(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-25
(54)【発明の名称】点眼薬計量投与デバイス
(51)【国際特許分類】
A61J 1/05 20060101AFI20250217BHJP
【FI】
A61J1/05 313C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541902
(86)(22)【出願日】2023-01-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-30
(86)【国際出願番号】 FR2023000004
(87)【国際公開番号】W WO2023135376
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524261587
【氏名又は名称】アクリビジョン テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドール、フィリペ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ、ピエール
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC24
4C047EE03
(57)【要約】
本発明は、1つ又は複数の有効成分を任意選択的に含む点眼薬計量投与デバイス1に関し、デバイスは、点眼薬供給ダクト5であって、供給ダクトは開放計量投与端部40を有する、点眼薬供給ダクト5と、計量投与端部の近傍にある計量投与面41とを備える計量投与ヘッド4を備え、計量投与面41は、計量投与端部40の少なくとも一方側において計量投与端部40の下方に延在し、計量投与端部は、計量投与面に点眼薬を供給するように配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の有効成分を任意選択的に有する点眼薬を計量投与するためのデバイス(1;100;110;120;130)であり、点眼薬水溶液のための供給路(5;410;410b)であって、前記供給路は開放送出端部(40)を有する、供給路(5;410;410b)と、前記送出端部の近位にある計量投与面(41;141)とを有する計量投与ヘッド(4;104;114;134)を備えるデバイス(1;100;110;120;130)であって、前記デバイスが前記計量投与ヘッドが上向きになった垂直位置にあるとき、前記計量投与面は、前記送出端部の少なくとも一方側において前記送出端部の下方に延在し、前記送出端部は、前記計量投与面に向かって前記点眼薬(G)を生成するように配置されることを特徴とする、デバイス(1;100;110;120;130)。
【請求項2】
前記送出端部は、前記デバイスの長手方向軸に対して非対称であることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記送出端部は、前記計量投与面に向かって傾斜した開口を有することを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記傾斜した開口は傾斜した面を有することを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記供給路は、前記デバイスの長手方向軸に対して傾斜した遠位部分を有し、前記送出端部は、前記傾斜した遠位部分に位置することを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記供給路は、近位端部に位置付けられ、液滴の保持を可能とし、前記液滴を検量するように配置された吸着バッファ面(415)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記供給路は、送出ポンプ(20;30)を形成する手段を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
送出ポンプを形成する前記手段は、蠕動ポンプを備えることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記供給路は逆止弁(412)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記供給路は抗菌性及び/又は殺菌性フィルタ(411)を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記計量投与面は、前記送出端部の反対側に計量投与リム(42)を備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記計量投与面は、卵形状部分又は球体の一部分の形態の平坦な底部を有することを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記計量投与面は疎水性であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ又は複数の有効成分を任意選択的に有する点眼薬を計量投与するためのデバイスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、点眼薬を計量投与するためのデバイスの大部分は、患者であるユーザが、彼ら/彼女らの頭部を後方に傾け、点眼薬計量投与器具を計量投与器具の送出端部が患者の目標の目のほぼ上にあるように保持しなければならないように設計されている。