特表-13146703IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月3日
【発行日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】内燃機関の吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02B 31/00 20060101AFI20151117BHJP
   F02D 41/02 20060101ALI20151117BHJP
   F02D 41/34 20060101ALI20151117BHJP
   F02D 41/04 20060101ALI20151117BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20151117BHJP
   F02M 69/00 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   F02B31/00 301D
   F02B31/00 301B
   F02D41/02 330G
   F02D41/34 C
   F02D41/04 330C
   F02M35/104 R
   F02M69/00 350W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】特願2014-507873(P2014-507873)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年3月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-82788(P2012-82788)
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067840
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 望
(74)【代理人】
【識別番号】100098176
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 訓
(74)【代理人】
【識別番号】100169111
【弁理士】
【氏名又は名称】神澤 淳子
(72)【発明者】
【氏名】田邉 和也
(72)【発明者】
【氏名】久保田 良
【テーマコード(参考)】
3G301
【Fターム(参考)】
3G301HA01
3G301HA17
3G301KA08
3G301KA09
3G301LA05
3G301LB02
3G301LC03
3G301MA11
(57)【要約】
内燃機関の吸気装置において、吸気通路(P)にスロットル弁(22)と吸気振分け弁(61)が設けられる。吸気振分け弁(61)の下流側は、仕切板(60)により、上側吸気通路(Up)と下側吸気通路(Lp)に仕切られる。吸気振分け弁(61)は、仕切板(60)の上流端縁の近傍位置(61a)に枢着されて上流方向に延び、吸気振分け弁(61)の揺動によりそれより下流の吸気が上下に振り分けられ、前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)を流れる吸気の割合が変更される。負荷状態に応じて、上下通路に流れる吸気量が適宜選択的に振分け可能にされ、タンブルの渦流の強さを調整して燃焼効率の最適化が図られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロック(16)のシリンダボア(16b)内に摺動自在に嵌合されるピストン(25)の頂面と同頂面が対向するシリンダヘッド(17)の天井面(41)との間に燃焼室(40)が構成され、
前記シリンダヘッド(17)の前記天井面(41)に開口した吸気弁口(42)と排気弁口(43)からそれぞれ吸気ポート(44)と排気ポート(45)が互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成され、
吸気ポート(44)にインレットパイプ(20)が接続されて連続した吸気通路(P)が構成され、
前記インレットパイプ(20)に、スロットル弁(22)とそれより下流で吸気振分け弁(61)とが設けられ、
前記吸気通路(P)が、吸気振分け弁(61)より下流側で部分的に仕切板(60)により上側吸気通路(Up)と下側吸気通路(Lp)に仕切られ、前記吸気振分け弁(61)により前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)を流れる吸気が制御され、
吸気制御手段(66)により前記吸気振分け弁(61)が駆動制御される内燃機関の吸気装置において、
前記吸気振分け弁(61)は、前記仕切板(60)の上流端縁に隣接して設けられ、前記スロットル弁(22)より下流の吸気を上下に振り分け前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)を流れる吸気の割合を変更することを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項2】
前記吸気振分け弁(61)は、基端が前記インレットパイプ(20)に前記仕切板(60)の上流端縁に隣接する位置で枢着されて吸気上流側に向けた先端を上下に揺動自在としたフラップバルブであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項3】
