特表-13157159IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2013-157159デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月24日
【発行日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04H 60/42 20080101AFI20151124BHJP
   H04H 60/51 20080101ALI20151124BHJP
   H04H 60/70 20080101ALI20151124BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20151124BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20151124BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   H04H60/42
   H04H60/51
   H04H60/70
   H04N21/438
   H04N21/442
   H04B1/16 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
【出願番号】特願2014-511072(P2014-511072)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年10月1日
(11)【特許番号】特許第5774209号(P5774209)
(45)【特許公報発行日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2012-94569(P2012-94569)
(32)【優先日】2012年4月18日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】高木 和也
(72)【発明者】
【氏名】白須賀 恵一
【テーマコード(参考)】
5C164
5K061
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164UA04S
5C164UB22P
5C164UB41P
5C164YA22
5C164YA30
5K061AA03
5K061BB06
5K061FF11
(57)【要約】
デジタル放送受信装置(100)は、信号を受信する受信部(111、121)と、受信された信号の受信強度を検出する信号強度検出部(112、122)と、受信可能な物理チャンネルを検出するチャンネルスキャン制御部(125)と、受信可能エリアを示す受信可能エリア情報を記憶するエリアマップ格納部(129)と、現在位置を検出する現在位置検出部(127)と、チャンネルスキャン制御部(125)が物理チャンネルを検出した際に、検出された現在位置が検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれない場合に、信号強度検出部で検出された受信強度に基づいて距離の閾値を特定する選局制御部(118)と、特定された距離の閾値に基づいて、受信可能エリアを拡張するエリアマップ生成部(128)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理チャンネルの信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した信号の受信強度を検出する信号強度検出部と、
前記受信部を制御して、前記受信部で放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出するチャンネルスキャン制御部と、
物理チャンネル毎に、前記放送信号を受信可能な位置を示す位置情報を3つ以上含むことで、当該位置情報で示される位置で囲まれる受信可能エリアを示す受信可能エリア情報を記憶するエリアマップ格納部と、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記チャンネルスキャン制御部が前記受信部で前記放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出した際に、前記受信可能エリア情報に基づいて、前記現在位置検出部で検出された現在位置が当該検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれるか否かを判断する処理、及び、前記検出された現在位置が、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれない場合に、前記信号強度検出部で検出された受信強度が強いほど長い距離を示す閾値を特定する処理を行う選局制御部と、
前記受信可能エリア情報に基づいて、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれる位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる2つの位置を結合位置として選択する処理、及び、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に、前記検出された現在位置を示す位置情報を追加することにより、前記結合位置と、前記検出された現在位置とを結ぶ線まで、前記受信可能エリアを拡張する処理を行うエリアマップ生成部と、を備えること
を特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記エリアマップ生成部は、
前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる2つの位置を、前記結合位置として選択すること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記エリアマップ生成部は、
前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置が2つ未満である場合には、前記検出された物理チャンネルに対応付けて、前記検出された現在位置を示す未連結位置情報を前記エリアマップ格納部に記憶させる処理と、
前記検出された物理チャンネルに対応付けられている未連結位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置が2つ以上ある場合には、前記検出された現在位置、及び、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置を示す未連結位置情報を含む受信可能エリア情報を生成する処理と、を行うこと
を特徴とする請求項2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記エリアマップ生成部は、
前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置、又は、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアの境界上の位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離に存在する位置を前記結合位置として選択すること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記エリアマップ生成部は、
前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置、及び、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアの境界上の位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離に存在する位置が2つ未満である場合には、前記検出された物理チャンネルに対応付けて、前記検出された現在位置を示す未連結位置情報を前記エリアマップ格納部に記憶させる処理と、
前記検出された物理チャンネルに対応付けられている未連結位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置、及び、前記検出された物理チャンネルに対応付けられている未連結位置情報で示される位置を結んだ線上の位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離に存在する位置が2つ以上ある場合には、前記検出された現在位置と、前記検出された物理チャンネルに対応付けられている未連結位置情報で示される位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる位置、及び、前記検出された物理チャンネルに対応付けられている未連結位置情報で示される位置を結んだ線上の位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離に存在する位置の少なくとも何れか一方と、を示す位置情報を含む受信可能エリア情報を生成する処理と、を行うこと
を特徴とする請求項4に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
前記エリアマップ生成部は、
前記生成された受信可能エリア情報で示される受信可能エリアが、前記エリアマップ格納部に記憶されている受信可能エリア情報で示されている受信可能エリアと重複又は接する場合には、前記生成された受信可能エリア情報で示される受信可能エリア及び前記エリアマップ格納部に記憶されている受信可能エリア情報で示されている受信可能エリアを結合した新たな受信可能エリアを示すように、前記エリアマップ格納部に記憶されている受信可能エリア情報を更新すること、
を特徴とする請求項3又は5に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記エリアマップ格納部は、物理チャンネル毎に、当該物理チャンネルを利用している放送局の中継局の物理チャンネルを示す中継局情報及び当該放送局の系列局の物理チャンネルを示す系列局情報の少なくとも何れか一方をさらに記憶しており、
前記チャンネルスキャン制御部は、前記選局制御部で選局された物理チャンネルの信号の受信状態が悪化した場合に、前記中継局情報及び前記系列局情報の少なくとも何れか一方を参照して、前記選局された物理チャンネルの中継局及び系列局の少なくとも何れか一方の物理チャンネルを特定し、当該特定された物理チャンネルの中から、前記受信可能エリア情報に基づいて、前記現在位置検出部で検出された現在位置が前記受信可能エリアに含まれる物理チャンネルを選択し、当該選択された物理チャンネルについて、前記受信部で前記放送信号を受信することができるか否かを検出すること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項8】
前記エリアマップ格納部は、物理チャンネル毎に、当該物理チャンネルを利用している放送局の中継局の物理チャンネルを示す中継局情報及び当該放送局の系列局の物理チャンネルを示す系列局情報の少なくとも何れか一方をさらに記憶しており、
前記チャンネルスキャン制御部は、前記現在位置検出部で検出された現在位置が、前記選局制御部で選局中の物理チャンネルの受信可能エリアの境界付近であり、かつ、前記現在位置検出部で検出された現在位置の履歴により、前記デジタル放送受信装置が前記選局制御部で選局中の物理チャンネルの受信可能エリアの外部に向かっていると判断した場合には、前記中継局情報及び前記系列局情報の少なくとも何れか一方を参照して、前記選局された物理チャンネルの中継局及び系列局の少なくとも何れか一方の物理チャンネルを特定し、当該特定された物理チャンネルについて、前記受信部で前記放送信号を受信することができるか否かを検出すること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項9】
前記選局制御部は、前記チャンネルスキャン制御部で、前記中継局又は前記系列局の物理チャンネルにおいて前記放送信号を受信できることが検出された場合には、当該物理チャンネルを選局し、前記受信部に当該選局された物理チャンネルの信号を受信させること
を特徴とする請求項7又は8に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項10】
前記受信部は、
前記選局制御部により選局された物理チャンネルの信号を受信する第1受信部と、
前記チャンネルスキャン制御部により制御される第2受信部と、を備えること
を特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項11】
前記受信可能エリア情報は、前記受信可能エリアの境界を一方向に周回するように、前記位置情報を順番に格納していること
を特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項12】
前記選局制御部は、前記現在位置検出部で検出された現在位置と、前記受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置との間の線分の内、前記順番において隣り合う位置の線分間の角度を合計した値が360度となる場合に、前記現在位置検出部で検出された現在位置が前記受信可能エリア情報で示される受信可能エリアに含まれると判断すること
を特徴とする請求項11に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項13】
前記選局制御部は、前記順番において前の位置の線分に対して、前記順番において後の位置の線分が前記一方向側に存在する場合には、前記線分間の角度を正の値とし、また、前記順番において前の位置の線分に対して、前記順番において後の位置の線分が前記一方向とは反対側に存在する場合には、前記線分間の角度を負の値として、合計を行うこと
を特徴とする請求項12に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項14】
前記選局制御部は、前記受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置を前記順番に従って2つ特定し、特定された位置間のベクトルと、前記現在位置検出部で検出された現在位置から前記ベクトルの起点となった位置へのベクトルとを生成し、当該生成された2つのベクトルの外積の符号により、前記現在位置検出部で検出された現在位置が前記受信可能エリア情報で示される受信可能エリアに含まれるか否かを判断すること
を特徴とする請求項11に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項15】
前記選局制御部は、前記受信可能エリアを構成する境界毎に、当該境界のどちら側が受信可能エリアの内側であるかを予め定めておき、前記現在位置検出部で検出された現在位置が前記境界のどちら側に存在するかにより、前記現在位置検出部で検出された現在位置が前記受信可能エリアに含まれるか否かを判断すること
を特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項16】
前記エリアマップ生成部は、前記受信可能エリア情報に含まれる位置情報で示される位置の内、近接している位置を検出し、当該検出された位置をマージする処理を行うこと
を特徴とする請求項1から15の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項17】
前記エリアマップ生成部は、前記受信可能エリア情報に含まれる位置情報で示される位置間の境界の内、近接している境界を検出し、当該検出された境界をマージする処理を行うこと
