特表-17141696IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立ハイテクノロジーズの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年8月24日
【発行日】2018年12月6日
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20181109BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20181109BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20181109BHJP
【FI】
   G01N35/10 A
   G01N35/02 B
   G01N35/00 C
   G01N35/00 E
   G01N35/10 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】特願2018-500021(P2018-500021)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】特願2016-29643(P2016-29643)
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 正輝
(72)【発明者】
【氏名】森 高通
(72)【発明者】
【氏名】石沢 雅人
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058AA05
2G058CE02
2G058CE07
2G058EA04
2G058EA08
2G058ED02
2G058ED11
2G058ED14
2G058ED21
2G058HA01
(57)【要約】
試薬ディスク9に搬入される試薬ボトル10の蓋112に穴をあけるためのニードル300を有する試薬ボトル蓋開栓機構104は、ニードル300のニードル本体105が蓋112の中心に刺さるようにニードル300の蓋112に対する位置を自動で調整する調芯機構を有しており、繰り返しかつ高精度に蓋112の中心に切り込み112aを入れる。これにより、ニードル中心軸と蓋の中心軸がずれていた場合でも試薬ボトルの蓋の中心に正確に開封を行うことが可能な自動分析装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料と試薬とを複数の反応容器に各々分注して反応させ、この反応させた液体を測定する自動分析装置であって、
前記試薬を収容した試薬ボトルを収容するための試薬ディスクと、
前記自動分析装置に投入されて前記試薬ディスクへ搬入される前記試薬ボトルの蓋に穴をあけるためのニードルを有する試薬ボトル蓋開栓部とを備え、
前記試薬ボトル蓋開栓部は、前記ニードルが前記蓋の中心に刺さるよう前記ニードルの前記蓋に対する位置を調整する調芯機構を有する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記調芯機構は、前記ニードルの反対側の端部に設けられ、前記ニードルより径の太いピアス止めと、このピアス止めを支えるピアス支え部と、を有し、
前記ピアス止めは前記ニードルの中心軸に垂直な方向および平行な方向に移動可能となるよう前記ピアス支え部に対して支持されている
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自動分析装置において、
前記調芯機構の前記ピアス支え部と前記ピアス止めとのうち少なくとも一方がテーパ形状である
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動分析装置において、
前記ピアス支え部は、前記ピアス止めと接するテーパ形状のピアス支えと、このピアス支えを支持する支え板と、この支え板に固定され、前記ピアス止めが前記ピアス支え部に対して前記平行な方向に移動したときに前記ピアス止めの平行な方向の移動量を制限する抑え板とを有し、
前記ピアス支え部に設けられた開口部と前記ニードルとの間隔、および前記ピアス止めの側面と前記ピアス支えの側面との間の間隔は、前記蓋の中心軸と前記ニードルとの中心軸の差分より大きい
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動分析装置において、
前記ニードルは、前記蓋に刺さるニードル本体と、このニードル本体を支持するピアスシャフトと、前記ニードル本体を覆うピアスガイドと、このピアスガイド内に配置され、前記ニードル本体を前記ピアスシャフト側に押圧するばねと、を有し、
前記ピアス止めと前記抑え板とが接触すると前記ばねが縮み、前記ニードル本体が前記蓋に接触する
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項5に記載の自動分析装置において、
前記試薬ボトルの前記蓋は、テーパ部を有し、
前記ピアスガイドは、テーパ部を有し、
前記蓋のテーパ部と前記ピアスガイドのテーパ部とで、前記ニードルが前記蓋の中心に刺さるよう位置決めがなされる
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項2に記載の自動分析装置において、
前記調芯機構の前記ピアス支え部は、前記ピアス止めに接する複数のボールと、このボールを保持する支え板とで構成される
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記ニードルは、前記蓋の穴あけ後に自動で元の位置に戻る
ことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記自動分析装置内に前記試薬ボトルを投入する際に前記試薬ボトルを設置するための試薬搭載部と、
