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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月7日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2019-502853(P2019-502853)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月13日
(31)【優先権主張番号】特願2017-38118(P2017-38118)
(32)【優先日】2017年3月1日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】小村 哲司
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AS04
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC27
5H040CC34
5H040CC38
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN00
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
電池モジュール(1)は、積層された複数の電池(12)を含む電池積層体と、電池(12)の積層方向Xにおける電池積層体の両端に配置される一対のエンドプレート(4)であって、少なくとも一方のエンドプレート(4)が第1金属で構成される第1部分(4a)と第2金属で構成される第2部分(4b)とを有し、第1金属は第2金属よりもヤング率が高い金属であり、第2金属は第1金属よりも密度の小さい金属である、一対のエンドプレート(4)と、第1金属で構成され、積層方向Xで電池積層体と一対のエンドプレート(4)とを挟む拘束部材(6)と、エンドプレート(4)の第1部分(4a)と拘束部材(6)とを接続する溶接部(10)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の電池を含む電池積層体と、
前記電池の積層方向における前記電池積層体の両端に配置される一対のエンドプレートであって、少なくとも一方のエンドプレートが第1金属で構成される第1部分と第2金属で構成される第2部分とを有し、前記第1金属は前記第2金属よりもヤング率が高い金属であり、前記第2金属は前記第1金属よりも密度の小さい金属である、一対のエンドプレートと、
前記第1金属で構成され、前記積層方向で前記電池積層体と前記一対のエンドプレートとを挟む拘束部材と、
前記エンドプレートの前記第1部分と前記拘束部材とを接続する溶接部と、
を備えることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記第1金属は、鉄及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記第2金属は、アルミニウム、マグネシウム及びこれらの合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記エンドプレートは、前記第1部分と前記第2部分との間の熱伝導を抑制する熱伝導抑制部を有する請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第2部分は、凹部を有し、
前記第1部分は、少なくとも一部が前記凹部内に配置される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記凹部の深さは、前記第1部分の積層方向の厚さよりも大きい請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記第1部分と前記第2部分とを固定する固定部材をさらに備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両用等の高い出力電圧が要求される電源として、複数個の電池が直列接続されてなる電池モジュールが知られている。特許文献1には、電池積層体の両端に配置される終端部材と、電池積層体と終端部材とを挟むフレームとが、溶接により互いに固定された構造を備える蓄電装置が開示されている。終端部材はエンドプレートとも呼ばれ、フレームは締結部材とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−48634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電池モジュールには、さらなる高出力電圧が求められるようになってきた。