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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月17日
【発行日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】回転電機のロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20060101AFI20151120BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20151120BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   H02K1/27 501M
   H02K1/27 501A
   H02K1/27 501K
   H02K21/14 M
   H02K21/14 G
   H02K1/22 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2014-510094(P2014-510094)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年3月15日
(31)【優先権主張番号】特願2012-89528(P2012-89528)
(32)【優先日】2012年4月10日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127801
【弁理士】
【氏名又は名称】本山 慎也
(72)【発明者】
【氏名】壱岐 友貴
(72)【発明者】
【氏名】相馬 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】白土 英治
【テーマコード(参考)】
5H601
5H621
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA25
5H601BB20
5H601CC01
5H601CC02
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601EE18
5H601EE27
5H601EE35
5H601FF04
5H601GA02
5H601GA24
5H601GA25
5H601GA32
5H601GA33
5H621BB07
5H621HH01
5H621JK03
5H622AA04
5H622CA02
5H622CA07
5H622CA10
5H622CB05
5H622PP03
(57)【要約】
永久磁石12の長手方向端部21の外周側で、ロータコア11に形成された複数の空隙22からなる空隙群23は、第1空隙22aと、第1空隙22aの外周側において第2空隙列32とを備える。第1空隙22aの両側の端部41は、永久磁石12の外周面24に対して垂直な方向から見たときに、第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22bと、永久磁石12の外周面24に沿う方向で各々オーバーラップする。第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22b、22b間にリブ55が形成され、リブ55の幅方向の中央に沿って延びる仮想線60が、第1空隙22aを通過する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石挿入孔が形成されるロータコアと、
前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、
を備えた回転電機のロータであって、
前記永久磁石の長手方向端部の外周側において、複数の空隙からなる空隙群が形成されており、
前記空隙群は、
第1空隙と、
前記第1空隙よりも外周側において、複数の第2空隙が所定のピッチで形成された第2空隙列と、を備え、
前記第2空隙列の隣接する一対の前記第2空隙間にリブが形成されており、
前記第1空隙の前記永久磁石の外周面に沿う方向における両側の端部は、前記リブの幅方向の中央に沿って延びる仮想線に平行な方向から見たときに、前記第2空隙列の隣接する一対の前記第2空隙に対して、前記永久磁石の前記外周面に沿う方向において各々オーバーラップしており、
前記リブの幅方向の中央に沿って延びる前記仮想線が、前記第1空隙の少なくとも一部を通過しており、
前記空隙群の磁極中央側端部は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かって延びていることを特徴とする回転電機のロータ。
【請求項2】
前記空隙群は、複数の前記第1空隙が前記永久磁石の外周面に沿って所定のピッチで形成された第1空隙列を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のロータ。
【請求項3】
隣接する一対の第1空隙の内の一方の中心と、前記第2空隙の中心とを結ぶ第1の仮想線と、前記一対の第1空隙の内の他方の中心と、前記第2空隙の中心とを結ぶ第2の仮想線との角度をθとするとき、θ<90°であることを特徴とする請求項2に記載の回転電機のロータ。
【請求項4】
前記空隙は、軸方向から見たときに円形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のロータ。
【請求項5】
前記空隙は、軸方向から見たときに多角形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のロータ。
【請求項6】
前記空隙は、軸方向から見たときに略正六角形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の回転電機のロータ。
【請求項7】