を特徴とする請求項1から16の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項18】
物理チャンネルの信号を受信する受信過程と、
前記受信過程で受信された信号の受信強度を検出する信号強度検出過程と、
前記受信過程で放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出するチャンネルスキャン制御過程と、
現在位置を検出する現在位置検出過程と、
前記チャンネルスキャン制御過程が、前記受信過程で前記放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出した際に、物理チャンネル毎に、前記放送信号を受信可能な位置を示す位置情報を3つ以上含むことで、当該位置情報で示される位置で囲まれる受信可能エリアを示す受信可能エリア情報に基づいて、前記現在位置検出過程で検出された現在位置が当該検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれるか否かを判断する判断過程と、
前記検出された現在位置が、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれない場合に、前記信号強度検出過程で検出された受信強度が強いほど長い距離を示す閾値を特定する閾値特定過程と、
前記受信可能エリア情報に基づいて、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれる位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる2つの位置を結合位置として選択する結合位置選択過程と、
前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に、前記検出された現在位置を示す位置情報を追加することにより、前記結合位置と、前記検出された現在位置とを結ぶ線まで、前記受信可能エリアを拡張する処理を行うエリアマップ生成過程と、を備えること
を特徴とするデジタル放送受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送受信装置が、受信している物理チャンネルの受信可能エリア内から受信可能エリア外に移動された場合には、デジタル放送受信装置は、正常に受信できていた物理チャンネルの放送信号を受信できなくなる。ここで、物理チャンネルは、特定の周波数帯域幅を1つの単位として定義されたチャンネルである。このため、従来から、物理チャンネル毎の受信可能エリアを示す放送エリアマップを生成しておき、現在位置で受信可能な他の物理チャンネルに自動的に切り替えを行うことができるデジタル放送受信装置が開発されている。
【0003】
従来のデジタル放送受信装置は、放送エリアマップに含まれていない、新しい受信可能な位置を検出した場合には、既存の放送エリアマップに含まれている位置及び新規の位置の全てを含む最大の多角形となるように放送エリアマップを拡大している。このため、例えば、既存の放送エリアマップと新規の位置との距離が大きく離れている場合等には、従来のデジタル放送受信装置は、実際には選局できるかわからない位置も新たに放送エリアマップの内部に追加してしまう問題がある。特に、実際の放送エリアマップが凸形状の図形で近似できない、凹みのある形状であった場合は、従来のデジタル放送受信装置は、この凹み部分の両端を直線で接合し、この凹み部分を埋めるように放送エリアマップを拡大してしまう。このため、従来のデジタル放送受信装置は、実際には選局できない凹み部分を放送エリアマップに組み込んでしまう問題が発生する。
【0004】
そこで、特許文献1に記載されたデジタル放送受信装置は、放送エリアマップ内において受信不可であることを検出した場合に、受信不可エリアマップを作成する。そして、特許文献1に記載されたデジタル放送受信装置は、実際に自動選局を行う際には放送エリアマップとあわせてこの受信不可エリアマップを参照することで、放送エリアマップ内に余分に組み込んでしまった受信不可エリアの影響を除外できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−61753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたデジタル放送受信装置は、実際に移動しながらチャンネルスキャンを行い、受信不可となっている位置を特定しなければ、この受信不可エリアマップを作成することができない。このため、特許文献1に記載されたデジタル放送受信装置は、未だ受信不可エリアマップが作成されていない場合には、放送エリアマップを参照することで、放送エリアを誤認識してしまう可能性がある。そして、特許文献1に記載されたデジタル放送受信装置は、誤認識をした場合にはその分余計な選局及びサーチを行ってしまい、結果として受信可能な放送局の自動選局に長い時間がかかってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、実際の放送エリアの形状との差異が少ない受信可能エリアを取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置は、
物理チャンネルの信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した信号の受信強度を検出する信号強度検出部と、
前記受信部を制御して、前記受信部で放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出するチャンネルスキャン制御部と、
物理チャンネル毎に、放送信号を受信可能な位置を示す位置情報を3つ以上含むことで、当該位置情報で示される位置で囲まれる受信可能エリアを示す受信可能エリア情報を記憶するエリアマップ格納部と、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記チャンネルスキャン制御部が前記受信部で放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出した際に、前記受信可能エリア情報に基づいて、前記現在位置検出部で検出された現在位置が当該検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれるか否かを判断する処理、及び、前記検出された現在位置が、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれない場合に、前記信号強度検出部で検出された受信強度が強いほど長い距離を示す閾値を特定する処理を行う選局制御部と、
前記受信可能エリア情報に基づいて、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれる位置の内、前記検出された現在位置から前記特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる2つの位置を結合位置として選択する処理、及び、前記検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に、前記検出された現在位置を示す位置情報を追加することにより、前記結合位置と、前記検出された現在位置とを結ぶ線まで、前記受信可能エリアを拡張する処理を行うエリアマップ生成部と、を備えること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、実際の放送エリアの形状との差異が少ない受信可能エリアを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1〜4に係るデジタル放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2】実施の形態1における放送エリアマップ情報の一例を示す概略図である。
図3】実施の形態1における受信可能エリア情報に含まれている位置情報を説明するための概略図である。
図4】実施の形態1における未連結リスト情報の一例を示す概略図である。
図5】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置における、選局操作の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置における、受信状態が悪化したときの自動選局の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置における、現在位置と受信可能エリアとの位置関係の一例を示す図である。
図8】実施の形態1において、現在位置が受信可能エリアに含まれるか否かを判断する処理の一例を示す概略図である。
図9】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置における、チャンネルスキャンによる受信可能エリア情報の作成の処理の流れを示すフローチャートである。
図10】(A)及び(B)は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置において、現在位置を受信可能エリア情報に追加する処理を説明する第1の概略図である。
図11】(A)及び(B)は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置において、現在位置を受信可能エリア情報に追加する処理を説明する第2の概略図である。
図12】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置において、現在位置を受信可能エリア情報に追加する処理を説明する第3の概略図である。
図13】従来の技術において、受信可能エリアに含まれていない新しい受信可能な位置が検出された場合に、既存の受信可能エリアと新規の位置の全てを含む最大の多角形にするように受信可能エリアを拡大する処理の一例を示す概略図である。
図14】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置において、受信可能エリアを拡大する処理の一例を示す概略図である。
図15】実施の形態2に係るデジタル放送受信装置における、チャンネルスキャンによる受信可能エリア情報の作成の処理の流れを示すフローチャートである。
図16】(A)〜(C)は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置における、受信可能エリアの更新の第1の例を示す概略図である。
図17】(A)〜(C)は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置における、受信可能エリアの更新の第2の例を示す図である。
図18】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置における、現在位置がある受信可能エリアに含まれるか否かを確認する処理の流れを示すフローチャートである。
図19】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置における、現在位置が受信可能エリアの内部であるか否かを確認する処理の一例を説明するための概略図である。
図20】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置における、現在位置がある受信可能エリアに含まれるか否かを確認する処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
図21】実施の形態4に係るデジタル放送受信装置における、複数の受信可能エリアのマージ処理の流れを示すフローチャートである。
図22】(A)〜(D)は、実施の形態4において隣接する辺に対して行われるマージ処理の第1の例を説明するための概略図である。
図23】(A)〜(C)は、実施の形態4において隣接する辺に対して行われるマージ処理の第2の例を説明するための概略図(その1)である。
図24】(A)及び(B)は、実施の形態4において隣接する辺に対して行われるマージ処理の第2の例を説明するための概略図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100の構成を概略的に示すブロック図である。実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、第1アンテナ110と、第1受信部111と、第1信号強度検出部112と、第1デマルチプレクス部113と、デコード部114と、映像出力部115と、音声出力部116と、操作入力部117と、選局制御部118とを備えている。また、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、第2アンテナ120と、第2受信部121と、第2信号強度検出部122と、第2デマルチプレクス部123と、受信モード切替部124と、チャンネルスキャン制御部125と、第3アンテナ126と、現在位置検出部127と、エリアマップ生成部128と、エリアマップ格納部129とを備えている。なお、第1受信部111及び第2受信部121とにより受信部が構成され、第1信号強度検出部112及び第2信号強度検出部122により信号強度検出部が構成され、第1デマルチプレクス部113及び第2デマルチプレクス部123によりデマルチプレクス部が構成される。図1の括弧内の符号は、実施の形態2〜4における構成を示す。
【0012】
第1アンテナ110及び第1受信部111は、第1系統の放送受信部を構成している。また、第2アンテナ120及び第2受信部121は、第2系統の放送受信部を構成している。第1アンテナ110及び第1受信部111が構成する系統と、第2アンテナ120及び第2受信部121が構成する系統とは、互いに独立して動作することができる。そして、デジタル放送受信装置100では、受信モード切替部124が、シングルチューナモード及びダブルチューナモードを切り替える。
【0013】
第1アンテナ110は、電波から信号を生成する。そして、第1アンテナ110は、生成された信号を第1受信部111に与える。
【0014】
第1受信部111は、シングルチューナモードでは、第1アンテナ110から与えられた信号に対して、選局、復調及び誤り訂正を実施して受信信号、例えば、TS(Transport Stream)を生成する。そして、第1受信部111は、生成された受信信号と、第2受信部121及び受信モード切替部124を介して受け取った受信信号とをダイバーシチ合成することにより、安定性の高い1つの受信信号を生成する。そして、第1受信部111は、生成された受信信号を第1デマルチプレクス部113に与える。一方、第1受信部111は、ダブルチューナモードでは、第1アンテナ110から与えられた信号に対して、選局、復調及び誤り訂正を実施して受信信号を生成し、この受信信号を第1デマルチプレクス部113に与える。
また、第1受信部111は、C/N、ビットエラーレート、チューナのPLL(Phase Locked Loop)ロック情報及びOFDM(直交周波数分割多重)フレームのロック情報を選局制御部118に通知する。
【0015】
第1信号強度検出部112は、第1受信部111が受信した信号の受信強度を検出し、その受信強度を選局制御部118に通知する。
【0016】
第1デマルチプレクス部113は、第1受信部111から受け取った受信信号から、映像データ(例えば、映像パケット)及び音声データ(例えば、音声パケット)を分離する。そして、第1デマルチプレクス部113は、分離された映像データ及び音声データをデコード部114に与える。