この試薬搭載部に設置された前記試薬ボトルを前記試薬ディスクに搬送するための試薬搬送部であって、前記試薬ボトルを把持するグリッパー部および前記試薬ボトル蓋開栓部を有する試薬搬送部とを備えた
ことを特徴とする自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬、血液や尿等の液体試料を分析する自動分析装置に係り、特に試薬ボトルの開栓を自動で行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、精度よく吸引管を検体容器の中心軸の位置に挿入することを目的とした発明において、ピアサが、先端がロングバイアルの密閉蓋を貫通可能なように形成されており、ピアサ移動部が、ピアサを鉛直方向に移動させる機能を有しており、ピアサを固定保持する水平アームと、水平アームを鉛直方向に貫通するネジ軸と、ネジ軸に螺合するナットとを有している検体処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−107308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動分析装置で使用する試薬は、オペレーターが試薬ボトルの蓋を開けてから装置に設置することが通常の作業であるが、近年、試薬の蓋にニードルで僅かな切り込みをいれて、その切り込みをいれた穴に試薬プローブを挿入して試薬を吸引することが知られている。
【0005】
試薬ボトルの切り込みは、試薬プローブの挿入前には閉塞しており、試薬吸引時に試薬プローブで切り込みの穴を押し広げながら挿入していき、試薬プローブが蓋から出た後は切り込みが再度閉塞する構造となっている。このように蓋が閉塞する構造であることで、試薬ボトル内の試薬が外気にさらされる時間を減らすことができ、試薬の安定性を確保できるとともに、試薬ボトルの充填量を増やせるなどの利点がある。
【0006】
ここで自動分析装置の処理速度向上に伴い、各機構の動作は高速に動作しており、試薬プローブも従来よりも高速で動作するようになってきている。
【0007】
試薬プローブは試薬ボトルの蓋に切り込みをいれた小さな穴に高速で下降して吸引動作を行うためには、試薬ボトルの蓋の切り込みを蓋の中心に精度良く開ける技術が必要となる。
【0008】
特許文献1に記載の技術では、ピアサが水平アームに固定されているため、試薬ボトルの蓋の中心軸とピアサとがずれている場合、蓋の中心に切り込みを入れることが困難である、との問題がある。また、このような問題が生じないように調整に時間をかけてニードルの中心と蓋の中心を合わせる作業を行うことが挙げられるが、それには非常に手間が掛かり、現実的ではない、との問題がある。
【0009】
上述のように、試薬ボトルの蓋への僅かな切り込みを開けた穴に対して、試薬プローブを高速で挿入するため、ニードルを用いて常に安定して蓋の中心への穴あけ動作は重要な課題である。
【0010】
ここで試薬ボトルの蓋は下側にすり鉢状の形状となっているため、蓋の中心はすり鉢状の頂点となっている。蓋に対してニードルで行う穴あけ動作の位置がずれてしまうと、最悪の場合、試薬吸引動作の試薬プローブの下降動作時に切り込みが入っていない蓋のすり鉢状の頂点に試薬プローブ先端が接触して、試薬プローブを曲げてしまう危険性がある。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、ニードル中心と蓋の中心軸がずれていた場合でも試薬ボトルの蓋の中心に正確に開封を行うことが可能な自動分析装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、試料と試薬とを複数の反応容器に各々分注して反応させ、この反応させた液体を測定する自動分析装置であって、前記試薬を収容した試薬ボトルを収容するための試薬ディスクと、前記自動分析装置に投入されて前記試薬ディスクへ搬入される前記試薬ボトルの蓋に穴をあけるためのニードルを有する試薬ボトル蓋開栓部とを備え、前記試薬ボトル蓋開栓部は、前記ニードルが前記蓋の中心に刺さるよう前記ニードルの前記蓋に対する位置を調整する調芯機構を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、繰り返し、かつ正確に試薬ボトルの蓋の中心を開封することができ、試薬分注性能の信頼性が高い自動分析装置を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の自動分析装置の全体構成の概略を示した図である。
図2】本実施形態の自動分析装置に設けられたオートローダーの構成を示した図である。
図3】一般的な自動分析装置において試薬ボトルの蓋の切り込みが中心に開いているとプローブが曲がらずに分注できることを示した図である。
図4】一般的な自動分析装置において試薬ボトルの蓋の切り込みが中心に開いているとプローブが曲がらずに分注できることを示した図である。
図5】一般的な自動分析装置において試薬ボトルの蓋の切り込みが中心に開いていないとプローブが曲がる原因を示した図である。
図6】一般的な自動分析装置において試薬ボトルの蓋の切り込みが中心に開いていないとプローブが曲がる原因を示した図である。
図7】本実施形態の自動分析装置に設けられた試薬ボトル蓋開栓機構の上下動を行う機構の構成を示した概略図である。
図8】試薬ボトルの蓋の概略図である。
図9】本実施形態の自動分析装置における試薬ボトル蓋開栓機構の概略図である。
図10図9中の領域Aを拡大した図である。
