特表-18105526IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年6月14日
【発行日】2019年10月24日
(54)【発明の名称】ファンモータ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/52 20060101AFI20190927BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20190927BHJP
【FI】
   F04D29/52 B
   F04D29/66 N
   F04D29/52 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】特願2018-554972(P2018-554972)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年12月1日
(31)【優先権主張番号】特願2016-239868(P2016-239868)
(32)【優先日】2016年12月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北邑 有希雄
(72)【発明者】
【氏名】松田 成勝
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AC19
3H130BA13A
3H130BA22A
3H130CA21
3H130CA22
3H130CA24
3H130DA02Z
3H130DD02Z
3H130EA06A
3H130EB01A
3H130EB04A
(57)【要約】
このファンモータは、モータと、インペラと、ハウジングと、を有する。モータは、ステータを有する静止部と、上下に延びる中心軸を中心に回転する回転部とを有する。インペラは、複数の羽根を有し、回転部とともに回転する。ハウジングは、モータおよびインペラの少なくとも一部を内部に収容する。ハウジングは、筒状部と、フランジ部と、1または複数のリブと、を有する。筒状部は、筒状であり、軸方向に延び、モータおよびインペラの少なくとも一部を内部に収容する。フランジ部は、筒状部の上端部または下端部から径方向外側へ向けて突出する。リブは、柱状であり、筒状部の外周面において、フランジ部から延びる。リブは、軸方向に対して傾斜している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンモータであって、
ステータを有する静止部と、上下に延びる中心軸を中心に回転する回転部とを有するモータと、
複数の羽根を有し、前記回転部とともに回転するインペラと、
前記モータおよび前記インペラの少なくとも一部を内部に収容するハウジングと、
を有し、
前記ハウジングは、
軸方向に延び、前記モータおよび前記インペラの少なくとも一部を内部に収容する筒状の筒状部と、
前記筒状部の上端部または下端部から径方向外側へ向けて突出するフランジ部と、
前記筒状部の外周面において、前記フランジ部から延びる1または複数の柱状のリブと、
を有し、
前記リブは、軸方向に対して傾斜している、ファンモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のファンモータであって、
前記ハウジングは、さらに
前記モータを支持するベース部と、
前記ハウジングの下部において、前記ベース部の外周面と、前記筒状部の内周面とを連結する1または複数の柱状のベース接続部と、
を有し、
前記リブは、前記ハウジングの下部から上部へ向かうにつれて前記中心軸から離れる方向に傾斜する、ファンモータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のファンモータであって、
前記ハウジングは、上下に開口する直方体形の立体形状を有し、
前記リブは、前記直方体形の立体形状における4つの側面の各々において2つ以上設けられている、ファンモータ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のファンモータであって、
前記ハウジングは、上下に開口する直方体形の立体形状を有し、
前記リブは、前記直方体形の立体形状における4つの側面のうち2つの側面の各々において2つ以上設けられ、
前記直方体形の立体形状における前記リブが設けられている側面は互いに隣接している、ファンモータ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のファンモータであって、
前記フランジ部は、
前記筒状部の上端部から径方向外側へ向けて突出する上側フランジ部と、
前記筒状部の下端部から径方向外側へ向けて突出する下側フランジ部と、
を有し、
前記リブの厚みは、前記上側フランジ部または前記下側フランジ部の軸方向の厚み以下である、ファンモータ。
【請求項6】
ファンモータであって、
ステータを有する静止部と、上下に延びる中心軸を中心に回転する回転部とを有するモータと、
複数の羽根を有し、前記回転部とともに回転するインペラと、
前記モータおよび前記インペラの少なくとも一部を内部に収容するハウジングと、
を有し、
前記ハウジングは、
第1ハウジングと、
前記第1ハウジングの下方に直接または間接的に固定される第2ハウジングと、
を有し、
前記第1ハウジングは、
軸方向に延び、前記モータおよび前記インペラの少なくとも一部を内部に収容する筒状の第1筒状部と、
前記第1筒状部の上端部から径方向外側へ向けて突出する上側フランジ部と、
を有し、
前記第2ハウジングは、
前記第1筒状部の下方に配置され、軸方向に延び、前記モータおよび前記インペラの少なくとも一部を内部に収容する筒状の第2筒状部と、
前記第2筒状部の下端部から径方向外側へ向けて突出する下側フランジ部と、
を有し、
前記ハウジングは、さらに
前記第1筒状部の外周面において、前記上側フランジ部から下方へ向けて、軸方向に対して傾斜する方向に延びる1または複数の柱状の第1リブ、
および、
前記第2筒状部の外周面において、前記下側フランジ部から上方へ向けて、軸方向に対して傾斜する方向に延びる1または複数の柱状の第2リブ、
の少なくとも一方を有する、ファンモータ。
【請求項7】
請求項6に記載のファンモータであって、
前記第2ハウジングは、さらに
前記モータを支持するベース部と、
前記ベース部の外周面と、前記第2筒状部の内周面とを連結する1または複数の柱状のベース接続部と、
を有し、
前記第1リブは、前記ハウジングの上部へ向かうにつれて前記中心軸から離れる方向に傾斜する、ファンモータ。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のファンモータであって、
前記ハウジングは、前記第1リブおよび前記第2リブのうち、前記第1リブのみを有する、ファンモータ。
【請求項9】
