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特表2025-505365免疫活性化状態を判定するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-26
(54)【発明の名称】免疫活性化状態を判定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/49 20060101AFI20250218BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20250218BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
G01N33/49 K
G01N37/00 101
G01N35/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542244
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-28
(86)【国際出願番号】 US2022052236
(87)【国際公開番号】W WO2023136896
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】17/575,388
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】524265367
【氏名又は名称】サイトヴェイル インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヘンリー タット クォン
(72)【発明者】
【氏名】シャー,エージェイ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ギュー,ライオネル
(72)【発明者】
【氏名】マルキン,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,アン イー.
(72)【発明者】
【氏名】マルチネーゼ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】コールグローブ,カリッサ
(72)【発明者】
【氏名】ボイエン,ローラ
【テーマコード(参考)】
2G045
2G058
【Fターム(参考)】
2G045AA02
2G045AA05
2G045AA25
2G045BA01
2G045BB39
2G045CA11
2G045CA25
2G045FA19
2G045FA37
2G045HA01
2G045HA06
2G045HA09
2G045JA01
2G045JA07
2G058AA09
2G058BA01
2G058BA06
2G058BA10
2G058BB02
2G058BB03
2G058BB11
2G058BB18
2G058BB19
2G058BB23
2G058BB27
2G058CC05
2G058GA06
2G058GD05
(57)【要約】
【解決手段】
患者における免疫系活性化状態を検出するためのシステムまたは方法は、試験管に取り付けられるように構成されたスピンドルを使用して患者の試料から白血球を単離するように構成された試料調製システムと、試料の白血球の生物物理学的特性を判定するように構成されたサイトメトリーモジュールと、患者が敗血症を有することに関連する確率を判定するために生物物理学的特性を解析するように構成された解析モジュールとを含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における敗血症の確率を診断するためのシステムであって、前記システムは、
・試料調製サブシステムであって、
・前記患者からの血液試料を含む試験管を保持するように構成された試料ホルダ、
・シールを介して前記試験管に取り付けられるように構成されたスピンドルであって、前記スピンドルが、試薬リザーバまたは真空ポンプの少なくとも1つに流体接続される1つ以上の試薬ポートを備え、前記スピンドルが、前記試験管内の前記血液試料を遠心分離するように構成される、スピンドルを備える、試料調製サブシステムと、
・前記試料調製システムから調製された血液試料を受け取るように構成されたサイトメトリーモジュールであって、前記サイトメトリーモジュールが、
・変形領域を有するマイクロ流体チャネルを備えるマイクロ流体カートリッジであって、応力が前記変形領域内の細胞に加えられる、マイクロ流体カートリッジ、
・マイクロ流体カートリッジの温度を目標温度に維持するように構成された加熱要素、
・画像センサおよび顕微鏡を備える撮像システム、ならびに
・前記マイクロ流体チャネルに接続された圧力システムであって、前記圧力システムが、前記マイクロ流体カートリッジを通して前記血液試料を変位させる、圧力システムを備える、サイトメトリーモジュールと、
・画像解析システムであって、
・前記撮像システムを用いて取得された前記血液試料の画像を分析し、かつ
・前記患者が敗血症を有する確率を判定するように構成される、画像解析システムと
を備える、システム。
【請求項2】
前記試料ホルダが、ステッピングモータに接続され、試薬が、前記試料ホルダの位置に応じて、試料に添加される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記試薬リザーバが、溶解液、クエンチ溶液、または緩衝液のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記溶解液がギ酸を含み、前記クエンチ溶液が塩基性溶液を含み、前記緩衝液がPBS緩衝液を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
調製された試料の温度が、25℃±1℃である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記目標温度が、25℃±0.5℃である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記患者が敗血症を有する確率が、前記血液試料を前記試料ホルダに導入してから約10分以内に判定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
患者における免疫系活性化状態を検出するためのシステムであって、前記システムは、
・試料調製システムであって、
・前記患者の血液試料から赤血球を溶解し、
・前記血液試料からの白血球が損傷する前に、溶解反応をクエンチングし、
・溶解された前記赤血球から前記白血球を分離し、および
・前記血液試料の温度を24~26℃に維持するように構成される、試料調製システムと、
・試料の白血球の生物物理学的特性を判定するように構成されたサイトメータと、
・前記生物物理学的特性に基づいて、前記患者における免疫系活性化状態を検出するように構成された解析モジュールを含むプロセッサと
を含む、システム。
【請求項9】
前記サイトメータは、
・分離された前記白血球を受け取るように構成された入口と、
・フィルタを介して前記入口に流体接続された集束領域であって、前記集束領域が、前記白血球を整列させるように構成される、集束領域と、
・前記集束領域に流体接続された変形領域であって、前記変形領域が、前記白血球を変形させるように構成されている、変形領域と、
・第2のフィルタを介して前記変形領域に流体接続される出口と
を含むマイクロ流体チャネルを備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記サイトメータが、前記マイクロ流体チャネルを24.5℃~25.5℃の温度に維持する熱システムをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サイトメータが、前記変形領域の画像を取得するように構成された撮像システムをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記撮像システムの画像センサのフレームレートが、少なくとも50,000フレーム/秒である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記撮像システムが、前記変形領域の上流のチャネル内の白血球の画像を取得するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記チャネル内の前記白血球の画像が、前記マイクロ流体チャネルを通る試料の流量を判定するために使用される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
判定された流量が閾値流量範囲外である場合、前記血液試料は分析されない、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記赤血球を溶解することは、前記白血球の活性化状態を変化させない、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
サイトメトリーモジュール内の前記血液試料の流れは、91±3PSIの圧力の圧縮空気を使用して確立される、請求項8に記載のシステム。
【請求項18】
前記生物物理学的特性が、軌道パラメータ、細胞数、または白血球亜集団のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項19】
前記軌道パラメータが、前記白血球の細胞の重心の振動を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記解析モジュールが、前記生物物理学的特性に基づいて、前記患者における免疫系活性化状態を検出するように訓練された機械学習アルゴリズムを使用する、請求項8に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサがグラフィックスプロセッシングユニットを含み、解析モジュールがグラフィックスプロセッシングユニットアクセラレーテッドコンピュテーションを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
患者における敗血症を検出するための方法であって、
・マイクロ流体チップを目標温度に予熱する工程と、
・血液試料中の赤血球を分解するために、前記患者からの前記血液試料をギ酸溶液と混合する工程と、
・溶解時間の後、前記血液試料および前記ギ酸溶液をクエンチング溶液でクエンチングする工程と、
・クエンチング時間の後、溶解された赤血球を前記血液試料の白血球から除去するために、前記血液試料を洗浄する工程と、
・前記白血球を緩衝液に再懸濁する工程と、
・前記白血球を再懸濁する閾値時間内に、前記緩衝液中の前記白血球溶液を、予熱された前記マイクロ流体チップに移す工程と、
・前記マイクロ流体チップの変形領域内で、前記白血球を変形させる工程と、
・前記白血球の変形中に、前記白血球の画像を取得する工程と、
・前記白血球の前記画像から抽出された特徴に基づいて、前記患者の敗血症を検出する工程であって、前記特徴が、軌道パラメータ、細胞数、および白血球亜集団を含む、工程と
を含む、方法。
【請求項23】
前記溶解時間が約10秒である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記クエンチング時間が約10秒である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記血液試料を洗浄する工程が、前記血液試料を約10mlの前記緩衝液で洗浄することを含み、前記血液試料を洗浄する工程が、前記血液試料を、同時に、吸引し、かつ遠心分離することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
閾値時間は最大で約5分である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記白血球および前記緩衝液の体積が約1mlであり、前記白血球および前記緩衝液の温度が約25℃である、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
・前記白血球の温度を判定する工程と、
・前記緩衝液中に白血球を再懸濁した後、再懸濁された前記白血球の温度が約25℃になるように、前記緩衝液を緩衝液温度に予熱する工程であって、前記緩衝液温度が、前記白血球の温度に依存する、工程と
をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記目標温度が約25℃である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
方法であって、
・患者の血液試料を処理する工程であって、
・溶解液を用いて、前記血液試料の赤血球を分解すること、
・閾値溶解時間後に、前記赤血球の分解をクエンチングすること、
・分解された赤血球の破片を除去し、かつ前記血液試料の白血球を濃縮するために、クエンチングされた溶液を遠心分離および吸引すること、ならびに
・濃縮された前記白血球を緩衝液に懸濁すること
を含む、工程と、
・閾値移送時間内に、マイクロ流体チップ内で懸濁された白血球のうちの白血球を変形させる工程と、
・前記白血球を変形させながら、取得した白血球の画像に基づいて、前記患者が免疫活性化状態にある確率を判定する工程と
を含む、方法。
【請求項31】
方法品質メトリックが満たされるかどうかを判定する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法品質メトリックが満たされない場合、前記方法が、前記血液試料を廃棄する工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法品質メトリックが、最大溶解時間、最小溶解時間、最大クエンチング時間、最小クエンチング時間、最大洗浄時間、最小洗浄時間、最大温度変動、最大流量、最小流量、最大移送時間、最大圧力、または最小圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記血液試料を処理する工程の前に、前記マイクロ流体チップを目標温度に予熱する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
濃縮された前記白血球を懸濁する工程が、前記緩衝液を緩衝温度に予熱することを含み、前記緩衝液温度が、濃縮された前記白血球を懸濁した後、懸濁された前記白血球の温度が約25℃になるように選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記患者が免疫活性化状態にある確率を判定する工程が、白血球の標準偏差が35,000個、白血球の平均が55,000個であることに基づく、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記血液試料を溶解することが、前記血液試料の白血球の活性化を変化させない、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記変形領域内の細胞を撮像する前に、前記白血球の流量を判定する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記流量が、前記マイクロ流体チップの変形領域の上流のチャネル内の白血球の複数の画像を使用して判定される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記閾値移送時間が約1分である、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
前記血液試料を処理する工程と、免疫活性化状態の確率の判定する工程との間に経過した総時間は、最大で10分である、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
請求項1~21のいずれか一項に記載のシステムを動作させる方法。
【請求項43】
