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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年12月27日
【発行日】2020年2月27日
(54)【発明の名称】車両用ドア制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/31 20130101AFI20200131BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20200131BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20200131BHJP
   B60R 1/074 20060101ALI20200131BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20200131BHJP
【FI】
   B60R25/31
   B60R25/24
   B60R11/02 A
   B60R1/074
   E05B49/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】特願2019-525234(P2019-525234)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年5月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-120550(P2017-120550)
(32)【優先日】2017年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】嘉永 幹彦
【テーマコード(参考)】
2E250
3D020
3D053
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
3D020BA13
3D020BB01
3D020BC19
3D020BD03
3D020BD08
3D053FF40
3D053GG06
3D053GG12
3D053MM22
3D053MM48
(57)【要約】
開閉可能なドアミラーに設けられ、携帯キーへ電波を送信するアンテナと、前記ドアミラーの開閉状態を検出するドアミラー状態検出部と、前記携帯キーが受信する前記電波に基づいて、前記アンテナと前記携帯キーとの距離に応じた指標値を取得する指標値取得部と、前記指標値と所定の閾値との関係に基づいて、車両状態を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ドアミラーの開閉状態に応じて、前記所定の閾値を変化させる、車両用ドア制御システムが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なドアミラーに設けられ、携帯キーへ電波を送信するアンテナと、
前記ドアミラーの開閉状態を検出するドアミラー状態検出部と、
前記携帯キーが受信する前記電波に基づいて、前記アンテナと前記携帯キーとの距離に応じた指標値を取得する指標値取得部と、
前記指標値と所定の閾値との関係に基づいて、車両状態を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ドアミラーの開閉状態に応じて、前記所定の閾値を変化させる、車両用ドア制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記指標値が前記所定の閾値以下である場合に、前記車両状態を第1状態から第2状態へと変化させ、
前記所定の閾値は、前記ドアミラーが開状態である場合の方が前記ドアミラーが閉状態である場合よりも大きい、請求項1に記載の車両用ドア制御システム。
【請求項3】
前記車両状態は、車両のドアロックに関する状態であり、前記第1状態は、ロック状態であり、前記第2状態は、アンロック状態である、請求項2に記載の車両用ドア制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用ドア制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドアミラーの開閉状態に応じて車載アンテナによるユーザ検知領域が有意に変化しないように、ドアミラーに設けられるアンテナを電波の指向方向を異ならせて2個配置する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−321471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術では、1つのドアミラーに設けられるアンテナ(以下、「ドアミラー内蔵アンテナ」と称する)が2個必要である。従って、上記のような従来技術では、簡易な構成で、ドアミラーの開閉状態に起因したドアミラー内蔵アンテナに係るユーザ検知領域の変化を、抑制することが難しい。
【0005】
