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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月27日
【発行日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】導電材料及び接続構造体
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/22 20060101AFI20191220BHJP
   H01B 1/00 20060101ALI20191220BHJP
   H01B 5/16 20060101ALI20191220BHJP
   B23K 35/26 20060101ALI20191220BHJP
   C22C 12/00 20060101ALI20191220BHJP
   C22C 13/00 20060101ALI20191220BHJP
   C22C 13/02 20060101ALI20191220BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20191220BHJP
   B22F 1/02 20060101ALI20191220BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   H01B1/22 A
   H01B1/00 E
   H01B5/16
   B23K35/26 310C
   B23K35/26 310A
   C22C12/00
   C22C13/00
   C22C13/02
   H01R11/01 501C
   B22F1/02 B
   B22F1/02 A
   B22F1/00 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】50
【出願番号】特願2018-517646(P2018-517646)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月20日
(31)【優先権主張番号】特願2017-57629(P2017-57629)
(32)【優先日】2017年3月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-57630(P2017-57630)
(32)【優先日】2017年3月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-57631(P2017-57631)
(32)【優先日】2017年3月23日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 敬士
(72)【発明者】
【氏名】西岡 敬三
【テーマコード(参考)】
4K018
5G301
5G307
【Fターム(参考)】
4K018BA20
4K018BB04
4K018BC22
4K018BC30
4K018BD04
4K018KA33
5G301DA04
5G301DA06
5G301DA10
5G301DA13
5G301DA15
5G301DA51
5G301DA53
5G301DA55
5G301DA57
5G301DA59
5G301DD01
5G301DD08
5G301DE01
5G307HA02
5G307HB03
5G307HC01
(57)【要約】
導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだを効率的に配置することができ、かつ、はんだの濡れ性を良好にすることができる導電材料を提供する。
本発明に係る導電材料は、熱硬化性化合物と、複数のはんだ粒子とを含み、導電材料中の遊離スズイオン濃度が、100ppm以下である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化性化合物と、複数のはんだ粒子とを含み、
導電材料中の遊離スズイオン濃度が、100ppm以下である、導電材料。
【請求項2】
イオン捕捉剤を含む、請求項1に記載の導電材料。
【請求項3】
前記イオン捕捉剤が、ジルコニウム、アルミニウム又はマグネシウムを含む、請求項2に記載の導電材料。
【請求項4】
前記イオン捕捉剤の粒子径が、10nm以上、1000nm以下である、請求項2又は3に記載の導電材料。
【請求項5】
前記導電材料100重量%中、前記イオン捕捉剤の含有量が、0.01重量%以上、1重量%以下である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項6】
ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物を含み、
前記導電材料100重量%中、前記はんだ粒子の含有量が、85重量%未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項7】
前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、チオール基を有する、請求項6に記載の導電材料。
【請求項8】
前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、1級チオールである、請求項7に記載の導電材料。
【請求項9】
前記はんだ粒子の表面上に、前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が付着している、請求項6〜8のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項10】
前記導電材料100重量%中、前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物の含有量が、0.01重量%以上、5重量%以下である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項11】
前記はんだ粒子が、はんだ粒子本体と、前記はんだ粒子本体の表面上に配置された被覆部とを備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項12】
前記被覆部が、有機化合物、無機化合物、有機無機ハイブリッド化合物、又は金属を含む、請求項11に記載の導電材料。
【請求項13】
前記はんだ粒子本体が、スズ及びビスマスを含む、請求項11又は12に記載の導電材料。
【請求項14】
前記被覆部が、銀を含み、
前記はんだ粒子100重量%中、前記銀の含有量が、1重量%以上、20重量%以下である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項15】
前記はんだ粒子本体の表面積全体100%中、前記はんだ粒子本体の表面の前記被覆部により覆われている表面積が、80%以上である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項16】
前記被覆部の厚みが、0.1μm以上、5μm以下である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項17】
前記はんだ粒子本体の外表面と前記被覆部との間に、ニッケルを含む金属部を備える、請求項11〜16のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項18】
前記導電材料100重量%中、前記はんだ粒子の含有量が、50重量%を超える、請求項11〜17のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項19】
前記熱硬化性化合物が、ポリエーテル骨格を有する熱硬化性化合物を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項20】
融点が50℃以上、140℃以下であるフラックスを含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項21】
前記はんだ粒子の外表面に、カルボキシル基又はアミノ基が存在する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項22】
25℃での粘度が、20Pa・s以上、600Pa・s以下である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項23】
導電ペーストである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項24】
少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
前記接続部の材料が、請求項1〜23のいずれか1項に記載の導電材料であり、
前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている、接続構造体。
【請求項25】
前記第1の電極と前記接続部と前記第2の電極との積層方向に前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、前記接続部中のはんだ部が配置されている、請求項24に記載の接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだ粒子を含む導電材料に関する。また、本発明は、上記導電材料を用いた接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー中に導電性粒子が分散されている。
【0003】
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられる。上記異方性導電材料による接続としては、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
【0004】
上記異方性導電材料により、例えば、フレキシブルプリント基板の電極とガラスエポキシ基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラスエポキシ基板上に、導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、フレキシブルプリント基板を積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、導電性粒子を介して電極間を電気的に接続して、接続構造体を得る。
【0005】
上記異方性導電材料等の導電材料が下記の特許文献1〜3に開示されている。
【0006】
下記の特許文献1には、導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しない樹脂成分とを含む異方性導電材料が記載されている。上記導電性粒子としては、具体的には、錫(Sn)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、銀(Ag)及びタリウム(Tl)等の金属や、これらの金属の合金が挙げられている。
【0007】
特許文献1では、上記導電性粒子の融点よりも高く、かつ上記樹脂成分の硬化が完了しない温度に、異方性導電材料を加熱する樹脂加熱ステップと、上記樹脂成分を硬化させる樹脂成分硬化ステップとを経て、電極間を電気的に接続することが記載されている。また、特許文献1には、特許文献1の図8に示された温度プロファイルで実装を行うことが記載されている。特許文献1では、異方性導電材料が加熱される温度にて硬化が完了しない樹脂成分内で、導電性粒子が溶融する。
【0008】
下記の特許文献2には、熱硬化性樹脂を含む樹脂層と、はんだ粉と、硬化剤とを含み、上記はんだ粉と上記硬化剤とが上記樹脂層中に存在する接着テープ(導電材料)が開示されている。
【0009】
下記の特許文献3には、絶縁性接着剤中に導電性粒子が分散された異方性導電フィルムが開示されている。上記異方性導電フィルム中の遊離イオン濃度は、60ppm以下である。特許文献3では、遊離イオンとして、塩素等のハロゲンイオン、ナトリウムイオン、及びカリウムイオンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−260131号公報
【特許文献2】WO2008/023452A1
【特許文献3】特開平9−199207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1〜3に記載のような従来の導電材料では、導電性粒子又ははんだ粒子の電極(ライン)上への移動速度が遅く、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子又ははんだ粒子を効率的に配置することができないことがある。特に、基板等に導電材料が配置された後、長時間放置された場合には、導電材料が増粘してしまい、電極上にはんだが凝集し難くなることがある。結果として、従来の導電材料では、電極間の導通信頼性が低くなることがある。
【0012】
また、近年、電極幅及び電極間幅が狭い小電極に対する実装が行われるようになり、導電性粒子又ははんだ粒子の小粒径化が要求されている。特許文献1〜3に記載のような従来の導電材料では、導電性粒子又ははんだ粒子の小粒径化に伴い、導電性粒子又ははんだ粒子のはんだの表面の酸化が進行して、はんだの濡れ性が悪化することがある。従来の導電材料では、電極の狭ピッチ化に対応するには限界がある。
【0013】
また、従来の導電材料では、導電性粒子又ははんだ粒子が酸化されやすく、接続される電極間の接続部の耐衝撃性を十分に高めることができないことがある。特に、導電材料を用いた実装後の基板等において、接続部の耐衝撃性が十分に高くない場合には、基板の落下等の衝撃により接続部にクラック等が発生することがある。結果として、電極間の導通信頼性を十分に高めることは困難である。
【0014】
接続部の耐衝撃性を高める方法として、従来の導電性粒子又ははんだ粒子の代わりに、SAC(スズ−銀−銅合金)粒子を用いる方法等が挙げられる。しかしながら、SAC粒子は融点が200℃以上であり、低温で実装することは困難である。
【0015】
本発明の目的は、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだを効率的に配置することができ、かつ、はんだの濡れ性を良好にすることができる導電材料を提供することである。また、本発明の目的は、上記導電材料を用いた接続構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の広い局面によれば、熱硬化性化合物と、複数のはんだ粒子とを含み、導電材料中の遊離スズイオン濃度が、100ppm以下である、導電材料が提供される。
【0017】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料が、イオン捕捉剤を含む。
【0018】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記イオン捕捉剤が、ジルコニウム、アルミニウム又はマグネシウムを含む。
【0019】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記イオン捕捉剤の粒子径が、10nm以上、1000nm以下である。
【0020】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料100重量%中、前記イオン捕捉剤の含有量が、0.01重量%以上、1重量%以下である。
【0021】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物を含み、前記導電材料100重量%中、前記はんだ粒子の含有量が、85重量%未満である。
【0022】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、チオール基を有する。
【0023】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、1級チオールである。
【0024】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記はんだ粒子の表面上に、前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が付着している。
【0025】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料100重量%中、前記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物の含有量が、0.01重量%以上、5重量%以下である。
【0026】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記はんだ粒子が、はんだ粒子本体と、前記はんだ粒子本体の表面上に配置された被覆部とを備える。
【0027】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記被覆部が、有機化合物、無機化合物、有機無機ハイブリッド化合物、又は金属を含む。
【0028】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記はんだ粒子本体が、スズ及びビスマスを含む。
【0029】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記被覆部が、銀を含み、前記はんだ粒子100重量%中、前記銀の含有量が、1重量%以上、20重量%以下である。
【0030】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記はんだ粒子本体の表面積全体100%中、前記はんだ粒子本体の表面の前記被覆部により覆われている表面積が、80%以上である。