請求項22~41のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2022年1月13日に出願された米国特許出願第17/575,388号の利益を主張し、この文献は、参照によりその全体が援用される。
【0002】
本発明は、概して、健康分野に関し、より具体的には、健康分野における新規かつ有用なシステムおよび方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】装置の一例の概略図である。
図2】方法の一例の概略図である。
図3】試料ホルダ上の血液試料の一例(例えば、処理前)の概略図である。
図4】血液試料の溶解およびクエンチの一例の概略図である。
図5】溶解された血液試料を洗浄する一例の概略図である。
図6】洗浄された白血球を懸濁する一例の概略図である。
図7】懸濁後に標的温度を達成するために白血球を懸濁する一例の概略図である。
図8】例示的なマイクロ流体流路の概略図である。
図9】例示的な撮像システムの概略図である。
図10】方法の一例のフローチャートである。
図11】白血球の細胞について実行される解析の一例のフローチャートである。
図12】患者の生物物理学的パラメータおよび/または免疫活性化状態を判定する例の概略図である。
図13】試料調製モジュールの一例の概略図である。
図14】システムの一例の概略図である。
図15】スピンドルとインターフェースする試料ホルダの一例の概略図である。
図16A図16Aおよび16Bは、それぞれ、例示的な組み立てられたカートリッジおよびその例示的なマイクロ流体チャネルの概略図である。
図16B図16Aおよび16Bは、それぞれ、例示的な組み立てられたカートリッジおよびその例示的なマイクロ流体チャネルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、本発明をこれらの好ましい実施形態に限定することを意図しておらず、むしろ、当業者が本発明を作製および使用することを可能にすることを意図している。
【0005】
1.概要
図1に示されるように、システム(10)は、試料調製モジュール、測定モジュール、コンピューティングシステム、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。
【0006】
図2に示されるように、方法(20)は、試料を調製する工程と、試料を測定する工程とを含み得る。この方法は、任意選択で、システム(またはその部分)を前処理する工程、患者の免疫活性化状態を判定する工程、患者に介入を提供する工程(例えば、免疫活性化状態に基づく)、および/または任意の適切な工程を含む。
【0007】
システムおよび/または方法は、測定および/または解析のために試料を調製し、試料の特性を測定し、患者の免疫活性化状態を判定するように機能することができ、および/または別の方法で機能し得る。具体的な例では、本システムおよび/または方法は、救急部門(例えば、病院の)、緊急ケア、および/または医師の診療所において、患者をトリアージする(例えば、患者が敗血症関連疾病などの状態を経験している可能性を診断、判定するなど)ために使用することができる。免疫活性化状態の例には、敗血症(sepsis)(例えば、敗血症(septicemia))、敗血症関連疾病、貧血、出血の疾病、全身性炎症反応症候群(SIRS)、血液細胞の健康、臓器の健康、がん疾病(例えば、転移性がん)、炎症、サイトカイン放出(例えば、サイトカインストーム)、自己免疫障害(例えば、関節炎、狼瘡などのリウマチ性障害など)、移植片対宿主病、および/または任意の適切な免疫活性化状態もしくは他の健康状態。免疫活性化状態は、1つ以上の病原体(例えば、病原体のクラスなどの細菌、ウイルス、真菌、化学物質など、特定の病原体など)および/または免疫活性化状態の他の原因によって引き起こされ得、および/またはそれらの診断(例えば、免疫活性化状態が引き起こされる確率)を含み得る。免疫活性化状態は、バイナリ状態(例えば、患者が所与の状態に対して陽性であるかどうかについて、はい、もしくは、いいえ)、重症度指数(例えば、「健康」、「徴候なし」、「軽度」、「中程度」、「重症」、「重症」、「重症」、「急性」、「生命に関わる」など)、数値、患者が状態を有する確率および/または可能性、ならびに/あるいは免疫活性化状態の他の表現であり得る。
【0008】
利点。
該技術の変形形態は、いくつかの利益および/または利点を付与することができる。
【0009】
第1に、該技術の変形形態は、測定および/または解析のための血液試料調製の再現性、反復性、および/または信頼性を改善し得る。向上した再現性および/または信頼性は、異なる施術者、異なる医療行為、異なる地理的領域、異なる時間(例えば、数時間、数日、数週間、数ヶ月、数年など)、異なるシステムにわたって、および/または任意の適切な条件下であり得る。例えば、試料調製手順を標準化すること(例えば、同じまたは同じタイプの試料調製モジュールを使用すること)、最適なタイミング(例えば、プロセス持続時間、相対タイミング、プロセス間の時間量、総プロセス時間など)を判定する、ならびに/あるいは、好ましい条件(例えば、湿度、温度、試薬濃度、試薬添加速度、試薬同一性など)を判定することにより、再現性および/または信頼性が改善されるという技術的利点を可能にすることができる。例えば、システムおよび/または方法は、1.0スコア単位の再現性を達成することができ(例えば、スコアは、約0~10、0~100の範囲であり得、および/または任意の適切な範囲を有し得る)、スコアは、免疫活性化状態に関連し得る。別の例示的な例では、システムおよび/または方法は、異なる条件における試料の生物物理学的パラメータの測定において、少なくとも10%(例えば、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、それらの間の値など)の再現性を達成することができる。しかし、システムおよび/または方法は、任意の適切な再現性および/または信頼性を達成することができる。
【0010】
第2に、該技術の変形は、ユーザエラーの発生を減少させることができる(結果の信頼性、反復性、再現性、妥当性などを改善することができる)。例えば、大部分または全ての工程および/または試料相互作用を自動化することは、試料とのユーザインタラクションを低減させることができる(これはまた、患者の血液試料へのユーザの暴露リスクを低減させるために有益であり得る)。
【0011】
しかし、該技術の変形は、任意の他の適切な利益および/または利点を付与することができる。
【0012】
本明細書で使用されるように、「実質的に(substantially)」または他の似た言葉(例えば、「約(about)」、「およそ(approximately)」など)は、メトリック、構成要素、または他の参照の所定の誤差閾値または許容範囲内であり得るか(例えば、参照の0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、20%、30%以内など)、あるいは別様に解釈される
【0013】
3.システム。
図1に示されるように、システムは、試料調製モジュール、測定モジュール、コンピューティングシステム、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。試料調製モジュール、測定モジュール、コンピューティングシステム、および/または他の構成要素は、共通筐体(common housing)(例えば、筐体(enclosure)、単位など)の中に、別個の筐体および/または単位の中に統合され得(例えば、図14の例に示されるように)、2つ以上の構成要素は、共通筐体を共有することができ、および/または構成要素は、任意の方法で統合または接続することができる。
【0014】
システムは、好ましくは、測定のために試料(例えば、血液試料)を調製し、試料を測定し、試料を解析(例えば、患者の健康状態を判定する、患者の免疫活性化状態を判定するなど)できるように機能し、および/または別様に機能することができる。
【0015】
試料調製モジュール(100)(例えば、試料調製システム、試料調製サブシステム、血液試料システムなど)は、好ましくは、測定される患者の試料を調製するように機能する。試料調製モジュールは、追加的に、および/または代替的に、試料を貯蔵するように機能することができ(例えば、貯蔵のために血液試料を調製する、寿命を増加させるように血液試料を修正するなど)、および/または別様に機能し得る。試料(15)は、好ましくは、患者に関連する血液試料(例えば、動脈採取血液、静脈穿刺採取血液、末梢血試料、指先穿刺血液試料、静脈血、毛細血管血、赤血球、白血球、血小板、血清、血漿など)を指すが、追加的または代替的に、粘液試料、尿試料、唾液試料、痰試料、糞便、精液および/または他の体液などを含み得る。試料は、遠心管(例えば、微量遠心管)、試験管、バキュテナー管、バイアル、ウェルプレート(例えば、24ウェルプレート、48ウェルプレート、96ウェルプレート、384ウェルプレート、標準ウェルプレート、ディープウェルプレートなど)、および/または任意の適切な容器もしくはレセプタクルに提供することができる。試料容器(17)は、ガラス、プラスチック、金属、および/または任意の適切な材料で作ることができる。試料容器は、約10mm~50mm(例えば、15mm、16mm、17mm、20mm、21mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mmなど)の直径(例えば、最大直径、最小直径、平均直径、中心付近の直径、開口直径など)を有することができる)、約10mm未満の直径、または約50mmを超える直径を有する。
【0016】
試料調製モジュールは、好ましくは、自律的(例えば、ユーザ相互作用を伴わない機能、ロボットなど)であるが、半自律的(例えば、1つ以上の工程間を移動させるためにユーザエンゲージメントを必要とする)および/または手動(例えば、試薬を添加するなどの1つ以上の工程を行うためにユーザ入力を必要とする)であり得る。例えば、ユーザは、試料を試料調製モジュールにローディングすることができ、その後、試料調製モジュールは、さらなるユーザインタラクションを伴わずに、調製する工程を実施することができる。別の実施例では、ユーザは、患者のための採血を行うことができ、試料調製モジュールは、採血された血液から血液試料を自動的にローディングおよび処理することができる。しかし、試料調製モジュールは、別様に自動化することができる。
【0017】
試料調製モジュールへの入力は、試料、溶解液、クエンチ溶液、緩衝液、洗浄液、固定液、染色液、および/または任意の適切な溶液または入力を含む。試料調製モジュールの出力は、調製された試料(16)、廃棄物(例えば、細胞断片、タンパク質、血漿、塩、残留試薬などの溶解、クエンチ、洗浄などからの副生成物)、および/または任意の適切な出力を含み得る。出力試料(例えば、試料から分解または除去されない残留物質)は、好ましくは、単離および/または調製される前と実質的に同じ活性化状態にある(例えば、処理された試料の生物物理学的特性は、処理工程前の同じ種の生物物理学的特性に対して、同じであるか、閾値内であるか、約15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、その間の値、<0.1%未満であるかなど)。生物物理学的特性は、細胞亜集団、細胞亜集団の相対量、細胞機械的特性、細胞サイズ、細胞形状、細胞変形能、力に対する細胞応答(例えば、応力、ひずみ、圧縮、膨張など)、軌道(例えば、マイクロ流体チップ内)、および/または任意の適切な特性を含む。しかし、出力試料は、元の試料とは異なる活性化状態にあり得、および/または任意の適切な状態を有し得る。実例として、入力試料は、患者に関連する血液試料であり得、試料調製モジュールの出力は、白血球試料であり得る(例えば、赤血球、血小板などは、血液試料から除去され得る)。この具体的な例では、血液試料を処理することは、白血球の活性化状態(例えば、その生物物理学的特性)を実質的に変化させない。しかし、試料調製システムは、任意の適切な入力および/または出力を受け取ることができる。
【0018】
例えば図13に示されるように、試料調製モジュールは、試料ホルダ、試薬ポート、スピンドル、温度制御システム、センサ、マニホールド、試薬リザーバ、モータ(例えば、ステッピングモータ、遠心分離機など)、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。
【0019】
試料ホルダ(110)は、好ましくは、試料調製システム内で試料を支持するように機能する。試料ホルダは、試験管ホルダ(例えば、試験管ラック、試料容器の中心径に合致する直径を有するリングなど)、クランプ(例えば、指クランプ、リングクランプなど)、トング、および/または任意の適切な試料ホルダを含む(例えば、それらである)ことができる。試料(例えば、試料容器)は、試料ホルダ内に懸濁され、表面(例えば、試料容器の曲率に合致する曲面)上に静置され、および/または別様に試料が試料ホルダによって別様に保持され得る。試料ホルダは、好ましくはモータに接続される(例えば、試料ホルダがシステムの他の構成要素に対して相対的に並進(translated)できるように)。試料ホルダは、好ましくは、スピンドルの下に配置される(例えば、スピンドルの下の中心に配置される)が、スピンドルに対して任意の適切な配向を有し得る。試料ホルダは、任意選択で、ミキサーおよび/または撹拌機構(例えば、マグネチックスターラー、シェーカーなど)に接続され得る。
【0020】
試料ホルダは、自動試料採取機を含み得、これは、試料を自動的にローディングし、変更し、アンローディングし、および/または別様に自動的に修正するように機能し得る。例えば、自動試料採取機は、試料カルーセルを含み得る(例えば、単一の患者、複数の患者などのための複数の患者試料を保持するように構成され、試料は、ラベル、位置、ホルダ、または試料移送やプロセスなどを識別および調整するための他の識別子を含み得る)、ロボット工学(例えば、カルーセルと試料ホルダとの間で試料を移送するように構成される)、および/または任意の適切な自動試料採取機が含まれ得る。
【0021】
いくつかの変形形態では、試料ホルダは、スピンドルおよび/または試薬ポートと同じ(例えば、組み込まれている)ものであり得る(例えば、図15に示されるように)。
【0022】
試薬ポート(120、120’)は、試料に試薬を導入し、試料から試薬を除去し(例えば、試料を吸引し)、試料を混合するように機能し、および/または別様に機能し得る。試薬ポートは、好ましくは、試料容器より小さい直径を有する(例えば、試薬ポートが試料容器の内側にはまり得るように)が、試料容器の直径より大きいおよび/またはなどしい直径を有し得る。試薬ポートは、針、管、マニホールド、配管を含み得、および/または任意の適切なポートが使用され得る。
【0023】
動作中、試薬ポートは、好ましくは、試料容器に挿入される。試薬ポートは、閾値の高さ(例えば、試料の上方、試料ホルダに対して、試料ホルダの上部に対して、試料ホルダの底部に対してなど)まで、最小の深さ(例えば、容器の入口と同じ高さ)まで完全に挿入され、試料中に(例えば、試料で1つ以上のオリフィスを覆うような閾値の深さまで)、および/または任意の適切な深さまで沈められる。しかし、試薬ポートは、追加的にまたは代替的に、試料容器の外側にとどまることができ(例えば、異なる試薬ポートが、異なる試薬を導入するために使用され得る場合)、および/または別様に試料に対して整列され得る。システムが動作していないとき、試薬ポートは、好ましくは、試料ホルダの上方に配置される(例えば、ポートが試料に入るために1つの軸において並進することのみを必要とするように)が、任意の適切な配置を有し得る(例えば、試料にアクセスするために2つまたは3つの軸における並進を必要とする)。
【0024】
