特表-18139403IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月2日
【発行日】2019年11月21日
(54)【発明の名称】エンジン油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 135/18 20060101AFI20191025BHJP
   C10N 20/02 20060101ALN20191025BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20191025BHJP
   C10N 30/08 20060101ALN20191025BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20191025BHJP
【FI】
   C10M135/18
   C10N20:02
   C10N30:06
   C10N30:08
   C10N40:25
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】30
【出願番号】特願2018-564554(P2018-564554)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月22日
(31)【優先権主張番号】特願2017-10505(P2017-10505)
(32)【優先日】2017年1月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(72)【発明者】
【氏名】角 太朗
(72)【発明者】
【氏名】飯野 真史
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BA02A
4H104BA07A
4H104BA08A
4H104BB08A
4H104BB32A
4H104BB33A
4H104BB34A
4H104BB41A
4H104BG10C
4H104CB14A
4H104CD01A
4H104CD04A
4H104CJ02A
4H104CJ10A
4H104DA02A
4H104DA06A
4H104EA02Z
4H104LA03
4H104LA04
4H104LA20
4H104PA41
(57)【要約】
本発明が解決しようとする課題は、低粘度のエンジン油において、高温・低温・低荷重・高荷重などの制約を受けず、良好な摩擦低減効果を発揮する省燃費タイプのエンジン油組成物を提供することにある。本発明は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油、及び下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有することを特徴とするエンジン油組成物である:
【化1】

(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R1〜R4は、すべてが同一の基であることはなく、R1とR2が同一の基である場合、R3とR4が同一の基であることはない。X1〜X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油、及び下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有することを特徴とするエンジン油組成物:
【化1】
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R1〜R4は、すべてが同一の基であることはなく、R1とR2が同一の基である場合、R3とR4が同一の基であることはない。X1〜X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【請求項2】
一般式(1)のR1及びR4が同一の炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R2及びR3がR1及びR4と異なる同一の炭素数4〜18の炭化水素基であることを特徴とする、請求項1に記載のエンジン油組成物。
【請求項3】
一般式(1)のR1〜R4のいずれかが、2−エチルヘキシル基とイソデシル基であるか、または2−エチルヘキシル基とイソトリデシル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエンジン油組成物。
【請求項4】
更に、下記一般式(2)で表されるモリブデン化合物(B)を含有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエンジン油組成物:
【化2】
(式中、R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素数4〜18の炭化水素基を表し、X5〜X8は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【請求項5】
エンジン油組成物中のモリブデン含量が、50〜5,000質量ppmであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエンジン油組成物。
【請求項6】
下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有することを特徴とするエンジン油用添加剤:
【化3】
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R1〜R4は、すべてが同一の基であることはなく、R1とR2が同一の基である場合、R3とR4が同一の基であることはない。X1〜X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【請求項7】
一般式(1)のR1及びR4が同一の炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R2及びR3がR1及びR4と異なる同一の炭素数4〜18の炭化水素基であることを特徴とする、請求項6に記載のエンジン油用添加剤。
【請求項8】
一般式(1)のR1及びR4が2−エチルヘキシル基であり、R2及びR3がイソデシル基であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のエンジン油用添加剤。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれか1項に記載のエンジン油用添加剤を、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油に添加することを特徴とする、エンジン油の摩擦係数を低減させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低粘度のエンジン油に、エンジン油用添加剤として特定のモリブデン化合物を配合した良好な摩擦低減効果を発揮するエンジン油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン油の粘度は、アメリカ自動車技術協会(SAE)の粘度分類で区分されており、「0W−20」「5W−30」等の表記で表される。「W」の前の数字は低温粘度を表しており、数字が小さい程低温でも硬くなりにくく低温始動性に優れることを表している。また、「W」の後ろの数字は、高温粘度を表しており、数字が大きいほど粘度が高く、高温時でもしっかりとした油膜を保つことを表している。これらの表記における一般的な低粘度エンジン油としては、低温粘度が0〜10であり、高温粘度が4〜20であるエンジン油が挙げられる。低温時のエンジン油の粘度が高いと、特に寒冷地においては、粘性抵抗が大きくなることで、エンジンのクランキングができなくなるため、始動性が悪くなる。また、高温時のエンジン油の粘度が高いと、流体抵抗が大きくなることから、燃費が悪くなる。それゆえ、温度に関係なく、エンジン油の低粘度化は、エンジンの始動性を高める、流体潤滑領域における流体抵抗を低減させ、摩擦低減効果を高める等の理由から、更なる低燃費実現の手段として近年注目されている。
【0003】
しかしながら、エンジン油の低粘度化は、エンジン駆動中、混合潤滑および境界潤滑の頻度を増やし、金属同士の接触が増え、結果、摩擦による機械の損傷や劣化、燃費の悪化を招くことが非常に大きな問題として挙げられている。市場からは、これらの問題点を改善する施策、例えばエンジン油用の添加剤の開発等が非常に強く求められている。
