特表-13157303IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2013-157303電力変換装置、その電力変換装置を備えたモータ駆動制御装置、そのモータ駆動制御装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、その送風機あるいは圧縮機を備えた空気調和機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月24日
【発行日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】電力変換装置、その電力変換装置を備えたモータ駆動制御装置、そのモータ駆動制御装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、その送風機あるいは圧縮機を備えた空気調和機
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20151124BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20151124BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   H02M3/155 W
   H02M3/155 P
   H02M3/155 K
   H02M7/48 E
   H02P7/63 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
【出願番号】特願2014-511133(P2014-511133)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年2月26日
(31)【優先権主張番号】特願2012-96897(P2012-96897)
(32)【優先日】2012年4月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】下麥 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山田 倫雄
(72)【発明者】
【氏名】篠本 洋介
(72)【発明者】
【氏名】鹿嶋 美津夫
(72)【発明者】
【氏名】梅原 成雄
【テーマコード(参考)】
5H007
5H505
5H730
【Fターム(参考)】
5H007AA06
5H007BB06
5H007CB05
5H007CC12
5H007CC23
5H007DA05
5H007DB01
5H007DC02
5H505AA06
5H505BB05
5H505CC05
5H505DD03
5H505EE49
5H505GG04
5H505GG05
5H505HA10
5H505HB01
5H505JJ03
5H505JJ16
5H505JJ25
5H505LL22
5H505LL24
5H730AA18
5H730AS13
5H730BB14
5H730BB57
5H730BB83
5H730BB89
5H730CC04
5H730DD03
5H730EE57
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD11
5H730FF01
5H730FG05
5H730FG26
(57)【要約】
複数のチョッパ回路部を有する構成において、より簡素な構成で、動作モードによらず、高調波電流の抑制効果を高めることが可能な電力変換装置を得ること。複数のチョッパ回路部を構成する各スイッチング素子を制御するスイッチング制御手段10と、整流電圧検出手段と、母線電圧検出手段と、母線電流検出手段と、を備え、スイッチング制御手段10は、母線電圧と母線電流とに基づいて、複数のスイッチング素子に対する各駆動パルスの基準オンデューティを算出するオンデューティ算出手段20と、母線電流に基づいて、各リアクタ電流の変化量が略同等となるように、基準オンデューティを補正して各駆動パルスのオンデューティをそれぞれ出力するオンデューティ補正手段23と、各オンデューティに基づいて、各駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段24とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクタ、スイッチング素子、および逆流防止素子を有して構成され、交流電源を整流する整流器の出力をチョッピングして昇圧するチョッパ回路部を複数並列に接続して構成される電力変換装置であって、
複数の前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御手段と、
複数の前記チョッパ回路部の出力を平滑する平滑コンデンサと、
前記整流器から出力される整流電圧を検出する整流電圧検出手段と、
前記平滑コンデンサが平滑した母線電圧を検出する母線電圧検出手段と、
複数の前記リアクタに流れるリアクタ電流が加算された母線電流を検出する母線電流検出手段と、
を備え、
前記スイッチング制御手段は、
前記母線電圧と前記母線電流とに基づいて、複数の前記スイッチング素子に対する各駆動パルスの基準オンデューティを算出するオンデューティ算出手段と、
前記母線電流に基づいて、前記母線電流の変化量が略同等となるように、前記基準オンデューティを補正して前記各駆動パルスのオンデューティをそれぞれ出力するオンデューティ補正手段と、
前記各オンデューティに基づいて、前記各駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
を備える
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記オンデューティ補正手段は、前記整流電圧と前記母線電圧と前記母線電流の単位時間当たりの各変化率とに基づいて算出した前記各リアクタのインダクタンス値の比率を前記各オンデューティの比率とすることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記オンデューティ補正手段は、前記交流電源の1周期中における前記各スイッチング素子のスイッチングのうち、少なくとも1回ずつ前記各オンデューティの補正を実施し、前記オンデューティの補正を実施しない場合には、前記基準オンデューティを前記各オンデューティに適用することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスの1周期中において前記各リアクタ電流がゼロとなる期間が存在しない動作状態である連続モードにおいて、前記オンデューティの補正を実施し、前記各駆動パルスの1周期中において前記各リアクタ電流がゼロとなる期間が存在する動作状態である不連続モード、および、各スイッチング素子のオフ期間中において各リアクタ電流がゼロになった瞬間に各スイッチング素子がオンする動作状態である臨界モードにおいて、前記基準オンデューティを前記各オンデューティに適用することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記オンデューティ補正手段は、前記連続モードにおける前記各スイッチング素子のスイッチングのうち、少なくとも1回ずつ前記各オンデューティの補正を実施し、前記オンデューティの補正を実施しない場合には、前記基準オンデューティを前記各オンデューティに適用することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスのそれぞれのオン期間において、所定の時間差分離れた少なくとも2つの異なる時刻間における前記母線電流の差分を求め、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出することを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスを生成するキャリア信号の谷あるいは山に同期したタイミングにおける前記母線電流と前記駆動パルスがオンからオフに切り替わるタイミングにおける前記母線電流との差分を求め、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出することを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスのそれぞれのオン期間における前記母線電流を微分して、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出することを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスが唯一オンとなり、且つ、当該駆動パルスによりオンとなるスイッチング素子に接続されたリアクタに流れるリアクタ電流と前記母線電流とが等価となる期間において、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記所定の時間差分は、前記各駆動パルスが唯一オンとなり、且つ、当該駆動パルスによりオンとなるスイッチング素子に接続されたリアクタに流れるリアクタ電流と前記母線電流とが等価となる期間よりも短いこと特徴とする請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記オンデューティ補正手段は、当該電力変換装置の稼動前に、前記各スイッチング素子を唯一オンさせて、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出し、当該電力変換装置の稼動時に該各変化率を適用して前記オンデューティの補正を実施することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記各スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体により形成されたMOS−FETであることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドであることを特徴とする請求項12に記載の電力変換装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