試薬ポートは、好ましくは、端部(例えば、試料容器に挿入される端部)にオリフィスのセット(例えば、開口部、穴など)を含み、オリフィスは、試薬を試料に添加および/または試料から除去することを可能にすることができる。オリフィスは、共通のマニホールドを共有することができ(例えば、マニホールドは、分割および/または異なるエンドポイントに接続することができる)、および/または異なるマニホールドに接続することができる(例えば、各マニホールドは、異なる試薬またはエンドポイントに接続される)。実例として、オリフィスは、溶解試薬、クエンチ試薬、洗浄試薬、緩衝液、水、固定剤、真空(例えば、<10mTorr、10mTorr、20mTorr、50mTorr、100mTorr、150mTorr、200mTorr、300mTorr、400mTorr、500mTorr、600mTorr、700mTorr、710mTorr、720mTorr、750mTorr、755mTorr、760mTorr、それらの間の値または範囲などである真空圧力を生成するために真空ポンプ(179)に接続される)、および/または任意の適切な試薬を導入するために使用することができる
【0025】
いくつかの実施形態では、オリフィスを使用して導入される試薬は、モータ位置および/または試料ホルダ位置(例えば、高さ)に依存し得る。例えば、オリフィスは、位置に応じて開放および/または閉鎖され得、弁または他の構成要素機能は、(例えば、インターロック、スイッチなどを介して)試料位置に依存し得、オリフィスは、位置に応じて閉鎖流体経路を形成し得る(例えば、チューブは一直線に並び、ならびに/あるいは、オリフィスは、モータおよび/または試料ホルダの位置に依存し得る)。例えば、図4に示されるように、第1の高さにおいて、試薬ポートは、溶解試薬および/またはクエンチ試薬を導入し得る。例えば図5に示されるように、第2の高さにおいて、試薬ポートは、洗浄試薬および真空を導入することができる(例えば、同時並行的に(concurrently)、同時期的に(contemporaneously)、同時に(simultaneously)、連続して、所定のパターンに従ってなど)。第3の高さでは、例えば図6に示されるように、試薬ポートを使用して緩衝液を導入することができる(例えば、試料を希釈する)。しかし、試薬ポートは、追加的におよび/または代替的に、同じ高さで(例えば、所定の時間で)、および/または任意の適切な条件で、これらの動作を実施し得る。
【0026】
試薬ポートは、複数の貫通マニホールド(through manifolds)(例えば、図3に示されるような別個の流体経路)を含み得、各内部マニホールドは、別個のエンドポイント(例えば、廃棄物収集、真空、異なる試薬など)に接続することができる。しかし、エンドポイント(またはエンドポイントへの経路)は、分割され得(例えば、複数のエンドポイントが、単一マニホールドまたは試薬ポートを使用することを可能にする、弁、分配器、コネクタなどを含む)、および/または別様に構成され得る。
【0027】
いくつかの変形では、システムは、別個の試薬ポートを含み得る。例えば、異なる試薬ポートが、各試薬、試薬のサブセット(例えば、遠心分離前に導入された試薬、遠心分離中に導入された試薬、遠心分離後に導入された試薬)、および/または任意の適切な試薬を導入するために使用され得る。
【0028】
スピンドル(130)は、好ましくは、試料を遠心分離するように機能し、これは、試料の種を分離するために有益である(例えば、溶解度、密度、質量などに基づいて)。例えば、血液試料を遠心分離して(例えば、溶血後)、白血球を濃縮し、赤血球断片を除去することができる。
【0029】
スピンドルは、好ましくは、試薬ポート(例えば、協働的に(cooperatively)統合された部品)と同じであるが、試薬ポートとは別個であり得る。
【0030】
試料は、好ましくは、約500~5000gの相対遠心力で遠心分離されるが、500g未満および/または5000g超で遠心分離することができる。例えば、試料は、約8000rpmで(例えば、8000±1000rpmなどの直径約15mmの試料容器中で)遠心分離することができる。
【0031】
スピンドルは、好ましくは、シール(135)(例えば、接着剤、ガスケット、化学薬品、ねじ、メカニカルシーラントなど)を含み、これは、スピンドルと試料とを接続および/または密閉するように機能する(例えば、真空が引かれることを可能にする、試料が試料容器を排出することを防止するなど)。シールは、好ましくは可逆的であるが、不可逆的であってもよい。例えば、ガスケット(例えば、ゴムガスケット、o-リングなど)を膨張および/または収縮させて、接続部をシーリングおよびアンシーリングされ得、ぴったりとはまり(反対方向の力で、克服され得るように)、ねじ付きシーリング、および/または任意の適切な封止を使用され得る。
【0032】
試薬リザーバ(170)(例えば、ボトル、容器など)は、好ましくは、試料調製のために分注および/または使用される試薬を記憶するように機能する。試薬リザーバは、筐体(例えば、試料調製システム筐体)内、筐体の外側(例えば、試料調製システム筐体の外側)、および/または任意の適切な場所に位置され得る。試薬リザーバは、好ましくは、マニホールド(例えば、管)を通して、試料調製システム(例えば、試薬ポート、スピンドル、試料など)にカップリングされるが、試料調製システムに直接供給(例えば、重力連結)され、および/または別様にカップリングされ得る。リザーバは、外部環境に対して閉鎖および/または開放され得る。リザーバは、ガラス、プラスチック、金属、および/または任意の適切に適合する材料で作製され得る。
【0033】
リザーバ内の試薬は、好ましくは、事前に作製される(例えば、所与の処理工程のための試薬の混合物、各プロセスのための別個のリザーバなどを含む)。しかし、追加的にまたは代替として、別個のリザーバが、試薬および/または反応プロセスの各構成要素のために存在することができ、ならびに/あるいはリザーバは、別様に任意の適切な試薬を含み得る。第1の具体的な例では、溶解リザーバは、調製された溶解液(172)を含み得る。第2の具体的の例では、第1のリザーバはギ酸(例えば、溶解用)を含むことができ、第2のリザーバは緩衝液(例えば、ギ酸および緩衝液が(例えば、混合チャンバー内、マニホールド内などで)混合され得、および/または(例えば、目標濃度を達成するために)分注され得る)を含むことができ、その場で、マニホールド内で、および/または任意の適切な位置で溶解液を形成することができる。
【0034】
例えば(例えば、図13に示されるように)、試料調製システムは、溶解試薬リザーバ(例えば、溶解試薬(172)を含有する)、クエンチ試薬リザーバ(例えば、クエンチ試薬(174)を含有する)、洗浄リザーバ(例えば、洗浄液(176)を含むかまたは含有する)、および/または緩衝液リザーバ(例えば、緩衝液試薬(178)を含むか、または含有する)を含み得る。しかし、試料調製システムは、任意の適切なリザーバを含み得る。
【0035】
マニホールド(160)は、エンドポイント間で1つ以上の試薬を移送するように機能する。マニホールドは、正圧および/または負圧下で動作し得る。マニホールドは、好ましくは、化学的に適合する材料(例えば、材料に、意図的、偶発的に接触する試薬と反応しないプラスチック、金属、ガラスなど)を含む(例えば、それらから作製される)が、弱適合性がある(weakly-compatible)(例えば、接触の閾値持続時間への適合性、試薬の閾値濃度への適合性がある)材料および/または非適合性材料を含み得る。各リザーバは、別個のマニホールドを有し得、該マニホールドは、交わる(meet)ことができ(例えば、コネクタ、弁、分配器などで)、リザーバは、マニホールドを共有することができ(例えば、1つ以上のマニホールドが、選択的試薬取り込みを可能にするように閉じられ得る)、および/またはマニホールドは、別様に構成され得る。具体的な例では、各リザーバは、リザーバから試薬を取り込むように構成されるマニホールド(例えば、チューブ)を含み得る。この具体的な例では、マニホールドは、(例えば、スプリッタ、弁、マルチポートコネクタなどを使用して)接続または組み合わされ得、単一マニホールドからの試薬を一度に(例えば、試薬ポート、スピンドルなどを介して)添加され得る(例えば、単一マニホールドは、一度に試料に流体結合される(fluidly coupled))。しかし、マニホールドは、別様に構成され得る。
【0036】
モータ(140)は、好ましくは、試料を移動させる(例えば、回転させる、移動させる、並進させる、回転させるなど)ように機能する。モータは、試料を直接的に(例えば、試料に直接接続される)、および/または間接的に(例えば、中間構成要素を介して)移動させ得る。モータは、試料、試料ホルダ、スピンドル、マニホールド、センサ、洗浄槽、および/または任意の適切な構成要素に接続され得る。例示的なモータは、ブラシ付きモータ(例えば、DCブラシ付きモータ、ACブラシ付きモータなど)、ブラシレスモータ(例えば、ブラシレスDCモータ、ブラシレスACモータなど)、スイッチトリラクタンスモータ、ユニバーサルモータ、誘導モータ、ヒステリシスモータ、パンケーキモータ、ステッピングモータ、および/または任意の適切なモータを含み得る。
【0037】
試料調製システムは、複数のモータを含み得る。例えば、ステッピングモータは、試料の高さを設定するために使用され得(例えば、試料、試料ホルダ、スピンドルなどの高さを調整する、並進させるなど)、DCモータは、試料を遠心分離する(例えば、スピンドルを介して試料を回転させる)ために使用され得る。しかし、任意の適切なモータが、任意の適切な目的のために使用され得る。
【0038】
試料調製システムの温度制御システム(150)は、好ましくは、試料調製システム内の試料の温度を目的試料温度またはその付近に維持するように機能する。目的試料温度は、好ましくは、約25℃(例えば、25±1℃、24~26℃、20~30℃、25±0.5℃、21~29℃、22.5~27.5℃など)であるが、しかし、約25℃未満(例えば、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、それらの間の値など)、および/または約25℃超(例えば、30℃、35℃、37℃、38℃、39℃、40℃、45℃、その間の値など)であり得る。温度制御システムは、加熱器(例えば、放射加熱器、対流加熱器、伝導加熱器、抵抗加熱器、ガス加熱器など)、および/または冷却器(例えば、空調器、ペルチェ冷却器、ヒートシンク、熱電冷却器、吸収冷却器、圧縮冷却器など)を含み得る。温度制御システムは、構成要素と直接接触され(例えば、試料容器に触れる、マニホールドに触れる、スピンドルに触れる、スピンドルに組み込まれる、試料ホルダに組み込まれる、試料容器に組み込まれるなど)、構成要素と間接接触し(例えば、加熱器および/または冷却器と構成要素との間の空隙を含む、加熱器および/または冷却器間の熱伝導性材料を含むなど)、構成要素から隔離され(例えば、構成要素と加熱器および/または冷却ユニットとの間に熱的に隔離した材料を有することなどによって、1つ以上の構成要素の加熱または冷却を防ぐため)、および/または別様に配置され得る。
【0039】
温度は、能動的に制御され(例えば、正のフィードバックループ、負のフィードバックループを使用して、センサ読み取り値に基づいて、PI制御、PD制御、PID制御などを使用してなど)、および/または受動的に制御することができる。
【0040】
第1の例示的な例では、試料調製システム内の環境は、ほぼ目標試料温度に維持され得る。第2の例示的な例では、試料は、目的試料温度に維持され得る。第2の例示的な例の変形形態では、試料および試薬(例えば、リザーバ、マニホールドなど)は、目的試料温度に維持され得る。第3の例示的な例では、1つ以上の成分および/または試薬の温度は、ほぼ目標試料温度を維持するために、試料温度を修正するように制御され得る。例えば(図7に示されるように)、試料の温度が約20℃であるとき、試薬(例えば、溶解試薬、クエンチ試薬、緩衝液、希釈剤など)の温度は、最終試料温度(例えば、混合後)が25℃になるように約27℃に設定され得る。各構成要素の特定の温度は、測定され、経験的に判定され、発見的に判定され、方程式(例えば、熱質量バランス)に従って判定され得、および/または別様に判定され得る。試薬の温度は、リザーバ内、マニホールド内、試薬ポート内、スピンドル内で設定され得る、および/または試料調製システム内の任意の適切な位置に設定することができる。しかし、任意の適切な構成要素の温度は、任意の様式で制御され得る。
【0041】
センサ(180)は、試料調製システム内の試料の1つ以上の側面(例えば、パラメータ、特性など)を測定するように機能し得る。例示的な態様は、質量、体積、温度、高さ(例えば、他の構成要素に対する高さ、試料容器内の全高など)、色、密度、溶解度、活性化状態、圧力、および/または任意の適切な態様を含む。態様は、連続的に、断続的に、所定の時間で、所定の周波数で、システムの動作中の特定の時間で、および/または任意の適切なタイミングで測定することができる。センサは、構成要素(例えば、スピンドル、マニホールド、試薬ポート、試料容器、試料ホルダ、モータなど)に組み込まれ、他の構成要素(例えば、スピンドル、マニホールド、試薬ポート、試料容器、試料ホルダ、モータなど)に組み込まれ得、および/または別様に、試料調製システムの内側または外側に配置され得る。
【0042】
例示的なセンサは、光学センサ(例えば、カメラ、レーザ、干渉計など)、音響センサ、圧力センサ、定規、超音波センサ、深度センサ(例えば、レーダー(RADAR)、ライダー(LIDAR)、ソナー(SONAR)、深度カメラ、ステレオカメラなど)、分光計、スキャナ(185)(例えば、試料に関連付けられた患者の同一性をスキャンするため、カートリッジロットをスキャンするため、試薬タグをスキャンするため、データ入力を促進または加速するため、正確なデータ入力を確実にするため)を含み、および/または任意の適切なセンサが、使用され得る。
【0043】
試料調製システムは、任意選択で、洗浄ユニット(190)を含み得る。洗浄ユニットは、好ましくは、試料調製システムを洗浄するように機能する(例えば、スピンドル、試薬ポートなど)。例えば、試料が調製された後、洗浄ユニットは、別の試料が調製される前に、試料調製システム(例えば、そのスピンドル、試薬ポートなど)を洗浄するために使用され得る。しかし、洗浄ユニットは、任意の適切なタイミングで使用され得る。例えば、図13に示されるように、洗浄ユニットは、試料がローディングされる邪魔にならないように並進(および/または回転)され得、次いで、試料が調製された後に試料位置に位置決めされ得る。
【0044】
洗浄ユニットは、例えば、空の試料容器、空の容器、充填された容器、および/または任意の適切な容器であり得る。洗浄ユニットは、(例えば、試薬ポート、スピンドル、手動などを介して)洗浄試薬(例えば、緩衝液、界面活性剤、石鹸など)で充填し、試料と同じ様式で処理することができ、1つ以上の洗浄工程(例えば、撹拌、洗浄液添加、緩衝液添加、遠心分離、回転、混合、吸引などを含む)に処理され得、および/または試料調製システムおよび/もしくはその構成要素を洗浄するために別様に処理され得る。洗浄ユニットは、好ましくは、試料調製システムに組み込まれるが、試料調製システムとは別個であり得る(例えば、試料を調製する前および/または後に、ユーザなどによって手動で挿入される)。試料調製システムは、好ましくは、自動的に洗浄されるが、手動で、半自動で、および/または任意の適切な応答性(responsiveness)で洗浄され得る。試料調製システムは、好ましくは、各使用後に洗浄されるが、所定の使用回数後に、各使用前に、所定の頻度で、洗浄の必要性(例えば、試料調製システムがどの程度汚れているか)に基づいて、洗浄スケジュールにしたがって、および/または任意の適切なタイミングで洗浄され得る。
【0045】
測定モジュール(200)は、好ましくは、1つ以上の試料パラメータ(例えば、試料特性)を測定するように機能する。測定モジュールは、好ましくは、調製された試料(例えば、試料調製システムによって調製された試料)に対して動作するが、調製されていない試料および/または任意の適切な試料に対して動作し得る。試料は、自動的に(例えば、ロボットアームを使用して、自動ピペットを使用してなど)、手動で(例えば、ユーザによって)移送され得、および/または別様に試料調製システムから測定モジュールに移送され得る。
