特表-18198417IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社村田製作所の特許一覧
<>
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000003
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000004
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000005
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000006
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000007
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000008
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000009
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000010
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000011
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000012
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000013
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000014
  • 再表WO2018198417-振動装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年11月1日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】振動装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/08 20060101AFI20191115BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20191115BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20191115BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20191115BHJP
   B06B 1/06 20060101ALI20191115BHJP
   G03B 15/00 20060101ALN20191115BHJP
【FI】
   G03B17/08
   G03B17/02
   G03B17/56 Z
   H04N5/225 430
   B06B1/06 Z
   G03B15/00 S
   G03B15/00 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2019-515086(P2019-515086)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】特願2017-89410(P2017-89410)
(32)【優先日】2017年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 克己
(72)【発明者】
【氏名】堀口 睦弘
(72)【発明者】
【氏名】西山 健次
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 康浩
(72)【発明者】
【氏名】市口 真一郎
【テーマコード(参考)】
2H100
2H101
2H105
5C122
5D107
【Fターム(参考)】
2H100AA61
2H100CC01
2H100EE06
2H101CC01
2H105DD07
2H105EE06
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA02
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA82
5C122HA84
5D107AA13
5D107BB05
5D107BB11
5D107CC02
5D107CC12
(57)【要約】
撮像素子の被写体側に配置された透光体表面に付着した、イメージングデバイスの視野内における水滴などを確実に除去することができる、振動装置を提供する。
