IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンビオ フランスの特許一覧

特表2025-505387内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池
<>
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図1
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図2
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図3
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図4
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図5
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図6
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図7
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図8
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図9
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図10
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図11
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図12
  • 特表-内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-26
(54)【発明の名称】内蔵インピーダンス測定を伴う燃料電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04537 20160101AFI20250218BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20250218BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20250218BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20250218BHJP
【FI】
H01M8/04537
H01M8/04 Z
H01M8/2465
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543859
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2022087805
(87)【国際公開番号】W WO2023138885
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】2200558
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323001937
【氏名又は名称】シンビオ・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアンニー・ボニファス
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・オクレール
(72)【発明者】
【氏名】ビラル・ナイーム
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ビルマズ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126AA28
5H126BB06
5H126DD02
5H126JJ06
5H127AA06
5H127AC06
5H127AC07
5H127BA02
5H127BB02
5H127DB68
5H127EE27
(57)【要約】
燃料電池(10)は、積み重ね方向(L)においてバイポーラプレート(12)のスタック(11)を備え、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にセル(14)を形成する。燃料電池(10)は、スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)と、バイポーラプレート(12)に接続される複数の測定モジュール(20)とをさらに備える。各々の測定モジュール(20)が、バイポーラプレート(12)のスタック(11)の診断特性および前兆特性を決定することができるコンピュータを備える少なくとも1つの印刷回路(22)を備える。測定モジュール(20)は、燃料電池(10)が動作しているとき、燃料電池(10)のインピーダンスを測定するように少なくとも構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねの方向(L)に沿ってバイポーラプレート(12)のスタック(11)を備える燃料電池(10)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にセル(14)を形成し、当該燃料電池(10)は、前記スタック(11)の両側に配置される2つの端プレート(16)と、前記セル(14)の電気的特性を測定するための、バイポーラプレートの前記スタック(11)に接続される複数の測定モジュール(20)とをさらに備え、各々の測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)の電気的特性を決定するのに適する計算機を含む少なくとも1つの印刷回路(22)を備え、前記測定モジュール(20)は、当該燃料電池(10)が動作しているとき、当該燃料電池(10)のインピーダンスを測定するように少なくとも構成されている、燃料電池(10)。
【請求項2】
各々の前記測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)に嵌まるコネクタ(84)に挿入されることになるピン(90)を用いて、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続され、
各々の前記測定モジュール(20)は、複数の並べられたコネクタ(90)と、測定モジュール(20)によって網羅されるセル(14)の数の4線式パケット単位インピーダンス測定を実施するように構成される補助コネクタ(95)とを備えている、請求項1に記載の燃料電池(10)。
【請求項3】
並べられた前記コネクタ(90)は、2つの前記コネクタ(90)の間に配置される2つの連続したセル(14)のセットの前後の電圧を測定するために対で構成され、
各々の前記測定モジュール(20)の追加コネクタ(95)は、前記追加コネクタ(95)が受け入れられる前記バイポーラプレートの嵌め合いコネクタへと正弦波電流を注入するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池(10)。
【請求項4】
前記正弦波電流は、100Hzから5kHzまでの間、より具体的には、500Hzから2kHzまでの間に含まれる周波数を有する、請求項3に記載の燃料電池(10)。
【請求項5】
各々の前記測定モジュール(20)は、他のモジュール(20)とは無関係に周波数が設定される正弦波電流を注入するように構成されている、請求項3または4に記載の燃料電池(10)。
【請求項6】
各々の前記測定モジュール(20)は、前記正弦波電流によって前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に誘導される応答電圧の成分であって、注入された前記正弦波電流の周波数と同一の周波数を有する成分を絶縁するように、および、当該燃料電池(10)のインピーダンスを、絶縁された電圧成分の振幅と注入された前記正弦波電流の振幅との間の比として計算するように、構成されている、請求項3から5のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【請求項8】
前記測定モジュール(20)を使用して、動作中に当該燃料電池(10)のインピーダンスを測定するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料電池(10)を使用する方法。
【請求項9】
各々の前記測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)に形成された嵌め合いコネクタ(84)へと挿入されたコネクタ(90、95)を用いて、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続され、各々の前記測定モジュール(20)は、測定モジュール(20)によって網羅されたセル(14)の数のパケットでの4線式インピーダンス測定を実施するように構成される複数の並べられたコネクタ(90)および補助コネクタ(95)を備え、