潤滑油業界においてよく知られている有機モリブデン化合物に、モリブデンジチオカーバメートがある。モリブデンジチオカーバメートは、エンジン油の摩擦低減効果を高めるエンジン油用添加剤として従来から多くの場面で使用されており、低粘度エンジン油での使用も知られている。例えば、特許文献1には、SAE粘度グレードが0W−20の潤滑油を対象とし、窒素含有無灰性分散剤、金属含有清浄剤、モリブデンジチオカーバメート、リン含有耐摩耗剤、有機酸化防止剤、粘度指数向上を配合することを特徴とする省燃費タイプの潤滑油が開示されている。また、特許文献2には、SAE粘度グレードが0W−20の潤滑油を対象とし、潤滑油基油、過塩基性金属含有清浄剤、モリブデン含有摩擦低減剤としてモリブデンジチオカーバメートを含むことを特徴とする内燃機関用潤滑油組成物が開示されている。更に、特許文献3には、基油、櫛形ポリマー、含窒素有機系の摩擦調整剤、有機金属摩擦調整剤としてモリブデンジチオカルバメート系化合物を含むことを特徴とするエンジン用潤滑剤組成物が開示されており、低粘度エンジン油も対象のエンジン油として挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−12213号公報
【特許文献2】特開2013−133453号公報
【特許文献3】特表2013−536293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献において使用されているモリブデンジチオカーバメートは、高温・高荷重の条件においては摩擦低減効果を示すものの、その効果は十分ではなく、また、低温・低荷重の条件では摩擦低減効果が得られにくいことが問題であった。エンジンの内部は、高温・低温・低荷重・高荷重などの様々な環境が予測されることから、これらの制限を受けない摩擦低減効果の高いエンジン油用添加剤およびエンジン油組成物の開発が求められている。
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、低粘度のエンジン油において、高温・低温・低荷重・高荷重などの制約を受けず、良好な摩擦低減効果を発揮する省燃費タイプのエンジン油組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油、及び下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有することを特徴とするエンジン油組成物である:
【化1】
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R1〜R4は、すべてが同一の基であることはなく、R1とR2が同一の基である場合、R3とR4が同一の基であることはない。X1〜X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果は、低粘度のエンジン油において、高温・低温・低荷重・高荷重などの制約を受けず、良好な摩擦低減効果を発揮する省燃費タイプのエンジン油組成物を提供したことにある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】エンジン油0W−16を用いたMTM試験における温度40℃、荷重10Nでの各回転速度における摩擦係数を示す。
図2】エンジン油0W−16を用いたMTM試験における温度40℃、荷重30Nでの各回転速度における摩擦係数を示す。
図3】エンジン油0W−16を用いたMTM試験における温度40℃、荷重50Nでの各回転速度における摩擦係数を示す。
図4】エンジン油0W−16を用いたMTM試験における回転速度20mm/秒、荷重10Nでの各温度における摩擦係数を示す。
図5】エンジン油0W−12を用いたMTM試験における温度40℃、荷重10Nでの各回転数における摩擦係数を示す。
図6】エンジン油0W−12を用いたMTM試験における温度40℃、荷重30Nでの各回転数における摩擦係数を示す。
図7】エンジン油0W−12を用いたMTM試験における温度40℃、荷重50Nでの各回転数における摩擦係数を示す。
図8】エンジン油0W−12を用いたMTM試験における回転速度20mm/秒、荷重10Nでの各温度における摩擦係数を示す。
図9】エンジン油5W−30を用いたMTM試験における温度40℃、荷重10Nでの各回転数における摩擦係数を示す。
図10】エンジン油5W−30を用いたMTM試験における温度40℃、荷重30Nでの各回転数における摩擦係数を示す。
図11】エンジン油5W−30を用いたMTM試験における温度40℃、荷重50Nでの各回転数における摩擦係数を示す。
図12】エンジン油5W−30を用いたMTM試験における回転速度20mm/秒、荷重10Nでの各温度における摩擦係数を示す。
図13】エンジン油0W−16でのエンジン回転数に対するトルク低減率(%)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のエンジン油組成物は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油、及び下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有することを特徴とするエンジン油組成物である:
【化2】
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R1〜R4は、すべてが同一の基であることはなく、R1とR2が同一の基である場合、R3とR4が同一の基であることはない。X1〜X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【0011】
まず、本発明のエンジン油組成物に添加剤として配合するモリブデン化合物(A)について詳細に示す。一般式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数4〜18の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられ、R1〜R4は、すべてが同一の基であることはなく、R1とR2が同一の基である場合、R3とR4が同一の基であることはない。中でも、本発明の効果が得られ易く、製造が容易であることから、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜15の飽和脂肪族炭化水素基が更に好ましく、炭素数8〜13の飽和脂肪族炭化水素基が更により好ましい。また、本発明の効果がより顕著に得られることから、R1〜R4のいずれかが、炭素数8と10の飽和脂肪族炭化水素基である若しくは炭素数8と13の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、R1〜R4のいずれかが、2−エチルヘキシル基とイソデシル基である若しくは2−エチルヘキシル基とイソトリデシル基であることが最も好ましい。
【0012】
一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)としては、以下の化合物が挙げられる:
i)R1〜R4が4種の基から構成されている場合
1≠R2≠R3≠R4であるモリブデン化合物(A−I)
ii)R1〜R4が3種の基から構成されている場合
1=R2でありR1≠R3≠R4であるモリブデン化合物(A−II)
1=R4でありR1≠R2≠R3であるモリブデン化合物(A−III)
iii)R1〜R4が2種の基から構成されている場合
1=R2=R4でありR1≠R3であるモリブデン化合物(A−IV)
1≠R2でありR1=R4でありR2=R3であるモリブデン化合物(A−V)
【0013】
これらモリブデン化合物(A−I)〜(A−V)は、本発明のモリブデン化合物(A)として共に使用しても良く、単独で用いても良い。これらの中でも、本発明の効果が得られやすいことから、R1〜R4が2種の基から構成されているモリブデン化合物を本発明のモリブデン化合物(A)として含むことが好ましく、上記のモリブデン化合物(A−IV)及び/又はモリブデン化合物(A−V)を本発明のモリブデン化合物(A)として含むことがより好ましく、モリブデン化合物(A−V)を本発明のモリブデン化合物(A)として単独で使用することが最も好ましい。尚、上記のモリブデン化合物(A−I)〜(A−V)を本発明のモリブデン化合物(A)として併用する場合のモリブデン化合物(A−I)〜(A−V)の混合率については、制限されない。