図11】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図12】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図13】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図14】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図15】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図16】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図17】ニードルで試薬ボトルの蓋への穴あけ動作を示したフロー図である。
図18】試薬ボトル蓋開栓機構の他の一例の概略を示す図である。
図19】試薬ボトル蓋開栓機構の更に他の一例の概略を示す図である。
図20】試薬ボトル蓋開栓機構の更に他の一例の概略を示す図である。
図21】試薬ボトル蓋開栓機構の更に他の一例の概略を示す図である。
図22】試薬ボトル蓋開栓機構の更に他の一例の概略を示す図である。
図23】試薬ボトル蓋開栓機構の更に他の一例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の自動分析装置の実施形態を、図1乃至図23を用いて説明する。図1は本実施例の自動分析装置の斜視図である。
【0016】
図1において、自動分析装置は、複数の反応容器2に試料と試薬を各々分注して反応させ、この反応させた液体を測定する装置であって、反応ディスク1、試薬ディスク9、試料搬送機構17、試薬分注機構7,8、試薬用シリンジ18、サンプル分注機構11、試料用シリンジ19、洗浄機構3、光源4a、分光光度計4、撹拌機構5,6、洗浄用ポンプ20、洗浄槽13,30,31,32,33、コントローラ21、オートローダー機構100(図2参照)を備えている。
【0017】
反応ディスク1には反応容器2が円周上に並んでいる。反応ディスク1の近くには試料容器15を載せたラック16を移動する試料搬送機構17が設置されている。
【0018】
反応ディスク1と試料搬送機構17の間には、回転および上下動可能なサンプル分注機構11が設置されており、サンプルプローブ11aを備えている。サンプルプローブ11aには試料用シリンジ19が接続されている。サンプルプローブ11aは回転軸を中心に円弧を描きながら移動して試料容器15から反応容器2への試料分注を行う。
【0019】
試薬ディスク9の中には複数の試薬ボトル10が円周上に載置可能である。試薬ディスク9は保冷されており、吸引口111(図2参照)が設けられたカバーによって覆われている。
【0020】
反応ディスク1と試薬ディスク9の間には回転および上下動可能な試薬分注機構7,8が設置されており、それぞれ試薬プローブ7a,8aを備えている。試薬プローブ7a,8aには試薬用シリンジ18が接続されている。試薬プローブ7a,8aは回転軸を中心に円弧を描きながら移動して、吸引口111から試薬ディスク9内にアクセスし、試薬ボトル10から反応容器2への試薬の分注を行う。
【0021】
反応ディスク1の周囲には、更に、洗浄機構3、光源4a、分光光度計4、撹拌機構5,6が配置されている。洗浄機構3には洗浄用ポンプ20が接続されている。試薬分注機構7,8、サンプル分注機構11、撹拌機構5,6の動作範囲上に洗浄槽32,33,13,30,31がそれぞれ設置されている。試料容器15には血液等の検査試料(検体)が含まれ、ラック16に載せられて試料搬送機構17によって運ばれる。また、各機構はコントローラ21に接続されている。
【0022】
コントローラ21は、コンピュータ等から構成され、自動分析装置内の各機構の動作を制御するとともに、血液や尿等の液体試料中の所定の成分の濃度を求める演算処理を行う。
【0023】
以上が自動分析装置の一般的な構成である。
【0024】
上述のような自動分析装置による検査試料の分析処理は、一般的に以下の順に従い実行される。
【0025】
まず、試料搬送機構17によって反応ディスク1近くに搬送されたラック16の上に載置された試料容器15内の試料を、サンプル分注機構11のサンプルプローブ11aにより反応ディスク1上の反応容器2へと分注する。次に、分析に使用する試薬を、試薬ディスク9上の試薬ボトル10から試薬分注機構7,8により先に試料を分注した反応容器2に対して分注する。続いて、撹拌機構5で反応容器2内の試料と試薬との混合液の撹拌を行う。
【0026】
その後、光源4aから発生させた光を撹拌後の混合液の入った反応容器2を透過させ、透過光の光度を分光光度計4により測定する。分光光度計4により測定された光度を、A/Dコンバータおよびインターフェイスを介してコントローラ21に送信する。そしてコントローラ21によって演算を行い、血液や尿等の液体試料中の所定の成分の濃度を求め、結果を表示部(図示省略)等にて表示させたり、記憶部(図示省略)に記憶させる。
【0027】
次にオートローダー機構100の構成について図2以降を参照して説明する。図2はオートローダー機構100の概要を示す図である。
【0028】
上述したように、試薬ボトル10の試薬プローブ吸引口位置には内部を密閉するために蓋112が取りつけられており、自動分析装置内にセットする時に蓋112を取り外して装置内に設置することが一般的である。しかし、近年、蓋112に切り込み状の穴を開けて、試薬プローブ7a,8aを切り込み状の穴に挿入して試薬ボトル10内の試薬を吸引する方法がある。試薬は蓋112の開口部が僅かな切り込みとなるため、試薬は外気との接触が最小となり、試薬の劣化は従来と比較して改善される。このような場合に、オペレーターは未開封の新品の試薬ボトル10を自動分析装置内に設置すれば、試薬ボトル10の蓋112に穴を開けて自動で試薬ディスク9に設置まで行われる。そのための機構がオートローダー機構100である。
【0029】
