特表-17149613IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス株式会社の特許一覧
再表2017-149613関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システム
<>
  • 再表WO2017149613-関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システム 図000004
  • 再表WO2017149613-関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システム 図000005
  • 再表WO2017149613-関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システム 図000006
  • 再表WO2017149613-関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年9月8日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   A61B17/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2018-502876(P2018-502876)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年2月29日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】谷上 恭央
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 宏一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 典弘
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ23
4C160LL04
4C160LL09
4C160LL11
4C160LL26
4C160LL28
4C160MM32
(57)【要約】
関節用超音波処置具は、第1の周波数および第1の振幅で振動する骨切削モードと、前記第1の周波数よりも高い周波数である第2の周波数および前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅で振動する軟骨溶解モードと、を有し、前記第1の周波数と前記第1の振幅との積である第1の振動速度と、前記第2の周波数と前記第2の振幅との積である第2の振動速度とが一致または略一致する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節用超音波処置具において、
第1の周波数および第1の振幅で振動する骨切削モードと、
前記第1の周波数よりも高い周波数である第2の周波数および前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅で振動する軟骨溶解モードと、
を有し、
前記第1の周波数と前記第1の振幅との積である第1の振動速度と、前記第2の周波数と前記第2の振幅との積である第2の振動速度とが一致または略一致することを特徴とする関節用超音波処置具。
【請求項2】
前記第2の周波数は、前記第1の周波数の奇数倍である、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
【請求項3】
前記骨切削モードは、皮質骨及び海綿骨を処置するためのモードであり、
前記軟骨溶解モードは、軟骨を処置するためのモードである、
請求項1に記載の関節用超音波処置具。
【請求項4】
基端と前記基端とは反対側の先端とで規定される長手軸に沿って延在し、前記骨切削モードにおいて第1の超音波振動を伝達し、前記軟骨溶解モードにおいて第2の超音波振動を伝達する振動伝達部を有し、
前記振動伝達部は、前記基端側から前記先端側にかけて外径を徐々に小さくし、前記第1の超音波振動及び/または前記第2の超音波振動の速度を拡大する第1の外径変化部と、前記第1の外径変化部よりも前記先端側において、前記基端側から前記先端側にかけて外径を徐々に小さくし、前記第1の超音波振動及び/または前記第2の超音波振動の速度を拡大する第2の外径変化部を有する、請求項1に記載の関節用超音波処置具。
【請求項5】
前記振動伝達部は、前記第2の超音波振動の第1の節の位置に前記第1の外径変化部を有し、前記第1の超音波振動の節の位置と一致する前記第2の超音波振動の第2の節の位置に前記第2の外径変化部を有する、請求項4に記載の関節用超音波処置具。
【請求項6】
前記第2の外径変化部は、前記第2の節の位置にフランジを有する、請求項5に記載の関節用超音波処置具。
【請求項7】
前記第1の外径変化部は、前記軟骨溶解モードにおける前記第1の外径変化部による振動速度の拡大率が前記骨切削モードにおける前記第2の外径変化部による振動速度の拡大率を前記軟骨溶解モードにおける前記第2の外径変化部による振動速度の拡大率で割った値と一致または略一致するように構成されている、請求項5に記載の関節用超音波処置具。
【請求項8】
前記第1の外径変化部において前記長手軸と直交する前記基端側の面の外径を第1の外径とし、
前記第1の外径変化部において前記長手軸と直交する前記先端側の面の外径を第2の外径とし、
