(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-26
(54)【発明の名称】高精度ロケーション決定およびエネルギー分注のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/28 20060101AFI20250218BHJP
G07B 15/06 20110101ALI20250218BHJP
【FI】
G01C21/28
G07B15/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545206
(86)(22)【出願日】2023-01-25
(85)【翻訳文提出日】2024-09-06
(86)【国際出願番号】 US2023011540
(87)【国際公開番号】W WO2023146915
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524283176
【氏名又は名称】パーコフォン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エフゲニー、クロチキン
(72)【発明者】
【氏名】バルザー、ポール
(72)【発明者】
【氏名】ルリ、ラトシニン
【テーマコード(参考)】
2F129
3E127
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB33
2F129BB36
2F129BB48
2F129CC27
3E127AA16
3E127AA18
3E127BA61
3E127CA13
3E127EA03
3E127EA04
3E127EA18
3E127FA18
(57)【要約】
本明細書に開示される様々なシステムおよび方法は、安全で費用効果が高く、高精度のロケーション検出を提供する。高精度ロケーション検出のためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、高額で電力効率の悪いプロセッサを必要とせずに複数のソースからロケーションデータを取得および計算する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスによるこのような安全で費用効果が高く高精度のロケーション検出は、エネルギー分注および支払い管理システムおよび方法などの改善された車両ベースのトランザクションで使用される。いくつかのこのような実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、エネルギー分注セッションおよび支払いなどの自動化された車両ベースのトランザクションを提供するために、遠隔ジオマッピングサーバおよび支払いシステムと通信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケーションデバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサを、
全地球航法衛星システム(GNSS)データおよび車両運動データを受信し、前記GNSSデータおよび前記車両運動データが車両に関連付けられ、
第1のモードで動作している推定フィルタにおいて、前記GNSSデータおよび前記車両運動データに基づいて前記車両のロケーションを計算し、
前記車両の速度が閾値速度を下回ると判定し、
前記速度が前記閾値速度を下回ることに基づいて第2のモードで動作するように前記推定フィルタを変更し、
前記第2のモードで動作している前記推定フィルタにおいて、前記車両の位置ロケーションを計算し、前記GNSSデータおよび前記車両運動データのうちの少なくともいくつかが、前記推定フィルタが前記車両の前記位置ロケーションを決定するために変更され、
車両ベースのトランザクションを可能にするジオマッピングサーバに前記車両の前記位置ロケーションを送信する、
ように構成された複数の命令を記憶するメモリデバイスと、
を備える、ロケーションデバイス。
【請求項2】
前記GNSSデータおよび前記車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、前記車両速度のデータが変更される、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項3】
前記GNSSデータおよび前記車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、車両ヨーレートのデータが変更される、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記推定フィルタが前記第2のモードで動作しているときに複数のロケーションポイントを計算および捕捉するようにさらに構成される、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項5】
前記車両の前記速度が前記GNSSデータにおいて受信した第1の速度値であり、前記プロセッサが、
前記GNSSデータにおいて1つ以上の信号強度インジケータを受信し、
前記1つ以上の信号強度インジケータから前記第1の速度値を使用しないことを決定し、
少なくとも部分的に前記車両運動データに基づいて第2の速度値を計算する、
ようにさらに構成される、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項6】
前記第2の速度値が、少なくとも部分的に前記車両運動データからの車両加速度データを使用して計算される、請求項5に記載のロケーションデバイス。
【請求項7】
前記推定フィルタがカルマンフィルタであり、前記カルマンフィルタが複数のモードを含む、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項8】
前記車両ベースのトランザクションが、前記位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、前記車両ベースのトランザクションが、エネルギー分注デバイスにおけるエネルギー分注セッションである、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサが、二要素認証を使用して前記エネルギー分注デバイスでの前記エネルギー分注セッションを可能にするようにさらに構成され、第1の認証要素は少なくとも部分的に前記送信された位置ロケーションに基づき、第2の認証要素は少なくとも部分的にユーザデバイスからの通信に基づく、請求項8に記載のロケーションデバイス。
【請求項10】
ユーザデバイスからの前記通信が前記エネルギー分注デバイスを確認する、請求項9に記載のロケーションデバイス。
【請求項11】
前記エネルギー分注デバイスが第1のエネルギー分注デバイスであり、ユーザデバイスからの前記通信が第2のエネルギー分注デバイスを確認する、請求項9に記載のロケーションデバイス。
【請求項12】
前記エネルギー分注デバイスが燃料ポンプである、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項13】
前記エネルギー分注デバイスが電気自動車充電器である、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項14】
前記車両ベースのトランザクションが、前記位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、前記車両ベースのトランザクションが駐車セッションである、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項15】
前記所定のロケーションが法定駐車ゾーンである、請求項14に記載のロケーションデバイス。
【請求項16】
前記複数の命令がさらに前記プロセッサに、
前記車両が所定の速度よりも速く移動していると判定させ、
前記車両が前記所定の速度よりも速く移動していることを示すメッセージを前記ジオマッピングサーバに送信させ、
前記送信されたメッセージに基づいて前記駐車セッションを終了させる、
請求項14に記載のロケーションデバイス。
【請求項17】
前記車両ベースのトランザクションが、前記車両の前記位置ロケーションに基づいて通行料金支払いを自動化する通行料金徴収トランザクションである、請求項1に記載のロケーションデバイス。
【請求項18】
車両ロケーションを処理するための方法であって、
全地球航法衛星システム(GNSS)データおよび車両運動データを受信することであって、前記GNSSデータおよび前記車両運動データが車両に関連付けられる、受信することと、
第1のモードで動作している推定フィルタにおいて、前記GNSSデータおよび前記車両運動データに基づいて前記車両のロケーションを計算することと、
前記車両の速度が閾値速度を下回ると判定することと、
前記速度が前記閾値速度を下回ることに基づいて第2のモードで動作するように前記推定フィルタを変更することと、
前記第2のモードで動作している前記推定フィルタにおいて、前記車両の位置ロケーションを計算することであって、前記GNSSデータおよび前記車両運動データのうちの少なくともいくつかが、前記推定フィルタが前記車両の前記位置ロケーションを決定するために変更される、計算することと、
車両ベースのトランザクションを可能にするジオマッピングサーバに前記車両の前記位置ロケーションを送信することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記GNSSデータおよび前記車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、前記車両速度のデータが変更される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記GNSSデータおよび前記車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、車両ヨーレートのデータが変更される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記推定フィルタが前記第2のモードで動作しているときに複数のロケーションポイントを計算および捕捉することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記車両の前記速度が前記GNSSデータにおいて受信した第1の速度値であり、前記方法が、
前記GNSSデータにおいて1つ以上の信号強度インジケータを受信することと、
前記1つ以上の信号強度インジケータから前記第1の速度値を使用しないことを決定することと、
少なくとも部分的に前記車両運動データに基づいて第2の速度値を計算することと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の速度値が、少なくとも部分的に前記車両運動データからの車両加速度データを使用して計算される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記推定フィルタがカルマンフィルタであり、前記カルマンフィルタが複数のモードを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記車両ベースのトランザクションが、前記位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、前記車両ベースのトランザクションが、エネルギー分注デバイスにおけるエネルギー分注セッションである、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
二要素認証を使用して前記エネルギー分注デバイスでの前記エネルギー分注セッションを可能にすることであって、第1の認証要素は少なくとも部分的に前記送信された位置ロケーションに基づき、第2の認証要素は少なくとも部分的にユーザデバイスからの通信に基づく、可能にすることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ユーザデバイスからの前記通信が前記エネルギー分注デバイスを確認する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記エネルギー分注デバイスが第1のエネルギー分注デバイスであり、ユーザデバイスからの前記通信が第2のエネルギー分注デバイスを確認する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記エネルギー分注デバイスが燃料ポンプである、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記エネルギー分注デバイスが電気自動車充電器である、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記車両ベースのトランザクションが、前記位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、前記車両ベースのトランザクションが駐車セッションである、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記所定のロケーションが法定駐車ゾーンである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記車両が所定の速度よりも速く移動していると判定することと、
前記車両が前記所定の速度よりも速く移動していることを示すメッセージを前記ジオマッピングサーバに送信することと、
前記送信されたメッセージに基づいて前記駐車セッションを終了することと
をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記車両ベースのトランザクションが、前記車両の前記位置ロケーションに基づいて通行料金支払いを自動化する通行料金徴収トランザクションである、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、より一般的には、高精度ロケーション決定、キャッシュレスエネルギー分注、エネルギー分注のための無線支払い、エネルギー分注のための遠隔管理および制御、および高度交通システムの分野に関する。
【発明の概要】
【0002】
本明細書に開示される様々なシステムおよび方法は、安全で費用効果が高く、効率的で高精度のロケーション検出を提供する。高精度ロケーション検出のためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス(mobile location device)は、生GNSSデータを読み取るために高額で電力効率の悪いプロセッサを必要とせずに、全地球航法衛星システム(GNSS)、微小電気機械システム(MEMS)、および地理情報システム(GIS)などの複数のソースから正確なロケーションデータを取得および計算する。
【0003】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスによるこのように安全で費用効果が高く高精度のロケーション検出は、改善されたエネルギー分注、駐車、通行料金徴収、および支払い管理システムおよび方法での使用に適用することができる。いくつかのこのような実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、エネルギー分注、駐車、通行料金徴収、および支払いなどの自動化された車両ベースのトランザクションを提供するために、遠隔ジオマッピングサーバ(geomapping server)および支払いシステムとさらに通信する。
【0004】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、ロケーションデバイスであって、プロセッサと、プロセッサによって実行されるとプロセッサを、全地球航法衛星システム(GNSS)データおよび車両運動データを受信し、GNSSデータおよび車両運動データが車両に関連付けられ、第1のモードで動作している推定フィルタにおいて、GNSSデータおよび車両運動データに基づいて車両のロケーションを計算し、車両の速度が閾値速度を下回ると判定し、速度が閾値速度を下回ることに基づいて第2のモードで動作するように推定フィルタを変更し、第2のモードで動作している推定フィルタにおいて、車両の位置ロケーションを計算し、GNSSデータおよび車両運動データのうちの少なくともいくつかが、推定フィルタが車両の位置ロケーションを決定するために変更され、車両ベースのトランザクションを可能にするジオマッピングサーバに車両の位置ロケーションを送信する、ように構成された複数の命令を記憶するメモリデバイスと、を含むロケーションデバイスに関する。
【0005】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、GNSSデータおよび車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、車両速度のデータが変更される、ロケーションデバイスに関する。
【0006】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、GNSSデータおよび車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、車両ヨーレートのデータが変更される、ロケーションデバイスに関する。
【0007】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、プロセッサが、推定フィルタが第2のモードで動作しているときに複数のロケーションポイントを計算および捕捉するようにさらに構成される、ロケーションデバイスに関する。
【0008】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両の速度がGNSSデータにおいて受信した第1の速度値であり、プロセッサが、GNSSデータにおいて1つ以上の信号強度インジケータを受信し、1つ以上の信号強度インジケータから第1の速度値を使用しないことを決定し、少なくとも部分的に車両運動データに基づいて第2の速度値を計算する、ようにさらに構成される、ロケーションデバイスに関する。
【0009】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、第2の速度値が、少なくとも部分的に車両運動データからの車両加速度データを使用して計算される、ロケーションデバイスに関する。
【0010】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、推定フィルタがカルマンフィルタであり、カルマンフィルタが複数のモードを含む、ロケーションデバイスに関する。
【0011】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両ベースのトランザクションが、位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、車両ベースのトランザクションが、エネルギー分注デバイスにおけるエネルギー分注セッションである、ロケーションデバイスに関する。
【0012】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、プロセッサが、二要素認証を使用してエネルギー分注デバイスでのエネルギー分注セッションを可能にするようにさらに構成され、第1の認証要素は少なくとも部分的に送信された位置ロケーションに基づき、第2の認証要素は少なくとも部分的にユーザデバイスからの通信に基づく、ロケーションデバイスに関する。
【0013】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、ユーザデバイスからの通信がエネルギー分注デバイスを確認する、ロケーションデバイスに関する。
【0014】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、エネルギー分注デバイスが第1のエネルギー分注デバイスであり、ユーザデバイスからの通信が第2のエネルギー分注デバイスを確認する、ロケーションデバイスに関する。
【0015】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、エネルギー分注デバイスが燃料ポンプである、ロケーションデバイスに関する。
【0016】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、エネルギー分注デバイスが電気自動車充電器である、ロケーションデバイスに関する。
【0017】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両ベースのトランザクションが、位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、車両ベースのトランザクションが駐車セッションである、ロケーションデバイスに関する。
【0018】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、所定のロケーションが法定駐車ゾーンである、ロケーションデバイスに関する。
【0019】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、複数の命令がさらにプロセッサに、車両が所定の速度よりも速く移動していると判定させ、車両が所定の速度よりも速く移動していることを示すメッセージをジオマッピングサーバに送信させ、送信されたメッセージに基づいて駐車セッションを終了させる、ロケーションデバイスに関する。
【0020】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両ベースのトランザクションが、車両の位置ロケーションに基づいて通行料金支払いを自動化する通行料金徴収トランザクションである、ロケーションデバイスに関する。
【0021】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、全地球航法衛星システム(GNSS)データおよび車両運動データを受信することであって、GNSSデータおよび車両運動データが車両に関連付けられる、受信することと、第1のモードで動作している推定フィルタにおいて、GNSSデータおよび車両運動データに基づいて車両のロケーションを計算することと、車両の速度が閾値速度を下回ると判定することと、速度が閾値速度を下回ることに基づいて第2のモードで動作するように推定フィルタを変更することと、第2のモードで動作している推定フィルタにおいて、車両の位置ロケーションを計算することであって、GNSSデータおよび車両運動データのうちの少なくともいくつかが、推定フィルタが車両の位置ロケーションを決定するために変更される、計算することと、車両ベースのトランザクションを可能にするジオマッピングサーバに車両の位置ロケーションを送信することと、を含む、車両ロケーションを処理するための方法に関する。
【0022】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、GNSSデータおよび車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、車両速度のデータが変更される、方法に関する。
【0023】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、GNSSデータおよび車両運動データのうちの少なくともいくつかの変更により、車両ヨーレートのデータが変更される、方法に関する。
【0024】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、推定フィルタが第2のモードで動作しているときに複数のロケーションポイントを計算および捕捉することをさらに含む方法に関する。
【0025】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両の速度がGNSSデータにおいて受信した第1の速度値であり、前記方法が、GNSSデータにおいて1つ以上の信号強度インジケータを受信することと、1つ以上の信号強度インジケータから第1の速度値を使用しないことを決定することと、少なくとも部分的に車両運動データに基づいて第2の速度値を計算することと、をさらに含む、方法に関する。
【0026】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、第2の速度値が、少なくとも部分的に車両運動データからの車両加速度データを使用して計算される、方法に関する。
【0027】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、推定フィルタがカルマンフィルタであり、カルマンフィルタが複数のモードを含む、方法に関する。
【0028】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両ベースのトランザクションが、位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、車両ベースのトランザクションが、エネルギー分注デバイスにおけるエネルギー分注セッションである、方法に関する。
