特表-16166991IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
再表2016-166991太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム
<>
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000003
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000004
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000005
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000006
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000007
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000008
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000009
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000010
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000011
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000012
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000013
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000014
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000015
  • 再表WO2016166991-太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年10月20日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】太陽光発電設備の診断システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20171201BHJP
【FI】
   H02S50/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
【出願番号】特願2017-512205(P2017-512205)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年4月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-85389(P2015-85389)
(32)【優先日】2015年4月17日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】數野 浩基
(72)【発明者】
【氏名】高岡 浩一
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151KA02
5F151KA08
5F151KA09
5F151KA10
(57)【要約】
太陽光発電設備の診断を精度よく行うべく、診断装置(10)は、太陽電池(21)を備える太陽光発電設備(20)から所定の時間帯の電力のデータを取得する第1のデータ取得インタフェース(11)と、日射計(25)から上記時間帯の日射強度のデータを取得する第2のデータ取得インタフェース(12)と、電力のデータと日射強度のデータとに基づいて太陽光発電設備(20)の診断を行う処理部(13)とを備える。処理部(13)は、日射強度のデータから求められる日射量の実測値および太陽電池(21)の太陽電池容量の積と電力のデータから求められる電力量との比率である評価係数を求める計算部(131)と、計算部(131)が所定の複数の判定期間ごとに求めた複数の評価係数に基づいて太陽光発電設備(20)の診断を行う診断部(132)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池を備える太陽光発電設備から所定の時間帯に出力される電力のデータを、第1のデータとして取得するように構成される第1のデータ取得インタフェースと、
日射計からの上記時間帯に出力される日射強度のデータを、第2のデータとして取得するように構成される第2のデータ取得インタフェースと、
前記第1のデータと前記第2のデータとに基づいて前記太陽光発電設備の診断を行うように構成される処理部とを備え、
前記処理部は、
前記第2のデータから求められる日射量の実測値および前記太陽電池の太陽電池容量の積と前記第1のデータから求められる電力量との比率である評価係数を求めるように構成される計算部と、
前記計算部が複数の所定の判定期間ごとに求めた評価係数に基づいて前記太陽光発電設備の診断を行うように構成される診断部とを備える
ことを特徴とする太陽光発電設備の診断システム。
【請求項2】
前記判定期間は、気候に応じた1年の複数の区分期間の何れかに対応する期間であって、複数日を含むように定められていることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項3】
前記計算部は、複数の計算期間それぞれの複数の評価係数を求め、前記複数の評価係数の平均値を1日の評価係数として求めるように構成され、ここにおいて、前記複数の計算期間は、南中時刻を含む1日の所定の時間帯を区分することによって得られることを特徴とする請求項2記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項4】
前記診断部は、比較部を備え、これは、
前記複数の区分期間にそれぞれ対応する複数の判定期間ごとに、当該判定期間と当該判定期間に隣接する判定期間から得られる2つの評価係数の差を、その2つの評価係数の一方で割った値である乖離率を求め、
隣り合う2つの判定期間に対して求めた2つの乖離率を比較する
ように構成され、
前記診断部は、前記比較部が比較した前記2つの乖離率の差が所定の故障閾値を超える場合に前記太陽電池の故障と判断するように構成される
ことを特徴とする請求項2又は3記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項5】
前記診断部は、
前記太陽光発電設備が正常に稼働している状態であるときに前記計算部が前記複数の判定期間ごとに求めた前記複数の評価係数を、前記複数の判定期間に対応する複数の標準評価係数として記憶するように構成される記憶部と、
前記太陽光発電設備の運転中に前記計算部が求めた評価係数を、前記記憶部に記憶された複数の標準評価係数のうち当該評価係数の判定期間に一致する判定期間における標準評価係数と比較するように構成される比較部と、
前記比較部の比較結果に基づいて前記太陽光発電設備に不具合があるか否かを判断するように構成される判断部とを備える
請求項2又は3記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項6】
前記判断部は、前記比較部が求めた前記標準評価係数と前記評価係数との差が所定の劣化閾値を超えた場合であって、かつ該当する判定期間以前の複数の判定期間それぞれにおける評価係数と標準評価係数と差が時間経過に伴って増加している場合に、前記太陽電池の劣化と判断するように構成されることを特徴とする請求項5記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項7】
前記判断部は、前記比較部が求めた前記標準評価係数と前記評価係数との差が、複数の判定期間において時間経過に伴って増加を続け、それらの差の増加率が第1閾値以上で第2閾値未満であれば前記太陽電池の劣化と判断し、その増加率が前記第2閾値より大きい第3閾値以上であれば前記太陽電池の汚れと判断するように構成されることを特徴とする請求項5記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項8】
前記第1のデータ取得インタフェースは、前記太陽電池を構成する複数のストリングから前記複数のストリングそれぞれについて電力のデータを取得するように構成され、
前記判断部は、前記複数のストリングごとに、隣接する2つの判定期間で前記比較部が求めた前記標準評価係数と前記評価係数との差の変化率を求め、前記複数のストリングごとに求めた複数の変化率の分布に基づいて、前記複数のストリングごとに不具合があるか否かを判断するように構成される
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項9】
前記処理部は、
前記判定期間における前記電力のデータと前記日射強度のデータとのそれぞれについて、前記判定期間に含まれる前記複数日から同時刻の最大値を求め、前記最大値を時刻に対応付けた仮パターンを抽出するように構成される仮パターン抽出部と、
前記仮パターンが所定の晴天条件を満たす場合に前記仮パターンを前記判定期間の晴天パターンとして記憶するように構成されるパターン記憶部と、
特定の判定期間に前記仮パターン抽出部が抽出した前記仮パターンと、前記特定の判定期間より前の判定期間の晴天パターンとについて類似の程度を評価し、当該類似の程度が基準値より高いときに、前記特定の判定期間の仮パターンが前記晴天条件を満たしたと判定し、前記特定の判定期間の仮パターンを前記特定の判定期間の晴天パターンとするように構成されるパターン判定部とを備え、
前記計算部は、前記晴天パターンのデータに基づいて前記評価係数を求めるように構成される
ことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項10】
前記処理部は、
複数年のうちの同じ判定期間において前記日射強度に関する晴天パターンと前記電力に関する晴天パターンとの同時刻における差分を求め、前記差分の値が所定の判定値に対して設定した許容範囲内か否かを判定するように構成される晴天判定部を備え、
