(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-28
(54)【発明の名称】医用可視化及び挿管システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20250220BHJP
A61B 1/267 20060101ALI20250220BHJP
A61B 1/04 20060101ALI20250220BHJP
【FI】
A61B1/00 650
A61B1/267
A61B1/04 511
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547487
(86)(22)【出願日】2023-02-03
(85)【翻訳文提出日】2024-09-27
(86)【国際出願番号】 US2023012278
(87)【国際公開番号】W WO2023154222
(87)【国際公開日】2023-08-17
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524299155
【氏名又は名称】ヴィスラーガ エンタープライジス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスラーガ ジュニア、シーザー ジーザス スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA13
4C161CC06
4C161FF12
4C161GG11
4C161VV02
(57)【要約】
喉頭鏡向上システムLES:laryngoscope enhancement system、及びLESを含む挿管システムが、提供される。LESは、ホルダと、ビデオ・スタイレットとを含む。ホルダは、ディスプレイを有する電子デバイスを着脱自在に定置するための調節可能マウントと、ホルダを喉頭鏡ハンドルの上端に取り外し可能に取り付けるように構成されたエンド・キャップとを含む。ビデオ・スタイレットは、電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能であるコネクタと、可撓性部分と、展性部分と、ビデオ・カメラとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喉頭鏡向上システムであって、
ホルダであって、
ディスプレイを有する電子デバイスを着脱自在に定置するように構成された調節可能マウントと、
前記調節可能マウントに固定的に結合され、下部開口を有する中央腔を画定するエンド・キャップであって、前記エンド・キャップが、前記ホルダを喉頭鏡ハンドルの上端に取り外し可能に取り付けるように構成され、前記下部開口が、前記喉頭鏡ハンドルの前記上端の直径に適合した直径を有する、エンド・キャップと
を含む、ホルダと、
ビデオ・スタイレットであって、
何本かの電線と、
前記電線に連結され、電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能であるコネクタと、
前記電線を包囲する可撓性シースを含む可撓性部分と、
展性線材と前記電線とを包囲する展性シースを含む展性部分であって、前記展性シースが、前記可撓性シースより小さな直径を有する、展性部分と、
前記電線の内の1つ又は複数に連結されたビデオ・カメラと
を含む、ビデオ・スタイレットと
を備える、喉頭鏡向上システム。
【請求項2】
前記展性線材が、前記展性部分の長さに沿って延在する、請求項1に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項3】
前記ホルダが、前記ビデオ・スタイレットの前記可撓性部分を支持するように構成されたガイドを含む、請求項2に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項4】
前記ガイドが、前記調節可能マウントの上部に配置される、請求項3に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項5】
前記ガイドが、前記エンド・キャップの上部に配置される、請求項3に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項6】
前記ビデオ・スタイレットが、前記コネクタとは異なる電気的インタフェースを有する、前記電線に連結された追加コネクタを、更に含む、請求項2に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項7】
前記追加コネクタが、追加電子デバイスに取り外し可能に接続可能である、請求項6に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項8】