前記上側吸気通路(Up)の通路断面積が、前記下側吸気通路(Lp)の通路断面積より小さいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項4】
前記仕切板(60)の下流端部(60e)は、前記吸気ポート(44)内にあって吸気バルブステム(46s)に隣接する位置にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項5】
前記シリンダヘッド(17)の前記天井面(41)にシリンダボア(16b)の中心軸であるシリンダ軸(C)に関して互いに反対位置に1つずつ前記吸気弁口(42)と前記排気弁口(43)が前記燃焼室(40)に臨んで開口され
前記吸気弁口(42)がシリンダボア(16b)の円孔よりシリンダ軸方向視で外側にはみ出した三日月状のはみ出し部(42a)を有するようにオフセットして形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項6】
前記吸気制御手段(66)は、内燃機関が低負荷状態のときは吸気を大部分上方に振り分けて前記上側吸気通路(Up)を流れるように前記吸気振分け弁(61)を低負荷位置に位置決めし、中負荷状態のときは吸気を下方より上方の割合を小さく振り分けて前記上側吸気通路(Up)を流れる吸気を抑制するように前記吸気振分け弁(61)を中負荷位置に位置決めし、高負荷状態のときは前記仕切板(60)に仕切られた割合に吸気を上下に振り分けるように前記吸気振分け弁(61)を高負荷位置に位置決めすることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項7】
前記インレットパイプ(20)の前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)にそれぞれ燃料噴射を行う上側インジェクタ(71)と下側インジェクタ(72)を備え、
前記吸気制御手段(66)は、前記吸気振分け弁(61)の揺動状態に応じて前記上側インジェクタ(71)と前記下側インジェクタ(72)の噴射量を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の内燃機関の吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される内燃機関の吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の低負荷領域において、燃費の向上を図るために、燃焼室内で吸入された吸気にタンブルを発生させ、燃焼室上部の点火プラグの周りに燃料を送り成層化して燃焼効率の向上を図る吸気装置が知られている。
【0003】
この吸気装置では、シリンダヘッドの燃焼室の天井面の吸気弁口と排気弁口から吸気ポートと排気ポートが互いに離れる方向に湾曲しながら延出しており、この吸気ポートが燃焼室に案内する吸気のうちで、吸気弁口のシリンダ軸線(シリンダボアの中心軸線)に近い内側縁側から燃焼室に吸入される吸気が、排気側に向け流入しながらシリンダボアの排気側を下降した後にピストン頂面に沿って流れを曲げて吸気側を上昇することで、縦渦いわゆるタンブルが形成される。
【0004】
そこで、吸気弁口のシリンダ軸線に近い内側縁側から吸入される吸気の割合を大きくするために、吸気ポートの内部を仕切壁により上下の通路に仕切り、仕切壁の上流側に下方の通路の開閉を行う吸気制御弁を設け、機関始動直後に下方の通路を閉じることで、吸気ポートの上方の通路を流れる吸気が上方の通路の延長である吸気弁口の内側縁側から燃焼室に吸入されるようにして、強い渦流のタンブルを発生させる吸気装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−151078号公報
【0006】
特許文献1に記載の吸気装置では、吸気ポートの仕切壁の上流側に設けられる吸気制御弁は、その基端の軸部が吸気ポートの下壁に枢着されて回動可能とされる。吸気制御弁を軸部周りで回動してその下側の壁の内面に沿うように伏せることで、下方の通路の上流側開口が開き、上下双方の通路を吸気が流れ、吸気制御弁を上方に回動してその先端縁が仕切壁の上流端縁に接するようにすることで下方の通路の上流側開口が閉じられ、上方の通路のみを吸気が流れる。
したがって、機関始動直後は吸気制御弁が下方の通路の上流側開口を閉じ、上方の通路を吸気が流れ燃焼室に入ることで、強い渦流のタンブルを発生させ燃焼効率を上げている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
内燃機関の中負荷領域においては、タンブルの渦流が強すぎると、急速燃焼により燃費の低減が妨げられ、また急速燃焼を原因としたクランク打音が発生することがある。
そこで、中負荷領域では、吸気ポートの上方の通路を流れる吸気を抑制することが望まれるが、特許文献1に記載の吸気制御弁による吸気制御では、上方の通路の上流側開口のみを部分的に閉じて上方の通路を流れる吸気を抑制することはできない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、負荷状態に応じて上下通路に流れる吸気量を適宜選択的に振分け可能にし、タンブルの渦流の強さを調整して燃焼効率の最適化を図ることができる内燃機関の吸気装置を供する点にある。