また、第1デマルチプレクス部113は、セクションデータ(例えば、PSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)情報等)の途絶の通知を選局制御部118に与える。
【0017】
デコード部114は、第1デマルチプレクス部113から受け取った映像データ及び音声データをデコードして、映像信号及び音声信号を生成する。そして、デコード部114は、生成した映像信号を映像出力部115に与え、生成した音声信号を音声出力部116に与える。
また、デコード部114は、デコードエラーレートの情報を選局制御部118に通知する。
【0018】
映像出力部115は、デコード部114から与えられた映像信号に基づく映像を出力する。例えば、映像出力部115は、ディスプレイ等により構成することができる。なお、映像出力部115は、図示してはいないが、デジタル放送受信装置100内で生成されたグラフィックスを、デコード部114から与えられた映像信号に基づく映像に重畳して出力してもよい。
音声出力部116は、デコード部114から与えられた音声信号に基づく音声を出力する。例えば、音声出力部116は、スピーカ等により構成することができる。
【0019】
操作入力部117は、ユーザからの操作の入力を受け付ける。そして、操作入力部117は、入力された操作を示す操作情報を選局制御部118に与える。
【0020】
選局制御部118は、デジタル放送受信装置100での処理を統括的に制御する。特に、選局制御部118は、物理チャンネルを選局する処理を制御する。例えば、選局制御部118は、第1受信部111、第1デマルチプレクス部113及びデコード部114からの通知により、信号の受信状態が悪化したか否かを判断する。そして、選局制御部118は、信号の受信状態が悪化したと判断すると、エリアマップ格納部129にアクセスして、現在位置で同一番組を放送している可能性の高い、中継局、系列局、又は、異なる物理チャンネルで放送されている同一放送サービス名の放送局を検索する。もし、受信可能な同一番組を放送している放送サービスがあれば、選局制御部118は、自動選局切替えを行うため、第1受信部111に通知する。
また、選局制御部118は、チャンネルスキャン制御部125が放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出した際に、現在位置が検出された物理チャンネルの受信可能エリア(後述)に含まれるか否かを判断する。そして、選局制御部118は、現在位置が、検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれない場合には、第2信号強度検出部122で検出された受信強度が強いほど長い距離を示す閾値を特定する。選局制御部118は、このような閾値をエリアマップ生成部128に与える。
【0021】
第2アンテナ120は、電波から信号を生成する。そして、第2アンテナ120は、生成された信号を第2受信部121に与える。
第2受信部121は、第2アンテナ120から与えられた信号に対して、選局、復調及び誤り訂正を実施して受信信号を生成する。そして、第2受信部121は、シングルチューナモードでは、受信モード切替部124を介して、生成した受信信号を第1受信部111に与える。一方、第2受信部121は、ダブルチューナモードでは、生成された受信信号を第2デマルチプレクス部123に与える。
第2信号強度検出部122は、第2受信部121が受信した信号の受信強度を検出し、その受信強度を選局制御部118に通知する。
第2デマルチプレクス部123は、第2受信部121から受け取った受信信号から、放送内容に関するセクションデータを分離する。そして、第2デマルチプレクス部123は、分離されたセクションデータをチャンネルスキャン制御部125及びエリアマップ生成部128に与える。
【0022】
受信モード切替部124は、各系統(ここでは、第1系統及び第2系統)の放送受信部においてそれぞれ復調された受信信号が出力されるダブルチューナモードと、複数の系統の受信信号をダイバーシチ処理して合成することにより受信安定性の高い1つの受信信号が第1受信部111から出力されるシングルチューナモードとを切り替える。この切り替えは、切替制御信号によってチャンネルスキャン制御部125から受信モード切替部124に切替えが指示された場合、及び、操作入力部117にユーザから受信モード切替指示が入力された場合に実施される。
【0023】
チャンネルスキャン制御部125は、第2受信部121及び第2デマルチプレクス部123を制御して、チャンネルスキャンを実行する。チャンネルスキャンでは、第2受信部121は、物理チャンネルを順次選局し、チャンネルスキャン制御部125は、受信可能な物理チャンネル、言い換えると、放送信号を受信することのできる物理チャンネルを検出する。また、チャンネルスキャン制御部125は、受信可能な物理チャンネルを検出した際には、検出された物理チャンネル、当該物理チャンネルを使用している放送事業者、及び、当該の物理チャンネルを使用しているサービスを特定することのできるチャンネル情報を選局制御部118に通知する。なお、チャンネルスキャン制御部125が制御するチャンネルスキャンは、第1受信部111による番組視聴用の選局と並行して、視聴者が気付かない状態で実行される(番組視聴の裏側で実行される)ので、「裏チャンネルスキャン」ともいう。なお、以下では、特に区別する必要が有る場合にのみ、「裏チャンネルスキャン」といい、通常のチャンネルスキャンと特別区別する必要がない場合は、両方をあわせて「チャンネルスキャン」という。
【0024】
第3アンテナ126は、現在位置検出用のアンテナであり、例えば、GPSアンテナにより構成される。
現在位置検出部127は、第3アンテナ126からの信号より現在位置を検出する。現在位置検出部127は、検出された現在位置を選局制御部118及びエリアマップ生成部128に通知する。
【0025】
エリアマップ生成部128は、第2デマルチプレクス部123から受け取ったセクションデータと、現在位置検出部127から通知された現在位置とに基づいて、放送エリアマップ情報及び未連結リスト情報を生成し、エリアマップ格納部129に格納する。
放送エリアマップ情報は、物理チャンネル毎に、受信可能なエリアを示す受信可能エリア情報を含む。放送エリアマップ情報は、デジタル放送受信装置100の移動に伴い、選局中の物理チャンネルの信号の受信状態が悪化したときに、その放送サービスと同じ放送サービスの物理チャンネル(他の物理チャンネル)に自動切替えするために利用される。
また、エリアマップ生成部128は、放送エリアマップ情報を更新する処理を行う。例えば、チャンネルスキャン制御部125が、現在位置において放送信号を受信可能な物理チャンネルを検出した場合に、検出された物理チャンネルの受信可能エリアに含まれる位置の内、現在位置から選局制御部118において特定された閾値で示される距離までの範囲に含まれる2つの位置を選択することができる場合には、このような位置を結合位置として選択する。そして、エリアマップ生成部128は、検出された物理チャンネルの受信可能エリア情報に、現在位置を示す位置情報を追加することで、選択された結合位置と、現在位置とを結ぶ線まで、受信可能エリアを拡張する。
【0026】
エリアマップ格納部129は、放送エリアマップ情報及び未連結リスト情報を記憶する。
【0027】
図2は、放送エリアマップ情報の一例を示す概略図である。図2に示されている放送エリアマップ情報140は、物理チャンネル欄140aと、TS名/アンサンブル名欄140bと、サービス名欄140cと、受信可能エリア欄140dと、中継局チャンネル欄140eと、系列局チャンネル欄140fとを有するテーブル形式の情報である。
物理チャンネル欄140aは、物理チャンネルを識別するための物理チャンネル識別情報を格納する。実施の形態では、物理チャンネル識別情報は、物理チャンネルの番号である。
TS名/アンサンブル名欄140bは、放送事業者を識別するための放送事業者識別情報を格納する。ここで、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)、DVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)、DVB−H(Digital Video Broadcasting−Handheld)、DTMB(Digital Terrestrial Multimedia Broadcast)、及び、ATSC(Advanced Television Systems Committee)の各デジタル放送規格の場合には、放送事業者識別情報として、TS名が使用される。また、DAB(Digital Audio Broadcast)、DAB+(Digital Audio Broadcast plus)、及び、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)の各デジタル放送規格の場合には、放送事業者識別情報として、アンサンブル名が使用される。
サービス名欄140cは、放送事業者が提供しているサービスを識別するためのサービス識別情報を格納する。実施の形態では、サービス識別情報として、サービス名(編成チャンネル名)が使用される。
なお、TS名/アンサンブル名欄140b及びサービス名欄140cに格納される情報により、選局単位となる放送局を識別することができる。
受信可能エリア欄140dは、物理チャンネル欄140aで特定される物理チャンネルで、TS名/アンサンブル名欄140bで特定される放送事業者が放送した、サービス名欄140cで特定されるサービスにおける放送信号を受信することのできる受信可能エリアを示す受信可能エリア情報を格納する。ここで、受信可能エリア情報は、物理チャンネル欄140aで特定される物理チャンネルで、TS名/アンサンブル名欄140bで特定される放送事業者が放送した、サービス名欄140cで特定されるサービスにおける放送信号を受信することができた3箇所以上の位置を示す位置情報を含んでいる。ここで、受信可能エリア情報は、受信可能エリアの境界を一方向に周回するように、位置情報を順番に格納している。受信可能エリア情報に含まれている位置情報については、図3を用いて、詳細に説明する。なお、以下では、受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置を頂点ともいう。
中継局チャンネル欄140eは、物理チャンネル欄140aで特定される物理チャンネルで、TS名/アンサンブル名欄140bで特定される放送事業者が、サービス名欄140cで特定されるサービスの放送信号を送信している中継局の物理チャンネルを示す中継局情報を格納する。
系列局チャンネル欄140fは、物理チャンネル欄140aで特定される物理チャンネルを使用している、TS名/アンサンブル名欄140bで特定される放送事業者の系列局の物理チャンネルを示す系列局情報を格納する。
【0028】
なお、図2では、各物理チャンネル中に1つのTS又は1つのアンサンブルが、1つのサービス名で送信されている例を示しているが、この例に限定されるものではない。複数のTS又はアンサンブルが、1つ又は複数のサービス名で送信されてもよい。また、1つのTS又はアンサンブルが、複数のサービス名で送信されてもよい。また、放送事業者識別情報は、TS名又はアンサンブル名に限られるものではない。さらに、サービス識別情報もサービス名に限られるものではない。さらに、例えば、CMMB(China Mobile Multimedia Broadcasting)規格においては、TSやアンサンブルの代わりにMF(Multiplex Frame)が用いられ、サービスの代わりにMSF(Multiplex Sub Frame)が用いられてもよい。
【0029】
図2に示されているように、チャンネルスキャンにより受信されたセクションデータから中継局の物理チャンネル及び系列局の物理チャンネルが取得され、これらの物理チャンネルを示す情報が、放送エリアマップ情報140に格納されていることで、選局制御部118は、信号の受信状態が悪化したときに、同一番組を放送している可能性の高い代替物理チャンネルを容易に把握することができ、短時間での自動切替えを実現できる。また、放送サービス名が同一の物理チャンネルは、同一の番組を放送している可能性が高いので、放送エリアマップ情報140には、放送サービス名をも格納されていることが望ましい。さらに、放送エリアマップ情報140には、放送波から取得できるその他の情報もあわせて格納されていてもよい。
【0030】
図3は、放送エリアマップ情報140の受信可能エリア情報に含まれている位置情報を説明するための概略図である。実施の形態においては、受信可能エリアの形状は、多角形である。
図3に示されている例では、受信可能エリア情報で特定される受信可能エリアは、頂点P10(x10,y10)、P11(x11,y11)、P12(x12,y12)、・・・、P1m(x1m,y1m)の内側のエリアである。
そして、放送エリアマップ情報140の受信可能エリア欄140dには、これらの頂点を結んだ線分(辺)に沿って、一方向、例えば、時計回りの方向に回る順番で、各頂点の位置情報(座標)が格納されている。ここで、位置情報は、経度をX座標軸、緯度をY座標軸とした直交座標系で示されている。
【0031】
なお、受信可能エリア欄140dに格納される位置情報の順序は、時計回り順に限定されるものではなく、反時計回り順であってもよい。また、受信可能エリア欄140dに格納される先頭の頂点の決定方法としては、例えば、X座標軸の値が最小になるものとしてもよいし、Y座標軸の値が最小になるものとしてもよいし、また、時計に当てはめたときの0時の方向に最も近いものとしてもよい。また他の方法で先頭の頂点が決定されてもよい。
【0032】
図1の説明に戻り、エリアマップ格納部129は、放送エリアマップ情報140の他に未連結位置情報を含む未連結リスト情報を記憶している。
未連結位置情報は、物理チャンネル毎に、受信可能エリア以外において受信可能な位置を示す情報である。
【0033】
図4は、未連結リスト情報の一例を示す概略図である。図4に示されている未連結リスト情報141は、物理チャンネル欄141aと、TS名/アンサンブル名欄141bと、サービス名欄141cと、未連結点リスト欄141dとを有するテーブル形式の情報である。
物理チャンネル欄141aは、物理チャンネルを識別するための物理チャンネル識別情報を格納する。
TS名/アンサンブル名欄141bは、放送事業者を識別するための放送事業者識別情報を格納する。
サービス名欄141cは、放送事業者が提供しているサービスを識別するためのサービス識別情報を格納する。
未連結点リスト欄141dは、物理チャンネル欄141aで特定される物理チャンネルで、TS名/アンサンブル名欄141bで特定される放送事業者が放送した、サービス名欄141cで特定されるサービスにおける放送信号を受信することのできた位置情報の内、放送エリアマップ情報140の受信可能エリア情報に連結されていない(含まれていない)位置情報である未連結位置情報を格納する。受信可能エリアは、連結した3つ以上の位置が存在しない限り表現できないため、連結された2つの位置及び不連結の1つの位置の位置情報は、未連結点リスト欄141dに格納される。なお、未連結点リスト欄141dに格納された未連結位置情報で示される位置は、未連結点ともいう。
【0034】
図5は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100における、選局操作の処理の流れを示すフローチャートである。図5のフローは、操作入力部117が、ユーザからの選局指示の入力を受けた場合に開始される。
【0035】
