特表-18135492IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-135492半導体基板の処理方法及び半導体基板の処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年7月26日
【発行日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】半導体基板の処理方法及び半導体基板の処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20191122BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20191122BHJP
   B24B 1/00 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   H01L21/304 622J
   B24B37/00 Z
   B24B1/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2018-563340(P2018-563340)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】特願2017-9555(P2017-9555)
(32)【優先日】2017年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-9584(P2017-9584)
(32)【優先日】2017年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】特許業務法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清田 健司
(72)【発明者】
【氏名】福岡 哲夫
【テーマコード(参考)】
3C049
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C049AA07
3C049CA01
3C049CB01
3C158AA07
3C158CA01
3C158CB01
3C158DA12
3C158EA11
3C158ED00
5F057AA16
5F057BA26
5F057CA14
5F057CA24
5F057CA25
5F057CA31
5F057EC04
5F057EC14
(57)【要約】
【課題】集積回路チップが形成された半導体ウエハの裏面側(他面側)の厚さを小さくする工程の前に表面側(一面側)に保護膜を形成するにあたり、保護膜の平坦化を図ることができる技術を提供すること。
【解決手段】ウエハWの表面側に剥離用の硬化剤11を塗布するモジュール51、紫外線の照射により硬化剤11を硬化させるモジュール54、硬化剤11の上に保護膜用の硬化剤12を塗布するモジュール52、次にガラス板からなる押圧部材14により硬化剤の表面を押圧した状態で硬化剤12を紫外線の照射により硬化させるモジュール56、その後ウエハWをバックグラインドする装置G、ウエハWの裏面側にダイシング用テープを接着するモジュール、その後、ウエハWの表面側にレーザー光を照射して硬化剤11を変質させ、気体を発生させて硬化剤11、12をウエハWから剥離するモジュールを備える。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側に複数の集積回路チップが形成された半導体基板の当該一面側に保護膜用の硬化剤を塗布する工程と、
次いで、前記硬化剤の表面を平坦化する工程と、
前記硬化剤にエネルギーを供給して当該硬化剤を硬化させて硬化剤層である保護膜を形成する工程と、
しかる後、前記半導体基板の他面側を削って厚さを小さくする工程と、
その後、前記半導体基板の他面側にダイシング用の保持体を接着する工程と、
次に、前記保護膜を半導体基板から取り除く工程と、を含むことを特徴とする半導体基板の処理方法。
【請求項2】
前記硬化剤の表面を平坦化する工程は、前記硬化剤が硬化する前に行われ、当該硬化剤の表面を、押圧面が平坦面である押圧部材により押圧する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の処理方法。
【請求項3】
前記エネルギーは、前記押圧部材が前記硬化剤の表面に接触している状態で当該硬化剤に供給されることを特徴とする請求項2記載の半導体基板の処理方法。
【請求項4】
前記押圧部材は、半導体基板の搬送用の支持部材を兼用する板状体により構成され、
前記硬化剤の表面を平坦化する工程を行う時に前記押圧部材を当該硬化剤の表面に接着させ、
前記半導体基板の他面側にダイシング用の保持体を接着する工程を行った後に前記押圧部材を半導体基板から取り外す工程を行うことを特徴とする請求項2記載の半導体基板の処理方法。
【請求項5】
前記押圧部材を半導体基板から取り外す工程は、前記押圧部材と前記硬化剤とが接着されたまま当該硬化剤を半導体基板から取り除く工程であることを特徴とする請求項4記載の半導体基板の処理方法。
【請求項6】
前記硬化剤の表面を平坦化する工程は、前記硬化剤が硬化した後、機械的、化学的研磨で平坦化するCMP工程である請求項1記載の半導体基板の処理方法。
【請求項7】
前記半導体基板の他面側を削って厚さを小さくする工程を行った後、当該半導体基板にダイシング用の保持体を接着する前に、当該半導体基板の一面側に支持部材を取り付け、その後、当該半導体基板の他面側にダイシング用の保持体を接着することを特徴とする請求項1記載の半導体基板の処理方法。
【請求項8】
前記硬化剤をエネルギーで硬化させる工程は、前記押圧部材を介して硬化剤に対して紫外線またはレーザー光を照射する工程であることを特徴とする請求項2記載の半導体基板の処理方法。
【請求項9】
前記保護膜を半導体基板から取り除く工程は、前記半導体基板の一面側に前記エネルギーとは異なるエネルギーを供給して当該半導体基板に接している膜を変質させる工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体基板の処理方法。
【請求項10】
前記保護膜用の硬化剤を前記半導体基板の一面側に塗布する前に、当該一面側に剥離用の硬化剤を塗布する工程を含み、
前記膜を変質させる工程にて使用される前記エネルギーは、前記剥離用の硬化剤を前記半導体基板の一面側から剥離するためのエネルギーであることを特徴とする請求項9記載の半導体基板の処理方法。
【請求項11】
一面側に複数の集積回路チップが形成された半導体基板を処理する装置において、
前記半導体基板の一面側に保護膜用の硬化剤を塗布するための塗布部と、
前記塗布部にて塗布された前記硬化剤の表面を平坦化するための平坦化処理部と、
前記硬化剤にエネルギーを供給して当該硬化剤を硬化させて硬化剤層である保護膜を形成するための硬化処理部と、
前記保護膜が形成され、更にその他面側が削られて厚さが小さくなり、その後当該他面側にダイシング用の保持体が接着された半導体基板の一面側の当該保護膜を半導体基板から取り除くための保護膜除去部と、
前記塗布部、平坦化処理部、硬化処理部、保護膜除去部の間にて半導体基板を搬送するための搬送機構と、を備えたことを特徴とする半導体基板の処理装置。
【請求項12】
前記平坦化処理部は、前記硬化剤が硬化する前に当該硬化剤の表面を押圧するための押圧面が平坦面である押圧部材を備えていることを特徴とする請求項11記載の半導体基板の処理装置。
【請求項13】
前記硬化処理部は、前記平坦化処理部と共用され、前記押圧部材が前記硬化剤の表面に接触している状態で当該硬化剤に前記エネルギーを供給するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の半導体基板の処理装置。
【請求項14】
前記押圧部材は、半導体基板の搬送用の支持部材を兼用する板状体により構成され、
前記硬化剤として硬化時に押圧部材と接着する材料であるかまたは前記硬化剤と押圧部材との間に接着剤を介在させることにより、前記硬化剤の表面を平坦化するときに前記押圧部材が当該硬化剤の表面に接着するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の半導体基板の処理装置。
【請求項15】
前記保護膜除去部は、前記押圧部材と前記保護膜とが接着されたまま当該保護膜を半導体基板から取り除くように構成されていることを特徴とする請求項14記載の半導体基板の処理装置。