前記第2の外径変化部において前記長手軸と直交する前記基端側の面の外径を第3の外径とし、
前記第2の外径変化部において前記長手軸と直交する前記先端側の面の外径を第4の外径とし、
前記長手軸に沿った前記第1の外径変化部の長さを第1の長さとし、
前記長手軸に沿った前記第2の外径変化部の長さを第2の長さとしたときに、
前記第1の外径変化部は、
(前記第1の外径)/(前記第2の外径)<(前記第3の外径)/(前記第4の外径)、及び
(前記第1の長さ)>(前記第2の長さ)
のうちの少なくとも何れか一方を満たすように構成されている、請求項5に記載の関節用超音波処置具。
【請求項9】
超音波振動生成部を有する請求項1に記載の関節用超音波処置具と、
前記骨切削モードにおいて前記第1の周波数の第1の駆動信号を前記超音波振動生成部に供給し、前記軟骨溶解モードにおいて前記第1の駆動信号と同じ振幅及び前記第2の周波数の第2の駆動信号を前記超音波振動生成部に供給する制御部と、
を有する関節用超音波処置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波処置具として、例えば特開2003−116870号公報に開示されているように、骨や軟骨を切削することができる超音波処置具が知られている。このような超音波処置具は、機械的な振動による切削(以下、ハンマリング効果という)の機能と、組織に対する摩擦熱による切削(溶解)の機能を併せ持つ。
近年、超音波処置具を関節の処置に用いることが検討されている。関節は、軟骨と、皮質骨及び海綿骨から成る骨を有する。超音波処置具は、軟骨だけでなく、皮質骨及び海綿骨の処置にも用いられる。
【0003】
軟骨の切除機序と皮質骨及び海綿骨の切削機序は、軟骨と皮質骨及び海綿骨の性質の相違に起因して、相違していることがわかってきている。軟骨の切除機序は、超音波振動による処置具と軟骨との間の摩擦熱であると考えられている。他方、皮質骨及び海綿骨の切削機序は、超音波振動が伝達されている処置具による皮質骨及び海綿骨へのハンマリング効果であると考えられている。上述したように、超音波処置具は、ハンマリング効果による切削の機能と摩擦熱による切削の機能とを併せ持つ。このため、術者が超音波処置具で軟骨のみを切削しようとしているときにも、超音波処置具のハンマリング効果が軟骨近傍の皮質骨及び海綿骨に作用することが考えられる。皮質骨及び海綿骨を切削することなく軟骨だけを切削することを術者の手技に頼ることは難しい。
【0004】
このため、超音波処置具は、軟骨を切削するために、ハンマリング効果の機能よりも摩擦熱による切削の機能を優位にすることが要求されている。
【発明の概要】
【0005】
この発明は、関節内の処置対象に応じて動作モードを切り替え可能な関節用超音波処置具及び関節用超音波処置システムを提供することを目的とする。
【0006】
この発明の一態様に係る関節用超音波処置具は、第1の周波数および第1の振幅で振動する骨切削モードと、前記第1の周波数よりも高い周波数である第2の周波数および前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅で振動する軟骨溶解モードと、を有し、前記第1の周波数と前記第1の振幅との積である第1の振動速度と、前記第2の周波数と前記第2の振幅との積である第2の振動速度とが一致または略一致する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る関節用超音波処置システムのブロック図である。
図2図2は、一実施形態に係る関節用超音波処置具を示す模式図である。
図3図3は、一実施形態に係る関節用超音波処置具における振動速度の拡大率を示す表である。
図4図4は、一実施形態に係る関節用超音波処置具の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための一実施形態について説明する。
関節用超音波処置システム(以下、処置システムという)について説明する。
図1は、処置システム100のブロック図である。
処置システム100は、関節用超音波処置具(以下、処置具という)1、制御部2及び操作部3を有する。
【0009】
処置具1は、プローブ11及び振動子12を有する。
プローブ11は、超音波振動を伝達する振動伝達部の一例である。プローブ11は、超音波振動の伝達により、その先端の後述する処置部1151で、関節における処置対象となる軟骨、または、皮質骨及び海綿骨から成る骨を切削する。軟骨と、皮質骨及び海綿骨とは成分が相違している。軟骨はコラーゲンの含有量が多く、例えば60℃から70℃程度で溶融することがわかっている。他方、皮質骨及び海綿骨は例えばカルシウムやリン酸等の石灰成分の含有量が多いため軟骨よりも硬い。また、皮質骨及び海綿骨は、融点が数100℃を超えるとされている。以下、皮質骨及び海綿骨を代表して、皮質骨について説明するが、「皮質骨」の用語は、「皮質骨及び海綿骨のうちの少なくとも何れか一方」と適宜読み替えることができるものとする。
【0010】
プローブ11は、後述するように、その先端の摩擦熱エネルギーWμが超音波振動の周波数に依らずに一致するように構成されている。なお、本実施形態で使用される用語「一致する」は、「一致または略一致する」ことを意図している。
【0011】
摩擦熱エネルギーWμについて説明する。
摩擦熱エネルギーWμは、以下の式(1)で表される。
【0012】
【数1】