まず、選局制御部118は、現在位置を示す現在位置情報を現在位置検出部127から取得する(S10)。ここで、ステップS10で取得される現在位置情報で示される現在位置は、実際にはアンテナ性能による観測誤差が含まれるため、例えば、小数点以下を切り捨てたものであってもよい。そして、選局制御部118は、ユーザからの指示に基づいて、選局対象である放送局への選局を行う(S11)。
次に、選局制御部118は、選局対象である放送局が受信可能か否かを確認する(S12)。選局制御部118は、受信可能である場合(S12:Yes)には、フローを終了する。この場合には、ユーザは、指示した放送局の番組を視聴することができる。一方、選局制御部118は、受信不可である場合(S12:No)には、ステップS13に処理を進める。
【0036】
ステップS13では、選局制御部118は、エリアマップ格納部129に記憶されている放送エリアマップ情報140から、選局対象となった放送局の中継局及び系列局の受信可能エリア情報を取得する。
【0037】
次に、選局制御部118は、対象となる中継局及び系列局の受信可能エリア情報が存在するか否かを確認する(S14)。そして、選局制御部118は、そのような受信可能エリア情報が存在しない場合(S14:No)には、ステップS20に処理を進め、そのような受信可能エリア情報が存在する場合(S14:Yes)には、ステップS15に処理を進める。
【0038】
ステップS15では、選局制御部118は、取得できた受信可能エリア情報に、受信可能エリア内に、ステップS10で取得された現在位置情報で示される現在位置を含む受信可能エリア情報が存在するかを確認する。そして、選局制御部118は、このような受信可能エリア情報が存在しない場合(S15:No)には、ステップS20に処理を進め、このような受信可能エリア情報が存在する場合(S15:Yes)には、ステップS16に処理を進める。なお、ステップS15においては、実際にはアンテナ性能による現在位置座標に観測誤差が有るため、選局制御部118は、現在位置が完全に受信可能エリアの内部に含まれているか否かを判断するのではなく、受信可能エリアの外側であっても、所定の範囲(例えば、数メートル)の範囲内に現在位置が含まれる場合には、現在位置が受信可能エリア内に含まれると判断してもよい。
【0039】
ステップS16では、選局制御部118は、現在位置が含まれる受信可能エリアを有する中継局及び系列局の中から、選局対象とする放送局を決定する。例えば、選局制御部118は、現在位置が含まれる受信可能エリアを有する中継局及び系列局の内、最も受信可となる可能性が高い放送局を選局対象として決定する。具体的には、選局制御部118は、現在位置と、受信可能エリアの重心位置との間の距離が最も短いもの、又は、現在位置と、受信可能エリアの境界からの距離が最も短いものを最も受信可となる可能性が高い放送局としてもよい。また、選局制御部118は、例えば、エリアマップ格納部129に、自動選局で切り替えた放送局(切り替えに成功した放送局)の履歴を保持しておき、切り替え回数の多い放送局、又は、直近に切り替えた放送局を最も受信可となる可能性が高い放送局としてもよい。さらに、選局制御部118は、過去にチャンネルスキャンを実施したときの信号の受信強度が最も高い放送局、又は、放送信号に含まれている情報に記載されている送信電力の最も高い放送局を最も受信可となる可能性が高い放送局としてもよい。
【0040】
次に、選局制御部118は、ステップS16で決定された放送局への選局を行う(S17)。そして、選局制御部118は、選局対象である放送局の放送信号が受信可能か否かを確認する(S18)。選局制御部118は、受信可能である場合(S18:Yes)には、フローを終了する。この場合には、ユーザは、選局された放送局の番組を視聴することができる。一方、選局制御部118は、受信不可である場合(S18:No)には、ステップS19に処理を進める。
【0041】
ステップS19では、選局制御部118は、現在位置が含まれる受信可能エリアを有する中継局及び系列局の全てに対して、選局を行ったか否かを判断する。そして、選局制御部118は、その全ての中継局及び系列局に対して選局を行った場合(S19:Yes)には、ステップS20に処理を進める。一方、選局制御部118は、その全ての中継局及び系列局に対して選局を行っていない場合(S19:No)、言い換えると、現在位置が含まれる受信可能エリアを有する中継局及び系列局の中に、選局されていない放送局が含まれている場合には、ステップS16に処理を進める。ステップS16では、選局されていない放送局から、選局対象となる放送局が決定される。
【0042】
ステップS20では、選局制御部118は、現在位置で視聴可能な中継局又は系列局を検出するために、チャンネルサーチを実行する。ここで、ステップS20では、選局制御部118は、物理チャンネルを順次選局して、中継局又は系列局を検出するが、例えば、ステップS17で既に選局された物理チャンネルについては、チャンネルサーチの対象から除外してもよい。
【0043】
なお、ステップS20のチャンネルサーチでは、選局制御部118は、現在位置で視聴可能な中継局又は系列局が検出されるまでサーチを継続する。しかしながら、全ての物理チャンネルのサーチを行っても中継局又は系列局が検出できなかった場合には、選局制御部118は、再び初めからチャンネルサーチを開始してもよく、ユーザに対して放送局が見つからなかったことを提示した上で代替放送局、例えば、最小物理チャンネルで放送されている別サービスの選局を行ってもよく、また、直前まで視聴していた放送局を再度選局してもよい。さらには、選局制御部118は、代替放送局への選局も行わず、チャンネルサーチも終了した上で、ユーザからの操作待ちを行ってもよい。
【0044】
また、ステップS20のチャンネルサーチを実施する順序は、物理チャンネルの小さい順又は大きい順であればよい。なお、選局制御部118は、ステップS13にて取得された全ての中継局及び系列局を優先的にサーチするように順序を変更してもよい。さらには、この中継局及び系列局の選局順序についても、選局制御部118は、優先度をつけてサーチを行ってもよい。この優先度付けについては、例えば、受信可能エリアの最も近い頂点と現在位置との距離が短いものの順、受信可能エリアの最も近い辺と現在位置との距離が短いものの順、受信可能エリアの重心と現在位置との距離が最も短いものの順というように、現在位置と中継局及び系列局の受信可能エリアとの位置関係を用いてもよいし、また他の手段を用いてもよい。
【0045】
図6は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100における、受信状態が悪化したときの自動選局の処理の流れを示すフローチャートである。図6のフローは、選局制御部118が、第1受信部111、第1デマルチプレクス部113及びデコード部114からの通知により、受信状態が悪化したと判断した場合に開始される。
【0046】
まず、選局制御部118は、現在位置を示す現在位置情報を現在位置検出部127から取得する(S30)。
次に、選局制御部118は、エリアマップ格納部129に記憶されている放送エリアマップ情報140から、受信状態が悪化したと判断された放送局の中継局及び系列局の受信可能エリア情報を取得する(S31)。そして、選局制御部118は、処理をステップS14に進める。
【0047】
図6のステップS14〜S20の処理は、図5のステップS14〜S20の処理と同様である。これにより、選局制御部118は、現在位置において、代わりに受信可能である中継局又は系列局を検出して、受信を継続できるようになる。
【0048】
なお、この受信状態が悪化したときの自動選局の処理は、現在視聴対象の放送局の放送信号の受信状態が悪化したときに実行されているが、このような例に限定されるものではない。例えば、視聴対象の放送局に対応する受信可能エリアと現在位置の関係から、現在位置が受信可能エリアの境界付近であり、かつ、現在位置の履歴から移動方向が受信可能エリアの外側に向かっていることを検出した場合には、選局制御部118は、まもなく現在視聴中の放送局が受信不可になると推定して、中継局及び系列局の情報をエリアマップ格納部129から取得し自動選局を行うようにしてもよい。
【0049】
図7は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100における、現在位置と受信可能エリアとの位置関係の一例を示す図である。図7では、図5及び図6のステップS15で現在位置が受信可能エリアに含まれるか否かを判断するための処理について説明する。
【0050】
まず、選局制御部118は、デジタル放送受信装置100の現在位置C0と、受信可能エリアを構成する各頂点P10〜P14との間のなす角θ01、θ12、θ23、θ34、θ40をそれぞれ求める。例えば、選局制御部118は、デジタル放送受信装置100の現在位置が位置C0である場合、まず位置C0から受信可能エリアの各頂点P10〜P14に向かって延ばした5つのベクトルを定義する。次に、選局制御部118は、それらのベクトルの内、例えば、現在位置C0と頂点P10とを結んだベクトルと、現在位置C0と頂点P11とを結んだベクトルとの内積及び外積を求め、それらの値から、正接、正弦及び余弦のいずれかを求めることで、各々のなす角、例えば、頂点P10と、現在位置C0と、頂点P11とのなす角θ01の値を求める。同様にして、選局制御部118は、角度θ12、θ23、θ34、θ40を算出する。そして、選局制御部118は、このようにして求めた角度θ01、θ12、θ23、θ34、θ40を全て足しあわせて、その演算結果が360度となるか否かで現在位置C0が受信可能エリアの内部であるか否かを判断する。
【0051】
より具体的には、選局制御部118は、例えば、現在位置C0と頂点P10とを結んだベクトルと、現在位置C0と頂点P11とを結んだベクトルについて、下記の(1)式により、内積の値IV11及び外積の値CV11を算出する。
【数1】
【数2】
さらに、選局制御部118は、下記の(3)式により、正接TAN11を求める。
【数3】
また、選局制御部118は、現在位置C0から頂点P10までの長さL010、及び、現在位置C0から頂点P11までの長さL011を計算する。そして、選局制御部118は、下記の(4)式により、正弦SIN11と、下記の(5)式により、余弦COS11とを算出することができる。
【数4】
【数5】
【0052】
選局制御部118は、以上のようにして求められた正接TAN11、正弦SIN11及び余弦COS11の何れかに対して逆関数を用いることで0度〜360度の範囲にある角度を2つ求めることができる。そして、選局制御部118は、内積IV11及び外積CV11の符号によって、角度の範囲が0度〜90度(どちらも正)、90度〜180度(外積が負)、180度〜270度(いずれも負)、270度〜360度(内積が負)の範囲の中のどこに含まれるかを決定できるため、求められた2つの角度から1つの角度に絞り込むことができる。また、選局制御部118は、正接TAN11、正弦SIN11及び余弦COS11の内、少なくとも何れか2つに対して逆関数を用いることで、0度〜360度の範囲にある角度を2つずつ求め、重複する1つの角度を絞り込んでもよい。このようにして絞り込まれた角度が、なす角θ01となる。その他のなす角も同様に算出することができる。このようにして、頂点P10、P11、P12、P13、P14と現在位置C0との間のなす角θ01、θ12、θ23、θ34、θ40をそれぞれ求め、全てを足しあわせたうえで、その演算結果が360度となるか否かで、現在位置が受信可能エリア内であるか否かを判断することができる。
【0053】
なお、図7に示されているように、現在位置C0と、頂点P10、P11、P12、P13、P14との間の線分が、受信可能エリア情報に格納されている各頂点の位置情報の順序に従って、一方向(時計回り)に配置されている場合には、なす角をそれぞれ加算すればよい。一方、図8に示されているように、現在位置C1と頂点P12との間の線分が、現在位置C1と頂点P11との間の線分よりも、反時計回りの方向に配置されている場合、選局制御部118は、これらの間のなす角θ112をマイナスの値として、他のなす角と加算する。そして、選局制御部118は、その演算結果が360度となるか否かを判断する。
【0054】
図9は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100における、チャンネルスキャンによる受信可能エリア情報の作成の処理の流れを示すフローチャートである。チャンネルスキャン制御部125は、第1受信部111による番組視聴用の選局と独立及び並行して、チャンネルスキャンを実行するよう、第2受信部121及び第2デマルチプレクス部123を制御する。ここでは、このチャンネルスキャンの過程で見つかった放送局に基づいて、受信可能エリア情報を更新する処理について説明を行う。図9のフローは、チャンネルスキャンにて受信可能な放送局が見つかった場合に開始される。
【0055】
まず、選局制御部118は、現在位置検出部127から現在位置を取得する(S40)。次に、選局制御部118は、第2信号強度検出部122から信号の受信強度を取得し、その信号の受信強度に応じて距離の閾値δを決定する(S41)。この閾値δの値は、受信強度を数段階に分類して、その分類ごとに特定の値が決定されていてもよく、そのほかの方法で決定してもよい。なお、閾値δの値は、信号の受信強度が強いほど大きな値(長い距離を示す値)となるようにすることが望ましい。
【0056】
次に、選局制御部118は、チャンネルスキャンにて見つかった放送局に対応する受信可能エリア情報をエリアマップ格納部129から取得する(S42)。選局制御部118は、対応する受信可能エリア情報が見つかったかどうかを判断する(S43)。そして、対応する受信可能エリア情報が見つかった場合(S43:Yes)には、選局制御部118は、ステップS44に処理を進め、対応する受信可能エリア情報が見つからなかった場合(S43:No)には、ステップS49に処理を進める。
【0057】
ステップS44では、選局制御部118は、ステップS40で取得された現在位置が、ステップS42で取得された受信可能エリア情報で示される受信可能エリア内であるかを判断する。そして、選局制御部118は、現在位置が受信可能エリア内である場合(S44:Yes)には、ステップS53に処理を進め、現在位置が受信可能エリア内ではない場合(S44:No)には、ステップS45に処理を進める。
【0058】
ステップS45では、エリアマップ生成部128は、ステップS42で取得された受信可能エリア情報に含まれている位置情報で示される位置である頂点の内、現在位置からの距離がステップS41で決定された閾値δで示される距離以下の頂点を検出する(S45)。例えば、エリアマップ生成部128は、現在位置を中心とする半径δの円の内部に含まれる頂点を検出すればよい。そして、エリアマップ生成部128は、このような頂点が2点以上存在するかどうかを判定する(S46)。そして、エリアマップ生成部128は、このような頂点が2点以上存在する場合(S46:Yes)には、ステップS47に処理を進め、このような頂点が2点未満である場合(S46:No)には、ステップS48に処理を進める。
【0059】
ステップS47では、エリアマップ生成部128は、ステップS40で検出された現在位置を示す位置情報を受信可能エリア情報に追加する。例えば、まず、エリアマップ生成部128は、ステップS45で検出された頂点を、連結点(連結位置)とする。次に、エリアマップ生成部128は、現在位置と、連結点とを結んだ線分を新規辺とする。そして、エリアマップ生成部128は、この新規辺と、既存の受信可能エリア情報に含まれている頂点で形成される辺の内、連結点間に含まれる辺と、により構成される多角形を既存の受信可能エリアに結合することで、新規の受信可能エリアを生成する。この際、この新規の受信可能エリアの内部に含まれてしまう既存の頂点が存在する場合は、エリアマップ生成部128は、受信可能エリア情報からこのような頂点の位置情報を削除する。なお、エリアマップ生成部128は、この多角形においても、一方向、実施の形態1では、時計回りに各頂点の順序を定めておき、受信可能エリア情報に、現在位置を追加する際には、この多角形で定めた順序が維持されるように、現在位置の位置情報を受信可エリア情報に追加する。そして、エリアマップ生成部128は、処理をステップS53に進める。