前記各空隙列の内の磁極中央側の端部に位置する前記空隙は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かう前記空隙列の順に、磁極端部側に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機のロータ。
【請求項8】
前記空隙群は、前記永久磁石の外周面の円周方向端部よりも、該永久磁石の外周面に沿った方向における前記ロータコアの外周面側に亘って形成されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の回転電機のロータ。
【請求項9】
磁石挿入孔が形成されるロータコアと、
前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、
を備えた回転電機のロータであって、
前記永久磁石の長手方向端部の外周側において、複数の空隙からなる空隙群が形成されており、
前記空隙群は、
軸方向から見たときに、複数の第1空隙が前記永久磁石の外周面に沿って所定のピッチで形成された第1空隙列と、
前記第1空隙列よりも外周側において、隣接する一対の第1空隙の間に形成された第2空隙と、
を備え、
前記第2空隙と、前記一対の第1空隙の内の一方との間にリブが形成されており、
前記リブの幅方向の中央に沿って延びる仮想線が、前記一対の第1空隙の内の他方を通過しており、
前記空隙群の磁極中央側端部は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かって延びていることを特徴とする回転電機のロータ。
【請求項10】
磁石挿入孔が形成されるロータコアと、
前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、
を備えた回転電機のロータであって、
前記永久磁石の長手方向端部の外周側において、複数の空隙からなる空隙群が形成されており、
前記空隙群は、
軸方向から見たときに、複数の第1空隙が前記永久磁石の外周面に沿って第1のピッチで形成された第1空隙列と、
前記第1空隙列よりも外周側において、複数の第2空隙が前記永久磁石の前記外周面に沿って第2のピッチで形成された第2空隙列と、
前記第2空隙列よりも外周側において、隣接する一対の第2空隙の間に形成された第3空隙と、
を備え、
前記第3空隙と、前記一対の第2空隙の内の一方との間にリブが形成されており、
前記リブの幅方向の中央に沿って延びる仮想線が、前記第1空隙を通過しており、
前記空隙群の磁極中央側端部は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かって延びていることを特徴とする回転電機のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車、ハイブリッド自動車などに搭載される回転電機のロータに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両駆動用回転電機では、高保磁力特性を得るため、高価なディスプロシウム(Dy)などのレアアースを多く含有したネオジウム磁石が使用されている。しかしながら、レアアースの価格高騰に伴い、Dyを低減、或は、無くしても減磁耐量を損なうことが抑制された高性能な回転電機が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ロータコアに複数の永久磁石を埋設したIPMモータのロータにおいて、埋設磁石の減磁耐量を向上するようにしたものが考案されている。図11に示すように、この回転電機の回転子100は、略V字型に配置された複数対の永久磁石117A,117Bが、両端部に空隙120A,120Bを有する永久磁石収容部119A,119Bに収容されている。永久磁石117A,117Bの磁極端部172A、172B付近の磁極面170A、170Bとロータコア160の外周面162との間には、それぞれ複数のスリット121A,122A,123A、及び121B,122B,123Bが、磁極面170A、170Bに略直交して互いに平行に配置されている。スリット121A,122A,123A、及び121B,122B,123Bの径方向長さは、永久磁石117A,117Bの磁極面170A,170Bの中央側から磁極端部172A、172Bに向かうに従って次第に長くなっている。このスリット121A,122A,123A、及び121B,122B,123Bは、磁極面170A,170Bの中央側から出る磁束が、磁極端部172A、172Bとロータコアの外周面162との間の部位に向かうのを抑制し、これにより、永久磁石117A,117Bの磁極端部172A、172B付近での磁気飽和を抑制して減磁耐量の向上を図っている。
【0004】
また、特許文献2に記載のロータでは、矩形状の永久磁石のロータ外周側長手方向外周辺両端部に、磁束短絡の形成を阻止する短絡防止手段として、単一の空隙を設け、磁石両端部の磁気抵抗を大きくして相隣り合う永久磁石の端部間の磁束の短絡を防止して、有効に磁石トルクを利用できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開2011−199947号公報(第2図)