診断装置は、前記差分の値が前記許容範囲を逸脱している場合に、所定の端末装置に通知をするように構成される出力部をさらに備える
ことを特徴とする請求項9記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項11】
前記処理部は、前記第1のデータ取得インタフェースが取得した前記電力のデータと、前記第2のデータ取得インタフェースが取得した前記日射強度のデータとについて時間軸方向のずれを補正するように構成される時刻補正部を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項12】
前記太陽光発電設備は、前記太陽電池が出力した直流電力を交流電力に変換するように構成される電力変換装置をさらに備え、
前記第1のデータ取得インタフェースは、前記太陽電池から出力される電力に関する第1のデータと、前記電力変換装置から出力される電力に関する第2のデータとを取得するように構成され、
前記処理部は、前記第1のデータと前記第2のデータとについて時間軸方向のずれを補正するように構成されている
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の診断システム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1〜12のいずれか1項に記載の太陽光発電設備の診断システムとして機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電設備の診断システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池の電気出力に基づいて太陽電池の出力が正常か異常かを判定する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1では、所定の日照時刻における太陽電池の出力電力値の、当該日照時刻に対応する標準出力電力値に対する比を算出し、この比に基づいて太陽電池の出力が正常か異常かを判定している。また、特許文献1には、複数日にわたって日照時刻毎に繰り返し実測した出力電力値の最大値を日照時刻における標準出力電力値とする技術が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された発明は、太陽光発電設備の導入時に太陽電池アレイが適切に設置されているか否かを診断し、また太陽電池アレイの経時変化による発電能力の劣化や故障について診断するために、太陽電池の標準出力電力値を用いている。
【0004】
一方、近年では、広い敷地(たとえば、1ha以上)に多数枚(たとえば、1000枚以上)の太陽電池モジュールが配置される中規模ないし大規模の太陽光発電設備が設置されている。このような太陽光発電設備では、標準出力電力値は、日射の回り込み、あるいは雲の影などの影響を受ける。すなわち、中規模ないし大規模の太陽光発電設備では、特許文献1に記載された技術によって、劣化や故障を精度よく診断することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−340464号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、太陽光発電設備の診断を精度よく行うことを可能にした太陽光発電設備の診断システムを提供することを目的とする。また、本発明は、コンピュータをこの太陽光発電設備の診断システムとして機能させるプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明に係る太陽光発電設備の診断システムは、第1のデータ取得インタフェースと、第2のデータ取得インタフェースと、処理部とを備える。前記第1のデータ取得インタフェースは、太陽電池を備える太陽光発電設備から所定の時間帯に出力される電力のデータを、第1のデータとして取得するように構成される。前記第2のデータ取得インタフェースは、日射計からの上記時間帯に出力される日射強度のデータを、第2のデータとして取得するように構成される。前記処理部は、前記第1のデータと前記第2のデータに基づいて前記太陽光発電設備の診断を行うように構成される。前記処理部は、計算部と、診断部とを備える。前記計算部は、前記第2のデータから求められる日射量の実測値および前記太陽電池の太陽電池容量の積と前記第2のデータから求められる電力量との比率である評価係数を求めるように構成される。前記診断部は、前記計算部が複数の所定の判定期間ごとに求めた評価係数に基づいて前記太陽光発電設備の診断を行うように構成される。判定期間は、気候に応じた1年の複数の区分期間の何れかに対応する期間であり、同じ季節あるいは太陽高度が同程度である複数日を含むように定められている。
【0008】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記した太陽光発電設備の診断システムとして機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は本開示に従って一又は複数の実施例を示すが、限定するものではなく例に過ぎない。図面において、同様の符号は同じか類似の要素を指す。
図1】実施形態を示すブロック図である。
図2】実施形態における所定の時間帯、計算期間および判定期間の説明図である。
図3】実施形態においてどのように評価係数が時間(季節)変化するかを示すグラフである。
図4】実施形態における故障判断の例を示すための乖離率の時間変化を示すグラフである。
図5】実施形態における劣化判断の例を示すための評価係数の時間変化を示すグラフである。
図6】実施形態における汚れ判断の例を示すための差分の時間変化を示すグラフである。
図7】実施形態における日射強度の時間変化を示すグラフである。
図8】実施形態における仮パターンの例を示すための日射強度の時間変化を示すグラフである。
図9】実施形態において日射強度に対する電力値との関係の時間変化を示すグラフである。
図10】別の実施形態において、第1のパターン抽出期間の間に太陽光発電設備から得られる複数の出力値が単一の第2のパターン抽出期間の間にどのように時間変化をするかを示すグラフである。
図11】第1のパターン抽出期間の間に太陽光発電設備から得られる複数の最大出力値と、その複数の最大出力値から得られる基準パターンを構成するデータが、単一の第2のパターン抽出期間の間にどのように時間変化をするかを示すグラフである。
図12】ある地点の南中時刻が1年間にどのように時間変化するかを示すグラフである。
図13】基準パターンのデータが単一の第2のパターン抽出期間の間に時間変化するグラフにおいて、基準パターンに対する傾きゼロの接線を例示する。
図14】抽出した基準パターンを構成するデータに含まれる値ごとに求められる傾き値がどのように時間変化をするかを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する太陽光発電設備の診断システムは、中規模から大規模の太陽光発電設備を対象にしている。ここで、本開示の各実施形態の太陽光発電設備の診断システムは、単一の装置でもよく、あるいは、それ自身の何れかの機能をそれぞれ複数の装置に分散するように構成されてもよい。以下、太陽光発電設備の診断システムを「診断装置」という。太陽光発電設備の発電規模には、とくに制限はないが、以下に説明する診断装置を適用する太陽光発電設備は、数百枚以上の太陽電池パネルが並ぶ程度の発電規模を想定している。たとえば、発電規模が250kW程度であれば、1000枚以上の太陽電池パネルが並び、また、発電規模が1MW程度であれば太陽電池パネルの設置面積は1ha程度になる。ただし、以下に説明する技術は、家庭用などの数kW程度の小規模の太陽光発電設備に適用することも可能である。
【0011】
太陽光発電設備は、発電規模にかかわらず、太陽電池と、太陽電池が出力した直流電力を交流電力に変換するための電力変換装置と、日射計とを備える。日射計は、太陽電池への日射強度を計測するように構成される。たとえば、日射計は、太陽電池に隣接して、太陽電池の傾斜角度と同じ角度で配置される。電力変換装置は、いわゆるパワーコンディショナである。また、以下に説明する太陽光発電設備は、電力変換装置で生成された交流電力を電力系統に供給する機能を有した受変電設備を備える。
【0012】
太陽電池は、複数枚のモジュール(太陽光発電パネル)が直列に接続されてストリングを構成している。ストリングは、複数個ずつ接続箱に接続され、その複数のストリングが太陽電池アレイを構成する。接続箱はストリングモニタを備え、ストリングそれぞれが出力する電流を監視する。太陽電池(太陽電池アレイ)が出力する直流電力は、接続箱を通して電力変換装置に供給される。太陽光発電設備は、電力変換装置の入力電圧を監視する計測装置を備える。計測装置は、ストリングモニタが監視したストリングごとの電流値を取得する機能も有する。太陽電池が発電した電力は、ストリングモニタが監視した電流値と、計測装置が監視した電圧値とにより求めることが可能である。ストリングモニタは、ストリングそれぞれが出力する電流を監視するだけではなく、ストリングの出力電圧も併せて監視するように構成されていてもよい。
【0013】
診断装置は、太陽電池が出力する電力の値と、日射計が計測する日射強度との両方に基づいて、太陽光発電設備に不具合があるか否かを診断する。以下に説明する診断装置は、太陽電池の故障、太陽電池の劣化、太陽電池の汚れなどの項目について診断することが可能である。これらの項目の診断を行うために、診断装置は、太陽電池が発電した電力量と日射計が計測した日射量の実測値とに基づいて評価係数を求め、時間経過に伴う評価係数の変化の仕方(評価係数の振る舞い)を評価する。
【0014】
ところで、日本工業規格(JIS C8907)には、太陽光発電システム(太陽光発電設備)の発電電力量推定方法が規定されている。この推定方法では、発電電力量が、太陽電池モジュールの仕様によって決まる出力、太陽電池モジュールの枚数、太陽電池モジュールの設置形態などで定まる発電容量(すなわち、太陽電池容量)と、日射量の実測値と、設計係数とによって推定される。具体的には、発電容量と日射量との積に、パワーコンディショナの変換効率を含む設計係数を乗じることによって、発電電力量が求められている。設計係数は、太陽光発電システムを構成する要素、環境などにより定めた固定値が用いられている。