この要求を満たすために、電池モジュールは積層される電池の数が増加する傾向にある。しかしながら、電池の数が増えれば、電池の膨張に起因する電池モジュール全体の寸法変化は大きくなる。このため、電池モジュールの剛性をより高めることが望まれる。一方で、電池モジュールの剛性向上のために電池モジュールの寸法が大きくなったり重量が増加したりすることは、極力避けたいところである。しかしながら、エンドプレートと締結部材の溶接構造を備える電池モジュールでは、エンドプレートと締結部材に用いられる材料の制約から、大型化や重量増を伴わずに剛性の向上を図ることが困難であった。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池モジュールの大型化や重量増を抑制しながら剛性を高める技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、電池モジュールである。当該電池モジュールは、積層された複数の電池を含む電池積層体と、前記電池の積層方向における前記電池積層体の両端に配置される一対のエンドプレートであって、少なくとも一方のエンドプレートが第1金属で構成される第1部分と第2金属で構成される第2部分とを有し、前記第1金属は前記第2金属よりもヤング率が高い金属であり、前記第2金属は前記第1金属よりも密度の小さい金属である、一対のエンドプレートと、前記第1金属で構成され、前記積層方向で前記電池積層体と前記一対のエンドプレートとを挟む拘束部材と、前記エンドプレートの前記第1部分と前記拘束部材とを接続する溶接部と、を備えることを特徴とする電池モジュール。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池モジュールの大型化や重量増を抑制しながら剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る電池モジュールの概略構造を示す斜視図である。
図2】カバー部材を取り外した状態の電池モジュールを示す斜視図である。
図3】電池の概略構造を示す分解斜視図である。
図4】セパレータの概略構造を示す斜視図である。
図5】電池モジュールの一部を模式的に示す断面図である。
図6】実施の形態2に係る電池モジュールの一部を模式的に示す断面図である。
図7】実施の形態3に係る電池モジュールの一部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、同一の部材であっても、各図面間で縮尺等が若干相違する場合もあり得る。また、本明細書または請求項中に用いられる「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電池モジュールの概略構造を示す斜視図である。図2は、カバー部材を取り外した状態の電池モジュールを示す斜視図である。なお、図1及び図2では、溶接部10を模式的に図示している。電池モジュール1は、電池積層体2と、一対のエンドプレート4と、一対の拘束部材6と、カバー部材8と、溶接部10とを主な構成として備える。電池積層体2は、複数の電池12を含む。本実施の形態では、一例として8個の電池12がバスバー(図示せず)により直列に接続されて、電池積層体2が形成されている。
【0011】
各電池12は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池等の充電可能な二次電池である。電池12は、いわゆる角形電池である。複数の電池12は、隣り合う電池12の主表面同士が対向するにして所定の間隔で積層される。なお、「積層」は、任意の1方向に複数の部材を並べることを意味する。したがって、電池12の積層には、複数の電池12を水平方向に並べることも含まれる。
【0012】
隣接する2つの電池12は、一方の電池12の正極の出力端子22(正極端子22a)と他方の電池12の負極の出力端子22(負極端子22b)とが隣り合うように配列される。以下では、出力端子22の極性を区別する必要がない場合、正極端子22aと負極端子22bとをまとめて出力端子22と称する。隣り合う正極端子22aと負極端子22bとは、バスバーを介して電気的に直列に接続される。バスバーは、例えば帯状の金属板である。バスバーの一端側は一方の電池12の正極端子22aに、バスバーの他端側は他方の電池12の負極端子22bに電気的に接続される。なお、隣接する2つの電池12は、一方の正極端子22aと他方の正極端子22aとが隣り合うように配列されてもよい。例えば、隣接する2つの電池12を並列に接続する場合には、同じ極性の出力端子22が隣接するように電池12が配列される。
【0013】
