(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】鎮痙薬及び抗不安薬の薬学的組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/472 20060101AFI20250220BHJP
A61K 31/5513 20060101ALI20250220BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20250220BHJP
A61P 1/06 20060101ALI20250220BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20250220BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250220BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20250220BHJP
A61K 9/32 20060101ALI20250220BHJP
A61K 9/36 20060101ALI20250220BHJP
A61K 9/24 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20250220BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250220BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20250220BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20250220BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A61K31/472
A61K31/5513
A61P1/00
A61P1/06
A61P25/22
A61P43/00 121
A61K9/20
A61K9/32
A61K9/36
A61K9/24
A61K47/34
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/12
A61K47/10
A61K47/02
A61K47/22
A61K47/20
A61K47/42
A61K47/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547319
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-10-07
(86)【国際出願番号】 IB2023051167
(87)【国際公開番号】W WO2023152674
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202211006919
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524297405
【氏名又は名称】ドロタスター リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100231902
【氏名又は名称】吉田 李花
(72)【発明者】
【氏名】スシュマ ポール バーリア
(72)【発明者】
【氏名】ニシャント バーリア
(72)【発明者】
【氏名】アディティア バーリア
(72)【発明者】
【氏名】ガービンダー シン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA40
4C076AA44
4C076BB01
4C076DD24
4C076DD26
4C076DD27
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4C076DD46
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4C086AA01
4C086BC30
4C086BC56
4C086MA35
4C086MA52
4C086ZA18
4C086ZA29
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、ドロタベリン又はその塩とベンゾジアゼピンとの固定用量配合剤(fixed dose combinations)、固定用量配合剤の調製方法、及び治療におけるそれらの使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つのベンゾジアゼピンを含む固定用量配合剤。
【請求項2】
前記少なくとも1つのベンゾジアゼピンは、クロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の固定用量配合剤。
【請求項3】
前記固定用量配合剤はコアを含み、前記コアが少なくとも1つの層を含む、請求項1又は2に記載の固定用量配合剤。
【請求項4】
前記固定用量配合剤は、コアを取り囲むコーティングを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項5】
前記コアは1つの層を含み、前記コアがドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項4に記載の固定用量配合剤。
【請求項6】
前記コアはドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含み、前記コアを取り囲むコーティングがクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項4に記載の固定用量配合剤。
【請求項7】
前記コアは少なくとも2つの層を含み、前記第1の層がドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含み、第2の層がクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項4に記載の固定用量配合剤。
【請求項8】
前記コアは第3の層をさらに含み、前記第3の層がドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含む第1の層、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む第2の層の間にあり、前記第3の層が不活性賦形剤を含む、請求項7に記載の固定用量配合剤。
【請求項9】
前記固定用量配合剤は、20~300mgのドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項10】
前記固定用量配合剤はドロタベリンの薬学的に許容される塩を含み、前記ドロタベリンの薬学的に許容される塩がドロタベリン塩酸塩である、請求項1~9のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項11】
前記固定用量配合剤は、2.5~40mgのクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項12】
前記固定用量配合剤はクロルジアゼポキシドの薬学的に許容される塩を含み、前記クロルジアゼポキシドの薬学的に許容される塩がクロルジアゼポキシド塩酸塩である、請求項1~11のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項13】
前記コーティングはコーティング剤をさらに含み、前記コーティング剤が、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、マルトデキストリン、ラクトース、D-マンニトール、ポリビニルアルコールポリマー、メタクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、若しくはアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項14】
前記コーティングは、可塑剤、粘着防止剤、乳白剤、着色剤、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項13に記載の固定用量配合剤。
【請求項15】
酸性化剤、酸化防止剤、希釈剤、結合剤、界面活性剤、潤滑剤、若しくは流動促進剤、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項16】
前記酸性化剤は、クエン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸若しくは酒石酸、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項17】
前記固定用量配合剤は酸化防止剤を含み、前記酸化防止剤が、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、若しくはシステイン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項18】
前記固定用量配合剤は希釈剤を含み、前記希釈剤が、ラクトース一水和物、無水ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、スターチ1500、結晶セルロース、粉末セルロース、直接圧縮可能なグレードのセルロース、ソルビトール、キシリトール、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、若しくは第三リン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項19】
前記固定用量配合剤は結合剤を含み、前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポビドン、粉末アカシア、ゼラチン、グアーガム、カルボマー、メチルセルロース、ポリメタクリレート、若しくはデンプン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項20】
前記固定用量配合剤は界面活性剤を含み、前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アルキル硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリエチレングリコール、若しくはポリソルベート、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項21】