ここで、μは、静止摩擦係数である。Nは、垂直抗力である。静止摩擦係数と垂直抗力の積であるμNは、摩擦力である。fは、プローブ11を伝達する超音波振動の周波数である。uは、プローブ11の先端の振幅である。周波数と振幅の積であるfuは、プローブ11の先端の振動速度である。tは、時間である。
式(1)によれば、摩擦熱エネルギーWμは、振動速度に比例する。
【0013】
振動子12は、超音波振動生成部の一例である。振動子12は、例えばボルト締めランジュバン型振動子(BLT)である。振動子12は、プローブ11に接続されている。振動子12は、制御部2から供給される駆動信号に応じて後述するプローブ11の長手軸Lに沿って振動(縦振動)し、超音波振動を生成する。振動子12は、超音波振動をプローブ11に伝達する。
【0014】
振動子12は、第1のモードまたは第2のモードで異なる超音波振動をプローブ11に伝達する。
第1のモードは、皮質骨及び海綿骨を処置するための骨切削モードである。第1のモードは、プローブ11が処置具1における基本モード(1次モードともいう)の固有共振周波数の超音波振動を伝達するモードである。基本モードの固有共振周波数を第1の周波数という。第1の周波数の超音波振動を第1の超音波振動という。
第1のモードでは、振動子12は、第1の周波数で振動し、第1の超音波振動を生成する。振動子12は、第1の超音波振動をプローブ11に伝達する。
【0015】
第2のモードは、軟骨を処置するための軟骨溶解モードである。第2のモードは、プローブ11が処置具1における高次モードの周波数の超音波振動を伝達し、プローブ11の先端の振幅を第1のモードよりも小さくするモードである。高次モードの周波数は、第1の周波数のn倍の周波数である。第1の周波数のn倍の周波数を第2の周波数という。第2の周波数の超音波振動を第2の超音波振動という。
ここで、nは2以上の整数である。高次モードの周波数は、好ましくは第1の周波数の奇数倍である。第2のモードでは、処置部1151が組織と接触する1秒当たりの回数は第1のモードよりも増える。
第2のモードでは、振動子12は、第2の周波数で振動し、第2の超音波振動を生成する。振動子12は、第2の超音波振動をプローブ11に伝達する。
【0016】
制御部2は、第1のモードまたは第2のモードで異なる駆動信号を振動子12に供給する。第1のモードにおいて、制御部2は、第1の駆動信号を振動子12に供給する。第1の駆動信号の周波数は、第1の周波数である。第2のモードにおいて、制御部2は、第2の駆動信号を振動子12に供給する。第2の駆動信号は、第1の駆動信号と同じ振幅及び第2の周波数である。振動子12は、第1のモードまたは第2のモードの何れの動作モードでも同じ所定電力で駆動する。
【0017】
制御部2は、周波数逓倍回路21、正弦波生成回路22、超音波アンプ回路23、電圧電流検知回路24、インピーダンス演算器25、メモリ26、比較器27及びコントローラ28を有する。
【0018】
周波数逓倍回路21は、コントローラ28からの第1のモードでの動作命令または第2のモードでの動作命令に応じて異なる処理を行う。
第1のモードでは、周波数逓倍回路21は、コントローラ28から供給される第1の周波数の信号の周波数を逓倍する処理を停止する。周波数逓倍回路21は、第1の周波数の信号を正弦波生成回路22に供給する。
第2のモードでは、周波数逓倍回路21は、コントローラ28から供給される第1の周波数の信号の周波数を逓倍する。周波数逓倍回路21は、第1の周波数をn倍した第2の周波数の信号を正弦波生成回路22に供給する。
【0019】
正弦波生成回路22は、振動子12を駆動するための正弦波の駆動信号を生成する。
第1のモードでは、正弦波生成回路22は、上述の第1の駆動信号を生成する。正弦波生成回路22は、第1の駆動信号を超音波アンプ回路23に供給する。
第2のモードでは、正弦波生成回路22は、上述の第2の駆動信号を生成する。正弦波生成回路22は、第2の駆動信号を超音波アンプ回路23に供給する。
【0020】
超音波アンプ回路23は、正弦波生成回路22から供給される第1の駆動信号または第2の駆動信号を増幅する。超音波アンプ回路23は、増幅した第1の駆動信号または増幅した第2の駆動信号を振動子12に供給する。
【0021】
電圧電流検知回路24は、超音波アンプ回路23が振動子12に供給する第1の駆動信号または第2の駆動信号を参照して、出力電圧の値(電圧波形の振幅)、出力電流の値(電流波形の振幅)及び電圧−電流間の位相を検知する。電圧電流検知回路24は、出力電圧の値、出力電流の値及び電圧−電流間の位相をインピーダンス演算器25に供給する。
【0022】
インピーダンス演算器25は、出力電圧の値、出力電流の値及び電圧−電流間の位相に基づいてインピーダンス(|Z|)を演算する。インピーダンス演算器25は、インピーダンス値(|Z|)を比較器27に送信する。
【0023】
メモリ26は、各種情報を記憶する。
一例として、メモリ26は、皮質骨処置用の閾値及び軟骨処置用の閾値を記憶する。
皮質骨処置用の閾値は、処置部1151が皮質骨と接していることを検知するために設定されている。皮質骨処置用の閾値は、処置具1自体のインピーダンスと、処置対象である皮質骨に起因するインピーダンスを合わせた値に基づいている。
軟骨処置用の閾値は、処置部1151が軟骨と接していることを検知するために設定されている。軟骨処置用の閾値は、処置具1自体のインピーダンスと、処置対象である軟骨に起因するインピーダンスを合わせた値に基づいている。