また、電池積層体2は、複数のセパレータ14を有する。セパレータ14は、絶縁スペーサとも呼ばれ、例えば絶縁性を有する樹脂からなる。セパレータ14は、隣接する2つの電池12の間に配置されて、当該2つの電池12間を電気的に絶縁する。また、セパレータ14は、電池12とエンドプレート4との間に配置されて、電池12とエンドプレート4との間を絶縁する。セパレータ14を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂が例示される。電池積層体2の最外側に位置するセパレータ14は、カバー部材8を電池積層体2に固定するための締結部材52が挿通される挿通孔56を有する。
【0014】
電池積層体2は、一対のエンドプレート4で挟まれる。一対のエンドプレート4は、電池12の積層方向X(図1及び図2において矢印Xで示す方向)における電池積層体2の両端に配置される。したがって、各エンドプレート4は、最外側の電池12と隣り合うように配置される。エンドプレート4は、セパレータ14を介して電池12と隣り合うことで、電池12に対して絶縁される。
【0015】
一対の拘束部材6は、複数の電池12及び一対のエンドプレート4の積層方向Xに対して垂直な方向Y(図1及び図2において矢印Yで示す方向)に配列される。一対の拘束部材6の間には、電池積層体2及び一対のエンドプレート4からなる集合体が配置される。各拘束部材6は、集合体の側面に平行な矩形状の平面部6aと、平面部6aの各辺の端部から集合体側に突出する庇部6bとを有する。拘束部材6は、例えば矩形状の金属板の各辺に折り曲げ加工を施すことで形成することができる。積層方向Xで対向する2つの庇部6bは、各エンドプレート4に当接する。したがって、一対の拘束部材6により、電池積層体2と一対のエンドプレート4とが積層方向Xにおいて挟み込まれる。
【0016】
平面部6aには、集合体の側面を露出させる開口部6dが設けられる。開口部6dは、積層方向Xの外力に対する拘束部材6の剛性に極力影響しないよう配置されることが好ましい。これにより、拘束部材6の剛性を維持しながら、拘束部材6の軽量化を図ることができる。なお、拘束部材6には、必要に応じて複数の開口部を設けてもよい。
【0017】
カバー部材8は、トップカバーとも呼ばれ、電池積層体2における出力端子22が突出する側の表面を覆うように配置される。電池積層体2とカバー部材8とが積層される方向を方向Zとする(図1及び図2において矢印Zで示す方向)。カバー部材8は、板状の部材であり、電池積層体2の上面の形状に合わせた形状を有する。本実施の形態では、カバー部材8は矩形状である。カバー部材8により、電池12の出力端子22、後述する弁部24、バスバー等への結露水や塵埃等の接触が防止される。カバー部材8は、例えば絶縁性を有する樹脂からなる。カバー部材8を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂が例示される。カバー部材8は、セパレータ14の挿通孔56に対応する位置に挿通孔(図示せず)を有する。
【0018】
溶接部10は、エンドプレート4と拘束部材6とを互いに固定するための部分である。本実施の形態では、各エンドプレート4と各拘束部材6の庇部6bとが当接する領域に、溶接部10が配置される。
【0019】
続いて、電池12と、セパレータ14と、エンドプレート4と、エンドプレート4及び拘束部材6の固定構造とについて詳細に説明する。
【0020】
図3は、電池12の概略構造を示す分解斜視図である。電池12は、扁平な直方体形状の外装缶18を有する。外装缶18の一面には略長方形状の開口が設けられ、この開口を介して外装缶18に電極体や電解液等が収容される。外装缶18の開口には、外装缶18の内部を封止する封口板20が設けられる。封口板20には、長手方向の一端寄りに正極端子22aが設けられ、他端寄りに負極端子22bが設けられる。封口板20と出力端子22とで封口体が構成される。外装缶18及び封口板20は、金属で形成される。典型的には、外装缶18及び封口板20は、アルミニウムやアルミニウム合金等で形成される。出力端子22は、導電性を有する金属で形成される。
【0021】
本実施の形態では、封口体が設けられる側を電池12の上面n、反対側を電池12の底面とする。また、電池12は、上面n及び底面をつなぐ2つの主表面を有する。この主表面は、電池12が有する6つの面のうち面積の最も大きい面である。上面n、底面及び2つの主表面を除いた残り2つの面は、電池12の側面とする。電池12の上面側を電池積層体2の上面とし、電池12の底面側を電池積層体2の底面とする。
【0022】