前記固定用量配合剤は潤滑剤を含み、前記潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミチン酸、タルク、カルナウバロウ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリオキシメチレンモノステアレート、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、水素化植物油脂、ステアリン酸、若しくはベヘン酸グリセリル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項22】
前記固定用量配合剤は流動促進剤を含み、前記流動促進剤がコロイド状二酸化ケイ素若しくはタルク、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項23】
前記固定用量配合剤は、直接圧縮過程を使用して調製される、請求項1~22のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項24】
前記固定用量配合剤は、乾式造粒過程を使用して調製される、請求項1~22のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項25】
前記固定用量配合剤は、湿式造粒過程を使用して調製される、請求項1~22のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項26】
前記固定用量配合剤は、流動床プロセスを使用して調製される、請求項1~22のいずれか宇一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項27】
前記固定用量配合剤は、薬学的に許容される乾燥剤とともに包装される、請求項1~26のいずれ一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項28】
前記固定用量配合剤は、不活性ガス環境中に包装される、請求項1~27のいずれか一項に記載の固定用量配合剤。
【請求項29】
ドロタベリン塩酸塩、クロルジアゼポキシド、及びクエン酸を含む固定用量配合剤であって、前記製剤がコーティングを有する二重層コアを含み、前記ドロタベリン塩酸塩がコアの第1の層にあり、前記クロルジアゼポキシドがコアの第2の層にある、固定用量配合剤。
【請求項30】
前記固定用量配合剤は、乾式造粒過程を使用して調製される、請求項29に記載の固定用量配合剤。
【請求項31】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、直接圧縮過程を使用したコーティングを有するコアを含み、前記方法は:
a.固定用量配合剤のコア用の粒内成分を混合すること;
b.粒内成分を打錠機に装填すること;
c.粒内成分混合物を圧縮して、固定用量配合剤のコアを形成すること;及び
d.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項32】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、乾式造粒過程を使用したコーティングを有するコアを含み、前記方法は:
a.固定用量配合剤のコア用の粒内成分を混合すること;
b.粒内成分混合物をスラッギング又は圧縮して、成形体を得ること;
c.成形体を製粉し、ふるいにかけて、ふるい分け顆粒を得ること;
d.ふるい分け顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、最終ブレンドを得ること;
e.最終ブレンドを打錠機に装填すること;
f.最終ブレンドを圧縮して、固定用量配合剤のコアを形成すること;及び
g.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項33】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、湿式造粒過程を使用したコーティングを有するコアを含み、前記方法は:
a.固定用量配合剤のコア用の粒内成分を混合すること;
b.急速混合造粒機を用いてバインダー溶液とともに粒内成分混合物をせん断して、顆粒を得ること;
c.顆粒を乾燥させて、乾燥顆粒を得ること;
d.乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、最終ブレンドを得ること;
e.最終ブレンドを打錠機に装填すること;
f.最終ブレンドを圧縮して、錠剤のコアを形成すること;及び
g.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項34】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、流動床プロセスを使用したコーティングを有するコアを含み、前記方法は:
a.固定用量配合剤のコア用の粒内成分を混合すること;
b.混合粒内成分及びバインダー溶液から、流動層造粒により顆粒を形成すること;
c.顆粒を乾燥させて、乾燥顆粒を得ること;
d.乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、最終ブレンドを得ること;
e.最終ブレンドを打錠機に装填すること;
f.最終ブレンドを圧縮して、固定用量配合剤のコアを形成すること;及び
g.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む。方法。
【請求項35】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、直接圧縮過程を使用したコーティングを有する多層コアを含み、前記方法は:
a.コアの各層用の粒内成分を別々に混合すること;
b.コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;
c.別々の最終ブレンドを圧縮して、固定用量配合剤の多層コアを形成すること;及び
d.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項36】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、乾式造粒過程を使用したコーティングを有する多層コアを含み、前記方法は:
a.コアの各層用の粒内成分を別々に混合すること;
b.、別々の粒内成分混合物をスラッギング又は圧縮して、コアの各層用の成形体を得ること;
c.別々の成形体を製粉し、ふるいにかけて、コアの各層用の別々のふるい分け顆粒を得ること;
d.別々のふるい分け顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、コアの各層用の最終ブレンドを得ること;
e.コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;
f.別々の最終ブレンドを圧縮して、固定用量配合剤の多層コアを形成すること;及び
g.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項37】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、湿式造粒過程を使用したコーティングを有する多層コアを含み、前記方法は:
a.多層コアの各層用の粒内成分を別々に混合すること;
b.急速混合造粒機を用いてバインダー溶液とともに別々の粒内成分混合物をせん断して、コアの各層用の顆粒を得ること;
c.別々の顆粒を乾燥させて、コアの各層用の乾燥顆粒を得ること;
d.別々の乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、コアの各層用の最終ブレンドを得ること;
e.コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;
f.最終ブレンドを圧縮して、固定用量配合剤の多層コアを形成すること;及び
g.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項38】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩の固定用量配合剤を調製する方法であって、流動床プロセスを使用したコーティングを有する多層コアを含み、前記方法は:
a.コアの各層用の粒内成分を別々に混合すること;
b.コアの各層について、混合粒内成分及びバインダー溶液から、流動層造粒により顆粒を形成すること:
c.別々の顆粒を乾燥させて、コアの各層用の乾燥顆粒を得ること;
d.別々の乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、コアの各層用の最終ブレンドを得ること;
e.コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;
f.最終ブレンドを圧縮して、固定用量配合剤の多層コアを形成すること;及び
g.被膜の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、
を含む、方法。
【請求項39】
請求項1~30のいずれか一項に記載の製剤を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における平滑筋の痙性状態を特徴とする、胃腸障害の少なくとも1つの症状を治療する方法。
【請求項40】
前記障害は、過敏性腸症候群、消化管における胃腸の不安及び緊張の兆候、腹痛、若しくは消化器系の器質的疾患に続発する胃腸管攣縮、又はそれらの組み合わせを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
請求項1~30のいずれか一項に記載の製剤を対象に投与することを含む、それを必要とする対象における平滑筋の痙性状態を特徴とする、胃腸障害の少なくとも1つの症状の治療に使用するための医薬組成物。
【請求項42】
前記障害は、過敏性腸症候群、消化管における胃腸の不安及び緊張の兆候、腹痛、若しくは消化器系の器質的疾患に続発する胃腸管攣縮、又はそれらの組み合わせを含む、請求項41に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項43】
ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩、及び単一の医薬として製剤化された少なくとも1つのベンゾジアゼピンを含む組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鎮痙薬及び抗不安薬の薬学的組み合わせに関する。本開示は、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシド又はそれらの塩を含む安定な製剤を提供する。本開示はまた、そのような組み合わせ及び製剤の調製方法、並びにその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