また、本発明の他の目的は、低負荷領域で強い渦流のタンブルを発生させ、中負荷領域ではタンブルの発生を抑制し、高負荷領域ではシリンダ吸気量を最大とするように、内燃機関の負荷状態に応じてタンブルの渦流の強さを調整して燃焼効率の最適化を図ることができる内燃機関の吸気装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダブロックのシリンダボア内に摺動自在に嵌合されるピストンの頂面と同頂面が対向するシリンダヘッドの天井面との間に燃焼室が構成され、前記シリンダヘッドの前記天井面に開口した吸気弁口と排気弁口からそれぞれ吸気ポートと排気ポートが互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成され、吸気ポートにインレットパイプが接続されて連続した吸気通路が構成され、前記インレットパイプに、スロットル弁とそれより下流で吸気振分け弁とが設けられ、前記吸気通路が、吸気振分け弁より下流側で部分的に仕切板により上側吸気通路と下側吸気通路に仕切られ、前記吸気振分け弁により前記上側吸気通路と前記下側吸気通路を流れる吸気が制御され、吸気制御手段により前記吸気振分け弁が駆動制御される内燃機関の吸気装置において、前記吸気振分け弁は、前記仕切板の上流端縁に隣接して設けられ、前記スロットル弁より下流の吸気を上下に振り分け前記上側吸気通路と前記下側吸気通路を流れる吸気の割合を変更することを特徴とする内燃機関の吸気装置を提供する。
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、前記吸気振分け弁は、基端が前記インレットパイプに前記仕切板の上流端縁に隣接する位置で枢着されて吸気上流側に向けた先端を上下に揺動自在としたフラップバルブである。
【0011】
本発明の好適な実施形態では、前記上側吸気通路の通路断面積が、前記下側吸気通路の通路断面積より小さい。
【0012】
好適には、前記仕切板の下流端部は、前記吸気ポート内にあって吸気バルブステムに隣接する位置にある。
【0013】
本発明の好適な実施形態によれば、前記シリンダヘッドの前記天井面にシリンダボアの中心軸であるシリンダ軸に関して互いに反対位置に1つずつ前記吸気弁口と前記排気弁口が前記燃焼室に臨んで開口され、前記吸気弁口がシリンダボアの円孔よりシリンダ軸方向視で外側にはみ出した三日月状のはみ出し部を有するようにオフセットして形成される。
【0014】
本発明による内燃機関の吸気装置においては、前記吸気制御手段は、内燃機関が低負荷状態のときは吸気を大部分上方に振り分けて前記上側吸気通路を流れるように前記吸気振分け弁を低負荷位置に位置決めし、中負荷状態のときは吸気を下方より上方の割合を小さく振り分けて前記上側吸気通路を流れる吸気を抑制するように前記吸気振分け弁を中負荷位置に位置決めし、高負荷状態のときは前記仕切板に仕切られた割合に吸気を上下に振り分けるように前記吸気振分け弁を高負荷位置に位置決めするように働く。
【0015】
本発明の好ましい実施形態は、前記インレットパイプの前記上側吸気通路と前記下側吸気通路にそれぞれ燃料噴射を行う上側インジェクタと下側インジェクタを備え、前記吸気振分け弁の揺動状態に応じて前記上側インジェクタと前記下側インジェクタの噴射量が制御される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の内燃機関の吸気装置によれば、吸気振分け弁は、前記仕切板の上流端縁に隣接して設けられ、スロットル弁より下流の吸気を上下に振り分け上側吸気通路と下側吸気通路を流れる吸気の割合を変更するので、負荷状態に応じて上下通路に流れる吸気量を適宜選択的に振分け可能にし、タンブルの渦流の強さを調整して燃焼効率の最適化を図ることができる。
【0017】
前記吸気振分け弁が、基端がインレットパイプに仕切板の上流端縁に隣接する位置で枢支されて吸気上流側に向けた先端を上下に揺動自在としたフラップバルブであることにより、フラップバルブの先端の揺動位置によって吸気を上下に振り分ける割合を容易に変更することができる。
【0018】
上側吸気通路の通路断面積が、下側吸気通路の通路断面積より小さいことで、低負荷状態で吸気が狭い上側吸気通路を通ることにより高速となって、燃焼室に吸入されるため、強い渦流のタンブルを発生させ燃焼効率を向上させることができる。
【0019】
前記仕切板の下流端部が、吸気ポート内にあって吸気バルブステムの近傍に位置することで、低負荷状態で上側吸気通路を通る吸気を吸気弁口近くまで案内することができ、強い渦流のタンブルを容易に発生させることができる。
【0020】
シリンダヘッドの天井面に1つ形成された吸気弁口がシリンダボアの円孔よりシリンダ軸方向視で外側にはみ出した三日月状のはみ出し部を有するようにオフセットして形成されることにより、吸気弁口の開口全周長に対するはみ出し部の開口周長の割合を大きく確保でき、吸気弁口の外側縁側(はみ出し部側)から吸気の燃焼室への吸入が妨げられて、吸気弁口の内側縁側から吸入されて発生するタンブルを抑えるような逆タンブルの発生が抑制されることで、強い渦流のタンブルの発生を促すことができる。
【0021】
吸気制御手段は、内燃機関が低負荷状態のときは吸気を大部分上方に振り分けて上側吸気通路を流れるように吸気振分け弁を低負荷位置に位置決めして強い渦流のタンブルを形成することができ、中負荷状態のときは吸気を下方より上方の割合を小さく振り分けて上側吸気通路を流れる吸気を抑制するように吸気振分け弁を中負荷位置に位置決めしてタンブルの渦流を極力抑え急速燃焼を防止し、高負荷状態のときは仕切板に仕切られた割合に吸気を上下に振り分けるように吸気振分け弁を高負荷位置に位置決めして上側吸気通路を十分な吸気が流れるようにして適度な渦流のタンブルを発生し、かつ吸気効率を良好に維持することができ、内燃機関の負荷状態に応じてタンブルの渦流の強さを調整して燃焼効率の最適化を図ることができ、燃費を低減することができる。
