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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-26
(54)【発明の名称】レールのジョイント
(51)【国際特許分類】
   B66C 7/08 20060101AFI20250218BHJP
   E01B 11/24 20060101ALI20250218BHJP
【FI】
B66C7/08
E01B11/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543579
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-26
(86)【国際出願番号】 GB2023050011
(87)【国際公開番号】W WO2023148468
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】2201490.6
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524275838
【氏名又は名称】ガントリー レーリング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GANTRY RAILING LTD
【住所又は居所原語表記】Sudmeadow Road Hempsted Gloucester Gloucestershire GL2 5HG (GB)
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】バイグレイブ、ピーター ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ、ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ハリング、リース
【テーマコード(参考)】
3F202
【Fターム(参考)】
3F202AA05
3F202AD01
3F202BA02
3F202CB03
3F202CC04
(57)【要約】
【課題】ジョイントにおける高応力領域での摩耗率を低減し、ジョイント部分でレールの上に追加の摩耗材を追加することにより、クレーンレールの運用寿命を延ばすレール提供する。
【解決手段】 ガントリークレーン(10)のトロリー(14)を支持するレール(13)は、ジョイント(17)の反対側にレールセクション(18, 19)を有しており、該ジョイント(17)に接近する際にトロリー(14)の車輪をレールヘッド(27)の高さ(L1)を徐々に超えるリッジ(23)上に誘導する変更されたレールヘッドプロファイルの端部領域(20)が設けられている。リッジ(23)は、その後、車輪をジョイント(17)に運び、そこで1つのレールセクションから次のレールセクションへの移行が強化された領域上で行われる。リッジの荷重支持頂点(A)は、レール(13)の側縁および各凸部(21)の端部から離れた位置に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪付き車両の上部レール表面を支持するレールヘッド、及び支持構造と係合するための下部レール表面を有するベースを備えたレールであって、
前記レールは、ジョイントによって第1および第2のレールセクションに分割されており、
各レールセクションの隣接する端部領域は、それぞれ第1および第2の反対の縦方向側面に配置された凸部および凹部を含んでおり、
各レールセクションの凸部が使用時に互いに縦方向に重なり合い、第1レールセクションの凸部が第2レールセクションの凹部に延び、その逆も同様であり、
各隣接する端部領域における上部レール表面は、該上部レール表面の縁に沿って凹部によって切り取られ、該端部領域から離れたプロファイルと比較して変更されたプロファイルを有しており、
各隣接する端部領域における上部レール表面の変更されたプロファイルは、該凸部に沿って縦方向に延びる細長いリッジセクションを含んでおり、
該細長いリッジセクションの頂点は、該上部レール表面の切り取られた縁から離れた位置に配置されている、
ことを特徴とするレール。
【請求項2】
各細長いリッジセクションの頂点は、該リッジセクションが設けられた凸部の両反対の縦方向側縁から離れた位置に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレール。
【請求項3】
前記細長いリッジセクションは、該リッジセクションが設けられた凸部の中央に沿って延びている、
ことを特徴とする請求項2に記載のレール。
【請求項4】
各レールセクションの隣接する端部領域は、該凸部が延びる内端部をそれぞれさらに含み、
各端部領域の細長いリッジセクションは、該凸部から該内端部に延びている、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のレール。
【請求項5】
各内端部は、細長いリッジセクションに平行に凹部に向かって延びる短いリッジセクションをさらに含み、
各短いリッジセクションは、レールセクションが使用位置にあるときに、他の細長いリッジセクションと端と端で接続するように延びている、
