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再表2013-147246ピストンプッシュロッド組立体、マスタシリンダ及びピストンプッシュロッド組立体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月3日
【発行日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】ピストンプッシュロッド組立体、マスタシリンダ及びピストンプッシュロッド組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 11/18 20060101AFI20151117BHJP
   B60T 11/236 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B60T11/18
   B60T11/236
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2014-508222(P2014-508222)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年3月29日
(31)【優先権主張番号】特願2012-83301(P2012-83301)
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000226677
【氏名又は名称】日信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(74)【代理人】
【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(72)【発明者】
【氏名】村山 一昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 治朗
(72)【発明者】
【氏名】大西 孝明
(72)【発明者】
【氏名】中村 元泰
(72)【発明者】
【氏名】高松 好行
(72)【発明者】
【氏名】田方 和宏
【テーマコード(参考)】
3D047
【Fターム(参考)】
3D047BB11
3D047BB25
3D047CC13
3D047CC20
3D047DD03
3D047KK03
3D047KK05
3D047LL03
(57)【要約】
運転手によるブレーキペダルの操作時に違和感を与えることを防ぐことが可能なピストンプッシュロッド組立体を提供する。
ピストンプッシュロッド組立体において、第二ピストン(1b)は、シリンダに収容されて当該シリンダに対して摺動するピストン摺動部(1b1)と、プッシュロッド(R)と連結される連結筒部(1b2)と、を備え、ピストン摺動部(1b1)は、メッキによって被覆されているとともに、連結筒部(1b2)は、非メッキ部を有しており、第二ピストン(1b)及びプッシュロッド(R)は、プッシュロッド(R)が連結筒部(1b2)に挿入された状態で連結筒部(1b2)をかしめることによって連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタシリンダ用のピストンと、プッシュロッドと、が連結されたピストンプッシュロッド組立体であって、
前記ピストンは、シリンダに収容されて当該シリンダに対して摺動するピストン摺動部と、前記プッシュロッドと連結される連結筒部と、を備え、
前記ピストン摺動部は、メッキによって被覆されているとともに、前記連結筒部は、非メッキ部を有している
ことを特徴とするピストンプッシュロッド組立体。
【請求項2】
前記非メッキ部は、前記連結筒部の内周面及び外周面に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のピストンプッシュロッド組立体。
【請求項3】
前記連結筒部は、前記ピストン摺動部よりも小径であり、
前記メッキは、前記ピストン摺動部の外周面から当該ピストン摺動部の外周面と前記連結筒部の外周面とをつなぐ連結面にわたって設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピストンプッシュロッド組立体。
【請求項4】
前記連結筒部を覆うカバー部材を備え、
前記連結筒部は、前記ピストン摺動部よりも小径であり、
前記カバー部材は、有底円筒形状を呈しているとともに、底部に前記ピストンロッドが挿通される孔部が形成されており、
前記カバー部材の開口側端部は、前記ピストン摺動部の外周面と前記連結筒部の外周面とをつなぐ連結面に当接する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のピストンプッシュロッド組立体。
【請求項5】
前記ピストンロッドの外周面には、前記孔部の内周面が当接するくびれ部が形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のピストンプッシュロッド組立体。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のピストンプッシュロッド組立体と、前記ピストン摺動部を収容するシリンダと、を備えるマスタシリンダであって、