過敏性腸症候群(IBS)は、主に排便に伴う反復性腹痛及び便の形態又は頻度の変化を特徴とする一般的な機能性腸障害である。IBSは、異常な排便習慣により、4つのサブタイプに分類される:下痢優位型IBS(IBS-D)、便秘優位型IBS(IBSC)、混合型IBS(IBS-M)、又は分類不能型IBS。世界人口の約10%が何らかのIBSに苦しんでいる。
【0003】
IBSの正確な原因はまだ不明であるが、いくつかの機序が示唆されている。症状は、消化管、脳、及び神経系の相互作用の仕方の乱れから生じている可能性がある。これは、正常な腸の動き及び感覚に変化を引き起こし得る。IBSは腸の運動及び感覚の障害であり、心理社会的ストレス要因によって悪化するため、IBS患者の少なくとも半数は、うつ病、不安神経症、又は心気症であると言われている。IBS患者では、腹痛はほとんどどこにでもあり、患者のクオリティ・オブ・ライフに大きな影響を与える。インド消化器病学会のタスクフォースによる報告は、70%ものIBS患者が腹痛又は不快感を有するということを明らかにした。
【0004】
腹痛の原因は従来、平滑筋の痙攣とされてきた。そのため、鎮痙薬が治療の中心となってきた。鎮痙薬は、胃腸の平滑筋を弛緩させ、収縮力を低下させる。IBS患者は通常、食事に反応して大腸運動が亢進し(胃弛緩反射)、下痢及び痙攣を伴うことがある。
【0005】
下痢又は便秘に対する腸管指示療法が不十分な場合、あるいは疼痛が顕著な所見である場合には、鎮痙薬を用いた治療が、特に食後の症状に対して一般的に有用である。鎮痙薬は、食後の過度の収縮を抑制し得る。ランダム化試験のデータによると、鎮痙薬は全体的な症状を軽減し、疼痛を軽減する。IBSは腸の運動及び感覚の障害であり、心理社会的なストレス要因によって悪化するため、治療は、多成分の包括的なアプローチが使用されると、最も効果的である。実際、IBSの治療法は一般に、消化管運動、消化管感覚、又は中枢神経系の処理に向けられたものである。
【0006】
ドロタベリンは、鎮痙薬であり、忍容性に優れ、世界42カ国以上で入手可能である。ドロタベリンは、鎮痙作用及び血管拡張作用を有する。ホスホジエステラーゼ活性を阻害することにより鎮痙作用を発揮する。ドロタベリンは、作用発現が早く、12分以内に痛みの緩和を開始する。ドロタベリンは、効果的な鎮痙薬であり、抗コリン性の副作用はない。ドロタベリンは、IBSの痛みを緩和するために使用されている。ドロタベリンは、その特有の部位特異的作用によってIBSの痙攣を緩和し、平滑筋収縮を正常化させる。そのため、便秘を引き起こすことがなく、全てのタイプのIBS(下痢優位型IBS、便秘優位型IBS、分類不能型IBS、及び混合型IBS)に適している。ドロタベリンは、40mg及び80mgの錠剤として入手可能である。通常のドロタベリンの成人薬用量は、1日120~240mg(2~3回に分割)である。
【0007】
薬物動態学的及び生物学的利用能試験において、ドロタベリンは、迅速な吸収を示し、80mgのIR錠を経口投与した場合、作用発現は12分以内であり、小腸からの薬物吸収率はほぼ90%であった。血漿中濃度のピークは、1~3時間後に得られ、消失半減期は7~11.95時間であった。毒性学的研究では、ドロタベリンの経口LD50は、>1000mg/Kg体重と報告されており、ドロタベリンは広い治療指数を有する。
【0008】
抗不安薬は、気分及び消化器系への影響を含む、全身に影響を及ぼす薬である。ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、抗不安薬の一種である。
【0009】
クロルジアゼポキシド塩酸塩は、ベンゾジアゼピンの一種であり、抗不安作用、鎮静作用、食欲増進作用、及び弱い鎮痛作用を有する。脳内の神経細胞の異常で過剰な活動を抑制する化学伝達物質(GABA)の作用を高めることで作用する。作用機序は、中枢神経系内の複数の部位にあるGABA受容体の立体特異的ベンゾジアゼピン結合部位に薬物が結合することを含み、抑制性神経伝達物質であるGABAのGABA(A)受容体への結合の増加をもたらす。その結果、ベンゾジアゼピンは、GABAの媒介による塩化物流入を促進し、膜の過分極を引き起こす。神経抑制作用により、鎮静作用、催眠作用、抗不安作用、及び筋弛緩作用がもたらされる。クロルジアゼポキシドは、広範な臨床的証拠によって実証されているように、利用可能な精神薬理学的化合物の中でも、より安全で効果的なものの一つである。クロルジアゼポキシドは、5mg、10mg、又は25mgのクロルジアゼポキシドHClを含むカプセルとして入手可能である。
【0010】
クロルジアゼポキシドHClの血中濃度がピークに達するには数時間かかり、半減期は24~48時間である。投与中止後、血漿中濃度は,数日間かけてゆっくりと低下する。尿中に未変化型として1~2%、抱合型として3~6%排泄される。
【0011】
現在推奨されているドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの投与スケジュールは、患者が両方の薬剤を処方された場合、それぞれ1日3錠、1日6錠である。1日あたりの錠剤の数は、患者のコンプライアンスに直接影響することが多い。両方の薬剤を1錠に混合することで、両剤の錠剤負担を軽減し、患者のコンプライアンスを高めることができる。複合製剤の使用は、特に複数の慢性疾患を有する患者において、錠剤の負担を軽減する新たに出現した方法である。全体的な錠剤負担を軽減し、薬物投与計画を簡素化することで、固定配合剤は、服薬アドヒアランスを改善することがいくつかの研究で示されている。しかしながら、安定性を損なうことなく有効性を維持する、異なる有効成分を混合することは困難である。
【0012】
固定用量配合剤(Fixed dose combination)(FDC)は、その剤形に関係なく、2つ以上の有効な医薬品成分又は化合物の組み合わせとして定義される。FDCの各薬剤は、それぞれ独立した作用機序を有しており、相乗的、相加的、又は相補的な薬理効果を提供する。IBS患者は、疾患負担の一因となる様々な合併症を頻繁に経験しており、複数の薬剤を処方されている可能性が高い。しかしながら、複数の薬剤の投与スケジュールを把握することは、これらの患者にとって負担となり得る。このことは、承認された投与スケジュールに対する患者のコンプライアンスを低下させ、ひいては薬剤の有効性の低下につながる可能性がある。
【0013】
鎮痙薬及び抗不安薬の組み合わせを含むFDCは、不安又は難治性に伴う腹痛を有する患者に有用である可能性がある。そのため、他の薬剤を組み合わせた製剤が導入され、一般に受け入れられている。IBSの治療に用いられる組み合わせの1つは、臭化クリジニウム/メベベリン(鎮痙薬)及びクロルジアゼポキシド(抗不安薬)からなる。さらに、機能性胃腸障害の治療において、ドロタベリン/メベベリンHCL又はクロルジアゼポキシドを単独で使用することが知られている。しかしながら、ドロタベリン及びベンゾジアゼピンのFDCは当技術分野において知られていない。
【0014】
いくつかの可能性のある鎮痙薬と他の薬剤との組み合わせについては、以下の文献で研究されている:
【0015】
インド特許出願5678/CHE/2014は、鎮痛薬及び鎮痙薬(ドロタベリン)の固定用量配合製剤(a fixed dose pharmaceutical formulation)を開示している。WO2019149917は、メタミゾール、ドロタベリン及びカフェインを含む医薬組成物に関する。インド特許出願2208/MUM/2013は、メベベリン及び1つ以上の抗炎症薬のFDCを開示している。WO2016041036は、鎮痛剤(ケトロラクトロメタミン)及びヒオスチン、パルゲベリン、トルテロジン、メベベリン、又はパパベリンである鎮痙薬を含む医薬組成物に関する。
【0016】
本開示には、鎮痙薬としてのドロタベリンと抗不安薬であるクロルジアゼポキシド(CDO)とのFDCが含まれ、これは、痙攣性結腸及び関連する消化管の不安及び緊張の症状を効果的に緩和するための魅力的な解決策である。異なる作用機序のおかげて、2つの薬剤の組み合わせは、IBS患者における疼痛、痙攣、及び/又は不安の包括的かつ迅速な緩和を提供することができる。
【0017】
そこで、本開示の発明者らは、鎮痙薬としてのドロタベリン及び抗不安薬としてのクロルジアゼポキシドを混合するための実験的研究を実行した。しかしながら、クロルアゼポキシド及びドロタベリンを混合した場合、それらの著しい分解が観察された。実行した実験の詳細及び得られた結果を以下に説明する。
【0018】
投与が容易で、患者のコンプライアンスが向上するように、これら2つのクラスの薬剤をFDCとして単一の錠剤に製剤化することを可能にする薬物送達形式に対する必要性が当技術分野において存在する。ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの活性薬剤を含む化学的に安定した薬学的組み合わせ又は製剤が必要とされている。
【0019】
また、クロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩及びドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含むFDC製剤に適した医薬包装を提供する方法に対する必要性が当技術分野において存在する。包装形式の使用はまた、これらの医薬剤形の安定性にも影響を及ぼし、より長い保存期間を可能にする。
【発明の概要】
【0020】
いくつかの実施形態において、本開示は、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びベンゾジアゼピンを含むFDCを提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含むFDCを提供する。いくつかの実施形態において、FDCは、コア及び前記コアを取り囲むコーティングを含み、前記コアは少なくとも1つの層を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含み、前記コアを取り囲むコーティングは、クロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、コアは少なくとも2つの層を含み、第1の層は、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含み、第2の層は、クロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、コアは第3の層をさらに含み、前記第3の層は、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含む第1の層と、クロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む第2の層との間にあり、前記第3の層は不活性賦形剤を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、本開示は、20~300mgのドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含むFDCを提供する。いくつかの実施形態において、ドロタベリンの薬学的に許容される塩は、ドロタベリン塩酸塩である。いくつかの実施形態において、FDCは、2.5~40mgのクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態において、クロルジアゼポキシドの薬学的に許容される塩は、クロルジアゼポキシド塩酸塩である。