【請求項16】
前記半導体基板の他面側を削って厚さを小さくした後、当該半導体基板にダイシング用の保持体を接着する前に、当該半導体基板の一面側に搬送用の支持部材を取り付けるための支持部材取り付け部を備えたことを特徴とする請求項11記載の半導体基板の処理装置。
【請求項17】
前記搬送用の支持部材は、静電吸着機能を有する静電チャック板であることを特徴とする請求項16記載の半導体基板の処理装置。
【請求項18】
前記硬化処理部は、前記押圧部材を介して硬化剤に対して紫外線またはレーザー光を照射するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の半導体基板の処理装置。
【請求項19】
前記保護膜除去部は、前記半導体基板の一面側に前記エネルギーとは異なるエネルギーを供給して当該半導体基板に接している膜を変質させる機構を備えていることを特徴とする請求項11記載の半導体基板の処理装置。
【請求項20】
前記保護膜用の硬化剤を前記半導体基板の一面側に塗布する前に、当該一面側に剥離用の硬化剤を塗布するための塗布部を備え、
前記保護膜除去部における前記膜を変質させる機構は、前記剥離用の硬化剤を前記半導体基板の一面側から剥離するためのエネルギーを供給する機構であることを特徴とする請求項19記載の半導体基板の処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一面側に複数の集積回路チップが形成された半導体基板の他面側を削るときに一面側を保護する保護膜を形成する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路チップの製造においては、半導体ウエハ例えばシリコンウエハ上に成膜、パターンマスクの形成、エッチングなどの処理を行って、縦横に配列された複数の集積回路が形成される。そして集積回路チップを保護するための保護テープを半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)の表面側に貼り付けた後、ウエハの裏面側に対してグラインド(研削、研磨)を行ってウエハの厚さを小さくし、ウエハの裏面側に例えばダイシングテープやダイボンディングフィルムを貼り付けて例えばダイシングソーにより各集積回路チップに分離される。
【0003】
ウエハから集積回路チップを分離する手法としては、グラインドを行う前にウエハの表面側からダイシングラインに沿って切り込みを入れておくいわゆるハーフカットを行う手法、ダイシングテープにウエハを貼り付けた後にいわゆるフルカットを行う手法、あるいはウエハの内部に裂け目を形成するステルスダイシングなどがある。いずれの手法においてもウエハにダイシングテープを貼り付ける前に保護テープはウエハから剥がされる。
【0004】
しかしながら保護テープをウエハに貼り付ける手法は次の問題がある。
グラインドを行う時に保護テープはステージとウエハとの間に介在することになるが、集積回路チップにバンプが含まれている場合には、ミクロ的に見るとバンプが存在する部位において保護テープが膨らむ。このため保護テープの表面がうねってしまい、当該表面形状がグラインド後のウエハの裏面に転写され、結果として集積回路チップの厚さ寸法にばらつきが生じる。更にウエハの外周部にて保護テープとウエハとの間に隙間が生じ、この隙間から研削水が侵入して集積回路チップが汚れるし、ウエハの外周部に隙間が生じたことにより研削中に保護テープがバタついて集積回路チップが割れる要因になる。更にまたウエハの外周部にて保護テープの表面に凹凸が生じていると、グラインド時に、バキュームチャックを備えたウエハ保持テーブルに確実にウエハを吸着できないおそれがある。
【0005】
また集積回路チップにバンプが存在しない場合であっても、保護テープの貼り付け精度が悪いと、ウエハの裏面と保護テープの表面との間の平行度が悪くなり、集積回路チップの厚さにばらつきが生じる。更にまた半導体層であるシリコン部分をかなり薄くすることが要請される集積回路チップの場合にステルスダイシングあるいはハーフカットによるダイシングを行おうとすると、グラインド時において保護テープによる集積回路チップの接着力がグラインダーから受ける横方向の力に十分耐えることができなくなり、集積回路チップが位置ずれして角部にクラックが発生するなどの懸念もある。
そして保護テープの剥離作業は自動で行われるが、バンプが取れたり、テープ糊の残渣が集積回路チップに残ってしまうことを避けるためには、速やかに剥離することができず、このため集積回路チップの製造工程において高いスループットが得られない要因になっている。また保護テープの剥離作業において、バンプが取れたり、テープ糊の残渣が集積回路チップに残ってしまうことを確実に避けることは難しかった。
【0006】
特許文献1には、保護テープに紫外線を照射して粘着性を低くし、その後に保護テープをウエハから剥離する技術が記載されているが、バンプが存在するウエハを用いた場合には、保護テープの平坦性が低くなるという課題がある。特許文献2には、単結晶インゴットからウエハを製造する工程において、スライスされたウエハの表面がうねっているため、ウエハの表面を研削する前にウエハの表面に硬化樹脂を塗布し、樹脂の表面に平坦な板を圧接して硬化させた樹脂の表面を平坦面(基準面)とすることが記載されている。特許文献2の技術は、本発明とは製造工程の段階が異なり、また樹脂の表面を平坦化する目的も異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−157931号公報(請求項8、段落0027)
【特許文献2】特開2006−269761号公報(段落0006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、集積回路チップが形成された半導体基板の裏面側(他面側)の厚さを小さくする工程の前に表面側(一面側)に保護膜を形成するにあたり、保護膜の平坦化を図ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、半導体基板の処理方法において、
一面側に複数の集積回路チップが形成された半導体基板の当該一面側に保護膜用の硬化剤を塗布する工程と、
次いで、前記硬化剤の表面を平坦化する工程と、
前記硬化剤にエネルギーを供給して当該硬化剤を硬化させて硬化剤層である保護膜を形成する工程と、
しかる後、前記半導体基板の他面側を削って厚さを小さくする工程と、
その後、前記半導体基板の他面側にダイシング用の保持体を接着する工程と、
次に、前記保護膜を半導体基板から取り除く工程と、を含むことを特徴とする。
他の発明は、一面側に複数の集積回路チップが形成された半導体基板を処理する装置において、
前記半導体基板の一面側に保護膜用の硬化剤を塗布するための塗布部と、
前記塗布部にて塗布された前記硬化剤の表面を平坦化するための平坦化処理部と、
前記硬化剤にエネルギーを供給して当該硬化剤を硬化させて硬化剤層である保護膜を形成するための硬化処理部と、
前記保護膜が形成され、更にその他面側が削られて厚さが小さくなり、その後当該他面側にダイシング用の保持体が接着された半導体基板の一面側の当該保護膜を半導体基板から取り除くための保護膜除去部と、
前記塗布部、平坦化処理部、硬化処理部、保護膜除去部の間にて半導体基板を搬送するための搬送機構と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、集積回路チップが形成された半導体基板の一面側に硬化剤を塗布し、硬化剤を第1のエネルギーで硬化させて硬化剤層である保護膜を形成している。このため保護膜を平坦化することができる。従って、後工程にて半導体基板の他面側を削って厚さを小さくしたとき、当該他面側が平坦になり、集積回路チップの厚さのばらつきが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の装置により実施される工程の概要を示す工程図である。
図2】本発明の装置により実施される工程の概要を示す工程図である。
図3】本発明の装置により実施される工程の概要を示す工程図である。
図4】本発明の装置により実施される工程の第1の形態を示す工程図である。
図5】本発明の装置により実施される工程の第1の形態を示す工程図である。
図6】本発明の装置により実施される工程の第1の形態を示す工程図である。
図7】本発明の装置により実施される工程の第1の形態を示す工程図である。
図8】本発明の装置により実施される工程の第1の形態を示す工程図である。