振動装置1は、撮像素子9の被写体側に配置される透光体2と、第1の端部3aと、第1の端部3aとは反対側の第2の端部3bと、第1の端部3a及び第2の端部3bを接続している外側面3d及び内側面3eとを有し、第1の端部3a側において、透光体2を保持するように、透光体2に連結されている筒状体3と、筒状体3をねじり振動させるように、筒状体3の周方向に沿って配置されている圧電素子4とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子の被写体側に配置される透光体と、
第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部と、前記第1の端部及び前記第2の端部を接続している外側面及び内側面と、を有し、前記第1の端部側において、前記透光体を保持するように、前記透光体に連結されている筒状体と、
前記筒状体をねじり振動させるように、前記筒状体の周方向に沿って配置されている圧電素子と、
を備える、振動装置。
【請求項2】
前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶ方向における、前記圧電素子が配置された部分と前記第1の端部との間に位置する部分において、前記外側面及び前記内側面のうち少なくとも一方が段差部を有し、
前記外側面と前記内側面との距離を前記筒状体の肉厚としたときに、前記圧電素子側から前記第1の端部側に向かい、前記段差部を経て前記肉厚が薄くなっている、請求項1に記載の振動装置。
【請求項3】
前記筒状体の前記外側面が前記段差部を有し、
前記外側面において、前記段差部に連なっており、かつ前記第1の端部側に延びる部分が、前記段差部に連なっており、かつ前記圧電素子側に延びる部分より内側に位置している、請求項2に記載の振動装置。
【請求項4】
前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶ方向における、前記圧電素子が配置された部分と前記第1の端部との間に位置する部分において、前記外側面及び前記内側面のうち少なくとも一方が、前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶ方向に傾斜して延びている傾斜部を有し、
前記外側面と前記内側面との距離を前記筒状体の肉厚としたときに、前記圧電素子側から前記第1の端部側に向かい、前記肉厚が薄くなるように前記傾斜部が設けられている、請求項1に記載の振動装置。
【請求項5】
前記筒状体の前記外側面が前記傾斜部を有し、
前記傾斜部が、前記圧電素子側から前記第1の端部側に向かい、かつ前記筒状体の内側に向かい延びている、請求項4に記載の振動装置。
【請求項6】
前記圧電素子が、前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動装置。
【請求項7】
前記圧電素子が、前記筒状体のねじり振動のノードの位置に配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の振動装置。
【請求項8】
前記圧電素子が複数設けられており、
前記複数の圧電素子が、前記筒状体の周方向に沿い環状に、かつ互いに離間して配置されており、
前記複数の圧電素子がそれぞれ圧電体を有し、前記複数の圧電体が前記筒状体の周方向に周回するように分極されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動装置。
【請求項9】
前記圧電素子がリング状圧電体を有し、
前記リング状圧電体が、前記筒状体の前記第1の端部側に位置する第1の主面と、前記筒状体の前記第2の端部側に位置する第2の主面と、を有し、
前記リング状圧電体が、前記筒状体の周方向に沿って複数の領域に分割されており、かつ前記複数の領域において、前記筒状体の周方向に周回するように分極されており、
前記第1の主面上及び前記第2の主面上に、前記複数の領域を覆うように、それぞれ励振電極が設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動装置。
【請求項10】
前記リング状圧電体が、6つ以上の前記領域に分割されている、請求項9に記載の振動装置。
【請求項11】
前記圧電素子とは別の圧電素子である圧電振動体をさらに備え、