前記電力変換装置の出力である直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
前記交流電圧により駆動されるモータと、
を備えることを特徴とするモータ駆動制御装置。
【請求項15】
請求項14に記載のモータ駆動制御装置を備えることを特徴とする送風機。
【請求項16】
請求項14に記載のモータ駆動制御装置を備えることを特徴とする圧縮機。
【請求項17】
請求項15に記載の送風機、あるいは、請求項16に記載の圧縮機のうち、少なくとも一方を備えることを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源を直流に変換して負荷に供給する電力変換装置、その電力変換装置を備えたモータ駆動制御装置、そのモータ駆動制御装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、その送風機あるいは圧縮機を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
電源電流に含まれる高調波成分による障害を抑制するため、高調波電流を発生する電子機器に対して、国際的に規制が設けられている。この規制をクリアするため、コンバータにてACまたはDCでのチョッピングにより電源短絡を行い、電源電流に含まれる高調波電流を抑制する施策がとられる。
【0003】
DCでのチョッピングを行うコンバータにおいて、チョッパ回路部を複数並列に接続し、それぞれの異なるスイッチング位相でスイッチングさせ、各チョッパ回路部に流れる電流の和となる入力電流において、スイッチングに起因するリプルを相殺することにより、高調波電流を抑制するインターリーブ方式のコンバータがある。この方式において、各チョッパ回路部のスイッチング位相のずれや、スイッチングオン時間や、スイッチングオン/オフ時の傾きなどのバラツキが発生して各チョッパ回路部に流れる電流が不等となり、高調波電流の抑制効果が低減する場合がある。これに対し、例えば、複数のチョッパ回路部にそれぞれ流れる各電流値に基づいて、臨界モードで各スイッチング素子を制御するためのスイッチング周期ごとの各スイッチング素子のオフ時間を予測し、その予測結果に基づいて各スイッチング素子のスイッチング制御を行いスイッチング位相が所望の位相差となるように制御することにより、各チョッパ回路部への電流配分を等しくする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−91981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、各チョッパ回路部毎に個別にリアクタ電流を検出する必要があるため、電流検出部の部品数・体積・コストの増加を伴っていた。また、各チョッパ回路部の各スイッチング素子を臨界モードで動作させているため、電流のピーク値が高く、よりピーク値の低い大電力向きの連続モードには対応していなかった。一方で、連続モードで動作させる場合、リアクタ電流の電流値がゼロとならない位置で各スイッチング素子をオン/オフさせるため、臨界モードや不連続モードで動作させる場合に比べ、各チョッパ回路部間における電流配分が不等になりやすく、高調波電流の抑制効果が得られ難い、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のチョッパ回路部を有する構成において、より簡素な構成で、動作モードによらず、高調波電流の抑制効果を高めることが可能な電力変換装置、その電力変換装置を備えたモータ駆動制御装置、そのモータ駆動制御装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、その送風機あるいは圧縮機を備えた空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電力変換装置は、リアクタ、スイッチング素子、および逆流防止素子を有して構成され、交流電源を整流する整流器の出力をチョッピングして昇圧するチョッパ回路部を複数並列に接続して構成される電力変換装置であって、複数の前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御手段と、複数の前記チョッパ回路部の出力を平滑する平滑コンデンサと、前記整流器から出力される整流電圧を検出する整流電圧検出手段と、前記平滑コンデンサが平滑した母線電圧を検出する母線電圧検出手段と、複数の前記リアクタに流れるリアクタ電流が加算された母線電流を検出する母線電流検出手段と、を備え、前記スイッチング制御手段は、前記母線電圧と前記母線電流とに基づいて、複数の前記スイッチング素子に対する各駆動パルスの基準オンデューティを算出するオンデューティ算出手段と、前記母線電流に基づいて、前記母線電流の変化量が略同等となるように、前記基準オンデューティを補正して前記各駆動パルスのオンデューティをそれぞれ出力するオンデューティ補正手段と、前記各オンデューティに基づいて、前記各駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のチョッパ回路部を有する構成において、より簡素な構成で、動作モードによらず、高調波電流の抑制効果を高めることが可能な電力変換装置を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1にかかる電力変換装置の一構成例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1にかかる電力変換装置のスイッチング制御手段の一構成例を示す図である。
図3図3は、実施の形態1にかかる電力変換装置のキャリア信号とタイマ値との関係および各駆動パルスの各波形を示す図である。
図4図4は、実施の形態1にかかる電力変換装置のキャリア信号とタイマ値との関係および各駆動パルスの各波形を示す図である。
図5図5は、各スイッチング素子の各オン期間における母線電流の傾きを示す図である。
図6図6は、実施の形態1にかかる電力変換装置のオンデューティ補正手段の内部機能ブロック例を示す図である。
図7図7は、実施の形態1にかかる電力変換装置のキャリア信号、駆動パルス、および母線電流の各波形図である。
図8図8は、実施の形態1にかかる電力変換装置の母線電流検出タイミングにおける母線電流の傾きを示す図である。
図9図9は、実施の形態1にかかる電力変換装置のスイッチング動作モードを示す図である。
図10図10は、実施の形態1にかかる電力変換装置の負荷の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態2にかかる電力変換装置のキャリア信号、駆動パルス、および母線電流の各波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる電力変換装置、その電力変換装置を備えたモータ駆動制御装置、そのモータ駆動制御装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、その送風機あるいは圧縮機を備えた空気調和機について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電力変換装置の一構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる電力変換装置は、単相交流電源(以下、単に「交流電源」という)1の交流電圧を整流する単相整流器(以下、単に「整流器」という)2、チョッパ回路部3a,3b、チョッパ回路部3a,3bの出力を平滑する平滑コンデンサ7、母線電流検出手段8、母線電圧検出手段9、およびスイッチング制御手段10を備えている。整流器2は、4個の整流ダイオード2a〜2dをブリッジ接続して構成される。チョッパ回路部3aは、リアクタ4aとスイッチング素子5aと逆流防止素子6aとからなり、チョッパ回路部3bは、リアクタ4bとスイッチング素子5bと逆流防止素子6bとからなり、これらチョッパ回路部3aとチョッパ回路部3bとが並列接続されている。各スイッチング素子5a,5bは、例えばIGBT(Insulated GATE Bipolar Transistor)により構成され、各逆流防止素子6a,6bは、例えばファストリカバリダイオードにより構成される。
【0012】
スイッチング制御手段10は、母線電流検出手段8および母線電圧検出手段9の各出力信号に基づいて、各スイッチング素子5a,5bをそれぞれ動作させる各駆動パルスを生成する。母線電流検出手段8は、整流器2から負荷(図示せず)へ流れ、負荷から整流器2に流れる電流である母線電流(Idc)を検出し、スイッチング制御手段10に出力する。母線電圧検出手段9は、チョッパ回路部3の出力電圧を平滑コンデンサ7で平滑した電圧である母線電圧(Vo)を検出し、スイッチング制御手段10に出力する。整流電圧検出手段11は、整流器2により整流された整流電圧(Vds)を検出し、スイッチング制御手段10に出力する。
【0013】
なお、図1に示す例では、交流電源1が単相交流電源であり、整流器2を単相整流器とした構成例を示したが、交流電源1が三相交流電源であり、整流器2を三相整流器とした構成であってもよい。また、図1に示す例では、チョッパ回路部を2個並列接続する構成例を示したが、3個以上のチョッパ回路部を並列接続する構成であってもよい。
【0014】