【0022】
いくつかの実施形態において、本開示は、コーティング剤を含むFDCを提供しており、前記コーティング剤は、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、マルトデキストリン、ラクトース、D-マンニトール、ポリビニルアルコールポリマー、メタクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、若しくはアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー(ethyl acrylate methyl methacrylate copolymer)、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング剤は、可塑剤、粘着防止剤、乳白剤、着色剤、又はそれらの組み合わせをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、本開示は、酸性化剤、酸化防止剤、希釈剤、結合剤、界面活性剤、潤滑剤、若しくは流動促進剤、又はそれらの組み合わせを含むFDCを提供する。いくつかの実施形態において、酸性化剤は、クエン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸若しくは酒石酸、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、若しくはシステイン、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、希釈剤は、ラクトース一水和物、無水ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、スターチ1500、結晶セルロース、粉末セルロース、直接圧縮可能なグレードのセルロース、ソルビトール、キシリトール、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、若しくは第三リン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポビドン、粉末アカシア、ゼラチン、グアーガム、カルボマー、メチルセルロース、ポリメタクリレート、若しくはデンプン、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アルキル硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリエチレングリコール、若しくはポリソルベート、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミチン酸、タルク、カルナウバロウ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリオキシメチレンモノステアレート、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、水素化植物油脂(a hydrogenated vegetable oil or fat)、ステアリン酸、若しくはベヘン酸グリセリル、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素若しくはタルク、又はそれらの組み合わせを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、本開示は、直接圧縮過程を使用して調製されたFDCを提供する。いくつかの実施形態において、FDCは、乾式造粒過程を使用して調製される。いくつかの実施形態において、FDCは、湿式造粒過程を使用して調製される。いくつかの実施形態において、FDCは、流動床プロセスを使用して調製される。いくつかの実施形態において、FDCは、薬学的に許容される乾燥剤とともに包装される。いくつかの実施形態において、FDCは、不活性ガス環境中に包装される。いくつかの実施形態において、FDCは、ICHガイドラインに従って6か月間許容される化学的安定性を示す。
【0025】
いくつかの実施形態において、本開示は、ドロタベリン塩酸塩、クロルジアゼポキシド、及びクエン酸を含むFDCを提供しており、前記製剤はコーティングを有する二重層コアを含み、前記ドロタベリン塩酸塩はコアの第1の層にあり、前記クロルジアゼポキシドは、アの第2の層にある。いくつかの実施形態において、FDCは、乾式造粒過程を使用して調製される。
【0026】
いくつかの実施形態において、本開示は、直接圧縮過程を使用して、コーティングを有するコアを含む、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩のFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:FDCのコア用の粒内成分を混合すること;粒内成分を打錠機に装填すること;粒内成分混合物を圧縮して、FDCのコアを形成すること;及び被覆の重量(in a coat)がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被覆で(the weight of the coat)コーティングすること、を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、本開示は、乾式造粒過程を使用して、コーティングを有するコアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩のFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:FDCのコア用の粒内成分を混合すること;粒内成分混合物をスラッギング又は圧縮して、成形体(compacts)を得ること;成形体を製粉し、ふるいにかけて、ふるい分け顆粒を得ること;ふるい分け顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、最終ブレンドを得ること;最終ブレンドを打錠機に装填すること;最終ブレンドを圧縮して、FDCのコアを形成すること;及び被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、本開示は、湿式造粒過程を使用して、コーティングを有するコアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩のFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:FDCのコア用の粒内成分を混合すること;急速混合造粒機を用いてバインダー溶液とともに粒内成分混合物をせん断して、顆粒を得ること;顆粒を乾燥させて、乾燥顆粒を得ること;乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、最終ブレンドを得ること;最終ブレンドを打錠機に装填すること;最終ブレンド物を圧縮して、錠剤のコアを形成すること;及び被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、本開示は、流動床プロセスを使用して、コーティングを有するコアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩のFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:FDCのコア用の粒内成分を混合すること;混合粒内成分及びバインダー溶液から、流動層造粒により顆粒を形成すること;顆粒を乾燥させて、乾燥顆粒を得ること;乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、最終ブレンドを得ること;最終ブレンドを打錠機に装填すること;最終ブレンドを圧縮して、FDCのコアを形成すること;及び被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被膜でコーティングすること、を含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、本開示は、直接圧縮過程を使用して、コーティングを有する多層コアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含むFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:コアの各層用の粒内成分を別々に混合すること;コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;別々の最終ブレンドを圧縮して、FDCの多層コアを形成すること;被覆の重量が固定用量配合剤の重量の1~5%になるまで、コアを被覆でコーティングすること、を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、本開示は、乾式顆粒化過程を使用して、コーティングを有する多層コアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩を含むFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:コアの各層用の粒内成分を混合すること;別々の粒内成分混合物をスラッギング又は圧縮して、コアの各層用の成形体を得ること;別々の成形体を製粉し、ふるいにかけて、コアの各層用のふるい分け顆粒を得ること;別々のふるい分け顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、コアの各層用の最終ブレンドを得ること;コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