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2025-505671水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイス、及びデバイスを含む同じ目的を実現するためのシステム
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  • -水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイス、及びデバイスを含む同じ目的を実現するためのシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイス、及びデバイスを含む同じ目的を実現するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/08 20060101AFI20250220BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20250220BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20250220BHJP
   C25B 9/015 20210101ALI20250220BHJP
【FI】
C25B15/08 302
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/015
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547074
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 ES2022070095
(87)【国際公開番号】W WO2023161535
(87)【国際公開日】2023-08-31
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524295294
【氏名又は名称】ハイドリス エコテック,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ルス マルティネス,ホセ
(72)【発明者】
【氏名】フエ グロンドーナ,フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス ルス,アルフレッド
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC04
4K021CA09
4K021CA11
4K021DC01
4K021DC03
(57)【要約】
本発明は水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイスに関し、本デバイスは、水量を含むように設計された加水分解チャンバーを形成するケースと、カソード及びアノードとして働く電極手段と、加水分解チャンバーで、カソードとアノードとの間に配置されたガス分離手段と、を備え、ガス分離手段は、生成された水素ガス及び酸素ガスが、透過性膜セグメントを通過して、一緒に混合するのを防止するのに適切な透過性膜セグメントを備え、加水分解チャンバーは、カソードを含む第1の部と、アノードを含む第2の部とに分割され、第1のチャンバー及び第2のチャンバーは、水素ガス及び酸素ガスの各々の管と流体連通する。また、本発明は、上記に説明したような少なくとも1つのデバイスを備える同じ目的を実現するためのシステムにも関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイス(1)であって、
-水量を含むように設計された加水分解チャンバー(5)を形成するケース(1.1)と、
-前記加水分解チャンバー(5)に含まれる前記水と接触して離間して配置された、カソード(2)及びアノード(4)として働く各々の電極手段であって、使用時、前記カソード(2)及び前記アノード(4)は、各々、前記加水分解チャンバー(5)に含まれる前記水を、水素ガス及び酸素ガスに解離するように構成される、各々の電極手段と、
-前記加水分解チャンバー(5)で前記カソード(2)及び前記アノード(4)によって生成された前記水素ガス及び前記酸素ガスを分離するように設計されたガス分離手段(3)と、
-前記加水分解チャンバー(5)と連通する水素ガス管(1.2)及び酸素ガス管(1.3)と、
-前記加水分解チャンバー(5)と連通する補充用水管(1.5)と、を備え、
前記ガス分離手段(3)は、前記加水分解チャンバー(5)で、前記カソード(2)と前記アノード(4)との間に配置され、前記生成された水素ガス及び酸素ガスが、前記透過性膜セグメント(3.1)を通過し、一緒に混合することを防止するのに適切な透過性膜セグメント(3.1)を備え、その結果、前記ガス分離手段(3)は、前記加水分解チャンバー(5)を、前記カソード(2)を含む第1のチャンバー部(5.1)と、前記アノード(4)を含む第2のチャンバー部(5.2)とに分割し、前記第1のチャンバー部(5.1)は前記水素ガス管(1.2)と流体連通し、前記第2のチャンバー部(5.2)は、前記酸素ガス管(1.3)と流体連通し、