オートローダー機構100は、試薬ディスク9の上部に配置され、図2に示すような構成となっている。図2において、オートローダー機構100は、試薬搭載部103、試薬搭載機構(搬送ライン)102、試薬搬送機構(試薬搬送部)101、ニードル洗浄槽108、ニードル乾燥口109、支柱117、金属板118を備えており、1枚の金属板118に支柱117を除くこれらの各機構が取り付けられた構成となっている。
【0030】
試薬搭載部103は、自動分析装置内に試薬ボトル10を投入する際にオペレーターが試薬ボトル10を設置するための部分であり、試薬搭載機構102によって試薬搭載部103は図2上で上下方向に動作される。試薬搭載部103の動作範囲はオートローダー機構100が配置される金属板118上に留めることで装置内に収まるようにする。試薬搭載部103は、複数の試薬ボトル10を直線上に設置可能な構造となっており、例えば、試薬ボトル10を設置するための試薬ボトルスロットを複数有するトレーである。
【0031】
試薬搭載機構102は、試薬ボトル10の装置内への投入位置と試薬搭載部103の待機位置との間に設置されたガイドに沿ってレール上を試薬搭載部103がモータ等の動力によって移動することができるよう構成されている。
【0032】
試薬搬送機構101は、試薬搭載部103に設置された試薬ボトル10を試薬ディスク9内に搬送するための機構であり、試薬ボトル10を把持するグリッパー機構(グリッパー部)106、試薬ボトル10の蓋112に切り込み状の穴を開ける試薬ボトル蓋開栓機構(試薬ボトル蓋開栓部)104、試薬ボトル蓋開栓機構104を上下動させる上下駆動モータ130(図7参照)、およびグリッパー機構106や試薬ボトル蓋開栓機構104を図2上で左右方向に駆動させる水平駆動モータ131を構成部品としている。
【0033】
試薬搬送機構101は、図2における試薬搭載部103の位置から開閉カバー113の位置の間を図2上で左右方向に動作する。すなわち、試薬搭載部103は図2上で上下方向に移動し、試薬搬送機構101は図2上で水平方向に動作するため、動作方向が直交するように構成されている。また、試薬搬送機構101は、グリッパー機構106によって試薬ボトル10を把持する位置と、試薬ボトル10を試薬ディスク9に搬入、搬出する位置とが直線状に配置されている。
【0034】
試薬ボトル蓋開栓機構104は、試薬ボトルの蓋112に切り込みを入れるためのニードル300(図7参照)が取り付けられている。試薬ボトル蓋開栓機構104では、蓋112に切り込みを入れた後のニードル300のニードル本体105(図9参照)の洗浄を試薬搬送機構101の動作方向に対して平行に配置されたニードル洗浄槽108で行い、次の工程で、試薬搬送機構101の動作方向に対して平行に配置されたニードル乾燥口109にて洗浄水の除去を行う。これにより、試薬ボトルの蓋112の切り込みを入れるときに、洗浄水で試薬を薄めないように構成されている。ここで図2に示されているように、ニードル洗浄槽108とニードル乾燥口109は、試薬搬送機構101の動作方向に対して平行に配置されている。
【0035】
グリッパー機構106は、試薬ボトル10を把持するための引っかけ爪を有しており、この引っかけ爪を試薬ボトル10の切欠き部に引っかけることで試薬ボトル10を把持する。
【0036】
開閉カバー113は、保冷された試薬ディスク9内部の冷気を逃がさないようにするためのカバーであり、通常は閉じた状態である。試薬搬送機構101が試薬ディスク9にアクセスする際には開閉カバー113が開き、試薬ディスク9への試薬ボトル10の搬入・搬出を行うことができるように動作する。
【0037】
以上がオートローダー機構100の構成である。
【0038】
次に、オペレーターが試薬ボトル10を試薬搭載部103に設置してから試薬ディスク9へ搬入するまでの動作について説明する。
【0039】
オペレーターが新規の試薬ボトル10を装置の試薬ディスク9に搬入したい場合は、まず装置のボタンスイッチ(図示省略)の第1回目の押下を行う。装置は、オペレーターによってボタンスイッチの第1回目の押下が行われたことを認識する。これにより、試薬搭載機構102が動作し、試薬搭載部103が待機位置から動きだし、装置手前(図2下側)に移動する。
【0040】
試薬搭載部103が装置手前に到着した後、オペレーターは試薬ボトル10を試薬搭載部103に設置する。試薬ボトル10の必要数を試薬搭載部103に設置した後、オペレーターはボタンスイッチを再度押下する。
【0041】
オペレーターがボタンスイッチを押下したことを認識した後は、試薬搭載部103は試薬ボトル蓋開栓機構104の下方位置に移動する。次いで、試薬ボトル蓋開栓機構104が試薬ボトル10の蓋112に向けて下降して、ニードル本体105で蓋112に試薬プローブ7a,8aが挿入できる程度の切り込みを開ける。試薬ボトル10の蓋112に切り込みを入れた後、試薬ボトル蓋開栓機構104は上昇し、ニードル本体105を洗浄するために試薬搬送機構101がニードル洗浄槽108の位置に移動し、ニードル本体105を洗浄する。その後、ニードル乾燥口109に移動しニードル本体105の乾燥を実施する。
【0042】
乾燥後、試薬搭載機構102は試薬搭載部103を動作させ、切り込みを入れた試薬ボトル10をグリッパー機構106の下方位置に移動させる。その後、グリッパー機構106が下降し、試薬ボトル10を掴み、その後、開閉カバー113を開ける。その後、グリッパー機構106が上昇するとともに、開いた開閉カバー113の位置まで移動し、空きの試薬ディスク9の位置に運搬した試薬ボトル10を搬入する。搬入後、再度グリッパー機構106を試薬搭載部103の位置に戻す。
【0043】
以上の動作を、試薬搭載部103に搭載され、試薬ディスク9に搬入する必要がある全ての試薬ボトル10に対して繰り返し行う。試薬搭載部103に設置され、搬入する必要がある試薬ボトル10を試薬ディスク9に全て搬入した後、開閉カバー113を閉める。
【0044】
以上が、オートローダー機構100での試薬ボトル10の設置からの、試薬ボトル10の蓋112の穴あけ動作、および試薬ディスク9への搬入動作になる。