電池12は、電池12内部で発生したガスを放出するための弁部24を表面に有する。本実施の形態では、電池12は、上面nに弁部24を有する。弁部24は、封口板20における一対の出力端子22の間に設けられる。より具体的には、弁部24は、封口板20の長手方向の略中央に配置される。弁部24は、外装缶18の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。弁部24は、安全弁あるいはベント部とも呼ばれる。
【0023】
また、電池12は、絶縁フィルム42を備える。絶縁フィルム42は、例えばシュリンクチューブであり、外装缶18を収容した後に加熱される。これにより絶縁フィルム42は収縮し、外装缶18の表面を被覆する。絶縁フィルム42により、隣り合う電池12間の短絡を抑制することができる。
【0024】
図4は、セパレータ14の概略構造を示す斜視図である。セパレータ14は、電池12の主表面に平行な平面部14aと、平面部14aの端部から電池12の積層方向Xに延在する壁部14bとを有する。平面部14aが隣り合う電池12の主表面間に延在することで、隣り合う電池12同士が絶縁される。また、平面部14aが電池12とエンドプレート4との間に延在することで、電池12とエンドプレート4とが絶縁される。
【0025】
また、壁部14bによって、電池12の上面n、底面及び側面が覆われる。これにより、電池12又はエンドプレート4の表面での結露等が原因で生じ得る、隣り合う電池12間あるいは電池12とエンドプレート4との間の短絡を抑制することができる。すなわち、壁部14bによって、隣り合う電池12間あるいは電池12とエンドプレート4との間の沿面距離を確保することができる。特に、壁部14bが電池12の上面nを覆うことで、上述した短絡をより抑制することができる。本実施の形態では、隣り合う2つのセパレータ14における一方の壁部14bの先端が他方の壁部14bの先端に当接する。したがって、電池12は、平面部14aと壁部14bとで形成される空間に収容される。本実施の形態において、セパレータ14は、壁部14bを介して電池12を保持している。
【0026】
壁部14bは、出力端子22に対応する位置に、出力端子22が外部に露出するよう切り欠き26を有する。また、壁部14bは、弁部24に対応する位置に、弁部24が外部に露出するよう開口部28を有する。また、壁部14bは、電池12の側面及び底面に対応する位置に、電池12の側面及び底面の一部が露出するよう切り欠き32を有する。電池モジュール1が組み立てられた状態で、壁部14bは、拘束部材6と電池12の間に位置する。これにより、拘束部材6と電池12の接触を防止することができる。
【0027】
また、セパレータ14は、電池モジュール1が組み立てられた状態で、カバー部材8側に突出してカバー部材8を支持する支持部54を有する。支持部54は、電池12の上面nを覆う壁部14bに設けられる。本実施の形態では、支持部54は、切り欠き26における方向Yの両端部に設けられている。切り欠き26を挟んで並ぶ一対の支持部54は、バスバーの設置位置を規定している。バスバーは、一対の支持部54の間に配置される。
【0028】
図5は、電池モジュール1の一部を模式的に示す断面図である。図5では、XY平面に平行な断面を図示している。また、図5では、電池12の内部構造の図示を省略している。
【0029】
各エンドプレート4は、第1部分4aと第2部分4bとを有する。第1部分4aは、電池モジュール1における積層方向Xの外側に配置される。第2部分4bは、積層方向Xの内側、すなわち電池積層体2側に配置される。本実施の形態の第2部分4bは、積層方向Xの外側に凹部4cを有する。凹部4cは、方向Yにおいてエンドプレート4の略中央に配置される。そして、凹部4c内に、第1部分4aの少なくとも一部、より好ましくは全体が配置される。第1部分4aと第2部分4bとは、例えば従来公知の接着や、第1部分4aの凹部4cへの嵌合により、互いに固定される。第2部分4bにおける積層方向Xの内側を向く表面には、セパレータ14が当接する。第1部分4aにおける積層方向Xの外側を向く表面には、各拘束部材6の庇部6bが当接する。第1部分4aは、第2部分4bよりも体積が小さい。
【0030】
第1部分4aは、第1金属で構成される。第2部分4bは、第1金属とは異なる第2金属で構成される。また、拘束部材6は、第1金属で構成される。第1金属は、第2金属よりもヤング率が高い金属であり、第2金属は、第1金属よりも密度の小さい金属である。例えば、第1金属は、鉄(Fe)及びステンレス鋼(SUS)からなる群から選択される少なくとも1種を含む。また、第2金属は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)及びこれらの合金(すなわち、アルミニウム合金及びマグネシウム合金)からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