;別々の最終ブレンドを圧縮して、FDCの多層コアを形成すること;及び被覆の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被覆でコーティングすること、を含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、本開示は、湿式造粒過程を使用して、コーティングを有する多層コアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩のFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:多層コアの各層用の粒内成分を混合すること;急速混合造粒機を用いてバインダー溶液とともに別々の粒内成分混合物をせん断して、コアの各層用の顆粒を得ること;別々の顆粒を乾燥させて、コアの各層用の乾燥顆粒を得ること;別々の乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤を混合して、コアの各層用の最終ブレンドを得ること;コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;最終ブレンドを圧縮して、FDCの多層コアを形成すること;及び被覆の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被覆でコーティングすること、を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、本開示は、流動床プロセスを使用して、コーティングを有する多層コアを含むドロタベリン又はその薬学的に許容される塩及びクロルジアゼポキシド又はその薬学的に許容される塩のFDCを調製する方法を提供しており、前記方法は:コアの各層用の粒内成分を混合すること;混合粒内成分及びバインダー溶液から、流動層造粒により顆粒を形成すること;別々の顆粒を乾燥させて、コアの各層用の乾燥顆粒を得ること;別々の乾燥顆粒を少なくとも1つの賦形剤と混合して、コアの各層用の最終ブレンドを得ること;コアの各層用の別々の最終ブレンドを打錠機に装填すること;最終ブレンドを圧縮して、FDCの多層コアを形成すること;及び被覆の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コアを被覆でコーティングすること、を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において平滑筋の痙性状態を特徴とする胃腸障害の少なくとも1つの症状を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態に従って治療され得る特定の例示的な状態には、過敏性腸症候群(過敏結腸、痙攣性結腸、粘液性大腸炎)の治療、消化管における胃腸の不安及び緊張の兆候(gastrointestinal manifestations of anxiety and tension)の治療、腹痛の治療、又は消化器系の器質的疾患に続発する胃腸管攣縮(gastrointestinal spasms)、例えば、胃十二指腸潰瘍(gastric and duodenal ulcers)、急性腸炎などの治療が含まれる。
【0035】
いくつかの実施形態において、本開示は、それを必要とする対象において平滑筋の痙性状態を特徴とする胃腸障害の少なくとも1つの症状の治療に使用するための医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、過敏性腸症候群(過敏結腸、痙攣性結腸、粘液性大腸炎)の治療、消化管における胃腸の不安及び緊張の兆候の治療、腹痛の治療、又は消化器系の器質的疾患に続発する胃腸管攣縮、例えば、胃十二指腸潰瘍、急性腸炎、若しくはそれらの組み合わせなどの治療に使用される。
【0036】
いくつかの実施形態において、本開示は、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩単及び単一の医薬として製剤化された(formulated as a single medicine)少なくとも1つのベンゾジアゼピンを含む組み合わせを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
いくつかの態様において、本開示は、鎮痙薬及び抗不安薬、及び/又は1つ以上の薬学的に許容される賦形剤の医薬品FDCに関する。一部の実施形態では、その組み合わせは経口投与経路に適したFDCである。一実施形態において、本開示は、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシド又はそれらの薬学的に許容される塩及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤並びにそれらの使用を含む、化学的に安定な医薬品製剤に関する。
【0038】
いくつかの実施形態において、本開示は、新規で安定なFDCについて説明する。いくつかの実施形態において、新規の医薬組成物は、化学的に安定で、生物学的に利用可能なFDC製品である。加速安定性データに基づき、特定のFDC製剤は、単層コア、二重層コア、又は多層コアの活性剤のFDCとして製剤化された場合、化学分解を著しく減少させている。いくつかの実施形態において、剤形は、「タブレット・イン・タブレット(Tablet in Tablet)」又は「圧縮コーティング錠」、「タブレット・イン・カプセル(Tablet in Capsules)」、「多層錠」、「薬物コーティングペレット」、又は「カプセルに充填されたミニ錠」である。いくつかの実施形態において、剤形は、硬カプセル、多層錠、圧縮コーティング錠に圧縮又はコーティングされたタブレットである。いくつかの実施形態において、剤形は、コーティングを有さない。いくつかの実施形態において、錠剤は、コーティングを有する。
【0039】
いくつかの実施形態において、本開示は、抗不安薬及び鎮痙薬及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含むFDCを提供する。
【0040】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含むFDCに関する。
【0041】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及び充填剤、結合剤、安定剤、酸化防止剤、崩壊剤、潤滑剤、若しくはコーティング材料、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、FDCに関する。
【0042】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及び酸性化剤を含む薬学的に許容される賦形剤を含む、FDCに関する。
【0043】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及びクエン酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、若しくは酒石酸、又はそれらの組み合わせを含む酸性化剤を含む、薬学的に許容される賦形剤を含むFDCに関する。
【0044】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及び酸化防止剤を含む薬学的に許容される賦形剤を含む、FDCに関する。
【0045】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、若しくはシステイン、又はそれらの組み合わせを含む酸化防止剤を含む、薬学的に許容される賦形剤を含むFDCに関する。
【0046】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド及びドロタベリンのFDC、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤に関連しており、前記医薬製剤は、1つ以上の層を有するコア及び前記コアを取り囲むコーティングを含み、過敏性腸症候群(過敏結腸、痙攣性結腸、粘膜性大腸炎)の治療、消化管におけるGIの不安及び緊張の兆候の治療、腹痛の治療、又は消化器系の器質的疾患に続発する胃腸管攣縮、例えば、胃十二指腸潰瘍、急性腸炎などの治療に使用される。
【0047】
いくつかの実施形態において、本開示は、クロルジアゼポキシド、ドロタベリン、及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含むFDCに関連しており、前記FDCは、1つ以上の層を有するコア及び前記コアを取り囲むコーティングを含み、前記コーティングは、ゼラチンシェル又は非ゼラチン系材料、例えば、HPMC若しくは植物材料などを含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、コーティングは、ポリビニルピロリドン(PVP)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、マルトデキストリン、ラクトース、D-マンニトール、ポリビニルアルコールポリマー、メタクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、若しくはアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、コーティング剤は、可塑剤(例えば、トリアセチン、フタル酸ジエチルなど)、粘着防止剤(例えば、タルク)、乳白剤(例えば、酸化チタン又は酸化アルミニウム)、若しくは着色剤(例えば、製薬学的用途で承認された天然及び合成着色料)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、フィルムコーティングを施した製剤は、ポリビニルアルコール若しくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、又はメタクリル酸コポリマー、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上のフィルムコーティング基剤を含む。特定のこれらの実施形態は、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシド活性物質の両方に関して、改善された貯蔵安定性を示している。
【0051】
