(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-26
(54)【発明の名称】筋力トレーニング及びエクササイズベストシステム並びに使用方法
(51)【国際特許分類】
A63B 21/055 20060101AFI20250218BHJP
A63B 23/00 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
A63B21/055
A63B23/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502628
(86)(22)【出願日】2023-01-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2023010430
(87)【国際公開番号】W WO2023133326
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524021268
【氏名又は名称】カイロス ストレングス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アドキンス,アダム エヌ.
(57)【要約】
筋力トレーニング及びエクササイズ器具に関連する一組のシステム、並びに関連する使用方法が開示される。器具及びシステムは、ベスト1、120、ストレッチコード40、129、135、150、151、152、ハンドル44、53、60、64、足ストラップ70、133、腿ストラップ107、132、及びバー75、86、93、100の様々な組合せを含む。使用方法は、開示される器具及びシステムを使用して行うことができる多数の筋力トレーニングエクササイズを含む。
【選択図】
図35
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放可能及び再閉鎖可能なベストであって、ジッパー閉鎖具と、ウェスト締付けストラップと、第2の締付けストラップと、1つ以上のポケットと、調整可能な肩締付け機構と、内側ライニング及び外側シェルと、前記ベストの表面の左側及び右側の上側及び下側の複数の場所並びに前記ベストの肩部分にあるループとを有する、ベストと、
開放可能及び再閉鎖可能なフックをそれぞれ有する2つの端部をそれぞれ有する複数のストレッチコードと、
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合するループを有する複数のハンドルと、
を備え、
前記ストレッチコードにおける前記フックは、前記ベスト上の前記ループのうちの1つ以上及び1つ以上のハンドルに取外し可能に係合し、
前記ベスト上の前記ループは、前記ベスト上の様々な場所において、上方、下方、前方、横方向を含む複数の方向に、並びに使用者の身体にわたって地面に対して平行に及び地面に対して複数の角度で、前記ストレッチコードを引っ張ることにより、様々なエクササイズを可能にするように構成されている、
筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項2】
頂部、側部、及び後方踵部分におけるループをそれぞれ有する複数の足ストラップを備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項3】
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する1つ以上のループを有する直線状バーを備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項4】
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する1つ以上のループを有する足バーを備え、
前記足バーは、使用者の足に係合する2つの足スターラップを有する、
請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項5】
2つのスリーブが回転可能に取り付けられたW字形バーと、
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する前記スリーブ上のループと、
を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項6】
2つのスリーブが回転可能に取り付けられたローバーと、
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する前記スリーブ上のループと、
前記ローバーの端部にあるハンドルと、
を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項7】
使用者の腿の周りに巻き付けられる腿ストラップと、
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する前記腿ストラップ上の1つ以上のループと、
を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項8】
約4インチ~約12インチの範囲の長さであるストレッチコードを備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項9】
約8インチの長さであるストレッチコードを備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項10】
3対のストレッチコードを備え、第1の対は、約4インチ~約12インチの範囲の長さであり、第2の対は、約6インチ~約13インチの範囲の長さであり、第3の対は、約14インチ~約22インチの範囲の長さである、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項11】
3対のストレッチコードを備え、第1の対は、約6インチ~約12インチの長さであり、第2の対は、約8インチ~約14インチの長さであり、第3の対は、約16インチ~約28インチの長さである、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項12】
前記第1の対のストレッチコードは、約22インチ~約26インチの長さに伸長可能であり、前記第2の対のストレッチコードは、約32インチ~約40インチの長さに伸長可能であり、前記第3の対のストレッチコードは、最大約70インチの長さに伸長可能である、請求項11に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項13】
前記ベストの側部において、伸縮を可能にして密着したフィットを高める弾性材料を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項14】
前記再閉鎖可能なフックは、三角形状を有する、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項15】
前記ベストの背面部分に位置するブレース部材を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項16】
前記ブレース部材は、前記ベストに取外し可能に固定される、請求項15に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項17】
前記ブレース部材は、前記ベストの背面部分に位置するポケット内に取外し可能に固定される、請求項16に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項18】
前記ポケットは、前記ベストの底部におけるジッパーにより閉鎖可能なより幅広の開放端部から、前記ベストの頂部におけるより幅狭の閉鎖端部へと先細りする、弧状の先細り形態を有する、請求項17に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項19】
前記ブレース部材は、より幅広の底端部からより幅狭の頂端部へと先細りする、弧状の先細り形態を有する、請求項16に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項20】
前記ブレース部材は、前記ベストの使用者に面しない剛性基板部分と、前記ベストの使用者に面するコンプライアント部分との複合材である、請求項16に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項21】
前記剛性基板部分は、剛性ポリマーであり、前記コンプライアント部分は、独立気泡発泡材である、請求項20に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項22】
前記ブレース部材の中心に近接して位置する前記ベスト上の締付けストラップを備える、請求項16に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項23】
前記ブレース部材の中心に近接して位置する前記ベスト上の前記締付けストラップは、前記ブレース部材が使用者の背骨と前記締付けストラップとの間に位置するように、前記ベストの背中部分内に延在する、請求項22に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項24】
前記ベストの正面部分に位置する前部ブレース部材を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項25】
前記前部ブレース部材は、前記ベストに取外し可能に固定される、請求項24に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項26】
前記前部ブレース部材は、前記ベストの正面部分に位置するポケット内に取外し可能に固定される、請求項24に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項27】
前記前部ブレース部材は、より幅広の頂端部からより幅狭の底端部へと先細りする、先細り形態を有する、請求項24に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項28】
前記前部ブレース部材は、前記ベストの使用者に面しない剛性基板部分と、前記ベストの使用者に面するコンプライアント部分との複合材である、請求項24に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項29】
前記剛性基板部分は、剛性ポリマーであり、前記コンプライアント部分は、独立気泡発泡材である、請求項28に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項30】
使用者の前腕の周りに巻き付けられる前腕スリーブと、
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する前記前腕スリーブ上の1つ以上のループと、
を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項31】
前記前腕スリーブは、ハンズフリーアームエクササイズを可能にする、請求項30に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項32】
使用者の膝の周りに巻き付けられる膝スリーブと、
前記ストレッチコードにおける前記フックに係合する前記膝スリーブ上の1つ以上のループと、
を備える、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項33】
前記膝スリーブは、レッグエクササイズを可能にする、請求項32に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項34】
前記ストレッチコードは、全ての運動面において可動である、請求項1に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項35】
開放可能及び再閉鎖可能なベストであって、前記ベストを閉鎖状態に固定する閉鎖手段と、前記ベストの表面上に位置する複数のループとを有する、ベストと、
2つの端部を有する少なくとも1つのストレッチコードであって、少なくとも一端部は、前記ベスト上の前記複数のループのうちの1つに取外し可能に取り付けられる開放可能及び再閉鎖可能な取付け手段を有する、少なくとも1つのストレッチコードと、
前記ストレッチコードの他端部に作動的に接続される少なくとも1つのハンドルと、
を備え、
前記ベスト上の前記複数のループは、前記ベスト上の様々な場所において、複数の方向に前記少なくとも1つのストレッチコードを引っ張ることにより、様々なエクササイズを可能にするように構成され、前記ベストは、前記ベストの背面部分におけるブレース部材及び/又は前記ベストの正面部分における前部ブレース部材のうちの少なくとも一方を備える、
筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項36】
開放可能及び再閉鎖可能なベストであって、前記ベストを閉鎖状態に固定する閉鎖手段と、前記ベストの表面上に位置する複数のループとを有する、ベストと、
2つの端部を有する少なくとも1つのコードであって、少なくとも一端部は、前記ベスト上の前記複数のループのうちの1つに取外し可能に取り付けられる開放可能及び再閉鎖可能な取付け手段を有する、少なくとも1つのコードと、
前記コードの他端部に作動的に接続される少なくとも1つのハンドルと、
を備え、
前記ベスト上の前記複数のループは、前記ベスト上の様々な場所において、複数の方向に前記少なくとも1つのコードを引っ張る又は押すことにより、様々なエクササイズを可能にするように構成され、前記ベストは、前記ベストの背面部分におけるブレース部材及び/又は前記ベストの正面部分における前部ブレース部材のうちの少なくとも一方を備える、筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項37】
前記コードの引っ張り抵抗及び押し抵抗は、調整可能である、請求項36に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項38】
前記コードの引っ張り抵抗及び押し抵抗は、前記コードを異なる強度抵抗を有するコードに変更することによって調整可能である、請求項37に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項39】
前記コードは、伸縮性材である、請求項36に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項40】
前記コードの長さは、調整することができる、請求項36に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項41】
エクササイズシステムを得るステップであって、前記エクササイズシステムは、
開放可能及び再閉鎖可能なベストであって、前記ベストを閉鎖状態に固定する閉鎖手段と、前記ベストの表面上に位置する複数のループとを有する、ベストと、
2つの端部を有する少なくとも1つのストレッチコードであって、少なくとも一端部は、前記ベスト上の前記複数のループのうちの少なくとも1つに取外し可能に取り付けられる開放可能及び再閉鎖可能な取付け手段を有し、前記少なくとも1つのストレッチコードは、約4インチ~約14インチの静止長さを有する、少なくとも1つのストレッチコードと、