請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のファンモータであって、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングは、それぞれ上下に開口する直方体形の立体形状を有し、
前記第1リブまたは前記第2リブは、それぞれ前記直方体形の立体形状における4つの側面の各々において2つ以上設けられている、ファンモータ。
【請求項10】
請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のファンモータであって、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングは、それぞれ上下に開口する直方体形の立体形状を有し、
前記第1リブまたは前記第2リブは、前記直方体形の立体形状における4つの側面のうち2つの側面の各々において2つ以上設けられ、
前記直方体形の立体形状における前記第1リブまたは前記第2リブが設けられている側面は互いに隣接している、ファンモータ。
【請求項11】
請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載のファンモータであって、
前記第1リブおよび前記第2リブの厚みは、前記上側フランジ部または前記下側フランジ部の軸方向の厚み以下である、ファンモータ。
【請求項12】
請求項6または請求項8から請求項11までのいずれか1項に記載のファンモータであって、
前記第2ハウジングは、さらに
前記モータを支持するベース部と、
前記ベース部の外周面と、前記第2筒状部の内周面とを連結する1または複数の柱状のベース接続部と、
を有し、
前記第1リブは、前記ハウジングの上部へ向かうにつれて前記中心軸から離れる方向に傾斜し、
前記第2リブは、前記ハウジングの下部へ向かうにつれて前記中心軸から離れる方向に傾斜し、
前記第1リブの下端部と、前記第2リブの上端部とは、互いに接して配置される、ファンモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの駆動力を利用してインペラを回転させ、軸方向に気流を発生させる軸流式のファンモータが知られている。軸流式のファンモータは、例えば、家電製品、OA機器、輸送機器等に搭載され、電子部品の冷却、または機器筐体内の気体の循環等の目的で使用される。また、電子機器が多数設置されるサーバルーム内の気体の循環に、ファンモータが用いられる場合もある。
【0003】
ファンモータの風量を増大するために、インペラの寸法を大きくする等の工夫がなされている。しかし、ファンモータが大型化してしまう。ファンモータを大型化せずに、インペラの寸法を大きくすると、ファンモータのハウジングの厚みが薄くなる。これにより、ハウジングの剛性が低下し、不快な振動や騒音が発生する虞がある。また、ハウジングの剛性低下により固有振動数が低下する。その結果、ファンモータの駆動時に磁気励振との共振が発生し、不快な振動や騒音が発生する虞がある。図18は、従来のファンモータに用いられるハウジング5Xにおける、水平方向の振動モードを解析した結果を示す斜視図である。また、図19は、従来のファンモータに用いられるハウジング5Yにおける、軸方向の振動モードを解析した結果を示す斜視図である。なお、ハウジング5Xは、樹脂の射出成形等により単一の部材として形成されたものであり、ハウジング5Yは、上下2つの部材から形成されたものである。
【0004】
例えば、特開2016−125394号公報の軸流ファンにおいては、ファンフレームの互いに対向する2つの側面にそれぞれ矩形状の凹部が形成される。これにより、当該凹部の寸法および位置が特定の条件を満たす場合に、駆動時に共振が発生した際のファンフレームの変位量を小さく抑えることができる。
【特許文献1】特開2016−125394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特開2016−125394号公報の構造では、凹部を形成するにあたり、ファンフレームの角部分の樹脂の厚みが大きくなり、樹脂成形時に表面に陥没が生じる、いわゆるヒケが発生する虞がある。
【0006】
本発明の目的は、ヒケの発生を抑制しつつ、ハウジングの剛性を高め、駆動時の不快な振動や騒音を抑制することができるファンモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の例示的な発明は、ファンモータであって、モータと、インペラと、ハウジングと、を有する。モータは、ステータを有する静止部と、上下に延びる中心軸を中心に回転する回転部とを有する。インペラは、複数の羽根を有し、回転部とともに回転する。ハウジングは、モータおよびインペラの少なくとも一部を内部に収容する。ハウジングは、筒状部と、フランジ部と、1または複数のリブと、を有する。筒状部は、筒状であり、軸方向に延び、モータおよびインペラの少なくとも一部を内部に収容する。フランジ部は、筒状部の上端部または下端部から径方向外側へ向けて突出する。リブは、柱状であり、筒状部の外周面において、フランジ部から延びる。リブは、軸方向に対して傾斜している。
【発明の効果】
【0008】
本願の例示的な発明によれば、筒状部の外周面において、フランジ部から延び、軸方向に対して傾斜する1または複数の柱状のリブを形成することによって、ハウジングの剛性を高め、駆動時の不快な振動や騒音を抑制することができる。また、リブ以外の部分におけるハウジングの厚みを抑制できるため、ヒケの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係るファンモータの縦断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るファンモータの部分縦断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るハウジングの斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るリブの傾斜と、ハウジングの固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。
図6A図6Aは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図6B図6Bは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図6C図6Cは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図6D図6Dは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図7図7は、第1実施形態に係るリブの厚みと、ハウジングの固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。