【0029】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、二要素認証を使用してエネルギー分注デバイスでのエネルギー分注セッションを可能にすることであって、第1の認証要素は少なくとも部分的に送信された位置ロケーションに基づき、第2の認証要素は少なくとも部分的にユーザデバイスからの通信に基づく、可能にすることをさらに含む、方法に関する。
【0030】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、ユーザデバイスからの通信がエネルギー分注デバイスを確認する、方法に関する。
【0031】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、エネルギー分注デバイスが第1のエネルギー分注デバイスであり、ユーザデバイスからの通信が第2のエネルギー分注デバイスを確認する、方法に関する。
【0032】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、エネルギー分注デバイスが燃料ポンプである、方法に関する。
【0033】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、エネルギー分注デバイスが電気自動車充電器である、方法に関する。
【0034】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両ベースのトランザクションが、位置ロケーションが所定のロケーションにあることに基づいてトリガされ、車両ベースのトランザクションが駐車セッションである、方法に関する。
【0035】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、所定のロケーションが法定駐車ゾーンである、方法に関する。
【0036】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両が所定の速度よりも速く移動していると判定することと、車両が所定の速度よりも速く移動していることを示すメッセージをジオマッピングサーバに送信することと、送信されたメッセージに基づいて駐車セッションを終了することと、をさらに含む、方法に関する。
【0037】
いくつかの態様では、本明細書に記載される技術は、車両ベースのトランザクションが、車両の位置ロケーションに基づいて通行料金支払いを自動化する通行料金徴収トランザクションである、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】高い精度で車両のロケーションを決定するために多数の異なるシステムと通信するモバイルロケーションデバイスを有する車両のいくつかの実装形態の斜視図である。
【
図2A】いくつかの実装形態における、開示されるシステム、ならびに(場合により車両表示画面を含む、モバイルアプリケーションまたは他の通信手段を通じて)デバイス、サーバ(または複数のサーバ)、データベース(または複数のデータベース)、およびユーザを含むその異なる要素間の通信パターンのブロック概略図である。
【
図2B】複数のモバイルロケーションデバイスおよび複数のユーザデバイスをさらに示す、様々なシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すブロック図である。
【
図3】モバイルロケーションデバイスに含まれる要素のいくつかの実装形態を示すブロック図である。
【
図4】モバイルロケーションデバイスの構成要素間のシグナリングのいくつかの実装形態を示すブロック図である。
【
図5】モバイルロケーションデバイスの電力サブシステム間の接続のいくつかの実装形態を示すブロック図である。
【
図6】モバイルロケーションデバイスのヒューマンインターフェースデバイスサブシステム間の接続のいくつかの実装形態を示すブロック図である。
【
図7】モバイルロケーションデバイス内のロケーションデータの信号処理経路のいくつかの実装形態を示すフローチャートである。
【
図8】モバイルロケーションデバイスの座標データを捕捉および計算するためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すフローチャートである。
【
図9】安全な通信のためにジオマッピングサーバと接続するモバイルロケーションデバイスのいくつかの実装形態を描写するフローチャートである。
【
図10A】車両ロケーションデータに基づいてエネルギー分注セッションを自動化する例示的な実装形態の図である。
【
図10B】車両ロケーションデータに基づいてエネルギー分注セッションを自動化する例示的な実装形態の図である。
【
図10C】車両ロケーションデータに基づいてエネルギー分注セッションを自動化する例示的な実装形態の図である。
【
図10D】車両ロケーションデータに基づいてエネルギー分注セッションを自動化する例示的な実装形態の図である。
【
図10E】車両ロケーションデータに基づいてエネルギー分注セッションを自動化する例示的な実装形態の図である。
【
図10F】車両ロケーションデータに基づいてエネルギー分注セッションを自動化する例示的な実装形態の図である。
【
図11】開示されるシステムの特定の要素間の動作プロセスおよび通信を示す時間領域トランザクション図のいくつかの実装形態を示す図である。
【
図12】エネルギー分注セッションを自動的に検出および処理するためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すフローチャートである。
【
図13A】法定駐車ゾーン内で車両の駐車セッションを開始する例示的な実装形態の図である。
【
図13B】法定駐車ゾーン内で車両の駐車セッションを開始する例示的な実装形態の図である。
【
図13C】法定駐車ゾーン内で車両の駐車セッションを開始する例示的な実装形態の図である。
【
図13D】法定駐車ゾーン内で車両の駐車セッションを開始する例示的な実装形態の図である。
【
図13E】車両が駐車ゾーンを離れるときに駐車セッションを停止する例示的な実装形態の図である。
【
図13F】車両が駐車ゾーンを離れるときに駐車セッションを停止する例示的な実装形態の図である。
【
図14】開示されるシステムの特定の要素間の動作プロセスおよび通信を示す時間領域トランザクション図のいくつかの実装形態を示す図である。
【
図15】駐車セッションを自動的に検出および処理するためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すフローチャートである。
【
図16A】システムの状態(現在アクティブなセッション)に対応するモバイルアプリケーションのスクリーンショットの例示的な実装形態を示す図である。
【
図16B】システムの状態(アクティブなセッションがない)に対応するモバイルアプリケーションのスクリーンショットの例示的な実装形態を示す図である。
【
図16C】システムの状態(車両の位置特定中)に対応するモバイルアプリケーションのスクリーンショットの例示的な実装形態を示す図である。
【
図17A】モバイルロケーションデバイスの構成要素が車両の車載電子システムに統合または接続される例示的な実装形態を示すブロック概略図である。
【
図17B】モバイルロケーションデバイスの構成要素が車両の車載電子システムに統合または接続される例示的な実装形態を示すブロック概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書の開示は、安全で費用効果が高く、効率的で高精度のロケーション検出システムの様々な実装形態を提供し、当業者は、本発明者らによって開発された様々な新規なアプローチおよび特徴をそこから理解するだろう。これらの様々な新規なアプローチおよび特徴は、本明細書に見られるように、必要に応じて個別に、または互いに組み合わせて使用され得る。
【0040】
特に、記載された実装形態、および本明細書における「一実装形態」、「実装形態」、「例示的な実装形態」などへの言及は、記載された実装形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、必ずしも全ての実装形態がその特定の特徴、構造、または特性を含まなくてもよいことを示す。また、このような語句は、必ずしも同じ実装形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性がある実装形態に関連して説明されるとき、明確に記載されていてもいなくても、当業者はこのような特徴、構造、または特性を他の実装形態と関連付けて実施し得る。
【0041】
図1は、低コストで高精度のロケーション検出を提供するロケーションシステム5のいくつかの実装形態の斜視図である。ロケーションシステム5は、モバイルロケーションデバイス10を含む。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、地理的エリア内で数メートル以内の精度でモバイルロケーションデバイス10のロケーションを決定することができる、1つ以上のロケーションプロセッサを備えることができる。いくつかの実装形態では、ロケーション精度は、4メートル以下の精度内である。しかしながら、他の適切なレベルの精度が達成されてもよい。モバイルロケーションデバイス10は、ロケーションデータの1つ以上のソースを使用してロケーションを決定することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、少なくとも1つの表示灯12および複数のユーザインターフェースボタン18a~18bなどのユーザインターフェースを備えてもよい。モバイルロケーションデバイス10はアンテナ14および16を備え、いくつかの実装形態では、アンテナは見えず、モバイルロケーションデバイス10の中に収容される。モバイルロケーションデバイス10は、より多くの表示灯を備えるかまたは表示灯を備えなくてもよく、より少ないまたは多いユーザインターフェースボタンを備えるかまたはユーザインターフェースボタンを備えなくてもよく、より少ないまたは多いアンテナを備えるかまたはアンテナを備えなくてもよいことを理解されたい。モバイルロケーションデバイス10は、いくつかの実装形態では、ユーザインターフェース画面(図示せず)を含んでもよい。モバイルロケーションデバイス10は、以下で論じられる他の特徴を含んでもよい。モバイルロケーションデバイス10は、車両20内に配置されてもよい。モバイルロケーションデバイス10は、モバイルロケーションデバイス10および車両20が都市を通過し、建物22aおよび22bなどの建物によって囲まれたときに作成される「都市キャニオン」を含む、様々な異なる場所で動作するように構成される。これらの「都市キャニオン」は、過剰な電力量を必要とする非常に高額なハードウェア解決策なしで全地球航法衛星システム(GNSS)受信機/プロセッサ(GNSSユニット)のロケーションを解決することを以前は困難にしていた、マルチパス信号歪みを作成する。
【0042】
モバイルロケーションデバイス10は、
図1に示されるように、モバイルロケーションデバイス10のロケーション(すなわち、地理的位置)を検出するのに役立つために、複数の異なるデバイスおよびシステムと通信する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、衛星システム50a、衛星システム50b、および衛星システム50cなどの複数の異なる衛星システムと通信する。モバイルロケーションデバイス10は、アンテナ16を通じて衛星システム50aからロケーション信号52を、衛星システム50bからロケーション信号54を、および衛星システム50cからロケーション信号56を受信し得る。衛星システム50aは全地球測位システム(GPS)衛星システムを備えてもよく、これは複数の衛星を備える。衛星システム50bは全地球航法衛星システム(GLONASS)を備えてもよく、これは複数の衛星を備える。衛星システム50cはガリレオ衛星システムを備えてもよく、これは複数の衛星を備える。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、より少ない衛星システム(例えば、衛星システム50a、ただし他の衛星システム50bおよび50cはなし)から信号を受信してもよいことを理解されたい。別の実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、図示されるよりも多くの衛星システムから信号を受信してもよい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10が衛星信号を受信することができないとき、モバイルロケーションデバイス10は、いずれの衛星からも信号を受信し得ない。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、
図3で論じられるモジュールのうちの1つ以上(例えば、ジオロケーション位置特定システム320、MEMSシステム330など)を含む自己完結型ユニットである。いくつかの実装形態では、自己完結型ユニットとしてのモバイルロケーションデバイス10は、料金所トランスポンダと同様に、車両に取り外し可能に設置することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、車両内の1つ以上のセンサへのアクセスを有し得る。モバイルロケーションデバイス10が(例えば、車両のCANバスを通じて)車両内の1つ以上のセンサへのアクセスを有するいくつかの実装形態では、
図3で論じられるモジュールのうちの1つ以上が車両によって既に提供されているので、モバイルロケーションデバイス10はこれらを含まなくてもよい。モバイルロケーションデバイス10は、複数の異なる構成要素を備えるものとして上記で記載され、車両とは別のシステムとして記載されているが、モバイルロケーションデバイス10は、車両内の組み込みシステムであり、車両センサのうちの1つ以上からデータを取得することができる。組み込みシステムとして、プロセッサ310の機能を含む車両運動デバイス10の機能のうちの1つ以上は、既存の車両システムに統合することができる。
【0043】
モバイルロケーションデバイス10は、通信リンク95を介して1つ以上のセルラアクセスポイント100を通じて、アンテナ14を通じてモバイルネットワーク110と通信し得る。セルラアクセスポイント100は、通信リンク105を介してモバイルネットワーク110と通信し得る。モバイルネットワーク110は、モバイルネットワーク110へのアクセスを提供するために、数百または数千のセルラアクセスポイント100および通信リンク105を含み得ることを理解されたい。いくつかの実装形態では、モバイルネットワーク110を通じて、モバイルロケーションデバイス10は通信リンク117を介してデータセンタ120内の1つ以上のサーバおよびデータベースと通信し得る。いくつかの実装形態では、モバイルネットワーク110を通じて、モバイルロケーションデバイス10は通信リンク115を介してデータセンタ120内の1つ以上のサーバおよびデータベースと通信し得る。このようなサーバは、本明細書ではジオマッピングサーバとして記載され得る。いくつかの実装形態では、システム5は、モバイルロケーションデバイス10がデータセンタ120内のサーバによって提供されるロケーションサービスへの円滑で低レイテンシの通信へのアクセスを有することを保証するために、特定の国または世界中に広がる複数の異なるデータセンタを含み得る。いくつかの実装形態では、モバイルネットワーク110は、モバイルロケーションデバイス10とデータセンタ120内のサーバとの間の安全な接続を提供する。いくつかの実装形態では、安全な接続は、仮想プライベートネットワーク(VPN)とすることができる。しかしながら、モバイルロケーションデバイス10がデータセンタ120内のサーバと通信するために、他の適切な安全な接続を使用することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10とデータセンタ120との間の通信は安全ではない。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10はまた、モバイルネットワーク110と通信している他のサーバまたはエンドポイントにもアクセスし得ることを理解されたい。いくつかの実装形態では、システム5は、複数の異なるモバイルネットワーク110を含み得る。いくつかの実装形態では、複数の異なるモバイルネットワークは、異なる国に位置してもよい。別の実装形態では、複数の異なるモバイルネットワークのうちのいくつかは、同じ国に位置する。いくつかの実装形態では、モバイルネットワーク110は、モバイル仮想ネットワーク(MVN)である。モバイルネットワーク110は、1つ以上の他のモバイルネットワークを介して通信する仮想ネットワークとして作成されてもよい。例えば、モバイルネットワーク110は、第1のGSMベースのモバイルネットワークおよび第2の異なるGSMベースのモバイルネットワークを介した接続を使用して形成されてもよい。モバイルロケーションデバイス10が第1のGSMベースのモバイルネットワークと第2の異なるGSMベースのモバイルネットワークとの間で移動すると、その遷移および2つの異なるGSMベースのモバイルネットワークを介して送信されたデータは、同じ場所にシームレスにルーティングされ、仮想モバイルネットワークを作成する。
【0044】
モバイルロケーションデバイス10は、モバイルネットワーク110を通じてインターネット130と通信し得る。モバイルネットワーク110は、モバイルロケーションデバイス10がインターネット130上のエンドポイントと通信することを可能にする、リンク117などのインターネット130への1つ以上のリンクを有し得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、インターネット130上のエンドポイント(図示せず)からサービスにアクセスし得る。例えば、モバイルロケーションデバイス10は、インターネット130を通じてアクセス可能なサーバからGPS補正データにアクセスしてもよい。モバイルロケーションデバイス10は、インターネット130を通じて他の適切なサービスにアクセスしてもよい。いくつかの実装形態では、データセンタ120内のサーバはまた、通信リンク125を介してインターネット130を通じてエンドポイントと通信し得る。
【0045】
ロケーションシステム5は、ユーザデバイス140も示す。ユーザデバイス140は、携帯電話、スマートフォン、または例えばラップトップコンピュータ、タブレットデバイス、またはスマートウォッチなどの他の適切なコンピュータシステムであってもよい。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス140は、車両20に含まれる車両インフォテインメントシステムであってもよい。いくつかの実装形態では、システム5のユーザデバイス140は、2つ以上のデバイスの組み合わせとすることができ、例えば、ユーザデバイス140は、スマートフォンおよびインフォテインメントシステムを含んでもよく、または別の例として、ユーザデバイス140は、スマートフォン、インフォテインメントシステム、およびスマートウォッチを含んでもよい(図示せず)。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10およびユーザデバイス140の機能を1つのデバイスに統合することができる。ユーザデバイス140は、モバイルロケーションデバイス10に関連付けられる。データセンタ120内のサーバは、ユーザデバイス140とモバイルロケーションデバイス10との間の関連性を記憶する。ユーザデバイス140は、特定のサービスにアクセスするために、データセンタ120内の1つ以上のサーバと通信し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス140は、モバイルロケーションデバイス10、および燃料再補給、再充電、駐車、通行料金徴収、カーブサイドピックアップなどの様々なサービスに関する情報にアクセスするためのアプリケーションで構成され得る。ユーザデバイス140は、通信リンク145を介して1つ以上のセルラアクセスポイント150を通じてモバイルネットワーク160と通信し得る。セルラアクセスポイント150は、1つ以上の通信リンク155を介してモバイルネットワーク160と通信し得る。モバイルネットワーク160は、モバイルネットワーク160へのアクセスを提供するために、数百または数千のセルラアクセスポイント150および通信リンク145を含み得ることを理解されたい。モバイルネットワーク160を通じて、ユーザデバイス140は、通信リンク165を介してデータセンタ120内の1つ以上のサーバと通信し得る。上述のように、ユーザデバイス140にサービスを提供するために、複数の異なるデータセンタ120が使用され得る。いくつかの実装形態では、モバイルネットワーク160およびモバイルネットワーク110は、モバイルロケーションデバイス10およびユーザデバイス140の地理的ロケーション、ならびにネットワーク110および160ならびにデバイス10および140の間のサービス構成に応じて、同じモバイルネットワークとすることができる。
【0046】
図示されていないが、モバイルロケーションデバイス10はまた、ユーザデバイス140と直接通信してもよい。いくつかの実装形態では、通信は、Bluetoothなどの短距離無線リンクを介して、またはユニバーサルシリアルバス(USB)もしくはイーサネットなどのハードワイヤードリンクを介して行われてもよい。
【0047】
様々な実装形態では、本明細書に記載される通信リンクは、ハードワイヤまたは無線通信リンクを含むことができる。図示される通信リンクを形成するために使用される全ての通信リンクおよびネットワークノードが
図1または他の図に示されているわけではないことを理解されたい。
【0048】
システム5の通信の方法は、
図1に示される様々なシステムおよびネットワークに限定されないことを理解されたい。モバイルロケーションデバイス10は、任意の他の適切な数のネットワークと、任意の他の適切な通信リンクを通じて通信し得る。
【0049】
図2Aは、駐車および/または自動エネルギー分注および支払いなどの車両ベースのトランザクションサービスのための高精度ロケーションシステム、ならびにその要素間の可能なリンクのいくつかの実装形態を示すブロック概略図である。ユーザ245、例えば個々の運転者または社有車を管理する企業は、雇用および事業運営のために所有、レンタル、または使用され得る車両20(または複数の車両)を使用する。モバイルロケーションデバイス10は、車両20内に配置されるかまたはこれに含まれてもよい。データベース210は、燃料ポンプ、充電ステーション、料金所、カーブサイドピックアップロケーションなどに隣接するゾーンの、法定駐車ゾーンのようなロケーションの地理的座標を含む地理的物体またはゾーンを記憶し得る。いくつかの実装形態では、データベース210は、データセンタ120または1つ以上のデータセンタ内に位置することができる。いくつかの実装形態では、データベース120は、メモリカード(例えば、SD、マイクロSD、コンパクトフラッシュ(登録商標)など)、USBフラッシュドライブなどのような、モバイルロケーションデバイス10の外部メモリデバイス上に、またはモバイルロケーションデバイス10内のフラッシュメモリなどの、処理デバイスの内部メモリ内に直接、記憶することができる。いくつかの実装形態では、データベースは、ジオロケートゾーンとも呼ばれ得る、ジオロケートポリゴンに関するゾーンを定義する地理情報(例えば、1つ以上の地理的座標)を含む。いくつかの実装形態では、このような地理的ゾーン情報は、円の中心および半径として定義することができる。データベース210内のデータは、導出された工事記録、エネルギー分注デバイス設置記録、従来の測量などとすることができる。いくつかの実装形態では、データベース210内の情報は、少なくとも部分的に衛星ビュー画像およびストリートビュー画像から導出することができる。いくつかの実装形態では、ゾーンは、特定のトランザクションに固有の追加のデータで符号化するかまたはこれに関連付けることができる。いくつかの実装形態では、燃料補給ステーション地理的物体について、追加のデータは、燃料ステーションエンティティ名、燃料ステーションアドレス、ポンプ番号などを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実装形態では、駐車地理的物体について、追加のデータは、駐車場エンティティ名、駐車場アドレス、駐車区画番号などを含み得るが、これらに限定されない。上記の追加データの説明は単なる例であり、追加のデータは、地理的物体に関連付けられたトランザクションを完了するのに役立つために、より少ないまたはより多くの情報を含むことができることを理解されたい。
【0050】
一実装形態では、サーバ205は、