前記シリンダの内周面に形成された凹部に収容されたシール部材を備える
ことを特徴とするマスタシリンダ。
【請求項7】
マスタシリンダ用のピストンと、プッシュロッドと、が連結されたピストンプッシュロッド組立体の製造方法であって、
ピストン用部品にメッキ処理を施すメッキ処理工程と、
メッキによって被覆された前記ピストン用部品を切削することによって、非メッキ部を有する連結筒部を備えるピストンを作成する切削工程と、
前記連結筒部に前記プッシュロッドが前記連結筒部に挿入された状態で前記ピストンと前記プッシュロッドとを連結する連結工程と、
を含むことを特徴とするピストンプッシュロッド組立体の製造方法。
【請求項8】
前記切削工程では、切削により前記メッキを部分的に除去するとともに前記ピストン用部品の端部に凹部を形成することによって、前記連結筒部を形成する
ことを特徴とする請求項7に記載のピストンプッシュロッド組立体の製造方法。
【請求項9】
前記ピストン用部品は、一体に形成された大径部と小径部とを備え、
前記切削工程では、前記大径部の外周面から当該大径部の外周面と前記小径部の外周面とをつなぐ連結面にわたって前記メッキを残すことによって、シリンダに収容されて当該シリンダに対して摺動するピストン摺動部を前記大径部から作成するとともに、前記プッシュロッドと連結される連結筒部を前記小径部から作成する
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のピストンプッシュロッド組立体の製造方法。
【請求項10】
マスタシリンダ用のピストンと、プッシュロッドと、が連結されたピストンプッシュロッド組立体の製造方法であって、
ピストン用部品にマスクした状態でメッキ処理を施すことによって、非メッキ部を有する連結筒部を備えるピストンを作成するピストン作成工程と、
前記連結筒部に前記プッシュロッドが前記連結筒部に挿入された状態で前記ピストンと前記プッシュロッドとを連結する連結工程と、
を含むことを特徴とするピストンプッシュロッド組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスタシリンダ用のピストンとプッシュロッドとが連結されたピストンプッシュロッド組立体、当該ピストンプッシュロッド組立体を備えるマスタシリンダ、及び、ピストンプッシュロッド組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のマスタシリンダとしては、シリンダの内周面に形成された凹部にシール部材を設けた、いわゆるプランジャタイプのマスタシリンダが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−99057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記したピストンは、プッシュロッドによってブレーキペダルと連結されている。ピストンとプッシュロッドとは、かしめによって互いに連結されているが、防錆のためにピストンをメッキによって被覆すると、かしめる際にピストンを被覆するメッキに割れや剥離が発生するとプッシュロッドの回動に影響を与えることから、運転手によるブレーキペダルの操作時に違和感を与えるおそれがある。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、運転手によるブレーキペダルの操作時に違和感を与えることを防ぐことが可能なピストンプッシュロッド組立体、マスタシリンダ及びピストンプッシュロッド組立体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために創案された本発明は、マスタシリンダ用のピストンと、プッシュロッドと、が連結されたピストンプッシュロッド組立体であって、前記ピストンは、シリンダに収容されて当該シリンダに対して摺動するピストン摺動部と、前記プッシュロッドと連結される連結筒部と、を備え、前記ピストン摺動部は、メッキによって被覆されているとともに、前記連結筒部は、非メッキ部を有していることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によると、ピストン摺動部がメッキによって被覆されているとともに連結筒部がメッキから露出した非メッキ部となっているので、かしめ等によるメッキの割れや剥離を防ぎ、運転手によるブレーキペダルの操作時に違和感を与えることを防ぐことができる。
【0008】
前記非メッキ部は、前記連結筒部の内周面及び外周面に設けられていることが望ましい。
【0009】
前記連結筒部は、前記ピストン摺動部よりも小径であり、前記メッキは、前記ピストン摺動部の外周面から当該ピストン摺動部の外周面と前記連結筒部の外周面とをつなぐ連結面にわたって設けられていることが望ましい。
【0010】
かかる構成によると、連結筒部の外周面とピストン摺動部の外周面とをつなぐ連結面までが、メッキによって被覆されているので、メッキの剥がれにくさを向上することができる。
【0011】