並べられた前記コネクタ(90)は、2つの前記コネクタ(90)の間に配置される2つの連続したセル(14)の電圧を測定するために対で構成され、
各々の前記測定モジュール(20)の追加コネクタ(95)は、前記追加コネクタ(95)が受け入れられる前記嵌め合いコネクタ(84)へと正弦波電流を注入するように構成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記測定モジュール(20)によって、動作中に前記燃料電池(10)のインピーダンスを測定するステップは、20個のセル(14)について5mΩから20mΩまでの間に含まれるインピーダンスを測定することから成る、請求項8または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、様々な用途において、具体的には電気車両において、エネルギー源として使用されている。高分子電解質膜燃料電池(PEFC)では、水素が燃料電池のアノードに供給され、酸素が酸化剤としてカソードに供給される。高分子電解質膜燃料電池(PEFC)は、一方の側におけるアノード触媒と、反対側におけるカソード触媒とを有する非導電性でプロトン交換の固体高分子電解質膜を備える膜電極接合体(MEA)を備える。膜電極接合体(MEA)は、炭素繊維などから作られるガス拡散層を用いて、バイポーラプレートと呼ばれる導電性要素の対の間に挟まれる。バイポーラプレートは、概して剛性であり、熱伝導性である。バイポーラプレートは、アノードおよびカソードのための集電体として主に機能し、燃料電池からのガス反応物をアノード触媒およびカソード触媒のそれぞれの表面にわたって分配するために、および、電極において生成された水を除去するために、適切な開口を伴う通路を含む。
【0003】
燃料電池は、アノードに供給される水素である燃料と、カソードに供給される酸素または空気である酸化剤とによって電力供給される。
【0004】
例えば、米国特許第9997792号は、接続タブによってセルの各々に接続されるケーブルのリボンを用いてコンピュータに接続されるセルのスタックを備える燃料電池を開示しており、そのケーブルは、ケーブルを接続タブに押し付けるためにハーネスによって保持される。
【0005】
しかしながら、このような種類の構成で行われる測定は信頼性がなく、セルは大きな空間を占め、さらに、ケーブルは、セルの動作の間に発生させられる振動または膨張などの機械的応力によって損傷させられやすく、そのため耐用期間を短くしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9997792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、測定の信頼性を向上させ、燃料電池の全体寸法を小さくし、燃料電池の耐用時間を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、積み重ねの方向に沿ってバイポーラプレートのスタックを備える燃料電池であって、2つの連続したバイポーラプレートがそれらの間にセルを形成し、燃料電池は、スタックの両側に配置される2つの端プレートと、セルの電気的特性を測定するために、バイポーラプレートのスタックに接続される複数の測定モジュールとをさらに備え、各々の測定モジュールは、バイポーラプレートのスタックの電気的特性を決定するのに適する計算機を含む少なくとも1つの印刷回路を備え、測定モジュールは、燃料電池が動作しているとき、燃料電池のインピーダンスを測定するように少なくとも構成される、燃料電池に関する。
【0009】
燃料電池は、個別に、または、任意の技術的に可能な組み合わせに従って取られる、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。
- 各々の測定モジュールは、バイポーラプレートの嵌め合いコネクタに接続され得るコネクタを用いて、バイポーラプレートのスタックに接続され、一方で、各々の測定モジュールは、測定モジュールによって網羅されたセルの数のパケットでの4線式インピーダンス測定を実施するように構成される複数の並べられたコネクタおよび追加コネクタを備える。
- 並べられたコネクタは、2つのコネクタの間に配置される2つの連続したセルのセットの前後の電圧を測定するために対で構成され、一方、各々の測定モジュールの追加コネクタは、追加コネクタが受け入れられるバイポーラプレートの嵌め合いコネクタへと正弦波電流を注入するように構成される。
- 正弦波電流は、100Hzから5kHzまでの間、より具体的には、500Hzから2kHzまでの間に含まれる周波数を有する。
- 各々の測定モジュールは、他のモジュールとは無関係に周波数が設定される正弦波電流を注入するように構成される。
- 各々の測定モジュールは、正弦波電流によってバイポーラプレートのスタックに誘導される応答電圧の成分であって、注入された正弦波電流の周波数と同一の周波数を有する成分を絶縁するように、および、燃料電池のインピーダンスを、絶縁された電圧成分の振幅と注入された正弦波電流の振幅との間の比として計算するように、構成される。
【0010】
本発明のさらなる主題は、上記で定められているような燃料電池を少なくとも備える車両である。
【0011】
本発明のさらなる主題は、以上に記載されているような燃料電池を使用する方法であって、測定モジュールを使用して、動作中に電池のインピーダンスを測定するステップを含む方法である。
【0012】
有利には、
- 各々の測定モジュールは、バイポーラプレートに形成された嵌め合いコネクタへと挿入されたコネクタを用いて、バイポーラプレートのスタックに接続され、各々の測定モジュールは、測定モジュールによって網羅されたセルの数のパケットでの4線式インピーダンス測定を実施するように構成される複数の並べられたコネクタおよび追加コネクタを備え、一方、
・ 並べられたコネクタは、前記2つのコネクタの間に配置される2つの連続したセルの電圧を測定するために対で構成され、
・ 各々の測定モジュールの追加コネクタは、追加コネクタが受け入れられる嵌め合いコネクタへと正弦波電流を注入するように構成される。
- 測定モジュールによって、動作中に燃料電池のインピーダンスを測定するステップは、20個のセルについて5mΩから20mΩまでの間のインピーダンスを測定することから成る。
【0013】
本発明は、単に例として提供された、以下の説明を読むこと、図面を参照することで、より良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態による燃料電池の概略的な正面および側面斜視図である。
図2図1に示されている燃料電池の概略的な背面斜視図である。
図3図1に示されている燃料電池のバイポーラプレートのスタックの概略図である。
図4図1に示されている燃料電池の測定モジュールのための外殻の第1の横断側の概略図である。
図5図1に示されている燃料電池の測定モジュールのための外殻の第2の横断側の概略図である。
図6】モジュール外殻が除去されている、図1に示されている燃料電池の上面概略図である。
図7図6の変形による、モジュール外殻が除去されている、図1に示されている燃料電池の上面概略図である。
図8図1に示されている燃料電池のバイポーラプレートのスタックのモジュールとセルとの間の接続の概略的な斜視図である。
図9図1に示されている燃料電池の測定モジュールのピンの概略図である。
図10図1に示されている燃料電池の枢動支持部の第1の横断側の概略図である。
図11】いくつかの要素が非表示である、図1の燃料電池の斜視図である。
図12図1に示されている燃料電池の電気的接続を示す概略図である。
図13図1に示されている2つの測定モジュールと燃料電池の補助モジュールとの間の電気的接続の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2は、バイポーラプレート12のスタック11によって形成された燃料電池10を示している。
【0016】
各々のバイポーラプレート12は、ここでは、図3において見られる、アノードプレート12′とカソードプレート12″とを備える2つの重ね合わされたモノポーラプレート12′、12″によって形成されている。冷却回路が、有利には、封止された手法で互いに組み立てられる2つのモノポーラプレートの間に配置される。
【0017】
図示されている例では、同じバイポーラプレート12と関連する2つのモノポーラプレート12′、12″は金属から作られ、一体に溶接または接合される。
【0018】
変形(図示されていない)では、モノポーラプレートは、例えば、シリコーンシールなどの直接的に搭載される封止部を用いて、他の方法で組み立てられる。他の変形(図示されていない)によれば、バイポーラプレートは一体品であり、例えば黒鉛から作られる。
【0019】