【0046】
試料特性は、個々の特性(例えば、個々の細胞の特性)、凝集特性(aggregate properties)(例えば、分布、平均特性、中央値特性、モーダル特性、95パーセンタイル値などによって描写されるような個々の細胞の特性の組み合わせ)、バルク特性(例えば、密度、光吸収などの試料全体の特性)、および/または任意の適切な特性を含み得る。
【0047】
例示的な試料特性は、構造パラメータ、軌道パラメータ、患者パラメータ、位置パラメータ(例えば、画像フレームに対する細胞位置、チャネルに対する細胞位置、出口に対する細胞位置、入口に対する細胞位置、よどみ点(stagnation point)に対する細胞位置など)、および/または任意のパラメータを含み得る。構造パラメータの例には、形状(例えば、楕円率、螺旋度、楕円率、円形度、曲率、歪度など)、アスペクト比(例えば、最短寸法に対する最長寸法の比、幅に対する長さの比など)、サイズ(例えば、横方向の範囲、長手方向の範囲、深さ、高さ、幅、長さ、体積、表面積など)、構成構造(例えば、細胞膜の位置、細胞の形状、細胞壁の構造など)、構成形態(例えば、細胞形態、細胞形状、粒子形状など)、内部構造(例えば、細胞の核および/または他の細胞小器官の形状、形態、サイズなど)、および/または任意の他の構造パラメータが含まれる。患者パラメータの例は、完全な粒子数、完全な血液数、完全な白血球数、完全な好中球数、完全な単球数、完全なリンパ球数、完全な好塩基球数、完全な好酸球数、完全な赤血球数、完全な血小板数、構成要素の数(例えば、細胞および/または細胞のセグメントの数、粒子および/または粒子のセグメントの数など)、示されている症状(presenting symptoms)(例えば、患者の体温、血圧、体重、血液酸素化など)、細胞密度、細胞培養結果、水和、および/または任意の他の試料パラメータを含む。
【0048】
軌道パラメータは、マイクロ流体カートリッジを通る細胞の軌道に関連し、および/またはそれから判定されるパラメータであり得る(例えば、マイクロ流体カートリッジの変形領域、集束領域など)。軌道は、細胞の一連の離散位置(例えば、重心、質量中心、基準点、細胞の平均位置など)、細胞の連続経路であり得る、および/または細胞が流体流(例えば、マイクロ流体カートリッジの変形領域)を通過する際の細胞の任意の運動に対応する。軌道パラメータの例は、物体および/または特徴量の運動の方向、物体および/または特徴量の運動の速度(例えば、平均速度、瞬間速度など)、物体および/または特徴量の運動の加速度、物体および/または特徴量の運動における振動(例えば、図12に示されるように、振動の振幅、振動の周波数、振動の位相、振動の変調、振動の減衰など)、粘弾性慣性応答(VEIR)、粒子流軌道における逸脱(例えば、線形経路、予想経路などから)、および/または任意の他の軌道パラメータを含む。軌道パラメータは、軌道の1つ以上の位置の差、和、振幅、最大、最小、平均値、および/または他の特性に基づいて判定され得る。軌道パラメータが振動を含む変形形態では、振動は、基準点(例えば、重心、極値など)、基準軸(例えば、長さ、幅、深さなどの1つ以上の寸法)、1つ以上の基準表面(例えば、物体境界、小器官境界に対応するなどの物体の内部境界など)の振動に対応し得、基準体積(例えば、物体の体積、物体の内部構造など)、および/または物体の他の部分を含む。振動は、好ましくは、物体の運動方向に垂直な基準軸に沿って生じる。しかし、基準軸は、運動方向と平行であり得、および/または運動方向に対する任意の配向を有し得る。振動振幅は、好ましくは、ミクロンサイズスケール(例えば、1~10μm、10~100μmなど)であるが、追加的にまたは代替的に、ナノメートルスケール(例えば、1~100nm、100nm~1μmなど)および/または任意の適切な距離であり得る。
【0049】
しかしながら、任意の適切な試料特性を測定され得る。
【0050】
測定モジュールは、好ましくは、試料調製モジュールから分離された筐体(例えば、図14などに示されるようなユニット、筐体など)内に収容される。しかし、測定モジュールおよび試料調製モジュールは、同じハウジング内に収容され得る。測定モジュールは、好ましくは、試料調製モジュールの閾値距離内(例えば、同じテーブル上、同じ部屋内、1m、2m、5m、10m、20m、50m以内など)に配置され、これにより、試料調製と試料測定との間で試料の温度が大きく変化しないことを保証し、迅速な試料測定を容易にし、および/または任意の適切な技術的利点を提供することができる。
【0051】
例示的な例では、測定モジュールは、サイトメトリーモジュール(例えば、フローサイトメトリーモジュール)であり得、ここで、試料(例えば、調製された試料)は、サイトメトリーカートリッジ(210)(例えば、マイクロ流体デバイス、マイクロ流体チャネル、流路など)にローディングされ得る。測定モジュールは、撮像システム(220)、モータ(230)、温度制御システム(240)、振動アイソレータ(250)、圧力システム(260)、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。しかし、測定モジュールは、追加的にまたは代替的に、原子間力顕微鏡モジュール、光学プローブモジュール、および/または任意の適切なモジュールおよび/または構成要素を含み得る。
【0052】
カートリッジ(例えば、サイトメトリーカートリッジ)は、試料を受け入れ、試料を選別し、試料に刺激を加えるように機能し得、および/または別様に機能し得る。カートリッジは、好ましくは、(例えば、異なる試料間の汚染のリスクを低減するために)単回使用カートリッジであるが、複数回使用カートリッジであり得る。カートリッジは、プラスチック、ガラス、金属、および/または任意の適切な材料から作製することができる。
【0053】
例えば、図16Aに示されるように、カートリッジは、入口(211)、入口フィルタ(212)、マイクロ流体チャネル(213)、出口フィルタ(216)、出口(217)、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。例えば、図8および/または図16Bに示されるように、試料は、入口(211)を通してカートリッジに進入し、入口フィルタ(212)を通過し(例えば、粒子凝集塊(particle clumps)を除去するため、測定モジュール内の交差汚染(cross contamination)を最小限にするためなど)、合焦領域(focusing region)(214)に入射し(例えば、複数の鋭い屈曲部または回転部を含むような微小流体流路のものであり、これは、試料を個々の構成要素に選別し、構成要素を微小流体デバイスの経路に集束させるなどの機能を有し得る)、変形領域(215)に入り(例えば、試料構成成分を含む第1の流れおよび第1の流れと交差する第2の流れを含むような伸長流領域であり、これは、試料に応力、歪み、圧力、力などを加えるように機能し得る)、出口を通って(例えば、出口フィルタを介して)出ることができる。しかし、カートリッジは、他の方法で配置され得る。交差点(例えば、変形領域の)は、三方向交差点(例えば、「T」接合部、「Y」接合部など)、二方向交差点(例えば、「L」接合部、「I」接合部、「V」接合部、ベンチュリー接合部など)、四方向交差点(例えば、「x」接合部、「t」接合部、「K」ジャンクションなど)、および/または任意の適切な形状を有する。
【0054】
カートリッジは、好ましくは、カートリッジを保持するように構成されたカートリッジホルダにローディングされる(例えば、カートリッジがホルダ内でシフトまたは移動させることなく、0.0001”、0.0005”、0.001”、0.005”、0.01”、0.05”などの閾値許容差でなど)。
【0055】
具体的な例では、カートリッジは、それぞれの文献が参照によりその全体が援用される、2019年4月3日に出願され、かつ「SYSTEM AND METHOD FOR DEFORMING AND ANALYZING PARTICLES」と題する米国出願番号第16/374,663号、2018年1月11日に出願され、かつ「METHOD AND DEVICE FOR HIGH THROUGHPUT CELL DEFORMABILITY MEASUREMENTS」と題する米国出願番号第15/868,025号、2019年11月6日に出願され、かつ「METHOD AND DEVICE FOR HIGH-THROUGHPUT SOLUTION EXCHANGE FOR CELL AND PARTICLE SUSPENSIONS」と題する米国出願番号第16/676,352号、2013年10月18日に出願され、かつ「SYSTEM AND METHOD FOR DEFORMING,IMAGING AND ANALYZING PARTICLES」と題する米国特許番号第9,464,977号、2017年4月3日に出願され、かつ「SYSTEM AND METHOD FOR DEFORMING PARTICLES」と題する米国特許番号第10,252,260号に開示されている任意の適切なマイクロ流体システムを含み得、および/または該マイクロ流体システムであり得る。
【0056】
撮像システムは、好ましくは、試料の画像(例えば、試料の細胞の画像)を取得するように機能し、画像は、試料特性を判定するために解析することができる。
撮像システムは、好ましくは、カートリッジの周りに(例えば、図9の例などに示されるように、上、下、隣に、任意選択で、ミラー、光ファイバ、自由空間結合、光学材料、液浸油などを介して光学的に接続されるなどして)配置される。しかし、撮像システムは、他の方法で配置され得る。
【0057】
撮像システムは、照明システム(222)、撮像光学系(225)、画像センサ(228)、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。照明システムは、好ましくは、発光ダイオード(例えば、比較的少量の熱を測定モジュールに導入するために有益であり得るLED)であるが、追加的にまたは代替的に、白熱灯、蛍光灯、ブラックライト、ハロゲンランプ、および/または任意の適切な光源を含み得る。光源は、好ましくは、試料のケーラー照明のために配置される(例えば、コレクタレンズおよび/またはフィールドレンズ、フィールドダイアフラム、コンデンサダイアフラム、コンデンサレンズなどを含むことなどにより、結果として生じる画像内に照明源の画像を生成することなく、試料の均一な照明を生成するため)が、追加的または代替的に、臨界照明用および/または任意の適切な照明用に配置され得る。光源は、試料の上方、下方、および/または試料に対して別様に配置され得る。
【0058】
結像光学系は、顕微鏡対物レンズ、集光器、レンズ、ミラー、偏光子、波長板、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。撮像光学系は、固定される(例えば、試料に対して固定された場所に設定される)、および/または移動可能(例えば、光学系が移動し、および/または標的焦点面を達成するように試料を移動させることができるように、試料に対して移動可能)であり得る。例えば、試料および/または光学系は、試料上(例えば、試料の変形領域上)に撮像光学系の焦点を設定するように(例えば、モータを使用して)並進され得る。この例では、光学ガイドのセット(例えば、カートリッジ上)を使用して、撮像システム(例えば、撮像光学系)への試料の焦点合わせおよび/または位置合わせを容易にすることができる。
【0059】
画像センサは、好ましくは高速カメラ(例えば、少なくとも1000fps、2000fps、5000fps、10,000fps、20,000fps、50,000fps、100,000fps、200,000fps、500,000fps、1,000,000fps、それらの間の値、>1,000,000fpsを取得することができるカメラなど)であるが、低速カメラ(例えば、最大で1000fps、120fps、100fps、60fps、50fps、30fps、24fps、20fps、12fps、それらの間の値、<12fpsなどを取得することができるカメラ)、および/または任意の適切なカメラであり得る。カメラは、好ましくは、可視カメラ(例えば、少なくとも400~800nmの放射線を検出することができるようなCCD、CMOSなど)であるが、追加的にまたは代替的に、赤外線(例えば、近赤外線、中赤外線、遠赤外線など)、紫外線、x線、マイクロ波、電波、および/または任意の適切な放射線に感受的であり得る。画像センサは、試料(例えば、カートリッジ)の上方、下方、および/または試料に対する任意の適切な位置もしくは向きで配置され得る。
【0060】
実例では、撮像システムは、顕微鏡(例えば、正立顕微鏡、倒立顕微鏡、共焦点顕微鏡など)とすることができる(例えば、そのように構成することができる)。しかし、任意の適切な撮像システムが使用され得る。
【0061】
温度制御システムは、カートリッジを予熱し(例えば、カートリッジを加熱および/または冷却して、試料の添加前に標的温度を達成する)、カートリッジの温度を維持し、試料の温度を維持し、測定モジュールの温度を維持するように機能し得、および/または別様に機能し得る。温度制御システムは、局所的(例えば、測定モジュールの構成要素に対して)および/または全体的(例えば、測定モジュール全体の効果、衝撃など)であり得る。例えば、温度制御システムは、カートリッジホルダ、カートリッジ、撮像システム、振動隔離システム、および/または任意の適切な構成要素に組み込まれ得る。温度制御システムは、放射性、非放射性、対流性、伝導性、それらの組み合わせ、および/または任意の適切な温度制御システムであり得る。
【0062】
温度制御システム(例えば、測定モジュールのもの)は、試料調製システムについて上記で上述したような温度制御システムを含み、および/またはそれと同じ、および/またはそれと異なることができる。例えば、測定モジュール温度制御システムは、より高い温度許容差を有し得る(例えば、より正確、精密な温度などを達成、維持するなど)。例えば、試料調製システムの温度は、約±1℃の許容差で維持され得、測定モジュールの温度は、約±0.3℃の許容差で維持され得る。しかし、測定モジュールの温度耐性は、試料調製システムの温度耐性と同じおよび/またはそれ未満であり得る。
【0063】
振動アイソレータは、好ましくは、カートリッジの整列に対するカートリッジの運動の影響を減衰および/または最小限にするように機能する。振動アイソレータは、好ましくは、カートリッジに(例えば、カートリッジホルダを介して)接続されるが、カートリッジに組み込まれ、カートリッジホルダに組み込まれ、撮像システムに接続され、測定モジュールの筐体に接続され、および/または別様に接続および/または整列され得る。例示的な振動アイソレータは、ハニカム構造、ばね、空気圧アイソレータ、可撓性材料(例えば、ゴム、エラストマー、コルク、発泡体、ラミネートなど)のシートまたはパッド、同調質量ダンパ(tuned mass dampeners)、ロープアイソレータ、能動的振動アイソレータ(例えば、圧電加速度計、力センサ、MEM加速度計、ジオフォン、近接センサ、干渉計などのセンサ、リニアモータ、空気圧アクチュエータ、圧電モータなどのアクチュエータ、コントローラなどを含む)を含み、および/または任意の適切な振動アイソレータが使用され得る。振動アイソレータは、低周波振動(例えば、<0.1Hz、<1Hz、<5Hz、<10Hzなど)、中周波振動(例えば、10~10000Hz)、高周波振動(例えば、>10000Hz)、これらの組み合わせ、および/または任意の適切な周波数振動を減衰し得る。振動アイソレータは、水平アイソレータ、垂直アイソレータ、6自由度アイソレータ、3自由度アイソレータ、および/または任意の適切な軸もしくは方向の振動を遮断し得る。