ピストンプッシュロッド組立体は、前記連結筒部を覆うカバー部材を備え、前記連結筒部は、前記ピストン摺動部よりも小径であり、前記カバー部材は、有底円筒形状を呈しているとともに、底部に前記ピストンロッドが挿通される孔部が形成されており、前記カバー部材の開口側端部は、前記ピストン摺動部の外周面と前記連結筒部の外周面とをつなぐ連結面に当接する構成であってもよい。
【0012】
かかる構成によると、カバー部材を備えるので、メッキから露出している連結筒部における錆の発生を防ぐとともに、連結筒部内への異物の侵入を防ぐことができる。
【0013】
前記ピストンロッドの外周面には、前記孔部の内周面が当接するくびれ部が形成されていることが望ましい。
【0014】
かかる構成によると、カバー部材の孔部の内周面がくびれ部に当接することによって、シール性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明は、前記ピストンプッシュロッド組立体と、前記ピストン摺動部を収容するシリンダと、を備えるマスタシリンダであって、前記シリンダの内周面に形成された凹部に収容されたシール部材を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、マスタシリンダ用のピストンと、プッシュロッドと、が連結されたピストンプッシュロッド組立体の製造方法であって、ピストン用部品にメッキ処理を施すメッキ処理工程と、メッキによって被覆された前記ピストン用部品を切削することによって、非メッキ部を有する連結筒部を備えるピストンを作成する切削工程と、前記連結筒部に前記プッシュロッドが前記連結筒部に挿入された状態で前記ピストンと前記プッシュロッドとを連結する連結工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
前記切削工程では、切削により前記メッキを部分的に除去するとともに前記ピストン用部品の端部に凹部を形成することによって、前記連結筒部を形成することが望ましい。
【0018】
また、前記ピストン用部品は、一体に形成された大径部と小径部とを備え、前記切削工程では、前記大径部の外周面から当該大径部の外周面と前記小径部の外周面とをつなぐ連結面にわたって前記メッキを残すことによって、シリンダに収容されて当該シリンダに対して摺動するピストン摺動部を前記大径部から作成するとともに、前記プッシュロッドと連結される連結筒部を前記小径部から作成することが望ましい。
【0019】
また、本発明は、マスタシリンダ用のピストンと、プッシュロッドと、が連結されたピストンプッシュロッド組立体の製造方法であって、ピストン用部品にマスクした状態でメッキ処理を施すことによって、非メッキ部を有する連結筒部を備えるピストンを作成するピストン作成工程と、前記連結筒部に前記プッシュロッドが前記連結筒部に挿入された状態で前記ピストンと前記プッシュロッドとを連結する連結工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、運転手によるブレーキペダルの操作時に違和感を与えることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るハウジングが取り付けられたマスタシリンダ装置を有する車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
図2】(a)はマスタシリンダ装置の側面図、(b)は同じく正面図である。
図3図2のX1矢視断面図である。
図4】ピストンプッシュロッド組立体を示す図であり、(a)は第二ピストンとプッシュロッドとの連結部位を示す拡大図、(b)はピストンプッシュロッド組立体を示す断面図である。
図5】(a)〜(c)はピストンプッシュロッド組立体の製造方法を説明するための模式図である。
図6】(a)〜(c)は切削工程におけるメッキの除去範囲を説明するための模式図である。
図7】本発明の実施形態に係るカバー部材を備えるピストンプッシュロッド組立体を示す図であり、(a)は側面図、(b)(c)は部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示す車両用ブレーキシステムAは、原動機(エンジンやモータ等)の起動時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、非常時や原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムの双方を備えるものであり、ブレーキペダル(ブレーキ操作子)Pの踏力によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ装置A1と、電動モータ(図示略)を利用してブレーキ液圧を発生させるモータシリンダ装置A2と、車両挙動の安定化を支援するビークルスタビリティアシスト装置A3(以下「液圧制御装置A3」という。)と、を備えている。マスタシリンダ装置A1、モータシリンダ装置A2及び液圧制御装置A3は、別ユニットとして構成されており、外部配管を介して連通している。
【0023】