図8A図8Aは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図8C図8Cは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図8E図8Eは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図8F図8Fは、第1実施形態に係るハウジングの側面図である。
図9図9は、第1実施形態に係るリブの位置と、ハウジングの固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。
図10A図10Aは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図10G図10Gは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図10H図10Hは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図10I図10Iは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図10C図10Cは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図11図11は、第1実施形態に係るリブの位置と、ハウジングの固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。
図12A図12Aは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図12J図12Jは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図12K図12Kは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図12L図12Lは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図12C図12Cは、第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
図13図13は、第2実施形態に係るファンモータの縦断面図である。
図14図14は、第2実施形態に係るハウジングの斜視図である。
図15図15は、第2実施形態に係るハウジングの側面図である。
図16図16は、第2実施形態に係るリブの位置と、ハウジングの固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。
図17A図17Aは、第2実施形態に係るハウジングの上面図である。
図17B図17Bは、第2実施形態に係るハウジングの上面図である。
図17C図17Cは、第2実施形態に係るハウジングの上面図である。
図17D図17Dは、第2実施形態に係るハウジングの上面図である。
図17E図17Eは、第2実施形態に係るハウジングの上面図である。
図17F図17Fは、第2実施形態に係るハウジングの上面図である。
図18図18は、従来のファンモータのハウジングにおける、振動モードを解析した結果を示す斜視図である。
図19図19は、従来のファンモータのハウジングにおける、振動モードを解析した結果を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、後述するモータの中心軸と平行な方向を「軸方向」、モータの中心軸に直交する方向を「径方向」、モータの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向を上下方向とし、空気が取り込まれる側を「吸気側」または単に「上側」と呼び、空気が排出される側を「排気側」または単に「下側」と呼ぶ。ただし、この「上側」および「下側」は、あくまで説明の便宜のための表現であって、重力方向とは無関係である。本発明に係るファンモータは、どのような向きで使用されてもよい。
【0011】
また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
【0012】
<1.第1実施形態>
<1−1.ファンモータの全体構成>
図1は、第1実施形態に係るファンモータ10の縦断面図である。
【0013】
このファンモータ10は、例えば、冷蔵庫などの家電製品、または複数の電子機器が配置されたサーバルームなどの室内に、冷却用の空気流を供給する装置として用いられる。このファンモータ10は、単独で使用されてもよく、あるいは、複数台のファンモータ10を組み合わせて同時に使用してもよい。例えば、1つのサーバルームに対して、複数台のファンモータ10を設置して、それらを同時に駆動させてもよい。
【0014】
図1に示すように、ファンモータ10は、モータ1と、インペラ4と、ハウジング5と、を有する。ファンモータ10は、中心軸9に沿って下向きに気流を発生させる軸流ファンである。ファンモータ10を駆動させると、吸気側であるファンモータ10の上側から空気が取り込まれ、ハウジング5内の風洞50を通って、排気側であるファンモータ10の下側へ向けて空気が送り出される。
【0015】
<1−2.モータおよびインペラの構成>
まず、モータ1およびインペラ4の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係るファンモータ10の部分縦断面図である。以下では、図2とともに、図1も適宜に参照する。
【0016】
モータ1は、静止部2と回転部3とを有する。静止部2は、ファンモータ10が配置される装置等に対して、相対的に静止している。回転部3は、静止部2に対して、上下に延びる中心軸9を中心として、回転可能に支持されている。
【0017】
図2に示すとおり、静止部2は、ステータ22と、回路基板23と、軸受ホルダ24と、を有する。ステータ22は、軸受ホルダ24の外周面に固定される。ステータ22は、ステータコア221と、複数のコイル222とを有する。ステータコア221は、複数のティースを有する。各ティースは径方向に延びる。複数のコイル222は、それぞれ、ティースの周囲に巻かれた導線により形成される。導線の端部は、回路基板23に接続される。
【0018】
軸受ホルダ24は、中心軸9に沿って延びる円筒状の部材である。軸受ホルダ24の下部は、後述するベース部21の内周面に、例えば接着剤で固定される。軸受ホルダ24の径方向内側には、軸受部25が配置される。軸受部25には、例えば、ボールベアリングが用いられる。軸受部25の外輪は、軸受ホルダ24の内周面に固定される。軸受部25の内輪は、後述するシャフト31と互いに固定される。これにより、シャフト31が、静止部2に対して回転可能に支持される。ただし、モータ1は、ボールベアリングに代えて、すべり軸受、流体軸受等の他の方式の軸受部を有していてもよい。
【0019】
回転部3は、シャフト31と、ロータホルダ32と、環状部材33と、マグネット34と、を有する。シャフト31は、中心軸9に沿って配置される柱状の部材である。シャフト31は、軸受部25によって回転可能に支持される。シャフト31の上端部は、軸受ホルダ24よりも上方へ突出する。モータ1の駆動時には、シャフト31は、中心軸9を中心として回転する。