【0064】
モータは、好ましくは、撮像システムに対して試料(例えば、カートリッジ)を並進させるように機能する(例えば、撮像システムの視野、焦点面などの中でカートリッジ、試料などの部分を変更する)。しかし、モータは、別様に機能し得る。モータは、好ましくは、カートリッジ(例えば、カートリッジホルダ)に結合される(例えば、接続される、機械的に結合される、並進することができるなど)が、撮像システム(例えば、光源、光学構成要素、画像センサなど)および/または任意の適切な構成要素に結合され得る。
モータは、連続的に動作可能(例えば、位置を任意の位置に設定する)であり、および/または離散的に動作可能(例えば、試料位置を1つ以上の離散化された位置に設定する)であり得る。
【0065】
試料は、測定中に、静止、並進し得、および/または別様に移動し得る。例えば、試料は、移動スケジュールにしたがって、所定の時間に移動させて、振動を無作為に補正し(例えば、系統的移動誤差、振動などを隔離するために)、かつ/または別様に移動され得る。具体的な例では、ローディング後、カートリッジの変形領域が撮像システムの視野内にあるように、試料を整列させる(例えば、移動させる)ことができる。第2の具体的な例では、試料は、集束され得る(例えば、撮像システムの光軸に沿って試料を並進させることによって)。第3の具体的な例では、試料(例えば、変形領域内の細胞)の画像を測定する前(または後)に、撮像システムが変形領域の上流の位置で試料の複数の画像を取得するように、試料は並進され得る。第3の具体的な例からの画像は、試料の流速(例えば、試料内の細胞、試料内の流体速度など)、および/または任意の適切な試料特性(例えば、変形力の非存在下での細胞力学、細胞数など)を判定(例えば、測定、計算、推定など)するために使用され得る。試料特性が判定された後、変形領域が撮像システムの視野内にあるように、試料は並進され得る。しかし、試料特性(例えば、流速)は、別様に判定され得る。これらの具体的な例は、非限定的かつ非排他的な例であり、試料は、これらの例の1つ以上にしたがって組み合わせて並進され得る。
【0066】
圧力システムは、好ましくは、カートリッジを通して(例えば、マイクロ流体チャネルを通して)試料を付勢(urge)するように機能する。圧力システムは、正圧(試料を押し出すような正の変位)システム、負圧(例えば、試料を引っ張るような負の変位)システム、および/またはそれらの任意の適切な組み合わせおよび/または変位システムのタイプとすることができる。圧力システムは、好ましくは、カートリッジ(例えば、その入口、出口など)に接続されるが、追加的にまたは代替的に、任意の適切な構成要素に接続することができる。例示的な圧力システムは、真空ポンプ、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、マイクロ流体ポンプ、マイクロ流体精密ポンプ、および/または任意の適切なポンプの使用を含む。圧力システムは、好ましくは、約90psi(例えば、90±1、90±3、90±5、90±10など)である圧力差(例えば、カートリッジの入口と出口との間)を生成するが、約50~150psi、50psi未満、および/または150psi超の圧力差を生成し得る。圧力差は、目標流量、試料温度、試料粘度、試料pH、試料ゼータ電位、平均試料粒子サイズ、チャネルサイズ(例えば、ナノ、マイクロ、ミリなどのチャネル)に依存し、および/または任意の適切な特性に依存する。
【0067】
コンピューティングシステム(300)は、試料調製システムの動作を制御し、測定モジュールの動作を制御し、測定モジュールによって取得されたデータ(例えば、画像)を処理(例えば、解析)し、スコア(例えば、白血球構造指数(LSI)、敗血症、診断スコア、診断の確率など)を判定するように機能し得、および/または他の方法で機能し得る。コンピューティングシステムは、ローカル(例えば、図14に示されるような専用コンピュータなど)、リモート(例えば、クラウドコンピューティング、サーバ、データベースなど)であり得、および/または任意の様式で分散され得る(例えば、試料調製システムは、コンピューティングシステムを含み得、測定モジュールは、コンピューティングシステムを含み得、専用処理コンピューティングシステムを含み得る)。コンピューティングシステムは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コンピュータ処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、および/または任意の適切なプロセッサを含み得る。具体的な例では、コンピューティングシステムは、GPUアクセラレーティッドコンピュテーションを備え得、これは、(画像セットによって生成されるような)大きなデータセットを迅速かつ/または効率的に取り扱う(例えば、処理する)ために有益であり得る。いくつかの変形では、コンピューティングシステムは、解析モジュール(例えば、生物物理学的特性などに基づいて、患者の免疫活性化状態を判定、検出、推定、予測、計算などするように機能することができる)を備え得、これは画像解析器、品質検出器、および/または任意の適切な構成要素を備え得る。
【0068】
コンピューティングシステムは、画像解析器(320)を備え得、これは、画像のセットから試料の特性(特に、限定されないが、機械的特性および/または軌跡パラメータに)を判定するように機能し得る。画像解析器は、セグメンテーションモジュール(例えば、画像を細胞などの前景と背景とにセグメンテーションするように機能し得る)、特徴量モジュール(例えば、細胞セントロイド、細胞境界、細胞エッジ、細胞膜などの画像の特徴量を同定または判定するように機能し得る)、位置決めモジュール(例えば、画像内の特徴量の位置を判定する)、処理モジュール(例えば、位置、特徴量の形状、特徴量の形状の進化、位置の進化などに基づいて試料の特性を判定するように機能することができる)、および/または任意の適切な構成要素を含み得る。画像解析器は、機械学習アルゴリズム、立体アルゴリズム(例えば、光学フロー)、分類器、ならびに/または任意の適切なアルゴリズムおよび/もしくは方程式を含み得る。画像解析器は、個々の画像(例えば、所与のフレーム内の細胞特性を判定するなどのフレームレベル分析)、画像のセット(例えば、変形領域、視野などを通って移動する細胞を追跡するような事象レベル分析)、集団分析(例えば、試料を全体として処理するため)、および/または任意の適切な解析を処理し得る。
【0069】
画像解析器は、画像の品質(例えば、スコア、ランキング、使用の有無など)を判定するように機能することができる品質検出器(325)を含み得、画像の品質は、画像が解析されるべきか、または解析に含まれるべきかを判定するために使用され得る。品質は、フレームレベル、事象レベル、集団レベル、および/または任意の適切なレベルの品質であり得る。例えば、低品質の画像は、解析された画像のセットから除外することができ、閾値数のフレーム内の画像を解析された画像のセットから除外することができ、同じ特徴量(例えば、同じ細胞)を含む画像を解析された画像のセットから除外することができ、および/または他の方法でどの画像が解析されるかを修正するために使用することができる。具体的な例では、品質は、画像内の細胞の数、画像内の細胞の重複(例えば、細胞が接触および/または重複しているときは低品質、細胞が分離されているときは高品質)、細胞間の距離、および/または品質は、任意の適切な様式で細胞から導出することができる。
【0070】
コンピューティングシステムは、試料(および/または患者)に関連する診断スコア(例えば、LSI、診断の確率、診断など)を判定するために、試料特性(例えば、画像解析器によって判定される)を使用するように機能し得るスコアリングモジュール(340)を含み得る。スコアリングモジュールは、1つ以上の方程式、機械学習アルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、反復ニューラルネットワークなど)、分類器、ルックアップテーブル、統計的回帰、ベイズ回帰、および/またはスコアを判定するための任意の適切な方法を含み得る。スコアリングモジュールへの入力は、試料特性、患者情報(例えば、患者の人口統計的情報、症状を示す患者など)、1つ以上の画像(例えば、平均画像、代表的な画像、全画像、カートリッジの特定の位置またはその付近の細胞の画像など)、周囲条件(例えば、温度、湿度、圧力など)、流量、試料温度、および/または任意の適切な入力を含み得る。スコアリングモジュールの出力は、スコア(例えば、数値スコア、0~1、0~10、1~10、0~100、1~100などの数値など)、分類(例えば、「敗血症の可能性が低い(low-probability of sepsis)」、「敗血症の可能性が中程度(medium probability of sepsis)」、「敗血症の可能性が高い(high probability of sepsis)」、「さらなる試験推奨(further testing recommended)」、「他の診断試験推奨(other diagnostic tests recommended)」、「敗血症の治療推奨(sepsis treatment recommended)」など)、色分けされた情報(例えば、敗血症の低い確率、危険な免疫活性化状態の低い確率などを示すための緑色、さらなる試験が必要とされること、結果が不確定であったことなどを示すための黄色、敗血症の高い確率、高い免疫活性化などを示すための赤色など)、および/または任意の適切な情報であり得る。
【0071】
コンピューティングシステム(例えば、画像解析器、スコアリングモジュールなど)は、訓練データのセット(例えば、ラベル付けされた訓練データ、ラベル付けされていない訓練データなど)を使用して訓練することができる。訓練データのセットは、好ましくは、高免疫活性化状態(high immune activation state)(例えば、敗血症を有する、転移性がんを有する、がんを有するなど)と診断された患者に関連するデータ、および低免疫活性化状態(low immune activation state)(例えば、敗血症を有さない、転移性がんを有さない、がんを有さないなど)と診断された患者に関連するデータを含む。しかし、トレーニングデータセットは、任意の適切なデータを含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム(例えば、画像解析器および/またはスコアリングモジュールを単独でまたは組み合わせて)は、「SYSTEM AND METHOD FOR IMMUNE ACTIVITY DETERMINATION」と題され、2021年8月13日に出願され、参照によりその全体が援用される、米国特許出願第17/401,627号に開示される任意の適切な動作および/または方法を実行することができる。しかし、コンピューティングシステムは、別様に動作され得る。
【0073】
4. 方法。
図2に示されるように、方法は、試料を調製する工程と、試料を測定する工程とを含み得る。この方法は、任意選択で、システム(またはその部分)を前処理する工程、患者の免疫活性化状態を判定する工程、患者に介入を提供する工程(例えば、免疫活性化状態に基づく)、および/または任意の適切な工程を含む。
【0074】
方法は、好ましくは、(例えば、前述のような)システムによって行われるが、任意の適切なシステムによって行われ得る。方法(および/またはその工程)のいくつかの実施形態では、タイミングは、正確、再現可能、信頼性、有効、および/または他の品質結果(例えば、診断)を達成するために有益であり得る。例えば、工程の持続時間、工程間の時間量(例えば、最大時間量、最小時間量など)、方法が実行される総時間量、試料を調製する時間量、試料を測定する時間量、試料の測定を解析する時間量、および/または任意の適切なタイミングは、方法の技術的利点を可能にし得る。方法(および/またはその工程)のいくつかの実施形態では、温度(例えば、試料、システム、システム構成要素などの温度)は、正確、再現可能、信頼性、有効、および/または他の品質結果(例えば、診断)を達成するために有益であり得る。例えば、試料調製中、試料保管中(例えば、試料調製または測定の前、その最中、および/またはその後)、試料測定中、および/または任意の適切な時間に、試料の温度を標的温度に維持することは、測定データが十分な品質であることを保証するのに役立ち得る。これらの実施形態は、関連し、組み合わされ、別個であり、および/または別様に関連し得、もしくは関連し得ない。しかし、方法は、いくつかの状況では、タイミング、温度、および/または他の適切な特性を伴わずに(またはそれほど厳格ではない制御を伴わずに)、結果を(例えば、十分な品質で)提供してもよい。
【0075】
方法は、好ましくは、ユーザー入力および/またはフィードバックを最小化し、このことは、方法が異なるサンプルに対して一貫して実行されることを確実にするために有益である。例えば、方法の工程は、自動的に実行され得、工程が適切に実行されていることを確実にするためのチェックを含み得、および/または別様に実行され得る。しかし、方法および/またはその工程は、ユーザからの入力および/またはフィードバックを用いて実施され得る。方法の具体的な例では、ユーザは、試料を試料調製モジュール(例えば、試料調製用)にローディングすることができ、および/または調製された試料を測定モジュール(例えば、測定させるために)に移送することができ、この例における他の方法の工程は、ユーザの介入なしに実行することができる(例えば、方法は、試料調製モジュールを閉じる際、測定モジュールを閉じる際などに実行できる)。しかし、試料は、自動的に添加することができ(例えば、ロボットアーム、オート試料採取機、自動ピペットなどを使用して)、自動的に移送することができ(例えば、ロボットアーム、オート試料採取機、自動ピペットなどを使用して)、ユーザは、1つ以上の方法の工程を起動することができ、および/または別様に方法の工程を実施することができる。
【0076】
システム(S100)を前処理することは、好ましくは、試料を受け取るためにシステムを準備するように機能する。システムを前処理することは、システムが動作のための標的条件内にあることを確実にするために特に有益であり得る。システムを前処理することは、試料調製モジュールを前処理すること、測定モジュールを前処理すること、および/または任意の適切な構成要素を前処理することを含み得る。システムを前処理することは、試料を調製するのと同時並行的に(例えば、同時期的に、同時になど)、試料を調製する前に、および/または試料を調製した後に(例えば、試料を測定する前に)実行することができえる。
【0077】
システムを前処理することは、カートリッジを(例えば、測定モジュールに)ローディングすること、カートリッジを目的温度まで加熱(および/または冷却)すること、試料調製システムを洗浄すること(例えば、緩衝液の処理、洗浄液の処理など)、測定モジュールを洗浄すること、較正試料(例えば、既知の特性の粒子を有する試料、固定細胞を有する試料など)を処理すること、試料を前処理すること(例えば、希釈、加熱、冷却、抗凝固剤の添加、固定など)、試料調製モジュールの環境条件を設定すること(例えば、温度、圧力、湿度など)、測定モジュールの環境条件を設定すること(例えば、温度、圧力、湿度など)、撮像システムを冷却すること、および/または任意の適切な工程を含む。
具体的な例では、カートリッジは、試料を試料調製システムに導入することができる前に測定モジュールにローディングすることができ、これは、カートリッジを撮像システムに位置合わせすること、カートリッジを予熱すること(例えば、目的温度まで、安定化された温度までなど)を可能にするために有益であり得、および/または別様に有益であり得る。しかしながら、システムを前処理することは、任意の適切な工程を含み得る。
【0078】