図9】本発明の装置により実施される工程の第2の形態を示す工程図である。
図10】本発明の装置により実施される工程の第2の形態を示す工程図である。
図11】本発明の装置により実施される工程の第2の形態を示す工程図である。
図12】本発明の装置により実施される工程の第2の形態を示す工程図である。
図13】本発明の装置により実施される工程の第3の形態を示す工程図である。
図14】本発明の装置により実施される工程の第3の形態を示す工程図である。
図15】本発明の装置により実施される工程の第3の形態を示す工程図である。
図16】本発明の装置により実施される工程の第3の形態を示す工程図である。
図17】本発明の装置により実施される工程の第3の形態を示す工程図である。
図18】本発明の実施形態で用いられる搬送用の支持体の一例を示す断面図である。
図19】本発明の装置により実施される工程の第4の形態を示す工程図である。
図20】本発明の装置により実施される工程の第4の形態を示す工程図である。
図21】本発明の半導体基板の処理装置の一例であって、処理ブロックの1階部分を含む領域を示す平面図である。
図22】上記の半導体基板の処理装置の一例を示す断面図である。
図23】上記の半導体基板の処理装置の一例において、処理ブロックの2階部分を含む領域の一部を示す平面図である
図24】上記の半導体基板の処理装置に用いられる塗布モジュールを示す断面図である。
図25】硬化剤を押圧して平坦化し、紫外線により硬化させるためのモジュールを示す断面図である。
図26】ESC板を着脱するためのモジュールを示す断面図である。
図27】保護膜をウエハから剥離するためのモジュールを示す断面図である。
図28】本発明の半導体基板の処理装置の他の例であって、処理ブロックの1階部分を含む領域を示す平面図である。
図29】本発明の半導体基板の処理装置の他の例であって、処理ブロックの2階部分を含む領域の一部を示す平面図である。
図30】硬化剤を押圧して平坦化し、紫外線により硬化させ、押圧部材を搬送用の支持体として使用するためのモジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[発明の概要]
本発明の半導体基板の処理装置を説明する前に、本発明の装置により行われる工程の概要について図1図3を参照しながら説明しておく。
先ず集積回路チップ(図示せず)が一面側(表面側)に形成された半導体基板である例えばシリコン基板であるウエハ(半導体ウエハ)Wの一面側に図1(a)に示すように剥離用の硬化剤11を塗布し、この硬化剤11に例えば紫外線(UV)を照射して硬化剤11を硬化させる(図1(b))。次いでウエハWの一面側に、即ち硬化剤11の上に保護膜用の硬化剤12を塗布し(図1(c))、更に保護膜用の硬化剤12の上に押圧部材例えば後述の石英ガラスに付着しない離型剤13を塗布する(図1(d))。硬化剤11、12が硬化することにより、硬化剤層が形成されるが、説明を簡素化するために、硬化前及び硬化後のいずれの状態においても硬化剤と呼ぶこととし、また符号についても同一の符号とする。
【0013】
しかる後、図2(e)に示すように硬化剤12の表面を例えば石英ガラスからなる板状の押圧部材14により押圧して当該表面を平坦化し、続いて押圧部材14の上方から保護膜用の硬化剤12に向けて例えば紫外線を照射する。紫外線は押圧部材14を透過して保護膜用の硬化剤12に到達し、硬化剤12が硬化する。紫外線照射開始のタイミングは、押圧部材14により硬化剤12の表面を押圧する時点と同時であってもよいし、押圧部材14が硬化剤の表面を押圧する時点よりも前であってもよく、硬化剤12が硬化してしまって、押圧部材14の押圧が有効ではなくなるタイミングでなければよい。次に押圧部材14を取り除いた後、ウエハWを反転させ(図2(f))、ウエハWの他面側(裏面側)をグラインド(研削、研磨)してウエハWの厚さ(詳しくはシリコン部分の厚さ)を小さくする(図2(g))。
【0014】
次に図3(h)に示すようにウエハWを反転させ、ウエハWよりもサイズの大きいリング状のフレーム21の一面側に貼り付けられた保持体であるダイシングテープ22にウエハWの他面側を貼り付ける。その後、剥離用の硬化剤11にレーザー光を照射して当該硬化剤11を変質させ、この変質のときにガスが発生して当該硬化剤11とウエハWの一面との間の密着性が無くなり、硬化剤11がウエハWの一面から浮いた状態となる。このため保護膜用の硬化剤12の表面に例えば昇降自在なアームをバキュームチャックにより吸着させ、当該アームを引き上げることにより硬化剤11、12がウエハWの一面側から取り除かれる。図3(i)はこの様子を模式的に示している。
更にウエハWの表面を洗浄液で洗浄し、乾燥した後、図3(j)に示すように切断機構である例えばダイシングブレード23によりダイシングラインに沿ってウエハWを分断し、分断された各集積回路チップを含むダイ10aを取り出し機構によりダイシングテープ22から取り外す。
【0015】
以上の工程に関して捕捉する。剥離用の硬化剤11は、エネルギーを加えることにより硬化する材料、例えば既述のように紫外線を照射することにより硬化する材料と、前記エネルギーとは異なるエネルギーを加えることによりガスを発生する材料と、溶剤などの添加物と、を含む。エネルギーを加えることにより硬化する材料としては、例えばアクリル系ポリマーなどの紫外線硬化型の樹脂が用いられる。前記エネルギーとは異なるエネルギーを加えることによりガスを発生する材料としては、例えば光吸収剤と熱分解性物質との混合物を挙げることができる。この場合光吸収剤を発熱させるために照射する光が、ガスを発生させるためのエネルギーとなる。
【0016】
光吸収剤としては、例えば可視光領域であるレーザー光を吸収して発熱する物質例えばカーボンブラック、金属粉、金属酸化粉などを用いることができ、熱分解性物質としては、例えば有機物の場合には、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリレートなどを用いることができる。また可視光領域であるレーザー光を吸収して発熱する物質の代わりに紫外線を吸収して発熱する物質であってもよい。光吸収剤の「光」を可視光、紫外線も両方含むものとした場合には、光吸収剤としては、可視光、あるいは紫外線を吸収して発熱する物質を使用できるという言い方ができる。エネルギーを加えることによりガスを発生する材料は、紫外線が照射されることによりその紫外線のエネルギーで分解してガスを発生する樹脂、例えばアクリル系の樹脂であってもよい。
【0017】
保護膜用の硬化剤12としては、エネルギーを加えることにより硬化する材料、例えば既述のように紫外線硬化型の樹脂を用いることができる。また保護膜用の硬化剤12は、紫外線以外の可視光などで硬化する光硬化型の樹脂を用いてもよいし、あるいは熱硬化型の樹脂を用いてもよい。光硬化型の樹脂としては、例えば重合性のモノマー、例えばアクリレートと、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンなどの光ラジカル開始剤と、を含むものを用いることができる。熱硬化型の樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やフェノール樹脂などを用いることができる。
【0018】
また剥離用の硬化剤11及び保護膜用の硬化剤12は、同じ薬剤を用い、溶剤を加えて塗布液としたときの濃度が互に異なるものを用いてもよい。例えば紫外線が照射されることにより硬化する材料と、紫外線が照射されることにより分解してガスを発生する樹脂と、を含む、市販されている薬剤を両硬化剤11、12として用い、当該薬剤の溶媒である溶剤の量が硬化剤11と硬化剤12との間で異なる場合を挙げることができる。この例においては、剥離用の硬化剤11と保護膜用の硬化剤12とは、硬化するときの紫外線の波長が互に異なり、また分解してガスを発生するときの波長が互に異なる。
【0019】
この例のようにウエハWと保護膜用の硬化剤12との間に剥離用の硬化剤11が介在する場合には、両方の硬化剤11、12、詳しくは剥離用の硬化剤11が硬化してなる硬化剤層と保護膜用の硬化剤12が硬化してなる硬化剤層とにより保護膜を形成されていると見ることができるが、説明上、保護膜用の硬化剤12が硬化してなる硬化剤層を保護膜と呼ぶこととする。またこの場合には、保護膜用の硬化剤12を硬化させるエネルギーが第1のエネルギーに相当し、剥離用の硬化剤11から気体を発生させるための紫外線が第2のエネルギーに相当する。