前記圧電振動体が、前記筒状体を前記内側面と前記外側面とを結ぶ方向に振動させる振動モード及び前記筒状体を前記第1の端部及び前記第2の端部とを結ぶ方向に振動させる振動モードのうち一方の振動モードを有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の振動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的振動によって水滴などを除去することが可能な振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視装置として用いられるカメラ等のイメージングデバイスにおいては、その視野を常に明瞭にすることが求められている。特に、車載用途等の屋外で使用されるカメラにおいては、雨滴などの水滴を除去するための機構が種々提案されている。下記の特許文献1には、撮像ユニットと、撮像ユニットを振動させる振動部とを有する水滴除去機能付カメラが開示されている。撮像ユニットはレンズ及びレンズを透過した光を光電変換する撮像素子を有する。レンズに付着した水滴を除去するために、振動部は、レンズの光軸が揺動する方向や光軸に平行な方向に撮像ユニットを振動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−080177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような水滴除去機能付カメラでは、レンズに付着した、カメラの視野内における水滴を確実に除去することができないことがあった。
【0005】
本発明の目的は、撮像素子の被写体側に配置された透光体表面に付着した、イメージングデバイスの視野内における水滴などを確実に除去することができる、振動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る振動装置は、撮像素子の被写体側に配置される透光体と、第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部と、前記第1の端部及び前記第2の端部を接続している外側面及び内側面と、を有し、前記第1の端部側において、前記透光体を保持するように、前記透光体に連結されている筒状体と、前記筒状体をねじり振動させるように、前記筒状体の周方向に沿って配置されている圧電素子とを備える。
【0007】
本発明に係る振動装置のある特定の局面では、前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶ方向における、前記圧電素子が配置された部分と前記第1の端部との間に位置する部分において、前記外側面及び前記内側面のうち少なくとも一方が段差部を有し、前記外側面と前記内側面との距離を前記筒状体の肉厚としたときに、前記圧電素子側から前記第1の端部側に向かい、前記段差部を経て前記肉厚が薄くなっている。この場合には、筒状体のねじり振動による透光体の変位をより一層大きくすることができる。従って、イメージングデバイスの視野内における、透光体表面に付着した水滴などをより一層確実に除去することができる。
【0008】
本発明に係る振動装置の他の特定の局面では、前記筒状体の前記外側面が前記段差部を有し、前記外側面において、前記段差部に連なっており、かつ前記第1の端部側に延びる部分が、前記段差部に連なっており、かつ前記圧電素子側に延びる部分より内側に位置している。この場合には、振動装置を小型にすることができる。
【0009】
本発明に係る振動装置のさらに他の特定の局面では、前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶ方向における、前記圧電素子が配置された部分と前記第1の端部との間に位置する部分において、前記外側面及び前記内側面のうち少なくとも一方が、前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部とを結ぶ方向に傾斜して延びている傾斜部を有し、前記外側面と前記内側面との距離を前記筒状体の肉厚としたときに、前記圧電素子側から前記第1の端部側に向かい、前記肉厚が薄くなるように前記傾斜部が設けられている。この場合には、イメージングデバイスの視野内における、透光体表面に付着した水滴などをより一層確実に除去することができる。
【0010】
本発明に係る振動装置のさらに他の特定の局面では、前記筒状体の前記外側面が前記傾斜部を有し、前記傾斜部が、前記圧電素子側から前記第1の端部側に向かい、かつ前記筒状体の内側に向かい延びている。この場合には、振動装置を小型にすることができる。
【0011】
本発明に係る振動装置のさらに他の特定の局面では、前記圧電素子が、前記筒状体の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されている。
【0012】
本発明に係る振動装置の別の特定の局面では、前記圧電素子が、前記筒状体のねじり振動のノードの位置に配置されている。この場合には、圧電素子が変形し難く、破損し難い。
【0013】
本発明に係る振動装置のさらに別の特定の局面では、前記圧電素子が複数設けられており、前記複数の圧電素子が、前記筒状体の周方向に沿い環状に、かつ互いに離間して配置されており、前記複数の圧電素子がそれぞれ圧電体を有し、前記複数の圧電体が前記筒状体の周方向に周回するように分極されている。