【0014】
一般式(1)において、X1〜X4は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。中でも、本発明の効果が得られ易いことから、X1及びX2が硫黄原子であることが好ましく、X1及びX2が硫黄原子であり、X3及びX4が酸素原子であることがより好ましい。
【0015】
また、本発明で使用する一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)の製造方法は、公知の製造方法であれば特に制限はない。例えば、特開昭62−81396号公報に記載された方法で製造することができる。つまり、三酸化モリブデン又はモリブデン酸塩と、硫化アルカリ又は水硫化アルカリを反応させ、次いで二硫化炭素と二級アミンを加えて適当な温度で反応させることにより得ることができる。本発明で使用するモリブデン化合物(A)を製造にするには、上記の工程において、異なる炭化水素基を有する二級アミンか、二種以上の異なる二級アミンを用いればよい。その他、特開平8−217782号公報、特開平10−17586号公報等に記載の製造方法等を用いても製造することができ、これら先願の技術内容は、適宜取り込まれ本明細書の一部とする。
【0016】
本発明のエンジン油組成物に使用されるエンジン油は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油であり、添加されている添加剤の種類や量に関して制限はないが、入手が容易であることから、基油と、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤及び耐摩耗剤からなる群から選択される1種又は2種以上を配合することによって調整されたエンジン油であることが好ましい。なお、本明細書において、「SAE粘度グレード」は、米国自動車技術者協会によって定められた粘度規格をさす。表記方法としては、例えば、「0W−16」、「0W−20」等で表され、冬季用(Winter)を意味する「W」の前の数字は低温粘度を表しており、数字が小さい程低温でも硬くなりにくく低温始動性に優れ、「W」の後ろの数字は、高温粘度を表しており、数字が大きいほど粘度が高く、高温時でもしっかりとした油膜を保つことを表している。このようなエンジン油としては、SAE粘度グレードが上記範囲である市販の基油またはエンジン油を用いてもよく、また、市販の基油に、SAE粘度グレードが上記範囲となる範囲内で酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤及び耐摩耗剤からなる群から選択される1種又は2種以上を配合したエンジン油を用いてもよい。
【0017】
低温粘度は、低温始動性の目安となるCCS(コールドクランキングシュミレーター)粘度と呼ばれるエンジンオイルの低温クランキング粘度(ピストンが上下する粘度)と、ポンピング粘度と呼ばれる規定された温度でオイルパンからポンピングできる限界粘度の値によって0〜25のグレードに分けられており、本発明で使用されるエンジン油の低温粘度は0〜10のグレード、中でも、本発明の効果が得られやすいことから、0〜5のグレードであることが好ましい。
【0018】
また、高温粘度は、100℃での動粘度(cSt)の値によって4〜60のグレードに分けられており、本発明に使用されるエンジン油の高温粘度は4〜20のグレード、中でも、本発明の効果が得られやすいことから、8〜20のグレードであることが好ましく、8〜16のグレードであることがより好ましく、12〜16のグレードであることが更に好ましい。
【0019】
本発明に使用されるエンジン油を構成する基油は、特に制限はされるものではなく、使用目的や条件に応じて適宜、鉱物基油、化学合成基油、動植物基油及びこれらの混合基油等から選択することができる。ここで、鉱物基油としては、例えば、パラフィン基系原油、ナフテン基系原油又は中間基系原油を常圧蒸留するか、或いは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油又はこれらを常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油及び白土処理油等が挙げられる。
【0020】
化学合成基油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン及びGTL基油等が挙げられ、これらの中でも、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル及びポリオールエステル等は汎用的に使用することができ、ポリ−α−オレフィンとしては例えば、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン及び1−テトラデセン等をポリマー化又はオリゴマー化したもの、或いはこれらを水素化したもの等が挙げられ、ジエステルとしては例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等の2塩基酸と、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール及びトリデカノール等のアルコールのジエステル等が挙げられ、ポリオールエステルとしては例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等のポリオールと、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等の脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
【0021】
動植物基油としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、綿実油及びヤシ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
【0022】
上記に挙げたこれらの各種基油は、1種を用いてもよく、2種以上を適宜組み合せて用いてもよい。また、本発明の効果が得られやすいことから、鉱物基油及び化学合成基油を使用することが好ましく、鉱物基油を使用することがより好ましい。
【0023】
本発明に使用されるエンジン油に配合されうる酸化防止剤としては、特に制限はなく、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(以下、tert−ブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4 −エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2− メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6− ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3, 5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t −ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5− ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6− t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5− t−ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3− ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル−ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t− ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3− (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4− ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t− ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘプチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ノニル−3−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、[3,5−ビス(1,1−ジメチル-エチル)−4−ヒドロキシ]ベンゼンプロピオン酸C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4,8−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジイルビス(2−メチルプロパン−2,1−ジイル)ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−リン酸ジエステル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)サルファイド、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2 −メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシチレン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアルキルエステル、及びビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等のフェノール系酸化防止剤;1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−1,1,3,3−テトラメチルブチルナフタレン−1−アミン、アルキルフェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、及びフェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N’−ジイソプロピル− p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p− フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、及びフェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、ジアルキルフェニルアミン、ビス(4−n−ブチルフェニル)アミン、ビス(4−t−ブチルフェニル)アミン、ビス(4−n−ペンチルフェニル)アミン、ビス(4−t−ペンチルフェニル)アミン、ビス(4−n−オクチルフェニル)アミン、ビス(4−(2−エチルヘキシル)フェニル)アミン、ビス(4−ノニルフェニル)アミン、ビス(4−デシルフェニル)アミン、ビス(4−ドデシルフェニル)アミン、ビス(4−スチリルフェニル)アミン、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン、及びN−フェニルベンゼンアミンと2,2,4−トリメチルペンテンの反応生成物等のジフェニルアミン系酸化防止剤; フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、及びフェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤等が挙げられる。中でも、酸化防止剤としての機能が優れることから、上記のフェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤を併用して使用することが好ましい。これら酸化防止剤を配合する場合、その配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.01〜5質量%であり 、本発明の効果が得られやすいことから、より好ましくは0 .05〜4質量%である。
【0024】
本発明に使用されるエンジン油に配合されうる清浄剤としては、特に制限はなく、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ホウ素変性カルシウム等のスルフォネート、フェネート、サリシレート、フォスフェート、及びこれらの過塩基性塩等が挙げられる。これらの中でも、清浄剤としての機能が優れていることから、過塩基性塩が好ましく、過塩基性塩の中でもTBN(トータルベーシックナンバー) が10〜500mgKOH/gのものがより好ましい。これらの清浄剤を配合する場合、その配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.5〜10質量%であり、本発明の効果が得られやすいことから、より好ましくは1〜8質量%である。
【0025】
本発明に使用されるエンジン油に配合されうる分散剤としては、特に制限はなく、例えば、炭素数40〜400の直鎖、若しくは分枝状のアルキル基、又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物、又はその誘導体等が挙げられる。具体的には、コハク酸イミド、コハク酸アミド、コハク酸エステル、コハク酸エステル−アミド、ベンジルアミン、ポリアミン、ポリコハク酸イミド及びマンニッヒ塩基等が挙げられ、その誘導体としては、これら含窒素化合物にホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物、チオリン酸、チオリン酸塩等のリン化合物、有機酸、及びヒドロキシポリオキシアルキレンカーボネート等を作用させたもの等が挙げられる。アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物のエンジン油基油に対する溶解性が低下する場合があり、一方、アルキル基、又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、エンジン油組成物の低温流動性が悪化する場合がある。これらの分散剤を使用する場合、その配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.5〜10質量%であり、本発明の効果が得られやすいことから、より好ましくは1〜8質量%である。
【0026】
本発明に使用されるエンジン油に配合されうる粘度指数向上剤としては、特に制限はなく、例えば、ポリ(C1〜18)アルキルメタクリレート、(C1〜18)アルキルアクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、ジメチルアミノエチルメタクリレート/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/(C1〜18)アルキルメタクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体、ポリビニルアセテート、オレフィンコポリマー(OCP)、及びスターポリマー等が挙げられる。或いは、分散性能を付与した分散型、若しくは多機能型粘度指数向上剤を用いてもよい。重量平均分子量は10,000〜1,500,000であり、粘度指数向上剤としての機能が優れていることから、好ましくは20,000〜500,000程度である。これらの粘度指数向上剤を配合する場合、その配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.1〜20質量%であり、本発明の効果が得られやすいことから、より好ましくは0.3〜15質量%である。
【0027】