車両用ブレーキシステムAは、エンジン(内燃機関)のみを動力源とする自動車のほか、モータを併用するハイブリッド自動車やモータのみを動力源とする電気自動車・燃料電池自動車などにも搭載することができる。
【0024】
マスタシリンダ装置A1は、タンデム式のマスタシリンダ1と、ストロークシミュレータ2と、リザーバ3と、常開型遮断弁(電磁弁)4,5と、常閉型遮断弁(電磁弁)6と、圧力センサ7,8と、メイン液圧路9a,9bと、連絡液圧路9c,9dと、分岐液圧路9eとを備えている。
【0025】
マスタシリンダ1は、ブレーキペダルPの踏力をブレーキ液圧に変換するものであり、第一シリンダ穴11aの底壁側に配置された第一ピストン1aと、プッシュロッドRに接続された第二ピストン1bと、第一ピストン1aと第一シリンダ穴11aの底壁との間に配置された第一リターンスプリング1cと両ピストン1a,1bの間に配置された第二リターンスプリング1dとを備えている。第二ピストン1bは、プッシュロッドRを介してブレーキペダルPに連結されている。両ピストン1a,1bは、ブレーキペダルPの踏力を受けて摺動し、圧力室1e,1f内のブレーキ液を加圧する。圧力室1e,1fは、メイン液圧路9a,9bに通じている。
【0026】
ストロークシミュレータ2は、擬似的な操作反力を発生させるものであり、第二シリンダ穴11b内を摺動するピストン2aと、ピストン2aを付勢する大小二つのリターンスプリング2b,2cとを備えている。ストロークシミュレータ2は、メイン液圧路9a及び分岐液圧路9eを介して圧力室1eに通じており、圧力室1eで発生したブレーキ液圧によって作動する。
【0027】
リザーバ3は、ブレーキ液を貯溜する容器であり、マスタシリンダ1に接続される給油口3a,3bと、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される管接続口3cと、を備えている。
【0028】
常開型遮断弁4,5は、メイン液圧路9a,9bを開閉するものであり、いずれもノーマルオープンタイプの電磁弁からなる。一方の常開型遮断弁4は、メイン液圧路9aと分岐液圧路9eとの交差点からメイン液圧路9aと連絡液圧路9cとの交差点に至る区間においてメイン液圧路9aを開閉する。他方の常開型遮断弁5は、メイン液圧路9bと連絡液圧路9dとの交差点よりも上流側においてメイン液圧路9bを開閉する。
【0029】
常閉型遮断弁6は、分岐液圧路9eを開閉するものであり、ノーマルクローズタイプの電磁弁からなる。
【0030】
圧力センサ7,8は、ブレーキ液圧の大きさを検知するものであり、メイン液圧路9a,9bに通じるセンサ装着穴(図示略)に装着されている。一方の圧力センサ7は、常開型遮断弁4よりも下流側に配置されており、常開型遮断弁4が閉じられた状態(=メイン液圧路9aが遮断された状態)にあるときに、モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧を検知する。他方の圧力センサ8は、常開型遮断弁5よりも上流側に配置されており、常開型遮断弁5が閉じられた状態(=メイン液圧路9bが遮断された状態)にあるときに、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧を検知する。圧力センサ7,8で取得された情報は、図示せぬ電子制御ユニット(ECU)に出力される。
【0031】
メイン液圧路9a,9bは、マスタシリンダ1を起点とする液圧路である。メイン液圧路9a,9bの終点である出力ポート15a,15bには、液圧制御装置A3に至る管材Ha,Hbが接続されている。
【0032】
連絡液圧路9c,9dは、入力ポート15c,15dからメイン液圧路9a,9bに至る液圧路である。入力ポート15c,15dには、モータシリンダ装置A2に至る管材Hc,Hdが接続されている。
【0033】
分岐液圧路9eは、一方のメイン液圧路9aから分岐し、ストロークシミュレータ2に至る液圧路である。
【0034】
マスタシリンダ装置A1は、管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に連通しており、常開型遮断弁4,5が開弁状態にあるときにマスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、メイン液圧路9a,9b及び管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。
【0035】
モータシリンダ装置A2は、図示は省略するが、スレーブシリンダ内を摺動するスレーブピストンと、電動モータ及び駆動力伝達部を有するアクチュエータ機構と、スレーブシリンダ内にブレーキ液を貯溜するリザーバとを備えている。電動モータは、図示せぬ電子制御ユニットからの信号に基づいて作動する。駆動力伝達部は、電動モータの回転動力を進退運動に変換したうえでスレーブピストンに伝達する。スレーブピストンは、電動モータの駆動力を受けてスレーブシリンダ内を摺動し、スレーブシリンダ内のブレーキ液を加圧する。モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、管材Hc,Hdを介してマスタシリンダ装置A1に入力され、連絡液圧路9c,9d及び管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。リザーバには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。
