特表-18139642IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月2日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】樹脂材料及び積層体
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20191018BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20191018BHJP
   C08K 3/38 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   C08L101/00
   B32B27/18 Z
   C08K3/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
【出願番号】特願2018-506235(P2018-506235)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2017-14015(P2017-14015)
(32)【優先日】2017年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川原 悠子
(72)【発明者】
【氏名】大鷲 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】足羽 剛児
(72)【発明者】
【氏名】杉本 匡隆
【テーマコード(参考)】
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
4F100AA01B
4F100AA14B
4F100AB10
4F100AB17
4F100AB33
4F100AK01B
4F100AK33
4F100AK53
4F100BA03
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4F100GB43
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4F100JJ01A
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4J002AA021
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4J002CH081
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4J002CN021
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4J002FA017
4J002FA076
4J002FA096
4J002FA097
4J002FA117
4J002FD121
4J002FD206
4J002FD207
4J002GF00
4J002GN00
4J002GQ01
(57)【要約】
絶縁性を効果的に高めることができ、絶縁破壊強度のばらつきを効果的に抑制することができ、さらに、接着性を効果的に高めることができる樹脂材料を提供する。
本発明に係る樹脂材料は、第1の窒化ホウ素凝集粒子と、第2の窒化ホウ素凝集粒子と、バインダー樹脂とを含み、前記第1の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g以上であり、前記第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g未満であり、前記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率が、35%以上である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の窒化ホウ素凝集粒子と、第2の窒化ホウ素凝集粒子と、バインダー樹脂とを含み、
前記第1の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g以上であり、
前記第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g未満であり、
前記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率が、35%以上である、樹脂材料。
【請求項2】
前記第1の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径が、40μmを超え、
前記第1の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の平均長径が、2μm以上、20μm未満であり、
前記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の平均長径が、8μm以下である、請求項1に記載の樹脂材料。
【請求項3】
樹脂材料100体積%中、前記第1の窒化ホウ素凝集粒子と前記第2の窒化ホウ素凝集粒子との合計の含有量が、20体積%以上、80体積%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂材料。
【請求項4】
樹脂シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂材料。
【請求項5】
熱伝導体と、前記熱伝導体の一方の表面に積層された絶縁層と、前記絶縁層の前記熱伝導体とは反対側の表面に積層された導電層とを備え、
前記絶縁層の材料が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂材料である、積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ホウ素凝集粒子とバインダー樹脂とを含む樹脂材料に関する。また、本発明は、上記樹脂材料を用いた積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子及び電気機器の小型化及び高性能化が進行しており、電子部品の実装密度が高くなっている。このため、狭いスペースの中で電子部品から発生する熱を、如何に放熱するかが問題となっている。電子部品から発生した熱は、電子及び電気機器の信頼性に直結するので、発生した熱の効率的な放散が緊急の課題となっている。
【0003】
上記の課題を解決する一つの手段としては、パワー半導体デバイス等を実装する放熱基板に、高い熱伝導性を有するセラミックス基板を用いる手段が挙げられる。このようなセラミックス基板としては、アルミナ基板及び窒化アルミニウム基板等が挙げられる。
【0004】
しかしながら、上記セラミックス基板を用いる手段では、多層化が困難であり、加工性が悪く、コストが非常に高いという課題がある。さらに、上記セラミックス基板と銅回路との線膨張係数の差が大きいので、冷熱サイクル時に銅回路が剥がれやすいという課題もある。
【0005】
そこで、線膨張係数が低い窒化ホウ素、特に六方晶窒化ホウ素を用いた樹脂組成物が、放熱材料として注目されている。六方晶窒化ホウ素の結晶構造は、グラファイトに類似した六角網目の層状構造であり、六方晶窒化ホウ素の粒子形状は、鱗片状である。このため、六方晶窒化ホウ素は、面方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率よりも高く、かつ熱伝導率に異方性がある性質を有することが知られている。
【0006】
六方晶窒化ホウ素の熱伝導率の異方性を低減し、厚さ方向の熱伝導率を向上させる方法として、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集させた二次凝集粒子(窒化ホウ素凝集粒子)を用いることが提案されている。下記の特許文献1〜3には、窒化ホウ素凝集粒子を用いた樹脂組成物が開示されている。
【0007】
下記の特許文献1には、熱硬化性樹脂中に、無機充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記無機充填材は、平均長径が8μm以下の窒化ホウ素の一次粒子から構成される二次凝集体(A)と、平均長径が8μmを超え、20μm以下の窒化ホウ素の一次粒子から構成される二次凝集体(B)とを40:60〜98:2の体積比で含む。上記無機充填材の含有量は、40体積%以上、80体積%以下である。
【0008】
下記の特許文献2には、異なる圧縮破壊強度をもつ2種のフィラー(ただし、上記2種のフィラーは同一物質である場合は除く)と、硬化性樹脂(C)とを含む硬化性放熱組成物が開示されている。上記2種のフィラーの圧縮破壊強度比(圧縮破壊強度が大きいフィラー(A)の圧縮破壊強度/圧縮破壊強度が小さいフィラー(B)の圧縮破壊強度)は、5以上、1500以下である。上記フィラー(B)は、六方晶窒化ホウ素凝集粒である。
【0009】
下記の特許文献3には、熱硬化性樹脂及び無機充填剤を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記無機充填剤は、10以上、20以下のアスペクト比を有する窒化ホウ素の一次粒子から形成される二次粒子(A)と、2以上、9以下のアスペクト比を有する窒化ホウ素の一次粒子から形成される二次粒子(B)とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−6586号公報
【特許文献2】WO2013/145961A1
【特許文献3】WO2014/199650A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1〜3に記載のような従来の窒化ホウ素凝集粒子を用いた硬化性組成物では、窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率の等方性を維持するために、シート成形等のプレス時に、プレスによって窒化ホウ素凝集粒子を崩壊等させない必要がある。このため、窒化ホウ素凝集粒子間に空隙が残存することがある。結果として、厚さ方向の熱伝導性を向上させることができるものの、絶縁性が低下することがある。従来の窒化ホウ素凝集粒子では、絶縁性を高めるには限界がある。
【0012】
また、従来の窒化ホウ素凝集粒子を用いた硬化性組成物では、窒化ホウ素凝集粒子間の空隙を完全に無くすことは困難であり、絶縁破壊強度にばらつきが生じることがある。
【0013】
また、従来の窒化ホウ素凝集粒子を用いた硬化性組成物では、窒化ホウ素凝集粒子を構成する窒化ホウ素の官能基が比較的多く存在する端面の面積が小さいことがある。結果として、窒化ホウ素凝集粒子と硬化性化合物との接着性が低下したり、硬化性組成物と被着体との接着性が低下したりすることがある。
【0014】
本発明の目的は、絶縁性を効果的に高めることができ、絶縁破壊強度のばらつきを効果的に抑制することができ、さらに、接着性を効果的に高めることができる樹脂材料及び該樹脂材料を用いた積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の広い局面によれば、第1の窒化ホウ素凝集粒子と、第2の窒化ホウ素凝集粒子と、バインダー樹脂とを含み、前記第1の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g以上であり、前記第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g未満であり、前記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率が、35%以上である、樹脂材料が提供される。
【0016】