ことを特徴とする請求項4に記載のレール。
【請求項6】
ジョイントにおけるレールの反対側には、レールヘッド部分とベース部分の間に延びる補強材料を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のレール。
【請求項7】
前記補強材料は、該ジョイントから離れたレールの各側に沿って縦方向に延びるリセスを閉じる、
ことを特徴とする請求項6に記載のレール。
【請求項8】
前記補強材料は、ジョイントにおけるレールの反対側に沿ってボルトで固定されるか、又はその他の方法で固定される強化部材を含んでいる、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のレール。
【請求項9】
各リッジの頂点は、該端部領域から離れた上部レール表面のレベルよりも高いレベルに延びている、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のレール。
【請求項10】
リッジセクションによって提供されるリッジの反対端は、該端部領域から離れた上部レール表面に向かって下方にテーパーしている、
ことを特徴とする請求項9に記載のレール。
【請求項11】
各レールセクションの端部領域は、細長いレール部材と一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のレール。
【請求項12】
各レールセクションは、短いレール端部材と端と端で配置された細長いレール部材を含み、
各レールセクションの端部領域は、該レール端部材と一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のレール。
【請求項13】
リッジがキャッピング部材に設けられるキャッピング部材は、それぞれのレールセクションの端部領域に設けられた補完的な形成部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のレール。
【請求項14】
各レールセクションの補完的な形成部は、細長いレール部材と一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のレール。
【請求項15】
各レールセクションは、短いレール端部材と端と端で配置された細長いレール部材を含み、
各レールセクションの補完的な形成部が、該レール端部材と一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項13に記載のレール。
【請求項16】
各キャッピング部材は、それぞれのレールセクションの補完的な固定形成部と係合するための固定形成部をその反対端に備えている、
ことを特徴とする請求項13~15のいずれか1項に記載のレール。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のレールに設けられるレールセクション。
【請求項18】
請求項1~16のいずれか1項に記載のレールを備えたガントリークレーンであって、
各レールのレールセクションは、クレーンのブームと固定部分の間のヒンジの反対側にそれぞれ設けられている、
ことを特徴とするガントリークレーン。
【請求項19】
請求項1~16のいずれか1項に記載のレールを形成する方法であって、
二つの支持構造の間のジョイントの反対側にそれぞれのレールセクションを取り付けることを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
各レールセクションは、短いレール端部材を細長いレール部材と端と端で配置することにより形成されており、
各セクションの短いレール端部材は、ジョイントの反対側からそれぞれ延びている、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、細長いレール部材のセクションは切り取られ、その位置に短いレール端部材は敷設される、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項13に記載のキャッピング部材は、それぞれのレールセクションの端部領域に設けられた補完的な形成部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪付きの車両を運ぶためのレール間の接合部(ジョイント)、特に(ただしそれに限定されない)ガントリークレーンに設置されたレール間の接合部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガントリークレーンは、コンテナ化された貨物の積み下ろしのために、ドックヤードやその他の場所で広く使用されている。典型的には、ガントリークレーンは、大型のシャーシを備え、地面に沿って第1軸に沿って走行するための車輪と、直交する第2軸に沿って延びる高架のブームを備えている。クレーンで取り扱うコンテナは、ブームの長手方向軸に沿って移動するトロリーから垂直に吊り下げられたケーブルによって支持されている。通常、このトロリーには、ブームの支持面に固定された平行なレールの上を走行する車輪が装備されている。
【0003】