【0045】
試薬ディスク9内に設置された試薬が空の状態になった場合は、以下の流れで試薬ボトル10を搬出する。試薬ボトル10の搬出タイミングは、分析中でも試薬分注機構7,8の最後の分注の終了後、もしくは分析結果の出力後に実施しても良い。
【0046】
まず、コントローラ21は、開閉カバー113を開ける。また、試薬搬送機構101は開いた開閉カバー113の位置まで移動する。次いで、グリッパー機構106により空の試薬ボトル10を把持する。また、これと並行して、試薬搭載部103が待機位置から移動して、試薬搭載部103の空きの試薬ボトルスロットがグリッパー機構106の軌道の下方になる位置で停止する。
【0047】
次いで、グリッパー機構106により空の試薬ボトル10を把持した状態で試薬搬送機構101が試薬搭載機構102の位置まで移動する。これと並行して、開閉カバー113を閉める。その後、グリッパー機構106により試薬搭載部103の空きの試薬ボトルスロットに空になった試薬ボトル10を置く。その後、試薬搭載機構102は待機位置に戻る。
【0048】
その後、オペレーターに空の試薬ボトル10が取り出せる状態であることを通知する。オペレーターはこの通知を受けて空になった試薬ボトル10を装置外に取り出す。
【0049】
また、試薬搭載部103全ての試薬スロットに試薬ボトル10が設置されている場合で、試薬ディスク9に設置している試薬ボトル10が空になり装置の外に廃棄したい場合は、試薬ディスク9の設置可能数に対し1個もしくは数個、空の試薬スロットを設けておく。その上で、試薬搭載部103に設置されている試薬ボトル10を蓋112に切り込みを入れないで試薬ディスク9に搬入し、空の試薬ボトル10をグリッパー機構106で掴み、試薬搭載部103に乗せた後、オペレーターが空の試薬ボトル10を搬出する。搬出後、空いている試薬スロットに再度、試薬ディスク9に設置した切り込みを入れていない試薬ボトル10を戻すことができる。試薬搭載部103に空きスロットを設けておけば同様の動作は可能である。
【0050】
ここで、ニードル本体105で蓋112への穴あけ動作は蓋112に対して中心に開ける必要がある。以下図3乃至図6を用いてその理由を説明する。
【0051】
先にも述べているが、試薬プローブ7a,8aのオペレーション動作では高速状態で蓋112に挿入する。そのため、図3に示すように蓋112の切り込み112aが蓋112の中心に開けられていると、図4に示すように試薬プローブ7a,8aがその中心を正常に通過する。これに対し、図5に示すように蓋112の切り込み112aが蓋112の中心からずれて開けられていると、図6に示すように試薬プローブ,8aの先端が蓋112に引っかかりやすくなり、最悪の場合、試薬プローブ7a,8aを曲げてしまう危険がある。
【0052】
また、近年用いられている試薬プローブ7a、8aのノズル直径は1mm程度であり、その座屈強度は強くない。このため、蓋112への穴あけを中心で行い、蓋112に挿入して試薬を吐出する動作を繰り返すためには、洗浄して長期間使用する必要があり、このためには引っ掛かりなどの試薬プローブ7a,8aへのダメージは極力回避しなくてはならない。
【0053】
そのために、本実施形態の自動分析装置では、試薬ボトル蓋開栓機構104が、ニードル300のニードル本体105が蓋112の中心に再現性高く刺さり、切込み状の穴をあけることができるように、ニードル300のニードル本体105の蓋112に対する位置を調整する調芯機構を有している。以下、試薬ボトル蓋開栓機構104や調芯機構の構成および動作について図7乃至図23を用いて説明する。図7に試薬ボトル蓋開栓機構104の上下動のための構成を示す。
【0054】
図7に示すように、上下駆動モータ130と、この上下駆動モータ130と連動して回転するプーリ202と、このプーリ202と対に設けられたプーリ203と、プーリ202およびプーリ203に連結されたベルト204とが設けられており、試薬ボトル蓋開栓機構104はベルト204に連結されている。そのため、上下駆動モータ130が駆動することで、試薬ボトル蓋開栓機構104が上下方向に動作する。
【0055】
なお、図7では、上部に上下駆動モータ130、下部にプーリ203を配置し、ベルト204に試薬ボトル蓋開栓機構104を取り付けた図で説明したが、試薬ボトル蓋開栓機構104を上下に動作させて行うための構成は図7の構成に限定されるものではない。例えばボールネジやスプラインシャフトを使用した構成でも、ニードル本体105が上下に動作すれば蓋112への穴開けは可能である。
【0056】
次に、試薬ボトル蓋開栓機構104の構造および試薬ボトル10の蓋112の構造について図8乃至図10を用いて説明する。図8は試薬ボトル10の蓋112の断面の概略図、図9は試薬ボトル蓋開栓機構104の概略図、図10図9中の領域Aを拡大した図である。
【0057】
図8に示すように、試薬ボトル10の蓋112には、ニードル300を蓋112の中心までガイドするように形成された蓋テーパ(テーパ部)112bが設けられている。
【0058】
図9および図10に示すように、試薬ボトル蓋開栓機構104は、ニードル300と、ニードル300のニードル本体105が蓋112の中心に刺さるようニードル本体105の蓋112に対する位置を調整する調芯機構からなり、この調芯機構として、ピアス止め403およびこのピアス止め403を支えるピアス支え部からなる。
【0059】
ピアス支え部は、ピアス止め403と接するピアス支え301と、このピアス支え301を支持する支え板302と、この支え板302に固定され、ピアス止め403がピアス支え部に対して平行な方向に移動したときにピアス止め403の平行な方向の移動量を制限する抑え板303とからなる。
【0060】
ニードル300は、蓋112に刺さるニードル本体105と、ピアスシャフト400と、ピアスガイド402と、バネ404と、ワッシャー408と、を有している。