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記第1の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径が、40μmを超え、前記第1の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の平均長径が、2μm以上、20μm未満であり、前記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の平均長径が、8μm以下である。
【0017】
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、樹脂材料100体積%中、前記第1の窒化ホウ素凝集粒子と前記第2の窒化ホウ素凝集粒子との合計の含有量が、20体積%以上、80体積%以下である。
【0018】
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記樹脂材料が、樹脂シートである。
【0019】
本発明の広い局面によれば、熱伝導体と、前記熱伝導体の一方の表面に積層された絶縁層と、前記絶縁層の前記熱伝導体とは反対側の表面に積層された導電層とを備え、前記絶縁層の材料が、上述した樹脂材料である、積層体が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る樹脂材料は、第1の窒化ホウ素凝集粒子と、第2の窒化ホウ素凝集粒子と、バインダー樹脂とを含む。本発明に係る樹脂材料では、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g以上である。本発明に係る樹脂材料では、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積が、1.3m/g未満である。本発明に係る樹脂材料では、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率が、35%以上である。本発明に係る樹脂材料では、上記の構成が備えられているので、絶縁性を効果的に高めることができ、絶縁破壊強度のばらつきを効果的に抑制することができ、さらに、接着性を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂シートを模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る樹脂材料を用いて得られる積層体を模式的に示す断面図である。
図3図3は、本発明における細孔容積差と細孔径の関係の一例を示す図である。
図4図4は、本発明における第1の窒化ホウ素凝集粒子と第2の窒化ホウ素凝集粒子との差異の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
(樹脂材料)
本発明に係る樹脂材料は、第1の窒化ホウ素凝集粒子と、第2の窒化ホウ素凝集粒子と、バインダー樹脂とを含む。
【0024】
本発明に係る樹脂材料では、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積は、1.3m/g以上である。
【0025】
本発明に係る樹脂材料では、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積は、1.3m/g未満である。
【0026】
本発明に係る樹脂材料では、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率は、35%以上である。
【0027】
本発明に係る樹脂材料では、上記の構成が備えられているので、絶縁性を効果的に高めることができ、絶縁破壊強度のばらつきを効果的に抑制することができ、さらに、接着性を効果的に高めることができる。
【0028】
本発明に係る樹脂材料では、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の比表面積は比較的小さく、また、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率は比較的大きいので、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子間の接点は少ない(図4(b)参照)。このため、プレス等の圧縮の力が付与された場合には、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子が変形又は崩壊する前に、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子が優先的に変形又は崩壊する。結果として、適度に変形又は崩壊した上記第2の窒化ホウ素凝集粒子によって、過度に変形又は崩壊していない上記第1の窒化ホウ素凝集粒子間に存在する空隙を埋めることができ、絶縁性を効果的に高めることができる。
【0029】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子では、一次粒子の相互の距離が近く、アスペクト比の大きい一次粒子が絡まり合っている場合もある。そのため、プレス等の圧縮の力が付与されても、多数の一次粒子の移動が必要となるため、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は変形することがあっても崩壊し難い(図4(a)参照)。圧縮の力が付与された場合に、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は崩壊し難く、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は変形又は崩壊しやすい。このため、プレス等によって、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は過度に崩壊せず、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は適度に変形又は崩壊する。また、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の変形又は崩壊が生じるプレス圧は、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の変形又は崩壊が生じるプレス圧よりも低い。
【0030】
例えば、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子のみを含む樹脂材料を用いて、シート成形等によりプレスを行うと、プレスによって上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は、変形又は崩壊し難く、面方向及び厚さ方向の熱伝導性を高めることができるが、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子間に空隙が残存してしまい、絶縁性が悪化する。一方、空隙を解消するほどプレスを行った場合には、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子でも、その形態を維持することができず、厚さ方向の熱伝導性が低下する。また、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子のみを含む樹脂材料を用いて、シート成形等によりプレスを行うと、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は、プレスによって凝集粒子が変形又は崩壊しやすいため、厚さ方向の熱伝導性が低下する場合がある。
【0031】
本発明に係る樹脂材料は、比表面積が異なる2種類の窒化ホウ素凝集粒子を用いており、比表面積が大きい第1の窒化ホウ素凝集粒子は一次粒子間の接点が多く、比表面積が小さく、かつ空隙率が大きい第2の窒化ホウ素凝集粒子は一次粒子間の接点が少ない。このため、プレス等によって圧縮の力が付与されると、第1の窒化ホウ素凝集粒子の周囲で第2の窒化ホウ素凝集粒子が適度に変形又は崩壊する。また、圧縮後の第2の窒化ホウ素凝集粒子は、第1の窒化ホウ素凝集粒子間の空隙を埋めることができ、絶縁性を効果的に高めることができる。
【0032】
また、本発明に係る樹脂材料では、第2の窒化ホウ素凝集粒子の比表面積が比較的小さいので、一次粒子に近接した空隙の発生を抑制することができる。さらに、圧縮後の第2の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子は、第1の窒化ホウ素凝集粒子間に存在する空隙を隙間無く埋めることができる。結果として、空隙部で発生する部分放電(内部放電)を抑制することができ、絶縁破壊強度のばらつきを効果的に抑制することができる。また、本発明に係る樹脂材料では、第1の窒化ホウ素凝集粒子間に存在する空隙を隙間無く埋めることができるので、長期絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
【0033】
また、本発明に係る樹脂材料では、第2の窒化ホウ素凝集粒子の比表面積が比較的小さいので、第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子のアスペクト比も比較的小さく、第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子の端面の面積が大きい。上記端面には、水酸基及びアミノ基等の官能基が存在しており、第2の窒化ホウ素凝集粒子では、水酸基及びアミノ基等の官能基量を増加させることができる。また、第2の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子では、上記官能基を介してバインダー樹脂及び被着体等と結合等させることができる。結果として、窒化ホウ素凝集粒子とバインダー樹脂との接着性、及び窒化ホウ素凝集粒子と被着体との接着性を効果的に高めることができる。
【0034】
このような効果を得るために、特定の比表面積及び特定の空隙率の関係を満足する第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を用いることは、大きく寄与する。
【0035】
(第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子)
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、1.3m/g以上である。絶縁性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、好ましくは1.8m/g以上、より好ましくは2.5m/g以上である。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積の上限は特に限定されない。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、15m/g以下であってもよい。
【0036】
上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、1.3m/g未満である。絶縁性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、好ましくは1m/g以下、より好ましくは0.75m/g以下である。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積の下限は特に限定されない。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、0.1m/g以上であってもよい。
【0037】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の体積基準での細孔径分布は、以下のようにして測定できる。