【0020】
ロータホルダ32は、ロータ蓋部321とロータ筒部322とを有する有蓋円筒状の部材である。ロータ蓋部321は、中心軸9に対して略垂直に円板状に拡がる。ロータ筒部322は、ロータ蓋部321から排気側へ軸方向に延びる。ロータホルダ32の材料には、例えば、金属または樹脂が用いられる。ロータ蓋部321の中央部は、シャフト31の上端部に、環状部材33を介して固定される。これにより、ロータホルダ32は、シャフト31とともに回転する。ロータ蓋部321は、静止部2の吸気側に配置される。ロータ筒部322は、ステータ22の径方向外側に配置される。マグネット34は、ロータ筒部322の内周面に固定される。
【0021】
モータ1は、さらにステータ22と電気的に接続されたリード線(図示省略)を有する。リード線(図示省略)は、一方の端部が、回路基板23に接続される。また、他方の端部は、後述する筒状部51から径方向外側に引き出され、例えば、ファンモータ10の外部に設けられた電源に接続される。
【0022】
リード線(図示省略)および回路基板23を介して、ステータ22のコイル222に駆動電流を供給すると、複数のティースに磁束が生じる。そして、ティースと、マグネット34との間の磁束の作用により、静止部2と回転部3との間に周方向のトルクが発生する。その結果、静止部2に対して回転部3が、中心軸9を中心として回転する。これにより、回転部3に直接または間接的に固定される後述するインペラ4が、回転部3とともに、中心軸9を中心として回転する。
【0023】
インペラ4は、カップ部41と複数の羽根42とを有する。カップ部41は、ロータホルダ32のロータ蓋部321およびロータ筒部322を覆う。各羽根42は、カップ部41の外周面から径方向外側へ拡がる。複数の羽根42は、周方向に略等間隔に配列される。なお、羽根42の数は、特に制限されない。インペラ4は、回転部3とともに回転する。
【0024】
<1−3.ハウジングの構成>
次に、ハウジング5の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係るハウジング5の斜視図である。図4は、第1実施形態に係るハウジング5の側面図である。
【0025】
ハウジング5は、モータ1およびインペラ4の少なくとも一部を内部に収容する筐体である。図3および図4に示すとおり、ハウジング5は、ベース部21と、筒状部51と、フランジ部52と、1または複数のベース接続部53と、1または複数のリブ54と、を有する。また、ハウジング5は、上下に開口する直方体形の立体形状を有する。
【0026】
ベース部21は、モータ1のステータ22よりも下側に配置され、軸受ホルダ24の周囲から径方向外側に向かって拡がる円板状の部位である。上述のとおり、ベース部21の内周面には、軸受ホルダ24の下部が、例えば接着剤で固定される。ベース部21の上部には、モータ1が配置される。モータ1は、ベース部21に支持される。
【0027】
筒状部51は、中心軸9に沿って吸気側(上側)から排気側(下側)へと軸方向に延びる筒状の部位である。筒状部51は、インペラ4の径方向外側において、略円筒状に延びる。筒状部51は、モータ1およびインペラ4の少なくとも一部を内部に収容する。
【0028】
フランジ部52は、筒状部51における周方向の4箇所において、径方向外側へ向けて突出する部位である。フランジ部52は、上側フランジ部521と下側フランジ部522とを有する。上側フランジ部521は、筒状部51の上端部から径方向外側へ向けて突出する。下側フランジ部522は、筒状部51の下端部から径方向外側へ向けて突出する。ハウジング5は、上側から見て、矩形形状を有する。ハウジング5は、下側から見て、矩形形状を有する。すなわち、ハウジング5は、上下に開口する直方体形の立体形状を有する。本実施形態では、上側フランジ部521の軸方向の厚みと下側フランジ部522の軸方向の厚みとは、互いに等しい。なお、中心軸9から径方向外側に離れるにしたがって、ハウジング5の各部位の剛性は低くなり、ファンモータ10の駆動時に共振が発生しやすくなる。例えば、上側フランジ部521の径方向外側の端部は、ハウジング5の中で最も剛性が低い。また、下側フランジ部522の径方向外側の端部も、同様に剛性が低いが、後述のとおりハウジング5の下部にはベース接続部53が設けられるため、下側フランジ部522の径方向外側の端部は、上側フランジ部521の径方向外側の端部よりも剛性が高い。上側フランジ部521または下側フランジ部522は、ファンモータ10が設置される装置等の枠体に、例えば、ねじ止めによって取り付けられる。なお、フランジ部52は、上側フランジ部521または下側フランジ部522のみから構成されてもよい。
【0029】
ベース接続部53は、それぞれベース部21の外周面の少なくとも一部から径方向外側へ延び、筒状部51の内周面の少なくとも一部と連結される、柱状の部位である。これにより、モータ1の静止部2の、ハウジング5に対する位置が固定される。また、ベース接続部53が設けられることにより、筒状部51の下部および下側フランジ部522は、筒状部51の上部および上側フランジ部521よりも剛性が高くなる。なお、ベース接続部53は、ハウジング5の下部において、1または複数設けられる。ただし、ベース接続部53の数は、限定されない。
【0030】
筒状部51の外周面には、さらにフランジ部52から延びる柱状のリブ54が、1または複数設けられている。リブ54については、詳細を後述する。なお、本実施形態では、ベース部21と、筒状部51と、フランジ部52と、1または複数のベース接続部53と、1または複数のリブ54とは、樹脂の射出成形により単一の部材として形成される。ただし、これらは別部材であってもよい。
【0031】
<1−4.リブの構成>
続いて、リブ54の構成について説明する。
【0032】
上述のとおり、1または複数設けられたリブ54は、それぞれ筒状部51の外周面に位置し、上側フランジ部521と下側フランジ部522とを繋ぐ。これにより、ハウジング5の剛性が高くなり、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなる。その結果、ファンモータ10を駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0033】