図1からのデータセンタ120などのデータセンタ内に収用され得る物理マシンまたは仮想マシンインスタンス、もしくは一体化されたいくつかのマシンまたは仮想インスタンスのいずれかのコンピュータである。通信リンク200は、サーバとシステムの他の構成要素、すなわちいくつかの実装形態ではモバイルロケーションデバイス10、データベース210、およびユーザ245との間に提供される。通信リンク200は、無線通信リンク、ハードウェア通信リンク、または両方のタイプの通信の組み合わせ、例えば
図1のリンク95、105、および115、またはリンク95、105、117、および125の組み合わせであってもよい。
図2Aの図では、モバイルロケーションデバイス10は、ロケーションデータをサーバ205に通信する。いくつかの実装形態では、ロケーションデータは、位置データ、例えば経度および緯度座標データを含み得る。いくつかの実装形態では、ロケーションデータは、このような座標データと、車両運動データ(例えば、速度、加速度、ヨーレート、機首方位などのうちの1つ以上)および受信したGNNS信号強度のインジケータ(例えば、搬送波対雑音密度比-CN0、CNO、C/Noなどと省略され得る)、衛星システム関連データ、運動データのソース(例えば、GNSSモジュール導出運動データ、センサ読み取り値など)などのロケーションデータの取得に関連するデータなどの追加のデータとを含み得る。本明細書に開示されるいくつかの実装形態では、GNSS信号から導出された運動データと車両常駐または車両組み込みセンサに由来しない運動データとの区別が有用である。例えば、GNSSデータは、GNSS導出速度と呼ぶことができる車両速度のソースであってもよく、GNSS導出運動データの形態であってもよい。GNSS導出速度は、例えば経時的なGNSS取得位置の導関数とすることができ、または衛星位置に対する車両運動によって生成されるドップラ周波数シフトから決定することができる。GNSS導出運動データとは対照的に、車両運動データは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計など、MEMS慣性測定ユニットプロセッサによって使用される慣性測定センサ、または車輪回転センサ、操舵角センサ、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計など、組み込み車両運動検出(VMD)システムによって使用されるセンサなどの車両常駐または車両組み込みセンサを使用して取得することができ、これらは組み込みVMD実装形態に含まれても含まれなくてもよく、または言及されていない他のセンサが含まれてもよい。車両運動データは、本明細書では、非GNSS運動データとも呼ばれ得る。いくつかの実装形態では、ロケーションデータの通信は、モバイルロケーションデバイス10によって決定されるロケーションポイントごとに、または何らかの他のデータポイント間隔または時間間隔ごとに(例えば、データポイント1つおき、データポイント5つおき、1秒ごと、5秒ごとなど)、行われてもよい。いくつかの実装形態では、このような通信は、現在のロケーションについてモバイルロケーションデバイス10によって受信されたクエリに基づいてもよく、クエリ応答は、1つ以上のロケーションデータポイント(例えば、5データポイント、10データポイントなど)を含み得る。いくつかの実装形態では、このような通信は、停止状態を示すゼロの検出速度、または特定の速度閾値を下回る検出速度などのトリガイベントの発生から生じることがある。いくつかの実装形態では、間隔、クエリ、トリガイベント、および/または検出された状態の組み合わせは、ロケーションデータの通信を開始するために使用され得る。モバイルロケーションデバイス10からロケーションデータを受信すると、サーバ205は、受信したロケーションデータポイントに関連付けられ得る地理的物体/地理的ゾーンに関する関連情報、およびいくつかの実装形態ではユーザ245、ユーザ245のユーザデバイス140、車両20、および/または自身のサービス履歴(例えば、後の燃料再補給の時間、最後の燃料再補給で受け取った燃料の量、最後の燃料再補給から運転した距離など)に関連付けられたデータを取得するために、データベース210に接続し得る。いくつかの実装形態では、サービス履歴は、燃料再補給が計画されるべきであるというユーザデバイス140を介したユーザ245への通知を生成するために使用され得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10から受信したロケーションデータおよびデータベース210に含まれるエネルギー分注デバイスジオロケーションデータは、車両20に近接した可能な燃料ステーションのリストを生成するために使用されてもよく、これはユーザデバイス140を介したユーザ245への通知で送信され得る。いくつかの実装形態では、停止状態または所定の速度閾値を下回る速度、およびエネルギー分注システム(例えば、燃料ポンプまたは充電ステーション)の地理的ゾーンに対応する受信したロケーションデータのとき、サーバ205は、車両20が特定のエネルギー分注デバイスに位置し、エネルギー分注セッションを処理することを確認するために、ユーザデバイス140を介してユーザ245と通信し得る。
【0051】
いくつかの実装形態では、ユーザ245は、自身のユーザデバイス140上にモバイルアプリケーション220をインストールすることができる。ユーザ245は、通信リンク215を介してモバイルアプリケーション220または他の通知機構を通じたエネルギー分注関連通知の受信を選択的に可能にするために、ユーザ245に関連付けられエネルギー分注管理アカウントを構成することができる。他の通信リンクについて上述されたように、通信リンク215は、無線通信リンク、ハードウェア通信リンク、または両方のタイプの通信の組み合わせ、例えば
図1のリンク145、155、165、および125の組み合わせであってもよい。いくつかの実装形態では、通知機構は、インストールされたモバイルアプリケーション220を介した通知であってもよい。いくつかの実装形態では、通知機構は、電子メール230、ウェブサイト225、ショートメッセージサービス(SMS)テキスト235、他の通信手段240、または上記の何らかの組み合わせを通じた通知を含んでもよい。エンティティ管理エネルギー分注自動化システムは、質問をし、動作上の問題を解決し、エネルギー分注システムを制御するために、リンク260を通じて電話で、またはソフトウェアアプリケーションを介したリンク255を通じて接触することができる顧客サービス機能250を提供することができる。したがって、いくつかの実装形態では、ユーザ245は、自身のエネルギー分注セッションおよび通信設定の起動をカスタマイズすることができることを理解されたい。
【0052】
図2Bは、複数のモバイルロケーションデバイスおよび複数のユーザデバイスをさらに示す、様々なシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すブロック図である。モバイルネットワーク110、データセンタ120、インターネット130、およびモバイルネットワーク160のシステム要素、ならびにこれらの間の通信の回線またはリンクは、
図1で上述したシステム要素と同じまたは同様である。
図2Bは、システム内で動作しているモバイルロケーションデバイス10a、モバイルロケーションデバイス10b、モバイルロケーションデバイス10c、およびモバイルロケーションデバイス10dなどの複数のモバイルロケーションデバイスをさらに示す。これらのモバイルロケーションデバイス10a~10dは各々、上述のモバイルロケーションデバイス10と同じまたは同様である。
図2Bに示されるシステムは、任意の適切な数の追加のモバイルロケーションデバイス10a~10dをサポートし得ることを理解されたい。いくつかの実装形態では、任意の所与の地理的領域におけるモバイルロケーションデバイスの飽和度が高いほど、データセンタ120内のサーバにより良い情報を提供する。そしてこれにより、データセンタ120内のサーバは、システム内のモバイルロケーションデバイスおよび要素(例えば、モバイルロケーションデバイス10a~10dおよびユーザデバイス140a~140d)により良い情報を提供することができる。複数の異なるモバイルネットワーク110を有するいくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10a~10dのうちの少なくとも1つは、異なるモバイルネットワークのうちの1つと通信し得る。例えば、モバイルロケーションデバイス10aは米国内に位置し、米国内に位置するモバイルネットワーク110と通信してもよい。一方、モバイルロケーションデバイス10dは英国内に位置してもよく、異なるモバイルネットワークと通信してもよい。
【0053】
図2Bは、ユーザデバイス140a、ユーザデバイス140b、ユーザデバイス140c、およびユーザデバイス140dをさらに示す。これらのユーザデバイス140a~140dは各々、上述のユーザデバイス140と同じまたは同様である。
図2Bに示されるシステムは、任意の適切な数の追加のユーザデバイス140a~140dをサポートし得ることを理解されたい。ユーザデバイス140と同様に、各ユーザデバイス140a~140dは、モバイルロケーションデバイス10a~10dのうちの少なくとも1つに関連付けられる。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス140は、2つ以上のモバイルロケーションデバイス140a~140dに関連付けられてもよい。上述のように、これらの関連性は、データセンタ120内のサーバまたはデータベースに記憶することができる。例えば、ユーザデバイス140aが2台の車を有するユーザAに属する場合、ユーザAは、モバイルロケーションデバイス10aを一方の車に、モバイルロケーションデバイス10bを他方の車に配置してもよい。したがって、システムは、モバイルロケーションデバイス10aおよびモバイルロケーションデバイス10bをユーザAのユーザデバイス140aに関連付け得る。
【0054】
ここで
図3を参照すると、ブロック図は、いくつかの実装形態においてモバイルロケーションデバイス10のサブコンポーネントを含むシステム300を示している。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、少なくとも1つのプロセッサ/制御ユニット/マイクロコントローラ310を含む。プロセッサ310は、特定用途向け集積回路(ASIC)または汎用プロセッサであってもよい。プロセッサ310は、モバイルロケーションデバイス10が高い精度でその位置またはロケーションを検出することを可能にする、
図3に示される複数の他の構成要素と直接または間接的に通信する。プロセッサ310は、本明細書に記載される他のモジュールの機能を調整し得る。プロセッサ310は、ジオロケーション位置特定の精度を向上させ、モバイルロケーションデバイスと1つ以上のサーバとの間の適時の通信を提供するためのアルゴリズムをさらに実行し得る。いくつかの実装形態では、プロセッサ310は、低エネルギー無線通信モジュール370と、車両20の外部に位置する任意の外部ビーコンとの間のリンクをさらに動作させる。
【0055】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、任意の所与の時点および任意の地理的背景においてモバイルロケーションデバイス10(およびモバイルロケーションデバイス10が存在する車両20)のロケーションを決定するために使用される、ジオロケーション位置特定システム320を含む。ジオロケーション位置特定システム320は、プロセッサ310と通信する。ジオロケーション位置特定システム320は、全地球航法衛星システム(GNSS)信号(例えば、GPS、GLONASS、ガリレオなど)などの衛星信号を受信および処理することができるカスタムプロセッサを備えてもよい。ジオロケーション位置特定システム320は、受信したGNSS信号を効率的に処理するために、アンテナ、増幅器、信号フィルタなどをさらに含み得る。ジオロケーション位置特定システム320は、さらなる処理のためにGNSS信号をプロセッサ310に送信する。いくつかの実装形態では、ジオロケーション位置特定システム320は、ジオロケーション位置特定システム320を消費者デバイスで使用するために手頃で機能的にするために、縮小された機能セットを備える。例えば、いくつかの実装形態では、ジオロケーション位置特定システム320は、生GNSSデータを処理する能力が欠けている。いくつかの実装形態では、ジオロケーション位置特定システム320は、自身でマルチパス信号歪みの効果を低減または排除する能力が欠けている場合がある。縮小機能セットジオロケーション位置特定システム320が使用されるとき、縮小された機能セットは、ジオロケーション位置特定システム320が密集した都市エリアなどのいくつかのエリアで適切に動作することを妨げる場合がある。例えば、(縮小機能セットジオロケーション位置特定システム320を含む)モバイルロケーションデバイス10を有する車両20は、燃料ポンプ#1として指定された燃料ポンプに関連付けられた地理的ゾーンに位置することができる。さらに、縮小機能セットジオロケーション位置特定システム320は、マルチパス信号歪みにより、例えば燃料ポンプ3に関連付けられた地理的ゾーンとしてそのロケーションを誤って決定するか、または燃料ポンプに関連付けられた地理的ゾーンをまったく決定しない可能性がある。より高額なGNSSプロセッサでさえ、それ自体ではマルチパス信号歪みに対して緩和することができない場合がある。しかしながら、ジオロケーション位置特定システム320が以下で論じられる特定の他のシステムまたは機能で構成されているとき、ジオロケーション位置特定システム320は、ジオロケーション位置特定システム320の縮小された機能セットにもかかわらず高精度ロケーション検出を提供する。縮小された機能セットはまた、ジオロケーション位置特定システム320が動作時により少ない電力を使用することを可能にする。いくつかの実装形態では、ジオロケーション位置特定システム320は、およそ4メートル以下の範囲内のモバイルロケーションデバイス10のロケーション、ならびにエネルギー分注関連イベントも検出する。いくつかの実装形態では、ジオロケーション位置特定システム320は車両システムに含まれてもよく、プロセッサ310は、車両システム(図示せず)からGNSSデータを通信および受信し得る。
【0056】
いくつかの実装形態では、GNSS補正データを用いてモバイルロケーションデバイス10の所望の位置特定またはロケーション精度を提供するのを助けるために、様々な解決策を採用することができる。例えば、(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)米国特許第5,490,073号明細書に記載されるものなどの、連続観測基準点(CORS)から受信したデータによって支援される差動GPSシステムは、密集した都市環境における位置特定を決定するための支援を提供することができる。現在、ニューヨーク州のNYSnetなど、米国内にはいくつかの公的に運営されているCORSネットワークがある。CORSネットワークからのデータは、RTCM 10403.1規格または他の適切な規格などの確立されたプロトコルを介して、モバイルロケーションデバイス10内のジオロケーション位置特定システム320によって取得することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10(および車両20)のより正確なロケーションを決定するために、ASICまたはソフトウェアに実装することができるカスタムアルゴリズム内の疑似距離および他の変数を評価するために、受信機からのリアルタイム運動学データおよび生データが使用される。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10の所望の位置決めまたはロケーション精度を決定するのを支援するために、道路地図への位置合わせ、支援GPS、および他の適切な技術を使用することができる。
【0057】
いくつかの実装形態では、システム300は、MEMSシステム330をさらに含む。プロセッサ310はMEMSシステム330と通信する。いくつかの実装形態では、システム330は、少なくとも加速度計およびジャイロスコープを備える慣性測定センサ(IMU)である。MEMSシステム330は、モバイルロケーションデバイス10の直線運動および角運動を測定することができる。いくつかの実装形態では、MEMSシステム330は磁力計をさらに備える。MEMSシステム330は、他の適切なセンサを備えてもよい。プロセッサ310がジオロケーション位置特定システム320およびMEMSシステム330からのデータを組み合わせるとき、プロセッサ310は、車両20内のモバイルロケーションデバイス10の位置をより正確に決定することができる。この精度の向上は、縮小機能セットジオロケーション位置特定システム320を使用しながらエネルギー分注イベントおよびエネルギー分注セッションを確立することを支援する。いくつかの実装形態では、ジオロケーション位置特定システム320が適切に動作していないとき(例えば、橋の下またはトンネル内にいるときに衛星信号を受信できないとき)、MEMSシステム330からのデータは、エネルギー分注イベント、エネルギー分注セッション、駐車イベント、駐車セッションなどのようなトランザクションイベントのために車両ロケーションを確立することを支援するために、ジオロケーション位置特定システム320からのデータを増強または置換してもよい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10のシステム300は、MEMSシステム330を含まなくてもよい。いくつかの実装形態では、MEMSシステム330は車両システムに含まれてもよく、プロセッサ310は、車両運動検出または領域(VMD)システムなどの車両システム(図示せず)からMEMSデータを通信または受信してもよい。
【0058】
いくつかの実装形態では、プロセッサ310は、コントローラエリアネットワーク(「CANバス」)を介して車両のシステムと通信してもよい。プロセッサ310は、車両の既存のシステムから任意の適切な利用可能なデータを受信し、車両のロケーションを決定するためにこのデータを使用してもよいことを理解されたい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、車両内の組み込みシステムとして構成することができ、または他の方法で車両に統合される。いくつかのこのような実装形態では、プロセッサ310の本明細書に記載される特徴は、車両のプロセッサに統合することができる。いくつかのこのような実装形態では、
図3に示されるモバイルロケーションデバイス10システムのうちの1つ以上は、車両内に既に存在する別個の要素とすることができ、プロセッサ310は、本明細書に記載される高精度ロケーション決定機能を実行するための適切なデータを取得するために、これらの様々なシステムと通信することができる。
【0059】
いくつかの実装形態では、プロセッサ310、または図示されないAISCもしくはプロセッサは、カルマンフィルタなどの推定フィルタを含むように構成されてもよく、このようなフィルタは、GNSSモジュールおよびMEMS(またはVMD)システムから受信したデータの入力ストリームに基づいて現在位置を推定する予測ロケーション推定モデルを決定および維持するように構成される。いくつかの実装形態では、本明細書で後述されるように、定位置モードおよびダイナミックモードを含む新規なデュアルモードカルマンフィルタが使用され得る。
【0060】
いくつかの実装形態では、システム300は、電力回路システム340をさらに含む。電力回路システム340は、1つ以上のバッテリ、充電ポート、電機コンセント、および電力管理集積回路を含み得る。電力回路システム340は、モバイルロケーションデバイス10内のシステム300の様々な構成要素に電力を供給する。いくつかの実装形態では、電力回路システム340は、パワーリザーブを監視し、電力を節約するために特定のシステム300構成要素の動作をいつ低減するか、またはモバイルロケーションデバイス10をいつ停止するかを決定するために、プロセッサ310と通信する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、(モバイルロケーションデバイス10が使用可能となるためにより長いブート/初期化手順を経なければならないコールドスタートの代わりに)モバイルロケーションデバイスが迅速に起動することを可能にするためにバッファ内の何らかの動作情報を維持するために、バッテリを使用する。いくつかの実装形態では、推定フィルタで構成されたモバイルロケーションデバイス10は、予測ロケーション推定モデルをその中に保持するためにバッテリを使用し得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、衛星アルマナック情報をRAMバッファ内に保持するために、第2のバッテリを含む。これにより、モバイルロケーションデバイス10は、衛星を用いて初回測位時間を再確立する必要なく起動することができる。
【0061】
いくつかの実装形態では、システム300は、無線通信システム350をさらに含む。無線通信システム350は、(本明細書で論じられる通信リンクを通じて)モバイルロケーションデバイス10と少なくとも1つのサーバとの間に通信リンクを提供する。無線通信システム350は、セルラデータプロセッサ、アンテナ、SIMカード(および/またはeSIM機能)、ならびにモバイルネットワーク110のようにモバイルネットワークと通信するために必要な他の構成要素を含み得る。いくつかの実装形態では、(モバイルネットワーク110を通じた)プロセッサ310からサーバへの通信は、所定のプロトコルに従い、例えば、HTTPプロトコルおよびHTTPS拡張プロトコル(例えば、GETおよびPOST要求方法)に基づくインターネット接続を通じて、保護された仮想プライベートネットワーク(VPN)を通じて、または両方の組み合わせを通じて、確立することができる。例えば、モバイルロケーションデバイス10およびデータセンタ120内のサーバは、無線通信システム350と通信するプロセッサ310を使用して作成されたVPNトンネルを介して接続することができる。いくつかの実装形態では、接続を定期的にリフレッシュすることができ、メッセージは、オープンソケットを通じて両方の宛先(モバイルロケーションデバイス10およびサーバ)に到達する。
【0062】
いくつかの実装形態では、システム300は、ヒューマンインターフェースデバイスシステム(HID)360をさらに含む。HID360は、ユーザが押すことゴアできる1つ以上のボタンを含み得る。HID360は、ユーザに有用なシステムステータス情報を提供することができる1つ以上のLEDライトを含んでもよい。いくつかの実装形態では、HID360は、ユーザへのメッセージ(例えば、バッテリ寿命を報告する、システムステータスを報告する、エネルギー分注デバイスゾーン情報を報告するなど)を生成および表示することができる画面を含む。HID360は、ユーザ入力を受信するため、またはユーザに情報を提供するために、プロセッサ310と通信する。
【0063】
いくつかの実装形態では、システム300は、低エネルギー無線通信システム370をさらに含む。低エネルギー無線通信システム370は、プロセッサ、アンテナ、および他の低エネルギー無線デバイスと通信するために必要な他の構成要素を備え得る。低エネルギー無線通信システム370は、IEEE 802.15(例えば、Bluetooth)などの所定のプロトコルを介して通信するように構成され得る。低エネルギー無線通信システム370は、モバイルロケーションデバイス10内のシステム300のプロセッサ310と通信することができる。いくつかの実装形態では、低エネルギー無線通信システム370は、遠隔駐車取締デバイス、エネルギー分注デバイス、立体駐車場のビーコン、エネルギー分注ステーションのビーコン、および他の同様に構成された無線デバイスと通信することができ、これにより、衛星システム信号を全くまたはほとんど使用せずに所定の場所でのロケーション検出を容易にし得る(例えば、GNSS信号を取得することができないロケーションで)。
【0064】
図4、
図5、および
図6は、
図3に関連して論じられた、モバイルロケーションデバイス10内のシステム300の構成要素のうちのいくつかに関するさらなる詳細を示すブロック図である。
【0065】
ここで
図4を参照すると、モバイルロケーションデバイス10の特定の構成要素間のシグナリングのいくつかの実装形態が示されている。
図3に示されるように、プロセッサ410(
図3にプロセッサ310としても示される)は、複数の異なる構成要素と通信する。様々な実装形態では、プロセッサ410は、電力を管理し、
図4二示される異なるモジュールからの情報を収集して使用する。プロセッサ410は、ユニバーサル非同期受信機送信機(UART)を介して(ジオロケーション位置特定システム320の構成要素である)GNSSモジュール420と通信する。GNSSモジュール420からの座標に関する情報は、UARTを介してプロセッサ410に送信される。GNSSモジュール420は、いくつかの実装形態では、1Hzパルスを生成し、1Hzパルスをプロセッサ410に送信してもよい。いくつかの実装形態では、1Hzパルスは、プロセッサ410と通信する異なるモジュールまたは構成要素からのデータを同期させるために使用されてもよい。