【0014】
本発明に係る振動装置のさらに別の特定の局面では、前記圧電素子がリング状圧電体を有し、前記リング状圧電体が、前記筒状体の前記第1の端部側に位置する第1の主面と、前記筒状体の前記第2の端部側に位置する第2の主面とを有し、前記リング状圧電体が、前記筒状体の周方向に沿って複数の領域に分割されており、かつ前記複数の領域において、前記筒状体の周方向に周回するように分極されており、前記第1の主面上及び前記第2の主面上に、前記複数の領域を覆うように、それぞれ励振電極が設けられている。
【0015】
本発明に係る振動装置のさらに別の特定の局面では、前記リング状圧電体が、6つ以上の前記領域に分割されている。
【0016】
本発明に係る振動装置のさらに別の特定の局面では、前記圧電素子とは別の圧電素子である圧電振動体をさらに備え、前記圧電振動体が、前記筒状体を前記内側面と前記外側面とを結ぶ方向に振動させる振動モード及び前記筒状体を前記第1の端部及び前記第2の端部とを結ぶ方向に振動させる振動モードのうち一方の振動モードを有する。この場合には、イメージングデバイスの視野内における、透光体表面に付着した水滴などをより一層確実に除去することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮像素子の被写体側に配置された透光体表面に付着した、イメージングデバイスの視野内における水滴などを確実に除去することができる、振動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る振動装置の斜視図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る振動装置の正面断面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態の振動装置を有するイメージングデバイスの正面断面図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態における圧電素子の配置を示す振動装置の平面断面図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態の第4の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
図9図9は、本発明の第2の実施形態における圧電素子の平面図である。
図10図10(a)〜図10(c)は、本発明の第2の実施形態におけるリング状圧電体の製造方法を説明するための斜視図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態におけるリング状圧電体の製造方法を説明するための模式的正面断面図である。
図12図12は、本発明の第3の実施形態に係る振動装置の正面断面図である。
図13図13(a)〜図13(d)は、伝搬において生じる各振動モードを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0020】
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る振動装置の斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る振動装置の正面断面図である。図3は、第1の実施形態の振動装置を有するイメージングデバイスの正面断面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、振動装置1は透光体2を有する。図3に示すように、イメージングデバイス10では、透光体2は、撮像素子9の被写体側、すなわち前方に配置されている。撮像素子9としては、例えば、可視領域から遠赤外領域のいずれかの波長の光を受光する、CMOS、CCD、ボロメーターやサーモパイルなどを挙げることができる。イメージングデバイス10としては、例えば、カメラ、RadarやLIDARデバイスなどを挙げることができる。
【0023】
透光体2は透光性材料からなる。透光性材料としては、透光性のプラスチック、ガラスまたは透光性のセラミックスなどが用いられ得る。本実施形態では、透光体2は円盤状である。なお、透光体2の形状は上記に限定されず、例えば、ドーム状などであってもよい。
【0024】
透光体2に筒状体3が連結されている。筒状体3は、第1の端部3aと、第1の端部3aとは反対側の第2の端部3bと、第1の端部3a及び第2の端部3bを接続している外側面3d及び内側面3eとを有する。本実施形態では、内側面3eは、円柱の側面に面する形状であり、内側面3eと外側面3dとを結ぶ方向は筒状体3の径方向となる。第1の端部3aと第2の端部3bとを結ぶ方向は筒状体3の軸方向である。
【0025】
