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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年1月25日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】光通信装置および周波数制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/572 20130101AFI20181130BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20181130BHJP
   H04B 10/075 20130101ALI20181130BHJP
   H04B 10/61 20130101ALI20181130BHJP
【FI】
   H04B10/572
   H04J14/02 198
   H04B10/075
   H04B10/61
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】特願2018-528168(P2018-528168)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年7月21日
(11)【特許番号】特許第6419395号(P6419395)
(45)【特許公報発行日】2018年11月7日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】備海 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】松田 恵介
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA03
5K102AA51
5K102AD01
5K102AH14
5K102AL11
5K102KA02
5K102LA02
5K102LA11
5K102MA01
5K102MB02
5K102MC03
5K102MD01
5K102MD04
5K102MH03
5K102MH12
5K102MH25
5K102PB13
5K102RD26
(57)【要約】
本発明にかかる光通信装置は、複数の光信号が周波数多重された信号であり、複数の光信号の各々は複数のサブキャリアが多重化された構成の信号を受信する光通信装置(103)であって、複数の光信号の中のいずれか一つの光信号が含まれている帯域を処理対象として受信処理を行い、処理対象の帯域に含まれている光信号である受信対象光信号とローカル光との間の周波数オフセット量と、受信対象光信号に隣接する光信号とローカル光との間の周波数間隔である搬送波周波数間隔と、を算出する複数の送受信器(2−1〜2−4)と、複数の送受信器(2−1〜2−4)で算出された周波数オフセット量および搬送波周波数間隔に基づいて、複数の光信号の送信元の光通信装置(101)が複数の光信号の周波数を調整する際の調整量を算出し、算出した調整量を送信元の光通信装置(101)へ送信する周波数制御部(6)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光信号が周波数多重された信号であり、前記複数の光信号の各々は複数のサブキャリアが多重化された構成の信号を受信する光通信装置であって、
前記複数の光信号の中のいずれか一つの光信号が含まれている帯域を処理対象として受信処理を行い、前記処理対象の帯域に含まれている光信号である受信対象光信号とローカル光との間の周波数オフセット量と、前記受信対象光信号に隣接する光信号と前記ローカル光との間の周波数間隔である搬送波周波数間隔と、を算出する複数の送受信器と、
前記複数の送受信器で算出された前記周波数オフセット量および前記搬送波周波数間隔に基づいて、前記複数の光信号の送信元の光通信装置が前記複数の光信号の周波数を調整する際の調整量を算出し、前記算出した調整量を前記送信元の光通信装置へ送信する周波数制御部と、
を備えることを特徴とする光通信装置。
【請求項2】
前記複数の送受信器の各々は、
前記処理対象の帯域に対してコヒーレント検波を行い電気信号に変換するコヒーレントレシーバと、
前記電気信号に対してデジタル信号処理を行い前記周波数オフセット量および前記搬送波周波数間隔を算出するデジタル信号処理部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
前記デジタル信号処理部は、前記電気信号に含まれている、前記受信対象光信号に隣接する光信号の一部の信号成分に基づいて前記搬送波周波数間隔を算出することを特徴とする請求項2に記載の光通信装置。
【請求項4】
前記デジタル信号処理部は、前記受信対象光信号に隣接する光信号の信号成分に基づいて、前記ローカル光と前記受信対象光信号に隣接する光信号の前記受信対象光信号に近い側の端部に位置しているサブキャリアとの間の周波数間隔を算出し、算出した周波数間隔と、予め定められた隣接しているサブキャリア同士の周波数間隔とに基づいて前記搬送波周波数間隔を算出することを特徴とする請求項3に記載の光通信装置。
【請求項5】
複数のサブキャリアが多重化された光信号を送信可能な複数の第1の送受信器を有する第1の光通信装置と、前記複数の第1の送受信器から送信された光信号を受信する複数の第2の送受信器を有する第2の光通信装置と、を備えた光通信システムにおける周波数制御方法であって、
前記第1の光通信装置の前記複数の第1の送受信器がそれぞれ異なる周波数の光信号を生成して送信する送信ステップと、
前記第2の光通信装置の前記複数の第2の送受信器の各々が、前記送信ステップで送信された各光信号の中のいずれか一つの光信号が含まれている帯域を処理対象として受信処理を行い、前記処理対象の帯域に含まれている光信号である受信対象光信号とローカル光との間の周波数オフセット量と、前記受信対象光信号に隣接する光信号と前記ローカル光との間の周波数間隔である搬送波周波数間隔と、を算出する第1の算出ステップと、
