(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-21
(54)【発明の名称】線駆動運動モジュール及び低侵襲手術用鉗子
(51)【国際特許分類】
A61B 17/29 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
A61B17/29
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024571110
(86)(22)【出願日】2023-05-04
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 CN2023092074
(87)【国際公開番号】W WO2024045674
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】202211062457.6
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524311608
【氏名又は名称】精勤智造(蘇州)医療科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王屹初
(72)【発明者】
【氏名】李曉貞
(72)【発明者】
【氏名】戴競耀
(72)【発明者】
【氏名】徐欣良宜
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG29
4C160MM32
4C160NN01
4C160NN07
4C160NN10
(57)【要約】
本願は、線駆動運動モジュール及び低侵襲手術用鉗子を開示する。線駆動運動モジュールは、ジョイント構造、位置決め構造及び2本の接続線を含み、ジョイント構造は、互いに接続される複数のジョイントユニットを含み、位置決め構造は隣り合う2つのジョイントユニットの間に設けられ、位置決め構造は、可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間可能な第1位置決め部材及び第2位置決め部材を含み、接続線はすべてのジョイントユニット及び位置決め構造内に挿通され、いずれか1つの接続線の位置決め構造内に挿通される両端は、それぞれ第1位置決め部材及び第2位置決め部材に位置決めして接続されることで、前記位置決め構造内に接続される接続線の長さを一定に限定する。当該線駆動運動モジュールは、ジョイント構造の運動軌跡を調整し、ジョイント構造の運動範囲を向上させ、低侵襲装置の柔軟な操作性を強化することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線駆動運動モジュールであって、
一端が外部駆動機構に接続されることに適し、他端が外部操作機構に接続されることに適し、互いに接続される複数のジョイントユニット(1)を含むジョイント構造と、
隣り合う2つの前記ジョイントユニット(1)の間に設けられ、第1位置決め部材(2)及び第2位置決め部材(3)を含み、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間可能である位置決め構造と、
すべての前記ジョイントユニット(1)及び前記位置決め構造内に挿通される少なくとも2本の接続線(4)であって、各接続線(4)は前記位置決め構造内の両端に挿通され、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は前記位置決め構造内の接続線(4)を制限する少なくとも2本の接続線(4)と、を含み、
前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに接近する場合、前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)及び前記第2位置決め部材(3)によって共同で囲まれた線収容キャビティ内に制限及び収容され、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに離間する場合、前記接続線(4)は前記線収容キャビティ内でまっすぐになることを特徴とする線駆動運動モジュール。
【請求項2】
前記位置決め構造は少なくとも2つの位置決めスリーブ(5)をさらに含み、前記位置決めスリーブ(5)は、前記接続線(4)に対応して設けられ、前記接続線(4)を制限及び収容するように構成され、前記位置決めスリーブ(5)は前記線収容キャビティ内に設けられ、前記位置決めスリーブ(5)の両端は、それぞれ前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)で同一の前記接続線(4)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項3】
前記位置決めスリーブ(5)はフレキシブル管であり、
前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに接近する場合、前記フレキシブル管と前記接続線(4)は前記線収容キャビティ内で同期して折り畳まれるか、又は絡まるか、又は巻き付けられ、
前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに離間する場合、前記フレキシブル管と前記接続線(4)は同期して広げられ又は伸長されることを特徴とする請求項2に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項4】
間隔をおいて設けられた第1アダプタ構造(6)及び第2アダプタ構造(7)をさらに含み、前記第1アダプタ構造(6)と前記第2アダプタ構造(7)は前記ジョイント構造の両端に設けられ、前記第1アダプタ構造(6)は外部駆動機構に接続されることに適し、前記第2アダプタ構造(7)は操作機構に接続されることに適し、
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させる湾曲状態と、前記第1アダプタ構造(6)、前記位置決め構造及び前記第2アダプタ構造(7)が同軸に設けられる初期状態と、を有し、前記線駆動運動モジュールは、前記湾曲状態と前記初期状態との間に切り替わるように設けられることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項5】
前記第1位置決め部材(2)は、第1接続部(22)を有し、前記第2位置決め部材(3)は、第2接続部(32)を有し、
前記第1接続部(22)と前記第2接続部(32)は互いに嵌合されるスクリュー構造であり、前記第1接続部(22)と前記第2接続部(32)が螺合される場合、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、前記第1方向はスクリュー構造の軸線方向であることを特徴とする請求項4に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項6】
第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は互いに嵌着された筒体構造であり、前記第1接続部(22)は前記第1位置決め部材(2)の内壁面に成形され、前記第2接続部は前記第2位置決め部材(3)の外壁面に成形され、線収容キャビティは筒体構造内のキャビティであることを特徴とする請求項5に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項7】
同一の前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)内に挿通され、前記第1位置決め部材(2)が前記第2位置決め部材(3)の第1回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポート(21)と前記第2配線ポート(31)との結ぶ線の方向は第1方向と同じ方向に設定され、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させてS字状に運動させる第1湾曲状態を有することを特徴とする請求項4に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項8】
前記湾曲状態では、前記第1アダプタ構造(6)の前記ジョイント構造に接続される側から離間する第1端面と前記第2アダプタ構造(7)の前記ジョイント構造に接続される側から離間する第2端面は平行に設けられることを特徴とする請求項7に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項9】
同一の前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)内に挿通され、
前記第1位置決め部材(2)が前記第2位置決め部材(3)の第2回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポート(21)と前記第1方向が位置する第1平面と、前記第2配線ポート(31)と前記第1方向が位置する第2平面とは90度の角度をなし、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させて非同一面のS字状に運動させる第2湾曲状態を有することを特徴とする請求項5に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項10】
同一の前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)内に挿通され、前記第1位置決め部材(2)が前記第2位置決め部材(3)の第3回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポート(21)と前記第1方向が位置する第1平面と、前記第2配線ポート(31)と前記第1方向が位置する第2平面とは180度の角度をなし、
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させてC字状に運動させる第3湾曲状態を有することを特徴とする請求項5に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項11】
前記第1位置決め部材(2)は、第3接続部を有し、前記第2位置決め部材(3)は、第4接続部を有し、
前記第3接続部と前記第4接続部は互いに嵌合される摺動構造であり、前記第3接続部と前記第4接続部が相対的に摺動する場合、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、前記第1方向は摺動構造の摺動方向であることを特徴とする請求項4に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項12】
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で回動して、前記接続線(4)を牽引し、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を駆動して第1アダプタ構造(6)と同期して向きを変える向き変更状態をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項13】