前記ストレッチコードの他端部に作動的に接続される少なくとも1つのハンドルと、
を備え、
前記ベスト上の前記複数のループは、前記ベスト上の様々な場所において、複数の方向に前記少なくとも1つのストレッチコードを引っ張ることにより、様々なエクササイズを可能にするように構成される、ステップと、
前記ベストを着用するステップと、
前記少なくとも1つのストレッチコードの一端部を前記ベスト上の前記複数のループのうちの少なくとも1つに取り付けるステップと、
前記ベストから離れるように前記少なくとも1つのハンドルを引っ張り、前記少なくとも1つのストレッチコードを引き伸ばすステップと、
を含む、筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項42】
第2のストレッチコードを、前記ハンドルと、第1のストレッチコードが接続される前記ベスト上の前記ループとに接続するステップを更に含む、請求項41に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項43】
同じ長さ及び強度抵抗を有する第1のストレッチコード及び第2のストレッチコードを得て、それらを前記ベストに取り付けるステップと、
ウォーキング中又はランニング中、及び出発点から或る距離を移動する間、前記ストレッチコードを引っ張るステップと、
前記ベスト上の前記ストレッチコードの接続点を変更して前記ハンドルにおける抵抗の方向を変更するために停止し、前記ストレッチコードを引っ張ることによって活性化される筋肉を変更するステップと、
前記ストレッチコードを引っ張りながらウォーキング又はランニングを続けるステップと、
を更に含む、請求項41に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項44】
同じ長さ及び強度抵抗を有する第1のストレッチコード及び第2のストレッチコードを得て、それらを前記ベストに取り付けるステップと、
前記第1のストレッチコード及び前記第2のストレッチコードの長さ又は強度抵抗とは異なる長さ又は強度抵抗を有する第3のストレッチコード及び第4のストレッチコードを得て、前記第3のストレッチコード及び前記第4のストレッチコードを前記ベスト上の1つ以上のポケット内に一時的に収納するステップと、
ウォーキング中又はランニング中、及び出発点から或る距離を移動する間、前記第1のストレッチコード及び前記第2のストレッチコードを引っ張るステップと、
前記第1のストレッチコード及び前記第2のストレッチコードを前記ベスト上の取付け部から取り外すために停止し、前記ストレッチコードの長さを変更する又は使用中に前記ハンドルにおいて感じる強度抵抗を変更するように、前記第3のストレッチコード及び前記第4のストレッチコードを前記ベスト上に取り付けるステップと、
前記ストレッチコードを引っ張りながらウォーキング又はランニングを続けるステップと、
を更に含む、請求項41に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項45】
足ストラップと前記ベスト上のループとの間に第1の対のストレッチコードを接続するとともに、ハンドルと前記ベスト上のループとの間に第2の対のストレッチコードを接続するステップと、
スクワットと、ハンドルを用いたリフトとを行うステップと、
を更に含む、請求項41に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項46】
スクワットと、ハンドルを使用したアームエクステンションを伴うツイストモーションとを行うステップを更に含む、請求項41に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項47】
ハンドルを使用したオーバーヘッドプレスとともにスクワットを行うステップを更に含む、請求項41に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【請求項48】
開放可能及び再閉鎖可能なベスト(1、120)であって、ジッパー閉鎖具(2)と、ウェスト締付けストラップ(3)と、第2の締付けストラップ(4)と、1つ以上のポケット(6、7、9、16)と、調整可能な肩締付け機構(10)と、内側ライニング(11)及び外側シェル(12)と、前記ベスト(1、120)の表面の左側及び右側の上側及び下側の複数の場所並びに前記ベスト(1、120)の肩部分にあるループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)とを有する、ベスト(1、120)と、
開放可能及び再閉鎖可能なフック(42、130、136)をそれぞれ有する2つの端部をそれぞれ有する複数のストレッチコード(40、129、135、150、151、152)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合するループ(49、57、62、66)を有する複数のハンドル(44、53、60、64)と、
を備え、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)は、前記ベスト(1、120)上の前記ループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)のうちの1つ以上及び1つ以上のハンドル(44、53、60、64)に取外し可能に係合し、
前記ベスト(1、120)上の前記ループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)は、前記ベスト(1、120)上の様々な場所において、上方、下方、前方、横方向を含む複数の方向に、並びに使用者の身体にわたって地面に対して平行に及び地面に対して複数の角度で、前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を引っ張ることにより、様々なエクササイズを可能にするように構成されている、
筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項49】
開放可能及び再閉鎖可能なベスト(1、120)であって、前記ベスト(1、120)を閉鎖状態に固定する閉鎖手段(2)と、前記ベスト(1、120)の表面上に位置する複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)とを有する、ベスト(1、120)と、
2つの端部を有する少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)であって、少なくとも一端部は、前記ベスト(1、120)上の前記複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)のうちの1つに取外し可能に取り付けられる開放可能及び再閉鎖可能な取付け手段(42、130、136)を有する、少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)の他端部に作動的に接続される少なくとも1つのハンドル(44、53、60、64)と、
を備え、
前記ベスト(1、120)上の前記複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)は、前記ベスト(1、120)上の様々な場所において、複数の方向に前記少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を引っ張ることにより、様々なエクササイズを可能にするように構成され、前記ベスト(1、120)は、前記ベスト(1、120)の背面部分におけるブレース部材(200)及び/又は前記ベスト(1、120)の正面部分における前部ブレース部材(300)のうちの少なくとも一方を備える、
筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項50】
頂部、側部、及び後方踵部分におけるループ(71、72、73、134)をそれぞれ有する複数の足ストラップ(70、133)を更に備える、請求項48又は49に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項51】
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する1つ以上のループ(87、88)を有する直線状バー(86)を更に備える、請求項48~50のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項52】
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する1つ以上のループ(79、84、85)を有する足バー(75)を更に備え、
前記足バー(75)は、使用者の足に係合する2つの足スターラップ(80、81)を有する、
請求項48~51のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項53】
2つのスリーブ(96、97)が回転可能に取り付けられたW字形バー(93)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する前記スリーブ(96、97)上のループ(94、95)と、
を更に備える、請求項48~52のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項54】
2つのスリーブ(103、104)が回転可能に取り付けられたローバー(100)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する前記スリーブ(103、104)上のループ(101、102)と、
前記ローバー(100)の端部にあるハンドル(105、106)と、
を更に備える、請求項48~53のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項55】
使用者の腿の周りに巻き付けられる腿ストラップ(107)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する前記腿ストラップ(107)上の1つ以上のループ(108、109)と、
を更に備える、請求項48~54のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項56】
約102mm~約229mmの範囲の長さであるストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を更に備える、請求項48~55のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項57】
約203mmの長さであるストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を更に備える、請求項48~56のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項58】
3対のストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を更に備え、第1の対は、約102mm~約229mmの範囲の長さであり、第2の対は、約203mm~約330mmの範囲の長さであり、第3の対は、約355mm~約559mmの範囲の長さである、請求項48~57のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項59】
3対のストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を更に備え、第1の対は、約102mm~約305mmの長さであり、第2の対は、約203mm~約355mmの長さであり、第3の対は、約406mm~約711mmの長さである、請求項48~58のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項60】
前記第1の対のストレッチコード(40、129、135、150、151、152)は、約559mm~約660mmの長さに伸長可能であり、前記第2の対のストレッチコード(40、129、135、150、151、152)は、約813mm~約1016mmの長さに伸長可能であり、前記第3の対のストレッチコード(40、129、135、150、151、152)は、最大約1778mmの長さに伸長可能である、請求項58に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項61】
前記ベスト(1、120)の側部において、伸縮を可能にして密着したフィットを高める弾性材料(128)を更に備える、請求項48~60のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項62】
前記再閉鎖可能なフック(130、140)は、三角形状を有する、請求項48~61のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項63】
前記ベスト(1、120)の背面部分に位置するブレース部材(200)を更に備える、請求項48及び50~62のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項64】
前記ブレース部材(200)は、前記ベスト(1、120)に取外し可能に固定される、請求項63に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項65】
前記ブレース部材(200)は、前記ベスト(1、120)の背面部分に位置するポケット(210)内に取外し可能に固定される、請求項64に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項66】
前記ポケット(210)は、前記ベスト(1、120)の底部におけるジッパーにより閉鎖可能なより幅広の開放端部(216)から、前記ベスト(1、120)の頂部におけるより幅狭の閉鎖端部(214)へと先細りする、弧状の先細り形態を有する、請求項65に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項67】
前記ブレース部材(200)は、より幅広の底端部(202)からより幅狭の頂端部(204)へと先細りする、弧状の先細り形態を有する、請求項63~66のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項68】
前記ブレース部材(200)は、前記ベスト(1、120)の使用者に面しない剛性基板部分(220)と、前記ベスト(1、120)の使用者に面するコンプライアント部分(224)との複合材である、請求項63~67のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項69】
前記剛性基板部分(220)は、剛性ポリマーであり、前記コンプライアント部分(224)は、独立気泡発泡材である、請求項68に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項70】
前記ブレース部材(200)の中心に近接して位置する前記ベスト(1、120)上の締付けストラップ(4)を備える、請求項62~69のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項71】