計量投与器具がこの位置に配置されると、点眼薬を目標の目の中に落下させるために、患者は、一般的に、計量投与デバイスに関連する小瓶の本体部を押し潰す。このことは、通常、処方された投薬量の観点において、多すぎる量の点眼薬水溶液が目標の目に適用されてしまうこと、又は点眼薬が目標の目に入らないことなど、点眼薬水溶液の不首尾な計量投与につながり、又、点眼の手順を実施することは、患者が第三者を呼んでこの手順を実行してもらったとしても、患者にとって不便であることは言うまでもない。現在まで、患者が、彼ら/彼女らの頭部を後方に傾けることなしに点眼薬を目にさすことを可能とする点眼薬計量投与器具は市場に存在しない。計量投与補助器具は存在するが、それらの設計も、これらを既存の点眼薬計量投与器具と組み合わせて使用するときに、点眼薬を目にさすために患者が頭部を後方に傾けることを必要とする。
【0003】
これらの欠点のうちのいくつかを克服するために、文書米国特許第6,869,421号は、点眼薬を重力によらずに提供するための点眼薬計量投与器具を説明している。このために、この文書の計量投与デバイスは、提供面を有し、提供面の底部には、小瓶から点眼薬水溶液を供給して、提供面に液滴を形成し、液滴が堆積する傾斜角度、又は患者の目標の目の表面に落下する傾斜角度から始まって、所定の計量投与傾斜角度に達するまで液滴を所定位置に維持するための一連の毛管チューブが開口している。計量投与は、患者の頭部を傾けることによって行われる。しかしながら、この操作も患者にとってはやりにくいものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述された欠点を有さない点眼薬計量投与器具を入手可能とすることであり、特には、この点眼薬計量投与器具は、患者が彼ら/彼女らの頭部を後方に傾け、彼ら/彼女らの腕を頭部の上に持ち上げる必要なしに、点眼薬が処方された投薬量に従って計量投与されることを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、1つ又は複数の有効成分を任意選択的に有する点眼薬を計量投与するためのデバイスを提供し、デバイスは、点眼薬水溶液のための供給路であって、供給路は開放送出端部を有する、供給路と、送出端部の近位にある計量投与面とを有する計量投与ヘッドを備え、計量投与面は、送出端部の少なくとも一方側において送出端部の下方に延在し、デバイスが垂直位置にあるとき、計量投与ヘッドが上部にあり、送出端部は、計量投与面に向かって点眼薬を生成するように配置され、それによって、患者が頭部を後方に傾ける必要なしに点眼薬を目に注ぐことを可能とする。
【0007】
有利に、しかし任意選択的には、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスは、以下の技術的特徴のうちの少なくとも1つを有する。
・送出端部は、デバイスの長手方向軸に対して非対称であること。
・送出端部は、計量投与面に向かって傾斜した開口を有すること。
・傾斜した開口は傾斜した面を有すること。
・供給路は、デバイスの長手方向軸に対して傾斜した遠位部分を有し、送出端部は、傾斜した遠位部分に位置すること。
・供給路は、近位端部に位置付けられ、液滴の保持を可能とし、液滴を検量するように配置された吸着バッファ面を備えること。
・供給路は、送出ポンプを形成する手段を有すること。
・送出ポンプを形成する手段は、蠕動ポンプを備えること。
・供給路は抗菌性フィルタを備えること。
・供給路は逆止弁を備えること。
・計量投与面は、送出端部の反対側に計量投与リムを備えること。
・計量投与面は、卵形状部分又は球体の一部分の形態の平坦な底部を有すること。
・計量投与面は疎水性であること。
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の実施例の以下の説明を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの第1の実施例の概略的な断面図である。
【
図2】
図1の計量投与デバイスの部分的な三次元図である。
【
図3】
図1の計量投与デバイスの部分的な断面図である。
【
図4a】点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの第2の実施例の三次元図である。
【
図4b】点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの第2の実施例の三次元図である。
【
図5】単一回投薬小瓶の形態での
図1の計量投与デバイスの代替的な実施例の三次元図である。
【
図6】
図4a及び
図4bの計量投与デバイスの代替的な実施例の三次元図である。
【
図7a】
図4a、
図4b又は
図6のデバイスの3つの代替的な実施例のうちの1つの部分的な断面図である。
【
図7b】
図4a、
図4b又は
図6のデバイスの3つの代替的な実施例のうちの1つの部分的な断面図である。
【
図7c】
図4a、
図4b又は
図6のデバイスの3つの代替的な実施例のうちの1つの部分的な断面図である。