前記ガス分離手段(3)は、前記透過性膜セグメント(3.1)に固定された誘電体分離セグメント(3.2)を備え、前記透過性膜セグメント(3.1)は下端(3.12)で開き、その結果、前記誘電体分離セグメント(3.2)は、前記加水分解チャンバー(5)に含まれる第1の水位(N1)と、前記水素ガス管(1.2)との間の第1のガス蓄積チャンバー(6)と、前記加水分解チャンバー(5)に含まれる第2の水位(N2)と、前記酸素ガス管(1.3)との間の第2のガス蓄積チャンバー(7)と、を形成し、使用時、前記加水分解チャンバー(5)に含まれる前記第1の水位(N1)と第2の水位(N2)との差は、各々、前記第1のガス蓄積チャンバー(6)及び第2のガス蓄積チャンバー(7)の水素ガス及び酸素ガスの蓄積量の差に一致することを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記カソード(2)はステンレス鋼の第1の管状要素(2.1)を備え、第1の上端(2.11)はステンレス鋼の第1の締結リング(2.2)と同心円状に固定され、前記第1の管状要素(2.1)の前記第1の上端(2.11)は少なくとも第1の貫通孔(2.12)を備え、第1の電圧入力部(2.3)は前記第1の締結リング(2.2)に固定される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記アノード(4)はステンレス鋼の第2の管状要素(4.1)を備え、第2の上端(4.11)はステンレス鋼の第2の締結リング(4.2)と同心円状に固定され、前記第2の管状要素(4.1)の前記第2の上端(4.11)は少なくとも第2の貫通孔(4.12)を備え、第2の電圧入力部(4.3)は前記第2の締結リング(4.2)に固定される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ガス分離手段(3)の前記誘電体分離セグメント(3.2)は、ステンレス鋼の第3の管状要素(3.21)を備え、上端(3.211)は、ステンレス鋼の第3の締結リング(3.22)と同心円状に固定され、前記第3の管状要素(3.21)及び前記第3の締結リング(3.22)は、エポキシビニルエステル樹脂でコーティングされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ガス分離手段(3)の前記透過性膜セグメント(3.1)は、円筒形スリーブの形態で形成され、前記透過性膜セグメント(3.1)の上端(3.11)は、前記誘電体分離セグメント(3.2)の前記第3の管状要素(3.21)の下端(3.212)に固定される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ガス分離手段(3)の前記透過性膜セグメント(3.1)は、織布材料、多孔質材料、微細穿孔材料から作られる、または、前記透過性膜セグメント(3.1)の化学組成は、電子が通過することを可能するのに適切であり、ポリプロピレン、テトラフルオロエチレンに基づくスルホン化コポリマーフッ素ポリマー、ポリアクリロニトリル、メタアラミド、ポリアミド、エラステイン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及びファイバー、またはそれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される、請求項1または5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の管状要素(2.1)は前記第3の管状要素(3.21)よりも大きい直径を有し、前記第3の管状要素(3.21)は前記第2の管状要素(4.1)よりも大きい直径を有し、その結果、前記第2の管状要素(4.1)は、前記誘電体分離セグメント(3.2)の前記第3の管状要素(3.21)及び前記透過性膜セグメント(3.1)の内側に配置されるように構成され、前記第2の締結リング(4.2)は前記第3の締結リング(3.22)上に結合され、さらには、前記誘電体分離セグメント(3.2)の前記第3の管状要素(3.21)及び前記透過性膜セグメント(3.1)は、前記第1の管状要素(2.1)の内側に配置されるように構成され、前記第3の締結リング(3.22)は前記第1の締結リング(2.2)上に結合され、さらには、前記第1の管状要素(2.1)は、前記ケース(1.1)のコンテナ体(1.11)の内側に配置されるように構成され、前記第1の締結リング(2.2)は、前記コンテナ体(1.11)の上側フランジ(1.111)上に結合され、前記ケース(1.1)のカバー体(1.12)の下側フランジ(1.121)は、前記第2の締結リング(4.2)上に結合するように構成される、請求項2~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記下側フランジ(1,121)、前記第2の締結リング(4.2)、前記第3の締結リング(3.22)、前記第1の締結リング(2.2)、及び前記上側フランジ(1,111)の間に、各々のシールガスケット(8)が配置され、固定手段は、前記下側フランジ(1.121)、前記第2の締結リング(4.2)、前記第3の締結リング(3.22)、前記第1の締結リング(2.2)、前記上側フランジ(1.111)、及び前記シールガスケット(8)を通過するように構成され、前記ケース(1.1)を密封して閉じる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記カバー体(1.12)は、前記第2のガス蓄積チャンバー(7)の一部であるキャビティ(7.1)を形成する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのシステムであって、
-請求項1~9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのデバイス(1)と、
-カソード(2)の第1の電圧入力部(2.3)に、かつ前記デバイス(1)の電極手段のアノード(4)の第2の電圧入力部(4.3)に接続される、電源と、
-各々、前記デバイス(1)の水素ガス管(1.2)及び酸素ガス管(1.3)の下流に配置された水素タンク(11)及び酸素タンク(12)を備える水素ガス及び酸素ガスのための圧力貯蔵手段と、を備え、
