特表-18186186IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年10月11日
【発行日】2020年2月13日
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20200121BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20200121BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20200121BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
   G06F3/01 560
   G06F1/16 312E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】特願2019-511144(P2019-511144)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月22日
(31)【優先権主張番号】特願2017-73547(P2017-73547)
(32)【優先日】2017年4月3日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】和宇慶 朝邦
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC01
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
表面に接触することにより情報入力を行うことのできる入力素子と、前記入力素子が入れられる開口部を有する筐体と、前記入力素子を支持し、前記入力素子と前記筐体とを接続する弾性を有する接続部材と、前記入力素子または前記接続部材に取り付けられた振動発生モジュールと、を有し、前記振動発生モジュールは、直交する2つの方向に振動を発生させることができるものであり、前記接続部材は、前記振動発生モジュールの振動を発生させる直交する2つの方向に変形可能であることを特徴とする電子装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に接触することにより情報入力を行うことのできる入力素子と、
前記入力素子が入れられる開口部を有する筐体と、
前記入力素子を支持し、前記入力素子と前記筐体とを接続する弾性を有する接続部材と、
前記入力素子または前記接続部材に取り付けられた振動発生モジュールと、
を有し、
前記振動発生モジュールは、直交する2つの方向に振動を発生させることができるものであり、
前記接続部材は、前記振動発生モジュールの振動を発生させる直交する2つの方向に変形可能であることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記直交する2つの方向は、前記入力素子の面に垂直な方向と、前記入力素子の面に平行な方向であることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記振動発生モジュールは、前記入力素子の面に平行な方向の振動の周波数よりも、前記入力素子の面に垂直な方向の振動の周波数の方が高いことを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記接続部材は複数設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記接続部材は、金属板により形成されており、
前記筐体に接続される外枠板部と、
前記入力素子に接続される内側板部と、
前記外枠板部と前記内側板部とを接続する接続バネ部と、
を有し、
前記接続バネ部には、前記金属板を折り曲げることにより形成された折り曲げ部が設けられており、
前記折り曲げ部における曲げ線の延びる方向は、前記振動発生モジュールの振動する2つの方向に相互に直交する方向であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子装置。
【請求項6】
前記接続バネ部は、複数設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記振動発生モジュールは複数設けられており、
複数の前記振動発生モジュールは、前記接続部材の内側板部に取り付けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の電子装置。
【請求項8】
複数の前記振動発生モジュールは、前記入力素子に取り付けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電子装置。
【請求項9】