【0066】
(
図3のMEMSシステム330の構成要素である)MEMSナビゲーションモジュール425、(
図3の無線通信システム350の構成要素である)セルラモジュール435、および(
図3の低エネルギー無線通信システム370の構成要素である)Bluetoothモジュール440も図示されている。MEMSナビゲーションモジュール425は、集積回路間(I
2C)を介してプロセッサ410と通信し、その一方でセルラモジュール435およびBluetoothモジュール440は、UARTを介してプロセッサ410と通信する。本明細書に記載されるモジュールは、任意の適切な方法を使用してプロセッサ410と通信し得ることを理解されたい。例えば、MEMSナビゲーションモジュール425は、I
2Cを介してプロセッサ410に慣性測定データを送信し、これは、プロセッサ410がGNSSモジュール420から取得する座標データを補正するのを助けるために使用することができる。プロセッサ410は、UARTを介してセルラモジュール435にデータを送信し、これを通じてモバイルロケーションデバイス10は、モバイルロケーションデバイス10の座標およびステータスなどのモバイルロケーションデバイス10の現在の状態を送信するためにサーバと通信する。いくつかの実装形態では、GNSSモジュール420は、GNSSモジュール420にGNSS補正データを供給するために、I
2Cを介してセルラモジュール435と通信することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10上のファームウェアは、プロセッサ410と通信するセルラモジュール435を通じて更新され得る。いくつかの実装形態では、Bluetoothモジュール440は、モバイルロケーションデバイス10とユーザのユーザデバイス140との間の接続を確立するために、UARTを介してプロセッサ410と通信する。
【0067】
USBコネクタ445は、ユニバーサルシリアルバス規格を介してプロセッサ410に接続されるものとして示されている。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10はUSBコネクタ445を含まなくてもよい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10は、他のタイプの適切なコネクタを含む。様々な実装形態では、USBコネクタ445は、モバイルロケーションデバイス10に電力供給し、モバイルロケーションデバイス10内のバッテリを充電し、モバイルロケーションデバイス10上のファームウェアを更新するために使用することができる。
【0068】
(
図3の電力回路システム340の構成要素である)電力管理IC430、リニアレギュレータ450、リニアレギュレータ455、リニアレギュレータ460、およびパワーキー465は、プロセッサ410と通信する。プロセッサ410は、いくつかの実装形態では、論理レベルを使用して、デバイスの電力、ならびに
図4に示される異なる構成要素への電力を制御することができる。例えば、プロセッサ410は、モバイルロケーションデバイス10全体をオフにすることができ、または個々のモジュールへの電力リニアレギュレータ450、455、および460の出力をオフにすることができる(モジュール間の電力接続は
図5に示されている)。プロセッサ410はまた、いくつかの実装形態では、論理レベル信号をパワーキー465に送信することによって、セルラモジュール435をオフにすることもできる。いくつかの実装形態では、異なるモジュールを選択的に停止する能力により、非常に電力効率のよいデバイスを作成する。
【0069】
図5は、電源相互接続を示す、(
図3の電力回路システム340に対応する)電力回路システム500のいくつかの実装形態のブロック図を示す。一実装形態では、電源の中心は、(
図4のUSBコネクタ445に対応する)USBコネクタ510およびバッテリ515の両方から電力を受け取り、2つの電源の間で動的に切り替えるように構成された電力管理集積回路(IC)505である。いくつかの実装形態では、USBコネクタ510が電力に使用される場合、電力管理IC505はバッテリを充電させる。図示される実装形態では、(
図4のセルラモジュール435に対応する)セルラモジュール520は、電力管理IC505から直接給電される。他の図示されるモジュールプロセッサ530、MEMSナビゲーションモジュール540、GNSSモジュール550、およびBluetoothモジュール560は、全てLDO(低ドロップアウト)リニアレギュレータ525、リニアレギュレータ535、リニアレギュレータ545、リニアレギュレータ555を介して電力供給される。上述のように、
図5のモジュールは、
図4で上述されたモジュールに対応し、これらは
図3で論じられたシステムの構成要素である。やはり
図4に関連して上述されたように、この構成は、電力の効率的な使用を保証するように、プロセッサ410が様々なモジュールに供給される電力を制御することを可能にする。例えば、プロセッサ410は、GNSS信号を受信することができないロケーション(例えば、立体駐車場、トンネル内など)にモバイルロケーションデバイス10があるとプロセッサ410が判定すると、GNSSモジュール550を停止することができる。プロセッサ410は、モバイルロケーションデバイス10の最大バッテリ寿命または最も効率的な電力消費を保証するために、異なるトリガ条件下で異なるモジュールを選択的に停止するように構成することができる。トリガイベントは、MEMSデータおよび/またはGNSSデータによって停止条件が検出された後のタイマの満了などのイベントを含み得る。
【0070】
図6は、人間の入力およびモバイルロケーションデバイス10のフィードバック機構を示す、(
図3のHID360に対応する)ヒューマンインターフェースデバイス(HID)システム600のいくつかの実装形態のブロック図を示す。図示される実装形態では、(プロセッサ310、410などに対応する)プロセッサ610が、ボタン620、ボタン625、ボタン630、およびLED635に接続される。より少ないボタン、またはより多くのボタンをモバイルロケーションデバイス10に追加することができることを理解されたい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10のユーザに情報を供給するために、複数のLEDライトが使用される。いくつかの実装形態では、LED635に加えて、または代わりに、表示画面が含まれてもよい。
図6の図示される実装形態では、ボタン620は、モバイルロケーションデバイス10への電源をオンにすることに関連付けられ、ボタン625は、モバイルロケーションデバイス10の内部診断テストをトリガすることに関連付けられ、ボタン630は、モバイルロケーションデバイスをリセットすることに関連付けられている。ボタンは、任意の適切な機能をトリガするように構成され得る。いくつかの実装形態では、1つ以上のボタンが、複数の異なる機能に関連付けられてもよい。いくつかの実装形態では、リセットボタン630は、偶発的な起動を防止するために、モバイルロケーションデバイス10の表面から凹んでいてもよい。いくつかの実装形態では、LED635は、様々な異なる方法でユーザに情報ステータスを提供し得る。いくつかの実装形態では、LED635は、デバイスの電源がオンにされたときに特定の色を点灯し、試験が行われているときに異なる色を点灯し、リセットが行われているときにさらに別の色を点灯してもよい。いくつかの実装形態では、プロセッサ610は、異なるイベント(例えば、通信モード、低バッテリモード、充電モード、エラー状態など)をユーザに警告するために、LED635を異なるパターンで点滅させてもよい。
【0071】
ここでモバイルロケーションデバイス10の動作に目を向けると、上述のように、モバイルロケーションデバイス10は、様々なレベルの座標精度を精製することができる異なるGNSSモジュールで構成することができる。上述のように、ロケーションまたは位置特定データのいくつかの用途は、高い精度を必要とする。例えば、いくつかはおよそ4メートル以下の位置特定制度を必要とする。このレベルの精度を得ることは、高額なGNSSモジュールを使用するか、より安価なGNSSモジュールを使用するかにかかわらず、密集した都市設定のような特定の状況では困難であり得る。密集した都市設定で安定したGNSSデータを得ることは、いくつかの課題をもたらす。「都市キャニオン」における高層ビルは、いくつかの衛星からのGNSS信号を完全に遮断し、その結果、衛星幾何学が貧弱になる。立体駐車場およびエネルギー分注デバイスのアイランドキャノピーは、GNSS信号を妨害する可能性がある。GNSS信号は、様々な表面によって反射される可能性があり、見通し外(NLOS)GNSS信号受信、ならびにGNSS信号のマルチパス汚染につながる。GNSS受信機が車両の内部に配置されると、車両の屋根によって上空の視界がさらに妨害される可能性があり、車両内に存在する身体および物体によってマルチパス効果が強化される。閾値速度(例えば、2km/時、5km/時、または何らかの他の適切な速度)未満で移動しているとき、GNSS信号は、ドリフトエラー(例えば、GNSS信号が、車両の実際の位置以外の近くの位置を示す)を被る可能性もある。多くのGNSSモジュールおよびシステム(例えば、GNSS受信機およびアンテナ)は、前述の効果の影響を受けやすい。前述の効果の結果、位置検出収束時間が長くなり、座標のジャンプが10メートルを超える可能性がある。いくつかのハイエンドGNSS受信機は、ハードウェアレベルでの上述の弊害の影響の一部を緩和するように構成される。しかしながら、このようなハイエンドGNSS受信機は、極端に高額で、極端に大きく、高いエネルギー消費を必要とし、依然として同じ問題を抱えている。これらのハイエンドGNSS受信機は、これらのデバイスの高コスト、許容不可能な物理的サイズ、および高いエネルギー消費のため、大量市場のプラットフォームには利用できない。また、密集した都市設定では、ハイエンドGNSS受信機であっても、高精度の位置検出を必要とするロケーションシステムに有用であるために十分な完全性(例えば、およそ4メートル以下)の座標出力を提供するために、貧弱な衛星幾何学、NLOS信号受信、マルチパス効果、および低速ドリフト効果に由来する問題を克服することができない場合が多い。
【0072】
したがって、安価なローエンドGNSS受信機を使用することができる高精度ロケーション(または位置)検出システムの需要が存在する。
図7および
図8に開示されるように、本明細書の開示は、安価なGNSS受信機を使用することができる高精度ロケーション(または位置)検出システムを詳述しており、開示されるような推定フィルタを使用しておよそ4メートル以下の高精度ロケーション検出が達成され得るが、検出システムは、低コスト、小型サイズ、および低エネルギー消費であり得る。いくつかの実装形態では、およそ4メートル以下の高精度ロケーション検出を達成しながら、低コスト、小型物理的サイズ、および低エネルギー消費であるために、GNSSデータストリームは、少なくとも1つ以上の他のロケーションデータソースで補完され得る。いくつかの実装形態では、高精度ロケーション(または位置)検出システムは、推定フィルタ、および本明細書に開示されるような他のデータソースでのGNSSデータストリームの補完の両方を使用することができ、およそ4メートル以下の高精度ロケーション検出を達成し得るが依然として低コスト、小型物理的サイズ、および低エネルギー消費であり得る。
【0073】
図7は、モバイルロケーションデバイス10においてロケーションデータストリームを取得するプロセス700の信号処理経路を示すいくつかの実装形態のフローチャートである。モバイルロケーションデバイス10内の1つ以上のプロセッサは、ロケーションデータストリームを、モバイルロケーションデバイス10に関連付けられた高精度ロケーションデータに変換する。いくつかの実装形では、モバイルロケーションデバイス10は、複数のソースからロケーションデータストリームを取得する。ソースは、GPSおよびGLONASSなどの衛星からのGNSS信号705、GNSS補正データ720、ならびに組み込みVMD/MEMSデータモジュール725の慣性センサおよび/または他のセンサ測定データを含んでもよく、車両運動データは、モバイルロケーションデバイス10の組み込み車両運動検出(「VMD」)システム(図示せず)および/またはMEMSモジュール(
図4に示されるように、MEMナビゲーションモジュール425)から生じ得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10が車両内の組み込みシステムではなく、車両センサからの車両運動データ(例えば、車輪速度データ、ヨーレートなど)にアクセスできないとき、VMD/MEMSデータモジュール725は、車両のVMDにアクセスできないMEMSモジュールである。いくつかのこのような実装形態では、MEMSモジュールは、加速度計データから車両速度を、およびジャイロスコープからヨーレートを提供するために使用することができる。いくつかのこのような実装形態では、MEMS起用球車両速度データは、GNSSデータからのGNSS導出速度データのバックアップまたは代替として使用することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10が車両内の組み込みシステムではないとき、VMD/MEMSデータモジュール725は、車両のCANバスなどを通じて、車両のVMDへのアクセスを有し得る。いくつかのこのような実装形態では、車両運動データの1つ以上の項目は、車両車輪速度(例えば、正確な速度データのため)および操舵角(例えば、ヨーレートを計算するために使用することができる)など、車両のセンサから導出することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10が車両内の組み込みシステムであるとき、VMD/MEMSデータモジュール725は別個のMEMSモジュールを必要としない場合がある。すなわち、いくつかのこのような実装形態では、VMD/MEMSデータモジュール725は、車輪速度データ、ヨーレートデータなどを既に提供している車両に組み込まれた1つ以上の様々なセンサから非GNSS導出運動データを取得し得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10はまた、GISデータ(図示せず)も取得し得る。モバイルロケーションデバイス10は、いくつかの実装形態では、他の適切なデータ入力ストリームを取得してもよい。
図7に示されるロケーションデータ入力ストリームの一部または全部は、いくつかの実装形態では使用または取得されなくてもよいことを理解されたい。利用可能なとき、および必要に応じて、GNSSモジュール715は、アンテナ710を通じて利用可能な衛星からGNSS信号705を取得する。GNSS信号705は、GPSタイムスタンプ;緯度、経度、高さ;解決策ステータス;対地速度;および方位角などの、ただしこれらに限定されない情報を含み得る。
【0074】
いくつかの実装形態では、GNSSモジュール715は、必要ではないものの、GNSS補正データ720も取得し得る。図示されていないが、いくつかの実装形態では、GNSS補正データ720は、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサ310などのプロセッサから取得され得る。プロセッサ310は、データセンタ120内のサーバ、またはモバイルネットワーク110を通じてインターネット130に接続されたサーバを介してこのようなGNSS補正データ720を取得してもよい。いくつかの実装形態では、GNSS補正データ720は、固定地上ベースの基準局などの他のソースから受信されてもよい。GNSS補正データ720は、差分GPSデータ、エフェメリス、アルマナック、正確な時間、衛星ステータス、および任意の他の適切なデータポイントを含み得る。以下でさらに論じられるように、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサ(例えば、プロセッサ310)は、モバイルロケーションデバイス10のより正確なGNSSロケーションデータを計算および決定するために、GNSS補正データ720を受信したGNSS信号705に適用し得る。
【0075】
(MEMSシステム330およびMEMSナビゲーションモジュール425、および/または車両の組み込みVMDシステムに対応する)組み込みVMD/MEMSデータモジュール725は、加速度計およびジャイロスコープなどのセンサを含み、VMDの場合、MEMSデータと同様のセンサデータを含んでもよく、車輪回転(車輪速度)および操舵角(回転半径)などの車両機械システムに結合されたセンサに関連付けられた車両運動データを含んでもよい。いくつかの実装形態では、組み込みVMD/MEMSモジュール725は、直線加速度、磁場、および角速度などの車両運動データを取得する。いくつかの実装形態では、MEMSシステム330は、3次元の慣性運動データを取得するために、各測定の少なくとも3つの異なるチャネルを含み得る。いくつかの実装形態では、上述のように、MEMSシステム330によって提供される加速度は、非GNSS導出速度であって車両運動データ速度である車両の速度を計算するために使用することができる。いくつかの実装形態では、計算された車両速度は、以下に記載されるデュアルモードカルマンフィルタに提供される速度情報として使用することができる。いくつかの実装形態では、MEMSシステム330からの計算された車両速度は、デュアルモードカルマンフィルタに提供され、GNSSモジュールから取得されたGNSS導出速度情報の代わりに使用される(例えば、CN0データから決定することができるように、GNSSデータが高度に関連するレベルの不確実性を有するためにGNSSデータを信頼することができないとき)。
【0076】
GNSSモジュール715および組み込みVMD/MEMSデータモジュール725は、データストリームを同期させるGNSS/VMD-MEMSデータ同期ブロック730にそれらのデータを送信し、同期されたGNSS/VMD-MEMSデータストリーム740は、座標データ760の最終セットを推定することができるカルマンフィルタ750などの推定フィルタに入力され得る。座標データ760の最終セットに関する最終は、追加の座標データが生成されないという意味での最終ではないことを理解されたい。いくつかの実装形態では、推定フィルタは、座標データを連続的に生成する。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタ750のような推定フィルタに供給されるデータ(例えば、GNSS/VMD-MEMSデータストリーム740)は、重みまたは信頼値に割り当てられてもよく、座標データを生成するためにデータがどのように使用されるかを決定するために、推定フィルタはこれを使用することができる。データの信頼性が低下するにつれて、推定フィルタは、座標データを生成するために提供されるデータにあまり依存しなくなる可能性がある。例えば、速度プリプロセッサ745は、受信したGNSSデータから取得されたCN0データに基づいて分散位置測定値(VPMV)を決定してもよい。CN0値が減少するにつれて、VPMV値は、特定のスケールに沿って増加し得る。いくつかの実装形態では、VPMVは、GNSSデータと共に推定フィルタに提供される。GNSSデータについてVPMV値が増加するにつれて、推定フィルタは、座標データを生成するために、GNSSデータにあまり依存しなくなり、VMD-MEMsデータにより依存するようになり得る。いくつかの実装形態では、例えば、GNSSデータのCN0値が所定の閾値(例えば、20または何らかの他の適切な数)を下回るとき、速度プリプロセッサ745は、座標データを生成するときに推定フィルタがGNSSデータを実質的に無視し得るほど高いGNSSデータのVPMV値を決定し得る。
【0077】
GNSSデータが実質的に無視されるいくつかの実装形態では、例えば、GNSSデータからの速度データ(GNSS導出速度)またはMEMSシステム330からの速度データ(車両運動データ速度)のどちらを使用すべきかを決定することができる速度プリプロセッサ745。例えば、GNSSデータから取得されたCN0データが、GNSSデータが不確実性の閾値レベルを下回ること、またはVPMVが閾値を上回ることを示す場合、速度プリプロセッサ745は、MEMSシステム330から計算された速度データをデュアルモードカルマンフィルタ750に供給させてもよい。例えば、車両運動デバイス10のプロセッサは、MEMSシステムから取得された加速度データから速度データを計算してもよく、この速度データは、GNSSデータから取得された速度データ上の座標データのその生成においてカルマンフィルタ750によって使用することができる。
【0078】
いくつかの実装形態では、GNSSデータが2つ以上のGPS衛星システムから導出されるとき、CN0が不確実性の閾値レベルを下回るか否かを決定するプロセスは、GNSSデータを提供するために使用されたGPS衛星システムのうちの少なくとも2つからの2つ以上のCN0データポイントの平均をとることに基づく。いくつかの実装形態では、CN0が不確実性の閾値レベルを下回るか否かを決定するために使用されるCN0値は、GNSSデータを生成するために使用される各衛星システムからの平均CN0値を使用して計算される。いくつかの実装形態では、CN0が不確実性の閾値レベルを下回るか否かを決定するために使用されるCN0値は、GNSSデータを生成するために使用される衛星システムのサブセットからの平均CN0値を使用して計算される。速度プリプロセッサ745は、デュアルモードカルマンフィルタ745とは別個のものとして示されているが、いくつかの実装形態では、速度プリプロセッサ745の機能をデュアルモードカルマンフィルタ750に統合することもできる。車両車輪速度データが利用可能であるとき(例えば、VMD情報を取得することができるとき)、速度プリプロセッサ745は必要ない場合があるか、またはMEMSシステム330から計算されたGNSSデータもしくは速度データからの速度データ上の車両車輪速度データを使用することをデフォルトにすることを理解されたい。最終座標は、カルマンフィルタ745によって座標データストリーム760として連続的に出力されてもよく、例えば、いくつかの実装形態では、1Hzの生データ出力レートを有するGNSSモジュール715に基づいて、1Hzの出力レートに設定されてもよい。いくつかの実装形態では、推定フィルタは、
図8に関連して論じられる新規なデュアルモードカルマンフィルタ750であってもよい。
【0079】
モバイルロケーションデバイス10内のプロセッサ310などのプロセッサは、GNSSモジュール715および組み込みVMD/MEMSデータモジュール725からデータストリームを受信し、同期を実行し、カルマンフィルタ750計算を含み得る計算を実行する役割を担い、そのように構成され得ることを理解されたい。いくつかの実装形態では、プロセッサ310は、正確なGNSS補正データ720を受信し、正確なGNSS補正データ720をGNSSモジュール715にルーティングすることなくGNSSモジュール715からのGNSS信号に補正を適用し得る。
【0080】
図8は、モバイルロケーションデバイス(例えば、モバイルロケーションデバイス10)の高精度座標データを捕捉および計算するためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示す、プロセス800のフローチャートである。ブロック805において、いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサなどのプロセッサは、GNSSデータおよび非GNSS運動データ(例えば、MEMSおよび/またはVMDから受信した車両運動データ)を受信することができる。いくつかの実装形態では、例えば、GNSSデータはGNSSモジュール725から受信することができ、非GNSS運動データはVMD/MEMSデータモジュール725から受信することができる。
図7に示されるように、GNSSモジュール715は、いくつかの実装形態では、複数の他のソースからGNSS衛星データまたはGNSS衛星データプラス補正データを受信し得る。GNSSデータの2つ以上のソースが受信されたとき、GNSSモジュールのプロセッサは、任意の受信した補正データでGNSS衛星データを修正し得る。ブロック810において、いくつかの実装形態では、上述のように、GNSSモジュールは、GNSSデータからタイミングデータを取得し、同期タイミングパルスを生成するためにこのデータを使用する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサは、同期タイミングパルスを提供する。同期タイミングパルスは、他の任意の適切な機構を使用して提供することができる。ブロック810において、いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサは、タイミングパルスを使用して、受信したGNSSデータおよび非GNSS運動データを同期させる。いくつかの実装形では、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサはまた、使用すべき速度データのソースを決定するために、GNSSおよび非GNSS運動データを前処理してもよい。例えば、モバイルロケーションデバイス10のプロセッサは、