前記第2の光通信装置が、前記第1の算出ステップで算出された前記周波数オフセット量および前記搬送波周波数間隔に基づいて、前記複数の第1の送受信器が送信する光信号の周波数補償量を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の光通信装置が、複数の第1の送受信器が送信する光信号の周波数を前記第2の算出ステップで算出された前記周波数補償量に基づいて調整する調整ステップと、
を含むことを特徴とする周波数制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信システムを構成する光通信装置、および周波数制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光通信システムでは、さらなる伝送容量の拡大に向けて高密度に光信号を多重する技術が盛んに研究されている。複数の光信号を高密度に多重化する光伝送システムでは、長距離伝送における非線形光学効果の影響で伝送性能の劣化が顕著となる。デジタルコヒーレント方式での光伝送において一般的に使用される波長可変光源にはGHzオーダの周波数ずれが生じる可能性があり、キャリア間のクロストークが伝送性能劣化の要因となる。特にスーパーチャネル技術などサブキャリアを高密度に多重するシステムではクロストークによる伝送性能の劣化が顕著となる。
【0003】
ここで、光周波数のずれを補償する従来の発明が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の発明において、光送信部は、複数チャネルの波長のうち特定波長の光パワーを低下させて送信し、光受信部は、光パワーを低下させたチャネルの隣接チャネルの符号誤り率からチャネルクロストーク量を評価して波長ずれを検出する。そして、光送信部は、検出された波長ずれを補償して波長間隔を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−104008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では符号誤り率を用いて波長間隔を制御しているが、符号誤り率はチャネルクロストーク量だけではなく伝送路の非線形光学効果などの影響により変動する。そのため、符号誤り率ではチャネルクロストーク量を正確に評価することができず、符号誤り率を用いた波長間隔の制御は正確性に欠けるという問題があった。すなわち、特許文献1に記載の符号誤り率に基づく制御では各チャネルの波長を所望の値に調整できない可能性があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多重伝送される各光信号の波長を高精度に制御する光通信システムを実現可能な光通信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光通信装置は、複数の光信号が周波数多重された信号であり、複数の光信号の各々は複数のサブキャリアが多重化された構成の信号を受信する。光通信装置は、複数の光信号の中のいずれか一つの光信号が含まれている帯域を処理対象として受信処理を行い、処理対象の帯域に含まれている光信号である受信対象光信号とローカル光との間の周波数オフセット量と、受信対象光信号に隣接する光信号とローカル光との間の周波数間隔である搬送波周波数間隔と、を算出する複数の送受信器を備える。また、光通信装置は、複数の送受信器で算出された周波数オフセット量および搬送波周波数間隔に基づいて、複数の光信号の送信元の光通信装置が複数の光信号の周波数を調整する際の調整量を算出し、算出した調整量を送信元の光通信装置へ送信する周波数制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる光通信装置は、多重伝送される各光信号の波長を高精度に制御する光通信システムを実現できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態にかかる光通信装置を備えた光通信システムの構成例を示す図
図2】サブキャリア多重光伝送システムで伝送される光信号の構成例を示す図
図3】実施の形態にかかる送受信器のハードウェア構成例を示す図
図4】実施の形態にかかるデジタル信号処理部において受信デジタル信号処理を行う機能ブロックの構成例を示す図
図5】実施の形態にかかるデータ受信部の構成例を示す図
図6】実施の形態にかかる搬送波周波数間隔検出部の構成例を示す図
図7】コヒーレント検波による周波数オフセット補償の一例を示す図
図8】実施の形態にかかる光通信システムにおいて光信号の周波数を調整する動作の概念を示す図
図9】実施の形態にかかる光通信システムにおける光信号の周波数制御動作の一例を示すフローチャート
図10】光通信システムにおいて伝送される各光信号の関係の一例を示す図
図11】光通信システムにおける周波数制御動作を説明するための図
図12】周波数制御部のハードウェア構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態にかかる光通信装置および周波数制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる光通信装置を備えた光通信システムの構成例を示す図である。図1に示した光通信システム100はサブキャリア多重光伝送システムである。
【0012】
光通信システム100は、本実施の形態にかかる光通信装置である光通信装置101および103を備える。これらの光通信装置101および103は光ファイバ伝送路102により接続され、双方向で通信を行うことが可能である。光通信装置101から光通信装置103への通信動作と光通信装置103から光通信装置101への通信動作とは同じである。本実施の形態では、一例として、光通信装置101から光通信装置103への通信動作について説明する。そのため、光通信装置101については、信号を送信するために必要な処理について説明し、光通信装置103については信号を受信するために必要な処理について説明する。光通信装置103から光通信装置101への通信動作は、以下で説明する光通信装置101の処理と光通信装置103の処理とを入れ替えたものとなる。
【0013】
また、本実施の形態にかかる光通信システム100では、光通信装置101および103が、多重数が4の光信号、具体的には、波長が異なる4つの光信号が多重化された状態の光信号を送受信するものとする。
