(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】高効率な回転盤型水力駆動発電機セット
(51)【国際特許分類】
F03B 17/06 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
F03B17/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024548699
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-10-15
(86)【国際出願番号】 CN2022105903
(87)【国際公開番号】W WO2023155375
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】202210135471.8
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524306453
【氏名又は名称】ソン ジャンゲン
【氏名又は名称原語表記】SONG, Zhanggen
【住所又は居所原語表記】No. 8-1, Batou, Yujing Village, Wanshi Town, Yixing City, Wuxi, Jiangsu, China
(71)【出願人】
【識別番号】524306464
【氏名又は名称】ソン スーウェイ
【氏名又は名称原語表記】SONG, Suwei
【住所又は居所原語表記】No. 8-1, Batou, Yujing Village, Wanshi Town, Yixing City, Wuxi, Jiangsu, China
(71)【出願人】
【識別番号】524306475
【氏名又は名称】ソン ジーチェン
【氏名又は名称原語表記】SONG, Zhicheng
【住所又は居所原語表記】No. 8-1, Batou, Yujing Village, Wanshi Town, Yixing City, Wuxi, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジャンゲン
(72)【発明者】
【氏名】ソン スーウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジーチェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジエ
(72)【発明者】
【氏名】リ ティアンホン
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC12
(57)【要約】
埋設型支持構造ベース(1)を含み、当該支持構造ベース(1)は変速機(2)が取り付けられ、変速機(2)の入力軸が水力駆動によって回転する支持柱(3)に接続され、等間隔に配置された複数の出力軸が変速機(2)に接続され、各出力軸に1台の発電機(4)が接続されている、高効率な回転盤型水力駆動発電機セットを開示する。本発電機セットは、変速機によって発電機の入力回転数を向上させ、発電の安定性と出力効率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設型支持構造ベース(1)を含み、当該支持構造ベース(1)に変速機(2)が取り付けられ、変速機(2)の入力軸が、水力駆動によって回転する支持柱(3)に接続され、等間隔に配置された1つ以上の出力軸が変速機(2)に接続され、各出力軸に1台の発電機(4)が接続されていることを特徴とする高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【請求項2】
前記発電機(4)は、横型発電機と縦型発電機とを含むことを特徴とする請求項1に記載の高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【請求項3】
前記支持構造ベース(1)は、土台と環状支持壁(5)から構成され、前記環状支持壁(5)上に、駆動部材(7)の摩擦抵抗を低減するための支持ボールまたは支持ローラ(8)が取り付けられ、前記駆動部材(7)は、一端が支持柱(3)に接続され、他端が反転可能な水バッフル板(6)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【請求項4】
前記駆動部材(7)は、ロッド構造またはディスク構造であり、支持柱(2)と駆動部材(7)との間に、支持ケーブル(9)がさらに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【請求項5】
前記水バッフル板(6)は、環状水路(10)内に配置され、水の流れに押されて回転し、環状水路の水入口(11)と水出口(12)との間に、隔離装置(13)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【請求項6】