前記水素タンク(11)の第1の上端(11.1)は前記水素ガス管(1.2)に接続され、前記酸素タンク(12)の第2の上端(12.1)は前記酸素ガス管(1.3)に接続され、前記水素タンク(11)の第1の下端(11.2)は、第1の接続管(13)を用いて、前記酸素タンク(12)の第2の下端(12.2)に接続され、その結果、前記水素タンク(11)及び前記酸素タンク(12)は、前記第1の接続管(13)を通して、前記タンク(11,12)の一方から他方に移送して、前記酸素タンク(12)の第4の水位(N4)の上にある酸素ガス(O)の貯蔵体積に対して、前記水素タンク(11)の第3の水位(N3)の上にある水素ガス(H)の貯蔵体積を変えるために、また逆の場合も同様に、各々、前記水素ガス管(1.2)、前記酸素ガス管(1.3)、及び前記第1の接続管(13)に、配置された各々のソレノイドバルブ(14)の作動の組み合わせに応じて、適切な水量を共有する、システム。
【請求項11】
前記水素タンク(11)の前記第1の上端(11.1)は水素ガス出口管(15)を備え、前記酸素タンク(12)の前記第2の上端(12.1)は酸素ガス出口管(16)を備え、前記水素ガス(15)及び酸素ガス出口管(16)は各々のソレノイドバルブ(14)を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記デバイス(1)と前記酸素タンク(12)との間に、前記酸素ガス管(1.3)に並列接続される加熱ループ(17)を備え、前記加熱ループ(17)はコイル(17.1)を形成し、前記コイル(17.1)は、前記水素タンク(11)の前記第1の下端(11.2)と、前記第1の接続部管(13)と、前記酸素タンク(12)の前記第2の下端(12.2)と、前記加熱ループ(17)に配置されたソレノイドバルブ(14)とを囲み、前記酸素ガス管(1.3)に配置された第2のソレノイドバルブ(14)は、前記加熱ループ(17)を通る前記酸素ガスの迂回路を調整する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
直列に配置されたデバイス(1)のセットを含む、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基本的に、水素ガスを発生させるために、例えば、燃料として水素ガスを使用するために使用されるデバイス及びシステムの分野の範囲内に包含される。具体的には、本発明は、アルカリ性反応器に関し、同様に、水素ガス及び酸素ガスを、水の電気分解から生成するために使用される少なくとも1つのデバイスまたは反応器を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
既に知られているように、地域社会は、大部分、より高度な公害燃料に依存しているため、現在の環境問題をもたらしている。したがって、現在の公害燃料の代わりに使用される無公害燃料の中でも、水素ガスが挙げられる。現在、水素の約95%は天然ガスから生成され、残りは、自然界に豊富に存在する資源である水の電気分解により生成される。
【0003】
水素ガス及び酸素ガスを水分子の解離から生成する様々なデバイス及びシステムが知られている。これらのデバイスは、基本的に、キャビティで構成されている加水分解チャンバーに基づいており、キャビティは、一定の水量を含み(硫酸、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の電解質を追加して、電気分解の効率を高めることは一般的である)、また、各々、離間して、加水分解チャンバーに含まれる水と接触して配置される、カソード及びアノードとして働く各々の電極手段も含む。電極(アノード及びカソード)を介して、水に接続される電源または電池のいずれかによって供給された直流を用いて、水を酸素(O2)ガス及び水素(H2)ガスの分解を実現する。電気分解によって生成されたガスは、加水分解チャンバーの上部に収集され、次に、その名称が示すように、別々のタンクに貯蔵される前に、該ガスを分離しようとしているガス分離手段を通過する。
【0004】
本発明は、既知の酸水素ガス(HHO)発生デバイス及びシステムの代わりの解決策を提案しようとしている。様々な機能に対して非常に低消費電力であることに加えて、有効、効率的、安全、及び持続可能である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は独立請求項で制定され、特徴付けられる一方、従属請求項はその他の特徴を説明する。
【0006】
本発明の目的は、水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイスであり、本デバイスは、
-水量を含むように設計された加水分解チャンバーを形成するケースと、
-加水分解チャンバーに含まれる水と接触して離間して配置された、カソード及びアノードとして働く各々の電極手段であって、使用時、カソード及びアノードは、各々、加水分解チャンバーに含まれる水を、水素ガス及び酸素ガスに解離するように構成される、各々の電極手段と、
-加水分解チャンバーでカソード及びアノードによって生成された水素ガス及び酸素ガスを分離するように設計されたガス分離手段と、
-加水分解チャンバーと連通する水素ガス管、酸素ガス管、及び補充用水管と、
を備える。
【0007】
ガス分離手段は、加水分解チャンバーで、カソードとアノードとの間に配置され、生成された水素ガス及び酸素ガスが、該透過性膜セグメントを通過し、一緒に混合することを防止するのに適切な透過性膜セグメントを備え、その結果、ガス分離手段は、加水分解チャンバーを、カソードを含む第1のチャンバー部と、アノードを含む第2のチャンバー部とに分割し、第1のチャンバー部は水素ガス管と流体連通し、第2のチャンバー部は酸素ガス管と流体連通する。
【0008】
また、本発明の目的は、水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのシステムであり、本システムは、
-上記に説明したものと同様の少なくとも1つのデバイスと、
-カソードの第1の電圧入力部に、かつデバイスの電極手段のアノードの第2の電圧入力部に接続される、電源と、
-各々、デバイスの水素ガス管及び酸素ガス管の下流に配置された水素タンク及び酸素タンクを備える水素ガス及び酸素ガスのための圧力貯蔵手段と、