前記振動発生モジュールにおいて発生する振動の周波数は、20Hz以上、700Hz以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の電子装置。
【請求項10】
前記入力素子は、タッチパネルを含むものであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面に指等が触れることにより、情報入力が可能な電子装置としてタッチパネルがある。このようなタッチパネルの中には、タッチパネルの表面に接触している指等に情報を伝えるため、振動発生モジュールが内蔵されており、振動発生モジュールを振動させることにより、タッチパネルの表面を振動させ、タッチパネルの表面に接触している指に触感により情報を伝えることができるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−60261号公報
【特許文献2】特開2013−161384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなタッチパネルの指等が触れる電子装置においては、複数の情報を伝えることができるよう、タッチパネルに接触している指等を介し、異なる触感が得られる振動方向の異なる振動を発生させることのできるものが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施の形態の一観点によれば、表面に接触することにより情報入力を行うことのできる入力素子と、前記入力素子が入れられる開口部を有する筐体と、前記入力素子を支持し、前記入力素子と前記筐体とを接続する弾性を有する接続部材と、前記入力素子または前記接続部材に取り付けられた振動発生モジュールと、を有し、前記振動発生モジュールは、直交する2つの方向に振動を発生させることができるものであり、前記接続部材は、前記振動発生モジュールの振動を発生させる直交する2つの方向に変形可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
開示の電子装置によれば、振動方向の異なる振動を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態における振動発生装置の斜視図
図2】本実施の形態における振動発生装置の分解斜視図
図3】本実施の形態における振動体の斜視図
図4】本実施の形態における弾性支持部材の斜視図
図5】本実施の形態における弾性支持部材の正面図
図6】本実施の形態における弾性支持部材に振動体が入れられた状態の斜視図
図7】本実施の形態における弾性支持部材に振動体が入れられた状態の正面図
図8】本実施の形態における振動発生装置の内部の様子を示す斜視図
図9】本実施の形態における永久磁石の説明図
図10A】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(1)
図10B】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(2)
図11A】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(3)
図11B】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(4)
図12】第1の実施の形態における電子装置の斜視図
図13】第1の実施の形態における電子装置の分解斜視図
図14】第1の実施の形態における第1のバネ部材及び第2のバネ部材の斜視図
図15】第1の実施の形態における第1のバネ部材及び第2のバネ部材の側面図
図16】第1の実施の形態における電子装置の説明図(1)
図17】第1の実施の形態における電子装置の説明図(2)
図18】第1の実施の形態における電子装置の説明図(3)
図19】第1の実施の形態における電子装置の説明図(4)
図20】第1の実施の形態における電子装置の説明図(5)
図21】第2の実施の形態における電子装置の説明図(1)
図22】第2の実施の形態における電子装置の説明図(2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。また、本願においては、X1−X2方向、Y1−Y2方向、Z1−Z2方向を相互に直交する方向とする。また、X1−X2方向及びY1−Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1−Y2方向及びZ1−Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1−Z2方向及びX1−X2方向を含む面をZX面と記載する。
【0009】
〔第1の実施の形態〕
(振動発生モジュール)
最初に、第1の実施の形態における電子装置に搭載される振動発生モジュールとなる振動発生装置について説明する。