前記電子デバイスが、スマート・フォンであり、前記追加電子デバイスが、ディスプレイである、請求項7に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項9】
前記ビデオ・スタイレットが、少なくとも1つの電線に連結された光源を含み、前記可撓性部分が、前記少なくとも1つの電線に連結された光源制御ユニットを含む、請求項2に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項10】
前記光源が、前記ビデオ・カメラのレンズを取り囲む複数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)を含む、請求項9に記載の喉頭鏡向上システム。
【請求項11】
挿管システムであって、
内径を有する気管内チューブ(ETT:endotracheal tube)と、
ディスプレイを有する電子デバイスと、
向上された喉頭鏡であって、
ブレードと、
前記ブレードに結合され、上端及び直径を有するハンドルと、
ホルダであって、
前記電子デバイスを着脱自在に定置する調節可能マウントと、
下部開口を有する中央腔を画定するエンド・キャップであって、前記エンド・キャップが、前記ハンドルの前記上端に取り外し可能に取り付けられており、前記下部開口が、前記ハンドルの前記直径に適合した直径を有する、エンド・キャップと
を含む、ホルダと、
ビデオ・スタイレットあって
何本かの電線と、
前記電線に連結され、前記電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能であるコネクタと、
前記電線を包囲する可撓性シースを含む可撓性部分と、
展性線材と前記電線とを包囲する展性シースを含む展性部分であって、前記展性シースが、前記可撓性シースより小さな直径を有する、展性部分と、
前記電線の内の1つ又は複数に連結されたビデオ・カメラと
を含む、ビデオ・スタイレットと
を含む、向上された喉頭鏡と
を備える、挿管システム。
【請求項12】
前記展性線材が、前記展性部分の長さに沿って延在する、請求項11に記載の挿管システム。
【請求項13】
前記ホルダが、前記ビデオ・スタイレットの前記可撓性部分を支持するように構成されたガイドを含む、請求項12に記載の挿管システム。
【請求項14】
前記ガイドが、前記調節可能マウントの上部に配置される、請求項13に記載の挿管システム。
【請求項15】
前記ガイドが、前記エンド・キャップの上部に配置される、請求項13に記載の挿管システム。
【請求項16】
前記ビデオ・スタイレットが、前記コネクタとは異なる電気的インタフェースを有する、前記電線に連結された追加コネクタを、更に含む、請求項12に記載の挿管システム。
【請求項17】
前記追加コネクタが、追加電子デバイスに取り外し可能に接続可能である、請求項16に記載の挿管システム。
【請求項18】
前記電子デバイスが、スマート・フォンであり、前記追加電子デバイスが、ディスプレイである、請求項17に記載の挿管システム。
【請求項19】
前記ビデオ・スタイレットが、少なくとも1つの電線に連結された光源を含み、前記可撓性部分が、前記少なくとも1つの電線に連結された光源制御ユニットを含む、請求項12に記載の挿管システム。
【請求項20】
前記光源が、前記ビデオ・カメラのレンズを取り囲む複数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)を含む、請求項19に記載の挿管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医用デバイスに関する。より詳細には、本開示は、医用可視化及び挿管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
喉頭鏡法は、例えば、喉頭などの咽喉の内部構造を見るため、気管内チューブ(ETT:endotracheal tube)を使用した気管内挿管を容易にするため、生検処置を行うためなど、多くの理由で実行される場合がある。一般的に、直接喉頭鏡法は、直接的な視線に沿って咽喉の内部構造を見るための、携帯型喉頭鏡の使用を指し、間接喉頭鏡法は、例えば、鏡又はプリズム、光ファイバ・スタイレット、ビデオ喉頭鏡などの、間接的な視線に沿って喉頭又は気管を可視化するための光学デバイスと組み合わせた、喉頭鏡の使用を指す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、いくつかの医療処置に関して、直接喉頭鏡法は、しばしば、前方の声帯、肥満、大きな舌、又は他の不規則な気道の解剖学的特徴などの、計画内外のシナリオにより、直接的な視線で見ることが困難となるという課題を呈する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の実施例による挿管システム(IS:intubation system)を示す図である。