試料を調製すること(S200)は、好ましくは、測定のために試料を調製するように機能する。試料は、好ましくは、試料調製モジュールを使用して調製されるが、ユーザによって、および/または任意の適切なシステムによって調製され得る。試料は、好ましくは、試料が測定される前に調製される。しかし、試料は、同時に(例えば、試料は、調製されている間に測定することができる)、および/または試料が測定された後(例えば、試料は、測定後に後処理することができ、処理は、試料特性を測定するために使用することができるなど)に調製することができる。
【0079】
好ましくは、約0.1~10mLの試料が調製される(例えば、試料調製システムに移送する)。例えば、約1mL(例えば、1mL±10%)の試料を移送することができる。この例では、より多いまたはより少ない試料が試料調製システムに提供される(例えば、ユーザーエラー、ピペットエラーなどから生じるなど、900μL未満、1.1mL超の)場合、新しい試料をローディングすることができ(例えば、ユーザは、試料を廃棄し、新しい試料をローディングするように指示することができる)、プロセスは、容量を考慮するように調整することができ(例えば、ローディングされた容量に基づいて、試薬、時間、速度などを増加および/または減少させる)、試料は、正常なものとして処理することができ(例えば、そこから導出される結果が結果として判定的ではない場合があることを示すフラグを含む)、および/または、プロセスは、別様に修正され、かつ/もしくは同じままであり得る。
【0080】
試料を調製することは、試料を溶解すること(S220)、試料をクエンチすること(S240)、試料を洗浄すること(S260)、試料を懸濁すること(S280)、および/または任意の適切なプロセスを含み得る。
【0081】
試料を溶解することは、好ましくは、試料から赤血球(例えば、赤血球)および/または他の細胞(例えば、白血球以外の細胞、測定されない細胞など)を分解するように機能する(例えば、溶血(haemolysis)、溶血(hemolysis)など)。試料を溶解することは、好ましくは、測定される種(例えば、細胞、白血球、白血球など)の活性化状態および/または任意の特性を変化させず、これは、測定が試料の状態を表すことを確実にするために有益であり得る。しかし、試料を溶解することは、測定される種の活性化状態および/または特性を変化させることができる(例えば、既知の量によって、既知の方法で、所定の変化をもたらすために、白血球の1つ以上の亜集団を除去するために、種の亜集団を除去するためになど)。
【0082】
試料を溶解することは、好ましくは、溶解液を試料に添加すること、および試料を混合すること(例えば、撹拌すること(stirring)、かき混ぜること(agitating)など)を含むが、追加的にまたは代替的に、試料を加熱すること、試料を超音波処理すること、試料を照射すること、および/または任意の適切なプロセスを含み得る。
【0083】
溶解液は、溶解試薬(例えば、ギ酸、塩化アンモニウム、CTAB、ジエチレングリコール、サポニンなど、種を溶解するように機能することができる細胞膜破壊剤(cell membrane disruptor)、界面活性剤など)、抗凝固剤(例えば、凝固、凝集などを防止するように機能する、EDTAナトリウム、ヘパリン、ワルファリン、クエン酸ナトリウム、酸-クエン酸-デキストロース、クエン酸塩、シュウ酸塩、バトロキソビン、ヘメンチン、ビタミンE、アルコール、クマリンなど)、界面活性剤(例えば、溶解液の表面張力を改質するように機能する、ホスファチジルコリン、ソホロ脂質、ラムノ脂質、レシチン、胆汁酸塩など)、固定剤(例えば、試料の種および/または亜種を保存するように機能する、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、フェノールなど)、溶媒(例えば、水、生理食塩水、海水、重炭酸カリウム、緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、ホウ酸緩衝生理食塩水、トリス-NaCl-Tween緩衝液(TNT)、リン酸緩衝Tween(PBT)、HEPES、酢酸ナトリウム、カコジル酸塩、クエン酸塩、Sorensenリン酸緩衝液、「Good」緩衝液、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液、リン酸クエン酸塩緩衝液、トリス緩衝液、バルビタール緩衝液などの緩衝液、など)、染色剤(例えば、造影剤、蛍光染料、リン光染料など)、および/または任意の適切な成分を含み得る。溶解液は、好ましくは穏やかな試薬を含むが、過酷な試薬、腐食性試薬、および/または任意の適切な試薬を含み得る。具体的な例では、溶解液は、1~5%(例えば、重量、体積、組成など)のギ酸溶液(例えば、水中、緩衝液中など)を含み得る。具体的な例の変形形態は、サポニンを含み得(例えば、重量、体積、組成などによるサポニン濃度0.1%~1%)、および/またはサポニンを含み得ない(例えば、サポニンまたは他のテルペノイドを有さない溶液から本質的に構成される)。しかし、任意の適切な溶解液が使用され得る。
【0084】
試料の溶解は、約0.1ml~100mlの溶解液(例えば、0.1ml、0.2ml、0.5ml、1ml、2ml、5ml、10ml、20ml、50ml、100ml、それらの間の値または範囲など)を(例えば、1つ以上のアリコートまたは添加物中で)使用することができる。
【0085】
試料は、好ましくは、溶解時間にわたって溶解される。溶解時間は、試料の量、試料温度、溶解液(例えば、濃度、試薬、成分など)、試料の種類、クエンチ溶液、クエンチ機構、測定モジュール(例えば、実施される測定の種類)、標的試料(例えば、標的試料の特性)に依存し得、および/または他の方法で判定され得る。溶解時間は、好ましくは約5秒~60秒(例えば、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、それらの間の値など)である。溶解時間が長すぎる場合、白血球(または測定される他の種)は、それらの活性化状態を変化させ、溶解され、および/または別様に変化もしくは影響を受ける可能性がある。溶解時間が短すぎる場合、赤血球は、不完全に溶解され得(例えば、したがって、分離することが困難であり得る)、および/または試料は、別様に不完全に処理され得る。しかし、溶解時間は、5秒未満および/または60秒超であり得る。具体的な例では、溶解時間は、約10秒(例えば、9~11秒、6~12秒、9.5~11.5秒、5~15秒、6~14秒、8~12秒、9.5~10.5秒、5~30秒など)であり得る。しかし、溶解時間は、任意の適切な時間であり得る。
【0086】
試料は、周囲温度(例えば、室温、環境温度、15~25℃など)、高温(例えば、約25℃、30℃、35℃、40℃、45℃など)、降温温度(例えば、約0℃、10℃、15℃など)、および/または任意の適切な温度で溶解することができる。
【0087】
試料をクエンチすることは、好ましくは、溶解反応をクエンチする(例えば、休止する、停止する、遅らせるなど)ように機能する。試料は、好ましくは、測定される種が溶解される前に、または別様に溶解プロセスによって影響を受ける前にクエンチされる。しかし、試料は、測定される種が影響を受けた後に溶解され得る。例えば、試料は、溶解時間が経過した後すぐに(例えば、最大で1秒、2秒、5秒、10秒、20秒以内などに)クエンチされ得る。しかし、試料は、溶解と同時並行的に(例えば、クエンチは、混合ではなく拡散を介して行うことができる)、および/または任意の適切なタイミングでクエンチされ得る。
【0088】
試料をクエンチすることは、好ましくは、測定される種(例えば、細胞、白血球、白血球など)の活性化状態および/または任意の特性を変化させず、これは、測定が試料状態を表すことを確実にするために有益であり得る。しかし、試料をクエンチすることは、測定される種の活性化状態および/または特性を変化させることができる(例えば、既知の量によって、既知の方法で、所定の変化をもたらすために、白血球の1つ以上の亜集団を除去するために、種の亜集団を除去するためになど)。
【0089】
試料をクエンチすることは、好ましくは、クエンチ溶液を試料に添加し、試料を混合すること(例えば、撹拌すること、かき混ぜることなど)を含むが、追加的にまたは代替的に、試料を加熱すること(例えば、溶解試薬を焼却除去すること、溶解剤を蒸発させることなど)、試料を冷却すること、試料を超音波処理すること、試料を照射すること、および/または任意の適切なプロセスを含み得る。クエンチ溶液は、試料(例えば、体積、濃度、同一性、種など)、溶解液(例えば、濃度、溶解試薬など)、温度、湿度、圧力、および/または任意の適切な試料もしくは環境特性に依存し得る。試料をクエンチすることは、約0.1ml~100mlのクエンチ溶液(例えば、0.1ml、0.2ml、0.5ml、1ml、2ml、5ml、10ml、20ml、50ml、100ml、それらの間の値または範囲など)を(例えば、1つ以上のアリコートまたは添加物中で)使用することができる。
【0090】
クエンチ溶液は、好ましくは塩基性溶液(例えば、pHが7より大きい緩衝液、溶解液より大きいpHを有する溶液など)であるが、酸性溶液および/または中性溶液であり得る。例えば、クエンチ溶液は、炭酸塩(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウムなどの炭酸塩)、重炭酸塩(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウムなどの重炭酸塩)、酢酸塩(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウムなどの酢酸塩)、塩(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなど)、および/または任意の適切なクエンチ種などのクエンチ剤を含み得る。クエンチ剤は、水、生理食塩水、緩衝液、溶媒(例えば、アルコール、エーテル、グリコール、溶媒混合物など)、および/または任意の適切な溶媒に溶解することができる。例示的な例として、クエンチ溶液は、1~10%重炭酸ナトリウム溶液(例えば、水中、緩衝液中など)を含み得る。クエンチ溶液は、溶解液を正確に中和し得、溶解液を過剰に中和し得(例えば、残りの溶液は残留クエンチ剤を有し得る)、および/または溶解液を過少に中和し得る(例えば、残りの溶液は残留溶解試薬を有し得る)。
【0091】
試料は、好ましくは、クエンチ時間にわたってクエンチされる(例えば、混合される、クエンチ剤が存在するなど)。クエンチ時間は、試料の量、試料温度、溶解液(例えば、濃度、試薬、成分など)、クエンチ溶液(例えば、濃度、試薬、成分など)、試料の種類、クエンチ機構、測定モジュール(例えば、実施される測定の種類)、標的試料(例えば、標的試料の特性)に依存し得、および/または別様に判定され得る。クエンチ時間は、好ましくは約5秒~60秒(例えば、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、それらの間の値など)。クエンチ時間が長すぎる場合、白血球(または測定される他の種)は、それらの活性化状態を変化させ、溶解され、および/または別様に変化もしくは影響を受け得る。急冷時間が短すぎる場合、溶解液またはその試薬は、不十分にクエンチされ得、このことが、溶解が継続することを可能にし、および/または試料は、別様に不完全に処理され得る。しかし、クエンチ時間は、5秒未満および/または60秒超であり得る。具体的な例では、クエンチ時間は、約10秒(例えば、9~11秒、6~12秒、9.5~11.5秒、5~15秒、6~14秒、8~12秒、9.5~10.5秒、5~30秒など)であり得る。
しかし、クエンチ時間は、任意の適切な時間であり得る。
【0092】
試料は、周囲温度(例えば、室温、環境温度、15~25℃など)、高温(例えば、約25℃、30℃、35℃、40℃、45℃など)、降温温度(例えば、約0℃、10℃、15℃など)、および/または任意の適切な温度でクエンチすることができる
【0093】
試料を洗浄することは、好ましくは、試料から粒子破片を除去するように、副産物または他の試料成分から測定される試料の種を単離するように、溶解および/またはクエンチ副産物を除去するように機能し、および/または別様に機能し得る。試料は、好ましくは、試料がクエンチされた後、閾値時間内に洗浄される。例えば、試料は、クエンチ時間が経過した直後に(例えば、1秒以内に)洗浄することができる。別の例では、試料は、クエンチ時間が経過する閾値時間(例えば、1秒、2秒、5秒、10秒、20秒、30秒など)内に洗浄することができる。しかし、試料は、試料がクエンチされた後に洗浄され得(例えば、試料のクエンチと試料の洗浄との間に遅延が導入され得る)、および/または試料は、そうでなければ洗浄され得る。
【0094】
試料を洗浄することは、洗浄液を導入すること(S262)、試料をかき混ぜること(S264)、試料を収集すること(S266)、試料を吸引すること(S268)、試料をデカントすること、ならびに/あるいは任意の適切な工程および/またはプロセスを含み得る。
【0095】
洗浄液は、好ましくは緩衝液であるが、水、生理食塩水であり、溶媒(例えば、エーテル、アルコールなど)、ならびに/または任意の適切な溶媒および/もしくは溶液を含む。洗浄液は、一度に、アリコートで、滴下して(例えば、ゆっくりと)、および/または任意の適切な様式で添加され得る。いくつかの変形では、洗浄液は、試料を吸引するのと同時並行的に(例えば、同時期的に、同時になど)添加することができる。しかしながら、試料を洗浄することは、洗浄液を交互に添加すること、試料をかき混ぜる(例えば、混合する)こと、および試料を吸引することを含むことができ、ならびに/あるいは、試料は、任意の様式で洗浄することができる。試料を洗浄することは、約1ml~100ml(例えば、1ml、2ml、5ml、10ml、20ml、50ml、100ml、それらの間の値または範囲など)の洗浄液を(例えば、1つ以上のアリコートまたは添加物中で)使用し得る。
【0096】
試料を収集することは、好ましくは、調製された試料を、測定される試料(例えば、試料の亜種)と廃棄される試料成分(例えば、廃棄物、副産物、分解物、残留試薬など)とに分離するように機能する。測定される試料成分は、好ましくは保持される(例えば、収集される)が、任意の方法で使用され得る。廃棄される試料成分は、好ましくは、廃棄される(例えば、廃棄プロセスに)が、追加的または代替的に(例えば、別個の測定モジュールを使用して、解析のための補助データを取得するためなど)測定することができ、かつ/または任意の方法で使用することができる。
【0097】
試料を収集することは、好ましくは、試料を遠心分離することを含む。試料は、微量遠心分離機、低速遠心分離機、高速遠心分離機、超遠心分離機、および/または任意の適切な遠心分離機を使用して遠心分離され得る。例えば、スピンドルは、試料を遠心分離するために使用され得る。遠心分離機は、分別遠心分離機(fractionation centrifuge)、分画遠心分離機(differential centrifugation)、密度勾配遠心分離機として、および/または任意の適切な遠心分離プロセスにおいて使用され得る。試料は、遠心分離持続時間(例えば、構成要素を沈降させるのに必要な時間)に基づいて、測定される成分を沈降させる速度、廃棄される成分を沈降させない速度、成分の活性化状態を実質的に変化させない速度、成分を損傷させない速度、および/または任意の適切な速度で遠心分離することができる。例えば、試料は、約500~5000gの相対遠心力を生成する速度(例えば、約1000~20000RPMの速度)で遠心分離することができる。この例では、沈殿物(例えば、ペレット)は、好ましくは、測定される試料成分(例えば、白血球)を含み、上清は、廃棄される試料成分(例えば、溶解赤血球)を含む。しかし、ペレットは、廃棄される試料成分を含み得、上清は、測定される試料成分を含み得、試料は、複数の画分(例えば、赤血球、バフィーコート、血漿など)に分離され得、および/または試料は、任意の適切な様式で分離され得る。しかし、試料は、500g未満および/または5000gを超える相対遠心力を発生させる速度で遠心分離することができる。しかしながら、試料を収集することは、追加的にまたは代替的に、試料(および/または成分)を沈降させること、試料(および/または成分)を沈殿させること、および/または任意の適切なプロセスを含み得る。
