特表-18229923IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年12月20日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20191129BHJP
   F24F 11/62 20180101ALI20191129BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20191129BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20191129BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20191129BHJP
   F24F 110/30 20180101ALN20191129BHJP
【FI】
   F24F11/79
   F24F11/62
   F24F11/88
   F24F110:10
   F24F110:20
   F24F110:30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2019-524649(P2019-524649)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年6月15日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅景 悠平
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA04
3L260BA07
3L260BA08
3L260CA02
3L260CA03
3L260FA07
3L260FA08
(57)【要約】
空気調和機の室内機は、冷媒と熱交換を行った後の空気を吹出口から空調対象空間に送出する送風手段と、吹出口から送出される空気の吹出方向の上下方向の角度を調整する上下風向調節部と、吹出口から送出される空気の吹出方向の左右方向の角度を調整する左右風向調節部と、上下風向調節部および左右風向調節部のそれぞれの角度を制御する制御部とを有し、制御部は、複数のエリアに分割された空調対象空間に対して、空気の吹出方向が複数のエリア単位で切り替わるように、上下風向調節部および左右風向調節部を制御して上下方向および左右方向のそれぞれの角度を連続して変化させるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒と熱交換を行った後の空気を吹出口から空調対象空間に送出する送風手段と、
前記吹出口に設けられ、前記吹出口から送出される空気の吹出方向の上下方向の角度を調整する上下風向調節部と、
前記吹出口に設けられ、前記吹出口から送出される空気の吹出方向の左右方向の角度を調整する左右風向調節部と、
前記上下風向調節部および前記左右風向調節部のそれぞれの角度を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
複数のエリアに分割された前記空調対象空間に対して、空気の吹出方向が前記複数のエリア単位で切り替わるように、前記上下風向調節部および前記左右風向調節部を制御して前記上下方向および前記左右方向のそれぞれの角度を連続して変化させる、空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記複数のエリアは、前記吹出口を基準として距離が離れる方向と該基準に対して水平方向とに分割された構成である、請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記制御部は、
空気の吹出方向の軌跡が前記複数のエリアに対して8の字を描くように、前記上下風向調節部および前記左右風向調節部を連動させて制御する、請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記制御部は、
暖房運転を行う際、前記吹出口を基準として距離が離れる方向に分割された複数のエリアに対して、エリア単位で空気の吹出方向を切り替える全体の時間のうち、該距離が最も近いエリアの時間の割合が他のエリアの時間の割合よりも大きくする、請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記複数のエリア単位で有人か否かを検出する人体位置検出手段をさらに有し、
前記制御部は、
前記上下風向調節部および前記左右風向調節部を連動させて、前記複数のエリアのうち、前記人体位置検出手段が有人と検出したエリアに空気の吹出方向を向ける、請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記複数のエリア単位で有人か否か検出する人体位置検出手段をさらに有し、
前記制御部は、
前記上下風向調節部および前記左右風向調節部を連動させて、前記複数のエリアのうち、前記人体位置検出手段が無人と検出したエリアに空気の吹出方向を向ける、請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項7】
前記複数のエリア単位で床温度を測定する輻射温度検出手段をさらに有し、
前記制御部は、
冷房運転を行う場合、前記輻射温度検出手段が前記複数のエリアで測定した複数の床温度のうち、床温度が最も高いエリアに空気の吹出方向を向け、暖房運転を行う場合、前記複数の床温度のうち、床温度が最も低いエリアに空気の吹出方向を向ける、請求項1または2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
前記空調対象空間から吸い込む空気の温度を測定する温度検出手段をさらに有し、
前記制御部は、
冷房運転を行う際、前記温度検出手段が測定する温度が設定温度に対して決められた範囲に入らない場合、前記上下風向調節部および前記左右風向調節部のそれぞれの角度を制御する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項9】
前記空調対象空間から吸い込む空気の湿度を検出する湿度検出手段をさらに有し、
前記制御部は、
冷房運転を行う際、前記湿度検出手段が測定する湿度が設定湿度に対して決められた範囲に入らない場合、前記上下風向調節部および前記左右風向調節部のそれぞれの角度を制御する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調対象空間への空気の吹出方向を変更する構成を備えた、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機の室内機として、筐体の下面側の中央部に設けられた吸込口と、吸込口の四方を囲むように設けられた4つの吹出口とを備え、熱交換後の空気を4つの吹出口から室内に送出する室内機が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された空気調和機は、躯体温度を検知する赤外線センサと、4つの吹出口のそれぞれに設けられた第1フラップおよび第2フラップとを有する。第1フラップは、吹出口から吹き出す空気の左右方向を変更するものである。第2フラップは、吹出口から吹き出す空気の縦方向を変更するものである。
【0003】
特許文献1に開示された空気調和機は、空調モードとして、空調対象空間の温度を均一化する温度均一化モードと、空調対象空間内に存在する人体の周囲を集中的に空調するスポット空調モードとを有する。この空気調和機は、赤外線センサの検知により得られた検知情報と運転情報とに基づいて、スポット空調モードおよび温度均一化モードのうち、いずれかのモードを選択するものである。
【0004】
温度均一化モードは、空調対象空間の温度をその全域において均一化するような運転モードである。温度均一化モードは、各吹出口において、第1フラップおよび第2フラップのそれぞれを「スイング」に設定することで、空調対象空間の温度を均一化し、快適な空調状態を得られるようにするものである。
【0005】
スポット空調モードは、空調対象空間内に存在する人の周囲を集中的に空調し、人のいない部分に対する無駄な空調を排除する空調モードである。スポット空調モードは、複数のエリアに区分けされた空調対象空間において、各エリアにいる人の数を算出し、算出された数に応じて、第1フラップおよび第2フラップを制御することで、省エネルギー性を向上させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−194389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された空気調和機では、空調対象空間の複数のエリアのうち、各エリアに同じ数の人がいる場合、温度均一化モードが設定される。そして、空気調和機は、温度均一化モードでは、第1フラップを左右方向にスイングさせ、第2フラップを上下方向にスイングさせる。