【0031】
溶接部10は、エンドプレート4の第1部分4aと拘束部材6の庇部6bとを接続する。溶接部10は、従来公知の溶接方法によって形成することができる。例えば、エンドプレート4の第1部分4aと拘束部材6の庇部6bとが重なった状態で、重なり合う部分にレーザを照射して貫通溶接することで、溶接部10を形成することができる。具体的には、庇部6bにおける第1部分4aに背向する表面に、レーザが照射される。レーザは、当該表面から庇部6bを貫通して、第1部分4aに到達する。これにより、庇部6bの一部と第1部分4aの一部とが溶融し、庇部6bと第1部分4aの界面を突き抜ける溶接部10が形成される。なお、溶接部10は、第1部分4aと庇部6bとの境界部へのレーザ照射による隅肉溶接や、ロウ付け溶接、抵抗溶接等によっても形成することができる。
【0032】
電池モジュール1は、例えば以下のようにして組み立てられる。すなわち、まず複数の電池12と複数のセパレータ14とが交互に積層されて、電池積層体2が形成される。次いで、電池積層体2が一対のエンドプレート4で挟まれて集合体が形成される。そして、この集合体に、一対の拘束部材6が取り付けられる。集合体の一部は、各拘束部材6における4つの庇部6bで囲まれる空間に進入する。この状態で、拘束部材6の庇部6bとエンドプレート4の第1部分4aとが重なり合う部分に溶接処理が施されて、溶接部10が形成される。この結果、複数の電池12と複数のセパレータ14とが一対のエンドプレート4と一対の拘束部材6とによって締結される。
【0033】
複数の電池12は、拘束部材6によって電池12の積層方向Xに締め付けられることで、積層方向Xの位置決めがなされる。また、複数の電池12は、底面がセパレータ14を介して拘束部材6の下側の庇部6bに当接し、上面がセパレータ14を介して拘束部材6の上側の庇部6bに当接し、側面がセパレータ14を介して拘束部材6の平面部6aに当接することで、方向Y及び方向Zの位置決めがなされる。この状態で、各電池12の出力端子22にバスバーが電気的に接続される。その後、カバー部材8が電池積層体2の上面に取り付けられる。以上の工程により、電池モジュール1が得られる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る電池モジュール1は、電池積層体2と、電池積層体2の両端に配置される一対のエンドプレート4と、電池12の積層方向Xで電池積層体2と一対のエンドプレート4とを挟む一対の拘束部材6と、エンドプレート4と拘束部材6とを接続する溶接部10とを備える。各エンドプレート4は、第1金属で構成される第1部分4aと第2金属で構成される第2部分4bとを有する。第1金属は、第2金属よりもヤング率が高い金属であり、例えばFe及びSUSからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第2金属は、第1金属よりも密度の小さい金属であり、Al、Mg及びこれらの合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む。また、拘束部材6は、第1金属で構成される。溶接部10は、各エンドプレート4の第1部分4aと各拘束部材6とを接続する。
【0035】
拘束部材6は、FeやSUSといったヤング率の高い第1金属で構成されるため、積層方向Xの外力に対して高い剛性を有する。これにより、電池12が膨張した際等に拘束部材6に応力がかかった場合でも、電池モジュール1の形状をより確実に保持することができる。また、第1部分4aは、拘束部材6と同一または同種の第1金属で構成される。このため、第1部分4aと拘束部材6とを接続する溶接部10を形成することができる。溶接部10によりエンドプレート4と拘束部材6とを固定することで、ねじ等の締結部材を用いて固定する場合に比べて、電池モジュール1の部品点数を削減でき、また小型化することができる。
【0036】
一方、第2部分4bは、AlやMgといった密度の小さい金属である。すなわち、第2金属は、第1金属よりも軽量である。エンドプレート4の一部を第2金属で構成することで、エンドプレート4の重量増を抑制しながら、エンドプレート4の厚みを確保して、エンドプレート4の剛性を高めることができる。エンドプレート4の剛性向上により、電池12の膨張に起因する電池モジュール1の寸法変化を抑制することができる。すなわち、電池モジュール1の剛性が向上する。
【0037】