【0020】
本発明では、剥離用の硬化剤11を用いないプロセスであってもよく、このような例としては、保護膜用の硬化剤12は、紫外線を照射することにより硬化する材料と、光を加えることによりガスを発生させる材料と、を含むものを用いることができる。この場合には、硬化剤12に所定の波長の光を照射することにより、硬化剤12からガスが発生して硬化剤12とウエハWとの間に隙間が形成され、既述のようにして保護膜を取り除くことができる。
【0021】
保護膜を取り除く手法としては、レーザー光や紫外線などのエネルギーをウエハWの一面側、例えば剥離用の硬化剤11に加える手法(剥離用の硬化剤11を用いない場合は保護膜用の硬化剤12に加える手法)に限らず、溶剤をウエハWの一面側に供給して、例えば剥離用の硬化剤11及び保護膜用の硬化剤12を溶解するようにしてもよい。
【0022】
保護膜用の硬化剤12の表面を確実に平坦化する観点からは、既述のように押圧部材14が保護膜用の硬化剤12に接触している状態で紫外線を押圧部材14を介して保護膜用の硬化剤12に照射することが好ましい。このため押圧部材14は、保護膜用の硬化剤12を硬化するための波長の紫外線を透過する材料、例えばガラスを用いることができる。ガラスとしては石英ガラスを用いることができるが、他のガラスであってもよい。
保護膜用の硬化剤12が光透過型の硬化剤である場合には、押圧部材14は光を透過する材料例えば石英ガラスなどのガラスを用いることができる。
【0023】
保護膜用の硬化剤12に対して紫外線あるいは可視光域の波長のレーザー光を照射する手法としては、押圧部材14を透過することに限られるものではなく、例えばウエハWを載置している載置部であるステージを例えば石英ガラスにより構成して、当該ステージの下方側からステージを介してウエハWに照射するようにしてもよい。この場合には紫外線あるいは光がウエハWの裏面から表面に達して、表面側(一面側)に照射されたことになる。
また押圧部材14により保護膜用の硬化剤12の表面を押圧した後、押圧部材14を硬化剤12から離した後においても当該表面の平坦化が維持されている場合には、この状態で硬化剤12に紫外線を照射してもよい。
保護膜用の硬化剤12が熱硬化型の樹脂である場合には、保護膜用の硬化剤12が塗布されたウエハWが載置されるステージを例えばステージ内に設けたヒータにより加熱してもよいし、またはウエハWの上方からあるいはステージの下方側から赤外ランプなどのランプにより加熱してもよい。
【0024】
図1(d)において、離型剤13が保護膜用の硬化剤12の表面に塗布されているが、離型剤13は押圧部材14の押圧面側に塗布するようにしてもよい。離型剤13が保護膜用の硬化剤12の表面に塗布する手法としては、例えば保護膜用の硬化剤12をウエハW上に塗布する塗布モジュール内において、塗布する手法を採用することができる。
ウエハWの裏面側(他面側)を研削、研磨して厚さを小さくした後、即ち薄層化した後(図2(g))、ウエハWが薄すぎて搬送が難しい場合には、ウエハWの保護膜の表面に搬送用の支持部材、例えば板状の支持部材を吸着あるいは接着などにより着脱自在に取り付けることが好ましい。支持部材としては、例えば後で詳述するように市販の板状の静電チャック部材を用いてもよいし、あるいは真空吸着機能(バキュームチャック機能)を備えた板状体を用いてもよいが、真空吸着の場合吸引路部材が必要であることから、静電チャック部材の方が簡素化できる利点がある。また支持部材としては、板状の押圧部材14、例えばガラス板を用いてもよく、この場合には硬化剤12からなる保護膜の表面にガラス板を接着する手法が挙げられる。なお、搬送用の支持部材を使用するか否かは保護膜の厚さなどに応じて決定することができるが、本発明は、搬送用の支持部材を使用することに限定されるものではない。
【0025】
保護膜用の硬化剤12が塗布後に粘着性があり、当該硬化剤12が硬化した時にガラス板をその表面に接着した状態とすることができる場合には、当該ガラス板を支持部材として用いることができる。保護膜用の硬化剤12が硬化した時にガラス板をその表面に接着した状態とすることができない場合には、硬化剤12が硬化した後、当該硬化剤12の表面に例えば紫外線照射により接着機能を果たす粘着剤を塗布し、当該粘着剤(接着剤)を介して硬化剤12の表面にガラス板を貼り付けることができる。
【0026】
搬送用の支持部材は、ウエハWをダイシングテープ22に貼り付けた後は、取り外される。搬送用の支持部材として、静電吸着部材を用いる場合には、静電吸着部材の電極を接地することで取り外すことができ、また真空吸着機能を有する板状体を用いる場合には、吸引を停止すればよい。
搬送用の支持部材としてガラス板などの押圧部材14を用いる場合には、粘着剤の粘着力を低下させるために例えば紫外線を照射することにより押圧部材14がウエハWから取り外される。剥離用の硬化剤11を用いる場合には、既述のように剥離用の硬化剤11に押圧部材14である例えばガラス板を介して例えばレーザー光を照射した後、押圧部材14をウエハWに対して相対的に持ち上げることによりウエハWの表面から押圧部材14及び保護膜用の硬化剤12が取り除かれる。
【0027】
剥離用の硬化剤11を用いない場合であっても、保護膜用の硬化剤12とは別の接着剤により当該硬化剤12に押圧部材14を接着しておくことにより、硬化剤12を変質させてウエハWから剥がすときに、押圧部材14と硬化剤12とを一体的にウエハWから取り除くことができる。押圧部材14に接着あるいは付着している保護膜用の硬化剤12は、例えば溶剤により除去して洗浄することにより、押圧部材14を再利用できる。
【0028】
以上の説明では、保護膜用の硬化剤12の平坦化の工程は押圧部材14を用いて行うとしているが、当該平坦化の工程は、保護膜用の硬化剤12が硬化した後にCMP(科学的、機械的研磨)により行うようにしてもよい。本発明は、保護膜としてテープではなく塗布膜を用いていることから、CMP(研磨剤あるいは研磨液の化学成分と被処理体との化学反応により、機械的研磨作用を増加させる処理)を利用することができ、これにより保護膜の表面を平坦化することができる。
【0029】
図3の説明について捕捉しておくと、ダイシングテープ22に貼り付けられたウエハWは、図3(j)の例では、一面側から他面側までカットされることにより各集積回路チップ10に分断されるが、このようないわゆるフルカット方式に限らず、図1(a)に示す状態の前に事前にウエハWの表面側(一面側)から厚さの途中まで切り込みを入れておくいわゆるハーフカット方式を利用してもよい。この場合には、ウエハWの裏面側をグラインダーで薄層化したときに各集積回路チップ10に分断される(保護膜(硬化剤12)が付いているので分離はしない)。また後の実施形態においてその例を示すが、ウエハWの裏面側をグラインダーで薄層化する前に、ウエハWの裏面側からステルダイシング(レーザの焦点をウエハW内部に合わせて内部に亀裂を形成するカット)を行うようにしてもよい。
【0030】
本発明の装置により実施される工程の形態について記載する。
【0031】
[第1の実施形態]
上述の発明の概要にて説明した工程について、より具体的な例(実施形態)を挙げて記載する。図4図8は、表面にバンプが形成されていないウエハWに対して行われる一連の処理の第1の実施形態を示している。図4(a)は、ウエハWの表面に集積回路チップ10が形成された状態を示している。図4(b)〜図4(d)は、夫々ウエハWに対して剥離用の硬化剤11を塗布する工程、当該硬化剤11を紫外線の照射により硬化する工程、硬化剤11の上に保護膜用の硬化剤12を塗布する工程を示している。
【0032】
塗布液である剥離用の硬化剤11は、例えば既述のように紫外線を照射することにより硬化する材料、例えばアクリル系ポリマーと、レーザー光を吸収してガスを発生する材料、例えば光吸収剤と熱分解性物質との混合物と、溶剤と、を含む。剥離用の硬化剤11を塗布した後、塗布膜に紫外線を照射する前に溶剤を揮発させるためにウエハWを加熱するようにしてもよい。剥離用の硬化剤11は、例えば厚さが5μm以下である。また保護膜用の硬化剤12は、紫外線硬化型の硬化剤、例えばアクリル系ポリマーが用いられ、例えば厚さが50〜100μmである。保護膜用の硬化剤12が塗布されたウエハWは、押圧面が平坦である例えばガラス板からなる押圧部材14により押圧されて硬化剤12の表面が平坦化され、続いて押圧部材14の上方から紫外線が照射されて硬化剤12が硬化し、硬化層である保護膜が形成される(図5(e))。なお、図1(d)に示したように保護膜用の硬化剤12の表面あるいは押圧部材14の押圧面に離型剤を塗布するようにしてもよい。
