エアスプリング・アセンブリ(300)が開示されており、エアスプリング・アセンブリ(300)は、第1の部材(310)と、第2の部材(350)と、少なくとも部分的に一次空気容積室(370)を形成するとともに少なくとも部分的に二次空気容積室(380)を形成するように構成された偏向可能なダイアフラム(360)と、を備える。偏向可能なダイアフラム(360)は、一次空気容積室(370)と二次空気容積室(380)との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置へと偏向する。一態様では、エアスプリング・アセンブリ(300)は、一次空気容積室(370)とともに構成された可撓性を備えた壁部材(320)を備える。別の態様では、エアスプリング・アセンブリは、アセンブリ(300)と同軸に構成されたダンパ(400)を備える。別の態様では、エアスプリング・アセンブリ(300)は、一次空気容積室(370)とともに構成されたピストンスプリング(500)を備える。ピストンスプリング(500)とともにエアスプリング・アセンブリ(300)により、安定性、荷重を負担するばね作用、および衝撃に対する緩衝性が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のエアスプリング・アセンブリ(300)であって、
一端の第1の部材(310)、および反対側の端の第2の部材(350)と、
一次空気容積室(370)を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室(380)を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラム(360)であって、前記一次空気容積室(370)は、その中に空気を充填するための第1の吸入口(312)を備え、前記二次空気容積室(380)は、その中に空気を充填するための第2の吸入口(314)を備える、偏向可能なダイアフラム(360)と、
を備え、
前記偏向可能なダイアフラム(360)は、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)との間に生じる空気圧の差圧の変化が前記偏向可能なダイアフラム(360)の偏向を引き起こすように、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)とを分離する、車両用のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項2】
前記一次空気容積室(370)が少なくとも部分的に前記エアスプリング・アセンブリ(300)の内部に残るように構成されたダンパユニット(400)をさらに備え、前記ダンパユニット(400)の第1の端部が、前記第1の部材(310)とともに車両の一部分に結合されるように構成され、前記ダンパユニット(400)の第2の端部が、前記第2の部材(350)とともに前記車両の別の部分に結合されるように構成され、前記車両に荷重がかかると、前記ダンパユニット(400)に関連付けられるピストンロッド(430)が、対応して、前記エアスプリング・アセンブリ(300)とともに、延伸位置から圧縮位置へと移動するように構成されている、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項3】
前記一次空気容積室(370)が前記エアスプリング・アセンブリ(300)の内部に完全に残るように構成されたダンパユニット(400)をさらに備え、前記ダンパユニット(400)の第1の端部が、前記第1の部材(310)とともに車両の一部分に結合されるように構成され、前記ダンパユニット(400)の第2の端部が、前記第2の部材(350)とともに前記車両の別の部分に結合されるように構成され、前記車両に荷重がかかると、前記ダンパユニット(400)に関連付けられるピストンロッド(430)が、対応して、前記エアスプリング・アセンブリ(300)とともに、延伸位置から圧縮位置へと移動するように構成されている、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項4】
少なくとも1つの可撓性を備えた壁部材(320)が、前記一次空気容積室(370)の少なくとも一部を形成する、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項5】
前記一次空気容積室(370)が、前記第1の部材(310)の内面(318)と前記第2の部材(350)の内面(354)と可撓性を備えた壁部材(320)の内面(321)と偏向した前記ダイアフラム(360)の内面(363)とによって形成され、前記二次空気容積室(380)が、前記第1の部材(310)の内面(318)と偏向した前記ダイアフラム(360)の外面(361)とによって形成される、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項6】
前記偏向可能なダイアフラム(360)は、前記一次空気容積室(370)および前記二次空気容積室(380)内の空気圧が等しい場合に、第1の位置に留まり、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)との間の空気圧の差圧に変化がある場合に、前記偏向可能なダイアフラム(360)が1つ以上の第2の位置に偏向する、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項7】
前記エアスプリング・アセンブリ(300)とともに構成され、前記エアスプリング・アセンブリ(300)の1つ以上の作動パラメータを監視し、前記監視される作動パラメータを対応して前記車両の電子制御部に送信する複数のセンサをさらに備える、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項8】
支持部(502)により前記車両の一部分に取り付けられるように構成されたピストンスプリング(500)であって、前記ピストンスプリング(500)が、シリンダ(506)と、ピストン(508)を備えて移動可能に構成されるとともにシール部材(507)によって前記シリンダ(506)と気密にシールされるピストンロッド(501)とを備え、前記シリンダ(506)が、前記シリンダ(506)と前記一次空気容積室(370)との間の気流を許容するための少なくとも1つの通路(509)を備える、ピストンスプリング(500)をさらに備え、
前記ピストンロッド(501)が延伸位置から圧縮位置に移動し、前記偏向ダイアフラム(360)が、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置に偏向する、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項9】
エアスプリング・システムであって、
少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリ(300)と、
複数の車両特性を測定し、それに対応して複数のセンサ信号を生成するように構成された複数の車両センサと、
前記少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリ(300)への空気の供給の出入りを制御するように構成されたバルブアセンブリと、
前記複数の車両センサおよび前記バルブアセンブリに作動可能に結合された制御部と、
を備え、前記制御部は、
前記複数の車両センサから前記複数のセンサ信号を受信し、
受信した前記センサ信号を分析して、前記車両の少なくとも1つのばね定数を含む所望のスプリング特性を決定し、
前記車両の前記所望のばね特性を得るために、一次空気容積室(370)および二次空気容積室(380)の少なくとも一方内の圧力を変更するように、前記バルブアセンブリを作動させる出力信号を生成するように構成される、エアスプリング・システム。
【請求項10】
エアスプリング・アセンブリ(300)のばね定数を調整する方法(600)であって、
少なくとも部分的に一次空気容積室(370)を形成するとともに少なくとも部分的に二次空気容積室(380)を形成する偏向可能なダイアフラム(360)とともに、前記二次空気容積室(380)に隣接する前記一次空気容積室(370)を設ける工程(602)と、
前記エアスプリング・アセンブリ(300)の前記ばね定数を変更するように、前記一次空気容積室(370)および前記二次空気容積室(380)のいずれかまたは組み合わせ内の圧力または容積を変更する工程(604)と、
を含む、エアスプリング・アセンブリ(300)のばね定数を調整する方法(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にエアスプリングの技術分野に関する。特に、本開示は、車両や、機械基礎、建物など、ばね作用が必要な箇所で、荷重を支持し、振動および衝撃を隔離する二重容積エアスプリング・アセンブリおよびシステムに関する。さらに、本開示は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
道路の起伏、段差、くぼみなどによる望ましくない力から車両の乗客および貨物を隔離するために、コイルスプリング、板ばね、およびリンクなど様々なタイプの機械的なスプリングが主に車両に使用されている。しかしながら、エアスプリングはより滑らかな乗り心地を実現するために高級車に使用されている。エアスプリングは、特定の荷重および特定のサスペンション高さの組み合わせのみに最適なばね定数を提供する。周知のエアスプリングは、異なる荷重およびサスペンションの高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数を提供するものではない。乗り心地、快適性、ハンドリング、および安全性を向上させるためには、サスペンションの荷重および高さの組み合わせごとに最適なばね定数を設定することが望ましい。
【0003】
エアバッグは一般的に自動車のエアスプリングとして使用されるが、サスペンションの高さが低い場合は必要なばね定数は少なくなるが、エアバッグのばね定数は高くなり、サスペンションの高さが高い場合は必要なばね定数は高くなるが、エアバッグのばね定数は少なくなる。したがって、さまざまな条件および荷重に対して所望の値のばね定数を提供するエアスプリング・アセンブリおよびシステムが必要とされている。さらに、このようなエアバッグの短所は、旋回時、制動時、および加速時に大きなたわみが発生し、車両の安全性に影響を及ぼすため、力に対処する効率が悪いことにある。また、荷重条件、路面状況、およびエアサスペンションの高さなどの違いによって最適な性能を発揮するというエアバッグの要求も満たされていない。
【0004】
特許文献1は、可変容積を提供するエアバッグ室と固定容積室とを含むトラックサスペンション用の二重容積エアスプリングを開示している。両室は閉鎖可能なオリフィスによって相互に接続されている。エアバッグには支柱状のオリフィスクローザーが設けられており、これは、エアバッグが十分に圧縮されるとオリフィス内に押し込まれ、エアバッグが圧縮されないとオリフィスから引き出される。通常運転では、オリフィスは開放されており、両室の合計容積が利用できるため、ばね定数は低くなる。オリフィスクローザーは、相対的に折り畳み可能なオリフィス閉鎖部分と、折り畳み部分が実質的に完全に圧縮されたときにバンプストップとして機能する剛性部分または半剛性部分とを有する。オリフィスが完全に閉鎖しているときに、スプリングは高いばね定数を有する。