【0015】
ところで、上述した発電量推定方法は、推定発電量=設計係数×発電容量×日射量という形式に簡略化することができる。以下に説明する診断装置は、この数式を変形し、発電量を推定する代わりに、発電量の実測値と発電容量と日射量の実測値とから設計係数に相当する評価係数を求める。すなわち、評価係数は、評価係数=発電量の実測値/(発電容量×日射量の実測値)という形式で表される。
【0016】
診断装置は、太陽光発電設備に関する不具合の有無を診断するためのデータを蓄積する構成要素と、蓄積したデータに基づいて不具合の有無を診断する構成要素とを備える。これらの2つの構成要素は、1つの装置で実現することが可能であるが、異なる装置で実現されてもよい。たとえば、太陽光発電設備で生じたデータを蓄積する構成要素は、太陽光発電設備に設け、太陽光発電設備の不具合の有無を診断する構成要素は、インターネットのような電気通信回線を通して太陽光発電設備と通信する診断用のサーバに設けることが可能である。また、クラウドコンピューティングシステムにより太陽光発電設備からのデータを収集し、診断装置は、太陽光発電設備の管理者が管理する端末装置で実現してもよい。
【0017】
診断装置は、太陽光発電設備を用いて発電事業を行う事業者、発電事業者からメンテナンス委託を受けたEPC(Engineering, Procurement and Construction)業者、あるいは太陽光発電設備のメンテナンス事業者などが用いる。1台の診断装置が扱う太陽光発電設備のサイト数は、たとえば100〜500サイトを想定している。ただし、診断装置の台数を増加させるか、診断装置の処理能力を高めることにより、診断装置が扱う太陽光発電設備のサイト数は、必要に応じて増加させることが可能である。
【0018】
ところで、以下に説明する診断装置では、太陽光発電設備における不具合の有無を診断するための基準は、上述した評価係数であるが、評価係数の変化により太陽光発電設備の不具合の有無を診断するには、評価係数を求める際の条件を種々の評価の間で一致させる必要がある。発電量を変動させる要因は様々であり、太陽電池の温度の変化などが含まれるが、なかでも日射強度は短時間で変化する場合があり、結果的に発電量に大きい影響を与える。そのため、以下に説明する診断装置は、評価係数を求める際の日射量の実測値が種々の評価の間でほぼ一致するように、評価係数を求める条件を定めている。
【0019】
具体的には、晴天日に相当する日射量、かつ太陽高度が同程度であることを、評価係数を求める条件に定めている。この条件により、評価係数を求める際の日射量の実測値を種々の評価の間でほぼ一致させている。このような条件を判断する技術は後に説明する。
【0020】
(実施形態)
診断装置10は、図1のように、太陽光発電設備20から電気通信回線31を通してデータを受け取るように構成されている。電気通信回線31は、インターネットを用いたVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網、または専用回線などから選択される。また、診断装置10は、太陽光発電設備20の運転管理あるいは保守点検管理を行う事業者が管理する端末装置32と通信するように構成されるコンピュータサーバとして機能する。すなわち、診断装置10は、端末装置32と併せて異常監視システムを構築する。図1において、実線は電力の経路を表し、破線は信号の経路を表す。
【0021】
図1に示す太陽光発電設備20は、太陽電池21のほかに、太陽電池21が出力した直流電力を交流電力に変換するように構成される電力変換装置24と、日射計25とを備える。
【0022】
日射計25は、太陽電池21への日射強度(厳密には太陽電池21への日射強度に相当する日射強度)を計測するように構成される。たとえば、日射計25は、太陽電池21に隣接して配置される。一具体例として、日射計25は、太陽電池21への日射強度を計測して全天日射量を得るように構成される全天日射計でもよい。
【0023】
本実施形態には具備されないが、太陽光発電設備20では、日射計25に加えて温度計が配置されていてもよい。また、太陽光発電設備20は、電力変換装置24で生成された交流電力を電力系統27に供給する受変電設備26を備える。太陽電池21は、1又は複数のソーラパネル(又はストリング)から構成される。図1の例では、太陽電池21は、複数のストリング211で構成されており、ストリング211それぞれの電気出力がストリングモニタ221で監視される。
【0024】
接続箱22には、たとえば、一つの太陽電池アレイを構成する複数個のストリング211それぞれと電気的に接続される複数個のストリングモニタ221が収納されている。本実施形態では、太陽光発電設備20は、複数個の接続箱22を備え、接続箱22それぞれに複数個ずつのストリング211が接続される。したがって、1個の接続箱22には、接続される複数個のストリング211の個数に応じた個数のストリングモニタ221が収納される。なお、ストリングモニタ221は、接続箱22とは別に設けられていてもよい。接続箱22は、ストリング211から出力された直流電力を集約して電力変換装置24に供給するように構成される。ストリングモニタ221は、電流センサを通じて、対応するストリング211からの電流を計測するように構成される。電流センサは、ホール素子あるいは磁気抵抗素子を磁気コアに取り付けた構成などが用いられる。電流の計測は、シャント抵抗を通じて行われてもよい。
【0025】
太陽光発電設備20は、電力変換装置24への入力電圧を監視(計測)するように構成される計測装置23を備えている。計測装置23は、ストリング211それぞれが出力する電流値をストリングモニタ221から取得する機能と、日射計25の電気出力の値を取得する機能とを有している。なお、日射計25が電力変換装置24に接続され、計測装置23が電力変換装置24を経由して日射計25の電気出力の値を取得してもよい。ストリング211が出力した電圧を電流と併せてストリングモニタ221が計測できる場合には、電流値と電圧値とに基づいて計測装置23が電力値を求めてもよい。計測装置23は、上述した電気通信回線31を通して診断装置10と通信するための通信部231を備える。
【0026】
診断装置10は、太陽電池21が出力した電力のデータ(第1のデータ)と、日射計25が計測した日射強度のデータ(第2のデータ)とを計測装置23から受け取るように構成される。診断装置10は、電力のデータを取得するように構成される第1のデータ取得インタフェース11と、日射強度のデータを受け取るように構成される第2のデータ取得インタフェース12とを備える。さらに、診断装置10は、電力のデータおよび日射強度のデータに基づいて太陽光発電設備20の診断を行うように構成される処理部13を備える。
【0027】
図2に示すように、第1のデータ取得インタフェース11は、太陽電池21を構成する複数のストリング211それぞれから、一定のサンプリング周期101ごとに電力のデータを取得するように構成される。同様に、第2のデータ取得インタフェース12は、日射計25から一定のサンプリング周期101ごとに日射強度のデータを取得するように構成される。サンプリング周期101は、30秒から10分程度の範囲から選択することが可能であるが、たとえば1分に定めることが望ましい。診断装置10は、日時を計時し、またサンプリング周期101を定めるために、リアルタイムクロックのような内蔵時計(タイマ)14を備える。
【0028】
図1の例では、診断装置10が内蔵時計(タイマ)14を備えるが、本実施形態は、これに限らない。たとえば、計測装置23が、タイマを備え、サンプリング周期101ごとに、太陽電池21の電力のデータと日射計25の日射強度のデータを取得し、通信部231を通じて、それぞれのデータを診断装置10(データ取得インタフェース11および12)に供給するように構成されてもよい。タイマが診断装置10および太陽光発電設備20の何れに具備される構成においても、第1および第2のデータ取得インタフェース11および12が、それぞれ、第1のデータおよび第2のデータを、対応する時刻情報とともに取得し、第1のデータおよび第2のデータそれぞれに、対応する時刻情報が割り当てられることが望ましい。上記時刻情報は、対応するデータが取得される時刻の情報であり、本実施形態では、日時の情報である。
【0029】
診断装置10は、計測装置23から、電気通信回線31を通してストリング211ごとの電流値および電力変換装置24に入力される電圧値のデータを取得し、ストリング211ごとに発電した電力値を求める。この電力値は、対応するストリング211に異常がなければ、その対応するストリング211が受けた日射強度の値と所定の関係を持つ。なお、診断装置10が計測装置23から電流値および電圧値のデータを受け取るのではなく、診断装置10が計測装置23から電力値のデータを受け取るように構成されていてもよい。つまり、計測装置23が電流値と電圧値とから電力値を計算する構成であってもよい。
【0030】
要するに、本実施形態では、計測装置23は、太陽電池21の電力のデータ(第1のデータ)と日射計25の日射強度のデータ(第2のデータ)を取得し、通信部231を通じて、第1のデータと第2のデータを診断装置10(データ取得インタフェース11および12)に供給するように構成される。ここで、電力のデータは、電力値、または電力値を得るための電流値および電圧値を含む。日射強度のデータは、日射計25が日射強度から得られる日射強度値を出力するように構成される場合は日射強度値を含み、日射計25が日射強度を計測して日射量(たとえば全天日射量)を得るように構成される場合は日射強度から得られる日射量を含む。要するに、日射強度のデータは、日射強度に関する値を含む。
【0031】
図1の例では、第1のデータ取得インタフェース11は、計測装置23からストリング211ごとの電力のデータを取得することが可能である。また、第1のデータ取得インタフェース11は、計測装置23からすべてのストリング211の合計の電力のデータを取得することが可能である。一方、第2のデータ取得インタフェース12は、計測装置23から日射計25が計測した日射強度のデータを取得することが可能である。
【0032】