【特許文献2】日本国特許第3487667号公報(第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、回転電機の運転時においては、ステータのコイルに通電される電流の大きさ、進み角、ロータの回転角度、ロータの磁気回路構造などに応じて、様々な方向からステータの反磁界がロータに作用する。特許文献1に記載の回転電機では、磁極面170A,170Bの中央側から出る磁束が、磁極端部172A、172Bとロータコアの外周面162との間の部位に向かうのを抑制する点を考慮して設計されているが、永久磁石117A,117Bの磁極面170A,170Bに対して垂直な方向から作用するステータの反磁界が、永久磁石117A,117Bに直接作用してしまうため、永久磁石117A,117Bが減磁しやすい。また、大きなリラクタンストルクを発生させるためには、LqとLdの突極差(Lq−Ld)が重要であり、通常、LqIq磁路を低磁気抵抗化し、LdId磁路を高磁気抵抗化することで、突極差を大きくしてリラクタンストルクを効果的に発生させている。しかし、特許文献1の回転電機は、LqIq磁路上にスリット121A,122A,123A、及び121B,122B,123Bが配置されて磁気抵抗が高く、LdId磁路上にはスリット121A,122A,123A、及び121B,122B,123Bが磁路と平行に配置されて磁気抵抗が低くなっている。このため、突極差が生じ難く、結果としてリラクタンストルクが小さくなってしまっている。
【0007】
また、特許文献2に記載のロータでは、磁束短絡を防止するための技術であり、また、耐減磁特性については記載されていない。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、永久磁石に作用する反磁界を分散、低減させて耐減磁特性を向上させることができる回転電機のロータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
磁石挿入孔(例えば、後述の実施形態における磁石挿入孔13)が形成されるロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア11)と、
前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石12)と、
を備えた回転電機のロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ10)であって、
前記永久磁石の長手方向端部(例えば、後述の実施形態における端部21)の外周側において、複数の空隙(例えば、後述の実施形態における空隙22)からなる空隙群(例えば、後述の実施形態における空隙群23)が形成されており、
前記空隙群は、
第1空隙(例えば、後述の実施形態における第1空隙22a)と、
前記第1空隙よりも外周側において、複数の第2空隙(例えば、後述の実施形態における第2空隙22b)が所定のピッチ(例えば、後述の実施形態におけるピッチP2)で形成された第2空隙列(例えば、後述の実施形態における第2空隙列32)と、
を備え、
前記第2空隙列の隣接する一対の前記第2空隙間にリブ(例えば、後述の実施形態におけるリブ55)が形成されており、
前記第1空隙の前記永久磁石の外周面(例えば、後述の実施形態における外周面24)に沿う方向における両側の端部(例えば、後述の実施形態における端部41)は、前記リブの幅方向の中央に沿って延びる仮想線(例えば、後述の実施形態における仮想線60)に平行な方向から見たときに、前記第2空隙列の隣接する一対の前記第2空隙に対して、前記永久磁石の前記外周面に沿う方向において各々オーバーラップしており、
前記リブの幅方向の中央に沿って延びる前記仮想線が、前記第1空隙の少なくとも一部を通過しており、
前記空隙群の磁極中央側端部は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かって延びていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、
前記空隙群は、複数の前記第1空隙が前記永久磁石の外周面に沿って所定のピッチで形成された第1空隙列(例えば、後述の実施形態における第1空隙列31)を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2の構成に加えて、
隣接する一対の第1空隙の内の一方の中心(例えば、後述の実施形態における中心O1)と、前記第2空隙の中心(例えば、後述の実施形態における中心O3)とを結ぶ第1の仮想線(例えば、後述の実施形態における第1の仮想線35)と、前記一対の第1空隙の内の他方の中心(例えば、後述の実施形態における中心O2)と、前記第2空隙の中心とを結ぶ第2の仮想線(例えば、後述の実施形態における第2の仮想線36)との角度をθとするとき、θ<90°であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかの構成に加えて、
前記空隙は、軸方向から見たときに円形状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれかの構成に加えて、
前記空隙は、軸方向から見たときに多角形状(例えば、後述の実施形態における正方形空隙62、菱形空隙63、正六角形空隙64)に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5の構成に加えて、
前記空隙は、軸方向から見たときに略正六角形状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかの構成に加えて、
前記各空隙列の内の磁極中央側の端部に位置する前記空隙は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かう前記空隙列の順に、磁極端部側に配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項2〜7のいずれかの構成に加えて、
前記空隙群は、前記永久磁石の外周面の円周方向端部よりも、該永久磁石の外周面に沿った方向における前記ロータコアの外周面側に亘って形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、
磁石挿入孔(例えば、後述の実施形態における磁石挿入孔13)が形成されるロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア11)と、
前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石12)と、