【
図2】本開示の実施例によるISのイン・サイチュ手術を示す図である。
【
図3】本開示の実施例によるETTを示す図である。
【
図4】本開示の実施例による喉頭鏡向上システム(LES:laryngoscope enhancement system)を示す図である。
【
図5A】本開示の実施例によるLESのビデオ・スタイレットを示す図である。
【
図5B】本開示の実施例によるLESのビデオ・スタイレットを示す図である。
【
図5C】本開示の実施例によるLESのビデオ・スタイレットを示す図である。
【
図6】本開示の実施例による喉頭鏡及びLESのホルダを示す図である。
【
図7A】本開示の実施例によるLESのホルダを示す図である。
【
図7B】本開示の実施例によるLESのホルダを示す図である。
【
図7C】本開示の実施例によるLESのホルダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面を参照して、本開示の実施例がここに記載され、図面中、同一の参照番号は、一貫して同一の部分を指す。
【0006】
本開示の実施例は、標準的な喉頭鏡の使用を、例えば挿管、可視化などの様々な医療処置のために、直接喉頭鏡法を超えてビデオ・ベースの間接喉頭鏡法へと拡張するシステムを提供し、この点で有利である。
【0007】
1つの実施例では、喉頭鏡向上システムは、ホルダと、ビデオ・スタイレットとを含む。ホルダは、調節可能マウントと、エンド・キャップとを含む。調節可能マウントは、ディスプレイを有する電子デバイスを着脱自在に定置するように構成される。エンド・キャップは、調節可能マウントに固定的に結合されており、下部開口を有する中央腔を画定する。エンド・キャップは、ホルダを喉頭鏡ハンドルの上端に取り外し可能に取り付けるように構成され、下部開口は、喉頭鏡ハンドルの上端の直径に適合した直径を有する。ビデオ・スタイレットは、何本かの電線と、電線に連結されたコネクタと、可撓性部分と、展性部分と、電線の内の1つ又は複数に連結されたビデオ・カメラとを含む。コネクタは、電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能である。可撓性部分は、電線を包囲する可撓性シースを含む。展性部分は、展性線材と電線とを包囲する展性シースを含む。展性シースは、可撓性シースより小さな直径を有する。
【0008】
【0009】
多くの実施例では、IS100は、喉頭鏡110、電子デバイス120、ETT130、及び、LES200を含む。
【0010】
喉頭鏡110は、ハンドル112、ブレード114、及び、ブレード114をハンドル112の下端に取り付けるコネクタ116を含む。コネクタ116は、固定されてもよく、種々のサイズ及びタイプのブレード114を支持するために着脱自在であってもよい。例えば、コネクタ116の一部は、ハンドル112の下端に固定されるか、又は組み込まれてもよく、コネクタ116の嵌合部は、ブレード114の近位端に固定されるか、又は組み込まれてもよい。ブレード114は、Macintosh(曲線)ブレード、Miller(直線)ブレードなどであってもよく、一般的に、舌の舌面を通過するためのへら、舌をずらすためのフランジ、及び、喉頭蓋を挙上するための先端を含む。ハンドル112は、概ね均一な直径を有する円柱形状であり、上端と下端を有する。
【0011】
電子デバイス120は、ビデオ・スタイレット210からの画像を表示するためのディスプレイ122を含む。より詳細には、電子デバイス120は、例えばスマート・フォン(例えば、Apple iPhone(登録商標)、Samsung Galaxy S/A/Zなど)、タブレット(例えば、Apple iPad(登録商標) mini、Samsung Galaxy Tabなど)などの、タッチスクリーン・インタフェースとデータ/充電ポート(例えば、Lightingポート、USB-Cポートなど)とを有する移動式携帯型コンピュータ・ベース電子デバイスである。いくつかの実施例では、電子デバイス120は、セルラ・ネットワーク、WiFiネットワークなどに接続するための、ネットワーク・インタフェースを含んでもよい。
【0012】
ETT130は、特に、チューブ132、近位開口を画定する近位エンド・キャップ133、及び、遠位開口を画定する傾斜遠位端134を含む。
【0013】