図2に示すように、第1のデータ取得インタフェース11および第2のデータ取得インタフェース12は、所定のサンプリング周期101ごとのデータを取得する。以下に説明する構成例では、サンプリング周期101は1分間である。処理部13は、サンプリング周期101ごとの、サンプリング期間(サンプリング用期間)102における電力値および日射強度それぞれの積算値または平均値に基づいて太陽光発電設備20の診断を行うように構成される。サンプリング周期101が1分間であることは一例であって、30秒から10分程度の範囲から適宜に選択すればよい。また、診断装置10は、診断時の条件を揃えるために、南中時刻を間に含む期間(所定の時間(日照時間)帯)110における太陽電池21からの電力のデータと、日射計25が計測した日射強度のデータとに基づいて、太陽電池21の診断を行う。たとえば、10時から13時の期間110に得られたデータに基づいて診断が行われる。
【0033】
要するに、図2の例に示すように、サンプリング周期101ごとに太陽電池21の複数の電力値と日射計25の複数の日射強度に関する値を取得するためのサンプリング期間(サンプリング用期間)102が、各サンプリング周期101内に設けられている。この場合、各サンプリング周期101の両端のそれぞれがサンプリング時点であるので、サンプリング時点ごとに、そのサンプリング時点直前のサンプリング期間102内の値が取得されることになる。以下、この構成を「構成A」という。なお、本実施形態は、この構成Aに限らない。たとえば、本実施形態は、各サンプリング周期101内にサンプリング期間102が設けられない構成(以下「構成B」という)でもよい。
【0034】
したがって、本実施形態では、第1および第2のデータ取得インタフェース11および12は、それぞれ、サンプリング周期101ごとに、第1のデータおよび第2のデータを取得して、第1のデータおよび第2のデータを処理部13に供給するように構成される。構成Aでは、処理部13へのサンプリング周期101ごとの第1のデータは、複数の電力値の平均値であり、これは、対応するサンプリング期間102に得られた複数の電力値、または複数の電力値を得るための複数の電流値および複数の電圧値から得られる。同様に、処理部13へのサンプリング周期101ごとの第2のデータは、複数の日射強度に関する値の平均値であり、これは、対応するサンプリング期間102に得られた複数の日射強度に関する値から得られる。構成Bでは、処理部13へのサンプリング周期101ごとの第1のデータは、サンプリング時点で得られる電力値を含む。同様に、処理部13へのサンプリング周期101ごとの第2のデータは、サンプリング時点で得られる日射強度に関する値を含む。なお、日射強度に関する値は、上述の如く、日射強度値または日射強度値から得られる日射量である。また、サンプリング期間102におけるサンプリング間隔は、たとえばタイマ(内蔵時計14)によって制御される。
【0035】
太陽光発電設備20の周囲に存在する建物、樹木のような障害物などは、太陽光発電設備20の設置現場によって異なり、また日出時刻あるいは日入時刻は、太陽光発電設備20が設置されている地形によって異なる。そのため、朝日および夕日が太陽電池21に照射される時間帯は、太陽光発電設備20が設置されている現場に応じて変化し、この時間帯において太陽電池21に照射される日射強度も、太陽光発電設備20が設置されている現場に応じて変化する。さらに、朝日および夕日が太陽電池21に照射される時間帯は、季節によっても変化する。
【0036】
一方、南中時刻を間に含む期間110であれば、晴天日には季節によらず太陽電池21に太陽光が照射される可能性が高く、また太陽光発電設備20の周囲の障害物、太陽光発電設備20が設置されている場所の地形の影響を受けにくい。そのため、診断装置10は、南中時刻を間に含む所定の時間帯110の日射量に基づいて診断を行うように構成される。時間帯110は、たとえば、1時間から5時間の範囲内でもよいが、3時間であることが望ましい。
【0037】
診断装置10による太陽光発電設備20の診断用の評価係数をKpと定義すると、Kp=発電量の実測値/(発電容量×日射量の実測値)という形式で表される。この評価係数Kpは、太陽光発電設備20で生じた総合的な損失の程度を表している。つまり、評価係数Kpには、太陽電池(ソーラパネル)の角度、太陽電池の傾斜、電線での損失、電力変換装置24の変換効率、太陽電池表面の汚れなどで生じる損失、太陽電池表面の反射による損失などが含まれている。また、時間帯110が南中時間を間に含む時間帯であるから、時間帯110のデータから求めた評価係数は、障害物および地形の影響を受けずに、太陽光発電設備20の総合的な損失の程度を表すことができる。
【0038】
すなわち、診断装置10は、南中時刻を間に含む時間帯110ごとに上述した評価係数(標準評価係数)を求め、異なる判定期間(節気)の時間帯110から求めた評価係数を、その標準評価係数と比較することにより、太陽光発電設備20の診断を行う。時間帯110は、南中時刻を間に含むように10時から13時までの3時間の期間が可能である。本実施形態では、図2に示すように、時間帯110を30分単位の複数の計算期間111から構成し、10時から13時において6個の計算期間111を設けている。
【0039】
ところで、同じ季節とみなせる複数日では、同時刻の太陽高度はほぼ等しいから、晴天時の日射強度もほぼ等しい。以下では、同じ季節とみなせる複数日を含む期間を「判定期間100(図2参照)」という。判定期間100は、季候を区分する期間であって、一般的には、2週間から1ヶ月程度の範囲であり、たとえば、二十四節気のうちの1つの節気に含まれる複数日(15日間)の期間が望ましい。判定期間100として、毎月の前半の複数日および毎月の後半の複数日、あるいは1ヶ月の複数日などを採用することも可能である。要するに、太陽高度がほぼ等しい期間が判定期間100として選択される。
【0040】
図3における実線L1は、時間帯110ごとの評価係数がどのように時間変化をするかを示し、ここで、時間帯110ごとの評価係数は、時間帯110内の30分単位の計算期間111で求めた複数(図2の例では6個)の評価係数Kpの平均値を表している。図3の横軸は判定期間(節気)100を単位とする時間を表しており、時間帯110ごとの評価係数がなだらかに変化することがわかる。なお、図3における破線L21は(評価係数の平均値+0.025)を表し、破線L22は(評価係数の平均値−0.025)を表している。破線L21と破線L22との範囲は、30分単位の評価係数に関するばらつきの範囲を表している。すなわち、30分を計算期間111として求めた評価係数は、晴天時に求めた評価係数であれば、判定期間(節気)100によらず、おおむね破線L21と破線L22との範囲内に収まるという実験結果が得られている。また、図3によれば、6個の計算期間111に求めた6個の評価係数Kpの平均値は、判定期間100においてなだらかに変化することがわかる。これらのことから、1つの判定期間(節気)100について評価係数の平均値などを代表値として用いてもよいことがわかる。なお、図3において評価係数を記載していない期間Tは、晴天という条件が満たされず、適切な評価係数が得られなかった期間を表している。
【0041】
図1に示すように、診断装置10の処理部13は、評価係数Kpを求めるための計算部131を備える。計算部131は、日射計25が計測した日射強度のデータから計算期間111ごとに日射量を求め、日射量(実測値)と太陽電池21の仕様によって決まる太陽電池容量(発電容量)との積を求める。さらに、計算部131は、太陽電池21の電力のデータから計算期間111ごとに太陽電池21(各ストリング211)の電力量(発電量)を求め、電力量(実測値)を上記積の値で除算することによって、計算期間111ごとに評価係数Kpを求める。
【0042】
本実施形態では、診断装置10は、時間帯110の計算期間111ごとに、複数の第1のデータから得られる電力量と複数の第2のデータから得られる日射量と太陽電池21(各ストリング211)の発電容量から、評価係数Kpを算出するように構成される。ここで、計算期間111ごとの複数の第1のデータから得られる電力量(発電量)は、計算期間111内の複数のサンプリング周期101で得られる複数の電力値の積分値である。計算期間111ごとの複数の第2のデータから得られる日射量は、計算期間111内の複数のサンプリング周期101で得られる複数の日射強度に関する値の積分値または平均値である。つまり、日射量は、計測装置23が取得する日射強度のデータが日射強度値を含む場合は積分値であり、日射強度のデータが日射量を含む場合は平均値である。
【0043】
この場合、診断装置10は、複数の評価係数Kpから評価係数の代表値を求め、その評価係数の代表値を、記憶部1321に記憶された別の評価係数の代表値(標準評価係数)と比較して、太陽光発電設備20の診断を行うように構成される。本実施形態では、評価係数の代表値は、判定期間100ごとの評価係数であり、これは、判定期間100ごとに得られる複数(図2の例では6個×判定期間100の日数)の評価係数の平均値である。換言すると、判定期間100ごとの評価係数は、判定期間100内の時間帯110ごとの評価係数から得られる。
【0044】
さらに、診断装置10は、判定期間100ごとの評価係数が標準評価係数を間(望ましくは中心)に含むしきい範囲(図3参照)内にある場合、太陽光発電設備20が正常である診断結果を得るように構成される。ここで、しきい範囲は、「評価係数の代表値+0.05」から「評価係数の代表値−0.05」の範囲内でもよいが、「評価係数の代表値+0.025」から「評価係数の代表値−0.025」の範囲であることが望ましい。
【0045】
このように、本実施形態では、晴天の条件に対応した電力量の実測値および日射量の実測値から、判定期間(節気)ごとに評価係数を求めている。つまり、1日当たり6個の計算期間111を設け、時間帯110ごとの評価係数はストリング211ごとに求められる。したがって、1つの時間帯110について求められる評価係数の個数は、6×(ストリング211の個数)になる。
【0046】