【0031】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記被覆部の厚みが、0.1μm以上、5μm以下である。
【0032】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記はんだ粒子が、前記はんだ粒子本体の外表面と前記被覆部との間に、ニッケルを含む金属部を備える。
【0033】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料100重量%中、前記はんだ粒子の含有量が、50重量%を超える。
【0034】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記熱硬化性化合物が、ポリエーテル骨格を有する熱硬化性化合物を含む。
【0035】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料が、融点が50℃以上、140℃以下であるフラックスを含む。
【0036】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記はんだ粒子の外表面に、カルボキシル基又はアミノ基が存在する。
【0037】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、25℃での粘度が、20Pa・s以上、600Pa・s以下である。
【0038】
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、前記導電材料が、導電ペーストである。
【0039】
本発明の広い局面によれば、少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電材料であり、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
【0040】
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、前記第1の電極と前記接続部と前記第2の電極との積層方向に前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、前記接続部中のはんだ部が配置されている。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る導電材料は、熱硬化性化合物と、複数のはんだ粒子とを含む。本発明に係る導電材料では、導電材料中の遊離スズイオン濃度が、100ppm以下である。本発明に係る導電材料は、上記の構成が備えられているので、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだを効率的に配置することができ、かつ、はんだの濡れ性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る導電材料を用いて得られる接続構造体を模式的に示す断面図である。
図2図2(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る導電材料を用いて、接続構造体を製造する方法の一例の各工程を説明するための断面図である。
図3図3は、接続構造体の変形例を示す断面図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態に係る導電材料に使用可能なはんだ粒子を示す断面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態に係る導電材料に使用可能なはんだ粒子を示す断面図である。
図6図6は、本発明の第3の実施形態に係る導電材料に使用可能なはんだ粒子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0044】
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、熱硬化性化合物と、複数のはんだ粒子とを含む。本発明に係る導電材料では、導電材料中の遊離スズイオン濃度は、100ppm以下である。
【0045】
本発明では、上記の構成が備えられているので、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだを効率的に配置することができ、かつ、はんだの濡れ性を良好にすることができる。
【0046】
接続構造体の作製時には、スクリーン印刷等によって基板等の接続対象部材上に導電材料が配置された後、導電材料が電気的に接続されるまでに、一定期間放置されることがある。従来の導電材料では、例えば、導電材料が配置された後に一定期間放置されると、導電材料が増粘してしまい、電極上にはんだを効率的に配置することができず、電極間の導通信頼性も低下することがある。本発明では、上記の構成が採用されているので、導電材料が配置された後に一定期間放置されても、導電材料の増粘を防止し、電極上にはんだを効率的に配置することができ、電極間の導通信頼性を十分に高めることができる。
【0047】
さらに、本発明では、電極幅及び電極間幅が狭い電極に対応するために、はんだ粒子の粒子径を小さくしても、はんだ粒子の表面の酸化を防止することができ、はんだの濡れ性を良好に保つことができる。従来の導電材料では、電極幅又は電極間幅が狭い場合に、電極上にはんだを寄せ集め難い傾向がある。本発明では、電極幅又は電極間幅が狭くても、電極上にはんだを十分に寄せ集めることができる。
【0048】
本発明では、上記のような効果を得るために、上記導電材料中の遊離スズイオン濃度が100ppm以下であることは大きく寄与する。
【0049】
また、本発明では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、複数のはんだ粒子が、上下の対向した電極間に集まりやすく、複数のはんだ粒子を電極(ライン)上に効率的に配置することができる。また、複数のはんだ粒子の一部が、電極が形成されていない領域(スペース)に配置され難く、電極が形成されていない領域に配置されるはんだ粒子の量をかなり少なくすることができる。従って、電極間の導通信頼性を高めることができる。しかも、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の電気的な接続を防ぐことができ、絶縁信頼性を高めることができる。
【0050】
さらに、本発明では、電極間の位置ずれを防ぐことができる。本発明では、導電材料を上面に配置した第1の接続対象部材に、第2の接続対象部材を重ね合わせた際に、第1の電極と第2の電極とのアライメントがずれた状態でも、そのずれを補正して、第1の電電極と第2の電極とを接続させることができる(セルフアライメント効果)。
【0051】
本発明に係る導電材料では、上記導電材料中の遊離スズイオン濃度は、100ppm以下である。上記導電材料中の遊離スズイオン濃度は、好ましくは80ppm以下、より好ましくは60ppm以下、さらに好ましくは45ppm以下である。上記導電材料中の遊離スズイオン濃度の下限は特に限定されない。上記導電材料中の遊離スズイオン濃度は、10ppm以上であってもよい。上記導電材料中の遊離スズイオン濃度が、上記上限以下であると、上記導電材料の増粘をより一層効果的に防止することができる。結果として、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0052】
上記導電材料中の遊離スズイオン濃度は、例えば、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)を用いて測定することができる。
【0053】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記導電材料は、25℃で液状であることが好ましく、導電ペーストであることが好ましい。
【0054】
上記導電材料の25℃での粘度(η25)は、好ましくは20Pa・s以上、より好ましくは30Pa・s以上であり、好ましくは600Pa・s以下、より好ましくは400Pa・s以下、さらに好ましくは300Pa・s以下である。上記粘度(η25)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。上記粘度(η25)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
【0055】
上記粘度(η25)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定することができる。
【0056】
上記はんだ粒子の融点における上記導電材料の粘度(ηmp)は、好ましくは0.1Pa・s以上、より好ましくは0.5Pa・s以上であり、好ましくは5Pa・s以下、より好ましくは1Pa・s以下である。上記粘度(ηmp)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。上記粘度(ηmp)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
【0057】
はんだ粒子の融点は、はんだ粒子の電極上への移動に影響しやすい温度である。
【0058】
上記はんだ粒子の融点における上記導電材料の粘度(ηmp)は、例えば、STRESSTECH(REOLOGICA社製)等を用いて、歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲40℃〜はんだ粒子の融点の条件で測定することができる。この測定において、はんだ粒子の融点での粘度を導電材料の粘度(ηmp)とする。
【0059】
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。上記導電ペーストは異方性導電ペーストであることが好ましく、上記導電フィルムは異方性導電フィルムであることが好ましい。電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記導電材料は、導電ペーストであることが好ましい。上記導電材料は、電極の電気的な接続に好適に用いられる。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。
【0060】
以下、導電材料に含まれる各成分を説明する。なお、本明細書中において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との一方又は双方を意味する。
【0061】
(はんだ粒子)
上記はんだ粒子は、中心部分及び外表面のいずれもがはんだにより形成されていることが好ましい。上記はんだ粒子は、中心部分及び外表面のいずれもがはんだである粒子であることが好ましい。上記はんだ粒子は、はんだ粒子本体と、上記はんだ粒子本体の表面上に配置された被覆部とを備えていてもよい。上記はんだ粒子本体は、はんだにより形成されている。上記はんだ粒子本体は、中心部分及び外表面のいずれもがはんだである粒子である。上記はんだ粒子の代わりに、はんだ以外の材料から形成された基材粒子と該基材粒子の表面上に配置されたはんだ部とを備える導電性粒子を用いた場合には、電極上に導電性粒子が集まり難くなる。また、上記導電性粒子では、導電性粒子同士のはんだ接合性が低いために、電極上に移動した導電性粒子が電極外に移動しやすくなる傾向があり、電極間の位置ずれの抑制効果も低くなる傾向がある。
【0062】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る導電材料に使用可能なはんだ粒子を示す断面図である。
【0063】
図4に示すはんだ粒子21は、全体がはんだにより形成されている。はんだ粒子21は、基材粒子をコアに有さず、コアシェル粒子ではない。はんだ粒子21は、中心部分及び導電部の外表面部分のいずれもがはんだにより形成されている。
【0064】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る導電材料に使用可能なはんだ粒子を示す断面図である。
【0065】
図5に示すはんだ粒子31は、はんだ粒子本体32と、はんだ粒子本体32の表面上に配置された被覆部33とを備える。被覆部33は、はんだ粒子本体32の表面を被覆している。はんだ粒子31は、はんだ粒子本体32の表面が被覆部33により被覆された被覆粒子である。上記被覆部は、上記はんだ粒子本体の表面を完全に被覆していてもよく、上記はんだ粒子本体の表面を完全に被覆していなくてもよい。上記はんだ粒子本体は、上記被覆部によって被覆されていない部分を有していてもよい。
【0066】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る導電材料に使用可能なはんだ粒子を示す断面図である。
【0067】
図6に示すはんだ粒子41は、はんだ粒子本体32と、はんだ粒子本体32の表面上に配置された金属部42と、金属部42の表面上に配置された被覆部33とを備える。はんだ粒子41は、はんだ粒子本体32と被覆部33との間に、金属部42を備える。金属部42は、はんだ粒子本体32の表面を被覆している。被覆部33は、金属部42の表面を被覆している。金属部42は、ニッケルを含むことが好ましい。はんだ粒子41は、はんだ粒子本体32の表面が金属部42及び被覆部33により被覆された被覆粒子である。
【0068】
接続構造体における接続抵抗をより一層低くし、ボイドの発生をより一層抑制する観点からは、上記はんだ粒子のはんだの表面又は被覆部の表面にカルボキシル基又はアミノ基が存在することが好ましく、カルボキシル基が存在することが好ましく、アミノ基が存在することが好ましい。また、上記はんだ粒子のはんだの表面又は被覆部の表面にSi−O結合、エーテル結合、エステル結合又は下記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基又はアミノ基を含む基が共有結合していることが好ましい。カルボキシル基又はアミノ基を含む基は、カルボキシル基とアミノ基との双方を含んでいてもよい。なお、下記式(X)において、右端部及び左端部は結合部位を表す。
【0069】
【化1】
【0070】
はんだの表面又は被覆部の表面に水酸基が存在する。この水酸基とカルボキシル基を含む基とを共有結合させることにより、他の配位結合(キレート配位)等にて結合させる場合よりも強い結合を形成できるため、電極間の接続抵抗を低くし、かつボイドの発生を抑えることが可能なはんだ粒子が得られる。
【0071】
上記はんだ粒子では、はんだの表面又は被覆部の表面と、カルボキシル基を含む基との結合形態に、配位結合が含まれていなくてもよく、キレート配位による結合が含まれていなくてもよい。
【0072】
上記はんだ粒子は、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基とを有する化合物(以下、化合物Xと記載することがある)を用いて、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に、上記水酸基と反応可能な官能基を反応させることにより得られることが好ましい。上記の好ましい態様により得られたはんだ粒子は、接続構造体における接続抵抗を効果的に低くすることができ、ボイドの発生を効果的に抑制することができる。上記反応では、共有結合を形成させる。はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基と上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基とを反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面にカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子を容易に得ることができる。また、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基と上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基とを反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面にエーテル結合又はエステル結合を介してカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子を得ることもできる。上記はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に上記水酸基と反応可能な官能基を反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面に、上記化合物Xを共有結合の形態で化学結合させることができる。
【0073】
上記水酸基と反応可能な官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エステル基及びカルボニル基等が挙げられる。水酸基又はカルボキシル基が好ましい。上記水酸基と反応可能な官能基は、水酸基であってもよく、カルボキシル基であってもよい。
【0074】
水酸基と反応可能な官能基を有する化合物としては、レブリン酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸、4−フェニル酪酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9−ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、デカン二酸及びドデカン二酸等が挙げられる。グルタル酸又はグリコール酸が好ましい。上記水酸基と反応可能な官能基を有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記水酸基と反応可能な官能基を有する化合物は、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましい。
【0075】