【0022】
前記インレットパイプの上側吸気通路と下側吸気通路にそれぞれ燃料噴射を行う上側インジェクタと下側インジェクタを備え、吸気振分け弁の揺動状態に応じて上側インジェクタと下側インジェクタの噴射量を制御することにより、吸気振分け弁の揺動状態すなわち吸気流量の上下振り分け状態に応じて上側インジェクタと下側インジェクタの噴射量を最適制御することで、燃焼効率を一層向上させるとともに、空燃比を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施の形態に係る吸気装置を備える内燃機関を搭載した自動二輪車の右側面図である。
図2】同内燃機関の一部断面右側断面図である。
図3】シリンダブロックの上面図である。
図4】シリンダヘッドの下面図である。
図5】燃焼室の天井面の拡大説明図である。
図6】低負荷状態における内燃機関の要部断面図である。
図7】中負荷状態における内燃機関の要部断面図である。
図8】高負荷状態における内燃機関の要部断面図である。
図9図6のIX-IX線断面図である。
図10図6のX-X線断面図である。
図11】スロットル開度θに対する吸気振分け弁開度φの制御とタンブル比Rtの変化を示すグラフである。
図12】別の実施の形態に係る吸気装置を備える内燃機関の要部断面図である。
図13図12のXIII-XIII線断面図である。
図14図12の実施形態における、スロットル開度θに対する吸気振分け弁開度φと燃料噴射比率rの制御を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る吸気装置を備える内燃機関10を搭載した自動二輪車1の全体側面図である。
【0025】
本自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ2aから後方へ延出する左右一対のメインフレームパイプ2b,2bを有し、メインフレームパイプ2b,2bは後方へ延出した後に下方に屈曲して急傾斜部2ba,2baを形成している。急傾斜部2ba,2baの下部は、前方に屈曲させて下端部に至っている。
また、ヘッドパイプ2aから斜め急角度に下方へ左右一対のダウンフレームパイプ2c,2cが、側面視でメインフレームパイプ2bの急傾斜部2baに略平行に延出している。
【0026】
メインフレームパイプ2b,2bの急傾斜部2ba,2baの上部からはシートレール2d,2dが後方に延出し、同シートレール2d,2dの中央部と急傾斜部2ba,2baの下部とを連結したバックステー2e,2eがシートレール2d,2dを支持している。
【0027】
以上のような車体フレーム2において、ヘッドパイプ2aにはフロントフォーク3が枢支され、その下端に前輪4が軸支され、メインフレームパイプ2b,2bの下部前方にはピボットプレート2fが固定され、このピボットプレート2fに前端を枢支されたリヤフォーク5が後方へ延出し、その後端に後輪6が軸支され、リヤフォーク5の後部とシートレール2d,2dの中央部との間にリヤクッション7が介装されている。
メインフレームパイプ2b,2bには燃料タンク8が架設され、燃料タンク8の後方にシート9がシートレール2d,2dに支持されて設けられている。
【0028】
車体フレーム2に搭載される内燃機関10は、SOHC型2バルブの単気筒4ストローク内燃機関であり、車体に対してクランク軸12(図2)を車体幅方向に指向させ、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で懸架される。
【0029】
図2に示すように、内燃機関10のクランク軸12を回転自在に軸支するクランクケース11内には、クランク軸12の後方に配設されるメイン軸13とカウンタ軸14の間に変速歯車機構15が配置されている。カウンタ軸14は出力軸であり、後輪6の回転軸との間にチェーン(図示せず)が架渡され、出力軸からチェーンを介して動力が後輪6に伝達される。
【0030】
図2を参照して、クランクケース11の上には、1本の鋳鉄製のシリンダライナ16Lが鋳込まれたシリンダブロック16が取り付けられ、シリンダブロック16の上にガスケットを介してシリンダヘッド17が重ねられ、シリンダブロック16とシリンダヘッド17はスタッドボルトにより一体に締結され、シリンダヘッド17の上方をシリンダヘッドカバー18が覆っている。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック16,シリンダヘッド17,シリンダヘッドカバー18は、クランクケース11から若干前傾した姿勢で上方に延出している(図1図2参照)。
【0031】
このように車体フレームに搭載された内燃機関10の若干前傾して立設されたシリンダヘッド16から後方に、連結管19を介してインレットパイプ20が延出し、インレットパイプ20には、スロットル弁22を内蔵するバタフライ型のスロットルボディ21が設けられるとともに、インジェクタ23が装着され、さらに後記する吸気振分け弁61が設けられている。
【0032】
図1に示すように、このインレットパイプ20の後端に連結されるエアクリーナ24が、側面視で、メインフレーム2bの急傾斜部2baとシートレール2dとバックステー2eに囲まれた空間に配設される(図1参照)。