【0010】
本実施の形態における振動発生装置100は、図1及び図2に示されるように、筐体本体部10、蓋部20、振動体30、弾性支持部材40、永久磁石51、52、ヨーク61、62等を有している。本実施の形態における振動発生装置の筐体は、筐体本体部10と蓋部20とにより形成されている。
【0011】
筐体本体部10は、金属板を加工することにより形成されており、略直方体の箱形の形状のものであり、底面と、底面の周囲の4つの側面により形成されており、開口している部分より、振動発生装置を形成するための部材が入れられる。筐体本体部10は、Y1−Y2方向が長手方向、X1−X2が短手方向となる略長方形の形状で形成されており、4つの側面は、底面の長手方向、即ち、Y1−Y2方向に沿った対向する2つの長手方向の側面と、短手方向、即ち、X1−X2方向に沿った対向する2つの短手方向の側面により形成されている。
【0012】
蓋部20は、金属板を加工することにより形成された略長方形の板状の部材であり、蓋部20により、筐体本体部10の開口している部分を覆うことができるように形成されている。
【0013】
図3に示されるように、振動体30は、電磁石であり、磁心31と、磁心31の周囲に電線を巻くことにより形成されたコイル32、フランジ33及び34等により形成されている。磁心31は、鉄等の強磁性体により形成されており、角柱形状のものである。コイル32は、磁心31の長手方向、即ち、Y1−Y2方向に対し、略直角に電線を巻くことにより形成されている。フランジ33及び34は、磁心31の長手方向の両端近傍に各々取り付けられている。フランジ33の上面側、即ち、Z1方向の側には、3つの突起部33a、33b、33cが設けられており、このうち、突起部33aと突起部33cは、端子として用いられるものであり、図面には図示されてはいないが、コイル32を形成している電線の両端の部分が各々絡げられている。
【0014】
このように電線が絡げられた突起部33a及び33cには、図示はしないが、FPC70の一方の側の電極端子が接続されている。また、FPC70の他方の側には不図示の外部回路が接続されており、FPC70を介して不図示の外部回路より、コイル32に電流が供給される。
【0015】
図4及び図5に示されるように、弾性支持部材40は、ばね性を有した金属板を所定の形状に加工することにより形成されており、振動体30が入れられる保持部41と、保持部41の両側に設けられたバネ部42により形成されている。図4は、弾性支持部材40の斜視図であり、図5は、正面図である。
【0016】
バネ部42は、板バネであり、X1−X2方向に長く形成された金属板を、Y1−Y2方向に沿って複数回折り曲げることにより形成されている。2つのバネ部42のうち、一方のバネ部42は、保持部41より、X1方向の側に形成されており、他方のバネ部42は、保持部41より、X2方向の側に形成されている。
【0017】
具体的には、バネ部42は、図5に示すように、3つの折り曲げ部43a、43b、43cと、2つの平坦部44a、44bと、接続部45とを有している。各々の折り曲げ部43a、43b、43cは、Y1−Y2方向に沿って折り曲げられた部分であり、平坦部44aは、折り曲げ部43aと折り曲げ部43bとの間に形成されており、平坦部44bは、折り曲げ部43bと折り曲げ部43cとの間に形成されている。平坦部44a及び44bは、X1方向の側またはX2方向の側から見た形状が略長方形となるように形成されている。
【0018】
図4及び図5に示される弾性支持部材40のような折り曲げ構造の板ばねは、折り目と直交する方向、即ち、X1−X2方向及びZ1−Z2方向には、変形しやすいが、折り目に沿った方向、即ち、Y1−Y2方向には、変形しにくいという特徴を有している。従って、弾性支持部材40は、伸縮によってX1−X2方向に弾性変形し、撓みによってZ1−Z2方向に弾性変形するが、Y1−Y2方向における変形は抑制される。
【0019】
また、弾性支持部材40のような折り曲げ構造の板ばねでは、一般的に、撓みによるZ1−Z2方向と、伸縮によるX1−X2方向とでは弾性変形しやすさが異なる。このため、弾性支持部材40のX1−X2方向における弾性係数を第1の弾性係数とし、弾性支持部材40のZ1−Z2方向における弾性係数を第2の弾性係数とすると、第1の弾性係数と第2の弾性係数とは異なる値となる。
【0020】
また、弾性支持部材40における一方のバネ部42のX1方向の側の端には、接続部45が形成されており、他方のバネ部42のX2方向の側の端には、接続部45が形成されている。従って、折り曲げ部43cは平坦部44bと接続部45との間となる。弾性支持部材40の接続部45の長手方向の両端、即ち、Y1方向の端とY2方向の端には、各々接続爪部45aが設けられており、この接続爪部45aを筐体本体部10の短手方向の側面の内側に接続することにより、筐体本体部10の内部に弾性支持部材40を取り付けることができる。従って、弾性支持部材40は、筐体本体部10に対し、X1−X2方向、及び、Z1−Z2方向に弾性変形可能な状態で、筐体本体部10に接続されている。