【0014】
第1の光通信装置である光通信装置101は、第1の送受信器である送受信器1−1〜1−4、合分波器3および周波数制御部4を備える。
【0015】
送受信器1−1〜1−4は、複数のサブキャリアが多重化された光信号であるサブキャリア多重光信号(以下、単に「光信号」と記載する)を生成して送信する。送受信器1−1〜1−4で生成される各光信号の中心周波数(以下、単に周波数と記載する)をf1〜f4とし、f1<f2<f3<f4であるものとする。以下の説明では各光信号の周波数を搬送波周波数と称する場合もある。合分波器3は、送受信器1−1〜1−4の各々から出力された各光信号を合波する。周波数制御部4は、送受信器1−1〜1−4が送信する光信号の周波数を制御する。
【0016】
第2の光通信装置である光通信装置103は、第2の送受信器である送受信器2−1〜2−4、合分波器5および周波数制御部6を備える。
【0017】
合分波器5は、光ファイバ伝送路102を介して送受信器1−1〜1−4から送信された光信号、すなわち周波数多重された状態の光信号を分波し、周波数多重される前の各光信号に分ける。また、合分波器5は、分波後の各光信号を送受信器2−1〜2−4のいずれかへ入力する。本実施の形態では、合分波器5は、周波数がf1の光信号を送受信器2−1へ入力し、周波数がf2の光信号を送受信器2−2へ入力し、周波数がf3の光信号を送受信器2−3へ入力し、周波数がf4の光信号を送受信器2−4へ入力する。なお、送受信器2−1〜2−4のそれぞれには、受信すべき信号成分が含まれる帯域よりも広い帯域の光が入力する。例えば、送受信器2−1には、周波数がf1の光信号を含んだ帯域が入力する。
【0018】
送受信器2−1〜2−4は、合分波器5を介して入力された光信号を受信する。また、送受信器2−1〜2−4は、内部の波長可変光源が発光する連続光であるローカル光の周波数と受信した光信号の周波数との間の誤差を示す周波数オフセット量を算出するとともに、ローカル光の周波数と受信した光信号に隣接する光信号の周波数との間隔である搬送波周波数間隔を算出する。
【0019】
周波数制御部6は、送受信器2−1〜2−4で算出された周波数オフセット量および搬送波周波数間隔に基づいて、光通信装置101が送信する各光信号の周波数の調整量である周波数補償量を算出し、算出結果を光通信装置101へ送信する。
【0020】
つづいて、本実施の形態で想定するサブキャリア多重光伝送システムについて説明する。図2は、サブキャリア多重光伝送システムで伝送される光信号の構成例を示す図である。図1に示した送受信器1−1〜1−4の各々から送信される各光信号は図2に示すチャネル単位で送信される。図1および図2に示したように、本実施の形態にかかる構成は4波の波長多重システムである。
【0021】
図2では、波長多重システムで伝送される各光信号の理想的な周波数間隔を示している。すなわち、波長多重システムで伝送される各光信号の周波数の間隔は、図2の上段に示したように等間隔となるのが望ましい。そのため、本実施の形態の光通信システム100では、波長多重伝送される各光信号の周波数の間隔が等間隔となるように各光信号の周波数f〜f4を制御する。また、図2の下段には各チャネルの構成例を示している。各チャネルの構成は同じであり、図2では一例として周波数がf1のチャネルに対応する光信号の構成を示している。図2の下段に示したように、1つのチャネルは複数のサブキャリアで構成される。1チャネルあたりの総伝送速度を100Gbit/s(100Gbps)以上とする。図2では1チャネルあたり8サブキャリアを多重した構成のシステムとしているが一例であり、サブキャリアの多重数を8に限定するものではない。本実施の形態において許容できるサブキャリアの多重数は4以上とする。また、変調方式は偏波多重4値位相変調方式(DP−QPSK:Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)を適用した場合を想定しており、サブキャリアあたりのボーレート(Baudrate)は10GBaud以下となる。このサブキャリア多重光伝送は、1サブキャリアあたりのボーレートを低く抑えることができるため、100Gbps相当の伝送速度の信号を伝送する場合に、1波で100Gbps(32Gbaud)を伝送するシステムと比較して伝送性能が優位となる特徴を有する。
【0022】
本実施の形態にかかる光通信装置101および103の送受信器1−1〜1−4および2−1〜2−4の構成について説明する。これらの各送受信器は、取り扱う光信号の周波数が異なるものの、その構成は同一である。
【0023】
図3は、本実施の形態にかかる送受信器のハードウェア構成例を示す図である。図3に示したように、送受信器1−1〜1−4,2−1〜2−4は、波長可変光源11、光変調器12、デジタル信号処理部13、DAC(Digital to Analog Converter)14、コヒーレントレシーバ15およびADC(Analog to Digital Converter)16を備える。
【0024】
波長可変光源11は、予め設定されている波長すなわち周波数の連続光(CW:Continuous Wave)を発光する。例えば、送受信器1−1を構成している波長可変光源11は、周波数がf1の連続光を発光する。また、波長可変光源11は、連続光を発光する際、周波数制御部4または6から入力される制御信号に従い、発光する連続光の周波数をリアルタイムに調整する。すなわち、波長可変光源11は、入力された制御信号が示す調整量に従い、発光する連続光の周波数を調整する。例えば、送受信器1−1を構成している波長可変光源11は、周波数制御部4から入力された制御信号が示す調整量に従い、発光する連続光の周波数を調整する。波長可変光源11が発光した連続光は、光変調器12およびコヒーレントレシーバ15へ出力される。
【0025】
光変調器12は、波長可変光源11から発光された連続光をDAC14から入力された信号で変調して送信信号を生成する。
【0026】
デジタル信号処理部13は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、送信データを生成してDAC14に出力する処理および受信デジタル信号処理を行う。デジタル信号処理部13は、受信デジタル信号処理において、ADC16から入力された信号の復調処理、対向する送受信器から受信した光信号とローカル光との間の周波数オフセット量を算出する処理、などを行う。ローカル光は、波長可変光源11から入力される連続光である。