より具体的には、燃料電池10は、バイポーラプレート12のスタック11の形態で作られた複数のセル14を備え、セル14は、2つの連続したバイポーラプレート12の間に形成される。それによって、スタック11は、直列に接続された複数の個別のセル14から成る。各々の個別のセル14について、燃料電池10は膜電極接合体15をさらに備え、膜電極接合体15は、セル14と関連する2つのバイポーラプレート12の間に介在させられる。膜電極接合体15は図13に概略的に示される。
【0020】
燃料電池10は、例えば、動力車両で、具体的には、電気モータを伴う車両で、使用されるように意図される。
【0021】
バイポーラプレート12は積み重ねの方向に沿って積み重ねられる。以下、説明の中で、積み重ねの方向は長手方向Lであるとして定められている。
【0022】
燃料電池10は、スタック11の両側に配置される2つの端プレート16も備える。バイポーラプレート12は2つの端プレート16の間に挟まれる。端プレート16は例えば、アルミニウムから作られる。
【0023】
外部流体回路(図示されていない)が、端プレート16において燃料電池10に接続されており、反応性ガスが、バイポーラプレート12にエッチング処理された通路を介して、バイポーラプレート12の表面における膜電極接合体15に分配される。
【0024】
セル14の電気的特性、例えば、セル14のうちの1つまたは複数の端子における電圧などを測定するために、測定モジュール20がバイポーラプレート12のスタック11に接続されている。
【0025】
各々のモジュール20は、燃料電池システム10の制御に適合するために、スタック11の状態を監視する働きをする。
【0026】
各々のモジュール20は、後で詳細に検討されている図6および図7において見られる、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定するのに適するコンピュータを含む少なくとも1つの印刷回路22を備え、より具体的には3つの印刷回路22を備える。
【0027】
例えば、特性には、バイポーラプレート12のスタック11の健全性の状態、バイポーラプレート12のスタックにおけるセル14の場所、燃料電池10のセル14の電圧、インピーダンス、および供給が含まれる。
【0028】
モジュール20は、印刷回路22を覆うように、および、印刷回路22を保護するように意図されている外殻26でそれぞれ覆われている。
【0029】
外殻26は複数の機能性を有し、これは以下で詳細に検討される。
【0030】
モジュール20の外殻26は、具体的にはフールプルーフである。したがって、モジュール20は、誤差の可能性なく一体に組み立てられるように構成される。例えば、図4に示されているように、各々の外殻26は、第1の横断側28において、図5において見られる、第1の側28と反対の外殻26の第2の横断側34に形成された雌留め具32と嵌まり合う雄留め具30が設けられている。それによって、外殻26同士は誤差の危険性なく一体に組み立てることができる。
【0031】
例えば、雄留め具30はスタッドであり、雌留め具32は、スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である。
【0032】
また、モジュール20は、誤差の可能性なくバイポーラプレート12に組み付けられるように構成される。
【0033】
外殻26はモジュール20の印刷回路22を保護する。
【0034】
好ましくは、すべてのモジュール20の外殻26は同一である。
【0035】
モジュール20は、具体的には機械的フレーム40を用いて、バイポーラプレート12のスタック11に一緒に組み付けられる。
【0036】
図1および図2に戻ると、機械的フレーム40は、留め付けレール42と、枢動シャフト44と、2つの枢動支持部46、48とを有利に備える。
【0037】
各々の枢動支持部46、48は、設置されるとき、端プレート16およびモジュール20と接触しているように配置される。
【0038】
枢動支持部46、48は、長手方向Lに対して垂直な横断方向Tに主に沿って延びる。
【0039】
各々の枢動支持部46、48は、横断方向Tに沿って定められるそれぞれの端プレート16の最大幅Wより小さい、横断方向Tに沿って定められる大きい寸法Dを有する。
【0040】
好ましくは、各々の枢動支持部46、48は、それぞれの端プレート16の最大幅Wの70%から80%の間に含まれる大きい寸法Dを有する。
【0041】
各々の枢動支持部46、48は、長手方向Lに沿って定められるそれぞれの端プレート16の厚さEに実質的に等しい、長手方向Lに沿って定められる小さい寸法dを有する。
【0042】
有利には、2つの端プレート16の各々に、枢動支持部46、48をそれぞれの端プレート16に留め付けるための手段52を受け入れるための少なくとも1つのオリフィスが設けられる。
【0043】
例えば、留め付け手段52はねじである。
【0044】
このような例によれば、少なくとも1つの受入オリフィス50はねじ山が切られる。
【0045】
各々の枢動支持部46、48は、それぞれの端プレート16への留め付けのための手段52が通過する少なくとも1つのオリフィス54を有する。留め付け手段52の通過のための少なくとも1つの貫通オリフィス54は、それぞれの端プレート16に設けられた少なくとも1つの受入オリフィス50の反対に配置されるように構成される。
【0046】
より具体的には、各々の枢動支持部46、48は、2つのねじ52を用いて、2つの端プレート16の一方に留め付けられる。各々のねじ52は、例えば、直径6mmで16mmの長さの6つの内部突出部を伴い、強度クラス8.8を有し、鋼鉄および亜鉛から作られるドーム形ねじである。
【0047】
留め付けレール42は、長手方向Lに沿って一方の枢動支持部46、48から他方へと延びる。
【0048】
有利には、留め付けレール42には、各々の枢動支持部46、48を留め付けレール42に留め付けるための手段56の通過のためのオリフィス55が設けられる。
【0049】
各々の枢動支持部46、48は、留め付けレール42に留め付けるための手段56の通過のための少なくとも1つの貫通孔54′を有する。
【0050】
例えば、留め付け手段56はねじである。
【0051】
より具体的には、各々の枢動支持部46、48は、ねじ56を用いて留め付けレール42に留め付けられる。ねじ56は、例えば、直径6mmで長さ16mmの6つの内部突出部を伴い、強度クラス8.8を有し、鋼鉄および亜鉛から作られるドーム形ねじである。
【0052】
有利には、留め付けレール42を留め付けるための手段56が通過する孔55は楕円形である。
【0053】
楕円形の孔55は、長手方向Lに沿って枢動支持部46、48に留め付けレール42の若干のクリアランスを生じさせ、それによって、燃料電池10の耐用期間の間に引き起こされる振動および膨張に対するモジュールの耐性を向上させる。
【0054】
有利には、図10において見られるように、各々の枢動支持部46、48は、各々のモジュール20の外殻26の横断側28、34にそれぞれ形成された雌留め具32または雄留め具30とそれぞれ嵌まり合う雄留め具または雌留め具59によってモジュール20と接触しているように意図されている横断側57に設けられている。それによって、外殻26同士は誤差の危険性なく枢動支持部46、48に組み付けることができる。
【0055】
例えば、雄留め具59はスタッドであり、雌留め具61は、スタッドを溝において枢動させる円弧形の溝である。
【0056】
枢動シャフト44は2つの長手方向端60、62の間で延びる。
【0057】
枢動シャフト44は留め付けレール42と平行に延びる。
【0058】
枢動シャフト44の各々の長手方向端60、62はそれぞれの枢動支持部46、48によって保持される。
【0059】
そのために、枢動支持部46、48は、例えば、枢動シャフト44を受け入れるための2つの並べられた円筒形の貫通孔64を有する。
【0060】
枢動シャフト44は、枢動シャフト44がそれぞれの枢動支持部46、48において係合させられるときに枢動シャフト44を受け入れるための2つの貫通孔64の間に位置付けられるように構成される溝を好ましくは有する。
【0061】
各々の枢動支持部46、48は、枢動シャフト44を受け入れるための2つの貫通孔64の間に置かれるタブ66も有利に有する。
【0062】
枢動シャフト44はタブ66において所定位置で係止される。スタック11が圧縮または膨張するとき、枢動支持部46は枢動シャフト44に沿って並進で移動する。
【0063】
枢動支持部46、48は、枢動シャフト44および留め付けレール42によって形成された全体のシステムを機械的に保持する。
【0064】
モジュール20の外殻26は、例えば、係止歯71を備える突起70を用いて、留め付けレール42に留め付けられる。
【0065】
突起70は、長手方向Lおよび横断方向Tに対して垂直な高さの方向Zに沿って有利に延びる。
【0066】
モジュール20の外殻26は、例えば、枢動シャフト44と嵌まり合う円筒形の溝72を用いて、枢動シャフト44に留め付けられる。溝72は、例えば線状の輪郭を有する。変形では、溝72は、例えば立体の輪郭を有する。
【0067】
モジュール20の外殻26が、枢動シャフト44に留め付けられるが、留め付けレール42に留め付けられないとき、外殻26は、枢動シャフト44によって形成される軸Aを中心に回転移動可能である。