【0021】
図6及び図7に示すように、振動体30は、弾性支持部材40における保持部41に入れられ保持されている。このように振動体30が弾性支持部材40の保持部41に入れられたものは、第1の弾性係数及び振動体30の質量より定まる第1の固有振動数によりX1−X2方向に振動し、第2の弾性係数及び振動体30の質量より定まる第2の固有振動数によりZ1−Z2方向に振動する。第1の弾性係数と第2の弾性係数とは異なる値であるため、第1の固有振動数と第2の固有振動数も異なる値となる。
【0022】
電磁石により形成されている振動体30は、コイル32に電流を流すことによって、磁界が発生し、Y1−Y2方向に沿った磁束が発生するため、磁心31の長手方向の両側では異なる極性に磁化される。即ち、磁心31のY1方向の側とY2方向の側とでは、磁化される極性が異なっている。このため、コイル32に交流の電流を流すと、発生する磁界は、電流の向きの変化に対応して磁界の向きが変化する交番磁界となる。従って、磁心31のY1方向の側がS極となりY2方向がN極となる状態と、磁心31のY1方向の側がN極となりY2方向がS極となる状態が交互に繰り返される。振動体30に交番磁界を発生させるタイミングや交番磁界の周波数は、コイル32に接続されている不図示の外部回路により制御されている。
【0023】
また、永久磁石51、52は、略四角の板状に形成されている。図8に示されるように、永久磁石51、52は、筐体本体部10内において、振動体30の長手方向、即ち、Y1−Y2方向の延長線上に、各々設置されている。具体的には、筐体本体部10内において、振動体30の磁心31のY1−Y2方向の延長線上に各々設置されており、振動体30の磁心31のY1方向の延長線上に永久磁石51が設置されており、Y2方向の延長線上に永久磁石52が設置されている。永久磁石51及び52は、最も広い略四角形の面が磁化面となっており、永久磁石51の磁化面と振動体30の磁心31のY1方向の端面とが対向しており、永久磁石52の磁化面と振動体30の磁心31のY2方向の端面とが対向している。尚、図8は、本実施の形態における振動発生装置において、蓋部20及びFPC70を取り除いた状態の斜視図であり、振動発生装置の内部の様子を示している。
【0024】
図9に示されるように、永久磁石51及び52は、左上の角から右下の角に向かう破線により示される対角線により2つの領域に分けられており、互いの領域が異なる極性となるように着磁されている。
【0025】
本願においては、永久磁石51の左下側の領域、即ち、X1方向及びZ2方向側の領域を第1の磁化領域51aとし、永久磁石51の右上側の領域、即ち、X2方向及びZ1方向側の領域を第2の磁化領域51bとして説明する。永久磁石51では、第1の磁化領域51aがS極となり、第2の磁化領域51bがN極となるように着磁されている。永久磁石52についても、同様であるが極性が異なっている。即ち、図示はしないが、永久磁石52は、第1の磁化領域と第2の磁化領域が設けられており、第1の磁化領域がN極となり、第2の磁化領域がS極となるように着磁されている。
【0026】
筐体本体部10内において、永久磁石51よりも外のY1方向の側には、永久磁石51より生じている磁束を振動体30の側に向かわせるため、鉄等の強磁性体により形成されたヨーク61が設けられており、永久磁石52よりも外のY2方向の側には、永久磁石52より生じている磁束を振動体30の側に向かわせるため、鉄等の強磁性体により形成されたヨーク62が設けられている。
【0027】
次に、本実施の形態における振動発生装置の動作について、図10及び図11に基づき説明する。本実施の形態における振動発生装置では、電磁石により形成されている振動体30のコイル32に交流電流を流すことによって交番磁界を発生させ、磁心31の長手方向、即ち、Y1−Y2方向の両端が異なる極性となるように磁化させる。永久磁石51と永久磁石52は振動体30を挟んで対向して配置されており、永久磁石51の第1の磁化領域51aと永久磁石52の第1の磁化領域とは対向しており、永久磁石51の第2の磁化領域51bと永久磁石52の第2の磁化領域とは対向している。従って、対向している永久磁石51の第1の磁化領域51aと永久磁石52の第1の磁化領域とは異なる極性に着磁されており、対向している永久磁石51の第2の磁化領域51bと永久磁石52の第2の磁化領域とは異なる極性に着磁されている。
【0028】