【0005】
別の特許文献2には、ピストンエアバッグに取り付けられた一次エアバッグを含み、ピストンエアバッグが一次エアバッグの転動面となるエアスプリング・アセンブリが開示されている。ピストンエアバッグの圧力が変化すると、一次エアスプリングの有効定数が変化する。ピストンエアバッグの容積を比較的小さく変化させると、ロールオフ面の直径が選択的に変更されるため、エアスプリング・アセンブリのばね定数が変化する。
【0006】
両特許文献には、特定の荷重および特定のサスペンション高さに対して最適なばね定数が得られる異なるタイプのエアスプリング・アセンブリが開示されているが、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数を得ることはできず、両特許文献には、開示された配置により、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数が得られることによって、車両の乗員の制御性、安定性、安全性、および快適性がもたらされ得ることを示す教示はない。特許文献2では、この目的を達成するための努力がなされているが、ピストンエアバッグの直径、ひいては圧縮および膨張サイクル中のばね定数を予測し、制御することは非常に困難である。また、このエアスプリング・アセンブリはロールオフ面があるため耐久性がない。
【0007】
したがって、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数が得られることにより、車両の制御性、安定性、安全性、および乗客の快適性を確認することができる、従来のエアスプリング・アセンブリの上述の課題を解消することができる、単純にして、かつ耐久性を備え、費用対効果の高い解決策を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第76386525号明細書
【特許文献2】米国特許第7156382号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の一般的な目的は、荷重条件、道路条件、およびサスペンション高さの異なる組み合わせに対して異なる値のばね定数を与えることができるエアスプリング・アセンブリを提供することにある。
【0010】
本開示の課題は、単純にして、かつ耐久性を備え、費用対効果の高い解決策を提供することにある。
【0011】
本開示の別の課題は、車両内の乗客により良好な制御性、安全性、および快適性を提供することにある。
【0012】
本開示の別の課題は、ダンパーユニットを同軸に設けることができるエアスプリング・アセンブリを提供することにある。
【0013】
本開示の別の課題は、軽量かつ効率的なエアスプリング・アセンブリと、車両に容易に実装できるシステムとを提供することにある。
【0014】
本開示の別の課題は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整するための単純にして、かつ効率的な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の態様は、一般的にエアスプリングの技術分野に関する。特に、車両や、機械基礎、建物など、ばね作用が必要な箇所で、荷重を支持し、振動および衝撃を隔離する二重容積エアスプリング・アセンブリおよびシステムに関する。さらに、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法にも関する。
【0016】
一態様において、本開示は、車両用のエアスプリング・アセンブリを開示する。エアスプリング・アセンブリは、一端に第1の部材を、反対側の端に第2の部材を備える。エアスプリング・アセンブリは、少なくとも部分的に一次空気容積室を形成し、少なくとも部分的に二次空気容積室を形成するように構成された偏向可能なダイアフラムをさらに備える。一次空気容積室には、その中に空気を充填するための第1の吸入口が設けられ、二次空気容積室には、その中に空気を充填するための第2の吸入口が設けられている。偏向可能なダイアフラムは、一次空気容積室と二次空気容積室とを分離し、一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気の差圧の変化が偏向可能なダイアフラムの偏向を引き起こすようになっている。
【0017】
一態様では、エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室と一体的に構成されるとともにエアスプリング・アセンブリの内部に少なくとも部分的に残るダンパユニットを備える。ダンパユニットの第1の端部は、第1の部材とともに車両の1つの部分に結合されるように構成され、ダンパユニットの第2の端部は、第2の部材とともに車両の別の部分に結合されるように構成され、車両に荷重がかかると、ダンパユニットに関連付けられるピストンロッドがエアスプリング・アセンブリとともに対応して延伸位置から圧縮位置に移動する。
【0018】
別の態様では、エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室と一体的に構成されるとともにエアスプリング・アセンブリの内部に完全に残るダンパユニットを備える。ダンパユニットの第1の端部は、第1の部材とともに車両の1つの部分に結合されるように構成され、ダンパユニットの第2の端部は、第2の部材とともに車両の別の部分に結合されるように構成され、車両に荷重がかかると、ダンパユニットに関連付けられるピストンロッドがエアスプリング・アセンブリとともに対応して延伸位置から圧縮位置に移動する。
【0019】
一態様では、一次空気容積室は、第1の部材の内面および第2の部材の内面、可撓性を備えた壁部材の内面、および偏向したダイアフラムの内面によって形成される。
【0020】
一態様では、二次空気容積室は、第1の部材の内面および偏向可能なダイアフラムの外面によって形成される。
【0021】
一態様では、一次空気容積室および二次空気容積室内の空気圧が等しいときに、偏向可能なダイアフラムは第1の位置に留まる。さらに、偏向可能なダイアフラムは、一次空気容積室と二次空気容積室との間の空気圧の差圧に変化があると、1つ以上の第2の位置に偏向する。
【0022】
一態様では、エアスプリング・アセンブリは、エアスプリング・アセンブリの1つ以上の作動パラメータを監視し、監視された作動パラメータを対応して車両の電子制御部に送信するようにエアスプリング・アセンブリと一体的に構成される複数のセンサを備える。
【0023】
別の態様では、本開示は、車両用のエアスプリング・アセンブリを開示する。エアスプリング・アセンブリは、一端に第1の部材を、反対側の端に第2の部材を含む。さらに、エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室および二次空気容積室をさらに備える。ピストンスプリングは、支持体によって車両の一部分に取り付けられるように構成され、また、シリンダと、ピストン内で移動可能に構成されるとともにシール部材によってシリンダと気密にシールされたピストンロッドとから構成される。シリンダは、シリンダと一次空気容積室との間の気流を許容するための少なくとも1つの通路を備える。エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成し、二次空気容積室を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラムをさらに備える。一次空気容積室には空気の吸入口および吐出口のための第1の通路が設けられ、二次空気容積室には空気の吸入口および吐出口のための第2の通路が設けられている。一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気圧の差圧の変化が、偏向可能なダイアフラムの偏向を引き起こす。ピストンロッドは延伸位置から圧縮位置に移動し、偏向ダイアフラムは一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置に偏向する。
【0024】
一態様では、少なくとも1つの可撓性を備えた壁部材が一次空気容積室の少なくとも一部を形成する。
【0025】
一態様では、少なくとも1つのピストンスプリングが一次空気容積室の少なくとも一部を形成する。さらに、ピストンスプリングのエアシリンダ内の少なくとも1つの通路は、シリンダを一次空気容積室に流体接続する。
【0026】
別の態様では、本開示は、少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリと、複数の車両特性を測定するとともにそれに対応して、車両荷重、サスペンションの高さ、コーナリング、制動、加速、ヨーレート、旋回などを含むがこれらに限定されない複数の車両特性の1つ以上の情報を付与する複数のセンサ信号を生成するように構成された複数の車両センサとを備えるエアスプリングシステムを開示する。エアスプリング・アセンブリは、少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリへの空気の供給の出入りを制御するように構成されたバルブアセンブリと、複数のセンサおよびバルブアセンブリに作動可能に結合された制御部とをさらに備える。制御部は、複数の車両センサから複数のセンサ信号を受信し、受信したセンサ信号を解析して、少なくとも車両のばね定数を含む所望のばね特性を決定し、車両の所望のばね特性を達成するために、一次空気容積室および二次空気容積室の少なくとも一方内の圧力および容積のうちの少なくともいずれか一方を変更するようにバルブアセンブリを作動させる出力信号を生成するように構成される。
【0027】
さらなる別の態様では、本開示は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法を開示する。方法は、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室を少なくとも部分的に形成する偏向可能なダイアフラムとともに、二次空気容積室に隣接して一次空気容積室を設ける工程を含む。この方法は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を変更するために、一次空気容積室および二次空気容積室のいずれかまたは組み合わせ内の圧力または容積を変更するステップをさらに含む。
【0028】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様、および利点は、同様の参照符号が同様の構成要素を表す添付の図面図とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0029】