図7の速度プリプロセッサ745に関連して論じられたように、GNSSデータからの速度データを使用すべきか、または非GNSS運動データから速度データポイントを計算すべきかを決定してもよい。
【0081】
ブロック820において、同期されたデータ値がカルマンフィルタに入力される。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、新規なマルチモードカルマンフィルタである。いくつかの実装形態では、マルチモードカルマンフィルタは、第1のモードおよび第2のモードを含む。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、より少ないまたは追加のモードを含むことができる。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタの第1のモードは、カルマンフィルタが車両の予測位置座標データを生成し、受信したGNSSデータおよび非GNSS運動データに基づいて次の予測位置座標データを生成するために使用されるモデルの確率を調整する、ダイナミックモードである。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタの第2のモードは、GNSSデータおよび非GNSS運動データからの特定のデータを同じ所定値または異なる所定値に設定することができ、所定値がGNSSモジュールまたはVMD/MEMSデータモジュールから受信されるデータとは無関係である、定位置モードである。いくつかの実装形態では、GNSSデータおよび非GNSS運動データからの特定のデータは、カルマンフィルタの定位置モードのために変更または置換される。定位置モードは、GNSSモジュールまたはVMD/MEMSデータモジュールから取得された動的な値に依存するのではなく所定値に設定することができる1つ以上のタイプのデータに起因して、このように呼ばれる。いくつかの実装形態では、所定値は、ゼロまたは何らかの他の適切な値とすることができる。いくつかの実装形態では、車両ロケーション座標データを生成するためにカルマンフィルタによって使用される速度値は、所定値(例えば、ゼロまたは何らかの他の適切な数)に設定することができる。いくつかの実装形態では、速度値を所定値に設定することで、GNSSモジュールによって提供された速度値またはVMD/MEMSデータモジュールによって提供された速度を無効にするか、そうでなければ変更してもよい。いくつかの実装形態では、車両ロケーション座標データを生成するためにカルマンフィルタによって使用されるヨーレートは、所定値(例えば、ゼロまたは何らかの他の適切な数)に設定することができる。いくつかの実装形態では、ヨーレート値を所定値に設定することで、VMD/MEMSデータモジュールによって提供されたヨーレート値を無効にするか、そうでなければ変更してもよい。定位置モードのいくつかの実装形態では、機首方位値は、固定値に設定することができる。カルマンフィルタの定位置モードのために他の適切な値を変更することができることを理解されたい。
【0082】
ブロック825において、現在の速度が所定の閾値速度(例えば、2km/時、5km/時、または何らかの他の適切な速度)を下回るとき、カルマンフィルタは、第2のモードまたは定位置モードに切り替えるかまたは変更する。例えば、ブロック830に示されるように、いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、定位置モードを使用して更新し、カルマンフィルタによって維持された更新済み予測モデルに基づいて座標データを生成/出力する。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタ750の定位置モードについて、速度およびヨー(例えば、回転速度)はゼロに設定され、機首方位は固定される。例えば、いくつかの実装形態では、機首方位は、現在の速度が所定の閾値速度を下回ると判定されると、カルマンフィルタ750によって出力された最後の既知の機首方位に固定することができる。いくつかの実装形態では、現在の速度が所定の閾値速度を下回ると判定されると、カルマンフィルタは、トリガイベントが発生するまで定位置モードのままであってもよい。いくつかの実装形態では、トリガイベントは、所定の期間とすることができる。いくつかの実装形態では、トリガイベントは、車両の速度が閾値速度を上回ると判定することであり得る。いくつかの実装形態では、トリガイベントが発生すると、カルマンフィルタはダイナミックモード(例えば、第1のモード)に戻ってもよい。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタのために定位置モードがトリガされると、モバイルロケーションデバイス10は、ブロック830から所定数のカルマンフィルタ座標出力を捕捉し得る。いくつかの実装形態では、所定数の捕捉された座標出力は、カルマンフィルタからの5つの座標出力である。いくつかの実装形態では、所定数は、5より少なくても5より多くてもよい。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタの定位置モードを使用する座標出力は、車両ロケーションに基づいてトリガすることができるサービス(例えば、駐車セッション、車両燃料補給セッション、車両充電セッション、カーブサイドピックアップセッションなど)を決定するために使用される。
【0083】
ブロック825に戻ると、いくつかの実装形態では、現在の速度が2km/時(何らかの他の適切な閾値)などの所定の閾値速度以上であるとき、ブロック835のカルマンフィルタは、ダイナミックモードを使用して更新し、カルマンフィルタによって維持された更新済み予測モデルに基づいて座標データを出力する。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタ750のダイナミックモードについて、速度および回転速度はゼロに設定されず、機首方位は固定されない(例えば、これらは、GNSSデータおよび非GNSS運動データからなど、ブロック820における入力としてそれらの値を維持する)。いくつかの実装形態のブロック840において、ブロック830またはブロック835の更新済み予測モデルに基づいて出力された座標データは、メモリに記憶されてもよく、いくつかの実装形態では、ブロック850に示されるようにジオマッピングサーバに送信されてもよい。
【0084】
いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、確率的予測モデルを最小化するように計算された不確実性行列に基づいて、異なる重みをデータ入力(例えば、GNSSデータおよび非GNSS運動データ)に割り当てる。例えば、モバイルロケーションデバイスが橋の下にあり、GPS信号が弱い場合(CN0によって示されるように、搬送波対雑音密度データ値)、カルマンフィルタは、モバイルロケーションデバイスの座標データを計算する目的で、GNSSデータにより低い重みを割り当て、MEMSデータにより高い重みを割り当ててもよい。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタが(例えば、速度が所定の閾値未満であるため)定位置モードで動作しており、GNSSデータ整合性が所定の整合性レベルを超過する(例えば、関連する不確実性が低い)とき、車両速度が閾値速度未満であっても、カルマンフィルタはダイナミックモードに戻り得る。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、GNSSモジュールによって提供された緯度および経度データを吟味することによって、GNSSデータ整合性が所定の整合性レベルを超えると判定する。いくつかのこのような実装形態では、GNSSモジュールからの連続する緯度および経度データポイント(または所与の期間にわたる緯度および経度データポイント)閾値量が、車両が移動していることを示す場合、カルマンフィルタは、GNSSデータを信頼すべきであり、カルマンフィルタはダイナミックモード(例えば、第1のモード)に戻るべきであると判定する。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、所定の期間にわたって反転ダイナミックモードに留まることができ、またはGNSSデータ整合性は所定の整合性レベルを下回る。カルマンフィルタは、他の適切なトリガイベントに基づいて、定位置モードからダイナミックモードに保つことができる。
【0085】
カルマンフィルタは、タイムスタンプ、緯度、経度、および楕円体高を含む座標データを生成し得る。ロケーションデータ入力に基づいて、他の適切な出力を計算することができる。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタは、より少ないデータ項目を有する座標データを生成してもよい。
【0086】
いくつかの実装形態では、単一の座標データポイントを取得することは、ロケーション検出目的に十分であり得る。いくつかの実装形態では、プロセス800は、
図8に示されるようなループで動作してもよく、これによって状態変数およびカルマンフィルタの重み付けなどの他の値を維持し、これにより、現在位置上の軌跡を維持し、次に推定ロケーションデータを必要とするときにフィルタがその状態変数および他の値を再確立するための起動初期化時間をなくす。このような初期化プロセスは詳細に記載されないが、いくつかの実装形態では、プロセス800の最小サイクル数(ループ数)として表されてもよい。上述のように、ブロック850では、モバイルロケーションデバイスのプロセッサは、モバイルロケーションデバイス10によって決定された座標データを使用するために、座標データポイントをローカルシステムまたはモジュールに、もしくは図示されるようなジオマッピングサーバなどの遠隔システムに送信され得る。いくつかの実装形態では、カルマンフィルタプロセスから出力された座標データのこのような送信は、あらゆるポイントで、または計算されたデータポイントもしくは時間の何らかの他の間隔で(例えば、例えば、データポイント1つおき、データポイント5つおき、20ごとなど)、行われてもよい。いくつかの実装形態では、このような送信は、プロセッサによって受信された現在位置のクエリに基づいてもよい。いくつかの実装形態では、このような送信は、停止状態を示すゼロの検出速度などのトリガイベント、または(ブロック825で論じられるような)特定の閾値を下回る速度などのシステム状態に基づいてもよい。いくつかの実装形態では、5データポイント、10データポイント、または何らかの他の適切な数のデータポイントなど、トリガイベントに応答して所定数のデータポイントが送信されてもよい。いくつかの実装形態では、現在の座標データを送信するために、間隔、クエリ、トリガイベント、および/またはシステム状態の組み合わせが使用され得る。
【0087】
モバイルロケーションデバイスの高精度ロケーション検出は、いくつかの実装形態では、ロケーション検出に利用可能なGNSSデータを有さなくてもよいことを理解されたい。図示されていないが、モバイルロケーションデバイスの地理的位置を決定するプロセス800は、ロケーションデータの他のソースを使用してもよい。例えば、地理的領域全体に低エネルギー無線ビーコンが設置されてもよい。これらの低エネルギー無線ビーコンは、衛星から取得されたGNSSデータと同様のロケーション情報をブロードキャストし得る。一実装形態では、1つ以上のロケーションビーコンが、立体駐車場またはエネルギー分注ステーションに設置されてもよい。したがって、モバイルロケーションデバイスがこのようなステーションに入り、ロケーションデータの他のソースが失われると、モバイルロケーションデバイスは、モバイルロケーションデバイスが特定のエネルギー分注ステーションにあると判定するために、1つ以上のビーコンからのロケーションデータブロードキャストを受信することができる。同様に、他のロケーションデータが利用できないとき、セルラタワー三角測量およびIEEE 802.11(wifi)三角測量を使用することができる。
【0088】
低コストだが高精度のロケーション検出は、地理的位置情報を必要とするいくつかの異なるシステムで使用することができることを理解されたい。いくつかの実装形態では、上述のように、自動エネルギー分注および支払いシステムは、モバイルロケーションデバイスが特定のエネルギー分注デバイスに関連付けられたジオロケートゾーン内にあるか否かを判定するために、高精度ロケーション検出を必要とし得る。いくつかの実装形態では、自動駐車および支払いシステムは、ロケーションデバイスが法定駐車ゾーン内に駐車されているか否かを判定するために、高精度ロケーション検出必要とし得る。いくつかの実装形態では、高精度ロケーション検出は、誤った方向を提供することを回避するために、改良された方向システムのために有用である(より良い方向を取得するために、より正確な位置情報を携帯電話のマッピングアプリケーションに供給することができる)。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、社有車を管理するための正確なデータを収集および提供するために、企業の社有車に設置することができる。いくつかの実装形態では、自動カーブサイドピックアップシステムは、ロケーションデバイスが特定のジオロケートピックアップゾーン内に位置しているか否かを判定するために、高精度ロケーション検出を必要とし得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、通行料金支払いを提供し、ユーザが車両内に維持しなければならないデバイスの数を削減するために、料金所通過システムと対話することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスおよび高精度ロケーション検出システムは、保険データ分析のために車両の使用に関する様々な異なるデータポイントを追跡し得る。高精度ロケーション検出システムおよび方法のための使用の上記のリストは、単なる例であり、他の適切なユーザが考えられる。
【0089】
さらなる議論を目的として、
図9~
図15は、低コストで高精度なロケーション検出システムの使用を提供するいくつかの実装形態を、より詳細に記載する。
【0090】
図9は、プロセス900における安全な通信のためにデータセンタ120内のジオマッピングサーバと接続するモバイルロケーションデバイス10のいくつかの実装形態を描写するフローチャートである。セキュリティ目的のために、プロセス900が開始する前に、モバイルロケーションデバイス10は、プライベートインターネットプロトコル(IP)アドレス、デバイスID、加入者識別モジュール(SIM)チップ(またはeSIM)内の加入者識別情報、およびジオマッピングサーバとどのように連絡するかに関する情報などの特定の識別情報を用いて割り当ておよび構成され得る。ジオマッピングサーバまたは何らかの関連サーバまたはデータベースは、登録および通信プロセス中に、後の検証のためにモバイルロケーションデバイスに関連付けられた、割り当てられたプライベートIPアドレスおよびSIMチップ情報を記憶するように構成される。
【0091】
ブロック910において、モバイルロケーションデバイス(モバイルロケーションデバイス10など)は、ローカル無線ネットワーク(モバイルネットワーク110など)に登録する。いくつかの実装形態では、これは、モバイルロケーションデバイスの電源がオンにされたとき、またはユーザがモバイルロケーションデバイス上のボタンを押したときに、自動的に行われ得る。モバイルロケーションデバイスがGSMネットワーク上で動作するいくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、国際モバイル加入者識別情報(IMSI)アタッチ手順を実行し得る。しかしながら、モバイルロケーションデバイスをローカル無線ネットワークに登録するために、任意の適切な登録手順が採用され得る。一実装形態では、ローカル無線ネットワークは、モバイルロケーションデバイスからの通信トラフィックが所定の方法でジオマッピングサーバにルーティングされることを知るために、モバイルロケーションデバイスに関連付けられた何らかの固有の識別情報を認識するように構成される。このような一実装形態では、モバイルロケーションデバイスからデータセンタ120内のジオマッピングサーバまで通信トラフィックを搬送するために、ローカル無線ネットワークによってVPNトンネルが設定される。
【0092】
いくつかの実装形態では、ローカル無線ネットワークへの接続が確立されると、モバイルロケーションデバイスは、ブロック920において、論理ソケット通信ポート番号(例えば、送信制御プロトコル(TCP)ポート番号のうちの1つ)をランダムに(または擬似ランダムに)選択し、ジオマッピングサーバとの通信のためにランダムに選択されたポートを開放する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスのみが、ランダムに選択された通信ポート番号を最初から知っている。このようにして、モバイルロケーションデバイスが他の通信ポート番号でメッセージまたは他の通信要求を受信した場合、モバイルロケーションデバイスは、このような通信要求が承認されていないことを知ることになる。いくつかの実装形態では、承認されていない通信要求が選択されていない通信ポート番号で受信されると、モバイルロケーションデバイスは、ハッキングの試み、サービスの試みの拒絶、または他の望ましくない侵入または通信をオフにし得る。
【0093】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、ブロック930において、ランダムに選択された通信ポート番号、モバイルロケーションデバイスIDを含むメッセージを、モバイルネットワーク(例えば、ローカル無線ネットワーク)を通じてジオマッピングサーバに送信する。いくつかの実装形態では、接続を確立するために、SIMチップID(またはeSIM ID)およびプライベートIPアドレスなどの異なるセットの情報をジオマッピングサーバに送信し得ることを理解されたい。上述のように、ブロック930におけるメッセージは、VPNを通じてモバイルネットワークを通じて送信され得る。VPNは、モバイルロケーションデバイスとジオマッピングサーバとの間のトラフィック通信を暗号化し、モバイルネットワーク上の他のホストまたはエンドポイントがモバイルロケーションデバイスまたはジオマッピングサーバを発見しないようにする(例えば、IPアドレスのセットまたはサブネットとの総当たりpingから)。しかしながら、いくつかの実装形態では、モバイルネットワーク上のモバイルロケーションデバイスとジオマッピングサーバとの間の通信トラフィックはVPNを通らなくてもよい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスおよびジオマッピングサーバは、モバイルネットワークを通じて送信された通信トラフィックを暗号化してもよく、または暗号化なしで通信を送信してもよい。
【0094】
ブロック940において、ジオマッピングサーバは、いくつかの実装形態では、少なくともモバイルネットワークを通じてモバイルロケーションデバイスからメッセージを受信する。ブロック950において、ジオマッピングサーバは、少なくともモバイルネットワークを通じたモバイルロケーションデバイスとの通信のために、安全な通信ポート(例えば、TCPポート)を開放し得る。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバはまた、インターネット接続を介して(例えば、インターネット130を通じて)ユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス140)と通信し得る。
【0095】
いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、ブロック960に示されるように、モバイルロケーションデバイスとの安全な接続を確立するために、モバイルネットワークを通じて、ランダムに選択された通信ポートでモバイルロケーションデバイスに少なくとも1つのメッセージを送信する。
【0096】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスのプロセッサは、ブロック970に示されるように、ジオマッピングサーバとの接続が失われたかまたはローカル無線ネットワーク(例えば、モバイルネットワーク)との接続が失われたかを判定する。例えば、モバイルロケーションデバイスは、所定量の時間が経過した後に、pingメッセージをジオマッピングサーバに送信してもよい。いくつかの実装形態では、デバイスへの電力が切断されるまで、またはユーザがジオマッピングサーバへのモバイルロケーションデバイスの接続を能動的に終了するまで、pingが繰り返されてもよい。ジオマッピングサーバへの接続が失われたかまたはローカル無線ネットワークとの接続が失われたとモバイルロケーションデバイスが判定した場合、プロセス900は、どちらの接続が失われたかに応じて、ブロック910または920のいずれかに戻り得る。
図9の図示される実装形態では、ジオマッピングサーバへの接続が失われているので、モバイルロケーションデバイスは、ブロック920において、ジオマッピングサーバとの接続を再確立するためにプロセス900を再び開始する。いくつかの実装形態では、接続を確立するプロセスは、モバイルロケーションデバイスのユーザによって実行されなければならない手動プロセスであることを理解されたい。例えば、ユーザは、プロセス900を開始または再開するために、モバイルロケーションデバイス上のボタンを押さなければならない。いくつかの実装形態ではモバイルロケーションデバイスが(USBまたは低エネルギー無線接続を介して)ユーザデバイス140と直接通信するとき、ユーザは、ユーザデバイス140に、プロセス900の任意の部分を開始または再開するために、モバイルロケーションデバイスへのコマンドを発行させてもよい。
【0097】
上述のように、プロセス900は、いずれの特定のシステムにも限定されず、遠隔サーバとの接続を確立使用と試みる任意のデバイスと共に採用することができる。
【0098】
図10A、
図10B、
図10C、
図10D、
図10E、および
図10Fは、エネルギー分注(例えば、ガソリン、ディーゼル、圧縮天然ガス、水素、電気など)および支払いシステムにおいて高精度ロケーション検出を使用するいくつかの実装形態の図である。いくつかの実装形態では、車両のためのエネルギー分注セッションは、エネルギー分注ゾーン(例えば、燃料ポンプまたは充電ステーションに隣接するジオロケートゾーン)に関連付けられた地理的ロケーションにおいて車両が所定の速度閾値を下回るまで減速したときにトリガされ得る。いくつかの実装形態では、エネルギー分注セッションは、購入および支払いの記録としてユーザデバイスにレシートを送信するなど、分注されたエネルギーに対する支払いトランザクションの完了時に完了し得る。いくつかの実装形態では、ユーザ(例えば、ユーザ245)は、車両1000(図示せず)内にモバイルロケーションデバイス(例えば、モバイルロケーションデバイス10)を配置する。いくつかの実装形態では、車両1000は、モバイルロケーションデバイスを備えている(例えば、モバイルロケーションデバイス10は組み込みデバイスである)。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、
図9で上述したように、ローカル無線ネットワークに登録し、ジオマッピングサーバへの接続を確立する。
図10Aに示されるシナリオでは、車両1000は、利用可能なエネルギー分注デバイス1010aおよび占有されたエネルギー分注デバイス1010bであるように視覚的に見えるものへの方向1008に、メイン通りに沿って走行する。
図10Bおよび
図10Cでは、車両1000はエネルギー分注デバイス1010aに横付けし、その中のモバイルロケーションデバイスは、衛星1020aおよび1020bからのデータストリーム(ならびに上述のVMDおよび/またはMEMSデータなどからの他のロケーションデータストリーム)を使用して、車両1000のロケーションを連続的に判定し得る。いくつかの実装形態では、所定の速度閾値を下回るまで車両1000内のモバイルロケーションデバイスを減速することで、モバイルロケーションデバイスからジオマッピングサーバ(図示せず)へのメッセージをトリガする。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、トリガに応答して、5、10、1、または何らかの他の適切な数のロケーションデータポイントなど、1つ以上のロケーションデータポイントを送信し、その受信時に、ジオマッピングサーバは、1つ以上の受信したロケーションデータポイントから、車両1000がエネルギー分注デバイス1010a、例えばポンプ#1に関連付けられたジオロケートゾーン1012a内にあると判定する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、ロケーションデータポイントをジオマッピングサーバに連続的に送信し、ロケーションデータポイントは速度データを含み、ジオマッピングサーバは、車両10が所定の速度閾値を下回る速度まで減速したという判定を行い、その際にジオマッピングサーバは、車両1000がエネルギー分注デバイス1010aに関連付けられたゾーン1012a内にあるという前述の判定を行う。ジオロケートゾーン1012bは、エネルギー分注デバイス1010b、例えばポンプ#2に関連付けられ、これは、車両1000がエネルギー分注ステーションに進入したときに占有されていた。