皮質骨処置用の閾値及び軟骨処置用の閾値は排他的に設定されている。
別の例として、メモリ26は、第1のモードの動作プログラムを記憶する。メモリ26は、第2のモードの動作プログラムを記憶する。
【0024】
比較器27は、インピーダンス演算器25からのインピーダンス値をメモリ26に記憶されている皮質骨処置用の閾値及び軟骨処置用の閾値と比較する。比較器27は、比較結果をコントローラ28に送信する。
【0025】
コントローラ28は、制御部2内の各部を制御する。
一例として、コントローラ28は、以下のように第1のモードまたは第2のモードに動作モードを設定する。
コントローラ28は、比較器27からの比較結果を参照して、処置部1151が軟骨または皮質骨の何れと接しているのかを検知する。
【0026】
コントローラ28は、処置部1151が皮質骨と接していることを検知すると、動作モードを第1のモードに設定する。現在の動作モードが第1のモードである場合、コントローラ28は、動作モードを第1のモードのまま維持する。現在の動作モードが第2のモードである場合、コントローラ28は、動作モードを第2のモードから第1のモードに変更する。具体的には、コントローラ28は、第1のモードでの動作命令を周波数逓倍回路21に送信する。
【0027】
コントローラ28は、処置部1151が軟骨と接していることを検知すると、動作モードを第2のモードに設定する。現在の動作モードが第2のモードである場合、コントローラ28は、動作モードを第2のモードのまま維持する。現在の動作モードが第1のモードである場合、コントローラ28は、動作モードを第1のモードから第2のモードに変更する。具体的には、コントローラ28は、第2のモードでの動作命令を周波数逓倍回路21に送信する。
【0028】
操作部3は、制御部2に対する設定を受け付ける。操作部3は例えばスイッチである。
一例として、操作部3は、動作モードの変更を受け付ける。コントローラ28は、動作モードの変更に基づいて、メモリ26の動作プログラムを参照して、第1のモードまたは第2のモードでの動作命令を周波数逓倍回路21に送信する。
別の例として、操作部3は、周波数逓倍回路21での逓倍数の変更を受け付ける。コントローラ28は、操作部3での逓倍数の変更に基づいて、周波数逓倍回路21での逓倍数を変更する命令を周波数逓倍回路21に送信する。周波数逓倍回路21は、コントローラ28からの命令に基づいて逓倍数を変更する。
【0029】
上述のプローブ11について説明する。
図2の上段は、プローブ11の一例を示す模式図を示す。図2の下段は、プローブ11を伝達する第1の超音波振動の振動速度(実線)及び第2の超音波振動の振動速度(破線)を示す模式図を示す。図2では、第2の超音波振動の第2の周波数を第1の周波数の3倍高次周波数とする。なお、図2では、振動速度を長手軸Lに直交する方向に示しているが、これは模式的に示しているだけであり、実際の振動方向は長手軸Lに沿っている。
【0030】
図2の上段を参照してプローブ11の構成について説明する。
プローブ11は、例えばTi−6Al−4Vなどのチタン合金で形成されている。
プローブ11は、基端A1と基端A1とは反対側の先端A2とで規定される長手軸Lに沿って延在する。基端A1は、振動子12が接続されている。
【0031】
プローブ11は、長手軸Lに沿って延在する細長い中空の筒形状又は中実のロッド形状に構成されている。プローブ11は、第1の周波数に基づく半波長の長さに設定されている。なお、プローブ11は、第1の周波数に基づく半波長の整数倍の長さに設定されていてもよい。
【0032】
プローブ11は、第1の延設部111、第1の外径変化部112、第2の延設部113、第2の外径変化部114及び第3の延設部115を有する。プローブ11は、一体で構成されていても、各部が別個の部材で構成されていてもよい。プローブ11は、2以上の部材で構成されていてもよい。
【0033】
第1の延設部111は、長手軸Lに沿って延在する形状である。第1の延設部111は、例えば一様な外径の円柱形状である。第1の延設部111は、基端A1側に長手軸Lと直交する基端面B1を有する。基端面B1は、振動子12が接続されている。第1の延設部111は、先端A2側に長手軸Lと直交する第1の境界面B2を有する。第1の境界面B2は、第1の延設部111と第1の外径変化部112の境界となる面である。なお、第1の延設部111及び第1の外径変化部112が一体で構成されている場合、第1の境界面B2は仮想的な面である。基端面B1及び第1の境界面B2は円形状の面である。基端面B1の外径は、図2では第1の境界面B2の外径と一致しているが、異なっていてもよい。第1の境界面B2の外径を第1の外径d11という。
【0034】
第1の外径変化部112は、基端A1側から先端A2側にかけて外径を徐々に小さくした円錐台形状である。長手軸Lに沿った第1の外径変化部112の長さを第1の長さL1という。第1の外径変化部112は、基端A1側に上述の第1の境界面B2を有する。第1の外径変化部112は、先端A2側に長手軸Lと直交する第2の境界面B3を有する。第2の境界面B3は、第1の外径変化部112と第2の延設部113との境界となる面である。なお、第1の外径変化部112及び第2の延設部113が一体で構成されている場合、第2の境界面B3は仮想的な面である。第2の境界面B3は円形状の面である。第2の境界面B3の外径を第2の外径d12という。d12はd11よりも小さい。