【0060】
ステップS46において、現在位置からの距離がステップS41で決定された閾値δで示される距離以下の頂点が2点未満である場合(S46:No)には、エリアマップ生成部128は、ステップS48に処理を進める。
ステップS48では、エリアマップ生成部128は、ステップS40で取得された現在位置が、既存の受信可能エリアと連結することのできない飛び地となっている受信可能エリアに含まれているものとみなして、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応させて、この現在位置を示す位置情報を未連結リスト情報141の未連結点リスト欄141dに格納する。そして、エリアマップ生成部128は、ステップS49に処理を進める。
【0061】
ステップS49では、エリアマップ生成部128は、未連結リスト情報141において、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応付けられて、未連結点リスト欄141dに2点以上の未連結点(現在位置を除く)が格納されているかどうかを確認する。そして、エリアマップ生成部128は、格納されている未連結点が2点以上の場合(S49:Yes)には、処理をステップS50に進め、格納されている未連結点が2点未満の場合(S49:No)には、処理をステップS53に進める。
【0062】
ステップS50では、エリアマップ生成部128は、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応付けられて未連結点リスト欄141dに格納されている未連結点の内、現在位置からの距離がステップS41で決定された閾値δで示される距離以下の未連結点(現在位置を除く)を検出する。そして、エリアマップ生成部128は、このような未連結点が2点以上存在するかどうかを判定する(S51)。そして、エリアマップ生成部128は、このような未連結点が2点以上存在する場合(S51:Yes)には、ステップS52に処理を進め、このような頂点が2点未満である場合(S51:No)には、ステップS53に処理を進める。
【0063】
ステップS52では、エリアマップ生成部128は、ステップS51で検出された2点以上の未連結点と、ステップS40で取得された現在位置とで新たな受信可能エリアを生成する。言い換えると、エリアマップ生成部128は、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応付けて、放送エリアマップ情報140に、これらの未連結点と現在位置とを示す位置情報を格納する。また、エリアマップ生成部128は、これらの未連結点と現在位置とを示す位置情報を、未連結リスト情報141から削除する。なお、エリアマップ生成部128は、新たに生成された受信可能エリアが既存の受信可能エリアと接する又は重複する場合には、新たに生成された受信可能エリアを既存の受信可能エリアに結合させてもよい。この場合、例えば、新たに生成された受信可能エリアの頂点が、既存の受信可能エリアの辺上又は内部に位置するときに、新たに生成された受信可能エリアを既存の受信可能エリアに結合させることが望ましい。
【0064】
ステップS53では、エリアマップ生成部128は、エリアマップ格納部129に格納されている放送エリアマップ情報140を、チャンネルスキャンで検出された最新の情報に更新する。例えば、エリアマップ生成部128は、チャンネルスキャンで新たに系列局又は中継局が発見された場合には、これらの物理チャンネルを放送エリアマップ情報140に追加する。また、エリアマップ生成部128は、放送エリアマップ情報140に、図2に示されている以外の情報が含まれている場合にも、そのような情報をチャンネルスキャンで検出された最新の情報に更新する。
【0065】
図10(A)及び(B)は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100において、現在位置を受信可能エリア情報に追加する処理を説明する第1の概略図である。図11(A)及び(B)は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100において、現在位置を受信可能エリア情報に追加する処理を説明する第2の概略図である。図12は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100において、現在位置を受信可能エリア情報に追加する処理を説明する第3の概略図である。図10図12を用いて、図9のステップS47での処理を具体的に説明する。
【0066】
まず、図10(A)及び(B)を用いて説明する。受信可能エリア情報に、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5が、この順番で格納されているものとする。そして、図10(A)に示されているように、現在位置が位置C2であり、この現在位置C2で受信された信号の受信強度によって決定された距離の閾値が値δであったとする。このような場合、図示されているように、現在位置C2からの距離が閾値δ以下である既存の頂点として、頂点P1及び頂点P2が検出される。
そして、エリアマップ生成部128は、現在位置C2と頂点P1との間の線分、現在位置C2と頂点P2との間の線分、及び、頂点P1と頂点P2との間の線分から構成される三角形(図10(B)のハッチングされた領域)を既存の受信可能エリアに結合する多角形と判断する。エリアマップ生成部128は、この多角形においても、既存の受信可能エリア情報と同じ方向、ここでは、時計回りとなるように、頂点を特定する。ここでは、例えば、頂点の順番が、頂点P1、現在位置C2及び頂点P2として特定されるものとする。そして、エリアマップ生成部128は、結合する多角形において特定した順番が維持されるように、現在位置C2を受信可能エリア情報に追加する。例えば、ここでは、現在位置C2が、頂点P1、現在位置C2、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5の順番となるように、受信可能エリア情報に追加される。
【0067】
次に、図11(A)及び(B)を用いて説明する。受信可能エリア情報に、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5が、この順番で格納されているものとする。そして、図11(A)に示されているように、現在位置が位置C3であり、この現在位置C3で受信された信号の受信強度によって決定された距離の閾値が値δであったとする。このような場合、図示されているように、現在位置C3からの距離が閾値δよりも小さくなる既存の頂点として、頂点P1、頂点P2及び頂点P3が検出される。
そして、エリアマップ生成部128は、現在位置C3と頂点P1との間の線分、現在位置C3と頂点P2との間の線分、現在位置C3と頂点P3との間の線分、頂点P1と頂点P2との間の線分及び頂点P2と頂点P3との間の線分の何れかから構成される多角形を既存の受信可能エリアに結合する多角形と判断する。ここで、例えば、現在位置C3と頂点P1との間の線分、現在位置C3と頂点P2との間の線分及び現在位置C3と頂点P3との間の線分の内、これらの間のなす角をそれぞれ算出し、最大となる線分同士を、多角形の新規辺とする。これにより、現在位置C3と頂点P1との間の線分、現在位置C3と頂点P3との間の線分、頂点P1と頂点P2との間の線分及び頂点P2と頂点P3との間の線分で構成される多角形(図11(B)のハッチングされた領域)が、既存の受信可能エリアに結合する多角形と判断される。エリアマップ生成部128は、この多角形においても、既存の受信可能エリア情報と同じ方向、ここでは、時計回りとなるように、頂点を特定する。ここでは、例えば、頂点の順番が、頂点P1、現在位置C3、頂点P3及び頂点P2として特定されるものとする。そして、エリアマップ生成部128は、結合する多角形において特定した順番が維持されるように、現在位置C3を受信可能エリア情報に追加する。この際、頂点P2については、新規の受信可能エリアの内部に含まれるため削除される。このため、ここでは、現在位置C3が、頂点P1、現在位置C3、頂点P3、頂点P4及び頂点P5の順番となるように、受信可能エリア情報に追加される。
【0068】
なお、ここでは既存の受信可能エリアの中で頂点P1と頂点P3とにより構成される線分として、頂点P1と頂点P2との間の線分及び頂点P2と頂点P3との間の線分が抽出されたが、このような例に限定されるものではない。例えば、頂点P3と頂点P4との間の線分、頂点P4と頂点P5との間の線分及び頂点P5と頂点P1との間の線分が抽出されてもよい。このような場合でも、新規の受信可能エリアは、頂点P1、現在位置C3、頂点P3、頂点P4及び頂点P5となり、既存の受信可能エリア、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5を内包することになるので、結局、新規に追加される図形の形状としては図10(B)に示されているハッチングされた領域となる。このため、このように抽出しても、最終的に導出される新規の受信可能エリアは、変わらないことになる。
【0069】
また、ここでは新規辺を選ぶ際に、線分のなす角が最大になるものが選ばれているが、抽出方法はこれに限るものではなく、例えば、新規に追加される多角形の面積が最大になるものが選ばれてもよく、その他の方法で選ばれてもよい。
【0070】
次に、図12を用いて説明する。受信可能エリア情報に、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5が、この順番で格納されているものとする。そして、図12に示されているように、現在位置が位置C4であり、この現在位置C4で受信された信号の受信強度によって決定された距離の閾値が値δであったとする。このような場合、図示されているように、現在位置C4からの距離が閾値δよりも小さくなる既存の頂点として、頂点P2及び頂点P3が検出される。
図12に示されているように、現在位置C4と頂点P2との間の線分、現在位置C4と頂点P3との間の線分及び頂点P2と頂点P3との間の線分により構成される多角形は、既存の受信可能エリアの一部を含んでいる。このような場合には、エリアマップ生成部128は、このような多角形を既存の受信可能エリアに結合させずに、新たな受信可能エリアとして、既存の受信可能エリアとは別に、放送エリアマップ情報140に格納する。
言い換えると、実施の形態1では、図10及び図11に示されているように、新たに特定された多角形が、既存の受信可能エリアと接するような場合には、エリアマップ生成部128は、このような多角形を既存の受信可能エリアに結合する。一方、図12に示されているように、新たに特定された多角形が、既存の受信可能エリアの一部を含んでいるような場合には、エリアマップ生成部128は、このような多角形を、既存の受信可能エリアとは結合せずに、新たな受信可能エリアとする。
【0071】
以上に説明したように、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、受信可能エリア外に、新しく受信可能な位置が見つかったときに、そのときの信号の受信強度に基づいて距離の閾値を決定し、その閾値内に既存の受信可能エリアの頂点が複数存在するときにのみ、この新しい地点を既存の受信可能エリアに結合できるようにしている。このため、受信可能エリアを拡大する際には、信号の受信強度の強いエリアについては大きな単位で受信可能エリアが拡大され、信号の受信強度の弱いエリアについて小さな単位で受信可能エリアが拡大される。その結果、信号の受信強度の弱いエリアについては少しずつ受信可能エリアが更新されていく、言い換えると、信号の受信強度の弱いエリアについてはより詳しく受信可能エリアが更新されていくことになる。特に、実際の受信可能エリアの境界付近では受信できる信号の受信強度は低くなる特徴があるため、実際の受信可能エリアの境界付近で検出された受信可能地点については、距離の閾値が最小又は最小に近い値となるため、この地点での受信可能エリアの更新についても最小又は最小に近い単位で行われる。従って、実際の受信可能エリアの境界に沿って受信可能エリアの更新ができるようになるため、受信可能エリアの境界の形状、特に実際の受信可能エリアが凹みを持つ形状であっても、このような形状をデジタル放送受信装置100内に再現することができる。
【0072】
また、このように、凹みを持つ形状として受信可能エリアを再現できるため、その凹み部分に現在位置が含まれているときに、視聴中の放送局の信号の受信状態が悪化した場合、及び、その現在位置で受信不可である放送局への選局指示を受けた場合に、余計な中継局及び系列局への選局を行わずに、チャンネルサーチが実行され、その現在位置で受信可能な放送局への選局を行うことが可能となる。さらに、このような現在位置において、全チャンネルを対象としたチャンネルサーチがより早く開始されるため、その結果番組の視聴不可期間を短くすることができる。
【0073】
以上に記載した実施の形態1における効果を図13及び図14を用いて説明する。
図13は、従来の技術において、受信可能エリアに含まれていない新しい受信可能な位置が検出された場合に、既存の受信可能エリアと新規の位置の全てを含む最大の多角形にするように受信可能エリアを拡大する処理の一例を示す概略図である。
図13では、Lの字型のエリアAR1(破線にて囲まれたエリア)の中において、ある放送局の放送信号を実際に受信できるものとする。そして、従来のデジタル放送受信装置は、頂点P1〜頂点P5で表現された多角形AR2を、予め受信可能エリアとして記憶しているものとする。そして、このデジタル放送受信装置が、地点RP6、地点RP7及び地点RP8の順に移動しながらチャンネルスキャンを実施した場合、その結果によって、受信可能エリアAR2は、エリアAR3、エリアAR4及びエリアAR5がこの順に結合されて、拡大される。そして、地点RP8に到達した時点で、受信可能エリアは、図13のクロスハッチングが施されたエリアAR6が結合された形状となる。このとき、このエリアAR6は、実際に受信可能なエリアAR1から外れているにもかかわらず、デジタル放送受信装置では、受信可能なエリアとして認識されてしまう。
【0074】
一方、図14は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100において、受信可能エリアを拡大する処理の一例を示す概略図である。
図14では、図13と同様の状況で、デジタル放送受信装置100が、地点RP6、地点RP7及び地点RP8の順に移動しながらチャンネルスキャンを実施した場合、その結果によって、受信可能エリアAR2は、エリアAR7、エリアAR8及びエリアAR9がこの順に結合されて、拡大される。そして、地点RP8に到達した時点でも、受信可能エリアは、実際に受信可能なエリアAR1から外れているエリアを含まない。そのため、デジタル放送受信装置100が、実際に受信可能なエリアAR1から外れた凹み部分を通過する場合、例えば、地点RP8から地点RP9に移動した後に、地点P10に向かって移動した場合であっても、図13に示されているエリアAR6に基づく中継局及び系列局の選局を行わずに、受信状態が悪化した時点で即座にチャンネルサーチが実行されるため、より早く受信可能な放送局を選局することができる。
【0075】
実施の形態2.