なお、リブ54は、それぞれハウジング5の下部から上部へ向かうにつれて中心軸9から離れる方向に、軸方向に対して傾斜することが望ましい。図5は、リブ54の傾斜と、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。縦軸は、Aのハウジング5の固有振動数の解析結果を基準にした、それぞれのハウジング5の固有振動数の解析結果を表している。Aは、ハウジング5にリブ54が設けられない場合の、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数を解析した結果である。Bは、ハウジング5に軸方向に平行なリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Cは、ハウジング5の下部から上部へ向かうにつれて中心軸9から離れる方向に傾斜するリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Dは、ハウジング5の上部から下部へ向かうにつれて中心軸9から離れる方向に傾斜するリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。参照として図6A図6B図6C、および図6Dに、A、B、C、およびDのそれぞれのハウジング5の側面図を示す。なお、B〜Dのハウジング5は、直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて、2つのリブ54を有する。
【0034】
図5に示すとおり、A〜Dの解析結果を比較すると、Cが最も水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなっている。下側フランジ部522の径方向内側の部位は、上側フランジ部521の径方向外側の部位よりも剛性が高い。Cでは、上側フランジ部521の径方向外側の部位が、下側フランジ部522の径方向内側の部位に接続される。このため、ハウジング5の全体としての剛性が高まり、固有振動数が高くなっている。その結果、ファンモータ10を駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0035】
リブ54の厚みは、上側フランジ部521または下側フランジ部522の軸方向の厚み以下であることが好ましい。また、複数のリブ54の厚みは、同じ程度であることが望ましい。図7は、リブ54の厚みと、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。縦軸は、Aのハウジング5の固有振動数の解析結果を基準にした、それぞれのハウジング5の固有振動数の解析結果を表している。図7において、Aは、ハウジング5にリブ54が設けられない場合の、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数を解析した結果である。C、E、およびFは、ハウジング5の下部から上部へ向かうにつれて中心軸9から離れる方向に傾斜するリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。また、C、E、およびFのハウジング5は、直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて、2つのリブ54を有する。ただし、Cのリブ54の厚みは、上側フランジ部521および下側フランジ部522の軸方向の厚みと等しいのに対し、Eのリブ54の厚みは、Cのリブ54の厚みよりも小さい。また、Fのリブ54の厚みは、Eのリブ54の厚みよりもさらに小さい。参照として図8A図8C図8E、および図8Fに、A、C、E、およびFのそれぞれのハウジング5の側面図を示す。
【0036】
図7に示すとおり、A、C、E、およびFの解析結果を比較すると、Cが最も水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなっている。Cのリブ54の厚みは、上側フランジ部521および下側フランジ部522の軸方向の厚みと等しく、十分な大きさを有しているため、ハウジング5の全体としての剛性が高くなり、固有振動数が高くなっている。これに対し、EおよびFでは、リブ54の厚みがCよりも小さくなることにより、ハウジング5の全体としての剛性が、Cに比べて低くなり、Cよりも固有振動数が低くなっている。なお、リブ54の厚みを、上側フランジ部521および下側フランジ部522の軸方向の厚みよりもさらに大きくすると、リブ54を含むハウジング5の樹脂成形時に、表面に陥没が生じる、いわゆるヒケが発生する虞がある。そのため、リブ54の厚みを大きくし過ぎず、上側フランジ部521および下側フランジ部522の軸方向の厚みと同じ程度にすることが望ましい。
【0037】
リブ54は、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて2つ以上設けられることが望ましい。図9は、リブ54の位置と、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。縦軸は、Aのハウジング5の固有振動数の解析結果を基準にした、それぞれのハウジング5の固有振動数の解析結果を表している。図9において、Aは、ハウジング5にリブ54が設けられない場合の、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数を解析した結果である。Gは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちの1つの側面に2つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Hは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちの1つの側面と、当該1つの側面と向かい合う側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Iは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちの1つの側面と、当該1つの側面と隣り合う側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Cは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。参照として図10A図10G図10H図10I、および図10Cに、A、G、H、I、およびCのそれぞれのハウジング5の上面図を示す。各上面図における黒い丸印の位置にリブ54が設けられる。
【0038】
図9に示すとおり、A、G、H、I、およびCの解析結果を比較すると、Cが最も水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなっている。Cでは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられるため、ハウジング5の全体としての剛性が高まり、固有振動数が高くなった。その結果、ファンモータ10を駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0039】
なお、図9において、HおよびIの解析結果を比較すると、Iの方が水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなっている。HとIでは、ともにハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちの2つの側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられている。ただし、Hでは、当該2つの側面が互いに向かい合うのに対し、Iでは、当該2つの側面が互いに隣接している。