第1の外径変化部112は、第1の超音波振動及び/または第2の超音波振動の速度を拡大する。第1の外径変化部112による振動速度(及びこれに比例するエネルギー)の拡大率については後述する。
【0035】
第2の延設部113は、長手軸Lに沿って延在する形状である。第2の延設部113は、例えば一様な外径の円柱形状である。第2の延設部113は、基端A1側に上述の第2の境界面B3を有する。第2の延設部113は、先端A2側に長手軸Lと直交する第3の境界面B4を有する。第3の境界面B4は、第2の延設部113と第2の外径変化部114の境界となる面である。なお、第2の延設部113及び第2の外径変化部114が一体で構成されている場合、第3の境界面B4は仮想的な面である。第3の境界面B4は円形状の面である。第3の境界面B4の外径は、図2では第3の境界面B4の外径と一致しているが、異なっていてもよい。第3の境界面B4を第3の外径d21とする。
【0036】
第2の外径変化部114は、第1の外径変化部112よりも先端A2側にある。第2の外径変化部114は、基端A1側から先端A2側にかけて外径を徐々に小さくした円錐台形状である。長手軸Lに沿った第2の外径変化部114の長さを第2の長さL2という。第2の外径変化部114は、基端A1側に上述の第3の境界面B4を有する。第2の外径変化部114は、先端A2側に長手軸Lと直交する第4の境界面B5を有する。第4の境界面B5は、第2の外径変化部114と第3の延設部115との境界となる面である。なお、第2の外径変化部114及び第3の延設部115が一体で構成されている場合、第5の境界面B5は仮想的な面である。第4の境界面B5は円形状の面である。第4の境界面B5の外径を第4の外径d22という。d22はd21よりも小さい。
第2の外径変化部114は、第1の超音波振動及び/または第2の超音波振動の速度を拡大する。第2の外径変化部114による振動速度(及びこれに比例するエネルギー)の拡大率については後述する。
第2の外径変化部114は、フランジ1141を有する。フランジ1141は、第2の外径変化部114と一体で構成されていても、別体で構成されていてもよい。第2の外径変化部114におけるフランジ1141の位置及びフランジ1141の作用については後述する。
【0037】
第3の延設部115は、長手軸Lに沿って延在する形状である。第3の延設部115は、例えば一様な外径の円柱形状である。第3の延設部115は、基端A1側に上述の第4の境界面B5を有する。第3の延設部115は、先端A2側に長手軸Lと直交する先端面B6を有する。先端面B6は円形状の面である。先端面B6の外径は、図2では第1の境界面B2の外径と一致しているが、異なっていてもよい。
第3の延設部115は、先端A2近傍に処置部1151を有する。処置部1151は、関節における処置対象となる軟骨及び/または皮質骨と接する。処置部1151は、超音波振動することで被検体を処置する。処置部1151は、処置対象を切削可能な形状に加工されていてもよい。
【0038】
図2の下段を参照してプローブ11を伝達する第1の超音波振動及び第2の超音波振動について説明する。
第1の超音波振動(実線)は定在波である。第1の超音波振動は、プローブ11の基端A1及び先端A2の位置に長手軸Lに沿って前後に移動する腹を有する。第1の超音波振動は、プローブ11の基端A1と先端A2の間に1つの節を有する。
【0039】
第2の超音波振動(破線)は定在波である。第2の超音波振動は、プローブ11の基端A1及び先端A2の位置に長手軸Lに沿って前後に移動する腹を有する。第2の超音波振動は、プローブ11の基端A1と先端A2の間に3つの節を有する。3つの節のうち最も基端A1側にある節を第1の節という。第1の節よりも先端A2側にある節を第2の節という。第2の節よりも先端A2側にある節を第3の節という。第2の超音波振動の第1の節及び第3の節の位置は、第1の超音波振動の節の位置とは一致しない。他方、第2の超音波振動の第2の節の位置は、第1の超音波振動の節の位置と一致する。第1の超音波振動の節の位置と一致する第2の超音波振動の第2の節の位置を共通の節の位置という。なお、第2の周波数が第1の周波数の奇数倍であれば、プローブ11には共通の節が存在する。
【0040】
図2を参照してプローブ11における第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114の位置について説明する。
プローブ11は、第2の超音波振動の第1の節の位置に第1の外径変化部112を有する。図2に示すように、プローブ11は、例えば第1の境界面B2の位置が第2の超音波振動の第1の節の位置と一致するように第1の外径変化部112を有する。
プローブ11は、共通の節の位置に第2の外径変化部114を有する。図2に示すように、プローブ11は、例えば第3の境界面B4の位置が共通の節の位置と一致するように第2の外径変化部114を有する。
【0041】
フランジ1141は、共通の節の位置である第3の境界面B4の位置にある。フランジ1141は、プローブ11を図示しないケーシングに固定する。フランジ1141は、プローブ11が長手軸Lと直交する方向に振動することを防止する。共通の節の位置は、第1の超音波振動及び第2の超音波振動の速度がゼロとなる位置である。このため、フランジ1141は、プローブ11の先端A2に伝達する第1の超音波振動及び第2の超音波振動を阻害することはない。
【0042】