【0027】
DAC14は、デジタル信号処理部13で生成された送信データをデジタル信号からアナログ信号に変換して光変調器12へ出力する。
【0028】
コヒーレントレシーバ15は、対向する光通信装置から送信され、合分波器5を介して入力された光信号である受信信号に対してコヒーレント検波を行う。具体的には、コヒーレントレシーバ15は、合分波器5を介して入力された光信号と波長可変光源11で発光された連続光とを混合干渉させることにより、受信信号を光信号から電気信号に変換する。コヒーレントレシーバ15は、コヒーレント検波により得られた電気信号をADC16へ出力する。
【0029】
ADC16は、コヒーレントレシーバ15で電気信号に変換された受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してデジタル信号処理部13へ出力する。
【0030】
デジタル信号処理部13の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態にかかる光通信装置のデジタル信号処理部13は、受信信号を処理する動作に特徴を有する。そのため、本実施の形態では受信信号の処理に関連する構成について説明を行い、送信動作に関連する構成については説明を省略する。送信動作に関連する構成および処理は、従来のコヒーレントレシーバと同様である。
【0031】
図4は、実施の形態にかかるデジタル信号処理部13において受信デジタル信号処理を行う機能ブロックの構成例を示す図である。デジタル信号処理部13は、受信デジタル信号処理を行う機能ブロックとして、データ受信部20−1〜20−8および搬送波周波数間隔検出部30を備える。データ受信部20−1〜20−8および搬送波周波数間隔検出部30には、ADC16でデジタル信号に変換された受信信号であるデジタル受信信号が入力される。
【0032】
データ受信部20−1〜20−8は、対応するサブキャリアの受信データを復調する。例えば、周波数が最も低いサブキャリアに対する復調処理をデータ受信部20−1が行い、周波数が最も高いサブキャリアに対する復調処理をデータ受信部20−8が行う。データ受信部20−1〜20−8は、内部構成が同一であり、処理対象のサブキャリアが異なる。
【0033】
搬送波周波数間隔検出部30は、自送受信器が受信するチャネルである自チャネルに隣接するチャネルの光信号とローカル光との間の搬送波周波数間隔を算出する。搬送波周波数間隔検出部30は、搬送波周波数間隔を算出する際、隣接するチャネルの最端サブキャリアの周波数オフセット量を検出する。隣接するチャネル(以下、隣接チャネル)の最端サブキャリアとは、隣接チャネルを構成しているサブキャリアのうち、自チャネルに最も近いサブキャリアである。最端サブキャリアの周波数オフセット量は、ローカル光の周波数と隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数との差である。本実施の形態では、搬送波周波数間隔検出部30は、自チャネルよりも周波数が高い隣接チャネルの最端サブキャリア周波数オフセットを検出し、さらに、自チャネルよりも周波数が高い隣接チャネルの光信号とローカル光との間の搬送波周波数間隔を算出する。
【0034】
図5は、実施の形態にかかるデータ受信部20−1〜20−8の構成例を示す図である。データ受信部20−1〜20−8は、波長分散補償部21、偏波分離部22、周波数オフセット推定部23、周波数オフセット補償部24、搬送波位相復元部25およびシンボル識別部26を備える。
【0035】
波長分散補償部21は、デジタル受信信号が有する、光ファイバ伝送路102において発生した波長分散を補償する。偏波分離部22は、波長分散補償が行われた後のデジタル受信信号を偏波状態が異なる2つの信号に分離する。周波数オフセット推定部23は、偏波分離部22で偏波分離された後のデジタル受信信号に対してデジタル信号処理を行い、対向する送受信器から受信した光信号の周波数と波長可変光源11が発光した連続光の周波数との間の周波数オフセット量を推定する。周波数オフセット補償部24は、デジタル受信信号が有する周波数オフセットを、周波数オフセット推定部23での推定結果に基づいて補償する。搬送波位相復元部25は、周波数オフセット補償部24で周波数オフセットが補償された後のデジタル受信信号の位相を復元する。シンボル識別部26は、搬送波位相復元部25で位相が復元された後のデジタル受信信号を判定して受信データを再生する。
【0036】
図6は、搬送波周波数間隔検出部30の構成例を示す図である。搬送波周波数間隔検出部30は、波長分散補償部31、偏波分離部32、サブキャリア周波数オフセット推定部33および周波数間隔検出部34を備える。
【0037】
波長分散補償部31は、データ受信部20−1〜20−8の波長分散補償部21と同様の処理部であり、デジタル受信信号が有する波長分散を補償する。また、偏波分離部32は、データ受信部20−1〜20−8の偏波分離部22と同様の処理部であり、デジタル受信信号を偏波状態が異なる2つの信号に分離する。
【0038】
サブキャリア周波数オフセット推定部33は、偏波分離部32で偏波状態が異なる2つの信号に分離された後の受信信号に対してデジタル信号処理を行い、隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数とローカル光の周波数の差を推定する。サブキャリア周波数オフセット推定部33は、例えば、受信信号に対して離散フーリエ変換または高速フーリエ変換などの演算を実施して周波数領域の信号に変換し、受信信号のスペクトルを分析することにより、自チャネルの搬送波周波数と隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数との差である最端サブキャリアの周波数オフセット量を推定する。
【0039】