【0033】
次に保護膜用の硬化剤12(保護膜)の表面に搬送用の支持体である静電チャック機能を備えた板状体(以下ESC板という)15を取り付ける(図5(f))。ここでESC板15について図18を参照しながら説明する。ESC板15は芯材である絶縁性の板状体例えばガラス板151の一面側に配線層152、絶縁層153、配線層154、絶縁層155がこの順に積層され、配線層152、154は共通の配線層156に接続されてガラス板151の他面側まで引き回されている。ESC板15の他面側には図示していないが給電ポートが設けられ、給電ポートに直流電圧を印加することにより、ESC板15の一面側に静電吸着力が作用し、絶縁物に吸着する。なお、ESC板15の他面側は、反りを防止するために、絶縁層155が形成されていないことを除いて一面側と同様に形成されている。ESC板15の厚さは例えば500μm〜1mmである。
【0034】
ESC板15が取り付けられたウエハWは反転され、ウエハWの他面(裏面)に対してステルスダイシングが行われる。図5(g)はレーザー光31がウエハWの裏面側から照射され、シリコン層内に焦点が形成されて内部に割れ目32が生成された状態を表している。焦点の位置は、ウエハWのダイシングラインに対応した位置に沿って移動する。その後、ESC板15がウエハWから取り外され(図5(h))、ウエハWの裏面が研削、研磨されて(バックグラインドされて)薄層化される(図6(i))。ESC板15の取り外しは、ESC板15に設けられている給電ポートをアースに接続することにより行われる。
【0035】
ステルスダイシングを行うときに、搬送用の支持体であるESC板15をウエハWに取り付ける理由は、ウエハWに反りが生じていた場合には、焦点を所定の位置に正確に合わせられない懸念があることと、ステルスダイシング後のウエハWは内部に加工歪が生じているため、ステルスダイシング後にバックグラインド装置に搬送するときのウエハWの割れのリスクを低減すること、にある。
【0036】
そして薄層化されたウエハWの表面(保護膜の表面)に再度ESC板15を取り付け(図6(j))、液体であるDAF(ダイアタッチフィルム)16をウエハWの裏面(他面)に塗布し(図6(k))、ウエハWを加熱してDAF16を硬化させ接着剤とする(図6(l))。この例では、ウエハWが例えばバックグラインド装置内の吸着アームに受け渡されるまで既述の理由によりウエハWにESC板15を取り付けた状態とし、吸着アームからウエハWをバックグラインド用のステージに搬送する前にESC板15をウエハWから取り外し、ウエハWの裏面を研削、研磨した後にESC板15を取り付けている。このようにウエハWの裏面を研削、研磨するときにESC板15を取り外している理由は、現在市販のESC板15の両面の平行度が必ずしも高くないことにある。従ってESC板15の両面の平行度が、ウエハWの裏面の平坦性について規格を満足するものであれば、ESC板15を取り付けたまま、ウエハWの裏面を研削、研磨してもよい。
【0037】
次にリング状のフレーム21に貼り付けられた保持体であるダイシングテープ22にウエハWをDAF16により接着し(図7(m))、ESC板15を取り外した後(図7(n))、ウエハWの一面側に例えばレーザー光を照射して剥離用の硬化剤11からガスを発生させ、保護膜用の硬化剤12がウエハWの表面から剥離された状態とする(図8(o))。剥離された保護膜用の硬化剤12は、その表面に図示しない吸着パッドが吸着され、持ち上げられてウエハWの表面から取り除かれ(図8(p))、更に例えばウエハWを反転してウエハWの表面に洗浄液を吹き付けて当該表面を洗浄する。しかる後、例えばダイシングテープ22に展張力(引っ張り力)を作用させることにより、各集積回路チップ10を含む複数のダイに分離される。
【0038】
上述実施形態によれば、集積回路チップ10が形成されたウエハWの表面側(一面側)に剥離用の硬化剤11及び保護膜用の硬化剤12を順次塗布、硬化し、硬化剤層である保護膜を形成している。このため硬化剤12の硬化前に押圧部材14で押圧して平坦化することができる。従って、後工程にてウエハWの裏面側(他面側)を削って厚さを小さくしたとき、当該他面側が平坦になり、集積回路チップ10の厚さのばらつきが抑えられる。またウエハWの裏面側にレーザー光を照射して剥離用の硬化剤11からガスを発生させるようにしているため、保護膜をウエハWから容易に除去することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
図9図12は、本発明の装置により実施される第2の実施形態の工程を示す図である。第2の実施形態は、ウエハWにバンプ31が形成されている場合において行われる一連の処理の例を示している。この例では例えば400μm程度の厚さの保護膜を形成するために、保護膜用の硬化剤12を2度塗りしている。即ち、図9(c)、(d)に示すように、剥離用の硬化剤11の上に保護膜用の硬化剤12を塗布し、紫外線照射により硬化させた後、当該硬化剤12の上に更に硬化剤12を塗布している(図10(e))。その後、石英ガラス板からなる押圧部材14により硬化剤12の表面を押圧して平坦化した後、紫外線照射により硬化剤12を硬化させている。
【0040】
また第1の実施形態では、図5(f)、(g)、(h)に示されているように、ウエハWにESC板15を取り付け、ステルスダイシングを行い、ウエハWからESC板15を取り外しているが、第2の実施形態ではステルスダイシングを行っていないため、これらの工程が行われない。以上の点を除いては、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の工程が行われる。
【0041】
[第3の実施形態]
図13図17は、本発明の装置により実施される工程の第3の実施形態を示す図である。第3の実施形態は、集積回路チップに対して垂直に接続用の配線が伸びるTSV(Through −Silicon Via)を分離するための手法の一例である。図13図17において、34は、接続用の配線である。
ウエハWの表面側に剥離用の硬化剤を塗布する工程(図3(a))からウエハWの表面にESC板15を取り付ける工程(図14(f))までは、保護膜用の硬化剤12を1回だけ塗ることを除けば、第2の実施形態と同様である。
【0042】
その後、ウエハWの裏面をCMPにより研磨し(図14(g)、洗浄した後(図14(h)、エッチングすることにより接続用の配線34の先端部を露出させる(図15(i))。エッチングは、エッチング用のガスを用いたドライエッチングでもよいし、あるいはエッチング液を用いたウエットエッチングでもよい。次に、ウエハWの裏面に例えば真空雰囲気でCVDを行って絶縁膜35を成膜して接続用の配線34の先端を絶縁膜35内に埋没させ(図15(j))、続いてCMPにより研磨して配線34の先端を露出させ(図15(k))、当該配線34の先端にバンプ36を取り付ける(図15(l))。
【0043】
次いでウエハWの裏面側に対してステルスダイシングを行い(図15(m))、ウエハWにダイシングテープ22を貼り付け(図15(m))る。それ以降は、既述の実施形態と同様にして、ESC板15の取り外し、レーザー光照射、保護膜剥離を行い(図16(o)〜図17(q))、続いてダイシングテープ22を展張させて(引っ張り力を加えて)、集積回路チップ10を含む複数のダイに分離される図17(r))。
【0044】
[第4の実施形態]
図19図20は、本発明の装置により実施される工程の第4の実施形態を示す図である。第4の実施形態は、保護膜用の硬化剤12を押圧するための押圧部材が搬送用の支持体を兼用する例である。図19(a)は、既述の実施形態のように剥離用の硬化剤11を硬化させた後、保護膜用の硬化剤12を塗布した状態を示している。この例では、保護膜用の硬化剤12として例えば紫外線により硬化する接着剤が用いられる。
【0045】
そして押圧部材14としては、両面の平行度が高い石英ガラス板が使用され、押圧部材14により硬化剤12の表面を押圧して平坦化すると共に、当該硬化剤(接着剤)12を硬化させるための所定の波長の紫外線を押圧部材14の上からウエハWの一面側に照射し、硬化剤12の表面が平坦化された状態で押圧部材14を硬化剤12に接着させる(図19(b))。この後、押圧部材14はウエハWを搬送するための搬送用の支持体の役割りを果たし、ウエハWはバックグラインド装置まで搬送されて反転され、裏面の研削、研磨(薄層化)が行われる(図19(c))。