上記化合物Xは、フラックス作用を有することが好ましく、上記化合物Xは、はんだの表面又は被覆部の表面に結合した状態でフラックス作用を有することが好ましい。フラックス作用を有する化合物は、はんだの表面又は被覆部の表面の酸化膜及び電極の表面の酸化膜を除去することができる。カルボキシル基はフラックス作用を有する。
【0076】
フラックス作用を有する化合物としては、レブリン酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸及び4−フェニル酪酸等が挙げられる。グルタル酸又はグリコール酸が好ましい。上記フラックス作用を有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0077】
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基が、水酸基又はカルボキシル基であることが好ましい。上記化合物Xにおける上記水酸基と反応可能な官能基は、水酸基であってもよく、カルボキシル基であってもよい。上記水酸基と反応可能な官能基がカルボキシル基である場合には、上記化合物Xは、カルボキシル基を少なくとも2個有することが好ましい。カルボキシル基を少なくとも2個有する化合物の一部のカルボキシル基を、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面にカルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子が得られる。
【0078】
上記はんだ粒子の製造方法は、例えば、はんだ粒子を用いて、該はんだ粒子、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基とを有する化合物、触媒及び溶媒を混合する工程を備える。上記はんだ粒子の製造方法では、上記混合工程により、はんだの表面又は被覆部の表面に、カルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子を容易に得ることができる。
【0079】
また、上記はんだ粒子の製造方法では、はんだ粒子を用いて、該はんだ粒子、上記水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基とを有する化合物、上記触媒及び上記溶媒を混合し、加熱することが好ましい。混合及び加熱工程により、はんだの表面又は被覆部の表面に、カルボキシル基を含む基が共有結合しているはんだ粒子をより一層容易に得ることができる。
【0080】
上記溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒や、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びキシレン等が挙げられる。上記溶媒は有機溶媒であることが好ましく、トルエンであることがより好ましい。上記溶媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0081】
上記触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及び10−カンファースルホン酸等が挙げられる。上記触媒は、p−トルエンスルホン酸であることが好ましい。上記触媒は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0082】
上記混合時に加熱することが好ましい。加熱温度は好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下である。
【0083】
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記はんだ粒子は、イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させる工程を経て得られることが好ましい。上記反応では、共有結合を形成させる。はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基と上記イソシアネート化合物とを反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面に、上記イソシアネート基に由来する基の窒素原子が共有結合しているはんだ粒子を容易に得ることができる。上記はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に上記イソシアネート化合物を反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面に、上記イソシアネート基に由来する基を共有結合の形態で化学結合させることができる。
【0084】
上記イソシアネート化合物としては、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。これら以外のイソシアネート化合物を用いてもよい。上記イソシアネート化合物をはんだの表面又は被覆部の表面に反応させた後、残イソシアネート基と、その残イソシアネート基と反応性を有し、かつカルボキシル基を有する化合物を反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面に上記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を導入することができる。
【0085】
また、上記イソシアネート化合物としては、不飽和二重結合を有し、かつイソシアネート基を有する化合物を用いてもよい。例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートが挙げられる。この化合物のイソシアネート基をはんだの表面又は被覆部の表面に反応させた後、残存している不飽和二重結合に対し反応性を有する官能基を有し、かつカルボキシル基を有する化合物を反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面に上記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を導入することができる。
【0086】
また、上記イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。該シランカップリング剤のイソシアネート基をはんだの表面又は被覆部の表面に反応させた後、残存する基と反応性を有し、かつカルボキシル基を有する化合物を反応させることで、はんだの表面又は被覆部の表面に上記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を導入することができる。
【0087】
上記イソシアネート基を有するシランカップリング剤としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製「KBE−9007」)、及び3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製「Y−5187」)等が挙げられる。上記シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0088】
また、イソシアネート基は、シランカップリング剤と容易に反応させることができる。上記カルボキシル基が、カルボキシル基を有するシランカップリング剤を用いた反応により導入されているか、又は、イソシアネート基を有するシランカップリング剤を用いた反応の後に、該シランカップリング剤に由来する基にカルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物を反応させることで導入されていることが好ましい。上記の好ましい態様を満足することで、上記はんだ粒子を容易に得ることができる。
【0089】
上記はんだ粒子は、上記イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させた後、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物を反応させることにより得られることが好ましい。
【0090】
接続構造体における接続抵抗をより一層低くし、ボイドの発生をより一層抑制する観点からは、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物が、カルボキシル基を複数有することが好ましい。
【0091】
上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物としては、レブリン酸、グルタル酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸、4−フェニル酪酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、9−ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、デカン二酸及びドデカン二酸等が挙げられる。グルタル酸、アジピン酸又はグリコール酸が好ましい。上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0092】
上記イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させた後、カルボキシル基を複数有する化合物の一部のカルボキシル基を、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基と反応させることで、カルボキシル基を含む基を残存させることができる。
【0093】
上記はんだ粒子の製造方法では、はんだ粒子を用いて、かつ、イソシアネート化合物を用いて、はんだの表面又は被覆部の表面の水酸基に、上記イソシアネート化合物を反応させる。その後、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物を反応させて、はんだの表面又は被覆部の表面に、上記式(X)で表される基を介して、カルボキシル基を含む基が結合しているはんだ粒子を得る。上記はんだ粒子の製造方法では、上記の工程により、はんだの表面又は被覆部の表面に、カルボキシル基を含む基が導入されたはんだ粒子を容易に得ることができる。
【0094】
上記はんだ粒子の具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。有機溶媒にはんだ粒子を分散させ、イソシアネート基を有するシランカップリング剤を添加する。その後、はんだ粒子のはんだの表面又は被覆部の表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒を用い、はんだの表面又は被覆部の表面にシランカップリング剤を共有結合させる。次に、シランカップリング剤のケイ素原子に結合しているアルコキシ基を加水分解することで、水酸基を生成させる。生成した水酸基に、カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物のカルボキシル基を反応させる。
【0095】
また、上記はんだ粒子の具体的な製造方法としては、以下の方法が挙げられる。有機溶媒にはんだ粒子を分散させ、イソシアネート基と不飽和二重結合を有する化合物を添加する。その後、はんだ粒子のはんだの表面又は被覆部の表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒を用い、共有結合を形成させる。その後、導入された不飽和二重結合に対して、不飽和二重結合、及びカルボキシル基を有する化合物を反応させる。
【0096】
はんだ粒子のはんだの表面又は被覆部の表面の水酸基とイソシアネート基との反応触媒としては、スズ系触媒(ジブチルスズジラウレート等)、アミン系触媒(トリエチレンジアミン等)、カルボキシレート触媒(ナフテン酸鉛、酢酸カリウム等)、及びトリアルキルホスフィン触媒(トリエチルホスフィン等)等が挙げられる。
【0097】
接続構造体における接続抵抗を効果的に低くし、ボイドの発生を効果的に抑制する観点からは、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。下記式(1)で表される化合物は、フラックス作用を有する。また、下記式(1)で表される化合物は、はんだの表面又は被覆部の表面に導入された状態でフラックス作用を有する。
【0098】
【化2】
【0099】
上記式(1)中、Xは、水酸基と反応可能な官能基を表し、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記有機基は、炭素原子と水素原子と酸素原子とを含んでいてもよい。該有機基は炭素数1〜5の2価の炭化水素基であってもよい。上記有機基の主鎖は2価の炭化水素基であることが好ましい。上記有機基では、2価の炭化水素基にカルボキシル基や水酸基が結合していてもよい。上記式(1)で表される化合物には、例えばクエン酸が含まれる。
【0100】
上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は、下記式(1A)又は下記式(1B)で表される化合物であることが好ましい。上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物は、下記式(1A)で表される化合物であることが好ましく、下記式(1B)で表される化合物であることがより好ましい。
【0101】
【化3】
【0102】
上記式(1A)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(1A)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
【0103】
【化4】
【0104】
上記式(1B)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(1B)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
【0105】
はんだの表面又は被覆部の表面に、下記式(2A)又は下記式(2B)で表される基が結合していることが好ましい。はんだの表面又は被覆部の表面に、下記式(2A)で表される基が結合していることが好ましく、下記式(2B)で表される基が結合していることがより好ましい。なお、下記式(2A)及び(2B)において、左端部は結合部位を表す。
【0106】
【化5】
【0107】
上記式(2A)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(2A)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
【0108】
【化6】
【0109】
上記式(2B)中、Rは、炭素数1〜5の2価の有機基を表す。上記式(2B)中のRは上記式(1)中のRと同様である。
【0110】
はんだの表面又は被覆部の表面の濡れ性をより一層高める観点からは、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物の分子量は、好ましくは10000以下、より好ましくは1000以下さらに好ましくは500以下である。
【0111】
上記分子量は、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物が重合体ではない場合、及び上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記カルボキシル基を少なくとも1つ有する化合物が重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
【0112】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記はんだ粒子は、はんだ粒子本体と、上記はんだ粒子本体の表面上に配置されたアニオンポリマーとを有することが好ましい。上記はんだ粒子は、はんだ粒子本体をアニオンポリマー又はアニオンポリマーとなる化合物で表面処理することにより得られることが好ましい。上記はんだ粒子は、アニオンポリマー又はアニオンポリマーとなる化合物による表面処理物であることが好ましい。上記アニオンポリマー及び上記アニオンポリマーとなる化合物はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記アニオンポリマーは、酸性基を有するポリマーである。
【0113】
はんだ粒子本体をアニオンポリマーで表面処理する方法としては、以下のアニオンポリマーのカルボキシル基と、はんだ粒子本体の表面の水酸基とを反応させる方法が挙げられる。上記アニオンポリマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸を共重合した(メタ)アクリルポリマー、ジカルボン酸とジオールとから合成されかつ両末端にカルボキシル基を有するポリエステルポリマー、ジカルボン酸の分子間脱水縮合反応により得られかつ両末端にカルボキシル基を有するポリマー、ジカルボン酸とジアミンとから合成されかつ両末端にカルボキシル基を有するポリエステルポリマー、及びカルボキシル基を有する変性ポバール(日本合成化学社製「ゴーセネックスT」)等が挙げられる。
【0114】
上記アニオンポリマーのアニオン部分としては、上記カルボキシル基が挙げられ、それ以外には、トシル基(p−HCCS(=O)−)、スルホン酸イオン基(−SO)、及びリン酸イオン基(−PO)等が挙げられる。
【0115】
また、はんだ粒子本体をアニオンポリマーで表面処理する他の方法としては、はんだ粒子本体の表面の水酸基と反応する官能基を有し、さらに、付加、縮合反応により重合可能な官能基を有する化合物を用いて、この化合物をはんだ粒子本体の表面上にてポリマー化する方法が挙げられる。はんだ粒子本体の表面の水酸基と反応する官能基としては、カルボキシル基、及びイソシアネート基等が挙げられ、付加、縮合反応により重合する官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、及び(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