【0036】
液圧制御装置A3は、車輪のスリップを抑制するアンチロックブレーキ制御(ABS制御)、車両の挙動を安定化させる横滑り制御やトラクション制御などを実行し得るような構成を具備しており、管材を介してホイールシリンダW,W,…に接続されている。なお、図示は省略するが、液圧制御装置A3は、電磁弁やポンプ等が設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための電子制御ユニットなどを備えている。
【0037】
次に車両用ブレーキシステムAの動作について概略説明する。
車両用ブレーキシステムAが正常に機能する正常時には、常開型遮断弁4,5が弁閉状態となり、常閉型遮断弁6が弁開状態となる。かかる状態でブレーキペダルPを操作すると、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダWに伝達されずにストロークシミュレータ2に伝達され、ピストン2aが変位することにより、ブレーキペダルPのストロークが許容されるとともに、擬似的な操作反力がブレーキペダルPに付与される。
【0038】
また、図示しないストロークセンサ等によってブレーキペダルPの踏み込みが検知されると、モータシリンダ装置A2の電動モータが駆動され、スレーブピストンが変位することによりシリンダ内のブレーキ液が加圧される。
図示せぬ電子制御ユニットは、モータシリンダ装置A2から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ7で検知されたブレーキ液圧)とマスタシリンダ1から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ8で検知されたブレーキ液圧)とを対比し、その対比結果に基づいて電動モータの回転数等を制御する。
【0039】
モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、液圧制御装置A3を介してホイールシリンダW,W,…に伝達され、各ホイールシリンダWが作動することにより各車輪に制動力が付与される。
【0040】
なお、モータシリンダ装置A2が作動しない状況(例えば、電力が得られない場合や非常時など)においては、常開型遮断弁4,5がいずれも弁開状態となり、常閉型遮断弁6が弁閉状態となるので、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダW,W,…に伝達されるようになる。
【0041】
次に、マスタシリンダ装置A1の具体的な構造を説明する。
本実施形態のマスタシリンダ装置A1は、図2(a)(b)の基体10の内部あるいは外部に前記の各種部品を組み付けるとともに、電気によって作動する電気部品(常開型遮断弁4,5、常閉型遮断弁6及び圧力センサ7,8(図1参照)をハウジング20で覆うことによって形成されている。なお、ハウジング20内には、機械部品等が収納されてもよい。
【0042】
基体10は、アルミニウム合金製の鋳造品であり、シリンダ部11(図2(b)参照、以下同じ)と、車体固定部12と、リザーバ取付部13(図2(b)参照、以下同じ)と、ハウジング取付部14と、配管接続部15とを備えている。また、基体10の内部には、メイン液圧路9a,9bや分岐液圧路9eとなる孔(図示略)などが形成されている。
【0043】
シリンダ部11には、マスタシリンダ用の第一シリンダ穴11aと、ストロークシミュレータ用の第二シリンダ穴11b(いずれも図2(b)に破線で図示)とが形成されている。両シリンダ穴11a,11bは、いずれも有底円筒状であり、車体固定部12に開口するとともに、配管接続部15に向けて延在している。第一シリンダ穴11aには、マスタシリンダ1(図1参照)を構成する部品(第一ピストン1a、第二ピストン1b、第一リターンスプリング1c及び第二リターンスプリング1d)が挿入され、第二シリンダ穴11bには、ストロークシミュレータ2を構成する部品(ピストン2a及びリターンスプリング2b,2c)が挿入される。
【0044】
車体固定部12は、トーボード(図示せず)などの車体側固定部位に固定される。車体固定部12は、基体10の後面部に形成されており、フランジ状を呈している。車体固定部12の周縁部(シリンダ部11から張り出した部分)には、図示しないボルト挿通孔が形成され、ボルト12aが固定されている。
【0045】
図2(b)に示すように、リザーバ取付部13は、リザーバ3の取付座となる部位であり、基体10の上面部に2つ(一方のみ図示)形成されている。リザーバ取付部13には、リザーバユニオンポートが設けられている。なお、リザーバ3は、基体10の上面に突設された図示しない連結部を介して基体10に固定されている。