【0040】
以下、図10A図10G図10H図10I、および図10Cに示すとおり、軸方向に直交する水平面をXY平面とする。また、ハウジング5の上面図に示すとおり、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちの2つの側面がX軸に対して平行に、残りの2つの側面がY軸に対して平行に配置されているものとして、説明する。Hでは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちのX軸方向に平行な2つの側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられている。そのため、Hでは、水平方向(XY方向)のうちのX軸方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高い。これに対し、Iでは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちのX軸方向に平行な1つの側面と、Y軸方向に平行な1つの側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられている。そのため、Iでは、水平方向(XY方向)のうちのX軸方向およびY軸方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高い。結果として、IはHよりも全体として水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなる。すなわち、リブ54を、直方体形の立体形状における4つの側面のうち2つの側面のそれぞれにおいて2つ以上設ける場合、互いに隣接している2つの側面にリブ54を設けることで、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数をより高めることができる。
【0041】
図11は、図9と同様に、リブ54の位置と、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。縦軸は、Aのハウジング5の固有振動数の解析結果を基準にした、それぞれのハウジング5の固有振動数の解析結果を表している。図11において、Aは、ハウジング5にリブ54が設けられない場合の、水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数を解析した結果である。Jは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちの1つの側面と、当該1つの側面と隣接する側面に、それぞれ1つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Kは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ1つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Lは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちのY軸に対して平行な1つの側面に2つのリブ54が設けられ、当該1つの側面と隣接する2つの側面に、それぞれ1つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。Cは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられる場合の、同様に解析した結果である。参照として図12A図12J図12K図12L、および図12Cに、A、J、K、L、およびCのそれぞれのハウジング5の上面図を示す。各上面図における黒い丸印の位置にリブ54が設けられる。
【0042】
図9の解析結果と同様に、図11に示すとおり、A、J、K、L、およびCの解析結果を比較すると、Cが最も水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高い。Cでは、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つのリブ54が設けられるため、ハウジング5の全体としての剛性が高まり、固有振動数が高くなっている。その結果、ファンモータ10を駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0043】
なお、図11におけるKおよびLの解析結果を、図9におけるHおよびIと比較すると、KおよびLの解析結果は、Iと同じ程度で、Hよりも水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなる。H、I、K、およびLのいずれも、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面において、合計4つのリブ54が設けられている。ただし、同じく軸方向に直交する水平面をXY平面とし、ハウジング5の上面図に示すとおり、KおよびLは、Iと同じく、ハウジング5の直方体形の立体形状における4つの側面のうちのX軸方向に平行な側面と、Y軸方向に平行な側面に、それぞれ合計2つのリブ54が設けられている。そのため、全体として水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなる。
【0044】
<2.第2実施形態>
<2−1.ファンモータの構成>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態に係るファンモータ10Bの縦断面図である。図14は、第2実施形態に係るハウジング5Bの斜視図である。図15は、第2実施形態に係るハウジング5Bの側面図である。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を省略する。
【0045】
図13に示すように、ファンモータ10Bは、モータ1Bと、インペラ4Bと、ハウジング5Bと、を有する。モータ1Bは、ステータ22Bを有する静止部2Bと、上下に延びる中心軸9Bを中心に回転する回転部3Bと、を有する。静止部2Bは、ファンモータ10Bが配置される装置等に対して、相対的に静止している。回転部3Bは、静止部2Bに対して、上下に延びる中心軸9Bを中心として、回転可能に支持されている。インペラ4Bは、複数の羽根42Bを有し、モータ1Bの回転部3Bとともに回転する。ハウジング5Bは、モータ1Bおよびインペラ4Bの少なくとも一部を内部に収容する筐体である。ハウジング5Bについては、詳細を後述する。
【0046】
<2−2.ハウジングの構成>
次に、ハウジング5Bの構成について説明する。
【0047】
図14および図15に示すように、ハウジング5Bは、第1ハウジング55Bと第2ハウジング56Bとを有する。第2ハウジング56Bは、第1ハウジング55Bの下方に、直接または間接的に固定される。