前記ブレース部材(200)の中心に近接して位置する前記ベスト(1、120)上の前記締付けストラップ(4)は、前記ブレース部材(200)が使用者の背骨と前記締付けストラップ(4)との間に位置するように、前記ベスト(1、120)の背中部分内に延在する、請求項70に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項72】
前記ベスト(1、120)の正面部分に位置する前部ブレース部材(300)を備える、請求項48~71のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項73】
前記前部ブレース部材(300)は、前記ベスト(1、120)に取外し可能に固定される、請求項72に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項74】
前記前部ブレース部材(300)は、前記ベスト(1、120)の正面部分に位置するポケット(6、7、9)内に取外し可能に固定される、請求項73に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項75】
前記前部ブレース部材(300)は、より幅広の頂端部(302)からより幅狭の底端部(304)へと先細りする、先細り形態を有する、請求項72~74のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項76】
前記前部ブレース部材(300)は、前記ベスト(1、120)の使用者に面しない剛性基板部分(320)と、前記ベスト(1、120)の使用者に面するコンプライアント部分(324)との複合材である、請求項72~75のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項77】
前記剛性基板部分(320)は、剛性ポリマーであり、前記コンプライアント部分(324)は、独立気泡発泡材である、請求項76に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項78】
使用者の前腕の周りに巻き付けられる前腕スリーブ(350)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する前記前腕スリーブ(350)上の1つ以上のループ(351、352、353)と、
を備える、請求項48~77のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項79】
使用者の膝の周りに巻き付けられる膝スリーブ(360)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)における前記フック(42、130、136)に係合する前記膝スリーブ(360)上の1つ以上のループ(361、362、363)と、
を備える、請求項48~78のいずれか1項に記載の筋力トレーニング及びエクササイズシステム。
【請求項80】
エクササイズシステムを得るステップであって、前記エクササイズシステムは、
開放可能及び再閉鎖可能なベスト(1、120)であって、前記ベスト(1、120)を閉鎖状態に固定する閉鎖手段(2)と、前記ベスト(1、120)の表面上に位置する複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)とを有する、ベスト(1、120)と、
2つの端部を有する少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)であって、少なくとも一端部は、前記ベスト(1、120)上の前記複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)のうちの1つに取外し可能に取り付けられる開放可能及び再閉鎖可能な取付け手段(42、130、136)を有し、前記少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)は、約102mm~約356mmの静止長さを有する、少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)と、
前記ストレッチコード(40、129、135、150、151、152)の他端部に作動的に接続される少なくとも1つのハンドル(44、53、60、64)と、
を備え、
前記ベスト(1、120)上の前記複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)は、前記ベスト(1、120)上の様々な場所において、複数の方向に前記少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を引っ張ることにより、様々なエクササイズを可能にするように構成される、ステップと、
前記ベスト(1、120)を着用するステップと、
前記少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)の一端部を前記ベスト(1、120)上の前記複数のループ(8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h)のうちの少なくとも1つに取り付けるステップと、
前記ベスト(1、120)から離れるように前記少なくとも1つのハンドル(44、53、60、64)を引っ張り、前記少なくとも1つのストレッチコード(40、129、135、150、151、152)を引き伸ばすステップと、
を含む、筋力トレーニング及びエクササイズシステムを使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
本出願は2022年1月10日に出願された米国仮特許出願第63/297,933号、2022年4月9日に出願された米国仮特許出願第63/329,395号、及び2022年11月18日に出願された米国仮特許出願第63/426,409号からの優先権を主張し、これらの優先権出願の全内容は参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、包括的には、筋力トレーニング及びエクササイズ器具に関する。
【背景技術】
【0003】
筋力トレーニング及びエクササイズ器具は、個人の体力及び健康を維持するために有用である。従来技術における筋力トレーニング及びエクササイズ器具には、ダンベル、バーベル、エクササイズベンチ、スクワットラック、ウェイトマシン、トレッドミル、ステアクライマー、ステーショナリーバイク、ストレッチコード、レジスタンスバンド、エクササイズベルト及びベスト、TRXシステム等が挙げられる。筋力トレーニング及びエクササイズ器具は、フィットネスセンター、理学療法センター、及び住宅において有用で人気のものである。これらは人気のものではあるが、フィットネスセンター及び理学療法センターは、内部の運営コスト、会費及び使用料、並びに、大きく、重く、動かせない複数の器具を設置するのに広いスペースを必要とすることを含む欠点を抱えている。また、使用者は、フィットネスセンター及び理学療法センターに出向かなければならないが、これには、時間を消費し、また、支援が必要であったり、歩行器及び車椅子等の移動器具を使用したりする人々を含む一部の使用者にとっては、移動上の困難が生じ得る。
【0004】
家族向け住宅及び集合住宅等の住宅における筋力トレーニング及びエクササイズ器具は、家庭内使用に便利であること、使用者が購入したり家に設置したりする器具を選択することができること、並びにフィットネスセンターの会費及び理学療法料と比較して低コストであることを含む利点をもたらす。しかしながら、家庭内筋力トレーニング及びエクササイズ器具は、大きく、重く、動かせないことが多く、使用者は、限られたスペース及び予算による制約を受けがちである。
【0005】
上述した筋力トレーニング及びエクササイズ器具、並びに、フィットネスセンター、理学療法センター、及び住宅におけるそのような器具の使用の不都合点に対処するために、安価で、軽量で、スペースをあまり取らず、室内又は屋外で容易に使用され、使用者が、様々な運動レベルで、様々な立位、座位、又は臥位で、静止中又は移動中に多様な筋力トレーニングエクササイズを行うことを可能にする器具が必要である。これらの利点のうちのいくつかを達成することを試みて器具を設計する従来技術の試みには、様々な着用可能なエクササイズベルト、ベスト、スーツ等が含まれるが、数多くの点で不足がある。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、及び特許文献8、並びに、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、及び特許文献13を参照されたい。そのような利点を達成するために器具を設計するそのような従来技術の試みは、有用又は成功でないことがわかっている。欠点としては、機能性及び有用性が制限されていること、設計が複雑であること、及び使用時に扱いにくいことが挙げられると思われる。
【0006】
上記で参照した筋力トレーニング及びエクササイズ器具の制限に対処するために、本発明者は、エクササイズ器具の新規のシステム及び関連する使用方法を開発した。本発明者によって開発された下記に詳述する器具は、フィットネスセンター又は理学療法センターにおいて通常見られる器具を必要とすることなく、使用者が多様な筋力トレーニングエクササイズを行うことを可能にする、単純で、軽量で、使用が容易である着用可能な器具及び関連する付属品を含む。本明細書に記載される器具は、可変長のストレッチコードを取り付ける、ループ又はリング等の戦略的に位置付けられた接続点を有する着用可能なベストを含む。ストレッチコードの端部は、コードの一端部をベスト上の接続点に掛止することができ、コードの他端部を、使用者の手足に係合するために、ハンドル、バー、腕ストラップ、脚ストラップ、足ストラップ等におけるループに取り付けることができる、カラビナクリップ等のコネクタを有する。ベスト上の接続点は、使用者がストレッチコードの端部を引っ張りながら又は押しながら、多様な筋力トレーニングエクササイズを行うことが可能であるように、戦略的に配置されている。さらに、ベストは、使用者に密着した滑らないフィットを得るように調整可能である。更なる特徴には、ウェイトバッグ若しくはインサートを保持する、又はストレッチコード、水筒等を収納する、ベスト上のポケットを含む。取外し可能なバックパック並びに他の付属品及び特徴が、図面に示されており、下記の詳細な説明において論じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,372,565号
【特許文献2】米国特許第5,813,955号
【特許文献3】米国特許第6,691,318号
【特許文献4】米国特許第7,707,652号
【特許文献5】米国特許第7,998,041号
【特許文献6】米国特許第8,443,465号
【特許文献7】米国特許第8,968,166号
【特許文献8】米国特許第9,724,554号
【特許文献9】米国特許出願公開第2003/0125170号
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0282689号
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0040805号
【特許文献12】米国特許出願公開第2007/0015640号
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0219074号
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの形態の広範な態様によれば、開放可能及び再閉鎖可能なベストであって、ジッパー閉鎖具と、締付けストラップと、1つ以上のポケットと、調整可能な肩締付け機構と、内側ライニング及び外側シェルと、ベスト上の複数の場所における接続点又はループとを有する、ベストを備える、筋力トレーニング及びエクササイズシステムが提供される。本システムは、カラビナクリップ等の開放可能及び再閉鎖可能なフックをそれぞれ有する2つの端部をそれぞれ有する複数のストレッチコードを更に備える。本システムは、1つ以上のストレッチコードにおけるフックに係合するループをそれぞれ有する複数のハンドルを備える。ストレッチコードにおけるフックは、ベスト上のループのうちの1つ以上及び1つ以上のハンドルに取外し可能に接続可能である。ベスト上のループは、ベスト上の様々な場所に位置し、上方、下方、前方、横方向を含む複数の方向に、並びに使用者の身体にわたって地面に対して平行に及び地面に対して複数の角度で、ストレッチコードを引っ張る又は押すことにより、様々なエクササイズを可能にする。
【0009】
エクササイズシステムは、頂部、側部、及び後方踵部分におけるループをそれぞれ有する複数の足ストラップを備えることが好ましい。足ストラップは、ストレッチコードの端部に接続するループを有する。
【0010】
本発明の1つの好ましい形態において、エクササイズシステムは、ストレッチコードにおけるフックに係合する1つ以上のループを有する直線状バーを備える。本発明の別の形態において、バーは、W字形バーであり、バー上に回転可能に取り付けられた2つのスリーブと、ストレッチコードにおけるフックに係合するスリーブ上のループとを有する。本発明の異なる形態において、バーは、ローバー(row bar)であり、バー上に回転可能に取り付けられた2つのスリーブと、ストレッチコードにおけるフックに係合するスリーブ上のループと、ローバーの両端部にあり、バーの端部からスリーブが外れることを抑止する端部ストッパーとを有する。
【0011】
本発明の別の形態において、エクササイズシステムは、ストレッチコードにおけるフックに係合する1つ以上のループを有する足バーを備える。バーは、使用者の足に係合する2つの足スターラップを有する。
【0012】
本発明の別の好ましい形態において、エクササイズシステムは、使用者の腿の周りに巻き付けられる腿ストラップを備え、腿ストラップ上には、ストレッチコードにおけるフックに係合する1つ以上のループを有する。
【0013】
本発明の1つの好ましい形態において、エクササイズシステムは、3対のストレッチコードを備え、第1の対は、静止状態において約6インチ(152mm)~約9インチ(229mm)の範囲の長さであり、第2の対は、静止状態において約8インチ(203mm)~約13インチ(330mm)の範囲の長さであり、第3の対は、静止状態において約14インチ(355mm)~約22インチ(559mm)の範囲の長さである。
【0014】
本発明の別の好ましい形態において、エクササイズシステムは、3対のストレッチコードを備え、第1の対は、静止状態において約4インチ(102mm)~約12インチ(305mm)の範囲の長さであり、第2の対は、静止状態において約6インチ(152mm)~約14インチ(355mm)の範囲の長さであり、第3の対は、静止状態において約16インチ(406mm)~約28インチ(711mm)の範囲の長さである。第1の対のストレッチコードは、約22インチ(559mm)~約26インチ(660mm)の長さに伸長可能であり、第2の対のストレッチコードは、約32インチ(813mm)~約40インチ(1016mm)の長さに伸長可能であり、第3の対のストレッチコードは、最大70インチ(1778mm)の長さに伸長可能であることが好ましい。
【0015】