【0046】
次いで、既述の実施形態で説明したようにウエハWの裏面側にダイシングテープが貼り付けられ(図20(d))、ウエハWの表面側にレーザー光が照射されて剥離用の硬化剤11からガスが発生し、保護膜用の硬化剤12がウエハWの表面から浮いた状態となる(図示せず)。その後、押圧部材14を上昇させることにより保護膜が押圧部材14に接着されたまま引き上げられ、ウエハWから取り除かれる(図20(e))。
この例では、保護膜用の硬化剤12として紫外線硬化型のものを用いているが、熱や光(可視光)により硬化するものを用いてもよい。また保護膜用の硬化剤12により押圧部材14である石英ガラス板を当該硬化剤12に接着しているが、硬化剤12として接着性のないものを用いる場合には、押圧部材14の押圧面に事前に接着剤、例えば紫外線、熱あるいは光により硬化する接着剤を塗布し、例えば先に硬化剤12を硬化させた後、接着剤を硬化させるようにしてもよい。このように別途接着剤を用いる場合には、当該接着剤も保護膜の一部となる。
【0047】
第4の実施形態によれば、押圧部材14を搬送用の支持体として利用しているため、硬化剤12の平坦化工程と搬送用の支持体の取り付け工程とを別々に行う場合に比べて工程を簡素化できる。
なお、この例のように石英ガラスを押圧部材、搬送用の支持体として用いることに限らず、保護膜用の硬化剤12を押圧、硬化して平坦化する工程の後に、当該石英ガラスあるいは他の石英ガラスを硬化剤12の表面に貼り付けて当該石英ガラスを搬送用の支持体として用いてもよい。
【0048】
[半導体基板の処理装置]
次に本発明の半導体基板の処理装置の一例について説明する。図21図23に示す半導体基板の処理装置は、例えば既述の第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に記載した工程を実施できるように構成されている。半導体基板の処理装置は、外部に対して半導体基板であるウエハWを搬入出するための搬入出ブロックS1と、この搬入出ブロックS1から見て奥側に順番に配置された中継ブロックS2、第1の処理ブロックS3、第2の処理ブロックS4、及びグラインド装置Gと、を備えている。各ブロックS1〜S4は、例えば互に接続、分離できる構造体により構成されている。
【0049】
搬入出ブロックS1は、複数枚のウエハWを収納して搬送するための搬送容器であるキャリアCが例えば横方向(X方向)に複数(例えば3個)載置されるステージ41と、ステージ41に載置されたキャリアC内に対してウエハWの受け渡しを行うための搬送アームである受け渡し機構42と、を備えている。受け渡し機構42は、ウエハWの保持部分が進退自在、X方向に移動自在、鉛直軸周りに回転自在、昇降自在に構成されている。キャリアCにより搬送されるウエハWは、表面側に縦横に配列された複数の集積回路チップが形成されている。
【0050】
第1の処理ブロックS3は、上下に処理ブロックB1、B2が積層された2階建てになっており、例えば1階ブロックB1には、ウエハWに対して、グラインド装置Gにて研削、研磨(バックグラインド)が行われる前の工程を実施するためのモジュールが配置されている。また2階ブロックB2には、ウエハWに対して、バックグラインドが行われた後の工程を実施するためのモジュールが配置されている。1階、2階ブロックB1、B2には、各々搬入出ブロックS1から見て前後方向(Y方向)に伸びる例えばガイドレールからなる搬送路50a、60aに沿って移動自在な主搬送機構50、60を備えている。主搬送機構50、60は、ウエハWの保持部分が進退自在、鉛直軸周りに回転自在、昇降自在に構成されている。
【0051】
中継ブロックS2は、搬入出ブロックS1にてキャリアCから取り出されたウエハWを1階ブロックB1に受け渡し、2階ブロックB2にて処理を終えたウエハWを搬入出ブロックS1の受け渡し機構42に受け渡す役割を持っている。中継ブロックS2は、ウエハWの載置台が上下に複数配置された受け渡し棚43と、受け渡し棚43の各載置台の間でウエハWの移載を行うための昇降自在な第1の移載機構44と、を備えている。受け渡し棚43には、主搬送機構50、60がウエハWの受け渡しを行うことができる高さ位置と、受け渡し機構42がウエハWの受け渡しを行うことができる高さ位置と、においてウエハWの載置台が配置されている。
【0052】
従って処理前のウエハWは受け渡し機構42→受け渡し棚43→第1の移載機構44→受け渡し棚43→1階ブロックB2の主搬送機構50の経路で受け渡され、処理後のウエハWは、2階ブロックB2の主搬送機構60→受け渡し棚43→第1の移載機構44→受け渡し棚43→受け渡し機構42の経路で受け渡される。
1階、2階ブロックB1、B2の各々には、主搬送機構50、60の搬送路51、61の左右両側にウエハWに対して処理を行うためのモジュールが配置されている。1階ブロックB1においては、搬入出ブロックS1から見て右側に、剥離用の硬化剤11を塗布するための塗布部である塗布モジュール51、保護膜用の硬化剤12を塗布するための例えば2台の塗布部である塗布モジュール52、53が設けられている。また左側には、剥離用の硬化剤11を硬化させるための硬化処理部に相当する、紫外線を照射する紫外線モジュール54、第2の実施形態のように保護膜用の硬化剤12を2回塗りするときに1回目に塗布された保護膜用の硬化剤12を硬化させるための硬化処理部に相当する、紫外線を照射する紫外線モジュール55、保護膜用の硬化剤12の表面を押圧すると共に当該硬化剤12を硬化させるための紫外線を照射する、この例では硬化処理部と平坦化処理部を兼用する(詳しくは載置台を共用する)平坦化モジュール56と、が設けられている。
【0053】
2階のブロックB2においては、図23に示すように搬入出ブロックS1から見て右側に、DAFを塗布するための塗布部である塗布モジュール61、ダイシングテープを貼り付けるためのモジュール62、ウエハWの表面を洗浄するための洗浄部である洗浄モジュール63が設けられている。また左側には、DAFを加熱して硬化させるための加熱部である加熱モジュール64、ウエハWに対してESC板15を着脱するための(この場合は取り外すための)モジュール65、ウエハW上の保護膜にレーザー光を照射して保護膜を剥離するための保護膜除去部である保護膜剥離用のモジュール66と、が設けられている。
【0054】
第2の処理ブロックS4は、ウエハWの載置台が上下に複数配置された受渡し棚71と、第2の移載機構72と、ステルスダイシング(SD)モジュール73と、ウエハに対してESC板15を着脱するためのモジュール65とを備えている。受渡し棚71は、ウエハWの載置台が上下に複数配置され、主搬送機構50、60がウエハWの受け渡しを行うことができる高さ位置と、受け渡し機構42がウエハの受け渡しを行うことができる高さ位置と、においてウエハWの載置台が配置されている。第2の移載機構72は、受渡し棚71の各載置台、SDモジュール73、ESC板15を着脱するためのモジュール65、及びグラインド装置Gの間でウエハの移載を行うように、ウエハWの保持部分が進退自在、鉛直軸周りに回転自在、昇降自在に構成されている。
【0055】
各モジュールについて説明する。塗布モジュール51〜53、61としては例えば図24に示す装置を使用することができる。図24中、101は、ウエハWを吸着保持して駆動機構100により回転自在、昇降自在なバキュームチャック、102は、カップモジュール、103は、下方に伸びる外周壁及び内周壁が筒状に形成されたガイド部材である。104は、全周に亘って排気、排液を行うことができるように外カップ105と前記外周壁との間に形成された排出空間であり、排出空間104の下方側は気液分離できる構造になっている。液体供給源107から液体がノズル106を介してウエハWの中心部に供給されると共に、ウエハWを例えば所定の回転数で回転させ、硬化剤やDAFの液体をウエハWの表面に展伸して塗布膜が形成される。
【0056】
これら液体をウエハWに塗布する手法としては、上述のようにいわゆるスピンコーティングに限られるものではなく、例えばウエハWの直径に対応する長さのノズルを用い、当該ノズルをノズルの長さ方向と直交する方向に移動させながら、ウエハWの表面に塗布液を吐出して塗布を行う手法を用いてもよい。
【0057】
紫外線モジュール54、55は、夫々剥離用の硬化剤11を硬化させる波長の紫外線及び保護膜用の硬化剤12を硬化させる波長の紫外線がウエハWに照射されるように構成されている。