本開示は、荷重条件、道路条件、およびサスペンション高さの異なる組み合わせに対して異なる値のばね定数を付与することができるエアスプリング・アセンブリを提供する。
【0030】
本開示は、単純にして、かつ耐久性を備え、費用対効果の高い解決策を提供する。
【0031】
本開示は、車両内の乗客により良い制御性、安全性、および快適性を提供する。
【0032】
本開示は、ダンパユニットを同軸に備えることができるエアスプリング・アセンブリを提供する。
【0033】
本開示は、軽量かつ効率的なエアスプリング・アセンブリと、車両に容易に実装可能なシステムとを提供する。
【0034】
本開示は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整するための単純にして、かつ効率的な方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態により提案される、第1の実施形態による二重容積エアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の提案されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図および側面立面図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、エアスプリング・アセンブリの内部に部分的にダンパユニットを備えた提案されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、エアスプリング・アセンブリの内部に完全にダンパユニットを備えた開示されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による、ピストンスプリングを有する、第2の実施形態による提案されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法に関与する例示的な工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
添付図面は、本開示のさらなる理解が得られるように含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0037】
以下は、添付図面に描かれた本開示の実施形態の詳細な説明である。実施形態は、本開示を明確に伝達するように詳細に記載されている。しかしながら、提供される詳細の量は、実施形態の予期される変形を制限することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲内に入るすべての変更物、均等物、および代替物を網羅することを意図する。
【0038】
本明細書で説明する実施形態は、一般にエアスプリング・システムの技術分野に関する。特に、車両や、機械基礎、建物など、ばね作用が必要な箇所で、荷重を支持し、振動および衝撃を隔離する二重容積エアスプリング・アセンブリおよびシステムに関する。さらに、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法にも関する。
【0039】
一態様では、車両用の提案されているエアスプリング・アセンブリの「アセンブリ」およびエアスプリング・システムの「システム」が開示されている。アセンブリおよびシステムは、第1の部材と、第2の部材と、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラムとを備える。偏向可能なダイアフラムは、車両にかかる1つ以上の荷重の量によって一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置へと偏向するように構成されており、これに対応してエアスプリング・アセンブリおよびシステムを延伸位置から圧縮位置へと移動させ、それによってばね定数を調整する。一実施形態では、ダンパユニットは一次空気容積室と一体的に構成され、エアスプリング・アセンブリの内部に部分的に残る。別の態様では、ダンパユニットは一次空気容積室と一体的に構成され、エアスプリング・アセンブリの内部に完全に残る。
【0040】
別の態様では、ピストンスプリングを備えたエアスプリング・アセンブリが開示されている。ピストンスプリングは一次空気容積室と一体的に構成され、ピストンスプリングとともにエアスプリング・アセンブリにより、安定性、荷重を負担するばね作用、および衝撃に対する緩衝性が得られる。
【0041】
さらなる別の態様では、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法が開示されている。方法は、スプリングアセンブリに、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室を少なくとも部分的に形成する偏向可能なダイアフラムとともに、二次空気容積室に隣接して一次空気容積室を設ける工程を含む。方法は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を変更するために、一次空気容積室および二次空気容積室のいずれかまたは組み合わせ内の圧力または容積を変更するステップをさらに含む。
【0042】
本開示の様々な実施形態が、車両のエアサスペンションのためのエアスプリング・アセンブリ300の実装のために詳しく説明されてきたが、当業者であれば、エアスプリング・アセンブリ300が、機械、建物、およびばね作用が必要とされる他の構造体とともに使用されるようにも同様に構成可能であり、そのような全ての実施形態が、制限なく本開示の範囲内にあることを理解するであろう。さらに、車両、建物、機械、またはその他の構造体に実装されるエアスプリング・アセンブリ300の数は、必要とされるばね作用および荷重要件に基づいて変化させることができ、それによってエアスプリング・システムを形成することができる。
【0043】
図1および
図2を参照する。
図1および
図2には、第1の実施形態による開示された車両用エアスプリング・アセンブリ300の例示的な断面図、および側面立面図がそれぞれ示されている。エアスプリング・アセンブリ300は、一端に第1の部材310を含み、反対側の端に第2の部材350を含む。さらに、エアスプリング・アセンブリ300は、エアスプリング・アセンブリ300内に一次空気容積室370を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室380を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラム360を備える。一次空気容積室370および二次空気容積室380は、軸線(AX)を中心に同軸に構成されている。エアスプリング・アセンブリ300の第1の部材310および第2の部材350は、一端が車軸/車輪に、反対側の端が車両のシャーシ/サブフレームに、溶接、ボルト締め、またはその他の適切な機構によって固定される。
【0044】
一実施形態では、エアスプリング・アセンブリ300は、エアスプリング・アセンブリ300の作動中にエアバッグのように機能する可撓性を備えた壁部材320を備える。偏向可能なダイアフラム360は、一次空気容積室370と二次空気容積室380とを分離する。一次空気容積室370は、第1の部材310の内面318と第2の部材350の内面354と可撓性を備えた壁部材320の内面321と偏向ダイアフラム360の内面363とによって形成され、二次空気容積室380は、第1の部材310の内面318と偏向可能なダイアフラム360の外面361とによって形成される。
【0045】
一実施形態では、可撓性を備えた壁部材320および偏向可能なダイアフラム360は、複数のバンドによって気密にシールされている。偏向可能なダイアフラム360は、第1の端部311においてバンド327および別のバンド362によって第1の部材310と気密にシールされており、また、中間端319においてバンド326および別のバンド364によって第1の部材310と気密にシールされている。可撓性を備えた壁部材320は、バンド328によって第1の部材310と気密にシールされており、また、バンド324によって第2の部材350と気密にシールされている。
【0046】
当業者であれば、第1の部材と第2部材とを可撓性を備えた壁部材320と、偏向可能なダイアフラム360とで固定するためのバンドに代えて、代替的に他の適切な取り付け方法を使用してもよく、また他の結合のために使用してもよいことを理解するであろう。さらに、一次空気容積室370および二次空気容積室380は、他の複数の方法で構築または形成することもでき、そのような実施形態もすべて本開示の範囲内にある。
【0047】
一実施形態では、偏向可能なダイアフラム360は、車両にかかる荷重の量によって一次空気容積室370と二次空気容積室380との間に生じる空気圧の差圧の変化に基づいて二次空気容積室380に向かって偏向し、エアスプリング・アセンブリ300を延伸位置と圧縮位置との間で強制的に移動させる。車両のエアスプリング・アセンブリ300に荷重がかかると、偏向ダイアフラム360は第1の位置から第2の位置に偏向する。エアスプリング・アセンブリ300からの荷重が取り払われると、偏向可能なダイアフラム360は第1の位置に戻る。
【0048】
偏向可能なダイアフラム360は、一次空気容積室370または二次空気容積室380のうち、比較的圧力がより低い方に向かって偏向する。一次空気容積室370と二次空気容積室380との間の差圧がより高いほど、実施形態のいくつかでは、偏向可能なダイアフラム360をより偏向させることができる。二次空気容積室380の圧力が一次空気容積室370の圧力よりも高いか、実質的により高い場合に、より高いか、実質的により高いばね定数がそれぞれ得られる。さらに、二次空気容積室380の圧力が一次空気容積室370の圧力よりも低いか、実質的により低い場合に、比較的より低いか、実質的により低いばね定数が得られる。したがって、スプリング・アセンブリ300では、2つの室370と室380との差圧を変えることによって、所望のばね定数を得ることができる。
【0049】
一実施形態では、サスペンションの高さがより低くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより高くなるため、比較的高いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が高くなる可能性がある。さらに、サスペンションの高さがより低くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより低くなるため、比較的低いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が低くなる可能性がある。
【0050】