周波数間隔検出部34は、サブキャリア周波数オフセット推定部33での推定結果に基づいて、ローカル光の周波数と隣接チャネルの周波数との間隔である搬送波周波数間隔を算出する。また、周波数間隔検出部34は、データ受信部20−1〜20−8の周波数オフセット推定部23から、受信した光信号の周波数とローカル光の周波数との間の周波数オフセット量を受け取り、受け取った周波数オフセット量と、算出した搬送波周波数間隔とを周波数制御部6へ出力する。
【0040】
ここで、デジタル信号処理部13が受信デジタル信号処理において搬送波周波数間隔を算出する原理について説明する。
【0041】
従来、デジタルコヒーレント光伝送技術では、送信器で使用する光源と受信器で使用する光源の違いから生じる、各光源から発光される光の周波数誤差である周波数オフセットを補正するために周波数オフセット補償回路が用いられてきた。本実施の形態にかかる光通信装置では、上記の周波数オフセット補償回路を使用し、サブキャリア多重光伝送システムにおいて光源の周波数を調整することで周波数多重信号の各搬送波の周波数を高精度に制御する。
【0042】
図7は、コヒーレント検波による周波数オフセット補償の一例を示す図である。図7は、図1に示した送受信器1−1から送信された光信号に対してコヒーレント検波を行う場合の例、すなわち、送受信器2−1が行うコヒーレント検波の例を示している。コヒーレント検波では、ローカル光と受信光とを混合干渉させることで、受信光に含まれる信号成分を検出する。また、コヒーレント検波後の信号に対してデジタル信号処理を行うことで、周波数f1の受信光と周波数f1'のローカル光との間の周波数オフセット量Δfを検出することが可能である。また、図7の上段に示したように、コヒーレント検波を行うコヒーレントレシーバが持つ受信帯域は受信光の信号帯域よりも広く、例えば32Gbaudの信号に対しては±5GHz程度広くなる。そのため、隣接チャネルの最端サブキャリアの信号成分を検出することができる。
【0043】
図8は、実施の形態にかかる光通信システムにおいて光信号の周波数を調整する動作の概念を示す図である。図8は、周波数f2の光信号の周波数を調整する場合の動作例を示している。また、図8に示した例では、隣り合った光信号の間の理想的な周波数間隔をΔF、同一チャネル内において隣り合っているサブキャリアの間隔をΔFsとしている。ΔFおよびΔFsは予め決められている固定値である。
【0044】
周波数f1の光信号を受信する送受信器2−1は、上述したように、コヒーレント検波を行うことにより、隣接チャネルの最端サブキャリアの信号成分を検出することができ、隣接チャネルの最端サブキャリアとローカル光との間の周波数オフセット量Δfsを推定可能である。なお、Δfsの推定は、図6に示したサブキャリア周波数オフセット推定部33が行う。周波数オフセット量Δfsを推定可能であるため、光通信装置103は、周波数f2の光信号の周波数調整量である周波数補償量Δf2を、周波数オフセット量Δfsを用いて算出することができる。すなわち、サブキャリア間隔ΔFsが既知であり、また、図8の上段に示したように、周波数f1と周波数f2との間隔Δf12がΔfs+3.5ΔFsであることから、光通信装置103では、周波数間隔Δf12と搬送波周波数間隔ΔFとを比較し、これらの差を周波数補償量Δf2として求めることが可能である。周波数補償量Δf2を求めることが可能であるため、図8の下段に示したように、光通信装置101では、送受信器1−2が、送信する光信号の周波数f2を補正してf2'とすることが可能である。なお、周波数補償量Δf2は光通信装置103の周波数制御部6で算出され、光通信装置101の周波数制御部4に通知される。
【0045】
つづいて、本実施の形態にかかる光通信システム100において伝送される各光信号の周波数を制御する動作の詳細について説明する。光通信システム100における各光信号の周波数の制御は、大きく分けて、2つの動作で構成される。第1の動作では、受信側の光通信装置が、基準とする光信号の受信結果に基づいて、基準の光信号の周波数の調整量、および基準の光信号に隣接する光信号の周波数の調整量を算出し、算出した調整量に基づいて、送信側の光通信装置が基準の光信号およびこれに隣接する光信号の周波数を調整する。第2の動作では、受信側の光通信装置が、第1の動作により調整済みの光信号の周波数を基準として、残りの光信号の周波数の調整量を算出し、算出した調整量に基づいて、送信側の光通信装置が残りの光信号の周波数を調整する。
【0046】
ここでは、図1に示した送受信器1−1が送信する光信号、すなわち周波数f1の光信号を基準の光信号として制御を行う場合について説明する。また、光通信システム100の光通信装置101および103は、送受信器1−1〜1−4の各々が送信する各光信号の周波数の間隔がΔFとなるように調整を行うものとする。
【0047】
図9は、実施の形態にかかる光通信システムにおける光信号の周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。図9に示した周波数制御動作は、光通信システム100の起動時、すなわち光通信装置101および103の起動時に実行され、その後、一定周期で繰り返し実行される。周波数制御動作は、例えば、1日毎、1週間毎、または1か月毎など、システムの管理者により予め指定された周期で実行される。なお、周波数制御動作を実行する条件はこれらに限定されない。
【0048】
光通信システム100における光信号の周波数制御動作では、まず、光通信装置101が、周波数がf1〜f4の光信号を生成し、周波数間隔がΔFの周波数多重信号を送信する(ステップS1)。
【0049】
次に、光通信装置103の送受信器2−1が、基準の光信号である周波数f1の光信号を受信し、ローカル光と受信した光信号との間の周波数オフセット量Δf1を算出する(ステップS2)。図10は、光通信システム100において伝送される各光信号の関係の一例を示す図である。図10では、各光信号と、送信側の送受信器1−1〜1−4および受信側の送受信器2−1〜2−4との対応関係を示している。図10に示したように、光信号を受信する送受信器2−1〜2−4では隣接チャネルの最端サブキャリアも同時に受信する。例えば、送受信器2−1は、送受信器1−1から送信された自チャネルの各サブキャリアに加えて、送受信器1−2から送信された隣接チャネルの最端サブキャリアを受信する。送受信器2−2は、送受信器1−2から送信された自チャネルの各サブキャリアに加えて、送受信器1−3から送信された隣接チャネルの最端サブキャリアを受信する。