例えばエンドプレート4の全体が第1金属で構成される場合、電池モジュール1の剛性向上のためにエンドプレート4の厚みを増やすと、電池モジュール1の大幅な重量増につながる。同じ重量で電池モジュール1の剛性を高めようとした場合、例えばエンドプレート4を、第1金属の板を蛇腹状に折り曲げた形状とすることが考えられる。しかしながら、この場合はエンドプレート4が著しく大型化し、電池モジュール1の大型化を招く。これに対し、第1金属からなる第1部分4aと第2金属からなる第2部分4bとでエンドプレート4を構成することで、溶接構造を採用することによるエンドプレート4と拘束部材6の材料の組み合わせについての制約を守りながら、電池モジュール1の大型化や重量増の抑制と電池モジュール1の剛性の向上とを実現することができる。
【0038】
電池モジュール1の剛性向上により、電池モジュール1の寸法変化が小さくなる。このため、電池モジュール1の設置スペースにおいて、電池モジュール1の膨張許容分を減らすことができる。よって、電池モジュール1の設置スペースを小さくすることができる。これにより、電池モジュール1の設置スペースに対するエネルギー密度を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、蛇腹状等の複雑な形状のエンドプレートに比べて、エンドプレートの寸法精度を高めることができる。このため、電池モジュール1の寸法精度を高めることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、第2部分4bが凹部4cを有し、第1部分4aの少なくとも一部が凹部4c内に配置されている。これにより、エンドプレート4の大型化を抑制することができる。また、第2部分4bに対して第1部分4aをより簡単に位置決めすることができる。
【0040】
また、エンドプレート4と拘束部材6とを溶接する際、セパレータ14や電池12に熱が伝わる可能性がある。電池12の性能や、セパレータ14の絶縁機能を保持するためには、このような熱伝導は極力避けることが望ましい。これに対し、エンドプレート4は、主に溶接に供する第1部分4aと、主に剛性向上に供する第2部分4bとからなる。第1部分4aと第2部分4bとの界面における接触熱抵抗により、第1部分4aから第2部分4bへは熱が伝わりにくい。これにより、セパレータ14や電池12側への溶接熱の伝導を抑制することができる。また、第1部分4aに熱が留まりやすくなるため、溶接時の入力熱量を小さくすることができる。第1部分4aは、第2部分4bよりも体積が小さいため、必要な入力熱量はより小さくなる。さらには、溶接熱の伝導を抑制する観点でエンドプレート4を厚くする必要性が低下するため、エンドプレート4の薄型化、ひいては電池モジュール1の小型化が可能となる。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る電池モジュールは、エンドプレートの構造が異なる点を除き、実施の形態1と共通の構成を有する。以下、本実施の形態に係る電池モジュールについて実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。図6は、実施の形態2に係る電池モジュールの一部を模式的に示す断面図である。図6では、XY平面に平行な断面を図示している。また、図6では、電池12の内部構造の図示を省略している。
【0042】
本実施の形態に係る電池モジュール201は、一対のエンドプレート204を備える。各エンドプレート204は、第1部分204aと第2部分204bとを有する。第1部分204aは積層方向Xの外側に配置され、第2部分204bは積層方向Xの内側に配置される。第2部分204bは、積層方向Xの外側に凹部204cを有し、凹部204c内に第1部分204aが配置される。第2部分204bにおける積層方向Xの内側を向く表面には、セパレータ14が当接する。第1部分204aにおける積層方向Xの外側を向く表面には、各拘束部材6の庇部6bが当接する。第1部分204aは第1金属で構成され、第2部分204bは第2金属で構成される。第1金属と第2金属とは、実施の形態1で説明したとおりである。
【0043】
各エンドプレート204は、第1部分204aと第2部分204bとの間の熱伝導を抑制する熱伝導抑制部204dを有する。本実施の形態の熱伝導抑制部204dは、凹部204cの底面に設けられた凹凸によって構成されている。このような凹凸は、例えば凹部204cの底面に従来公知の粗面化処理を施すことで、形成することができる。なお、熱伝導抑制部204dは、第1部分204aの第2部分204b側を向く表面に設けられる凹凸によって構成されてもよい。また、熱伝導抑制部204dは、従来公知の断熱シート等で構成されてもよい。
【0044】
エンドプレート204が熱伝導抑制部204dを備えることで、溶接部10を形成する際のセパレータ14や電池12側への熱伝導をより抑制することができる。また、溶接時の入力熱量をより小さくすることができる。