【0038】
QUANTACHROME社製の水銀ポロシメーター「ポアーマスター60」を用い、水銀圧入法により印加した圧力に対して水銀の積算浸入量を測定する。得られたデータから、細孔径の単位区間あたりの細孔容積を示す分布曲線が得られる。
【0039】
上記細孔径分布の測定結果から、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積を算出することができる。具体的には、測定により得られる細孔径(d(μm))と、細孔容積差(ΔV(cc/g))とを用いて、下記式により、それぞれの細孔における比表面積(ΔS(m/g))を算出することができる。ただし、空隙を円柱状に見立てており、その底面積は考慮していない。上記の測定方法を用いた場合において、本発明における効果は奏される。
【0040】
ΔS=4×ΔV/d
【0041】
また、細孔容積差と細孔径の関係において(図3参照)、本発明で用いた窒化ホウ素凝集粒子においては、5μm付近で細孔容積は一度0に近づくので、5μm以下の細孔径が凝集粒子内部の細孔を示していると考えられる。そのため、0μmを超え、5μm以下である細孔径を有する細孔における、ΔSを足し合わせることにより、上記比表面積を算出している。また、4μmから5μmの範囲においては、一部凝集粒子間の細孔も入り得るが、細孔容積としては誤差の範囲であること、また、凝集粒子内の細孔を明確にするということから、0μmを超え、5μm以下である細孔径を有する細孔の細孔容積の合計を凝集粒子の細孔容積(空隙体積)とする。一方、5μmを超える細孔径については、凝集粒子間の細孔を示していると考えられる。これは、凝集粒子の断面データとも矛盾がない。図3は模式図であり、一例を示した図である。また、水銀の浸入のない閉細孔も存在すると考えられるが、それは少量であり、閉細孔を考慮しない定義付けによっても、本発明の効果は十分に奏される。
【0042】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積は、上記細孔径分布の測定結果で得た比表面積の、5回以上の測定結果を平均して、算出することが好ましい。
【0043】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率は、好ましくは10%以上、より好ましくは14%以上であり、好ましくは75%以下、より好ましくは70%以下である。
【0044】
本発明に係る樹脂材料では、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率は、35%以上である。絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率は、、好ましくは37%以上、より好ましくは39%以上であり、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。
【0045】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率は、以下のようにして測定できる。なお、上記空隙率には、窒化ホウ素凝集粒子において、バインダー樹脂が充填されている部分も含まれる。
【0046】
QUANTACHROME社製の水銀ポロシメーター「ポアーマスター60」を用いて水銀圧入法により細孔容積分布を測定し、得られた結果において、細孔径が0μmを超え、5μm以下の細孔径をもつ細孔の容積の和を凝集粒子内の空隙とし、その値をもとに算出する。また、細孔容積差と細孔径の関係において(図3参照)、本発明で用いた窒化ホウ素凝集粒子においては、5μm付近で細孔容積は一度0に近づくので、5μm以下の細孔径が窒化ホウ素凝集粒子内部の細孔を示していると考えられる。そのため、0μmを超え、5μm以下の細孔径を有する細孔の容積の和を、空隙率を算出するための基準としている。一方、5μmを超える細孔径については、窒化ホウ素凝集粒子間の細孔を示していると考えられる。これは、窒化ホウ素凝集粒子の断面データとも矛盾がない。
【0047】
上記空隙率は、樹脂材料に配合する前の窒化ホウ素凝集粒子を用いて測定してもよく、樹脂材料からバインダー樹脂を除去して、回収した窒化ホウ素凝集粒子を用いて測定してもよい。樹脂材料からバインダー樹脂を除去する方法としては、樹脂材料を600℃の高温で5時間加熱処理する方法等が挙げられる。樹脂材料からバインダー樹脂を除去する方法は、上記の方法であってもよく、その他の方法であってもよい。
【0048】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径は、好ましくは40μmを超え、より好ましくは50μmを超え、好ましくは120μm以下、より好ましくは100μm以下である。
【0049】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは70μm以下、より好ましくは50μm以下である。
【0050】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径は、体積基準での粒子径を平均した平均粒子径であることが好ましい。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径は、堀場製作所社製「レーザー回折式粒度分布測定装置」を用いて測定することができる。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径は、3gの各窒化ホウ素凝集粒子のサンプリングを行い、その中に含まれる各窒化ホウ素凝集粒子の粒子径を平均し、算出することが好ましい。平均粒子径の算出方法については、第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子のそれぞれにおいて、累積体積が50%であるときの窒化ホウ素凝集粒子の粒子径(d50)を平均粒子径として採用することが好ましい。
【0051】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比の下限は特に限定されない。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比は、1以上であってもよい。
【0052】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比の下限は特に限定されない。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比は、1以上であってもよい。
【0053】
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比は、長径/短径を示す。第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比は、複数の各窒化ホウ素凝集粒子のアスペクト比を平均した平均アスペクト比であることが好ましい。第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の平均アスペクト比は、任意に選択された50個の各窒化ホウ素凝集粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各窒化ホウ素凝集粒子の長径/短径の平均値を算出することにより求められる。
【0054】
熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率は、好ましくは5W/m・K以上、より好ましくは10W/m・K以上である。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率の上限は特に限定されない。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率は、1000W/m・K以下であってもよい。
【0055】
熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率は、好ましくは5W/m・K以上、より好ましくは10W/m・K以上である。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率の上限は特に限定されない。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率は、1000W/m・K以下であってもよい。
【0056】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、樹脂材料100体積%中、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子と上記第2の窒化ホウ素凝集粒子との合計の含有量は、好ましくは20体積%以上、より好ましくは45体積%以上であり、好ましくは80体積%以下、より好ましくは70体積%以下である。
【0057】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法としては特に限定されず、噴霧乾燥方法及び流動層造粒方法等が挙げられる。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の製造方法は、噴霧乾燥(スプレードライとも呼ばれる)方法であることが好ましい。噴霧乾燥方法は、スプレー方式によって、二流体ノズル方式、ディスク方式(ロータリ方式とも呼ばれる)、及び超音波ノズル方式等に分類でき、これらのどの方式でも適用できる。全細孔容積をより一層容易に制御できる観点から、超音波ノズル方式が好ましい。
【0058】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は、窒化ホウ素の一次粒子を材料として製造されることが好ましい。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の材料となる窒化ホウ素は特に限定されない。該材料となる窒化ホウ素としては、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ホウ素化合物とアンモニアとの還元窒化法により作製された窒化ホウ素、ホウ素化合物とメラミン等の含窒素化合物とから作製された窒化ホウ素、及び、ホウ水素ナトリウムと塩化アンモニウムとから作製された窒化ホウ素等が挙げられる。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、窒化ホウ素凝集粒子の材料となる窒化ホウ素は、六方晶窒化ホウ素であることが好ましい。
【0059】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は、一次粒子である第1の窒化ホウ素の凝集物であることが好ましく、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は、一次粒子である第2の窒化ホウ素の凝集物であることが好ましい。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は、一次粒子である上記第1の窒化ホウ素を凝集させた二次粒子であることが好ましく、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は、一次粒子である上記第2の窒化ホウ素を凝集させた二次粒子であることが好ましい。
【0060】
また、窒化ホウ素凝集粒子の製造方法としては、必ずしも造粒工程は必要ではない。窒化ホウ素の結晶の成長に伴い、窒化ホウ素の一次粒子が自然に集結することで形成された窒化ホウ素凝集粒子であってもよい。また、窒化ホウ素凝集粒子の粒子径をそろえるために、粉砕した窒化ホウ素凝集粒子であってもよい。