を備えた回転電機のロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ10)であって、
前記永久磁石の長手方向端部(例えば、後述の実施形態における端部21)の外周側において、複数の空隙(例えば、後述の実施形態における空隙22)からなる空隙群(例えば、後述の実施形態における空隙群23)が形成されており、
前記空隙群は、
軸方向から見たときに、複数の第1空隙(例えば、後述の実施形態における第1空隙22a)が前記永久磁石の外周面に沿って所定のピッチ(例えば、後述の実施形態におけるピッチP1)で形成された第1空隙列(例えば、後述の実施形態における第1空隙列31)と、
前記第1空隙列よりも外周側において、隣接する一対の第1空隙の間に形成された第2空隙(例えば、後述の実施形態における第2空隙22b)と、
を備え、
前記第2空隙と、前記一対の第1空隙の内の一方との間にリブ(例えば、後述の実施形態におけるリブ57)が形成されており、
前記リブの幅方向の中央に沿って延びる仮想線(例えば、後述の実施形態における仮想線46)が、前記一対の第1空隙の内の他方を通過しており、
前記空隙群の磁極中央側端部は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かって延びていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、
磁石挿入孔(例えば、後述の実施形態における磁石挿入孔13)が形成されるロータコア(例えば、後述の実施形態におけるロータコア11)と、
前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石(例えば、後述の実施形態における永久磁石12)と、
を備えた回転電機のロータ(例えば、後述の実施形態におけるロータ10)であって、
前記永久磁石の長手方向端部(例えば、後述の実施形態における端部21)の外周側において、複数の空隙(例えば、後述の実施形態における空隙22)からなる空隙群(例えば、後述の実施形態における空隙群23)が形成されており、
前記空隙群は、
軸方向から見たときに、複数の第1空隙(例えば、後述の実施形態における第1空隙22a)が前記永久磁石の外周面に沿って第1のピッチで形成された第1空隙列(例えば、後述の実施形態における第1空隙列31)と、
前記第1空隙列よりも外周側において、複数の第2空隙(例えば、後述の実施形態における第2空隙22b)が前記永久磁石の前記外周面に沿って第2のピッチで形成された第2空隙列(例えば、後述の実施形態における第2空隙列32)と、
前記第2空隙列よりも外周側において、隣接する一対の第2空隙の間に形成された第3空隙(例えば、後述の実施形態における第3空隙22c)と、
を備え、
前記第3空隙と、前記一対の第2空隙の内の一方との間にリブ(例えば、後述の実施形態におけるリブ71)が形成されており、
前記リブの幅方向の中央に沿って延びる仮想線(例えば、後述の実施形態における仮想線72)が、前記第1空隙を通過しており、
前記空隙群の磁極中央側端部は、前記永久磁石の外周面から前記ロータコアの外周面に向かって延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、回転電機の運転時において、永久磁石の外周面に様々な方向から反磁界が作用した場合においても、反磁界が永久磁石の端部の特定の箇所に集中することを抑制することができ、永久磁石の端部の特定の箇所が減磁してしまうことを抑制できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、さらに効果的に反磁界を永久磁石の外周面に沿う方向に分散することができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、一対の第1空隙の内の一方と第2空隙との間に形成されたリブを通過する反磁界の経路上に、一対の第1空隙の内の他方が位置することになる。したがって、仮に反磁界が、一対の第1空隙の内の一方と第2空隙との間に形成されたリブの延設方向に沿って作用する場合でも、永久磁石の端部に直接作用することを抑制でき、永久磁石の端部に作用する反磁界を、永久磁石の外周面に沿う方向に効果的に分散して減磁を抑制することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、空隙間に形成されたリブの一部に角部(屈曲部)が形成されることを抑制でき、ロータが回転する際、ロータコアに作用する遠心力の応力がリブ全体に分散されて、ロータコアの強度の低下をより効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項5及び6の発明によれば、1つの空隙列における空隙同士の間のリブ、および隣合う空隙列における空隙同士の間のリブの太さを均一にすることができ、リブの局所的な強度の低下が抑制される。したがって、空隙の大きさを確保しつつ、リブの強度の低下を抑制することができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、永久磁石の磁極中央側から磁極外端部側に向かう磁束を効果的に抑制することができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、永久磁石の外周面に作用する反磁界の一部を、空隙同士間のリブによって永久磁石の外周面の円周方向端部よりも、永久磁石の外周面に沿った方向におけるロータコアの外周面側にも分散させることができるため、永久磁石の端部の特定の箇所が減磁してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。
【0026】