ドックヤードでコンテナを取り扱うガントリークレーンは、クレーンのシャーシから船の幅に渡って延びるヒンジ付きブームを備えている場合がある。ヒンジ付きブームは、船がドックサイドに妨げられることなく出入りできるようにするために持ち上げることができ、そのためにはレールに接合部を設ける必要があることが理解されるだろう。典型的には、このような接合部は、ヒンジ付き部分とヒンジなし部分のブームの長手方向に配置されたレールセクション間にラップジョイントとして設けられ、その隣接する端部が重なり合い、次のレールセクションへの滑らかな移行を提供し、隙間が生じないようになっている。
【0004】
ガントリークレーンに使用される細長いレールは、支持面に配置されるベース部分、ベース部分とトロリーが走行するレールのヘッド部分との間に延びる上向きの中央ウェブを備えている。レールのヘッド部分の上面は、中央に向かって両側の縁から上方に湾曲しており、トロリーの車輪は、レールの上向きのウェブ部分の真上に位置するヘッド部分の中央領域によって支持されている。
【0005】
この配置の問題点は、隣接するレールセクションの端部が、この中央領域に沿って縦方向にカットされ、ウェブまで切り込みを入れてラップジョイントのそれぞれの突出部と凹部が形成されるため、1日100~200回ジョイントを通過するトロリーの負荷が、レールセクションの縦方向に切り取られた上向きの側面に沿って分担されることである。このため、車輪からの衝撃により、一方または両方のレールセクションに摩耗や損傷が生じ、これが応力破壊を引き起こしてウェブの側面に沿って亀裂が進行し、破損に至る。ジョイントに生じた損傷は、レールを5年から7年ごとに、時にはそれよりも早く交換しなければならないことを意味する。通常、レールはブーム全体にわたって交換されるため、非常に高額であり、クレーンの運用が長期間停止される。
【発明の概要】
【0006】
上記を踏まえ、我々はレールジョイントに関連する改良を考案した。本発明の第1の側面に従い、車輪付き車両を支持するための上部レール表面を定義するレールヘッドと、支持構造と係合するための下部レール表面を定義する基部を備えたレールが提供されている。レールは、ジョイントによって第1および第2のレールセクションに分割されており、レールセクションの隣接する端部領域は、それぞれ第1および第2の反対側の縦方向の側面に配置された突出部および凹部を備えている。各レールセクションの突出部は、使用時に互いに縦方向に重なり合い、第1レールセクションの突出部が第2レールセクションの凹部に延び、その逆もまた同様である。各隣接する端部領域における上部レール表面は、一方の側縁に沿って凹部によって切り取られ、その端部領域から離れた場所のプロファイルと比較して変更されたプロファイルを有している。各隣接する端部領域における上部レール表面の変更されたプロファイルは、突出部に沿って縦方向に延びる細長いリッジセクションを含んでおり、その頂点は上部レール表面が凹部によって切り取られた側縁から離れた位置に配置されている。
【0007】
ジョイントは、ガントリークレーンのブームの内端および外端に沿ってそれぞれ延びるレールセクション間で形成されることがある。このジョイントにより、一方のレールセクションが使用時の縦方向に整列した位置と、偏向した位置との間で他方のレールセクションに対して上方に回転することが可能になる。
あるいは、ジョイントは、永久に縦方向に整列したレールセクション間で形成された伸縮ジョイントである場合がある。
【0008】
本発明は、トロリーまたはその他の車両がジョイントを通過する際の荷重が、上部レール表面が凹部によって切り取られた側縁から離れた位置に配置された突出した外端部分の細長いリッジセクションに沿って負担されるため、前述の問題を解決する。したがって、レールの凹部側にかかる力が大幅に減少し、その結果、車輪による衝撃から1つまたは両方のレールセクションが摩耗または損傷するリスクが低減される。
【0009】
各細長いリッジセクションの頂点は、それが設けられた突出部の反対側の縦方向側縁の両方から離れた位置に配置される場合がある。各細長いリッジセクションは、それが設けられた突出部の中央に沿って延びる場合がある。
【0010】
レールセクションの隣接する端部領域は、それぞれの内端部から突出部が延び、各端部領域の細長いリッジセクションが、その突出部から内端部に延びている場合がある。このようにして、トロリーや他の車両がジョイントを通過する際の荷重は、ジョイントを通過する前後にわたって細長いリッジセクションによって負担される。
【0011】
各内端部には、細長いリッジセクションに平行にリベートに向かって延びる短いリッジセクションがさらに含まれる場合がある。使用時には、各メンバーの短いリッジセクションが、他のメンバーの細長いリッジセクションと端と端で接続するように延びている。
【0012】
既知のジョイントの突出した外端部における支持ウェブ部分は、ラップジョイントの凹部を形成するために切り取られた部分で少なくとも50%薄くなっていることが理解される。したがって、レールセクションの突出した外端部は弱くなり、これによりジョイントの破損リスクがさらに悪化する。この問題を解決するために、ジョイント部のレールの反対側には、レールのヘッド部分とベース部分の間に延びる補強材が含まれている。この側面材料は、ベース部分とヘッド部分の間のレールの断面積を増加させ、レールの突出した外端部を強化する。