図2は、実施の形態1にかかる電力変換装置のスイッチング制御手段の一構成例を示す図である。図2に示すように、スイッチング制御手段10は、母線電流指令値制御手段21およびオンデューティ制御手段22を具備したオンデューティ算出手段20と、オンデューティ補正手段23と、駆動パルス生成手段24とを含み構成される。このスイッチング制御手段10は、例えばマイコンのような演算手段を用いて構成される。
【0015】
母線電流指令値制御手段21は、母線電圧検出手段9の出力信号である母線電圧(Vo)と、例えば予め設定される母線電圧指令値(Vo*)とから、母線電流指令値(Idc*)を演算する。この母線電流指令値(Idc*)の演算は、例えば、母線電圧検出手段9の出力信号である母線電圧(Vo)と母線電圧指令値(Vo*)との差分を比例積分制御して行う。
【0016】
オンデューティ制御手段22は、母線電流指令値制御手段21により演算された母線電流指令値(Idc*)と母線電流検出手段8により検出された母線電流(Idc)とから、各スイッチング素子5a,5bの基準オンデューティ(duty)を演算する。この基準オンデューティ(duty)の演算は、例えば、母線電流指令値制御手段21の出力である母線電流指令値(Idc*)と母線電流検出手段8の出力信号である母線電流(Idc)との差分を比例積分制御して行う。
【0017】
オンデューティ補正手段23は、オンデューティ制御手段22により演算された各スイッチング素子5a,5bの基準オンデューティ(duty)を補正して、スイッチング素子5aのオンデューティ(Daon)およびスイッチング素子5bのオンデューティ(Dbon)を生成する。
【0018】
駆動パルス生成手段24は、オンデューティ補正手段23により生成された各オンデューティ(Daon,Dbon)に基づいて、各スイッチング素子5a,5bを動作させる駆動パルス(pulse_a,pulse_b)をそれぞれ生成して出力する。
【0019】
ここで、母線電流指令値制御手段21やオンデューティ制御手段22での演算に用いる制御パラメータは、例えば、オンデューティ制御手段22における比例制御ゲインが母線電圧に反比例して変化するのが望ましいなど、回路の動作状況に合わせた最適値が存在する。したがって、整流器2の出力電圧である整流電圧や母線電流(Idc)や母線電圧(Vo)の値に応じた計算式、もしくはテーブルを設け、回路の動作状況に合わせて制御パラメータを調整するようにしてもよい。これにより制御性を向上することができる。
【0020】
また、母線電流指令値制御手段21やオンデューティ制御手段22での演算手法として比例積分制御を挙げたが、これらの制御演算手法により本発明が限定されるものではなく、微分項を追加して比例積分微分制御とするなど、その他の演算手法を用いてもよい。また、母線電流指令値制御手段21やオンデューティ制御手段22での演算手法を同一の手法とする必要もない。
【0021】
ここで、オンデューティ補正手段23の動作を、各チョッパ回路部3a,3bの動作と合わせて説明する。ここでは、まず、チョッパ回路部3aのスイッチング素子5aをオン/オフした場合の挙動について説明する。チョッパ回路部3aには、整流器2の出力である整流電圧(Vds)が入力され、チョッパ回路部3aの出力が平滑コンデンサ7で平滑され、母線電圧(Vo)が得られる。チョッパ回路部3aにおいて、スイッチング素子5aがオンしたとき、逆流防止素子6aの導通が阻止され、リアクタ4aには整流電圧(Vds)が印加される。一方、スイッチング素子5aがオフしたとき、逆流防止素子6aが導通し、リアクタ4aには、整流電圧(Vds)と母線電圧(Vo)との差分の電圧が、スイッチング素子5aがオンしたときとは逆向きに誘導される。このとき、スイッチング素子5aのオン時にリアクタ4aに蓄積されたエネルギーが、スイッチング素子5のオフ時に負荷へ移送されると見ることができる。スイッチング素子5aのオン/オフ時に、リアクタ4aを出入りするエネルギーが等しいとすると、スイッチング素子5aのオンデューティ(Daon)、整流電圧(Vds)、および母線電圧(Vo)の関係は、下記(1)式で表される。
【0022】
Vo=Vds/(1−Daon) ・・・(1)
【0023】
上記(1)式から明らかなように、スイッチング素子5aのオンデューティ(Daon)を制御することで、チョッパ回路部3aの出力電圧、すなわち母線電圧(Vo)を制御することができる。
【0024】
つぎに、チョッパ回路部3aにおいてリアクタに流れるリアクタ電流(ILaon)とオンデューティ(Daon)との関係について説明する。スイッチング素子5aがオンしている場合、上述したように、リアクタ4aには整流電圧(Vds)が印加される。このとき、リアクタ4aを交流電源1側から負荷側に流れるリアクタ電流(ILa)は、直線的に増加する。このときのリアクタ4aに流れるリアクタ電流をILaonとし、リアクタ4aのインダクタンス値をLaとすると、このILaonの傾きΔILaonは、下記(2)式で表される。
【0025】
ΔILaon=Vds/La ・・・(2)
【0026】
また、スイッチング素子5aがオフしているとき、つまり、駆動パルス(pulse_a)が「L」である期間は、上述したように、リアクタ4aには整流電圧(Vds)と母線電圧(Vo)との差分の電圧が、スイッチング素子5aのオン時とは逆向きに印加され、リアクタ4aを交流電源1側から負荷側に流れるリアクタ電流(ILa)は、直線的に減少する。このときのリアクタ4aに流れるリアクタ電流をILaoffとすると、このILaoffの傾きΔILaoffは、下記(3)式で表される。
【0027】
ΔILaoff=(Vds−Vo)/La ・・・(3)
【0028】
同様にして、スイッチング素子5bのオンデューティ(Dbon)、整流電圧(Vds)、および母線電圧(Vo)の関係は下記(4)式で表される。
【0029】
Vo=Vds/(1−Dbon) ・・・(4)
【0030】
また、スイッチング素子5bがオンしている場合、リアクタ4bを交流電源1側から負荷側に流れるリアクタ電流(ILb)は、直線的に増加する。このときのリアクタ4bに流れるリアクタ電流をILbonとし、リアクタ4bのインダクタンス値をLbとすると、このILbonの傾きΔILbonは、下記(5)式で表される。
【0031】
ΔILbon=Vds/Lb ・・・(5)
【0032】
また、スイッチング素子5bがオフしている場合、リアクタ4bを交流電源1側から負荷側に流れるリアクタ電流(ILb)は、直線的に減少する。このときのリアクタ電流をILboffとすると、このILboffの傾きΔILboffは、下記(6)式で表される。
【0033】
ΔILboff=(Vds−Vo)/Lb ・・・(6)
【0034】
各スイッチング素子5a,5bの各オンデューティ(Daon,Dbon)は、上述したように、スイッチング制御手段10において、母線電圧(Vo)、整流電圧(Vds)、リアクタ電流(ILa)、およびリアクタ電流(ILb)を用いて算出することができる。ここで、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間が重ならない区間では、母線電流検出手段8により検出される母線電流(Idc)は、(ILaon+ILboff)、あるいは、(ILaoff+ILbon)に等しい値となる。つまり、母線電流検出手段8により検出される母線電流(Idc)を用いて、各スイッチング素子5a,5bの各オンデューティ(Daon,Dbon)を算出することができる。
【0035】
本実施の形態では、例えば、図1に示す例では、各スイッチング素子5a,5bのスイッチング周期において、スイッチング素子5aのオンタイミングに対し、スイッチング素子5bのオンタイミングの位相が半周期(180°)遅れるように制御する。これにより、リアクタ電流(ILa)およびリアクタ電流(ILb)の加算電流である母線電流(Idc)の各スイッチング素子5a,5bのスイッチングに起因するリプルが相殺される。例えば、n個のチョッパ回路部を並列接続して本実施の形態にかかる電力変換装置を構成した場合には、各チョッパ回路部のスイッチング素子のスイッチングの位相差を(360/n)°とすれば、母線電流(Idc)のリプルを最小とすることができる。なお、この複数のチョッパ回路部における各スイッチング素子のスイッチングの位相差により、本発明が限定されるものではない。
【0036】
つぎに、オンタイミングの位相が半周期(180°)異なるように、各スイッチング素子5a,5bの各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)を生成する手法の一例について説明する。図3は、実施の形態1にかかる電力変換装置のキャリア信号とタイマ値との関係および各駆動パルスの各波形を示す図である。
【0037】
駆動パルス生成手段24は、三角波のキャリア信号と、各スイッチング素子5a,5bの各オンデューティ(Daon,Dbon)に対応した各タイマ値α,βとを比較し、その比較結果の大小に応じて、各スイッチング素子5a,5bの各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)を生成する。
【0038】
例えば、図3に示すように、一方のスイッチング素子(ここでは、スイッチング素子5a)のオンデューティ(Daon)に対応するタイマ値αを基準として、他方のスイッチング素子(ここでは、スイッチング素子5b)のオンデューティ(Dbon)に対応するタイマ値βを、1から一方のスイッチング素子(ここでは、スイッチング素子5a)のオンデューティ(Daon)に対応するタイマ値αを差し引いた値(1−α)とし、三角波のキャリア信号と、Daonに対応したタイマ値αおよびDbonに対応したタイマ値β(=1−α)とをそれぞれ比較する。
【0039】