本発明の更に別の好ましい形態において、エクササイズシステムは、ベストの側部において、伸縮を可能にして使用者に対する密着したフィットを高める弾性材料を備える。
【0016】
本発明の1つの代替的な形態において、再閉鎖可能なフックは、三角形状を有する。
【0017】
本発明の1つの好ましい形態において、エクササイズシステムは、使用者の前腕の周りに巻き付けられ、少なくとも1つのストレッチコードにおける少なくとも1つのフックに係合する1つ以上のループを有する、前腕スリーブを更に備える。
【0018】
本発明の別の好ましい形態において、エクササイズシステムは、使用者の膝の周りに巻き付けられ、少なくとも1つのストレッチコードにおける少なくとも1つのフックに係合する1つ以上のループを有する、膝スリーブを更に備える。
【0019】
本発明の別の好ましい形態において、コードにおける張力又は長さは、コードの強度抵抗又は長さを変更すること等によって調整することができる。好ましい実施形態において、コードの強度抵抗又は長さは、コードを異なるコードに変更することによって調整することができる。
【0020】
本発明の更に別の広範な形態によれば、エクササイズシステムを使用する方法が提供される。本方法は、開放可能及び再閉鎖可能なベストであって、ベストを閉鎖状態に固定する閉鎖手段と、ベストの表面上に位置する複数のループとを有する、ベストを備えるエクササイズシステムを得るステップを含む。エクササイズシステムは、2つの端部を有する少なくとも1つのストレッチコードを備え、少なくとも一端部は、ベスト上の複数のループのうちの1つに取外し可能に取り付けられる開放可能及び再閉鎖可能な取付け手段を有する。エクササイズシステムは、ストレッチコードの他端部に作動的に接続される少なくとも1つのハンドルを備える。ベスト上の複数のループは、ベスト上の様々な場所において、複数の方向に少なくとも1つのストレッチコードを引っ張る又は押すことにより、様々なエクササイズを可能にするように構成されている。本使用方法は、ベストを着用するステップと、ストレッチコードの一端部をベスト上のループのうちの少なくとも1つに取り付けるステップとを含む。本方法は、ベストから離れるようにハンドルを引っ張り、ストレッチコードを引き伸ばす更なるステップを含む。
【0021】
本発明によって可能になる使用方法の代替的な態様及び利益において、使用者は、静止中又は移動中のアームエクササイズ及びレッグエクササイズを組み合わせる。
【0022】
本発明によって可能になる使用方法の代替的な態様及び利益において、使用者は、ストレッチコードを異なるウェイト(異なるウェイトとは、通常はポンド又はキログラム単位で測定される異なるレベルの伸長抵抗を意味する)に変更するか、又は、コードの伸長に必要な力の量を増減するためにハンドル若しくはストラップに取り付けられるストレッチコードの数を増減することにより、ワークアウトの過程でストレッチコードにおける抵抗を漸進的に変更することができる。本発明によって可能になる使用方法の代替的な態様及び利益において、ベスト、ハンドル、及びストラップ上の接続点を変更することにより、使用者は、ワークアウトの過程で、ハンドル及び/又はストラップを動かすのに必要な異なる筋肉に関与するように、手、腕、脚、及び/又は足の運動方向を変更することができる。したがって、本発明によって可能になる使用方法の代替的な態様及び利益において、使用者は、ワークアウトの過程で、ストレッチコードと、ベスト、ハンドル、又はストラップ上の接続点との双方を漸進的に変更することで、ハンドル又はストラップにおいて感じる抵抗の量及び/又は方向を変更する(したがって、使用者がハンドル又はストラップを動かすために関与する筋肉及び/又は筋肉の運動量を変更する)ことができる。様々な長さ及びウェイトのコードは、ワークアウトの過程でベストにおけるポケットに入れて容易に携行することができ、使用者がワークアウトの過程でベスト、ハンドル、及び/又はストラップに接続するコードを変更又は追加することができるように、コードへの便利なアクセスをもたらすことができる。したがって、本発明の特徴の組合せにより、静止中又は移動中(トラック上での又は使用者が出発点から離れるコース上でのウォーキング、ジョギング、又はランニング中等)の漸進的な筋力トレーニングワークアウトが可能になる。このシステムは、移動中の新たな種類の漸進的筋力負荷エクササイズを可能にすることで、使用者のあらゆるフィットネスレベルにおいて筋力トレーニングと有酸素エクササイズとを組み合わせる新たな種類のワークアウトを可能にすると考えられる。
【0023】
本発明の代替的な態様において、ウェイトバッグ又は他の形態のウェイトインサートを、ベストの正面及び/又は背中にあるポケットに挿入することができる。したがって、ベスト、ハンドル、及びストラップの使用中、ウェイトバッグ又はインサートは、使用者によってワークアウトを変更及び/又は強化することができる。
【0024】
本発明の代替的な別個の態様において、ベストは、ベストの背面部分に位置するブレース部材を備え、ベストは、背中ブレースとして機能する。ブレース部材は、ベストに取外し可能に固定されることが好ましい。ブレース部材は、ベストの背面部分に位置するポケット内に取外し可能に固定されることがより好ましい。1つの好ましい形態において、ブレース部材を保持するポケットは、ベストの底部におけるジッパーにより閉鎖可能なより幅広の開放端部から、ベストの頂部におけるより幅狭の閉鎖端部へと先細りする、弧状の先細り形態を有する。ブレース部材は、より幅広の底端部からより幅狭の閉鎖頂端部へと先細りする、弧状の先細り形態を有することが好ましい。
【0025】
本発明の背中ブレース実施形態のこの代替的な形態において、ベストには、ブレース部材の幾何中心に近接して位置する締付けストラップが設けられる。ブレース部材の中心に近接して位置するベスト上の締付けストラップは、ブレース部材が使用者の背骨と締付けストラップとの間に位置するように、ベストの背中部分内に延在することが好ましい。
【0026】
本発明の背中ブレース実施形態の1つの好ましい形態によれば、ブレース部材は、ベストの使用者に面しない剛性基板部分と、ベストの使用者に面するコンプライアント部分との複合材料である。剛性基板部分は、剛性ポリマーであり、コンプライアント部分は、独立気泡発泡材であることが好ましい。
【0027】
本発明の背中ブレース実施形態の別の好ましい形態において、ベストには、ベストの正面部分に位置する少なくとも1つの前部ブレース部材が設けられる。前部ブレース部材は、ベストに取外し可能に固定されることが好ましく、前部ブレース部材は、ベストの正面部分に位置するポケット内に固定されることがより好ましい。前部ブレース部材は、より幅広の頂端部からより幅狭の底端部へと先細りする、先細り形態を有することが好ましい。
【0028】
本発明の背中ブレース実施形態の別の好ましい形態によれば、前部ブレース部材は、ベストの使用者に面しない剛性基板部分と、ベストの使用者に面するコンプライアント部分との複合材料である。剛性基板部分は、剛性ポリマーであり、コンプライアント部分は、独立気泡発泡材であることが好ましい。
【0029】
本発明は、上述した特徴のいずれか又は全てを含むことができ、上述した特徴のうちの1つのみ、上述した特徴のうちの2つ以上、及び上述した特徴の任意の組合せを含むことができることを理解すべきである。さらに、本発明の他の目的、特徴、及び利点は、添付の特許請求の範囲及び図面を含め、本明細書全体を検討することで明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明のエクササイズシステムのベストの第1の実施形態の右正面上側から見た等角図であり、
図1は、閉鎖形態におけるベストを示している。
【
図3】
図3は、
図1に示されているベストの左背面上側から見た等角図である。
【
図4】
図4は、
図1に示されているベスト及び取外し可能なバックパックの左背面上側から見た分解等角図である。
【
図4a】
図4aは、
図4に示されているベスト及び取外し可能なバックパックの右正面上側から見た分解等角図である。
【
図5】
図5は、
図1のベストに取り付けられるストレッチコードの上からの等角図である。
【
図6】
図6は、ハンドルアタッチメントに接続された、
図5のストレッチコードの上からの等角図である。
【
図7】
図7は、代替的なソフトハンドルアタッチメントに接続された、
図5のストレッチコードの上からの等角図である。
【
図7a】
図7aは、弓形ハンドルアタッチメントの上からの等角図である。
【
図8】
図8は、可撓性グリップ材料ハンドルアタッチメントに接続された、
図5のストレッチコードの上からの等角図である。
【
図9a】
図9aは、使用者の靴の周りに装着された足ストラップアタッチメントの上からの等角図である。
【
図9b】
図9bは、
図9aに示されている足ストラップアタッチメントの上面図である。
【
図10】
図10は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用される足バーアタッチメントの上からの等角図である。
【
図11】
図11は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用される直線状バーアタッチメントの上からの等角図である。
【
図12】
図12は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用されるW字形バーアタッチメントの上からの等角図である。
【
図13】
図13は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用されるローバーアタッチメントの上からの等角図である。
【
図14】
図14は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用される腿ストラップアタッチメントの上からの等角図である。
【
図15】
図15は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用されるストレッチコード整理具の上からの等角図である。
【
図16】
図16は、1つ以上のストレッチコード及び
図1のベストとともに使用される別のストレッチコード整理具の上からの等角図である。
【
図17a】
図17aは、第1の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17aは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてチェストプレスエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17b】
図17bは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17bは、足バーの端部とハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてベントオーバーローを行う使用者を示している。
【
図17c】
図17cは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17cは、足ストラップとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてスクワットエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17d】
図17dは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17dは、足ストラップの内側に接続されたストレッチコードを用いてサイドレッグリフトエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17e】
図17eは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17eは、ベスト上の下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてショルダーローテーションエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17f】
図17fは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17fは、足ストラップとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてベントオーバーローエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17g】
図17gは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17gは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてクロスラテラルプルエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17h】
図17hは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17hは、足ストラップの外側とハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてワイドローエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17i】
図17iは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17iは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてオーバーヘッドプレスエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17j】
図17jは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17jは、ベスト上の正面下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてバイセップカールエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17k】
図17kは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17kは、ベスト上の下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてデルトイドフロントレイズエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17l】
図17lは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17lは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてトライセプスプレスエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17m】
図17mは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17mは、ベスト上の下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてラテラルレイズエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17n】