【0008】
特許文献1に開示された空気調和機において、第1フラップおよび第2フラップのそれぞれのスイングのタイミングが一致していなければ、エリア間で風量に差が生じるおそれがある。そのため、風量の多いエリアと風量の少ないエリアとが生じ、温度にムラが生じるおそれがある。空調対象空間のどこにいても使用者が求める細やかな空調空間を実現することが望まれていた。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、空調対象空間の温度ムラを抑制し、使用者の快適性を向上する空気調和機の室内機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る空気調和機の室内機は、冷媒と熱交換を行った後の空気を吹出口から空調対象空間に送出する送風手段と、前記吹出口に設けられ、前記吹出口から送出される空気の吹出方向の上下方向の角度を調整する上下風向調節部と、前記吹出口に設けられ、前記吹出口から送出される空気の吹出方向の左右方向の角度を調整する左右風向調節部と、前記上下風向調節部および前記左右風向調節部のそれぞれの角度を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、複数のエリアに分割された前記空調対象空間に対して、空気の吹出方向が前記複数のエリア単位で切り替わるように、前記上下風向調節部および前記左右風向調節部を制御して前記上下方向および前記左右方向のそれぞれの角度を連続して変化させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のエリアに分割された空調対象空間に対して、室内機が上下風向および左右風向を連続して変化させて、空気の吹出方向を複数のエリア単位で切り替えているため、空調対象空間を均一に空調することができる。その結果、空調対象空間において、温度ムラが抑制され、使用者の快適性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機の一構成例を示す外観斜視図である。
図2図1に示す室内機を下面側から見たときの平面図である。
図3図2に示す破線AAにおける室内機の断面模式図である。
図4】本発明の実施の形態1における空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。
図5図4に示す制御部の一構成例を示すブロック図である。
図6図1に示した上下風向調節部の一構成例を示す斜視図である。
図7図6に示す上下風向調節部が風向の角度を変更した場合の一例を示す図である。
図8図3に示した左右風向調節部の一構成例を示す斜視図である。
図9図8に示す左右風向調節部が風向の角度を変更した場合の一例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機が行う風向制御方法を説明するための図である。
図11図10に示した風向制御の手順を示す図である。
図12】本発明の実施の形態2における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示す図である。
図13】本発明の実施の形態3における空気調和機の室内機を下面側から見たときの平面図である。
図14】本発明の実施の形態3における空気調和機において、空調対象空間が複数のエリアに分割された場合の一例を示す模式図である。
図15】本発明の実施の形態3における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施の形態3において、複数のエリアのうち、有人エリアが1つの場合を示す図である。
図17】本発明の実施の形態3において、複数のエリアのうち、有人エリアが2つの場合を示す図である。
図18】本発明の実施の形態3において、有人の2つのエリアの間に無人エリアが挟まれている場合を示す図である。
図19】本発明の実施の形態4における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示すフローチャートである。
図20】本発明の実施の形態4において、複数のエリアのうち、有人エリアが1つの場合である。
図21】本発明の実施の形態4において、3つの吹出口のそれぞれについて、複数のエリアの有人エリアの有無をまとめて示した図である。
図22】本発明の実施の形態4において、複数のエリアのうち、無人エリアがない場合を示す図である。
図23】本発明の実施の形態5における空気調和機の室内機を下面側から見たときの平面図である。
図24】本発明の実施の形態5における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示すフローチャートである。
図25】本発明の実施の形態5において、複数のエリアのうち、他のエリアの床温度と比べて床温度の低いエリアがある場合の一例を示す図である。
図26】本発明の実施の形態5において、複数のエリアのうち、他のエリアの床温度と比べて床温度の高いエリアがある場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
本実施の形態1の空気調和機の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機の一構成例を示す外観斜視図である。図2は、図1に示す室内機を下面側から見たときの平面図である。図3は、図2に示す破線AAにおける室内機の断面模式図である。
【0014】
本実施の形態1では、図1に示す室内機30は、四方向天井カセット形室内機である。室内機30は、直方体状の筐体を有する。室内機30は、空調対象空間となる部屋の天井に埋め込まれる。図2に示すように、室内機30の下面31は矩形であり、下面31が天井から室内側に露出する。室内機30の下面31の中央に矩形状の吸込口3が設けられている。吸込口3には、格子状の枠が設けられているが、枠を図に示すことを省略している。吸込口3の外周の4辺に沿って、吸込口3の外側に4つの吹出口2a〜2dが設けられている。
【0015】
図1に示すように、吹出口2a〜2dのそれぞれに、上下風向調節部4a〜4dのそれぞれが設けられている。上下風向調節部4a〜4dは、吹出口2a〜2dから室内に送出される空気の上下方向の角度を調整する。また、吹出口2a〜2dのそれぞれに、図3に示す左右風向調節部6が設けられている。左右風向調節部6は、吹出口2a〜2dの各吹出口から室内に送出される空気の左右方向の角度を調整する。また、図1および図2に示すように、室内機30の下面31には、室内の空気の温度を測定する温度検出手段5が設けられている。
【0016】
本実施の形態1において、左右方向とは、吹出口2a〜2dのそれぞれを基準として空調対象空間に対する水平方向を意味する。また、上下方向とは、吹出口2a〜2dのそれぞれを基準として、上記水平方向に垂直な方向を意味する。
【0017】
図3に示すように、室内機30は、上部筐体32aおよび下部筐体32bを有する。室内機30は、上部筐体32aと下部筐体32bとに分離できる構成である。上部筐体32aには、送風手段8および負荷側熱交換器7が設けられている。下部筐体32bには、吸込口3、吹出口2a〜2d、左右風向調節部6および上下風向調節部4a〜4dが設けられている。下部筐体32bの吸込口3に湿度検出手段10が設けられている。湿度検出手段10は、室内から吸込口3に吸い込まれる空気の湿度を測定する。図3に示す矢印は空気の流れを示す。送風手段8が回転すると、吸込口3から空気が室内機30に吸い込まれる。室内機30に吸い込まれた空気は、負荷側熱交換器7を流れる冷媒と熱交換を行った後、吹出口2a〜2dから室内に戻る。
【0018】
図4は、本発明の実施の形態1における空気調和機の一構成例を示す冷媒回路図である。図4に示すように、空気調和機1は、室外機20と、図1〜3に示した室内機30とを有する。室外機20は、圧縮機21と、四方弁22と、熱源側熱交換器23と、膨張弁24とを有する。室内機30は、図3に示した負荷側熱交換器7および送風手段8の他に、図4に示す制御部33を有する。冷媒回路25は、圧縮機21、四方弁22、熱源側熱交換器23、膨張弁24および負荷側熱交換器7が冷媒配管を介して接続された構成である。
【0019】
図5は、図4に示す制御部の一構成例を示すブロック図である。制御部33は、プログラムを記憶するメモリ35と、プログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)36とを有する。制御部33は、温度検出手段5、湿度検出手段10、送風手段8、圧縮機21、四方弁22および膨張弁24と信号線を介して接続される。制御部33は、上下風向調節部4a〜4dを駆動する駆動部37と信号線を介して接続されている。また、制御部33は、複数の左右風向調節部6を駆動する駆動部38と信号線を介して接続されている。図1図4では、駆動部37および38を図に示すことを省略している。