筒状体3の第1の端部3aと第2の端部3bとの間には、複数の圧電素子4が設けられている。より具体的には、筒状体3は、第1の端部3aを含む第1の筒状体部3X及び第2の端部3bを含む第2の筒状体部3Yを有し、第1の筒状体部3Xと第2の筒状体部3Yとの間に複数の圧電素子4が設けられている。筒状体3は、圧電素子4を介して第1の筒状体部3X及び第2の筒状体部3Yが一体とされた筒状体である。なお、筒状体3は1つの筒状体からなっていてもよい。この場合には、例えば、筒状体3に溝部が設けられており、該溝部に圧電素子4が配置されていてもよい。あるいは、筒状体3に設けられた段差部などに圧電素子4が配置されていてもよい。
【0026】
第1の端部3aが透光体2に連結されている。より具体的には、筒状体3は第1の端部3aを含む支持部3Aを有する。透光体2により筒状体3の第1の端部3a側の開口を閉成されるように、筒状体3の支持部3Aが透光体2の筒状体3側の面における周縁部に固定されている。なお、支持部3Aは、透光体2の筒状体3側の面における、周縁部よりも内側の部分に固定されていてもよい。
【0027】
筒状体3は、本実施形態ではステンレスからなる。もっとも、ステンレスにかえて、他の金属材料が用いられてもよい。好ましくは、ステンレスなどの剛性の高い弾性材料である金属が望ましい。あるいは、筒状体3は、樹脂と樹脂よりも剛性が高い材料を含んだコンポジット体やガラスなどからなっていてもよい。
【0028】
筒状体3の外側面3dには、筒状体3の径方向外側に延ばされたヒンジ部3cが設けられている。ヒンジ部3cは、振動装置1を外部から支持するために用いられる。上記複数の圧電素子4は、筒状体3の軸方向において、ヒンジ部3c付近に設けられている。なお、ヒンジ部3cと圧電素子4との位置関係は上記に限定されない。
【0029】
図4は、第1の実施形態における圧電素子の配置を示す振動装置の平面断面図である。
【0030】
複数の圧電素子4は、筒状体3の周方向に沿い環状に配置されている。複数の圧電素子4はそれぞれ離間して配置されている。複数の圧電素子4はそれぞれ圧電体5を有する。圧電体5の形状は、特に限定されないが、本実施形態では直方体である。図4中の矢印Pは圧電体5の分極方向を示す。各圧電体5は上記周方向に沿い分極されている。より具体的には、複数の圧電体5は上記周方向に周回するように分極されている。
【0031】
ここで、圧電体5は、筒状体3の第1の端部側及び第2の端部側に位置する、対向し合う第1の主面及び第2の主面を有する。第1の主面上及び第2の主面上には、励振電極がそれぞれ設けられている。これらの励振電極に交流電圧が印加される。本実施形態の圧電素子4は、電圧の印加により滑り変形するシェアモードの圧電素子である。筒状体3の周方向に沿い配置された複数の圧電素子4に交流電圧を印加すると、図1中の矢印Rにより示すように、筒状体3がねじり振動する。
【0032】
図3に戻り、本実施形態では、複数の圧電素子4は筒状体3のねじり振動のノードの位置に配置されている。
【0033】
筒状体3の外側面3dは、第1の段差部3f及び第2の段差部3gを有する。第1の段差部3f及び第2の段差部3gは、筒状体3の径方向に沿い延びており、かつ筒状体3の周方向に沿い延びている。第1の段差部3f及び第2の段差部3gは、筒状体3の軸方向において、圧電素子4が配置された部分と第1の端部3aとの間に位置する。第1の段差部3fは第2の段差部3gより圧電素子4側に位置する。
【0034】
ここで、外側面3dと内側面3eとの距離を筒状体3の肉厚とする。筒状体3の肉厚は、第1の段差部3f及び第2の段差部3gを経て変化している。より具体的には、圧電素子4側から第1の端部3a側に向かい、第1の段差部3fを経て肉厚が薄くなっている。同様に、第1の段差部3f側から第1の端部3a側に向かい、第2の段差部3gを経て肉厚が薄くなっている。このように、筒状体3は、圧電素子4と第1の端部3aとの間において、2段階において肉厚が薄くなっている。なお、筒状体3において段差部が設けられた箇所の数は特に限定されない。あるいは、筒状体3には段差部は設けられていなくともよい。
【0035】
本実施形態では、筒状体3において、支持部3Aにおける肉厚は、支持部3Aと第2の段差部3gとの間に位置する部分の肉厚より厚い。これにより、透光体2を好適に固定することができる。もっとも、支持部3Aの肉厚は、第2の段差部3gと支持部3Aとの間に位置する部分の肉厚と同じであってもよい。
【0036】
本実施形態では、外側面3dにおいて、第1の段差部3fに連なっており、かつ第1の端部3a側に延びる部分が、第1の段差部3fに連なっており、かつ圧電素子4側に延びる部分より内側に位置している。同様に、外側面3dにおいて、第2の段差部3gに連なっており、かつ第1の端部3a側に延びる部分が、第2の段差部3gに連なっており、かつ圧電素子4側に延びる部分より内側に位置している。よって、振動装置1を小型にすることができる。