図17nは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17nは、第1の足ストラップと第2の足ストラップとに接続されたストレッチコードを用いてフォワードレッグエクステンションエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17o】
図17oは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17oは、バーに接続されたストレッチコードを用いてチェストプレスエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17p】
図17pは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17pは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いてペクトラルクロスエクササイズを行う使用者を示している。
【
図17q】
図17qは、別の例示的なエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17qは、ハンズフリースクワットを行う使用者を示している。
【
図17r】
図17rは、例示的なデュアルエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17rは、スクワットと、ハンドルを用いたリフトとを行う使用者を示している。
【
図17s】
図17sは、別の例示的なデュアルエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17sは、スクワットと、ハンドルを使用したアームエクステンションを伴うツイストモーションとを行う使用者を示している。
【
図17t】
図17tは、別の例示的なデュアルエクササイズを行う本発明の使用者の模式図であり、
図17tは、ハンドルを使用したオーバーヘッドプレスとともにスクワットを行う使用者を示している。
【
図18】
図18は、本発明のエクササイズシステムのベストの別の実施形態の左正面上側から見た等角図であり、
図18は、閉鎖形態におけるベストを示している。
【
図21】
図21は、三角形カラビナクリップに接続されたストレッチコードの部分等角図である。
【
図22】
図22は、本発明のエクササイズシステムのベストの別の実施形態の左背面上側から見た等角図であり、
図22は、ベストの下側部分における背面ストレッチコード接続ループを有するベストを示している。
【
図23】
図23は、本発明の腿ストラップの一実施形態の上面図である。
【
図24】
図24は、本発明の足ストラップの一実施形態の上面図である。
【
図26】
図26は、本発明のストレッチコードの一実施形態の上面図である。
【
図27】
図27は、
図26のストレッチコードとともに使用される本発明の代替的な三角形カラビナクリップの上面図である。
【
図28】
図28は、約8インチ、10インチ、及び18インチ(203mm、254mm、457mm)の静止長さを有する本発明の異なるサイズの3対のストレッチコードの上面図である。
【
図29】
図29は、本発明のエクササイズシステムのベストの一実施形態の正面図であり、
図29は、ブレース部材を有する閉鎖状態の女性用に構成されたベストを示している。
【
図30】
図30は、
図29のベストの背面図であり、
図30は、ベストの背面部分又は背面パネルにおけるブレース部材の場所を示している。
【
図31】
図31は、本発明のエクササイズシステムのベストの別の実施形態の正面図であり、
図31は、ブレース部材を有する閉鎖状態の男性用に構成されたベストを示している。
【
図32】
図32は、
図31のベストの背面図であり、
図32は、ベストの背面部分又は背面パネルにおけるブレース部材の場所を示している。
【
図33】
図33は、
図29のベストの正面図であり、
図33は、開放状態のベストの内面を示しており、ブレース部材を収容する内側ポケットが示されている。
【
図34】
図34は、
図31のベストの正面図であり、
図34は、開放状態のベストの内面を示しており、ブレース部材を収容する内側ポケットが示されている。
【
図35】
図35は、本発明のエクササイズシステムのベストの一実施形態の正面図であり、
図35は、ブレース部材とともに使用される更なる締付けストラップを有する閉鎖状態のベストを示している。
【
図37】
図37は、
図35のベストから取り外されたブレース部材の正面図であり、
図37は、ベストの使用者の背骨に面するコンプライアントな表面を示している。
【
図38】
図38は、
図37のブレース部材の背面図であり、
図38は、ベストの使用者の背骨に面しない剛性基板部分の表面を示している。
【
図39】
図39は、
図37のブレース部材の部分左側面図であり、
図39は、ブレース部材のコンプライアント部分及び剛性基板部分の相対的な厚さを示している。
【
図40】
図40は、本発明のベストの正面部分又は正面ポケットに挿入される前部ブレース部材の右正面上側から見た等角図である。
【
図41】
図41は、
図40の前部ブレース部材の正面図であり、
図41は、ベストの使用者の胸部に面しない剛性基板部分の表面を示している。
【
図44】
図44は、本発明のストレッチコード及びベストとともに使用される前腕スリーブの右正面上側から見た等角図である。
【
図48】
図48は、本発明のストレッチコード及びベストとともに使用される膝スリーブの右正面上側から見た等角図である。
【
図52】
図52は、別の例示的なエクササイズを行う際に使用される本発明の形態の模式図であり、
図52は、単一のハンドルとベスト上の左肩ループ及び左上側ループとの間に接続された一対のストレッチコードを示している。
【
図53】
図53は、別の例示的なエクササイズを行う際に使用される本発明の別の形態の模式図であり、
図53は、単一のハンドルとベスト上の左正面ループ及び左下側ループとの間に接続された第1の対のストレッチコードと、ベスト上の右正面ループ及び右下側ループと足ストラップとの間に接続された別の対のストレッチコードとを示している。
【
図54】
図54は、別の例示的なエクササイズを行う際に使用される本発明の別の形態の模式図であり、
図54は、足ストラップとベスト上の左正面ループ及び左下側ループとの間に接続された第1の対のストレッチコードと、ベスト上の右正面ループ及び右下側ループと別の足ストラップとの間に接続された別の対のストレッチコードとを示している。
【
図55】
図55は、別の例示的なエクササイズを行う使用者が着用している本発明の別の形態の模式図であり、
図55は、膝ブレースとベスト上の左右の背面ループとの間に接続された第1の対のストレッチコードと、足ストラップとベスト上の背面ループとの間に接続された別の対のストレッチコードとを示している。
【
図56】
図56は、別の例示的なエクササイズを行う使用者が着用している本発明の別の形態の模式図であり、
図56は、前腕スリーブとベスト上の左上側ループ及び左下側ループとの間に接続された一対のストレッチコードを示している。
【
図57】
図57は、別の例示的なエクササイズを行う使用者が着用している本発明の別の形態の模式図であり、
図57は、ハンドルとベストの右肩ループとの間に延在するストレッチコードと、前腕スリーブと右上側ループ及び右下側ループとの間に接続された一対のストレッチコードとを示している。
【
図58】
図58は、単一のハンドルとベスト上の単一のループとに接続された短いコードの二重に張ったものを示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、多くの異なる形態で実施が可能であるが、本明細書及び添付図面は、本発明の例として具体的な形態のみを開示している。本発明は、そのように記載された実施形態に限定されることは意図されず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において挙げられる。
【0032】
本発明のエクササイズシステムは、本明細書において、1つ以上のアタッチメントを伴うベストを着用し、直立している使用者の基準フレームをもとに説明される。上方とは、地面から離れる方向を指し、下方とは、地面に向かう方向を指す。前方とは、前に向かって使用者の胸部から離れる方向を指し、上方及び下方の方向に対して垂直である。後方とは、後ろに向かって使用者の背中から離れる方向を指し、前方の方向とは反対である。横方向とは、使用者の胴体から左右に離れる方向を指し、上方、下方、前方、及び後方の方向に対して垂直である。エクササイズシステムは、座位又は車椅子に乗った状態を含む他の向き及び姿勢において使用することができる。
【0033】
開示されるエクササイズ器具、システム、及び使用方法の態様の詳細な説明を下記に記載する。
図1を参照すると、本発明のベスト1は、着用者の胴体を包むベストの開閉を容易にするように、ジッパー2等の閉鎖機構を有することができる。スナップ、ラッチ、フックアンドループ接続、磁石等の他の閉鎖手段又は機構を使用してもよい。いくつかの形態において、ベスト1は、ベストが開かず、閉鎖手段を必要としないようにスリップオン構成を有することができる。ベスト1の正面にあるバックルベルト、締付けプルストラップ、又は同様の機構3等のウェスト締付けストラップを使用して、胴体及び/又はウェストの周りでベスト1を閉鎖する及び/又は締め付けるのを補助することができる。更なる締付けストラップ4を正面閉鎖具に沿って追加してもよい。ベスト1は、夜間に自動車、オートバイ等の光を反射するのに有用な反射面5を有することができる。ポケットを、ベストの様々な場所に縫い付けることができる。ポケットは、例としてベストとともに使用されるストレッチコードの収納に使用され得る、ジッパー閉鎖具を有するポケット6又は伸縮エラスチック閉鎖具を有するポケット7を含む、様々なタイプとすることができる(更に後述する)。取付け点又はループ8a~8hは、金属製若しくはプラスチック製のループ若しくはリングを取り付ける、又はループをベストに縫い付ける等によって、ベスト1の肩の横及び上を含む様々な場所に取り付けることができる。更に後述するように、ループ8は、可変長のストレッチコードを接続するように戦略的に配置され、使用者が多様なエクササイズを行うことを可能にする。ウェイト用のポケット9を設けることができる。ベルクロ肩調整具10により、使用者に快適に密着したフィットを得るために更なる調整をもたらすことができる。更なる快適さのために、外側シェル12の内側に内側ライニング11を含むことができる。内側ライニング11及び外側シェル12は、通気性布材料から構築することができる。ベスト並びに関連する部品、例えば、内側ライニング、外側シェル、ポケット、ループ、ジッパー、ベルト、ストラップ、閉鎖具(ジッパー及びエラスチック等)、及び反射面の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知であり、現在市販されている様々な種類の衣服、ベスト、バックパック、及び同様の製品等の製品において見られる。
【0034】
図2を参照すると、ジッパー閉鎖具2、ウェスト締付けストラップ3、補助締付けストラップ4、反射面5、ジッパーポケット6、及び伸縮エラスチックポケット7を有するベスト1の正面が示されている。複数のループ8a~8hが、ベスト1の側部及び/又は正面の複数の場所に戦略的に配置される。ベスト1の右側には(ベスト1は、使用者/着用者の基準フレームの正面から見たものとして示されている)、右上側ループ8a、右下側ループ8b、及び右正面下側ループ8cが存在し、左側には、左上側ループ8d、左下側ループ8e、及び左正面下側ループ8fが存在し得ることが好ましい。ベスト1の肩には、右肩ループ8g及び左肩ループ8hが存在する。ループは、ベスト上の様々な場所に恒久的に固定するか、又は摺動機構若しくは同様の機構(ただし、ここでは図示せず)によって、ベスト1上の様々な場所に取り付けることができる。また、
図2には、ウェイトポケット9、ベルクロ肩調整具10、内側ライニング11、及び外側シェル12が示されている。
【0035】
図3を参照すると、ベスト1の背面は、バックパック接続手段若しくはループ13、又は他の同様のリング若しくは接続機構を有することができる。4つのバックパック接続ループ13は、任意選択の取外し可能なバックパック14(
図4を参照)上の相手側フックに接続する。ベスト1の背面は、様々な場所におけるストライピング又はテープ等の反射面15と、ウェイト用の背面ポケット16とを有することもできる。ハンドル17は、ベスト1の使用者を持ち上げる、引っ張る、又は別様に補助するように、ベスト1の背中に縫い付ける又は別様に接続することができる。ハンドル17は、ベストに縫い付けられた布材料から作製することができる。代替的に、ハンドル17は、ベスト1の背中に接続される従来の硬質ハンドルであってもよい。ループ8a~8h、反射面5及び15、ウェイトポケット9及び16、並びにハンドル17の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0036】
図4及び
図4aを参照すると、ジッパー閉鎖具18を有する取外し可能なバックパック14が、ベスト1に対する付属品として示されている。当該技術分野において既知のように、バックパックの外側には水筒ポケット19又は他の同様のポケットが位置することができる。ベスト1の背面にあるループ13に接続するために、フック又は他の取付け手段20がバックパック上に位置することができる。バックパック14の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知であり、現在市販されているバックパック及び同様の製品において見られる。
【0037】
図5を参照すると、ストレッチコード40は、レジスタンスバンド41と、各端部に位置する取付け手段又はフック42とを備える。コードの長さは、使用されるエクササイズに応じて、非伸長形態で4インチ~28インチの範囲とすることができる。約4インチ~約12インチの長さを有する短めのコードは、バイセップカールに使用することができ、この場合、コードは、ベスト1上の下側ループ8c及び/又は8fに接続される。短めのコード40は、22インチ~26インチの範囲の長さに伸長可能であり得る。約8インチ~14インチの長さを有する中間の長さのコード40は、様々なストレートアームエクササイズに使用することができる。中間の長さのコードは、32インチ~40インチの範囲の長さに伸長可能であり得る。約16インチ~の約28インチの長さを有する長めのコードは、足ストラップ又は足バーを使用したエクササイズに使用することができる(後述)。長めのコードは、最大70インチの範囲の長さに伸長可能であり得る。コード40の好ましい長さは、使用者の四肢及び胴体の長さに応じて、上述した範囲内又は範囲外で変動する。当該技術分野において既知のように、取付け手段とレジスタンスバンド41との間にはシース43が存在することができる。好ましい実施形態において、短いコードは、静止状態で8インチ長であり、24インチ長に伸長可能であり、5ポンド、15ポンド、及び25ポンド等の可変の伸長抵抗を有する。中間の長さのコードは、静止状態で10インチ長であり、36インチ長に伸長可能であり、5ポンド、15ポンド、及び25ポンド等の可変の伸長抵抗を有する。長いコードは、静止状態で18インチ長であり、60インチ長に伸長可能であり、30ポンド、40ポンド、及び50ポンド等の可変の伸長抵抗を有する。ストレッチコード40及びその部品の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。1つ以上のストレッチコードを同時に使用することができ、コードのうちの1つ以上は、ベスト又はハンドルに対して取外し可能であるか又は恒久的に取り付けることができる。本発明者は、ベスト上の単一のループ又は接続点と付属品(例えば、ハンドル、足ストラップ、バー等)上の単一の接続点とに接続する更なるコードを追加することで、抵抗を効果的に倍増又は別様に増大させることができることを突き止めた。