【0050】
次に、送受信器2−1が、送受信器1−2から送信された搬送波周波数f2の隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数オフセット量Δfsを算出する(ステップS3)。このステップS3の処理、すなわち周波数オフセット量Δfsを算出する処理は、デジタル信号処理部13の搬送波周波数間隔検出部30を構成しているサブキャリア周波数オフセット推定部33が行う。
【0051】
次に、送受信器2−1が、予め決められている既知のサブキャリア周波数間隔ΔFsとステップS3で算出した最端サブキャリアの周波数オフセット量Δfsとに基づいて、搬送波周波数間隔Δf12を算出する(ステップS4)。このステップS4の処理、すなわち搬送波周波数間隔Δf12を算出する処理は、デジタル信号処理部13の搬送波周波数間隔検出部30を構成している周波数間隔検出部34が行う。なお、すでに説明したとおり、搬送波周波数間隔Δf12=Δfs+3.5ΔFsである。
【0052】
次に、光通信装置103の周波数制御部6が、ステップS5で算出された搬送波周波数間隔Δf12に基づいて、送受信器1−2が送信する光信号の周波数補償量Δf2を算出する(ステップS5)。具体的には、周波数制御部6は、ΔF>Δf12の場合、周波数補償量Δf2としてΔF−Δf12を求める。周波数制御部6は、ΔF<Δf12の場合、周波数補償量Δf2としてΔf12−ΔFを求める。また、周波数制御部6は、ΔF=Δf12の場合、周波数補償量Δf2=0とする。
【0053】
光通信装置103の周波数制御部6は、周波数補償量Δf2を算出した後、上記ステップS2で算出した周波数オフセット量Δf1と周波数補償量Δf2とを光通信装置101へ送信する(ステップS6)。光通信装置103の周波数制御部6は、周波数オフセット量Δf1および周波数補償量Δf2を、光ファイバ伝送路102を使用して光通信装置101へ送信してもよいし、図示を省略した制御用回線を使用して光通信装置101へ送信してもよい。
【0054】
光通信装置101は、周波数オフセット量Δf1および周波数補償量Δf2を光通信装置103から受信すると、送受信器1−1から送信する光信号および送受信器1−2から送信する光信号の周波数を補正する(ステップS7)。このステップS7では、光通信装置101の周波数制御部4が、送受信器1−1の波長可変光源11に対して、発光する連続光の周波数を周波数オフセット量Δf1だけ変更するように指示する制御信号を出力するとともに、送受信器1−2の波長可変光源11に対して、発光する連続光の周波数を周波数補償量Δf2だけ調整するように指示する制御信号を出力する。送受信器1−1の波長可変光源11および送受信器1−2の波長可変光源11は、周波数制御部4からの指示に従い、発光する連続光の周波数を調整する。この結果、送受信器1−1および1−2が送信する各光信号の周波数の調整が完了し、これらの光信号の搬送波周波数間隔がΔFとなる。
【0055】
次に、光通信装置103の送受信器2−2および2−3が、ローカル光と受信した光信号との間の周波数オフセット量と、隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数オフセット量とを算出する(ステップS8)。なお、送受信器2−2が受信する光信号は、上記のステップS7で周波数が補正された後の光信号である。また、送受信器2−4は、受信した光信号とローカル光との間の周波数オフセット量と、隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数オフセット量とを算出する必要はない。ステップS8において、送受信器2−2および2−3は、上述したステップS2およびS3で送受信器2−1が行う処理と同様の処理を行い、受信した光信号とローカル光との間の周波数オフセット量および隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数オフセット量を算出する。
【0056】
次に、送受信器2−2および2−3が、ステップS8で算出した、隣接チャネルの最端サブキャリアの周波数オフセット量に基づいて、ローカル光と隣接チャネルとの間の搬送波周波数間隔を算出する(ステップS9)。このステップS9において、送受信器2−2は、ローカル光と周波数f3である隣接チャネルとの間の搬送波周波数間隔Δf23を算出する。送受信器2−3は、ローカル光と周波数f4である隣接チャネルとの間の搬送波周波数間隔Δf34を算出する。送受信器2−2および2−3は、上述したステップS4で送受信器2−1が行う処理と同様の処理を行い、搬送波周波数間隔を算出する。
【0057】
次に、光通信装置103の周波数制御部6が、ステップS8で算出された周波数オフセット量と、ステップS9で算出された搬送波周波数間隔とに基づいて、光通信装置101の送受信器1−3が送信する光信号の周波数補償量Δf3および送受信器1−4が送信する光信号の周波数補償量Δf4を算出する(ステップS10)。周波数補償量Δf3およびΔf4の算出方法の詳細については後述する。
【0058】
光通信装置103は、周波数補償量Δf3およびΔf4を算出した後、周波数補償量Δf3およびΔf4を光通信装置101へ送信する(ステップS11)。光通信装置103の周波数制御部6は、周波数補償量Δf3およびΔf4を、光ファイバ伝送路102を使用して光通信装置101へ送信してもよいし、図示を省略した制御用回線を使用して光通信装置101へ送信してもよい。
【0059】
光通信装置101は、周波数補償量Δf3およびΔf4を光通信装置103から受信すると、送受信器1−3から送信する光信号および送受信器1−4から送信する光信号の周波数を補正する(ステップS12)。このステップS12では、光通信装置101の周波数制御部4が、送受信器1−3の波長可変光源11に対して、発光する連続光の周波数を周波数補償量Δf3だけ変更するように指示する制御信号を出力するとともに、送受信器1−4波長可変光源11に対して、発光する連続光の周波数を周波数補償量Δf4だけ調整するように指示する制御信号を出力する。送受信器1−3の波長可変光源11および送受信器1−4の波長可変光源11は、周波数制御部4からの指示に従い、発光する連続光の周波数を調整する。この結果、送受信器1−3および1−4が送信する各光信号の周波数の調整が完了し、光通信装置103が送信する各光信号同士の搬送波周波数間隔がΔFとなる。