を備える。
【0009】
水素タンクの第1の上端は水素ガス管に接続され、酸素タンクの第2の上端は酸素ガス管に接続され、水素タンクの第1の下端は、第1の接続管を用いて、酸素タンクの第2の下端に接続され、その結果、水素タンク及び酸素タンクは、第1の接続管を通して、タンクの一方から他方に移送して、酸素タンクの第4の水位の上にある酸素ガスの貯蔵体積に対して、水素タンクの第3の水位の上にある水素ガスの貯蔵体積を変えるために、また逆の場合も同様に、各々、水素ガス管、酸素ガス管、及び第1の接続管に配置された各々のソレノイドバルブの作動の組み合わせに応じて、適切な水量を共有する。
【0010】
したがって、デバイス及びシステムは、圧縮ガスの形態でのエネルギーの貯蔵及び他の用途が意図される燃料及び酸化剤のために高い電気化学的圧縮容量で、水素ガス及び酸素ガスを水から発生させるために実現される。
【0011】
本明細書は一式の図によって補完され、図は、好ましい例を示し、決して、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイスの分解斜視図を示す。
図2図1のデバイスの概略前面図を示す。
図3図1のデバイスの水補充手段の拡大断面概略図を示す。
図4図1のデバイスを含む、水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのシステムの概略図を示す。
図5】直列に接続された図1と同様の複数のデバイスを含む図4のシステムの第2の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのデバイスである。
【0014】
図1及び図2に示されるように、デバイス(1)はケース(1.1)を備え、ケース(1.1)は、水量を含むように設計された加水分解チャンバー(5)を形成し、硫酸、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の電解質を追加して、加水分解チャンバー(5)の内部で生じる電気分解の効果を増加させ得る。
【0015】
デバイス(1)は、さらに、加水分解チャンバー(5)に含まれる水と接触して離間して配置された、カソード(2)及びアノード(4)として働く各々の電極手段を備え、使用時、カソード(2)及びアノード(4)は、各々、加水分解チャンバー(5)に含まれる水を、水素ガス及び酸素ガスに解離するように構成される。
【0016】
さらに、デバイス(1)は、加水分解チャンバー(5)と連通する水素ガス管(1.2)及び酸素ガス管(1.3)と、同様に、加水分解チャンバー(5)と連通する補充用水管(1.5)と、を備える。
【0017】
好ましくは、カソード(2)はステンレス鋼の第1の管状要素(2.1)を備え、第1の上端(2.11)はステンレス鋼の第1の締結リング(2.2)と同心円状に固定される。
【0018】
「締結リング」は、管状要素のフランジまたは固定用エッジとして使用されるように、該管状要素の端の1つに固定された中空ディスク形本体を意味すると理解される。
【0019】
さらに、第1の管状要素(2.1)の第1の上端(2.11)が、少なくとも1つの第1の貫通孔(2.12)を備え、第1の貫通孔(2.12)により、生成された水素ガスが、壁の一側から第1の管状要素(2.1)の他側に通過し、水素ガス管(1.2)の方向に向かうことが可能になることが好ましい。
【0020】
同様に、第1の電圧入力部(2.3)は第1の締結リング(2.2)に固定されることが好ましい。
【0021】
一方、アノード(4)はステンレス鋼の第2の管状要素(4.1)を備え、第2の上端(4.11)はステンレス鋼の第2の締結リング(4.2)と同心円状に固定されることが好ましい。
【0022】
同じように、カソード(2)に関して、第2の管状要素(4.1)の第2の上端(4.11)が、少なくとも1つの第1の貫通孔(4.12)を備え、第2の貫通孔(4.12)により、生成された酸素ガスが、壁の一側から、第2の管状要素(4.1)の他側に通過し、酸素ガス管(1.3)に向かうことが可能になることが好ましい。
【0023】
好ましくは、第2の電圧入力部(4.3)は、第2の締結リング(4.2)に固定される。
【0024】
同様に、デバイス(1)は、加水分解チャンバー(5)でカソード(2)及びアノード(4)によって生成された水素ガス及び酸素ガスを分離するように設計されているガス分離手段(3)を備える。
【0025】
図2に示されるように、ガス分離手段(3)は、加水分解チャンバー(5)で、カソード(2)とアノード(4)との間に配置され、生成された水素ガス及び酸素ガスが、透過性膜セグメント(3.1)を通過し、一緒に混合することを防止するのに適切な透過性膜セグメント(3.1)を備える。言い換えれば、透過性膜セグメント(3.1)により、電子の通路が可能になるが、生成された水素ガス及び酸素ガスの通路が不可能であり、該ガスが一緒に混合するのを防止する。
【0026】
このように、ガス分離手段(3)は、加水分解チャンバー(5)を、水素ガスが生成される、カソード(2)を含む第1のチャンバー部(5.1)と、酸素ガスが生成される、アノード(4)を含む第2のチャンバー部(5.2)とに分割する。
【0027】
同様に、第1のチャンバー部(5.1)は水素ガス管(1.2)と流体連通し、第2のチャンバー部(5.2)は酸素ガス管(1.3)と流体連通して、その結果、水素ガスがカソード(2)に沿って生成されるので、水素ガス管(1.2)の方向に第1のチャンバー部(5.1)を通って搬送され、同様に、アノード(4)に沿って生成された酸素ガスは、酸素ガス管(1.3)の方向に、第2のチャンバー部(5.2)を通って搬送される。
【0028】
したがって、水素ガス及び酸素ガスは、対応する電極媒体、すなわち、カソード(2)またはアノード(4)のいずれかから速く分散及び分離するために大きい体積を有し、対応する水素ガス(1.2)及び酸素ガス(1.3)の管に対する方向に、該ガスは、一緒に混合しないで、透過性膜セグメント(3.1)を通って、すぐに上昇する。