第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114の構成について説明する。
第1のモードにおける第1の外径変化部112による振動速度の拡大率を第1の拡大率という。第1のモードにおける第2の外径変化部114による振動速度の拡大率を第2の拡大率という。第1の拡大率と第2の拡大率の積を第1の合計拡大率という。第2のモードにおける第1の外径変化部112による振動速度の拡大率を第3の拡大率という。第2のモードにおける第2の外径変化部114による振動速度の拡大率を第4の拡大率という。 第3の拡大率と第4の拡大率の積を第2の合計拡大率という。
【0043】
第1の拡大率及び第3の拡大率は、第1の周波数、第2の周波数、第1の外径変化部112の材質、第1の長さL1、第1の外径d11及び第2の外径d12等で変化する。第2の拡大率及び第4の拡大率は、第1の周波数、第2の周波数、第2の外径変化部114の材質、第2の長さL2、第3の外径d21及び第4の外径d22等で変化する。
第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114は、第1の合計拡大率が第2の合計拡大率と一致するように、適宜に構成されている。
【0044】
第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114の作用について説明する。
第1の外径変化部112は、第2の超音波振動の第1の節の位置にあるので、第2の超音波振動の速度を拡大する。他方、第1の外径変化部112は、第1の超音波振動の拡大にほとんど寄与しない。その理由は、第1の超音波振動の節が第1の外径変化部112から離れた位置にあるからである。このため、第1の拡大率は、略1倍である。
このように、第1の外径変化部112は、第1の超音波振動の速度及び第2の超音波振動の速度のうち第2の超音波振動の速度を選択的に拡大する。
【0045】
第2の外径変化部114は、第1の超音波振動及び第2の超音波振動の共通の節の位置にある。このため、第2の外径変化部114は、第1の超音波振動の速度及び第2の超音波振動の速度の両方を拡大する。
ただし、第2の外径変化部114による第2の拡大率及び第4の拡大率は、以下の理由により相違する。第2の拡大率及び第4の拡大率は、波長に対する第2の外径変化部114の長さL2に関係する。波長に対する第2の外径変化部114の長さL2の割合は、第1のモードよりも第2のモードの方が大きい。つまり、波長に対する第2の外径変化部114の外径の変化は、第1のモードよりも第2のモードの方が緩やかである。このため、第4の拡大率は、第2の拡大率よりも小さい。
【0046】
プローブ11は、第1のモードにおいて第1の周波数及び第1の振幅で振動する。プローブ11は、第1のモードにおいて第1の周波数と先端A2の第1の振幅の積である第1の振動速度を先端A2で発生させる。プローブ11は、第2のモードにおいて第2の周波数及び第1の振幅よりも小さい第2の振幅で振動する。プローブ11は、第2のモードにおいて第2の周波数と第1の振幅よりも小さい先端A2の第2の振幅の積である第2の振動速度を先端A2で発生させる。第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114の作用により、第2のモードにおける第2の振動速度は、第1のモードにおける第1の振動速度と一致または略一致する。プローブ11の先端A2の振動速度に比例して、摩擦熱エネルギーWμは第1のモードと第2のモードで一致または略一致する。
【0047】
上述のように第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114の作用は互いに相違する。このため、第1の外径変化部112は、第1の合計拡大率が第2の合計拡大率と一致するように、第2の外径変化部114の構成に応じて適宜に構成することができる。ここでは、第2の外径変化部114の構成に応じて第1の外径変化部112を構成する例について説明する。なお、ここでは説明を省略するが、第2の外径変化部114も同様に第1の外径変化部112の構成に応じて構成することができる。
【0048】
第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114は第1の合計拡大率が第2の合計拡大率と一致するように構成されているので、以下の式(2)が成り立つ。
(第3の拡大率)/(第1の拡大率)=(第2の拡大率)/(第4の拡大率) 式(2)
なお、本実施形態で使用される記号「=」は、「一致または略一致する」ことを意図している。
上述のように第1の拡大率は略1倍である。式(2)は、以下の式(3)とすることができる。
(第3の拡大率)=(第2の拡大率)/(第4の拡大率) 式(3)
第1の外径変化部112は、式(3)を満たすように構成することができる。
【0049】
さらに、第1の合計拡大率と第2の合計拡大率を一致させるために、第1の外径変化部112は、第2の外径変化部114よりも緩やかに外径変化することが好ましい。このため、第1の外径変化部112は、以下の式(4)及び式(5)のうちの少なくとも何れか一方を満たすように構成されている。
(第1の外径d11)/(第2の外径d12)<(第3の外径d21)/(第4の外径d22) 式(4)
(第1の長さL1)>(第2の長さL2) 式(5)
【0050】