本実施の形態においては、図10Aに示されるように、振動体30の磁心31のY1方向側の端がN極に磁化された場合には、磁心31のY1方向側の端は、永久磁石51の第1の磁化領域51aに引き付けられる引力と、第2の磁化領域51bと反発し合う斥力が生じる。この際、図示はしないが、振動体30の磁心31のY2方向側の端はS極に磁化されるため、磁心31のY2方向側の端は、永久磁石52の第1の磁化領域に引き付けられる引力と、第2の磁化領域と反発し合う斥力が生じる。これにより、振動体30は、破線矢印で示されるようにX1方向やZ2方向に向かって動く。
【0029】
また、図10Bに示されるように、振動体30の磁心31のY1方向側の端がS極に磁化された場合には、磁心31のY1方向側の端は、永久磁石51の第1の磁化領域51aと反発し合う斥力と、第2の磁化領域51bに引き付けられる引力が生じる。この際、図示はしないが、振動体30の磁心31のY2方向側の端はN極に磁化されるため、磁心31のY2方向側の端は、永久磁石51の第1の磁化領域と反発し合う斥力と、第2の磁化領域に引き付けられる引力が生じる。これにより、振動体30は、破線矢印で示されるようにX2方向やZ1方向に向かって動く。
【0030】
従って、本実施の形態における振動発生装置においては、電磁石により形成された振動体30のコイル32に交流電流を流すことにより、交番磁界が発生し、これに伴い、永久磁石との間で引力及び斥力が生じ、振動体30は、X1方向またはZ2方向に向かう動きと、X2方向またはZ1方向とに向かう動きとが繰り返され、振動が発生する。
【0031】
ところで、振動体30は、前述したように弾性支持部材40によって支持されており、第1の弾性係数及び振動体30の質量に対応して定まる第1の固有振動数によりX1−X2方向に沿って振動し、第2の弾性係数及び振動体30の質量に対応して定まる第2の固有振動数によりZ1−Z2方向に沿って振動する。
【0032】
電磁石により形成された振動体30に第1の固有振動数と同じ周波数の交番磁界を発生させた場合には、図11Aに示すように、振動体30は、X1−X2方向において振動しやすくなる。従って、振動体30は、X1−X2方向に沿って振動する。また、電磁石により形成された振動体30に第2の固有振動数と同じ周波数の交番磁界を発生させた場合には、図11Bに示すように、振動体30は、Z1−Z2方向において振動しやすくなる。従って、振動体30は、Z1−Z2方向に沿って振動する。また、第1の固有振動数及び第2の固有振動数と同じ周波数で特に大きな振幅で振動させる事ができるほか、第1の固有振動数及び第2の固有振動数に近い周波数でも振動可能であるため、固有振動数を1つしか持たない構造のものと比べて幅広い周波数での振動を発生させることができる。
【0033】
このように、本実施の形態における振動発生装置は、振動体30のコイル32に流れる交流電流の周波数を変えることにより、X1−X2方向における振動とZ1−Z2方向における振動と振動の方向を変えることができる。尚、コイル32に流す電流は、交流電流のかわりに所定の周波数のパルス波としてもよい。この場合であっても、通電時にいずれかの方向へ向かう引力及び斥力が生じ、非通電時には弾性支持部材40の弾性力により復帰しようとすることを所定の周波数で繰り返すことにより、X1−X2方向及びZ1−Z2方向における振動を発生させることができる。
【0034】
(電子装置)
次に、第1の実施の形態における電子装置について説明する。本実施の形態における電子装置は、指等が電子装置の一部に接触している状態で、指等に振動を伝えるものである。本実施の形態における電子装置としてタッチパネルについて説明する。
【0035】
本実施の形態における電子装置は、図12及び図13に示されるように、パネルモジュール110、筐体120、第1のバネ部材130、第2のバネ部材140、支持基台150、振動発生装置100等を有している。本願においては、パネルモジュール110を入力素子と記載する場合があり、第1のバネ部材130、第2のバネ部材140を弾性を有する接続部材等と記載する場合がある。尚、図12は、本実施の形態における電子装置の斜視図であり、図13は、分解斜視図である。
【0036】
パネルモジュール110は、LCD(liquid crystal display)等の表示部と、指等の接触により情報を入力するタッチパネルとにより形成されている。表示部では、バックライトによりLCDパネルの背面より光を照射するものであり、画像等を視認することができる。タッチパネルは、光を透過する材料により形成されており、表示部の表示面側に設置されている。タッチパネルでは、タッチパネルの表面に指等を接触させることにより、指等が接触している座標位置を検出して情報を入力することができる。
【0037】
筐体120には、パネルモジュール110が入れられる開口部121が設けられている。支持基台150は、基台部151と筐体120を裏側から支持する支持部152とが設けられている。