いくつかの実施形態において、フィルムコーティングに使用される溶媒系は、水性溶媒を含む。いくつかの実施形態において、溶媒系は、水性アルコール溶媒を含む。いくつかの実施形態において、溶媒系は、メチレンクロライド、アセトン、若しくはイソプロピルアルコール、又はそれらの組み合わせを含む非水性溶媒を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、開示されたFDCは、水分浸透を抑制する包装形態を使用する。そのような適切な包装材料の例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)バルク投与単位容器(a high-density polyethylene bulk dosage unit container)が挙げられる。いくつかの実施形態において、この容器はまた、乾燥剤も含む可能性がある。乾燥剤(desiccant)とは、空気から水分を除去する乾燥剤(drying agent)である。特定の例示的な乾燥剤としては、シリカゲル、粘土乾燥剤、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、ゼオライト、活性アルミナ、活性炭、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
いくつかの実施形態において、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの開示されたFDCは、アルミニウム/アルミニウム(Alu/Alu)ブリスター、Alu-ポリクロロ-3-フルオロエチレンヒモポリマー/PVCラミネートブリスターなどの、ガス交換に対して実質的に不透過性である単位用量包装に包装される。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態において、FDCは、製剤の保存可能期間中ずっと良好な化学的安定性を示し、世界的な規制機関にとって望ましい基準に適合する。いくつかの実施形態において、FDCは、投与形態、例えば、急速放出型(rapid release)、即時放出型(immediate-release)、持続放出(slow-release)型、舌下、静脈内、制御放出型、遅延放出型、即時放出型及び制御放出型の組み合わせ、ナノカプセル化製剤、及び/又は不正開封防止又は乱用防止送達システムなどに製剤化される。
【0055】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるFDCは、ベンゾジアゼピンを含む。ベンゾジアゼピンは、不安障害を治療するために使用される抗不安薬である。いくつかの実施形態において、抗不安薬は、ベンゾジアゼピンである。例示的なベンゾジアゼピンには、クロナゼパム、アルプラゾラム、ジアゼパム、オキサゼパム、ロラゼパム、若しくはクロルジアゼポキシド、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0056】
発明者らによる初期の実験室での研究は、クロルジアゼポキシドAPIが、塩基性及び酸化条件と同様に、酸性環境において著しい分解を示すということを示した。ドロタベリンHClは、酸性pHにおいて最高の化学的安定性を示したが、塩基性及び過酸化溶液(peroxide solution)中では著しく分解した。それ故に、発明者らは、薬物相互作用の研究に取り組み、サンプルの化学的安定性を評価した。クロルジアゼポキシド及びドロタベリンHClのAPIを混合すると、2つの有効成分間に著しい化学的相互作用をもたらすということが観察された。クロルジアゼポキシド及びドロタベリンを混合すると、それらの著しい分解が生じる。ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの活性薬剤を混合又は配合すると化学的相互作用が起こり、それによって、活性部分の分解及び以下の表1において示されている治療効果のない分解物の形成をもたらす。かなりの量の不純物が存在することは、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを混合すると相互分解をもたらすということを示した。
【表1】
【0057】
いくつかの実施形態において、本開示は、投与及びより良い患者のコンプライアンスをしやすくするために、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを1錠で供給する、安定した固定用量配合剤(FDC)を提供する。いくつかの実施形態において、FDCは、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの即時放出型剤形であり、ドロタベリン錠及びクロルジアゼポキシド錠のスタンドアローンの市販品と同等の、あるいは同様の性能を提供する。いくつかの実施形態において、FDCはまた、持続放出(sustained release)性、制御放出性、及び即時放出性の溶解プロファイルの1つ以上を示す。いくつかの実施形態において、本開示は、単層コア又は単層コア薬物放出システムを提供する。例えば、いくつかの実施形態において、FDCは、コーティング又は即時放出カプセルを有する単層コアとして製剤化される。いくつかの実施形態において、本開示は、「多層」又は「多成分」の投薬形態単位(dosage form units)を提供する。いくつかの実施形態において、剤形は、「タブレット・イン・タブレット」又は「圧縮コーティング錠」、「タブレット・イン・カプセル」、「多層錠」、「薬物コーティングペレット」、又は「カプセルに充填されたミニ錠」である。例えば、いくつかの実施形態において、FDCは、コーティングを有する二重層又は多層コアとして製剤化される。いくつかの実施形態において、本開示は、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの化学的に安定したFDCを提供して、混合した際に、これらの2つの薬物の重要な化学的相互作用を最小限に抑える。
【0058】
いくつかの実施形態において、FDCはm直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、又は流動層加工技術によって製造される。いくつかの実施形態において、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシド又はそれらの薬学的に許容される塩は、物理的に互いに分離されている。いくつかの実施形態において、物理的分離には、ドロタベリンを含む層とクロルジアゼポキシドを含む層との間に「挟まれた」分離層又は障壁層を配置することが含まれる。いくつかの実施形態において、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドは、一方の活性物質をコア中に、かつ他方の活性物質をコーティング中に含むことによって分離される。いくつかの実施形態において、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドは、活性物質の1つを含む、顆粒又はペレット中に活性物質を含むこと(including the actives in granulation or pellets,containing one of the actives)によって分離される。いくつかの実施形態において、API含有組成物の1つ以上をコーティングすることが採用され、次に、剤形は、錠剤又はカプセルとして製剤化され得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、本開示は、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシド又はそれらの薬学的に許容される塩の化学的相互作用による不安定性の問題を、FDCの少なくとも1つの酸性成分又は酸化防止剤とともに、新規の製剤設計を手段として対処する。いくつかの実施形態において、物理的分離には、ドロタベリンを含む層とクロルジアゼポキシドを含む層との間に「挟まれた」分離層又は障壁層を配置することが含まれる。いくつかの実施形態において、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドは、一方の活性物質をコア中に、他方の活性物質をコーティング中に含むことによって分離される。いくつかの実施形態において、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドは、活性物質の1つを含む、顆粒又はペレット中に活性物質を含むことによって分離される。いくつかの実施形態において、API含有組成物の1つ以上をコーティングすることが採用され、次に、剤形は、錠剤又はカプセルとして製剤化され得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、FDCは、コアにおいてドロタベリンを薬学的に許容される賦形剤とともに混合し、クロルジアゼポキシドを含むコーティングでコアをコーティングすることを含む直接圧縮により調製され、ここで、コアとクロルジアゼポキシドのコーティングとの間に不活性ポリマー層を含むか、あるいは含まない。いくつかの実施形態において、直接圧縮過程に関与する工程は以下の通りである:
【0061】
製剤の活性薬剤、希釈剤、崩壊剤、及び潤滑剤を含む粒内成分を計量及び混合して、最終ブレンドを得る。最終ブレンドを打錠機に装填し、その後に圧縮が続いて、コアを形成する。次に、圧縮されたコアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被覆の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされる。
【0062】
いくつかの実施形態において、FDCは、コアにおいてドロタベリンを薬学的に許容される賦形剤とともに乾式造粒することにより調製され、クロルジアゼポキシドはドロタベリンを含むコア上にコーティングされており、コアとクロルジアゼポキシドのコーティングとの間に、不活性ポリマー層を含むか、あるいは含まない。いくつかの実施形態において、乾式造粒過程に関与する工程は以下の通りである:
【0063】
製剤の粒内成分の計量及び混合が実施され;その後に混合成分のスラッギング又は圧縮が続いて、錠剤を得る。圧縮後、錠剤の製粉及びふるい分けが実施され、ふるい分け顆粒を得る。その後、ふるい分け顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、最終ブレンドの形成をもたらす。最終ブレンドは、打錠機に装填され、その後に圧縮が続いて、錠剤を形成する。圧縮されたコアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、FDCは、コアにおいてドロタベリン及び薬学的に許容される賦形剤を含む湿式造粒により調製され、クロルジアゼポキシドは、ドロタベリンを含むコア上にコーティングされ、ドロタベリンのコアとクロルジアゼポキシドのコーティングとの間に不活性ポリマー層を含むか、あるいは含まない。いくつかの実施形態において、湿式造粒過程に関与する工程は以下の通りである:
【0065】
混合顆粒を得るための製剤の粒内成分の計量及び混合は、ラピッドミキサー造粒機(SARAL Engineering、グジャラート州、インド)を使用して、バインダー溶液とともに高せん断造粒により実施される。混合の後に乾燥が続いて、乾燥顆粒を得る。その後、乾燥顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、コア用の最終ブレンドをもたらす。最終ブレンドは、打錠機に装填され、その後に圧縮が続いて、圧縮された錠剤を得る。圧縮された錠剤は、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、FDCは、コアにおいてドロタベリンの顆粒を薬学的に許容される賦形剤とともに調製することを含む流動床処理により調製され、クロルジアゼポキシドはコア上にコーティングされ、コアとクロルジアゼポキシドのコーティングとの間に非活性層を含むか、あるいは含まない。いくつかの実施形態において、流動床処理プロセスに関与する工程は以下の通りである:
【0067】
製剤の粒内成分の計量及び混合の後に、混合粒内成分及びバインダー溶液から流動層造粒により顆粒を形成することが続いて;その後に顆粒の乾燥が続いて、乾燥顆粒を得る。その後、乾燥顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、最終ブレンドの形成をもたらす。最終ブレンドは、打錠機に装填され、圧縮されて、コアを形成する。圧縮されたコアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、FDCは、クロルジアゼポキシド及び薬学的に許容される賦形剤を含む層並びにドロタベリン及び薬学的に許容される賦形剤を含む別の層である、個々のコア層を調製することを含む、直接圧縮により調製される。いくつかの実施形態において、次に、個々の層のブレンドを圧縮して、二重層コアを形成する。いくつかの実施形態において、3層コアは、ドロタベリン層とクロルジアゼポキシド層との間に挟まれた不活性賦形剤層を含むことによって形成される。いくつかの実施形態において、不活性賦形剤は、マンニトール、リン酸二カルシウム、無水ラクトース、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン(乾燥)、ステアリン酸マグネシウム、又は精製タルクを含む。いくつかの実施形態において、直接圧縮過程に関与する工程は以下の通りである:
【0069】
各層について、活性薬剤、希釈剤、崩壊剤、及び潤滑剤を含む製剤の粒内成分を別々に計量及び混合し、二重層コアの個々の層の別々の最終ブレンドを得る。2つの層の最終ブレンドは、打錠機の別々のホッパーに装填され、圧縮されて、圧縮された二重層コアを得る。圧縮された二重層コアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、FDCは、クロルジアゼポキシド及び薬学的に許容される賦形剤を含むコア層並びにドロタベリン及び薬学的に許容される賦形剤を含む別の層である、個々のコア層を調製することを含む乾式造粒により調製される。いくつかの実施形態において、次に、個々の層は、圧縮されて、二重層コアを形成する。いくつかの実施形態において、三層コアは、ドロタベリン層とクロルジアゼポキシド層との間に挟まれた不活性賦形剤層を含むことによって形成される。いくつかの実施形態において、不活性賦形剤は、マンニトール、リン酸二カルシウム、無水ラクトース、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン(乾燥)、ステアリン酸マグネシウム、又は精製タルクを含む。いくつかの実施形態において、乾式造粒過程に関与する製造工程は以下の通りである:
【0071】
コアの各層用の混合成分を個別に得るために、製剤の粒内成分の計量及び混合の後に;別々の混合成分のスラッギング又は圧縮が続いて、コアの各層用の成形体を得る。圧縮後、別々の成形体の製粉及びふるい分けは、コアの各層に対して実施される。その後、別々のふるい分け顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、2つの別々の層の最終ブレンドの形成をもたらす。各個別の層の最終ブレンドは、打錠機の別々のホッパーに装填され、その後に圧縮が続いて、圧縮された二重層コアを形成する。圧縮された二重層コアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、FDCは、クロルジアゼポキシド及び薬学的に許容される賦形剤を含む層並びにドロタベリン及び薬学的に許容される賦形剤を含む別の層である、個々のコア層を調製することを含む湿式造粒により調製される。いくつかの実施形態において、次に、個々の層は、圧縮されて、二重層コアを形成する。いくつかの実施形態において、三層コアは、ドロタベリン層とクロルジアゼポキシド層との間に挟まれた不活性賦形剤層を含むことによって得られる。いくつかの実施形態において、不活性賦形剤は、マンニトール、リン酸二カルシウム、無水ラクトース、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン(乾燥)、ステアリン酸マグネシウム、又は精製タルクを含む。いくつかの実施形態において、湿式造粒過程に関与する工程は以下の通りである:
【0073】
コアの各層用の製剤の粒内成分を別々に計量及び混合し、混合粒内成分をバインダー溶液とともにせん断して、ラピッドミキサー造粒機(SARAL Engineering、グジャラート州、インド)を使用して、高せん断造粒によってコアの各層用の混合顆粒を得る。次に、別々の顆粒を乾燥して、コアの各層用の乾燥顆粒を得る。その後、別々の乾燥顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、個々の層の別々の最終ブレンドをもたらす。別々の層の別々の最終ブレンドは、打錠機の別々のホッパーに装填され、その後に圧縮が続いて、圧縮された二重層コアを得る。圧縮錠は、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被覆の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、FDCは、クロルジアゼポキシド及び薬学的に許容される賦形剤を含む層並びにドロタベリン及び薬学的に許容される賦形剤を含む別の層である、個々のコア層を調製する流動床処理によって調製される。いくつかの実施形態において、次に、個々の層は、圧縮されて、二重層コアを形成する。いくつかの実施形態において、三層コアは、ドロタベリン層とクロルジアゼポキシド層との間に挟まれた不活性賦形剤層を含むことによって得られる。いくつかの実施形態において、不活性賦形剤は、マンニトール、リン酸二カルシウム、無水ラクトース、コロイド状二酸化ケイ素、デンプン(乾燥)、ステアリン酸マグネシウム、又は精製タルクを含む。特定の実施形態において、流動床処理プロセスに関与する工程は以下の通りである。
【0075】
コアの各層用の製剤の粒内成分の計量及び混合の後に、混合粒内成分及びバインダー溶液からコアの各層用の顆粒の形成が続いて、流動層造粒される。次に、別々の顆粒を乾燥して、コアの各層用の乾燥顆粒を得る。その後、別々の乾燥顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、個々の層の別々の最終ブレンドの形成をもたらす。別々の層の別々の最終ブレンドは、打錠機の別々のホッパーに装填され、その後に圧縮が続いて、二重層コアを得る。圧縮錠は、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被覆の重量がFDCの重量の1~5%になるまで、コーティングされ得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、FDCは、2つ以上の過程を使用して調製される。いくつかの実施形態において、FDCの1つの層を調製するために1つの過程が使用され、FDCの第2の層を調製するために異なる過程が使用される。例えば、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含む層は、直接圧縮過程、乾式造粒過程、湿式造粒過程、又は流動床プロセスを使用して調製され、ベンゾジアゼピンを含む第2の層は他の3つのプロセスのうちの1つを使用して調製される。例えば、ドロタベリン又はその薬学的に許容される塩を含む層は、湿式造粒過程を使用して調製され、ベンゾジアゼピンを含む第2の層は直接圧縮過程を使用し調製される。
【0077】
いくつかの実施形態において、造粒液は、希釈剤又は充填剤、結合剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸性化剤、崩壊剤、流動促進剤、若しくは潤滑剤、又はそれらの組み合わせなどの他の賦形剤とともに、水性溶媒若しくは非水性溶媒を含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、本開示で使用される希釈剤には、糖類、例えば、ラクトース一水和物、無水ラクトース、マンニトールなど;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン及びスターチ1500など;セルロース誘導体、例えば、結晶セルロース及び粉末セルロース及び直接圧縮可能なグレードのセルロースなどが含まれる。いくつかの実施形態において、希釈剤には、ソルビトール、キシリトール、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、若しくは第三リン酸カルシウム、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0079】
いくつかの実施形態において、本開示で使用される崩壊剤には、乾燥デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、リスペリドン、クロスカルメロースナトリウム、L-HPC、若しくはアルギン酸、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0080】