第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114による拡大率の具体例について説明する。
ここでは以下のような条件が用いられる。プローブ11はTi−6Al−4Vで構成されている。第1のモードは、第1の周波数が47kHzの基本モードである。第2のモードは、第2の周波数が第1の周波数の3倍高次周波数の3倍高次モードである。第2の外径変化部114の各パラメータは、以下のように設定されている。第3の外径d21は5mmである。第4の外径d22は3mmである。第2の長さL2は10mmである。
【0051】
図3は、第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114による拡大率を示す表である。
第2の外径変化部114による拡大率について説明する。第2の外径変化部114による振動速度の拡大率は、上述の条件に基づいて算出される。第2の拡大率は、5.83倍である。第4の拡大率は、3.25倍である。第4の拡大率は、第2の拡大率よりも小さくなることが分かる。
第1の外径変化部112による拡大率について説明する。上述のように第1の拡大率は、略1倍である。第3の拡大率は、式(3)を参照して1.79倍と算出される。
【0052】
第1の合計拡大率は略5.83倍であり、第2の合計拡大率は、5.83倍である。このように、第1の外径変化部112が第3の拡大率を1.79倍とするように構成されることで、第1の合計拡大率と第2の合計拡大率は一致する。
【0053】
第1のモード及び第2のモードの効果について説明する。
上述したように、プローブ11の先端A2の振動速度に比例して、摩擦熱エネルギーWμは第1のモードと第2のモードで一致する。第1のモードと第2のモードで摩擦熱エネルギーWμが一致するためには、それぞれのモードで周波数が決まっているため、振幅の大きさが変化することになる。具体的には、第1のモードの超音波振動は、第2のモードの超音波振動よりも低い周波数で振動するため、第1のモードの超音波振動の振幅は、第2のモードの超音波振動の振幅よりも大きくなる。
第1のモードでは、プローブ11の先端A2の振幅は、第2のモードでのプローブ11の先端A2の振幅よりも大きい。このため、処置具1は、関節内の処置対象となる皮質骨を切削するのに十分かつ適切なハンマリング効果を処置部1151に生じさせる。術者は、第1のモードが設定されている処置具1を用いて、関節内の処置対象となる皮質骨を切削することができる。また、処置具1は、ハンマリング効果を処置部1151に生じさせるだけでなく、処置部1151と接触した組織との間に摩擦熱も生じさせる。このため、処置具1は、第1のモードにおいて、軟骨も切削(溶解)することができる。
【0054】
第2のモードでは、摩擦熱エネルギーWμは、第1のモードにおける摩擦熱エネルギーWμと一致する。このため、第2のモードでの摩擦熱による切削の機能は、第1のモードでの摩擦熱による切削の機能と変わらない。処置具1は、関節内の処置対象となる軟骨を切削するのに十分かつ適切な摩擦熱を処置部1151と接触した軟骨との間に生じさせる。術者は、第2のモードが設定されている処置具1を用いて関節内の処置対象となる軟骨を切削することができる。第2のモードが設定されている処置具1での軟骨の切削に要する時間は、第1のモードが設定されている処置具1での軟骨の切削に要する時間よりも長くなることはない。
さらに、第2のモードでは、プローブ11の先端A2の振幅は、第1のモードでのプローブ11の先端A2の振幅よりも小さい。このため、処置部1151におけるハンマリング効果は、第1のモードでの処置部1151におけるハンマリング効果よりも低下する。術者は、第2のモードが設定されている処置具1を用いて関節内の処置対象となる軟骨を切削する際に、第1のモードよりも、軟骨近傍の処置対象外の皮質骨を切削し難くなる。
このように、第2のモードでは、摩擦熱による切削の機能は、ハンマリング効果の機能よりも優位になる。
【0055】
本実施形態によれば、処置具1及び処置システム100は、処置対象に応じて、十分なハンマリング効果の機能を有する第1のモード、または、ハンマリング効果の機能よりも摩擦熱による切削の機能を優位にする第2のモードの何れかで動作することができる。
【0056】
本実施形態の変形例について説明する。
図4は、本実施形態に係る処置具1の変形例を示す模式図である。
図4の上段は、プローブ11の一例を示す模式図を示す。図4の下段は、プローブ11を伝達する第1の超音波振動の振動速度(実線)及び第2の超音波振動の振動速度(破線)を示す模式図を示す。図4に示すプローブ11は、第1の外径変化部112及び第2の外径変化部114を有する位置が図2に示すプローブ11と異なっている。
【0057】
プローブ11は、第2の超音波振動の第1の節の位置が第1の境界面B2よりも先端A2側かつ第2の境界面B3よりも基端A1側となるように第1の外径変化部112を有していてもよい。
プローブ11は、共通の節の位置が第3の境界面B4よりも先端A2側かつ第4の境界面B5よりも基端A1側となるように第2の外径変化部114を有していてもよい。
第2の外径変化部114は、共通の節の位置にフランジ1141を有する。
【0058】
別の変形例として、プローブ11は、3つ以上の外径変化部を有していてもよい。例えば、プローブ11は、共通の節の位置以外に、第2の超音波振動の複数の節の位置それぞれに外径変化部を有していてもよい。この場合、プローブ11の先端A2の振動速度が第1のモードと第2のモードで一致又は略一致することが条件となる。