【0013】
補強材は、ジョイントから離れたレールの各側に沿って縦方向に延びるリセスをほぼ閉じる場合がある。
【0014】
補強材には、ジョイント部のレールの反対側に沿ってボルトで固定されるか、またはその他の方法で固定される強化部材が含まれている場合がある。
【0015】
ジョイントをトロリーや他の車両が通過する際に、レールの上面が摩耗することは避けられない。ジョイントの耐久性を延ばし、強度を増加させるために、各リッジセクションの頂点は、当該端部領域から離れたレールの上部表面よりも上方に延びる部分がかなりの部分を占めるようになっている場合がある。リッジセクションの高さが増すことで、より多くの摩耗に耐えられ、またジョイントが強化される。
【0016】
リッジセクションによって形成されたリッジの両端は、当該端部領域から離れたレールの上部表面に向かって下方にテーパーすることで、レールのレベルに急激な変化が生じないようにすることができる。
【0017】
一実施形態では、各レールセクションの端部領域は、例えばレール部材の端部を所定の形状に機械加工または鋳造することにより、細長いレール部材と一体に形成されている。
【0018】
別の実施形態では、各レールセクションは、短いレール端部材と端と端で配置された細長いレール部材を含み、各レールセクションの端部領域は、例えばレール端部材の端部を所定の形状に機械加工または鋳造することにより、レール端部材と一体に形成されている。
【0019】
短いレール部材の端部を所定の形状に形成する方がはるかに簡単であり、ジョイントに隣接するレールの長さを切り取り、短いレール端部材を取り付けることにより、既存のレールを比較的容易に修理できることが理解されるだろう。
【0020】
別の実施形態では、各細長いリッジセクションは、例えばボルトで固定するか、または溶接によってそれぞれのレールセクションの端部領域に設けられた補完的な形成部に取り付けられるキャッピング部材に設けられている。
【0021】
一実施形態では、各レールセクションの補完的な形成部は、例えばレール部材の端部を所定の形状に機械加工または鋳造することにより、細長いレール部材と一体に形成されている。
【0022】
別の実施形態では、各レールセクションは、短いレール端部材と端と端で配置された細長いレール部材を含み、各レールセクションの補完的な形成部は、例えばレール端部材の端部を所定の形状に機械加工または鋳造することにより、レール端部材と一体に形成されている。
【0023】
各キャッピング部材は、さらに細長いリッジセクションに平行に延びる短いリッジセクションを含む場合があり、使用時には、各メンバーの短いリッジセクションが、他のメンバーの細長いリッジセクションと端と端で接続するように延びている。
【0024】
ノッチは、各キャッピング部材の平行リッジセクションの間からキャッピング部材の一端まで延びる場合があり、レールセクションには、そのノッチに延びてキャッピング部材の位置を決定するのに役立つフィンガーが含まれる。この実施形態では、リッジセクションによって提供されるリッジの反対端は、フィンガーの上面よりも下方の点に向かって下方にテーパーする場合がある。
【0025】
また、本発明の第2の側面から見ると、前述したようにレールを形成するためのレールセクションが提供される。
【0026】
さらに、本発明の第3の側面から見ると、前述したように、各レールのレールセクションがブームとクレーンのシャーシの間のヒンジの反対側にそれぞれ設けられているガントリークレーンが提供される。
【0027】
さらに、本発明の第4の側面から見ると、前述したようにレールを形成する方法が提供され、その方法は、二つの支持構造の間のジョイントの反対側にそれぞれのレールセクションを取り付けることを含む。
【0028】
一実施形態では、各レールセクションは、細長いレール部材と端と端で配置された短いレール端部材を敷設することにより形成される。細長いレール部材の一部が切り取られ、短いレール端部材がその位置に敷設される場合がある。
【0029】
別の実施形態では、キャッピング部材は、それぞれのレールセクションの端部領域に設けられた補完的な形成部に、例えばその場でボルトまたは溶接によって固定される。
【0030】
補完的な形成部は、レールセクションの端部領域を機械加工または鋳造することにより形成される場合がある。
【0031】
以下、本発明の実施形態が、図面を参照しながら、例示のみをもって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】は、本発明に従ったレールの実施形態を組み込んだガントリークレーンの側面図である。
図2A】は、図1のガントリークレーンのレールのセクションの一側からの上部視の斜視図である。
図2B】は、図2Aのレールセクションの端部領域の拡大図である。
図3】は、図1のガントリークレーンのレールセクション間のジョイントの一側からの上部視の斜視図である。
図4】は、図2Aの線IV-IVに沿った断面図である。
図5】は、図2Aの線V-Vに沿った断面図である。