【0020】
ここで、上下風向調節部4a〜4dおよび左右風向調節部6の構成を説明する。図6は、図1に示した上下風向調節部の一構成例を示す斜視図である。図7は、図6に示す上下風向調節部が風向の角度を変更した場合の一例を示す図である。図6および図7では、説明を簡単にするために構成を模式的に示している。上下風向調節部4a〜4dは同様な構成のため、上下風向調節部4aを用いて説明する。
【0021】
図6に示すように、上下風向調節部4aは、上下ベーン41と、軸部42とを有する。上下ベーン41は、図6に示すように、長方形の板状部材である。上下ベーン41の長手方向の長さは、図1に示した吹出口2aの長手方向の長さと同等である。上下ベーン41において、室内と反対側の縁に軸部42が平行に取り付けられている。軸部42は駆動部37と接続されている。制御部33が駆動部37を介して軸部42を回転させることで、上下ベーン41の先端が上下方向に揺動する。
【0022】
図7は、空調対象空間となる部屋を横から見た場合を示す。制御部33が、駆動部37を介して、上下ベーン41の先端を上下方向の複数の位置のうち、いずれかの位置に設定する。複数の位置とは、本実施の形態1では、上側45と、下側47と、中間46との3箇所である。中間46は、上側45と下側47との間の位置である。また、図7は、空調対象空間が仮想的にエリアy1〜y3の3つのエリアに分割されている状態を破線で示す。図7は、吹出口2aを基準として、吹出口2aから距離が長くなる方向(図に示すY軸方向)に、エリアy1、y2およびy3が順に割り振られた場合を示す。空調対象空間が図に示すY軸方向に分割されるエリアの数は、3つに限らない。
【0023】
図7において、上下ベーン41が上側45の位置にある場合、吹出口2aから室内に流れ込む空気は、主に図7に示す矢印51に沿って流れる。この場合、空気は吹出口2aから主にエリアy1に流れ込む。また、上下ベーン41が中間46の位置にある場合、吹出口2aから室内に流れ込む空気は、主に図7に示す矢印52に沿って流れる。この場合、空気は吹出口2aから主にエリアy2に流れ込む。上下ベーン41が中間46の位置にある場合、吹出口2aから室内に流れ込む空気は、主に図7に示す矢印53に沿って流れる。この場合、空気は吹出口2aから主にエリアy1に流れ込む。このようにして、制御部33は、空気の吹出方向をエリアy1、y2およびy3のエリア単位で設定することができる。
【0024】
ここでは、上下ベーン41が1枚の場合で説明したが、複数の上下ベーン41が上下ベーン41の長手方向に平行に設けられていてもよい。この場合、エリア毎に流れ込む空気の密度をより高くすることができる。このことを具体的に説明する。制御部33が、空気の吹出方向をエリアy2に設定する場合、2枚の上下ベーン41のうち、一方の上下ベーン41を中間46の位置に設定する。そして、制御部33は、他方の上下ベーン41を、吹出口2aから流れ出る空気がエリアy1の方に流れ込むことを阻止する位置に設定する。これにより、吹出口2aからエリアy2に流れ込む空気の密度が高くなる。
【0025】
図8は、図3に示した左右風向調節部の一構成例を示す斜視図である。図9は、図8に示す左右風向調節部が風向の角度を変更した場合の一例を示す図である。図8および図9では、説明を簡単にするために構成を模式的に示している。吹出口2a〜2dのそれぞれに設けられた左右風向調節部6は同様な構成であるため、ここでは、吹出口2aに設けられた左右風向調節部6を用いて説明する。
【0026】
図8に示すように、左右風向調節部6は、左右ベーン61aおよび61bと、軸部63とを有する。左右ベーン61aおよび61bは、図1に示した室内機30内の図に示さない筐体にヒンジ62で接続されている。左右ベーン61aおよび61bは、図8に示すように、矩形の板状部材である。左右ベーン61aおよび61bにおいて、室内と反対側の先端の上部に軸部63が取り付けられている。軸部63は駆動部38と接続されている。左右ベーン61aおよび61bは、軸部63で接続されているため、軸部63の動作にしたがって連動する。制御部33が駆動部38を介して軸部63を左右方向に揺動させることで、左右ベーン61aおよび61bの先端が左右方向に揺動する。図8は、左右ベーンが2枚の場合を示しているが、左右ベーンの枚数は3枚以上であってもよい。
【0027】
図9は、図8に示した左右風向調節部から空調対象空間を見た状態を模式的に示す。図9は、吹出口2aを基準として、空調対象空間が水平方向に仮想的にエリアx1、x2−1、x2−2およびx3の4つのエリアに分割されている状態を破線で示す。ここでは、エリアを4つに分割する場合で説明するが、空調対象空間を、エリアx1、x2およびx3の3つのエリアに分割してもよい。空調対象空間が水平方向に分割されるエリアの数は、3つまたは4つに限らない。
【0028】
制御部33が、駆動部38を介して、左右ベーン61aおよび61bの先端を左右方向の複数の位置のうち、いずれかの位置に設定する。本実施の形態1では、複数の位置は4つの場合とする。ここでは、4つの位置のうち、図9を参照して、左側位置と右側位置の2箇所の場合を説明し、左側位置と右側位置との間の2箇所の中間位置についての説明を省略する。
【0029】
図9において、左右ベーン61aおよび61bが左側位置にある場合を実線で示す。左右ベーン61aおよび61bが左側位置にある場合、吹出口2aから室内に流れ込む空気は、実線で示す矢印に沿って流れる。この場合、空気は吹出口2aから主にエリアx1に流れ込む。また、図9において、左右ベーン61aおよび61bが右側位置にある場合を破線で示す。左右ベーン61aおよび61bが右側位置にある場合、吹出口2aから室内に流れ込む空気は、破線で示す矢印に沿って流れる。この場合、空気は吹出口2aから主にエリアx3に流れ込む。このようにして、制御部33は、空気の吹出方向をエリアx1、エリアx2−1、x2−2およびx3のエリア単位で設定することができる。
【0030】
次に、図5を参照して、制御部33が行う制御の内容を説明する。制御部33は、冷媒回路25を冷媒が循環する冷凍サイクルを制御する。制御部33は、空気調和機1の運転状態にしたがって、四方弁22の流路を制御する。具体的には、空気調和機1が冷房運転を行う際、制御部33は、圧縮機21から吐出される冷媒を熱源側熱交換器23に流入させ、負荷側熱交換器7から流出する冷媒を圧縮機21の吸入口側に戻すように、四方弁22の流路を制御する。空気調和機1が暖房運転を行う際、制御部33は、圧縮機21から吐出される冷媒を負荷側熱交換器7に流入させ、熱源側熱交換器23から流出する冷媒を圧縮機21の吸入口側に戻すように、四方弁22の流路を制御する。
【0031】
制御部33は、温度検出手段5から取得する測定値が設定温度に対して決められた範囲に入るように、圧縮機21の運転周波数および膨張弁24の開度を制御する。制御部33は、湿度検出手段10から取得する測定値が設定湿度に対して決められた範囲に入るように、圧縮機21の運転周波数および膨張弁24の開度を制御する。
【0032】
また、制御部33は、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6の風向の角度を制御する。制御部33のメモリ35は、吹出口2a〜2d毎に、空調対象空間が仮想的に分割された複数のエリアのマップを示すエリアマップを記憶する。エリアマップの一例は、図7に示したエリアy1〜y3と図9に示したエリアx1〜x3とが組み合わされたものである。制御部33は、上下風向および左右風向について自動運転が設定されると、空気の吹出方向がエリア単位で切り替わるように、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6を制御して上下方向および左右方向のそれぞれの角度を連続して変化させる。
【0033】
なお、図1図5を参照して、制御部33が室内機30に設けられている場合で説明したが、制御部33は室外機20に設けられていてもよい。膨張弁24が室外機20に設けられている場合で説明したが、膨張弁24は室内機30に設けられていてもよい。また、本実施の形態1では、制御部33が4つの吹出口2a〜2dの風向制御を行う場合で説明するが、風向制御の対象となる吹出口は1つであってもよい。
【0034】
次に、本実施の形態1の空気調和機1の動作を説明する。説明を簡単にするために、ここでは、吹出口2aに対向する空調対象空間の場合で説明する。図10は、本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機が行う風向制御方法を説明するための図である。
【0035】