前記ジョイントユニット(1)は、
周方向に制限部(111)が設けられる回動部材(11)と、
前記回動部材(11)に固定接続される制限サポート(12)であって、前記制限サポート(12)内には隣り合うジョイントユニット(1)の前記回動部材(11)を可動に接続するための収容キャビティ(121)を少なくとも1つ有し、前記収容キャビティ(121)内には制限部材(13)をさらに有し、前記制限部材(13)は隣り合うジョイントユニット(1)の前記制限部(111)と嵌合して隣り合うジョイントユニット(1)の回動部材(11)の軸方向の回動を制限する制限サポート(12)と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項14】
前記回動部材(11)は球体であり、前記収容キャビティ(121)の内壁面は隣接する前記ジョイントユニット(1)の回動部材(11)の外壁面にマッチングし、
前記制限部(111)は2つ設けられ、2つの前記制限部(111)は嵌合して前記球体を形成し、
2つの前記制限部(111)は間隔をおいて設けられることで、前記制限部材(13)を制限する組立空間を形成し、前記制限部材(13)は前記組立空間に可動に接続されることを特徴とする請求項13に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項15】
前記第1位置決め部材(2)は、その延在方向と同じ方向に延在している第1接続孔(23)を含み、
前記第2位置決め部材(3)は、その延在方向と同じ方向に延在している第2接続孔(33)を含み、
いずれか1つのアダプタ構造は、その延在方向と同じ方向に延在している第3接続孔(621)を有し、
いずれか1つのジョイントユニット(1)は、芯孔(122)を有し、すべての前記芯孔(122)、すべての前記第2接続孔(33)及び前記第1接続孔(23)は共同で介入通路を構成し、前記介入通路は外部チューブが挿通することに適することに適することを特徴とする請求項13に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項16】
前記第1位置決め部材(2)は、前記第1位置決め部材(2)の近位端に近接する側に設けられ、前記ジョイント構造に可動に接続される第1結合部(24)をさらに含み、
前記第2位置決め部材(3)は、前記第2位置決め部材(3)の近位端から離間する側に設けられ、前記ジョイント構造に可動に接続される第2結合部(34)をさらに含み、
前記第1結合部(24)及び前記第2結合部(34)は前記回動部材(11)の構造と同じであるか、又は前記制限サポート(12)の構造と同じであることを特徴とする請求項15に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項17】
前記第1アダプタ構造(6)は、前記ジョイントユニット(1)に可動に接続される第3結合部(61)を含み、
前記第2アダプタ構造(7)は、前記ジョイントユニット(1)に可動に接続される第4結合部(71)を含み、
前記第3結合部(61)及び前記第4結合部(71)は、前記回動部材(11)の構造と同じであるか、又は前記制限サポート(12)の構造と同じであることを特徴とする請求項16に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の線駆動運動モジュールを含むことを特徴とする低侵襲手術用鉗子。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2022年08月31日に中国特許庁に提出された、出願番号が202211062457.6、発明の名称が「線駆動運動モジュール及び低侵襲手術用鉗子」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は引用により本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本願は、医療機器の技術分野に関し、具体的には、線駆動運動モジュール及び低侵襲手術用鉗子に関する。
【背景技術】
【0003】
ジョイント構造は、優れた強度及び空間運動に柔軟に適応できる能力を有するため、機械及び医療分野などで広く使用されている。現在、医療機器では、例えば低侵襲手術において、医師は対応する操作機構によって制御動作及び命令に応じて低侵襲装置に所望の動作を実行させることで、人体の医療及び診断の目的を達成する。
【0004】
従来技術では、低侵襲装置は、通常、ジョイント構造及び複数の接続線で構成され、接続線とジョイント構造は内部で接続され、複数の接続線の一端は外部駆動機器に接続され、複数の接続線の他端は外部操作端に接続され、低侵襲机器機械のジョイント構造を湾曲するように調整する必要がある場合、外部駆動機器によって接続線を引っ張って戻し、引張り端が位置する隣り合うジョイントを互いに接近させ、隣り合うジョイント間の夾角を小さく収縮させ、外部駆動機器によって接続線を押して延ばし、線送り端が位置する隣り合うジョイントを互いに離間させ、隣り合うジョイント間の夾角を大きく拡張し、それによってジョイントの湾曲折り畳み動作を完了し、所望の操作過程を実現する。
【0005】
しかしながら、上記構造を採用する場合、駆動機器がジョイント構造を制御して動作を実行する際、ジョイント構造の遠位端節点の運動軌跡は常に固定点を球心とする球面に維持され、ジョイント構造の遠位端節点は当該球面上のみを運動できるため、ジョイント構造の運動軌跡は制限され、医師が近位端から遠位端までの長さ延長方向にクランプや縫合などの操作を行う場合、このとき、ジョイント構造の遠位端節点を当該長さ方向に変位させる必要があり、上記構造は当該長さ方向の変位に適応することが困難であり、運動範囲が不足し、低侵襲装置の柔軟な操作性能が制限されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願が解決しようとする技術的問題は、従来技術、ジョイント構造の運動軌跡が制限され、運動範囲が不足し、低侵襲装置の柔軟な操作が制限されているという欠陥である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様では、本願は、
一端が外部駆動機構に接続されることに適し、他端が外部操作機構に接続されることに適し、互いに接続される複数のジョイントユニットを含むジョイント構造と、
隣り合う2つの前記ジョイントユニットの間に設けられ、第1位置決め部材及び第2位置決め部材を含み、前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間可能である位置決め構造と、
すべての前記ジョイントユニット及び前記位置決め構造内に挿通される少なくとも2本の接続線であって、各接続線は前記位置決め構造内の両端に挿通され、前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材は前記位置決め構造内の接続線を制限する少なくとも2本の接続線と、を含み、
前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材が前記第1方向に沿って互いに接近する場合、前記接続線は前記第1位置決め部材及び前記第2位置決め部材によって共同で囲まれた線収容キャビティ内に制限及び収容され、前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材が前記第1方向に沿って互いに離間する場合、前記接続線は前記線収容キャビティ内でまっすぐになる線駆動運動モジュールを提供する。
【0008】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記位置決め構造は少なくとも2つの位置決めスリーブをさらに含み、前記位置決めスリーブは前記接続線に対応して設けられ、前記接続線を制限及び収容するように構成され、前記位置決めスリーブは前記線収容キャビティ内に設けられ、前記位置決めスリーブの両端は、それぞれ前記第1位置決め部材の第1配線ポート及び前記第2位置決め部材の第2配線ポートで同一の前記接続線に接続される。
【0009】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記位置決めスリーブはフレキシブル管であり、
前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材が前記第1方向に沿って互いに接近する場合、前記フレキシブル管と前記接続線は前記線収容キャビティ内で同期して折り畳まれるか、又は絡まるか、又は巻き付けられ、
前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材が前記第1方向に沿って互いに離間する場合、前記フレキシブル管と前記接続線は同期して広げられ又は伸長される。
【0010】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、間隔をおいて設けられた第1アダプタ構造及び第2アダプタ構造をさらに含み、前記第1アダプタ構造と前記第2アダプタ構造は前記ジョイント構造の両端に設けられ、前記第1アダプタ構造は外部駆動機構に接続されることに適し、前記第2アダプタ構造は操作機構に接続されることに適し、
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造が外力の作用下で前記接続線を牽引して、前記第2アダプタ構造と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造に対して同期して連動させて湾曲させる湾曲状態と、前記第1アダプタ構造、前記位置決め構造及び前記第2アダプタ構造が同軸に設けられる初期状態と、を有し、前記線駆動運動モジュールは、前記湾曲状態と前記初期状態の間に切り替わるように設けられる。
【0011】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記第1位置決め部材は、第1接続部を有し、前記第2位置決め部材は、第2接続部を有し、
前記第1接続部と前記第2接続部は互いに嵌合されるスクリュー構造であり、前記第1接続部と前記第2接続部が螺合される場合、前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、前記第1方向はスクリュー構造の軸線方向である。
【0012】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材と前記第2位置決め部材は互いに嵌着された筒体構造であり、前記第1接続部は前記第1位置決め部材の内壁面に成形され、前記第2接続部は前記第2位置決め部材の外壁面に成形され、線収容キャビティは筒体構造内のキャビティである。