そして、キャリア信号よりもDaonに対応したタイマ値αが大きい場合に「High」、キャリア信号よりもDaonに対応したタイマ値αが小さい場合に「Low」となるスイッチング素子5aの駆動パルス(pulse_a)を生成し、キャリア信号よりもDbonに対応したタイマ値β(=1−α)が大きい場合に「Low」、キャリア信号よりもDbonに対応したタイマ値β(=1−α)が小さい場合に「High」となるスイッチング素子5bの駆動パルス(pulse_b)を生成すれば、オンタイミングの位相が180°異なり、オン期間が等しい(Taon=Tbon)スイッチング素子5aの駆動パルス(pulse_a)とスイッチング素子5bの駆動パルス(pulse_b)とが得られる。
【0040】
なお、各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)を生成する際のキャリア信号と各タイマ値α,βとの大小と各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)の「High」、「Low」との関係は、上述した例に限らず、各オンデューティ(Daon,Dbon)と各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)の各オン期間(Taon,Tbon)との関係が一致していればよい。
【0041】
例えば、モータ制御などに使われる汎用のマイコンには、三相インバータの相補PWMを生成する機能を持つものがある。この三相インバータの各スイッチング素子のオンデューティに対応したタイマ値に基づき、各相の上下のスイッチング素子の駆動パルスを生成する場合に、上述したように位相が半周期異なる二つの駆動パルスを生成する場合、この三相インバータの相補PWMの生成機能を用いてもよい。図4は、三相インバータの相補PWM生成機能を用いた際のキャリア信号とタイマ値との関係および各駆動パルスの各波形を示す図である。
【0042】
図4に示すように、三相インバータの相補PWM生成機能を用いた場合、三相のうちの任意の二相のタイマ値を、上述したα,β(=1−α)の関係を用いて設定すれば、一方の相(図4に示す例ではA相)のアームの上側(あるいは下側)のスイッチング素子のオンデューティ(Daon)に対応したタイマ値αに基づいて生成された上側(あるいは下側)のスイッチング素子用の駆動パルスと、他方の相(図4に示す例ではB相)のアームの下側(あるいは上側)のスイッチング素子のオンデューティ(Dbon)に対応したタイマ値β(=1−α)に基づいて生成された下側(あるいは上側)のスイッチング素子用の駆動パルスとは、位相が半周期異なる関係となる。この三相インバータの相補PWMを生成する機能を用いることにより、各駆動パルスを生成する際のキャリア信号と各タイマ値との大小と各駆動パルスの「High」、「Low」との条件を変更することなく、ソフトウェア上においてタイマ値を設定すれば、位相が半周期異なる関係の駆動パルスを簡易に生成することができる。
【0043】
ここで、各チョッパ回路部3a,3bにおいて、各スイッチング素子5a,5bのオンデューティ(Daon,Dbon)が同値であっても、各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングの位相差による整流電圧(Vds)の誤差や、各リアクタ4a,4bの各インダクタンス値La,Lbのバラツキなどにより、上述した(2)、(3)、(5)、および(6)式に示した各スイッチング素子5a,5bのオンタイミング時の傾き(ΔILaon,ΔILbon)およびオフタイミング時の傾き(ΔILaoff,ΔILboff)が異なる値となり、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量にアンバランスが生じ、母線電流(Idc)に歪みを発生させ、入力電流の高調波成分が増加する。
【0044】
そこで、本実施の形態1では、オンデューティ補正手段23において、母線電流(Idc)および母線電圧(Vo)を用いて母線電流指令値制御手段21およびオンデューティ制御手段22により演算した基準オンデューティ(duty)を、各チョッパ回路部3a,3bにおける各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングの位相差による整流電圧(Vds)の誤差や、リアクタ4a,4bのインダクタンス値La,Lbのバラツキに応じて、それぞれ各チョッパ回路部3a,3bに好適なオンデューティに補正する。これにより、上述したような入力電流の高調波成分の増加を抑制することができる。
【0045】
つぎに、本実施の形態にかかる電力変換装置のオンデューティ補正手段23におけるオンデューティの補正手法について、図5および図6を参照して説明する。図5は、各スイッチング素子の各オン期間における母線電流の傾きを示す図である。また、図6は、実施の形態1にかかる電力変換装置のオンデューティ補正手段の内部機能ブロック例を示す図である。
【0046】
電源周波数に対しスイッチング周波数が十分に高い場合、1スイッチング周期Tswにおける各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングの位相差による整流電圧(Vds)の誤差は小さい。一方、リアクタ4a,4bのインダクタンス値La,Lbは、一般に製造バラツキが比較的大きいため、整流電圧(Vds)の誤差と比較して影響が大きい。そこで、本実施の形態では、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における各リアクタ電流(ILa,ILb)の傾きを用いて、インダクタンス値La,Lbの比率を算出し、その比率に基づいて基準オンデューティを補正して、各オンデューティ(Daon,Dbon)を生成することにより、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量が同等になるように制御する。
【0047】
各スイッチング素子5a,5bのスイッチングの位相差を180°とし、基準オンデューティ(duty)が50%以下である場合、スイッチング素子5aのオン期間における母線電流(Idc)は、ΔILaonで直線的に増加するリアクタ4aに流れるリアクタ電流ILaonと、ΔILboffで直線的に減少するリアクタ4bに流れるリアクタ電流ILboffとの和となる。したがって、この区間(つまり、スイッチング素子5aのオン期間)における母線電流の電流傾きΔIdc(aonboff)は、上述した(2)、(6)式より、下記の(7)式で表される。
【0048】
ΔIdc(aonboff)=ΔILaon+ΔILboff
=Vds/La+(Vds−Vo)/Lb ・・・(7)
【0049】
同様に、スイッチング素子5bのオン期間における母線電流(Idc)は、ΔILaoffで直線的に減少するリアクタ4aに流れるリアクタ電流ILaoffと、ΔILbonで直線的に増加するリアクタ4bに流れるリアクタ電流ILbonとの和となる。したがって、この区間(つまり、スイッチング素子5bのオン期間)における母線電流の電流傾きΔIdc(aoffbon)は、上述した(3)、(5)式より、下記の(8)式で表される。
【0050】
ΔIdc(aoffbon)=ΔILaoff+ΔILbon
=(Vds−Vo)/La+Vds/Lb ・・・(8)
【0051】
上記(7)、(8)式より、LaとLbとの比率kは、下記(9)式で表される。
【0052】
k=(Lb/La)
=(ΔIdc(aonboff)*Vds+ΔIdc(aoffbon)
*(Vo−Vds))
/(ΔIdc(aoffbon)*Vds+ΔIdc(aonboff)
*(Vo−Vds))
・・・(9)
【0053】
そして、オンデューティ補正手段23において、各スイッチング素子5a,5bの各オンデューティ(Daon,Dbon)の比率が上記(9)式に示した比率kとなるように、基準オンデューティ(duty)を補正すれば、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間において各リアクタ4a,4bに流れる各リアクタ電流(ILaon,ILbon)の変化量を同等とすることができる。
【0054】
このとき、例えば、図6(a)に示すように、Laを基準としたLbの比率kを用いて、オンデューティ制御手段22により演算した基準オンデューティ(duty)を、スイッチング素子5aのオンデューティ(Daon)とし、スイッチング素子5bのオンデューティ(Dbon)をスイッチング素子5aのオンデューティ(Daon)のk倍としてもよい。あるいは、例えば、図6(b)に示すように、Lbを基準としたLaの比率(1/k)を用いて、オンデューティ制御手段22により演算した基準オンデューティ(duty)を、スイッチング素子5bのオンデューティ(Dbon)とし、スイッチング素子5aのオンデューティ(Daon)をスイッチング素子5bのオンデューティ(Dbon)の(1/k)倍としてもよい。あるいは、例えば、図6(c)に示すように、オンデューティ制御手段22により演算した基準オンデューティ(duty)を基準として、スイッチング素子5aのオンデューティを基準オンデューティ(duty)の(2/(1+k))倍とし、スイッチング素子5bのオンデューティを基準オンデューティ(duty)の(2k/(1+k))倍としてもよい。
【0055】
つぎに、母線電流(Idc)の傾き(ΔIdc(aonboff),ΔIdc(aoffbon))、つまり、各駆動パルスの各オン期間における母線電流(Idc)の単位時間当たりの各変化率の算出手法について、図7および図8を参照して説明する。図7は、実施の形態1にかかる電力変換装置のキャリア信号、駆動パルス、および母線電流の各波形図である。また、図8は、実施の形態1にかかる電力変換装置の母線電流検出タイミングにおける母線電流の傾きを示す図である。なお、以下の説明では、特に各チョッパ回路部3a,3bおよびその構成要素を区別しないときは、各符号の添え字a,bを省略して説明する。