【0099】
ここで
図10D~
図10Fを参照すると、いくつかの実装形態では、車両1000がエネルギー分注デバイス1010a(ポンプ#1)に関連付けられたゾーン1012a内に位置すると判定されると、ジオマッピングサーバは、ユーザがポンプ#1におり、そこからエネルギーを分注することを望んでいることを確認するようにユーザに促すために、ユーザデバイス140上にメッセージ1030を表示するためのメッセージをユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス140)に送信する。いくつかの実装形態では、(例えば、ロケーション検出のエラーのため)ユーザの車両のためのポンプロケーションをサーバが正しく決定しなかったとき、ユーザは、ポンプ番号を補正するための応答を提供し得る(例えば、ユーザは、ユーザがポンプ#2にいることをサーバに返信することができる)。このような確認(例えば、ポンプ番号が正しい、または更新されたポンプ番号)に際して、いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、
図10Eのユーザデバイス140上の表示メッセージ1032に示されるように、ユーザデバイス140に送信された表示メッセージを介してユーザに、支払い承認およびポンプ起動の成功、ならびに燃料補給を開始するようにユーザに求めるプロンプトを確認し得る。いくつかの実装形態では、表示メッセージ1032は、ユーザデバイス140に送信されない。いくつかのこのような実装形態では、エネルギー分注デバイスの軌道は、分注を開始するために十分なユーザへの通知であり得る。いくつかの実装形態では、ユーザの燃料再補給動作の終了時に、サーバは、支払い処理システムから燃料再補給動作に対する支払いレシートの通知を受信することができ、これは、燃料再補給動作が完了し、燃料再補給動作に対する支払いが行われたことを示し得る。サーバは、支払いレシートを記憶し、
図10Fのユーザデバイス140上の表示メッセージ1034に示されるように、購入レシートをユーザデバイスに送信し得る。
【0100】
図11は、時間1101にわたる、高精度ロケーション検出システムを使用する自動エネルギー分注および支払いシステムの特定の要素間の動作プロセスおよび通信を示す、時間領域トランザクション
図1100のいくつかの実装形態を示す。この図は、ユーザのユーザデバイス1102、エネルギー分注ステーションシステム1103、モバイルロケーションデバイス1104、ジオマッピングサーバ1106、データベース1108、および支払い処理サーバ1110などの複数の要素、ならびにユーザに新規な自動エネルギー分注および支払いシステムを提供するために時間1101にわたってこれらの要素がどのように相互作用するかを示す。
図1100の様々な要素は、先に論じられた要素に対応することを理解されたい。
図10A~
図10Fと同様に、
図11のこの図は、モバイルロケーションデバイス1104が車両内にあり(例えば、車両内の取り外し可能なトランスポンダまたは組み込みシステム)、ユーザのユーザデバイス1102がジオマッピングサーバ1106と通信し、モバイルロケーションデバイス1104もまたジオマッピングサーバ1106と通信すると仮定している。
【0101】
ブロック1112は、モバイルロケーションデバイス1104が車両ロケーション情報をジオマッピングサーバ1106に送信することを示している。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104は、モバイルロケーションデバイス1104が車両の動きの欠如を検出すると、車両ロケーション情報をジオマッピングサーバ1106に送信する。動きの欠如は、動きがないこと、または所定の速度(例えば、時速2km未満、または何らかの他の適切な速度)未満の動きを含むことができ、上述のように捕捉されたロケーションデータをジオマッピングサーバ1106に送信するようにモバイルロケーションデバイス1104をトリガする。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104は、所定量の時間にわたってモバイルロケーションデバイスの所定数の座標を取得する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104は、車両の単一のロケーション座標を取得および生成し、取得したロケーション座標をジオマッピングサーバ1106に送信する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104は、5秒間にわたって毎秒、または何らかの他の適切な間隔で、ロケーション座標を取得する。ジオマッピングサーバ1106は、前述のジオマッピングサーバに対応し、データセンタ120内に位置し得ることを理解されたい。ジオマッピングサーバ1106は、1つのデータセンタ内にあっても複数の異なるデータセンタにわたって分散していてもよい1つ以上のこのようなサーバを表し得ることも理解されたい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104は、トリガイベント(例えば、所定の閾値を下回る速度を検出する)にかかわらず、ロケーションデータをジオマッピングサーバ1106に常に送信する。ジオマッピングサーバ1106は、潜在的な低燃料イベントに関してユーザデバイス1102に警告すること、およびジオマッピングサーバ1106に送信されたユーザのロケーションデータに基づいて利用可能な燃料補給ステーションロケーションを提供することなどの異なる目的のために、この常に送信されるロケーションデータを使用し得る。ジオマッピングサーバ1106に常に送信されるロケーションデータはまた、ジオマッピングサーバ1106で決定された車両の位置に基づいてターゲット広告を提供することなど、他の目的にも使用され得る。いくつかのこのような実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104は、トリガイベントの後に捕捉されたロケーションデータ(例えば、閾値を下回る速度)を、モバイルロケーションデバイス1104がジオマッピングサーバ1106に送信するルーチンおよび定期的なロケーションデータと区別するために、特殊なメッセージをジオマッピングサーバ1106に送信し得る。
【0102】
いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106が車両ロケーション情報を受信すると、ジオマッピングサーバ1106は、ブロック1114で示されるように、車両ロケーションに基づいてデータベース1108から地理的物体または地理的ゾーン情報を要求し得る。いくつかの実装形態では、データベース1108は、ブロック1116に示されるように、地理的物体情報をジオマッピングサーバ1106に返す。ジオマッピングサーバ1106は、ブロック1118に示されるように、車両がエネルギー分注デバイス(例えば、燃料ポンプ、再充電ステーションなど)に存在するか否かを判定するために、地理的物体情報を車両ロケーション情報と比較し得る。例えば、ジオマッピングサーバ1106は、車両ロケーション情報が記憶されたエネルギー分注ゾーンと一致するかどうかを判定するために、受信した座標のうちの1つ以上をデータベース1108に記憶された座標と比較してもよい。いくつかの実装形態では、記憶されたエネルギー分注ゾーンは、エネルギー分注デバイスにある、またはその近くのエリア(例えば、燃料ポンプを接続して車両に燃料を追加するのに十分な近さのエリア、または電気自動車充電器もしくは充電ステーションからプラグイン電気自動車にプラグを接続するのに十分な近さのエリア)を記述する所定の地理的座標である。いくつかの実装形態では、記憶されたエネルギー分注ゾーン(例えば、グラフィカルオブジェクト)は、データベース内のジオロケートポリゴンとして定義される。いくつかの実装形態では、ジオロケートポリゴンは、自動エネルギー分注セッションを可能にする埋め込みメタデータと共に記憶される。例えば、燃料ポンプ1の隣のジオロケートポリゴンは、燃料ポンプを(燃料ポンプ2または燃料ポンプ3ではなく)燃料ポンプ1として定義する関連するメタデータ、燃料ステーションのアドレス、燃料ステーションの名前、および/または燃料ポンプを起動して燃料ポンプから得られた燃料の支払いを自動的に処理するのに必要であり得る他の適切な情報を有し得る。
【0103】
いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106は、エネルギー分注セッションを開始すべきであり、車両を燃料補給/充電するために特定のエネルギー分注デバイスがエネルギー(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素、電気など)を分注するように起動されるべきであることを確認するために、二要素承認システムを採用する。いくつかの実装形態では、第1の要素は、ブロック1118の車両ロケーション検出である。いくつかの実装形態では、第2の要素は、エネルギー分注セッションを開始すべきであり、特定のエネルギー分注デバイスを起動すべきであるというユーザ確認である。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1104から受信した座標がエネルギー分注デバイスゾーンとの一致をもたらすとジオマッピングサーバ1106が判定した場合、サーバは、ブロック1119に示されるように、ユーザがエネルギー分注セッション(例えば、電気自動車充電器で電気自動車を充電すること、燃料ポンプから燃料を圧送することなど)を開始することを望んでいるという確認を要求するために、ユーザデバイス1102に要求を送信し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス1102への要求はまた、やはりブロック1119に示されるように、モバイルロケーションデバイス1104(例えば、車両)が特定のエネルギー分注ゾーンに(例えば、関連するエネルギー源を得るために特定のエネルギー分注デバイスに近接して)位置しているという確認も要求し得る。
【0104】
いくつかの実装形態では、ブロック1120に示されるように、ユーザデバイス1102は、モバイルロケーションデバイス1104が特定のエネルギー分注デバイスに位置し、ユーザがエネルギー分注セッションを開始することを望んでいることを確認する確認メッセージをジオマッピングサーバ1106に返送し得る。エネルギー分注デバイスが正しくないとユーザが判定するいくつかの実装形態では、ユーザデバイス1102は、異なるエネルギー分注デバイス(例えば、車両が燃料ポンプ1ではなく燃料ポンプ3によって位置特定されていること)を示すメッセージをジオマッピングサーバ1106に送信し得る。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106とユーザデバイス1102(例えば、携帯電話、インフォテインメントシステムなど)との間の確認要求通信は、ユーザデバイス1102上のアプリケーションを通じて行われ得る。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106とユーザデバイス1102との間の確認要求通信は、ユーザデバイス1102とジオマッピングサーバ1106との間のショートメッセージサービス(SMS)を通じて行われてもよい。確認要求通信は、他の適切な通信交換を使用して処理することができることを理解されたい。ユーザデバイス1102が補正されたエネルギー分注デバイスゾーン情報(例えば、燃料ポンプ3)をジオマッピングサーバ1106に送信するいくつかのこのような実装形態では、ジオマッピングサーバ1106は、エネルギー分注セッションを承認および起動するために、後続のアクションにおいて補正されたエネルギー分注デバイスゾーン情報を使用し得る。いくつかの実装形態では、ユーザが確認する必要がないように、ブロック1119およびブロック1120で論じられたような確認はスキップすることができることを理解されたい。すなわち、いくつかの実装形態では、ブロック1118において車両がエネルギー分注デバイスに存在することを検出した後、ジオマッピングサーバ1106は、ブロック1119およびブロック1120で論じられた確認なしでブロック1122に移動してもよい。いくつかの実装形態では、ユーザが確認を提供する必要がないように、ブロック1119およびブロック1120の代わりに異なる第2の要素認証を使用することができる。
【0105】
いくつかの実装形態では、ブロック1122に示されるように、ジオマッピングサーバ1106は、エネルギー分注デバイスの起動を支払い処理サーバ1110に要求し得る。例えば、車両がガス燃料ポンプに位置している場合、ジオマッピングサーバ1106は、支払い情報を支払い処理サーバ1110に送信し得る(例えば、ユーザ情報、クレジットカード/デビットカード情報、支払いトークン情報など)。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106は、車両のユーザに関連付けられた支払い情報を記憶し得る。ジオマッピングサーバ1106はまた、特定のエネルギー分注デバイスを起動するために、支払い処理サーバ1110に要求を送信し得る(例えば、エネルギー分注ステーション名、エネルギー分注ステーションアドレス、特定のエネルギー分注デバイスなど)。
【0106】
いくつかの実装形態では、支払い処理サーバ1110は、ユーザの支払い情報がエネルギー分注セッションの支払いを許可するか否かを判定し得る(例えば、クレジットカードまたは他の適切な支払い情報が承認され、トランザクションを完了するのに十分なお金を持っているかどうかを判定する)。図示されていないが、いくつかの実装形態では、支払いプロセッサは、続行する前に特定のトランザクションが承認されているか否かを判定するために、クレジットカードシステムまたはデビットカードシステムと通信し得る。いくつかの実装形態では、支払い情報が適切であると支払い処理サーバが判定した場合、支払い処理サーバ1110は、ブロック1124に示されるように、特定のエネルギー分注デバイスの起動を承認するためのメッセージを送信し得る。いくつかの実装形態では、支払い情報がエネルギー分注トランザクションに有効ではないと支払い処理サーバ1110が判定した場合、支払い処理サーバ1110は、エネルギー分注セッションのためのトランザクションが承認されないことを示すメッセージをジオマッピングサーバ1106に送信し得る。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106は、エネルギー分注セッションのためのトランザクションが承認されなかったという通知をユーザデバイス1102に送信し得る。
【0107】
いくつかの実装形態では、エネルギー分注ステーションシステム1103は、エネルギー分注デバイスでの購入の分注に対する支払い承認を支払いプロセッササーバが送信するのに応答して、ブロック1126においてエネルギー分注デバイスを起動する。ブロック1126におけるエネルギー分注デバイスの起動は、ユーザが分注を開始するように十分に促し得ることを理解されたい。いくつかの実装形態では、ユーザへの追加の促しが与えられてもよく、支払い処理サーバ1110はまたジオマッピングサーバに承認を通知し(図示せず)、ジオマッピングサーバ1106はユーザデバイス1102に、
図10Eの例示的な表示メッセージ1032と同様のプロンプトを表示するためのメッセージを送信する。
【0108】
いくつかの実装形態では、エネルギー分注システム1103は、給油ノズルまたは充電プラグを車両からエネルギー分注デバイスに戻すことなどによって示され得るように、ブロック1128においてエネルギー分注の終了を検出し、その際にエネルギー分注システム1103は、購入明細を支払い処理サーバ1110に送信し得る。いくつかの実装形態では、支払い処理サーバ1110は、エネルギー分注ステーションシステム1103によって提供された購入明細に基づいて支払いを処理し得る。いくつかの実装形態では、支払い処理サーバ1110は、購入、支払い、および確認の詳細をジオマッピングサーバ1106に送信してもよい。ジオマッピングサーバ1106は、いくつかの実装形態では、ユーザID、モバイルロケーションデバイスID、ユーザデバイスID、エネルギー分注デバイスID、エネルギー分注ステーションID、支払いプロセッサトランザクション番号および確認、セッション開始および終了時間などのステップのうちの1つ以上のタイムスタンプ、承認および支払いトランザクション時間、支払いトランザクションレシートを含む購入および支払い明細などのような詳細を含む、エネルギー分注セッションのトランザクションログをデータベース1108に書き込んでもよい。いくつかの実装形態では、より多くのまたはより少ない詳細が記録され得ることを理解されたい。
【0109】
いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバ1106は、ブロック1134において、エネルギー分注セッション購入および支払いトランザクションレシートをユーザデバイス1102に送信し、これはその後、いくつかの実装形態では、ブロック1136において、ダウンロードされたアプリからのプッシュ通知、SMSメッセージ、表示メッセージ、電子メールなどのような様々な方法のうちの1つを介してユーザに通知し得る。いくつかの実装形態では、エネルギー分注デバイスはまた、購入および支払いトランザクションレシート(図示せず)を印刷してもよい。
【0110】
図12は、
図11のブロック1112~1136に記載されるような、高精度ロケーション検出システムを使用する自動エネルギー分注および支払いシステムのためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すプロセス1200のフローチャートである。いくつかの実装形態では、ブロック1205において、モバイルロケーションデバイスは、プロセッサを用いて、速度が所定の閾値速度を下回るなど、モバイルロケーションデバイスの動きが所定の閾値未満に落ちたと判定し、その際にトリガイベントが生成されてもよく、
図11のブロック1112について上述されたように、車両ロケーションメッセージがモバイルロケーションデバイスからジオマッピングサーバに送信されてもよく、ロケーションデータポイントを取得するためのプロセスのいくつかの実装形態は、
図7および
図8に関連して説明された。いくつかの実装形態では、ブロック1210において、ジオマッピングサーバは、上記のブロック1114および1116で説明したように、ロケーションデータおよび地理的物体データを使用して、車両が特定のエネルギー分注デバイスに位置していると判定する。ブロック1215において、いくつかの実装形態は、受信したロケーションデータに加えて二要素認証を発効させ、ジオマッピングサーバは、ブロック1119および1120で上述されたように、車両が決定された特定のエネルギー分注デバイスに位置することを確認するように、ユーザデバイス(例えば、スマートフォン、インフォテインメントシステムなど)を介してユーザに促し、ユーザが燃料補給を開始することを望んでいることを確認する。いくつかの実装形態では、ブロック1220において、ジオマッピングサーバは、ブロック1122で上述されたように、支払い処理システムから特定のエネルギー分注デバイスの起動を要求し、支払いプロセッサは、いくつかの実装形態では、ブロック1124で上述されたように特定の量に対する支払い事前承認し、承認が成功すると、(上記のブロック1126のように)エネルギー分注デバイスを起動し得る。いくつかの実装形態では、ブロック1225において、ジオマッピングサーバは、支払い承認が成功し、したがってエネルギー分注デバイスの起動が承認されたかどうかを確認し得る。そうでない場合、いくつかの実装形態では、プロセス1200はブロック1230に進み、承認が拒否されたことを示すメッセージをユーザデバイスに送信し得る。ブロック1225において起動が確認/承認された場合、プロセスはブロック1235に進み、エネルギー分注デバイスは、ブロック1126で上述されたように起動される。いくつかの実装形態では、ブロック1240において、エネルギー分注は、ブロック1128で上述されたように完了したと判定され、その際に、いくつかの実装形態では、支払いプロセスの完了のために購入明細が支払いプロセッサに送信される。いくつかの実装形態では、ブロック1245に示されるように、支払いプロセッサは、ブロック1130で上述されたように、ジオマッピングサーバにレシートを送信し得る。いくつかの実装形態では、ブロック1250に示されるように、ジオマッピングは、ブロック1132で上述されたように、支払いレシート/トランザクションの詳細を受信し、記憶/記録する。プロセス1200はその後、ブロック1255に進み、ジオマッピングサーバは、ブロック1136で上述されたように、購入および支払いトランザクションレシートをユーザデバイス(例えば、スマートフォンまたはインフォテインメントシステム)に送信する。
【0111】
図10A~
図12は、高精度ロケーション検出システムを使用する自動エネルギー分注および支払いシステムのための新規なシステムおよび方法を開示した。
図13A~
図15は、高精度ロケーション検出システムを使用する自動駐車および支払いシステムのための新規なシステムおよび方法を開示する。
図13A、
図13B、
図13C、
図13D、
図13E、および
図13Fは、駐車および支払いシステムにおいて高精度ロケーション検出を使用するいくつかの実装形態の図である。車両の駐車セッションは、法定駐車ゾーンに関連付けられた地理的ロケーションで開始され、その後、車両が駐車ゾーンを離れると駐車セッションは停止される。ユーザは、車両1300(図示せず)内にモバイルロケーションデバイス(例えば、モバイルロケーションデバイス10)を配置する。モバイルロケーションデバイスは、
図9で上述したように、ローカル無線ネットワークに登録し、ジオマッピングサーバへの接続を確立する。上述のように、モバイルロケーションデバイスは、代わりに、車両1300を有する組み込みシステムとすることができる。モバイルロケーションデバイスを用いると、ユーザは、法定駐車ゾーン(例えば、
図13A、利用可能な駐車区画1310参照)を有する都市内を走行することができる。車両1300は、利用可能な駐車区画1310であるように視覚的に見えるものまで方向1308にK通りに沿って走行する。
図13Bにおいて、車両1300は、利用可能な駐車区画1310に駐車する。いくつかの実装形態では、車両が駐車され得ることをモバイルロケーションデバイスが自動的に判定するか、または駐車ゾーンをチェックするようにモバイルロケーションデバイスに通知するために、ユーザがモバイルロケーションデバイス上のボタンを押す。いくつかの実装形態では、車両1300内のモバイルロケーションデバイスは、衛星1320aおよび1320bからのデータストリーム(ならびに上述の他のロケーションデータストリームと共に)を使用して、車両1300のロケーションを決定する。
【0112】
ジオマッピングサーバ(図示せず)と通信した後、ジオマッピングサーバは、車両1300が法定駐車ゾーンに到着したと判定する(
図13C)。いくつかの実装形態では、事前設定された時間量の後、またはユーザによる手動アクション(モバイルロケーションデバイス上のボタンを起動する)の後、モバイルロケーションデバイスは、駐車セッションを開始する要求をジオマッピングサーバに送信する。駐車セッションが正常に開始したとジオマッピングサーバが判断した場合、ジオマッピングサーバは、いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスに警告する。
図13Dに示されるように、いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、駐車セッションが開始したことをユーザに通知するために、モバイルロケーションデバイス上のLEDを変更する(緑色にするかまたはLEDを点滅させる)。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、ユーザと通信する他の適切な方法、または上記の何らかの組み合わせを介して、満了時間、料金、および時間制限に関する情報をモバイルロケーションデバイスに返送し(モバイルロケーションデバイスが表示画面を含むとき)、ユーザに関連付けられたユーザデバイスに送信する。モバイルロケーションデバイスがディスプレイを含むいくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは満了時間を表示してもよく、例えば、ゾーンが2時間の制限を有して現在11:23AMであると仮定すると、ディスプレイは「1:23PMに満了」と読める(図示せず)。11:23AMから1:23PMの間のある時点で、ユーザは車両1300に戻り、駐車区画から方向1312(