請求項9の発明によれば、リブに沿ってリブを通過する反磁界の経路上に、一対の第1空隙の内の他方が位置することになる。したがって、請求項1と同様の効果に加えて、仮に反磁界がリブの延設方向に沿って作用する場合でも、永久磁石の端部に直接作用することが抑制され、永久磁石の外周面に沿う方向に効果的に分散できる。
【0027】
請求項10の発明によれば、リブに沿ってリブを通過する反磁界の経路上に、第1空隙が位置することになる。したがって、請求項1と同様の効果に加えて、仮に反磁界がリブの延設方向に沿って作用する場合でも、永久磁石の端部に直接作用することが抑制され、永久磁石の端部に作用する反磁界を、永久磁石の外周面に沿う方向に効果的に分散できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る第1実施形態のロータの正面図である。
図2図1における部分拡大図である。
図3】(a)は、空隙の配置関係を説明するための図2のAで囲まれた部分の拡大図であり、(b)は、空隙間に形成されるリブを説明するための図2のAで囲まれた部分の拡大図である。
図4】(a)は従来のロータの部分拡大図、(b)は第1実施形態のロータの部分拡大図、(c)は従来のロータと本発明のロータの減磁率を比較して示すグラフである。
図5】空隙の他の配置関係を説明するための図2のAで囲まれた部分の拡大図である。
図6】本発明に係る第2実施形態のロータの部分拡大図である。
図7】第2実施形態の空隙の配置関係を説明するための図6のBで囲まれた部分の拡大図である。
図8】(a)は第3実施形態のロータの部分拡大図、(b)は第3実施形態の変形例のロータの部分拡大図である。
図9】(a)は本発明の第4実施形態のロータの部分拡大図、(b)は第4実施形態の変形例のロータの部分拡大図、(c)は第4実施形態の他の変形例のロータの部分拡大図である。
図10図9(a)の空隙の配置関係を説明するための拡大図である。
図11】従来のロータの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の各実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0030】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の回転電機のロータ10は、不図示のステータの内側に間隙を介して回転可能に配置されている。ロータ10は、同一形状の円板状の電磁鋼板を多数積層して形成されるロータコア11と、ロータコア11に設けられた複数の磁石挿入孔13に充填材を用いてそれぞれ埋め込まれた複数の永久磁石12とを備える。
【0031】
複数の磁石挿入孔13は、ロータコア11の外周方向に向かって開くように略V字状に形成された一対の磁石挿入孔13毎に所定の間隔で形成されており、各永久磁石12は、一対の磁石挿入孔13毎に磁極の向きを変えながら、各磁石挿入孔13にそれぞれ挿入されている。例えば、2つの永久磁石12aでは、外周側がN極とすると、隣接する2つの永久磁石12bでは、外周側がS極となる。
【0032】
図2も参照して、磁石挿入孔13には、ロータコア11の外周面15に近い側の端部に空隙17が磁石挿入孔13に連続して形成されている。また、ロータコア11の内周面16に近い側の端部にも空隙18が磁石挿入孔13に連続して形成されている。従って、磁石挿入孔13に永久磁石12が埋め込まれた状態では、永久磁石12の両端部に磁束短絡防止用の空隙17、18が設けられる。
【0033】
永久磁石12の長手方向外端部21(21a、21b)の外周側には、円形状に形成された複数の空隙22からなる空隙群23が形成されている。空隙群23は、永久磁石12の外周面24に沿って複数の第1空隙22aが所定のピッチP1で形成された第1空隙列31と、第1空隙列31よりも外周側において、複数の第2空隙22bが所定のピッチP2で形成された第2空隙列32と、第2空隙列32よりも外周側において、複数の第3空隙22cが所定のピッチP3で形成された第3空隙列33と、永久磁石12の外周面24の外周側の延長線上に位置し、空隙17の外周側に所定のピッチで形成される側方空隙列34と、を含んでいる。なお、空隙群23は、第1空隙列31と第2空隙列32とから構成されてもよく、第3空隙列33よりも外周側に更に、第4空隙列を備えることもできる。
【0034】
また、空隙群23の磁極中央側端部は、永久磁石12の外周面24からロータコア11の外周面15に向かって延びている。特に、第1、第2、第3空隙列31、32、33の磁極中央側端部に位置する空隙22a、22b、22cは、永久磁石12の外周面24からロータコア11の外周面15に向かうに従って磁極外端部21a,21b側に配置されている。
【0035】
ここで、図3(a)に示すように、空隙群23では、隣接する一対の第1空隙22aの内の一方の中心O1と、永久磁石12の外周面24に沿った方向において一対の第1空隙22a間に位置する第2空隙22bの中心O3とを結ぶ第1の仮想線35と、一対の第1空隙22aの内の他方の中心O2と第2空隙22bの中心O3とを結ぶ第2の仮想線36との角度θは、90°より小さく(θ<90°)設定されている。また、隣接する一対の第2空隙22bの内の一方の中心O3と、永久磁石12の外周面24に沿った方向において一対の第2空隙22b間に位置する第3空隙22cの中心O5とを結ぶ第3の仮想線37と、一対の第2空隙22bの内の他方の中心O4と第3空隙22cの中心O5とを結ぶ第4の仮想線38との角度ψも、90°より小さく(ψ<90°)設定されている。なお、図3(a)では、第1の仮想線35と第3の仮想線37とを同一直線として示しているが、別々の直線を構成するものであってもよい。
【0036】
また、図3(a)に示すように、第1空隙22aの永久磁石12の外周面24に沿う方向における両側の端部41は、永久磁石12の外周面24に対して垂直な方向(後述するリブ55の幅方向の中央に沿って延びる仮想線60に平行な方向)から見たときに、第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22bに対して、永久磁石12の外周面24に沿う方向において各々オーバーラップしている。