【
図8a】
図4a、
図4b又は
図6の計量投与デバイスの第4の代替的な実施例の部分的な断面図である。
【
図8b】
図4a、
図4b又は
図6の計量投与デバイスの第4の代替的な実施例の部分的な断面図である。
【
図9a】点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの第3の実施例の部分的な断面図である。
【
図9b】
図9aの計量投与デバイスのヘッドの詳細な断面図である。
【
図9c】
図9aの計量投与デバイスのヘッドの詳細な断面図である。
【
図10】
図7cのデバイスの実際の実施態様の部分的な断面図である。
【
図11】
図7aのデバイスの実際的な実施例の部分的な断面図である。
【
図12】点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの別の代替的な実施例の部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
より明確にするために、同一の又は類似の要素は、全ての図面において同一の参照記号によって特定される。
【0011】
最初に、説明全体を通じて、「点眼薬を計量投与するためのデバイス」とは、単一回投薬又は複数回投薬用小瓶、独立的な小瓶と協調するものと意図されたヘッド又はキャップなど、この目的のために設計された任意のタイプのデバイスを意味するものと理解されることが留意される。
【0012】
更には、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの実施例の様々な要素及び特徴の以下の説明は、垂直直立位置にある前記デバイス、すなわち、図面において示されるように、垂直位置において、計量投与ヘッドが上向きになった状態で、故に患者が頭部を後方に傾けることなしに点眼薬を目に注ぐことを可能とする前記デバイスとともになされる。
【0013】
図1から
図3を参照すると、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1の第1の実施例が説明される。ここで、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1は、垂直位置において、計量投与ヘッドが上部にある状態で、柔軟性小瓶2と、ヘッド支持体3と、計量投与ヘッド4とを有する。小瓶2、ヘッド支持体3及びヘッド4は、単一の部品として一体的に作られる。ここで、ヘッド支持体は、ヘッド4のための保護キャップの相補的なねじ山と協調することが可能なねじ山を有する。ヘッド4は、図面に従ったときに、その上部に、計量投与面41と関連付けられた開放送出端部40を有する。計量投与面41は、計量投与面41が送出端部40に対して側方に又は横方向に延在するように送出端部40に隣接して位置する。その一方で、計量投与面41は、図面に対して(すなわち、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスが垂直位置にあり、計量投与ヘッドが上部にある状態)、送出端部40の下方に延在する。換言すれば、送出端部40は、計量投与面41の上方に延在し、又は計量投与面41から突出する。好ましくは、計量投与面41は、略凹形状であり、送出端部40の反対側に外側計量投与リム42(
図10から
図12を参照)を有する。代替的な実施例において、計量投与面41は、特には、前記計量投与ヘッドとは別個の部品として、計量投与ヘッド4に取り付けられる。
【0014】
計量投与ヘッド4は供給路5を備え、その遠位端部は送出端部40である。反対側では、供給路5の近位端部が小瓶2へと開口し、外広がり形状を有する。計量投与端部40は、境界縁部401、402によって区切られた開口403を有する。ここで、この境界縁部は全体的に計量投与面41に向かって傾斜しており、境界縁部は、上部縁部401と、直径方向においてその反対側の底部縁部402とを有する。底部縁部402は計量投与面41に隣接する。故に、開口403は、計量投与面41に向かって傾斜している。加えて、このことは、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1の長手方向軸に対して非対称な形状を送出端部40に与える。
【0015】
次に、
図5を参照すると、上述された点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1の代替的な実施例が説明される。点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1は複数回投薬バージョンであるが、
図5において図示されている点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス130の代替的な実施例は、単一回投薬バージョンである。全体として、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス130は一体的であり、以前と同じように、垂直位置において、計量投与ヘッドが上部にある状態で、計量投与ヘッド134を上に載せた柔軟性小瓶2を備える。計量投与ヘッド134は、その上部に送出端部40を備え、これは供給路の遠位端部に対応し、前記送出端部40を包囲する計量投与面141の上方に延在する。計量投与ヘッド134の供給路は、その近位部において外広がり形状を有し、小瓶2との接合部を形成する。点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス130は、小瓶2の下方に位置付けられた、それ自体で知られた、取り扱い用タブ131を更に備える。