図13E)に向かって運転し始める。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、移動(例えば、GNSSモジュールを使用して時速5マイル超または何らかの他の適切な速度での移動)を検出し、モバイルロケーションデバイスは、駐車セッションを修了する要求をジオマッピングサーバに送信する。このような一実装形態では、ジオマッピングサーバは駐車セッションを停止し、駐車セッションの支払いを処理し(必要なとき)、支払いレシート1330をユーザに送信する(
図13F)。
【0113】
図14は、時間1401にわたる、高精度ロケーション検出システムを使用する駐車および支払いシステムの特定の要素間の動作プロセスおよび通信を示す、時間領域トランザクション
図1400のいくつかの実装形態を示す。この図は、ユーザのユーザデバイス1402、モバイルロケーションデバイス1404、サーバ1406(例えば、ジオマッピングサーバ)、とりわけ地理的物体を記憶するデータベース1408、および支払い処理サーバ1410などの複数の要素、ならびにユーザに新規な駐車および支払いシステムを提供するために時間1401にわたってこれらの要素がどのように相互作用するかを示す。
図1400の様々な要素は、先に論じられた要素に対応することを理解されたい。
図13A~
図13Fと同様に、
図14のこの図は、モバイルロケーションデバイス1404が車両内にあり、ユーザのユーザデバイス1402がサーバ1406と通信し、モバイルロケーションデバイス1404がローカル無線ネットワークに登録し、
図9で上述されたようにサーバ1406との接続を確立していると仮定する。
【0114】
ブロック1412は、モバイルロケーションデバイス1404が動きの欠如を検出し、サーバ1406にメッセージを送信することを示している。いくつかの実装形態では、サーバ1406へのメッセージは、ロケーション情報/データを含み得る。いくつかの実装形態では、メッセージは、サーバ1406からの駐車イベントの評価の要求を含み得る。いくつかの実装形態では、要求は、特殊なメッセージ(例えば、チェックメッセージ)の形態であってもよい。動きの欠如は、所定の速度未満(例えば、2km/時または5km/時または何らかの他の適切な所定の速度閾値未満)の動きを含んでもよく、
図7および
図8で論じられたように、ロケーションデータを取得するようにモバイルロケーションデバイス1404をトリガする。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、所定量の時間にわたってモバイルロケーションデバイスの所定数の座標を取得する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、
図7および
図8に従って上述されたように、10秒間にわたって2秒ごとにモバイルロケーションデバイス1404の1つの座標を取得および生成する。モバイルロケーションデバイス1404はその後、これらの取得された5つの座標を(評価要求の一部として)サーバ1406に送信する。いくつかの実装形態では、これらの取得された5つの座標は、特定のトランザクションが行われるべきか否か(例えば、駐車セッション、燃料補給セッションなど)を確認するようにサーバ1406に警告するために、チェックメッセージで送信される。サーバ1406は、前述のジオマッピングサーバに対応し、データセンタ120内に位置し得ることを理解されたい。サーバ1406は、1つのデータセンタ内にあっても複数の異なるデータセンタにわたって分散していてもよい1つ以上のこのようなサーバを表し得ることも理解されたい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、トリガイベント(例えば、所定の閾値を下回る速度を検出するかまたは動きが検出されない)にかかわらず、ロケーションデータをサーバ1406に常に送信する。サーバ1406は、潜在的な低燃料イベントに関してユーザデバイス1402に警告すること、およびサーバ1406に送信されたユーザのロケーションデータに基づいて利用可能な燃料補給ステーションロケーションなどを提供することなどの異なる目的のために、この常に送信されるロケーションデータを使用し得る。サーバ1406に常に送信されるロケーションデータはまた、サーバ1406で決定された車両の位置に基づいてターゲット広告を提供することなど、他の目的にも使用され得る。いくつかのこのような実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、トリガイベントの後に捕捉されたロケーションデータ(例えば、閾値を下回る速度)を、モバイルロケーションデバイス1404がサーバ1406に送信するルーチンおよび定期的なロケーションデータと区別するために、特殊なメッセージをサーバ1406に送信し得る。
【0115】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、いくつかの要因のために座標データを取得することができない場合がある。このようないくつかの場合には、モバイルロケーションデバイス1404は、駐車セッションを開始することができないことを(LED警告、表示を介して、ユーザデバイス1402へのメッセージを介して)ユーザに通知し得る(このプロセスは図示されていない)。
【0116】
図14に戻ると、サーバ1406は、駐車イベントを評価する要求1414を受信する。サーバ1406は、座標のいずれかが記憶された法定駐車ゾーン(例えば、エネルギー分注のユースケースに関連して論じられたように地理的物体または地理的ゾーンとして記憶することができる法定駐車ゾーン)と一致するかどうかを判定するために、受信した座標のうちの1つ以上をデータベース1408に記憶された座標と比較し得る(ブロック1416および1418参照)。いくつかの実装形態では、座標の全ては、特定の範囲内で、一致と宣言されるために法定駐車ゾーンの座標と一致しなければならない。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス(または車両)が法定駐車ゾーン内にあるとサーバ1406が判定する前に、モバイルロケーションデバイス1404から受信した座標の何らかの所定の割合が、データベース1408に記憶された法定駐車ゾーンに関連付けられた座標と一致しなければならない。いくつかの実装形態では、受信した座標のうちの少なくとも1つは、一致と宣言されるために法定駐車ゾーンの座標と一致すべきである。モバイルロケーションデバイス1404から受信した座標が法定駐車ゾーンとの一致をもたらすとサーバ1406が判定した場合、サーバはメッセージ1420をモバイルロケーションデバイス1404に返し、モバイルロケーションデバイスが法定駐車ゾーンにあることを確認する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、注射に関する情報をユーザに提供しない。いくつかのこのような実装形態では、サーバ1406は、メッセージ1420をユーザデバイス1402に送信してもよい。一方、モバイルロケーションデバイス1404から受信した座標が法定駐車ゾーンとの一致をもたらさないとサーバ1406が判定した場合、サーバは、1412で開始するプロセスの再試行を要求し、駐車が許可されないこと、またはユーザが手動駐車料金支払いプロセスを開始すべきであることを示すメッセージ(図示せず)をモバイルロケーションデバイス1404に返す。モバイルロケーションデバイス1404が所定の期間内に駐車イベントを確認するためにあまりにも多くの試みを実行し、結果的に法定駐車ゾーンと一致しない場合、モバイルロケーションデバイス1404またはサーバ1406は、所定量の時間にわたってプロセスのさらなる再試行を中断し得る。ブロック1412~1420のいくつかの実装形態は、以下で
図15においてより詳細に論じられる。
【0117】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスが法定駐車ゾーン内にあるという確認メッセージ1420をモバイルロケーションデバイス1404が受信すると、モバイルロケーションデバイス1404は、ブロック1422に示されるように、駐車セッションの開始を要求し得る。モバイルロケーションデバイス1404は、自動的にサーバ1406への要求を行い得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、要求を送信するためにユーザがモバイルロケーションデバイス1404上の1つ以上のボタンを押した後、サーバ1406への要求を行う。いくつかの実装形態では、ユーザは、モバイルロケーションデバイス1404を使用する代わりに、またはモバイルロケーションデバイス1404と併せて、ユーザデバイス1402(図示せず)から駐車セッションを開始する要求を開始してもよい。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、駐車セッションを開始する自動要求をサーバ1406に送信する前に、所定量の時間だけ待機する。例えば、モバイルロケーションデバイス1404は、1分間または何らかの他の適切な量の時間だけ待機し得る。モバイルロケーションデバイス1404は、モバイルロケーションデバイスが駐車セッションを開始する要求を送信するのを防止するために、ユーザがモバイルロケーションデバイス上のボタンを押すことを可能にし得る。
【0118】
いくつかの実装形態では、駐車セッションが開始されると、モバイルロケーションデバイスは、モバイルロケーションデバイス内の1つ以上のモジュールへの電力を停止または制限し得る。例えば、駐車セッション中に、モバイルロケーションデバイス1404はGNSSデータの受信を必要としない。したがって、駐車セッションの開始時に、モバイルロケーションデバイス1404は、GNSSモジュールへの電力を停止または制限し得る。モバイルロケーションデバイス1404は、特定の状況が与えられた場合に、モジュールがその特定の状況に必要であるか否かを判定するために各モジュールを評価し得ることを理解されたい。モジュールが必要とされない場合、モバイルロケーションデバイス1404は、このようなモジュールへの電力を停止または制限する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスにおいて状況電力制限を使用することで、モバイルロケーションデバイスのモジュールの全てが全ての時間にわたって動作したままである状況と比較して、モバイルロケーションデバイスのバッテリ寿命をそのランタイムにわたって2倍または3倍に延長することを可能にし、はるかに効率的なデバイスを作成できることを理解されたい。
【0119】
ブロック1424において、サーバは要求を受信し、法定駐車ゾーン内でモバイルロケーションデバイス1404に関連付けられた駐車セッションを開始する。サーバは、駐車セッションに関する通知をモバイルロケーションデバイス1404に、およびユーザのユーザデバイス1402に送信し得る。通知は、ブロック1426に示されるように、駐車するための単位時間当たりのコスト、駐車セッションの開始、法定駐車ゾーン内で駐車が許可される最大時間など、法定駐車ゾーンに関連付けられた属性を含み得る。いくつかの実装形態では、駐車セッションに対して前払いすることができる。別の実装形態では、ユーザが駐車セッションを終了する前、モバイルロケーションデバイスが法定駐車ゾーンを離れるまで、最大駐車時間に到達するまでなど、支払いは行われない。いくつかの実装形態では、駐車セッションは、モバイルロケーションデバイス1404(および車両)が法定駐車ゾーン内にある時間に対してのみユーザが支払うように、利用時支払い(pay-as-you-go)モデルである。このようなシステムは、どのくらいの駐車時間が必要とされるかを推測する必要性を軽減し、必要以上の駐車時間に対して前払いする必要性を軽減し、ユーザが支払いに立ち会うために費やす時間(メータにお金を入れるために走って戻る、または携帯電話アプリを通じてより多くの時間を追加する)を削減することを理解されたい。ブロック1428において、サーバはまた、駐車セッション、およびモバイルロケーションデバイス1404に関連付けられた駐車セッションの開始も記録する。
【0120】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404が運転イベントを検出すると(例えば、モバイルロケーションデバイス1404内のMEMSモジュールが所定量よりも大きい動きを検出するかまたはモバイルロケーションデバイス1404内のGNSSモジュールが所定量よりも速い速度を検出すると)、モバイルロケーションデバイス1404は、ブロック1430に示されるように駐車セッションを終了すべきであると判定する。他のイベントは、駐車セッションを終了するためにユーザがモバイルロケーションデバイス1404上のボタンを押すこと、または駐車セッションを終了するためにユーザがユーザデバイス1402上のアプリケーションのボタンを押すことを含み得る。ブロック1432において、モバイルロケーションデバイス1404は、駐車セッションを終了する要求をサーバ1406に送信する。いくつかの実装形態(図示せず)では、サーバ1406は、最大法定駐車時間に到達した、前払いした駐車セッションが満了した、または別個の駐車セッション終了要求をユーザデバイス1402から受信したなどの要因により、駐車セッション終了を開始する。いくつかの実装形態では、サーバ1406はまた、駐車セッション中にモバイルロケーションデバイス1404の電源が切れたとき、またはモバイルロケーションデバイス1404から終了要求を受信する前にサーバ1406が駐車セッションを終了するように構成される何らかの他の適切な理由によっても駐車セッション終了を開始し得る。いくつかの実装形態では、ユーザがユーザデバイス1402を通じて駐車セッションを手動で停止しようとし、モバイルロケーションデバイス1404が応答しない場合、モバイルロケーションデバイス1404には到達できないので(例えば、バイルロケーションデバイス1404がオフになっている、バッテリが切れている、セルラネットワークカバレッジに問題が起きているなど)、サーバ1406は、モバイルロケーションデバイス1404とさらに通信することなく駐車セッションを終了し、支払い処理サーバ1410による支払いプロセスをトリガしてもよい。
【0121】
ブロック1434に戻ると、サーバ1406は、モバイルロケーションデバイス1404から駐車セッション終了要求を受信し、駐車セッションを終了する。いくつかの実装形態では、サーバ1406は、終了時間を含む駐車セッションの全てまたは一部のログをデータベース1408に記憶する。法定駐車ゾーンが支払いを必要とした場合(そしてユーザが前払いしなかった場合)、サーバ1406は、時間および駐車ゾーン料金に基づいて必要な支払いを計算する。サーバ1406は、ブロック1436に示されるように、駐車セッション請求額を支払い処理サーバ1410に送信する。支払い処理サーバ1410は、モバイルロケーションデバイス1404の駐車セッションに対する請求を実行する(例えば、ユーザのクレジットカードに請求するか、またはユーザの銀行カードから引き落とす)。支払い処理サーバ1410はその後、ブロック1438に示されるように、支払い確認をサーバ1406に返送する。上述のように、いくつかの実装形態では、いくつかの法定駐車ゾーンに駐車することは支払いを必要としない場合があり、したがって、支払い処理サーバ1410とのトランザクションは必要とされない場合がある。
【0122】
いくつかの実装形態では、サーバ1406は、ブロック1440に示されるように、駐車セッションの終了を確認するメッセージをモバイルロケーションデバイス1404およびユーザデバイス1402に送信し得る。いくつかの実装形態では、サーバ1406はまた、ブロック1440に示されるように、駐車セッションに関するログ情報および駐車セッションに対してなされた任意の請求に対するレシートも送信し得る。
【0123】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、ブロック1442において駐車セッション終了メッセージを受信し、任意の適切な方法でユーザに警告する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス1404は、LEDの変更(例えば、LEDを赤色にする、または特定のパターンでLEDを点滅させる)によってユーザに警告する。同様に、ユーザのユーザデバイス1402は、ブロック1444において駐車セッション終了メッセージを受信した後、任意の適切な方法でユーザに警告する。このような表示の1つが
図13Bに示されている。ユーザデバイス1402はまた、支払いレシート情報をアプリケーションに表示してもよい。
【0124】
図14で上述されたプロセスは、モバイルロケーションデバイス1404が可能な駐車イベントを検出したとき、任意の回数だけ繰り返されてもよい。上述のシステムは、いくつかの実装形態では、ユーザが駐車することを可能にし、ユーザが法定駐車ゾーン内にいることを知り、ユーザがいかなる追加の肯定的アクションも起こすことなく自動的に駐車料金を支払うことを理解されたい(しかしながら、いくつかの実装形態では、ユーザは駐車セッションのための法定駐車ゾーンを肯定的に確認し、駐車セッションに対するクレジットカード請求、銀行デビット、または他の請求を受け入れまたは承認する必要があり得ることを理解されたい)。
【0125】
いくつかの実装形態では、ユーザが駐車セッションに対して前払いしており、ユーザが追加の時間駐車することが法的に可能であるとき、システムは、車両およびモバイルロケーションデバイスが駐車セッションの満了時に移動していなければ、駐車場使用のために追加の時間を自動的に購入してもよい。あるいは、ジオマッピングサーバ(例えば、サーバ1406)は、駐車セッションを延長するかまたは新しい駐車セッションを開始するためにさらなる時間を購入するようにユーザに自動的に警告してもよい。いくつかの実装形態では、ユーザがモバイルロケーションデバイス1404とインターフェースすることを可能にするモバイルロケーションデバイス1404の機能は、駐車セッションを開始および/または終了するためにユーザがモバイルロケーションデバイス1404と対話する必要がない程度までユーザデバイス1402(例えば、モバイルアプリケーションまたは車両インフォテインメントアプリケーション)に含まれ得ることを理解されたい。
【0126】
図15は、
図14のブロック1412~1444に記載されるような、可能な駐車イベントを自動的に検出するためのシステムおよび方法のいくつかの実装形態を示すプロセス1500のフローチャートである。ブロック1505において、モバイルロケーションデバイスは、プロセッサを用いて、モバイルロケーションデバイスの動きが所定量の時間にわたって停止したか、または所定の閾値速度を下回ると判定する。ブロック1510において、モバイルロケーションデバイスは、モバイルロケーションデバイスのために所定量の時間にわたって所定数の座標データポイントを収集、分析、および計算する。ブロック1510のプロセスのいくつかの実装形態は、
図7および
図8に関連して記載された。ブロック1515において、モバイルロケーションデバイスは、仮想プライベートネットワークまたは他の適切な通信チャネルを通じて、計算された所定数の座標データポイントをジオマッピングサーバに送信する。ジオマッピングサーバは、ブロック1520において計算された所定数の座標データポイントを受信する。
【0127】
ブロック1525において、ジオマッピングサーバは、モバイルロケーションデバイスの動きの欠如が法定駐車ゾーン内の駐車イベントをトリガするか否かを判定するために、計算された所定数の座標データポイントを分析する。
図14に示されるように、ジオマッピングサーバは、法定駐車ゾーンに関連付けて記憶された座標に対して所定数の座標データポイントの一部または全部を比較し得る。いくつかの実装形態では、所定数の座標データポイントが法定駐車ゾーンの2メートル(または何らかの他の適切な距離)以内にあるとジオマッピングサーバが判定した場合には、ジオマッピングサーバは、モバイルロケーションデバイスが法定駐車ゾーン内にあることを高確率で知っている。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、分析の一部として、道路の中心線の座標および道路の縁石の座標などの記憶された道路アライメントデータと、計算された所定数の座標データポイント(モバイルロケーションデバイスがいくつかの実装形態において走行していた方向を含む)を比較する。計算された所定数の座標データポイントの高精度により、サーバは、モバイルロケーションデバイス(および車両)が、道路の中心線に近いか縁石に視界かを判定することが可能になる(これは、車両が狭い道路上に駐車しようとしているのではなく、狭い道路上で渋滞に巻き込まれていることを示し得る)。道路アライメントデータはまた、ジオマッピングサーバが、車両が歩道の上または建物内に位置していると計算された座標データが示すかどうか(これはマルチパス信号歪みに起因して発生し得る)などの悪い座標データを無視することを可能にする。適切な一致が存在し、他の要因が狭い道路上の渋滞などの問題を除外した場合、ジオマッピングサーバは、ブロック1530において、駐車イベントが発生し、駐車イベントが法定駐車ゾーン内であることを確認する。モバイルロケーションデバイスおよびジオマッピングサーバは、
図14で論じられたブロック1550において駐車セッションを自動的に開始してもよく、またはモバイルロケーションデバイスのユーザがモバイルロケーションデバイス(例えば、ボタンを押す)またはユーザのユーザデバイス上のソフトウェアアプリケーション(駐車セッション開始を実行する)を用いて駐車セッションを手動で開始することを可能にし得る。そしてプロセス1500が終了する。
【0128】
一方、適切な座標一致が存在しない場合、ジオマッピングサーバは、ブロック1530において、駐車イベントが発生しなかったこと、または駐車イベントが法定駐車ゾーン内ではないことを示すメッセージをモバイルロケーションデバイスに送信する。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスによって提供された座標は、上述のように様々な異なる方法で破損されている可能性がある。いくつかの実装形態では、プロセス1500は、モバイルロケーションデバイスが新しい座標データポイントを取得および計算することを可能にすることを含む。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、3回など所定量の回数だけ駐車イベントを確認することを試みてもよい。しかしながら、任意の適切な回数を使用することができる。このようにして、モバイルロケーションデバイスには、以前は一致しなかった座標データの理由を軽減するために、新しいセットのロケーションデータを取得する1回以上の機会を与えられる。このような一実装形態では、ジオマッピングサーバは、ブロック1535において、駐車イベント検出カウンタをインクリメントし得る。ブロック1540において、インクリメントされた駐車イベント検出カウンタが所定数を下回る場合には、プロセスは、モバイルロケーションデバイスがジオマッピングサーバに送信するための新しい座標を取得および計算するために、ブロック1510に戻る。ブロック1540において、インクリメントされた駐車イベント検出カウンタが所定数に等しい場合には、プロセス1500はブロック1545に進む。ジオマッピングサーバは、現在のロケーションでの駐車が許可されないこと、またはユーザが手動駐車料金支払いプロセスを開始すべきであること(例えば、パーキングメータにお金を入れる、またはパーキングキオスクで支払う)をユーザに通知するメッセージを、モバイルロケーションデバイス、ユーザのユーザデバイス、または両方に送信し、ブロック1555においてプロセス1500は終了する。いくつかの実装形態では、プロセス1500は、同じゾーンに対して所定量の時間の後に手動または自動で再開され得る。
【0129】
図16A、
図16B、および
図16Cは、駐車システムの様々な状態(現在アクティブなセッション、アクティブなセッションがない、および車両の位置特定中)に対応するモバイルアプリケーションのスクリーンショットの例示的な実装形態を示す図である。いくつかの実装形態では、ユーザは、スマートフォン、スマートウォッチ、またはインフォテインメントシステム、もしくは無線データ通信が可能であり駐車アプリケーションと互換性のある他の適切なポータブルまたはモバイルデバイスなどの彼らのユーザデバイス140に駐車アプリケーションをインストールすることを選択し得る。いくつかの実装形態では、モバイルアプリケーションは、ジオマッピングサーバから受信した駐車関連イベントをユーザに伝達し、ユーザがジオマッピングサーバに保持されている駐車アカウントを遠隔で管理および制御することを可能にする。いくつかの実装形態では、モバイルアプリケーションは、バッテリレベル、モバイルロケーションデバイスのバッテリを充電するためのリマインダ、モバイルロケーションデバイスに関する動作上の問題など、モバイルロケーションデバイスに関する警告を取得し得る。