さらに、サスペンションの高さがより高くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより高くなるため、比較的高いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が高くなる可能性がある。さらに、サスペンションの高さがより高くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより低くなるため、比較的低いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が低くなる可能性がある。
【0051】
一実施形態では、エアスプリング・アセンブリ300の圧縮および延伸のばね定数は、圧縮サイクルおよび延伸サイクルの間にそれぞれ一次空気容積室370および二次空気容積室380のうちの少なくともいずれか一方の圧力を変更するすることによって異なるようにすることができる。様々なばね定数は、一次空気容積室370内の様々な値の圧力と二次空気容積室380内の様々な値の圧力との組み合わせによって得られる。2つの室370と室380との差圧の量子の小さな変化により、エアスプリング・アセンブリ300のばね定数の急速な変化がもたらされる。
【0052】
一実施形態では、一次空気容積室370および二次空気容積室380の各々は、空気をチャージするための一対の吸入口または通路312および314を備え、一方の吸入口312は一次空気容積室370に空気をチャージし、第2の吸入口314は二次空気容積室380に空気をチャージする。一実施形態では、制御弁からなるバルブアセンブリを一対の吸入口312および314とともに構成して、これらの室370および380からの空気の供給および放出を制御することができる。
【0053】
図3を参照すると、一実施形態において、エアスプリング・アセンブリ300の一次空気容積室370の内部に部分的にダンパユニット400を備える提案されたエアスプリング・アセンブリ300が開示されている。ダンパユニット400は、シリンダ410を含み、エアスプリング・アセンブリ300の内部に部分的に留まり、また、エアスプリング・アセンブリ300とともに延伸位置から圧縮位置まで移動するピストンロッド430を含む。
【0054】
ダンパユニット400は、車軸/車輪またはシャーシであり得る車両の一部分に支持部432を使用して取り付けることができる。ダンパユニット400のシリンダ410は、支持部436を使用して第2の部材350に取り付けることができる。ダンパユニット400のピストンロッド430は、気密にシールされた第2の部材350の開口部352を通ってエアスプリング内に入る。ピストンロッド430は、第1の端部311に支持部434でエアスプリングの第1の部材310に取り付けることができる。
【0055】
図4を参照すると、別の実施形態では、ダンパユニット400は、エアスプリング・アセンブリ300の一次空気容積室370の内部に完全に収めることができる。ダンパユニット400のシリンダ410は、第1の端部311において支持部432を使用して第1の部材310に取り付けることができる。ピストンロッド430は、支持部434を使用してエアスプリングの第2の部材350に取り付けることができる。
【0056】
一実施形態では、エアスプリング・アセンブリ300の第1の部材310および第2の部材350は、一端が車軸/車輪に、反対側の端が車両のシャーシ/サブフレームに、溶接、ボルト締め、または任意のその他の適切な機構によって固定される。また、一次空気容積室370および二次空気容積室380は、任意の適切な形状、寸法、および/または構成とすることができる。二次空気容積室380は、一次空気容積室370に対して、外側、内側、一部内側、隣接、遠方など、いかなる箇所に配置してもよい。しかしながら、より近傍に配置することで、より迅速な応答を得ることができる。二次空気容積室380は、一次空気容積室370と同軸である必要はないことが、当業者には理解されよう。
【0057】
図5を参照すると、ピストンスプリングを有する、第2の実施形態による提案されたエアスプリング・アセンブリの断面図が開示されている。
図5のスプリングアセンブリ300の実施形態は、以下に説明するいくつかの変更点を除き、エアスプリング・アセンブリ300と同様である。エアスプリング・アセンブリ300は、一次空気容積室370内に装着されたピストン・エアスプリング500を含む。ピストンスプリング500は、一端を車輪またはシャーシとすることができる車両の一部分に支持部502を取り付けることができる。ピストンスプリング500のシリンダ506は、支持部505でエアスプリング300の第1の部材310に取り付けることができる。ピストンスプリング500のピストンロッド501は、第2の部材503の開口部510を通ってエアスプリング300の内部に入る。ピストンロッド501は、その内面520に沿ってシリンダ506の内部を移動するピストン508を有し、シール部材507によってシリンダ506と気密にシールされている。シリンダ506は、中間端319のシール材514によって第1の部材310と気密にシールされている。
【0058】
一実施形態では、第2の部材503は空気抜き504を有する。第2の部材503は、バンド528を介して第1の部材310に嵌合している。一次空気容積室370は、ピストン508と第1の部材310の第1の端部311との間で、第1の部材310の内面318と、偏向可能なダイアフラム360の内面363と、シリンダ506の内面520とによって形成される。シリンダ506は、一次空気容積室370内のシリンダ506への空気の流入またはシリンダ506からの空気の流出を許容するための少なくとも1つの通路509を有する。ピストンスプリング500は、第1の端部311で第1の部材310に適切に嵌合されたストッパ530を有する。
【0059】
一実施形態では、
図5のエアスプリング・アセンブリ300で構成された車両に荷重がかかると、ピストンスプリング500のピストンロッド501が延伸位置から圧縮位置に移動し、偏向可能なダイアフラム360が第1の位置から第2の位置に偏向する。さらに、荷重が車両から取り払われると、ピストンスプリング500のピストンロッド501は第1の位置に戻る。
【0060】
本開示の上述した実施形態では、室380の圧力に対して室370の圧力が上昇すると、偏向可能なダイアフラム360が室380に向かって偏向することが理解され得る。同様に、室380の圧力が室370の圧力に対して上昇すると、偏向可能なダイアフラム360は室370に向かって偏向する。
【0061】
当業者であれば、エアスプリング・アセンブリ300が車両の車軸の全荷重を負担するとともに車両に安定性を提供することを理解するであろう。ピストンスプリング500とともにエアスプリング・アセンブリは、荷重に耐久するとともに衝撃を緩和するスプリング作用を提供する。
【0062】
一実施形態では、
図1乃至5のエアスプリング・アセンブリ300は、エアスプリング・アセンブリ300および車両の1つ以上の作動パラメータを監視するとともに車両の電子制御部(図示しない)に送信するための複数のセンサ(図示しない)を備えることができる。センサは、一次空気容積室370および二次空気容積室380の圧力を監視するとともに詳細を提供するために、一次空気容積室370および二次空気容積室380の内部に1つの圧力センサを取り付けることができる圧力センサから選択することができる。偏向可能なダイアフラム360の位置を示すために位置センサ(図示しない)を取り付けることができ、サスペンションの高さを示すために高さセンサ(図示しない)を取り付けることができる。
【0063】
一実施形態では、制御弁からなるバルブアセンブリを一対の吸入口312および314とともに構成して、これらの室370および380からの空気の供給および放出を制御することができる。さらに、
図5の第2の部材503の空気抜き504でバルブを構成することもできる。さらに、シリンダ506の通路509には、シリンダ506と一次空気容積室370との間の気流を許容し制御するための別のバルブを構成することができる。
【0064】
一実施形態では、
図1乃至5のエアスプリング・アセンブリ300は、複数のセンサおよびバルブアセンブリに作動可能に結合された制御部を含むことができる。制御部は、車両の電子制御部(ECU)であってもよいが、ばね部が非車両動作のために実装される場合に、制御部は、同様にECUとは異なるものであってもよい。制御部は、複数の車両センサから複数のセンサ信号を受信し、受信したセンサ信号を解析して、少なくとも車両のばね定数を含む望ましいばね特性を決定するように構成される。制御部は、それに応じて、車両の所望のばね特性を得るために、一次空気容積室370および二次空気容積室380の少なくとも一方内の圧力および容積のうちの少なくともいずれか一方を変更するようにバルブアセンブリを作動させるための出力信号を生成し、送信する。
【0065】
一実施形態では、
図1乃至5における偏向可能なダイアフラム360の構成材料は、車両のタイヤのゴムチューブ材料のような延伸可能な材料であるが、これに限定されるものではない。偏向可能なダイアフラムは、伸縮可能な材料および伸縮不可能な材料のいずれか、または組み合わせで構成することができる。さらに、第1の部材310は、剛性を備えた部材とされ、金属、プラスチック、または任意の他の適切な材料もしくは材料の組み合わせから選択される。しかしながら、可撓性/半可撓性/剛性を備えた材料、またはそれらの組み合わせで部分的または全体的に形成されたものであれば、同様の機能を果たすことができることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0066】
図6を参照すると、
図1乃至5のエアスプリング・アセンブリ300のばね定数を調整するための方法600が明示されている。方法600は、一次空気容積室370を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室380を少なくとも部分的に形成する偏向可能なダイアフラム360とともに、二次空気容積室380に隣接する一次空気容積室370をスプリングアセンブリ300に設けるステップ602を含む。方法600は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を変更するために、一次空気容積室370および二次空気容積室380のいずれかまたは組み合わせ内の圧力を変更するステップ604をさらに含む。方法600は、エアスプリング・アセンブリ300のばね定数を変更するために、一次空気容積室370および二次空気容積室380の少なくとも一方の容積を変更するステップ604をさらに含む。
【0067】
したがって、本開示は、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数を提供することにより、車両の乗客に制御性、安定性、安全性、および快適性を提供する、改良された、単純にして、かつ費用対効果の高いエアスプリングを提供する。本開示の好ましい実施形態のいくつかを開示したが、当業者であれば、特定の変更が本発明の範囲内に入ることを認識するであろう。