【0029】
図1に示されるように、ガス分離手段(3)は、透過性膜セグメント(3.1)に固定された誘電体分離セグメント(3.2)を備えることが好ましい。
【0030】
図2に示されるように、誘電体分離セグメント(3.2)は、第1のチャンバー部(5.1)に対応する、加水分解チャンバー(5)に含まれる第1の水位(N1)と、水素ガス管(1.2)との間の第1のガス蓄積チャンバー(6)と、第2のチャンバー部(5.2)に対応する、加水分解チャンバー(5)に含まれる第2の水位(N2)と、酸素ガス管(1.3)との間の第2のガス蓄積チャンバー(7)と、を形成する。そこで、加水分解チャンバー(5)に含まれる第1の水位(N1)と第2の水位(N2)との差は、各々、第1のガス蓄積チャンバー(6)及び第2のガス蓄積チャンバー(7)の水素ガス及び酸素ガスの蓄積量の差に一致する。
【0031】
したがって、カソード(2)によって生成された水素ガスは、決して、アノード(4)によって生成された酸素ガスと接触しない。その理由として、水素ガスは、誘電体分離セグメント(3.2)とカソード(2)との間で、第1のガス蓄積チャンバー(6)に蓄積し、酸素ガスは、誘電体分離セグメント(3.2)とアノード(4)との間で、第2のガス蓄積チャンバー(7)に蓄積するためである。ガス蓄積チャンバー(6,7)の両方の充填により、下向き圧力が生成され、すなわち、各々、加水分解チャンバー(5)に含まれる第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)に向かう圧力が生成され、該圧力はガス(水素及び酸素)にかけられ、各々のガス蓄積チャンバー(6,7)までの該ガスの垂直上昇は速く実施され、このとき、透過性膜セグメント(3.1)に向かう水平変位が生じることなく、通過しようとする。
【0032】
両方のガス蓄積チャンバー(6,7)に生じるガスの圧力は、別々に分離するために各々の水素ガス(1.2)及び酸素ガス管(1.3)を通る該ガスの圧力を抽出するために使用される圧力である。例えば、水素ガス管(1.2)及び酸素ガス管(1.3)は、それぞれ、各々の流量調整手段、例えば、ソレノイドバルブ(14)を備え得、酸素ガス管(1.3)のソレノイドバルブ(14)を閉じ、水素ガス管(1.2)のソレノイドバルブ(14)を開けることによって、第2のガス蓄積チャンバー(7)の圧力は、厳密にその中に酸素ガスが蓄積することによって増加し、その圧力によって、加水分解チャンバー(5)の第2の水位(N2)が押し下げられると同時に、該加水分解チャンバー(5)の第1の水位(N1)は、第1のガス蓄積チャンバー(6)に蓄積した水素ガスを上昇させて押し出し、水素ガス管(1.2)を通りデバイス(1)から出る。水素ガス管(1.2)のソレノイドバルブ(14)を閉じ、酸素ガス管(1.3)のソレノイドバルブ(14)を開けるとき、反対のことが起こる。すなわち、加水分解チャンバー(5)の第1の水位(N1)は、第1のガス蓄積チャンバー(6)の水素ガスの圧力を増加させることによって押し下げられる。それと同時に、該加水分解チャンバー(5)の第2の水位(N2)は、第2のガス蓄積チャンバー(7)に蓄積した酸素ガスを上昇させて押し出し、酸素ガス管(1.3)を通りデバイス(1)から出る。
【0033】
したがって、効率的なデバイス(1)は、高い圧縮力で水素ガス及び酸素ガスを生成するために実現され、水分子を、それを構成する2つのガス、水素及び酸素に分離し、追加の圧縮機の補助なしで、別々のチャンバー(6,7)で直接、水素及び酸素を圧縮するように設計されている。
【0034】
好ましくは、図1に示されるように、ガス分離手段(3)の誘電体分離セグメント(3.2)は、ステンレス鋼の第3の管状要素(3.21)を備え、上端(3.211)は、ステンレス鋼の第3の締結リング(3.22)と同心円状に固定される。好ましくは、第3の管状要素(3.21)及び第3の締結リング(3.22)は、アルカリ性物質に耐性があり、熱抵抗が高く、高圧に耐性があり、かつ電気絶縁性がある材料でコーティングされ、その材料は、例えば、いずれかのエポキシ樹脂であり、具体的には、エポキシビニルエステル樹脂、または同様の特徴がある任意のエナメル質であることが好ましい。カソード(2)とアノード(4)との間に誘電体分離セグメント(3.2)が配置される場合、無反応ゾーンは、有利に、ガス蓄積チャンバー(6,7)を形成するために使用される該要素(2,4)の間に形成される。
【0035】
一方、ガス分離手段(3)の透過性膜セグメント(3.1)では、電気分解の反応ゾーンは円筒形スリーブの形態で形成されることと、透過性膜セグメント(3.1)の上端(3.11)は、誘電体分離セグメント(3.2)の第3の管状要素(3.21)の下端(3.212)に密封して固定されることと、が好ましい。同様に、透過性膜セグメント(3.1)は、電気分解反応がない加水分解チャンバー(5)の底部(5.3)において、その下端(3.12)で開くことが好ましい。これは、該加水分解チャンバー(5)の第1のチャンバー(5.1)と第2のチャンバー(5.2)との間で、第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)(電解質)を補償することを可能にする目的で行われ、したがって、透過性膜セグメント(3.1)に対してガス(水素または酸素)の押し付けをもたらす過圧を回避する。
【0036】
好ましくは、ガス分離手段(3)の透過性膜セグメント(3.1)は、織布材料、多孔質材料、微細穿孔材料から作られる、または、透過性膜セグメント(3.1)の化学組成は、電子が通過することを可能にし(すなわち、その化学組成は自然に多孔性を有する)、例えば、ポリプロピレン、テトラフルオロエチレンに基づくスルホン化コポリマーフッ素ポリマー、ポリアクリロニトリル、メタアラミド、ポリアミド、エラステイン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及びファイバー、またはそれらの任意の組み合わせから成るグループから選択される。または、同じ技術的な特徴があるいずれかの物質が考えられ、すなわち、アルカリ性物質及び/または酸性物質によって生じた腐食に対する化学抵抗があり、電荷の通路を可能にする能力があり、水素原子及び酸素原子が浸透しない物質が考えられる。