【0016】
次に、上述された点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1及び130の使用について簡単に説明される。第1のステップにおいて、点眼薬水溶液を供給路5の近位端部の外広がり形状に接触させるために、ユーザは点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1、130を逆さまにする。この外広がり形状は、所定の量の点眼薬水溶液のための吸着バッファ面を形成する。次いで、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1、130は再び垂直位置に置かれ、有限の検量された容積の液滴が、供給路5の近位端部の吸着バッファ面に吸着されたまま残る。次いで、ユーザは、送出端部40に点眼薬が水滴として現れるまで、柔軟性小瓶2の壁部を押し、次いで、この点眼薬は、点眼薬が残されていた計量投与面41、141を滑り越える。この操作は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1、130が垂直位置にあり、計量投与ヘッド4、134が上部にある状態で行われる。点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1、130のこの垂直位置を維持している間に、ユーザは、彼ら/彼女らの頭部を真っすぐに保ち、デバイスを治療されるべき目標の目の下の頬に持っていき、計量投与面41、141の計量投与リムを目標の目の下眼瞼の縁部に位置付ける。計量投与面41、141の外側リムが下眼瞼の縁部に接触すると、計量投与面41、141に存在する点眼薬が、毛管作用によって目標の目の結膜円蓋内に「滑り込む」。点眼薬は、言うなれば、結膜円蓋内の流体によって吸引される。
【0017】
次に、
図4a及び
図4bを参照して、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100の第2の実施例が説明される。
図4bは、点眼薬が計量投与面41にある状態の
図4からの点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100を図示していることが留意されるべきである。点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100は、全体的に矩形状の断面のものであり、ここでは、点眼薬水溶液を収容した小瓶に固定されることが意図されるプラグの形態であり、この小瓶は、柔軟性又は剛性であってよい。故に、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100は、垂直位置において、計量投与ヘッドが上部にある状態で、矩形状の断面のヘッド支持体103を備え、それ自体がヘッド支持体103よりも小さな矩形状の断面を有する計量投与ヘッド104がヘッド支持体103の上に載っている。点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100は、計量投与ヘッド104の上部に、送出端部40に隣接した計量投与面41を備え、送出端部40は前記計量投与面41の上方に延在する。以前と同様に、送出端部40は、計量投与面41に向かって傾斜した開口を有する。加えて、傾斜した開口は略凹形状の傾斜した面を備え、傾斜した面の底部には供給路410が開口している。
【0018】
変形実施例において、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100の全体的な断面は、円形状又は卵形状である。この卵形状は
図6において示されており、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス110は、ヘッド支持体113と、卵形状の断面を有する計量投与ヘッド114とを備える。
【0019】
図7aを参照すると、前述の
図4a、
図4b及び
図6からの点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100又は110がより詳細に説明される。計量投与ヘッド104、114は供給路410を備え、供給路410の遠位端部は送出端部40を有する。反対側においては、供給路の近位端部が面115において小瓶2内に開口している。
【0020】
この場合においては略円錐形状の送出端部40は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1の第1の実施例のために既に説明されたように、境界縁部401、402によって区切られた開口403を備える。ここでも、この境界縁部は全体的に計量投与面41に向かって傾斜しており、境界縁部は、上部縁部401と、直径方向においてその反対側の底部縁部402とを有する。底部縁部402は計量投与面41に隣接する。故に、開口403は、計量投与面41に向かって傾斜している。加えて、このことは、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス1の長手方向軸に対して非対称な形状を送出端部40に与える。