【0013】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、同一の前記接続線は前記第1位置決め部材の第1配線ポート及び前記第2位置決め部材の第2配線ポート内に挿通され、前記第1位置決め部材が前記第2位置決め部材の第1回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポートと前記第2配線ポートとの結ぶ線の方向は第1方向と同じ方向に設定され、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造が外力の作用下で前記接続線を牽引して、前記第2アダプタ構造と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造に対して同期して連動させて湾曲させてS字状に運動させる第1湾曲状態を有する。
【0014】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記湾曲状態では、前記第1アダプタ構造の前記ジョイント構造が接続される側から離間する第1端面と前記第2アダプタ構造の前記ジョイント構造に接続される側から離間する第2端面は平行に設けられる。
【0015】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、同一の前記接続線は前記第1位置決め部材の第1配線ポート及び前記第2位置決め部材の第2配線ポート内に挿通され、前記第1位置決め部材が前記第2位置決め部材の第2回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポートと前記第1方向が位置する第1平面と、前記第2配線ポートと前記第1方向が位置する第2平面とは90度の角度をなし、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造が外力の作用下で前記接続線を牽引して、前記第2アダプタ構造と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造に対して同期して連動させて湾曲させて非同一面のS字状に運動させる第2湾曲状態を有する。
【0016】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、同一の前記接続線は前記第1位置決め部材の第1配線ポート及び前記第2位置決め部材の第2配線ポート内に挿通され、前記第1位置決め部材が前記第2位置決め部材の第3回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポートと前記第1方向が位置する第1平面と、前記第2配線ポートと前記第1方向が位置する第2平面とは180度の角度をなし、
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造が外力の作用下で前記接続線を牽引して、前記第2アダプタ構造と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造に対して同期して連動させて湾曲させてC字状に運動させる第3湾曲状態を有する。
【0017】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記第1位置決め部材は、第3接続部を有し、前記第2位置決め部材は、第4接続部を有し、前記第3接続部と前記第4接続部は互いに嵌合される摺動構造であり、前記第3接続部と前記第4接続部が相対的に摺動する場合、前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、前記第1方向は摺動構造の摺動方向である。
【0018】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造が外力の作用下で回動して、前記接続線を牽引し、前記第2アダプタ構造と前記ジョイント構造を駆動して第1アダプタ構造と同期して向きを変える向き変更状態をさらに有する。
【0019】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記ジョイントユニットは、
周方向に制限部が設けられる回動部材と、
前記回動部材に固定して接続される制限サポートであって、前記制限サポート内には隣り合うジョイントユニットの前記回動部材を可動に接続するための収容キャビティを少なくとも1つ有し、前記収容キャビティ内には制限部材をさらに有し、前記制限部材は隣り合うジョイントユニットの前記制限部と嵌合して前記隣り合うジョイントユニットの回動部材の軸方向の回動を制限する制限サポートと、を含む。
【0020】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記回動部材は球体であり、前記収容キャビティの内壁面は隣接する前記ジョイントユニットの回動部材の外壁面にマッチングし、
前記制限部は2つに設けられ、2つの前記制限部は嵌合して前記球体を形成し、
2つの前記制限部は間隔をおいて設けられることで、前記制限部材を制限する組立空間を形成し、前記制限部材は前記組立空間に可動に接続される。
【0021】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記第1位置決め部材は、その延在方向と同じ方向に延在している第1接続孔を含み、
前記第2位置決め部材は、その延在方向と同じ方向に延在している第2接続孔を含み、
いずれか1つのアダプタ構造は、その延在方向と同じ方向に延在している第3接続孔を有し、
いずれか1つのジョイントユニットは、芯孔を有し、すべての前記芯孔、すべての前記第2接続孔及び前記第1接続孔は共同で介入通路を構成し、前記介入通路は外部チューブが挿通することに適する。
【0022】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記第1位置決め部材は、前記第1位置決め部材の近位端に近接する側に設けられ、前記第1ジョイント構造の遠位端に可動に接続される第1結合部をさらに含み、
前記第2位置決め部材は、前記第2位置決め部材の近位端から離間する側に設けられ、前記ジョイント構造の近位端に可動に接続される第2結合部をさらに含み、
前記第1結合部及び前記第2結合部は前記回動部材の構造と同じであるか、又は前記制限サポートの構造と同じである。
【0023】
選択可能に、上記線駆動運動モジュールでは、前記第1アダプタ構造は、前記ジョイントユニットに可動に接続される第3結合部を含み、
前記第2アダプタ構造は、前記ジョイントユニットに可動に接続される第4結合部を含み、
前記第3結合部及び前記第4結合部は、前記回動部材の構造と同じであるか、又は前記制限サポートの構造と同じである。
【0024】
第2態様では、本願は、上記第1態様に記載の線駆動運動モジュールを含む低侵襲手術用鉗子を提供する。
【0025】
本願に係る技術案は、以下の利点を有する。
【0026】
1.本願に係る線駆動運動モジュールでは、ジョイント構造、位置決め構造及び2本の接続線を含み、ジョイント構造の一端は外部駆動機構に接続されることに適し、ジョイント構造の他端は外部操作機構に接続されることに適し、ジョイント構造は互いに接続される複数のジョイントユニットを含み、位置決め構造は隣り合う2つのジョイントユニットの間に設けられ、位置決め構造は第1位置決め部材及び第2位置決め部材を含み、第1位置決め部材と第2位置決め部材は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間可能であり、接続線は、すべてのジョイントユニット及び位置決め構造内に挿通され、各接続線は位置決め構造内の両端にそれぞれ挿通され、前記第1位置決め部材と前記第2位置決め部材は前記位置決め構造内の接続線を制限し、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに接近する場合、接続線は第1位置決め部材及び第2位置決め部材によって共同で囲まれた線収容キャビティ内に制限及び収容され、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに離間する場合、接続線は線収容キャビティ内でまっすぐになる。
【0027】
この構造の線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材と第2位置決め部材は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間することによって、第1位置決め部材に接続されるジョイント構造と第2位置決め部材に接続されるジョイント構造を、第1方向に接近又は離間運動するように対応して変位させ、それによって第1位置決め部材と第2位置決め部材の運動によってジョイント構造の運動位置を調整し、位置決め構造によって第1方向にジョイント構造の運動軌跡を調整する目的を達成し、第1位置決め部材と第2位置決め部材が位置決め嵌合して位置決め構造内の接続線を制限する場合、具体的には、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに接近する場合、このとき、接続線を線収容キャビティ内に制限し、ジョイント構造は屈曲運動を行い、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに離間する場合、線収容キャビティ内で接続線を解放し、このとき、接続線をまっすぐになるように延ばし、ジョイント構造は伸展運動を行い、第1位置決め部材と第2位置決め部材は位置決め構造内の接続線の両端の距離を制限することにより、位置決め構造内の接続線の長さは常に一定であり、第1位置決め部材と第2位置決め部材の第1方向におけるスライドに応じて変化することはなく、位置決め構造内の接続線の変化運動は第1位置決め部材と第2位置決め部材との相対運動及び位置決め構造の両端に位置するジョイント構造の運動軌跡位置にマッチングし、ジョイント構造の運動軌跡を最適化し、ジョイント構造の運動範囲を向上させ、低侵襲装置の柔軟な操作性を強化する目的を達成する。
【0028】
2.本願に係る線駆動運動モジュールでは、位置決め構造は2つの位置決めスリーブをさらに含み、位置決めスリーブは接続線に対応して設けられ、接続線を制限及び収容するように構成され、位置決めスリーブは線収容キャビティ内に設けられ、位置決めスリーブの両端は、それぞれ第1位置決め部材の第1配線ポート及び第2位置決め部材の第2配線ポートで同一の接続線に接続され、位置決めスリーブはフレキシブル管であり、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに接近する場合、フレキシブル管と接続線は線収容キャビティ内で同期して折り畳まれるか、又は絡まるか、又は巻き付けられ、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに離間する場合、フレキシブル管と接続線は同期して広げられ又は伸長される。
【0029】