【0061】
ピアスシャフト400の先端にはニードル本体105が組み込まれており、反対側の端部にはニードル本体105より径の太いピアス止め403が組み込まれている。ピアスシャフト400のニードル本体105側には、ニードル本体105の大部分を覆うようにピアスガイド402が取り付けられている。このピアスガイド402の下方側には試薬ボトル10の蓋112の蓋テーパ112bと互いに嵌め合うことが可能なように形成されたテーパ部406を有している。ピアスガイド402の内部にはバネ404が組み込まれている。ニードル本体105はバネ404の伸縮により上下方向に稼働可能な構造となっており、ピアス止め403と抑え板303とが接触するとバネ404が縮み、ニードル本体105がピアスガイド402から飛び出して蓋112に接触するようになっている。
【0062】
ピアス止め403はテーパ形状に加工された形状となっている。また、支え板302に組込まれたピアス支え301もテーパ形状である。ピアス止め403とピアス支え301とが互いに嵌め合うように配置されており、ピアス止め403がピアス支え301に対して間隔304分だけ上下方向に移動可能であり、間隔305,306分だけ左右方向に移動可能となっている。このため、ニードル300がピアス支え301に対して振り子のように左右方向に移動することができるようになっている。また、何も力が作用していないときには、ニードル300が自重によりピアス支え301に対して自動的に元の位置に戻るようになっている。
【0063】
次に、ピアスガイド402にニードル本体105に対する上下動作の可動範囲について説明する。ピアスガイド402の上昇の移動量は、バネ404が完全に圧縮されるまでであり、下降の移動量は、ピアスガイド402と一体に構成されているストッパ405がピアスシャフト400の段差部407に接触するまでとなっている。この上下動の移動量は、ピアスガイド402のテーパ部406が蓋112の蓋テーパ112bで位置決めされた後に、ニードル本体105が蓋112を貫通するまでの上下動作量が確保することができればよく、ピアスガイド402の上昇動作はバネ404が完全に圧縮するまで行う必要は無い。例えば、ピアスシャフト400にストッパ(図示省略)を設けるなどして、ストッパをピアスガイド402に接触させる構成にすればバネ404へのダメージを回避することができる。
【0064】
ここで、ピアス支え301の開口部の直径φAと、ピアスガイド402の直径φBとが
φA>φB ・・・(1)
の関係を満たすことが望ましい。この式(1)の関係を満たすことによって、ニードル本体105等に異常または消耗が生じた際の交換のためのニードル300の脱着が容易になり、メンテナンス向上や部品交換の簡易化を図ることができる。
【0065】
なお、φA≦φBの場合でも、蓋112の中心軸とニードル本体105の中心軸とのずれ量をDと、ピアスシャフト400の直径をφCとした場合に、
D≦φA−φC ・・・(2)
の関係式を満たせば、自動での調芯は可能である。
【0066】
また、ピアス支え301に設けられた開口部とニードル300のピアスシャフト400との間隔305(φA−φC)に加えて、ピアス止め403の側面とピアス支え301の側面との間の間隔306は、蓋112の中心軸とニードル300との中心軸の差分Dより大きくなっている。
【0067】
式(1)および式(2)の効果については図11以降を用いて説明する。
【0068】
次に、試薬ボトル蓋開栓機構104の構造および試薬ボトル10の蓋112の切り込み状の穴をあける動作について図11乃至図17を用いて説明する。図11乃至図17では、蓋112の穴あけ前にニードル本体105の中心軸と蓋112の中心軸とがずれているケースを例に示す。
【0069】
図11乃至図17はニードル本体105で蓋112への穴あける時にニードル本体105の中心軸と蓋112の中心軸がずれていた場合に再現性良く蓋112中心への穴開け動作を実現するための説明図である。
【0070】
ニードル本体105の中心軸と蓋112の中心軸とがずれる要因は、各部品の取り付けの際の調整のばらつきや、部品自体のサイズのばらつき、試薬ボトル10や蓋112のサイズのばらつき、ニードル本体105で穴を開ける前の試薬ボトル10の試薬搭載部103における設置位置のばらつき、など多岐に原因はある。しかし、部品の公差を精度よく作るとコストが上がる。また、調整時間を多く設けてばらつきを無くすことは現実的には難を極める。そこで、本実施形態のような調芯機構を備えた試薬ボトル蓋開栓機構104が非常に有用となる。
【0071】
まず、図11に示すような状態から蓋112へ穴を開けるために試薬ボトル蓋開栓機構104が下降していく。すると、図12に示すように、ニードル本体105ではなく、先ずニードル300のピアスガイド402に設けられたテーパ部406と蓋112の蓋テーパ112bとが接触する。お互いの部品はテーパ形状であるため、テーパがガイドとなってそのままテーパ部406が蓋テーパ112bの中心方向に挿入されていく。
【0072】
しかし、ニードル本体105の中心軸と蓋112の中心軸とがずれているため、試薬ボトル蓋開栓機構104がさらに下降すると、図13に示すように、ピアス止め403はピアス支え301のテーパ部にならい、間隔305および間隔306を利用してニードル300が図中左側に傾いていき、間隔304および間隔306を利用してピアス止め403がピアス支え301のテーパ面を上昇していく。
【0073】
さらに試薬ボトル蓋開栓機構104が下降していくと、図14に示すように、ピアス止め403の上面が抑え板303と接触する。
【0074】
さらに試薬ボトル蓋開栓機構104が下降していくと、図15に示すよう、テーパ部406が蓋テーパ112bに密着する。これらの動きによって自動で蓋112の中心軸とニードル本体105の中心軸とが一致するようにニードル本体105の中心軸が調整される。