【0037】
また、第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22b、22b間に形成されるリブ55の幅方向の中央に沿って延びる仮想線60が、第1空隙22aの少なくとも一部を通過する。なお、本実施形態のような空隙22が円形状の場合には、第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22b同士が最も近接する部位44における、隣接する一対の第2空隙22bの各々の接線42、42に挟まれた領域43内に、第1空隙22aの少なくとも一部が位置しているとして規定することもできる。
【0038】
これにより、図3(b)に示すように、隣接する一対の第2空隙22b同士の間と、一対の第2空隙22bの内の一方と第1空隙22aとの間と、一対の第2空隙22bの内の他方と第1空隙22aの間とに、それぞれリブ55、56、57が形成され、分岐部において連結される少なくとも3つのリブ55、56、57が形成される。3つのリブ55、56、57には、回転電機の運転時においては、ステータのコイルに通電される電流の大きさ・進み角、ロータの回転角度、ロータの磁気回路構造等に応じて、永久磁石の端部に対して様々な方向から反磁界が作用することとなる。しかし、所定の方向から作用する反磁界が、3つのリブ55、56、57の内のいずれかのリブを通って永久磁石12に向かう場合には、分岐部において他の2つのリブに分岐しながら永久磁石12に作用することになる。よって、永久磁石12の端部21に作用する反磁界は、永久磁石12の外周面24に沿う方向に分散することになるため、回転電機の運転時において、様々な方向から反磁界が作用した場合においても、反磁界が永久磁石12の端部21の特定の箇所に集中することが抑制され、特定の箇所における減磁を抑制できる。
【0039】
また、第1空隙22aと一対の第2空隙22bとの間には少なくとも3つのリブ55、56、57が形成されるため、従来のように単一の空隙が形成された場合に比べて、ロータコアの強度の低下を抑制できる。更に、各空隙列間に形成されたリブは、q軸方向の磁路(LqIq磁路)としても機能するため、q軸方向に磁束が通過しやすく、q軸方向のインダクタンス(Lq)が大きくなる。したがって、突極性(Lq−Ld)を大きくすることができ、リラクタンストルクを効果的に発生させることができる。
【0040】
また、第2空隙22bと第3空隙列33の隣接する一対の第3空隙22cとの位置関係も、上記した第1空隙22aと第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22bとの位置関係と同様の位置関係にある。
即ち、図3(b)に示すように、第2空隙22bの永久磁石12の外周面24に沿う方向における両側の端部95は、永久磁石12の外周面24に対して垂直な方向から見たときに、第3空隙列33の隣接する一対の第3空隙22cに対して、永久磁石12の外周面24に沿う方向において各々オーバーラップしている。また、第3空隙列33の隣接する一対の第3空隙22c、22c間に形成されるリブ96の幅方向の中央に沿って延びる仮想線97が、第2空隙22bの少なくとも一部を通過する。
【0041】
図4(c)は、図4(a)に示す従来のロータと、図4(b)に示す本実施形態のロータ(b)とを用いて、各減磁率を比較して示すグラフであり、永久磁石12の円周方向の端部21(21a、21b)の外周側に、複数の空隙22からなる空隙群23を配置することで、反磁界が分散及び低減され、耐減磁特性が大幅に向上していることが分かる。なお、図示しないが、空隙の配置位置を適宜調整することで、永久磁石12の減磁する位置を制御することも可能となり、低保磁力の磁石のロータへの適用可能性が広がる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のロータ10によれば、永久磁石12の円周方向の端部21の外周側に形成された複数の空隙22からなる空隙群23は、第1空隙22aと、第1空隙22aの外周側において所定のピッチP2で形成された第2空隙列32とを備え、第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22b、22b間にリブ55が形成されており、第1空隙22aの永久磁石12の外周面24に沿う方向における両側の端部41は、リブ55の幅方向の中央に沿って延びる仮想線60に平行な方向から見たときに、第2空隙列32の隣接する一対の第2空隙22bに対して、永久磁石12の外周面24に沿う方向において各々オーバーラップしており、リブ55の幅方向の中央に沿って延びる仮想線60が、第1空隙22aの少なくとも一部を通過している。これにより、永久磁石12の外周面24に垂直な方向から作用する反磁界は、第2空隙22bあるいは第1空隙22aを迂回し、空隙22a,22b間に形成されたリブ55、56、57で分岐しながら通過した上で、永久磁石12の端部21に作用することになる。したがって、永久磁石12の外周面24に垂直な方向から作用する反磁界が、永久磁石12の端部21に直接作用することが抑制され、永久磁石12の外周面24に垂直な方向から作用する反磁界によって、永久磁石12の端部21が減磁してしまうことを抑制できる。
【0043】
また、空隙群23は、複数の第1空隙22aが永久磁石12の外周面24に沿って所定のピッチp1で形成された第1空隙列31を備えるので、さらに効果的に反磁界を永久磁石12の外周面24に沿う方向に分散することができる。
【0044】