平坦化モジュール56は、図25に示すようにウエハを載置するための載置台561と、板状の押圧部材14、例えば石英ガラスの上面を吸着して載置台561上のウエハWの表面を押圧する押圧位置と載置台561から横に離れた待機位置との間で移動させる、進退自在、昇降自在な作動機構562とを備えている。560は吸着部である。載置台561の上方には、ランプハウス563内に配置された、紫外線を照射する機構に相当する紫外線ランプを含む紫外線照射部564が配置されている。565は筐体であり、566は紫外線透過窓である。また載置台561には、図示していないが、主搬送機構50との間でウエハWの受け渡しを行うための3本の昇降ピンが埋没している。紫外線照射部564から照射される紫外線の波長は、保護膜用の硬化剤12を硬化するための波長に設定されている。
【0058】
第2の処理ブロックS4に設けられた、ESC板15を着脱するための搬送用の支持体の取り付け部に相当するモジュール74は、図26に示すように、筐体740内に設けられ、ESC板15を載置するための載置台741と、載置台741の上方に設けられ、複数のESC板15を収納できる棚742と、を備えている。ESC板着脱用のモジュール74は、載置台741の上にウエハW、ESC板15が下からこの順に載置された状態、及び載置台741の上にESC板15、ウエハWが下からこの順に載置された状態のいずれにおいてもESC板15を着脱できるように構成されている。
【0059】
具体的には、ウエハWを例えば第2の移載機構72により載置台741に載置した後、例えば第2の移載機構72により棚742からESC板15を取り出して、載置台741の上方に待機している昇降自在な吸着部(図示せず)に受け渡し、当該吸着部を下降させてESC板15をウエハWに重ねる。次いで図示しない給放電用の機構によりESC板15の上面の給電ポートに直流電圧を印加し、ウエハW上にESC板15が吸着された状態となる。またESC板15がウエハWの下方側に積層される場合には、載置台741に設けた給放電用の機構によりESC板15の下面の給電ポートに対して給電あるいは放電を行うことにより、ESC板15の上に重ねられたウエハWに対して吸着、吸着解除を行うことができる。なお載置台741には、第2の移載機校72に対してウエハWあるいはESC板15の受け渡しができるように、3本の昇降ピンが埋没されている。
【0060】
また2階処理ブロックB2に設けられたESC板着脱用のモジュール65についても同様に構成されており、既述のESC板15の取り付けの逆の動作によりESC板15がウエハWから取り外される。モジュール65にてウエハWから取り外されたESC板15は、例えばウエハWの一のロットの処理を終えた後、他のロットの処理を始めるまでの間にモジュール74に戻して再使用することが好ましい。
【0061】
加熱モジュール64は、例えばヒータにより加熱され、ウエハWが載置される加熱板を備えたモジュールを用いることができる。
ダイシングテープを貼り付けるためのモジュールとしては、公知の装置を使用できるが、このモジュールを半導体基板の処理装置に設けずに装置の外部に設けるようにしてもよい。しかしながら、ウエハWの搬送工程を少なくして高いスループットを得るという観点からは、当該モジュールを処理装置内に設けることが好ましい。
【0062】
保護膜剥離用のモジュール66は、図27に示すように、筐体660内に設けられた、ダイシングテープ22が貼り付けられているウエハWを載置する載置台661を備えている。更にモジュール66は、載置台661上のウエハWの表面に形成されている保護膜の表面(硬化剤12の表面)に吸着する吸着部材662と、吸着部材662を、ウエハWの表面に吸着する位置と保護膜を廃棄するための廃棄容器663の上方位置との間で移動させるための作動機構664と、を備えている。吸着部材662は例えばウエハWと同じ大きさに形成された板状体である。
【0063】
載置台661の上方位置には、剥離用の硬化剤11を既述のように変質させてガスを発生させるためのレーザー光を照射するレーザー光照射部665が設けられている。レーザー光照射部665はウエハWの直径をカバーできる長さに形成されており、当該レーザー光照射部665の長さ方向と直交する方向に移動させてウエハW上をスキャンすることにより、ウエハWの全面にレーザー光を照射できるように構成されている。レーザー光照射部665は、剥離用の硬化剤11を変質する機構である、レーザー光を照射する機構に相当する。
【0064】
2階処理ブロックB2に設けられた洗浄モジュールは、保護膜が剥離された後のウエハWの表面を洗浄するためのものであり、例えばウエハWを反転させた状態、即ち表面側が下向きの状態で、ウエハWの下方に設けられた洗浄液ノズルからウエハWの表面に洗浄液例えば純水を吐出させて当該表面を洗浄するように構成されている。洗浄液ノズルは例えばウエハWの直径に対応する長さに形成されており、当該洗浄液ノズルの長さ方向と直交する方向に移動しながら洗浄液を吐出するように構成されている。更に乾燥用のガスをウエハWの表面に吹き付ける同様のノズルが設けられており、洗浄液による洗浄後にウエハWの表面にガスの吹付けが行われる。
【0065】
このような半導体基板の処理装置を用いて既述の第1の形態の工程を実施する場合には、ウエハWは、塗布モジュール51→紫外線モジュール54→塗布モジュール52→平坦化モジュール56→ESC板着脱用のモジュール74→ステルスダイシング(SD)装置73→ESC板着脱用のモジュール74→グラインド装置G→ESC板着脱用のモジュール74→塗布モジュール61→加熱モジュール64→ダイシングテープ貼り付けモジュール62→ESC板着脱用のモジュール65→保護膜剥離用のモジュール66→洗浄モジュール63→キャリアCの順番で流れていく。洗浄された後のウエハWは外部にて例えばダイシングテープ22の展張が行われて、各ダイに分離される。
【0066】
既述の第2の形態の工程を実施する場合には、ウエハWは、保護膜用の硬化剤の2度塗りが行われるため、塗布モジュール51→紫外線モジュール54→塗布モジュール52→紫外線モジュール55→塗布モジュール53→平坦化モジュール56の順番で流される。続いてウエハWは、グラインド装置G→ESC板着脱用のモジュール74→塗布モジュール61の順で流れ、その後は第1の実施形態の工程の場合と同様に流れる。
【0067】
既述の第3の形態の工程を実施する場合には、ウエハWは、バックグラインドが行われた後、ESC板着脱用のモジュール74にてESC板15が取り付けられるまでは第2の実施形態の工程を実施する場合と同じである。この後、ウエハWはキャリアCに戻されて、図14(g)に示したCMPを行う工程から図15(l)に示したバンプを取り付ける工程までの一連の工程が外部で行われる。しかる後ウエハWは、半導体基板の処理装置に再度搬入され、ステルスダイシング装置73→ダイシングテープ貼り付けモジュール62→ESC板着脱用のモジュール65→保護膜剥離用のモジュール66→洗浄モジュール63→キャリアCの順番で流れていく。
【0068】
図21中、200は制御部であり、ウエハWをモジュール群に対してどの順番で搬送していくかを決める搬送レシピ、及び各モジュールで行われる処理の手順である処理レシピを記憶する記憶部を備えている。また制御部200は、搬入されたキャリアC内のウエハWの種別に応じてウエハの搬送レシピを選択する選択部を備えている。この選択部は、例えば前工程の装置からウエハの種別が送られると、例えばウエハの種別と搬送レシピ及び処理レシピとを対応させた情報を記憶部から読み出して、これらレシピを設定する。搬送レシピ及び処理レシピを含み、半導体基板の処理装置で行われる一連の処理を実行するための命令群を含むソフトウエアは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカードなどの記憶媒体に格納され、制御部200の記憶部に取り込まれる。
【0069】
上述の半導体基板の処理装置によれば、既述の例えば第1〜第3の形態に対応する工程を実施することができるので、既述の効果が得られる。