診断装置10の処理部13は、判定期間100ごとの評価係数に基づいて太陽光発電設備20の診断を行うように構成される診断部132を備えている。診断部132は、複数の判定期間(節気)100それぞれについて求めた評価係数に基づいて、太陽光発電設備20の診断を行う。つまり、診断部132は複数個の評価係数に基づいて診断を行う。上述したように、判定期間100ごとに1個の評価係数が1つの節気に対して求められるから、節気ごとの評価係数は、判定期間100ごとの評価係数と言い換えることができる。
【0047】
以下では、診断部132が、複数の判定期間(複数の節気)100についてそれぞれ求めた評価係数に基づいて、太陽光発電設備20の診断を行う技術について説明する。診断部132は、判定期間100ごとの評価係数に基づいて、太陽電池21に搭載されたバイパスダイオードの短絡故障、太陽電池21の経年的な劣化、太陽電池21の表面(受光面)の汚れを、太陽光発電設備20の不具合として診断する。
【0048】
診断部132は、記憶部1321と比較部1322と判断部1323とを備える。記憶部1321は、太陽光発電設備20が正常に稼働している状態であるときに計算部131が求めた判定期間100ごとの評価係数を標準評価係数として記憶する。標準評価係数は、複数の判定期間100について記憶部1321に格納される。記憶部1321は、たとえば1年分以上の標準評価係数を格納していることが望ましい。
【0049】
比較部1322は、判定期間(節気)100ごとに求めた評価係数に関する乖離率を求める機能を有する。また、比較部1322は、太陽光発電設備20の運転中に計算部131が求めた判定期間100ごとの評価係数と、記憶部1321が記憶している標準評価係数との差を求める機能を有する。判断部1323は、比較部1322での比較結果に基づいて、太陽光発電設備20に不具合が生じているか否かを判断する。
【0050】
たとえば、判断部1323が太陽電池21の故障を判断する場合、比較部1322は評価係数に関する乖離率をストリング211ごとに求め、2つの乖離率を比較する。乖離率は、判定期間(節気)100ごとの評価係数をKp(n)とすると、乖離率={Kp(n−1)−Kp(n)}/Kp(n)で求められる。ここに、nは判定期間(節気)100の順番を表している。図2の例では、乖離率は、特定の判定期間(節気)100(n)で得られた評価係数Kp(n)を、特定の判定期間(節気)100(n)に対して一つ前の判定期間(節気)100(n−1)で得られた評価係数Kp(n−1)から引いた値を、特定の判定期間(節気)100(n)で得られた評価係数Kp(n)で除した値として定義している。この場合、1つの判定期間(節気)100(n)について求められる乖離率は、ストリング211ごとに求められる。なお、乖離率は、隣り合う判定期間(節気)100について求めた評価係数の差を、一方の評価係数で除算した値であれば、他の計算式で定義することが可能である。
【0051】
判断部1323は、比較部1322が比較した2つの乖離率の差が所定の故障閾値を超える場合に太陽電池21の故障と判断するように構成される。太陽電池21の故障は、バイパスダイオードの短絡などの事象を意味している。この種の故障がなければ、乖離率は図4に破線L31で示すようになだらかに推移するが、故障が発生すると、乖離率は図4に実線L41で示すように急に変化する。したがって、判断部1323は、隣り合う2つの判定期間(節気)100に対して求められた2つの乖離率の差を求め、この差が故障閾値を超えている場合に、バイパスダイオードの短絡などの故障が生じたと判断する。
【0052】
判断部1323が太陽電池21の劣化を判断する場合、比較部1322は太陽光発電設備20の運転中に計算部131が求めた判定期間100ごとの評価係数と、記憶部1321に格納されている標準評価係数とを比較する。具体的には、比較部1322は、計算部131が求めた判定期間100ごとの評価係数を、記憶部1321に格納されている対応する判定期間100の標準評価係数から引いた差を求める。つまり、その対応する判定期間100は、上記評価係数の判定期間100と同じ過去の判定期間(節気)100である。たとえば、図3において、上記評価係数の判定期間100が節気6であれば、対応する判定期間100は、過去(たとえば1年前)の節気6である。判断部1323は、比較部1322が求めた差を所定の劣化閾値と比較し、差が劣化閾値を超えた場合に、太陽電池21に劣化の可能性があると判断する。
【0053】
この場合、判断部1323は、該当する判定期間(節気)100以前の複数の判定期間(節気)100において、記憶部1321に格納されている標準評価係数と計算部131が求めた判定期間100ごとの評価係数との差が時間経過に伴って増加しているか否かを検証する。そして、図5のように、時間経過に伴って差が増加している場合に、判断部1323は、太陽電池21が劣化していると判断する。図5において破線L32は判定期間(節気)100ごとに求めた標準評価係数を表し、実線L42は太陽光発電設備20の運転中において判定期間(節気)100ごとに求めた評価係数を表す。なお、太陽電池21は経年的に劣化するから、想定されるよりも劣化の程度が大きい場合に不具合として検知することが望ましい。また、評価係数は、太陽光発電設備20の総合的な損失を表しているから、図5のような事象が生じた場合には、太陽電池21だけではなく、電力変換装置24の劣化を判断するようにしてもよい。
【0054】
判断部1323が太陽電池21の汚れを判断する場合、太陽電池21の劣化を判断する場合と同様に、比較部1322は太陽光発電設備20の運転中に計算部131が求めた判定期間100ごとの評価係数と、記憶部1321に格納された標準評価係数との差を求める。上述したように、この差は太陽電池21の経年的な劣化に伴って増加するから、経年的な劣化に対しては、図6に実線L33で示すように、緩やかに増加する。一方、太陽電池21の表面に土埃あるいは黄砂などが付着し、降雨のない期間が長く続いたとすれば、土埃あるいは黄砂などが堆積することによって、図6に破線L43で示すように、太陽電池21から出力される電力が劣化時よりも短時間で低下する。すなわち、評価係数は電力量の実測値に比例するから、太陽電池21から出力される電力が低下すれば評価関数が低下し(Kpの式参照)、結果的に標準評価係数との差が大きくなる。
【0055】
そこで、判断部1323は、標準評価係数と判定期間100ごとの評価係数との差が、複数の判定期間(節気)100において時間経過に伴って増加を続けている場合に、差の増加率に基づいて、太陽電池21の劣化と太陽電池21への汚れの付着とを区別する。すなわち、判断部1323は、第1閾値と第2閾値と第3閾値との3段階の閾値に基づいて判断をする(第1閾値<第2閾値<第3閾値)。判断部1323は、増加率が第1閾値以上で第2閾値未満であれば太陽電池21の劣化と判断し、増加率が第3閾値以上であれば太陽電池21の汚れと判断する。
【0056】
本実施形態の処理部13は、上述したように、太陽光発電設備20について3種類の不具合を判断することが可能であるが、上述した3種類の不具合のうちの少なくとも1種類を判断する構成であてもよい。すなわち、判断する不具合の種類に応じて、上述した構成は適宜に省略することが可能である。
【0057】
上述した動作例は、太陽光発電設備20の不具合を太陽光発電設備20の全体について一括して診断している。一方、第1のデータ取得インタフェース11は、太陽電池21のストリング211を単位として電力に関するデータを取得することが可能である。そのため、診断装置10は、ストリング211を単位とした診断を行うことが可能である。
【0058】
具体的には、診断部132において、複数のストリング211それぞれの電力のデータに基づいて、複数のストリング211それぞれに対応した評価係数を求める。たとえば、診断部132は、ストリング211ごとに、判定期間100ごとの評価係数を求める。診断部132は、複数のストリング211について求めた評価係数に基づいて、ストリング211ごとに不具合が生じているか否かを診断することが可能になる。ここに、ストリング211ごとの評価係数は、太陽電池21の故障、太陽電池21の劣化、太陽電池21の汚れなどの診断に用いることが可能である。
【0059】
ところで、この構成では、複数のストリング211について評価係数を求めるから、複数の評価係数が得られる。このことを利用し、判断部1323は、複数のストリング211それぞれについて求めた評価係数を互いに比較することによって、不具合が生じているストリング211を特定することが可能である。すなわち、複数のストリング211について、個々に不具合が生じているか否かを診断することが可能である。
【0060】
さらに、不具合が生じている可能性があるストリング211が抽出された場合に、複数のストリング211の評価係数を相互に比較すれば、不具合が生じているストリング211が特定される。したがって、判断部1323は、不具合が生じている可能性のあるストリング211が抽出された場合に、複数のストリング211の評価係数を相互に比較することによって、ストリング211の不具合を確定することができる。
【0061】
ここに、複数のストリング211の評価係数を相互に比較するのではなく、隣り合う2つの判定期間(節気)100について求めた評価係数の変化率を比較してもよい。評価係数の変化率は、変化率={Kp(n)−Kp(n−1)}/(判定期間100の日数)などの形式で求められる。なお、判定期間100が節気の場合、節気の日数は一定値であるから、分子のみを用いても評価係数の変化率を比較することが可能である。ここに、上式のようにして求めた評価係数の変化率が、特定のストリング211については−Xであり、残りのストリング211についてはY±Zの範囲であるときに、評価係数の変化率が−Xであるストリング211に不具合が生じていると確定すればよい。言い換えると、判断部1323は、評価係数の変化率の分布に基づいて、変化率が集中している部分に対応するストリング211は正常と判断し、変化率の外れ値に対応するストリング211は不具合が生じていると判断する。
【0062】
ところで、上述した評価係数を求めるための第1のデータ(たとえば電力のデータ)と第2のデータ(たとえば日射強度のデータ)とは晴天時に得られたデータであることを前提にしている。したがって、これらのデータが晴天時に得られたか否かを判定する必要がある。また、電力のデータと日射強度のデータとがともに晴天時のデータであることを保証する必要がある。
【0063】