【0068】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、本発明の他のさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく組み合わせることができる。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。本発明は、記載された実施形態、バージョンまたは実施例に限定されるものではなく、これらは、当業者が利用可能な情報および知識と組み合わせた場合に、当業者が本発明を製造および使用できるようにするために含まれるものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にエアスプリングの技術分野に関する。特に、本開示は、車両や、機械基礎、建物など、ばね作用が必要な箇所で、荷重を支持し、振動および衝撃を隔離する二重容積エアスプリング・アセンブリおよびシステムに関する。さらに、本開示は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
道路の起伏、段差、くぼみなどによる望ましくない力から車両の乗客および貨物を隔離するために、コイルスプリング、板ばね、およびリンクなど様々なタイプの機械的なスプリングが主に車両に使用されている。しかしながら、エアスプリングはより滑らかな乗り心地を実現するために高級車に使用されている。エアスプリングは、特定の荷重および特定のサスペンション高さの組み合わせのみに最適なばね定数を提供する。周知のエアスプリングは、異なる荷重およびサスペンションの高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数を提供するものではない。乗り心地、快適性、ハンドリング、および安全性を向上させるためには、サスペンションの荷重および高さの組み合わせごとに最適なばね定数を設定することが望ましい。
【0003】
エアバッグは一般的に自動車のエアスプリングとして使用されるが、サスペンションの高さが低い場合は必要なばね定数は少なくなるが、エアバッグのばね定数は高くなり、サスペンションの高さが高い場合は必要なばね定数は高くなるが、エアバッグのばね定数は少なくなる。したがって、さまざまな条件および荷重に対して所望の値のばね定数を提供するエアスプリング・アセンブリおよびシステムが必要とされている。さらに、このようなエアバッグの短所は、旋回時、制動時、および加速時に大きなたわみが発生し、車両の安全性に影響を及ぼすため、力に対処する効率が悪いことにある。また、荷重条件、路面状況、およびエアサスペンションの高さなどの違いによって最適な性能を発揮するというエアバッグの要求も満たされていない。
【0004】
特許文献1は、可変容積を提供するエアバッグ室と固定容積室とを含むトラックサスペンション用の二重容積エアスプリングを開示している。両室は閉鎖可能なオリフィスによって相互に接続されている。エアバッグには支柱状のオリフィスクローザーが設けられており、これは、エアバッグが十分に圧縮されるとオリフィス内に押し込まれ、エアバッグが圧縮されないとオリフィスから引き出される。通常運転では、オリフィスは開放されており、両室の合計容積が利用できるため、ばね定数は低くなる。オリフィスクローザーは、相対的に折り畳み可能なオリフィス閉鎖部分と、折り畳み部分が実質的に完全に圧縮されたときにバンプストップとして機能する剛性部分または半剛性部分とを有する。オリフィスが完全に閉鎖しているときに、スプリングは高いばね定数を有する。
【0005】
別の特許文献2には、ピストンエアバッグに取り付けられた一次エアバッグを含み、ピストンエアバッグが一次エアバッグの転動面となるエアスプリング・アセンブリが開示されている。ピストンエアバッグの圧力が変化すると、一次エアスプリングの有効定数が変化する。ピストンエアバッグの容積を比較的小さく変化させると、ロールオフ面の直径が選択的に変更されるため、エアスプリング・アセンブリのばね定数が変化する。
【0006】
両特許文献には、特定の荷重および特定のサスペンション高さに対して最適なばね定数が得られる異なるタイプのエアスプリング・アセンブリが開示されているが、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数を得ることはできず、両特許文献には、開示された配置により、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数が得られることによって、車両の乗員の制御性、安定性、安全性、および快適性がもたらされ得ることを示す教示はない。特許文献2では、この目的を達成するための努力がなされているが、ピストンエアバッグの直径、ひいては圧縮および膨張サイクル中のばね定数を予測し、制御することは非常に困難である。また、このエアスプリング・アセンブリはロールオフ面があるため耐久性がない。
【0007】
したがって、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数が得られることにより、車両の制御性、安定性、安全性、および乗客の快適性を確認することができる、従来のエアスプリング・アセンブリの上述の課題を解消することができる、単純にして、かつ耐久性を備え、費用対効果の高い解決策を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第76386525号明細書
【特許文献2】米国特許第7156382号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の一般的な目的は、荷重条件、道路条件、およびサスペンション高さの異なる組み合わせに対して異なる値のばね定数を与えることができるエアスプリング・アセンブリを提供することにある。
【0010】
本開示の課題は、単純にして、かつ耐久性を備え、費用対効果の高い解決策を提供することにある。
【0011】
本開示の別の課題は、車両内の乗客により良好な制御性、安全性、および快適性を提供することにある。
【0012】
本開示の別の課題は、ダンパーユニットを同軸に設けることができるエアスプリング・アセンブリを提供することにある。
【0013】
本開示の別の課題は、軽量かつ効率的なエアスプリング・アセンブリと、車両に容易に実装できるシステムとを提供することにある。
【0014】
本開示の別の課題は、エアスプリング・アセンブリの少なくとも1つのばね定数を含むばね特性を調整するための単純にして、かつ効率的な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の態様は、一般的にエアスプリングの技術分野に関する。特に、車両や、機械基礎、建物など、ばね作用が必要な箇所で、荷重を支持し、振動および衝撃を隔離する二重容積エアスプリング・アセンブリおよびシステムに関する。さらに、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法にも関する。
【0016】
一態様において、本開示は、車両用のエアスプリング・アセンブリを開示する。エアスプリング・アセンブリは、一端に第1の部材を、反対側の端に第2の部材を備える。エアスプリング・アセンブリは、少なくとも部分的に一次空気容積室を形成し、少なくとも部分的に二次空気容積室を形成するように構成された偏向可能なダイアフラムをさらに備える。一次空気容積室には、その中に空気を充填するための第1の吸入口が設けられ、二次空気容積室には、その中に空気を充填するための第2の吸入口が設けられている。偏向可能なダイアフラムは、一次空気容積室と二次空気容積室とを分離し、一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気の差圧の変化が偏向可能なダイアフラムの偏向を引き起こすようになっている。
【0017】
一態様では、エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室と一体的に構成されるとともにエアスプリング・アセンブリの内部に少なくとも部分的に残るダンパユニットを備える。ダンパユニットの第1の端部は、第1の部材とともに車両の1つの部分に結合されるように構成され、ダンパユニットの第2の端部は、第2の部材とともに車両の別の部分に結合されるように構成され、車両に荷重がかかると、ダンパユニットに関連付けられるピストンロッドがエアスプリング・アセンブリとともに対応して延伸位置から圧縮位置に移動する。
【0018】
別の態様では、エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室と一体的に構成されるとともにエアスプリング・アセンブリの内部に完全に残るダンパユニットを備える。ダンパユニットの第1の端部は、第1の部材とともに車両の1つの部分に結合されるように構成され、ダンパユニットの第2の端部は、第2の部材とともに車両の別の部分に結合されるように構成され、車両に荷重がかかると、ダンパユニットに関連付けられるピストンロッドがエアスプリング・アセンブリとともに対応して延伸位置から圧縮位置に移動する。
【0019】
一態様では、一次空気容積室は、第1の部材の内面および第2の部材の内面、可撓性を備えた壁部材の内面、および偏向したダイアフラムの内面によって形成される。
【0020】
一態様では、二次空気容積室は、第1の部材の内面および偏向可能なダイアフラムの外面によって形成される。
【0021】
一態様では、一次空気容積室および二次空気容積室内の空気圧が等しいときに、偏向可能なダイアフラムは第1の位置に留まる。さらに、偏向可能なダイアフラムは、一次空気容積室と二次空気容積室との間の空気圧の差圧に変化があると、1つ以上の第2の位置に偏向する。
【0022】
一態様では、エアスプリング・アセンブリは、エアスプリング・アセンブリの1つ以上の作動パラメータを監視し、監視された作動パラメータを対応して車両の電子制御部に送信するようにエアスプリング・アセンブリと一体的に構成される複数のセンサを備える。
【0023】
別の態様では、本開示は、車両用のエアスプリング・アセンブリを開示する。エアスプリング・アセンブリは、一端に第1の部材を、反対側の端に第2の部材を含む。さらに、エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室および二次空気容積室をさらに備える。ピストンスプリングは、支持体によって車両の一部分に取り付けられるように構成され、また、シリンダと、ピストン内で移動可能に構成されるとともにシール部材によってシリンダと気密にシールされたピストンロッドとから構成される。シリンダは、シリンダと一次空気容積室との間の気流を許容するための少なくとも1つの通路を備える。エアスプリング・アセンブリは、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成し、二次空気容積室を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラムをさらに備える。一次空気容積室には空気の吸入口および吐出口のための第1の通路が設けられ、二次空気容積室には空気の吸入口および吐出口のための第2の通路が設けられている。一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気圧の差圧の変化が、偏向可能なダイアフラムの偏向を引き起こす。ピストンロッドは延伸位置から圧縮位置に移動し、偏向ダイアフラムは一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置に偏向する。