そこで、1つの側面では、本発明は、簡易な構成で、ドアミラーの開閉状態に起因したドアミラー内蔵アンテナに係るユーザ検知領域の変化を、抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、開閉可能なドアミラーに設けられ、携帯キーへ電波を送信するアンテナと、
前記ドアミラーの開閉状態を検出するドアミラー状態検出部と、
前記携帯キーが受信する前記電波に基づいて、前記アンテナと前記携帯キーとの距離に応じた指標値を取得する指標値取得部と、
前記指標値と所定の閾値との関係に基づいて、車両状態を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ドアミラーの開閉状態に応じて、前記所定の閾値を変化させる、車両用ドア制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、本発明によれば、簡易な構成で、ドアミラーの開閉状態に起因したドアミラー内蔵アンテナに係るユーザ検知領域の変化を、抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例による車両用ドア制御システム1を示す構成図である。
図2】左ドアミラーアンテナ43の実装状態の説明図である。
図3】制御装置31のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】制御装置31の機能の一例を示す機能ブロック図である。
図5A】ドアミラーの閉状態での所定の閾値(ユーザ検知領域)の説明図である。
図5B】ドアミラーの開状態での所定の閾値(ユーザ検知領域)の説明図である。
図6】車両用ドア制御システム1の全体の動作の流れを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施例による車両用ドア制御システム1を示す構成図である。以下、前後、左右の各方向は、車両内の乗員にとっての方向を指す。
【0011】
車両用ドア制御システム1は、制御装置31と、右ドアミラー38に設けられる右ドアミラーアンテナ41と、左ドアミラー39に設けられる左ドアミラーアンテナ43とを含む。
【0012】
制御装置31には、ドアロック装置32及びエンジン始動装置33が接続されている。ドアロック装置32は、ドア内部に設けられるアクチュエータ(図示せず)を含み、制御装置31からの指令に応じてドアの施錠および解錠をそれぞれ実行する。エンジン始動装置33は、エンジン(図示せず)の始動および停止をそれぞれ制御する。
【0013】
制御装置31には、右ドアミラー38を駆動する右ミラー駆動モータ34と、左ドアミラー39を駆動する左ミラー駆動モータ35が接続されている。右ミラー駆動モータ34及び左ミラー駆動モータ35は、制御装置31からの指令に応じて右ドアミラー38及び左ドアミラー39をそれぞれ開閉駆動する。
【0014】
制御装置31には、第1送信回路40を介して右ドアミラーアンテナ41が、第2送信回路42を介して左ドアミラーアンテナ43がそれぞれ接続されている。また、制御装置31には、受信回路44を介して受信アンテナ45が接続されている。右ドアミラーアンテナ41は右ドアミラー38に、左ドアミラーアンテナ43は左ドアミラー39にそれぞれ内蔵されている。右ドアミラーアンテナ41及び左ドアミラーアンテナ43は、例えばフェライトなどの磁性体からなるコアに電線(コイル)が巻回されてなるバーアンテナであってよい。
【0015】
第1及び第2送信回路40,42は、それぞれ制御装置31からの指令に基づき、LF(Low Frequency)帯の無線信号である応答要求信号Rw1を、車内や車外のドア周辺領域を含む所定のユーザ検知領域を内包する所定領域に向けて送信する。応答要求信号Rw1はユーザに所持される携帯機46に対して応答を要求する旨の指令信号である。応答要求信号Rw1が送信されることにより、所定領域が、応答要求信号Rw1の受信エリア、すなわち車両と携帯機46との通信エリアとして機能する。
【0016】
受信回路44は、受信アンテナ45を介して無線信号を受信する。ここでの無線信号とは、車両からの応答要求信号Rw1に対して携帯機46から送信される応答信号Rw2をいう。応答信号Rw2には、携帯機46に固有の識別情報と、携帯機46で算出された応答要求信号Rw1の受信強度情報とが含まれる。
【0017】
制御装置31の記憶装置(図示せず)には、自車両に対応する正規の携帯機46の識別情報が記憶されている。制御装置31は、受信回路44を通じて応答信号Rw2に含まれる携帯機46の識別情報を取得する。制御装置31は、携帯機46の識別情報と記憶装置に記憶された識別情報とを照合を通じて携帯機46の正当性を判定する。制御装置31は、受信された応答信号Rw2に含まれる受信強度情報に基づき、車外の所定のユーザ検知領域内に正当な携帯機46が位置する場合には、ドアロック装置32を通じてドアの解錠を実行または許可する。所定のユーザ検知領域、及び、制御装置31の他の機能については、後に説明する。
【0018】
携帯機46は、携帯型のキー(即ち携帯キー)である。携帯機46は、応答要求信号Rw1を受信すると、応答要求信号Rw1の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を算出する。そして、携帯機46は、算出した受信強度に応じた受信強度情報と、識別情報とを含む応答信号Rw2を外部に送信する。