【0021】
この部分について、近位端部は、凹形状の吸着バッファ面415を有し、吸着バッファ面415の底部には供給路410が開口している。ここでは、吸着バッファ面415は、円錐台状のものである。一般に、吸着バッファ面415は、外広がり形状、卵形状部分の形状、角柱状などの適切な凹形状のものである。この吸着バッファ面415は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110によって患者の目の中に送出されるべき点眼薬に対応する予め定められた量の点眼薬水溶液を表面張力によって保持するような形状及び寸法を有する。その一方、この目的のために吸着バッファ面415の表面被覆も設けられ得る。表面被覆は、特定の適切な粗さを有する表面状態を有し得、グリッドによって覆われ得、又はさもなければ、吸着バッファ面415によって区切られた容積部における点眼薬の保持を容易にする医療用途に適合する親水性材料の層によって覆われ得る。
【0022】
図11は、
図7aを参照してたった今説明された点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの実際の実施態様を示す。
図11においては、保護キャップCが図示されている。
【0023】
上に示されたように、計量投与面41は、略凹形状のものであり、送出端部40の反対側に外側計量投与リム42を有する。計量投与面41は、示されたように平坦な底部を有し得、又はさもなければ、卵形状又は球体の一部分の形態に丸められている。
【0024】
使用中に、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110を使用する患者又は人物は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110を頭-尾結合位置に置き、次いで、計量投与ヘッド104、114を底部に位置させると、小瓶2に収容された点眼薬水溶液が面115を覆い、吸着バッファ面415が前記点眼薬水溶液によって覆われる。次いで、ユーザ又は患者は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110を計量投与ヘッド104、114が上部に位置する垂直位置に戻す。この位置において、点眼薬水溶液は落下して小瓶の底部に戻り、所定の量の点眼薬水溶液が吸着バッファ面415によって保持される。従って、ある容積の空気が、小瓶の中で、残った点眼薬水溶液と吸着バッファ面415によって保持された前記所定の量の点眼薬水溶液との間に位置する。次いで、ユーザ又は患者は、小瓶2を押し潰す。次いで、小瓶2の中に生まれた圧力が、所定の量の点眼薬水溶液を吸着バッファ面415から供給路410内に、そして送出端部40に向かって押し出し、次いで、送出端部40において、点眼薬Gが水滴として現れ、計量投与面41を滑り越える。計量投与ヘッドが上部にある状態で点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110の垂直位置を維持している間に、ユーザは、彼ら/彼女らの頭部を真っすぐに保ちつつ、デバイスを治療されるべき目標の目の下の頬に持っていき、計量投与面41の計量投与リム42を目標の目の下眼瞼の縁部に位置付ける。計量投与面41の外側リムが下眼瞼の縁部に接触すると、計量投与面41に存在する点眼薬Gが、毛管作用によって目標の目の結膜円蓋内に「滑り込む」。点眼薬Gは、言うなれば、結膜円蓋内の流体によって吸引される。
【0025】
代替的な実施例において、点眼薬が送出端部40から滑り出るまでの供給路410を介した吸着バッファ面415からの点眼薬の放出を容易に制御するように、区切られた柔軟性面を有する剛性の小瓶2が提供され得る。
【0026】
図7bにおいて示されている第1の代替的な実施例において、供給路410は殺菌性又は抗菌性フィルタ411を備える。
【0027】
図7cにおいて示されている第2の代替的な実施例において、供給路は逆止弁412を備える。加えて、ヘッド支持体103、113は、小瓶2内への空気取り入れのための管路116を備える。この空気取り入れ管路116は逆止弁413を具備し、逆止弁413の上流には、殺菌性又は抗菌性フィルタが位置付けられる。
【0028】
図10は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスのこの第2の代替的な実施例の実際の実施態様を示す。
【0029】
図12を参照すると、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの別の代替的な実施例が説明される。この代替例は、上述された実施例とは、供給チューブ410が非常に短くなっている点が異なっている。実際、この供給チューブ410の長さは、送出端部40における計量投与ヘッドの厚さ程度のものであり、面115及び吸着バッファ面415は、前記送出端部40にできる限り近く位置する。このことは、製造のために使用される材料の容積及び構成部品の数の観点において最適化された計量投与ヘッドを得ることを可能とする。