【0056】
例えばマイコンのような演算手段を用いてスイッチング制御手段10を実現する場合、母線電流検出手段8で検出した母線電流(Idc)のアナログ値は、マイコン内のキャリア信号の谷や山に同期したタイミングでデジタル値として取り込まれる。上述したように、駆動パルス生成手段24において、オンデューティ(Don)とキャリア信号とを比較することによりスイッチング素子5の駆動パルス(pulse)を生成する場合には、キャリア信号の谷の頂点あるいは山の頂点がスイッチング素子5の駆動パルス(pulse)のオン期間の中心となる。図7に示す例では、1スイッチング周期Tswにおけるキャリア信号の谷の頂点がスイッチング素子5の駆動パルス(pulse)のオン期間の中心となる例を示している。
【0057】
母線電流(Idc)をデジタル値として取り込む際、マイコンのA/D(アナログ/デジタル)変換ポートのうちの少なくとも2つのポートに、母線電流検出手段8の出力端子を接続する。これら2つのA/D変換ポート間で時間差を持ってサンプリングするようにし、図8に示すように、これら2つのA/D変換ポートにおける母線電流の差分値Idcadを時間差分Tadで割ることにより、駆動パルス(pulse)のオン期間における母線電流(Idc)の傾きを検出することができる。なお、時間差分Tadは、オン期間より十分短く、スイッチング素子5のオン期間内における母線電流(Idc)の変化分(つまり、Idcad)を検出するものとする。
【0058】
ここで、図1に示す構成、つまり、複数のチョッパ回路部3a,3bを並列接続して構成する場合には、図3に示したように、一方のチョッパ回路部3aのスイッチング素子5aの駆動パルス(pulse_a)のオン期間の中心をキャリア信号の谷の頂点と同期させ、他方のチョッパ回路部3bのスイッチング素子5bの駆動パルス(pulse_b)のオン期間の中心をキャリア信号の山の頂点と同期させる。この場合には、キャリア信号の谷および山の頂点の双方に同期して、母線電流(Idc)を検出し、各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)の各オン期間における母線電流(Idc)の傾き(ΔIdc(aonboff),ΔIdc(aoffbon))を算出する。
【0059】
また、母線電流(Idc)を微分することにより、各駆動パルス(pulse_a,pulse_b)の各オン期間における母線電流(Idc)の傾き(ΔIdc(aonboff),ΔIdc(aoffbon))を求めてもよい。スイッチング周波数がスイッチング制御手段10を実現するマイコンのクロック周波数よりも十分に低い場合には、母線電流(Idc)を取り込み、ソフトウェア上で微分演算を行うことができる。あるいは、スイッチング制御手段10の外部にハードウェアで微分回路を設け、その出力信号をスイッチング制御手段10に取り込むようにしてもよい。
【0060】
また、上述した例では、電力変換装置の稼働中に母線電流(Idc)を検出して、各チョッパ回路部3a,3bの各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の傾き(ΔIdc(aonboff),ΔIdc(aoffbon))を算出し、各チョッパ回路部3a,3bのリアクタ4a,4bのインダクタンス値La,Lbの比率kを算出する手法について説明したが、電力変換装置を稼働させる前に、各スイッチング素子5a,5bをそれぞれ個別にオンした状態における母線電流(Idc)を検出して、各チョッパ回路部3a,3bの各リアクタ4a,4bの各インダクタンス値La,Lbの比率kを算出するようにしてもよい。
【0061】
例えば、一方のチョッパ回路部3aのスイッチング素子5aをオンさせた状態で母線電流(Idc)を検出した場合、このときの母線電流(Idc)は、リアクタ4aに流れるリアクタ電流(ILaon)に等しい。また、同様に、他方のチョッパ回路部3bのスイッチング素子5bをオンさせた状態で母線電流(Idc)を検出した場合、このときの母線電流(Idc)は、リアクタ4bに流れるリアクタ電流(ILbon)に等しい。
【0062】
つまり、各スイッチング素子5a,5bをそれぞれ個別にオンした状態における母線電流(Idc)を検出して、チョッパ回路部3aのスイッチング素子5aをオンさせた状態におけるリアクタ電流(ILaon)と、チョッパ回路部3bのスイッチング素子5bをオンさせた状態におけるリアクタ電流(ILbon)を得ることにより、各チョッパ回路部3a,3bの各リアクタ4a,4bの各インダクタンス値La,Lbの比率kを算出することが可能となる。
【0063】
なお、この手法により算出した各インダクタンス値La,Lbの比率kは、定常状態における比率であるので、上述したような電力変換装置の稼働中に発生する各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量のアンバランスの原因が、各リアクタ4a,4bのインダクタンス値のバラツキであり、且つ、各リアクタ4a,4bの直流重畳特性が良好であり、さらに、リアクタ電流(ILaon,ILbon)の電流値が変化してもインダクタンス値の変化が少ない場合、すなわち、電力変換装置の稼働中において各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量のアンバランスが運転負荷に依らずほぼ一定に生じ、リアルタイムのオンデューティ補正の必要性が低い場合に有効である。
【0064】
この電力変換装置を稼働させる前に算出した各インダクタンス値La,Lbの比率kを用いてオンデューティの補正を行うことにより、電力変換装置の稼働中に各インダクタンス値La,Lbの比率kを算出する必要がなくなり、ソフトウェアの演算負荷を下げることができるので、より演算処理性能の低い低コストなマイコン等によりスイッチング制御手段10を構成することが可能となる。
【0065】
また、交流電源の1周期中における各スイッチング素子5a,5bのスイッチングのうち、少なくとも1回ずつ上述した各オンデューティ(Daon,Dbon)の補正を実施し、各オンデューティ(Daon,Dbon)の補正を実施しない場合には、基準オンデューティ(duty)を各オンデューティに適用する等、オンデューティの補正を実施する回数を低減してもよい。このようにすれば、さらにソフトウェアの演算負荷を下げることができるので、マイコンの演算負荷の軽減に対する効果はより大きくなる。
【0066】
つぎに、各チョッパ回路部3a,3bの各スイッチング素子5a,5bのスイッチング動作モードについて、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態1にかかる電力変換装置のスイッチング動作モードを示す図である。
【0067】
各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流は、各スイッチング素子5a,5bのオン/オフに合わせ、上述した(2)、(3)、(5)、(6)式に表されるように、直線的に増加、減少を繰り返す。整流電圧(Vds)が低く、各スイッチング素子5a,5bがオフした後に各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)が減少する傾きが大きい場合や、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間よりもオフ期間の方が長い場合には、図9(a)に示すように、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間中において各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)がゼロに達することがある。各リアクタ4a,4bには負の電流は流れないため、各スイッチング素子5a,5bがオフした後に各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)がゼロに達すると、次に各スイッチング素子5a,5bがオンするまで、各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)はゼロのままとなる。このように、各スイッチング素子5a,5bに対する各駆動パルスの1周期中において各リアクタ4a,4bに流れる電流(ILa,ILb)が減少してゼロとなる期間が存在する動作状態を不連続モードと呼ぶ。
【0068】
一方、整流電圧(Vds)が高く、各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)が減少する傾きが小さい場合や、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間よりもオフ期間の方が短い場合には、図9(b)に示すように、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間中において各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)がゼロに達せず、次に各スイッチング素子5a,5bがオンするまで、各リアクタ4a,4bに正のリアクタ電流(ILa,ILb)が連続して流れ続ける。このように、各スイッチング素子5a,5bに対する各駆動パルスの1周期中において各リアクタ4a,4bに流れる電流(ILa,ILb)がゼロとなる期間が存在しない動作状態を連続モードと呼ぶ。
【0069】
そして、図9(c)に示すように、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間中において各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)がゼロになった瞬間に、各スイッチング素子5a,5bがオンする動作状態を、連続モードと不連続モードとの境界という意味で臨界モードと呼ぶ。