図6図6Aおよび図6Bは、本発明に従ったレールの代替実施形態のレールセクションの外端部の爆発図および組立図である。
図7】は、本発明に従ったレールの代替実施形態のレールセクションの外端部の領域の平面図である。
図8】は、本発明に従ったレールの代替実施形態のレール端部材の近位端の一側からの下部視の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1を参照すると、典型的なガントリークレーン10が示されており、大型シャーシ11を含んでおり、車輪が第1軸に沿って地面(例えば、ドックサイドD)に固定されたレール上を走行する。ガントリークレーン10は、第1軸に垂直な第2軸に沿って延びる高架ブーム12を含んでいる。ガントリークレーン10で取り扱うコンテナ(例えば、C)は、ブーム12の長手方向軸に沿って移動するトロリー14から垂直に吊り下げられたケーブルによって支持されている。
【0034】
トロリー14には、鋼製レール13の上面上を走行する車輪が装備されている。レール13は、その下面がブーム12の支持面に固定されており、例えば我々の係属中の特許出願GB2591259に開示されているクリップを使用して固定される。ガントリークレーン10のブーム12は、P点で回転するようになっており、ブーム12の外端を持ち上げることで、船舶がドックサイドDに妨げられることなく出入りできるようになっている。以下に説明するように、ブーム12のガントリークレーン10を所望に応じて上げ下げできるようにするために、P点でレール13にジョイントが設けられている。
【0035】
図2から図5を参照すると、各レール13は、ジョイント17によってブーム12の内端および外端に沿ってそれぞれ延びる第1および第2のレールセクション18, 19に分割されている。ジョイント17は、使用時に第2レールセクション19が第1レールセクション18に対して縦方向に整列された位置と持ち上げられた位置との間で回転できるようにしている。
【0036】
各レールセクション18, 19は、ジョイント17から延び、細長いレール部材32と端と端で取り付けられた短いレール端部材31を含んでいる。各レール端部材31には、所定の形状に機械加工または鋳造して形成された変更された断面形状の端部領域20が含まれている。伝統的なガントリークレーンのレール13は、ジョイントの反対側の細長いレールの端部セクションを切り取り、レール端部材31を所定の位置に取り付けることで改造できることが理解されるだろう。細長いレール部材32は、従来の形状であり、その下部レール表面16が設けられたベース部分26、上部レール表面15が設けられたヘッド部分27、およびベース部分29とヘッド部分27の間に延びるウェブ形状の支持部分28を含んでいる。細長いレール部材32の反対の縦方向側には、縦方向に延びるリセス30が含まれている。
【0037】
短いレール端部材31の隣接する端部領域20には、それぞれ凸部21および凹部22が含まれており、それぞれの縦方向反対側に配置されている。各部材31の凸部22は、ブーム12が下げられた(使用時の)位置にあるとき、ジョイント17で互いに縦方向に重なり合い、レールセクション18の凸部21が他のレールセクション19の凹部22に延び、その逆も同様である。
【0038】
各レール端部材31の端部領域20の上部レール表面15は、その一側縁25に沿って凹部22によって切り取られ、端部領域20から離れたレール13の全体にわたる上部レール表面15のプロファイルとは異なる変更されたプロファイルを持っている。レールセクション18, 19の各隣接する端部領域20での変更されたプロファイルは、凸部21に沿って縦方向に延びる第1細長いリッジ23を含んでいる。第1細長いリッジ23は、提供された凸部21の中央に頂点Aを持ち、その凸部21の反対側の縦方向側縁から離れた位置に配置されている。
【0039】
レールセクション18, 19の隣接する端部領域20は、それぞれの凸部21が延びる内端部26も含んでいる。レールセクション18, 19の各内端部26には、第1リッジ23に平行して凹部22に向かって延びる第2リッジ24も含まれている。ブーム12が下げられた(使用時の)位置にあるとき、各レールセクションの第2リッジ24(例:18)は、他のレールセクション(例:19)の第1リッジ23と端と端で接続するように延びている。
【0040】
各端部領域20の第1リッジ23は、その凸部21から内端部26に向かって第2リッジ24に沿っても延びており、トロリー14がジョイント17を通過する際、その前後にわたってリッジ23, 24によって荷重が支えられる。各リッジ23, 24の頂点Aは、端部領域20から離れた上部レール表面15のレベルL2よりも高いレベルL1に実質的に延びている。リッジセクション23, 24の高さが増すことで、より多くの摩耗に耐えられ、またジョイント17が強化される。リッジ23, 24の反対端は、レベルL1から上部レール表面15のレベルL2に向かって下方にテーパーし、レール13のレベルに急激な変化が生じないようにすることができる。
【0041】