【0075】
このように自動で蓋112の中心軸とニードル本体105の中心軸を自動で調芯させるためには上述の式(2)の関係で構成することが望ましい。もし式(2)の関係式の符号が逆の場合でも調芯は可能であるが、中心軸とニードル本体105の中心軸とのずれ量Dだけ左右方向に動作しようとするときに、必要以外の箇所が接触する可能性があり、スムーズに調芯することに支障をきたす可能性があるため、式(2)の関係を満たすように構成することが望ましい。
【0076】
更に試薬ボトル蓋開栓機構104が下降すると、ピアスガイド402と蓋112とが密着した状態を保持した状態でバネ404が圧縮し始め、ピアス止め403が間隔304分上昇し、抑え板303と密着する。
【0077】
図16に示すように、更に試薬ボトル蓋開栓機構104が下降するとニードル本体105が蓋112に接触し、蓋112に切り込み112aが形成され、穴あけが行われる。
【0078】
穴あけ完了後は試薬ボトル蓋開栓機構104が上昇する。このため、ニードル本体105は蓋112から外れる。また、ピアスガイド402などの構成部品を下方に設けていることと、ピアス止め403およびピアス支え301にテーパ部を設けているため、ピアス止め403がピアス支え301のテーパ面に沿って移動していき、図17に示すように、自重を利用して再現性良くニードル本体105は垂直な配置に戻ることができる。よって、自動で調芯しながら蓋112の穴あけ動作を繰り返し行うことができる。
【0079】
なお、図18に示すように、ピアスシャフトガイド321を設けておき、ニードル本体105全体の傾きを補正するようにすることができる。この場合、ピアスシャフトガイド321とピアスシャフト400との間には、ある程度の傾斜は許容されるよう間隔309を設けておくことが望ましい。
【0080】
なお、ニードル300の調芯機構は、図9および図10に示すような態様に限られず、自動で調芯し蓋112へ穴を開けることが可能な構造であればよい。以下、他の態様について、図19乃至図23を用いて説明する。図19乃至図23は試薬ボトル蓋開栓機構の他の一例の概略を示す図である。
【0081】
例えば、図19に示すように、支え板302Aの開口部のみがテーパ形状であり、ピアス止め403Aがブロック状であってもよい。この場合も、テーパ形状となっている支え板302Aにより、ピアス止め403Aが支え板302Aに対して上下左右方向に自由に移動可能に構成されているため、穴あけの際に自動で蓋112の中心軸とニードル本体105の中心軸とを一致させることができる。
【0082】
また、図20に示すように、テーパ形状のピアス支え301がなく、テーパ形状のピアス止め403のみであってもよい。この場合も、テーパ形状となっているピアス止め403により、ピアス止め403が支え板302に対して上下左右方向に自由に移動できるため、穴あけの際に蓋112の中心軸とニードル本体105の中心軸とが自動で一致する。
【0083】
更に、図21に示すように、抑え板303にボール320をピアス止め403Bの上下側で複数個固定し、ピアスシャフト400を間隔307の間で、ピアス止め403を間隔308の間で左右にスライドさせる構造とすることができる。このような構造でも、蓋112の中心軸とニードル本体105の中心軸とを自動で調芯することができる。
【0084】
図21の説明においてはボール320を上部に5個、下部に2個を使用した例で説明しているが、ピアス止め403Bが左右にスムーズに動作すれば良いので、ボールの個数は図21に示す数に限定されない。また、ボール320の固定方法に関しても、図21に示すようにピアス止め403Bの上下の抑え板303に固定する構造に限られず、図22に示すように、抑え板303とピアス止め403Bとの間の空間に収まるサイズのボール320を配置し、ピアス止め403Bの左右の動きに合わせてボール320が移動するような構造とすることができる。
【0085】
また図23に示すように、ピアス止め403B上部側のみにボール320を配置し、蓋112接触後はピアス止め403Bがボール320ごと持ち上がった後に、ピアス止め403Bが左右に移動するような構造とすることもできる。
【0086】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0087】
上述した本発明の自動分析装置の実施形態では、試薬ディスク9に搬入される試薬ボトル10の蓋112に穴をあけるためのニードル300を有する試薬ボトル蓋開栓機構104が、ニードル300のニードル本体105が蓋112の中心に刺さるようにニードル300の蓋112に対する位置を調整する調芯機構を有している。
【0088】
上述のように、自動分析装置の処理速度向上に伴い、装置内の各機構の動作も高速になっており、試薬プローブ7a,8aも従来よりも高速で動作している。試薬プローブ7a,8aは試薬ボトル10の蓋112に切り込み112aをいれることで形成する小さな穴に高速で下降し吸引動作を行う。このため、試薬ボトル10の蓋112の切り込み112aを蓋112の中心に精度良く開けないと試薬プローブ7a,8aが破損する可能性がある。信頼性の高い装置を提供するためには高い精度で繰り返し蓋112の中心に穴を開けることが求められる。
【0089】
上述のような構成によって、本実施形態の自動分析装置では、試薬ボトル10の蓋112の中心とニードル本体105の中心がずれていた場合でも、自動でニードル本体105の中心軸が蓋112の中心軸に一致するよう調芯され、調芯後に穴あけ動作が実施される。そのため、精度良く試薬ボトル10の蓋112の中心に穴を繰り返し開けることが可能となる。そのため、試薬プローブ7a,8aによる試薬の分注を高速、かつ繰り返し正確に行うことができ、自動分析装置の処理能力の向上を図ることができる。
【0090】