また、隣接する一対の第1空隙22aの内の一方の第1空隙22aの中心O1と、第2空隙22bの中心O3とを結ぶ第1の仮想線35と、他方の第1空隙22aの中心O2と第2空隙22bの中心O3とを結ぶ第2の仮想線36との角度θがθ<90°であるので、一対の第1空隙22aの内の一方の第1空隙22aと第2空隙22bとの間に形成されたリブ57を通過する反磁界の経路上に他方の第1空隙22aが位置することになる。従って、反磁界が一対の第1空隙22aの内の一方の第1空隙22aと第2空隙22bとの間に形成されたリブ57の延設方向に沿って作用しても永久磁石12の端部21に作用する反磁界は、永久磁石12の外周面に沿う方向に分散されて特定の箇所における減磁を抑制できる。
【0045】
更に、空隙22は、軸方向から見たときに円形状に形成されているので、空隙22間に形成されたリブの一部に角部(屈曲部)が形成されることを抑制でき、ロータ10が回転する際、ロータコア11に作用する遠心力の応力がリブ全体に分散されて、ロータコア11の強度の低下をより効果的に抑制することができる。
【0046】
更に、空隙列31、32、33の内の磁極中央側の端部に位置する空隙22a、22b、22cは、永久磁石12の外周面24からロータコア11の外周面15に向かう空隙列31、32、33の順に、磁極外端部21a、21b側に配置されているので、永久磁石12の磁極中央側から磁極外端部21a、21b側に向かう磁束を効果的に抑制することができる。
【0047】
また、永久磁石12の外周面24からロータコア11の外周面15に向かう空隙列31、32、33の順に、磁極外端部21a、21b側に配置されているので、LqIq磁路を確保しやすく(図4(b)参照。)、q軸方向のインダクタンス(Lq)が大きくなる。したがって、突極性(Lq−Ld)を大きくすることができ、リラクタンストルクを効果的に発生させることができる。
【0048】
さらに、空隙群23は、永久磁石12の外周面24の円周方向端部21a,21bよりも、永久磁石12の外周面24に沿った方向におけるロータコア11の外周面15側に亘って形成されているので、永久磁石12の外周面24に作用する反磁界の一部を、空隙22同士間のリブによって永久磁石12の外周面24の円周方向端部21a,21bよりも、永久磁石12の外周面24に沿った方向におけるロータコア11の外周面15側にも分散させることができるため、永久磁石12の端部の特定の箇所が減磁してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。なお、本実施形態では、第1、第2、及び側方空隙列31,32,34が、当該位置に空隙22を含んでいる。
【0049】
なお、本実施形態は、図5に示すように、空隙の配置関係を規定してもよい。即ち、第2空隙22bと一対の第1空隙22a、22aの内の一方との間にリブ57が形成されており、このリブ57の幅方向の中央に沿って延びる仮想線46は、一対の第1空隙22a、22aの内の他方を通過している。これにより、リブ57に沿ってリブ57を通過する反磁界の経路上に、一対の第1空隙22aの内の他方が位置することになる。したがって、仮に反磁界がリブ57の延設方向に沿って作用する場合でも、永久磁石12の外周面24に沿う方向に効果的に分散でき、永久磁石12の端部21に直接作用する反磁界を抑制できる。
【0050】
なお、空隙22が円形状あるいは楕円形状等のように曲線で形成される場合には、第2空隙22bと、隣接する一対の第1空隙22aの内の一方とが最も近接する部位47における、第2空隙22bと第1空隙22aの内の一方の各々の接線48に挟まれた領域49内に、隣接する一対の第1空隙22aの他方の少なくとも一部が位置しているとして規定することもでき、上記と同様の効果を奏する。
【0051】
(第2実施形態)
図6は本発明に係る第2実施形態のロータの部分拡大図、図7は空隙の配置関係を説明するための部分拡大図である。
【0052】
図6に示すように、空隙群23では、隣接する一対の第1空隙22aの内の一方の中心O1と第2空隙22bの中心O3とを結ぶ第1の仮想線35aと、一対の第1空隙22aの内の他方の中心O2と第2空隙22bの中心O3とを結ぶ第2の仮想線36aとの角度θは、90°より大きく(θ>90°)設定されている。また、隣接する一対の第2空隙22bの内の一方の中心O3と第3空隙22cの中心O5とを結ぶ第3の仮想線37aと、一対の第2空隙22bの内の他方の中心O4と第3空隙22cの中心O5とを結ぶ第4の仮想線38aとの角度ψも、90°より大きく(ψ>90°)設定されている。なお、図6では、第1の仮想線35aと第3の仮想線37aとを同一直線として示しているが、別々の直線を構成するものであってもよい。
【0053】
図7に示すように、角度θ、ψを90°より大きくして配列された空隙群23では、第3空隙22cと、一対の第2空隙22bの内の一方との間にリブ71が形成されており、リブ71の幅方向の中央に沿って延びる仮想線72が、第1空隙22aを通過している。これにより、リブ71に沿ってリブ71を通過する反磁界の経路上に、第1空隙22aが位置することになる。したがって、仮に反磁界がリブ71の延設方向に沿って作用する場合でも、永久磁石12の端部21に直接作用することが抑制され、永久磁石12の端部21に作用する反磁界を、永久磁石12の外周面24に沿う方向に効果的に分散できる。
【0054】
また、この実施形態においても、空隙群23は、永久磁石12の外周面24の円周方向端部21よりも、永久磁石12の外周面24に沿った方向におけるロータコア11の外周面15側に亘って形成されているので、当該位置にある空隙22同士間のリブによって、永久磁石12の外周面24に作用する反磁界の一部を分散させることができる。
その他の構成及び効果については、第1実施形態のロータ10と同様である。
【0055】
なお、本実施形態の上記規定は、後述する第4実施形態のような、多角形状空隙によって構成される空隙群の場合においても適用可能である。