本発明に使用されるエンジン油に配合されうる耐摩耗剤としては、特に制限はなく、例えば、硫化油脂、オレフィンポリスルフィド、硫化オレフィン、ジベンジルスルフィド、エチル−3−[[ビス(1−メチルエトキシ)フォスフィノチオイル]チオ]プロピオネート、トリス−[(2、又は4)−イソアルキルフェノール]チオフォスフェート、3−(ジ−イソブトキシ−チオホスホリルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸、トリフェニルフォスフォロチオネート、β−ジチオホスフォリル化プロピオン酸、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメイト)、O,O−ジイソプロピル−ジチオフォスフォリルエチルプロピオネート、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブタンチオ)1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール等の硫黄系添加剤;モノオクチルフォスフェート、ジオクチルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、モノイソプロピルフェニルフォスフェート、ジイソプロピルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフェニルフォスフェート、モノターシャリーブチルフェニルフォスフェート、ジ−tert−ブチルフェニルフォスフェート、トリ−tert−ブチルフェニルフォスフェート、トリフェニルチオフォスフェート、モノオクチルフォスファイト、ジオクチルフォスファイト、トリオクチルフォスファイト、モノブチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、モノフェニルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、モノイソプロピルフェニルフォスファイト、ジイソプロピルフェニルフォスファイト、トリイソプロピルフェニルフォスファイト、モノ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、ジ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、及びトリ−tert−ブチルフェニルフォスファイト、一般式(3)で表されるリン系化合物等のリン系化合物;ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオリン酸金属塩(Sb,Mo等)、ジチオカルバミン酸金属塩(Zn,Sb等)、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属塩、リン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、及び亜リン酸エステル金属塩等の有機金属化合物;2,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールアルキルポリカルボキシレート、3,5−ビス(n−ヘキシルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,6−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、3,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,4−チアジアゾール、4,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(n−ノニルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、4,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルジチオ)−1,2,3−チアジアゾール、5,5−ジチオビス(1,3,4−チアジアゾール−2(3H)−チオン)ジメルカプトチアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、アルキルジメルカプトチアジアゾール等のチアジアゾール化合物及びその誘導体;その他、ホウ素化合物、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、リン酸エステルアミン塩、及びトリフェニルチオリン酸エステルとtert−ブチルフェニル誘導体の混合物等が挙げられる。
【0028】
【化3】
(式中、Qは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基を表し、nは、1〜10の数を表し、R7〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0029】
これらの中でも、耐摩耗剤としての機能が優れていることから、有機金属化合物が好ましく、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が最も好ましい。これらの耐摩耗剤を配合する場合、その配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.01〜5質量%であり、本発明の効果が得られやすいことから、より好ましくは0.05〜3質量%である。
【0030】
更に、本発明のエンジン油組成物は、モリブデン化合物(A)の他に、下記一般式(2)で表されるモリブデン化合物(B)を含有することができる:
【化4】
(式中、R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素数4〜18の炭化水素基を表し、X5〜X8は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【0031】
一般式(2)において、R5及びR6は、炭素数4〜18の炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられ、R5及びR6は、同一の基であっても異なる基であってもよい。中でも、本発明の効果が得られ易く、製造が容易であることから、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜15の飽和脂肪族炭化水素基が更に好ましく、炭素数8〜13の飽和脂肪族炭化水素基が更により好ましく、炭素数8の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数13の飽和脂肪族炭化水素基のいずれかであることが最も好ましい。なお、一般式(2)で表されるモリブデン化合物(B)は、一種類のモリブデン化合物(B)を配合しても良く、異なる二種以上のモリブデン化合物(B)を併用して配合しても良い。
【0032】
一般式(2)において、X5〜X8は、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。中でも、本発明の効果が得られ易いことから、X5及びX6が硫黄原子であることが好ましく、X5及びX6が硫黄原子でありX7及びX8が酸素原子であることがより好ましい。
【0033】
なお、本発明で使用する一般式(2)で表されるモリブデン化合物(B)の製造方法は、公知の製造方法であれば特に制限はない。例えば、特開昭62−81396号公報、特開平8−217782号公報、特開平10−17586号公報等に記載の製造方法等を用いて製造することができ、これら先願の技術内容は、適宜取り込まれ本明細書の一部とする。
【0034】
本発明のエンジン油組成物中のモリブデン含量は、特に制限はないが、本発明の効果が得られやすいことから、50〜5,000質量ppmであることが好ましく、80〜4,000質量ppmであることがより好ましく、100〜2,000質量ppmであることが更に好ましく、100〜1,500質量ppmであることが更により好ましく、400〜1500質量ppmであることが更により好ましく、500〜1,500質量ppmであることが更により好ましく、500〜1,000質量ppmであることが最も好ましい。50質量ppm未満であると摩擦低減効果が見られない場合があり、5,000質量ppmより多いと添加量に見合った摩擦低減効果が得られず、また、エンジン油への溶解性が著しく低下する場合がある。なお、本発明のエンジン油組成物中のモリブデン含量は、前述したモリブデン化合物(A)及びモリブデン化合物(B)由来のモリブデンである。また、本発明のエンジン油組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、前述したモリブデン化合物(A)及びモリブデン化合物(B)以外の化合物に由来するモリブデンを含有していてもよい。
【0035】