【0068】
モジュール20の外殻26は、雄留め具30および雌留め具32を用いて、留め付けレール42および枢動シャフト44に一体に組み付けられるとき、それによって横断方向Tおよび高さ方向Zに沿った並進に対して係止され、回転する。
【0069】
若干のクリアランスが、振動および膨張による摩耗を制限するために、長手方向Lに沿って許容される。
【0070】
図6に示されている例によれば、各々のモジュール20は3つの印刷回路22を備える。印刷回路22は主に横断方向Tに沿って延び、2つの印刷回路22は主に高さの方向Zに沿って延びる。
【0071】
3つの印刷回路22はケーブルのリボン75によって互いに電気的に接続され、例えば、印刷回路22同士の間の2つのリボン75が主に横断方向Tに沿って延び、2つの印刷回路22のうちの一方が主に高さの方向Zに沿って延び、2つの印刷回路22の間のリボン75が主に高さの方向Zに沿って延びる。
【0072】
モジュール20同士を互いに電気的に接続するために、および、セル14の電気的特性の測定の連続性を確保するために、各々のモジュール20は、モジュール20同士を互いに接続するためのストリップ76に接続される。
【0073】
図6に示されている例によれば、ストリップ76は、モジュール20の正中横断面Pの両側に配置される2つの半体ストリップの形態である。ストリップ76は主に横断方向Tに沿って延びる。
【0074】
好ましくは、ストリップ76は、外殻26を留め付けレール42に留め付けるための突起70の近傍に配置される。
【0075】
ストリップ76は、ストリップ76をモジュール20の少なくとも1つの印刷回路22に接続するための複数のピン78を備える。
【0076】
ピン78は高さの方向Zに沿って配向される。
【0077】
ピン78は、ストリップ76とモジュール20とを機械的および電気的に接続する働きをする。
【0078】
ストリップ76は、横断方向Tに沿ってストリップ76の両側に配置される板バネ80をさらに備える。
【0079】
ストリップ76は、例えば板バネ80の7つの対を有する。
【0080】
板バネ80はドーム形とされる。
【0081】
ストリップ76は、ストリップ76のピン78がストリップ76と印刷回路22との間に位置付けられるように、モジュール20に組み付けられる。
【0082】
このように、ストリップ76がモジュール20に組み付けられるとき、板バネ80は、モジュール20の外殻26の各々の横断側28、34から突出する。
【0083】
2つの隣接するモジュール20の外殻26の板バネ80は、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る圧縮および膨張を相殺し、したがって、2つの外殻26のストリップ76の間の機械的および電気的な接触を常に確保し、結果として、2つの隣接するモジュール20の間の機械的および電気的な接触を常に確保する。
【0084】
板バネ80は、2つの隣接するモジュール20の間の接触器の好ましい実施形態の例である。
【0085】
ストリップ76は、セルの電気的特性の測定において連続性を確保し、モジュール20同士の間でのケーブルの使用なしで、供給線と、通信バス、具体的にはCANバスによってすべてのモジュール20を繋げるための接続線を作り出す。それによって、各々のモジュール20には、それ自体の動作のためにエネルギーが供給され、具体的には、印刷回路22の動作、電気的特性の測定を行うこと、測定の結果を送信することなどのためにエネルギーが供給される。有利には、燃料電池10のモジュール20のうちの1つが失陥したとき、このことが電池10の他のモジュール20が機能することを妨げない。
【0086】
変形では、図7において見られるように、3つの印刷回路22は、例えば、主に横断方向Tに沿って延びる印刷回路22と主に高さの方向Zに沿って延びる2つの印刷回路22のうちの一方との間の複数の接点75′、および、主に横断方向Tに沿って延びる印刷回路22と主に高さの方向Zに沿って延びる2つの印刷回路22のうちの他方との間の複数の接点75′など、接点75′によって互いに電気的に接続される。このような変形によれば、ストリップ76は、図6の変形におけるのと同じ形状を有する。
【0087】
有利には、セル14は20個のセル14のパケットで配置される。
【0088】
20個のセル14は21個のバイポーラプレート12を必要とする。
【0089】
そのために、21個のバイポーラプレート12が積み重ねられ、2つの連続したバイポーラプレート12がそれらの間にセル14を画定する。
【0090】
2つの連続したモノポーラプレート12′、12″は、背中合わせで配置され、それらの間で、高さの方向Zに沿ってバイポーラプレート12の1つの端85において少なくとも1つのポケット84を形成する。
【0091】
各々のポケット84は、セル14の電気的特性を測定するためのモジュール20のピン90を受け入れるように構成される。
【0092】
各々のピン90は、ポケット84に接続されるように構成されるコネクタの非限定的な例であり、各々のポケットは、ピン90に嵌まるコネクタの非限定的な例である。
【0093】
図示されている例では、各々のピン90は雄コネクタを形成し、一方、各々のポケット84は、ピン90に嵌まる雌コネクタを形成する。当然ながら、雄/雌コネクタの間の他の構成が可能である。変形(図示されていない)では、雄コネクタと雌コネクタとは逆にされ、例えば、ピンがバイポーラプレート12の1つの縁に形成され、一方、ポケットがモジュール20に形成され、図に示されている配置のミラー構成を形成する。当然ながら、コネクタと嵌め合いコネクタとの間の他の構成が可能である。
【0094】
好ましくは、2つの連続したバイポーラプレート12は、図3において見られるように、1つおきのバイポーラプレート12の少なくとも1つのポケット84だけがモジュール20の近傍において同じ高さとなるように、ヘッドトゥーテールで積み重ねられる。
【0095】
図示されている例によれば、各々のバイポーラプレート12は、ピン90をそれぞれ受け入れるための正確に2つのポケット84を形成する。
【0096】
第2のポケット84は、20個のセル14のグループごとに4つのワイヤを測定することを可能にする。同じことがインピーダンスを測定するために使用される。
【0097】
より具体的には、各々のポケット84は前記ピン90と協働するように成形される。
【0098】
各々のポケット84について、2つの連続したバイポーラプレート12は、互いに接触するときにポケット84の周囲壁92を画定する。
【0099】
好ましくは、各々のポケット84は、周囲壁92が円錐形を有する開口端94を有する。
【0100】
このような形状は、モジュール20のピン90を前記ポケット84の内部に案内するという利点を有する。
【0101】
有利には、各々のポケット84の周囲壁92は、ピン90のための小さい区域の通過を形成するように、スタンピング93を有する。
【0102】
スタンピング93は、ポケット84を強固にする役割を果たし、ピン90とポケット84との間においてポケット84の内側に電気接触を確保することを可能にする。
【0103】
スタンピング93も、ピン90がポケット84へと挿入されるときにピン90をある深さで係止するという機能も有し、前記ポケット84を穿孔することを回避することを可能にする。
【0104】
各々のモジュール20は、有利には、前記バイポーラプレート12の10個のポケット84を前記モジュール20に接続するように構成される10個の並べられたピン90と、図8または図11において見られるように、10個のバイポーラプレート12のうちの1つの第2のポケット84に接続するように構成される追加のピン95とを含む。追加のピン95と、追加のピン95と同じバイポーラプレート12に接続されるように構成される並べられたピン90の同様のものとは、「ツイン」と呼ばれる。
【0105】
有利には、各々の追加のピン95は、並べられたピン90と同様で好ましくは同一の構造を有する。追加のピン95の構造と、追加のピン95と関連する第2のポケット84の構造とは、限定ではない。追加のピン95と第2のポケット84とは共に追加コネクタ/嵌め合いコネクタの対を形成する。
【0106】
10個の並べられたピン90は、2つの連続したピン90の間で、2つの連続したセル14の電圧を測定するために役立つ。別の言い方をすれば、並べられたピン90は、前記2つのピン90の間に配置される2つの連続したセル14のセットの端子における電圧を測定するために対で構成される。
【0107】
追加のピン95は、ピン90の並びと実質的に平行に、好ましくはモジュール20の長手方向の端において配置される。各々のモジュールについて、追加のピン95は、電流が受け入れられるポケット84へと電流を注入するように構成され、それによって、20個のセル14におけるインピーダンスを測定することを可能にする。したがって、各々のモジュール20は、20個のセル14ごとに1つのインピーダンスを測定することになる。注入された電流は、例えば印刷回路22によって制御される。
【0108】