【0048】
第1ハウジング55Bは、上下に開口する直方体形の立体形状を有する。第1ハウジング55Bは、第1筒状部511Bと、上側フランジ部521Bと、を有する。
【0049】
第1筒状部511Bは、中心軸9Bに沿って吸気側(上側)から排気側(下側)へと軸方向に延びる筒状の部位である。第1筒状部511Bは、モータ1Bおよびインペラ4Bの少なくとも一部を内部に収容し、インペラ4Bの径方向外側を、円環状に取り囲む。上側フランジ部521Bは、第1筒状部511Bの周方向の4箇所において第1筒状部511Bの上端部から径方向外側へ向けて突出する。
【0050】
第2ハウジング56Bは、上下に開口する直方体形の立体形状を有する。第2ハウジング56Bは、ベース部21Bと、第2筒状部512Bと、下側フランジ部522Bと、1または複数のベース接続部53Bと、を有する。なお、ハウジング5Bは、第1ハウジング55Bの上側フランジ部521Bまたは当該下側フランジ部522Bのみを有していてもよい。
【0051】
ベース部21Bは、モータ1Bのステータ22Bよりも下側に配置され、径方向に拡がる円板状の部位である。ベース部21Bの上部には、モータ1Bが配置される。モータ1Bは、ベース部21Bに支持される。第2筒状部512Bは、第1筒状部511Bの下方に配置され、中心軸9Bに沿って吸気側(上側)から排気側(下側)へと軸方向に延びる筒状の部位である。第2筒状部512Bは、モータ1Bおよびインペラ4Bの少なくとも一部を内部に収容し、インペラ4Bの径方向外側を、円環状に取り囲む。第2筒状部512Bは、第1筒状部511Bとの接触面513Bを介して、第1筒状部511Bの下方に連続して配置される。下側フランジ部522Bは、第2筒状部512Bの周方向の4箇所において第2筒状部512Bの下端部から径方向外側へ向けて突出する。
【0052】
なお、第1ハウジング55Bの上側フランジ部521Bの上面および外周面と、当該下側フランジ部522Bの下面および外周面とによって、上下に開口する直方体形の立体形状を有するハウジング5の外形が形成される。また、本実施形態では、上側フランジ部521Bの軸方向の厚みと下側フランジ部522Bの軸方向の厚みとは、互いに等しい。
【0053】
ベース接続部53Bは、それぞれベース部21Bの外周面の少なくとも一部から径方向外側へ延び、第2筒状部512Bの内周面の少なくとも一部と連結される、柱状の部位である。これにより、モータ1Bの静止部2Bの、ハウジング5Bに対する位置が固定される。また、ベース接続部53Bが設けられることにより、第2筒状部512Bの下部および下側フランジ部522Bは、第1筒状部511Bの上部および上側フランジ部521Bよりも剛性が高くなる。なお、ベース接続部53Bは、ハウジング5Bの下部において、1または複数設けられる。ただし、ベース接続部53Bの数は、限定されない。
【0054】
さらに、ハウジング5Bは、柱状の第1リブ541Bと、柱状の第2リブ542Bとを有する。第1リブ541Bは、第1筒状部511Bの外周面において、上側フランジ部521Bから下方へ向けて延びる。第2リブ542Bは、第2筒状部512Bの外周面において、下側フランジ部522Bから上方へ向けて延びる。第1リブ541Bおよび第2リブ542Bは、それぞれ1または複数設けられている。第1リブ541Bおよび第2リブ542Bについては、詳細を後述する。なお、ハウジング5Bは、第1リブ541Bおよび第2リブ542Bの少なくとも一方のみを有する構造であってもよい。また、本実施形態において、第1筒状部511Bと、上側フランジ部521Bと、1または複数の第1リブ541Bとは、樹脂の射出成形により単一の部材として形成される。ただし、これらは別部材であってもよい。また、本実施形態において、ベース部21Bと、第2筒状部512Bと、下側フランジ部522Bと、1または複数のベース接続部53Bと、1または複数の第2リブ542Bとは、樹脂の射出成形により単一の部材として形成される。ただし、これらは別部材であってもよい。
【0055】
<2−3.第1リブおよび第2リブの構成>
続いて、第1リブ541Bおよび第2リブ542Bの構成について説明する。
【0056】
1または複数の柱状の第1リブ541Bは、それぞれ第1筒状部511Bの外周面に位置し、上側フランジ部521Bから下方へ向けて、軸方向に対して傾斜する方向に延びる。また、1または複数の柱状の第2リブ542Bは、それぞれ第2筒状部512Bの外周面に位置し、下側フランジ部522Bから上方へ向けて、軸方向に対して傾斜する方向に延びる。第1リブ541Bおよび第2リブ542Bを有することにより、ハウジング5Bの剛性が高くなり、水平方向の振動に対するハウジング5Bの固有振動数が高くなる。その結果、ファンモータ10Bを駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、第1リブ541Bは、ハウジング5Bの上面へ向かうにつれて中心軸9Bから離れる方向に傾斜する。第2リブ542Bは、ハウジング5Bの下面へ向かうにつれて中心軸9Bから離れる方向に傾斜する。第1実施形態と同様に、中心軸9Bから径方向外側に離れるにしたがって、ハウジング5Bの各部位の剛性は低くなる。例えば、上側フランジ部521Bの径方向外側の端部、および下側フランジ部522Bの径方向外側の端部は、ハウジング5Bの中でも特に剛性が低い。第1リブ541Bおよび第2リブ542Bを設けることで、これらの部位が、ハウジング5Bにおける径方向内側の剛性が高い部位に繋がれる。これにより、ハウジング5Bの全体としての剛性が高まり、固有振動数が高くなる。その結果、ファンモータ10Bを駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0058】
また、第1リブ541Bおよび第2リブ542Bの厚みは、上側フランジ部521Bまたは下側フランジ部522Bの軸方向の厚み以下であることが好ましい。また、複数の第1リブ541Bおよび複数の第2リブ542Bの厚みは、同じ程度であることが望ましい。これにより、第1実施形態と同様に、第1リブ541Bおよび第2リブ542Bを含むハウジング5Bの樹脂成形時に、ヒケの発生を抑制しつつ、ハウジング5Bの剛性を高め、ファンモータ10Bの駆動時の騒音を抑制することができる。
【0059】
なお、1または複数の第1リブ541Bのそれぞれの下端部と、1または複数の第2リブ542Bのそれぞれの上端部とが、第1筒状部511Bと第2筒状部512Bとの接触面513Bにおいて、互いに連続して配置されることが望ましい。これにより、第1リブ541Bと第2リブ542Bの剛性が高くなり、ハウジング5Bの全体としての剛性をさらに高めることができる。
【0060】