本発明のエンジン油組成物は、モリブデン化合物(A)、モリブデン化合物(B)をどのような割合で配合しても良いが、本発明の効果が得られやすいことから、以下の質量比で配合することが好ましい。すなわち、モリブデン化合物(A)のモリブデンとモリブデン化合物(B)のモリブデンの質量比が、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=100:0〜20:80で配合することが好ましく、中でも、本発明の効果が得られやすいことから、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=100:0〜40:60であることがより好ましく、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=100:0〜60:40であることが更に好ましい。なお、モリブデン化合物(A)を全く含まないと、本発明の効果は得られず、モリブデン化合物(A)が、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=20:80より少ない割合で配合されると、良好な摩擦低減効果が得られない場合がある。また、モリブデン化合物(B)は、配合しなくても本発明の効果は得られるが、配合する場合は、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=20:80より多い割合で配合すると、本発明の効果が得られにくくなる場合がある。
【0036】
本発明のエンジン油組成物は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油に、モリブデン化合物(A)やモリブデン化合物(B)をエンジン油用添加剤として配合したエンジン油組成物であり、上述の通り当該エンジン油は、基油と、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤及び耐摩耗剤の群から選択される1種又は2種以上を含むエンジン油であることが好ましいが、モリブデン化合物(A)やモリブデン化合物(B)を添加する時の形態は特に制限はなく、基油と、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤及び耐摩耗剤からなる群から選択される1種又は2種以上を含むエンジン油を製造した後に、モリブデン化合物(A)やモリブデン化合物(B)を後添加することによって本発明のエンジン油組成物を製造しても良く、基油に、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤及び耐摩耗剤の群から選択される1種又は2種以上を配合する際に、一緒にモリブデン化合物(A)やモリブデン化合物(B)を添加剤として配合し、本発明のエンジン油組成物を製造しても良い。
【0037】
本発明のエンジン油組成物は、基油と、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、粘度指数向上剤及び耐摩耗剤からなる群から選択される1種又は2種以上の任意成分、上記モリブデン化合物(A)やモリブデン化合物(B)以外に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の公知のエンジン油添加剤を使用目的に応じて適宜使用することが可能であり、例えば、摩擦調整剤、防錆剤、腐食防止剤、金属不活性化剤及び消泡剤等が挙げられる。これらのその他のエンジン油添加剤を配合する場合、1種又は2種以上の化合物を使用することができ、エンジン油組成物全量に対して合計量として0.005〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%含有することが出来る。
【0038】
摩擦調整剤としてはエンジン油組成物に用いられる任意の摩擦調整剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、及びラウリルアルコール等の高級アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸、及びラウリン酸等の脂肪酸類;オレイン酸グリセリルエステル、ステアリン酸グリセリルエステル、ラウリン酸グリセリルエステル、アルキルグリセリルエステル、アルケニルグリセリルエステル、アルキニルグリセリルエステル、エチレングリコールオレイン酸エステル、エチレングリコールステアリン酸エステル、エチレングリコールラウリン酸エステル、プロピレングリコールオレイン酸エステル、プロピレングリコールステアリン酸エステル、及びプロピレングリコールラウリン酸エステル等のエステル類;オレイルアミド、ステアリルアミド、ラウリルアミド、アルキルアミド、アルケニルアミド、及びアルキニルアミド等のアミド類;オレイルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、アルキルアミン、アルケニルアミン、アルキニルアミン、ココビス(2-ヒドロキシエチル)アミン、牛脂ビス(2-ヒドロキシエチル)アミン、N−(2−ヒドロキシヘキサデシル)ジエタノールアミン、及びジメチル牛脂三級アミン等のアミン類;オレイルグリセリルエーテル、ステアリルグリセリルエーテル、ラウリルグリセリルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、アルケニルグリセリルエーテル、及びアルキニルグリセリルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これら摩擦調整剤を配合する場合、その好ましい配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
【0039】
防錆剤としては、エンジン油組成物に用いられる任意の防錆剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、亜硝酸ナトリウム、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルカリ土類アミン塩、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル(アルケニル基の分子量は100〜300程度)、ソルビタンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、及びラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。これらの防錆剤を配合する場合、その好ましい配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
【0040】
腐食防止剤、金属不活性化剤としては、エンジン油組成物に用いられる任意の腐食防止剤、金属不活性化剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、トリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、又はこれら化合物の誘導体である、2−ヒドロキシ−N−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ベンズアミド、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、及び2,2’−[[(4、又は5、又は1)−(2−エチルヘキシル)−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−メチル]イミノ]ビスエタノール等が挙げられ、他にもビス(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、テトラアルキルチウラムジサルファイド、N’1,N’12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジハイドラジド、3−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)−N’−(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロパノイル)プロパンハイドラジド、テトラプロぺニルコハク酸と1,2−プロパンジオールのエステル化物、ジソディウムセバケート、(4−ノニルフェノキシ)酢酸、モノ及びジヘキシルフォスフェートのアルキルアミン塩、トリルトリアゾールのナトリウム塩、及び(Z)−N−メチルN−(1−オキソ9−オクタデセニル)グリシン等が挙げられる。これら腐食防止剤、金属不活性化剤を配合する場合、それらの好ましい配合量は、エンジン油組成物全量に対してそれぞれ0.01〜3質量%、より好ましくは0.02〜2質量%である。
【0041】