【0038】
次に、図14及び図15に基づき、第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140について説明する。尚、図14は、第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140の斜視図であり、図15は、Y1方向の側から見た側面図である。第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140は、ステンレス等により形成された弾性を有する金属板を打ち抜き折り曲げることにより形成されている。
【0039】
第1のバネ部材130は、外枠板部131、内側板部132、外枠板部131と内側板部132とを接続する接続バネ部133とを有している。外枠板部131及び内側板部132は、XY面に平行な面であり、接続バネ部133は、外枠板部131と内側板部132との間に、Y1−Y2方向に沿って3つ設けられている。
【0040】
接続バネ部133は、外枠板部131の側より内側板部132に向かって、第1の折り曲げ部133a、第1の平板部133b、第2の折り曲げ部133c、第2の平板部133d、第3の折り曲げ部133e、第3の平板部133f、第4の折り曲げ部133gの順に形成されている。
【0041】
第1の平板部133bは、第1の折り曲げ部133aにおいて、外枠板部131に対しZ2方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。第2の平板部133dは、第2の折り曲げ部133cにおいて、第1の平板部133bに対しX2方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。第3の平板部133fは、第3の折り曲げ部133eにおいて、第2の平板部133dに対しZ1方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。内側板部132は、第4の折り曲げ部133gにおいて、第3の平板部133fに対しX2方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。
【0042】
尚、本実施の形態においては、第1の折り曲げ部133a、第2の折り曲げ部133c、第3の折り曲げ部133e、第4の折り曲げ部133gは、Y1−Y2方向に沿っている。即ち、第1の折り曲げ部133a、第2の折り曲げ部133c、第3の折り曲げ部133e、第4の折り曲げ部133gにおける曲げ線の延びる方向は、Y1−Y2方向に平行である。また、第1の平板部133b及び第3の平板部133fはYZ面に平行な面となり、第2の平板部133dは、XY面に平行な面となっている。
【0043】
また、第2のバネ部材140は、外枠板部141、内側板部142、外枠板部141と内側板部142とを接続する接続バネ部143とを有している。外枠板部141及び内側板部142は、XY面に平行な面であり、接続バネ部143は、外枠板部141と内側板部142との間に、Y1−Y2方向に沿って3つ設けられている。
【0044】
接続バネ部143は、外枠板部141の側より内側板部142に向かって、第1の折り曲げ部143a、第1の平板部143b、第2の折り曲げ部143c、第2の平板部143d、第3の折り曲げ部143e、第3の平板部143f、第4の折り曲げ部143gの順に形成されている。
【0045】
第1の平板部143bは、第1の折り曲げ部143aにおいて、外枠板部141に対しZ2方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。第2の平板部143dは、第2の折り曲げ部143cにおいて、第1の平板部143bに対しX1方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。第3の平板部143fは、第3の折り曲げ部143eにおいて、第2の平板部143dに対しZ1方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。内側板部142は、第4の折り曲げ部143gにおいて、第3の平板部143fに対しX1方向に略垂直に折り曲げることにより形成されている。
【0046】
尚、本実施の形態においては、第1の折り曲げ部143a、第2の折り曲げ部143c、第3の折り曲げ部143e、第4の折り曲げ部143gは、Y1−Y2方向に沿っている。即ち、第1の折り曲げ部143a、第2の折り曲げ部143c、第3の折り曲げ部143e、第4の折り曲げ部143gにおける曲げ線の延びる方向は、Y1−Y2方向に平行である。また、第1の平板部143b及び第3の平板部143fはYZ面に平行な面となり、第2の平板部143dは、XY面に平行な面となっている。
【0047】