【0037】
本実施形態の特徴は、振動装置1が、筒状体3をねじり振動させるように筒状体3の周方向に沿い配置された、複数の圧電素子4を有することにある。筒状体3がねじり振動することにより、筒状体3に接合された透光体2が回転する。このとき、透光体2表面に付着した水滴や異物に遠心力が加えられる。このように、上記水滴や異物に、イメージングデバイス10の視野外に向かう力が確実に加えられることとなる。それによって、イメージングデバイス10の視野内における上記水滴や異物を確実に除去することができる。
【0038】
加えて、本実施形態では、筒状体3が第1の段差部3f及び第2の段差部3gを有することにより、第1の端部3aに向かうほど筒状体3の肉厚が薄くなっている。それによって、第1の端部3aにおけるねじり振動の変位をより一層大きくすることができ、透光体2における周方向の変位をより一層大きくすることができる。よって、透光体2表面に付着した水滴や異物に加えられる遠心力をより一層大きくすることができ、イメージングデバイス10の視野内における上記水滴や異物をより一層確実に除去することができる。
【0039】
上述したように、筒状体3において段差部が設けられた箇所の数は特に限定されず、例えば、1箇所であってもよい。
【0040】
図5は、第1の実施形態の第1の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
【0041】
本変形例では、筒状体103の外側面103dに1箇所の段差部103fが設けられている。筒状体103における段差部103fより第1の端部103a側の部分の肉厚は、図3に示す第1の実施形態の筒状体3における第1の段差部3fと第2の段差部3gとの間の部分の肉厚と同じである。
【0042】
図6は、第1の実施形態の第2の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
【0043】
本変形例では、筒状体113の内側面113eに段差部113fが設けられている。本変形例においては、第1の実施形態及び第1の変形例よりも、圧電素子4は、第2の端部113b側に設けられている。
【0044】
ここで、第1の実施形態、第1の変形例及び第2の変形例の振動装置におけるねじり振動の変位の評価を行った。筒状体の軸方向に沿う寸法を高さとする。透光体の周方向における変位を、筒状体の第2の端部の周方向における変位により割った値を、増幅比とする。
【0045】
第1の実施形態の筒状体の条件は以下の通りである。
【0046】
全体の高さ:15.6mm
第2の端部から圧電素子までの高さ:7.0mm
圧電素子と第1の段差部との間の部分における外径:22.0mm
圧電素子と第1の段差部との間の部分における肉厚:3.0mm
第1の段差部と第2の段差部との間の部分における肉厚:2.0mm
第2の段差部と支持部との間の部分における肉厚:1.0mm
【0047】
第1の変形例の筒状体の条件は以下の通りである。
【0048】
全体の高さ:15.6mm
第2の端部から圧電素子までの高さ:7.0mm
圧電素子と段差部との間の部分における外径:22.0mm
圧電素子と段差部との間の部分における肉厚:3.0mm
段差部と第1の端部との間の部分における肉厚:1.0mm
【0049】
第2の変形例の筒状体の条件は以下の通りである。
【0050】
全体の高さ:17.6mm
第2の端部から圧電素子までの高さ:4.0mm
圧電素子と段差部との間の部分における外径:22.0mm
圧電素子と段差部との間の部分における肉厚:3.0mm
段差部と第1の端部との間の部分における肉厚:1.0mm
【0051】
第1の実施形態では、増幅比は1486nm/282nmであった。第1の変形例では、増幅比は960nm/288nmであった。第2の変形例では、増幅比は902nm/460nmであった。このように、第1の実施形態、第1の変形例及び第2の変形例において、筒状体のねじり振動による透光体の変位が拡大していることがわかる。第1の実施形態及び第1の変形例においては、第2の変形例よりも圧電素子が第1の端部側に配置されているため、増幅比を効果的に高めることができている。さらに第1の実施形態においては、第1の端部側に向かうほど筒状体の肉厚が薄くなっているため、増幅比をより一層高めることができている。
【0052】
なお、図3に示す第1の実施形態においては、第1の段差部3f及び第2の段差部3gを経て筒状体3の肉厚が薄くなっていることにより、筒状体3の肉厚が薄い部分の軸方向に沿う寸法が小さい。従って、第1の実施形態においては、強度の低下を招き難く、かつ増幅比をより一層高めることができる。
【0053】
図7は、第1の実施形態の第3の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
【0054】