モジュールの各々のピン90、95は、図9に見られるように、モジュール20とバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触を促進させるように有利に設計される。
【0109】
そのために、モジュール20の各々のピン90、95は、ピン90、95が対応するポケット84へと挿入されると、ピン90、95がポケット84の周囲壁92に2つの相反する力を発揮するような形状を有する。
【0110】
モジュール20のピン90、95は好ましくは同一である。
【0111】
これはモジュールの設計を容易にする。
【0112】
各々のピン90、95は、第1の方向、より具体的には、高さの方向Zに主に沿って延び、一部分96にわたって、前記第1の方向に沿う切り込み部97を有し、切り込み部97は、前記一部分96を、切り込み部97の両側における2つの副部分98へと分離する。
【0113】
各々の副部分98は、第2の方向、より具体的には、長手方向Lに沿って、隆起100を有し、第2の方向は第1の方向に対して実質的に垂直である。2つの副部分98の隆起100は反対方向において延びる。
【0114】
それによって、ピン90、95は副部分98においてドーム形とされており、副部分98の剛性と若干の弾性とを両立させている。ポケット84におけるピン90の接続は、ピンを押し込むことを必要とする。これは、ピン90とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0115】
電気接触は、具体的には、ポケット84およびピン90の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0116】
変形によれば、各々のモジュール20のピン90、95は、異なる形状を有し、より具体的には、各々のモジュール20をセル14に接続するために技術的に実現可能な任意の形を有する。
【0117】
モジュール20がセル14に接続されるとき、モジュール20に接続されないセル14のスタック11の長手方向端104においてバイポーラプレート12によって形成される少なくとも1つのポケット84が残存する。このバイポーラプレート12は最後のバイポーラプレート12と呼ばれる。
【0118】
そのために、図10に戻ると、枢動支持部46のうちの1つは、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108を留め付けるための場所106を有する。
【0119】
追加の構成要素108は、最後のバイポーラプレート12と以上で呼ばれるバイポーラプレート12によって形成されたポケット84に受け入れられるように意図される少なくとも1つのピン110を有する。ピン90または95について、ピン110は、ここではポケット84である嵌め合いコネクタに接続されるように構成されるコネクタの例である。
【0120】
より具体的には、追加の構成要素108は2つのピン110を有する。
【0121】
モジュール20と同じ方法で、追加の構成要素108の各々のピン110は、ピン110がポケット84へと挿入されると、ピン110がポケット84の周囲壁に2つの相対する力を発揮するような形状を有する。
【0122】
追加の構成要素108の2つのピン110は好ましくは同一である。
【0123】
各々のピン110は、第1の方向、より具体的には、高さの方向Zに主に沿って延び、一部分112にわたって、前記第1の方向に沿う切り込み部114を有し、切り込み部114は、前記一部分を、切り込み部114の両側における2つの副部分116へと分離する。
【0124】
各々の副部分116は、第2の方向に沿って隆起118を有し、第2の方向は第1の方向に対して垂直である。
【0125】
2つの副部分116の隆起118は反対方向において延びる。
【0126】
それによって、ピン110は副部分116においてドーム形とされており、副部分116の剛性と若干の弾性とを両立させている。ポケット84におけるピン110の接続は、ピンを押し込むことを必要とする。これは、ピン110とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0127】
さらに、追加の構成要素108は、隣接モジュール20との接続のために、少なくとも1つの金属接点120を有し、より具体的には2つの金属接点120を有する。
【0128】
さらに、追加の構成要素108を支持する枢動支持部46は、隣接モジュール20との接続のために、少なくとも1つの金属接点121を有し、より具体的には5つの金属接点121を有する。
【0129】
より具体的には、金属接点120、121は、前記隣接モジュール20と関連するストリップ76の板バネ80と接触するように意図されている。
【0130】
結果として、最後のバイポーラプレート12の電位は隣接モジュール20の計算機へと送信される。それによって、燃料電池10のすべてのセル14は、その電気的特性の測定を可能とするために、モジュール20に接続される。
【0131】
有利には、追加の構成要素108を支持する枢動支持部46は、バイポーラプレート12のスタック11を、外部計算機123によって図12に概略的に示されているマザーボードに繋げるためのコネクタ122をさらに備える。コネクタ122はケーブルを必要としない。
【0132】
機械的フレーム40は、モジュール20、枢動シャフト44、留め付けレール42、および枢動支持部46、48によって形成されるシステム全体を保持し、モジュール20の膨張を許容する。
【0133】
各々のモジュール20の外殻26は、スタック11を外部損傷から保護する一方で、印刷回路22をスタック11の非常に近くに配置することを可能にする。
【0134】
モジュール20によって行われる測定の品質が向上させられることで、後でさらに詳細に検討されているように、具体的には4線式方法に従って、モジュールの多周波インピーダンス測定を行わせることができる。
【0135】
より一般的には、各々のモジュール20によって測定される電気的特性が、モジュール20に接続されたすべての他の要素について、通信バスおよび接触器80を通じて利用可能であることは、理解されるべきである。より具体的には、追加の構成要素108は、例えば、各々のセル14の端子において測定され、通信バスを介して送られる電圧の値など、測定された電気的特性へのアクセスを有する。例では、電圧が、2つの連続したピン90の間に配置される2つの連続したセル14の各々のセットの端子において測定される。同様に、コネクタ122に接続された外部計算機123も、各々の測定モジュール20によって行われ、伝送バスを介して送られた測定へのアクセスを有し、より具体的には、各々のセル14の電気的特性、または、例では、電圧測定が行われる端子における2つの連続したピン90の間に配置される2つの連続したセル14の各々のセットの電気的特性へのアクセスを有する。
【0136】
接触器80と金属接点120とは、隣接するモジュール20の間、または、追加の構成要素108と追加の構成要素108に隣接するモジュール20との間で、電気エネルギーを送るようにも構成され、それによって、その電気エネルギーは、モジュール20の動作のために利用可能とされ、具体的には、各々のモジュール20の印刷回路22の動作のために、バイポーラプレート12の電圧の取得のために、電圧測定、インピーダンス測定のために、電流を注入するなどのために利用可能とされる。
【0137】
図示されている例では、モジュール20は、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定する計算機を組み込んでいる。代替で、外部計算機123は、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定する。それによって、セル14に関する電気量の信頼できる測定を行うように、比較的単純で堅牢な構造でモジュール20を構築することが可能である。
【0138】
図示されている例では、20個のバイポーラプレート12のグループが、各々のモジュール20に対応しており、別の言い方をすれば、20個のセル14のグループに対応している。モジュール20の10個の並べられたピン90が、第1、第3など、最大で第19のバイポーラプレート12までのそれぞれに接続される。別の言い方をすれば、モジュール20と関連する第20のバイポーラプレート12は、モジュール20に接続されない。
【0139】
図11図13の例を参照すると、右および左の概念はここでは任意であることが分かっている上で、図の左に位置付けられたモジュール20はモジュール201と呼ばれ、図の右に位置付けられたモジュール20はモジュール202と呼ばれる。そのため、右手側モジュール202は、左手側モジュール201と嵌め合いモジュール108との間に位置が定められる。
【0140】
左手側モジュール201は、接触器80を介して、および、右手側モジュール202の並べられたピン90のうちの1つを介して、右手側モジュール202と関連する第1のバイポーラプレート12に接続される。別の言い方をすれば、左手側モジュール201は、接触器80を介して、および右手側モジュール202を介して、第11のバイポーラプレート12に接続され、第11のバイポーラプレート12は、10個の連続したセル14を画定する左手側モジュール201に接続される。