図1に示すように、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、第1アンテナ110と、第1受信部111と、第1信号強度検出部112と、第1デマルチプレクス部113と、デコード部114と、映像出力部115と、音声出力部116と、操作入力部117と、選局制御部118とを備えている。また、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、第2アンテナ120と、第2受信部121と、第2信号強度検出部122と、第2デマルチプレクス部123と、受信モード切替部124と、チャンネルスキャン制御部125と、第3アンテナ126と、現在位置検出部127と、エリアマップ生成部228と、エリアマップ格納部129とを備えている。実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、エリアマップ生成部228での処理において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
【0076】
実施の形態2におけるエリアマップ生成部228は、実施の形態1におけるエリアマップ生成部128とほぼ同様の処理を行うが、現在位置を受信可能エリアに追加する際の処理が異なり、また、受信可能エリアに凹みがある場合には、このような凹みを解消するように受信可能エリアを分割する処理をさらに行う点で異なっている。
【0077】
図15は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200における、チャンネルスキャンによる受信可能エリア情報の作成の処理の流れを示すフローチャートである。図15において、図9と同様の処理を行っているステップには、図9と同じ符号が付されている。図15において、図9と同様に、チャンネルスキャン制御部125は、第1受信部111による番組視聴用の選局と独立及び並行して、チャンネルスキャンを実行するよう、第2受信部121及び第2デマルチプレクス部123を制御する。図15のフローは、チャンネルスキャンにて受信可能な放送局が見つかった場合に開始される。
【0078】
図15のステップS40からS44までの処理は、図9のステップS40からS44までの処理と同様である。但し、選局制御部118は、ステップS44において、現在位置が受信可能エリア内ではない場合(S44:No)には、ステップS60に処理を進める。
【0079】
ステップS60では、エリアマップ生成部228は、その受信可能エリアを示す頂点の内、現在位置からの距離がステップS41で決定された距離の閾値δ以下である頂点を検出するとともに、現在位置からの距離がステップS41で決定された距離の閾値δである、既存の受信可能エリアの辺上の点を検出する。ここで、エリアマップ生成部228は、このステップS60の処理として、例えば現在位置を中心とする半径δの円の内部に含まれる頂点と、この円と受信可能エリアの辺との交点とを検出すればよい。そして、エリアマップ生成部228は、このような点が2点以上存在するかどうかを判定する(S61)。そして、エリアマップ生成部228は、このような点が2点以上存在する場合(S61:Yes)には、処理をステップS62に進め、このような点が2点未満である場合(S61:No)には、処理をステップS48に進める。
【0080】
ステップS62では、エリアマップ生成部228は、ステップS40で検出された現在位置を示す位置情報を受信可能エリア情報に追加する。例えば、エリアマップ生成部228は、現在位置からの距離が閾値δ以下である頂点及び現在位置からの距離が閾値δの受信可能エリアの辺上の点から2点を結合点(結合位置)として選択する。また、エリアマップ生成部228は、現在位置と選択された結合点との間の線分と、選択された結合点間の線分とにより構成される多角形を特定する。そして、エリアマップ生成部228は、特定された多角形を既存の受信可能エリアに結合することで、新たな受信可能エリアを生成する。ここで、エリアマップ生成部228は、新たな受信可能エリアの内部に含まれてしまう頂点については、受信可能エリア情報から削除する。
【0081】
次に、エリアマップ生成部228は、ステップS62で新たに生成された受信可能エリアに凹みの部分が存在するか否かを判断する(S63)。例えば、エリアマップ生成部228は、特定された多角形を形成する頂点を中心とする2つの辺の間の角度の内、受信可能エリアの外側の角度が、180度よりも小さい場合、言い換えると、特定された多角形を形成する頂点とその1つ前の頂点との間の辺から、特定された多角形を形成する頂点とその次の頂点との間の辺までの間において時計回りに計測された角度が、180度よりも小さい場合には、このような頂点において凹みが生じたものと判断することができる。
また、例えば、エリアマップ生成部228は、特定された多角形を既存の受信可能エリアの辺上の点を用いて結合した場合には、このような点において、凹みが生じたものと判断することができる。さらに、エリアマップ生成部228は、追加された現在位置と結合点との間の線分の延長線が、受信可能エリアの辺と交点を有する場合には、このような結合点において凹みが生じたものと判断することができる。
そして、エリアマップ生成部228は、新たに生成された受信可能エリアに凹みの部分が存在する場合(S63:Yes)には、ステップS64に処理を進め、新たに生成された受信可能エリアに凹みの部分が存在しない場合(S63:No)には、ステップS53に処理を進める。
【0082】
ステップS64では、エリアマップ生成部228は、凹みの部分が解消されるように、ステップS62で新たに生成された受信可能エリアを分割し、分割後の受信可能エリアを含むように、放送エリアマップ情報140を更新する。そして、エリアマップ生成部228は、ステップS53に処理を進める。
【0083】
また、エリアマップ生成部228は、ステップS61において、現在位置からの距離がステップS41で決定された距離の閾値δ以下である点が2点未満であると判断した場合(S61:No)には、ステップS48に処理を進める。ここで、図15におけるステップS48及びS49の処理は、図9におけるステップS48及びS49と同様の処理である。但し、エリアマップ生成部228は、ステップS49で、未連結リスト情報141において、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応付けられて、未連結点リスト欄141dに2点以上の未連結点(現在位置を除く)が格納されていると判断した場合(S49:Yes)には、ステップS65に処理を進める。
【0084】
ステップS65では、エリアマップ生成部228は、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応付けられて未連結点リスト欄141dに格納されている未連結点の内、現在位置からの距離がステップS41で決定された閾値δで示される距離以下の未連結点(現在位置を除く)と、これらの未連結点間の線分上の点のうち、現在位置からの距離がステップS41で決定された閾値δで示される距離となっている点とを検出する。そして、エリアマップ生成部228は、このような点(未連結点及び辺上の点)が2点以上存在するかどうかを判定する(S66)。そして、エリアマップ生成部228は、このような点が2点以上存在する場合(S66:Yes)には、ステップS67に処理を進め、このような点が2点未満である場合(S66:No)には、ステップS53に処理を進める。
【0085】
ステップS67では、エリアマップ生成部228は、ステップS65で検出された2点以上の点と、ステップS40で取得された現在位置とで新たな受信可能エリアを生成する。言い換えると、エリアマップ生成部228は、チャンネルスキャンで検出された放送局に対応付けて、放送エリアマップ情報140に、これらの点と現在位置とを示す位置情報を格納する。また、エリアマップ生成部228は、これらの未連結点と現在位置とを示す位置情報を、未連結リスト情報141から削除する。なお、エリアマップ生成部228は、新たに生成された受信可能エリアが既存の受信可能エリアと接する又は重複する場合には、新たに生成された受信可能エリアを既存の受信可能エリアに結合させてもよい。この場合、例えば、新たに生成された受信可能エリアの頂点が、既存の受信可能エリアの辺上又は内部に存在するときに、新たに生成された受信可能エリアを既存の受信可能エリアに結合させることが望ましい。そして、エリアマップ生成部228は、ステップS63に処理を進める。
【0086】
図15におけるステップS53の処理は、図9におけるステップS53の処理と同様である。
【0087】
図16(A)〜(C)は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200における、受信可能エリアの更新の第1の例を示す概略図である。図17(A)〜(C)は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200における、受信可能エリアの更新の第2の例を示す図である。図15のステップS64での処理について、図16及び図17を用いて具体的に説明する。
【0088】
まず、図16(A)では、受信可能エリアの既存の頂点リストとして、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5が、この順番で受信可能エリア欄140dに格納されているものとする。また、現在位置が位置C5であり、この現在位置C5で受信された信号の受信強度によって決定された距離の閾値が値δであるものとする。
図16(A)に示された例だと、現在位置C5からの距離が、この閾値δよりも小さくなる既存の頂点は存在しない。そこで、既存の受信可能エリアを構成する辺上の点の内、現在位置C5からの距離がこの閾値δである点P6及び点P7を検出する。これらの点は、現在位置C5を中心とする半径δの円と受信可能エリアの境界との交点である。
そして、図16(B)に示されているように、既存の受信可能エリアに結合する多角形は、点P6、点P7及び現在位置C5から構成される三角形(図16(B)においてハッチングされている領域)である。この結合の結果、新たな受信可能エリアの頂点は、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P7、現在位置C5、頂点P6、頂点P4及び頂点P5となる。
【0089】
このとき、新たに追加された頂点P6及び頂点P7において凹みが発生しているため、言い換えると、頂点P6及び頂点P7は、受信可能エリアの内側に向かって凸となっているため、受信可能エリアは、この頂点P6及び頂点P7を結ぶ線分で分割される。そのため、図16(C)に示されているように、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5という頂点リストを持つ受信可能エリアと、頂点P7、現在位置C5及び頂点P6という頂点リストを持つ受信可能エリアとが、放送エリアマップ情報140に格納される。
【0090】
また、図17(A)では、受信可能エリアの既存の頂点リストとして、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P5が、この順番で受信可能エリア欄140dに格納されているものとする。また、現在位置がC6であり、この現在位置C6で受信された信号の受信強度によって決定された距離の閾値が値δであるものとする。
図17(A)に示された例だと、現在位置C6からの距離が、この閾値δよりも小さくなる既存の頂点として、頂点P4及び頂点P5が検出される。また、既存の受信可能エリアを構成する辺上の点の内、現在位置C6からの距離がこの閾値δである点P8及び点P9が検出される。
そして、図17(B)に示されているように、これらの点(P4、P5、P8及びP9)と、現在位置C6とを結んだ線分から二つの線分を決定し、その2つの線分と既存の受信可能エリアの辺の一部からなる多角形(図17(B)においてハッチングされている領域)が、新たに結合される受信可能エリアと判断される。実施の形態2においても、この2つの線分は、実施の形態1と同様の手順で決定される。例えば、2つの線分の間の角度の大きさが最大になるように、2つの線分が決定される。この結果、頂点リストには点P9及び現在位置C3が新規頂点として追加され、また、頂点P5は、新たな受信可能エリアの内部に含まれてしまうため、頂点リストから除外される。そして、新たな受信可能エリアの頂点は、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4、現在位置C6及び頂点P9となる。
【0091】
このとき、新たに追加された頂点P9において、凹みが発生しているため、受信可能エリアは、この頂点P9から残りの頂点までのばした線分の一つ、例えば、頂点P9と頂点P4との対角線で分割される。そのため、図17(C)に示されているように、頂点P1、頂点P2、頂点P3、頂点P4及び頂点P9という頂点リストを持つ受信可能エリアと、頂点P4、現在位置C3及び頂点P9という頂点リストを持つ受信可能エリアとが、放送エリアマップ情報140に格納される。
なお、凹みを解消するための分割は、以上のような例に限定されない。例えば、頂点P1及び点P9を結ぶ線分を延長して、現在位置C6及び頂点P4を結ぶ線分との交点を求め、この交点と、現在位置C6と、点P9とにより形成される多角形が分割されてもよい。また、現在位置C6及び点P9を結ぶ線分を延長して、頂点P1及び頂点P2を結ぶ線分との交点を求め、この交点と、頂点P9と、頂点P1とにより形成される多角形が分割されてもよい。
【0092】
このように、一度結合を行った受信可能エリアについて、その凹み形状の有無を確認し、凹みがあった場合は、それを解消するように受信可能エリアが分割されるため、エリアマップ格納部129に記憶される受信可能エリアは全て凸形状の図形で表せる。その結果、この凸形状の中に現在位置が含まれているか否かを確認するための処理として、現在位置から各頂点へのベクトルと、各頂点間のベクトルとの間の外積の符号を確認する処理を行うだけでよくなる。例えば、受信可能エリアの頂点リストの順序が、頂点P1、頂点P2及び頂点P3というような順序の場合は、現在位置Cと頂点P1とを結んだベクトル、及び、頂点P1と頂点P2とを結んだベクトルの外積の符号、並びに、現在位置Cと頂点P2とを結んだベクトル、及び、頂点P2と頂点P3とを結んだベクトルの外積の符号を求めて、全てが同じ符号であればその受信可能エリアの内部であると判断することができる。このため、実施の形態2では、実施の形態1のように現在位置から各頂点まで結んだ線分間のなす角を求めるような複雑な演算を行う必要がなくなる。
【0093】
また、実施の形態2においては、例えば、受信可能エリアの各辺についてその一次方程式を求め、現在位置が受信可能エリアの内部であるか否かを一次不等式の演算を行うことで判断できるようになる。このため、実施の形態2は、実施の形態1よりも演算負荷が軽くなる。
【0094】
以上に説明したように、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200によれば、新たに放送信号を受信できる位置が検出されたときに、その受信可能となった位置を含む多角形を、既存の受信可能エリアの辺の一部に結合することが可能になる。その結果、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、受信可能エリアの形状を実際のものにより近い形状、特に、辺の一部が尖っているような形状をより正確に記録することが可能になる。
【0095】
また、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、受信可能エリアの拡張処理の結果、受信可能エリアに凹みができてしまった場合に、凹みのない複数の形状に受信可能エリアを分割する。このため、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、逆三角関数を用いた角度の計算のような複雑な計算を行わずに、線形演算を行うだけで現在位置が受信可能エリアの内部であるか否かを判断できるようになる。その結果、番組の視聴不可期間を短くすることができる。
【0096】
また、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、実際の受信可能エリアの境界の形状、特に辺の一部が尖りを持つ形状であっても受信可能エリアとして再現できる。このため、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、現在位置がその尖りの根本部分である場合に、視聴中の放送局の信号が受信不可になったとき、及び、受信不可である放送局への選局指示を受けて自動選局を行うときにも、余計な中継局及び系列局への選局を行わずに、その位置で受信可能な放送局への選局を行うことが可能である。さらには全物理チャンネルを対象としたチャンネルサーチをより早く開始できるため、その結果番組の視聴不可期間を短くすることが可能である。
【0097】
実施の形態3.