LES200は、ビデオ・スタイレット210と、電子デバイス120のためのホルダ220とを含む。ビデオ・スタイレット210は、特に、電子デバイス120のデータ/充電ポートに取り外し可能に取り付け可能であるコネクタ216と、概ねチューブ132外に配置された可撓性部分(実線で図示)と、概ねチューブ132内に配置された展性部分(点線で図示)と、ビデオ・カメラ214とを含む。ビデオ・スタイレット210の展性部分は、好ましい形状又は湾曲へと変形可能であり、ETT130の近位端を越えて、すなわちチューブ132外まで、延在してもよい。ビデオ・スタイレット210における可撓性部分と展性部分の組合せは、軽量であり、ETT130を片手で患者の気道へ前進させる時に、容易に操作され、有利である。
【0014】
図2は、本開示の実施例によるIS100のイン・サイチュ手術を示す。
【0015】
患者104に対する挿管処置中に、医療従事者102は、一方の手に喉頭鏡110のハンドル112を保持し、他方の手にETT130のチューブ132を保持する。より詳細には、医療従事者102は、まず、ビデオ・スタイレット210を操作して好ましい湾曲にし、その後、ビデオ・カメラ214がETT130の傾斜遠位端134によって画定された開口付近に配置されるように、ビデオ・スタイレット210を、ETT130の近位エンド・キャップ133によって画定された開口に挿入する。挿入されると、ETT130は、ビデオ・スタイレット210の展性部の湾曲に概ね順応する。喉頭鏡110の助けにより、医療従事者102は、ETT130を患者104の口内に導入する。最初にETT130を置いた後、医療従事者102は、間接喉頭鏡法を使用して、ETT130を患者104の声帯に向かって前進させ、この間、ビデオ・カメラ214によって撮像された上気道の画像が、医療従事者102が見るために、ディスプレイ122において提示される。
【0016】
患者104に対する可視化処置中に、ETT130は使用されず、医療従事者102は、一方の手に喉頭鏡110のハンドル112を保持し、他方の手にビデオ・スタイレット210を保持する。より詳細には、喉頭鏡110の助けにより、医療従事者102は、ビデオ・スタイレット210を患者104の口内に導入する。最初にビデオ・スタイレット210を置いた後、医療従事者102は、間接喉頭鏡法を使用して、ビデオ・スタイレット210を患者104の声帯に向かって前進させ、この間、ビデオ・カメラ214によって撮像された上気道の画像が、医療従事者102が見るために、ディスプレイ122において提示される。
【0017】
IS100は、これらの処置に同じ携帯型喉頭鏡を組み込む点で有利であり、医療従事者102が、以前と同じ物理的動作を行いながら、間接的な視線能力を統合することを可能とする。
【0018】
【0019】
ETT130は、チューブ132、近位開口を画定する近位エンド・キャップ133、遠位開口を画定する傾斜遠位端134、給気コネクタ136、及び、膨張可能カフ/バルーン138を含む。また、傾斜遠位端134によって画定された遠位開口が粘液によって閉鎖された場合、又は、患者の気管壁との接触によって封止された場合に、閉塞を防ぐために、チューブ132の遠位端において、開口137(例えば、「Murphyアイ」)が、設けられてもよい。
【0020】
近位開口は、ビデオ・スタイレット210がチューブ132を通過することを許容し、遠位開口は、ビデオ・カメラ214が傾斜遠位端134を越えて延在することを可能とする(必要な場合)。一般的に、チューブ132は、外径と内径を有し、ETT130は、チューブ132の内径に基づくサイズ(ミリメートル単位)を有し、一般的には、3.5(すなわち、例えば幼児用の、内径3.5mm)から8.5(すなわち、例えば成人男性用の、内径8.5mm)まで、及びそれ以上の範囲である。典型的には、サイズは、0.5mm増分で指定される。
【0021】
【0022】
LES200は、ビデオ・スタイレット210と、電子デバイス120のためのホルダ220とを含む。
【0023】
一般的に、ビデオ・スタイレット210は、電子デバイス120のデータ/充電ポートに取り外し可能に取り付け可能であるコネクタ216と、可撓性部、すなわちチューブ又はシース212と、展性部、すなわちチューブ又はシース213と、ビデオ・カメラ214とを含む。多くの実施例では、光源(明瞭のため図示せず)が、ビデオ・カメラ214と併置されてもよい。一部の実施例では、光源制御ユニット218が、例えば1つ又は複数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)などの光源を制御するために、電線の内の1つ又は複数に連結される。光源制御ユニット218は、光源の強度を制御するために、ダイヤル、ボタン、スライダなどを含み得る。
【0024】