【0024】
一態様では、少なくとも1つの可撓性を備えた壁部材が一次空気容積室の少なくとも一部を形成する。
【0025】
一態様では、少なくとも1つのピストンスプリングが一次空気容積室の少なくとも一部を形成する。さらに、ピストンスプリングのエアシリンダ内の少なくとも1つの通路は、シリンダを一次空気容積室に流体接続する。
【0026】
別の態様では、本開示は、少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリと、複数の車両特性を測定するとともにそれに対応して、車両荷重、サスペンションの高さ、コーナリング、制動、加速、ヨーレート、旋回などを含むがこれらに限定されない複数の車両特性の1つ以上の情報を付与する複数のセンサ信号を生成するように構成された複数の車両センサとを備えるエアスプリングシステムを開示する。エアスプリング・アセンブリは、少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリへの空気の供給の出入りを制御するように構成されたバルブアセンブリと、複数のセンサおよびバルブアセンブリに作動可能に結合された制御部とをさらに備える。制御部は、複数の車両センサから複数のセンサ信号を受信し、受信したセンサ信号を解析して、少なくとも車両のばね定数を含む所望のばね特性を決定し、車両の所望のばね特性を達成するために、一次空気容積室および二次空気容積室の少なくとも一方内の圧力および容積のうちの少なくともいずれか一方を変更するようにバルブアセンブリを作動させる出力信号を生成するように構成される。
【0027】
さらなる別の態様では、本開示は、エアスプリング・アセンブリの少なくとも1つのばね定数を含むばね特性を調整する方法を開示する。方法は、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室を少なくとも部分的に形成する偏向可能なダイアフラムとともに、二次空気容積室に隣接して一次空気容積室を設ける工程を含む。この方法は、エアスプリング・アセンブリの少なくとも1つのばね定数を含むばね特性を変更するために、一次空気容積室および二次空気容積室のいずれかまたは組み合わせ内の圧力または容積を変更するステップをさらに含む。
【0028】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様、および利点は、同様の参照符号が同様の構成要素を表す添付の図面図とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0029】
本開示は、荷重条件、道路条件、およびサスペンション高さの異なる組み合わせに対して異なる値のばね定数を付与することができるエアスプリング・アセンブリを提供する。
【0030】
本開示は、単純にして、かつ耐久性を備え、費用対効果の高い解決策を提供する。
【0031】
本開示は、車両内の乗客により良い制御性、安全性、および快適性を提供する。
【0032】
本開示は、ダンパユニットを同軸に備えることができるエアスプリング・アセンブリを提供する。
【0033】
本開示は、軽量かつ効率的なエアスプリング・アセンブリと、車両に容易に実装可能なシステムとを提供する。
【0034】
本開示は、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整するための単純にして、かつ効率的な方法を提供する。
【0035】
本開示は、セミアクティブ/アクティブなサスペンション・システムにより迅速な応答を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態により提案される、第1の実施形態による二重容積エアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の提案されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図および側面立面図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、エアスプリング・アセンブリの内部に部分的にダンパユニットを備えた提案されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、エアスプリング・アセンブリの内部に完全にダンパユニットを備えた開示されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による、ピストンスプリングを有する、第2の実施形態による提案されたエアスプリング・アセンブリの例示的な断面図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法に関与する例示的な工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付図面は、本開示のさらなる理解が得られるように含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0038】
以下は、添付図面に描かれた本開示の実施形態の詳細な説明である。実施形態は、本開示を明確に伝達するように詳細に記載されている。しかしながら、提供される詳細の量は、実施形態の予期される変形を制限することを意図するものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲内に入るすべての変更物、均等物、および代替物を網羅することを意図する。
【0039】
本明細書で説明する実施形態は、一般にエアスプリング・システムの技術分野に関する。特に、車両や、機械基礎、建物など、ばね作用が必要な箇所で、荷重を支持し、振動および衝撃を隔離する二重容積エアスプリング・アセンブリおよびシステムに関する。さらに、エアスプリング・アセンブリのばね定数を調整する方法にも関する。
【0040】
一態様では、車両用の提案されているエアスプリング・アセンブリの「アセンブリ」およびエアスプリング・システムの「システム」が開示されている。アセンブリおよびシステムは、第1の部材と、第2の部材と、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラムとを備える。偏向可能なダイアフラムは、車両にかかる1つ以上の荷重の量によって一次空気容積室と二次空気容積室との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置へと偏向するように構成されており、これに対応してエアスプリング・アセンブリおよびシステムを延伸位置から圧縮位置へと移動させ、それによってばね定数を調整する。一実施形態では、ダンパユニットは一次空気容積室と一体的に構成され、エアスプリング・アセンブリの内部に部分的に残る。別の態様では、ダンパユニットは一次空気容積室と一体的に構成され、エアスプリング・アセンブリの内部に完全に残る。
【0041】
別の態様では、ピストンスプリングを備えたエアスプリング・アセンブリが開示されている。ピストンスプリングは一次空気容積室と一体的に構成され、ピストンスプリングとともにエアスプリング・アセンブリにより、安定性、荷重を負担するばね作用、および衝撃に対する緩衝性が得られる。
【0042】
さらなる別の態様では、エアスプリング・アセンブリの少なくとも1つのばね定数を含むばね特性を調整する方法が開示されている。方法は、スプリングアセンブリに、一次空気容積室を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室を少なくとも部分的に形成する偏向可能なダイアフラムとともに、二次空気容積室に隣接して一次空気容積室を設ける工程を含む。方法は、エアスプリング・アセンブリの少なくとも1つのばね定数を含むばね特性を変更するために、一次空気容積室および二次空気容積室のいずれかまたは組み合わせ内の圧力または容積を変更するステップをさらに含む。
【0043】
本開示の様々な実施形態が、車両のエアサスペンションのためのエアスプリング・アセンブリ300の実装のために詳しく説明されてきたが、当業者であれば、エアスプリング・アセンブリ300が、機械、建物、およびばね作用が必要とされる他の構造体とともに使用されるようにも同様に構成可能であり、そのような全ての実施形態が、制限なく本開示の範囲内にあることを理解するであろう。さらに、車両、建物、機械、またはその他の構造体に実装されるエアスプリング・アセンブリ300の数は、必要とされるばね作用および荷重要件に基づいて変化させることができ、それによってエアスプリング・システムを形成することができる。
【0044】
図1および
図2を参照する。
図1および
図2には、第1の実施形態による開示された車両用エアスプリング・アセンブリ300の例示的な断面図、および側面立面図がそれぞれ示されている。エアスプリング・アセンブリ300は、
第1の端に第1の部材310を含み、反対側の
第2の端
351に第2の部材350を含む。さらに、エアスプリング・アセンブリ300は、エアスプリング・アセンブリ300内に一次空気容積室370を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室380を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラム360を備える。一次空気容積室370および二次空気容積室380は、軸線(AX)を中心に同軸に構成されている。エアスプリング・アセンブリ300の第1の部材310および第2の部材350は、一端が車軸/車輪に、反対側の端が車両のシャーシ/サブフレームに、溶接、ボルト締め、またはその他の適切な機構によって固定される。
【0045】
一実施形態では、エアスプリング・アセンブリ300は、エアスプリング・アセンブリ300の作動中にエアバッグのように機能する可撓性を備えた壁部材320を備える。偏向可能なダイアフラム360は、一次空気容積室370と二次空気容積室380とを分離する。一次空気容積室370は、第1の部材310の内面318と第2の部材350の内面354と可撓性を備えた壁部材320の内面321と偏向ダイアフラム360の内面363とによって形成され、二次空気容積室380は、第1の部材310の内面318と偏向可能なダイアフラム360の外面361とによって形成される。
【0046】
一実施形態では、可撓性を備えた壁部材320および偏向可能なダイアフラム360は、複数のバンドによって気密にシールされている。偏向可能なダイアフラム360は、第1の端部311においてバンド327および別のバンド362によって第1の部材310と気密にシールされており、また、中間端319においてバンド326および別のバンド364によって第1の部材310と気密にシールされている。可撓性を備えた壁部材320は、バンド328によって第1の部材310と気密にシールされており、また、バンド324によって第2の部材350と気密にシールされている。