【0061】
絶縁性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は、上記比表面積が上述した範囲であり、かつ、粒子径の異なる2種類以上の凝集粒子から構成されていてもよい。絶縁性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は、上記比表面積及び上記空隙率が上述した範囲であり、かつ、粒子径の異なる2種類以上の凝集粒子から構成されていてもよい。
【0062】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記樹脂材料は、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の他に、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子ではない第3の無機粒子を含んでいてもよい。絶縁性をより一層効果的に高める観点、及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記樹脂材料は、上記第3の無機粒子を含むことが好ましい。
【0063】
上記第3の無機粒子は、凝集粒子であることが好ましい。上記第3の無機粒子は、窒化ホウ素の一次粒子を凝集させた二次粒子であることが好ましい。
【0064】
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素):
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素)の平均長径は、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは20μm未満、より好ましくは16μm以下である。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素)の平均長径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、絶縁性をより一層効果的に高めることができ、絶縁破壊強度のばらつきをより一層効果的に抑制することができ、接着性をより一層効果的に高めることができる。
【0065】
上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第2の窒化ホウ素)の平均長径は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、好ましくは8μm以下、より好ましくは7.5μm以下である。上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第2の窒化ホウ素)の平均長径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、絶縁性をより一層効果的に高めることができ、絶縁破壊強度のばらつきをより一層効果的に抑制することができ、接着性をより一層効果的に高めることができる。
【0066】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)の平均長径は、以下のようにして算出することができる。
【0067】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)と熱硬化性樹脂等とを混合して作製したシート又はプレスして作製した積層体の断面を電子顕微鏡により観察する。得られた電子顕微鏡画像から、任意に選択された50個の各窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(各窒化ホウ素)の長径を測定し、平均値を算出する。
【0068】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、絶縁破壊強度のばらつきをより一層効果的に抑制する観点、及び接着性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素)のアスペクト比は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、好ましくは17以下、より好ましくは15以下である。
【0069】
絶縁性をより一層効果的に高める観点、絶縁破壊強度のばらつきをより一層効果的に抑制する観点、及び接着性をより一層効果的に高める観点からは、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第2の窒化ホウ素)のアスペクト比は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.1以下である。
【0070】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)のアスペクト比は、長径/短径を示す。上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)のアスペクト比は、以下のようにして算出することができる。
【0071】
上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)と熱硬化性樹脂等とを混合して作製したシート又はプレスして作製した積層体の断面を電子顕微鏡により観察する。得られた電子顕微鏡画像から、任意に選択された50個の各窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(各窒化ホウ素)の長径/短径を測定し、平均値を算出する。
【0072】
絶縁性及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子においては、すべての一次粒子がりん片状の粒子である必要はなく、屈曲した形状の粒子を少なくとも1個以上含んでいてもよい。屈曲した形状の粒子については、屈曲部位で2つの粒子に分けて、それぞれの粒子について長径/短径を測定し、長径の長い方の粒子の長径/短径を屈曲した形状の粒子の長径/短径とする。得られた長径/短径の値から、アスペクト比を算出する。
【0073】
シート又は積層体の断面の電子顕微鏡画像では、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子は、プレス後でも凝集粒子の形態を比較的維持しているので、シート又は積層体の断面の電子顕微鏡画像から確認できる。一方、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子は、プレス後も等方性を保ちながら変形又は崩壊しているので、その存在は強く示唆される。仮に、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を事前に解砕することにより得たりん片(上記第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子:上記第2の窒化ホウ素)と、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子と、熱硬化性樹脂等とを混合してシート又は積層体を作製した場合には、上記りん片は凝集粒子と比較すると相対的に面方向に配向しやすい。このため、凝集粒子を用いた場合と比較すると、上記りん片がプレス後においても等方性を保つことは困難である。結果として、比表面積が大きく形状が比較的維持されやすい上記第1の窒化ホウ素凝集粒子と、空隙率が大きいため崩壊しやすく比表面積の小さい上記第2の窒化ホウ素凝集粒子とが使用されていることは、プレス後であってもシート又は積層体の断面の電子顕微鏡画像から判断することができる。
【0074】
(バインダー樹脂)
本発明に係る樹脂材料は、バインダー樹脂を含む。上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂としては、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、熱硬化性成分及び光硬化性成分が挙げられる。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記バインダー樹脂は、熱硬化性成分を含むことが好ましい。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0075】
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
【0076】
(熱硬化性成分:熱硬化性化合物)
上記熱硬化性化合物としては、スチレン化合物、フェノキシ化合物、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0077】
上記熱硬化性化合物としては、(A1)10000未満の分子量を有する熱硬化性化合物(単に、(A1)熱硬化性化合物と記載することがある)を用いてもよく、(A2)10000以上の分子量を有する熱硬化性化合物(単に、(A2)熱硬化性化合物と記載することがある)を用いてもよく、(A1)熱硬化性化合物と、(A2)熱硬化性化合物との双方を用いてもよい。
【0078】
樹脂材料100体積%中、上記熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上であり、好ましくは90体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。上記熱硬化性化合物の含有量が、上記下限以上であると、硬化物の接着性及び耐熱性がより一層高くなる。上記熱硬化性化合物の含有量が、上記上限以下であると、樹脂材料の塗工性がより一層高くなる。
【0079】
(A1)10000未満の分子量を有する熱硬化性化合物:
(A1)熱硬化性化合物としては、環状エーテル基を有する熱硬化性化合物が挙げられる。上記環状エーテル基としては、エポキシ基及びオキセタニル基等が挙げられる。上記環状エーテル基を有する熱硬化性化合物は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する熱硬化性化合物であることが好ましい。(A1)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0080】
(A1)熱硬化性化合物は、(A1a)エポキシ基を有する熱硬化性化合物(単に、(A1a)熱硬化性化合物と記載することがある)を含んでいてもよく、(A1b)オキセタニル基を有する熱硬化性化合物(単に、(A1b)熱硬化性化合物と記載することがある)を含んでいてもよい。
【0081】
硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層効果的に高める観点からは、(A1)熱硬化性化合物は芳香族骨格を有することが好ましい。
【0082】
上記芳香族骨格としては特に限定されず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性をより一層効果的に高める観点からは、上記芳香族骨格は、ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。
【0083】
(A1a)熱硬化性化合物としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンタン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、及びピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらの水素添加物又は変性物を用いてもよい。(A1a)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0084】