【0116】
上記アニオンポリマーの重量平均分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上であり、好ましくは10000以下、より好ましくは8000以下である。上記重量平均分子量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子の表面に十分な量の電荷、及びフラックス性を導入することができる。これにより、接続対象部材の接続時に、電極の表面の酸化膜を効果的に除去することができる。
【0117】
上記重量平均分子量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子本体の表面上にアニオンポリマーを配置することが容易であり、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。
【0118】
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
【0119】
はんだ粒子本体をアニオンポリマーとなる化合物で表面処理することにより得られたポリマーの重量平均分子量は、はんだ粒子中のはんだを溶解し、ポリマーの分解を起こさない希塩酸等により、はんだ粒子を除去した後、残存しているポリマーの重量平均分子量を測定することで求めることができる。
【0120】
アニオンポリマーのはんだ粒子の表面における導入量に関しては、はんだ粒子1gあたりの酸価が、好ましくは1mgKOH以上、より好ましくは2mgKOH以上であり、好ましくは10mgKOH以下、より好ましくは6mgKOH以下である。
【0121】
上記酸価は以下のようにして測定することができる。はんだ粒子1gを、アセトン36gに添加し、超音波にて1分間分散させる。その後、指示薬として、フェノールフタレインを用い、0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液にて滴定する。
【0122】
上記はんだは、融点が450℃以下である金属(低融点金属)であることが好ましい。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体は、融点が450℃以下である金属粒子(低融点金属粒子)であることが好ましい。上記低融点金属粒子は、低融点金属を含む粒子である。該低融点金属とは、融点が450℃以下の金属を示す。低融点金属の融点は好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃未満、さらに好ましくは160℃以下である。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体は、融点が150℃未満の低融点はんだであることが好ましい。
【0123】
また、上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体はスズ及びビスマスを含むことが好ましい。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体に含まれる金属100重量%中、スズの含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体におけるスズの含有量が、上記下限以上であると、はんだ部と電極との接続信頼性がより一層高くなる。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体に含まれる金属100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは48重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体におけるビスマスの含有量が、上記下限以上であると、はんだ部と電極との接続信頼性がより一層高くなる。
【0124】
なお、上記スズ又はビスマスの含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定することができる。
【0125】
上記はんだ粒子又は上記はんだ粒子本体を用いることで、はんだが溶融して電極に接合し、はんだ部が電極間を導通させる。例えば、はんだ部と電極とが点接触ではなく面接触しやすいため、接続抵抗が低くなる。また、上記はんだ粒子又は上記はんだ粒子本体の使用により、はんだ部と電極との接合強度が高くなる結果、はんだ部と電極との剥離がより一層生じ難くなり、導通信頼性及び接続信頼性がより一層高くなる。
【0126】
上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体を構成する低融点金属は特に限定されない。上記低融点金属の融点は200℃未満であることが好ましい。上記低融点金属は、スズ、又はスズを含む合金であることが好ましい。上記合金は、スズ−銀合金、スズ−銅合金、スズ−銀−銅合金、スズ−ビスマス合金、スズ−亜鉛合金、スズ−インジウム合金等が挙げられる。電極に対する濡れ性に優れることから、上記低融点金属は、スズ、スズ−銀合金、スズ−銀−銅合金、スズ−ビスマス合金、スズ−インジウム合金であることが好ましい。スズ−ビスマス合金、スズ−インジウム合金であることがより好ましい。
【0127】
上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体は、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の組成としては、例えば亜鉛、金、銀、鉛、銅、スズ、ビスマス、インジウム等を含む金属組成が挙げられる。低融点で鉛フリーであるスズ−インジウム系(117℃共晶)、又はスズ−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体は、鉛を含まないことが好ましく、スズとインジウムとを含むか、又はスズとビスマスとを含むことが好ましい。
【0128】
はんだ部と電極との接合強度をより一層高めるために、上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を含んでいてもよい。また、はんだ部と電極との接合強度をさらに一層高める観点からは、上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体は、ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム又は亜鉛を含むことが好ましい。はんだ部と電極との接合強度をより一層高める観点からは、接合強度を高めるためのこれらの金属の含有量は、はんだ粒子又ははんだ粒子本体100重量%中、好ましくは0.0001重量%以上であり、好ましくは1重量%以下である。
【0129】
上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上である。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは40μm以下、より一層好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下、最も好ましくは10μm以下である。上記はんだ粒子の粒子径及び上記はんだ粒子本体が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径は、5μm以上、30μm以下であることが特に好ましい。
【0130】
上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径は、数平均粒子径を示す。はんだ粒子及びはんだ粒子本体の粒子径は、例えば、任意のはんだ粒子又ははんだ粒子本体50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各はんだ粒子又ははんだ粒子本体の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
【0131】
上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径の変動係数が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。但し、上記はんだ粒子及び上記はんだ粒子本体の粒子径のCV値は、5%未満であってもよい。
【0132】
上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
【0133】
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:はんだ粒子又ははんだ粒子本体の粒子径の標準偏差
Dn:はんだ粒子又ははんだ粒子本体の粒子径の平均値
【0134】
上記はんだ粒子の形状は特に限定されない。上記はんだ粒子の形状は、球状であってもよく、扁平状等の球形状以外の形状であってもよい。
(被覆部)
上記はんだ粒子は、はんだ粒子本体と、上記はんだ粒子本体の表面上に配置された被覆部とを備えていてもよい。上記被覆部は、上記はんだ粒子の表面上に配置されている。上記被覆部は、有機化合物、無機化合物、有機無機ハイブリッド化合物、又は金属を含むことが好ましい。
【0135】
上記有機化合物は特に限定されない。上記有機化合物としては、有機高分子等が挙げられる。導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、及びはんだの濡れ性をより一層良好にする観点からは、上記有機化合物は、有機高分子、特に、上述したアニオンポリマーであることが好ましい。
【0136】
上記無機化合物は特に限定されない。上記無機化合物としては、シリカ、チタニア、及びアルミナ等の金属酸化物が挙げられる。導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、及びはんだの濡れ性をより一層良好にする観点からは、上記無機化合物は、シリカであることが好ましい。
【0137】
上記有機無機ハイブリッド化合物は特に限定されない。上記有機無機ハイブリッド化合物としては、シリコーン樹脂等が挙げられる。導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、及びはんだの濡れ性をより一層良好にする観点からは、上記有機無機ハイブリッド化合物は、シリコーン樹脂であることが好ましい。
【0138】
上記金属は特に限定されない。上記金属としては、銀、パラジウム、金、及びニッケル等が挙げられる。低温でより一層容易に実装する観点、及び接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高める観点からは、上記金属は、銀であることが好ましい。
【0139】
低温でより一層容易に実装する観点、及び接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高める観点からは、上記被覆部は、銀を含むことが好ましい。上記はんだ粒子100重量%中、上記銀の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは11重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%以下である。上記銀の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記銀の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0140】
上記銀の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)、又は蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定することができる。
【0141】
上記はんだ粒子本体の表面積全体100%中、上記はんだ粒子本体の表面の上記被覆部により覆われている表面積(被覆率)は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。上記被覆率の上限は特に限定されない。上記被覆率は、100%以下であってもよい。上記被覆率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記被覆率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0142】
上記被覆率は、上記導電性粒子をSEM−EDX分析することで、Agマッピングを行い、画像解析することで算出することができる。
【0143】
上記被覆部の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。なお、上記被覆部の厚みは、上記はんだ粒子本体の表面上に配置された被覆部がある部分のみの被覆部の厚みを意味する。上記はんだ粒子本体の表面上に配置された被覆部がない部分については、被覆部の厚みを算出する際に考慮されない。上記被覆部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記被覆部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0144】
上記被覆部が銀のみから形成されている場合において、上記被覆部の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上、特に好ましくは1.5μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。上記被覆部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記被覆部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0145】
また、上記被覆部は、単層であってもよく、2層以上の層(多層)であってもよい。上記被覆部が2層以上の層(多層)である場合には、上記被覆部の厚みは、上記被覆部全体の厚みを意味する。
【0146】
上記被覆部の厚みは、上記はんだ粒子の粒子径と上記はんだ粒子本体の粒子径との差により算出することができる。
【0147】
上記被覆部の厚みの上記はんだ粒子本体の粒子径に対する比(被覆部の厚み/はんだ粒子本体の粒子径)は、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは1以下である。上記比(被覆部の厚み/はんだ粒子本体の粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記比(被覆部の厚み/はんだ粒子本体の粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0148】
上記被覆部を備えるはんだ粒子を導電材料等に用いることで、はんだ粒子からの金属イオンの溶出を効果的に防止することができ、導電材料の増粘を効果的に防止することができる。また、はんだ粒子が上記被覆部を備えることで、はんだ粒子のはんだの表面の酸化を効果的に防止することができ、はんだの濡れ性をより一層良好に保つことができる。
【0149】
さらに、上記被覆部が銀のみから形成されている場合において、導電接続(実装)前では、上記はんだ粒子本体におけるはんだと上記被覆部に含まれる銀とはそれぞれ独立して存在しており、合金化していないことが好ましい。この場合には、導電接続前のはんだ粒子は、はんだ粒子(はんだ)の融点で溶融させることができる。上記はんだ粒子は、融点が200℃未満の低融点はんだであることが好ましいことから、導電接続(実装)前のはんだ粒子は、比較的低温で溶融させることができ、低温で容易に導電接続(実装)することができる。また、導電接続(実装)後においては、導電接続(実装)時に付与される熱により、上記はんだ粒子本体のはんだと上記被覆部含まれる銀とが、合金化していることが好ましい。この場合には、導電接続(実装)後の接続部(はんだ部)の融点が、はんだ粒子(はんだ)の融点よりも高くなるので、接続部(はんだ部)の耐衝撃性を効果的に高めることができる。
【0150】
(金属部)
上記はんだ粒子は、上記はんだ粒子本体の外表面と上記被覆部との間に、ニッケルを含む金属部を備えることが好ましい。上記はんだ粒子は、上記はんだ粒子本体の表面上に配置された金属部と、上記金属部の表面上に配置された被覆部とを備えることが好ましい。上記はんだ粒子が、上記の好ましい態様を満足することで、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記はんだ粒子が、上記の好ましい態様を満足することで、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0151】
上記金属部は、ニッケルを含むことが好ましい。上記金属部は、ニッケル以外の金属を含んでいてもよい。上記金属部に含まれるニッケル以外の金属は特に限定されず、金、銀、銅、パラジウム、及びチタン等が挙げられる。
【0152】
上記金属部の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。なお、上記金属部の厚みは、上記はんだ粒子本体の表面上に配置された金属部がある部分のみの金属部を厚みを意味する。上記はんだ粒子本体の表面上に配置された金属部がない部分については、金属部の厚みを算出する際に考慮されない。上記金属部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記金属部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0153】