ホルダ220は、エンド・キャップ222と、調節可能マウント228とを含む。また多くの実施例では、ホルダ220は、ビデオ・スタイレット210の一部を支持するためのガイド226を含んでもよい。
図4に示す実施例では、ガイド226は、エンド・キャップ222の上部に配置され、他の箇所も支持される。
【0025】
【0026】
より詳細には、
図5A及び
図5Bは、本開示の実施例によるビデオ・スタイレット210の平面図を示し、
図5Cは、本開示の実施例による、ビデオ・スタイレット210の可撓性部分の断面図と、ビデオ・スタイレット210の展性部分の断面図と、ビデオ・スタイレット210の遠位端の図を示す。
【0027】
ビデオ・スタイレット210は、近位端、可撓性部分210F、シース直径移行箇所、展性部分210M、及び、遠位端を有する。多くの実施例では、ビデオ・スタイレットは、約84~107cm(約33~42インチ)の全長を有し、可撓性部分210Fは、約7~12mmの直径と約41~51cm(約16~20インチ)の長さを有し、展性部分210Mは、約3~6.5mmの直径と約41~51cm(約16~20インチ)の長さを有し、ビデオ・カメラ214は、約3~5.5mmの直径と約2~5cm(約1~2インチ)の長さを有する。
【0028】
何本かの電線232が、コネクタ216をビデオ・カメラ214に連結し、可撓性部分210Fと展性部分210Mを通じて延在する。一般的に、電線232の数は、例えばユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)などの、特定の電気通信仕様によって決められる。コネクタ216は、ビデオ・スタイレット210の近位端において、電線に連結される。シース212が、電線を包囲し、可撓性部分210Fの長さに沿って、すなわちコネクタ216からシース直径移行箇所まで、延在する。シース213が、展性線材と電線を包囲し、展性部分210Mの長さに沿って、すなわちシース直径移行箇所からビデオ・カメラ214まで、延在する。シース213は、小径のETT130に合わせるために、シース212より小さな直径を有することが有利である。
【0029】
一部の実施例では、ビデオ・スタイレット210の近位端において、追加コネクタ215が、電線に連結されてもよい。追加コネクタ215は、コネクタ216とは異なる電気的インタフェースを有してもよく、例えばスマート・フォン、タブレット、大画面モニタなどの、追加電子デバイスに連結されてもよい。他の実施例では、電気的インタフェースは、コネクタ215と216に対して同じものであってもよい。
【0030】
ビデオ・カメラ214は、ビデオ・スタイレット210の遠位端において、電線に連結される。多くの実施例では、光源(明瞭のため図示せず)が、ビデオ・カメラ214と併置され、電線に連結されてもよい。一部の実施例では、光源制御ユニット218が、例えば1つ又は複数の発光ダイオード(LED)などの光源を制御するために、電線の内の1つ又は複数に連結される
【0031】
可撓性部分210Fの断面は、シース212、シールド211、及び、電線232を示す。シース212は、例えば摩損などの損傷からケーブルを保護するために、固体ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)から製造される。シールド211は、線材、アルミニウム箔、及び/又はマイラー(mylar)からなる1つ又は複数の層を含み得る。電線232は、例えば誘電体材料などの高抵抗絶縁材料によってクラッディングされた、銅線の単線又は複線であってもよく、一部の電線は、クラッディングされていなくてもよい。多くの実施例では、電線は、接地線、電力線、及び、2本以上の信号線を含み、信号線は、ツイストされていなくてもツイスト・ペアでもよい。
【0032】
展性部分210Mの断面は、シース213、展性線材230、及び、電線232を示す。シース213は、例えば摩損などの損傷からケーブルを保護するために、ポリオレフィン(例えば、熱収縮チューブ)から製造される。展性線材230は、例えばアルミニウムなどの展性金属から製造されてもよく、多くの実施例では、展性線材230は、約16~18グラムの重さである。電線232は、例えば誘電体材料などの高抵抗絶縁材料によってクラッディングされた、銅線の単線又は複線であってもよく、一部の電線は、クラッディングされていなくてもよい。多くの実施例では、電線は、接地線、電力線、及び、2本以上の信号線を含み、信号線は、ツイストされていなくてもツイスト・ペアでもよい。
【0033】
展性部分210Mの直径は、少なくとも部分的にシールド211がないため、可撓性部分210Fの直径より小さいことが有利である。一部の実施例では、全ての電線232が、展性部分210Mの直径を更に減少させるために、一緒にツイストされていてもよい。