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
【0085】
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、及びジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
【0086】
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、及び1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
【0087】
上記アダマンタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン、及び2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
【0088】
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
【0089】
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、及び4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
【0090】
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、及び1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
【0091】
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
【0092】
(A1b)熱硬化性化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、及びオキセタン変性フェノールノボラック等が挙げられる。(A1b)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0093】
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、(A1)熱硬化性化合物は、環状エーテル基を2個以上有する熱硬化性化合物を含むことが好ましい。
【0094】
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、(A1)熱硬化性化合物100重量%中、環状エーテル基を2個以上有する熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上であり、好ましくは100重量%以下である。(A1)熱硬化性化合物100重量%中、環状エーテル基を2個以上有する熱硬化性化合物の含有量は、10重量%以上、100重量%以下であってもよい。また、(A1)熱硬化性化合物の全体が、環状エーテル基を2個以上有する熱硬化性化合物であってもよい。
【0095】
(A1)熱硬化性化合物の分子量は、10000未満である。(A1)熱硬化性化合物の分子量は、好ましくは200以上であり、好ましくは1200以下、より好ましくは600以下、さらに好ましくは550以下である。(A1)熱硬化性化合物の分子量が上記下限以上であると、硬化物の表面の粘着性が低くなり、樹脂材料の取扱性がより一層高くなる。(A1)熱硬化性化合物の分子量が上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。さらに、硬化物が固くかつ脆くなり難く、硬化物の接着性がより一層高くなる。
【0096】
なお、本明細書において、(A1)熱硬化性化合物における分子量とは、(A1)熱硬化性化合物が重合体ではない場合、及び(A1)熱硬化性化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味し、(A1)熱硬化性化合物が重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定では、溶離液として、テトラヒドロフランを用いることが好ましい。
【0097】
樹脂材料100体積%中、(A1)熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上であり、好ましくは90体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。(A1)熱硬化性化合物の含有量が、上記下限以上であると、硬化物の接着性及び耐熱性がより一層高くなる。(A1)熱硬化性化合物の含有量が、上記上限以下であると、樹脂材料の塗工性がより一層高くなる。
【0098】
(A2)10000以上の分子量を有する熱硬化性化合物:
(A2)熱硬化性化合物は、分子量が10000以上である熱硬化性化合物である。(A2)熱硬化性化合物の分子量は10000以上であるので、(A2)熱硬化性化合物は一般にポリマーであり、上記分子量は、一般に重量平均分子量を意味する。
【0099】
硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層効果的に高める観点からは、(A2)熱硬化性化合物は、芳香族骨格を有することが好ましい。(A2)熱硬化性化合物がポリマーであり、(A2)熱硬化性化合物が芳香族骨格を有する場合には、(A2)熱硬化性化合物は、芳香族骨格をポリマー全体のいずれかの部分に有していればよく、主鎖骨格内に有していてもよく、側鎖中に有していてもよい。硬化物の耐熱性をより一層高くし、かつ硬化物の耐湿性をより一層高くする観点からは、(A2)熱硬化性化合物は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。(A2)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0100】
上記芳香族骨格としては特に限定されず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性をより一層効果的に高める観点からは、上記芳香族骨格は、ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。
【0101】
(A2)熱硬化性化合物としては特に限定されず、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂、オキセタン樹脂、エポキシ樹脂、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0102】
硬化物の酸化劣化を抑え、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性をより一層高め、さらに硬化物の吸水率をより一層低くする観点からは、(A2)熱硬化性化合物は、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であることが好ましく、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であることがより好ましく、フェノキシ樹脂であることがさらに好ましい。特に、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。また、フェノキシ樹脂の使用により、硬化物の弾性率がより一層低くなり、かつ硬化物の耐冷熱サイクル特性がより一層高くなる。なお、(A2)熱硬化性化合物は、エポキシ基等の環状エーテル基を有していなくてもよい。
【0103】
上記スチレン樹脂として、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、及びスチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体等が使用可能である。スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン重合体が好ましい。
【0104】
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン及び3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
【0105】
上記フェノキシ樹脂は、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
【0106】
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格又はジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格又はビフェニル骨格を有することがより好ましく、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも1種の骨格を有することがさらに好ましい。これらの好ましい骨格を有するフェノキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性がさらに一層高くなる。
【0107】
上記エポキシ樹脂は、上記フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂としては、スチレン骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0108】
(A2)熱硬化性化合物の分子量は10000以上である。(A2)熱硬化性化合物の分子量は、好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上であり、好ましくは1000000以下、より好ましくは250000以下である。(A2)熱硬化性化合物の分子量が上記下限以上であると、硬化物が熱劣化し難い。(A2)熱硬化性化合物の分子量が上記上限以下であると、(A2)熱硬化性化合物と他の成分との相溶性が高くなる。この結果、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
【0109】
樹脂材料100体積%中、(A2)熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30体積%以上であり、好ましくは60体積%以下、より好ましくは50体積%以下である。(A2)熱硬化性化合物の含有量が、上記下限以上であると、樹脂材料の取扱性がより一層良好になる。(A2)熱硬化性化合物の含有量が、上記上限以下であると、樹脂材料の塗工性がより一層高くなる。
【0110】
(熱硬化性成分:熱硬化剤)
上記熱硬化剤は、特に限定されない。上記熱硬化剤として、上記熱硬化性化合物を硬化させることができる熱硬化剤を適宜用いることができる。また、本明細書において、熱硬化剤には、硬化触媒が含まれる。熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0111】
硬化物の耐熱性をより一層効果的に高める観点からは、上記熱硬化剤は、芳香族骨格又は脂環式骨格を有することが好ましい。上記熱硬化剤は、アミン硬化剤(アミン化合物)、イミダゾール硬化剤、フェノール硬化剤(フェノール化合物)又は酸無水物硬化剤(酸無水物)を含むことが好ましく、アミン硬化剤を含むことがより好ましい。上記酸無水物硬化剤は、芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物を含むか、又は、脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物を含むことが好ましい。
【0112】