上記金属部がニッケルのみから形成されている場合において、上記金属部の厚みは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。上記金属部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記金属部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0154】
また、上記金属部は、単層であってもよく、2層以上の層(多層)であってもよい。上記金属部が2層以上の層(多層)である場合には、上記金属部の厚みは、上記金属部全体の厚みを意味する。
【0155】
上記金属部の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、はんだ粒子の断面を観察することにより求めることができる。
【0156】
上記金属部の厚みの上記はんだ粒子本体の粒子径に対する比(金属部の厚み/はんだ粒子本体の粒子径)は、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上であり、好ましくは5以下、より好ましくは1以下である。上記比(金属部の厚み/はんだ粒子本体の粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、低温でより一層容易に実装することができ、接続部の耐衝撃性をより一層効果的に高めることができる。また、上記比(金属部の厚み/はんだ粒子本体の粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0157】
上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、50重量%を超えることが好ましく、85重量%未満であることが好ましい。上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、好ましくは50重量%を超え、より好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは65重量%以上であり、好ましくは85重量%未満、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。上記はんだ粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、電極間にはんだ粒子を多く配置することが容易であり、導通信頼性がより一層高くなる。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記はんだ粒子の含有量は多い方が好ましい。上記導電材料では、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は50重量%以下であってもよく、40重量%以下であってもよく、20重量%以上であってもよい。上記導電材料では、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量が20重量%以上、50重量%以下であっても、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。上記導電材料では、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は85重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよく、95重量%以下であってもよい。上記導電材料では、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量が85重量%以上、95重量%以下であっても、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。
【0158】
電極が形成されている部分のライン(L)が50μm以上、150μm未満である場合に、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、好ましくは55重量%以下、より好ましくは45重量%以下である。
【0159】
電極が形成されていない部分のスペース(S)が50μm以上、150μm未満である場合に、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。
【0160】
電極が形成されている部分のライン(L)が150μm以上、1000μm未満である場合に、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。
【0161】
電極が形成されていない部分のスペース(S)が150μm以上、1000μm未満である場合に、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。
【0162】
(熱硬化性化合物)
上記導電材料は、熱硬化性化合物を含む。上記熱硬化性化合物は、加熱により硬化可能な化合物である。上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。導電材料の硬化性及び粘度をより一層良好にし、接続信頼性をより一層高める観点から、上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物又はエピスルフィド化合物であることが好ましい。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0163】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記熱硬化性化合物は、ポリエーテル骨格を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましい。
【0164】
上記ポリエーテル骨格を有する熱硬化性化合物としては、炭素数3〜12のアルキル鎖の両末端にグリシジルエーテル基を有する化合物、並びに炭素数2〜4のポリエーテル骨格を有し、該ポリエーテル骨格2〜10個が連続して結合した構造単位を有するポリエーテル型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0165】
導電材料の硬化物の耐熱性をより一層高める観点、並びに導電材料の硬化物の誘電率をより一層低くする観点からは、上記熱硬化性化合物は、トリアジン骨格を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましい。
【0166】
上記トリアジン骨格を有する熱硬化性化合物としてはトリアジントリグリシジルエーテル等が挙げられ、日産化学工業社製TEPICシリーズ(TEPIC−G、TEPIC−S、TEPIC−SS、TEPIC−HP、TEPIC−L、TEPIC−PAS、TEPIC−VL、TEPIC−UC)等が挙げられる。
【0167】
上記エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物が挙げられる。上記エポキシ化合物は、レゾルシノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ベンゾフェノン型エポキシ化合物等の結晶性エポキシ化合物であることが好ましい。上記エポキシ化合物は、常温(23℃)で固体であり、かつ溶融温度がはんだの融点以下であるエポキシ化合物であることが好ましい。上記溶融温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下であり、好ましくは40℃以上である。上記の好ましいエポキシ化合物を用いることで、接続対象部材を貼り合わせた段階では、粘度が高く、搬送等の衝撃により加速度が付与された際に、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材との位置ずれを抑制することができる。さらに、上記の好ましいエポキシ化合物を用いることで、硬化時の熱により、導電材料の粘度を大きく低下させることができ、はんだの凝集を効率よく進行させることができる。
【0168】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記熱硬化性化合物は、25℃で液状である熱硬化性化合物を含むことが好ましい。上記25℃で液状である熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物及びエピスルフィド化合物等が挙げられる。
【0169】
上記導電材料100重量%中、上記熱硬化性化合物の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であり、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。上記熱硬化性化合物の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだをより一層効率的に配置し、電極間の位置ずれをより一層抑制し、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。耐衝撃性をより一層高める観点からは、上記熱硬化性化合物の含有量は多い方が好ましい。
【0170】
(熱硬化剤)
上記導電材料は、熱硬化剤を含むことが好ましい。上記導電材料は、上記熱硬化性化合物とともに熱硬化剤を含むことが好ましい。上記熱硬化剤は、上記熱硬化性化合物を熱硬化させる。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、フェノール硬化剤、チオール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、熱カチオン硬化剤及び熱ラジカル発生剤等がある。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0171】
導電材料を低温でより一層速やかに硬化可能とする観点からは、上記熱硬化剤は、イミダゾール硬化剤、チオール硬化剤、又はアミン硬化剤であることが好ましい。また、上記熱硬化性化合物と上記熱硬化剤とを混合したときの保存安定性を高める観点からは、上記熱硬化剤は、潜在性の硬化剤であることが好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性チオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
【0172】
上記イミダゾール硬化剤は、特に限定されない。上記イミダゾール硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
【0173】
上記チオール硬化剤は、特に限定されない。上記チオール硬化剤としては、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
【0174】
上記アミン硬化剤は、特に限定されない。上記アミン硬化剤としては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0175】
上記熱カチオン硬化剤は、特に限定されない。上記熱カチオン硬化剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
【0176】
上記熱ラジカル発生剤は、特に限定されない。上記熱ラジカル発生剤としては、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
【0177】
上記熱硬化剤の反応開始温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下、特に好ましくは140℃以下である。上記熱硬化剤の反応開始温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだがより一層効率的に配置される。上記熱硬化剤の反応開始温度は80℃以上、140℃以下であることが特に好ましい。
【0178】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記熱硬化剤の反応開始温度は、上記はんだ粒子におけるはんだの融点よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましい。
【0179】
上記熱硬化剤の反応開始温度は、DSCでの発熱ピークの立ち上がり開始の温度を意味する。
【0180】
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは75重量部以下である。熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、熱硬化性化合物を十分に硬化させることが容易である。熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、硬化後に硬化に関与しなかった余剰の熱硬化剤が残存し難くなり、かつ硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
【0181】
(イオン捕捉剤)
上記導電材料は、イオン捕捉剤を含むことが好ましい。上記イオン捕捉剤は、導電材料中のイオンを捕捉できるイオン捕捉剤であることが好ましく、導電材料中の遊離スズイオンを捕捉できるイオン捕捉剤であることがより好ましい。上記イオン捕捉剤は、例えば、導電材料中の遊離スズイオンを捕捉する。上記イオン捕捉剤は特に限定されず、陽イオン捕捉剤であってもよく、両イオン捕捉剤であってもよい。上記導電材料において、上記イオン捕捉剤は、上記はんだ粒子及び後述するフラックスとともに用いられることが好ましい。なお、導電材料中の遊離スズイオンの濃度には、イオン捕捉剤により補足されているスズ原子は含まれない。
【0182】
上記イオン捕捉剤は、後述するフラックスとは別の配合物である。上記イオン捕捉剤は、後述するベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物とは別の配合物である。導電材料中において、上記イオン捕捉剤の役割は、後述するフラックスの役割及び後述するベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物の役割とは異なる。例えば、導電材料中では、はんだ粒子にフラックス等が作用することで、はんだ粒子のはんだの表面からスズイオンが溶出することがある。溶出したスズイオンは導電材料中で遊離スズイオンとして存在し、導電材料中の熱硬化性化合物等の硬化を促進させ、導電材料を増粘させることがある。上記イオン捕捉剤は、主として、上記導電材料中で遊離スズイオンを捕捉することで、上記導電材料の増粘を防止するために配合している。上記フラックスは、主として、上記はんだ粒子のはんだの表面及び電極の表面等に存在する酸化物を除去したり、該酸化物の形成を防止するために配合している。
【0183】
また、はんだの濡れ性を良好にするためにフラックス量を増加させた場合でも、上記イオン捕捉剤が上記導電材料中に配合されていることで、上記導電材料の増粘をより一層効果的に防止することができる。結果として、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0184】
導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、及びはんだの濡れ性をより一層良好にする観点からは、上記イオン捕捉剤は、ジルコニウム、アルミニウム又はマグネシウムを含むことが好ましい。上記イオン捕捉剤は、ジルコニウム、アルミニウム及びマグネシウムの内いずれか1種を含んでいればよい。上記イオン捕捉剤の市販品としては、協和化学工業社製「KW−2000」、東亞合成社製「IXEPLAS−A1」及び東亞合成社製「IXEPLAS−A2」等が挙げられる。
【0185】
上記イオン捕捉剤の粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下である。上記イオン捕捉剤の粒子径が、上記下限以上であると、上記イオン捕捉剤による導電材料の増粘をより一層効果的に防止することができる。上記イオン捕捉剤の粒子径が、上記上限以下であると、上記導電材料中に上記イオン捕捉剤をより一層良好に分散させることができ、上記導電材料中で遊離スズイオンをより一層効率的に捕捉することができる。
【0186】
上記イオン捕捉剤の粒子径は、数平均粒子径を示す。イオン捕捉剤の粒子径は、例えば、任意のイオン捕捉剤50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各イオン捕捉剤の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
【0187】
上記導電材料100重量%中、上記イオン捕捉剤の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上であり、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。上記イオン捕捉剤の含有量が、上記下限以上であると、上記導電材料中で遊離スズイオンをより一層効率的に捕捉することができる。上記イオン捕捉剤の含有量が、上記上限以下であると、上記イオン捕捉剤による導電材料の増粘をより一層効果的に防止することができる。
【0188】
(ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物)
上記導電材料は、ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物を含むことが好ましい。上記導電材料では、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物のみを含んでいてもよく、ベンゾチアゾール骨格を有する化合物のみを含んでいてもよく、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物とベンゾチアゾール骨格を有する化合物との双方を含んでいてもよい。