いくつかの実施形態において、本開示で使用される結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCとも呼ばれる)(例えば、Klucel(商標)LF及びKlucel(商標)EXF)、様々なグレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロースとも呼ばれる)(例えば、Methocel(商標)製品)、様々なグレードのポリビニルピロリドン又はポビドン(例えば、グレードK25、K29、K30、及びK90など)、コポビドン(例えば、Plasdone(商標)S 630)、粉末アカシア、ゼラチン、グアーガム、カルボマー(例えば、Carbopol(登録商標)製品)、メチルセルロース、ポリメタクリレート、若しくはデンプン、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0081】
いくつかの実施形態において、本開示で使用される界面活性剤には、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体(ポロキサマー)、アルキル硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム及びセチル硫酸ナトリウム)、アルキルアリールスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウム)、ポリエチレングリコール、若しくはポリソルベート、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態において、本開示で使用される潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸、タルク、カルナウバロウ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリオキシメチレンモノステアレート、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、水素化植物油脂、ステアリン酸、若しくはベヘン酸グリセリル、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0083】
いくつかの実施形態において、本開示で使用される流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素及び/又はタルクが含まれる。
【0084】
いくつかの実施形態において、錠剤の剤形は、患者による嚥下時にドロタベリンの苦味を覆い隠すためにフィルムコーティングされる。いくつかの実施形態において、錠剤のフィルムコーティングはまた、ドロタベリン及びクロルジアゼポキシド活性物質の両方に関して、製剤の貯蔵安定性も改善した。
【実施例】
【0085】
本開示の範囲を限定することなく、代表的な目的のためのいくつかの例を以下に説明する。
【0086】
実施例1:ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの錠剤(コーティングにクロルジアゼポキシドを含む錠剤のコアのドロタベリン)
コアにドロタベリン及びフィルムコーティングにクロルジアゼポキシドを含む錠剤が製造される。錠剤は、湿式造粒過程によって製剤化される。過程は、コアにおいて、薬学的に許容される賦形剤とともに、ドロタベリン(約25~40%w/w)の顆粒を含む粒内成分を混合することを含む。顆粒は、乾燥して、その後、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、最終ブレンドを形成する。次に、最終ブレンドは、打錠機に装填され、圧縮されて、圧縮されたコアを形成する。圧縮されたコアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用してコーティングされる。コアのコーティングは、クロルジアゼポキシド(0.5~3.00%w/w)を含み、コアとクロルジアゼポキシドのコーティング層との間に、不活性ポリマーコーティングを含むか、あるいは含まない。
【0087】
錠剤の活性物質及び薬学的に許容される賦形剤の%w/wは、以下の表2に説明されている:
【表2】
【0088】
実施例2:ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの錠剤(錠剤のコアのドロタベリン及びクロルジアゼポキシド)
コアにドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを含み、さらにフィルムコーティングを含む錠剤が製造される。錠剤は、湿式造粒法によって製剤化される。過程は、コアにおいて、薬学的に許容される賦形剤とともに、ドロタベリン(約25~40%w/w)及びクロルジアゼポキシド(約0.5~3.5%w/w)の顆粒を含む粒内成分を混合することを含む。造粒方法、及び前記方法において使用される賦形剤は、錠剤中のドロタベリンHCl及びクロルジアゼポキシドHClを安定化する。顆粒は、乾燥して、その後、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、最終ブレンドを形成する。次に、最終ブレンドは、打錠機に装填され、圧縮されて、圧縮されたコアを形成する。圧縮されたコアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用してコーティングされる。
【0089】
錠剤中の活性物質及び薬学的に許容される賦形剤の%w/wは、以下の表3に説明されている:
【表3】
【0090】
実施例3:ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの二重層錠(湿式造粒過程)
別々の層にドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを含む二重層錠が製造される。錠剤は、湿式造粒法によって製剤化される。
【0091】
別々の層にドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを含む二重層錠を調製するこの過程は、活性物質であるドロタベリン(約30~50%w/w)及びクロルジアゼポキシド(約2~7%w/w)並びに粒内成分を別々に混合して、ラピッドミキサー造粒機を使用することによる高せん断造粒によって混合顆粒を得ることを含む。次に、混合顆粒は、乾燥にさらされて、乾燥顆粒を得る。その後、乾燥顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、ドロタベリン層用の最終ブレンド及びクロルジアゼポキシド層用の最終ブレンドの形成をもたらす。別々の層は、打錠機の別々のホッパーに装填され、その後に別々の層の圧縮が続いて、圧縮された二重層コアを得る。その後、圧縮された二重層コアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用してコーティングされる。
【0092】
錠剤中の活性物質及び薬学的に許容される賦形剤の%w/wは、以下の表4~7に説明されている:
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0093】
実施例4:ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの二重層錠(2つの異なる過程)
コアにおける別々の層にドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを含む二層錠が製造される。ドロタベリン層は、湿式造粒法を使用して調製され、クロルジアゼポキシド層は直接圧縮法を使用して調製される。
【0094】
ドロタベリン層を調製する過程は、ドロタベリン(約30~50%w/w)及び粒内成分を混合して、ラピッドミキサー造粒機を使用して、バインダー溶液とともに高せん断造粒による混合顆粒を得ることを含む。次に、混合顆粒は、乾燥にさらされて乾燥顆粒を得る。その後、乾燥顆粒は、崩壊剤及び潤滑剤と混合され、ドロタベリン層用の最終ブレンドの形成をもたらす。
【0095】
クロルジアゼポキシド層を調製する過程は、クロルジアゼポキシド(約2~7%w/w)及び粒内成分を混合して、最終ブレンドを得ることを含む。最終ブレンドは、打錠機に装填され、その後に圧縮が続いて、層を形成する。
【0096】
ドロタベリン層及びクロルジアゼポキシド層は、打錠機の別々のホッパーに装填され、その後に別々の層の圧縮が続いて、圧縮された二重層コアを得る。次に、圧縮された二重層コアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用してコーティングされる。
【0097】
錠剤中の活性物質及び薬学的に許容される賦形剤の%(w/w)は、以下の表8に説明されている:
【表12】
【0098】
実施例5:ドロタベリン及びクロルジアゼポキシドの二重層錠(乾式造粒過程)
別々の層にドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを含む二重層錠が製造される。錠剤は、乾式造粒法によって製剤化される。
【0099】
別々の層にドロタベリン及びクロルジアゼポキシドを含む二重層錠を製造する過程は、活性物質であるドロタベリン(約30~50%w/w)及びクロルジアゼポキシド(約2~7%w/w)並びに各層の粒状成分を別々に混合して、コアの各層用の別々の混合成分を得て、その後に別々の混合成分のスラッギング又は圧縮が続いて、コアの各層用の成形体を得ることを含む。圧縮後、成形体を製粉し、ふるいにかけて、コアの各層用の別々のふるい分け顆粒を得る。その後、別々のふるい分け顆粒は、崩壊剤及び流動促進剤と混合され、2つの別々の層の最終ブレンドの形成をもたらす。それぞれの個々の層の最終ブレンドは、打錠機の別々のホッパーに装填され、その後に圧縮が続いて、圧縮された二重層コアを形成する。圧縮された二重層コアは、適切なフィルムコーティング組成物を使用して、被膜の重量がFDCの重量の1~5%になるまでコーティングされ得る。
【0100】
錠剤中の活性物質及び薬学的に許容される賦形剤の%w/wは、以下の表9~11に説明されている:
【表13】
【表14】
【表15】
【0101】
実施例4:安定性データ
上述の特定のFDCは、安定性試験を受けた。FDCは、ICHガイドライン(40℃±2℃/75% RH±5% RHで6ヶ月間)を使用した現在入手可能な加速安定性データのとおりに、良好な化学的安定性を示した。本開示のFDCの例示的な単層及び二重層錠剤の安定性データは、以下の表12及び13に示されている。
【表16】
【表17】
【0102】
本明細書において、主題を特定の実施形態を参照して説明したが、他の実施形態も可能である。説明のために、開示の組み合わせ及び製剤は、鎮痙薬及び抗不安薬として、それぞれドロタベリン及びクロルジアゼポキシド含む。しかしながら、当業者であれば、開示の範囲が、当該技術分野において知られている鎮痙薬及び抗不安薬の他の組み合わせ及び製剤にも及ぶことを理解するであろう。
【国際調査報告】