上記アミン硬化剤としては、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。硬化物の接着性をより一層効果的に高める観点からは、上記アミン硬化剤は、ジシアンジアミド又はイミダゾール化合物であることがより一層好ましい。樹脂材料の貯蔵安定性をより一層効果的に高める観点からは、熱硬化剤は、融点が180℃以上である硬化剤を含むことが好ましく、融点が180℃以上であるアミン硬化剤を含むことがより好ましい。
【0113】
上記イミダゾール硬化剤としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0114】
上記フェノール硬化剤としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、及びポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。硬化物の柔軟性及び硬化物の難燃性をより一層効果的に高める観点からは、上記フェノール硬化剤は、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂であることが好ましい。
【0115】
上記フェノール硬化剤の市販品としては、MEH−8005、MEH−8010及びMEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(三菱化学社製)、LA−7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれもDIC社製)、並びにPS6313及びPS6492(以上いずれも群栄化学社製)等が挙げられる。
【0116】
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及びトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
【0117】
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカシッドMTA−10、リカシッドMTA−15、リカシッドTMTA、リカシッドTMEG−100、リカシッドTMEG−200、リカシッドTMEG−300、リカシッドTMEG−500、リカシッドTMEG−S、リカシッドTH、リカシッドHT−1A、リカシッドHH、リカシッドMH−700、リカシッドMT−500、リカシッドDSDA及びリカシッドTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれもDIC社製)等が挙げられる。
【0118】
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。これらの硬化剤の使用により、硬化物の柔軟性、並びに硬化物の耐湿性及び接着性がより一層高くなる。
【0119】
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
【0120】
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、リカシッドHNA及びリカシッドHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
【0121】
上記熱硬化剤は、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸であることも好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸の使用により、硬化物の耐水性が高くなる。
【0122】
樹脂材料100体積%中、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.1体積%以上、より好ましくは1体積%以上であり、好ましくは40体積%以下、より好ましくは25体積%以下である。上記熱硬化剤の含有量が、上記下限以上であると、熱硬化性化合物を十分に硬化させることがより一層容易になる。上記熱硬化剤の含有量が、上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な熱硬化剤が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。
【0123】
(光硬化性成分:光硬化性化合物)
上記光硬化性化合物は、光硬化性を有していれば特に限定されない。上記光硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0124】
上記光硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合を2個以上有することが好ましい。
【0125】
上記エチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。効果的に反応を進行させ、硬化物の発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(メタ)アクリロイル基が好ましい。上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
【0126】
硬化物の接着性をより一層効果的に高める観点からは、上記光硬化性化合物は、エポキシ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。硬化物の耐熱性をより一層効果的に高める観点からは、上記エポキシ(メタ)アクリレートは、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとを含むことが好ましい。2官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を2個有することが好ましい。3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することが好ましい。
【0127】
エポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られる。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を(メタ)アクリロイル基に変換することにより得ることができる。光硬化性化合物は光の照射により硬化させるので、エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を有さないことが好ましい。
【0128】
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート)、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0129】
樹脂材料100体積%中、上記光硬化性化合物の含有量は、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上であり、好ましくは40体積%以下、より好ましくは30体積%以下である。これらの光硬化性化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。
【0130】
(光硬化性成分:光重合開始剤)
上記光重合開始剤は、特に限定されない。上記光重合開始剤として、光の照射により上記光硬化性化合物を硬化させることができる光重合開始剤を適宜用いることができる。上記光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0131】
上記光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド、ハロメチル化トリアジン、ハロメチル化オキサジアゾール、イミダゾール、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、アントラキノン、ベンズアンスロン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、チオキサントン、安息香酸エステル、アクリジン、フェナジン、チタノセン、α−アミノアルキルフェノン、オキシム、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0132】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、o−ベンゾイル安息香酸メチル及びミヒラーズケトン等が挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤の市販品としては、EAB(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
【0133】
アセトフェノン系光重合開始剤の市販品としては、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184、イルガキュア907、及びイルガキュア369(以上いずれもBASF社製)等が挙げられる。
【0134】
ベンゾイン系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュア651(BASF社製)等が挙げられる。
【0135】
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、Lucirin TPO、及びイルガキュア819(以上いずれもBASF社製)等が挙げられる。
【0136】
チオキサントン系光重合開始剤の市販品としては、イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0137】
オキシム系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュアOXE−01、及びイルガキュアOXE−02(以上いずれもBASF社製)等が挙げられる。
【0138】
上記光硬化性化合物100重量部に対して、上記光重合開始剤の含有量は、好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。光重合開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光硬化性化合物を良好に光硬化させることができる。
【0139】
(絶縁性フィラー)
本発明に係る樹脂材料は、絶縁性フィラーを含んでいてもよい。上記絶縁性フィラーは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子ではなく、上記第2の窒化ホウ素凝集粒子ではない。上記絶縁性フィラーは、絶縁性を有する。上記絶縁性フィラーは、有機フィラーであってもよく、無機フィラーであってもよい。上記絶縁性フィラーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0140】
熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記絶縁性フィラーは、無機フィラーであることが好ましい。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記絶縁性フィラーは、10W/m・K以上の熱伝導率を有することが好ましい。
【0141】
硬化物の熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記絶縁性フィラーの熱伝導率は、好ましくは10W/m・K以上、より好ましくは20W/m・K以上である。上記絶縁性フィラーの熱伝導率の上限は特に限定されない。熱伝導率が300W/m・K程度である無機フィラーは広く知られており、また熱伝導率が200W/m・K程度である無機フィラーは容易に入手できる。
【0142】