さらに、第1実施形態と同様に、第1リブ541Bを、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つの側面のうち2つの側面のそれぞれにおいて2つ以上設ける場合、互いに隣接している2つの側面に第1リブ541Bを設けることが望ましい。これにより、水平方向の振動に対する第1ハウジング55Bの固有振動数をより高めることができる。また、第2リブ542Bを、第2ハウジング56Bの直方体形の立体形状における4つの側面のうち2つの側面のそれぞれにおいて2つ以上設ける場合、互いに隣接している2つの側面に第2リブ542Bを設けることが望ましい。これにより、水平方向の振動に対する第2ハウジング56Bの固有振動数をより高めることができる。
【0061】
図16は、第1リブ541Bおよび第2リブ542Bの位置と、水平方向の振動に対するハウジング5Bの固有振動数との関係を解析した結果を示す図である。縦軸は、Aのハウジング5Bの固有振動数の解析結果を基準にした、それぞれのハウジング5Bの固有振動数の解析結果を表している。図16において、Aは、第1ハウジング55Bに第1リブ541Bが設けられず、第2ハウジング56Bに第2リブ542Bが設けられない場合の、水平方向の振動に対するハウジング5Bの固有振動数を解析した結果である。Bは、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれに2つの第1リブ541Bが設けられる場合の、同様に解析した結果である。第2ハウジング56Bには、第2リブ542Bは設けられていない。Cは、第2ハウジング56Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれに2つの第2リブ542Bが設けられる場合の、同様に解析した結果である。第1ハウジング55Bには、第1リブ541Bは設けられていない。DおよびEは、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれに1つの第1リブ541Bが設けられ、第2ハウジング56Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれに1つの第2リブ542Bが設けられる場合の、同様に解析した結果である。ただし、Dは、第1リブ541Bの下端部と第2リブ542Bの上端部とが接触面513Bにおいて連続している。Eは、第1リブ541Bと第2リブ542Bとが接触面513Bにおいて連続しない位置に設けられている。Fは、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つの第1リブ541Bが設けられ、第2ハウジング56Bの直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つの第2リブ542Bが設けられる場合の、同様に解析した結果である。参照として図17A図17B図17C図17D図17E、および図17Fに、A、B、C、D、E、およびFのそれぞれのハウジング5Bの上面図を示す。各第1ハウジング55Bの上面図における黒い丸印の位置に第1リブ541Bが設けられる。また、各第2ハウジング56Bの上面図における黒い丸印の位置に第2リブ542Bが設けられる。
【0062】
図16に示すとおり、A、B、C、D、E、およびFの解析結果を比較すると、Fが最も水平方向の振動に対するハウジング5の固有振動数が高くなっている。Fでは、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つの第1リブ541Bが設けられ、第2ハウジング56Bの直方体形の立体形状における4つのすべての側面に、それぞれ2つの第2リブ542Bが設けられるため、ハウジング5Bの全体としての剛性が高まり、固有振動数が高くなっている。その結果、ファンモータ10Bを駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。すなわち、第1リブ541Bは、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて2つ以上設けられ、第2リブ542Bは、第2ハウジング56Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて2つ以上設けられることが望ましい。
【0063】
図16におけるBおよびCの解析結果を比較すると、Bは、Cよりも水平方向の振動に対するハウジング5Bの固有振動数が高くなっている。Bでは、ハウジング5Bにおいて特に剛性が低い上側フランジ部521Bの径方向外側の部位が、剛性が高い接触面513Bの径方向内側の部位に、第1リブ541Bによって繋がれるため、ハウジング5Bの全体としての剛性が高まり、固有振動数が高くなっている。その結果、ファンモータ10Bを駆動する際、磁気励振との共振時における共振振幅を小さくすることができ、騒音を低減することができる。すなわち、第1ハウジング55Bおよび第2ハウジング56Bのいずれか一方にリブ(第1リブ541Bまたは第2リブ542B)を設ける場合、第1ハウジング55Bの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて、第1リブ541Bのみを有することが望ましい。
【0064】
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0065】
各リブの厚みは、必ずしも一定でなくてもよい。例えば、軸方向の位置によって、リブの厚みが変化してもよい。また、ハウジングの直方体形の立体形状における4つの側面のそれぞれにおいて、リブは2つ以上設けられてもよい。また、各リブは、必ずしも直線状でなくてもよい。
【0066】
また、各部品の細部の形状については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【0067】
本発明は、例えば、ファンモータに利用できる。
【符号の説明】
【0068】
1,1B モータ、2,2B 静止部、3,3B 回転部、4,4B インペラ、5,5B,5X,5Y ハウジング、9,9B 中心軸、10,10B ファンモータ、21,21B ベース部、22,22B ステータ、23 回路基板、24 軸受ホルダ、25 軸受部、31 シャフト、 32 ロータホルダ、33 環状部材、34 マグネット、41 カップ部、42,42B 羽根、50 風洞、51 筒状部、52 フランジ部、53,53B ベース接続部、54 リブ、55B 第1ハウジング、56B 第2ハウジング、221 ステータコア、222 コイル、321 ロータ蓋部、322 ロータ筒部、511B 第1筒状部、512B 第2筒状部、513B 接触面、521,521B 上側フランジ部、522,522B 下側フランジ部、541B 第1リブ、542B 第2リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8C
図8E
図8F
図9
図10A
図10G
図10H
図10I
図10C
図11
図12A
図12J
図12K
図12L
図12C
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図18
図19
【国際調査報告】