【0047】
当業者であれば、第1の部材と第2部材とを可撓性を備えた壁部材320と、偏向可能なダイアフラム360とで固定するためのバンドに代えて、代替的に他の適切な取り付け方法を使用してもよく、また他の結合のために使用してもよいことを理解するであろう。さらに、一次空気容積室370および二次空気容積室380は、他の複数の方法で構築または形成することもでき、そのような実施形態もすべて本開示の範囲内にある。
【0048】
一実施形態では、偏向可能なダイアフラム360は、車両にかかる荷重の量によって一次空気容積室370と二次空気容積室380との間に生じる空気圧の差圧の変化に基づいて二次空気容積室380に向かって偏向し、エアスプリング・アセンブリ300を延伸位置と圧縮位置との間で強制的に移動させる。車両のエアスプリング・アセンブリ300に荷重がかかると、偏向ダイアフラム360は第1の位置から第2の位置に偏向する。エアスプリング・アセンブリ300からの荷重が取り払われると、偏向可能なダイアフラム360は第1の位置に戻る。
【0049】
偏向可能なダイアフラム360は、一次空気容積室370または二次空気容積室380のうち、比較的圧力がより低い方に向かって偏向する。一次空気容積室370と二次空気容積室380との間の差圧がより高いほど、実施形態のいくつかでは、偏向可能なダイアフラム360をより偏向させることができる。二次空気容積室380の圧力が一次空気容積室370の圧力よりも高いか、実質的により高い場合に、より高いか、実質的により高いばね定数がそれぞれ得られる。さらに、二次空気容積室380の圧力が一次空気容積室370の圧力よりも低いか、実質的により低い場合に、比較的より低いか、実質的により低いばね定数が得られる。したがって、スプリング・アセンブリ300では、2つの室370と室380との差圧を変えることによって、所望のばね定数を得ることができる。
【0050】
一実施形態では、サスペンションの高さがより低くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより高くなるため、比較的高いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が高くなる可能性がある。さらに、サスペンションの高さがより低くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより低くなるため、比較的低いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が低くなる可能性がある。
【0051】
さらに、サスペンションの高さがより高くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより高くなるため、比較的高いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が高くなる可能性がある。さらに、サスペンションの高さがより高くなると、一次空気容積室370に比較して二次空気容積室380の圧力がより低くなるため、比較的低いばね定数が得られる。したがって、室370と室380との間の差圧が高いほど、ばね定数が低くなる可能性がある。
【0052】
一実施形態では、エアスプリング・アセンブリ300の圧縮および延伸のばね定数は、圧縮サイクルおよび延伸サイクルの間にそれぞれ一次空気容積室370および二次空気容積室380のうちの少なくともいずれか一方の圧力を変更するすることによって異なるようにすることができる。様々なばね定数は、一次空気容積室370内の様々な値の圧力と二次空気容積室380内の様々な値の圧力との組み合わせによって得られる。2つの室370と室380との差圧の量子の小さな変化により、エアスプリング・アセンブリ300のばね定数の急速な変化がもたらされる。したがって、エアスプリング・アセンブリ300は、アクティブ・サスペンションシステムに、より迅速な応答を付与する。
【0053】
一実施形態では、一次空気容積室370および二次空気容積室380の各々は、空気をチャージするための一対の吸入口または通路312および314を備え、一方の吸入口312は一次空気容積室370に空気をチャージし、第2の吸入口314は二次空気容積室380に空気をチャージする。一実施形態では、制御弁からなるバルブアセンブリを一対の吸入口312および314とともに構成して、これらの室370および380からの空気の供給および放出を制御することができる。当業者であれば、室370および380は、対応する吸入口312および314を通して、同じ空気圧または異なる空気圧にチャージされる可能性があることを理解できる。
【0054】
図3を参照すると、一実施形態において、エアスプリング・アセンブリ300の一次空気容積室370の内部に部分的にダンパユニット400を備える提案されたエアスプリング・アセンブリ300が開示されている。ダンパユニット400は、シリンダ410を含み、エアスプリング・アセンブリ300の内部に部分的に留まり、また、エアスプリング・アセンブリ300とともに延伸位置から圧縮位置まで移動するピストンロッド430を含む。
【0055】
ダンパユニット400は、車軸/車輪またはシャーシであり得る車両の一部分に支持部432を使用して取り付けることができる。ダンパユニット400のシリンダ410は、支持部436を使用して第2の部材350に取り付けることができる。ダンパユニット400のピストンロッド430は、気密にシールされた第2の部材350の開口部352を通ってエアスプリング内に入る。ピストンロッド430は、第1の端部311に支持部434でエアスプリングの第1の部材310に取り付けることができる。
【0056】
図4を参照すると、別の実施形態では、ダンパユニット400は、エアスプリング・アセンブリ300の一次空気容積室370の内部に完全に収めることができる。ダンパユニット400のシリンダ410は、第1の端部311において支持部432を使用して第1の部材310に取り付けることができる。ピストンロッド430は、支持部434を使用してエアスプリングの第2の部材350に取り付けることができる。
【0057】
一実施形態では、エアスプリング・アセンブリ300の第1の部材310および第2の部材350は、一端が車軸/車輪に、反対側の端が車両のシャーシ/サブフレームに、溶接、ボルト締め、または任意のその他の適切な機構によって固定される。また、一次空気容積室370および二次空気容積室380は、任意の適切な形状、寸法、および/または構成とすることができる。二次空気容積室380は、一次空気容積室370に対して、外側、内側、一部内側、隣接、遠方など、いかなる箇所に配置してもよい。しかしながら、より近傍に配置することで、より迅速な応答を得ることができる。二次空気容積室380は、一次空気容積室370と同軸である必要はないことが、当業者には理解されよう。
【0058】
図5を参照すると、ピストンスプリングを有する、第2の実施形態による提案されたエアスプリング・アセンブリの断面図が開示されている。
図5のスプリングアセンブリ300の実施形態は、以下に説明するいくつかの変更点を除き、エアスプリング・アセンブリ300と同様である。
可撓性を備えた壁部材320は、第2の実施形態のエアスプリング・アセンブリ300では不要である。エアスプリング・アセンブリ300は、一次空気容積室370
とともに構成されたピストン・エアスプリング500を含む。ピストンスプリング500は、一端を車輪
/車軸またはシャーシとすることができる車両の一部分に支持部502を取り付けることができる。ピストンスプリング500のシリンダ506は、
第1の端311において支持部505でエアスプリング300の第1の部材310に取り付けることができる。ピストンスプリング500のピストンロッド501は、
反対側の第2の端550において第2の部材503の開口部510を通ってエアスプリング300の内部に入る。ピストンロッド501は、その内面520に沿ってシリンダ506の内部を移動するピストン508を有し、シール部材507によってシリンダ506と気密にシールされている。シリンダ506は、中間端319のシール材514によって第1の部材310と気密にシールされている。
【0059】
一実施形態では、第2の部材503は空気抜き504を有する。第2の部材503は、バンド528を介して第1の部材310に嵌合している。一次空気容積室370は、ピストン508と第1の部材310の第1の端部311との間で、第1の部材310の内面318と、偏向可能なダイアフラム360の内面363と、シリンダ506の内面520とによって形成される。シリンダ506は、一次空気容積室370内のシリンダ506への空気の流入またはシリンダ506からの空気の流出を許容するための少なくとも1つの通路509を有する。ピストンスプリング500は、第1の端部311で第1の部材310に適切に嵌合されたストッパ530を有する。
【0060】
一実施形態では、
図5のエアスプリング・アセンブリ300で構成された車両に荷重がかかると、ピストンスプリング500のピストンロッド501が延伸位置から圧縮位置に移動し、偏向可能なダイアフラム360が第1の位置から第2の位置に偏向する。さらに、荷重が車両から取り払われると、ピストンスプリング500のピストンロッド501は
延伸位置に戻り、偏向可能なダイアフラム360は第1の位置に戻る。
【0061】
本開示の上述した実施形態では、室380の圧力に対して室370の圧力が上昇すると、偏向可能なダイアフラム360が室380に向かって偏向することが理解され得る。同様に、室380の圧力が室370の圧力に対して上昇すると、偏向可能なダイアフラム360は室370に向かって偏向する。
【0062】
当業者であれば、エアスプリング・アセンブリ300が車両の車軸の全荷重を負担するとともに車両に安定性を提供することを理解するであろう。ピストンスプリング500とともにエアスプリング・アセンブリは、荷重に耐久するとともに衝撃を緩和するスプリング作用を提供する。
【0063】
一実施形態では、
図1乃至5のエアスプリング・アセンブリ300は、エアスプリング・アセンブリ300および車両の1つ以上の作動パラメータを監視するとともに車両の電子制御部(図示しない)に送信するための複数のセンサ(図示しない)を備えることができる。センサは、一次空気容積室370および二次空気容積室380の圧力を監視するとともに詳細を提供するために、一次空気容積室370および二次空気容積室380
のうちの少なくともいずれか一方の内部に
少なくとも1つの圧力センサを
各々取り付けることができる圧力センサから選択することができる。偏向可能なダイアフラム360の位置を示すために位置センサ(図示しない)を取り付けることができ、サスペンションの高さを示すために高さセンサ(図示しない)を取り付けることができる。
【0064】
一実施形態では、制御弁からなるバルブアセンブリを一対の吸入口312および314とともに構成して、これらの室370および380からの空気の供給および放出を制御することができる。さらに、
図5の第2の部材503の空気抜き504でバルブを構成することもできる。さらに、シリンダ506の通路509には
、一次空気容積室370