図10に示すように、空調対象空間は、図7に示したエリアy1〜y3と図9に示したエリアx1〜x3とが組み合わされ、12のエリアに分割されている。図10は、吹出口2aにおける空調対象空間のエリアマップの一例である。図10に示す12のエリアは、吹出口2aを基準として距離が離れる方向と吹出口2aを基準にして水平方向とに分割されて形成されている。図10に示す各エリアの座標を、図9に示したエリア名と図7に示したエリア名とを組み合わせて、(x,y)と表記する。具体例を挙げると、上下ベーン41が上側45で、左右ベーン61aおよび61bが左側である場合、空気の吹出方向のエリアの座標は(x1,y3)となる。
【0036】
制御部33のメモリ35は、吹出口2a〜2dのそれぞれについて、図10に示す各エリアの座標と、上下風向調節部4aおよび左右風向調節部6のそれぞれの制御内容とを記憶している。制御内容とは、上下ベーン41の角度と左右ベーン61aおよび61bの角度との情報である。制御部33は、上下風向および左右風向について自動運転が設定されると、図10に示した複数のエリアに対して、空気の吹出方向が複数のエリア単位で切り替わるように、上下風向調節部4aおよび左右風向調節部6を連動して制御する。自動運転の設定方法の一例として、使用者が図に示さないリモートコントローラを操作して自動運転を指示する旨を制御部33に入力する方法がある。以下では、空気の吹出方向をエリア単位で切り替える運転を、スイング運転と称する。
【0037】
図10の矢印は、本実施の形態1における風向切り替えの一例を示す。図11は、図10に示した風向制御の手順を示す図である。図11の上段は上下風向調節部の上下ベーン41の位置の順番を示し、図11の下段は左右風向調節部の左右ベーン61aおよび61bの位置の順番を示す。図11の上段では、上下ベーン41の位置について、上側45がUと表記され、下側47がDと表記され、中間46がMと表記されている。図11の下段では、左右ベーン61aおよび61bの位置について、左側がLと表記され、右側がRと表記されている。左右ベーン61aおよび61bが中間に位置する場合、図11の下段では、吹出方向のエリアx2−1およびx2−2が統合され、その位置がMと表記されている。
【0038】
制御部33が、図11に示す手順にしたがって、上下風向調節部4aおよび左右風向調節部6を同期して連動させる一連の制御を行うと、空調対象空間には、図10に示す矢印の順で空気の吹出方向が切り替わる。図11に示す手順の左端から右端までが一連の制御である。制御部33は、一連の制御を一定の周期で行う。一回の周期で、図10に示す矢印55→56→57→58の順で、空気の吹出方向が切り替わる。図10を参照すると、一回の周期で、空気の吹出方向の軌跡が空調対象空間に対して8の字を描いている。
【0039】
制御部33は、空気の吹出方向の軌跡が複数のエリアに対して8の字を描くように、上下風向調節部4aおよび左右風向調節部6のそれぞれの角度を連続して変化させる。この場合、空調対象空間として、1つの吹出口2aで生じる気流が到達する複数のエリアが全て網羅されるだけでなく、1つのエリアに風が当たる時間を短くすることができる。その結果、温度ムラを低減した空調対象空間を提供できる。
【0040】
なお、本実施の形態1では、制御部33は、自動運転の指示が入力されると、上述の風向制御を行う場合を説明したが、本実施の形態1の風向制御の開始のトリガーは使用者の入力の場合に限らない。例えば、空気調和機1の運転状態が冷房運転である場合、温度検出手段5が測定する温度が設定温度に対して決められた範囲に入らなくなると、制御部33は上述した風向制御を開始してもよい。また、空気調和機1の運転状態が冷房運転である場合、湿度検出手段10が測定する湿度が設定湿度に対して決められた範囲に入らなくなると、制御部33は上述した風向制御を開始してもよい。
【0041】
本実施の形態1の空気調和機1の室内機30は、空調対象空間に対して、空気の吹出方向が複数のエリア単位で切り替わるように、上下風向調節部4aおよび左右風向調節部6を制御して上下方向および左右方向のそれぞれの角度を連続して変化させるものである。
【0042】
本実施の形態1によれば、複数のエリアに分割された空調対象空間に対して、室内機30が上下風向および左右風向を連続して変化させて、空気の吹出方向を複数のエリア単位で切り替えているため、空調対象空間を均一に空調することができる。その結果、空調対象空間において、温度ムラが抑制され、使用者の快適性が向上する。空調対象空間全体において風量がより均一になるため、使用者は、不快に感じるドラフト感が低減する。
【0043】
本実施の形態1において、制御部33が、4つの吹出口2a〜2dにおける、上下風向調節部4a〜4dおよび左右風向調節部6に対して、上述した制御を行えば、部屋全体を均一に空調することができる。部屋全体の温度ムラが抑制され、使用者は、部屋のどこにいても、不快に感じるドラフト感が低減する。
【0044】
また、本実施の形態1では、空調対象空間が吹出口2aを基準として距離が離れる方向と吹出口2aに対して水平方向とに分割された複数のエリアが形成されている。空調対象空間は、水平方向だけでなく、吹出口2aからの距離に応じて、複数のエリアに分割されている。そのため、制御部33がエリア単位で空気の吹出方向を切り替える制御を行うことで、よりきめ細やかな空調を実現できる。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態1の空気調和機は、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6を連動させることで空調対象空間の温度ムラを解消し、使用者のドラフト感を低減するものである。本実施の形態2の空気調和機は、暖房運転の場合に、温度ムラをさらに低減した空調対象空間を提供するものである。
【0046】
本実施の形態2の空気調和機の構成は、実施の形態1で説明した空気調和機1の構成と同様なため、本実施の形態2では、構成についての説明を省略する。暖房運転時、空気調和機1の室内機30から吹き出される暖かい空気は天井面に留まりやすく、頭熱足寒になることがある。このような状態を防ぐ方法の一例として、本実施の形態2の空気調和機1の動作を説明する。ここでは、空気調和機1の動作を、吹出口2aにおける風向制御の場合で説明する。
【0047】
図12は、本発明の実施の形態2における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示す図である。図12の上段は上下風向調節部の上下ベーン41の位置の順番を示し、図12の下段は左右風向調節部の左右ベーン61aおよび61bの位置の順番を示す。
【0048】
図12の上段に示す手順では、破線枠に示すように、上下ベーン41の位置が下側47になる割合が高い領域がある。一方、図12の下段に示すように、左右ベーン61aおよび61bは、吹出口2aを基準にして水平方向に分割された複数のエリアに対してエリア単位で空気の吹出方向を切り替えるスイング運転を行っている。図12の上段の破線枠と図12の下段とを比較すると、左右ベーン61aおよび61が中間Mのエリアx2に空気の吹出方向を向けたときに、上下ベーン41の位置が下側47になっている。
【0049】
図12を参照して説明したように、制御部33は、暖房運転を行う際、左右風向調節部6にスイング運転をさせた状態で、上下風向調節部4aに対して、空気の吹出方向が下側47に向く時間の割合を増やす制御を行っている。図12に示す手順では、制御部33は、左右風向調節部6が中間に位置するとき、空気の吹出方向が下側になるように上下風向調節部4aを制御している。
【0050】
制御部33が左右風向を中間に位置させたときに上下風向を下側に向ける制御することで、室内にいる使用者の足元に暖気が届きやすくなり、室内の上下方向の温度ムラを低減できる。空気調和機1が暖房運転を行う際、空気の吹出方向を左右方向にスイングさせ、上下方向については下向きの時間の割合を増やすことで、天井側の熱こもりを防ぎ、部屋全体を均一に空調することができる。さらに、制御部33が左右風向を中間に位置させたときに風量が最も大きくなるように制御すれば、室内の上下方向の温度ムラを低減する効果が大きくなることが期待できる。
【0051】
本実施の形態2の空気調和機1の室内機30は、暖房運転の際、吹出口2aを基準にしたエリアy1〜y3に対して空気の吹出方向を切り替える全体の時間のうち、エリアy1の時間の割合を他のエリアy2およびy3の時間の割合よりも大きくするものである。
【0052】
本実施の形態2によれば、空気調和機1が暖房運転の際、空気の吹出方向について、上下方向の下側の割合を増やし、左右方向にスイングさせる制御を行うことで、空調対象空間に対して均一に空調することができる。その結果、空調対象空間において、上下方向の温度ムラを改善し、快適性と省エネ性を両立することができる。空気調和機1が、4つの吹出口2a〜2dのそれぞれに対して、上記制御と同様の制御を行うことで、部屋を均一に空調することができる。その結果、室内の上下方向の温度ムラを低減し、快適性と省エネルギー性を両立することができる。
【0053】
実施の形態3.