【0045】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る電池モジュールは、エンドプレートの構造が異なる点を除き、実施の形態1と共通の構成を有する。以下、本実施の形態に係る電池モジュールについて実施の形態1と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については簡単に説明するか、あるいは説明を省略する。図7は、実施の形態3に係る電池モジュールの一部を模式的に示す断面図である。図7では、XY平面に平行な断面を図示している。また、図7では、電池12の内部構造の図示を省略している。
【0046】
本実施の形態に係る電池モジュール301は、一対のエンドプレート304を備える。各エンドプレート304は、第1部分304aと第2部分304bとを有する。第1部分304aは積層方向Xの外側に配置され、第2部分304bは積層方向Xの内側に配置される。第2部分304bは、積層方向Xの外側に凹部304cを有し、凹部304c内に第1部分304aが配置される。第2部分304bにおける積層方向Xの内側を向く表面には、セパレータ14が当接する。第1部分304aにおける積層方向Xの外側を向く表面には、各拘束部材6の庇部6bが当接する。第1部分304aは第1金属で構成され、第2部分304bは第2金属で構成される。第1金属と第2金属とは、実施の形態1で説明したとおりである。
【0047】
凹部304cの深さD1、すなわち第2部分304bにおける積層方向Xの外側を向く表面から凹部304cの底面までの距離は、第1部分304aの積層方向Xの厚さD2よりも大きい。これにより、積層方向Xにおいて、第1部分304aの全体をより確実に凹部304c内に配置することができる。また、積層方向Xにおいて、第1部分304aと庇部6bとの界面も凹部304c内に配置されることになる。したがって、溶接部10も凹部304c内に配置される。この結果、溶接部10が積層方向Xの外側に突出することによる電池モジュール301の大型化を抑制することができる。
【0048】
また、エンドプレート304は、第1部分304aと第2部分304bとを固定する固定部材304eをさらに備える。固定部材304eは、例えば、ねじである。第1部分304a及び第2部分304bの所定位置、例えば方向Y及び方向Zの略中央には挿通孔が設けられ、この挿通孔に固定部材304eが挿通されることで、第1部分304aと第2部分304bとが互いに固定される。これにより、エンドプレート304の剛性を高めることができる。また、第1部分304aの表面が凹部304c内に配置されているため、第1部分304aから積層方向Xへの固定部材304eの突出を吸収することができる。このため、固定部材304eを設けることによる電池モジュール1の大型化を抑制することができる。なお、凹部304cの深さD1を第1部分304aの厚さD2よりも大きくした構造と固定部材304eとは必須の組み合わせではなく、それぞれ単独で採用することができる。
【0049】
本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などのさらなる変形を加えたりすることも可能であり、そのように組み合わせられ、もしくはさらなる変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれる。上述した各実施の形態同士の組み合わせ、及び上述した各実施の形態への変形の追加によって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態、及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
【0050】
電池12は絶縁フィルム42を有しなくともよい。また、電池12の形状は特に限定されず、円筒状等であってもよい。また、電池積層体が備える電池12の数も特に限定されない。また、一方のエンドプレート4のみが第1部分4aと第2部分4bで構成されてもよい。拘束部材6は、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0051】
以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【符号の説明】
【0052】
1,201,301 電池モジュール、 2 電池積層体、 4,204,304 エンドプレート、 4a,204a,304a 第1部分、 4b,204b,304b 第2部分、 4c,204c,304c 凹部、 6 拘束部材、 10 溶接部、 12 電池、 204d 熱伝導抑制部、 304e 固定部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】