また、本実施形態では、空隙22が円形状あるいは楕円形状等のように曲線で形成される場合には、第3空隙22cと、隣接する一対の第2空隙22bの内の一方とが最も近接する部位73における、第3空隙22cと、第2空隙22bの内の一方の各々の接線74に挟まれた領域75内に、第1空隙22aの少なくとも一部が位置しているとして規定することもでき、上記と同様の効果を奏する。
【0056】
(第3実施形態)
図8(a)は第3実施形態のロータの部分拡大図であり、空隙群23は、永久磁石12の一端部21a、21b近傍において、永久磁石12の外周面24の外周側だけでなく、内周面の内周側に、また、永久磁石12の他端部21c、21d近傍において、永久磁石12の外周面24の外周側や内周面の内周側に配置されている。
【0057】
また、図8(b)は第3実施形態の変形例のロータの部分拡大図であり、空隙群23は、永久磁石12の外周面24に沿って連続し、永久磁石12の長手方向両端部21a,21b,21c,21dに向かって空隙列数が増加するように形成されている。
いずれの場合も、空隙群23によってロータコア11の内周面16に近い側の永久磁石12の端部に作用する反磁界を更に抑制することができる。
【0058】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態及びその変形例に係るロータの部分拡大図であり、(a)の空隙群61は、多角形状空隙として、正方形空隙62で形成され、(b)の空隙群61は菱形空隙63で形成され、(c)の空隙群61は正六角形空隙64で形成されている。いずれの空隙62、63、64も、隣接する第1空隙の間に第2空隙が形成され、第2空隙の間に第3空隙が形成されている。即ち、隣接する空隙列の空隙62、63、64同士は、永久磁石12の外周面24に沿って略半ピッチずつずらされて配置されている。
【0059】
このように、各空隙の形状が異なる場合であっても、上記実施形態と同様に規定することができ、同様の効果を奏することができる。例えば、図9(a)に示す正方形空隙62の場合、図10に示すように、空隙群61は、軸方向から見たときに、複数の第1空隙62aが永久磁石12の外周面24に沿って第1のピッチP1で形成された第1空隙列81と、第1空隙列81よりも外周側において、複数の第2空隙62bが永久磁石12の外周面24に沿って第2のピッチP2で形成された第2空隙列82と、第2空隙列82よりも外周側において、複数の第3空隙62cが永久磁石12の外周面24に沿って第3のピッチP3で形成された第3空隙列83と、を備える。
【0060】
そして、第2空隙列82の隣接する一対の第2空隙62b間にリブ85が形成され、また、第1空隙62aの永久磁石12の外周面24に沿う方向における両側の端部84は、リブ85の幅方向の中央に沿って延びる仮想線86に平行な方向から見たときに、第2空隙列82の隣接する一対の第2空隙62bに対して、永久磁石12の外周面24に沿う方向において各々オーバーラップしており、リブ85の幅方向の中央に沿って延びる仮想線86が、第1空隙62aの少なくとも一部を通過している。
【0061】
なお、この場合も、隣接する一対の第1空隙62aの内の一方の中心O1と、第2空隙62bの中心O3とを結ぶ第1の仮想線87と、一対の第1空隙62aの内の他方の中心O2と、第2空隙62bの中心O3とを結ぶ第2の仮想線88との角度をθとするとき、θ<90°である。また、隣接する一対の第2空隙22bの内の一方の中心O3と、第3空隙22cの中心O5とを結ぶ第3の仮想線89と、一対の第2空隙22bの内の他方の中心O4と第3空隙22cの中心O5とを結ぶ第4の仮想線90との角度ψも、90°より小さく(ψ<90°)設定されている。なお、図10では、第1の仮想線87と第3の仮想線89とを同一直線として示しているが、別々の直線を構成するものであってもよい。
【0062】
本実施形態のロータ10によれば、空隙62、63、64は、軸方向から見たときに略正六角形状などの多角形状に形成されているので、1つの空隙列における空隙62、63、64同士の間のリブ65、および隣合う空隙列における空隙同士の間のリブ66の太さを均一にすることができ、リブ65、66の局所的な強度の低下が抑制される。したがって、空隙62、63、64の大きさを確保しつつ、リブ65、66の強度の低下を抑制することができる。
【0063】
尚、本発明は、前述した各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本実施形態では、ロータコア11の一対の磁石挿入孔13毎に磁極の向きを変えているが、各磁石挿入孔毎に磁極の向きを変えてもよく、その場合には、永久磁石12の長手方向両端部の外周側にそれぞれ空隙群が設けられてもよい。また、一対の磁石挿入孔は、協働してV字状を形成する場合に限定されず、直線状に並んで形成される場合にも適用可能であり、その場合にも、永久磁石の長手方向外端部の外周側に少なくとも空隙群が設けられればよい。
なお、本発明は、2012年4月10日出願の日本特許出願(特願2012−089528)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 ロータ
11 ロータコア
12、12a、12b 永久磁石
13 磁石挿入孔
21、21a、21b 長手方向外端部
22 空隙
22a、62a 第1空隙
22b、62b 第2空隙
22c、62c 第3空隙
23、61 空隙群
24 永久磁石の外周面
31、81 第1空隙列
32、82 第2空隙列
33、83 第3空隙列
35、35a 第1の仮想線
36、36a 第2の仮想線
41 第1空隙の端部
55、56、57、71 リブ
46、60、72 仮想線
62 正方形空隙(多角形状空隙)
63 菱形空隙(多角形状空隙)
64 正六角形空隙(多角形状空隙)
O1 隣接する一対の第1空隙の内の一方の中心
O2 隣接する一対の第1空隙の内の他方の中心
O3 第2空隙の中心
P1 ピッチ
P2 ピッチ
P3 ピッチ
θ、ψ 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】