【0060】
このように、光通信システム100においては、まず、4つのチャネルのうち、周波数が最も低い周波数f1のチャネルを基準チャネルとし、基準チャネルの光信号を送信する送受信器1−1の波長可変光源11と、基準チャネルに隣接するチャネルの光信号を送信する送受信器1−2の波長可変光源11とを調整する。次に、調整完了後の光信号の周波数f1'およびf2'を基準として、残りの送受信器1−3および1−4が送信する光信号の周波数f3およびf4の調整量を決定し、送受信器1−3および1−4の波長可変光源11を調整する。すなわち、光通信システム100では、基準チャネルの周波数f1の調整量が決まると、基準チャネルに隣接するチャネルの周波数f2の調整量も決まる。光通信システム100では、これら2つのチャネルの周波数の調整量が決まった後は、これら2つのチャネルの周波数を調整し、さらに、調整後の2つのチャネルの周波数を基準として、その他のチャネルの周波数を調整する。なお、最も低周波側の周波数f1の光信号を基準チャネルとする場合の例を説明したが、最も高周波側の周波数f4の光信号を基準チャネルとして各チャネルの周波数を調整してもよい。この場合も上述した手順と同様の手順で各チャネルの周波数を調整することが可能である。また、本実施の形態では、搬送波の数、すなわち多重伝送する光信号の数を4としているが、搬送波の数がn(5以上の整数)の場合であっても同様の制御が可能である。現在の光通信システムには搬送波の数が100波前後のシステムも存在するが、このようなシステムに対しても、上述した周波数制御を適用し、各搬送波の周波数を調整して各搬送波同士の周波数間隔を理想的な間隔とすることが可能である。
【0061】
つづいて、上記ステップS10で光通信装置103の周波数制御部6が周波数オフセット補償量Δf3およびΔf4を算出する方法について説明する。図11は、光通信システム100における周波数制御動作を説明するための図である。図11の上段は、搬送波周波数f1およびf2の調整が完了した後に送受信器1−1〜1−4が送信する各光信号の関係を示している。図11の下段は、送受信器2−1〜2−4の各波長可変光源11が発光する各ローカル光の周波数を上向きの矢印で示している。光通信システム100における周波数制御動作では、送受信器1−1〜1−4が送信する光信号の周波数が目標周波数f1〜f4となるように調整を行う。
【0062】
光通信装置101の送受信器1−1〜1−4および光通信装置103の送受信器2−1〜2−4は個別に波長可変光源を有しているため、光通信装置101と光通信装置103との間で送受信される各光信号には、固有の周波数誤差が存在する。図11に示した状態では、送受信器1−1および1−2が送信する光信号の搬送波周波数は補正が完了して搬送波周波数間隔がΔFとなっている。しかし、送受信器1−2が送信する光信号と送受信器1−3が送信する光信号との間の搬送波周波数間隔、および、送受信器1−3が送信する光信号と送受信器1−4が送信する光信号との間の搬送波周波数間隔は、ΔFとなっていない。図11に示した例では、送受信器1−2が送信する光信号と送受信器1−3が送信する光信号との間の搬送波周波数間隔をΔFとするためには、送受信器1−3が送信する光信号の周波数を周波数補償量Δf3だけ調整する必要がある。また、送受信器1−3が送信する光信号と送受信器1−4が送信する光信号との間の搬送波周波数間隔をΔFとするためには、送受信器1−4が送信する光信号の周波数を周波数補償量Δf4だけ調整する必要がある。
【0063】
図11において、Δf2’は、送受信器1−2が送信する光信号と送受信器2−2の波長可変光源11が発光するローカル光との間の周波数オフセット量を示す。Δf3’は、送受信器1−3が送信する光信号と送受信器2−3の波長可変光源11が発光するローカル光との間の周波数オフセット量を示す。Δf4’は、送受信器1−4が送信する光信号と送受信器2−4の波長可変光源11が発光するローカル光との間の周波数オフセット量を示す。なお、送受信器1−2が送信する光信号は周波数が調整済みの光信号である。また、Δf23は、送受信器2−2のローカル光と送受信器1−3が送信する光信号の間の搬送波周波数間隔を示し、Δf34は、送受信器2−3のローカル光と送受信器1−4が送信する光信号の間の搬送波周波数間隔を示す。すでに説明したとおり、Δf2’およびΔf23は送受信器2−2で算出される。また、Δf3’およびΔf34は送受信器2−3で算出され、Δf4’は送受信器2−4で算出される。
【0064】
図11に示した例の場合、周波数制御部6は、次式(1)および(2)に従ってΔf3およびΔf4を算出する。
Δf3=ΔF−(Δf23+Δf2’) …(1)
Δf4=(Δf2’+Δf23+Δf3’+Δf34)−2ΔF …(2)
【0065】
なお、図11に示した例ではΔFが(Δf23+Δf2’)よりも大きいため、Δf3の算出で式(1)を用いているが、ΔFが(Δf23+Δf2’)よりも小さい場合には、Δf3の算出で次式(3)を用いればよい。
Δf3=(Δf23+Δf2’)−ΔF …(3)
【0066】
同様に、図11に示した例では(Δf2’+Δf23+Δf3’+Δf34)が2ΔFよりも大きいため、Δf4の算出で式(2)を用いているが、(Δf2’+Δf23+Δf3’+Δf34)が2ΔFよりも小さい場合には、Δf4の算出で次式(4)を用いればよい。
Δf4=2ΔF−(Δf2’+Δf23+Δf3’+Δf34) …(4)
【0067】
なお、光信号の受信側の送受信器2−1〜2−4においてはローカル光と受信した光信号との間の周波数オフセットがゼロとなるようにローカル光の周波数を調整する必要があるが、この調整は従来と同様の手法で行う。
【0068】