実施の形態1および2の空気調和機は、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6を連動させることで空調対象空間の温度ムラを低減し、使用者の快適性の向上を図るものである。本実施の形態3の空気調和機は、空調対象空間において人がいる位置を検出する人体位置検出手段を有し、人に風を自動的に当てる制御を行うものである。人によって体感温度に差があることから、本実施の形態3は、空気調和機からの風当りを要望する人に適している。
【0054】
本実施の形態3の空気調和機の構成を説明する。本実施の形態3では、実施の形態1および2と同様な構成についての詳細な説明を省略し、実施の形態1および2と異なる点を詳しく説明する。
【0055】
図13は、本発明の実施の形態3における空気調和機の室内機を下面側から見たときの平面図である。図14は、本発明の実施の形態3における空気調和機において、空調対象空間が複数のエリアに分割された場合の一例を示す模式図である。
【0056】
図13に示すように、室内機30aの下面31に、人体位置検出手段11が設けられている。図13に示す室内機30aでは、下面31において、人体位置検出手段11が温度検出手段5の対角の位置に設けられている。人体位置検出手段11が設けられる位置は図13に示す位置に限定されない。制御部33は、人体位置検出手段11と信号線で接続されている。本実施の形態3では、人体位置検出手段11は赤外線センサである。
【0057】
図14に示すように、室内機30aの吹出口2a〜2dのそれぞれの空調対象空間が9つのエリアに分割されている。図14に示す破線枠は、吹出口2cにおける空調対象空間の9つのエリアを示す。室内機30aの空調対象空間の全体は、9×4=36のエリアに分割されている。制御部33のメモリ35は、図14に示すエリアマップを記憶している。
【0058】
人体位置検出手段11は、室内機30aに設定された基準位置からの距離および方位角で特定される位置毎に輻射温度を測定する。基準位置からの距離と方位角とで特定される位置の間隔が細かいほど、測定精度が上がるという利点があるが、測定に要する時間が長くなるという欠点がある。本実施の形態1では、人体位置検出手段11は、図14に示すエリア毎に、複数箇所の輻射温度を測定する。本実施の形態1では、測定領域をエリア単位とすることで、測定に要する時間が長くなることが抑制される。また、各エリアで複数箇所測定することで、測定精度が劣化することを防いでいる。
【0059】
輻射温度の測定方法の一例として、吹出口2cにおける空調対象空間の場合を説明する。人体位置検出手段11は、エリアx1について、(x1,y1)→(x1,y2)→(x1,y3)の順で各エリアにおける複数箇所の輻射温度を測定する。続いて、人体位置検出手段11は、エリアx1と同様にして、エリアx2→エリアx3の順で各エリアにおける複数箇所の輻射温度を測定する。
【0060】
人体位置検出手段11は、制御部33から起動の指示を受け取ると、36のエリア単位で、複数箇所の輻射温度を測定する。人体位置検出手段11は、測定対象のエリアと、測定対象のエリアで測定された複数箇所の輻射温度との情報を組にした輻射温度データを制御部33に出力する。
【0061】
制御部33は、人体位置検出手段11から輻射温度データを受け取ると、輻射温度データと図14に示したエリアマップとを対比し、エリア単位で有人か否かを示す人体位置分布を生成する。制御部33は、生成した人体位置分布を参照し、複数のエリアのうち、人体位置検出手段が有人を検出したエリア単位で空気の吹出方向が切り替わるように、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6を連動させて制御する。
【0062】
人体位置検出手段11は室内機30aの下面31の角部に設けられているが、制御部33が人体位置検出手段11から受け取る輻射温度データの各エリアの位置は、図14に示すように、室内機30aの中心を基準にした位置に補正されている。各エリアにおける有人か否かの判定方法の一例を説明する。制御部33は、輻射温度データに含まれる複数の輻射温度の平均値を算出し、平均値が閾値以上であれば、判定対象のエリアは有人と判定し、平均値が閾値未満であれば、判定対象のエリアは無人と判定する。この閾値は、輻射温度の測定値が人体から放出される輻射熱による温度であるか否かを示す基準となる値である。この閾値はメモリ35に格納されている。以下では、複数のエリアのうち、人がいるエリアを有人エリアと称し、人がいないエリアを無人エリアと称する。
【0063】
次に、本実施の形態3の空気調和機の動作を説明する。図15は、本発明の実施の形態3における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示すフローチャートである。図16図18は、本発明の実施の形態3の空気調和機の空調対象空間において、有人エリアが異なる場合の例を示す図である。図16図18において、人の位置を丸印で示す。図16図18では、説明を簡単にするために、y1〜y3にエリアを区切ることを省略している。
【0064】
図15に示すように、制御部33は、上下風向および左右風向について自動運転を設定する旨の指示が入力されると(ステップS101)、人体位置検出手段11を起動する(ステップS102)。制御部33は、各エリアの輻射温度データを人体位置検出手段11から収集すると、吹出口2a〜2dのそれぞれの空調対象空間について、人体位置分布を生成する(ステップS103)。制御部33は、ステップS104〜ステップS109において、吹出口2a〜2d毎に、ステップS105の判定を行い、判定結果にしたがって、ステップS106〜ステップS108のうち、いずれかの処理を行う。吹出口2cの場合の動作について、図16図18を参照して説明する。