また、シリンダヘッド17から前方に延出した排気管27は、下方に屈曲し、さらに後方に屈曲してクランクケース11の下面に沿って後方にかつ右側に寄って後輪6の右側に配置されたマフラー26に連結している。
【0033】
図2を参照して、クランクケース11は左右割りで左右クランクケース半体からなり、左右クランクケース半体の合せ面に形成された開口にシリンダライナ16Lの下端部が嵌入してシリンダブロック16が若干前傾して上方に突出している。そして、同シリンダライナ16Lの内部のシリンダボア16bにピストン25が往復摺動自在に嵌合され、ピストン25のピストンピン25pとクランク軸12のクランクピン12pとの間をコンロッド26が連接してクランク機構を構成している。
【0034】
シリンダブロック16のシリンダボア16b内を摺動するピストン25の頂面25tと同頂面25tが対向するシリンダヘッド17の天井面41との間に燃焼室40が構成される。
シリンダヘッド17には、天井面41にシリンダボア16bの中心軸線であるシリンダ軸線Cに関して互いに直径方向の反対位置に1つずつ吸気弁口42と排気弁口43(図4図6)が燃焼室40に臨んで開口されるとともに、吸気弁口42と排気弁口43から各々吸気ポート44と排気ポート45が互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成されている。
【0035】
図2において、吸気ポート44は、吸気弁口42から二輪車の後方に延出し、連結管19を介してインレットパイプ20に連通し、排気ポート45は排気管27(図1)に連結される。
シリンダヘッド16に一体に嵌着された弁ガイド34i,34eにそれぞれ摺動可能に支持される吸気弁46および排気弁47は、シリンダヘッド13の上に設けられる動弁機構30により駆動されて、吸気ポート44の吸気弁口42および排気ポート45の排気弁口43をクランク軸12の回転に同期して開閉する。
【0036】
動弁機構30は、シリンダヘッド17の上に1本のカム軸31が左右方向に指向して軸支されたSOHC型内燃機関の動弁機構である。カム軸31の斜め前後上方にロッカアームシャフト32e,32iが支持され、後方のロッカアームシャフト32iに吸気ロッカアーム33iが揺動自在に中央を軸支され、前方のロッカアームシャフト32eに排気ロッカアーム33eが揺動自在に中央を軸支されている。
【0037】
吸気ロッカアーム33iの一端は、カム軸31の吸気カムローブに接し、他端がスプリングで付勢された吸気弁46のバルブステム46sの上端に調整ねじを介して接し、排気ロッカアーム33eの一端は、カム軸31の排気カムローブに接し、他端がスプリングで付勢された排気弁47のバルブステム47sの上端に調整ねじを介して接し、カム軸31の回転により吸気ロッカアーム33iと排気ロッカアーム33eが揺動して吸気弁46と排気弁47を開閉駆動する。
【0038】
図3は、シリンダブロック16の上面図であり、シリンダヘッド17との合せ面16fにシリンダボア16bの円孔と動弁機構30に動力を伝達するチェーンを挿通するチェーン室16cの矩形孔が穿設されている。
図4は、シリンダブロック16に重ね合わされるシリンダヘッド17の下面図であり、シリンダブロック16に合せ面16fに対向する合せ面17fに、シリンダボア16bに対応して燃焼室40の天井面41が凹んで形成されるとともに、チェーン室16cに対応して連通するチェーン室17cが穿設されている。
【0039】
シリンダヘッド17の合せ面17fにおける燃焼室40の天井面41の円形開口縁41sがシリンダボア16bの円孔に一致する。
天井面41の後側に大径の吸気弁口42が開口し、天井面41の前側に吸気弁口42より幾らか小径の排気弁口43が開口している。
また、天井面41には点火プラグ(図示せず)が先端を突出させるプラグ孔48が穿設されている。
【0040】
図5は、シリンダヘッド17の燃焼室40をシリンダ軸Cの軸方向に視た、すなわちシリンダ軸方向視で示した図であり、同図5を参照して、吸気弁口42が、燃焼室40の天井面41のシリンダボア16bの円孔に対応する円形の天井面開口縁41sよりシリンダ軸方向視で吸気弁口周囲部の一部が外側にはみ出してオフセットしており、吸気弁口42は天井面開口縁41sからはみ出した三日月状のはみ出し部42a(図5の散点で示した部分)を有する。
【0041】
吸気弁口42の開口縁42sの開口全周長に対するはみ出し部42aの開口周長の割合をマスキング割合Rmとすると、本吸気弁口42のオフセットによるマスキング割合Rmは20〜50%程度である。
【0042】
また、図5を参照して、天井面41には、吸気弁口42と排気弁口43を長径方向両側に囲む楕円状の横断面形状を有してドーム状凹部51が形成されており、天井面41のうちドーム状凹部51の外側の左右1対の三日月状部分にそれぞれスキッシュ52,52が形成されている。
【0043】
そして、吸気弁口42の外周囲に、吸気弁口42の三日月状のはみ出し部42aの両端部辺りから吸気弁口42の開口縁42sに沿って湾曲した1対のガイド壁面53,53が、互いに対向して前記排気弁口43側に向けて徐々に拡開して形成されている。
【0044】
以上のように形成されたシリンダヘッド17の燃焼室40の天井面41に対して、シリンダブロック16のシリンダボア16bは、図3および図6図7図8に示すように、シリンダボア16bのシリンダヘッド17側の開口縁における吸気弁口42のはみ出し部42aに対向する後側部分を吸気弁46の移動方向に吸気弁46のかさ部46p周縁に沿って最大バルブリフト位置まで切り欠いた切欠き円曲面55が形成されている。