上述の例において、押圧部材14を保護膜用の硬化剤12に接触させるにあたり、硬化剤12の表面と押圧部材14との間に、離型剤を介在させるように構成してもよい。この場合には、例えば離型剤をミスト状に塗布するための離型剤塗布部である塗布モジュールが設けられる。この塗布モジュールとしては例えば硬化剤12を塗布するモジュールを利用することができ、硬化剤12をウエハWに塗布した後、続いて離型剤をウエハWの上方からミストにより供給し、その後にウエハWを平坦化モジュール56に搬送する例が挙げられる。また離型剤は押圧部材14側に塗布するようにしてもよく、この場合には、事前に離型剤を塗布した押圧部材14が用いられる。あるいは、平坦化モジュール57内の作動機構562のアクセス範囲内に離型剤を押圧部材14に塗布するための機構を設けることができる。
【0070】
硬化剤11、12は、紫外線硬化型の硬化剤に限らずに、光(可視光)硬化型あるいは加熱硬化型の硬化剤を用いることができ、この場合には平坦化モジュール56においては、紫外線を照射する機構に代えて、レーザー光を照射する機構あるいは例えば載置台561を加熱するためのヒータなどの加熱機構が設けられる。
上述の装置においては、保護膜用の硬化剤12を平坦化させるためのモジュールと硬化剤12を硬化させるモジュールとが共用されているが、これらモジュールは、別々のモジュールとして構成してもよい。この場合には、例えば押圧部材14により保護膜用の硬化剤12を押圧して平坦化する平坦化処理部と、平坦化された硬化剤12を硬化させる硬化処理部とが別々のモジュールとして構成されることになる。
また保護膜剥離用のモジュールにおいて、66ウエハWに接している膜、この例では剥離用の硬化剤12を変質させる機構については、硬化剤12が紫外線により変質する場合には、紫外線の照射機構が用いられ、また硬化剤12が加熱により変質する場合には、載置台661を加熱するヒータなどの加熱機構が用いられる。また硬化剤12を変質させる機構としては、保護膜にウエハWから離れる方向に物理的な剥離力を相対的に作用させる機構、例えば保護膜の全面に吸着する吸着部材を引き上げる機構などであってもよい。
【0071】
またウエハWの表面側にレーザー光を照射して剥離用の硬化剤11を変質させるモジュールと保護膜をウエハWから取り除くためのモジュールとについても、共用することに限らず、別々のモジュールとして構成してもよい。これらモジュールを別々のモジュールとして構成した場合、これらモジュールにより保護膜除去部が構成されることになる。
更にまた保護膜除去部は、剥離用の硬化剤11及び保護膜用の硬化剤12を溶剤により除去するように構成してもよく、この場合には表面側が下向きになるようにウエハWを配置し、下方側からウエハWの表面に溶剤を供給する機構を使用することができる。
【0072】
更にまた、第3の形態の工程の一部を半導体基板の処理装置内で行わずに外部で行うようにしているが、必要な装置を半導体基板の処理装置内に組み込んであるいは処理装置に接続して、装置内で、即ちキャリアCから取り出されたウエハWが一連の処理を行った後、キャリアCに戻されるようにしてもよい。
【0073】
次に既述の第4の形態の工程を実施するための半導体基板の処理装置の一例について図28図30を参照しながら説明する。この処理装置が図21等に示した既述の装置と異なる点は、押圧部材14として用いる石英ガラス板を搬送用に支持体として利用できるように平坦化モジュールを構成していること、保護膜をウエハWから剥離するときに押圧部材14と共に保護膜を剥離するように保護膜剥離用のモジュールを構成していること、ESC着脱用のモジュール74、65を用いていないこと、にある。更に保護膜用の硬化剤12として、紫外線を照射したときに押圧部材14に接着した状態で硬化するものを使用している点が図21等に示した装置とことなっている。
【0074】
平坦化モジュール57は、図30に示すように筐体570内に設けられ、ウエハWを載置するための載置台571と、載置台571から横に離れて設けられ、押圧部材14を複数枚収納するための棚572と、載置台571と棚572との間に配置され、押圧部材を移載するための移載機構573と、を備えている。移載機構573は、吸着部574により押圧部材14を吸着保持できるように構成されている。また移載機構573は、棚572から押圧部材14を取り出して載置台571上のウエハWの上に移載して当該ウエハWの表面の硬化剤12を押圧できるように、進退自在、鉛直軸周りに回転自在、昇降自在に構成されている。また平坦化モジュール57は、既述の図25の平坦化モジュール56と同様に紫外線照射部564などを備えている。
【0075】
保護膜剥離用のモジュール57は、図27に示したモジュール56と概ね同様の構成であるが、吸着部材662が押圧部材14の表面に吸着されて押圧部材14と共に硬化剤12をウエハWから除去する(剥離する)ことと、廃棄容器663に代えて押圧部材14を収納する棚を設けることと、が異なる。保護膜剥離用のモジュール57にてウエハWから取り外されて棚に収納された押圧部材14は、例えばウエハWの一のロットの処理を終えた後、他のロットの処理を始めるまでの間に、溶剤により洗浄し、平坦化モジュール57内の棚572に搬送して再使用するようにすることが好ましい。
【0076】
溶剤により洗浄する場合、押圧部材14を例えば主搬送機構60により塗布モジュール61内に搬入して押圧面に溶剤を供給して硬化剤11、12を溶解除去することができる。溶剤を供給するためのモジュールとしては、他の塗布モジュール51〜53であってもよいし、別途設けた専用の塗布モジュールであってもよい。
図28図29に示した装置においてウエハの流れが図21図22に示した装置と異なる点は、ウエハWの表面の保護膜用の硬化剤12を硬化させた後、ウエハWが保護膜剥離用のモジュールに至るまで押圧部材14と共に搬送され、ESC板15の着脱工程が存在しないことにある。
【0077】
本発明に係る半導体基板の処理装置においては、ESC板15や押圧部材14などの搬送用の支持体を用いずに一連のモジュール間を、ウエハW単独で搬送されるように構成してもよい。そして搬送用の支持体を使用できないように(ESC板の着脱用のモジュールを設けないなど)構成してもよいが、搬送用の支持体を用いるモードと用いないモードとを選択できるようにしてもよい。
【0078】
この場合、図21図22に示す装置であれば、ESC板の着脱用のモジュール74、65を使用するモードと使用しないモードとをウエハWの種別などに応じて選択できる選択部を制御部200に持たせることができる。また図28図29に示す装置であれば、保護膜用の硬化剤12として、押圧部材14が接着できるタイプの硬化剤と接着できないタイプの硬化剤とを塗布モジュール52、53あるいは塗布モジュール53だけに用意しておき、これらを制御部200からの制御信号により使い分けるようにしてもよい。この場合には、保護膜剥離用のモジュール67として、図27に示した廃棄容器663を、押圧部材14を収納する棚に加えて設けるようにすればよい。
【0079】
上述の例では、平坦化処理部は、押圧部材14により保護膜用の硬化剤12を平坦化するように構成しているが、硬化剤12が硬化した後に、CMP処理により平坦化してもよく、この場合には、CMPモジュールが用いられる。
【0080】
なお、ウエハWに剥離用の硬化剤11を塗布する前にウエハWの裏面側からいわゆるハーフカットを行う場合には、ハーフカットを行う装置を半導体基板の処理装置内に組み込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
W 半導体ウエハ
10 集積回路チップ
11 剥離用の硬化剤
12 保護膜用の硬化剤
14 押圧部材
15 ESC板
21 ダイシングフレーム
22 ダイシングテープ
31 レーザー光
32 割れ目
33 バンプ
34 接続用の配線
35 絶縁膜
36 バンプ
C キャリア
42 受け渡し機構
43 受け渡し棚
44 第1の移載機校
51〜53、 塗布モジュール
54、55 紫外線モジュール
56 平坦化モジュール
61 塗布モジュール
62 ダイシングテープをウエハに貼り付けるためのモジュール
63 洗浄モジュール
64 加熱モジュール
65 ESC板着脱用のモジュール
66 保護膜剥離用のモジュール
71 受け渡し棚
72 第2の移載機構
73 ステルスダイシング装置
65 ESC板を取り外すためのモジュール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図18
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図20
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図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】