【0059】
別の変形例として、振動子12は、上述のプローブ11と同様に構成されていてもよい。これにより、振動子12による振動速度の拡大率は向上する。なお、振動子12による振動速度の拡大率を1倍とする場合には、振動子12は、プローブ11と同様の構成を有する必要はない。
【0060】
これまで、一実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【符号の説明】
【0061】
1…関節用超音波処置具、2…制御部、3…操作部、11…プローブ、12…振動子、21…周波数逓倍回路、22…正弦波生成回路、23…超音波アンプ回路、24…電圧電流検知回路、25…インピーダンス演算器、26…メモリ、27…比較器、28…コントローラ、100…関節用超音波処置システム、111…第1の延設部、112…第1の外径変化部、113…第2の延設部、114…第2の外径変化部、115…第3の延設部、1141…フランジ、1151…処置部。
図1
図2
図3
図4

【手続補正書】
【提出日】2018年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節用超音波処置具の駆動を制御する制御部を有し、
前記制御部は、
第1の周波数および第1の振幅で振動する骨切削モードと、
前記第1の周波数よりも高い周波数である第2の周波数および前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅で振動する軟骨溶解モードと、
を有する関節用超音波処置システム。
【請求項2】
前記第2の周波数は、前記第1の周波数の奇数倍である、請求項1に記載の関節用超音波処置システム。
【請求項3】
前記第1の周波数と前記第1の振幅との積である第1の振動速度と、前記第2の周波数と前記第2の振幅との積である第2の振動速度とが一致または略一致する請求項1に記載の関節用超音波処置システム。
【請求項4】
前記骨切削モードは、皮質骨及び海綿骨を処置するためのモードであり、
前記軟骨溶解モードは、軟骨を処置するためのモードである、
請求項1に記載の関節用超音波処置システム。
【請求項5】
関節用超音波処置具において、
第1の周波数および第1の振幅で振動する骨切削モードと、
前記第1の周波数よりも高い周波数である第2の周波数および前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅で振動する軟骨溶解モードと、
を有する関節用超音波処置具。
【請求項6】
前記第2の周波数は、前記第1の周波数の奇数倍である、請求項に記載の関節用超音波処置具。
【請求項7】
前記第1の周波数と前記第1の振幅との積である第1の振動速度と、前記第2の周波数と前記第2の振幅との積である第2の振動速度とが一致または略一致する請求項5に記載の関節用超音波処置具。
【請求項8】
前記骨切削モードは、皮質骨及び海綿骨を処置するためのモードであり、
前記軟骨溶解モードは、軟骨を処置するためのモードである、
請求項に記載の関節用超音波処置具。
【請求項9】
基端と前記基端とは反対側の先端とで規定される長手軸に沿って延在し、前記骨切削モードにおいて第1の超音波振動を伝達し、前記軟骨溶解モードにおいて第2の超音波振動を伝達する振動伝達部を有し、
前記振動伝達部は、前記基端側から前記先端側にかけて外径を徐々に小さくし、前記第1の超音波振動及び/または前記第2の超音波振動の速度を拡大する第1の外径変化部と、前記第1の外径変化部よりも前記先端側において、前記基端側から前記先端側にかけて外径を徐々に小さくし、前記第1の超音波振動及び/または前記第2の超音波振動の速度を拡大する第2の外径変化部を有する、請求項に記載の関節用超音波処置具。
【請求項10】
前記振動伝達部は、前記第2の超音波振動の第1の節の位置に前記第1の外径変化部を有し、前記第1の超音波振動の節の位置と一致する前記第2の超音波振動の第2の節の位置に前記第2の外径変化部を有する、請求項に記載の関節用超音波処置具。
【請求項11】
前記第2の外径変化部は、前記第2の節の位置にフランジを有する、請求項に記載の関節用超音波処置具。
【請求項12】
前記第1の外径変化部は、前記軟骨溶解モードにおける前記第1の外径変化部による振動速度の拡大率が前記骨切削モードにおける前記第2の外径変化部による振動速度の拡大率を前記軟骨溶解モードにおける前記第2の外径変化部による振動速度の拡大率で割った値と一致または略一致するように構成されている、請求項に記載の関節用超音波処置具。
【請求項13】
前記第1の外径変化部において前記長手軸と直交する前記基端側の面の外径を第1の外径とし、
前記第1の外径変化部において前記長手軸と直交する前記先端側の面の外径を第2の外径とし、
前記第2の外径変化部において前記長手軸と直交する前記基端側の面の外径を第3の外径とし、
前記第2の外径変化部において前記長手軸と直交する前記先端側の面の外径を第4の外径とし、
前記長手軸に沿った前記第1の外径変化部の長さを第1の長さとし、
前記長手軸に沿った前記第2の外径変化部の長さを第2の長さとしたときに、
前記第1の外径変化部は、(前記第1の外径)/(前記第2の外径)<(前記第3の外径)/(前記第4の外径)、及び
(前記第1の長さ)>(前記第2の長さ)
のうちの少なくとも何れか一方を満たすように構成されている、請求項に記載の関節用超音波処置具。
【国際調査報告】