【0045】
図7図8図9に示すように、切欠き円曲面55は、鋳鉄製のシリンダライナ16Lが鋳込まれたアルミ合金製のシリンダブロック16のフランジレスのシリンダライナ16Lの上端面を覆う部分に斜めに切り欠かれて形成されている。
【0046】
この切欠き円曲面55に沿って切欠き円曲面55に近接して吸気弁46のかさ部46p周縁が移動するので、吸気弁46が開いて最大バルブリフト位置まで移動する間、吸気弁口42の外側縁側(はみ出し部42a側)からの吸気は、吸気弁46のかさ部46p周縁と切欠き円曲面55との極めて狭い隙間を通らなければならず燃焼室40への吸入が殆ど妨げられマスキングされた状態にある。
【0047】
したがって、吸気弁口42の外側縁側からはマスキングされて燃焼室40には吸気が僅かに吸入されるだけで、吸気弁口42の内側縁側からの吸入が主になり、よって、燃焼室内にタンブルが発生し易い構造となっている。
なお、吸気弁46の最大バルブリフト位置が、切欠き円曲面55をいくらか越えた位置にあってもよい。
【0048】
図6に示すように、ピストン25の頂面25tの周縁部の吸気弁口42のはみ出し部42aに対向する部分が吸気弁46のかさ部46pfの外周部端面と平行に切り欠かれてピストン切欠き面56が形成されており(図6参照)、吸気行程でピストン25の下降とともに吸気弁46が開弁しリフトするときに、吸気弁口42の外側縁側からの吸気の流入方向とピストン切欠き面(56)が垂直となるため、吸気弁口42の外側縁側から燃焼室40に吸気の吸入が促されることはなく、逆タンブルの発生がより抑えられている。
【0049】
そして、吸気系において、インレットパイプ20から連結管19を介して吸気ポート44に至る吸気通路Pが、インレットパイプ20の下流部から吸気ポート44の湾曲部まで仕切板60により上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpに仕切られている。
【0050】
仕切板60は、インレットパイプ20と一体に形成されており、仕切板60の上流端部がインレットパイプ20の内側に上下を仕切って設けられ、下流側に大きく飛び出した延出部分が吸気ポート44に挿入されている。
図9に示すように、仕切板60の帯状の延出部分は、その両側縁が吸気ポート44の内周面に沿って延びている。
仕切板60は、吸気通路Pを上方に寄っており、上側吸気通路Upの通路断面積が下側吸気通路Lpの通路断面積より小さい(図9参照)。
【0051】
仕切板60の長尺の延出部は、吸気ポート44の湾曲形状に沿って曲がっており、図10に示すように、先端の下流端部60eは吸気ポート44の湾曲部に位置する吸気弁46の吸気バルブステム46sに達しており、下流端部60eには先端縁からU字状に凹んだ凹部60uが形成されていて、このU字状凹部60uを吸気バルブステム46sが貫通している。
【0052】
そして、下流端部60eは、湾曲していない平板状で吸気ポート44の湾曲部に直線的に挿入され、その下流端部60eの左右側部が吸気ポート44の湾曲部に左右に対向して形成された左右凹溝44v,44vに嵌入されて固定支持される。
【0053】
インレットパイプ20内において、スロットル弁22よりも下流で仕切板60の上流に吸気振分け弁61が設けられている。
図6図7図8を参照して、吸気振分け弁61は、基端の回動軸61aがインレットパイプ20に仕切板60の上流端縁の近傍で枢支されて吸気上流側に向けた先端を上下に揺動自在としたフラップバルブであり、モータ駆動機構62により揺動させられる。
【0054】
吸気振分け弁61は、上流のスロットル弁22に先端を向けて揺動することで、スロットル弁22より下流の吸気を上下に振り分け上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpを流れる吸気の割合を変更することができる。
【0055】
内燃機関10を制御するECU(電子制御ユニット)65 (図2)は、吸気制御手段66を備えており、内燃機関10の運転状態を解析して吸気制御手段66により吸気系のスロットル弁21やインジェクタ23が駆動制御されるが、吸気振分け弁61も吸気制御手段66により駆動制御される。
【0056】
図6を参照して、スロットル弁22のスロットル開度θは、全閉時から回動して吸気通路に平行になったときが全開状態であり、内燃機関10の負荷状態を示す。
吸気振分け弁61は、内燃機関10の負荷状態に応じて揺動制御され、吸気振分け弁61の揺動角である吸気振分け弁開度φは、図6に示す低負荷状態のときの吸気振分け弁61の低負荷位置を基準0度として図6で時計回りに揺動角度が増加する。
【0057】
タンブルの状態は、クランク軸12の1回転当りのタンブルの回転数であるタンブル比Rtで表わすことができる。
タンブル比Rt=タンブル回転角速度/クランク軸角速度
タンブル比Rtが大きければ、強い渦流のタンブルが発生している。
【0058】
図11には、スロットル開度θに応じて吸気振分け弁61を揺動制御する吸気振分け弁開度φの変化とタンブル比Rtの変化を示している。
以下、図11を参照しつつ、内燃機関10の負荷状態による吸気振分け弁61の揺動制御とタンブル比Rtを考察する。
【0059】