図58を参照されたい。さらに、強度抵抗又はコードの長さは、当該技術分野において既知の調整可能な又は機械的な手段によってもたらすことができる。そのような一実施形態において、コードは、伸長不能なロープ又はケーブルの形態とすることができる。
【0038】
図6を参照すると、ハンドルアタッチメント又はハンドル44の代替的な実施形態は、ストレッチコード40に接続されるように示されている。ハンドル44は、可撓性又は剛性材料とすることができるハンドグリップ46及びストラップ47を有する。ストラップ47上の取付けループ48は、ストレッチコード40の端部にある1つのフック42と係合する。ストレッチコード40の他端部も、ベスト1上のループ8a~8h(
図1及び
図2)、又は他の器具、例えば、足ストラップアタッチメント(
図9a及び
図9bを参照)、足バーアタッチメント(
図10を参照)、腿ストラップ(
図14を参照)、前腕スリーブ(
図44を参照)、膝スリーブ(
図48を参照)、又は他の物体若しくは器具、例えば、チンアップバー、鉛直柱等のうちのいずれかと係合するフック42を有する。ハンドグリップ46におけるコード整理具51を、ハンドルに組み込むことができる。コード整理具51は、ハンドグリップ46の表面に沿ってノッチ状開口52を配置することによって作製することができる。ストレッチコード40は、より短い長さに折り曲げ、ストレッチコード40の一部をノッチ状開口52に挿入することによってハンドル44上に収納することで、ストレッチコード40を便利に収納することができる。コード整理具51は、ストレッチコード40を折り曲げて収納するのに単純で簡単かつ便利な方法を提供する。ハンドル44及びその様々な部品の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。整理具を有するハンドグリップ46は、成形プラスチック、木材、金属等の好適な硬質材料から作製することができる。
【0039】
図6に示されているハンドル44の1つの代替的な構造において、プラスチック、木材等の好適な硬質材料から作製することができる硬質材料製の管状ハンドルがある。織布等の軟質材料がその管状ハンドルに挿入される。軟質材料は、長円形態を有するストラップを形成するようにループする。別個のコード接続ループが、軟質ストラップ材料に接続される。軟質ストラップ材料の長さは、コード接続ループの距離を、硬質ハンドルから好ましくは1インチ又は2インチ未満に最小化するように、最小限に抑えられる。ハンドル及び軟質ストラップ材料の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0040】
代替的に、
図7を参照すると、軟質ハンドル53をストレッチコード40に接続することができる。軟質ハンドル53は、布、ゴム等の軟質材料を使用した軟質ハンドグリップ55を有することができる。可撓性又は剛性であり得るストラップ56が、ハンドグリップ55を通って延在する。接続ループ57は、ストレッチコード40の一端部にあるフック42に係合するストラップ56に接続される。ストレッチコード40の他端部にある第2のフック42は、ベスト1上のループ8a~8h(
図1及び
図2を参照)、又は他の器具、例えば、足ストラップ(
図9a及び
図9bを参照)、足バー(
図10を参照)、若しくは腿ストラップ(
図14を参照)、又は他の物体若しくは器具、例えば、チンアップバー、鉛直柱等のうちのいずれかに係合する。
【0041】
図7aを参照すると、代替的な弓形ハンドル60は、硬質成形プラスチック等の剛性材料から作製することができる。ハンドル61は、ストレッチコードの端部にあるフックと係合する取付けループ62を有する。可撓性材料の細いストリップ63が、ハンドル61の端部の間に延在する。使用者の手のひらは、可撓性材料のストリップ63に接触し、エクササイズ、例えば、プッシュアップ又はベンチプレスを行う間、使用者が手をベストから離れるように押すとき、可撓性材料を押すと、床、壁、バー、バット、クラブ、又は他の物体の表面に適合するようになっている(後述を参照)。ハンドル61は、
図6に示されているハンドル44と同じ材料から作製することができる。可撓性ストリップ63は、布材料等の可撓性軟質材料から作製することができる。弓形ハンドル61、取付けループ62、及び可撓性ストリップ63の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0042】
図8を参照すると、サイドアタッチメント64を有する代替的なハンドルは、長手方向端部に取付けループ66を有する細長いハンドグリップ65を有し、取付けループ66は、ストレッチコード40の一端部にあるフック52を介してストレッチコード40に接続する。ストレッチコード40の他端部は、ベスト1上のループ8a~8h(
図1及び
図2を参照)、又は他の器具、例えば、足ストラップ(
図9a及び
図9bを参照)、足バー(
図10を参照)、若しくは腿ストラップ(
図14を参照)、又は他の物体若しくは器具、例えば、チンアップバー、鉛直柱等に接続するフック52を有する。サイドアタッチメント64を有する代替的なハンドルは、より良好な筋肉発達のために異なる角度で異なる筋肉に作用する、エクササイズ運動の更なるバリエーションを可能にする。ハンドグリップ65及びループ66は、硬質成形プラスチック又は他の硬質材料から作製することができる。ハンドグリップ65及びループ66の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0043】
図9a及び
図9bを参照すると、足ストラップ70が使用者の靴又は足の周りに巻き付けられて示されている。足ストラップ70は、ベストから足ストラップ70まで延在するストレッチコードと係合するために、様々な場所に1つ以上のループを有することができる。例えば、足ストラップ70の頂部にはループ71が存在し、足ストラップ70の外側には外側ループ72が存在し、及び足ストラップ70の内側には内側ループ73が存在し、又は足ストラップ70の踵には踵ループ74が存在することができる。足ストラップ70は、足ストラップ70を足の周りに密着して確実に保持するように、締付けストラップ、ベルト、ベルクロストラップ、又は他の同様の接続を有することができる。足ストラップ70の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。足ストラップ70は、使用者の足又は靴の踵及び甲の周りに足ストラップ70を固定するために、ベルクロによって締結される2つの締付けストラップを有することが好ましい。
図24に示されている足ストラップに関する後述を参照されたい。
【0044】
図10を参照すると、エクササイズベストの付属品には、単一の一体部片とすることができるか、又は、一対の取外し可能な側方バーセクション76が主バーセクション77の両側にある等、複数の部片に分割することができる足バー75を含むことができる。側方バー76は、主バー77の端部内に摺動及び/又は螺合させることによって主バーセクション77に接続することができる。主バー77は、1つ以上のストレッチコードに接続する取付けループ79等の1つ以上の取付け点を有することができ、使用者の足を受ける2つの足スターラップ80及び81を更に有することができる。スターラップ80及び81は、使用者の足の甲に係合し、バー75上の適所に足を保持するベルト、ベルクロストラップ等を有することができる。側方バーセクション76も、ストレッチコードに取り付ける取付けループ84及び85を有することができる。足バー75は、金属又は頑丈なプラスチック材料によって構築することができる。取付けループ84及び85は、足バー75と一体であるか、又は別個の部片として足バー75に挿入することができる。足バー75及びその様々な部品の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0045】
図11を参照すると、別の付属品には、プレス、ロー、カール等のエクササイズを行う際に使用される直線状バー86を含むことができる(
図17a~
図17p並びに様々なエクササイズに向けたベスト及び付属品の使用についての関連する後述を参照)。直線状バー86は、上述したストレッチコード(上記
図5を参照)におけるフックに接続する取付けループ87及び88を有することができる。取付けループ87及び88は、バー86に直接接続しても、バー86の周りに巻き付けられる回転スリーブ89及び90に接続してもよい。回転スリーブ89及び90は、バー86に沿って摺動し、それにより、ストレッチコードをバー86に接続する異なる接続点をバー86上にもたらすことができる。
図11において、取付け点は、バー86の中心付近に狭い間隔を有するものとして示されているが、異なる筋肉群に作用するように、異なるグリップ角度及び負荷分布のために、バーの大部分に沿ってバー86の中心から外方に摺動することができる。回転可能なスリーブ89及び90により、ナローグリップエクササイズ及びワイドグリップエクササイズに対する全範囲の自然な動きが可能になる。バー86の端部は、回転可能なスリーブ89及び90がバー86の端部から滑り落ちることを防止するように、ゴム製ストッパー等のストッパー91及び92を有することができる。直線状バー86及びその様々な部品の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0046】
図12を参照すると、W字形状の別のバー93(又はEZバー)を様々なエクササイズに使用することができる(更に後述する)。W字形バー93は、上述したストレッチコード(上記
図5を参照)におけるフックに接続する取付けループ94及び95を有することができる。取付けループ94及び95は、バー93の周りに巻き付けられる回転スリーブ96及び97に接続することができる。取付けループ94及び95は、異なる筋肉群に作用するように、異なる負荷分布のために、W字形バーに沿って摺動し、バー93上に異なる取付け点をもたらすことができる。W字形バー93の端部は、回転可能なスリーブ96及び97がバー93の端部から滑り落ちることを防止するように、ゴム製ストッパー等の停止部98及び99を有することができる。W字形バー93及びその様々な部品の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0047】
図13を参照すると、ローバー100は、上述したストレッチコード(上記
図5を参照)におけるフックに接続する取付けループ101及び102を有することができる。取付けループ101及び102は、バー100の周りに巻き付けられる回転スリーブ103及び104に接続することができる。取付けループ101及び102は、異なる筋肉群に作用するように、異なるグリップ角度及び負荷分布のために、バー100に沿って摺動し、バー100上に異なる取付け点をもたらすことができる。ローバー100の端部は、図示のコンフォートハンドル(105及び106)等の様々なグリップ設計を有し、使用者に、従来のD字形リング設計とは異なる感触であり、異なる筋肉に作用するようにグリップ調整が可能であり得る快適なグリップを与えることができる。ハンドル105及び106は、ローバー100の残りの部分と一体的に作製しても、バーの残りの部分に取り付けられる別個の部片としてもよい。ハンドル105及び106は、成形プラスチック等の硬質プラスチック又は他の硬質材料から形成することができる。ローバー100及びその様々な部品の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0048】
図14を参照すると、取外し可能な腿ストラップ107は、互いに対向する側に接続ループ108及び109を有する。腿ストラップ107は、調整可能なストラップ110である調整可能な閉鎖具を有するベルトとして形成される。コンフォートライナー111により、腿ストラップ107の内側を裏張りすることができる。ストレッチコードは、ループ108及び109に接続することができる。使用者は、様々なエクササイズを行うために、立位、座位、膝立ち、又は手と膝とをついた状態を含む様々な姿勢をとりながら、腿ストラップ107を引っ張ることができる。腿ストラップは、調整可能なベルクロストラップを有することができ、腿ストラップが使用者の腿の周りに巻き付けられ、ベルクロストラップを使用して密着してフィットするように締め付けることができるようになっている。ストレッチコードは、腿ストラップ上のコード接続ループに取り付けることができる。
【0049】
図15を参照すると、ストレッチコード整理具112が示されている。ストレッチコードは、整理具112における開口113を通って摺動することができる。コードを折り曲げてノッチ状開口114に押し込むことができ、ノッチ状開口114は、ストレッチコードをより短い長さに折り曲げて便利に収納することができるように、コードを受けて、コードを収納することができる。整理具112は、ストレッチコードを折り曲げて収納するのに単純で簡単かつ便利な方法を提供する。
【0050】
図16を参照すると、代替的なダブルストラップコード整理具115が示されている。ストレッチコードは、整理具115における開口116を通って摺動することができる。コードを二度折り曲げてノッチ状開口117に押し込むことができ、ノッチ状開口117は、ストレッチコードをより短い長さに折り曲げて便利に収納することができるように、コードを受けて、コードを収納することができる。代替的に、より多くのノッチ状開口を有するより長い整理具を使用してもよい。整理具115は、ストレッチコードを折り曲げて収納するのに単純で簡単かつ便利な方法を提供する。
【0051】
本明細書に記載のベスト、ストレッチコード、ハンドル、足ストラップ、及び様々なバーの使用が、
図17a~
図17pに示されている。これらの図は、行うことができる様々な例示的なエクササイズを示すとともに、使用される器具の好ましい選択を示す。
図17aは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたチェストプレスエクササイズを示している。
図17bは、足バーの端部とハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたベントオーバーローを示している。
図17cは、足ストラップとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたスクワットエクササイズを示している。
図17dは、足ストラップの内側に接続されたストレッチコードを用いたサイドレッグリフトエクササイズを示している。
図17eは、ベスト上の下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたショルダーローテーションエクササイズを示している。
図17fは、足ストラップとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたベントオーバーローエクササイズを示している。
図17gは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたクロスラテラルプルエクササイズを示している。
図17hは、足ストラップとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたワイドローエクササイズを示している。
図17iは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたオーバーヘッドプレスエクササイズを示している。
図17jは、ベスト上の正面下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたバイセップカールエクササイズを示している。
図17kは、ベスト上の下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたデルトイドフロントレイズエクササイズを示している。
図17lは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたトライセプスプレスエクササイズを示している。
図17mは、ベスト上の下側ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたラテラルレイズエクササイズを示している。
図17nは、第1の足ストラップと第2の足ストラップとに接続されたストレッチコードを用いたフォワードレッグエクステンションエクササイズを示している。
図17oは、ベスト上の肩ループと直線状バーとに接続されたストレッチコードを用いたチェストプレスエクササイズを示している。
図17pは、ベスト上の肩ループとハンドルとに接続されたストレッチコードを用いたペクトラルクロスエクササイズを示している。
図17qは、足ストラップとベストの側部とに接続されたストレッチコードを用いたハンズフリースクワットを示している。
図17rは、デュアルエクササイズを示しており、ここでは、使用者は、(i)ベストと足ストラップとに接続されたストレッチコードを用いたスクワット、及び(ii)ハンドルと足ストラップとに接続されたストレッチコードを用いたリフトを行っている。
図17sは、別のデュアルエクササイズを示しており、ここでは、使用者は、(i)ベストと足ストラップとに接続されたストレッチコードを用いたスクワット、及び(ii)ハンドルとベストの肩ループとに接続されたストレッチコードを使用したアームエクステンションを伴うツイストパンチングモーションを行っている。
図17tは、別のデュアルエクササイズを示しており、ここでは、使用者は、(i)ベストと足ストラップとに接続されたストレッチコードを用いたスクワット、及び(ii)ハンドルとベストの肩ループとに接続されたストレッチコードを使用したオーバーヘッドプレスを行っている。
【0052】
図18は、本発明のベスト120の別の実施形態の正面を示している。図示のベスト120は、ベストの正面の長さにわたって上下する正面ジッパー121閉鎖具と、ベストの正面の上側部分及び下側部分に位置する調整可能な締付け機構又はストラップ122とを有する。締付けストラップ122は、バックル接続を有して示されている。肩締付けストラップ123も、
図19に示されている。締付けストラップ122及び123は、密着したフィットをもたらすように、着用者に対するベストのフィット感を調整するのに使用される。ジッパー付きウェイトポケット124が、ウェイトを保持するためにベストの正面の左側及び右側にある。ウェイトポケットの上部は、ジッパー閉鎖具を有する。
図18は、ベスト120を着用者又は使用者が着用した状態に見えるようにストラップ122がバックル留めされた状態の、ベスト120の正面を示している。ベスト120の内面は、好ましくは柔らかく通気性のあるライナー125を有する。ライナー125は、台湾、台中市所在のTiong Liong Corporation社によって供給されているAriaprene(登録商標)、又は他の同様の材料等の穿孔発泡材料から作製することができる。ライナーの厚さは、好ましくは1ミリメートル~4ミリメートルの範囲で変動し得る。
【0053】
図19は、着用者又は使用者が着用した状態に見えるように、ベスト120の背中を示している。調整可能な肩ストラップ123は、ベストの肩部分の頂部に位置し、密着したフィットをもたらすように、着用者に対するベストのフィット感を調整するのに使用される。ジッパー付きウェイトポケット126が、ウェイトを保持するためにベストの背中の左側及び右側にある。ウェイトポケット126の上部は、ジッパー閉鎖具を有する。
【0054】
図20は、ベスト120の側部にある側部締付けストラップ127を示している。ストラップ127は、密着したフィットをもたらすように、着用者に対するベスト120のフィット感を調整するのに使用される。側部締付けストラップ127は、ベストの左側及び右側に位置する。
図20は、ベストの側部の下から上に延在する伸縮性材料も示している。
図25に示されているように、伸縮性材料128は、ベスト120の側部の鉛直長さにわたって上下することが好ましい。伸縮性材料128は、ベストの左側及び右側にあることが好ましい。伸縮性材料の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0055】
ベスト1及び120の正面ポケット又は背面ポケットのうちの任意のものに、ウェイトバッグ又は他の形態のウェイトインサート等のウェイト物体を詰めることができる。上記バッグには、砂、ガラスビーズ等の任意の好適な高重量材料を詰めることができる。ウェイト材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。
【0056】
図21は、三角形カラビナクリップ130に接続されたストレッチコード129を示している。ストレッチコード129は、ストレッチコード129とともに伸縮する保護スリーブ131を有する。カラビナクリップ130は、ストレッチコード129のゴムの利用可能な長さをより大きくするために、長さが小さいことが好ましい。カラビナ130のサイズが小さいことは、本明細書に開示されるシステムの短めのストレッチコード、すなわち、6インチ~8インチ長のコードにとって特に重要である。カラビナクリップ130は、ストレッチコード及び保護スリーブの接続に好適な、長円又は矩形を含む任意の形状を有することができる。
【0057】
図22は、ベスト1の背面下側部分にある更なる背面ストレッチコード接続ループ8i及び8jを有するベスト1の別の実施形態の背面図を示している。背面ストレッチコード接続ループ8i及び8jは、ベスト1の背面から足ストラップ(例えば、
図9a及び
図9bにおける足ストラップ70)に延在するストレッチコードの接続及び使用を可能にする。器具のそのような形態は、レッグエクステンション及びスクワットを含む様々なエクササイズに使用することができる。
【0058】
図23及び
図24は、腿ストラップ132及び足ストラップ133の実施形態、並びに、いくつかの提案される有用な形態及びその構成の相対的な寸法を示している。腿ストラップ132及び足ストラップ133は、図示のように、コード接続ループ134及びベルクロ締付けストラップ135を有する。
図25は、足ストラップ133のループ134のうちの1つの詳細図を示している。ベルクロ締付けストラップ及びコード接続ループを含む腿ストラップ132及び足ストラップ133の材料は、当業者には既知である。
【0059】
図26は、カラビナクリップ136が各端部に取り付けられたストレッチコード135を示している。安全スリーブ137が、ストレッチコード135を覆い、ストレッチコード135の全長に延在し、カラビナ136に接続する。安全スリーブ137は、ストレッチコード135が引っ張られている間伸長するように、伸長可能である。安全スリーブ137は、コード135が破断点まで引っ張られることがないように、ストレッチコード135の伸長量を制限するように構築される。伸長中にストレッチコードが破断した場合、安全スリーブが、破断したコードの切れた端部を収容していることで、破断したコードのはね返り又は他の突然の動きを最小限に抑える。
図27は、三角形状を有する2つの代替的なカラビナクリップ140を示している。代替的な形状のカラビナをシステムにおいて使用してもよい。カラビナクリップは、標準的な長円形状又は
図27に示されているような三角形としても、正方形、矩形を含む他の形状及び形態を有してもよい。
【0060】
ストレッチコード135とカラビナクリップ136との間の接続は様々であり得る。例えば、安全スリーブ137を、カラビナ136の端部に巻き付けることができる。安全スリーブ137内のストレッチコード135を、カラビナクリップ136の端部に巻き付けることもできる。ストレッチコード135とカラビナ136との強固な接続をもたらすために、安全スリーブ137の端部をストレッチコード135に縫い付けてもよい。代替的に、ストレッチコード135とカラビナ136との間の接続は、安全スリーブ137及びストレッチコード135の周りに巻き付けられて、ストレッチコード135をカラビナ136に固定する、金属製クリップ138を利用してもよい。
【0061】
図28は、3対のストレッチコード150、151、及び152を示している。短めの対150は、弛緩した非伸長形態において、カラビナクリップの端部まで約4インチ~8インチ長である。カラビナクリップは、約1インチ~2インチ長であり、ストレッチコードのゴム部分は、約4インチ~6インチ長である。短めの対150は、22インチ~26インチの範囲の長さに伸長可能である。好ましい実施形態において、短めのコード150は、約24インチの長さに伸長可能であり、5ポンド~25ポンドの範囲の伸長抵抗を有する。安全スリーブは、そのような長さを超えてストレッチコードが伸長するのを制限することが好ましい。
【0062】
図28における中間の長さの対のストレッチコード151は、約9インチ~11インチの長さが想定され、32インチ~40インチの範囲の長さに伸長可能である。好ましい実施形態において、中間の長さのコード151は、約36インチの長さに伸長可能であり、5ポンド~25ポンドの範囲の伸長抵抗を有する。安全スリーブは、そのような長さを超えてストレッチコードが伸長するのを制限することが好ましい。
【0063】
図28における長めの長さの対のストレッチコード152は、約18インチ~20インチの長さであり、好ましい実施形態において、最大60インチの長さに伸長可能であり、30ポンド~50ポンドの範囲の伸長抵抗を有する。好ましい実施形態において、安全スリーブは、そのような長さを超えてストレッチコードが伸長するのを制限することが好ましい。
【0064】
図29~
図36を参照すると、本発明のベスト1の代替的な実施形態は、
図29~
図36に示されているような背中ブレース又はブレース部材200を備える。ブレース部材200を備え、内向きにカーブした形状を有する、ベスト1の女性用に構成された形態が、
図29、
図30、
図33、
図35、及び
図36に示されており、ベスト1の男性用に構成された形態(内向きにカーブした形状を有しない)が、
図31、
図32、及び
図34に示されている。
【0065】
ベストの背中ブレース形態の1つの実施形態において、ブレース部材200(
図37及び
図38ではベストから取り外されて示されている)は、オボイド形又は卵形状を有し、ベスト1の底部に近接して位置するようになっている比較的幅広の底端部202を画定し、ベスト1の頂部に近接して位置するようになっている先細りの比較的幅狭の頂端部204を更に画定する。ブレース部材は、当該技術分野において既知の他の形状及びサイズを有してもよい。
図35を参照すると、ベスト1には、ブレース部材200の中心付近に位置し、ブレース部材200を使用者の背骨に対してきつく引き付けるように機能する、更なる締付けストラップ4又は同等の締付け手段を設けることができる。
図35及び
図36に示されているように、更なる中央締付けストラップ4は、ブレース部材200がストラップ4と使用者の背骨との間に位置するようにブレース部材200の後ろ(後方)に延在することが好ましい。ストラップ4は、ベスト材料の背面部分の層内に位置することが好ましい。
【0066】
ブレース部材200は、ベスト1の背面パネル又は背面部分に取外し可能又は取外し不能に取り付けることができる。例えば、ブレース部材200は、ベスト1の背面部分に縫い付けることができる。ブレース部材200は、
図33及び
図34に示されているように、使用者の背中に接触してポケット210内に取外し可能に保持されるインサートの形態を有することがより好ましい。ポケット210は、ブレース部材200を受ける開放した幅広の底端部212と、ブレース部材200の頂端部204を受けて位置付ける閉鎖した先細りの頂端部214とを有する。ポケット210は、ジッパー216等の、底端部212を閉鎖する手段を備える。ボタン、ベルクロ、スナップ、磁石、留め具等の、ポケット210を閉鎖する他の好適な手段を使用してもよい。
【0067】
ブレース部材200は、男性用及び女性用のベスト1のそれぞれにおいて、材料の背面パネル又は背面部分内にのみ存在し、ベスト1の使用中に背骨及び隣接する筋肉をサポートするように構成される。
図37~
図39を参照すると、ブレース部材200は、使用者の背中に面しない比較的剛性の高い剛性基板部分220と、使用者の背中に面する比較的コンプライアント性の高いコンプライアント部分224とを有する複合構造体として形成されることが好ましい。1つの現在好ましい実施形態において、剛性基板220は、所望の外形に熱成形することができるアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックシートであり、コンプライアント部分224は、独立気泡発泡材である。複合材の部分220及び224は、接着フィルム層によって接続される。ブレース部材200には、剛性基板部分220用に金属又は他の熱可塑性物質等の他の材料も想定される。さらに、ブレース部材200のコンプライアント部分224は、布地、芯材、織物、又は連続気泡発泡材から形成することができる。1つの形態において、ブレース部材200は、重量を低減するとともに通気性を向上させるために、複数の通り穴又は貫通孔228を有することができる。ブレース部材200は、エクササイズ中、背中及び背骨のサポートを提供するように機能し、それにより、エクササイズ中の良好な姿勢及び背骨の位置合わせを維持するのを補助する。
【0068】
図40~
図43を参照すると、ベスト1の正面部分又は正面パネルに取外し可能又は取外し不能に取り付けることができる、前部ブレース又は前部ブレース部材300が示されている。前部ブレース部材300(
図40~
図43ではベスト1から取り外されて示されている)は、先細りの湾曲形状を有し、ベスト1の頂部に近接して位置するようになっている比較的幅広の頂端部302を画定し、ベスト1の底部に近接して位置するようになっている比較的幅狭の底端部304を更に画定する。
【0069】
前部ブレース部材300は、ベスト1の正面ポケット7に挿入される一対のインサートとして設けられるように構成される。代替的に、前部ブレース部材300は、ベスト1の正面パネル又は正面部分の右側及び左側に取外し不能に取り付けることができる。例えば、前部ブレース部材300は、ベスト1の正面部分(
図1及び