リザーバユニオンポートは、円筒状を呈しており、その底面から第一シリンダ穴11aに向かって延びる孔を介して第一シリンダ穴11aと連通している。リザーバユニオンポートには、リザーバ3の下部に突設された図示しない給液口が接続され、リザーバユニオンポートの上端には、リザーバ3の容器本体が載置される。
【0046】
基体10の側面には、ハウジング取付部14が設けられている。ハウジング取付部14は、ハウジング20の取付座となる部位である。ハウジング取付部14は、フランジ状を呈している。ハウジング取付部14の上端部及び下端部には、図示しない雌ネジが形成されており、この雌ネジに、図2(a)に示すように、取付ネジ16を螺合させることで、ハウジング20がハウジング取付部14(基体10の側面)に固定されるようになっている。
【0047】
図示は省略するが、ハウジング取付部14には、三つの弁装着穴と二つのセンサ装着穴とが形成されている。三つの弁装着穴には、常開型遮断弁4,5及び常閉型遮断弁6(図1参照)が組み付けられ、二つのセンサ装着穴には、圧力センサ7,8(図1参照)が組み付けられる。
【0048】
配管接続部15は、管取付座となる部位であり、図2(a)に示すように、基体10の前面部に形成されている。配管接続部15には、図2(b)に示すように、二つの出力ポート15a,15bと、二つの入力ポート15c,15dが形成されている。出力ポート15a,15bには、液圧制御装置A3に至る管材Ha,Hb(図1参照)が接続され、入力ポート15c,15dには、モータシリンダ装置A2に至る管材Hc,Hd(図1参照)が接続される。
【0049】
ハウジング20は、ハウジング取付部14に組み付けられた部品(常開型遮断弁4,5、常閉型遮断弁6及び圧力センサ7,8、図1参照、以下同じ)を液密に覆うハウジング本体21と、ハウジング本体21の開口に装着される蓋部材30とを有している。
【0050】
ハウジング本体21の周壁部の内側には、図示は省略するが、常開型遮断弁4,5及び常閉型遮断弁6を駆動するための電磁コイルが収容されているほか、電磁コイルや圧力センサ7,8に至るバスバーなどが収容されている。
【0051】
フランジ部22は、ハウジング取付部14(図2(b)参照、以下同じ)に圧着される部位である。フランジ部22は、取付ネジ部としてのボス部22a〜22dに連続するようにして、ハウジング本体21の外側へ張り出すように形成されている。
【0052】
各ボス部22a〜22dは、ハウジング取付部14の雌ネジの位置に合わせてハウジング本体21の四隅に設けられている。各ボス部22a〜22dには、金属製のカラーが埋設されており、その内側に、挿通孔として機能するネジ挿通孔(ネジ孔)が形成されている。ネジ挿通孔には、締結部材としての取付ネジ16(図2(a)参照、以下同じ)がそれぞれ挿通される。基体10(図2(a)参照)のハウジング取付部14にハウジング20を固着する際には、各取付ネジ16を均等に締め付けることによって行うことができる。
【0053】
図2(a)に示すように、フランジ部22のうち、ボス部22bに連続するフランジ部22b1は、下面が傾斜状とされている。このフランジ部22b1の傾斜は、周壁部23の後記する第1傾斜縁部232の傾斜に対応したものとなっている。これによって、省スペース化が図られている。
【0054】
なお、フランジ部22のハウジング取付部14に対向する面には、図示しない周溝が形成されており、この周溝には、合成ゴム性のシール部材が装着される。このシール部材は、取付ネジ16の締め付けによりハウジング取付部14に密着してハウジング本体21の液密性を保持する役割をなす。
【0055】
リザーバ3は、給油口3a,3b(図1参照)のほか、図2(a)に示すように、管接続口3cと、図示しない連結フランジとを備えている。管接続口3cは、ブレーキ液を貯溜する容器本体3eから前方に向けて突出している。管接続口3cには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。連結フランジは、容器本体3eの下面に突設され、リザーバ取付部13(図2(b)参照)に重ねられ、図示しないスプリングピンによって基体10の連結部に固定される。
【0056】
続いて、図3を参照してシリンダ部11の内部構造について説明する。図3において、リターンスプリング1c,1d(図1参照)は省略されているとともに、本発明のピストンプッシュロッド組立体に関連する部分を中心に説明する。図3に示すように、シリンダ部11の内周面に形成された環状凹部101,102には、環状のシール部材Sa,Sbがそれぞれ設けられている。かかるシール部材Sa,Sbは、シリンダ部11の内周面と第一ピストン1aの外周面との間を液密に塞いでいる。同様に、シリンダ部11の内周面に形成された環状凹部103,104には、環状のシール部材Sc,Sdがそれぞれ設けられている。かかるシール部材Sc,Sdは、シリンダ部11の内周面と第二ピストン1bの外周面との間を液密に塞いでいる。すなわち、マスタシリンダ1は、シール部材Sa〜Sdがシリンダ部11側に設けられた、いわゆるプランジャタイプのマスタシリンダである。かかる第一ピストン1a及び第二ピストン1bにおいて、シリンダ部11の内周面に対して摺動する摺動面は、メッキによって被覆されている。また、シリンダ部11のブレーキペダルP側端部及びプッシュロッドRのシリンダ部11側は、ゴム製のブーツ201によって覆われている。