【0037】
膜上でのガスの透磁率は、ガスが膜を通過するために大きな圧力をかけることを必要にし、その圧力は、両方向に発生し、すなわち、水素ガスが生成される透過性膜セグメント(3.1)の側から、酸素ガスが生成される該透過性膜セグメント(3.1)の他側に向かって発生し、逆の場合も同様である。したがって、ガスは、第1のガス蓄積チャンバー(6)及び第2のガス蓄積チャンバー(7)で上方に貯蔵容量を有し、透過性膜セグメント(3.1)の両側で同じ圧力にあり、該ガスは透過性膜セグメント(3.1)を通過し、該透過性膜セグメント(3.1)の両側に表面張力があるため、混合した状態になる可能性が非常に低い。透過性膜セグメント(3.1)が水中に沈むため、圧力が非常に高くなり、さらに、ガスが透過性膜セグメント(3.1)に衝突して通過することを誘発する、圧力不均衡が生じる可能性がない。したがって、ガスは、透過性膜セグメント(3.1)にわたって滑り、第1のガス蓄積チャンバー(6)及び第2のガス蓄積チャンバー(7)の方向に上昇せざるを得ない。
【0038】
他方では、第1の管状要素(2.1)は第3の管状要素(3.21)よりも大きい直径を有することが好ましく、さらには、第3の管状要素(3.21)は第2の管状要素(4.1)よりも大きい直径を有し、その結果、図2に示されるように、第2の管状要素(4.1)は、誘電体分離セグメント(3.2)の第3の管状要素(3.21)及び透過性膜セグメント(3.1)に形成されたセットの内側に配置されるように構成され、第2の締結リング(4.2)は第3の締結リング(3.22)上に結合され、さらには、誘電体分離セグメント(3.2)の第3の管状要素(3.21)及び透過性膜セグメント(3.1)のセットは、第1の管状要素(2.1)の内側に配置されるように構成され、第3の締結リング(3.22)は第1の締結リング(2.2)上に結合される。
【0039】
同じように、さらには、第1の管状要素(2.1)の内側に、その他の要素(4.1,3.21,3.1,4.2)が配置され、第1の管状要素(2.1)は、ケース(1.1)のコンテナ体(1.11)の内側に配置されるように構成され、第1の締結リング(2.2)は、コンテナ体(1.11)の上側フランジ(1.111)上に結合されることが好ましい。
【0040】
さらに、ケース(1.1)のカバー体(1.12)の下側フランジ(1.121)は、デバイス(1)のケース(1.1)の閉鎖を実現するために、第2の締結リング(4.2)上に結合するように構成されることが好ましい。
【0041】
好ましくは、下側フランジ(1,121)、第2の締結リング(4.2)、第3の締結リング(3.22)、第1の締結リング(2.2)、及び上側フランジ(1,111)の間に、各々のシールガスケット(8)が配置される。さらに、固定要素(図示されない)は、下側フランジ(1,121)、第2の締結リング(4.2)、第3の締結リング(3.22)、第1の締結リング(2.2)、上側フランジ(1,111)、及びシールガスケット(8)を通過し、ひいては、デバイス(1)のケース(1.1)を密閉することが好ましい。
【0042】
他方では、図2に示されるように、ケース(1.1)のカバー体(1.12)は、キャビティ(7.1)を形成し、第2のガスの蓄積チャンバー(7)の一部を形成することが好ましい。好ましくは、酸素ガス管(1.3)はキャビティ(7.1)に結合される。
【0043】
同様に、例えば、図3に示されるように、補充用水管(1.5)は、キャビティ(7.1)に結合され得、キャビティ(7.1)の上に配置された補充用水タンク(18)から出て来て、補充用水管(1.5)は、本管から引き込んだ水入口(18.1)及びガス出口(18.2)を含む。補充用水管(1.5)を通る流量、同様に、本管から引き込んだ水入口(18.1)及びガス出口(18.2)を通る流量は、使用され得る可能な流量調整手段の例として、各々のソレノイドバルブ(14)を用いて調整できる。例えば、加水分解チャンバー(5)の水量が、電圧センサー(図示されない)によって実施された伝導率測定でチェックされることが実施され得る。これにより、加水分解チャンバー(5)の内側の水が、電圧センサーによって検出された必要な水位を下回るとき、伝導率は0ボルトであり、0ボルトの読取値に基づいて、加水分解チャンバー(5)の内部で必要な水量を補償する目的で、補充用水管(1.5)を通る水の流入をもたらす。
【0044】
本管から引き込んだ水入口(18.1)のソレノイドバルブ(14)を作動させるまたは開くことによって、同様に、補充用水タンク(18)の内部を大気圧にするために、ガス出口(18.2)を調整するものを作動させることによって、本管から引き込んだ水で、該タンク(18)を充填することが可能になり、その後、本管から引き込んだ水入口(18.1)及びガス出口(18.2)の該ソレノイドバルブ(14)を閉じ、補充用水管(1.5)に対応するソレノイドバルブ(14)を作動させることによって、補充用水タンク(18)に含まれる水は、重力によって、キャビティ(7.1)の中に注がれ、加水分解チャンバー(5)に向かい、その代わりに、第2のガス蓄積チャンバー(7)から、具体的に、キャビティ(7.1)から来る酸素ガスの体積と中和するため、その水は、補充用水タンク(18)に含まれる水の体積を通過し、該補充用水タンク(18)の第5の水位(N5)の上に蓄積する。
【0045】
一方、第2のガス蓄積チャンバー(7)の一部であるキャビティ(7.1)の中に注がれた補充水は、加水分解チャンバー(5)の第2のチャンバー部(5.2)の中に流れ、該加水分解チャンバー(5)の底部(5.3)を通過して(カソード(2)及びアノード(4)に到達しないため、電気分解が発生しない)、チャンバー(5.1)の第1の部に向かう。