この構造の線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材、第2位置決め部材及び位置決めスリーブは共同で嵌合して接続線の運動を制限し、位置決めスリーブの両端はそれぞれ第1位置決め部材及び第2位置決め部材に固定して接続され、位置決めスリーブ内に接続して挿通され、位置決めスリーブによって接続線の軸方向の変位を制限し、位置決めスリーブはフレキシブル部材を採用し、それによって第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに接近する場合、第1位置決め部材と第2位置決め部材はそれぞれ位置決めスリーブの両端をその中間部に対して接近させると同時に、位置決めスリーブはその内の接続線を制限及び押圧して、接続線と位置決めスリーブを線収容キャビティ内で同期させて折り畳み又は巻き取り又は巻き付け運動を行い、第1位置決め部材と第2位置決め部材が第1方向に沿って互いに離間する場合、第1位置決め部材と第2位置決め部材はそれぞれ位置決めスリーブの両端をその中間部から離間させると同時に、位置決めスリーブの両端はその内の接続線を制限及び伸長して、接続線と位置決めスリーブを同期させて広げられ又は伸長運動を行い、接続線の変位は第1位置決め部材と第2位置決め部材との距離と一致し、ジョイント構造の運動範囲を広げることができる。
【0030】
3.本願に係る線駆動運動モジュールでは、間隔をおいて設けられた第1アダプタ構造及び第2アダプタ構造をさらに含み、第1アダプタ構造と第2アダプタ構造はジョイント構造の両端に設けられ、第1アダプタ構造は外部駆動機構に接続されることに適し、第2アダプタ構造は操作機構に接続されることに適し、すべての接続線の長さは同じであり、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造が外力の作用下で接続線を牽引して、第2アダプタ構造とジョイント構造を第1アダプタ構造に対して同期して連動させて湾曲させる湾曲状態と、第1アダプタ構造、位置決め構造及び第2アダプタ構造が同軸に設けられる初期状態と、を有し、線駆動運動モジュールは、湾曲状態と初期状態と間に切り替わるように設けられる。
【0031】
この構造の線駆動運動モジュールでは、外部駆動機構によって第1アダプタ構造の運動位置を調整するように駆動し、接続線によってジョイント構造と嵌合して第2アダプタ構造に伝動し、線駆動運動モジュールが湾曲状態と初期状態と間に切り替わる場合、第1アダプタ構造と第2アダプタ構造は位置決め構造の周りに対応する運動を行い、接続線の長さは同じにすることで、第2アダプタ構造と第1アダプタ構造との同期連動を促進して、第2アダプタ構造を所望の運動動作及び位置に到達させ、モジュール全体の設計により、接続線がジョイントユニットを連動させる安定性が向上し、接続が緊密であり、ジョイント構造の接続強度の向上に有利であり、線駆動運動モジュール全体の運動性能のバランスが取られる。
【0032】
本願の具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下説明される図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいてほかの図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの位置決め構造の接続模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第1位置決め部材の斜視構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第1位置決め部材の側面構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第1位置決め部材の正面構造模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第2位置決め部材の斜視構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第2位置決め部材の正面構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第2位置決め部材の側面構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第1湾曲状態の構造模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第2湾曲状態の構造模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールのジョイントユニットの構造模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールのジョイントユニットの斜視模式図である。
【
図13】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第1アダプタ構造の構造模式図である。
【
図14】本願の実施例に係る線駆動運動モジュールの第1アダプタ構造が遠位端側に位置する場合の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら本願の技術案を明確かつ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得るすべてのほかの実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0035】
なお、本願の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語で指示される方位又は位置関係は、図示に基づく方位又は位置関係であり、本願の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本願を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」のような用語は、説明の目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示しないことを理解する。
【0036】
なお、本願の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、「接続」、「連結」、「接続」などの用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接的連結、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0037】
以下の説明では、使用時、器具の操作者に近接する側を近位端とし、操作者から離間する端を遠位端とする。
【0038】
また、以下説明される本願の異なる実施形態に係る技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【実施例1】
【0039】
本実施例は、線駆動運動モジュールを提供し、医療及び診断の目的のための機械部材として使用することができ、勿論、人体自身の運動ジョイントの応用環境にも適用でき、
図1及び
図2に示すように、線駆動運動モジュールは、ジョイント構造、位置決め構造及び2本の接続線4を含み、ジョイント構造の一端は外部駆動機構に接続されることに適し、ジョイント構造の他端は外部操作機構に接続されることに適し、ジョイント構造は互いに接続される複数のジョイントユニット1を含み、位置決め構造は隣り合う2つのジョイントユニット1の間に設けられ、接続線4はすべてのジョイントユニット1及び位置決め構造内に挿通され、接続線4は外部駆動機構の運動に応答して隣り合うジョイントユニット1の運動を調整することに用いられる。
【0040】
位置決め構造は第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3を含み、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間可能であり、位置決め構造は第1方向において、それに接続されるジョイント構造の位置を能動的に調整し、各接続線4は位置決め構造内の両端に挿通され、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は位置決め構造内の接続線4を制限する。
【0041】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに接近する場合、接続線4は第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3によって共同で囲まれた線収容キャビティ内に制限及び収容され、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との相対運動位置によって、接続線4の第1方向の変位を制御することができ、また、ジョイント構造の位置にマッチングすることで、接続線4の初期の緊張度への干渉を回避することができ、位置決め構造と接続線4との連係によってジョイント構造の屈曲運動及び伸展運動を実現し、ジョイント構造の運動軌跡を最適化し、線駆動運動モジュールが第1方向に沿って移動する自由度及び第1方向の周りに回動する自由度を増加させ、さらにジョイント構造の運動範囲を向上させ、低侵襲装置の柔軟な操作性を強化する目的を達成する。
【0042】
図3~
図8に示すように、第1位置決め部材2は、第1位置決め部材2の近位端に近接する側に設けられ、隣り合うジョイントユニット1に可動に接続される第1結合部24をさらに含み、第2位置決め部材3は、第2位置決め部材3の近位端から離間する側に設けられ、隣り合うジョイントユニット1に可動に接続される第2結合部34をさらに含む。第1結合部24及び第2結合部によって隣り合うジョイントユニット1を運動させて、ジョイント構造全体の屈曲運動及び伸展運動を行う。第1結合部24及び第2結合部は隣接するジョイントユニット1を制限できることで、位置決め構造と隣接するジョイントユニット1との可動嵌合の安定性を確保し、ジョイント構造を柔軟に湾曲させる。
【0043】
図2に示すように、位置決め構造は位置決めスリーブ5をさらに含み、位置決めスリーブ5は接続線4を制限及び収容するように構成され、位置決めスリーブ5の数は接続線4と同数であり、位置決めスリーブ5は位置決め構造の線収容キャビティ内に設けられ、位置決めスリーブ5の両端は、それぞれ第1位置決め部材2の第1配線ポート21及び第2位置決め部材3の第2配線ポート31で同一の接続線4に接続される。第1位置決め部材2、第2位置決め部材3及び位置決めスリーブ5は共同で嵌合して接続線4の運動を制限し、位置決めスリーブ5は接続線4の軸方向の変位を制限することに用いられる。
【0044】