【0057】
<ピストンプッシュロッド組立体>
続いて、本発明の実施形態に係るピストンプッシュロッド組立体について詳細に説明する。図4に示すように、第二ピストン1b及びプッシュロッドRは、互いに連結されてピストンプッシュロッド組立体を構成する。
【0058】
<第二ピストン>
第二ピストン1bは、一体に形成された円柱形状を呈するピストン摺動部1b1と円筒形状を呈する連結筒部1b2と、から構成される金属製部材である。ピストン摺動部1b1と連結筒部1b2とは同軸であり、ピストン摺動部1b1は、連結筒部1b2よりも大径に形成されている。
【0059】
ピストン摺動部1b1は、シリンダ部11の第一シリンダ穴11a(図3参照)に摺動可能に収容されている。ピストン摺動部1b1の外周面は、防錆用のメッキによって被覆されている。メッキは、好ましくはニッケルメッキであり、さらに好ましくは無電解(化学)ニッケルメッキである。
【0060】
連結筒部1b2は、ピストン摺動部1b1のブレーキペダルP側に一体に形成されており、プッシュロッドRと連結されている。連結筒部1b2の外周面及び内周面は、メッキから露出したいわゆる非メッキ部となっている。
【0061】
<プッシュロッド>
プッシュロッドRは、一端がブレーキペダルPと連結されるとともに他端が第二ピストン1bと連結される棒状の金属製部材であり、円柱部Raと、当該円柱部Raの他端に設けられた球状部Rbと、を備える。
【0062】
かかる第二ピストン1b及びプッシュロッドRは、球状部Rbが連結筒部1b2内に挿入された状態で連結筒部1b2をかしめることによって連結されている。すなわち、連結筒部1b2及び球状部Rbは、いわゆるユニバーサルジョイントを構成しており、プッシュロッドRは、第二ピストン1bに対して全方向に傾動可能である。
【0063】
<製造方法>
続いて、ピストンプッシュロッド組立体の製造方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、大径部101b1及び小径部101b2を備えるピストン用部品101bを用意し、かかるピストン用部品にメッキ処理を施す(メッキ処理工程)。すなわち、ピストン用部品101bの外周面全体は、メッキによって被覆される。なお、大径部101b1の小径部101b2とは反対側の端面には、有底円筒形状を呈するチャック部101b3が予め形成されており、メッキ処理工程によって、チャック部101b3の内周面もメッキによって被覆される。
【0064】
続いて、図5(b)に示すように、図示しない治具を用いてチャック部101b3の内周面をチャックすることによってピストン用部品101bを治具に対して固定した状態において、治具とともにピストン用部品101bを回転させつつ、図示しない切削工具によって小径部101b2の端面の中心から外周に向けて切削し、さらに、小径部101b2の外周面を端部から大径部101b1側に向かって切削する(切削工程、メッキ除去工程)。これにより、図5(a)における小径部101b2の表面(斜線部分)が切削によって除去され、小径部101b2の外周面は、メッキから露出した非メッキ部となる。
【0065】
続いて、図5(c)に示すように、治具とともにピストン用部品101を回転させつつ、図示しない切削工具によって小径部101b2の端面の中心部分から大径部101b1側に向けて切削し、有底の穴を形成する(切削工程、連結筒部作成工程)。有底の穴は、その底部が大径部101b1に入り込むように形成される。これにより、図5(b)における小径部101b2の斜線部分が切削によって除去されて連結筒部1b2が作成され、第二ピストン1bが得られる。なお、メッキが残された大径部101b1は、ピストン摺動部1b1となる。すなわち、ピストン摺動部1b1の外周面は、メッキによって被覆されており、連結筒部1b2の外周面及び内周面は、メッキから露出した非メッキ部となっている。連結筒部1b2を作成した後にメッキ処理工程を行うと、連結筒部1b2の内周面のメッキを除去する工程が必要となるが、前記したように、メッキ処理工程後に連結筒部1b2を切削によって作成すれば、工程の簡略化が図られる。本実施形態では、ピストン摺動部1b1の外周面、ピストン摺動部1b1の外周面と連結筒部1b2の外周面とをつなぐ連結面(ピストン摺動部1b1の端面)、及び、連結筒部1b2のピストン摺動部1b1側端部に残された段部1b4の外周面が、メッキによって連続的に被覆されている。このように、段部1b4までメッキによって被覆されているので、ピストン1bが摺動したことによって水などが入り込んだとしても、ピシトン摺動部1b1を好適に防錆することができる。また、ピストン摺動部1b1の外周面と連結筒部1b2の外周面とからなる隅部がテーパ部1b5となっているため、隅部におけるメッキの割れや剥離の発生を防ぐことができる。
【0066】
続いて、図4に示すように、プッシュロッドRの球状部Rbを連結筒部1b2内に挿入した状態において、連結筒部1b2の周壁をかしめることによって、第二ピストン1bとプッシュロッドRbとを互いに連結し、ピストンプッシュロッド組立体が得られる。