【0189】
上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、後述するフラックスとは別の配合物である。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、上述したイオン捕捉剤とは別の配合物である。導電材料中において、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物の役割は、後述するフラックスの役割及び上述したイオン捕捉剤の役割とは異なる。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、主として、上記はんだ粒子のはんだの表面の酸化を防止し、上記はんだ粒子のはんだの表面からの金属イオンの溶出を防止するために配合している。上記フラックスは、主として、上記はんだ粒子のはんだの表面及び電極の表面等に存在する酸化物を除去したり、該酸化物の形成を防止するために配合している。上記はんだ粒子のはんだの表面から金属イオンが溶出すると、上記熱硬化性化合物の硬化を促進させ、上記導電材料を増粘させることがある。上記導電材料中に上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が配合された導電材料では、上記導電材料の増粘をより一層効果的に防止することができる。
【0190】
上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、及び2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0191】
上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、チオール基を有することが好ましく、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩又は2−メルカプトベンゾチアゾールであることがより好ましい。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、上記の好ましい態様を満足することで、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0192】
上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、1級チオールであることが好ましく、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩又は2−メルカプトベンゾチアゾールであることがより好ましい。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、上記の好ましい態様を満足することで、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0193】
導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点、及びはんだの濡れ性をより一層良好にする観点からは、上記はんだ粒子の表面上に、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が付着していることが好ましい。上記はんだ粒子の表面上に、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が付着している場合に、例えば、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は、上記はんだ粒子の表面上に化学的方法又は物理的方法で配置されていることが好ましい。上記化学的方法としては、上記はんだ粒子の表面上に共有結合又は配位結合等の化学結合を介して上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物を配置する方法等が挙げられる。上記物理的方法としては、上記はんだ粒子の表面上にファンデルワールス力等の物理的相互作用を介して上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物を配置する方法等が挙げられる。
【0194】
上記はんだ粒子の表面積全体100%中、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が付着している表面積は、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上であり、好ましくは100%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下である。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物が、上記の好ましい態様を満足することで、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0195】
上記導電材料100重量%中、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%であり、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料が一定期間放置された場合でも、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができ、はんだの濡れ性をより一層良好にすることができる。
【0196】
(フラックス)
上記導電材料は、フラックスを含むことが好ましい。フラックスの使用により、電極上にはんだをより一層効率的に配置することができる。上記フラックスは特に限定されない。上記フラックスには、上記イオン捕捉剤は含まれない。上記フラックスには、上記ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物は含まれない。上記フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているフラックスを使用できる。
【0197】
上記フラックスとしては、例えば、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、アミン化合物、有機酸及び松脂等が挙げられる。上記フラックスは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0198】
上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びグルタル酸等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸、松脂であることが好ましい。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸であってもよく、松脂であってもよい。カルボキシル基を2個以上有する有機酸、松脂の使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
【0199】
上記カルボキシル基を2個以上有する有機酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0200】
上記アミン化合物としては、例えば、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、フェニルイミダゾール、カルボキシベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾールカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0201】
上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。上記ロジン類としては、例えば、アビエチン酸、アクリル変性ロジン等が挙げられる。フラックスはロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
【0202】
上記フラックスの融点(活性温度)は、好ましくは10℃以上、より好ましくは50℃以上、より一層好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、より一層好ましくは160℃以下、さらに好ましくは150℃以下、さらに一層好ましくは140℃以下である。上記フラックスの融点が、上記下限以上及び上記上限以下であると、フラックス効果がより一層効果的に発揮され、電極上にはんだがより一層効率的に配置される。上記フラックスの融点(活性温度)は80℃以上、190℃以下であることが好ましい。上記フラックスの融点(活性温度)は80℃以上、140℃以下であることが特に好ましい。
【0203】
フラックスの融点(活性温度)が80℃以上、190℃以下である上記フラックスとしては、コハク酸(融点186℃)、グルタル酸(融点96℃)、アジピン酸(融点152℃)、ピメリン酸(融点104℃)、スベリン酸(融点142℃)等のジカルボン酸、安息香酸(融点122℃)、リンゴ酸(融点130℃)等が挙げられる。
【0204】
また、上記フラックスの沸点は、200℃以下であることが好ましい。
【0205】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記フラックスの融点は、上記はんだ粒子におけるはんだの融点よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましい。
【0206】
電極上にはんだをより一層効率的に配置する観点からは、上記フラックスの融点は、上記熱硬化剤の反応開始温度よりも、高いことが好ましく、5℃以上高いことがより好ましく、10℃以上高いことがさらに好ましい。
【0207】
上記フラックスは、導電材料中に分散されていてもよく、はんだ粒子の表面上に付着していてもよい。
【0208】
フラックスの融点が、はんだ粒子の融点より高いことにより、電極部分にはんだを効率的に凝集させることができる。これは、接合時に熱を付与した場合、接続対象部材上に形成された電極と、電極周辺の接続対象部材の部分とを比較すると、電極部分の熱伝導率が電極周辺の接続対象部材部分の熱伝導率よりも高いことにより、電極部分の昇温が速いことに起因する。はんだ粒子の融点を超えた段階では、はんだ粒子の内部は溶解するが、表面に形成された酸化被膜は、フラックスの融点(活性温度)に達していないので、除去されない。この状態で、電極部分の温度が先に、フラックスの融点(活性温度)に達するため、優先的に電極上に来たはんだ粒子の表面の酸化被膜が除去され、はんだが電極の表面上に濡れ拡がることができる。これにより、電極上に効率的にはんだを凝集させることができる。
【0209】
上記導電材料100重量%中、上記フラックスの含有量は、好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記導電材料は、フラックスを含んでいなくてもよい。フラックスの含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子及び電極の表面に酸化被膜がより一層形成され難くなり、さらに、はんだ粒子及び電極の表面に形成された酸化被膜をより一層効果的に除去できる。
【0210】
(絶縁性粒子)
導電材料の硬化物により接続される接続対象部材間の間隔を高精度に制御する観点、及びはんだ部により接続される接続対象部材間の間隔を高精度に制御する観点からは、上記導電材料は、絶縁性粒子を含むことが好ましい。上記導電材料において、上記絶縁性粒子は、上記はんだ粒子の表面に付着していなくてもよい。上記導電材料中で、上記絶縁性粒子は上記はんだ粒子と離れて存在することが好ましい。
【0211】
上記絶縁性粒子の粒子径は、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは25μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。上記絶縁性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料の硬化物により接続される接続対象部材間の間隔、及びはんだ部により接続される接続対象部材間の間隔がより一層適度になる。
【0212】
上記絶縁性粒子の材料としては、絶縁性の樹脂、及び絶縁性の無機物等が挙げられる。上記絶縁性の樹脂としては、ポリオレフィン化合物、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
【0213】
上記ポリオレフィン化合物としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
【0214】
上記絶縁性無機物としては、シリカ及び有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
【0215】
上記導電材料100重量%中、上記絶縁性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。上記導電材料は、上記絶縁性粒子を含んでいなくてもよい。上記絶縁性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電材料の硬化物により接続される接続対象部材間の間隔、及びはんだ部により接続される接続対象部材間の間隔がより一層適度になる。
【0216】
(他の成分)
上記導電材料は、必要に応じて、例えば、カップリング剤、遮光剤、反応性希釈剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
【0217】
(接続構造体及び接続構造体の製造方法)
本発明に係る接続構造体は、少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と、上記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部の材料が、上述した導電材料である。本発明に係る接続構造体では、上記接続部が、上述した導電材料の硬化物である。本発明に係る接続構造体では、上記接続部が、上述した導電材料により形成されている。本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている。
【0218】
上記接続構造体の製造方法は、上述した導電材料を用いて、少なくとも1つの第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材の表面上に、上記導電材料を配置する工程を備える。上記接続構造体の製造方法は、上記導電材料の上記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、少なくとも1つの第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材を、上記第1の電極と上記第2の電極とが対向するように配置する工程を備える。上記接続構造体の製造方法は、上記はんだ粒子におけるはんだの融点以上に上記導電材料を加熱することで、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材とを接続している接続部を、上記導電材料により形成し、かつ、上記第1の電極と上記第2の電極とを、上記接続部中のはんだ部により電気的に接続する工程を備える。好ましくは、上記熱硬化性化合物の硬化温度以上に上記導電材料を加熱する。
【0219】
本発明に係る接続構造体及び接続構造体の製造方法では、特定の導電材料を用いているので、はんだ粒子が第1の電極と第2の電極との間に集まりやすく、はんだ粒子を電極(ライン)上に効率的に配置することができる。また、はんだ粒子の一部が、電極が形成されていない領域(スペース)に配置され難く、電極が形成されていない領域に配置されるはんだ粒子の量をかなり少なくすることができる。従って、第1の電極と第2の電極との間の導通信頼性を高めることができる。しかも、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の電気的な接続を防ぐことができ、絶縁信頼性を高めることができる。
【0220】
また、電極上にはんだを効率的に配置し、かつ電極が形成されていない領域に配置されるはんだの量をかなり少なくするためには、上記導電材料は、導電フィルムではなく、導電ペーストを用いることが好ましい。
【0221】
電極間でのはんだ部の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下である。電極の表面上のはんだ濡れ面積(電極の露出した面積100%中のはんだが接している面積)は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、好ましくは100%以下である。
【0222】
本発明に係る接続構造体の製造方法では、上記第2の接続対象部材を配置する工程及び上記接続部を形成する工程において、加圧を行わず、上記導電材料には、上記第2の接続対象部材の重量が加わることが好ましい。また、上記第2の接続対象部材を配置する工程及び上記接続部を形成する工程において、上記導電材料には、上記第2の接続対象部材の重量の力を超える加圧圧力は加わらないことが好ましい。これらの場合には、複数のはんだ部において、はんだ量の均一性をより一層高めることができる。さらに、はんだ部の厚みをより一層効果的に厚くすることができ、複数のはんだ粒子が電極間に多く集まりやすくなり、はんだを電極(ライン)上により一層効率的に配置することができる。また、はんだの一部が、電極が形成されていない領域(スペース)に配置され難く、電極が形成されていない領域に配置されるはんだの量をより一層少なくすることができる。従って、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。しかも、接続されてはならない横方向に隣接する電極間の電気的な接続をより一層防ぐことができ、絶縁信頼性をより一層高めることができる。