前記隔離装置(13)は、水面よりも高い隔離壁であり、または水面よりも高い複数の隔離板から構成されることを特徴とする請求項1に記載の高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電技術に関し、特に落差が小さく、ダム建設を必要とせず、高効率な発電を実現できる技術、具体的には、高効率な回転盤型水力駆動発電機セットに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、水力発電は、環境への汚染が最も少ないグリーンエネルギーである。しかし、従来の水力発電は、水文に対する要求が高く、しかも水タービンの構造上の制約により、河道にダムを建設し、上流と下流の水位差によって発生する衝撃力で水タービンの回転を駆動する必要がある。このような方法は、第一に、投資額が大きく(例えば、三峡ダムプロジェクト)、第二に、水中の生態系、特に魚類の回遊と繁殖に影響を与え、生物多様性と発展の均衡化を妨げるため、厳しい制御および繰り返し実証を行う必要がある。中国のほとんどの地域の河道は流速がある程度に速いが、地理的条件や流量が水力発電所の建設の基準を満たさず、環境保護の要求から水力発電所の建設が許可されないところもあり、それにより、大量の水エネルギーが無駄になる。一方、火力発電は、大気汚染を引き起こす要因となる。したがって、中国特許2016100717954には、電力供給を補うために、河道を建造物により遮断する必要がなく、水流を利用することで発電できる新しい水力発電装置が開示されている。当該特許では、水力発電における発電機の動力源の問題が解決されたが、発電効率の向上、発電機セットの配置などの技術課題の解決が開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の発明である回転盤型水力駆動発電機セットの発電効率が高くない問題に対して、高効率な回転盤型水力駆動発電機セットを設計することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術方案は以下のとおりである。
埋設型支持構造ベース1を含み、当該支持構造ベース1に変速機2が取り付けられ、変速機2の入力軸が、水力駆動によって回転する支持柱3に接続され、等間隔に配置された1つ以上の出力軸が変速機2に接続され、各出力軸に1台の発電機4が接続されていることを特徴とする高効率な回転盤型水力駆動発電機セット。
【0005】
前記発電機4は、横型発電機と縦型発電機とを含む。
【0006】
前記支持構造ベース1は、土台と環状支持壁5から構成され、前記環状支持壁上に、駆動部材7の摩擦抵抗を低減するための支持ボールまたは支持ローラ8が取り付けられ、前記駆動部材7は、一端が支持柱3に接続され、他端が反転可能な水バッフル板6に接続されている。
【0007】
前記駆動部材7は、ロッド構造またはディスク構造であり、支持柱2と駆動部材7との間に支持ケーブル9がさらに取り付けられている。
【0008】
前記水バッフル板6は、環状水路10内に配置され、水の流れに押されて回転し、環状水路の水入口11と水出口12の間に、隔離装置13が設けられている。
【0009】
前記隔離装置13は、水面よりも高い隔離壁であり、または水面よりも高い複数の隔離板から構成される。
【0010】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明は、発電効率を大幅に向上させ、変速機によって発電機の入力回転数を高めることで、発電の安定性と出力効率を向上させることができる。
【0011】
本発明は、出力軸を等間隔に配置することにより、支持柱の回転バランスの向上に有利である。
【0012】
本発明は、ダムの建設を必要とせず、水資源を十分に利用し、動力を必要とせず、環境に破壊性のある影響を与えない。
【0013】
本発明は、低投資で、発電所の柔軟な建設が可能であり、大きな河川を十分に利用しながら、各支流にあるべき役割を発揮させることができ、さらに人工水路(トラフ)の改造により水力発電を実現することができる。
【0014】
本発明は、水流の速度が小さいため、通過する魚類にダメージを与えず、還流においても、下向き流においても、魚類は、水バリヤー板の回転隙間や水底を通って発電所を通過することができる。魚類は水バリヤー板にぶつかっても、それにより受けるダメージはわずかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面および実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0017】
図1~2を参照する。高効率な回転盤型水力駆動発電機セットは、埋設型支持構造ベース1を含み、当該支持構造ベース1には、変速機2が取り付けられている。変速機2として、通常の増速ギアボックスを採用してもよい。変速機2の入力軸は、水力駆動によって回転する支持柱3に接続され、支持柱の回転とともに、変速機の垂直スピンドルが回転する。変速機による増速と割り当てを経て、一本またはそれ以上、好ましくは2~4本の水平(および/または垂直)出力軸を介して出力される。各出力軸は、対応する発電機4の入力軸に接続され、発電機の運転を駆動する。
図1に示すように、上記発電機4は、横型発電機であってもよいし、縦型発電機であってもよい。上記支持構造ベース1は、土台と環状支持壁5から構成され、
図2に示すように、上記環状支持壁上に、駆動部材7の摩擦抵抗を低減するための支持ボールまたは支持ローラ8が取り付けられている。上記駆動部材7は、一端が支持柱3に接続され、他端が反転可能な水バッフル板6に接続されている。上記駆動部材7は、ロッド構造であってもよいし、ディスク構造であってもよい。支持柱2と駆動部材7との間に、駆動部材7による環状支持壁5への圧力を低減するための支持ケーブル9がさらに取り付けられることで、両者の間の摩擦抵抗を低減する。水バッフル板6の構造は従来技術と同じである。本実施例における水バッフル板6は、環状水路10内に配置され、水の流れに押されて回転し、必要に応じて、水バッフル板6同士は、ケーブル14を介して連動することもできる。環状水路の水入口11と水出口12の間に、隔離装置13が設けられており、水入口と水出口とが交差してはならず、両者の間にはある程度の落差が必要である。具体的な実施において、
図2に示すように、隔離装置13として、水面よりも高い隔離壁構造を採用してもよく、水面よりも高い複数の隔離板から構成されてもよい。
【0018】
本発明と無関係な部分は、いずれも従来技術と同じであるか、または従来技術によって実現できるものである。
【国際調査報告】