本実施の形態においては、図16に示されるように、パネルモジュール110の裏面には、第1のバネ部材130の内側板部132及び第2のバネ部材140の内側板部142が接続されており、筐体120の裏側の周囲に、第1のバネ部材130の外枠板部131及び第2のバネ部材140の外枠板部141が接続されている。パネルモジュール110の裏面と、第1のバネ部材130の内側板部132及び第2のバネ部材140の内側板部142とは、両面テープ等の粘着テープや接着剤により張り付けられることにより接続されている。筐体120の裏側と、第1のバネ部材130の外枠板部131及び第2のバネ部材140の外枠板部141とは、両面テープ等の粘着テープや接着剤により張り付けられたり、ねじ留めにより接続されている。
【0048】
尚、本実施の形態においては、第1のバネ部材130の内側板部132及び第2のバネ部材140の内側板部142の各々には、振動発生モジュールである振動発生装置100が取り付けられている。各々の振動発生装置100は、振動発生装置100の長手方向がY1−Y2方向となるように、第1のバネ部材130の内側板部132及び第2のバネ部材140の内側板部142の各々に取り付けられている。従って、振動発生装置100は、X1−X2方向と、Z1−Z2方向に振動可能な状態で第1のバネ部材130の内側板部132及び第2のバネ部材140の内側板部142の各々に取り付けられている。2つの振動発生装置100は、パネルモジュール110の裏面側において、Y1−Y2方向の中心線に対して線対称となる位置に設置されていてもよい。
【0049】
次に、本実施の形態における電子装置において発生する振動について、図17図20に基づき説明する。尚、図17は、パネルモジュール110、筐体120、第1のバネ部材130、第2のバネ部材140、振動発生装置100が取り付けられているものをZX面に平行な面で切断した断面図であり、図18は、断面斜視図である。図19は、パネルモジュール110、第1のバネ部材130、第2のバネ部材140、振動発生装置100が取り付けられているものをY1方向の側から見た側面図であり、図20は、X2方向の側から見た側面図である。
【0050】
本実施の形態においては、2つの振動発生装置100は、X1−X2方向と、Z1−Z2方向の直交する2方向に振動を発生させることができる。この2つの振動方向における振動の周波数は、20Hz以上、700Hz以下であり、2つの振動方向における振動の周波数は異なっている。
【0051】
本実施の形態においては、筐体120の裏側の周囲に、第1のバネ部材130の外枠板部131及び第2のバネ部材140の外枠板部141が接続され固定されている。よって、第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140は、第1のバネ部材130の内側板部132及び第2のバネ部材140の内側板部142に接続されているパネルモジュール110を振動可能な状態で支持している。
【0052】
本実施の形態における電子装置において、振動発生装置100にX1−X2方向の振動を発生させた場合、X1−X2方向には、第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140は変位しやすいため、パネルモジュール110をこの方向に振動させることができる。即ち、第1のバネ部材130の接続バネ部133及び第2のバネ部材140の接続バネ部143は、X1−X2方向に撓みやすいため、振動発生装置100にX1−X2方向の振動を発生させた場合に、パネルモジュール110をX1−X2方向に効率よく振動させることができる。
【0053】
また、振動発生装置100にZ1−Z2方向の振動を発生させた場合、Z1−Z2方向には、第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140は変位しやすいため、パネルモジュール110をこの方向に振動させることができる。即ち、第1のバネ部材130の接続バネ部133及び第2のバネ部材140の接続バネ部143は、Z1−Z2方向に撓みやすいため、振動発生装置100にZ1−Z2方向の振動を発生させた場合に、パネルモジュール110をZ1−Z2方向に効率よく振動させることができる。
【0054】
尚、第1のバネ部材130の接続バネ部133における第1の折り曲げ部133a、第2の折り曲げ部133c、第3の折り曲げ部133e、第4の折り曲げ部133gは、曲げ線がY1−Y2方向となるように形成されている。また、第2のバネ部材140の接続バネ部143における第1の折り曲げ部143a、第2の折り曲げ部143c、第3の折り曲げ部143e、第4の折り曲げ部143gは、曲げ線がY1−Y2方向となるように形成されている。このような曲げ線に沿った方向には変形しにくく、撓みにくいため、Y1−Y2方向における振動は発生しにくい。