【0141】
同様に、右手側モジュール202は、接触器80および120を介して、および、追加のモジュール108および追加のモジュール108の2つのコネクタ110のうちの第1のものを介して、第11のバイポーラプレート12に接続される。したがって、嵌め合いモジュール108が接続される第11のバイポーラプレート12は、スタック11の最後のプレート12である。
【0142】
より一般的には、それによって、各々の測定モジュール20は、隣接するモジュール20を介して、または、隣接する嵌め合いモジュール108を介して、第11のバイポーラプレート12に接続される。第11のバイポーラプレート12は、それらの間に、2つの連続したセル14の10個のセットを画定する。それによって、各々のモジュール20は、モジュール20と関連する並べられたピン90を介して、および、隣接するモジュール20を介して、または、隣接する嵌め合いモジュール108を介して、2つの連続したセル14の10個のセットと関連付けられる。それによって、各々のモジュール20は、測定モジュール20と関連する2つの連続したセル14の各々のセット、つまり、ここでは2つの連続したセル14の10個のセットの端子において、電圧を測定するように構成される。
【0143】
同様に、左手側モジュール201は、左手側モジュール201と関連する追加のピン95を用いて、第1のバイポーラプレート12に接続される。他方で、同じ左手側モジュール201は、接触器80を介して、および、右手側モジュール202の追加のピン90を介して、右手側モジュール202と関連する第1のバイポーラプレート12にも接続される。別の言い方をすれば、左手側モジュール201は、第11のバイポーラプレート12に接続される。
【0144】
結果として、左手側モジュール201は、一方で、第1のピン90と第1の追加のピン95との両方によって第1のバイポーラプレート12に接続され、他方で、右手側モジュール202に属する第2のピン90および第2の追加のピン95を介して、第11のバイポーラプレート12に接続される。
【0145】
以上に言及されているように、各々のモジュール20について、モジュールの追加のピン95は電流を注入するように構成される。それによって、左手側モジュール201は、第1のワイヤを形成する第1の追加のピン95を介して電流を注入するように、および、第2のワイヤを形成する第2の追加のピン95を介して電流を「回収」するように構成される。同時に、左手側モジュール201は、第1のピン90および第2のピン90を介して、第1のバイポーラプレート12と第11のバイポーラプレート12との間の電圧を測定するようにも構成される。
【0146】
4線式の技術またはシステム(4線式の測定またはケルビン測定とも呼ばれる)は、配線および接続の抵抗による外乱を無効にする間に電気インピーダンスを測定する働きをする。4線式技術では、既知の電流が注入され、当該の要素、ここでは20個のセル14のグループを通る4つの配線のうちの2つにおいて流れる。注入された電流は、当該の構成要素の端子において応答電圧を発生させ、その応答電圧は、例えば、電圧計で、モジュール20の計算機によって、および/または、外部計算機123によって、測定される。したがって、既知の注入された電流と、測定された電圧との間の比によって、検討されている要素のインピーダンスを正確に計算することができる。
【0147】
同様に、右手側モジュール202も、一方では、右手側モジュール202に属する追加のピン95を介して第1のバイポーラプレート12に接続され、他方では、切替部80を介して、および、補助モジュール108のピン110のうちの1つを介して、第11のバイポーラプレート12に接続される。
【0148】
より一般的には、各々の測定モジュール20は、複数の並べられたコネクタ90と、補助コネクタ95とを備える。各々のモジュール20は、隣接する測定モジュール20を介して、または、隣接する補助モジュール108を介して、追加コネクタ90および追加の補助コネクタ95に接続もされる。補助コネクタ95は第1のワイヤを形成し、追加の補助コネクタ95は第2のワイヤを形成し、補助コネクタ95の2つの並べられたコネクタ90は第3のワイヤを形成し、追加の補助コネクタ95の2つの並べられたコネクタ90は第4のワイヤを形成する。第1のワイヤから第4のワイヤまでの名前付けは限定ではない。4本のワイヤを用いることで、各々の測定モジュール20は、測定モジュール20によって網羅されるセル14のセットの端子において4線式インピーダンス測定を実施するように構成される。
【0149】
ここで、本発明による、測定モジュール20を燃料電池10に設置する方法が、説明される。
【0150】
第1のモジュール20が、枢動支持部46のうちの1つの近傍において機械的フレーム40に組み付けられる。
【0151】
より具体的には、第1のモジュール20の外殻26は、例えば、枢動シャフト44に嵌まる外殻26の円筒形の溝72を用いて、枢動シャフト44に留め付けられる。
【0152】
第1のモジュール20の外殻26は、枢動シャフト44によって形成される軸Aを中心に回転移動可能である。
【0153】
第1のモジュールの外殻26は、留め付けレール42を突起70に割り込ませることで、突起70を用いて留め付けレール42に有利に留め付けられる。
【0154】
第1のモジュール20は枢動支持部46のうちの1つに組み付けられる。
【0155】
より具体的には、枢動支持部46の雄留め具59は、第1のモジュール20の雌留め具32に接続される、または、第1のモジュール20の雄留め具30は、各々のモジュール20および枢動支持部46における雄部材および雌部材の配置に従って、枢動支持部46の雌留め具に接続される。
【0156】
図示されている例によれば、雄留め具30はスタッドであり、雌留め具32は円弧形の溝であり、スタッド30は溝32において枢動する。
【0157】
枢動支持部46に向けて配向された横断側28に位置が定められたストリップ76の板バネ80のうちの少なくとも1つが、有利には、最後のバイポーラプレート12および枢動支持部46の少なくとも1つの金属接点121との接触のために、追加の構成要素108の少なくとも1つの金属接点120と接触する。
【0158】
少なくとも1つの金属接点120、121との第1のモジュール20の外殻26の接触は、ストリップ76の板バネ80の圧縮を発生させる。
【0159】
さらに、第1のモジュール20の各々のピン90は、燃料電池10のスタック11の2つの連続したモノポーラプレート12′、12″によって形成されるポケット84に受け入れられる。
【0160】
より具体的には、第1のモジュール20の10個の並べられたピン90が、10個のバイポーラプレート12の10個のポケット84に受け入れられ、追加のピン95は、バイポーラプレート12のうちの1つの第2のポケット84に受け入れられる。
【0161】
第1のモジュール20の10個の並べられたピン90は、2つの連続したピン90の間で、2つの連続したセル14の電圧を測定する働きをする。
【0162】
枢動支持部46および機械的フレーム40への第1のモジュール20の事前の留め付けは、第1のモジュール20のピン90が対応するポケット84に受け入れられることを確保する。
【0163】
このために、第1のモジュール20の各々のピン90は、好ましくはそれぞれのポケット84へと押し込まれる。
【0164】
各々のポケット84の形状は、第1のモジュール20の各々のピン90を前記ポケット84の内部に有利に案内する。
【0165】
第1のモジュール20の各々のピン90の形状は、第1のモジュール20と各々のバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触に有利である。
【0166】
このような配置は、ピン90とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0167】
電気接触は、具体的には、ポケット84およびピン90の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0168】
第1のモジュール20がそれぞれのセル14に接続されるとき、第1のモジュール20に隣接する枢動支持部46に最も近い2つのモノポーラプレート12′、12″によって形成される少なくとも1つのポケット84は、第1のモジュール20のピン90を受け入れない。
【0169】
このために、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の少なくとも1つのピン110が、前記ポケット84に受け入れられる。
【0170】
それによって、第1のモジュール20の隣の枢動支持部46に最も近い2つの連続したセル14の電圧を測定することが可能である。
【0171】
より具体的には、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の2つのピン110が、第1のモジュール20に隣接する枢動支持部46に最も近いバイポーラプレート12によって形成される2つのポケット84に受け入れられる。