【0046】
したがって、単純及び安全な方式で、高圧で動作しながら、加水分解チャンバー(5)を自己充填することが可能になり、高圧噴射ポンプまたは高圧圧縮機等の複雑かつ高価な機械要素を使用しなくても済む。
【0047】
また、本発明の目的は、水素ガス及び酸素ガスを水から生成するためのシステムである。
【0048】
図4に示されるように、システムは、
-上記に説明したものと同様の少なくとも1つのデバイス(1)と、
-カソード(2)の第1の電圧入力部(2.3)に、かつデバイス(1)の電極手段のアノード(4)の第2の電圧入力部(4.3)に接続される、電源(図示されない)と、
-各々、デバイス(1)の水素ガス管(1.2)及び酸素ガス管(1.3)の下流に配置された水素タンク(11)及び酸素タンク(12)を備える水素ガス及び酸素ガスのための圧力貯蔵手段と、
を備える。
【0049】
水素タンク(11)の第1の上端(11.1)は水素ガス管(1.2)に接続され、酸素タンク(12)の第2の上端(12.1)は酸素ガス管(1.3)に接続され、水素タンク(11)の第1の下端(11.2)は、第1の接続管(13)を用いて、酸素タンク(12)の第2の下端(12.2)に接続され、その結果、水素タンク(11)及び酸素タンク(12)は、第1の接続管(13)を通して、タンク(11,12)の一方から他方に移送して、酸素タンク(12)の第4の水位(N4)の上にある酸素ガス(O)の貯蔵体積に対して、水素タンク(11)の第3の水位(N3)の上にある水素ガス(H)の貯蔵体積を変えるために、また逆の場合も同様に、水素ガス管(1.2)及び酸素ガス管(1.3)に配置された各々のソレノイドバルブ(14)の作動の組み合わせに応じて、同様に、第1の接続部管(13)に配置された可能な流量調整手段としての別のソレノイドバルブ(14)の作動の組み合わせに応じて、適切な水量を共有する。
【0050】
言い換えれば、水素ガス管(1.2)、酸素ガス管(1.3)、及び第1の接続部管(13)のソレノイドバルブ(14)は、デバイス(1)で生成された水素ガス及び酸素ガスの抽出を調整することと、同様に、水素タンク(11)及び酸素タンク(12)に独立して貯蔵することと、の役割を担う。
【0051】
例えば、加水分解チャンバー(5)の第2の水位(N2)が高い状態から始まり、第2のガス蓄積チャンバー(7)での酸素ガスの蓄積量がわずかになり、第1のガス蓄積チャンバー(6)での水素ガスの蓄積量が大きくなり、酸素ガス管(1.3)のソレノイドバルブ(14)が閉じるまたは作動しなく、そして、水素ガス管(1.2)のソレノイドバルブ(14)は作動するまたは開いている状態で、酸素ガスの蓄積量が第2のガス蓄積チャンバー(7)で増加し始めると、第2の水位(N2)が減少し、加水分解チャンバー(5)の第1の水位(N1)が上昇し、第1のガス蓄積チャンバー(6)に含まれる水素ガスが押し出され、その結果、水素ガスは、デバイス(1)から出て、水素ガス管(1.2)を通って水素タンク(11)の方向に進み、水素ガスは水素タンク(11)に蓄積し、該水素タンク(11)に含まれる第3の水位(N3)に圧力をかける。同様に、第1の接続部管(13)のソレノイドバルブ(14)を作動させることによって、第3の水位(N3)が減少すると同時に、該酸素タンク(12)の第4の水位(N4)が上昇し、体積の減少、該酸素タンク(12)の貯蔵された酸素ガスの圧力の増加をもたらす。加水分解チャンバー(5)で第2の水位(N2)の所望の減少が実現されると、第1の接続部管(13)のソレノイドバルブ(14)が閉じ、酸素ガス管(1.3)のソレノイドバルブ(14)が開き、次に、第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)を調整する必要が生じるまで、加水分解チャンバー(5)で到達した該第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)を維持する。
【0052】
同じことが、加水分解チャンバー(5)の第1の水位(N1)が高い状態から始まる場合に起こり、第1のガス蓄積チャンバー(6)での水素ガスの蓄積量がわずかになり、第2のガス蓄積チャンバー(7)での酸素ガスの蓄積量が大きくなり、この場合、水素ガス管(1.2)のソレノイドバルブ(14)が作動しなく、そして、酸素ガス管(1.3)のソレノイドバルブ(14)は作動している状態で、酸素ガスの蓄積量が第1のガス蓄積チャンバー(6)で増加し始めると、第1の水位(N1)が減少し、加水分解チャンバー(5)の第2の水位(N2)が上昇し、第2のガス蓄積チャンバー(7)に含まれる酸素ガスが押し出され、その結果、酸素ガスは、デバイス(1)から出て、酸素ガス管(1.3)を通って酸素タンク(12)の方向に進み、酸素ガスは酸素タンク(12)に蓄積し、該酸素タンク(12)に含まれる第4の水位(N4)に圧力をかける。同様に、第1の接続部管(13)のソレノイドバルブ(14)を作動させることによって、第4の水位(N4)が減少すると同時に、該水素タンク(11)の第3の水位(N3)が上昇し、体積の減少、該水素タンク(11)の貯蔵された水素ガス圧力の増加をもたらす。加水分解チャンバー(5)で第1の水位(N1)の所望の減少が実現されると、第1の接続部管(13)のソレノイドバルブ(14)が閉じ、水素ガス管(1.2)のソレノイドバルブ(14)が開き、第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)を再度調整する必要が生じるまで、加水分解チャンバー(5)で到達した該第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)を維持する。
【0053】