【0067】
ここで、図6(a)〜(c)に示すように、メッキ(メッキ層)Mは、大径部101b1(ピストン摺動部1b1)の外周面から大径部101b1と小径部101b2(連結筒部1b2)とをつなぐ連結面(大径部101b1の端面)まで連続的に被覆していることが望ましい。これは、メッキMの剥がれにくさを向上するための措置である。なお、図6(a)〜(c)は、メッキMによる被覆領域を分かりやすく説明するための図であり、メッキMの実際の厚さを反映したものではない。
【0068】
かかる構成を得るためには、例えば、図6(a)に示すように、切削面が連結面と平行な切削工具201を用いて小径部101b2の外周面における連結面側端部のメッキMを残すように、面B1まで切削する構成としている。このようにすることで、連結面まで確実にメッキMによる被覆を残すことができる。また、図6(b)に示すように、切削工具201を用いて連結面のメッキMを残すように、面B1よりも先の面B2まで切削する構成であってもよい。また、図6(c)に示すように、切削面の内側端部が突出している切削工具202を用いて連結面における小径部101b2側の端部を切削するとともに連結面におけるその他の部分のメッキMを残すように切削する構成であってもよい。
【0069】
また、図7(a)(b)に示すように、本発明の実施形態に係るピストンプッシュロッド組立体は、連結筒部を覆うカバー部材150Aを備える構成であってもよい。カバー部材150Aは、円筒部151と、底部152と、を備え、プッシュロッドRの動作を阻害しない有底円筒形状の樹脂製部材である。円筒部151の端面は、ピストン摺動部1b1の外周面と連結筒部1b2の外周面とをつなぐ連結面に当接している。また、底部152には孔部152aが形成されており、プッシュロッドRは孔部152aに挿通されて、孔部152aの内周面が円柱部Raの外周面に当接している。
【0070】
また、図7(c)に示すように、本発明の実施形態に係るピストンプッシュロッド組立体は、連結筒部を覆うカバー部材150Bを備える構成であってもよい。カバー部材150Bは、円筒部153と、底部154と、を備え、プッシュロッドRの動作を阻害しない有底円筒形状の樹脂製部材又はゴム製部材である。円筒部153の端面は、ピストン摺動部1b1の外周面と連結筒部1b2の外周面とをつなぐ連結面に当接している。また、底部154には孔部154aが形成されており、プッシュロッドRは孔部154aに挿通されて、孔部154aの内周面が円柱部Raの外周面に当接している。また、円柱部Raの外周面には、くびれ部Ra1が形成されている。円柱部Raは、くびれ部Ra1よりもブレーキペダルP側で大径となっており、カバー部材150Bの孔部154aの内周面がくびれ部Ra1に当接することによって、シール性が向上している。
【0071】
本発明の実施形態に係るピストンプッシュロッド組立体は、ピストン摺動部1b1がメッキMによって被覆されているとともに連結筒部1b2の外周面及び内周面がメッキMから露出した非メッキ部となっているので、かしめによるメッキMの割れや剥離を防ぎ、運転手によるブレーキペダルPの操作時に違和感を与えることを防ぐことができる。
【0072】
また、本発明の実施形態に係るピストンプッシュロッド組立体は、連結筒部1b2の外周面とピストン摺動部1b1の外周面とをつなぐ連結面までが、メッキMによって被覆されているので、メッキMの剥がれにくさを向上することができる。
【0073】
また、本発明の実施形態に係るピストンプッシュロッド組立体は、カバー部材150A(又はカバー部材150B)を備えるので、メッキMから露出している連結筒部1b2における錆の発生を防ぐとともに、連結筒部1b2内への異物の侵入を防ぐことができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、ピストンプッシュロッド組立体の製造方法において、メッキ処理工程及び切削工程に代えて、連結筒部が作成された状態のピストン用部品にマスクを施した状態でメッキ処理を行うことによって、非メッキ部を有する連結筒部を備えるピストンを作成するピストン作成工程を行う構成であってもよい。また、ピストン作成工程として、小径部1b2にマスクを施した状態でメッキ処理工程を行うメッキ処理工程の後に、小径部1b2を切削することによって連結筒部を作成する切削工程を行うことによって、切削工程におけるメッキ除去工程を省略することが可能である。なお、第二ピストン1bとプッシュロッドRとの連結手法は、かしめに限定されず、球状部Rbを連結筒部1b2に圧入する手法であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 マスタシリンダ
1b 第二ピストン(ピストン)
1b1 ピストン摺動部
1b2 連結筒部
11 シリンダ部(シリンダ)
101b ピストン用部品
101b1 大径部
101b2 小径部
M メッキ
R プッシュロッド
Ra1 くびれ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】