【0070】
各スイッチング素子5a,5bのスイッチング周波数が固定周波数である場合、各チョッパ回路部3a,3bの入力電圧が図1に示すように交流電圧を整流した整流電圧(Vds)のように交流周波数成分の変動がある場合には、常に臨界モードで動作させることは困難である。したがって、臨界モードで動作させる場合には、各スイッチング素子5a,5bのスイッチング周波数を変動させ、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間中において各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)がゼロになったことを検知して、各スイッチング素子5a,5bをオンさせる必要があるが、各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングでは常に電流値がゼロの状態となるので、複数のチョッパ回路部3a,3b間で各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)の誤差が蓄積されることはない。
【0071】
また、不連続モードにおいても、臨界モードと同様に、各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングでは常に電流値がゼロの状態となるので、複数のチョッパ回路部3a,3b間で各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)の誤差が蓄積されることはない。
【0072】
一方、連続モードの動作領域では、各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングにおけるリアクタ電流(ILa,ILb)は不定であるため、各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングにおいて常にリアクタ電流(ILa,ILb)がゼロの状態となる不連続モードや臨界モードと異なり、複数のチョッパ回路部3a,3b間で各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)に誤差がある場合、その誤差が蓄積されることとなる。
【0073】
本実施の形態では、各リアクタ4a,4bのインダクタンス値La,Lbの比率に応じて、基準オンデューティ(duty)を補正して各スイッチング素子5a,5bのオンデューティ(Daon,Dbon)を生成しているので、連続モードの動作領域においても、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量のアンバランスが抑制される。
【0074】
したがって、例えば、各リアクタ4a,4bに流れるリアクタ電流(ILa,ILb)の誤差が出ても、その誤差が蓄積されない不連続モードや臨界モードでは、上述したオンデューティの補正を行わず、連続モードの動作領域でのみオンデューティの補正を行うようにしてもよい。このようにすれば、オンデューティの補正による高調波電流の抑制効果を損なうことなく、マイコンの演算負荷を低減することができる。
【0075】
また、連続モードの動作領域においても、各スイッチング素子5a,5bのスイッチング毎にオンデューティの補正を実施するのでなく、例えば、交流電源の1周期中における各スイッチング素子5a,5bのスイッチングのうちの少なくとも1回ずつ、あるいは、連続モードの動作領域における各スイッチング素子5a,5bのスイッチングのうちの少なくとも1回ずつ、各スイッチング素子5a,5bの駆動パルスに対するオンデューティの補正を実施し、各オンデューティの補正を実施しない場合には、基準オンデューティ(duty)を各オンデューティ(Daon,Dbon)に適用する等、オンデューティの補正を実施する回数を低減してもよい。このようにすれば、さらにソフトウェアの演算負荷を下げることができるので、より演算処理性能の低い低コストなマイコン等によりスイッチング制御手段10を構成することが可能となる。
【0076】
図10は、実施の形態1にかかる電力変換装置の負荷の一例を示す図である。図10に示す例では、実施の形態1にかかる電力変換装置の負荷として、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ31と、インバータ31の出力である交流電圧が印加されることで駆動するモータ32とを接続した負荷を示している。
【0077】
インバータ31は、例えば、IGBTのようなスイッチング素子を三相ブリッジ構成もしくは二相ブリッジ構成とし、インバータ31を制御するインバータ制御手段33は、例えば、インバータ31からモータ32に流れる電流を検出するモータ電流検出手段34を用いて、モータ32が所望の回転数にて回転するような電圧指令を演算して、インバータ31内のスイッチング素子を駆動するパルスを生成する。
【0078】
また、図10に示す構成において、インバータ制御手段33によるインバータ制御は、スイッチング制御手段10と同様に、例えばマイコンのような演算手段を用いて実現すればよい。
【0079】
図1に示す実施の形態1にかかる電力変換装置において、図10に示す負荷が接続されて構成されるモータ駆動制御装置では、電力変換装置への電力負荷に応じて、必要な母線電圧(Vo)が異なるという特色がある。
【0080】
一般に、モータ32の回転数が高回転になるほど、インバータ31からの出力電圧は高くする必要があるが、このインバータ31からの出力電圧の上限は、インバータ31への入力電圧、つまり、電力変換装置の出力である母線電圧(Vo)により制限される。インバータ31からの出力電圧が、母線電圧(Vo)により制限された上限を超えて飽和する領域を過変調領域と呼ぶ。
【0081】
このようなモータ駆動制御装置においては、モータ32が低回転である(過変調領域に到達しない)範囲では、母線電圧(Vo)を昇圧する必要はなく、モータ32が高回転となった場合には、母線電圧(Vo)を昇圧することで、過変調領域をより高回転側にすることができる。これにより、モータ32の運転範囲を高回転側に拡大できる。
【0082】
また、モータ32の運転範囲を拡大する必要がなければ、その分モータ32の固定子巻線を高巻数化することができる。このとき、低回転数の領域では、モータ電圧が高くなる分、電流が少なくなり、インバータ31での損失低減が見込まれる。モータ32の運転範囲拡大と低回転数領域の損失改善の双方の効果を得るため、モータ32の高巻数化の程度を適切に設計してもよい。
【0083】
本実施の形態にかかる電力変換装置では、電力変換装置への電力負荷が小さく、必要な母線電圧(Vo)が小さい場合には、上述した不連続モードや臨界モードで動作させ、電力変換装置への電力負荷が大きく、必要な母線電圧(Vo)が大きい場合には、連続モードで動作させればよい。このとき、不連続モードや臨界モードでは、上述したようにオンデューティの補正を行わず、連続モードの動作領域のみオンデューティの補正を行うようにしたり、連続モードの動作領域においても、各スイッチング素子5a,5bのスイッチング毎にオンデューティの補正を実施するのでなく、オンデューティの補正を実施する回数を低減するようにすれば、ソフトウェアの演算負荷を下げることができるので、例えば、スイッチング制御手段10と図10に示すインバータ制御手段33とを1つのマイコンで構成する等、モータ駆動制御装置をより低コストで構成することも可能となる。
【0084】
また、上述した実施の形態1にかかる電力変換装置を適用したモータ駆動制御装置を空気調和機に適用し、これらの送風機もしくは圧縮機のモータの少なくとも一つを駆動するのに用いても同様の効果が得られる。
【0085】
なお、上述したオンデューティの補正手法では、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における各リアクタ4a,4bのインダクタンス値La,Lbの比率kに基づいてオンデューティの補正を実施し、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量が同等となるように制御しているが、各スイッチング素子5a,5bの各オフ期間における各リアクタ電流(ILaoff,ILboff)の変化量は必ずしも同等とならない場合があり、この場合には、各スイッチング素子5a,5bの各オン期間における母線電流(Idc)の変化量のアンバランスは、必ずしも抑制することができない。したがって、連続モードの動作領域では、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間において生じた各リアクタ4a,4bに流れる各リアクタ電流(ILaoff,ILboff)の変化量の誤差は蓄積されることとなる。このような場合、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間終了時点、すなわち、各スイッチング素子5a,5bのオンタイミングにおける各リアクタ電流が同等となるよう制御すればよい。
【0086】
各スイッチング素子5a,5bのオフ期間終了時点における各リアクタ電流は、それぞれ下記(10)、(11)式で表すことができる。オフ期間終了後の値は、次式で算出する。ここでnは、電源電圧のゼロクロスを起点として、n回目の母線電流のリプル成分の1周期(各スイッチング素子5a,5bのスイッチング周期の半分)を示す。したがって、ILb0(n)は、n回目の母線電流(Idc)のリプル成分の1周期におけるオフ期間終了後のリアクタ4bに流れる電流値を示し、Idc(n)はn回目の母線電流(Idc)のリプル成分の1周期における母線電流検出値、ILa0(n−1)は、n−1回目の母線電流(Idc)のリプル成分の1周期におけるオフ期間終了後のリアクタ4aに流れる電流値を示している。