上記絶縁性フィラーの材質は特に限定されない。絶縁性フィラーの材質としては、窒素化合物(窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化炭素、及び窒化チタン等)、炭素化合物(炭化ケイ素、炭化フッ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン、及びダイヤモンド等)、並びに金属酸化物(シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、及び酸化ベリリウム等)等が挙げられる。上記絶縁性フィラーの材質は、上記窒素化合物、上記炭素化合物又は上記金属酸化物であることが好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛又は酸化マグネシウムであることがより好ましい。これらの好ましい絶縁性フィラーの使用により、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。
【0143】
上記絶縁性フィラーは、球状粒子、又はアスペクト比が2を超える非凝集粒子及び凝集粒子であることが好ましい。これら絶縁性フィラーの使用により、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。上記球状粒子のアスペクト比は、2以下である。
【0144】
上記絶縁性フィラーの材質の新モース硬度は、好ましくは12以下、より好ましくは9以下である。絶縁性フィラーの材質の新モース硬度が9以下であると、硬化物の加工性がより一層高くなる。
【0145】
硬化物の加工性をより一層効果的に高める観点からは、上記絶縁性フィラーの材質は、窒化ホウ素、合成マグネサイト、結晶シリカ、酸化亜鉛、又は酸化マグネシウムであることが好ましい。これらの無機フィラーの材質の新モース硬度は9以下である。
【0146】
熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、絶縁性フィラーの粒子径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは20μm以下である。上記粒子径が上記下限以上であると、絶縁性フィラーを高密度で容易に充填できる。上記粒子径が上記上限以下であると、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。
【0147】
上記粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径を意味する。上記絶縁性フィラーの粒子径は、3gの絶縁性フィラーのサンプリングを行い、その中に含まれる絶縁性フィラーの粒子径を平均し、算出することが好ましい。絶縁性フィラーの平均粒子径の算出方法については、累積体積が50%であるときの絶縁性フィラーの粒子径(d50)を平均粒子径として採用することが好ましい。
【0148】
熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、樹脂材料100体積%中、上記絶縁性フィラーの含有量は、好ましくは1体積%以上、より好ましくは3体積%以上であり、好ましくは20体積%以下、より好ましくは10体積%以下である。
【0149】
(他の成分)
上記樹脂材料は、上述した成分の他に、分散剤、キレート剤、酸化防止剤等の樹脂材料、樹脂シート、及び硬化性シートに一般に用いられる他の成分を含んでいてもよい。
【0150】
(樹脂材料及び硬化物の他の詳細)
上記樹脂材料は、ペーストであってもよく、硬化性ペーストであってもよい。上記樹脂材料は、樹脂シートであってもよく、硬化性シートであってもよい。上記樹脂材料が硬化性成分を含む場合には、上記樹脂材料を硬化させることにより硬化物を得ることができる。上記硬化物は、上記樹脂材料の硬化物であり、上記樹脂材料により形成されている。
【0151】
絶縁性及び熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記樹脂材料は、2層以上の樹脂シートを積層して、作製したものであってもよい。また、2層以上の樹脂シートのうち、1層以上が、本発明に係る樹脂シートであってもよい。
【0152】
(積層体)
本発明に係る積層体は、熱伝導体と、絶縁層と、導電層とを備える。上記絶縁層は、上記熱伝導体の一方の表面に積層されている。上記導電層は、上記絶縁層の上記熱伝導体側とは反対側の表面に積層されている。上記熱伝導体の他方の表面にも、上記絶縁層が積層されていてもよい。本発明に係る積層体では、上記絶縁層の材料は、上述した樹脂材料である。
【0153】
熱伝導体:
上記熱伝導体の熱伝導率は、好ましくは10W/m・K以上である。上記熱伝導体としては、適宜の熱伝導体を用いることができる。上記熱伝導体は、金属材を用いることが好ましい。上記金属材としては、金属箔及び金属板等が挙げられる。上記熱伝導体は、上記金属箔又は上記金属板であることが好ましく、上記金属板であることがより好ましい。
【0154】
上記金属材の材料としては、アルミニウム、銅、金、銀、及びグラファイトシート等が挙げられる。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記金属材の材料は、アルミニウム、銅、又は金であることが好ましく、アルミニウム又は銅であることがより好ましい。
【0155】
導電層:
上記導電層を形成するための金属は特に限定されない。上記金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、アルミニウム、銅又は金であることが好ましく、アルミニウム又は銅であることがより好ましい。
【0156】
上記導電層を形成する方法は特に限定されない。上記導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、並びに、上記絶縁層と金属箔とを加熱圧着する方法等が挙げられる。導電層の形成が簡便であるので、上記絶縁層と金属箔とを加熱圧着する方法が好ましい。
【0157】
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂シートを模式的に示す断面図である。なお、図1では、図示の便宜上、実際の大きさ及び厚みとは異なっている。
【0158】
図1に示す樹脂シート1(樹脂材料)は、バインダー樹脂11と、第1の窒化ホウ素凝集粒子12と、第2の窒化ホウ素凝集粒子13とを含む。第1の窒化ホウ素凝集粒子12及び第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、上述した第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子であることが好ましい。第1の窒化ホウ素凝集粒子12の比表面積と第2の窒化ホウ素凝集粒子13の比表面積とは異なる。また、第2の窒化ホウ素凝集粒子13の空隙率は35%以上である。
【0159】
本実施形態に係る樹脂シート1では、バインダー樹脂11は、硬化性成分を含む。バインダー樹脂11は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含む熱硬化性成分を含んでいてもよく、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含む光硬化性成分を含んでいてもよい。上記バインダー樹脂は、完全に硬化していないことが好ましい。上記バインダー樹脂は、加熱等によりBステージ化していてもよい。上記バインダー樹脂は、Bステージ化させたBステージ化物であってもよい。
【0160】
上記樹脂シートでは、シート内部に空隙が存在することがある。上記樹脂シートでは、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の間に空隙が存在することがある。
【0161】
図2は、本発明の一実施形態に係る樹脂材料を用いて得られる積層体を模式的に示す断面図である。なお、図2では、図示の便宜上、実際の大きさ及び厚みとは異なっている。
【0162】
図2に示す積層体21は、熱伝導体22と、絶縁層23と、導電層24とを備える。熱伝導体22、絶縁層23、及び導電層24は、上述した熱伝導体、絶縁層、及び導電層である。図2では、絶縁層23として、図1に示す樹脂シート1が用いられている。
【0163】
熱伝導体22は、一方の表面22a(第1の表面)と、他方の表面22b(第2の表面)とを有する。絶縁層23は、一方の表面23a(第1の表面)と、他方の表面23b(第2の表面)とを有する。導電層24は、一方の表面24a(第1の表面)と、他方の表面24b(第2の表面)とを有する。
【0164】
絶縁層23の一方の表面23a(第1の表面)側に、導電層24が積層されている。絶縁層23の他方の表面23b(第2の表面)側に、熱伝導体22が積層されている。導電層24の他方の表面24b(第2の表面)側に、絶縁層23が積層されている。熱伝導体22の一方の表面22a(第1の表面)側に、絶縁層23が積層されている。熱伝導体22と導電層24との間に絶縁層23が配置されている。
【0165】
上記積層体の製造方法は、特に限定されない。上記積層体の製造方法としては、上記熱伝導体と、上記絶縁層と、上記導電層とを積層し、真空プレス等により加熱圧着する方法等が挙げられる。
【0166】
本実施形態に係る積層体21では、絶縁層23は、硬化物部14と、第1の窒化ホウ素凝集粒子12と、第2の窒化ホウ素凝集粒子13とを含む。絶縁層23は、図1に示す樹脂シート1により形成されている。上記絶縁層は、上記樹脂シートを真空プレス等により加熱圧着することで形成されることが好ましい。
【0167】
本実施形態に係る積層体21では、第1の窒化ホウ素凝集粒子12は、プレス等の圧縮の力により変形又は崩壊していないことが好ましく、形状を維持していることが好ましい。第1の窒化ホウ素凝集粒子12は、硬化物中において、凝集粒子(二次粒子)の形態で存在していることが好ましい。
【0168】
本実施形態に係る積層体21では、第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、プレス等の圧縮の力により変形又は崩壊していてもよい。第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、変形した凝集粒子(二次粒子)であってもよく、凝集粒子(二次粒子)が崩壊することで一次粒子となっていてもよい。第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、硬化物中において、変形した凝集粒子(二次粒子)の形態で存在していてもよく、凝集粒子(二次粒子)が崩壊することで一次粒子の形態で存在していてもよい。
【0169】
硬化物部14中において、第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、第1の窒化ホウ素凝集粒子12の周囲で変形又は崩壊している。変形又は崩壊した第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、第1の窒化ホウ素凝集粒子12間に存在している。変形又は崩壊した第2の窒化ホウ素凝集粒子13は、第1の窒化ホウ素凝集粒子12間に存在する空隙を埋めることができ、絶縁性を効果的に高めることができる。また、積層体21は、第2の窒化ホウ素凝集粒子13によって、第1の窒化ホウ素凝集粒子12間の空隙を隙間無く埋めることができるので、絶縁破壊強度のばらつきを効果的に抑制することができる。
【0170】