本実施例では、位置決めスリーブ5はフレキシブル管である。第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに接近する場合、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3はそれぞれ位置決めスリーブ5の両端をその中間部に対して接近させると同時に、位置決めスリーブ5はその内の接続線4を制限及び押圧し、位置決めスリーブ5と接続線4は線収容キャビティ内で同期して絡まるか、又は巻き付けられ、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに離間する場合、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3はそれぞれ位置決めスリーブ5の両端をその中間部から離間させると同時に、位置決めスリーブ5の両端はその内の接続線4を制限及び伸長して、接続線4と位置決めスリーブ5を同期させて広げられ又は伸長運動を行い、接続線4の変位は第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との距離と一致し、ジョイント構造の運動範囲を広げることができる。線駆動運動モジュールは湾曲状態及び初期状態にあり、位置決めスリーブ5内に制限される接続線4の合計長さは変わらない。
【0045】
本実施例では、
図11に示すように、ジョイントユニット1には接続線4に可動に接続される取り付け孔123が設けられ、接続線4は取り付け孔123に当接することによって、隣接するジョイントユニット1を伝動させる。第1配線ポート及び第2配線ポートはそれぞれ接続線を介して、近接するジョイントユニットにおける取り付け孔に互いに接続される。
【0046】
本願に係る線駆動運動モジュールは、
図2~
図8に示すように、第1位置決め部材2は第1接続部22を有し、第2位置決め部材3は第2接続部32を有する。
【0047】
本実施例では、第1接続部22と第2接続部は互いに嵌合されるスクリュー構造であり、第1接続部22と第2接続部32が螺合される場合、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、第1方向はスクリュー構造の軸線方向(
図1に示すZ軸方向)である。
【0048】
本実施例では、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は互いに嵌着された筒体構造であり、第1位置決め部材2は第2位置決め部材3に回動可能に外装され、第1接続部22は第1位置決め部材2の内壁面に成形され、第2接続部32は第2位置決め部材3の外壁面に成形され、線収容キャビティは筒体構造内のキャビティである。
【0049】
線駆動運動モジュールの運動範囲を調整する際には、具体的に操作する時、第1位置決め部材2を固定し、第2位置決め部材3を回動させることで、線駆動運動モジュールを第1方向に変位させ、第2位置決め部材3に隣接するジョイント構造を第1方向の周りに回転させるようにしてもよく、第2位置決め部材3を固定し、第1位置決め部材2を回動させることで、線駆動運動モジュールを第1方向に変位させ、第1位置決め部材2に隣接するジョイント構造を第1方向の周りに回転させるようにしてもよく、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3を同時に回転させることで、線駆動運動モジュールを第1方向に変位させ、第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3にそれぞれ隣接するジョイント構造を第1方向の周りに回転させるようにしてもよく、これら3種類の操作方法は、実際の要件や作業条件に応じて選択してマッチングすることができる。
【0050】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3間の回動角度は回転数に関係しており、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との相対回転角度については、ここで特に限定しない。本実施例では、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の回転可能な回転数を3周とし、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は0度~1080度の任意の角度で螺合可能であり、外部の固定接続部材によって第1位置決め部材2と第2位置決め部材3を互いに固定してもよい。勿論、第1位置決め部材2を外部接続部材に固定し、第2位置決め部材3の外部に歯部材を外装して配置し、外部駆動部材によって歯部材を駆動し、歯部材が第2位置決め部材3を第1位置決め部材2に対して回転させて、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との相対回転角度を0度~1080度に変化させるようにしてもよい。これに対応して、第2位置決め部材3を外部接続部材に固定し、第1位置決め部材2の外部に歯車部材を外装して配置し、外部駆動部材によって歯車部材を駆動し、歯車部材が第1位置決め部材2を第2位置決め部材3に対して回転させて、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との相対回転角度を0度~1080度に変化させるようにしてもよい。
【0051】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、スクリュー構造は、等ピッチねじを採用し、接続線4の伸縮長さは第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との相対変位に等しく、回転数はスクリュー構造のピッチ及び接続線4の長さ変化量に比例する線形関係を示す。ピッチは使用時の作業条件で必要な接続線4の長さ変化量に応じて設定される。
【0052】
位置決め構造全体の長さ、材料については、特に限定せず、第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3の材料は鋼材、医療用プラスチックなどであってもよく、その長さ及び材料は実際の応用シーンに応じて選択してマッチングする。
【0053】
本実施例に係る線駆動運動モジュールは、
図1に示すように、間隔をおいて設けられた第1アダプタ構造6及び第2アダプタ構造7をさらに含み、第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7はジョイント構造の両端に設けられ、第1アダプタ構造6は外部駆動機構に接続されることに適し、第2アダプタ構造7は操作機構に接続されることに適し、位置決め構造は第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7との間に取り付けられる。
【0054】
本実施例では、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造6が外力の作用下で接続線4を牽引して、第2アダプタ構造7とジョイント構造を第1アダプタ構造6に対して同期して連動させて湾曲させる湾曲状態を有する。
【0055】
本実施例では、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造6が外力の作用下で接続線4を牽引して、第1アダプタ構造6、位置決め構造及び第2アダプタ構造7を同軸に設ける初期状態を有する。
【0056】
外部駆動機構によって第1アダプタ構造6の運動を駆動及び調整し、接続線4とジョイント構造との連係によって第2アダプタ構造7を伝動させることで、線駆動運動モジュールが湾曲状態と初期状態と間に切り替わることができる。湾曲状態及び初期状態では、第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7は位置決め構造の周りに対応する運動を行い、初期状態では、すべての接続線4の長さを同じにすることができ、第2アダプタ構造7と第1アダプタ構造6との同期連動を促進して、第2アダプタ構造7を所望の運動動作及び位置に到達させることができ、モジュール全体の設計により、接続線4がジョイントユニット1を連動させる安定性が向上し、ジョイント構造の接続強度の向上に有利であり、線駆動運動モジュール全体の運動性能のバランスが取られる。
【0057】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、
図1に示すように、接続線4は2本以上設けられ、すべての接続線4は位置決め構造の軸線方向に回転対称に設けられる。接続線4は、ジョイント構造を回動させ、隣接するジョイントユニット1を可動に嵌合することに用いられる。本実施例では、接続線4は、接続線4がジョイントアセンブリと第2アダプタ構造7を駆動する目的を達成し、さらに線駆動運動モジュールの連動の機能を実現するために、弾性繊維ロープ、ニッケルチタンワイヤなどの弾性材料を選択してもよい。
【0058】
本実施例では、
図1に示すように、4本の接続線4を例にし、4本の接続線4は線駆動運動モジュールにそれぞれ挿通されて分布している。本実施例では、接続線4の両端は第1アダプタ構造6及び第2アダプタ構造7にそれぞれ固定して接続され、接続線4はすべてのジョイントユニット1及び位置決め構造に挿通され、ジョイントユニット1及び位置決め構造に可動に接続される。
【0059】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、前記初期状態では、すべての接続線4の長さは同じであり、それによって接続線4は第1アダプタ構造6の運動により牽引されて、第1アダプタ構造6の運動にマッチングするように隣接するジョイントユニット1及び第2アダプタ構造7を対応して調整することができ、線駆動運動モジュールは接続線4が位置決め構造に当接することによって、第1アダプタ構造6が接続線4の一端を牽引して運動させる場合、接続線4の他端が位置する第2アダプタ構造7にマッチングする動作を実行させ、それによって連動湾曲過程を実現する。接続線4は第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7との間に緊密に固定して接続され、線駆動運動モジュール全体は優れたジョイント強度を有する。
【0060】
図13に示すように、第1アダプタ構造6は第1アダプタ本体62を含み、
図1に示すように、第2アダプタ構造7は第2アダプタ本体72を含み、第1アダプタ本体62と第2アダプタ本体72は間隔をおいて設けられ、第1アダプタ本体62は接続ジョイントユニット1から離間する側の第1端面623を有し、第2アダプタ本体72は接続ジョイントユニット1から離間する側の第2端面723を有し、
図1に示すように、第1端面623は線駆動運動モジュールの近位端部分に位置し、
図9に示すように、第2端面721は線駆動運動モジュールの遠位端部分に位置し、線駆動運動モジュールの初期状態では、第1端面623と第2端面721は対向して設けられる。
【0061】
なお、具体的には、線駆動運動モジュールを駆動して運動させる場合、第1端面623は駆動機構が駆動する基準面として機能でき、まず、駆動機構によって第1アダプタ構造6を駆動して位置調整を行い、線駆動運動モジュール全体を三次元空間内で運動させて対応する湾曲動作姿勢を実現した後、駆動機構によって第1端面623を調整し、対応する動作を第1端面623と第2端面721に実行させて、第2端面721の位置及び向きを調整する目的を達成することができ、それによって第2アダプタ構造7の操作機構に所定の目標位置及び目標方向の動作を実行させることができる。これに対応して、まず、駆動機構によって第1端面623を調整し、第1端面623に対応する動作を第2端面721に実行させ、さらに駆動機構によって第1アダプタ構造6を駆動して位置調整を行い、線駆動運動モジュール全体を三次元空間内で運動させて対応する湾曲動作姿勢を実現する。第1端面623は、駆動機構を接続するための取り付け面として機能でき、第1端面623の形状は、平面、曲面又は段差面であってもよく、ここでは特に限定されない。