消泡剤としては、エンジン油組成物に用いられる任意の消泡剤であれば特に制限なく用いることができるが、例えば、ポリジメチルシリコーン、ジメチルシリコーンオイル、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、及びソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの消泡剤を配合する場合、その好ましい配合量は、エンジン油組成物全量に対して0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.01質量%である。
【0042】
本発明のエンジン油組成物は、自動車やオートバイ等のガソリンエンジン油、若しくはディーゼルエンジン油等の用途で使用することが出来、中でも、本発明の効果が最も求められ、その効果が得られやすい、ガソリンエンジン油用途に使用することが好ましい。なお、本発明のエンジン油組成物は、低温・高温・低荷重・高荷重などのエンジン内部の環境による制限を受けない。
【0043】
本発明のエンジン油用添加剤は、一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有するエンジン油用添加剤である。本発明のエンジン油用添加剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、一般式(2)で表されるモリブデン化合物(B)を含有してしても良いが、摩擦低減効果の観点から、モリブデン化合物(A)のモリブデンとモリブデン化合物(B)のモリブデンの質量比が、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=100:0〜20:80で配合することが好ましく、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=100:0〜40:60であることがより好ましく、モリブデン化合物(A)のモリブデン:モリブデン化合物(B)のモリブデン=100:0〜60:40であることが更に好ましく、モリブデン化合物(A)のみからなることが最も好ましい。
【0044】
本発明のエンジン油用添加剤は、自動車やオートバイ等のガソリンエンジン油、若しくはディーゼルエンジン油等への添加剤として使用することが出来、中でも、本発明の効果が最も求められ、その効果が得られやすい、ガソリンエンジン油用に使用することが好ましい。なお、本発明のエンジン油用添加剤は、低温・高温・低荷重・高荷重などのエンジン内部の環境による制約を受けずに摩耗低減効果を発揮する。
【0045】
また、本発明のエンジン油用添加剤は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油に添加することで、低温・高温・低荷重・高荷重などのエンジン内部の環境による制約を受けずにエンジン油の摩擦係数を低減させることができる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、以下の実施例等において、「%」は特に記載が無い限り質量基準である。
【0047】
<実施例及び比較例で使用するモリブデン化合物>
モリブデン化合物(A)−1:一般式(1)において、R1=R4=C817、R2=R3=C1327、X1及びX2=S、X3及びX4=O
モリブデン化合物(A)−2:一般式(1)において、R1=R4=C817、R2=R3=C1021、X1及びX2=S、X3及びX4=O
モリブデン化合物(B)−1:一般式(2)において、R5=R6=C817、X1及びX2=S、X3及びX4=O
モリブデン化合物(B)−2:一般式(2)において、R5=R6=C1327、X1及びX2=S、X3及びX4=O
モリブデン化合物(B)−3:一般式(2)において、R5=C817、R6=C1327、1及びX2=S、X3及びX4=O
上記に示したモリブデン化合物(A)とモリブデン化合物(B)のうち、実施例及び比較例において使用するモリブデン化合物は以下の通りである:
実施例に使用するモリブデン化合物
・モリブデン化合物(A)−1
・モリブデン化合物(A)−2
比較例に使用するモリブデン化合物
・モリブデン化合物(B)−1
・モリブデン化合物(B)’:モリブデン化合物(B)−1、モリブデン化合物(B)−2、モリブデン化合物(B)−3の混合物
【0048】
<実施例及び比較例で使用するエンジン油>
・40℃での動粘度が32.1mm2/秒であり、100℃での動粘度が7.1mm2/秒であり、VIが191であり、150℃でのHTHS粘度が2.4mPa・秒であるエンジン油0W−16(トヨタ自動車株式会社製、Castle0W−16)
・40℃での動粘度が26.1mm2/秒であり、100℃での動粘度が5.9mm2/秒であり、VIが182であり、150℃でのHTHS粘度が2.1mPa・秒であるエンジン油0W−12
・40℃での動粘度が60.2mm2/秒であり、100℃での動粘度が10.5mm2/秒であり、VIが165であり、150℃でのHTHS粘度が3.1mPa・秒であるエンジン油5W−30(トヨタ自動車株式会社製、SN−GF5 Castle5W−30)
【0049】
<実施例1〜3及び比較例1〜4>
上記に示したモリブデン化合物とエンジン油を使用し、エンジン油組成物1〜7(実施例1〜3及び比較例1〜4)を調製した。なお、表1中の数字は、エンジン油組成物中のモリブデン化合物(A)またはモリブデン化合物(B)由来のモリブデン含量(ppm)を示しており、各サンプルは各エンジン油にモリブデン化合物を加熱溶解させ、常温に戻し、エンジン油組成物1〜7としたものである。
【0050】
【表1】
【0051】
<潤滑特性評価(I)>
上記のエンジン油組成物を用いて、潤滑特性の評価(I)を行った。試験は、MTM機(メーカー名:PSC Instruments社製、型式:MTM2)を用いて摩擦係数の測定を行った。なお、摩擦係数は数字が小さいほど摩擦低減効果が優れていることを示す。また、下記に示す摩擦係数の測定は、測定条件に応じて、各荷重、各温度にて、すべり率(SRR)50%、2時間の慣らし運転を行った後、本試験を実施した。
【0052】
・エンジン油0W−16での評価
まず、エンジン油0W−16を使用して、すべり率(SRR)50%、40℃での試験を実施した。荷重10N、30N、50Nにて評価を行い、得られた結果を図1(荷重:10N)、図2(荷重:30N)、図3(荷重:50N)に示す。横軸は回転速度(mm/秒)、縦軸は摩擦係数を表している。なお、回転速度が10〜100mm/秒付近の結果が混合/境界潤滑領域における評価結果となり、それ以上の回転速度においては流体潤滑領域における評価結果となる。そのため、低粘度のエンジン油組成物およびエンジン油用添加剤の性能評価において特に重要視すべきは回転速度が10〜100mm/秒付近での摩擦係数となり、今回は、回転速度20mm/秒における摩擦係数を比較することで本発明の効果を確認した。表2には荷重10N、荷重30N、荷重50Nにおける回転速度20mm/秒での摩擦係数を示している。
【0053】
【表2】
【0054】
上記結果から、本発明のエンジン油組成物は、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’のみが配合されたエンジン油組成物(比較例1)と比較し、優れた摩擦低減効果を示し、荷重の影響を受けないことがわかった。これは、低粘度のエンジン油における実用上の課題に対し、モリブデン化合物(A)−1およびモリブデン化合物(A)−2がそれぞれエンジン油の摩擦係数を低減し、よって良好な摩擦低減効果を発揮する省燃費タイプのエンジン油組成物が得られたことを示している。
【0055】
上記結果により、本発明のエンジン油組成物は、荷重の影響を受けることなく、摩擦低減効果が得られることが分かったので、次に、温度の影響を調べた。エンジン油0W−16を使用して、回転速度20mm/秒、荷重10Nでの試験結果を図4に示す。横軸は温度(℃)、縦軸は摩擦係数を表している。なお、図4を数値で表したものが表3となる。
【0056】
【表3】
【0057】
上記結果から、本発明のエンジン油組成物は、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’が配合されたエンジン油組成物(比較例1)と比較し、優れた摩擦低減効果を示し、温度の影響も受けないことがわかった。よって、エンジン油0W−16を用いて製造された本発明のエンジン油組成物は、従来エンジン油0W−16が用いられている用途において、より摩擦低減効果の高いエンジン油組成物として用いることができる。