【0172】
第1のモジュール20と同じ方法では、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の各々のピン110が、好ましくはそれぞれのポケット84へと押し込まれる。
【0173】
各々のポケット84の形状は、最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の各々のピン110を前記ポケット84の内部に有利に案内する。
【0174】
最後のバイポーラプレート12との接触のための追加の構成要素108の各々のピン110の形状は、追加の構成要素108とバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触を促進させる。
【0175】
このような配置は、ピン110とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、2つのモノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0176】
電気接触は、具体的には、ポケット108およびピン110の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0177】
測定モジュール20を設置する方法は、第2のモジュール20を、第1のモジュール20と、燃料電池10のバイポーラプレート12によって形成されるポケット84とに組み付けることを含む。
【0178】
より具体的には、第2のモジュール20は、第1のモジュール20と同じ方法で、枢動シャフト44と、機械的フレーム40の留め付けレール42とに留め付けられる。
【0179】
また、第1のモジュール20の雄留め具30は、第2のモジュール20の雌留め具32に接続される、または、第2のモジュール20の雄留め具30は、各々のモジュール20における雄部材および雌部材の配置に従って、第1のモジュール20の雌留め具32に接続される。
【0180】
図示されている例によれば、雄留め具30はスタッドであり、雌留め具32は円弧形の溝であり、スタッド30は溝32において枢動する。
【0181】
モジュール20の外殻26は、雄留め具30および雌留め具32を用いて、留め付けレール42および枢動シャフト44に一体に組み付けられるとき、それによって横断方向Tおよび高さ方向Zに沿った並進に対して係止され、回転する。
【0182】
モジュール20の外殻26の一体の組み立ては、方法の自動化だけでなく、バイポーラプレート12のスタックにおけるモジュール20の挿入のための時間の節約も可能にする。
【0183】
第1のモジュール20と第2のモジュール20とは互いに電気的に接続される。
【0184】
より具体的には、第2のモジュール20のストリップ76は、第1のモジュール20のストリップ76に組み付けられる。
【0185】
このために、第1のモジュール20に向けて配向された横断側34に位置付けられた第2のモジュール20のストリップ76の板バネ80のうちの少なくとも1つは、第1のモジュール20のモジュール20の板バネ80のうちの少なくとも1つと有利に接触する。
【0186】
第2のモジュール20の外殻26との第1のモジュール20の外殻26の接触は、ストリップ76の各々の板バネ80の圧縮を発生させる。
【0187】
さらに、第2のモジュール20の各々のピン90は、燃料電池10の2つのモノポーラプレート12′、12″によって形成されるポケットに受け入れられる。
【0188】
より具体的には、第2のモジュール20の10個の並べられたピン90が、10個のバイポーラプレート12の10個のポケット84に受け入れられ、追加のピン95は、バイポーラプレート12のうちの1つの第2のポケット84に受け入れられる。
【0189】
それによって、第1のモジュール20と第2のモジュール20との間に画定される2つの連続したセル14の電圧を測定することが可能である。より正確には、並べられたピン90の各々のピン90は、ピン90が接続されるバイポーラプレート12の電位を取得することを可能にする。2つの所与のバイポーラプレート12について、2つのバイポーラプレート12の間の電圧が、バイポーラプレート12の各々と関連する電位の間の差を取ることで計算される。2つのセル14の電圧は、2つのセル14の電気的特性の例である。
【0190】
図示されている例では、2つのうちの一方のバイポーラプレート12だけが、並べられたピン90のそれぞれのピン90を介して、モジュール20のうちの1つに接続される。別の言い方をすれば、2つの連続した並べられたピン90は、前記2つのピン90の間に配置される2つの連続したセル14のセットの前後の電圧を測定するように構成される。
【0191】
変形(図示されていない)では、各々のバイポーラプレート12は、並べられたピン90を介して、測定モジュール20に接続される。それによって、各々のバイポーラプレート12の電位を取得することと、その電位から、スタック11のバイポーラプレートのうちの任意の2つの間の電圧を推定することとが可能である。他の変形によれば、3つのうちの1つだけのバイポーラプレート12が、並べられたピン90に接続される、または、さらには4つのうちの1つが接続されるなどである。しかしながら、図示されている構成は、同じものがセル14の動作の十分に細かい監視を可能とするため、好ましいとされる。
【0192】
第1のモジュール20および機械的フレーム40への第2のモジュール20の事前の留め付けは、第2のモジュール20のピン90が対応するポケット84に受け入れられることを確保する。
【0193】
このために、第2のモジュール20の各々のピン90は、好ましくはそれぞれのポケット84へと押し込まれる。
【0194】
各々のポケット84の形状は、第2のモジュール20の各々のピン90を前記ポケット84の内部に有利に案内する。
【0195】
第2のモジュール20の各々のピン90の形状は、第2のモジュール20と各々のバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたっての有効な耐久性のある電気接触に有利である。
【0196】
このような配置は、ピン90とそれぞれのポケット84との間の頑丈で耐久性のある電気接触を保証し、結果として、モノポーラプレート12′、12″がポケット84を形成することになる。
【0197】
電気接触は、具体的には、ポケット84およびピン90の特定の形状によって誘発されるバネ効果のため、燃料電池10の耐用期間の間に起こり得る膨張または振動とは無関係に確保される。
【0198】
それによって、モジュール20に含まれる計算機は、ケーブルを必要とすることなく、セル14に直接的に接続される。
【0199】
図示されている例は2つのモジュール20を備えるが、燃料電池10は2つのモジュールに限定されず、例えば、200個のセル14を接続するための10個のモジュール20など、より多くのモジュールを備えてもよい。
【0200】
同様に、図示されている例では、各々のモジュール20は、10個のバイポーラプレート12の10個のポケット84を前記モジュール20に接続するように構成される10個の並べられたピン90を備える。各々のモジュール20に設けられているピン90の数は限定ではなく、本発明の原理、具体的には、モジュール20に接続されるバイポーラプレート12の電位の取得、および、測定モジュール20に移すことができる4つのワイヤのインピーダンスの測定は、10個より多いかまたは少ないピン90を備える。
【0201】
以下のモジュールを設置するためには、適切な場合、第2のモジュール20を設置するための、上記で詳細に検討された方法が、必要な回数で繰り返される。
【0202】
本発明による方法を用いることで、組み立てが簡潔であり、モジュール20をセル14に接続するために、および、モジュール20を互いに接続するために、ケーブルが使用されることはない。搭載は、モジュール20をマザーボードに接続するためにケーブルを使用することも有利に可能にしない。
【0203】
それによって、測定の品質が向上させられ、その後のより詳細な分析を可能にする。
【0204】
モジュール20は、設置されると、モジュール20が備える計算機を用いて、バイポーラプレート12のスタック11の診断特性および前兆特性を決定するのに適している。
【0205】
例えば、特性には、バイポーラプレート12のスタック11の健全性の状態、バイポーラプレート12のスタックにおけるセル14の場所、燃料電池10のセル14の電圧、インピーダンス、および供給が含まれる。
【0206】
各々のモジュール20の10個の並べられたピン90だけでなく、適切な場合、モジュール20のピン90と並べられる追加の接触構成要素108のピン110も、2つの連続したピン90、110の間の2つの連続したセル14の電圧を測定する働きをする。
【0207】
各々のモジュール20の追加のピン95だけでなく、適切な場合、追加の接触構成要素108は、それらが受け入れられるポケット84へと正弦波電流を注入するように構成され、それによって、燃料電池10が動作しているとき、各々のモジュール20が網羅するセル14の数において、より具体的には、図示されている例では20個のセル14において、インピーダンス測定を行うことを可能にする。