図2を参照)に縫い付けることができる。前部ブレース部材300は、ベスト1の使用中に胸部及び隣接する筋肉をサポートするように構成される。各前部ブレース部材300は、使用者の胸部に面しない比較的剛性の高い剛性基板部分320と、使用者の胸部に面する比較的コンプライアント性の高いコンプライアント部分324とを有する複合構造体として形成されることが好ましい。1つの現在好ましい実施形態において、剛性基板320は、所望の外形に熱成形することができるアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックシートであり、コンプライアント部分324は、独立気泡発泡材である。複合材の部分320及び324は、接着フィルム層によって接続される。前部ブレース部材300には、剛性基板部分320用に金属又は他の熱可塑性物質等の他の材料も想定される。さらに、前部ブレース部材300のコンプライアント部分324は、布地、芯材、織物、又は連続気泡発泡材から形成することができる。1つの形態において、前部ブレース部材300は、重量を低減するとともに通気性を向上させるために、複数の通り穴又は貫通孔328を有することができる。前部ブレース部材300の角部は、使用者の快適性を向上し、ベスト1への挿入を容易にするために、丸みが付けられる。
【0070】
本発明の1つの現在好ましい形態において、各前部ブレース部材300は、約3.75インチ(95mm)の頂端部302と、約3.25インチ(83mm)の底端部304と、約9インチ(229mm)の全高とを含む。コンプライアント部分324は、約1/8インチ(3.2mm)の厚さを有することが好ましい。
【0071】
図44~
図47を参照すると、使用者の前腕又は手首の周りに巻き付けられる、手首又は前腕スリーブアタッチメント350が示されている。前腕スリーブ350は、肢切断者、脳卒中患者、関節炎、及び他の障害又は状態である場合等、ストレッチコード(例えば、
図5~
図7の40)に取り付けられたハンドルを握ることができない本発明の使用者にとって有利である。前腕スリーブ350は、ベストから前腕スリーブ350に延在するストレッチコード40に係合するように、様々な場所で1つ以上の接続点又はループを有することができる。2つのループ351が、スリーブ350の左側において頂端部及び底端部に近接して位置し、2つのループ352が、スリーブ350の右側において頂端部及び底端部に近接して位置し、2つのループ353が、スリーブ350の中央において頂端部及び底端部に近接して位置することが好ましい。スリーブ350は、スリーブ350を腕の周りに密着して確実に保持するように、1つ以上の締付けストラップ、ベルト、ベルクロストラップ、又は他の同様の接続を有することができる。スリーブ350の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。スリーブ350は、スリーブ350を使用者の前腕の周りに固定するようにベルクロによって締結される2つの締付けストラップ354を有することが好ましい。
【0072】
図48~
図51を参照すると、使用者の膝の周りに巻き付けられる、膝スリーブアタッチメント360が示されている。膝スリーブ360は、肢切断者、糖尿病、関節炎、及び他の障害又は状態を有する使用者である場合等、足ストラップ(例えば、
図9a及び
図9bの70)を利用することができない本発明の使用者にとって有利である。膝スリーブ360は、ベスト1から膝スリーブ360に延在するストレッチコード40に係合するように、様々な場所で1つ以上の接続点又はループを有することができる。2つのループ361が、膝スリーブ360の右側において頂端部及び底端部に近接して位置し、2つのループ362が、膝スリーブ360の左側において頂端部及び底端部に近接して位置し、2つのループ363が、スリーブ360の中央において頂端部及び底端部に近接して位置することが好ましい。膝スリーブ360は、スリーブ360を使用者の膝の周りで脚に密着して確実に保持するように、1つ以上の締付けストラップ370、ベルト、ベルクロストラップ、又は他の同様の接続を有することができる。スリーブ360の設計、構造、及び材料の利用可能な選択肢は、当業者には既知である。膝スリーブ360は、スリーブ360の使用中の膝の曲げに適応するように、正面孔372及び背面孔374を有することが好ましい。
【0073】
ここで
図52~
図57を参照すると、本発明者は、同じアタッチメント(例えば、ハンドル44、足ストラップ70、手首スリーブ350、膝スリーブ360等)からベスト1上の異なる取付け点又はループ8a~8jに延在する複数のストレッチコードを接続することにより、使用者の可動域中の複数の筋肉群に対する新規のエクササイズを提示することができることを見出した。コードは、使用中のストレッチコードによってもたらされる抵抗の度合い及び可動域を変動させるように、異なる長さ及び強度抵抗を有することができる。
図52は、2つの異なるコードによってループ8d及び8hに取り付けられ、単一のループに接続された単一のコードを使用する場合と比較して増大した抵抗を有し、さらに、使用者が腕を上下に動かす際、上方及び下方の双方向においてより大きな可動域に更なる抵抗をもたらすハンドグリップ44を伴う、ベスト1の形態を示している。
図53は、抵抗が増大したアームカールのために2つの異なるコードによってループ8e及び8fに取り付けられたハンドグリップ44を伴う、ベスト1の形態を示しており、抵抗が増大したレッグエクステンション又はスクワットエクササイズのために2つの異なるコードによってループ8b及び8cに取り付けられた足ストラップ70を更に示している。それに対し、
図54は、抵抗が増大した異なるレッグエクステンション又はスクワットエクササイズのために、異なる点72及び73において、ベスト1上の下側ループに接続されたコードに取り付けられた一対の足ストラップ70を示している。
図55は、コードの対を一対の膝スリーブ360及び一対の足ストラップ70に接続し、使用者の下腿の運動に伴って抵抗を与える2つの背面ループ8i及び8jの使用を示している。
図56は、全ての腕の運動に伴うハンズフリーレジスタンスのために、2つの側部ループ8d及び8eに接続された前腕スリーブ350を着用している使用者を示している。
図57は、前腕スリーブ350及びハンドグリップ44を使用したコンビネーションエクササイズを示しており、ここでは、ベスト1上の3つの別個のループ8g、8a、8bが利用される。当業者であれば、ベスト1及び1つ以上のアタッチメントを用いて、他の数多くの多点エクササイズが可能であることが明らかであろう。
【0074】
本明細書に開示されるエクササイズシステム並びにベスト1及び付属品の使用方法は、使用者がベスト1を装着及び着用することを含む。使用者は、行うエクササイズ(複数の場合もある)に応じて、ストレッチコード(複数の場合もある)の長さ、ストレッチコードの抵抗の強さ、抵抗を追加するためにストレッチコードを二重にするか否かを選択する。例えば、ベスト上の肩ループ8g及び8h又は下側ループ8c及び8fへの接続を使用するエクササイズの場合、使用者は、腕を真っ直ぐ伸ばすアームエクササイズを行うために、約4インチ(102mm)~約14インチ(355mm)の範囲の非緊張又は静止長さを有するストレッチコード50を選択することができる。1つの好ましい実施形態において、約8インチ(203mm)長のコードが使用される。例えば、短めのコードが好ましいとされ得る、
図17a、
図17g、
図17i、
図17j、
図17o、及び
図17pを参照されたい。また、中間の長さのコードが使用され得る、
図17e、
図17k、
図17l、及び
図17mを参照されたい。6インチ(152mm)のコード、7インチ(178mm)のコード、8インチ(203mm)のコード、又は9インチ(229mm)のコード等の短めのコードが、ショルダープレス、チェストプレス等の伸長の必要がより少ないエクササイズに好ましい。バイセップカールを行う場合、使用者は、短めのコード、すなわち、約6インチ(152mm)、7インチ(178mm)、又は8インチ(203mm)の長さを有するストレッチコードを選択し、ベスト上の正面下側ループに取り付けることができる。足バー75又は足ストラップ70を使用するエクササイズの場合、使用者は、約16インチ(406mm)~28インチ(711mm)の範囲の長さを有する長めのストレッチコードを選択することができる。1つの好ましい実施形態において、18インチ(457mm)長が使用される。例えば、
図17b、
図17c、
図17f、
図17h、及び
図17nに示されているエクササイズを参照されたい。ニーリングファイヤーハイドラントエクササイズ又はクラムシェルエクササイズ等の腿ストラップを使用するエクササイズの場合、使用者は、8インチ(203mm)~14インチ(355mm)の範囲の短めのストレッチコードを選択することができる。ストレッチコードの最適な長さは、使用者の体格及び四肢の長さによって決まり得る。
【0075】
ストレッチコードを選択した後、次いで、行うエクササイズに応じて、使用者は、ハンドル(
図6、
図7、
図7a、及び
図8の選択を参照)、足ストラップ(
図9a及び
図9bを参照)、バー(
図10~
図13の選択を参照)、腿ストラップ(
図14を参照)、前腕ストラップ(
図44~
図47を参照)、及び膝ストラップ(
図48~
図51を参照)の任意の組合せを選択することができる。その後、使用者は、エクササイズを行うことができる。ベスト、ストレッチコード、足ストラップ、腿ストラップ、膝ストラップ、ハンドル、及びバーの様々な組合せにより、使用者は、上述した
図17a~
図17pに示されている多様なエクササイズから、及び示されていない他の多くのエクササイズから選択することが可能になる。
【0076】
上記に開示したエクササイズ器具及びシステム、並びにその関連する使用方法により、使用者は、フィットネスセンター、身体リハビリテーションセンター、住宅等で通常見られる大掛かりな器具を必要とすることなく、多様なエクササイズを行うことが可能になる。開示されるシステムは、人体をストレッチコードエクササイズのアンカーとして有利に使用し、ストレッチコードの端部を外部アンカーに取り付ける必要がない。そのようなエクササイズ器具及び関連するシステム、並びに関連する方法及びエクササイズのうちの多くは、重力を利用せず、無重力環境で使用及び実行することができる。開示されるベスト、器具、及びストレッチコードシステムを使用することで、ベストを着用し、器具を使用し、座りながら、立ちながら、横になりながら、ウォーキング中又はランニング中、室内又は屋外で、及び静止中又は移動中にエクササイズを行うことができる。開示されるシステムは、車椅子利用者を含む筋力又は運動能力に障害のある人が、数多くの筋力トレーニングエクササイズを行うのに有用である。腿ストラップ、前腕ストラップ、及び膝ストラップの実施形態は、手、足、又は下腿の切断者が様々な筋力トレーニングエクササイズを行うのに有用である。ウォーキング中又はランニング中、ダンベル等のウェイトを携行及び使用するのとは異なり、開示されるシステムは、下肢に大きな重量を負担させることなく、ウォーキング又はランニングを同時に行いながらベスト及びストレッチコードを使用してアームエクササイズを行う等の、レジスタンストレーニングを組み合わせる能力を可能にする。ストレッチコードの様々な組は非常に軽量であるため、静止又は移動ワークアウト中(例えば、ウォーキング中又はランニング中)、収納ポケットに入れて携行することができる。ワークアウト中の任意の時点で、静止中又は移動中にハンドルにかかる抵抗力を増減するように、ストレッチコードの選択及び形態を変更することができる。したがって、本発明は、経路に沿って、移動中又は有酸素トレーニングと組み合わせながら、動的及び漸進的なレジスタンストレーニングの使用方法を可能にする。
【0077】
例えば、本発明によって可能になる使用方法において、使用者は、ストレッチコードを異なるウェイト(異なるウェイトとは、通常はポンド又はキログラム単位で測定される異なるレベルの伸長抵抗を意味する)に変更するか、又は、コードの伸長に必要な力の量を増減するためにハンドル若しくはストラップに取り付けられるストレッチコードの数を増減することにより、ワークアウトの過程でストレッチコードにおける抵抗を漸進的に変更することができる。本発明によって可能になる使用方法の代替的な態様及び利益において、ベスト、ハンドル、及びストラップ上の接続点を変更することにより、使用者は、ワークアウトの過程で、ハンドル及び/又はストラップを動かすのに必要な異なる筋肉に係合するように、手、腕、脚、及び/又は足の運動方向を変更することができる。したがって、本発明によって可能になる使用方法の代替的な態様及び利益において、使用者は、ワークアウトの過程で、ストレッチコードと、ベスト、ハンドル、又はストラップ上の接続点との双方を漸進的に変更することで、ハンドル又はストラップにおいて感じる抵抗の量及び/又は方向を変更する(したがって、使用者がハンドル又はストラップを動かすために係合する筋肉及び/又は筋肉の運動量を変更する)ことができる。様々な長さ及びウェイトのコードは、ワークアウトの過程でベストにおけるポケットに入れて容易に携行することができ、使用者がワークアウトの過程でベスト、ハンドル、及び/又はストラップに接続するコードを変更又は追加することができるように、コードへの便利なアクセスをもたらすことができる。したがって、本発明の特徴の組合せにより、静止中又は移動中(トラック上での又は使用者が出発点から離れるコース上でのウォーキング、ジョギング、又はランニング中等)の漸進的な筋力トレーニングワークアウトが可能になる。このシステムは、移動中の新たな種類の漸進的筋力負荷エクササイズを可能にすることで、使用者のあらゆるフィットネスレベルにおいて筋力トレーニングと有酸素エクササイズとを組み合わせる新たな種類のワークアウトを可能にすると考えられる。
【0078】
本発明の代替的な態様において、ウェイトバッグ又はインサートを、ベストの正面及び/又は背中にあるポケットに加えることができる。したがって、ベスト、ハンドル、及びストラップの使用中、ウェイトバッグ又はインサートは、使用者によってワークアウトを変更及び/又は強化することができる。
【0079】
開示されるベスト、ストレッチコード、ハンドル、及び様々なバーは、軽量でスペースをほとんど取らないため、持ち運び可能であり、自動車、航空機等で容易に輸送され、任意の選択された場所(他の住宅又はホテルの部屋等)において使用可能である。開示される器具及びシステムは、最小限の設置労力で任意の場所に設置し、開示される使用方法を実行することができる。開示される器具、システム、及び関連する使用方法は、コストが高いこと、重く扱いにくい複数の器具を必要とすること、広いスペースが必要であること、持ち運びができないこと、及び、単一の又は非常に少数の器具を用いて行うことができる様々なエクササイズに関して実用性を欠いていることを含む、他の種類のフィットネス器具に関連する欠点を回避する。開示される器具、システム、及び使用方法は、従来技術では知られておらず、トレーニング及びエクササイズ器具、並びに関連するシステム及び使用方法における現行技術水準において飛躍的進歩であると考えられる。
【0080】
本発明の好ましい実施形態は、構成要素(ストレッチコード、ベストのループ、ハンドル)間に、カラビナ型の開閉可能なフックの形態の取付け手段を含むが、他の取付け手段を利用することができることが理解されよう。例えば、ストレッチコードは、ベスト又はハンドグリップに結び付けたり通したりすることができ、ベルクロ又はスナップフィット接続を使用することができ、及び他の機能的に同等の機構を使用することができる。
【国際調査報告】