レール30の縦方向側面のリセス30は、各レール端部材31の各端部領域20の手前で終わるため、リッジ23, 24は、図4に示されるように、ベース29まで延びる完全に固体の鋼の領域に重なっている。これにより、レール13の断面積が増加し、凸部21が強化される。各レール端部材31の近位端の断面形状は、細長いレール部材32と同じであり、W点で従来の方法で溶接できるようになっている。
【0042】
使用時には、ジョイント17を通過するトロリー14の荷重が、上部レール表面15がリベート22によって切り取られた内側縁から離れた位置にある突出端部21の中央に沿って延びる細長い領域にわたってリッジ23, 24にかかる。したがって、レール13のリベートエッジ25にかかる力が大幅に減少し、トロリー14による衝撃からレールセクション18, 19の一方または両方に生じる摩耗や損傷のリスクが低減される。
【0043】
図6Aおよび図6Bを参照すると、別の実施形態では、各レールセクション18, 19の端部領域20をレールと一体に形成する代わりに、キャッピング部材33を取り付けることにより各端部領域の形状を変更する。キャッピング部材33は、それぞれのレールセクションの端部領域20に形成された補完的な形成部34に、例えば所定の形状に機械加工または鋳造されたものにボルトで固定されることにより取り付けられる。
【0044】
各キャッピング部材33には、第2の短いリッジ240に平行に延びる細長い第1リッジ230がさらに含まれており、ブーム12が下げられた(使用時の)位置にあるとき、1つのキャッピング部材33の第2リッジ240は、他のキャッピング部材33の第1リッジ230と端と端で接続するように延びている。
【0045】
ノッチ35は、キャッピング部材33の内端に第1リッジ230と第2リッジ240の間に延び、レールセクション18, 19には、ノッチ25に延びてキャッピング部材33の近位端の位置を固定するフィンガー36が含まれている。キャッピング部材33の外端の下側には、一対のソケット37が形成されており、レールセクション18, 19には、それぞれのソケット37に延びてキャッピング部材33の外端の位置を固定する一対の立ち上がりタブ38が含まれている。
【0046】
キャッピング部材33の使用により、既存のジョイントは、既存のレールに形成34を機械加工するだけで修理できる。レール30の縦方向側面のリセス30はレール全体にわたって延びているため、その端部領域20は、レール13の重なり合った端部領域20の反対の縦方向側に沿って強化部材39をボルトで固定するか、その他の方法で固定することにより強化できる。強化部材39は、リッジ230, 240がベース29まで延びる完全な鋼の領域に重なることを保証し、これによりレール13の断面積が効果的に増加し、凸部21が強化される。キャッピング部材33が摩耗または損傷した場合、それらを簡単に交換できることが理解される。
【0047】
図7を参照すると、別の実施形態では、各キャッピング部材33の分岐した近位端には、分岐端部53が分離するのを防ぐために、形成部34の遠位端面51にキーされる端面50が設けられている。各キャッピング部材33の下側には、形成部34の底面に設けられた補完的な形成部(図示せず)と係合する縦方向に延びる形成部54が含まれており、キャッピング部材33の位置を維持するのに役立つ。
【0048】
通常、ジョイント17の反対側にあるレールセクションは、エラストマー材料の細長いレールパッド(図示せず)に取り付けられる。これまで、レールパッドはジョイントで形状に切り取るか、短く切り取る必要があり、これらの配置には欠点があった。この問題を解決するために、図8を参照すると、本発明の各レールセクション18, 19の短いレール端部材31の高さHは、それと接合される細長いレール部材32の高さと、下に敷かれたレールパッドの高さを合計した高さと実質的に等しい。この方法では、レールパッドがジョイントに延びず、短いレール端部材31の高さが増すことでレールパッドによって失われる高さを補償する。レール端部材31と細長いレール部材32との間の溶接部Wにかかる応力を避けるために、レール端部材31の近位端の下側にはリベート55が設けられており、細長いレール部材32の下に配置されたレールパッドが溶接部Wの下に延びることができ、レールパッドが溶接部Wの直下で終端することによって引き起こされる応力のリスクが軽減される。
【0049】
本発明は、ジョイント17に接するユニークなレールヘッドプロファイルを備えたレールを提供し、トロリーの車輪をジョイントに接近する際にレールヘッドの高さを徐々に超える表面上に誘導する。その後、ジョイント17に車輪を運び、次のレールセクション(例えば18)から次のレールセクション(例えば19)への移行が、両方の凸部21に支えられた移行領域上で行われる。移行領域は、各凸部の強化された断面の上に位置し、リッジの荷重支持面は、レールの側縁や各凸部21の端から離れた位置に配置されている。
【0050】
本発明に従ったレールは、構造が簡単で比較的低コストでありながら、ジョイントの高応力領域での摩耗率を低減し、ジョイント部分のレールの上に追加の摩耗材を追加することで、クレーンブームレールの運用寿命を延ばすことができる。本発明は、滑らかで起伏のあるレールヘッドプロファイルに車輪を誘導することで、トロリーの振動を低減する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】