【0208】
動作中、燃料電池10は、スタックの技術に依存して、最大で500A(アンプ)の出力電流を有する。
【0209】
注入された正弦波電流は、100Hz(ヘルツ)から5kHz(キロヘルツ)までの間に含まれる周波数を有する。より具体的には、注入された正弦波電流は、500Hzから2kHzまでの間の周波数を有する。
【0210】
スタック11へと注入される正弦波電流は、数mV(ミリボルト)の程度での電圧応答を含む。電圧は、増幅器段が搭載されたアナログ/デジタル変換器によって測定され得る。
【0211】
測定された電圧信号の中で、測定モジュール20は、注入された正弦波電流と同じ周波数を有する電圧成分を分離する。次に、電圧成分の振幅と注入された正弦波電流の振幅との間の比として、インピーダンスが測定モジュール20において計算される。
【0212】
インピーダンス値は、典型的には毎秒計算される。
【0213】
各々のモジュール20は他のモジュール20とは無関係に電流を注入し、それによって、注入された電流の周波数は、あるモジュール20と他のモジュール20とでは異なる可能性がある。それによって、複数の測定モジュール20において、4線式のインピーダンス測定を同時に行うことが可能である。
【0214】
測定されたインピーダンスは、20個のセル14について5mΩ(ミリオーム)から20mΩまでの間であり、好ましくは、20個のセル14について約10mΩである。
【0215】
このような値は有利には小さく、このような構成は、バイポーラプレートのスタック11全体における単一のインピーダンス測定を実施する代わりに、モジュール式の多周波インピーダンス測定を行う働きをする。したがって、信頼性が向上させられる。
【0216】
本発明による方法を用いることで、組み立てが簡潔であり、モジュール20をセル14に接続するために、および、モジュール20を互いに接続するために、ケーブルが使用されることはない。搭載は、モジュール20をマザーボードに接続するためにケーブルを使用することも有利に可能にしない。
【0217】
それによって、測定の品質が向上させられ、その後のより詳細な分析を可能にする。
【0218】
前述の実施形態および変形は、本発明の追加の実施形態を作り出すように、互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0219】
10 燃料電池
11 スタック
12 バイポーラプレート
12′ アノードプレート、モノポーラプレート
12″ カソードプレート、モノポーラプレート
14 セル
16 端プレート
20 測定モジュール
22 印刷回路
26 外殻
28 第1の横断側
30 雄留め具、スタッド
32 雌留め具、溝
34 第2の横断側
40 機械的フレーム
42 留め付けレール
44 枢動シャフト
46、48 枢動支持部
50 受入オリフィス
52 留め付け手段、ねじ
54、54′ 貫通オリフィス、貫通孔
55 オリフィス、孔
56 留め付け手段、ねじ
57 横断側
59 雄留め具
61 雌留め具
60、62 長手方向端
64 貫通孔
66 タブ
70 突起
71 係止歯
72 円筒形の溝
75 リボン
75′ 接点
76 ストリップ
78 ピン
80 板バネ、接触器、切替部
84 ポケット
85 端
90 ピン、コネクタ
92 周囲壁
93 スタンピング
94 開口端
95 追加のピン、補助コネクタ
96 一部分
97 切り込み部
98 副部分
100 隆起
104 長手方向端
106 留め付け場所
108 追加の構成要素、補助モジュール、嵌め合いモジュール
110 ピン
112 一部分
114 切り込み部
116 副部分
118 隆起
120、121 金属接点
122 コネクタ
123 外部計算機
201 左手側モジュール
202 右手側モジュール
A 軸
D 枢動支持部46、48の大きい寸法
d 枢動支持部46、48の小さい寸法
E 端プレート16の厚さ
L 長手方向
P 正中横断面
T 横断方向
W 端プレート16の最大幅
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねの方向(L)に沿ってバイポーラプレート(12)のスタック(11)を備える燃料電池(10)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にセル(14)を形成し、当該燃料電池(10)は、前記スタック(11)の両側に配置される2つの端プレート(16)と、前記セル(14)の電気的特性を測定するための、バイポーラプレートの前記スタック(11)に接続される複数の測定モジュール(20)とをさらに備え、各々の測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)の電気的特性を決定するのに適する計算機を含む少なくとも1つの印刷回路(22)を備え、前記測定モジュール(20)は、当該燃料電池(10)が動作しているとき、当該燃料電池(10)のインピーダンスを測定するように少なくとも構成されている、燃料電池(10)。
【請求項2】
各々の前記測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)に嵌まるコネクタ(84)に挿入されることになるピン(90)を用いて、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続され、
各々の前記測定モジュール(20)は、複数の並べられたコネクタ(90)と、測定モジュール(20)によって網羅されるセル(14)の数の4線式パケット単位インピーダンス測定を実施するように構成される補助コネクタ(95)とを備えている、請求項1に記載の燃料電池(10)。
【請求項3】
並べられた前記コネクタ(90)は、2つの前記コネクタ(90)の間に配置される2つの連続したセル(14)のセットの前後の電圧を測定するために対で構成され、
各々の前記測定モジュール(20)の追加コネクタ(95)は、前記追加コネクタ(95)が受け入れられる前記バイポーラプレートの嵌め合いコネクタへと正弦波電流を注入するように構成されている、請求項2に記載の燃料電池(10)。
【請求項4】
前記正弦波電流は、100Hzから5kHzまでの間、より具体的には、500Hzから2kHzまでの間に含まれる周波数を有する、請求項3に記載の燃料電池(10)。
【請求項5】
前記正弦波電流の周波数は、500Hzから2kHzまでの間である、請求項4に記載の燃料電池(10)。
【請求項6】
各々の前記測定モジュール(20)は、他のモジュール(20)とは無関係に周波数が設定される正弦波電流を注入するように構成されている、請求項3から5のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項7】
各々の前記測定モジュール(20)は、前記正弦波電流によって前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に誘導される応答電圧の成分であって、注入された前記正弦波電流の周波数と同一の周波数を有する成分を絶縁するように、および、当該燃料電池(10)のインピーダンスを、絶縁された電圧成分の振幅と注入された前記正弦波電流の振幅との間の比として計算するように、構成されている、請求項3から5のいずれか一項に記載の燃料電池(10)。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【請求項9】
前記測定モジュール(20)を使用して、動作中に当該燃料電池(10)のインピーダンスを測定するステップを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の燃料電池(10)を使用する方法。
【請求項10】
各々の前記測定モジュール(20)は、前記バイポーラプレート(12)に形成された嵌め合いコネクタ(84)へと挿入されたコネクタ(90、95)を用いて、前記バイポーラプレート(12)のスタック(11)に接続され、各々の前記測定モジュール(20)は、測定モジュール(20)によって網羅されたセル(14)の数のパケットでの4線式インピーダンス測定を実施するように構成される複数の並べられたコネクタ(90)および補助コネクタ(95)を備え、
並べられた前記コネクタ(90)は、2つの前記コネクタ(90)の間に配置される2つの連続したセル(14)の電圧を測定するために対で構成され、
各々の前記測定モジュール(20)の追加コネクタ(95)は、前記追加コネクタ(95)が受け入れられる前記嵌め合いコネクタ(84)へと正弦波電流を注入するように構成されている、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記測定モジュール(20)によって、動作中に前記燃料電池(10)のインピーダンスを測定するステップは、20個のセル(14)について5mΩから20mΩまでの間に含まれるインピーダンスを測定することから成る、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】