【0062】
本実施例では、第1アダプタ構造6は第2アダプタ構造7と同じであり、第1アダプタ構造6を例にし、
図13及び
図14に示すように、第1アダプタ構造6は組立孔622をさらに含み、組立孔622内に接続線4が挿通されて固定され、組立孔622と接続線4との接続は、溶接、接着及び締結部材によるロックを含むがこれらに限定されない。
【0063】
図1、
図13及び
図14に示すように、第1アダプタ構造6は、ジョイントユニット1に可動に接続される第3結合部61を含み、第2アダプタ構造7は、ジョイントユニット1に可動に接続される第4結合部71を含む。第3結合部61と接続線4の組み合わせによって第1アダプタ構造6の動力及びトルクをジョイント構造に伝達し、第4結合部71と接続線4との組み合わせによって動力及びトルクを受けて第2アダプタ構造7に伝達することで、第1アダプタ構造6の運動位置に応じて第2アダプタ構造7を連動変化させる。
【0064】
本実施例では、位置決め構造と第1アダプタ構造6との間のジョイント単体の数及び位置決め構造と第2アダプタ構造7との間のジョイント単体の数量については、特に限定しない。
図1には、本実施例では位置決め構造の両端のジョイントユニット1の数が同じである使用状況が示される。
【0065】
第1アダプタ構造6と位置決め構造との間のジョイント構造を第1ジョイントアセンブリ、第2アダプタ構造7と位置決め構造との間のジョイント構造を第2ジョイントアセンブリと命名する。なお、線駆動運動モジュールでは、第1アダプタ構造6及び第1ジョイントアセンブリは第2アダプタ構造7及び第2ジョイントアセンブリに対して湾曲可能であり、駆動機構により位置決め構造に対して三次元空間内で生じる第1アダプタ構造6の変位は、第1アダプタ構造6と位置決め構造との間に隣り合って接続されるジョイントユニット1同士の回動及び接続線4自体の弾性伸縮によって補償され、第1ジョイントアセンブリに柔軟な屈伸動作を実行させ、このとき、第1端面623と第2端面721は空間内に元々平行に設けられる位置関係を維持し、第2アダプタ構造7及び第2ジョイントアセンブリは、元の姿勢をそのまま維持する。第1ジョイントアセンブリの柔軟な活動の範囲内で、駆動機構は第1アダプタ構造6を駆動して、線駆動運動モジュールの湾曲動作過程における位置によって第1ジョイントアセンブリに対いて屈伸調整を行い、それによって第1ジョイントアセンブリを所望の動作姿勢及び屈伸動作過程における位置に到達させ、使用時の作業条件の要件を満たすことができる。これに対応して、まず、駆動機構により第1アダプタ構造6を駆動し、第1ジョイントアセンブリに対して屈伸調整を行い、さらに駆動機構により第1アダプタ構造6を駆動し、線駆動運動モジュール全体に湾曲動作を発生させることができ、それによって作業条件の要件を満たす。
【0066】
なお、線駆動運動モジュールは、到達可能な動作姿勢のうちのいずれか1つの姿勢を駆動機構が駆動する初期位置とすることができ、線駆動運動モジュールは操作が柔軟で、運動の連続性と安定性が高い利点を有する。
【0067】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、同一の接続線4は第1位置決め部材2の第1配線ポート21及び第2位置決め部材3の第2配線ポート31内に挿通され、第1位置決め部材2が第2位置決め部材3の第1回転位置に螺設される場合、第1配線ポート21と第2配線ポート31との結ぶ線の方向は第1方向と同じ方向に設けられ、
図9に示すように、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造6が外力の作用下で接続線4を牽引して、第2アダプタ構造7とジョイント構造を第1アダプタ構造6に対して同期して連動させて湾曲させてS字状に運動させる第1湾曲状態を有する。外部の駆動機構によって第1アダプタ構造6を駆動することで、第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7をX-Y平面上で対向運動させ、第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7を逆方向に湾曲させることができる。
図9に示すように、第1端面623と第2端面721は平行に設けられ、第1端面623を操作することによって、対応する動作を第2端面721に同期して実行させることができる。
【0068】
第1位置決め部材2が第2位置決め部材3に対して回動する場合、第1位置決め部材2が第2位置決め部材3の第2回転位置に螺設される場合、第1配線ポート21と第1方向が位置する第1平面と、第2配線ポート31と第1方向が位置する第2平面とは90度の角度をなし、
図10に示すように、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造6が外力の作用下で接続線4を牽引して、第2アダプタ構造7とジョイント構造を第1アダプタ構造6に対して同期して連動させて湾曲させて非同一面のS字状に運動させる第2湾曲状態を有する。外部の駆動機構によって第1アダプタ構造6を駆動して
図1に示すX軸の延在方向に運動させると、第1アダプタ構造6及び第1ジョイントアセンブリは一緒にX軸の延在方向に湾曲運動し、このとき、接続線4の伝動作用下で、第2アダプタ構造7及び第2ジョイントアセンブリは一緒に
図1に示すY軸の延在方向に湾曲運動し、第1ジョイントアセンブリの湾曲方向と第2ジョイントアセンブリの湾曲方向のX-Y平面上での投影は90度をなして設けられ、ジョイントアセンブリを所望の動作姿勢及び非同一面のS字状の曲線動作過程における位置に到達させ、使用時の作業条件の要件を満たすことができる。
【0069】
第1位置決め部材2が第2位置決め部材3に対して回動する場合、第1位置決め部材2が第2位置決め部材3の第3回転位置に螺設される場合、第1配線ポート21と第1方向が位置する第1平面と、第2配線ポート31と第1方向が位置する第2平面とは180度の角度をなし、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造6が外力の作用下で接続線4を牽引して、第2アダプタ構造7とジョイント構造を第1アダプタ構造6に対して同期して連動させて湾曲させてC字状に運動させる第3湾曲状態を有する。外部の駆動機構によって第1アダプタ構造6を駆動することで、第1アダプタ構造6と第2アダプタ構造7を周方向平面で位置決め本体の径方向平面に沿って互いに接近して運動させ、ジョイントアセンブリを所望の動作及び位置に到達させ、所望の作業条件を満たすことができる。
【0070】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、線駆動運動モジュールは、第1アダプタ構造6が外力の作用下で回動して、接続線4を牽引し、第2アダプタ構造7とジョイント構造を駆動して第1アダプタ構造6と同期して向きを変える向き変更状態をさらに有する。本実施例では、全体が向きを変更して回転する場合、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は互いに固定され、位置決め構造と外部の支持リングは回動可能に接続され、それによって、線駆動運動モジュールが位置決め構造の軸心線の周りに回転する目的を達成する。
【0071】
一実施形態を例にし、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の回動限界位置は第3回転位置であり、従って、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の回動過程において、第1配線ポート21と第2配線ポート31は第1回転位置と第2回転位置に対応する位置を複数回通過することができ、それによって、1つの位置決め構造だけで、例えば、第1回転位置、第2回転位置、第3回転位置の形態など複数種の第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の回動位置を満たすことができ、さらに使用者のニーズを満たすことができる。
【0072】
別の変形可能な実施形態では、第1回転位置を第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の回動限界位置としてもよく、これに対応して、第2回転位置、及び第3回転位置は過程位置であってもよい。同様に、第2回転位置を第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の回動限界位置としてもよく、これに対応して、第1回転位置、及び第3回転位置はいずれも過程位置であってもよい。
【0073】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、
図11及び
図12に示すように、ジョイントユニット1は、回動部材11及び制限サポート12を含み、回動部材11の周方向に制限部111が設けられ、制限サポート12は回動部材11に固定して接続され、制限サポート12内には隣り合うジョイントユニット1の回動部材11を可動に接続するための収容キャビティ121を有し、収容キャビティ121内には制限部材13をさらに有し、制限部材13は隣り合うジョイントユニット1の制限部111と嵌合して隣り合うジョイントユニット1の回動部材11の軸方向の回動を制限する。隣り合うジョイントユニット1は2つの垂直なピボットを有し、一方のピボットは制限部材13の延在方向に平行であり、他方のピボットは制限部材13の径方向平面と制限部材13の延在方向との交差線に平行である。
【0074】
本実施例では、回動部材11は球体であり、収容キャビティ121の内壁面は隣接するジョイントユニット1の回動部材11の外壁面にマッチングし、制限部111は2つ設けられ、2つの制限部111は嵌合して球体を形成し、2つの制限部111は間隔をおいて設けられることで、部材13を制限する組立空間を形成し、制限部材13は組立空間に可動に接続される。
【0075】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、
図3及び
図5に示すように、第1位置決め部材2は、その延在方向と同じ方向に延在している第1接続孔23を含み、
図7に示すように、第2位置決め部材3は、その延在方向と同じ方向に延在している第2接続孔33を含み、
図13及び
図14に示すように、いずれか1つのアダプタ構造は、その延在方向と同じ方向に延在している第3接続孔621を有し、
図11及び
図12に示すように、いずれか1つのジョイントユニット1は芯孔122を有し、すべての芯孔122、すべての第2接続孔33及び第1接続孔23は共同で介入通路を構成し、介入通路は外部チューブが挿通することに適する。アダプタ構造、ジョイント構造及び位置決め構造にマッチングする孔を配置することで、医療などの目的に使用される介入通路を構成し、介入通路により形成される操作空間によって、介入通路内にフレキシブルチューブを接続することができ、線駆動運動モジュールが湾曲変化すると、チューブを一緒に湾曲させ、それによって所望の作業条件を満たす。