【0065】
図16は、本発明の実施の形態3において、複数のエリアのうち、有人エリアが1つの場合を示す図である。図16に示す場合、制御部33は、ステップS105の結果、ステップS106の処理に進む。制御部33は、上下風向調節部4cの風向をスイングさせ、左右風向調節部6の風向を有人エリアx1に向ける(ステップS106)。ステップS106において、制御部33は、図14に示したy1〜y3のエリアについても、エリア単位で空気の吹出方向を制御する場合、上下風向調節部4cの風向を有人エリアに固定してもよい。この場合、空気の吹出方向のうち、左右方向が有人エリアx1に固定され、上下方向が有人エリアにスイングまたは固定されることで、自動的に人に風を当てることができる。
【0066】
図17は、本発明の実施の形態3において、複数のエリアのうち、有人エリアが2つの場合を示す図である。図17に示す場合、制御部33は、ステップS105の結果、ステップS107の処理に進む。制御部33は、上下風向調節部4cの風向をスイングさせ、左右風向調節部6の風向を有人エリアx1およびx2間でスイングさせる(ステップS107)。ステップS107において、制御部33は、y1〜y3のエリアについても、エリア単位で空気の吹出方向を制御する場合、上下風向調節部4cの風向を有人エリアに固定してもよい。この場合、空気の吹出方向のうち、左右方向が有人エリアx1およびx2にスイングされ、上下方向が有人エリアにスイングまたは固定されることで、自動的に人に風を当てることができる。
【0067】
図18は、本発明の実施の形態3において、有人の2つのエリアの間に無人エリアが挟まれている場合を示す図である。図18に示す場合、制御部33は、ステップS105の結果、ステップS107の処理に進む。制御部33は、上下風向調節部4cの風向をスイングさせ、左右風向調節部6の風向を有人エリアx1およびx3間でスイングさせる(ステップS107)。ステップS107において、制御部33は、y1〜y3のエリアについても、エリア単位で空気の吹出方向を制御する場合、上下風向調節部4cの風向を有人エリアに固定してもよい。この場合、空気の吹出方向のうち、左右方向が有人エリアx1〜x3にスイングされ、上下方向が有人エリアにスイングまたは固定されることで、自動的に人に風を当てることができる。
【0068】
図15に示すステップS105の判定において、有人エリアが検出されなかった場合、制御部33は、上下風向調節部4cの風向を固定し、左右風向調節部6の風向をスイングさせる(ステップS108)。空調対象空間に有人エリアが検出されなかったにもかかわらず、制御部33が左右風向調節部6をスイング運転させる理由を説明する。吹出口2cの空調対象空間の温度を均一にしておくことで、使用者が他の吹出口2a、2bまたは2dの空調対象空間から吹出口2cの空調対象空間に移動してきたとき、使用者に不快な思いを感じさせない。
【0069】
また、ステップS108において、制御部33は、上下風向調節部4cの風向を固定する際、吹出口2cと隣り合う吹出口2aおよび2dのうち、いずれかの吹出口における上下風向調節部と同じ向きに固定してもよい。この場合、吹出口2aおよび2dのうち、いずれかの吹出口の空調対象空間に使用者がいる場合、室内機30aを円の中心とした同心円の帯状のエリアで温度の均一性が向上する。例えば、吹出口2aの空調対象空間のエリアy2に使用者がいる場合、吹出口2aおよび2cのそれぞれの空調対象空間のエリアy2の温度の均一性が向上する。
【0070】
図15に示す手順において、制御部33は、吹出口2a〜2dの全ての吹出口の空調対象空間に対して、有人エリア単位で空気の吹出方向を切り替える制御を行うと(ステップS109)、ステップS102に戻る。制御部33がステップS102〜S109を一定の周期で繰り返すことで、使用者が室内を移動しても、使用者が移動した先のエリアに空気の吹出方向を切り替える制御を継続することができる。
【0071】
なお、本実施の形態3では、人体位置検出手段11が、測定対象のエリアと、測定対象のエリアで測定された複数箇所の輻射温度との情報を組にした輻射温度データを制御部33に出力する場合で説明したが、輻射温度の代わりに、有人か否の情報であってもよい。この場合、人体位置検出手段11は、測定対象のエリアと、測定対象のエリアが有人であるか否かの情報を組にした人体有無データを制御部33に出力する。制御部33は、人体位置検出手段11から人体有無データを受け取ると、人体有無データとエリアマップとを対比し、エリア単位で有人か否かを示す人体位置分布を生成すればよい。
【0072】
本実施の形態3の空気調和機1の室内機30aは、制御部33が、上下風向調節部4a〜4dおよび左右風向調節部6を連動させて、空調対象空間の複数のエリアのうち、人体位置検出手段11が有人と検出したエリアに空気の吹出方向を向けるものである。
【0073】
本実施の形態3によれば、制御部33が空調対象空間の複数のエリアから有人エリアを特定し、有人エリアに対して、上下風向および左右風向の連動制御を行うことで、人のいるエリアに自動的に風を当てることができる。その結果、人への風当てを自動的に行うことができる。また、空気調和機からの風当てを要求する人に対して快適性が向上する。人のいないエリアに風を当てないことで、省ネルギー性が向上する。
【0074】
実施の形態4.