【0098】
試料を遠心分離した後に、上清は好ましくは除去される。上清は、典型的には廃棄されるが、保存、処理、測定、および/または他の方法で取り扱われる。上清は、デカント、吸引、フリッキング、採取によって、および/または任意の適切な技術を使用して除去され得る。
【0099】
総洗浄時間は、好ましくは約5秒~120秒(例えば、5秒、10秒、15秒、17秒、20秒、23秒、30秒、35秒、45秒、60秒、75秒、90秒、105秒、120秒など)である。洗浄時間が短すぎる場合、廃棄物は、不十分に除去され、このことが、データセットの汚染をもたらし、データ収集を遅らせ、ならびに/あるいは、別様に、試料の処理および/または測定に有害となり得る。洗浄時間が長すぎる場合、測定される試料が失われる可能性があり(例えば、保持が低い可能性がある)、および/または他の問題が生じる可能性がある(例えば、洗浄プロセスが測定される試料を損傷または変化させる可能性がある)。
【0100】
クエンチされた試料を洗浄する具体的な例では、洗浄液を試料に添加し、試料を遠心分離し、上清を吸引することができる。これらの工程は、同時並行的に(例えば、同時期的に、同時になど)、連続して、反復して実施する(例えば、溶液を添加する、遠心分離する、吸引する、繰り返す)ことができ、ならびに/または任意の適切な順序および/もしくは様式で実施することができる。
【0101】
洗浄した試料(例えば、測定される成分)は、乾燥したもの、湿ったもの(例えば、湿潤ペレット、捕捉溶液を含むなど)、溶液(例えば、水、緩衝液、生理食塩水など)を含み得、および/または別様に整列され得る。例えば、洗浄された試料は、約300μl(例えば、50~1000μl)の緩衝液(例えば、洗浄液からの残留緩衝液)を含み得る。
【0102】
試料は、周囲温度(例えば、室温、環境温度、15~25℃など)、高温(例えば、約25℃、30℃、35℃、40℃、45℃など)、降温温度(例えば、約0℃、10℃、15℃など)、および/または任意の適切な温度で洗浄され得る。
【0103】
試料をクエンチおよび/または洗浄した後、試料は概して安定である(例えば、試料の活性化状態は実質的に変化せず、試料の特性はほぼ同じままであるなど)。例えば、試料は、数分から数時間の時間スケールで安定であり得(例えば、試料は、これらの段階の後、他のプロセスが実施される前または後に、約24時間までの任意の適切な時間の長さにわたって使用され得る)、これは、実施する工程の緊急性を軽減するために有益であり得、他の準備工程を実施することを可能にし得、および/または別様に有益であり得る。しかし、試料は、追加的にまたは代替的に、不安定であり得(例えば、閾値時間内に測定される必要がある、閾値時間内にさらに処理される必要があるなど)、および/または任意の適切な安定性を有し得る。
【0104】
洗浄した試料を懸濁することは、(例えば、ペレット、試料成分を保存するなど)は、洗浄された試料を溶液(例えば、緩衝液)中に懸濁させて試料の測定を容易にするように機能する。懸濁溶液は、調製溶液と呼ぶれ得る。しかし、調製された溶液は、追加的にまたは代替的に、測定のための試料および/または任意の適切な試料の調製中の他のプロセスからの任意の適切な溶液および/または材料を含む。洗浄された試料は、好ましくは、緩衝液(例えば、PBS緩衝液)中に懸濁されるが、水、生理食塩水、および/または任意の適切な溶液中に懸濁され得る。
【0105】
洗浄された試料は、好ましくは、標的濃度まで懸濁される。標的濃度は、好ましくは、溶液のマイクロリットル当たり約4000~11000細胞である。しかし、標的濃度は、4000細胞/μL未満、かつ/または11000細胞/μL超であり得る。懸濁試料は、好ましくは、約1mL(例えば、900μL~1.1mL)である体積を有するが、1mL未満または1mL超の体積を有し得る。
【0106】
懸濁試料は、好ましくは、標的温度で懸濁される。標的温度は、好ましくは、測定温度とほぼ同じであるが、測定温度と異なり得る。洗浄された試料が標的温度とは異なる温度にある場合、懸濁溶液は、混合物(例えば、結果として得られた懸濁溶液)が標的温度になるように加熱および/または冷却され得る。例えば、図7に示されるように、洗浄された試料(例えば、濃縮された細胞)は、周囲温度(例えば、約20℃)であり得る。試料温度は、(例えば、センサを使用して、温度プローブを使用してなど)測定され、(例えば、周囲温度から、試薬リザーバの温度からなど)推測され、および/または別様に判定され得る。この例では、標的温度は約25℃であり得る。この標的温度を達成するために、洗浄した試料に添加した緩衝液は、約27℃に加熱され、洗浄した試料に添加され得る。懸濁溶液の温度は、経験的に判定され、ヒューリスティックに判定され、熱質量バランス(例えば、溶液、標的懸濁液、容器、マニホールドなどの熱容量、質量、体積、温度などを考慮する)に基づいて判定され得、および/または任意の様式で判定されてもよい。懸濁溶液は、リザーバ内、マニホールド内、スピンドル内、試薬ポート内、および/または任意の適切な位置で加熱され得る。しかし、調製された溶液は、追加的にまたは代替的に、目的温度を達成するように加熱および/または冷却され得、および/または調製された試料は、任意の適切な温度(例えば、試料が分解しない温度)であり得る。
【0107】
懸濁溶液は、好ましくは測定モジュールに移送される。例えば、懸濁液は、好ましくは、測定モジュール内のカートリッジにローディングされる(S310)。カートリッジは、好ましくは標的温度(例えば、(S100)から得られるような測定温度)にあるが、周囲温度(例えば、測定温度まで加熱または冷却される)および/または任意の適切な温度にすることができる。懸濁溶液は、ユーザによって、ロボットによって、オートマトンによって移送することができ、および/または別様に移送することができる。移送される(および最終的に測定される)試料の量は、好ましくは0.1~10mLであるが、0.1mL未満および/または10mL超であり得る。例えば、約1mL(例えば、1mL±10%)の懸濁試料が測定され得る。この例では、より多いまたはより少ない試料(例えば、体積が閾値量より多く変化する)が移送される(例えば、1.1mLより多いまたは0.9mL未満)場合、測定は中断され、再開され得(例えば、新しい試料を添加して)、および/または別様に測定は影響を与えられ得る。
【0108】
懸濁溶液を移送した後、試料調製システムを任意に洗浄することができる。例えば、ブランク溶液、緩衝液、水、溶媒、および/または任意の適切な材料を、試料容器、洗浄容器、および/または任意の適切な容器にローディングすることができ、次いで、試料に対して行われる洗浄と同様の洗浄プロセスに供することができる。試料調製システム洗浄は、試料間の交差汚染を最小限に抑えるおよび/または防止し、粒子状残留物を除去し、粒子状残留物の蓄積を妨げるように機能し得、および/または別様に機能し得る。
【0109】
試料を測定すること(S300)は、好ましくは、試料(および/またはそれに関連する患者)の1つ以上の生物物理学的特性に関連するデータを取得するように機能する。試料の測定は、好ましくは、測定モジュールを使用して行われるが、任意の適切なシステムおよび/または構成要素を使用して行うことができる。データは、画像(例えば、各細胞の1つ以上の画像)、画像特徴量、温度、圧力、流量、および/または任意の適切なデータを取得することができる。測定された試料は、好ましくは調製された試料(例えば、懸濁試料、洗浄された試料など)であるが、収集されたままの試料、溶解された試料、クエンチされた試料、洗浄されていない試料、および/または任意の適切な試料であり得る。第1の具体的な例では、測定試料は、白血球を含み得る(例えば、本質的に白血球で構成される、白血球からなる、白血球を含むなど)。第2の具体的な例では、測定試料は、1つ以上の白血球亜集団(例えば、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球など)を含み得、1つ以上の他の白血球亜集団を除外し得る。しかし、測定試料は、任意の適切な細胞、種、および/または成分を含み得る。
【0110】
試料は、好ましくは、試料を準備する閾値時間内(例えば、測定が閾値時間内に開始される、測定が閾値時間内に完了する、測定の一部が閾値時間内に実施されるなど)に測定される(例えば、図10に示されるように)。閾値時間は、好ましくは1分程度である(例えば、30秒、1分、90秒、2分、2.5分、3分、4分、5分、それらの間の値または範囲など)が、より短く(例えば、閾値時間は、30秒未満、20秒未満、10秒未満、5秒未満などであり得)、および/またはより長く(例えば、数分程度、1時間程度、1日程度など)なり得る。約1分(例えば、1分程度)の閾値時間を有することは、(例えば、調製された試料を懸濁、加熱等した後の)温度変化を制限するために、試料の変化量(例えば、劣化)を制限するために、有益であり得、および/または、別様に有益であり得る(例えば、より大きな閾値時間は、これらの望ましくない効果のいくつかを経験する、受けるなどの可能性がある)。
【0111】
試料の測定中、試料温度は、好ましくは約25℃(例えば、25℃±1℃、25℃±0.5℃、25℃±0.3℃、25℃±0.1℃など)。測定温度は、追加的にまたは代替的に、約15~45℃、15℃未満、および/または45℃を超える値とすることができる。目標測定温度からの有意な偏差(例えば、約1℃を超える標的温度からの偏差)は、測定からの結果の正確さを無効にするおよび/または低下させる可能性がある。したがって、試料温度(および/またはカートリッジ温度)は、好ましくは、試料測定を通して測定される。試料温度が目標測定温度から閾値量を超えて逸脱する場合、温度が目標測定温度に戻るまで測定を休止することができ、偏差後のデータを解析から除外することができ、方法を終了することができ(例えば、十分なデータが存在する場合に解析を開始することができる)、方法を再開することができる(例えば、新しい試料を測定のためにローディングすることができる、新しい試料を調製することができるなど)、温度補正をデータに適用することができ、および/または方法は、任意の適切な応答を含み得る。
【0112】
試料を測定する工程は、マイクロ流体カートリッジを撮像センサに位置合わせする工程(S320)を含み得る。マイクロ流体カートリッジを整列させることは、マイクロ流体カートリッジを撮像システムの焦点面に設定するように、マイクロ流体カートリッジの所定の部分(例えば、変形領域、直線領域など)を撮像システムの視野に設定するように機能し得、および/または別様に機能し得る。マイクロ流体カートリッジは、整列ガイド(例えば、マイクロ流体カートリッジ上の整列パターン)を使用して、モータを使用して(例えば、マイクロ流体カートリッジおよび/または撮像システムを並進、回転などするために)整列され得、および/または別様に整列され得る。
【0113】
試料を測定することは、好ましくは、フローサイトメーター(例えば、変形サイトメトリー)内で測定された試料の複数の画像を取得することを含む(S360)。複数の画像は、好ましくは、変形領域、伸長領域、集束領域、直線領域、および/または流路の(例えば、カートリッジの)任意の適切な領域内の細胞(または他の試料成分)の複数の画像を含む。しかし、試料を測定することは、追加的にまたは代替的に、力センサ(例えば、光学力センサ)を使用して、原子間力顕微鏡法を実行することを含み得、および/または試料の任意の適切なデータもしくは測定を実行し得る。
【0114】
測定される細胞の数(例えば、方法の事例ごと、試料ごとなど)は、好ましくは約10,000~100,000個の細胞である。例えば、細胞の平均数は約55,000であり、標準偏差が約35,000であり得る。この具体的な例では、約5000細胞/秒が測定され得る。しかし、方法は、約1000細胞/秒~10,000細胞/秒、1000細胞/秒未満、および/または10,000細胞/秒超を測定することができる。測定された細胞の数が約10,000個未満である場合、該方法は再開することができ、細胞の数が10,000個を超えるまで続けることができ(例えば、同じ試料からさらに細胞を測定に加えることができる)、結果の信頼度を報告することができ(例えば、測定された細胞の数に基づいてフラグを発行することができる)、および/または任意の適切な結果を生じさせることができる。100,000個を超える細胞が測定される場合、データをダウンサンプリングし得(例えば、標的数の細胞を選択するため、無作為に、所与の細胞が異常値である確率に基づいてなど)、すべての測定値が使用され得、方法は繰り返され得(例えば、同じ試料、同じ患者からの別の試料などで)、解析は変更なく進められ、および/または解析もしくは方法は任意の方法で変更され得る。概して、より少数の細胞は解析に十分なデータを提供せず、追加の細胞は過剰適合および/またはデータ解析の遅さをもたらし得るが、10,000未満または100,000を超える細胞を測定し得る。しかし、任意の適切な数の細胞を測定することができる。
【0115】
各測定細胞について、好ましくは、細胞の少なくとも約10個の画像(例えば、10、11、12、14、15、16、17、20、25個の値またはそれらの間の範囲、>25など)(サイトメーターの変形、伸長流動などの領域内)が測定される。少なくとも10枚の画像を有することは、しばしば、事象レベル(例えば、細胞が力に応答してどのように展開するか)解析が細胞について実施され得ることを保証するのに十分である。細胞の10未満の画像が存在する場合、上記細胞は、事象レベル分析から除外され得、集団分析から除外され得、測定された細胞のセットから除外され得(例えば、拒絶されたデータ)、フレームレベル分析に含まれ得、事象レベル分析に含まれ得、フラグを立てられ得(例えば、信頼できないデータの潜在的なソースを示すために)、ならびに/またはそうでなければ使用および/もしくは除外され得る。しかしながら、10個未満の画像を用いることができる。
【0116】
試料を測定する工程は、カートリッジを通る試料の流速を判定する工程(S340)を含み得る。流量は、複数の画像を使用して、流量計を使用して、タイミング(例えば、測定された量の試料がカートリッジを通って流れるのにどのくらいかかるのか)に基づいて、別個の流量チャネル(例えば、マイクロ流体経路内の別個のチャネル)を使用して、加えられた圧力または力に基づいて(例えば、カートリッジの寸法、幾何学的形状などを考慮して流量を計算するための方程式を使用して)、熱変化に基づいて、コリオリ質量流量計を使用して、音響を使用して、電気化学センサを使用して、および/または任意の方法で、判定することができる。例示的な例では、カートリッジは、流量画像(例えば、カートリッジの直線領域内の1つ以上の細胞の画像)のセットが取得されるように並進させることができる、流量画像のセットは、流量画像内の細胞を同定するためにセグメント化することができる、フレームレート、細胞サイズ、カートリッジ(例えば、流体チャネル)サイズ、視野、および/または任意の適切な情報に基づいて、カートリッジを通る試料の流速を計算する。しかし、流量は、任意の方法で判定することができる。
【0117】
流量は、好ましくは、試料を測定する前(例えば、変形領域内の細胞の画像を取得する前)に判定されるが、任意の適切な時点で判定することができる。流速を判定する(例えば、測定する)ことによって、目標流速を達成するように流速を調整することができる(必要であれば)。目標流量は、好ましくは約0.1~10m/s(例えば、0.1m/s、0.2m/s、0.4m/s、1m/s、2m/s、4m/s、10m/s、それらの間の値または範囲など)、しかし、任意の適切な流量(例えば、0.1m/s未満、10m/s超)とすることができる。流速は、試料濃度、試料粘度、印加力、撮像センサのフレームレート、試料温度、および/または任意の適切な特性に依存し得る。流速は、例えば、試料濃度を変化させることによって、試料粘度を変化させることによって、印加圧力(例えば、陽圧および/または陰圧または力を使用して、流動を生成する)を変化させることによって、および/または別様に流速を調整することによって調整することができる。