本変形例では、筒状体123が一体で形成されており、複数の圧電素子4が第2の端部123bに配置されている。このように、筒状体123の軸方向における、複数の圧電素子4が配置されている位置は特に限定されない。
【0055】
もっとも、図3に示す第1の実施形態のように、複数の圧電素子4は、筒状体3のねじり振動のノードの位置に配置されていることが好ましい。それによって、圧電素子4が変形し難く、破損し難い。なお、第1の実施形態においては、ヒンジ部3cが圧電素子4付近に位置しており、ノードの位置付近に設けられているため、振動装置1が外部から支持されている場合においても、ねじり振動は減衰し難い。
【0056】
図8は、第1の実施形態の第4の変形例に係る振動装置の正面断面図である。
【0057】
本変形例では、筒状体133の外側面133dは、筒状体133の軸方向に傾斜して延びている第1の傾斜部133f及び第2の傾斜部133gを有する。第1の傾斜部133fは、圧電素子4側から第1の端部133a側に向かい、肉厚が薄くなるように設けられている。第1の傾斜部133fは、圧電素子4側から第1の端部133a側に向かい、かつ筒状体133の内側に向かい延びている。さらに、第1の傾斜部133fは、筒状体133の周方向に沿い延びている。第2の傾斜部133gも同様である。これにより、第1の実施形態と同様に、透光体2における周方向の変位をより一層大きくすることができ、かつ小型にすることができる。
【0058】
なお、筒状体133において傾斜部が設けられた箇所の数は特に限定されない。傾斜部は、内側面133eに設けられていてもよい。
【0059】
図9は、第2の実施形態における圧電素子の平面図である。
【0060】
本実施形態は、圧電素子24がリング状圧電体25を有する点において、第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、本実施形態の振動装置は第1の実施形態の振動装置1と同様の構成を有する。
【0061】
リング状圧電体25は、互いに対向し合う第1の主面25a及び第2の主面25bとを有する。第1の主面25aは筒状体の第1の端部側に位置し、第2の主面25bは筒状体の第2の端部側に位置する。リング状圧電体25は、筒状体の周方向に沿って複数の領域に分割されている。図9中の一点鎖線は複数の領域の境界を示す。本実施形態では、リング状圧電体25は6つの領域に分割されている。リング状圧電体25は、複数の領域において、筒状体の周方向に周回するように分極されている。第1の主面25a上及び第2の主面25b上に、複数の領域を覆うように、それぞれ励振電極26が設けられている。
【0062】
本実施形態においても、圧電素子24の励振電極26に交流電圧を印加することにより、筒状体がねじり振動する。従って、第1の実施形態と同様に、イメージングデバイスの視野内における、透光体表面に付着した水滴や異物をより一層確実に除去することができる。
【0063】
図10(a)〜図10(c)は、第2の実施形態におけるリング状圧電体の製造方法を説明するための斜視図である。図11は、第2の実施形態におけるリング状圧電体の製造方法を説明するための模式的正面断面図である。なお、図10(a)〜図10(c)及び図11中の符号は、後述する分極用電極に印加する電場の符号を示す。
【0064】
図10(a)に示すように、対向し合う第1の主面27a及び第2の主面27bを有するリング状圧電体27を用意する。次に、リング状圧電体27の第1の主面27a上に、複数の分極用電極28をリング状圧電体27の周方向において均等に設ける。同様に、第2の主面27b上に、第1の主面27a上の分極用電極28と対向するように、複数の分極用電極28を設ける。これにより、リング状圧電体27を複数の領域に分割する。
【0065】
次に、リング状圧電体27の互いに最も離れた1対の領域において、分極用電極28を用いて同時に分極処理を行う。図11に示すように、リング状圧電体27の厚み方向に対向し合う分極用電極28を同符号とし、上記領域の周方向に電場を印加する。
【0066】
次に図10(b)に示すように、図10(a)に示した工程において分極した領域とは異なる、最も離れた1対の領域において分極処理を行う。次に、図10(c)に示すように、図10(a)及び図10(b)に示した工程において分極した領域とは異なる、最も離れた1対の領域において分極処理を行う。これにより、図9に示したリング状圧電体25を得ることができる。
【0067】
リング状圧電体25の製造に際し、1対の領域において同時に分極処理を行うことが好ましい。それによって、分極処理の総回数を削減することができ、生産性を高めることができる。
【0068】