内燃機関10が低負荷運転状態のときは、図6に示すように、スロットル弁22は小さく開いており(スロットル開度θ:小)、吸気振分け弁61は先端縁が吸気通路Pの下側周面に接した低負荷位置(吸気振分け弁開度φ=0度)に位置決めされているので、吸気振分け弁61は吸気を大部分上方に振り分け、吸気は上側吸気通路Upを流れる。
【0060】
したがって、スロットル弁22の僅かに開いた開口を通った吸気は、大部分吸気振分け弁61により大部分上方の比較的狭い上側吸気通路Upに案内され流れるために高速となり、さらに吸気ポート44の湾曲部に位置する吸気バルブステム46sまで延出した仕切板60により吸気弁口42の近くまで案内されるので、大部分の吸気が吸気弁口42の内側縁側(シリンダ軸C側)から燃焼室40に高速で吸入されることになり、図6に示すように、強い渦流のタンブルが発生する(タンブル比Rtが上昇)。
【0061】
吸気弁口42がシリンダボア16bの円孔よりシリンダ軸方向視で外側にはみ出した三日月状のはみ出し部42aを有するようにオフセットして、吸気弁口42の外側縁側(はみ出し部42a側)はマスキングされ、かつ下側吸気通路Lpを通る吸気は殆どないため、吸気弁口42の外側縁側から燃焼室40に吸入する吸気はなく、タンブルを妨げる逆タンブルも発生せず、タンブルをより強く発生させ、タンブル比Rtは高くなり、低負荷時の燃焼効率を向上させることができる。
【0062】
内燃機関10が中負荷運転状態のときは、図7に示すように、スロットル弁21は中開度に開き(スロットル開度θ:中)、吸気振分け弁61は先端縁が吸気通路Pの上側周面に近づいた中負荷位置(吸気振分け弁開度φ=β度)に位置決めされる。このため、吸気振分け弁61は吸気を下方より上方の割合を小さく振り分けている。
したがって、図7に矢印で示すように、下側吸気通路Lpは十分な吸気が流れるが、上側吸気通路Upを流れる吸気は抑制される。
【0063】
そのため、上側吸気通路Upを流れる抑制された吸気は、吸気弁口42の内側縁側から燃焼室40に入っても、抑制された吸気は弱いから弱い渦流のタンブルしか発生せず、さらに吸気弁口42の外側縁側から燃焼室40に吸入される吸気が幾らかはあって逆タンブルを生じてタンブルを抑えるので、タンブルは極力抑えられ、タンブル比Rtが低下する。
【0064】
内燃機関10が高負荷運転状態のときは、図8に示すように、スロットル弁21は全開となり(スロットル開度θ:全開)、吸気振分け弁61は仕切板60と同一平面をなす高負荷位置(吸気振分け弁開度φ=α度)に位置決めされる。このため、吸気振分け弁61は吸気を仕切板(60)に仕切られた割合に吸気を上下に振り分けている。
【0065】
したがって、図8に矢印で示すように、上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpを十分な吸気が流れ、上側吸気通路Upを流れた吸気は、吸気弁口42の内側縁側から燃焼室40に吸入されてタンブルが発生し、下側吸気通路Lpを流れた吸気は、マスキングされつつも吸気弁口42の外側縁側から燃焼室40に入って幾らか逆タンブルを生じるが、上側吸気通路Upから十分な吸気量が吸入されることから、タンブル比Rtが比較的高い適度な渦流のタンブルを発生するとともに、十分な吸気により吸気効率を良好に維持することができる。
【0066】
以上のように、本内燃機関10の吸気装置は、内燃機関の負荷状態に応じてタンブルの渦流の強さを調整して燃焼効率の最適化を図ることができる。
【0067】
本吸気振分け弁61は、基端の回動軸61aがインレットパイプ20に仕切板60の上流端縁の近傍で軸支されて吸気上流側に向けた先端を上下に揺動自在としたフラップバルブであるので、その先端の揺動位置によって吸気を上下に振り分ける割合を容易に変更することができる。
【0068】
以上の実施の形態に係る吸気装置は、仕切板60に上下に仕切られた上側吸気通路Upと下側吸気通路Lpのうち上側吸気通路Upにのみインジェクタ23を装着したが、下側吸気通路Lpにもインジェクタを装着した実施の形態を図12および図13に示す。
上側吸気通路Upに上側インジェクタ71が装着され、下側吸気通路Lpに下側インジェクタ72が装着されている。なお、その他の部材は前記実施の形態と同じであり、同じ符号を使用する。
【0069】
上側インジェクタ71と下側インジェクタ72の燃料噴射比率r(下側噴射量/上側噴射量)を図14に示す。
スロットル開度θが大きくなるに従い、吸気振分け弁開度φは、低負荷状態の0度の状態から高負荷状態のα度まで単純に上昇させている。
【0070】
低負荷状態のとき、すなわち吸気が上側吸気通路Upのみ流れているときは、燃料噴射比率rは0%で下側インジェクタ72は燃料を噴射せず上側インジェクタ71のみ燃料噴射する。
スロットル開度θが大きくなり、負荷が増加すると、吸気振分け弁開度φを大きくし、上側吸気通路Upに対する下側吸気通路Lpを流れる吸気の割合を大きくするにつれて下側インジェクタ72の燃料噴射量を増やし燃料噴射比率rを上げていく。
そして、高負荷状態となると、燃料噴射比率rを仕切板60が吸気通路Pを上下に仕切る割合(上側吸気通路Upに対する下側吸気通路Lpを流れる吸気の割合)と略一致させる。
【0071】
このように、吸気振分け弁61の揺動状態すなわち吸気流量の上下振り分け状態(吸気振分け弁開度φ)に応じて上側インジェクタ71と下側インジェクタ72の噴射量(燃料噴射比率r)を最適制御することで、燃焼効率を一層向上させるとともに、空燃比(A/F)を最適化することができる。
【符号の説明】
【0072】