【0034】
遠位端の図は、レンズ217を含むビデオ・カメラ214の前端の図である。この実施例では、光源は、レンズ217を取り囲む複数のLED219を含む。
【0035】
図6は、本開示の実施例による喉頭鏡110及びホルダ220を示し、
図7A、
図7B、及び
図7Cは、本開示の実施例によるホルダ220を示す。
【0036】
上記のように、喉頭鏡110は、ハンドル112、ブレード114、及び、ブレード114をハンドル112の下端に取り付けるコネクタ116を含み、ホルダ220は、エンド・キャップ222及び調節可能マウント228を含む。
【0037】
エンド・キャップ222は、調節可能マウント228に「固定的に」結合される。結合は、接着剤、エポキシ、ケーブル・タイ、ねじ、ボルトとナット、リベット、ストラップ、バンド、蟻継ぎなどを含み得る。例えば、
図7Bに示すように、エンド・キャップ222と調節可能マウント228の協働する穴231と共に、ケーブル・タイが、使用されてもよい。エンド・キャップ222は、中央腔を画定する本体223と、中央腔につながる下部開口224を画定する下縁221とを有する。エンド・キャップ222は、ホルダ220を喉頭鏡110のハンドル112の上端に取り外し可能に取り付ける。下部開口224は、喉頭鏡110のハンドル112の上端の直径に適合した直径(例えば、39mmなど)を有し、エンド・キャップ222が取り付けられている時に、ハンドル112が中央腔を満たすことが好ましい。エンド・キャップ222は、種々の直径の喉頭鏡ハンドルに合わせるために、ゴム、プラスチックなどから、様々な中央腔のサイズ及び下部開口直径において製造され得る。
【0038】
調節可能マウント228は、電子デバイス120をホルダ220に着脱自在に定置し、固定顎227及び調節可能顎229を含む。調節可能マウント228の本体233内に配置された位置決めデバイス225が、調節可能マウント228の長手軸に沿った調節可能顎229の変位を制御する。位置決めデバイス225は、調節可能顎229に対していくつかの予め決められたロック位置又は変位を与える、ロック・ボタン又はスイッチを有する、ばね付勢されたラチェット式機構(明瞭のため図示せず)を含んでもよい。他のタイプの機構も、支持される。調節可能マウント228は、プラスチック、アルミニウムなどから製造されてもよく、電子デバイス120を定置するのに適当にサイズ決定される(例えば、15.2cm×7.6cm×1.3cm(6インチ×3インチ×0.5インチ))。例えば、調節可能マウント228の長手軸に沿った調節可能顎229の総変位量は、約10cm(約4インチ)であってもよい。
【0039】
ホルダ220は、ビデオ・スタイレット210の一部を支持するためのガイド226を含んでもよい。
図6に示す実施例では、ガイド226は、エンド・キャップ222の上部に配置されており、一方、
図7Cの実施例では、ガイド226は、調節可能マウント228の上部に配置されている。
【0040】
以下の実施例は、組み合わせることができる。
【0041】
1つの実施例では、喉頭鏡向上システムは、ホルダと、ビデオ・スタイレットとを含む。ホルダは、調節可能マウントと、エンド・キャップとを含む。調節可能マウントは、ディスプレイを有する電子デバイスを着脱自在に定置するように構成される。エンド・キャップは、調節可能マウントに固定的に結合されており、下部開口を有する中央腔を画定する。エンド・キャップは、ホルダを喉頭鏡ハンドルの上端に取り外し可能に取り付けるように構成され、下部開口は、喉頭鏡ハンドルの上端の直径に適合した直径を有する。ビデオ・スタイレットは、何本かの電線と、電線に連結されたコネクタと、可撓性部分と、展性部分と、電線の内の1つ又は複数に連結されたビデオ・カメラとを含む。コネクタは、電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能である。可撓性部分は、電線を包囲する可撓性シースを含む。展性部分は、展性線材と電線とを包囲する展性シースを含む。展性シースは、可撓性シースより小さな直径を有する。
【0042】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、展性線材は、前記展性部分の長さに沿って延在する。
【0043】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、ホルダは、ビデオ・スタイレットの可撓性部分を支持するように構成されたガイドを含む。
【0044】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、ガイドは、調節可能マウントの上部に配置される。