前述に説明したように、デバイス(1)の加水分解チャンバー(5)の第1の水位(N1)及び第2の水位(N2)の調整を制御するために、第1のガス蓄積チャンバー(6)及び第2のガス蓄積チャンバー(7)の両方の中に、各々のセンサー手段(図示されない)が配置され、各々、第1のガス蓄積チャンバー(6)または第2のガス蓄積チャンバー(7)の第1の水位(N1)または第2の水位(N2)に到達することを警告し、これと同時に、コントローラー(図示されない)は、状況に応じて、水素ガス管(1.2)、酸素ガス管(1.3)、及び第1の接続部管(13)のソレノイドバルブ(14)の作動を命令できる、または命令しないことが好ましい。同様に、コントローラーは、デバイス(1)及びシステムの両方が、対応するソレノイドバルブ(14)及び/またはセンサー手段と相互作用しながら、説明される残りの機能を命令するように構成される。
【0054】
他方では、水素タンク(11)の第1の上端(11.1)は水素ガス出口管(15)を備え、酸素タンク(12)の第2の上端(12.1)は酸素ガス出口管(16)を備え、同様に、水素ガス(15)及び酸素ガス出口管(16)は各々のソレノイドバルブ(14)を備え、同様に、ソレノイドバルブ(14)を用いて、必要なときに使用するために、タンク(11,12)に貯蔵されたガスの送達量を調整する。
【0055】
水素ガスの発生量は酸素ガスの発生量の2倍になるだけではなく、水素ガスは酸素ガスと異なる圧縮係数を有することも考慮する必要がある。したがって、該ガスがその各々のタンク(11,12)を占有する体積量を知ることは不可能であり、システムは、タンク(11,12)に貯蔵された2つのガスのうちの1つが使用必要量をカバーするために抽出するときに効率的である必要がある。確認されているように、ここで提案されているシステムでは、水素タンク(11)及び酸素タンク(12)の内側にある各ガスによってかけられた圧力は問題ではなく、それらのタンクの間に共有された水の体積は非圧縮性であり、水が該タンク(11,12)の一方から別のものに移送される場合、水素タンク(11)または酸素タンク(12)のいずれかから使用するために該ガスのいずれかを抽出することよって発生した損失が補償される。
【0056】
さらに、貯蔵手段、すなわち、水素タンク(11)及び酸素タンク(12)は、例えば、第2の接続部管(19)を用いて、それらのタンクの各々の下部を通って、デバイス(1)の加水分解チャンバー(5)と連通することが好ましい。同様に、該第2の接続部管(19)を通る流量は、例えば、可能な流量調整手段のようなソレノイドバルブ(14)によって調整でき、その結果、緊急の場合、加水分解チャンバー(5)を空にして、そのチャンバーに含まれる水をタンク(11,12)に送る必要がある。
【0057】
同様に、寒冷気候の場所では、水素ガス及び酸素ガス用の圧力貯蔵手段の凍結を回避するために、デバイス(1)と酸素タンク(12)との間で、酸素ガス管(1.3)に並列接続された加熱ループ(17)が配置されることが好ましい。加熱ループ(17)はコイル(17.1)を形成し、コイル(17.1)は、水素タンク(11)の第1の下端(11.2)、第1の接続部管(13)、及び酸素タンク(12)の第2の下端(12.2)を囲み、そして、各々のソレノイドバルブ(14)は、可能な流量調整手段として、加熱ループ(17)及び酸素ガス管(1.3)に配置されることにより、該ソレノイドバルブ(14)は、加熱ループ(17)を通る酸素ガスの迂回路を調整する。
【0058】
このように、ガスの温度、特に、デバイス(1)から来る酸素ガスの温度を利用する。酸素ガスは、高温で排出され、蒸気の痕跡を伴う可能性があり、水分を含む水素タンク(11)の第1の下端(11.2)、第1の接続部管(13)、及び酸素タンク(12)の第2の下端(12.2)等、必須要素の熱遮蔽、またはシステムの該要素のゾーンを作るために使用できる。
【0059】
加熱ループ(17)のソレノイドバルブ(14)、及び酸素ガス管(1.3)の第2のソレノイドバルブ(14)を命令することによって、加熱ループ(17)のソレノイドバルブ(14)が開き、酸素ガス管(1.3)の該第2のソレノイドバルブ(14)が閉じる状態になり、デバイス(1)から酸素タンク(12)に向かう酸素ガスは、コイル(17.1)を通って循環し、水素タンク(11)の第1の下端(11.2)、第1の接続部管(13)、及び酸素タンク(12)の第2の下端(12.2)が、低温になること、すなわち凍結することを保護する熱遮蔽を作る。コイル(17.1)の下流に、加熱ループ(17)は、該ガスを貯蔵するために酸素タンク(12)に送達する直前に、閉じたままの状態の第2のソレノイドバルブ(14)の下流に配置された点で、酸素ガスを酸素ガス管(1.3)に戻す。熱遮蔽の実装が必要ない場合、加熱ループ(17)のソレノイドバルブ(14)が簡単に閉じ、酸素ガス管(1.3)の第2のソレノイドバルブ(14)は開いて、したがって、加熱ループ(17)を通る酸素ガスのバイパスがなくなり、酸素ガスは、パス酸素ガス管(1.3)に沿って通過して酸素タンク(12)に直接送達される。
【0060】
同じように、熱遮蔽体の実装は補充用水タンク(18)が予測され得る。
【0061】
図5に示されるように、システムは、デバイス(1)のセット、すなわち、直列に配置された2つ以上のデバイスを含み得る。例えば、システムを構成するデバイス(1)は、デバイス(1)と直列にまたは並列に接続された電源として、太陽光発電ソーラーパネル(図示されない)のガーデンによって電力が供給され得、最大でも、該デバイス(1)は時刻に応じて約24ボルトを受信する場合、システムのデバイス(1)の全てが常時動作することは必要ではなく、1日の各瞬間に、太陽光発電ソーラーパネルガーデンによって送達された電力に依存するであろう。システムのデバイス(1)のいずれかで漏れまたは故障がある場合に、同じことが起き、該故障デバイス(1)への電力送達はキャンセルされ、太陽光発電ソーラーパネルガーデンによって送達された電力はシステムうちの残りのデバイス(1)の間で分配される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】