【0076】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、第1結合部24及び第2結合部34は回動部材11の構造と同じであり、第3結合部61及び第4結合部71は制限サポート12の構造と同じである。結合部は動力及びトルクを伝達する役割を果たし、接続線4によるジョイント構造及びアダプタ構造の連動を伝動し、また、結合部はジョイント構造を制限されて回動可能に接続することに用いられる。
【0077】
本実施例の代替可能な実施形態では、第1結合部24及び第2結合部34は制限サポート12の構造と同じであり、第3結合部61及び第4結合部71は回動部材11の構造と同じである。
【0078】
本実施例の代替可能な実施形態として、第1位置決め部材2は第3接続部を有し、第2位置決め部材3は第4接続部を有し、第3接続部と第4接続部は互いに嵌合される摺動構造であり、第3接続部と第4接続部が相対的に摺動する場合、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、第1方向は摺動構造の摺動方向である。第3接続部と第4接続部は嵌合して摺動可能であることで、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3を接近又は離間運動させ、それによって第1位置決め部材2に接続されるジョイント構造と第2位置決め部材3に接続されるジョイント構造に屈曲運動又は伸展運動を実行させ、位置決めスリーブ5は第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3によって囲まれた収容キャビティ内を湾曲運動可能であり、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って相対的に接近する場合、位置決めスリーブ5と接続線4は一緒に湾曲して折り畳まれ、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って相対的に離間する場合、位置決めスリーブ5と接続線4は一緒に伸長して広げられる。
【0079】
本実施例の代替可能な実施形態として、第1接続部22と第2接続部32は互いに嵌合されるスクリュー構造であり、スクリュー構造は可変ピッチねじを有し、第1配線ポート21及び第2配線ポート31内に接続線4が直接挿通され、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに接近する場合、スクリュー構造はねじ込み動作中にあり、接続線4の相対伸びは可変ピッチねじを有するスクリュー構造とともに線収容キャビティ内に制限及び収容され、位置決め構造の両端のジョイント構造は第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3の駆動下で互いに接近して屈曲し、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに離間する場合、スクリュー構造はねじ出し動作中にあり、接続線4は線収容キャビティ内に制限及び収容され、位置決め構造の両端のジョイント構造は第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3の駆動下で互いに離間して伸展し、接続線4の長さの変化量は可変ピッチねじのピッチと同じであり、スクリュー構造は接続線4を制限し、可変ピッチねじによって接続線4自体の長さの線駆動運動モジュールへの影響を解消する。なお、このとき、第1接続部22と第2接続部32との相対回動の最大角度は180度である。
【0080】
本実施例の代替可能な実施形態では、位置決め構造において、第1結合部24及び第2結合部34はジョイントユニット1で形成されてもよく、動力及びトルクを伝達する目的を達成する。1つ又は2つのジョイントユニット1を位置決め構造の第1方向の端部に直接固定し、その固定方法は一体成形、溶接、ねじ接続又はボルト接続などであってもよく、当該ジョイントユニット1とジョイント構造は直列で可動に接続される。
【0081】
本実施例の代替可能な実施形態では、第1アダプタ構造6の第3結合部61及び第2アダプタ構造7の第4結合部71のうち、いずれか1つの結合部はジョイントユニット1で形成されてもよく、動力及びトルクを伝達する目的を達成する。1つのジョイントユニット1を第1アダプタ構造6の遠位端又は第2アダプタ構造7の近位端に直接固定し、固定方法は一体成形、溶接、ねじ接続又はボルト接続などであってもよく、当該ジョイントユニット1はジョイント構造に直列で可動に接続される。
【0082】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が互いに接近して運動してジョイント構造の運動位置を調整することを例にし、その使用過程は以下の通りである。第1位置決め部材2を外部に固定し、第2位置決め部材3を回動させることで、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3を相対的に接近して運動させ、位置決めスリーブ5の両端は第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3の駆動作用で、位置決めスリーブ5の中間部に接近すると同時に、位置決めスリーブ5は巻き付け運動し、位置決めスリーブ5は接続線4を制限及び押圧して、接続線4を一緒に巻き付け運動させ、第1位置決め部材2に接続されるジョイント構造は元の位置及び姿勢にあり、第2位置決め部材3に接続されるジョイント構造は第2位置決め部材3の回動とともに回転しながら第1位置決め部材2に接近して運動し、このとき、ジョイント構造全体は元のジョイント構造に対して屈曲姿勢にあり、線駆動運動モジュール全体は第1方向に収縮運動する。
【0083】
本実施例に係る線駆動運動モジュールでは、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間することによって、第1位置決め部材2に接続されるジョイント構造と第2位置決め部材3に接続されるジョイント構造を、第1方向に接近又は離間運動するように対応して変位させ、それによって第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の運動によってジョイント構造の運動位置を調整し、位置決め構造によって第1方向にジョイント構造の運動軌跡を調整する目的を達成し、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が位置決めして嵌合することで、位置決め構造内に接続される接続線4の長さを一定に限定し、具体的には、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに接近する場合、このとき、接続線4を線収容キャビティ内に制限し、ジョイント構造は屈曲運動を行い、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3が第1方向に沿って互いに離間する場合、線収容キャビティ内で接続線4を解放し、このとき、接続線4をまっすぐになるように延ばし、ジョイント構造は伸展運動を行い、第1位置決め部材2及び第2位置決め部材3が位置決め構造内の接続線4の両端の距離を一定に限定する場合、位置決め構造内の接続線4の長さは常に一定であり、第1位置決め部材2と第2位置決め部材3の第1方向にけるスライドに応じて変化することはなく、位置決め構造内の接続線4の変化運動は第1位置決め部材2と第2位置決め部材3との相対運動及び位置決め構造の両端に位置するジョイント構造の運動軌跡位置にマッチングし、ジョイント構造の運動軌跡を最適化し、ジョイント構造の運動範囲を向上させ、低侵襲装置の柔軟な操作性を強化する目的を達成する。
【実施例2】
【0084】
本実施例は、低侵襲手術用鉗子を提供し、実施例1の線駆動運動モジュールを含み、従って、線駆動運動モジュールによる利点を有し、位置決め構造の回動によって、ジョイント構造が第1方向に沿って運動する機能、及び第1位置決め部材2と第2位置決め部材3に接続されるジョイント構造を回動させる機能を線駆動運動モジュールに付与し、ジョイント構造の運動範囲を効果的に向上させることができ、それによって、対応する運動及び回動の機能を低侵襲手術用鉗子に付与し、低侵襲手術用鉗子の柔軟な操作を広げることができる。また、一体化されたモジュール構造によって、全体的な接続がコンパクトで、接続強度が高く、低侵襲手術用鉗子の組立過程を促進し、使用中の安定性を高めることができる。
【0085】
明らかなように、上記実施例は明確に説明するための例に過ぎず、実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記説明に基づき他の種々の形態の変形や変更を行うことができる。ここですべての実施形態を網羅する必要も可能性もない。それにより派生される明らかな変形や変更も本願の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0086】
1-ジョイントユニット;11-回動部材;111-制限部;12-制限サポート;121-収容キャビティ;122-芯孔;123-取り付け孔;13-制限部材;
2-第1位置決め部材;21-第1配線ポート;22-第1接続部;23-第1接続孔;24-第1結合部;
3-第2位置決め部材;31-第2配線ポート;32-第1接続部;33-第2接続孔;34-第2結合部;
4-接続線;5-位置決めスリーブ;
6-第1アダプタ構造;61-第3結合部;62-第1アダプタ本体;621-第3接続孔;622-組立孔;623-第1端面;
7-第2アダプタ構造;71-第4結合部;72-第2アダプタ本体;721-第2端面。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線駆動運動モジュールであって、
一端が外部駆動機構に接続されることに適し、他端が外部操作機構に接続されることに適し、互いに接続される複数のジョイントユニット(1)を含むジョイント構造と、
隣り合う2つの前記ジョイントユニット(1)の間に設けられ、第1位置決め部材(2)及び第2位置決め部材(3)を含み、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は可動に接続され、第1方向に対して互いに接近又は離間可能である位置決め構造と、
すべての前記ジョイントユニット(1)及び前記位置決め構造内に挿通される少なくとも2本の接続線(4)であって、各接続線(4)は前記位置決め構造内の両端に挿通され、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は前記位置決め構造内の接続線(4)を制限する少なくとも2本の接続線(4)と、を含み、