【0030】
図8a及び
図8bにおいて示される第3の変形例において、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110は、ヘッド支持体103の高さに、
図8aにおいて示された開放計量投与位置と
図8bにおいて示された閉塞位置との間で、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110の長手方向軸に垂直に滑動する引き出し109を備える。代替的な実施例において、引き出し109は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110の長手方向軸に平行な回転軸の周りで枢動する。引き出し109は、面115と、フランジ416を具備する吸着バッファ面415とを備える。供給路は、対称形のフランジ414を備える。開放計量投与位置において、吸着バッファ面415によって区切られた容積部は、計量投与面41に向かった点眼薬の放出のために供給路410と流体的に接続される。吸着バッファ面415は小瓶2から切り離される。引き出し109の閉塞位置において、吸着バッファ面415は、供給路410から隔離されて、小瓶2と流体的に接続されるように変位される。この位置において、供給路のフランジ414は、吸着バッファ面415の上部を閉塞し、フランジ416は、供給路410を閉塞する。この閉塞位置において、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス100、110の上下をひっくり返すことによって、吸着バッファ面415によって区切られた容積部は、所定の量の点眼薬水溶液によって充填される。使用法は、しかるべき細部の変更を加えたうえで、同一である。
【0031】
以前に説明された実施例の全てに対する代替的な実施例(図示されず)において、供給路は、デバイスの長手方向軸に対して傾斜した遠位部分を備え、計量投与端部は、傾斜した遠位部分に位置する。
【0032】
次に、
図9aから
図9cを参照すると、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス120の第3の実施例が説明される。この実施例は、送出ポンプ20、30を形成する手段の存在によって上述された第2の実施例と異なる。点眼薬を計量投与するための本発明によるこのデバイス120は、柔軟性供給路410bを介してポンプ形成手段20、30に直接的に流体的に接続された点眼薬水溶液のリザーバ・バッグを有する小瓶2を備える。
【0033】
点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス120は、送出ヘッド104、114の高さに、ローラー21の使用を可能とする送出ホイール30を備える。変形実施例において、ホイール30は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイス120のヘッド支持体103、113に位置し得る。ローラー21は、計量投与面41に張り出す送出端部40に向かって供給路を延在する柔軟性チューブ23を潰す偏心器22を備える。ローラー21は、ホイール30によって回転駆動され、円形状の円柱筐体25においてその軸の周りで回転可能であるように装着される。加えて、ローラー21は、偏心器22の上流に一種の平坦な縁部24を備え、ローラー21は、
図9aから
図9cにおいて、時計回り方向に回転する。この組立体は、蠕動ポンプのように働く。
【0034】
平坦な縁部24の存在が、ポンプが送出端部40を通じて計量投与面41に向かって放出する量の点眼薬水溶液を投薬することを可能とする。事実上、
図9cにおいて示された未使用時の閉塞位置において、ローラー21は、柔軟性チューブ23を完全に潰して、供給路410bを送出端部40の開口から隔離している。動作位置において、
図9bにおいて部分的に示されているように、偏心器22は、平坦な縁部24によって定められた量の点眼薬水溶液を柔軟性管路23に沿って送出端部40に向かって押し出す。
【0035】
使用時に、ユーザがホイール30を介して計量投与面41に与えられるべき点眼薬を生成させると、手順は、点眼薬を計量投与するための本発明によるデバイスの実施例のために既に上述されたものと同様のものになる。上述され、
図1から
図12において示された点眼薬計量投与器具のこのような構造は、単一回分の点眼薬を投薬及び計量投与することを可能とする。このタイプの既存のデバイスは、単一回分の投薬された液滴の計量投与の際にこのような安全性を提供しない。
【0036】
実施例の全てにおいて、計量投与面41、141はスプーンのような凹形状であるか、又は平坦で、送出端部40の反対側で、計量投与リム42によって区切られている。一般に、計量投与面41、141は、前記計量投与面41、141に存在する点眼薬を目標の目の結膜円蓋内に毛管移送することを容易にする一方、計量投与面41、141に水性の残滓を残さないような形状を有する。この目的を達成するために、計量投与面41、141は、疎水性材料で覆われ得、又は疎水性材料で作られ得る。
【0037】
もちろん、それによって本発明の範囲から逸脱することなく本発明に対して多くの修正を行うことが可能である。
【国際調査報告】