処理部13は、以下の処理によって、電力のデータと日射強度のデータとが晴天時のデータであるか否かを判定する機能を有している。処理部13は、晴天か否かを判定するために、仮パターン抽出部133とパターン記憶部134とパターン判定部135と晴天判定部136とを備える。
【0064】
上述したように、時間帯110が南中時刻を間に含む期間であるから、日射に対する障害物および地形の影響は軽減されるが、雲による日射強度の変化は時々刻々と生じている。そのため、時間帯110であっても晴天である期間が継続していることは保証されない。
【0065】
そこで、仮パターン抽出部133は、第1のデータ取得インタフェース11が取得した電力のデータについて、1つの判定期間(節気)100に含まれる複数日(具体的には15日)から同時刻の最大値を求め、求めた最大値を時刻に対応付ける処理を行う。以下では、電力のデータについて最大値を時刻に対応付けたデータを「仮パターン」と呼ぶ。仮パターンを構成するデータは、後述する晴天条件を満足すると「晴天パターン」としてパターン記憶部134に格納される。
【0066】
同様にして、仮パターン抽出部133は、第2のデータ取得インタフェース12が取得した日射強度のデータについて、1つの判定期間(節気)100に含まれる複数日から同時刻の最大値を求め、求めた最大値を時刻に対応付ける処理を行う。日射強度の仮パターンもパターン記憶部134に格納される。
【0067】
たとえば、1つの判定期間(節気)100において、日射強度が図7のように変化した場合、仮パターン抽出部133は、1日目から15日目までの日射強度のデータから、各日の同時刻におけるデータのうちの最大値を抽出し、最大値を時刻に対応付ける。この処理によって、図8に示すような日射パターンが得られる。図7および図8は日射強度のデータを例示しているが、電力のデータに基づいて仮パターンを生成する処理も同様である。
【0068】
仮パターンおよび日射パターンは、太陽高度がほぼ一致している期間のデータに基づいているから、異なる日のデータを用いながらも、1日分のデータとして扱うことが可能である。また、仮パターンは複数日の電力のうち同時刻の最大値で生成され、日射パターンは複数日の日射強度のうち同時刻の最大値で生成されているから、多くの時刻において晴天時のデータであると推測される。
【0069】
もちろん、1つの判定期間(節気)100に含まれる複数日において、晴天の状態が1日も得られない時刻が生じる可能性はある。しかしながら、中規模から大規模の太陽光発電設備20を設置する場合には、日照時間が比較的長い場所が選択されると考えられるから、比較的高い確率で晴天日のデータが得られる。
【0070】
以下では、診断装置10を継続的に運用している状態であって、晴天条件を満足した晴天パターンのみがパターン記憶部134に格納されている状態を想定して説明する。パターン記憶部134に格納される晴天パターンは、最初に晴天時であることを保証する作業を行っておけば、その後に継続的に運用している状態では、晴天条件を満足した晴天データで自動的に登録される。1年分の晴天パターンがパターン記憶部134に格納された後は、同じ判定期間(節気)100について同じ晴天パターンを用いることが可能である。また、1年分の晴天パターンがパターン記憶部134に格納された後、晴天パターンを判定期間(節気)100ごとに更新するように構成してもよい。
【0071】
晴天条件は、特定の判定期間(節気)100に仮パターン抽出部133が抽出した仮パターンと、この特定の判定期間100より前の判定期間100に得られた晴天パターンとの類似の程度が基準値より高いことを条件にしている。晴天パターンの判定期間100は、比較対象である仮パターンが抽出された判定期間100より前であり、かつ仮パターンの判定期間100に近い判定期間100であることが要求される。晴天パターンの判定期間100は、仮パターンが抽出された判定期間100の1つ前の判定期間100であることが望ましいが、1つ前の判定期間100において天候不順あるいは新たな影の発生により晴天パターンが生成されていない場合がある。したがって、晴天パターンの判定期間100は、仮パターンが生成された判定期間100に対して、最大で2前の判定期間100あるいは3つ前の判定期間100まで遡ることを許容することが望ましい。
【0072】
パターン判定部135は、仮パターンと晴天パターンとの類似の程度の評価を行い、類似の程度が基準値以上であれば、該当する仮パターンが晴天条件を満足したと判定する。類似の程度は、仮パターンと晴天パターンとについて、同時刻(計算期間111)のデータの差分を求め、この差分に基づいて評価する。すなわち、仮パターンと晴天パターンとがほぼ一致していれば、時間帯110において、差分はほぼ一定値になると考えられる。したがって、パターン判定部135は、この差分が所定の許容範囲内であるときに、類似度が基準値以上であると判断すればよい。
【0073】
一方、仮パターンと晴天パターンとが異なっていると、時間帯110において、差分は一定値にならず、天候不順の場合には差分が時刻に対して不規則に変動し、新たな影が生じた場合には差分がなだらかに変化すると考えられる。つまり、パターン判定部135は、時間帯110における差分の分布、時間帯110における差分の包絡線などに基づいて、仮パターンと晴天パターンとの類似の程度を評価する。
【0074】
なお、最初に晴天時であると推定される晴天パターンを登録するために、異なる判定期間(節気)100の仮パターンの一方を仮に晴天パターンとみなし、晴天条件を満足すれば晴天パターンとして採用するようにしてもよい。
【0075】
パターン判定部135において晴天条件を満足したと判定された特定の判定期間(節気)100の仮パターンは、この判定期間100の晴天パターンとしてパターン記憶部134に格納される。一方、特定の判定期間100の仮パターンが晴天パターンを満足しない場合には、パターン判定部135は、出力部15を通してユーザの端末装置32にプッシュ方式で通知をする。たとえば、アラームのための信号が端末装置32に伝送される。
【0076】
端末装置32は、サーバである診断装置10に対してクライアントであって、一般的には、診断装置10と通信するように構成されるパーソナルコンピュータから構成される。診断装置10と端末装置32との通信には、インターネットを用いたVPN(Virtual Private Network)、移動体通信網、専用回線などから選択される通信路を用いる。端末装置32は、パーソナルコンピュータのほか、タブレット端末、スマートフォンなどから選択することが可能であり、また、シンクライアント(thin client)であってもよい。また、出力部15から端末装置32への通知は、電子メールで行ってもよい。
【0077】
上述の例では、晴天パターンを電力のデータから求めているが、日射強度のデータについても同様の処理によって晴天パターンが求められる。すなわち、日射強度のデータから仮パターンが生成され、特定の判定期間(節気)100の仮パターンについて晴天条件を満足するか否かが判定される。また、晴天条件を満足する仮パターンは特定の判定期間100の晴天パターンとしてパターン記憶部134に格納される。
【0078】
ところで、複数年のうちの同じ判定期間(節気)100において、太陽電池21と日射計25との一方について晴天パターンが得られない場合、正しい評価係数が得られない。そのため、晴天判定部136は、電力のデータから求めた晴天パターンと、日射強度のデータから求めた晴天パターンとを比較し、太陽電池21と日射計25とが両方とも晴天時のデータであるか否かを判定する。すなわち、晴天判定部136は、電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンとについて、同時刻のデータの差分を求め、差分がほぼ一定値である場合には、両方の晴天パターンが晴天時のデータで構成されていると判定する。つまり、晴天判定部136は、差分について所定の許容範囲を定め、求めた差分が許容範囲内であれば、太陽電池21と日射計25とから晴天時のデータが得られていると判定する。
【0079】
ここで、複数年のうちの同じ判定期間(節気)100について、電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンとの差分が許容範囲を逸脱する場合には、差分が時刻に対して不規則に変動するか(天候不順)、差分がなだらかに変化する(新たな影)。したがって、晴天判定部136は、時間帯110における差分の分布、時間帯110における差分の包絡線などに基づいて、電力と日射強度とについて得られた晴天パターンの評価を行うことが望ましい。
【0080】
電力と日射強度との少なくとも一方が晴天時のデータではない場合には、晴天判定部136は、出力部15を通して端末装置32にプッシュ方式で通知をし、計算部131が求めた評価係数では診断ができないことをユーザに通知する。また、晴天判定部136によって、原因が天候不順あるいは新たに生じた影の影響であることが判定される場合には、原因についても端末装置32に通知することが望ましい。
【0081】
なお、電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンとは、パターン判定部135によって晴天時のデータであると判定されているので、晴天判定部136の処理は安全性を高めるための処理であって省略することが可能である。
【0082】
ところで、電力のデータと日射強度のデータとは、太陽電池21と日射計25との位置関係、あるいはデータの処理の時間差などによって、図9に示すように、時間軸方向にずれが生じる可能性がある。図9では日射強度のデータを符号L5で示し、電力のデータを符号L6で示している。上述したように、評価係数を求める場合、晴天パターンを求める場合などにおいて、電力のデータと日射強度のデータとは時刻を一致させる必要がある。そのため、処理部13は、時刻補正部137を備えている。時刻補正部137は、第1のデータ取得インタフェース11が取得した電力のデータと、第2のデータ取得インタフェース12が取得した日射強度のデータとについて時間軸方向のずれを補正するように構成されている。
【0083】