【0045】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、ガイドは、エンド・キャップの上部に配置される。
【0046】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、ビデオ・スタイレットは、コネクタとは異なる電気的インタフェースを有する、電線に連結された追加コネクタを、更に含む。
【0047】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、追加コネクタは、追加電子デバイスに取り外し可能に接続可能である。
【0048】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、電子デバイスは、スマート・フォンであり、追加電子デバイスは、ディスプレイである。
【0049】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、ビデオ・スタイレットは、少なくとも1つの電線に連結された光源を含み、可撓性部分は、少なくとも1つの電線に連結された光源制御ユニットを含む。
【0050】
喉頭鏡向上システムの別の実施例では、光源は、ビデオ・カメラのレンズを取り囲む複数の発光ダイオード(LED)を含む。
【0051】
1つの実施例では、挿管システムは、気管内チューブ(ETT)と、ディスプレイを有する電子デバイスと、向上された喉頭鏡とを含む。ETTは、内径を有する。向上された喉頭鏡は、ブレードと、ブレードに結合されたハンドルと、ホルダと、ビデオ・スタイレットとを含む。ハンドルは、上端及び直径を有する。ホルダは、調節可能マウントと、エンド・キャップとを含む。調節可能マウントは、電子デバイスを着脱自在に定置する。エンド・キャップは、下部開口を有する中央腔を画定する。エンド・キャップは、ハンドルの上端に取り外し可能に取り付けられている。下部開口は、ハンドルの直径に適合した直径を有する。ビデオ・スタイレットは、何本かの電線と、電線に連結されたコネクタと、可撓性部分と、展性部分と、電線の内の1つ又は複数に連結されたビデオ・カメラとを含む。コネクタは、電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能である。可撓性部分は、電線を包囲する可撓性シースを含む。展性部分は、展性線材と電線とを包囲する展性シースを含む。展性シースは、可撓性シースより小さな直径を有する。
【0052】
挿管システムの別の実施例では、展性線材は、展性部分の長さに沿って延在する。
【0053】
挿管システムの別の実施例では、ホルダは、ビデオ・スタイレットの可撓性部分を支持するように構成されたガイドを含む。
【0054】
挿管システムの別の実施例では、ガイドは、調節可能マウントの上部に配置される。
【0055】
挿管システムの別の実施例では、ガイドは、エンド・キャップの上部に配置される。
【0056】
挿管システムの別の実施例では、ビデオ・スタイレットは、コネクタとは異なる電気的インタフェースを有する、電線に連結された追加コネクタを、更に含む。
【0057】
挿管システムの別の実施例では、追加コネクタは、追加電子デバイスに取り外し可能に取り付け可能である。
【0058】
挿管システムの別の実施例では、電子デバイスは、スマート・フォンであり、追加電子デバイスは、ディスプレイである。
【0059】
挿管システムの別の実施例では、ビデオ・スタイレットは、少なくとも1つの電線に連結された光源を含み、可撓性部分は、少なくとも1つの電線に連結された光源制御ユニットを含む。
【0060】
挿管システムの別の実施例では、光源は、ビデオ・カメラのレンズを取り囲む複数の発光ダイオード(LED)を含む。
【0061】
本開示の実施態様は、多くの異なる形態における実施例が可能であるが、本開示は、本開示の原理の例としてみなされるものであり、本開示を、示され記載された具体的な実施例に制限することは意図されないという前提で、具体的な実施例が、図面において示され、本明細書において詳細に記載される。上記の説明において、同様の参照番号は、図面中のいくつかの図において同じ、類似の、又は対応する部分を説明するために使用され得る。
【0062】