【0223】
また、導電フィルムではなく、導電ペーストを用いれば、導電ペーストの塗布量によって、接続部及びはんだ部の厚みを調整することが容易になる。一方で、導電フィルムでは、接続部の厚みを変更したり、調整したりするためには、異なる厚みの導電フィルムを用意したり、所定の厚みの導電フィルムを用意したりしなければならないという問題がある。また、導電フィルムでは、導電ペーストと比べて、はんだの溶融温度で、導電フィルムの溶融粘度を十分に下げることができず、はんだの凝集が阻害されやすい傾向がある。
【0224】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0225】
図1は、本発明の一実施形態に係る導電材料を用いて得られる接続構造体を模式的に示す断面図である。
【0226】
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材3と、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4とを備える。接続部4は、上述した導電材料により形成されている。本実施形態では、上記導電材料は、熱硬化性化合物と、熱硬化剤と、はんだ粒子と、イオン捕捉剤とを含む。本実施形態では、導電材料として、導電ペーストが用いられている。
【0227】
接続部4は、複数のはんだ粒子が集まり互いに接合したはんだ部4Aと、熱硬化性化合物が熱硬化された硬化物部4Bとを有する。
【0228】
第1の接続対象部材2は表面(上面)に、複数の第1の電極2aを有する。第2の接続対象部材3は表面(下面)に、複数の第2の電極3aを有する。第1の電極2aと第2の電極3aとが、はんだ部4Aにより電気的に接続されている。従って、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とが、はんだ部4Aにより電気的に接続されている。なお、接続部4において、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まったはんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)では、はんだ粒子は存在しない。はんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)では、はんだ部4Aと離れたはんだ粒子は存在しない。なお、少量であれば、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まったはんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)に、はんだ粒子が存在していてもよい。
【0229】
図1に示すように、接続構造体1では、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に、複数のはんだ粒子が集まり、複数のはんだ粒子が溶融した後、はんだ粒子の溶融物が電極の表面を濡れ拡がった後に固化して、はんだ部4Aが形成されている。このため、はんだ部4Aと第1の電極2a、並びにはんだ部4Aと第2の電極3aとの接続面積が大きくなる。すなわち、はんだ粒子を用いることにより、導電性の外表面がニッケル、金又は銅等の金属である導電性粒子を用いた場合と比較して、はんだ部4Aと第1の電極2a、並びにはんだ部4Aと第2の電極3aとの接触面積が大きくなる。このことによっても、接続構造体1における導通信頼性及び接続信頼性が高くなる。なお、導電材料にフラックスが含まれる場合に、フラックスは、一般に、加熱により次第に失活する。
【0230】
なお、図1に示す接続構造体1では、はんだ部4Aの全てが、第1,第2の電極2a,3a間の対向している領域に位置している。図3に示す変形例の接続構造体1Xは、接続部4Xのみが、図1に示す接続構造体1と異なる。接続部4Xは、はんだ部4XAと硬化物部4XBとを有する。接続構造体1Xのように、はんだ部4XAの多くが、第1,第2の電極2a,3aの対向している領域に位置しており、はんだ部4XAの一部が第1,第2の電極2a,3aの対向している領域から側方にはみ出していてもよい。第1,第2の電極2a,3aの対向している領域から側方にはみ出しているはんだ部4XAは、はんだ部4XAの一部であり、はんだ部4XAから離れたはんだ粒子ではない。なお、本実施形態では、はんだ部から離れたはんだ粒子の量を少なくすることができるが、はんだ部から離れたはんだ粒子が硬化物部中に存在していてもよい。
【0231】
はんだ粒子の使用量を少なくすれば、接続構造体1を得ることが容易になる。はんだ粒子の使用量を多くすれば、接続構造体1Xを得ることが容易になる。
【0232】
接続構造体1,1Xでは、第1の電極2aと接続部4,4Xと第2の電極3aとの積層方向に第1の電極2aと第2の電極3aとの対向し合う部分をみたときに、第1の電極2aと第2の電極3aとの対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、接続部4,4X中のはんだ部4A,4XAが配置されていることが好ましい。接続部4,4X中のはんだ部4A,4XAが、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性をより一層高めることができる。
【0233】
上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることが好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の60%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることがより好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の70%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることがさらに好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の80%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることが特に好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の90%以上に、上記接続部中のはんだ部が配置されていることが最も好ましい。上記接続部中のはんだ部が、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性をより一層高めることができる。
【0234】
上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の60%以上が配置されていることが好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の70%以上が配置されていることがより好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の90%以上が配置されていることがさらに好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の95%以上が配置されていることが特に好ましい。上記第1の電極と上記接続部と上記第2の電極との積層方向と直交する方向に上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、上記第1の電極と上記第2の電極との対向し合う部分に、上記接続部中のはんだ部の99%以上が配置されていることが最も好ましい。上記接続部中のはんだ部が、上記の好ましい態様を満足することで、導通信頼性をより一層高めることができる。
【0235】
次に、本発明の一実施形態に係る導電材料を用いて、接続構造体1を製造する方法の一例を説明する。
【0236】
先ず、第1の電極2aを表面(上面)に有する第1の接続対象部材2を用意する。次に、図2(a)に示すように、第1の接続対象部材2の表面上に、熱硬化性成分11Bと、複数のはんだ粒子11Aとを含む導電材料11を配置する(第1の工程)。用いた導電材料11は、熱硬化性成分11Bとして、熱硬化性化合物と熱硬化剤とイオン捕捉剤とを含む。
【0237】
第1の接続対象部材2の第1の電極2aが設けられた表面上に、導電材料11を配置する。導電材料11の配置の後に、はんだ粒子11Aは、第1の電極2a(ライン)上と、第1の電極2aが形成されていない領域(スペース)上との双方に配置されている。
【0238】
導電材料11の配置方法としては、特に限定されないが、ディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷、及びインクジェット装置による吐出等が挙げられる。
【0239】
また、第2の電極3aを表面(下面)に有する第2の接続対象部材3を用意する。次に、図2(b)に示すように、第1の接続対象部材2の表面上の導電材料11において、導電材料11の第1の接続対象部材2側とは反対側の表面上に、第2の接続対象部材3を配置する(第2の工程)。導電材料11の表面上に、第2の電極3a側から、第2の接続対象部材3を配置する。このとき、第1の電極2aと第2の電極3aとを対向させる。
【0240】
次に、はんだ粒子11Aの融点以上に導電材料11を加熱する(第3の工程)。好ましくは、熱硬化性成分11B(熱硬化性化合物)の硬化温度以上に導電材料11を加熱する。この加熱時には、電極が形成されていない領域に存在していたはんだ粒子11Aは、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まる(自己凝集効果)。導電フィルムではなく、導電ペーストを用いた場合には、はんだ粒子11Aが、第1の電極2aと第2の電極3aとの間により一層効果的に集まる。また、はんだ粒子11Aは溶融し、互いに接合する。また、熱硬化性成分11Bは熱硬化する。この結果、図2(c)に示すように、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4が、導電材料11により形成される。導電材料11により接続部4が形成され、複数のはんだ粒子11Aが接合することによってはんだ部4Aが形成され、熱硬化性成分11Bが熱硬化することによって硬化物部4Bが形成される。はんだ粒子11Aが十分に移動すれば、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に位置していないはんだ粒子11Aの移動が開始してから、第1の電極2aと第2の電極3aとの間にはんだ粒子11Aの移動が完了するまでに、温度を一定に保持しなくてもよい。
【0241】
本実施形態では、熱硬化性成分11Bにイオン捕捉剤が含まれているため、導電材料11中で遊離スズイオンを捕捉することで、導電材料11の増粘をより一層効果的に防止することができる。
【0242】
本実施形態では、上記第2の工程及び上記第3の工程において、加圧を行わない方が好ましい。この場合には、導電材料11には、第2の接続対象部材3の重量が加わる。このため、接続部4の形成時に、はんだ粒子11Aが、第1の電極2aと第2の電極3aとの間により一層効果的に集まる。なお、上記第2の工程及び上記第3の工程の内の少なくとも一方において、加圧を行えば、はんだ粒子11Aが第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まろうとする作用が阻害される傾向が高くなる。
【0243】
また、本実施形態では、加圧を行っていないため、導電材料を塗布した第1の接続対象部材に、第2の接続対象部材を重ね合わせた際に、第1の電極と第2の電極とのアライメントがずれた状態でも、そのずれを補正して、第1の電極と第2の電極とを接続させることができる(セルフアライメント効果)。これは、第1の電極と第2の電極との間に自己凝集している溶融したはんだが、第1の電極と第2の電極との間のはんだと導電材料のその他の成分とが接する面積が最小となる方がエネルギー的に安定になるため、その最小の面積となる接続構造であるアライメントのあった接続構造にする力が働くためである。この際、導電材料が硬化していないこと、及び、その温度、時間にて、導電材料のはんだ粒子以外の成分の粘度が十分低いことが望ましい。
【0244】
このようにして、図1に示す接続構造体1が得られる。なお、上記第2の工程と上記第3の工程とは連続して行われてもよい。また、上記第2の工程を行った後に、得られる第1の接続対象部材2と導電材料11と第2の接続対象部材3との積層体を、加熱部に移動させて、上記第3の工程を行ってもよい。上記加熱を行うために、加熱部材上に上記積層体を配置してもよく、加熱された空間内に上記積層体を配置してもよい。
【0245】
上記第3の工程における上記加熱温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、好ましくは450℃以下、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。
【0246】
上記第3の工程における加熱方法としては、はんだ粒子の融点以上及び熱硬化性化合物の硬化温度以上に、接続構造体全体を、リフロー炉を用いて又はオーブンを用いて加熱する方法や、接続構造体の接続部のみを局所的に加熱する方法が挙げられる。
【0247】
局所的に加熱する方法に用いる器具としては、ホットプレート、熱風を付与するヒートガン、はんだゴテ、及び赤外線ヒーター等が挙げられる。
【0248】
また、ホットプレートにて局所的に加熱する際、接続部直下は、熱伝導性の高い金属にて、その他の加熱することが好ましくない個所は、フッ素樹脂等の熱伝導性の低い材質にて、ホットプレート上面を形成することが好ましい。
【0249】
上記第1,第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1,第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記第1,第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
【0250】
上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材の内の少なくとも一方が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。上記第2の接続対象部材が、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板であることが好ましい。樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル及びリジッドフレキシブル基板は、柔軟性が高く、比較的軽量であるという性質を有する。このような接続対象部材の接続に導電フィルムを用いた場合には、はんだが電極上に集まりにくい傾向がある。これに対して、導電ペーストを用いることで、樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板を用いたとしても、はんだを電極上に効率的に集めることで、電極間の導通信頼性を十分に高めることができる。樹脂フィルム、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル又はリジッドフレキシブル基板を用いる場合に、半導体チップ等の他の接続対象部材を用いた場合と比べて、加圧を行わないことによる電極間の導通信頼性の向上効果がより一層効果的に得られる。
【0251】
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
【0252】
本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極及び上記第2の電極は、エリアアレイ又はペリフェラルにて配置されていることが好ましい。上記第1の電極及び上記第2の電極が、エリアアレイ又はペリフェラルにて配置されている場合において、本発明の効果がより一層効果的に発揮される。上記エリアアレイとは、接続対象部材の電極が配置されている面にて、格子状に電極が配置されている構造のことである。上記ペリフェラルとは、接続対象部材の外周部に電極が配置されている構造のことである。電極が櫛型に並んでいる構造の場合は、櫛に垂直な方向に沿ってはんだが凝集すればよいのに対して、上記エリアアレイ又はペリフェラル構造では電極が配置されている面において、全面にて均一にはんだが凝集する必要がある。このため、従来の方法では、はんだ量が不均一になりやすいのに対して、本発明の方法では、本発明の効果がより一層効果的に発揮される。
【0253】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0254】
熱硬化性化合物:
熱硬化性化合物1:レゾルシノール型エポキシ化合物、共栄社化学社製「エポライトTDC−LC」、エポキシ当量120g/eq
熱硬化性化合物2:エポキシ化合物、ADEKA社製「EP−3300」、エポキシ当量160g/eq
【0255】
熱硬化剤:
潜在性エポキシ熱硬化剤1:T&K TOKA社製「フジキュア7000」
潜在性エポキシ熱硬化剤2:旭化成イーマテリアルズ社製「HXA−3922HP」
【0256】
フラックス:
フラックス1:和光純薬工業社製「グルタル酸」
【0257】
はんだ粒子:
はんだ粒子1(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「Sn42Bi58」、粒子径:30μm)
【0258】