また、上述したように、太陽光発電設備20は、電力変換装置24を備えており、第1のデータ取得インタフェース11は、太陽電池21が出力する電力だけではなく、電力変換装置24が出力する電力に関するデータも取得することが可能である。ここで、太陽電池21が出力する電力のデータと、電力変換装置24が出力する電力のデータとについても時間差が生じるから、処理部13は、両方のデータについて時間軸方向のずれを補正するように構成されていることが望ましい。
【0084】
以上説明したように、処理部13は、以下の順序で処理を行う。すなわち、処理部13において、電力のデータおよび日射強度のデータに基づいて、仮パターン抽出部133が仮パターンを生成し、パターン判定部135が晴天パターンの判定を行う。ここで、晴天パターンについて、電力のデータと日射強度のデータとに時間軸方向のずれがあれば、時刻補正部137が時間軸方向のずれを解消する。時間軸方向の補正は必須ではなく、時刻補正部137は省略可能である。その後、電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンとが、ともに晴天時のデータか否かが晴天判定部136で評価される。
【0085】
なお、電力変換装置24の電力のデータを取得する場合、処理部13は、電力変換装置24の電力のデータと太陽電池21から出力された電力のデータとの間の時間差を解消するように、2種類のデータについて時間軸方向の補正を行う。
【0086】
電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンとが得られると、これらの晴天パターンのデータに基づいて、計算部131が評価係数を求める。評価係数が求められると、診断部132が評価係数を評価し、太陽光発電設備20に関するさまざまな診断を行う。
【0087】
上述した太陽光発電設備20の診断装置10は、プログラムを実行する1又は複数のプロセッサを備えるデバイス(第1デバイス)と、外部装置を接続するためのインターフェイス用のデバイス(第2デバイス)とを主なハードウェア要素として備える。第1デバイスは、メモリを別に接続する1又は複数のマイクロプロセッサのほか、メモリを一体に備える1又は複数のマイコン(Microcontroller)などから選択される。
【0088】
プログラムは、あらかじめROM(Read Only Memory)に書き込まれた状態で提供されるようにしてもよいが、書換可能な不揮発性メモリに格納できるように、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を用いて提供されることが望ましい。また、プログラムは、記録媒体に代えて、インターネットのような電気通信回線を通して提供されてもよい。
【0089】
以上説明した太陽光発電設備20の診断装置10は、第1のデータ取得インタフェース11と第2のデータ取得インタフェース12と処理部13とを備える。第1のデータ取得インタフェース11は、太陽電池21を備える太陽光発電設備20から所定の時間帯110に出力される電力のデータを、第1のデータとして取得するように構成される。第2のデータ取得インタフェース12は、日射計25から上記時間帯110に出力される日射強度のデータを、第2のデータとして取得するように構成される。処理部13は、第1のデータと第2のデータとに基づいて太陽光発電設備20の診断を行うように構成される。処理部13は、計算部131と診断部132とを備える。計算部131は、第2のデータから求められる日射量の実測値および太陽電池21の太陽電池容量の積と第1のデータから求められる電力量との比率である評価係数を求めるように構成される。診断部132は、計算部131が複数の所定の判定期間100ごとに求めた評価係数に基づいて太陽光発電設備20の診断を行う。
【0090】
この構成によれば、太陽光発電設備20の設置現場に応じた評価係数を生成することが可能になり、診断の精度を高めることができる。
【0091】
判定期間100は、季候に応じた(または気候に同調した)1年の複数の区分期間の何れかに対応する期間であって、複数日を含むように定められていることが望ましい。たとえば、判定期間100は、節気の24区分の何れかに対応する期間でもよい。
【0092】
すなわち、季候が同じ判定期間100では、日毎の太陽高度がほぼ等しいから、判定期間100に含まれる複数日は太陽高度に関して同条件であるとみなすことができる。また、1日だけでは晴天時のデータが得られない場合でも、複数日のデータによって晴天時のデータを得られる可能性が高くなる。
【0093】
計算部131は、複数の計算期間111それぞれの複数の評価係数Kpを求め、その複数の評価係数Kpの平均値を1日の評価係数として求めるように構成されることが望ましく、ここにおいて、複数の計算期間111は、南中時刻を含む1日の所定の時間帯110を区分することによって得られる。
【0094】
この構成によれば、日射が障害物および地形の影響を受けにくい南中時刻を間に含む時間帯における第1のデータおよび第2のデータを用いるから、第1のデータおよび第2のデータのそれぞれについて、晴天時のデータが得やすい上に、季節変動の影響が少ないデータを得ることができる。
【0095】
診断部132は、比較部1322を備えることが望ましく、これは、複数の区分期間にそれぞれ対応する複数の判定期間100ごとに、当該判定期間と当該判定期間に隣接する判定期間から得られる2つの評価係数の差を、その2つの評価係数の一方で割った値である乖離率を求め、隣り合う2つの判定期間100に対して求めた2つの乖離率を比較するように構成される。診断部132は、比較部1322が比較した2つの乖離率の差が所定の故障閾値を超える場合に太陽電池21の故障と判断するように構成される。
【0096】
この構成では、太陽電池21に設けたバイパスダイオードの短絡などの故障を検出することが可能である。
【0097】
また、診断部132は、記憶部1321と比較部1322と判断部1323とを備えていてもよい。記憶部1321は、太陽光発電設備20が正常に稼働している状態であるときに計算部131が複数の判定期間100ごとに求めた複数の評価係数を、複数の判定期間100に対応する複数の標準評価係数として記憶するように構成される。比較部1322は、太陽光発電設備20の運転中に計算部131が求めた評価係数を、記憶部1321に記憶された複数の標準評価係数のうち当該評価係数の判定期間100に一致する判定期間100における標準評価係数と比較するように構成される。判断部1323は、比較部1322の比較結果に基づいて太陽光発電設備20に不具合があるか否かを判断するように構成される。
【0098】
この構成によれば、正常時に得られる標準評価係数と比較対象である評価係数とに基づいて太陽光発電設備20の診断を行うから、太陽電池21の劣化あるいは汚れの診断が可能になる。
【0099】
この場合、判断部1323は、比較部1322が求めた標準評価係数と評価係数との差(第1の差)が所定の劣化閾値を超えたか否かを判断するように構成される。また、診断部132は、該当する判定期間100以前の複数の判定期間100それぞれにおける評価係数と標準評価係数との差(各第2の差)が時間経過に伴って増加しているか否かを判断するように構成される。診断部132は、第1の差が劣化閾値を超え、かつ各第2の差が時間経過に伴って増加している場合に、太陽電池21の劣化と判断するように構成される。
【0100】
この構成によれば、太陽電池21の劣化の診断が可能になる。
【0101】
また、判断部1323は、比較部1322が求めた標準評価係数と評価係数との差が、複数の判定期間100において時間経過に伴って増加を続け、それらの差の増加率が第1閾値以上で第2閾値未満であれば太陽電池21の劣化と判断するように構成される。一方、判断部1323は、その増加率が第2閾値より大きい第3閾値以上であれば太陽電池21の汚れと判断するように構成される。
【0102】
この構成によれば、太陽電池21の劣化と太陽電池21の汚れとを区別して診断することが可能になる。
【0103】
第1のデータ取得インタフェース11は、太陽電池21を構成する複数のストリング211から複数のストリング211それぞれについて電力のデータを取得するように構成される。また、判断部1323は、複数のストリング211ごとに、隣接する2つの判定期間100で比較部1322が求めた標準評価係数と評価係数との差の変化率を求めるように構成される。そして、判断部1323は、複数のストリング211ごとに求めた複数の変化率の分布に基づいて、複数のストリング211ごとに不具合があるか否かを判断するように構成される。
【0104】
この構成によれば、ストリング211を単位として不具合があるか否かの診断が可能になる。
【0105】
ところで、処理部13は、仮パターン抽出部133とパターン記憶部134とパターン判定部135とを備えることが望ましい。仮パターン抽出部133は、判定期間100における電力のデータと日射強度のデータとのそれぞれについて、判定期間100に含まれる複数日から同時刻の最大値を求め、最大値を時刻に対応付けた仮パターンを抽出するように構成される。パターン記憶部134は、仮パターンが所定の晴天条件を満たす場合に仮パターンを判定期間100の晴天パターンとして記憶するように構成される。パターン判定部135は、特定の判定期間100に仮パターン抽出部133が抽出した仮パターンと、特定の判定期間100より前の判定期間100の晴天パターンとについて類似の程度を評価するように構成される。そして、パターン判定部135は、当該類似の程度が基準値より高いときに、特定の判定期間100の仮パターンが晴天条件を満たしたと判定し、特定の判定期間100の仮パターンを特定の判定期間100の晴天パターンとするように構成される。計算部131は、晴天パターンのデータに基づいて評価係数を求めるように構成される。
【0106】
この構成によれば、計算部131が評価係数を求めるためのデータが、晴天時のデータになる可能性を高めることができる。言い換えると、晴天時ではないデータに基づいて評価係数を求める可能性が低減される。
【0107】
処理部13は、複数年のうちの同じ判定期間100において日射強度に関する晴天パターンと電力に関する晴天パターンとの同時刻における差分を求め、差分の値が所定の判定値に対して設定した許容範囲内か否かを判定するように構成される晴天判定部136を備えることが望ましい。診断装置10は、差分の値が許容範囲を逸脱している場合に、所定の端末装置32に通知をするように構成される出力部15を備えることが望ましい。