本文書において、第1及び第2、上部及び下部などの関係性の用語は、1つの実体又は行為を、このような実体又は行為の間の何らかの実際のそのような関係又は順序を必ずしも要求又は暗示することなく、別の実体又は行為と識別するためにのみ、使用され得る。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はこれらの何らかの他の変化形の用語は、非排他的包含を包含することが意図され、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの要素のみを含むものではなく、明白に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含んでもよい。「1つの~を含む(comprises ... a)」によって先行される要素は、それ以上の制約なしに、要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置における更なる同一の要素の存在を排除しない。
【0063】
本文書を通じた「1つの実施例(one embodiment)」、「一部の実施例(certain embodiments)」、「実施例(an embodiment)」、「実施態様(implementation(s))」、「態様(aspect(s))」、又は類似の用語への言及は、実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例に含まれるということを意味する。したがって、このような語句の出現、又は本明細書を通じた各所における出現は、必ずしも全て同じ実施例を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が、制限なく1つ又は複数の実施例において任意の適切な様式で組み合わされてもよい。
【0064】
本明細書において使用される場合、「又は(or)」という用語は、包括的、又は任意の1つ又は任意の組合せを意味するものと解釈されるものとする。したがって、「A、B、又はC」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、AとBとCの内のいずれかを意味する。この定義に対する例外は、要素、機能、ステップ、又は行為の組合せが、何らかの形で本質的に互いに排他的である場合にのみ生じる。また、文法的接続詞は、別の形で言及されるか文脈から明白でない限り、連接された節、文、語の何らかの並びに全ての選言的及び連言的組合せなどを表現するものとして意図される。したがって、「又は(or)」という用語は、一般に「及び/又は(and/or)」などを意味するものと理解されたい。項目に対する単数形での言及は、別の形で明言されるか文言から明白でない限り、複数の項目含むものとして理解されたく、逆も同様である。
【0065】
本明細書における値の範囲の記載は、制限するものとして意図されず、別の形で示されない限り、範囲内に入る任意の及び全ての値を個々に指すものであり、そのような範囲内の個々の値は、本明細書において個々に記載されたものであるように、本明細書に組み込まれる。数値を伴う「約(about)」、「およそ(approximately)」などの語は、意図された目的のために満足に働くために当業者によって認識されるような偏差を示すものとして解釈されるものとする。本明細書において、値及び/又は数値の範囲は、例としてのみ与えられ、記載された実施例の範囲に対する制限をなさない。本明細書において与えられる任意の及び全ての例又は例示的言語(「例えば(e.g.)」、「など(such as)」、「例えば(for example)」など)の使用は、単に実施例をより明快にすることのみを意図しており、実施例の範囲に対する制限を与えない。本明細書における一切の言語は、何らかの請求されていない要素を、実施例の実践に対して必須のものとして示すものとして解釈されるべきではない。
【0066】
図示の簡潔及び明瞭のため、参照番号は、対応する又は類似する要素を示すために図面を通じて反復され得る。多くの詳細が、本明細書において記載される実施例の理解を与えるために説明された。実施例は、これらの詳細なしに実践され得る。他の例では、よく知られた方法、手順、及び構成要素は、記載された実施例を不明瞭にすることを避けるために、詳細に記載されていない。記載は、本明細書において記載された実施例の範囲を制限するものとみなされないものとする。
【0067】
本記載において、「第1の」、「第2の」、「上部」、「下部」、「上」、「下」、「以上」、「以下」、などの用語は、便宜上の語であり、制限的用語として解釈されないものとすると理解される。また、装置、デバイス、システムなどの用語は、本文において互換的に使用され得る。
【0068】
本開示の多くの特徴及び利点が、詳細な明細書から明らかであり、添付の特許請求の範囲によって、本開示の範囲内に入る本開示の全てのこのような特徴及び利点を包含することが意図される。更に、当業者は多くの変形及び変化を容易に想到するものと思われるため、本開示を、例示及び記載された厳密な構造及び動作に制限することは望まれず、したがって、全ての適当な変形及び均等物が、本開示の範囲内に入るものとみなされ得る。
【国際調査報告】