はんだ粒子2(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子をはんだ粒子本体として用い、無電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子、粒子径:31μm、被覆部の厚み:0.5μm)
【0259】
(はんだ粒子2の作製方法)
無電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子:
粒子径が30μmのはんだ粒子本体50gを、1重量%のクエン酸溶液500gに入れて、はんだ粒子本体の表面の酸化膜を除去した。硝酸銀5gとイオン交換水1000gとを含む溶液を調製し、該溶液に酸化膜を除去したはんだ粒子本体50gを入れて混合し、懸濁液を得た。得られた懸濁液に、チオリンゴ酸30gと、N−アセチルイミダゾール80gと、次亜リン酸ナトリウム10gとを入れて混合し、メッキ液を得た。得られたメッキ液のpHが9となるように、10重量%のアンモニア溶液を用いて調整し、25℃で20分間無電解メッキを実施することによって、無電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子を得た。
【0260】
はんだ粒子3(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子をはんだ粒子本体として用い、無電解メッキにより金属部及び被覆部が形成されたはんだ粒子、粒子径:33μm、金属部の厚み:1μm、被覆部の厚み:0.5μm)
【0261】
(はんだ粒子3の作製方法)
無電解メッキにより金属部及び被覆部が形成されたはんだ粒子:
粒子径が30μmのはんだ粒子本体50gを、1重量%のクエン酸溶液500gに入れて、はんだ粒子本体の表面の酸化膜を除去した。酸化膜を除去したはんだ粒子本体50gを用いて、二液活性化法によりパラジウムを付着させ、表面にパラジウムが付着したはんだ粒子本体を得た。硫酸ニッケル20gとイオン交換水1000gとを含む溶液を調製し、該溶液に表面にパラジウムが付着したはんだ粒子本体30gを入れて混合し、第1の懸濁液を得た。得られた第1の懸濁液に、クエン酸30gと、次亜リン酸ナトリウム80gと、酢酸10gとを入れて混合し、第1のメッキ液を得た。得られた第1のメッキ液のpHが10となるように、10重量%のアンモニア溶液を用いて調整し、60℃で20分間無電解メッキを実施することによって、無電解メッキにより金属部が形成されたはんだ粒子本体を得た。
【0262】
次に、硝酸銀5gとイオン交換水1000gとを含む溶液を調製し、該溶液に金属部が形成されたはんだ粒子本体50gを入れて混合し、第2の懸濁液を得た。得られた第2の懸濁液に、コハク酸イミド30gと、N−アセチルイミダゾール80gと、グリオキシル酸5gとを入れて混合し、第2のメッキ液を得た。得られた第2のメッキ液のpHが9となるように、10重量%のアンモニア溶液を用いて調整し、20℃で20分間無電解メッキを実施することによって、無電解メッキにより金属部及び被覆部が形成されたはんだ粒子を得た。
【0263】
はんだ粒子4(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子をはんだ粒子本体として用い、電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子、粒子径:32μm、被覆部の厚み:1μm)
【0264】
(はんだ粒子4の作製方法)
電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子:
粒子径が30μmのはんだ粒子本体50gを、1重量%のクエン酸溶液500gに入れて、はんだ粒子本体の表面の酸化膜を除去した。硝酸銀5gと、イオン交換水1000gと、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン5gと、チオリンゴ酸3gとを含む溶液を調製し、該溶液に酸化膜を除去したはんだ粒子本体50gを入れて混合し、懸濁液を得た。得られた懸濁液を用いて、アノード:白金、カソード:含リン銅、電流密度:1A/dmの条件で、電解めっきを実施することによって、電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子を得た。
【0265】
はんだ粒子5(SAC粒子、融点218℃、千住金属社製「M705」、粒子径:30μm)
【0266】
はんだ粒子6(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子をはんだ粒子本体として用い、電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子、粒子径:35μm、被覆部の厚み:2.5μm)
【0267】
(はんだ粒子6の作製方法)
電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子:
粒子径が30μmのはんだ粒子本体50gを、1重量%のクエン酸溶液500gに入れて、はんだ粒子本体の表面の酸化膜を除去した。硝酸銀5gと、イオン交換水1000gと、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン5gと、チオリンゴ酸3gとを含む溶液を調製し、該溶液に酸化膜を除去したはんだ粒子本体50gを入れて混合し、懸濁液を得た。得られた懸濁液を用いて、アノード:白金、カソード:含リン銅、電流密度:3A/dmの条件で、電解めっきを実施することによって、電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子を得た。
【0268】
はんだ粒子7(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「Sn42Bi58」を選別したはんだ粒子をはんだ粒子本体として用い、電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子、粒子径:33μm、被覆部の厚み:1.5μm)
【0269】
(はんだ粒子7の作製方法)
電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子:
粒子径が30μmのはんだ粒子本体50gを、1重量%のクエン酸溶液500gに入れて、はんだ粒子本体の表面の酸化膜を除去した。硝酸銀5gと、イオン交換水1000gと、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン5gと、チオリンゴ酸3gとを含む溶液を調製した。該溶液に酸化膜を除去したはんだ粒子本体50gを入れて混合し、懸濁液を得た。得られた懸濁液を用いて、アノード:白金、カソード:含リン銅、電流密度:2A/dmの条件で、電解めっきを実施することによって、電解メッキにより被覆部が形成されたはんだ粒子を得た。
【0270】
はんだ粒子の粒子径:
はんだ粒子の粒子径を、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製「LA−920」)にて、測定した。
【0271】
金属部の厚み及び被覆部の厚み:
金属部の厚み及び被覆部の厚みを、上述した方法により測定した。
【0272】
はんだ粒子100重量%中の銀の含有量:
はんだ粒子100重量%中の銀の含有量を、上述した方法により測定した。
【0273】
イオン捕捉剤:
イオン捕捉剤1:東亞合成社製「IXEPLAS−A1」
イオン捕捉剤2:東亞合成社製「IXEPLAS−A2」
【0274】
ベンゾトリアゾール骨格又はベンゾチアゾール骨格を有する化合物:
ベンゾチアゾール骨格を有する化合物1:和光純薬工業社製「2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン」
ベンゾチアゾール骨格を有する化合物2:三新化学工業社製「サンセラーM」、2−メルカプトベンゾチアゾール
ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物1:城北化学工業社製「BT−120」1,2,3−ベンゾトリアゾール
【0275】
(実施例1−13及び比較例1−3)
(1)導電材料の作製
下記の表1−3に示す成分を下記の表1−3に示す配合量で配合して、遊星式撹拌装置で混合及び脱泡することにより導電材料(異方性導電ペースト)を得た。
【0276】
(2)接続構造体(エリアアレイ基板)の作製
(2−1)条件Aでの接続構造体の具体的な作製方法:
第2の接続対象部材として、半導体チップ本体(サイズ5×5mm、厚み0.4mm)の表面に、400μmピッチで250μmの銅電極が、エリアアレイにて配置されており、最表面にパッシベーション膜(ポリイミド、厚み5μm、電極部の開口径200μm)が形成されている半導体チップを準備した。銅電極の数は、半導体チップ1個当たり、10個×10個の合計100個である。
【0277】
第1の接続対象部材として、ガラスエポキシ基板本体(サイズ20×20mm、厚み1.2mm、材質FR−4)の表面に、第2の接続対象部材の電極に対して、同じパターンとなるように、銅電極が配置されており、銅電極が配置されていない領域にソルダーレジスト膜が形成されているガラスエポキシ基板を準備した。銅電極の表面とソルダーレジスト膜の表面との段差は、15μmであり、ソルダーレジスト膜は銅電極よりも突出している。
【0278】
上記ガラスエポキシ基板の上面に、作製直後の導電材料(異方性導電ペースト)を厚さ100μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層の上面に半導体チップを電極同士が対向するように積層した。異方性導電ペースト層には、上記半導体チップの重量は加わる。その状態から、異方性導電ペースト層の温度が、昇温開始から5秒後にはんだの融点となるように加熱した。さらに、昇温開始から15秒後に、異方性導電ペースト層の温度が160℃となるように加熱し、異方性導電ペースト層を硬化させ、接続構造体を得た。加熱時には、加圧を行わなかった。
【0279】
(2−2)条件Bでの接続構造体の具体的な作製方法:
以下の変更をしたこと以外は、条件Aと同様にして、接続構造体(エリアアレイ基板)を作製した。
【0280】
条件Aから条件Bへの変更点:
上記ガラスエポキシ基板の上面に、作製直後の導電材料(異方性導電ペースト)を厚さ100μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した後、25℃及び湿度50%の環境下に6時間放置した。放置後、異方性導電ペースト層の上面に半導体チップを電極同士が対向するように積層した。
【0281】
(評価)
(1)25℃における導電材料(異方性導電ペースト)の粘度(η25)
作製直後の導電材料(異方性導電ペースト)の25℃での粘度(η25)を、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定した。η25を以下の基準で判定した。
【0282】
[η25の判定基準]
△:η25が20Pa・s未満
〇:η25が20Pa・s以上、600Pa・s以下
×:η25が600Pa・sを超える
【0283】
(2)はんだ粒子の融点における導電材料(異方性導電ペースト)の粘度(ηmp)
作製直後の導電材料(異方性導電ペースト)を、STRESSTECH(REOLOGICA社製)を用いて、歪制御1rad、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、測定温度範囲40℃〜はんだ粒子の融点の条件で測定した。この測定において、はんだ粒子の融点での粘度を読み取り、はんだ粒子の融点における導電材料(異方性導電ペースト)の粘度(ηmp)とした。ηmpを以下の基準で判定した。
【0284】
[ηmpの判定基準]
△:ηmpが0.1Pa・s未満
〇:ηmpが0.1Pa・s以上、5Pa・s以下
×:ηmpが5Pa・sを超える
【0285】
(3)貯蔵安定性
作製直後の導電材料(異方性導電ペースト)の25℃での粘度(η1)を、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定した。また、25℃及び湿度50%で3日間静置した後の導電材料(異方性導電ペースト)の25℃での粘度(η2)をη1と同様にして測定した。貯蔵安定性を以下の基準で判定した。
【0286】
[貯蔵安定性の判定基準]
○:η2/η1が2未満
△:η2/η1が2以上、3未満
×:η2/η1が3以上
【0287】
(4)はんだの濡れ性
上記(3)の評価で用いた25℃及び湿度50%で3日間静置した後の導電材料(異方性導電ペースト)を準備した。これらの導電材料(異方性導電ペースト)を用いて、はんだの濡れ性を評価した。はんだの濡れ性は、下記のようにして評価した。はんだの濡れ性を以下の基準で判定した。
【0288】
はんだの濡れ性の評価方法:
金電極8mm上に2mmφのマスクで導電材料(異方性導電ペースト)を2mg塗布し、170℃で10分間ホットプレートで加熱した。その後、画像解析にて金電極に対するはんだの濡れ面積(金電極の表面におけるはんだが接触している面積)の割合を算出した。
【0289】
[はんだの濡れ性の判定基準]
○:金電極に対するはんだの濡れ面積の割合が70%以上
△:金電極に対するはんだの濡れ面積の割合が40%以上、70%未満
×:金電極に対するはんだの濡れ面積の割合が40%未満
【0290】
(5)電極上のはんだの配置精度
条件A及び条件Bにて得られた接続構造体において、第1の電極と接続部と第2の電極との積層方向に第1の電極と第2の電極との対向し合う部分をみたときに、第1の電極と第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の、接続部中のはんだ部が配置されている面積の割合Xを評価した。電極上のはんだの配置精度を以下の基準で判定した。
【0291】
[電極上のはんだの配置精度の判定基準]
○○:割合Xが70%以上
○:割合Xが60%以上、70%未満
△:割合Xが50%以上、60%未満
×:割合Xが50%未満
【0292】
(6)上下の電極間の導通信頼性
条件A及び条件Bにて得られた接続構造体(n=15個)において、上下の電極間の1接続箇所当たりの接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通信頼性を以下の基準で判定した。
【0293】
[導通信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が50mΩ以下
○:接続抵抗の平均値が50mΩを超え、70mΩ以下
△:接続抵抗の平均値が70mΩを超え、100mΩ以下
×:接続抵抗の平均値が100mΩを超える、又は接続不良が生じている
【0294】
(7)隣接する電極間の絶縁信頼性
条件A及び条件Bにて得られた接続構造体(n=15個)において、85℃及び湿度85%の雰囲気中に100時間放置後、隣接する電極間に、5Vを印加し、抵抗値を25箇所で測定した。絶縁信頼性を以下の基準で判定した。
【0295】
[絶縁信頼性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値が10Ω以上
○:接続抵抗の平均値が10Ω以上、10Ω未満
△:接続抵抗の平均値が10Ω以上、10Ω未満
×:接続抵抗の平均値が10Ω未満
【0296】
(8)導電材料中の遊離スズイオン濃度
上記(3)の評価で用いた25℃及び湿度50%で3日間静置した後の導電材料(異方性導電ペースト)を準備した。導電材料(異方性導電ペースト)をメチルイソブチルケトンに溶解させ、0.2μmPTFEフィルターを用いてろ別し、ろ過液を得た。得られたろ過液を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(堀場製作所社製「ICP−AES」)を用いて分析することで、導電材料中の遊離スズイオン濃度を測定した。遊離スズイオン濃度を以下の基準で判定した。
【0297】
[遊離スズイオン濃度の判定基準]
○:導電材料中の遊離スズイオン濃度が50ppm未満
△:導電材料中の遊離スズイオン濃度が50ppm以上、100ppm以下
×:導電材料中の遊離スズイオン濃度が100ppmを超える
【0298】
(9)耐衝撃性
上記(6)の評価に用いた接続構造体を準備した。これらの接続構造体を高さ70cmの位置から落下させて、上記(6)の評価と同様にして、導通信頼性を確認することにより耐衝撃性の評価を行った。上記(6)の評価で得られた接続抵抗の平均値からの抵抗値の上昇率により耐衝撃性を以下の基準で判定した。なお、(9)耐衝撃性については、実施例9−13、及び比較例3についてのみ評価した。
【0299】
[耐衝撃性の判定基準]
○○:接続抵抗の平均値からの抵抗値の上昇率が20%以下
○:接続抵抗の平均値からの抵抗値の上昇率が20%を超え、35%以下
△:接続抵抗の平均値からの抵抗値の上昇率が35%を超え、50%以下
×:接続抵抗の平均値からの抵抗値の上昇率が50%を超える
【0300】
(10)被覆率
得られたはんだ粒子について、はんだ粒子本体の表面積全体100%中、上記はんだ粒子本体の表面の被覆部により覆われている表面積(被覆率)を算出した。上記被覆率は、得られたはんだ粒子をSEM−EDX分析することで、Agマッピングを行い、画像解析することで算出した。
【0301】
結果を下記の表1−3に示す。
【0302】
【表1】
【0303】
【表2】
【0304】
【表3】
【0305】
フレキシブルプリント基板、樹脂フィルム、フレキシブルフラットケーブル及びリジッドフレキシブル基板を用いた場合でも、同様の傾向が見られた。
【符号の説明】
【0306】
1,1X…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…第1の電極
3…第2の接続対象部材
3a…第2の電極
4,4X…接続部
4A,4XA…はんだ部
4B,4XB…硬化物部
11…導電材料
11A…はんだ粒子
11B…熱硬化性成分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】