【0108】
この構成によれば、電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンとがともに晴天時のデータであることが確認される。また、電力に関する晴天パターンと日射強度に関する晴天パターンと少なくとも一方が晴天時のデータではない場合には、端末装置32に通知がされるから、該当する判定期間100について求めた評価係数が適切ではないことをユーザに認識させることが可能になる。
【0109】
処理部13は、第1のデータ取得インタフェース11が取得した電力のデータと、第2のデータ取得インタフェース12が取得した日射強度のデータとについて時間軸方向のずれを補正するように構成される時刻補正部137を備えることが望ましい。たとえば、図1のように、内蔵時計14が診断装置10に設けられている場合、電力のデータと日射強度のデータが図9の例に示すように時間軸方向にずれることがある。このため、時刻補正部137は、たとえば、電力のデータから得られる波形の立上りまたは立下りが日射強度のデータから得られる波形の立上りまたは立下りと一致するように、電力のデータと日射強度のデータの何れか一方を時間軸方向にシフトするように構成される。
【0110】
この構成によれば、電力のデータと日射強度のデータとの時刻を一致させることによって、より精度よく評価係数を求めることが可能になる。
【0111】
太陽光発電設備20は、太陽電池21が出力した直流電力を交流電力に変換する電力変換装置24を備える。この場合、第1のデータ取得インタフェース11は、太陽電池21から出力される電力に関する第1のデータと、電力変換装置24から出力される電力に関する第2のデータとを取得することが望ましい。また、処理部13は、第1のデータと第2のデータとについて時間軸方向のずれを補正するように構成されていることが望ましい。
【0112】
この構成では、太陽電池21の出力だけではなく電力変換装置24の出力も監視するから、電力変換装置24の診断も可能になる。
【0113】
本実施形態のプログラムは、コンピュータを、太陽光発電設備20の診断装置10として機能させるものである。
【0114】
望ましい実施形態において、図7の例に示すように、診断装置10の処理部13は、第1のパターン抽出期間200に含まれる複数の第2のパターン抽出期間210内のサンプリング周期101(図2参照)ごとの太陽光発電設備20の最大出力値から、基準パターンを構成するデータを抽出するように構成される。ここで、第1のパターン抽出期間200は複数日を含む期間である。第1のパターン抽出期間200は、期間200から得られるべき基準パターンを構成するデータを、すぐに太陽光発電設備20の診断に適用するために、(現在の)判定期間100と同じ期間であることが望ましいが、判定期間100の半分以上で判定期間100より短い期間であって前の判定期間または現在の判定期間に含まれる期間であってもよい。複数の第2のパターン抽出期間210のそれぞれは、南中時刻を間に含む期間であり、時間帯110以上で日照時間以下の期間であることが望ましい。図7の例では、複数の第2のパターン抽出期間210のそれぞれは、図2の例に示す時間帯110よりも長い期間に設定されている。第1のパターン抽出期間200の間に得られる太陽光発電設備20の複数の最大出力値のそれぞれは、太陽電池21の最大出力値(たとえば最大電流値または最大電力値)または日射計25の最大出力値(日射強度に関する最大値)である。
【0115】
出力値の縦軸と単一の第2のパターン抽出期間210を含む横軸とを持つ二次元座標上に、ある第1のパターン抽出期間200の間に得られた太陽光発電設備20の複数の出力値をプロットすることにより、図10の例に示すグラフが得られた。図10の例では、縦軸の出力値は、上記太陽光発電設備20の複数の出力値(たとえば日射強度値)を含む。このような複数の出力値は、曇りの時間時間に得られた複数の出力値も含むため、図10の例に示すように下向きの複数のピーク(破線のピーク参照)をしばしば含む。そのような下向きの複数のピークを含む複数の出力値から基準パターンを構成するデータを抽出すると、その基準パターンを、高精度の晴天パターンとして得ることが難しくなる。
【0116】
そこで、本実施形態では、図8の例に示すように、処理部13は、複数の第2のパターン抽出期間210内のサンプリング周期101ごとの太陽光発電設備20の最大出力値20MAXから、基準パターンを構成するデータを抽出するのである。図8の例では、第1のパターン抽出期間200の間に得られた太陽光発電設備20の複数の最大出力値20MAXのそれぞれは、日射計25の最大出力値(最大日射強度値)である。このような複数の最大出力値20MAXから基準パターンを構成するデータを抽出すると、図11の例に示すように、高精度の晴天パターンとしての基準パターンを構成するデータ20REFを得ることができる。
【0117】
上記実施形態の一具体例において、図8の例に示すように、処理部13は、第1のパターン抽出期間200の間に得られた複数の最大出力値20MAXから、所定の抽出時間220ごとに、抽出時間220の両端の時刻に対応する2つの最大出力値20MAXと抽出時間220とから平均変化率を算出するように構成される。ここで、平均変化率は、2つの最大出力値20MAXの差分を抽出時間220で除した値であることが望ましい。抽出時間220は、サンプリング周期の30倍の時間であることが望ましいが、サンプリング周期101の20倍から40倍の範囲内に設定されてもよい。この場合、処理部13は、抽出時間220の開始点が時間帯110の開始点から終了点にシフトするように、抽出時間220をサンプリング周期101ごとにシフトすることにより、複数の平均変化率を算出するように構成される。
【0118】
また、処理部13は、複数の平均変化率のそれぞれを算出するごとに、算出された平均変化率が所定の許容範囲内にあれば、その算出された平均変化率の最大出力値を抽出することにより、基準パターンを構成するデータ20REFを抽出するように構成される。ここで、抽出される平均変化率の最大出力値は、少なくとも、その平均変化率に対応する抽出時間220の開始点の最大出力値である。許容範囲は、1日の時刻ごとの複数の許容範囲のうち対応する時刻の許容範囲である。複数の許容範囲のそれぞれは、標準変化率を間に含む範囲である。複数の許容範囲の複数の標準変化率は、晴天日に相当する1日分の平均変化率である。処理部13は、データ20REFを構成する複数の最大出力値のそれぞれを、対応する時刻情報とともに基準値として記憶部1321に記憶するように構成される。
【0119】
この実施形態では、曇りの時間時間に得られる複数の出力値が除去されるので、高精度の晴天パターンとしての基準パターンを構成するデータ20REFを得ることができる。
【0120】
望ましい実施形態において、処理部13は、抽出した基準パターンを構成するデータ20REFから、(現在の)判定期間100に含まれる複数の時間帯110に対する単一の南中時刻を算出するように構成される。
【0121】
図12は、ある地点の南中時刻が1年間にどのように時間変化するかを示すグラフであり、ここで、その地点の北緯および経度は、それぞれ35度および135度である。この図12から分かるように、任意の地点の南中時刻は、1年間を通して時々刻々変化することが分かる。また、南中時刻は、太陽電池21の設置状況にも依存する。
【0122】
このため、本実施形態では、処理部13は、判定期間100ごとに、判定期間100に含まれる複数の時間帯110に対する単一の南中時刻を、抽出した基準パターンを構成するデータ20REFから算出するのである。
【0123】
たとえば、図13に示すように、処理部13は、抽出したデータ20REFにより構成される基準パターンに対する接線230の傾きがゼロになるときの時刻を、上記単一の南中時刻として抽出するように構成される。図14の例では、処理部13は、抽出したデータ20REFに含まれる値ごとに傾き値を求め、ゼロである傾き値240に対応する時刻を、上記単一の南中時刻として抽出するように構成される。このような構成では、第1のパターン抽出期間200内の複数の時間帯110のそれぞれに実測した南中時刻を安定的に含めることにより、太陽光発電設備20から、変化する南中時刻に忠実に追従する複数の出力値を得ることができる。
【0124】
望ましくは、処理部13は、ゼロである傾き値240に対応する時刻の前後の傾き値の符号がそれぞれ正および負であれば、ゼロである傾き値240に対応する時刻を、上記単一の南中時刻として抽出するように構成される。この構成では、基準パターンを構成するデータ20REFから単一の南中時刻をより正確に算出することができるので、太陽光発電設備20から、変化する南中時刻に確実に追従する複数の出力値を得ることができる。
【0125】
別例において、処理部13は、基準パターンを構成するデータ20REFからゼロである複数の傾き値が得られた場合、得られた複数の傾き値のうち最大出力値の傾き値に対応する時刻を、上記単一の南中時刻として抽出するように構成される。この構成でも、基準パターンを構成するデータ20REFから単一の南中時刻をより正確に算出することができるので、太陽光発電設備20から、変化する南中時刻に確実に追従する複数の出力値を得ることができる。
【0126】
上記の最良の形態および/または他の実施例であると考えられるものについて説明したが、種々の改変がなされてもよく、本明細書で開示される主題は種々の形態および実施例で実施されてもよく、そしてそれらは多数のアプリケーションに適用されてもよいものであり、その最適の幾つかが本明細書に記載されている。以下の特許請求の範囲によって、本開示の真の範囲内に入る任意およびすべての修正および変形を請求するものである。
【符号の説明】
【0127】
10 診断装置
11 第1のデータ取得インタフェース
12 第2のデータ取得インタフェース
13 処理部
15 出力部
20 太陽光発電設備
21 太陽電池
24 電力変換装置
25 日射計
131 計算部
132 診断部
133 仮パターン抽出部
134 パターン記憶部
135 パターン判定部
136 晴天判定部
137 時刻補正部
211 ストリング
1321 記憶部
1322 比較部
1323 判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】