【0087】
ILb0(n)=Idc(n)−ILa0(n−1)
−ΔILaon*Daon*Tsw/2
+ΔILboff*(1−Daon)*Tsw/2
・・・(10)
【0088】
ILa0(n+1)=Idc(n+1)−ILb0(n)
−ΔILbon*Dbon*Tsw/2
+ΔILaoff*(1−Dbon)*Tsw/2
・・・(11)
【0089】
上記(10)、(11)式において、ILb0(n)は、電源電圧のゼロクロスを起点として、リプル成分の周期(各スイッチング素子5a,5bのスイッチング周期Tswの半分)におけるn周期目のスイッチング素子5bのオフ期間終了時点においてリアクタ4bに流れるリアクタ電流を示し、Idc(n)は、リプル成分のn周期目のスイッチング素子5bのオフ期間終了時点における母線電流の検出値を示し、ILa0(n−1)は、リプル成分の(n−1)周期目のスイッチング素子5aのオフ期間終了時点においてリアクタ4aに流れるリアクタ電流を示し、ILa0(n+1)は、リプル成分の(n+1)周期目のスイッチング素子5aのオフ期間終了時点においてリアクタ4aに流れるリアクタ電流を示し、Idc(n+1)は、リプル成分の(n+1)周期目のスイッチング素子5aのオフ期間終了時点における母線電流の検出値を示している。
【0090】
上記(10)、(11)式を用いて、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間終了時点における各リアクタ電流が同等となるよう制御すれば、各スイッチング素子5a,5bのオフ期間においてリアクタ4a,4bに流れる各リアクタ電流(ILaoff,ILboff)の変化量をも同等となるように制御することが可能となる。
【0091】
以上説明したように、実施の形態1の電力変換装置によれば、複数のチョッパ回路部を有する構成において、各スイッチング素子の各オン期間が重ならない区間における母線電流が一方のスイッチング素子のオン期間において一方のリアクタに流れるリアクタ電流と他方のスイッチング素子のオフ期間において他方のリアクタに流れるリアクタ電流との加算電流に等しいことを利用して、このときの母線電流の単位時間当たりの各変化率を用いて算出した各リアクタのインダクタンス値の比率を各スイッチング素子のオンデューティの比率とすることにより、各スイッチング素子の各オン期間における母線電流の変化量が同等になるように制御するようにしたので、より簡素な構成で、動作モードによらず、高調波電流の抑制効果を高めることが可能となる。
【0092】
また、電力変換装置を稼働させる前に、各スイッチング素子をそれぞれ個別にオンした状態における母線電流を検出して、各チョッパ回路部の各リアクタの各インダクタンス値の比率を算出し、この電力変換装置を稼働させる前に算出した各インダクタンス値の比率を用いてオンデューティの補正を行うことにより、電力変換装置の稼働中に各インダクタンス値の比率を算出する必要がなくなり、ソフトウェアの演算負荷を下げることができるので、より演算処理性能の低い低コストなマイコン等によりスイッチング制御手段を構成することが可能となる。
【0093】
また、交流電源の1周期中における各スイッチング素子のスイッチングのうち、少なくとも1回ずつ上述した各オンデューティの補正を実施し、それ以外のスイッチング時には、基準オンデューティを各オンデューティに適用する等、オンデューティの補正を実施する回数を低減することにより、マイコンの演算負荷の軽減に対する効果はより大きくなる。
【0094】
また、各リアクタに流れるリアクタ電流の誤差が出ても、その誤差が蓄積されない不連続モードや臨界モードでは、オンデューティの補正を行わず、連続モードの動作領域でのみオンデューティの補正を行うようにすることにより、オンデューティの補正による高調波電流の抑制効果を損なうことなく、マイコンの演算負荷を低減することができる。
【0095】
また、連続モードの動作領域においても、交流電源の1周期中における各スイッチング素子のスイッチングのうちの少なくとも1回ずつ、あるいは、連続モードの動作領域における各スイッチング素子5a,5bのスイッチングのうちの少なくとも1回ずつ、各スイッチング素子5a,5bの駆動パルスに対するオンデューティの補正を実施し、それ以外のスイッチング時には、基準オンデューティを各オンデューティに適用する等、オンデューティの補正を実施する回数をさらに低減することにより、さらにソフトウェアの演算負荷を下げることができるので、さらに演算処理性能の低い低コストなマイコン等によりスイッチング制御手段を構成することが可能となる。
【0096】
実施の形態2.
本実施の形態にかかる電力変換装置における母線電流(Idc)の傾き(ΔIdc(aonboff),ΔIdc(aoffbon))、つまり、各駆動パルスの各オン期間における母線電流(Idc)の単位時間当たりの各変化率の算出手法について、図11を参照して説明する。図11は、実施の形態2にかかる電力変換装置のキャリア信号、駆動パルス、および母線電流の各波形図である。実施の形態2にかかる電力変換装置の構成は、実施の形態1にかかる電力変換装置と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0097】
実施の形態1では、母線電流(Idc)をデジタル値として取り込む際、マイコンのA/D(アナログ/デジタル)変換ポートのうちの少なくとも2つのポートに、母線電流検出手段8の出力端子を接続し、これら2つのA/D変換ポート間で、駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)より十分短い時間差分Tadを持ってサンプリングして、これら2つのA/D変換ポートにおける母線電流の差分値Idcadを時間差分Tadで割ることで各駆動パルスの各オン期間における母線電流(Idc)の単位時間当たりの各変化率(以下、「母線電流変化率」という)を算出する例について説明した。
【0098】
この場合には、一方のA/D変換ポートでマイコン内のキャリア信号の谷や山に同期したタイミングで母線電流(Idc)をデジタル値として取り込んでサンプリングを行い、時間差分Tad経過後に、他方のA/D変換ポートで再度母線電流(Idc)をデジタル値として取り込んでサンプリングを行う。この算出手法では、時間差分Tadが固定値であるので演算負荷が軽いものの、時間差分Tadが小さい場合には、算出結果として得られる母線電流(Idc)の変化分(図8に示すIdcad)が小さく、ノイズによる影響を受け易い。
【0099】
また、予め時間差分Tadを駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の1/2(Don/2)以下に設定する必要がある。
【0100】
本実施の形態では、図11に示すように、マイコン内のキャリア信号の谷に同期したタイミングでサンプリングを行い、その後、駆動パルス(pulse)がオンからオフに切り替わるタイミングで再度サンプリングを行う。この結果得られた2つのサンプリングデータの差分(図8に示すIdcadに相当)を駆動パルス(pulse)のオン期間Don/2で割ることで母線電流変化率を算出する。このような算出手法とすれば、ノイズレベルに対して算出結果として得られる母線電流(Idc)の変化分(図8に示すIdcad)が大きくなるため、実施の形態1の算出手法よりもノイズによる影響を受け難くなる。また、予め駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の1/2(Don/2)以下となる時間差分Tadを設定する必要がなくなるため、駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の可変範囲が時間差分Tadにより制限されることがなく、駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の可変範囲をより広くすることができる。
【0101】
なお、図11に示す例では、マイコン内のキャリア信号の谷に同期したタイミングで初回のサンプリングを行う例を示したが、一方のスイッチング素子5aにおける母線電流変化率を上述した算出手法で求め、他方のスイッチング素子5bにおける母線電流変化率は、マイコン内のキャリア信号の山に同期したタイミングで初回のサンプリングを行い、その後、駆動パルス(pulse)がオンからオフに切り替わるタイミングで再度サンプリングを行い、この結果得られた2つのサンプリングデータの差分(図8に示すIdcadに相当)を駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の1/2(Don/2)で割ることで算出するようにすればよい。
【0102】
以上説明したように、実施の形態2の電力変換装置によれば、マイコン内のキャリア信号の谷あるいは山に同期したタイミングでサンプリングを行い、その後、駆動パルス(pulse)がオンからオフに切り替わるタイミングで再度サンプリングを行い、この結果得られた2つのサンプリングデータの差分を駆動パルス(pulse)のオン期間Don/2で割ることで母線電流変化率を算出するようにしたので、ノイズレベルに対して算出結果として得られる母線電流(Idc)の変化分が大きくなるため、実施の形態1よりもノイズによる影響を受け難くなり、母線電流変化率のSN比が向上する。
【0103】
また、予め駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の1/2(Don/2)以下となる時間差分Tadを設定する必要がなくなるため、駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の可変範囲が時間差分Tadにより制限されることがなく、駆動パルス(pulse)のオン期間(Don)の可変範囲をより広くすることができる。
【0104】