1…自動二輪車、2…車体フレーム、10…内燃機関、11…クランクケース、12…クランク軸、13…メイン軸、14…カウンタ軸、16…シリンダブロック、16b…シリンダボア、17…シリンダヘッド、18…シリンダヘッドカバー、19…連結管、
20…インレットパイプ、21…スロットルボディ、22…スロットル弁、23…インジェクタ、24…エアクリーナ、25…ピストン、26…コンロッド、
30…動弁機構、31…カム軸、32e,32i…ロッカアームシャフト、33i…吸気ロッカアーム、33e…排気ロッカアーム、34i,34e…弁ガイド、
40…燃焼室、41…天井面、42…吸気弁口、42a…はみ出し部、43…排気弁口、44…吸気ポート、45…排気ポート、46…吸気弁、46pf…かさ部、46s…吸気バルブステム、47…排気弁、48…プラグ孔、
51…ドーム状凹部、52…スキッシュ、53…ガイド壁面、55…切欠き円曲面、56…ピストン切欠き面、
60…仕切板、61…吸気振分け弁、62…モータ駆動機構、65…ECU、66…吸気制御手段、71…上側インジェクタ、72…下側インジェクタ。
Up…上側吸気通路、Lp…下側吸気通路、P…吸気通路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14

【手続補正書】
【提出日】2013年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロック(16)のシリンダボア(16b)内に摺動自在に嵌合されるピストン(25)の頂面と同頂面が対向するシリンダヘッド(17)の天井面(41)との間に燃焼室(40)が構成され、
前記シリンダヘッド(17)の前記天井面(41)に開口した吸気弁口(42)と排気弁口(43)からそれぞれ吸気ポート(44)と排気ポート(45)が互いに離れる方向に湾曲しながら延出して形成され、
吸気ポート(44)にインレットパイプ(20)が接続されて連続した吸気通路(P)が構成され、
前記インレットパイプ(20)に、スロットル弁(22)とそれより下流で吸気振分け弁(61)とが設けられ、
前記吸気通路(P)が、吸気振分け弁(61)より下流側で部分的に仕切板(60)により上側吸気通路(Up)と下側吸気通路(Lp)に仕切られ、前記吸気振分け弁(61)により前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)を流れる吸気が制御され、
吸気制御手段(66)により前記吸気振分け弁(61)が駆動制御される内燃機関の吸気装置において、
前記吸気振分け弁(61)は、前記仕切板(60)の上流端縁に隣接して設けられ、前記スロットル弁(22)より下流の吸気を上下に振り分け前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)を流れる吸気の割合を変更するように構成され、
前記吸気制御手段(66)は、内燃機関が低負荷状態のときは吸気を大部分上方に振り分けて前記上側吸気通路(Up)を流れるように前記吸気振分け弁(61)を低負荷位置に位置決めし、中負荷状態のときは吸気を下方より上方の割合を小さく振り分けて前記上側吸気通路(Up)を流れる吸気を抑制するように前記吸気振分け弁(61)を中負荷位置に位置決めし、高負荷状態のときは前記仕切板(60)に仕切られた割合に吸気を上下に振り分けるように前記吸気振分け弁(61)を高負荷位置に位置決めすることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
【請求項2】
前記吸気振分け弁(61)は、基端が前記インレットパイプ(20)に前記仕切板(60)の上流端縁に隣接する位置で枢着されて吸気上流側に向けた先端を上下に揺動自在としたフラップバルブであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項3】
前記上側吸気通路(Up)の通路断面積が、前記下側吸気通路(Lp)の通路断面積より小さいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項4】
前記仕切板(60)の下流端部(60e)は、前記吸気ポート(44)内にあって吸気バルブステム(46s)に隣接する位置にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項5】
前記シリンダヘッド(17)の前記天井面(41)にシリンダボア(16b)の中心軸であるシリンダ軸(C)に関して互いに反対位置に1つずつ前記吸気弁口(42)と前記排気弁口(43)が前記燃焼室(40)に臨んで開口され、
前記吸気弁口(42)がシリンダボア(16b)の円孔よりシリンダ軸方向視で外側にはみ出した三日月状のはみ出し部(42a)を有するようにオフセットして形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の内燃機関の吸気装置。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記インレットパイプ(20)の前記上側吸気通路(Up)と前記下側吸気通路(Lp)にそれぞれ燃料噴射を行う上側インジェクタ(71)と下側インジェクタ(72)を備え、
前記吸気制御手段(66)は、前記吸気振分け弁(61)の揺動状態に応じて前記上側インジェクタ(71)と前記下側インジェクタ(72)の噴射量を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の内燃機関の吸気装置。
【国際調査報告】