【0055】
本実施の形態においては、X1−X2方向における振動と、Z1−Z2方向における振動とは異なる周波数の振動であるため、パネルモジュール110に接触している指等には、振動は異なる触感で伝えることができる。更に、X1−X2方向における振動と、Z1−Z2方向における振動は、振動方向が異なるため、2つの振動の触感の違いはより顕著である。即ち、X1−X2方向における振動は、パネルモジュール110の面方向に平行な振動であり、Z1−Z2方向における振動は、パネルモジュール110の面方向に垂直な振動であるため、2つの振動の触感による違いはより顕著となる。
【0056】
Z1−Z2方向における振動は、パネルモジュール110の面方向に垂直な振動であるため、振動させると周囲の空気の粗密波が生じて音として認識される場合がある。振動の周波数が高いと振動の変位は小さく、低いと振動の変位は小さくなることから、音の発生を抑制する観点からは、X1−X2方向における振動の周波数は、Z1−Z2方向における振動の周波数よりも低い方が好ましい。
【0057】
本実施の形態においては、図20に示されるように、パネルモジュール110に接続されている接続配線160は、第2のバネ部材140の接続バネ部143の間を通るように設置されている。また、図示はしないが、接続配線160は、第1のバネ部材130の接続バネ部133の間を通るように設置されていてもよい。尚、接続配線160はフレキシブル基板等により形成されている。
【0058】
また、本実施の形態における説明では、2つのバネ部材、即ち、第1のバネ部材130と第2のバネ部材140とにより形成されている場合について説明したが、第1のバネ部材130と第2のバネ部材140とが一体化され、一つのバネ部材となっているものであってもよい。具体的には、第1のバネ部材130の外枠板部131と第2のバネ部材140の外枠板部141とが接続されているものであってもよく、第1のバネ部材130の内側板部132と第2のバネ部材140の内側板部142とが接続されているものであってもよく、更には、外枠板部131と外枠板部141、内側板部132と内側板部142の双方が接続されているものであってもよい。
【0059】
また、本実施の形態における電子装置は、振動発生装置により振動させる方向が、パネルモジュール110の面方向となる直交する2方向、即ち、X1−X2方向と、Y1−Y2方向となるものであってもよい。
【0060】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図21及び図22に示されるように、パネルモジュール110の裏面の中心部分に、振動発生装置100を1つ取り付けた構造のものである。尚、図21は、本実施の形態における電子装置のパネルモジュール110、第1のバネ部材130及び第2のバネ部材140、振動発生装置100を裏面側から見た斜視図であり、図22は、この側面図である。このように、パネルモジュール110の裏面に直接取り付けることにより、パネルモジュール110を直接振動させることができるため、効率よく振動を発生させることができる。
【0061】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0062】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0063】
尚、本国際出願は、2017年4月3日に出願した日本国特許出願第2017−073547号に基づく優先権を主張するものであり、その出願の全内容は本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0064】
10 筐体本体部
20 蓋部
30 振動体
31 磁心
32 コイル
33 フランジ
33a、33b、33c 突起部
34 フランジ
40 弾性支持部材
51 永久磁石
52 永久磁石
61 ヨーク
62 ヨーク
70 FPC
100 振動発生装置
110 パネルモジュール
120 筐体
121 開口部
130 第1のバネ部材
131 外枠板部
132 内側板部
133 接続バネ部
133a 第1の折り曲げ部
133b 第1の平板部
133c 第2の折り曲げ部
133d 第2の平板部
133e 第3の折り曲げ部
133f 第3の平板部
133g 第4の折り曲げ部
140 第2のバネ部材
141 外枠板部
142 内側板部
143 接続バネ部
143a 第1の折り曲げ部
143b 第1の平板部
143c 第2の折り曲げ部
143d 第2の平板部
143e 第3の折り曲げ部
143f 第3の平板部
143g 第4の折り曲げ部
150 支持基台
151 基台部
152 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】