なお、上述した実施の形態では、各チョッパ回路部を構成する各スイッチング素子は、例えばIGBTにより構成されるものとして説明したが、これら各スイッチング素子として、炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)系材料、またはダイヤモンド等のワイドバンドギャップ(以下、「WBG」という)半導体で形成された金属-酸化物-半導体接合電界効果トランジスタ(MOS−FET:Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)を用いた構成に適用して好適である。
【0105】
WBG半導体により形成されたMOS−FETは、Si(シリコン)系半導体により形成されたMOS−FETに比べてスイッチング損失および導通損失が小さいと共に、耐熱性が高く、高温動作が可能である。したがって、各スイッチング素子をSi系半導体で形成した場合よりも、ヒートシンクの大きさを小さくする等、放熱設計をより簡素化することができる。
【0106】
また、このようなWBG半導体によって形成されたスイッチング素子は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子自体の小型化も可能である。
【0107】
したがって、各チョッパ回路部を構成する各スイッチング素子として、WBG半導体によって形成されたスイッチング素子を用いることにより、電力変換装置の小型化、低コスト化をも図ることができる。
【0108】
一方で、IGBTの定常損失が電流に比例するのに対し、MOS−FETの定常損失は電流の二乗に比例することから、電流アンバランスが発生した場合の損失増加が大きい。実施の形態1において説明したように、各スイッチング素子の各オン期間において各チョッパ回路部に流れる母線電流の変化量が同等になるように制御する構成とすることにより、動作モードによらず、高調波電流の抑制効果を高めることを可能としているので、各チョッパ回路部に流れる母線電流にアンバランスが発生している状態では、各スイッチング素子としてIGBTを用いた構成である場合の損失よりも、MOS−FETを用いた構成である場合の損失が大きくなる。
【0109】
つまり、各チョッパ回路部を構成する各スイッチング素子として、Si(シリコン)系半導体よりも低損失なWBG半導体により形成されたMOS−FETを用いた構成に適用することで、より大きな効果を得ることが可能となる。
【0110】
また、上述した実施の形態で説明した電力変換装置を適用したモータ駆動制御装置を空気調和機に適用し、これらの送風機もしくは圧縮機のモータの少なくとも一つを駆動するのに用いても同様の効果が得られる。
【0111】
また、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上のように、本発明にかかる電力変換装置は、複数のチョッパ回路部を有する構成において、高調波電流の抑制効果を高める技術として有用であり、特に、その電力変換装置を備えたモータ駆動制御装置、そのモータ駆動制御装置を備えた送風機および圧縮機、ならびに、その送風機あるいは圧縮機を備えた空気調和機に適している。
【符号の説明】
【0113】
1 交流電源(単相交流電源)、2 整流器(単相整流器)、2a〜2d 整流ダイオード、3a,3b チョッパ回路部、4a,4b リアクタ、5a,5b スイッチング素子、6a,6b 逆流防止素子、7 平滑コンデンサ、8 母線電流検出手段、9 母線電圧検出手段、10 スイッチング制御手段、11 整流電圧検出手段、20 オンデューティ算出手段、21 母線電流指令値制御手段、22 オンデューティ制御手段、23 オンデューティ補正手段、24 駆動パルス生成手段、31 インバータ、32 モータ、33 インバータ制御手段、34 モータ電流検出手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11

【手続補正書】
【提出日】2014年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクタ、複数のスイッチング素子および逆流防止素子を有して構成されるチョッパ回路部を複数並列に接続して構成される電力変換装置であって、
複数の前記リアクタに流れるリアクタ電流が加算された母線電流の変化量が略同等となるように、オンデューティの比率を前記各リアクタのインダクタンス値の比率とし、複数の前記スイッチング素子にオンデューティの異なる駆動パルスを与える
力変換装置。
【請求項2】
複数の前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御手段と、
複数の前記チョッパ回路部の出力を平滑する平滑コンデンサと、
前記整流器から出力される整流電圧を検出する整流電圧検出手段と、
前記平滑コンデンサが平滑した母線電圧を検出する母線電圧検出手段と、
複数の前記リアクタに流れるリアクタ電流が加算された母線電流を検出する母線電流検出手段と、
を備え、
前記スイッチング制御手段は、
前記母線電圧および前記母線電流に基づいて、複数の前記スイッチング素子に対する各駆動パルスの基準オンデューティを算出するオンデューティ算出手段と、
前記整流電圧、前記母線電圧および、前記母線電流の傾きに基づいて、前記各リアクタのインダクタンス値の比率を算出し、当該算出したインダクタンス値の比率に基づいて前記基準オンデューティを補正するオンデューティ補正手段と、
補正後の各オンデューティに基づいて、複数の前記スイッチング素子に対する各駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
を備える請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記オンデューティ補正手段は、交流電源の1周期中における前記各スイッチング素子のスイッチングのうち、少なくとも1回ずつ前記各オンデューティの補正を実施し、前記オンデューティの補正を実施しない場合には、前記基準オンデューティを前記各オンデューティに適用する請求項に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスの1周期中において前記各リアクタ電流がゼロとなる期間が存在しない動作状態である連続モードにおいて、前記オンデューティの補正を実施し、前記各駆動パルスの1周期中において前記各リアクタ電流がゼロとなる期間が存在する動作状態である不連続モード、および、各スイッチング素子のオフ期間中において各リアクタ電流がゼロになった瞬間に各スイッチング素子がオンする動作状態である臨界モードにおいて、前記基準オンデューティを前記各オンデューティに適用する請求項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記オンデューティ補正手段は、前記連続モードにおける前記各スイッチング素子のスイッチングのうち、少なくとも1回ずつ前記各オンデューティの補正を実施し、前記オンデューティの補正を実施しない場合には、前記基準オンデューティを前記各オンデューティに適用する請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスのそれぞれのオン期間において、所定の時間差分離れた少なくとも2つの異なる時刻間における前記母線電流の差分を求め、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出する請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記所定の時間差分は、前記各駆動パルスのオン期間よりも短い請求項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスを生成するキャリア信号の谷あるいは山に同期したタイミングにおける前記母線電流と前記駆動パルスがオンからオフに切り替わるタイミングにおける前記母線電流との差分を求め、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出する請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記オンデューティ補正手段は、前記各駆動パルスのそれぞれのオン期間における前記母線電流を微分して、前記母線電流の単位時間当たりの各変化率を算出する請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記オンデューティ補正手段は、当該電力変換装置の稼動前に、前記各スイッチング素子を唯一オンさせて、前記傾きを算出する請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記各スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体により形成されたMOS−FETである請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドである請求項11に記載の電力変換装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
前記電力変換装置の出力である直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
前記交流電圧により駆動されるモータと、
を備えるモータ駆動制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載のモータ駆動制御装置を備える送風機。
【請求項15】
請求項13に記載のモータ駆動制御装置を備える圧縮機。
【請求項16】
請求項14に記載の送風機、あるいは、請求項15に記載の圧縮機のうち、少なくとも一方を備える空気調和機。
【国際調査報告】