本実施形態において、硬化物部14は、バインダー樹脂11が硬化した部分である。硬化物部14は、バインダー樹脂11を硬化させることにより得られる。硬化物部14は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含む熱硬化性成分が硬化した部分であってもよく、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含む光硬化性成分が硬化した部分であってもよい。硬化物部14は、熱硬化性成分又は光硬化性成分を硬化させることにより得られる。
【0171】
上記樹脂材料及び上記硬化物は、熱伝導性及び機械的強度等が高いことが求められる様々な用途に用いることができる。上記積層体は、例えば、電子機器において、発熱部品と放熱部品との間に配置されて用いられる。例えば、上記積層体は、CPUとフィンとの間に設置される放熱体、又は電気自動車のインバーター等で利用されるパワーカードの放熱体として用いられる。また、上記積層体の導電層をエッチング等の手法により回路形成することで、上記積層体を絶縁回路基板として用いることができる。
【0172】
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。本発明は以下の実施例に限定されない。
【0173】
熱硬化性化合物:
(1)三菱化学社製「エピコート828US」、エポキシ化合物
(2)明和化成社製「DL−92」、フェノールノボラック化合物
【0174】
熱硬化剤:
(1)東京化成工業社製「ジシアンジアミド」
(2)四国化成工業社製「2MZA−PW」、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール
【0175】
第1の窒化ホウ素凝集粒子(その代替品を含む):
(1)モメンティブ社製「PTX60S」
(2)サンゴバン社製「PCTH7MHF」
(3)モメンティブ社製「PT350」
(4)モメンティブ社製「AC6091」
(5)窒化ホウ素凝集粒子3
【0176】
第2の窒化ホウ素凝集粒子(その代替品を含む):
(1)窒化ホウ素凝集粒子1
(2)窒化ホウ素凝集粒子2
(3)窒化ホウ素凝集粒子4
(4)モメンティブ社製「AC6091」
(5)モメンティブ社製「PTX25」
【0177】
「窒化ホウ素凝集粒子1」の作製方法:
平均長径7.2μm、アスペクト比5.3の窒化ホウ素の一次粒子を空隙率が44%、平均粒子径が40μmとなるようにスプレードライ法で凝集させることにより作製した。空隙率は水銀ポロシメーターで測定し、5μm以下の空隙のみを粒子内空隙とした際の空隙率を算出した。空隙率は、後述する第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率の測定方法と同様の方法により測定した。
【0178】
「窒化ホウ素凝集粒子2」の作製方法:
平均長径6.5μm、アスペクト比6.1の窒化ホウ素の一次粒子を、空隙率が39%、平均粒子径が30μmとなるように、スプレードライ法で凝集させることにより作製した。
【0179】
「窒化ホウ素凝集粒子3」の作製方法:
平均長径7μm、アスペクト比12の窒化ホウ素の一次粒子を空隙率が65%、平均粒子径が35μmとなるようにスプレードライ法で凝集させることにより作製した。
【0180】
「窒化ホウ素凝集粒子4」の作製方法:
平均長径9μm、アスペクト比6の窒化ホウ素の一次粒子を空隙率が48%、平均粒子径が80μmとなるようにスプレードライ法で凝集させることにより作製した。
【0181】
(第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積)
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積を、以下のようにして測定した。
【0182】
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の、細孔径が0μmを超え、5μm以下である細孔における比表面積の測定方法:
QUANTACHROME社製の水銀ポロシメーター「ポアーマスター60」を用い、水銀圧入法により印加した圧力に対して水銀の積算浸入量を測定した。窒化ホウ素凝集粒子を0.2〜0.3gはかり取り、低圧モード、高圧モードでの測定を行った。得られたデータから、細孔径の単位区間あたりの細孔容積を示す分布曲線を得た。
【0183】
上記細孔径分布の測定結果から、上記第1の窒化ホウ素凝集粒子及び上記第2の窒化ホウ素凝集粒子の上記比表面積を算出した。具体的には、測定により得られた細孔径(d(μm))と、細孔容積差(ΔV(cc/g))とを用いて、下記式により、それぞれの細孔における比表面積(ΔS(m/g))を算出した。
【0184】
ΔS=4×ΔV/d
【0185】
また、細孔容積差と細孔径の関係において(図3参照)、本発明で用いた窒化ホウ素凝集粒子においては、5μm付近で細孔容積は一度0に近づくので、5μm以下の細孔径が凝集粒子内部の細孔を示していると考えられる。そのため、0μmを超え、5μm以下である細孔径を有する細孔における、ΔSを足し合わせることにより、上記比表面積を算出した。
【0186】
(第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率)
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率を、以下のようにして測定した。
【0187】
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の空隙率の測定方法:
上述した方法により、細孔径の単位区間あたりの細孔容積を示す分布曲線を得た。分布曲線をもとに、全空隙から凝集粒子間空隙を差し引いた値(V)を算出した。得られた分布曲線から、5μm以上の細孔径の空隙を凝集粒子間空隙とした。窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(窒化ホウ素)の密度(ρ=2.34)を用いると、空隙率(ε)は下記式で表すことができる。
【0188】
ε=V(V+(1/ρ))×100
【0189】
上記式に各窒化ホウ素凝集粒子において算出したVの値を代入して、空隙率(%)を算出した。
【0190】
(第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径)
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径を、堀場製作所社製「レーザー回折式粒度分布測定装置」を用いて測定した。第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子の粒子径を、3gの各窒化ホウ素凝集粒子のサンプリングを行い、その中に含まれる各窒化ホウ素凝集粒子の粒子径を平均することで算出した。平均粒子径の算出方法については、第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子のそれぞれにおいて、累積体積が50%であるときの窒化ホウ素凝集粒子の粒子径(d50)を平均粒子径とした。
【0191】
(第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)の平均長径)
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)の平均長径を、以下のようにして測定した。
【0192】
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)の平均長径の測定方法:
第1の窒化ホウ素凝集粒子及び第2の窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(第1の窒化ホウ素及び第2の窒化ホウ素)と熱硬化性樹脂等とを混合して作製した積層体の断面の電子顕微鏡画像から、任意に選択された50個の各窒化ホウ素凝集粒子を構成する一次粒子(各窒化ホウ素)の長径を測定し、平均値を算出することにより求めた。
【0193】
(実施例1〜9及び比較例1〜5)
(1)樹脂材料の作製
下記の表1,2に示す成分を下記の表1,2に示す配合量で配合し、遊星式攪拌機を用いて500rpmで25分間攪拌することにより、樹脂材料を得た。
【0194】
(2)積層体の作製
得られた樹脂材料を離型PETシート(厚み50μm)上に、厚み350μmになるように塗工し、90℃のオーブン内で10分間乾燥して硬化性シート(絶縁層)を形成し、積層シートを得た。その後、離型PETシートを剥がして、硬化性シート(絶縁層)の両面を、銅箔とアルミニウム板とで挟み、温度200℃、圧力12MPaの条件で真空プレスすることにより積層体を作製した。
【0195】
(評価)
(1)熱伝導率
得られた積層体を1cm角にカットした後、両面にカーボンブラックをスプレーすることで測定サンプルを作製した。得られた測定サンプルを用いて、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を算出した。表1中の熱伝導率は、比較例1の値を1.00とした相対値である。熱伝導率の測定には、NETZSCH社製「LFA447」を用いた。
【0196】
(2)絶縁破壊強度
得られた積層体における銅箔をエッチングすることにより、直径2cmの円形に銅箔をパターニングして、テストサンプルを得た。耐電圧試験機(ETECH Electronics社製「MODEL7473」)を用いて、テストサンプル間に0.33kV/秒の速度で電圧が上昇するように、25℃にて交流電圧を印加した。テストサンプルに10mAの電流が流れた電圧を絶縁破壊電圧とした。絶縁破壊電圧をテストサンプルの厚みで除算することで規格化し、絶縁破壊強度を算出した。絶縁破壊強度を以下の基準で判定した。
【0197】
[絶縁破壊強度の判定基準]
○:60kV/mm以上
△:30kV/mm以上、60kV/mm未満
×:30kV/mm未満
【0198】
(3)絶縁破壊強度のばらつき
得られた積層体のそれぞれ異なる場所から5cm角にカットし、20個の測定サンプルを得た。上記の(2)と同様にして、20個のテストサンプルを作製し、各テストサンプルについて絶縁破壊強度を算出した。絶縁破壊強度のばらつきを以下の基準で判定した。
【0199】
[絶縁破壊強度のばらつきの判定基準]
○:絶縁破壊強度の最大値と最小値との差が、20kV/mm未満
△:絶縁破壊強度の最大値と最小値との差が、20kV/mm以上、40kV/mm未満
×:絶縁破壊強度の最大値と最小値との差が、40kV/mm以上
【0200】
(4)接着性(剥離強度)
得られた硬化性シート(絶縁層350μm)を電解銅箔(厚み35μm)とアルミニウム板(厚さ1mm)との間に10MPaの圧力で押し付けながら、200℃で1時間加熱して、測定サンプルを得た。その後、測定サンプルを5cm×12cmに切り出し、短辺側の中央1cm×12cmのみを残し、残りの部分の銅箔を剥がした。中央1cmの電解銅箔と硬化後の絶縁層との間の剥離強度を、90°剥離試験により測定した。接着性(剥離強度)を以下の基準で判定した。
【0201】
[接着性(剥離強度)の判定基準]
○:剥離強度が5N/cm以上
△:剥離強度が2N/cm以上、5N/cm未満
×:剥離強度が2N/cm未満
【0202】
結果を下記の表1,2に示す。
【0203】
【表1】
【0204】
【表2】
【符号の説明】
【0205】
1…樹脂シート(樹脂材料)
11…バインダー樹脂
12…第1の窒化ホウ素凝集粒子
13…第2の窒化ホウ素凝集粒子
14…硬化物部(バインダー樹脂が硬化した部分)
21…積層体
22…熱伝導体
22a…一方の表面(第1の表面)
22b…他方の表面(第2の表面)
23…絶縁層
23a…一方の表面(第1の表面)
23b…他方の表面(第2の表面)
24…導電層
24a…一方の表面(第1の表面)
24b…他方の表面(第2の表面)
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】