実施の形態3の空気調和機は、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6の連動制御に加えて、人体の位置を特定して自動的に人に風を当てる制御を行うものである。本実施の形態4の空気調和機は、空調対象空間にいる人に風が当たらないように自動的に風向を制御するものである。人によって体感温度に差があることから、本実施の形態4は、空気調和機から直接に風が当たることを不快に感じる人に適している。
【0075】
本実施の形態4の空気調和機は、実施の形態3で説明した空気調和機と比べて制御方法が異なるだけなので、本実施の形態4の空気調和機の構成についての説明を省略する。
【0076】
本実施の形態4の空気調和機の動作を説明する。図19は、本発明の実施の形態4における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示すフローチャートである。図20図22は、本発明の実施の形態4の空気調和機の空調対象空間において、有人エリアが異なる場合の例を示す図である。図20図22において、人の位置を丸印で示す。図20図22では、説明を簡単にするために、y1〜y3にエリアを区切ることを省略している。さらに、本実施の形態4では、図19に示す手順のうち、ステップS101〜ステップS105は図15を参照して説明した処理と同様なため、その詳細な説明を省略する。
【0077】
図19に示すステップS103において、制御部33は、吹出口2a〜2dのそれぞれの空調対象空間について、人体位置分布を生成する。続いて、制御部33は、吹出口2a〜2d毎に、ステップS105の判定を行い、判定結果にしたがって、ステップS111〜ステップS113のうち、いずれかの処理を行う。主に吹出口2cの場合の動作について、図20図22を参照して説明する。
【0078】
図20は、本発明の実施の形態4において、複数のエリアのうち、有人エリアが1つの場合を示す図である。図20に示す場合、制御部33は、ステップS105の結果、ステップS111の処理に進む。制御部33は、上下風向調節部4cの風向を上側または無人エリアに固定させ、左右風向調節部6の風向を無人エリアに向ける(ステップS111)。
【0079】
図20に示す例では、制御部33は、無人エリアx2およびx3のうち、左右風向調節部6の風向を無人エリアx3に向けている場合を示す。この場合、空気の吹出方向となるエリアx3と有人エリアx1との間に無人エリアx2があるので、有人エリアx1から離れたエリアx3に空気が送出される。その結果、エリアx1にいる使用者のドラフト感をより低減できる。
【0080】
このようにして、空気の吹出方向のうち、左右方向が無人エリアx3に固定され、上下方向が固定されることで、使用者に自動的に風を当てないようにすることができる。ステップS105の判定の結果、有人エリアの数が複数であり、かつ無人エリアがある場合についても、制御部33は、上下風向調節部4cの風向を上側または無人エリアに固定させ、左右風向調節部6の風向を無人エリアに向ける(ステップS112)。この場合、ステップS111の場合と同様な効果が得られる。
【0081】
制御部33は、吹出口2cにおける風向制御を行う際、吹出口2cと隣り合う吹出口2aおよび2dのそれぞれの空調対象空間における有人エリアを参照してもよい。この場合を、図21を参照して説明する。図21は、本発明の実施の形態4において、3つの吹出口のそれぞれについて、複数のエリアの有人エリアの有無をまとめて示した図である。図19に示すステップS103において、制御部33は、吹出口2a〜2dの人体位置分布を生成してメモリ35に記憶する。このときの人体位置分布が図21であるものとする。ただし、図21では、吹出口2bの人体位置分布を図に示すことを省略している。
【0082】
図21は、吹出口2aの空調対象空間について、エリアx3が有人エリアでエリアx1およびx2が無人エリアであることを示す。また、図21は、吹出口2cの空調対象空間について、エリアx2が有人エリアでエリアx1およびx3が無人エリアであることを示す。図21は、吹出口2dの空調対象空間について、エリアx2が有人エリアでエリアx1およびx3が無人エリアであることを示す。
【0083】
制御部33は、吹出口2cについて、ステップS105の判定の結果、有人エリアが1つと判定すると、上下風向調節部4cの風向を上側または無人エリアに固定させ、左右風向調節部6の風向を無人エリアに向ける(ステップS111)。ステップS111において、制御部33は、左右風向調節部6の風向を無人エリアに向ける際、エリアx1およびx3のうち、いずれかを選択することが考えられる。このとき、制御部33は、図21に示した人体位置分布を参照することで、吹出口2aのエリアx3が有人エリアであるのに対し、吹出口2dのエリアx1が無人エリアであることがわかる。吹出口2cの有人エリアx2と吹出口2aの有人エリアx3との間には無人エリアが1つしかないが、吹出口2cの有人エリアx2と吹出口2dの有人エリアx2との間には無人エリアが2つある。この場合、制御部33は、エリアx1およびx3のうち、左右風向調節部6の風向先としてエリアx3を選択する。
【0084】
このようにして、制御部33は、吹出口2cの風向制御を行う際、吹出口2cの人体位置分布だけでなく、隣り合う吹出口2aおよび2dの人体位置分布を基に、人のいる割合が最も低いエリアを空気の吹出方向に選択する。その結果、人のいる割合が最も低いエリアに室内機30から空気が送出され、使用者に風が直接に当たることを抑制できる。
【0085】
図22は、本発明の実施の形態4において、複数のエリアのうち、無人エリアがない場合を示す図である。図19に示すステップS105において、制御部33は、無人エリアがゼロと判定すると、ステップS113の処理に進む。制御部33は、上下風向調節部4cの風向を上側に固定させ、左右風向調節部6の風向をスイングさせる(ステップS113)。図22は、制御部33は、左右風向調節部6の風向をエリアx1〜x3の間でスイングさせる場合を示す。この場合、上下風向調節部4cの風向が上側なので、吹出口2cから送出する空気は天井を這うようにして流れるため、使用者に直接に風が当たることが抑制される。また、左右風向調節部6の風向がスイングしているため、空気の流れが分散され、1つのエリアに風が集中して当たることを防ぐことができる。
【0086】
図20図22を参照して説明したように、制御部33が、上下風向調節部4cの風向を上側または無人エリアに固定し、左右風向調節部6の風向を有人エリアから離れた無人エリアに向けることで、使用者に風が当たることを抑制することができる。
【0087】
本実施の形態4の空気調和機1の室内機30aは、制御部33が、上下風向調節部4a〜4dおよび左右風向調節部6を連動させて、空調対象空間の複数のエリアのうち、人体位置検出手段11が無人と検出したエリアに空気の吹出方向を向けるものである。
【0088】
本実施の形態4によれば、制御部33が空調対象空間の複数のエリアから無人エリアを特定し、無人エリアに対して、上下風向および左右風向の連動制御を行うことで、人のいないエリアに自動的に風を当てることができる。その結果、自動的に人に直接に風当てを行わないようにすることができる。また、空気調和機から直接に風が当たることを不快に感じる人は、ドラフト感が低減し、快適性が向上する。
【0089】
実施の形態5.