図1に示すように、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、第1アンテナ110と、第1受信部111と、第1信号強度検出部112と、第1デマルチプレクス部113と、デコード部114と、映像出力部115と、音声出力部116と、操作入力部117と、選局制御部318とを備えている。また、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、第2アンテナ120と、第2受信部121と、第2信号強度検出部122と、第2デマルチプレクス部123と、受信モード切替部124と、チャンネルスキャン制御部125と、第3アンテナ126と、現在位置検出部127と、エリアマップ生成部128と、エリアマップ格納部129とを備えている。実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、選局制御部318での処理において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
【0098】
実施の形態3における選局制御部318は、現在位置が受信可能エリア内にあるか否かを確認する処理において、実施の形態1における選局制御部118と異なっている。以下、具体的に説明する。
【0099】
図18は、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300における、現在位置がある受信可能エリアに含まれるか否かを確認する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図18のフローは、図5又は図6のステップS15において行われる。
【0100】
まず、選局制御部318は、現在位置Cのx座標の値Xcと、y座標の値Ycとを取得する(S70)。次に、選局制御部318は、確認対象の受信可能エリアを構成する辺の中で、値Xcをx座標とする点を辺上に持つものが2つ以上有るかどうかを確認する(S71)。例えば、選局制御部318は、各辺を表現する一次関数と、下記の(6)式で示される一次関数との交点を有する辺が2つ以上あるか否かで判断してもよいし、また、それ以外の方法で判断してもよい。
x=Xc (6)
そして、選局制御部318は、このような辺が2つ以上あることを確認した場合(S71:Yes)には、ステップS72に処理を進め、このような辺が2つ未満であることを確認した場合(S71:No)には、ステップS77に処理を進める。
【0101】
ステップS72では、選局制御部318は、値Xcをx座標とする点を有する辺の内、現在位置Cよりも上にあり、かつ、最も現在位置に近い辺L1を決定する。例えば、選局制御部318は、ステップS71で確認された、各辺と(6)式で示される直線との交点の内、y座標が値Ycよりも大きく、かつ、y座標の値が最も小さいものをもつ辺を検出すればよい。
【0102】
次に、選局制御部318は、値Xcをx座標とする点を有する辺の内、現在位置Cよりも下にあり、かつ、最も現在位置に近い辺L2を決定する(S73)。例えば、選局制御部318は、ステップS71で確認された、各辺と(6)式で示される直線との交点の内、y座標が値Ycよりも小さく、かつ、y座標の値が最も大きいものをもつ辺を検出すればよい。
【0103】
次に、選局制御部318は、ステップS72及びS73で決定された辺に対して、現在位置の位置関係を特定することで、現在位置が受信可能エリアの内側か否かを確認する(S74)。例えば、選局制御部318は、各辺に対してy軸の上方向、又は、y軸の下方向のいずれの方向が受信可能エリアの内部であるかを、各辺のベクトルとy軸の上向きのベクトルとの外積を取った上で決定しておき、その結果を基に、現在位置がステップS72及びS73で決定された辺に対して、受信可能エリアの内側か否かを確認すればよい。そして、選局制御部318は、ステップS72及びS73で決定された両方の辺に対して、現在位置が受信可能エリアの内側であることを確認した場合(S75:Yes)には、ステップS76に処理を進める。一方、選局制御部318は、ステップS72及びS73で決定された辺の何れかに対して、現在位置が受信可能エリアの外側であることを確認した場合(S75:No)には、ステップS77に処理を進める。
【0104】
ステップS76では、選局制御部318は、現在位置が確認対象の受信可能エリアの内部であると判断する。一方、ステップS77では、選局制御部318は、現在位置が確認対象の受信可能エリアの外部であると判断する。
【0105】
図18に記載したフローでの処理を、図19を用いて具体的に説明する。図19は、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300における、現在位置が受信可能エリアの内部であるか否かを確認する処理の一例を説明するための概略図である。
【0106】
図19では、受信可能エリアを表す頂点リストとして、頂点P10、頂点P11、頂点P12、頂点P13、頂点P14、頂点P15、頂点P16、頂点P17、頂点P18及び頂点P19が、この順番で受信可能エリア欄140dに格納されているものとする。そして、図19は、現在位置が位置C7及び位置C8のそれぞれであった場合について説明する。
【0107】
まず、現在位置が位置C7であった場合、選局制御部318は、現在位置C7のx座標の値Xc7の値に注目し、受信可能エリア内の各辺についてx座標が値Xc7となる点を有する辺を検出する。例えば、選局制御部318は、図19に示されている直線L1と交点を有する辺を検出する。ここでは、選局制御部318は、頂点P10と頂点P11との間の辺、頂点P12と頂点P13との間の辺、頂点P16と頂点P17との間の辺、及び、頂点P18と頂点P19との間の辺を見つける。
【0108】
次に、選局制御部318は、見つけ出した各辺に対して、直線L1上でのy軸方向において、その上下関係を求める。例えば、選局制御部318は、直線L1とそれぞれ辺との交点のy座標で、その上下関係を求める。ここでは、交点P23のy軸の値y23よりも交点P22のy軸の値y22が大きく、また、交点P22のy軸の値y22よりも交点P21のy軸の値y21が大きく、さらに、交点P21のy軸の値y21よりも交点P20のy軸の値y20が大きい。このため、選局制御部318は、頂点P12と頂点P13との間の辺よりも頂点P16と頂点P17との間の辺が大きく、頂点P16と頂点P17との間の辺よりも頂点P18と頂点P19との間の辺が大きく、頂点P18と頂点P19との間の辺よりも頂点P10と頂点P11との間の辺が大きいと判断する。
同様にして、選局制御部318は、現在位置C7と、各辺との大小関係を確認して、現在位置C7よりも上の直近の辺及び現在位置C7よりも下の直近の辺を確認する。ここでは、頂点P18と頂点P19との間の辺が、現在位置C7よりも上の直近の辺と確認され、また、頂点P16と頂点P17との間の辺が、現在位置C7よりも下の直近の辺と確認される。
【0109】
次に、選局制御部318は、この直近の辺それぞれに対して現在位置C7が受信可能エリアの内部であるかどうかを確認する。例えば、選局制御部318は、頂点P18から頂点P19へのベクトルと、頂点P18から現在位置C7へのベクトルとの外積の符号でこの確認を行ってもよい。また、頂点P18のy座標に「1」を加算した点P18#1を設定し、頂点P18から頂点P19へのベクトルと、頂点P18から点P18#1へのベクトルとの外積を予め求めることで、頂点P18と頂点P19との間の辺に対して、y軸方向の上下のどちらかが受信可能エリアの内部であるかを予め決定しておくことができるため、選局制御部318は、この結果を基に、頂点P18と頂点P19との間の辺に対して、現在位置C7が受信可能エリアの内部であるか否かを確認してもよい。例えば、ここでは頂点リストは時計回りに登録されているので、頂点P18から頂点P19へのベクトルとの外積を求めたときにその結果が負となる点が受信可能エリアの内側であると判断することができる。図19に示された例では、選局制御部318は、現在位置C7を、その上の直近の辺(P18―P19)に基づいて、受信可能エリア外であると判断できる。同様にして、選局制御部318は、現在位置C7を、その下の直近の辺(P16―P17)からみて受信可能エリア外であると判断できる。従って、現在位置C7は、直近の2辺に対していずれも受信可能エリア外であるため、選局制御部318は、この現在位置C7は確認対象の受信可能エリアの範囲外であると判断できる。
【0110】
また、図19において、現在位置が位置C8であった場合、選局制御部318は、上記と同様の処理を行い、現在位置C8よりも上の直近の辺は、頂点P10と頂点P11との間の辺であり、現在位置C8よりも下の直近の辺は、頂点P18と頂点P19との間の辺であると判断する。そして、頂点P18と頂点P19との間の辺については、上記の通りy軸方向において上側にある点が受信可能エリア内である。また、頂点P10と頂点P11との間の辺については、y軸方向において下側にある点が受信可能エリア内である。この結果から、現在位置C8は、直近の2辺に対していずれも受信可能エリア内であるため、選局制御部318は、この現在位置C8は確認対象の受信可能エリアの範囲内であると判断できる。
【0111】
図20は、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300における、現在位置がある受信可能エリアに含まれるか否かを確認する処理の流れの変形例を示すフローチャートである。図20に示されたフローは、図18に示されたフローを簡略化したものである。図20に示されたフローにおいて、図18に示されたフローと同じ処理については、同じ符号が付されている。
【0112】
図20のステップS70及びS71の処理は、図18のステップS70及びS71の処理と同様である。但し、図20のステップS71において、選局制御部318は、確認対象の受信可能エリアを構成する辺の中で、値Xcをx座標とする点を辺上に持つものが2つ以上有ると判断した場合(S71:Yes)には、ステップS80に処理を進める。
【0113】
ステップS80においては、選局制御部318は、値Xcをx座標とする点を有する辺の内、現在位置Cよりも上にある辺を全て決定する。
次に、選局制御部318は、値Xcをx座標とする点を有する辺の内、現在位置Cよりも下にある辺を全て決定する(S81)。
【0114】
次に、選局制御部318は、ステップS80で決定された辺の数及びステップS81で決定された辺の数の何れもが奇数であるか否かを判断する(S82)。そして、選局制御部318は、決定された辺の数が何れも奇数である場合(S82:Yes)には、ステップS76に処理を進め、決定された辺の数の何れかが偶数である場合(S82:No)には、ステップS77に処理を進める。なお、図20のステップS76及びS77での処理は、図18のステップS76及びS77での処理と同様である。
【0115】
図20での処理の流れについて具体的に説明する。現在位置Cよりも上又は下に2つの辺がある場合は、この現在位置Cの上又は下に、受信可能エリアの底部を示す辺と受信可能エリアの上部を示す辺との組が1つ存在していることを示す。同様に、このような辺が偶数であるならば、現在位置Cよりも上又は下に、その2つの辺の組の数だけ、受信可能エリアの底部を示す辺と上部を示す辺との組が存在していることになる。このため、現在位置Cよりも上又は下に偶数の辺がある場合には、この現在位置Cは、受信可能エリアの中に含まれないと判断することができる。
一方、もし現在位置Cが受信可能エリアの中に存在する場合は、現在位置Cの上に受信可能エリアの上部を示す辺が、現在位置Cの下に受信可能エリアの底部を示す辺がそれぞれ存在しなくてはならない。そのため、現在位置Cの上には、上記で説明した現在位置Cが含まれない受信可能エリアの偶数の辺に加えて、現在位置Cが含まれる受信可能エリアの上部を示す辺がある。また、現在位置Cの下には、現在位置が含まれない受信可能エリアの偶数の辺に加えて、現在位置Cが含まれる受信可能エリアの底部を示す辺がある。従って、現在位置Cが、ある受信可能エリアの中に含まれている場合には、現在位置Cの上及び下に奇数の辺が存在することになる。
【0116】
この図20での処理の流れについて、図19を用いて説明する。
まず、図19において、現在位置が位置C7であった場合、選局制御部318は、現在位置C7のx座標の値Xc7に基づいて、受信可能エリア内の各辺についてx座標の値が「Xc7」となる点を有する辺を検出する。例えば、選局制御部318は、各辺の両端の頂点のx座標を確認し、一方が値Xc7よりも小さく、他方が値Xc7よりも大きい辺を該当する辺として検出することができる。また、下記の(7)式で示される直線との交点を有する辺を該当する辺としてもよい。