また、調芯機構は、ニードル300のニードル本体105の反対側の端部に設けられ、ニードル本体105より径の太いピアス止め403と、このピアス止め403を支えるピアス支え部と、を有し、ピアス止め403はニードル300の中心軸に垂直な方向および平行な方向に移動可能となるようピアス支え部に対して支持されているため、ピアス止め403がピアス支え部に対して上下左右方向に自由に移動することができる。このため、自動でニードル本体105の中心軸が蓋112の中心軸に一致するよう調芯され、精度良く試薬ボトル10の蓋112の中心に穴を繰り返し開けることが可能となる。
【0091】
更に、調芯機構のピアス支え部とピアス止め403とのうち少なくとも一方がテーパ形状であることで、スムーズな調芯動作が行われ、より正確にかつ繰り返し蓋112の中心に切り込み112aを入れることができる。
【0092】
また、ピアス支え部は、ピアス止め403と接するテーパ形状のピアス支え301と、このピアス支え301を支持する支え板302と、この支え板302に固定され、ピアス止め403がピアス支え部に対して平行な方向に移動したときにピアス止め403の平行な方向の移動量を制限する抑え板303とを有し、開口部とニードル300との間隔、およびピアス止め403の側面とピアス支え301の側面との間の間隔は、蓋112の中心軸とニードル300との中心軸の差分より大きいことで、調芯の際に不要な箇所が接触することを防止でき、よりスムーズな調芯を実現することができる。
【0093】
更に、ニードル300は、蓋112に刺さるニードル本体105と、このニードル本体105を支持するピアスシャフト400と、ニードル本体105を覆うピアスガイド402と、このピアスガイド402内に配置され、ニードル本体105をピアスシャフト400側に押圧するバネ404と、を有し、ピアス止め403と抑え板303とが接触するとバネ404が縮み、ニードル本体105が蓋112に接触することにより、ニードル本体105が必要以上に蓋112に接触することが抑制される。このため、ニードル本体105へのダメージをより軽減することができ、より長期間にわたって高精度の穴あけ動作が可能となる。
【0094】
また、試薬ボトル10の蓋112が蓋テーパ112bを有し、ピアスガイド402がテーパ部406を有しており、蓋112の蓋テーパ112bとピアスガイド402のテーパ部406とで、ニードル300が蓋112の中心に刺さるよう位置決めがなされることで、これらのテーパがガイドとなってよりスムーズに調芯され、より容易かつ確実に調芯を行うことができる。
【0095】
更に、ニードル300は、蓋112の穴あけ後に自動で元の位置に戻ることで、中心軸がずれた状態のままニードル300が保持されたままとならず、スムーズに繰り返しの調芯が可能となる。
【0096】
また、自動分析装置内に試薬ボトル10を投入する際に試薬ボトル10を設置するための試薬搭載部103と、この試薬搭載部103に設置された試薬ボトル10を試薬ディスク9に搬送するための試薬搬送機構101であって、試薬ボトル10を把持するグリッパー機構106および試薬ボトル蓋開栓機構104を有する試薬搬送機構101とを備えたことにより、オペレーターは試薬ボトル10を直接試薬ディスク9に投入する必要がなくなり、試薬ボトル10の開栓から試薬ディスク9への搬入が自動で行われるため、オペレーターの負担を軽減することができる。
【0097】
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
【0098】
例えば、ニードル本体105の先端部がピアスガイド402から常時露出はしている例を示したが、ニードル本体105とピアスガイド402との位置関係は蓋112の上面から切り込む部位までの高さや蓋テーパ112bの形状や角度、それに合わせたテーパ部406の形状によって決まるので、上述の実施形態に限定されない。
【0099】
また、ニードル本体105は1本として説明しているが、試薬ボトル10の蓋が2個有る場合はニードル本体105を2本取り付け、試薬ボトル蓋開栓機構104の下降動作で2個の蓋に同時に穴を開ける構成とすることができる。また、ニードル洗浄槽108、ニードル乾燥口109をニードル本体105の間隔で2個設置することができる。これにより、各々一度の上下動作で洗浄から乾燥まで可能となるので、搬入時間の短縮を図ることも可能である。
【符号の説明】
【0100】
1…反応ディスク
2…反応容器
3…洗浄機構
4…分光光度計
4a…光源
5,6…撹拌機構
7,8…試薬分注機構
7a,8a…試薬プローブ
9…試薬ディスク
10…試薬ボトル
11…サンプル分注機構
11a…サンプルプローブ
13…洗浄槽
15…試料容器
16…ラック
17…試料搬送機構
18…試薬用シリンジ
19…試料用シリンジ
20…洗浄用ポンプ
21…コントローラ
30,31,32,33…洗浄槽
100…オートローダー機構
101…試薬搬送機構(試薬搬送部)
102…試薬搭載機構(搬送ライン)
103…試薬搭載部
104…試薬ボトル蓋開栓機構(試薬ボトル蓋開栓部)
105…ニードル本体
106…グリッパー機構(グリッパー部)
108…ニードル洗浄槽
109…ニードル乾燥口
111…吸引口
112…蓋
112a…切り込み
112b…蓋テーパ(テーパ部)
113…開閉カバー
117…支柱
118…金属板
130…上下駆動モータ
131…水平駆動モータ
202,203…プーリ
204…ベルト
300…ニードル
301…ピアス支え
302,302A…支え板
303…抑え板
304,305,306,307,308,309…間隔
320…ボール
321…ピアスシャフトガイド
400…ピアスシャフト
402…ピアスガイド
403,403A,403B…ピアス止め
404…バネ
405…ストッパ
406…テーパ部
407…段差部
408…ワッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【国際調査報告】