前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに接近する場合、前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)及び前記第2位置決め部材(3)によって共同で囲まれた線収容キャビティ内に制限及び収容され、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに離間する場合、前記接続線(4)は前記線収容キャビティ内でまっすぐになることを特徴とする線駆動運動モジュール。
【請求項2】
前記位置決め構造は少なくとも2つの位置決めスリーブ(5)をさらに含み、前記位置決めスリーブ(5)は、前記接続線(4)に対応して設けられ、前記接続線(4)を制限及び収容するように構成され、前記位置決めスリーブ(5)は前記線収容キャビティ内に設けられ、前記位置決めスリーブ(5)の両端は、それぞれ前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)で同一の前記接続線(4)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項3】
前記位置決めスリーブ(5)はフレキシブル管であり、
前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに接近する場合、前記フレキシブル管と前記接続線(4)は前記線収容キャビティ内で同期して折り畳まれるか、又は絡まるか、又は巻き付けられ、
前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)が前記第1方向に沿って互いに離間する場合、前記フレキシブル管と前記接続線(4)は同期して広げられ又は伸長されることを特徴とする請求項2に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項4】
間隔をおいて設けられた第1アダプタ構造(6)及び第2アダプタ構造(7)をさらに含み、前記第1アダプタ構造(6)と前記第2アダプタ構造(7)は前記ジョイント構造の両端に設けられ、前記第1アダプタ構造(6)は外部駆動機構に接続されることに適し、前記第2アダプタ構造(7)は操作機構に接続されることに適し、
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させる湾曲状態と、前記第1アダプタ構造(6)、前記位置決め構造及び前記第2アダプタ構造(7)が同軸に設けられる初期状態と、を有し、前記線駆動運動モジュールは、前記湾曲状態と前記初期状態との間に切り替わるように設けられることを特徴とする請求項
1に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項5】
前記第1位置決め部材(2)は、第1接続部(22)を有し、前記第2位置決め部材(3)は、第2接続部(32)を有し、
前記第1接続部(22)と前記第2接続部(32)は互いに嵌合されるスクリュー構造であり、前記第1接続部(22)と前記第2接続部(32)が螺合される場合、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、前記第1方向はスクリュー構造の軸線方向であることを特徴とする請求項4に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項6】
第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は互いに嵌着された筒体構造であり、前記第1接続部(22)は前記第1位置決め部材(2)の内壁面に成形され、前記第2接続部は前記第2位置決め部材(3)の外壁面に成形され、線収容キャビティは筒体構造内のキャビティであることを特徴とする請求項5に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項7】
同一の前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)内に挿通され、前記第1位置決め部材(2)が前記第2位置決め部材(3)の第1回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポート(21)と前記第2配線ポート(31)との結ぶ線の方向は第1方向と同じ方向に設定され、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させてS字状に運動させる第1湾曲状態を有することを特徴とする請求項4に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項8】
前記湾曲状態では、前記第1アダプタ構造(6)の前記ジョイント構造に接続される側から離間する第1端面と前記第2アダプタ構造(7)の前記ジョイント構造に接続される側から離間する第2端面は平行に設けられることを特徴とする請求項7に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項9】
同一の前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)内に挿通され、
前記第1位置決め部材(2)が前記第2位置決め部材(3)の第2回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポート(21)と前記第1方向が位置する第1平面と、前記第2配線ポート(31)と前記第1方向が位置する第2平面とは90度の角度をなし、前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させて非同一面のS字状に運動させる第2湾曲状態を有することを特徴とする請求項5に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項10】
同一の前記接続線(4)は前記第1位置決め部材(2)の第1配線ポート(21)及び前記第2位置決め部材(3)の第2配線ポート(31)内に挿通され、前記第1位置決め部材(2)が前記第2位置決め部材(3)の第3回転位置に螺設される場合、前記第1配線ポート(21)と前記第1方向が位置する第1平面と、前記第2配線ポート(31)と前記第1方向が位置する第2平面とは180度の角度をなし、
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で前記接続線(4)を牽引して、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を前記第1アダプタ構造(6)に対して同期して連動させて湾曲させてC字状に運動させる第3湾曲状態を有することを特徴とする請求項5に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項11】
前記第1位置決め部材(2)は、第3接続部を有し、前記第2位置決め部材(3)は、第4接続部を有し、
前記第3接続部と前記第4接続部は互いに嵌合される摺動構造であり、前記第3接続部と前記第4接続部が相対的に摺動する場合、前記第1位置決め部材(2)と前記第2位置決め部材(3)は第1方向に沿って相対的に接近又は離間し、前記第1方向は摺動構造の摺動方向であることを特徴とする請求項4に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項12】
前記線駆動運動モジュールは、前記第1アダプタ構造(6)が外力の作用下で回動して、前記接続線(4)を牽引し、前記第2アダプタ構造(7)と前記ジョイント構造を駆動して第1アダプタ構造(6)と同期して向きを変える向き変更状態をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項13】
前記ジョイントユニット(1)は、
周方向に制限部(111)が設けられる回動部材(11)と、
前記回動部材(11)に固定接続される制限サポート(12)であって、前記制限サポート(12)内には隣り合うジョイントユニット(1)の前記回動部材(11)を可動に接続するための収容キャビティ(121)を少なくとも1つ有し、前記収容キャビティ(121)内には制限部材(13)をさらに有し、前記制限部材(13)は隣り合うジョイントユニット(1)の前記制限部(111)と嵌合して隣り合うジョイントユニット(1)の回動部材(11)の軸方向の回動を制限する制限サポート(12)と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項14】
前記回動部材(11)は球体であり、前記収容キャビティ(121)の内壁面は隣接する前記ジョイントユニット(1)の回動部材(11)の外壁面にマッチングし、
前記制限部(111)は2つ設けられ、2つの前記制限部(111)は嵌合して前記球体を形成し、
2つの前記制限部(111)は間隔をおいて設けられることで、前記制限部材(13)を制限する組立空間を形成し、前記制限部材(13)は前記組立空間に可動に接続されることを特徴とする請求項13に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項15】
前記第1位置決め部材(2)は、その延在方向と同じ方向に延在している第1接続孔(23)を含み、
前記第2位置決め部材(3)は、その延在方向と同じ方向に延在している第2接続孔(33)を含み、
いずれか1つのアダプタ構造は、その延在方向と同じ方向に延在している第3接続孔(621)を有し、
いずれか1つのジョイントユニット(1)は、芯孔(122)を有し、すべての前記芯孔(122)、すべての前記第2接続孔(33)及び前記第1接続孔(23)は共同で介入通路を構成し、前記介入通路は外部チューブが挿通することに適することに適することを特徴とする請求項13に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項16】
前記第1位置決め部材(2)は、前記第1位置決め部材(2)の近位端に近接する側に設けられ、前記ジョイント構造に可動に接続される第1結合部(24)をさらに含み、
前記第2位置決め部材(3)は、前記第2位置決め部材(3)の近位端から離間する側に設けられ、前記ジョイント構造に可動に接続される第2結合部(34)をさらに含み、
前記第1結合部(24)及び前記第2結合部(34)は前記回動部材(11)の構造と同じであるか、又は前記制限サポート(12)の構造と同じであることを特徴とする請求項15に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項17】
前記第1アダプタ構造(6)は、前記ジョイントユニット(1)に可動に接続される第3結合部(61)を含み、
前記第2アダプタ構造(7)は、前記ジョイントユニット(1)に可動に接続される第4結合部(71)を含み、
前記第3結合部(61)及び前記第4結合部(71)は、前記回動部材(11)の構造と同じであるか、又は前記制限サポート(12)の構造と同じであることを特徴とする請求項16に記載の線駆動運動モジュール。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の線駆動運動モジュールを含むことを特徴とする低侵襲手術用鉗子。
【国際調査報告】