x=Xc7 (7)
また、選局制御部318は、それ以外の方法で辺を決定してもよい。
ここでは、頂点P10と頂点P11との間の辺、頂点P12と頂点P13との間の辺、頂点P16と頂点P17との間の辺、及び、頂点P18と頂点P19との間の辺が見つけられる。
【0117】
次に、選局制御部318は、見つけられた辺に対して、それぞれが現在位置C7に対してy軸方向の上に存在しているのか、下に存在しているのかを確認する。例えば、選局制御部318は、上記の(7)式で示される直線と各辺との交点のy座標の値と、現在位置C7のy座標の値Yc7とを比較してもよい。また、選局制御部318は、各辺の両端の頂点のy座標の値を確認し、両方が値Yc7よりも大きい場合は現在位置C7よりも上、両方が値Yc7よりも小さい場合は現在位置C7よりも下として決定する。そして、選局制御部318は、その一方の値が値Yc7よりも大きく、その他方の値がYc7よりも小さい辺については、(7)式で示される直線との交点を求めて、その上下関係を調べてもよい。また、その他の方法を用いて判断してもよい。
ここでは、確認の結果、現在位置C7よりも上に存在する辺は、頂点P10と頂点P11との間の辺及び頂点P18と頂点P19との間の辺であり、また、現在位置C7よりも下に存在する辺は、頂点P12と頂点P13との間の辺及び頂点P16と頂点P17との間の辺であることを、選局制御部318は認識する。
【0118】
次に、選局制御部318は、この現在位置C7よりも上に存在する辺の数と、現在位置C7よりも下に存在する辺の数とを確認し、ここでは共に2つであるため、現在位置C7は、受信可能エリアの外部であると判断する。
【0119】
また、図19において、現在位置が位置C8であった場合、選局制御部318は、上記と同様の処理を行い、現在位置C8よりも上の辺は、頂点P10と頂点P11との間の辺であり、現在位置C8よりも下の辺は、頂点P12と頂点P13との間の辺、点P16と頂点P17との間の辺、及び、頂点P18と頂点P19との間の辺であると判断する。そして、選局制御部318は、現在位置C8よりも上に存在する辺の数は1つで、現在位置C8よりも下に存在する辺の数は3つであり、これらは共に奇数であるため、現在位置C8は受信可能エリアの内部であると判断できる。
【0120】
以上に説明したように、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300によれば、ある受信可能エリアに対して現在位置がその領域内に存在するか否かの判断をより容易に行うことができる。さらに、デジタル放送受信装置300は、自動選局の際に現在位置で受信可能な放送局の受信可能エリアの検索に要する時間を削減できるため、その結果、ユーザの番組視聴不可期間を短くすることができる。
【0121】
なお、以上での説明は、x軸の値に基づいて、処理を行う例を示したが、x軸の値の代わりにy軸の値を用いても、選局制御部318は、同様の処理により、現在位置が受信可能エリアに含まれるか否かを判断することができる。このことは自明であるため、ここでの説明は省略する。
【0122】
また、以上の説明では、実施の形態1に実施の形態3での処理を適用しているが、実施の形態2に実施の形態3での処理を適用してもよい。
【0123】
実施の形態4.
図1に示すように、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置400は、第1アンテナ110と、第1受信部111と、第1信号強度検出部112と、第1デマルチプレクス部113と、デコード部114と、映像出力部115と、音声出力部116と、操作入力部117と、選局制御部118とを備えている。また、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置400は、第2アンテナ120と、第2受信部121と、第2信号強度検出部122と、第2デマルチプレクス部123と、受信モード切替部124と、チャンネルスキャン制御部125と、第3アンテナ126と、現在位置検出部127と、エリアマップ生成部428と、エリアマップ格納部129とを備えている。実施の形態4に係るデジタル放送受信装置400は、エリアマップ生成部428での処理において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
【0124】
実施の形態4におけるエリアマップ生成部428は、実施の形態1におけるエリアマップ生成部128と同様の処理を行う他、複数の受信可能エリアのマージ処理を行う。
【0125】
図21は、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置400における、複数の受信可能エリアのマージ処理の流れを示すフローチャートである。図21のフローは、例えば、チャンネルスキャン制御部125が新たな放送局を見つけ、エリアマップ生成部428がエリアマップ格納部129に新規に情報を追加しようとしたときに、エリアマップ生成部428が、その空き領域が無くなったこと又は少なくなったことを検出した場合に、開始される。
【0126】
まず、エリアマップ生成部428は、受信可能エリアに重複があるか否かを確認する(S90)。例えば、エリアマップ生成部428は、ある受信可能エリアの内部に他の受信可能エリアの頂点が含まれている場合には、受信可能エリアに重複があると判断する。また、エリアマップ生成部428は、ある受信可能エリアの辺と、他の受信可能エリアの辺とが交点を有する場合に、受信可能エリアの重複があると判断してもよい。また、エリアマップ生成部428は、これら以外の方法で判断してもよい。そして、エリアマップ生成部428は、受信可能エリアに重複が有ると判断した場合(S90:Yes)には、ステップS91に処理を進め、受信可能エリアに重複がないと判断した場合(S90:No)には、ステップS94に処理を進める。
【0127】
ステップS91では、エリアマップ生成部428は、受信可能エリアの重複部分の交点を求めて、この交点を結んだ線を各々の受信可能エリアの境界に変更する(S91)。
【0128】
次に、エリアマップ生成部428は、ステップS91の処理により、受信可能エリアの頂点が増加したか否かを判断する(S92)。例えば、エリアマップ生成部428は、重複部分を有する複数の受信可能エリアで追加される頂点の数から、この複数の受信可能エリアで削除される頂点の数を減算した値が、プラスである場合には受信可能エリアの頂点が増加したと判断する。そして、エリアマップ生成部428は、受信可能エリアの頂点が増加したと判断した場合(S92:Yes)には、ステップS93に処理を進め、受信可能エリアの頂点が増加しなかったと判断した場合(S92:No)には、ステップS94に処理を進める。
【0129】
ステップS93では、エリアマップ生成部428は、ステップS91の処理が行われる前の受信可能エリアの状態に戻す。そして、エリアマップ生成部428は、ステップS94に処理を進める。
【0130】
ステップS94では、エリアマップ生成部428は、1つ又は複数の受信可能エリアにおいて、近接する頂点又は辺が存在するか否かを判断する。例えば、エリアマップ生成部428は、1つ又は複数の受信可能エリアにおいて、2つの頂点の間の距離が予め定めておいた距離の範囲内で隣接しているか、2つの辺の間の距離が予め定めておいた範囲内で隣接しているか、又は、2つの辺の間の角度が予め定めておいた角度以下となっているかを判断する。そして、エリアマップ生成部428は、近接する頂点又は辺が存在すると判断した場合(S94:Yes)には、ステップS95に処理を進め、近接する頂点及び辺の何れもが存在しないと判断した場合(S94:No)には、ステップS96に処理を進める。
【0131】
ステップS95では、エリアマップ生成部428は、近接する頂点又は辺に対してマージ処理を行う。例えば、エリアマップ生成部428は、近接している頂点の一方を他方の頂点に変更、又は、近接している頂点同士の中点を新たな頂点に変更する。また、エリアマップ生成部428は、近接している辺の一部又は全部が、受信可能エリア内に含まれるように新たな頂点を追加する。
【0132】
図22(A)〜(D)は、近接する辺に対して行われるマージ処理の第1の例を説明するための概略図である。図23(A)〜(C)、並びに、図24(A)及び(B)は、近接する辺に対して行われるマージ処理の第2の例を説明するための概略図である。
【0133】
図22(A)に示されているように、受信可能エリアAR10は、それを構成する辺SD1及び辺SD2の間の角度θが、予め定められた角度の閾値以下となっている。
このような場合には、エリアマップ生成部428は、例えば、図22(B)に示されているように、辺SD1及び辺SD2を辺の一部とする三角形における、辺SD1及び辺SD2との交点IPからの中線上の点P1を新たな頂点とする。なお、点P1は、中線上の点であればどの点であってもよいが、例えば、その三角形における重心とすることもできる。
また、このような場合には、エリアマップ生成部428は、例えば、図22(C)に示されているように、点P1を通り、中線に垂直に交わる線と、辺SD1及び辺SD2との交点P2、P3を新たな頂点としてもよい。さらに、エリアマップ生成部428は、図22(D)に示されているように、交点P3を新たな頂点としてもよく、また、図示してはいないが、交点P2を新たな頂点としてもよい。
【0134】
さらに、図23(A)では、受信可能エリアAR11を構成する辺SD3と、受信可能エリアAR12を構成する辺SD4との間の角度が、予め定められた角度の閾値以下となっており、また、一方の辺上の点(ここでは、辺SD3上の点)と、他方の辺(ここでは、辺SD4)との間の距離Lが、予め定められた距離の閾値以下となっている。
このような場合には、図23(B)に示されているように、エリアマップ生成部428は、これらの受信可能エリアAR11及び受信可能エリアAR12を結合する。例えば、エリアマップ生成部428は、一方の辺上の点(ここでは、辺SD3上の点)と、他方の辺(ここでは、辺SD4)との間の距離が距離Lmaxとなる点を頂点とする新たな受信可能エリアAR13を生成する。
また、このような場合には、図23(C)に示されているように、エリアマップ生成部428は、例えば、既存の頂点(ここでは、頂点P4)からの距離が距離Lmaxとなる辺上の点を頂点とする新たな受信可能エリアAR14を生成する。
さらに、このような場合には、図24(D)に示されているように、エリアマップ生成部428は、例えば、既存の頂点(ここでは、頂点P4)からの距離が距離Lmaxとなる何れかの辺上の点(ここでは、辺SD4上の点)を頂点とする新たな受信可能エリアAR15を生成する。なお、図示してはいないが、エリアマップ生成部428は、頂点P4からの距離が距離Lmaxとなる辺SD3上の点を頂点とすることもできる。
さらにまた、このような場合には、図24(E)に示されているように、エリアマップ生成部428は、例えば、既存の頂点(ここでは、頂点P4)からの距離が距離Lmaxとなる辺上の点を結んだ線分の中点を頂点とする新たな受信可能エリアAR16を生成する。
【0135】
図21のフローに戻り、ステップS96では、エリアマップ生成部428は、これまでの処理結果を、放送エリアマップ情報140の受信可能エリア欄140dに反映して、フローを完了させる。
【0136】
以上に説明したように、実施の形態4に係るデジタル放送受信装置400によれば、1つ又は複数の受信可能エリアについて、その頂点及び辺の位置の重複、並びに、その頂点及び辺の近接性に基づいて、頂点、辺又は受信可能エリアを結合することができるため、エリアマップ格納部129に格納する情報量を適宜削減することができる。
【0137】
また、以上の説明では、実施の形態1に実施の形態4での処理を適用しているが、実施の形態2又は3に実施の形態4での処理を適用してもよい。
【符号の説明】
【0138】
100,200,300:デジタル放送受信装置、 110:第1アンテナ、 111:第1受信部、 112:第1信号強度検出部、 113:第1デマルチプレクス部、 114:デコード部、 115:映像出力部、 116:音声出力部、 117:操作入力部、 118,318:選局制御部、 120:第2アンテナ、 121:第2受信部、 122:第2信号強度検出部、 123:第2デマルチプレクス部、 124:受信モード切替部、 125:チャンネルスキャン制御部、 126:第3アンテナ、 127:現在位置検出部、 128,228,428:エリアマップ生成部、 129:エリアマップ格納部。
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【国際調査報告】