【0118】
患者の健康状態を判定する工程(S400)は、好ましくは、患者の健康状態を判定するように機能する。患者の健康状態は、好ましくは、コンピューティングシステム(例えば、その画像解析器、スコアリングモジュールなど)を使用して判定されるが、任意の適切な構成要素を使用して行われ得る。患者の健康状態は、指数(例えば、白血球構造指数、0~1などの正規化された指数、0~10、0~100、0.1~10、0.1~100、1~10、1~100などの正規化されていない指数など)、診断、分類、患者に適用される診断の確率、および/または任意の適切な情報を含み得る。
【0119】
健康状態は、モデル、方程式、ルックアップテーブル、機械学習アルゴリズム(例えば、スコアを出力するように訓練される、指数を出力するように訓練される、疾患状態を出力するように訓練されるなど)から判定することができ、および/または別様に判定することができる。使用することができるモデルの例には、ロジスティック回帰(例えば、線形ロジスティック回帰、非線形ロジスティック回帰など)、判定木、ベイズ分類器、最近傍技法、サポートベクターマシン、判定フォレスト(例えば、ランダムフォレスト)、ニューラルネットワーク、勾配ブースティングが含まれ、および/または任意のモデルが使用され得る。モデルは、所定のモデル、一般モデル、補助情報に基づいて選択されたモデル、および/または任意の他の適切なモデルであり得る。
【0120】
モデルへの入力は、1つ以上の生物物理学的特性、 1つ以上のパラメータ、 年齢、成熟度(例えば、乳児、幼児、子供、青年、成人など)、体重、身長、人種、性別、体温、肥満度指数、体脂肪率、既存の状態、症状の持続時間、症状の発症、旅行、血液酸素化レベル、血圧、感染源などの補助情報、 処置パラメータ(例えば、入院、投与された処置など)、 収集パラメータ(例えば、温度、試料中に見出される他の化合物など)、 画像(例えば、画像のセットからの)、 異なる照明条件(例えば、異なる強度の光、異なる波長の光など)における細胞の画像および/またはその解析、 異なる事象レベル情報、 フレームレベル分析、 集団分析、 および/または任意の入力を含み得る。
例示的な例では、入力は、軌道パラメータ(例えば、各細胞、閾値を有する各細胞などに対する、発振振幅(oscillation amplitude)、平均発振振幅(average oscillation amplitude)、発振振幅分布(oscillation amplitude distribution)など)、細胞サイズ(例えば、厚さ)、および/または細胞列挙(例えば、好中球の数、白血球の数など、例えば、細胞の総数、閾値軌道パラメータを有する細胞の総数など)を含み得る。
【0121】
モデルの出力は、指数(例えば、健康状態指数、 白血球構造指数(LSI)、 0~1、0~10などの間の値、 スコア、 閾値を超える構成要素の総数、 閾値を超える構成要素の総数の分数などの閾値を超えるパラメータおよび/またはそのようなパラメータの組み合わせを有する構成要素の数、 確率など)、健康状態、健康状態の重症度、健康状態の確率、および/または任意の出力を含み得る。
【0122】
例示的な例では、健康状態は、指数に基づいて判定することができる。指数が閾値(例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.75、0.8、0.9、0.95、0.99、1など)を超える場合、健康状態は、患者が状態を有する(または少なくとも50%の確率などを有する可能性がある)ことを示し得る。指数が閾値未満である場合(例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.75、0.8、0.9、0.85、0.99、1など)、健康状態は、患者が症状を有さない(または、患者が疾病を有していない確率が少なくとも50%であるなど、患者が疾病を有していない可能性が高いこと)ことを示し得る。しかし、閾値を下回る指数は、疾病を示し得、閾値を超える指数は、条件を有さないことを示し得る、および/または指数は、任意の様式で使用され得る。閾値は、訓練データセットに基づいて(例えば、モデルがどのように生成されるかと同様の方法で、モデルへの入力がどのように選択されるかと同様の方法で)判定することができ、予め判定することができ、方程式(例えば、補助試料情報に基づき、および/または補助試料情報を考慮した方程式)に従って判定することができ、および/または別様に判定することができる。
【0123】
いくつかの変形では、単一の指数を判定することができる(例えば、各細胞亜集団についての母集団パラメータは、単一の計算に集約することができる)。他の変形では、患者および/または試料について複数の指数を判定することができる。例えば、好中球指数および単球指数を判定できる。各指数は、同じ閾値または異なる閾値を有し得る。例えば、0.75の閾値を超える単球指数は、疾病を示すことができ、0.9の閾値を超える好中球指数は、疾病を示すことができる。複数の指数を使用する場合、健康状態は、投票、好ましい指数、指数結果の加重平均、指数および/または閾値を関連付ける方程式に基づいて判定することができ、および/または別様に判定することができる。
【0124】
健康状態を判定することは、好ましくは、測定データから生物物理学的特性(例えば、構造パラメータ、軌道パラメータ、患者パラメータ、位置パラメータなどのパラメータ)を判定することを含む(S430)。生物物理学的特性は、好ましくは健康状態の判定に使用されるが、そうでなければ使用することができる。
【0125】
生物物理学的特性のセットは、好ましくは、母集団パラメータ(例えば、試料を表すパラメータ)に対応するが、事象パラメータ(例えば、画像内の特徴量または物体に基づいて判定されたパラメータなどの画像を表すパラメータ、 成分、特徴量、物体などの複数の画像に基づいて判定されたパラメータなど、構成要素を表すパラメータなど)、フレームパラメータ(例えば、単一の画像に関連付けられたパラメータ)に対応および/またはそれらに関連付けられ得、および/または任意の適切な基準に対応もしくはそれに関連付けられ得る。母集団パラメータは、事象パラメータ、フレームパラメータから、および/または任意の適切なパラメータから判定することができ、および/または別様に判定することができる。母集団パラメータは、複数のパラメータの平均、パラメータの特性パラメータ(例えば、最大値、最小値、平均値、中央値、最頻値など)であり得、かつ/またはパラメータに別様に関連し得る。具体的な例では、パラメータのセットの1つ以上のパラメータを判定することは、各事象について判定されたパラメータを平均化すること(例えば、画像、デバイスまたは変形領域を通る成分の横断など)、閾値を超えるパラメータを平均化すること(例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95パーセンタイルより大きいパラメータを平均すること、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95パーセンタイルより小さいパラメータを平均することなど)、パラメータのサブセット(例えば、同じ細胞型などの同じ特徴型に関連するパラメータ)、極値パラメータ(例えば、最大値、最小値などである。)を平均化すること、パラメータ間の相関を判定すること、事象パラメータのセット(またはサブセット)の分散および/または標準偏差を判定すること、事象パラメータを母集団パラメータに関連付ける方程式を使用すること、事象パラメータの加重平均を使用して、事象および/またはフレームパラメータの分布間の回帰(例えば、線形回帰、非線形回帰など)を判定することを含み得、および/または別様に判定することができる。
【0126】
例証的実施例では、構造パラメータを判定することは、特徴量の境界(例えば、内部境界、外部境界など)を判定することと、境界に基づいて構造パラメータを判定することとを含み得る。この例示的な例の第1の変形形態では、構造パラメータは、検出システムの既知の幾何学形状および試料幾何学形状に基づいて判定することができる(例えば、特徴量のサイズは、システム幾何学形状、および焦点距離、光学センサーサイズなどの既知のカメラパラメータに基づいて判定することができる)。この例示的な例の第2の変形形態では、構造パラメータは、同じ特徴量を含む2つの画像間の視差マップ(disparity map)を判定することによって、判定され得る。具体的な例では、各フレームにおけるセルのアスペクト比および/または変形領域に沿った位置は、それぞれのフレームから抽出されたセル寸法に基づいて判定することができる。
【0127】
例示的な例では、軌道パラメータを判定することは、複数の画像の各画像内の特徴量(例えば、物体、成分)の重心位置を判定する工程と、複数の画像間の重心の位置の変化を追跡する工程と、振動の振幅を測定する工程(例えば、振動の1つ以上のピークまたはサイクルを使用する)と、振動の振幅に基づいてパラメータを計算する工程とを含む。この例示的な例の第1の変形形態では、振幅を測定することは、振動の第1、第2、および/または任意の適切なピークの振幅を測定することを除外することができ、これは、測定の再現性を高めることができる。この例示的な例の第2の変形形態では、振幅を測定する工程は、振動の第3、第4、第5、および/または任意のピークの振幅を測定し、振幅を平均化して適合パラメータを判定することを含み得る。この例示的な例の第3の変形形態では、振幅を測定することは、振動の第3、第4、第5および/または任意のピークの振幅を測定し、振動を所定の方程式(例えば、三角関数、減衰振動、指数関数などの振動関数)にフィットさせて軌道パラメータ(例えば、振幅、オフセット、位相、周波数、減衰(decay)、減衰(damping)、駆動などのフィットパラメータ)を判定することを含み得る。この例示的な例の第4の変形形態では、軌道パラメータは、軌道のフーリエ分解(例えば、フーリエ余弦変換、フーリエ正弦変換、フーリエ変換など)からの1つ以上のフーリエ係数を含み得る。この具体的な例では第5の変形形態では、軌道パラメータは、同じ特徴量を含む画像間の構造パラメータの変化に基づいて判定することができる。具体的な例では、変形領域を通過中の細胞のVEIRは、それぞれの時系列のフレームから抽出された細胞振動振幅に基づいて判定することができる。この例示的な例の第6の変形では、軌道パラメータは、振動の一次、二次、三次、四次、五次(quinary)、セナリ、セプテナリ、オクトナリ、ノナリ、デナリーサイクル、および/または他のサイクルの振幅、ならびに/あるいは上記の組み合わせ(例えば、一次サイクルおよび/または二次サイクルなどのいくつかのサイクルを除外し、 三次、四次、および五次サイクルなどのサイクルのサブセットを含むなど)に基づいて判定することができる。しかし、軌道パラメータは、他の方法で判定され得る。
【0128】
生物物理学的特性を判定することは、画像内の重複する細胞を検出することを含み得る。重複する細胞が検出される場合、細胞は、解析から除外することができ(例えば、細胞が重複するフレームを除外することができ、1つ以上の重複する細胞を含む事象を除外することができるなど)、細胞は、(例えば、機械学習アルゴリズムを使用して)分離することができ、補正は、重複(例えば、重複の程度)に基づいて適用することができ、および/または重複する細胞は、別様に取り扱うことができる。
【0129】
具体的な例では(例えば、図11および/または図12に示すように)、患者の健康状態を判定することは、変形中の細胞(例えば、白血球)の画像を受信すること、 各細胞について、画像(例えば、流れ領域内の寸法および位置)から細胞の特徴量を抽出すること(S420)、 各細胞について、細胞の特徴量に基づいて軌道パラメータ(例えば、振動振幅)および/または構造パラメータ(例えば、アスペクト比)を判定すること、 軌道パラメータおよび/または構造パラメータ値に基づいて指数を計算すること(S435)、および、指数に基づいて患者の健康状態を判定すること(S440)、を含み得る。方法は、細胞亜集団(例えば、単球、リンパ球、好中球)にしたがって、細胞データを分離する工程を任意選択で含み得、指数は、細胞亜集団のサブセット(例えば、単球および好中球)のパラメータに基づいて計算され得る。
【0130】
第2の具体例では、患者の健康状態の判定は、2021年8月13日に出願され、「SYSTEM AND METHOD FOR IMMUNE ACTIVITY DETERMINATION」と題され、この参照によりその全体が援用される、米国特許出願番号17/401,627に開示されているように実行することができる。
【0131】
しかし、患者の健康状態は、別様に判定され得る。
【0132】
介入を提供すること(S500)は、介入を患者に提供するように機能し得る。介入は、好ましくは、健康状態(例えば、免疫活性化状態)に依存するが、生物物理学的特性、患者データ、ならびに/または任意の適切なデータおよび/もしくは情報に依存し得る。介入を提供することは、好ましくは、自動的に行われる(例えば、コンピューティングシステムが、健康状態に基づいて提案を生成する)が、手動で、および/または任意の様式で行われることができる。介入の例には、患者の疾患状態の進行を経時的に追跡すること、処置パラメータ(例えば、推定入院期間、推定トリアージ要件など)を判定すること、二次解析(例えば、構造的特徴量をアッセイするための光学顕微鏡などの自然免疫活性化アッセイ、細胞学的アッセイ、 CD11b、CD18、CD64、CD66bの免疫蛍光標識、フローサイトメトリーなどを使用する化学変化アッセイ、トランスクリプトームシグネチャー解析など)を開始すること、抗生物質レジメンを提案すること、抗ウイルスレジメンを提案すること、化学療法レジメンを提案すること、ヘルスケア提供者に患者の健康状態を知らせること、健康状態の緊急性を示すこと、患者に健康状態を知らせること、健康状態を表示すること、および/または他の適切な介入が含まれる。
【0133】
好ましい実施形態およびその変形形態の方法は、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を受け取るように構成された機械として少なくとも部分的に具現化および/または実施することができる。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、または任意の適切なデバイスなどの任意の適切なコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。コンピュータ実行可能構成要素は、好ましくは、一般もしくは特定用途向けプロセッサであるが、任意の適切な専用ハードウェアまたはハードウェア/ファームウェアの組み合わせデバイスが、代替的にまたは追加的に命令を実行することができる。
【0134】
システムおよび/または方法の実施形態は、様々なシステム構成要素および様々な方法プロセスのあらゆる組み合わせおよび順列を含むことができ、本明細書で記載される方法および/またはプロセスの1つ以上の例は、本明細書で説明されるシステム、要素、および/または実体の1つ以上の例によって、および/またはそれを使用して、非同期的に(例えば、連続的に)、同時に(例えば、並行して)、または任意の他の適切な順序で行われ得る。
【0135】
当業者は、前述の詳細な説明および図面および特許請求の範囲から認識するように、以下の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態に修正および変更を行うことができる。
図1
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【国際調査報告】