光通信装置101,103が備える送受信器の数が4の場合について説明したが5以上の場合も同様の方法で周波数オフセット補償量を算出することが可能である。すなわち、nを5以上の整数とした場合、送信側の光通信装置101において基準チャネルおよび基準チャネルに隣接するチャネルの周波数の調整が完了後、受信側の光通信装置103において、各送受信器の搬送波周波数間隔検出部が、ローカル光と受信光との間の周波数オフセット量およびローカル光と隣接チャネルとの間の搬送波周波数間隔を検出する。そして、光通信装置103において、周波数制御部が、各送受信器で検出された周波数オフセット量Δf2',f3',…,f(n-1)'および搬送波周波数間隔Δf12,Δf23,…Δf(n-1)nを用いて、残りのチャネルの周波数補償量Δf3,Δf4,…Δfnを算出することが可能である。
【0069】
以上のように、本実施の形態にかかる光通信システムの受信側の光通信装置において、複数の送受信器の各々は、受信対象の光信号である自チャネルの光信号とローカル光の周波数オフセット量、および、自チャネルに隣接するチャネルの光信号とローカル光との間の搬送波周波数間隔を算出し、周波数制御部は、各送受信器で算出された周波数オフセット量および搬送波周波数間隔に基づいて、送信側の光通信装置が送信する各光信号の周波数補償量を算出する。これにより、送信側の光通信装置と受信側の光通信装置との間で伝送される各光信号の周波数間隔を高精度に制御することができ、長距離伝送における伝送ペナルティを低減することが可能な光通信システムを実現できる。また、リアルタイムに搬送波周波数間隔をモニタして各光信号の周波数を調整することが可能であるため、経年劣化による光源の周波数ずれを補正することが可能な光通信システムを実現できる。
【0070】
つづいて、光通信装置101の周波数制御部4,光通信装置103の周波数制御部6を実現するハードウェア構成について説明する。図12は、周波数制御部4および6のハードウェア構成例を示す図である。周波数制御部4および6は、演算処理部201、メモリ202および出力部203を含んで構成される処理回路200により実現される。演算処理部201は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ202としては、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが一般的に使用される。出力部203は、演算処理部201またはメモリ202から出力された情報を外部へ出力する電子回路である。
【0071】
演算処理部201は、光信号の受信側の周波数制御部6を構成する場合、光信号の受信側の各送受信器で算出された周波数オフセット量および搬送波周波数間隔に基づいて、光信号の送信側の各送受信器が送信する光信号の周波数補償量を算出する。また、演算処理部201は、光信号の送信側の周波数制御部4を構成する場合、受信側の周波数制御部6で算出された周波数補償量に基づいて、送信側の各送受信器に対して光信号の周波数調整を指示する制御信号を生成する。メモリ202は、演算処理部201で算出された周波数補償量などの各種情報を一時的に記憶しておく。出力部203は、光信号の受信側の周波数制御部6を構成する場合、演算処理部201で算出された周波数補償量を受け取り、対向する周波数制御部4に向けて出力する。また、出力部203は、光信号の送信側の周波数制御部4を構成する場合、演算処理部201で生成された制御信号を対応する送受信器に向けて出力する。
【0072】
本実施の形態にかかる光通信システムでは、受信側の光通信装置が各光信号の周波数の調整量である周波数補償量を算出して送信側の光通信装置へフィードバックし、フィードバックされた周波数補償量に基づいて送信側の光通信装置が各光信号の周波数を調整することとした。しかし、この構成は一例であり、各光信号の周波数補償量を送信側の光通信装置が算出するようにしてもよい。この場合、受信側の光通信装置は、受信した光信号とローカル光との間の周波数オフセット量、および、ローカル光と隣接チャネルの最端サブキャリアとの間の周波数オフセット量を送信側の光通信装置へフィードバックする。送信側の光通信装置が各光信号の周波数補償量を算出する方法は、受信側の光通信装置が各光信号の周波数補償量を算出する方法と同様である。
【0073】
また、送信側および受信側の各光通信装置が備えている周波数制御部を独立した別の装置としてもよい。具体的には、上述した光通信装置101から周波数制御部4を削除するとともに光通信装置103から周波数制御部6を削除し、周波数制御部4および6の機能を有する制御装置が、光通信装置101の送受信器1−1〜1−4から送信される各光信号の周波数補償量を算出する構成の光通信システムとしてもよい。この場合、光通信装置103は、送受信器2−1〜2−4が、受信した光信号とローカル光との間の周波数オフセット量、および、ローカル光と隣接チャネルの最端サブキャリアとの間の周波数オフセット量を算出すると、算出結果を制御装置へ送信する。制御装置は、送受信器2−1〜2−4での算出結果を受け取ると、受け取った算出結果に基づいて、光通信装置101の送受信器1−1〜1−4から送信される各光信号の周波数補償量を算出する。また、制御装置は、算出した補償量を光通信装置101へ通知し、送受信器1−1〜1−4が送信する光信号の周波数の調整を指示する。光通信装置101の送受信器1−1〜1−4から送信される各光信号の周波数補償量を制御装置が算出する方法は、上述した光通信装置103の周波数制御部6が、光通信装置101の送受信器1−1〜1−4から送信される各光信号の周波数補償量を算出する方法と同様である。
【0074】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1−1〜1−4,2−1〜2−4 送受信器、3,5 合分波器、4,6 周波数制御部、11 波長可変光源、12 光変調器、13 デジタル信号処理部、14 DAC(Digital to Analog Converter)、15 コヒーレントレシーバ、16 ADC(Analog to Digital Converter)、20−1〜20−8 データ受信部、21,31 波長分散補償部、22,32 偏波分離部、23 周波数オフセット推定部、24 周波数オフセット補償部、25 搬送波位相復元部、26 シンボル識別部、30 搬送波周波数間隔検出部、33 サブキャリア周波数オフセット推定部、34 周波数間隔検出部、100 光通信システム、101,103 光通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】