内のシリンダ506の内側または外側の気流を許容し制御するための別のバルブを構成することができる。
【0065】
一実施形態では、
図1乃至5のエアスプリング・アセンブリ300は、複数のセンサおよびバルブアセンブリに作動可能に結合された制御部を含むことができる。制御部は、車両の電子制御部(ECU)であってもよいが、ばね部が非車両動作のために実装される場合に、制御部は、同様にECUとは異なるものであってもよい。制御部は、複数の車両センサから複数のセンサ信号を受信し、受信したセンサ信号を解析して、少なくとも車両のばね定数を含む望ましいばね特性を決定するように構成される。制御部は、それに応じて、車両の所望のばね特性を得るために、一次空気容積室370および二次空気容積室380の少なくとも一方内の圧力および容積のうちの少なくともいずれか一方を変更するようにバルブアセンブリを作動させるための出力信号を生成し、送信する。
【0066】
一実施形態では、
図1乃至5における偏向可能なダイアフラム360の構成材料は、車両のタイヤのゴムチューブ材料のような延伸可能な材料であるが、これに限定されるものではない。偏向可能なダイアフラムは、伸縮可能な材料および伸縮不可能な材料のいずれか、または組み合わせで構成することができる。さらに、第1の部材310は、剛性を備えた部材とされ、金属、プラスチック、または任意の他の適切な材料もしくは材料の組み合わせから選択される。しかしながら、可撓性/半可撓性/剛性を備えた材料、またはそれらの組み合わせで部分的または全体的に形成されたものであれば、同様の機能を果たすことができることは、当業者であれば理解できるであろう。
【0067】
図6を参照すると、
図1乃至5のエアスプリング・アセンブリ300の
少なくとも1つのばね定数
を含むばね特性を調整するための方法600が明示されている。方法600は、一次空気容積室370を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室380を少なくとも部分的に形成する偏向可能なダイアフラム360とともに、二次空気容積室380に隣接する一次空気容積室370をスプリングアセンブリ300に設けるステップ602を含む。方法600は、エアスプリング・アセンブリのばね定数
を含むがこれに限定されるものではないばね特性を変更するために、一次空気容積室370および二次空気容積室380のいずれかまたは組み合わせ内の圧力
および容積のうちの少なくともいずれか一方を変更するステップ604をさらに含む。
【0068】
したがって、本開示は、異なる荷重およびサスペンション高さの様々な組み合わせに対して最適なばね定数を提供することにより、車両の乗客に制御性、安定性、安全性、および快適性を提供する、改良された、単純にして、かつ費用対効果の高いエアスプリングを提供する。本開示の好ましい実施形態のいくつかを開示したが、当業者であれば、特定の変更が本発明の範囲内に入ることを認識するであろう。
【0069】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、本発明の他のさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく組み合わせることができる。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。本発明は、記載された実施形態、バージョンまたは実施例に限定されるものではなく、これらは、当業者が利用可能な情報および知識と組み合わせた場合に、当業者が本発明を製造および使用できるようにするために含まれるものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のエアスプリング・アセンブリ(300)であって、
一端の第1の部材(310)、および反対側の端の第2の部材(350
、503)と、
一次空気容積室(370)を少なくとも部分的に形成するとともに二次空気容積室(380)を少なくとも部分的に形成するように構成された偏向可能なダイアフラム(360)であって、前記一次空気容積室(370)は、その中に空気を充填するための第1の吸入口(312)を備え、前記二次空気容積室(380)は、その中に空気を充填するための第2の吸入口(314)を備える、偏向可能なダイアフラム(360)と、
を備え、
前記偏向可能なダイアフラム(360)は、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)との間に生じる空気圧の差圧の変化が前記偏向可能なダイアフラム(360)の偏向を引き起こすように、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)とを分離する、車両用のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項2】
前記一次空気容積室(370)が少なくとも部分的に前記エアスプリング・アセンブリ(300)の内部に残るように構成されたダンパユニット(400)をさらに備え、前記ダンパユニット(400)の第1の端部が、前記第1の部材(310)とともに車両の一部分に結合されるように構成され、前記ダンパユニット(400)の第2の端部が、前記第2の部材(350)とともに前記車両の別の部分に結合されるように構成され、前記車両に荷重がかかると、前記ダンパユニット(400)に関連付けられるピストンロッド(430)が、対応して、前記エアスプリング・アセンブリ(300)とともに、延伸位置から圧縮位置へと移動するように構成されている、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項3】
前記一次空気容積室(370)が前記エアスプリング・アセンブリ(300)の内部に完全に残るように構成されたダンパユニット(400)をさらに備え、前記ダンパユニット(400)の第1の端部が、前記第1の部材(310)とともに車両の一部分に結合されるように構成され、前記ダンパユニット(400)の第2の端部が、前記第2の部材(350)とともに前記車両の別の部分に結合されるように構成され、前記車両に荷重がかかると、前記ダンパユニット(400)に関連付けられるピストンロッド(430)が、対応して、前記エアスプリング・アセンブリ(300)とともに、延伸位置から圧縮位置へと移動するように構成されている、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項4】
少なくとも1つの可撓性を備えた壁部材(320)が、前記一次空気容積室(370)の少なくとも一部を形成する、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項5】
前記一次空気容積室(370)が、前記第1の部材(310)の内面(318)と前記第2の部材(350)の内面(354)と可撓性を備えた壁部材(320)の内面(321)と偏向した前記ダイアフラム(360)の内面(363)とによって形成され、前記二次空気容積室(380)が、前記第1の部材(310)の内面(318)と偏向した前記ダイアフラム(360)の外面(361)とによって形成される、請求項1
および4に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項6】
前記偏向可能なダイアフラム(360)は、前記一次空気容積室(370)および前記二次空気容積室(380)内の空気圧が等しい場合に、第1の位置に留まり、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)との間の空気圧の差圧に変化がある場合に、前記偏向可能なダイアフラム(360)が1つ以上の第2の位置に偏向する、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項7】
前記エアスプリング・アセンブリ(300)とともに構成され、前記エアスプリング・アセンブリ(300)の1つ以上の作動パラメータを監視し、前記監視される作動パラメータを対応して前記車両の電子制御部に送信する複数のセンサをさらに備える、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項8】
支持部(502)により前記車両の一部分に取り付けられるように構成されたピストンスプリング(500)であって、前記ピストンスプリング(500)が、シリンダ(506)と、ピストン(508)を備えて移動可能に構成されるととも
に前記シリンダ(506)と気密にシールされるピストンロッド(501)とを備え、前記シリンダ(506)が
、前記一次空気容積室(370)
内の前記シリンダ(506)の内側または外側の気流を許容するための少なくとも1つの通路(509)を備える、ピストンスプリング(500)をさらに備え、
前記ピストンロッド(501)が延伸位置から圧縮位置に移動し、前記偏向ダイアフラム(360)が、前記一次空気容積室(370)と前記二次空気容積室(380)との間に生じる空気圧の差圧の変化により、第1の位置から第2の位置に偏向する、請求項1に記載のエアスプリング・アセンブリ(300)。
【請求項9】
エアスプリング・システムであって、
少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリ(300)と、
複数の車両特性を測定し、それに対応して複数のセンサ信号を生成するように構成された複数の車両センサと、
前記少なくとも1つのエアスプリング・アセンブリ(300)への空気の供給の出入りを制御するように構成されたバルブアセンブリと、
前記複数の車両センサおよび前記バルブアセンブリに作動可能に結合された制御部と、
を備え、前記制御部は、
前記複数の車両センサから前記複数のセンサ信号を受信し、
受信した前記センサ信号を分析して、前記車両の少なくとも1つのばね定数を含む所望のばね特性を決定し、
前記車両の
少なくとも1つのばね定数を含む前記所望のばね特性を得るために、一次空気容積室(370)および二次空気容積室(380)の少なくとも一方内の圧力
および容積のうちの少なくともいずれか一方を変更するように、前記バルブアセンブリを作動させる出力信号を生成するように構成される、エアスプリング・システム。
【請求項10】
エアスプリング・アセンブリ(300)の
少なくとも1つのばね定数
を含むばね特性を調整する方法(600)であって、
少なくとも部分的に一次空気容積室(370)を形成するとともに少なくとも部分的に二次空気容積室(380)を形成する偏向可能なダイアフラム(360)とともに、前記二次空気容積室(380)に隣接する前記一次空気容積室(370)を設ける工程(602)と、
前記エアスプリング・アセンブリ(300)の前記
少なくとも1つのばね定数
を含む前記ばね特性を変更するように、前記一次空気容積室(370)および前記二次空気容積室(380)のいずれかまたは組み合わせ内の圧力または容積を変更する工程(604)と、
を含む、エアスプリング・アセンブリ(300)の
少なくとも1つのばね定数
を含むばね特性を調整する方法(600)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】