【0130】
図16Aは、ユーザの車両内のモバイルロケーションデバイスがアクティブ駐車セッションにあるときにユーザデバイス上に表示されたモバイルアプリ画面1600のいくつかの実装形態を示す。参照番号16A-1は、ゾーン内で駐車することが許可されている最大時間の満了までに残された時間を示す。参照番号16A-2は、いくつかの例示的な実装形態における駐車セッションの開始からユーザにかかった駐車のコストを示す。駐車が無料であり、車両がシステムにとって既知のゾーンに駐車されている場合には、いくつかの実装形態では、参照番号16A-1は、所与の駐車区画における最長滞在の終了までの時間を表示してもよく、参照番号16A-2は、発生した$0のコストを反映してもよい。例えば、いくつかの米国の都市は、駐車が所与の期間および例えば2時間の最大時間制限でのみ許可される路上駐車ゾーンを有する。ユーザが時間通りに自分の車両に戻ることを覚えておく必要がないように、必要なリマインダを設定するためにモバイルアプリケーションを使用することができる。いくつかの実装形態では、リマインダは、モバイルアプリケーション(ユーザデバイス)がジオマッピングサーバと通信するときに、ユーザのために自動的に作成される。そのゾーンにおける駐車の時間および持続時間の制限は、システムに関連付けられたデータベース(例えば、
図14のデータベース1408)に記憶することができる。
【0131】
参照番号16A-3は、いくつかの例示的な実装形態において手動で駐車セッションを開始するために使用することができるモバイルロケーションデバイス上のボタンと同じ機能を有するタッチ反応式の「開始」ボタンを表示する。参照番号16A-4は、いくつかの実装形態において手動で駐車セッションを停止するために使用することができるモバイルロケーションデバイス上のボタンと同じ機能を有するタッチ反応式の「停止/取消」ボタンを表示する。したがって、モバイルアプリケーションは、モバイルロケーションデバイスの物理インターフェースを使用することなく、システムとの遠隔対話を提供する。しかしながら、上述のように、いくつかの実装形態では、ユーザデバイス(およびモバイルアプリケーション)は、モバイルロケーションデバイスと直接通信してもよく、この通信チャネルを通じてモバイルロケーションデバイスを制御し、モバイルロケーションデバイスを通じて駐車および支払いシステムにアクセスすることもできる。
【0132】
図16Bは、モバイルロケーションデバイスおよび車両が任意の法定駐車ゾーンまたは駐車および支払いシステムへのアクセスを必要とする任意の法定駐車ゾーンに駐車されていないときにモバイルアプリケーションによって表示される画面1610の別の実装形態を示す。したがって、いくつかの実装形態では、コスト増加メータが動いていないので、参照番号16A-1は残り時間を表示せず、参照番号16A-2は「オフ」を表示する。
【0133】
図16Cは、自分の駐車車両を位置特定し、(必要であれば)供給されたルーティング指示16A-5に従って迅速にそこに到達するために駐車および支払いシステムのユーザによって使用することができる、いくつかの実装形態における内蔵地図インターフェース画面1620を示す。地図インターフェースは、法定駐車ゾーンに関する情報をユーザに伝達し、ユーザを目的地に最も関連するゾーンまで案内するために、他の実装形態で使用することができる。さらなる実装形態では、地図インターフェース上に含まれる情報は、法定駐車ゾーンの時間制限および料金を含む。
【0134】
いくつかの実装形態では、地図インターフェースは、駐車および支払いシステムからリアルタイム(またはほぼリアルタイム)で区画の利用可能性情報を取得し、ユーザが駐車区画を迅速に位置特定するのを支援するために、空き駐車スペースのロケーションを強調表示する。いくつかの実装形態では、画面1620は、最も近い駐車場、駐車区画の料金、およびスペースの利用可能性を取得するためのボタンをユーザが選択することを可能にし得る。いくつかの実装形態では、多くのモバイルロケーションデバイスが使用中であるとき、ジオマッピングサーバは、どの法定駐車ゾーンがモバイルロケーションデバイスで占有されており、どの法定駐車ゾーンがモバイルロケーションデバイスで占有されていないかを追跡する。
【0135】
いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで、モバイルロケーションデバイス(例えば、ごく最近駐車セッションを終了して移動しているモバイルロケーションデバイス)を使用する車両によって空けられた、現在占有されているスペースを追跡および記憶する。ユーザが、ユーザの現在のロケーションの近くにある法定駐車ゾーン内の駐車スペース(本明細書では法定駐車スペースとも呼ばれる)を探しているとき、ジオマッピングサーバは、いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバに知られている最近空いた駐車スペースをこのようなユーザに送信することができる。ジオマッピングサーバは、(ユーザが最近空いたスペースへの地図および指示を取得できるように)ユーザのユーザデバイスにこのような情報を送信し得る。いくつかの実装形態では、最近空いた駐車スペースの決定は、所定の期間に基づいてもよい。例えば、法定駐車ゾーン内の最近空いた法定駐車スペースは、ここ2~4分以内に空けられた法定駐車スペースを含んでもよい。この所定数は、(法定駐車スペースの需要が高く、60秒でも情報が古くなり不正確になる可能性があるような非常に密集した都市エリアに合わせて調整するために)管轄区域、時間帯、または他の適切な要因に応じて変化し得る。したがって、駐車セッションを終了するためにジオマッピングサーバと通信するモバイルロケーションデバイスの1つの利点は、ジオマッピングサーバが、法定駐車ゾーン内の法定駐車スペースの利用可能性に関するリアルタイムまたはほぼリアルタイムの情報を有することであることを理解されたい。所与の地理的エリア内でモバイルロケーションデバイスの数が増加するにつれて、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの駐車データの使用可能な量も同様に増加する。
【0136】
図17Aおよび
図17Bは、(モバイルロケーションデバイス10に対応する)モバイルロケーションデバイス1710が車両1700(例えば、車両20)の車載電子システムに統合(または組み込み)されている、いくつかの実装形態を示す。車両コンピュータ1730は、コントローラエリアネットワーク(CAN)インターフェース(1750)などの既存のバスリンクを介してモバイルロケーションデバイス1710に接続することができる。いくつかの実装形態では、車両コンピュータ1730は、いくつかの実装形態では対話型組み込みインフォテインメントシステムのディスプレイであり得る車両ディスプレイ1740を制御し、車両ディスプレイ1740、およびいくつかの実装形態では車両オーディオシステム(図示せず)を通じて、ユーザデバイスメッセージを通信し、例えばエネルギー分注、駐車、通行料金徴収、カーブサイドピックアップなどのユーザ応答を受信および送信することができる。車両バッテリ1720は、いくつかの実装形態では、電源として使用される。
図17Bは、車両コンピュータ1730の統合が車両1700内の標準OBD II(オンボード診断)ポート1760を使用して実施される、いくつかの実装形態を示す。このような統合のための正確な統合概要は、車両製造業者および車両の特定の特長に依存し得る。
図17Bに示される統合は単なる一例であり、統合の他の形態も可能または必要であり得る。いくつかの実装形態では、通信リンクにCANバスハイ/ローを使用することができ、接地には信号およびシャーシグラウンドを一緒に使用することができ、モバイルロケーションデバイス1770(モバイルロケーションデバイス10に対応し得る)に電力供給するために+12V電源を使用することができる。
【0137】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、車両の車載電子システムにその全体が統合されるわけではない。例えば、内蔵通信システムは、特定の車両モデル内に存在し、モバイルロケーションデバイスとジオマッピングサーバとの間にリンクを確立するように適合され得る無線通信インターフェースを含む。このような場合、(ハードウェアまたはソフトウェアのどちらで実装されているかにかかわらず)高精度ジオロケーション位置特定システムおよび特定のアルゴリズムなどのモバイルロケーションデバイスの特定の構成要素のみが、車両システムに追加で統合される必要がある。
【0138】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、ユーザに有用な情報を提供することができ、駐車監視員が駐車規則を取り締まることも支援する、英数字ディスプレイで構成することができる。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、現在の駐車セッションの満了の時間、モバイルロケーションデバイスのバッテリレベル、またはバッテリレベルが低い場合にモバイルロケーションデバイスを充電するためのリマインダなどのメッセージをユーザおよび駐車監視員に伝達するための電子ディスプレイを有する。ユーザは、表示画面上のこのようなメッセージに注意を払い、システムが正常に動作していることを確実にするためにそれに従うことを選択することができる。モバイルロケーションデバイスがユーザの車両のフロントガラスに配置され、車両の外側から容易に見える場合、駐車監視員は、車両が合法に駐車されているか否か、ならびに車両が駐車ゾーン内に留まるために支払いが処理されることを確立するために、ディスプレイからの情報を使用することができる。例えば、駐車取締に対するメッセージが「1:23PMに満了」と読むことができ、現在の時刻が例えば1:11PMでは場合、このメッセージは、車両が駐車区画内に合法に滞在する時間がまだあることを取締官に伝えている。
【0139】
いくつかの実装形態では、表示画面の代わりに、またはユーザおよび駐車監視員に伝達されるアクティブ駐車セッションの追加のインジケータ、もしくはエラーメッセージなどの他のメッセージとして、モバイルロケーションデバイス上のLEDライトを使用することができる。例えば、モバイルロケーションデバイスは、駐車セッションがアクティブであるとき、LEDライトを緑色の点灯(点滅ではない)で照明することができる。別の例では、モバイルロケーションデバイスは、エラーが発生した場合、または駐車セッションが開始されていない場合に、LEDライトを点滅または明滅させることができる。
【0140】
別の実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、オーディオフォーマットで追加のメッセージを提供することによってユーザとの伝達を容易にするために、スピーカを装備することができる。例えば、ユーザが法定駐車ゾーンに到着し、モバイルロケーションデバイスが事前設定された時間(例えば、30秒、1分、何らかの他の適切な量の時間)にわたって移動しないとき、モバイルロケーションデバイスは、駐車イベントに登録しようと試みてもよく、法定駐車ゾーンの時間制限および料金など、ジオマッピングサーバから取得した情報をスピーカによってアナウンスする。このようなメッセージは、「車両の駐車に成功しました。1:23PMまでここに2時間滞在することができ、1時間当たり$2支払うことになります」と言う。
【0141】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、駐車取締デバイスまたはエネルギー分注デバイスと通信するように構成することができる。例えば、モバイルロケーションデバイスが低エネルギー無線通信システムを含む実装形態では、モバイルロケーションデバイスは、やはり互換性のある低エネルギー無線通信システムで構成された駐車取締デバイスから情報の要求を受信することができる。モバイルロケーションデバイスは、モバイルロケーションデバイスのアクティブ駐車セッションに関する情報を提供することができる。あるいは、モバイルロケーションデバイスがアクティブ駐車セッションを有していないとき、モバイルロケーションデバイスは、駐車監視員がモバイルロケーションデバイスのアカウント情報に基づいてチケットを生成することができるように、駐車取締デバイスにその識別情報を提供することができる。このようにして、駐車監視員は、モバイルロケーションデバイスを用いて車両の傍らを迅速に歩行または運転し、どの車両が合法に駐車しているかを自動的に知ることができる。いくつかの実装形態では、駐車監視員は、駐車違反のインボイスを処理のためにジオマッピングサーバに送信することができる。このようにして、ジオマッピングサーバは、駐車違反をユーザに警告し、ユーザにチケットを提供することができる。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、ユーザが駐車および支払いシステムを通じてチケットの支払いを行うことを可能にする。ユーザは、ユーザデバイスアプリケーションを使用して、または支払いを承認するためにモバイルロケーションデバイス上のボタンを押すことによって、支払いを承認することができる。いくつかの実装形態では、駐車監視員が1つのモバイルロケーションデバイスに関連付けられたチケットを生成し、その情報をジオマッピングサーバに送信したとき、ジオマッピングサーバは、法定駐車ゾーン内にない(または非アクティブ駐車セッションを有する)他の近くの(例えば、半径3ブロック以内、または他の適切な半径内の)モバイルロケーションデバイスのユーザに、自身の車両を法定駐車ゾーンに移動させるかまたは駐車セッションを起動するように警告を送信し得る。エネルギー分注シナリオでは、モバイルロケーションデバイスは、エネルギー分注デバイスの承認および起動を要求するために、互換性のある低エネルギー無線通信システムを使用してエネルギー分注デバイスと通信することができる。例えば、モバイルロケーションデバイスは、燃料を分注するための燃料ポンプを起動させるように燃料補給セッションを承認するために、使用されるクレジットカード情報などのユーザの情報を提供するために燃料ポンプと通信することができる。燃料ポンプと支払いプロセッサとの間の相互作用は、ブロック1122および1124で
図11に示されるように、燃料ポンプの承認を要求するジオマッピングサーバに取って代わるかまたはこれの代替となることができる。
【0142】
いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイスを有するユーザには、モバイルロケーションデバイスまたはジオマッピングサーバのユーザのアカウントに関連付けられた固有のバーコード、QRコード(登録商標)、または他の機械可読コードが供給され得る。機械可読コードは、モバイルロケーションデバイスが車両内に隠れたままである間、ユーザの車両の可視エリアに配置することができる。駐車監視員が機械可読コードをスキャンすると、駐車取締デバイスは、機械可読コードに関連付けられた情報の要求をジオマッピングサーバに送信することができる。モバイルロケーションデバイスが法定駐車ゾーンで駐車セッションを起動した場合、クエリジオマッピングサーバは、車両が合法に駐車されているというメッセージで駐車取締デバイスに応答する。ジオマッピングサーバは、駐車セッションが満了するとき、および追加の駐車時間を購入することができるか否かなどの他の有用な情報を提供し得る。ジオマッピングサーバはまた、車両に関する他の情報(例えば、車両に関連付けられたチケットの枚数、未処理法執行フラグが車両に関連付けられているか否か)も有し得る。
【0143】
いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、法定駐車ゾーンのデータベースを更新するために、ユーザからクラウドソースデータを収集する。いくつかの実装形態では、ユーザは、新しい法定駐車ゾーン内にあるものとしてユーザのモバイルロケーションデバイスの座標を取得する要求をジオマッピングサーバに送信するユーザのユーザデバイスの機能を選択し得る。ジオマッピングサーバは、モバイルロケーションデバイスがその現在の座標を計算する要求を送信し、潜在的に新しい法定駐車ゾーンとして検討するためにこのような座標をジオマッピングサーバに返送してもよい。いくつかの実装形態では、ジオマッピングサーバは、このような座標が新しい法定駐車ゾーンに関連付けられていることを確認するために、ローカルまたは州政府サーバに要求を送信してもよい。政府サーバから確認を受信した場合には、ジオマッピングサーバは、このような座標が将来の駐車セッションのための新しい法定駐車ゾーンであることを反映するために、そのデータベースを更新し得る。いくつかの実装形態では、モバイルロケーションデバイス上のボタンは、モバイルロケーションデバイスの現在位置が新しい法定駐車ゾーンに関連付けられていることをジオマッピングサーバに通知することに関連付けられてもよい。
【0144】
いくつかの実装形態では、特定のセットの計算された座標データが新しい法定駐車ゾーンに関連付けられるという複数の要求をジオマッピングサーバが異なるユーザから受信した場合、ジオマッピングサーバは、将来の駐車セッションのための新しい法定駐車ゾーンとしてこのような計算された座標データをそのデータベースに自動的に追加し得る。最小要求数は、5つ以上の要求であってもよいが、計算された座標データをジオマッピングサーバの法定駐車ゾーンのデータベースに追加するための閾値として、任意の適切な数の要求が使用され得ることを前提とする。いくつかの実装形態では、ユーザは、新しい法定駐車ゾーンにおける最大駐車回数、時間当たりのコストなど、新しい法定駐車ゾーンに関する追加情報をジオマッピングサーバに提供し得る。いくつかの実装形態では、この追加情報は、所定数のユーザが新しい法定駐車ゾーンに関する同じ情報を提供したときに、データベースに追加される。いくつかの実装形態では、ユーザは、ユーザのユーザデバイス上のアプリケーションを通じてこのような情報を提供してもよい。
【0145】
本明細書に記載される実装形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実装され得る。本明細書の開示の実装形態はまた、1つ以上のプロセッサによって読み取られ実行され得る、機械可読媒体上に記憶された命令として実装されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態で情報を記憶または送信するための任意の機構を含み得る。例えば、機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);ハンドヘルドコンピュータ、PDA、スマートフォン、および他のポータブルデバイスのハードウェアメモリ;磁気ディスク記憶媒体;光記憶媒体;USBドライブおよび他のフラッシュメモリデバイス;インターネットクラウドストレージなどを含んでもよい。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定の動作を実行するものとして本明細書に記載され得る。しかしながら、このような説明は単に便宜上のものであり、このような動作は実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、または他のデバイスから生じることを理解されたい。
【0146】
方法/プロセス動作(例えば、ブロック)は特定の順序で記載され得るが、オーバレイ動作の処理が所望の方法で行われる限り、動作の合間に他のハウスキープ処理を行うことができ、または異なる時間に行われるように動作を調整することができ、またはシステム内に分散させて、処理に関連付けられた様々な間隔で処理動作を発生させることができることを理解されたい。
【0147】
本開示は、様々な態様の例示として意図される、本開示に記載される特定の実装形態に関して限定されるものではない。また、様々な開示された実装形態は、別途明記されない限り、互いに交換可能に使用することができる。当業者には明らかになるように、その趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、上記の説明から当業者には明らかであろう。このような修正および変形は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲、ならびにこのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲の条件によってのみ限定されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の実装形態を説明する目的のためであり、限定することを意図しないこともまた理解されたい。
【0148】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確にするために本明細書に明示的に記載され得る。
【0149】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般的に「オープン」用語(例えば、「含んでいる(including)」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである、など)として意図されることが、当業者によって理解されるだろう。特定の数の導入された請求項の記載が意図される場合、そのような意図は請求項において明示的に記載され、このような記載がない場合にはこのような意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されるだろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つ」および「1つ以上」という導入句の使用を含み得る。しかしながら、このような語句の使用は、同じ請求項が導入句「1つ以上」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、このような導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求項をこのような記載を1つしか含まない実装形態に限定することを暗示すると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈すべきである)。請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが言える。加えて、特定の数の導入された請求項の記載が明示的に記載されたとしても、当業者は、このような記載が少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するだろう(例えば、他の修飾語のないそのままの記載「2つの記載」は少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B,およびCなどのうちの少なくとも1つ」と類似の慣例が使用される事例では、一般に、このような構造は、当業者がその慣例を理解するように意図される(例えば、「A、B,およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびBを一緒に有するシステムを含むがこれに限定されない)。「A、B,またはCなどのうちの少なくとも1つ」と類似の慣例が使用される事例では、一般に、このような構造は、当業者がその慣例を理解するように意図される(例えば、「A、B,またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、および/またはA、B、およびBを一緒に有するシステムを含むがこれに限定されない)。2つ以上の代替用語を表す実質的に任意の選言的な単語および/または語句は、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあるかにかかわらず、用語のうちの1つ、用語の一方、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されることが、当業者によってさらに理解されるだろう。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解される。加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載されるとき、当業者は、本開示がこれによってマーカッシュ群の任意の個別メンバーまたはメンバーのサブグループに関して記載されていることを認識するだろう。
【0150】
いくつかの実装形態を記載してきた。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正が行われ得る。例えば、上記で示された様々な形態の方法/プロセスは、動作またはステップを並べ替え、追加し、省略して使用されてもよい。したがって、他の実装形態も以下の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】