実施の形態3および4の空気調和機は、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6の連動制御に加えて、人体の位置を特定して、人に風を当てる、または人に風を当てない制御を行うものである。本実施の形態5の空気調和機は、空調対象空間の温度ムラを自動的に検知して、温度が均一で、温度ムラのない空調空間を提供するものである。
【0090】
本実施の形態5の空気調和機の構成を説明する。本実施の形態5では、実施の形態1〜3と同様な構成についての詳細な説明を省略し、実施の形態1〜3と異なる点を詳しく説明する。
【0091】
図23は、本発明の実施の形態5における空気調和機の室内機を下面側から見たときの平面図である。図23に示すように、室内機30bの下面31に、輻射温度検出手段12が設けられている。図23に示す室内機30bでは、下面31において、輻射温度検出手段12が温度検出手段5の対角の位置に設けられている。輻射温度検出手段12が設けられる位置は図13に示す位置に限定されない。制御部33は、輻射温度検出手段12と信号線で接続されている。本実施の形態5では、輻射温度検出手段12は赤外線センサである。
【0092】
本実施の形態5の室内機30bについても、図14を参照して説明したように、吹出口2a〜2dのそれぞれの空調対象空間が9つのエリアに分割されている。輻射温度検出手段12は、室内機30bに設定された基準位置からの距離および方位角で特定される位置毎に床の輻射温度を測定する。本実施の形態5では、輻射温度検出手段12は、図14に示すエリア毎に、複数箇所の輻射温度を測定する。輻射温度検出手段12は、制御部33から起動の指示を受け取ると、36のエリア単位で、複数箇所の輻射温度を測定する。輻射温度検出手段12は、測定対象のエリアと、測定対象のエリアで測定された複数箇所の輻射温度との情報を組にした輻射温度データを制御部33に出力する。
【0093】
制御部33は、輻射温度検出手段12から輻射温度データを受け取ると、輻射温度データと図14に示したエリアマップとを対比し、エリア毎に、輻射温度データに含まれる複数の輻射温度の平均値を算出する。制御部33は、各エリアの輻射温度について、算出した平均値をそのエリアの床温度とする。制御部33は、各エリアの床温度を図14に示したエリアマップに記述して床温度分布を生成する。
【0094】
制御部33は、空気調和機1の運転状態が暖房運転の場合、床温度分布を参照し、複数のエリアのうち、床温度が最も低いエリアに空気の吹出方向が向くように、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6を連動させて制御する。また、制御部33は、空気調和機1の運転状態が冷房運転の場合、床温度分布を参照し、複数のエリアのうち、床温度が最も高いエリアに空気の吹出方向が向くように、上下風向調節部4a〜4dおよび複数の左右風向調節部6を連動させて制御する。
【0095】
次に、本実施の形態5の空気調和機の動作を説明する。図24は、本発明の実施の形態5における空気調和機の室内機が行う風向制御の手順を示すフローチャートである。図25は、本発明の実施の形態5において、複数のエリアのうち、他のエリアの床温度と比べて床温度の低いエリアがある場合の一例を示す図である。図26は、本発明の実施の形態5において、複数のエリアのうち、他のエリアの床温度と比べて床温度の高いエリアがある場合の一例を示す図である。図25および図26では、説明を簡単にするために、y1〜y3にエリアを区切ることを省略している。
【0096】
図24に示すように、制御部33は、上下風向および左右風向について自動運転を設定する旨の指示が入力されると(ステップS101)、輻射温度検出手段12を起動する(ステップS121)。制御部33は、各エリアの輻射温度データを輻射温度検出手段12から収集すると、吹出口2a〜2dのそれぞれの空調対象空間について、床温度分布を生成する(ステップS122)。制御部33は、ステップS123〜ステップS126において、吹出口2a〜2d毎に、ステップS124の判定を行い、判定結果にしたがって、ステップS125およびステップS126のうち、いずれかの処理を行う。
【0097】
はじめに、空気調和機1の運転状態が暖房運転の場合において、吹出口2cについて室内機30bが行う風向制御を、図25を参照して説明する。図24に示すステップS124の判定で、制御部33は、空気調和機1の運転状態が暖房運転と判定すると、ステップS125に進む。ステップS125において、制御部33は、床温度分布を参照し、複数のエリアのうち、床温度が最も低いエリアに空気の吹出方向が向くように、上下風向調節部4cおよび左右風向調節部6を連動させて制御する。図25は、ドット模様で表示されたエリアx1が他のエリアx2およびx3に比べて温度が低いことを示している。
【0098】
図25に示す例の場合、ステップS125において、制御部33は、左右風向調節部6の風向をエリアx1に向け、上下風向調節部4cの風向をスイングさせる。ステップS125において、制御部33は、図14に示したy1〜y3のエリアについても、エリア単位で空気の吹出方向を制御する場合、上下風向調節部4cの風向を床温度の低いエリアに固定してもよい。
【0099】
空気調和機1の運転状態が暖房運転の場合、空気の吹出方向のうち、左右方向が床温度の最も低いエリアx1に固定され、上下方向が複数のエリアにスイングまたは床温度の最も低いエリアに固定される。その結果、床温度が最も低いエリアに、暖かい空気を優先的に当てることができる。
【0100】
次に、空気調和機1の運転状態が冷房運転の場合において、吹出口2aおよび2cについて室内機30bが行う室内機30bが行う風向制御を、図26を参照して説明する。図24に示す手順において、吹出口2aの場合(ステップS123)、ステップS124の判定で、制御部33は、空気調和機1の運転状態が冷房運転と判定すると、ステップS126に進む。ステップS126において、制御部33は、床温度分布を参照し、複数のエリアのうち、床温度が最も高いエリアに空気の吹出方向が向くように、上下風向調節部4aおよび左右風向調節部6を連動させて制御する。図26は、吹出口2aの複数のエリアのうち、ドット模様で表示されたエリアx3が他のエリアx1およびx2に比べて温度が高いことを示している。
【0101】
図26に示す例の場合、ステップS126において、制御部33は、左右風向調節部6の風向をエリアx3に向け、上下風向調節部4aの風向をスイングさせる。ステップS126において、制御部33は、図14に示したy1〜y3のエリアについても、エリア単位で空気の吹出方向を制御する場合、上下風向調節部4aの風向を床温度の高いエリアに固定してもよい。
【0102】
続いて、図24に示すステップS123において、吹出口2cの場合の風向制御を説明する。図26は、吹出口2cの複数のエリアのうち、ドット模様で表示されたエリアx1が他のエリアx2およびx3に比べて温度が高いことを示している。ステップS126において、制御部33は、左右風向調節部6の風向をエリアx3に向け、上下風向調節部4cの風向をスイングさせる。ステップS126において、制御部33は、図14に示したy1〜y3のエリアについても、エリア単位で空気の吹出方向を制御する場合、上下風向調節部4aの風向を床温度の高いエリアに固定してもよい。
【0103】
空気調和機1の運転状態が冷房運転の場合、空気の吹出方向のうち、左右方向が床温度の最も高いエリアに固定され、上下方向が複数のエリアにスイングまたは床温度の最も高いエリアに固定される。その結果、床温度が最も高いエリアに、冷たい空気を優先的に当てることができる。このようにして、空気調和機1の運転状態が暖房運転および冷房運転のいずれの場合であっても、自動的に温度ムラのある箇所を集中的に空調することができる。
【0104】
本実施の形態5の空気調和機1の室内機30bは、制御部33が、冷房運転の際、複数の床温度のうち、床温度が最も高いエリアに空気の吹出方向を向け、暖房運転の際、複数の床温度のうち、床温度が最も低いエリアに空気の吹出方向を向けるものである。
【0105】
本実施の形態5によれば、制御部33が空調対象空間の複数のエリアの床温度の温度ムラを検知し、床温度が相対的に最も異なるエリアに空気の吹出方向が向くように、上下風向および左右風向を連動して制御する。そのため、空調対象空間において、温度ムラをより早く低減し、温度を均一にすることができる。また、空気調和機1が、4つの吹出口2a〜2dのそれぞれに対して、上記制御と同様の制御を行うことで、部屋全体の温度をより早く均一にすることができる。さらに、空気調和機1は、暖房能力または冷房能力を高くする時間を短くすることができ、省エネルギー性を両立することができる。
【0106】
上述した実施の形態1〜5の空気調和機の構成および動作は一例であり、これらの実施の形態の構成および動作を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 空気調和機、2a〜2d 吹出口、3 吸込口、4a〜4d 上下風向調節部、5 温度検出手段、6 左右風向調節部、7 負荷側熱交換器、8 送風手段、10 湿度検出手段、11 人体位置検出手段、12 輻射温度検出手段、20 室外機、21 圧縮機、22 四方弁、23 熱源側熱交換器、24 膨張弁、25 冷媒回路、30、30a、30b 室内機、31 下面、32a 上部筐体、32b 下部筐体、33 制御部、35 メモリ、36 CPU、37、38 駆動部、41 上下ベーン、42 軸部、45 上側、46 中間、47 下側、51〜53、55〜58 矢印、61a、61b 左右ベーン、62 ヒンジ、63 軸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】