【0058】
・エンジン油0W−12での評価
続いて、エンジン油0W−12を使用して、すべり率(SRR)50%、60℃での試験を実施した。荷重10N、30N、50Nにて評価を行い、得られた結果を図5(荷重:10N)、図6(荷重:30N)、図7(荷重:50N)に示す。横軸は回転速度(mm/秒)、縦軸は摩擦係数を表している。なお、0W−16での評価同様に、回転速度20mm/秒における摩擦係数を比較することで本発明の効果を確認した。なお、表4には荷重10N、荷重30N、荷重50Nにおける回転速度20mm/秒での摩擦係数を示した。
【0059】
【表4】
【0060】
上記結果から、本発明のエンジン油組成物は、エンジン油0W−12を使用した場合も、エンジン油0W−16を使用した時と同様に、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’のみが配合されたエンジン油組成物(比較例2)と比較し、優れた摩擦低減効果を示し、荷重の影響を受けないことがわかった。
【0061】
エンジン油0W−16を使用した時と同様に上記の実験により、本発明のエンジン油組成物は、エンジン油0W−12を使用した場合も、荷重の影響を受けることなく、摩擦低減効果が得られることが分かったので、次に、温度の影響を調べた。エンジン油0W−12を使用して、回転速度20mm/秒、荷重10Nでの試験結果を図8に示す。横軸は温度(℃)、縦軸は摩擦係数を表している。なお、図8を数値で表したものが表5となる。
【0062】
【表5】
【0063】
上記結果から、エンジン油0W−16を使用した時と同様に、本発明のエンジン油組成物は、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’が配合されたエンジン油組成物(比較例2)と比較し、優れた摩擦低減効果を示し、温度の影響も受けないことがわかった。よって、エンジン油0W−12を用いて製造された本発明のエンジン油組成物は、従来エンジン油0W−12を用いられている用途において、より摩擦低減効果の高いエンジン油組成物として用いることができる。
【0064】
・エンジン油5W−30での評価
更に、エンジン油5W−30を使用し、すべり率(SRR)50%、40℃での試験を実施した。荷重10N、30N、50Nにて評価を行い、得られた結果を図9(荷重:10N)、図10(荷重:30N)、図11(荷重:50N)に示す。横軸は回転速度(mm/秒)、縦軸は摩擦係数を表している。なお、上記評価と同様に、回転速度20mm/秒における摩擦係数を比較することで本発明の効果を確認した。表6には荷重10N、荷重30N、荷重50Nにおける回転速度20mm/秒での摩擦係数を示した。
【0065】
【表6】
【0066】
上記結果から、本発明の範囲外であるエンジン油5W−30での評価において、モリブデン化合物(A)−1を配合したエンジン油組成物は、どの荷重での評価であっても、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’のみが配合されたエンジン油組成物と同等の性能しか示さないことがわかった。
【0067】
続いて、エンジン油0W−16、0W−12と同様に、温度の影響についても評価した。エンジン油5W−30を使用して、回転速度20mm/秒、荷重10Nでの試験結果を図12に示す。横軸は温度(℃)、縦軸は摩擦係数を表している。なお、図12を数値で表したものが表7となる。
【0068】
【表7】
【0069】
上記結果から、本発明の範囲外であるエンジン油5W−30での評価において、モリブデン化合物(A)−1を配合したエンジン油組成物は、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’のみが配合されたエンジン油組成物とほぼ同等の性能しか示さないことがわかる。
【0070】
<潤滑特性評価(II)>
更に、表1に記載のエンジン油組成物を用いて、潤滑特性評価(II)を行った。試験は、試験用エンジン[トヨタ自動車株式会社製2ZR−FE(直列4気筒1.8L)]を用いてトルクの測定を行った。なお、評価はモリブデン化合物を含まないエンジン油のみの測定結果をベースとし、それに対するトルク減少率(%)を比較することにより行なった。トルク減少率(%)が大きいほど摩擦低減効果が優れていることを示す。
【0071】
・エンジン油 0W−16での評価
エンジン油0W−16を使用し、試験を実施した。試験温度は80℃であり、各回転数でのトルク値を測定した結果を図13に示す。横軸はエンジン回転数(rpm)、縦軸はモリブデン化合物を含まないエンジン油のみの測定値をベースとしたトルク減少率(%)を表している。なお、エンジンが低回転数のところでのトルク減少率(%)が、潤滑条件が厳しい領域における評価結果となることから、回転数が700rpmのところでのトルク減少率(%)を比較することで本発明の効果を確認した。表8にその数値を示した。
【0072】
【表8】
【0073】
上記結果から、本発明のエンジン油組成物は、トルク試験においても、従来使用されてきたモリブデン化合物(B)’のみが配合されたエンジン油組成物(比較例1)と比較し、優れた摩擦低減効果を示すことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明のエンジン油組成物は、低粘度のエンジン油において、高温・低温・低荷重・高荷重などの制約を受けず、良好な摩擦低減効果を発揮する省燃費タイプのエンジン油組成物と言える。また、本発明のエンジン油用添加剤は、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油に添加することで、高温・低温・低荷重・高荷重などの環境的制約を受けずに摩擦係数を低減させるエンジン油用添加剤であると言える。エンジン内部の環境に左右されないエンジン油およびエンジン油用添加剤の開発は、市場からも要求が大きく、様々な車両での使用が期待できるため、本発明の有用性は非常に高い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13

【手続補正書】
【提出日】2018年5月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油、及び下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有することを特徴とするエンジン油組成物:
【化1】
(式中、R及びRが同一の炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R及びRがR及びRと異なる同一の炭素数4〜18の炭化水素基であり、R〜Rのいずれかが、2−エチルヘキシル基とイソデシル基であるか、または2−エチルヘキシル基とイソトリデシル基である。X〜Xは、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
更に、下記一般式(2)で表されるモリブデン化合物(B)を含有することを特徴とする、請求項1に記載のエンジン油組成物:
【化2】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数4〜18の炭化水素基を表し、X〜Xは、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【請求項5】
エンジン油組成物中のモリブデン含量が、50〜5,000質量ppmであることを特徴とする、請求項1または4に記載のエンジン油組成物。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
下記一般式(1)で表されるモリブデン化合物(A)を含有するエンジン油用添加剤を、低温粘度がSAE粘度グレードにおいて0〜10であり、高温粘度がSAE粘度グレードにおいて4〜20であるエンジン油に添加することを特徴とする、エンジン油の摩擦係数を低減させる方法:
【化3】
(式中、R及びRが同一の炭素数4〜18の炭化水素基を表し、R及びRがR及びRと異なる同一の炭素数4〜18の炭化水素基であり、R〜Rのいずれかが、2−エチルヘキシル基とイソデシル基であるか、または2−エチルヘキシル基とイソトリデシル基である。X〜Xは、それぞれ独立して硫黄原子又は酸素原子を表す。)
【国際調査報告】