互いに最も離れた1対の領域において同時に分極処理を行うことがより好ましい。同時に分極処理を行っている領域同士が近い場合、同時に分極処理を行っている領域の間に挟まれた領域において、逆方向に分極するおそれがある。互いに最も離れた1対の領域において同時に分極処理を行うことにより、該1対の領域の間に挟まれた領域において、逆方向に分極することを抑制することができる。
【0069】
図10(a)〜図10(c)に示すリング状圧電体27を6つ以上の領域に分割することが好ましい。それによって、同時に分極処理を行っている領域の間の距離を効果的に長くすることができる。従って、同時に分極処理を行っている領域の間に挟まれた領域において、逆方向に分極することをより一層確実に抑制することができる。
【0070】
図12は、第3の実施形態に係る振動装置の正面断面図である。
【0071】
本実施形態は、圧電素子4とは別の圧電素子である圧電振動体34を有する点において、第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、第3の実施形態の振動装置は第1の実施形態の振動装置1と同様の構成を有する。
【0072】
圧電振動体34はリング状圧電体35を有する。リング状圧電体35は、筒状体3の軸方向に平行に分極されている。リング状圧電体35は、筒状体3の第1の端部3a側に位置する第1の主面と、筒状体3の第2の端部3b側に位置する第2の主面とを有する。図示しないが、第1の主面上及び第2の主面上には、それぞれ励振電極が設けられている。
【0073】
圧電振動体34の励振電極に交流電圧を印加することにより、筒状体3を径方向に振動させる振動モードである呼吸振動が励振される。筒状体3が呼吸振動することにより、透光体2が屈曲振動する。このように、振動モードが変換される。なお、圧電振動体34は、励振電極に交流電圧を印加することにより、筒状体3を軸方向に振動させる振動モードである縦振動が励振される圧電振動体であってもよい。筒状体3が縦振動する場合においても、透光体2は屈曲振動する。
【0074】
上記のように円盤状の透光体2が振動する場合、この振動モードは、(m,n)モードで表すことができる。ここで、m及びnは整数である。mは円盤の径方向に存在する振動のノードの数であり、nは円盤の周方向において、存在するノードの数である。図13(a)は、(0,0)モードの振動を示し、図13(b)は、(1,0)モードを示し、図13(c)は、(0,1)モードを示し、図13(d)は、(0,2)モードを示す。
【0075】
図13(a)〜図13(d)において、ハッチングを付した点B1、B2、B3、B4及びB5〜B8は、最大変位点を示す。また、図13(b)〜図13(d)において、斜線のハッチングをした領域と、白抜きの部分とは、逆相で変動している部分を示す。従って、図13(b)において、円C1が、振動のノードであり、この円C1が、径方向に存在する唯一のノードであり、周方向にはノードが存在しない。従って、図13(b)の振動モードは、(1,0)モードで表され得る。
【0076】
透光体2の被写体側の面に水滴が付着した場合、上記透光体2を(0,0)モードや、(1,0)モードで振動させる。そうすると、最大変位点付近において大きな変位が生じ、付着していた水滴を霧化させることができる。
【0077】
図12に示すように、本実施形態では、圧電素子4及び圧電振動体34を有する。圧電素子4によるねじり振動と、圧電振動体34による振動モードとを切り替えることにより、イメージングデバイスの視野内における水滴や異物をより一層確実に除去することができる。
【0078】
より具体的には、圧電素子4によるねじり振動により、透光体2における外側に水滴や異物を移動させ、さらに、圧電振動体34による振動モードにより移動した水滴や異物を除去することができる。
【0079】
本実施形態においては、透光体2における外側に移動した水滴や異物をもより一層確実に除去することができる。よって、本実施形態は視野が広いイメージングデバイスに特に好適である。
【符号の説明】
【0080】
1…振動装置
2…透光体
3…筒状体
3A…支持部
3a,3b…第1,第2の端部
3c…ヒンジ部
3d…外側面
3e…内側面
3f,3g…第1,第2の段差部
3X,3Y…第1,第2の筒状体部
4…圧電素子
5…圧電体
9…撮像素子
10…イメージングデバイス
24…圧電素子
25…リング状圧電体
25a,25b…第1,第2の主面
26…励振電極
27…リング状圧電体
27a,27b…第1,第2の主面
28…分極用電極
34…圧電振動体
35…リング状圧電体
103…筒状体
103a…第1の端部
103d…外側面
103f…段差部
113…筒状体
113b…第2の端部
113e…内側面
113f…段差部
123…筒状体
123b…第2の端部
133…筒状体
133a…第1の端部
133d…外側面
133e…内側面
133f,133g…第1,第2の傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】