【0019】
図2は、左ドアミラーアンテナ43の実装状態の説明図である。図2では、代表として、左ドアミラーアンテナ43の実装状態を示すが、右ドアミラーアンテナ41についても同様である。
【0020】
左ドアミラーアンテナ43は、図2にて点線で示すように、左ドアミラー39に内蔵される。本実施例では、一例として、左ドアミラーアンテナ43は、左ドアミラー39の前側(ミラーが実装される側とは逆側)に内蔵される。左ドアミラーアンテナ43は、例えば樹脂部材のような、電波の透過性が高い材料により覆われてよい。
【0021】
図3は、制御装置31のハードウェア構成の一例を示す図である。図3には、制御装置31のハードウェア構成に関連付けて、周辺機器8が模式的に図示されている。周辺機器8は、図1に示すような、ドアロック装置32や、エンジン始動装置33、右ミラー駆動モータ34、左ミラー駆動モータ35等を含む。
【0022】
制御装置31は、バス79で接続されたCPU(Central Processing Unit)71、RAM(Random Access Memory)72、ROM(Read Only Memory)73、補助記憶装置74、及び通信インターフェース77、並びに、通信インターフェース77に接続された有線送受信部85及び無線送受信部86を含む。
【0023】
補助記憶装置74は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
有線送受信部85は、有線ネットワークを利用して通信可能な送受信部を含む。有線ネットワークは、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)、イーサネット(登録商標)(Ethernet)等であってよい。有線送受信部85には、周辺機器8が接続される。但し、周辺機器8の一部又は全部は、バス79に接続されてもよいし、無線送受信部86に接続されてもよい。b
【0024】
無線送受信部86は、無線ネットワークを利用して通信可能な送受信部である。無線ネットワークは、携帯電話の無線通信網、インターネット、World Wide Web、VPN(virtual private network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでよい。また、無線送受信部86は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)部、ブルーツース(Bluetooth(登録商標))通信部、Wi−Fi(Wireless-Fidelity)送受信部、赤外線送受信部などを含んでもよい。
【0025】
図4は、制御装置31の機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0026】
制御装置31は、ドアミラー状態検出部110と、指標値取得部112と、制御部114とを含む。ドアミラー状態検出部110、指標値取得部112、及び制御部114は、CPU71が記憶装置(例えばROM73)内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。
【0027】
ドアミラー状態検出部110は、右ドアミラー38及び左ドアミラー39の開閉状態を検出する。尚、右ドアミラー38及び左ドアミラー39は、基本的に、同期した態様で開閉状態となる(即ち一方が開状態となれば、他方も開状態となる)。右ドアミラー38及び左ドアミラー39の開閉状態は、右ドアミラー38及び左ドアミラー39に対する制御情報に基づいて検出できる。変形例では、右ドアミラー38及び左ドアミラー39の開閉状態は、センサを用いて検出されてもよい。以下、ドアミラーとは、特に言及しない限り、右ドアミラー38及び左ドアミラー39のうちの一方を指す。
【0028】
指標値取得部112は、応答信号Rw2に含まれる受信強度情報に基づき、ドアミラーと携帯機46との距離に応じた指標値を算出する。ドアミラーと携帯機46との距離に応じた指標値とは、ドアミラーと携帯機46との距離自体であってもよいし、同距離と相関する任意のパラメータであってもよい。本実施例では、一例として、指標値取得部112は、応答信号Rw2に含まれる受信強度情報が表す受信強度を、指標値として算出(取得)する。
【0029】
制御部114は、指標値と所定の閾値との関係に基づいて、車両状態を制御する。車両を制御することは、ドアロックの状態を変化させることや、所定のユーザ入力に応答してドアロックの状態を変化させることを許可するか否かの状態を変化させること、所定のユーザ入力に応答してエンジンの始動を許可するか否かの状態を変化させること等を含んでよい。
【0030】
例えば、制御部114は、指標値が所定の閾値以下である場合に、車両状態を第1状態から第2状態へと変化させる。本実施例では、一例として、車両状態は、車両のドアロックに関する状態であり、第1状態は、ロック状態であり、第2状態は、アンロック状態である。従って、制御部114は、指標値が所定の閾値以下である場合に、ロック状態からアンロック状態へと変化させる。尚、制御部114は、指標値が所定の閾値以下である場合に、常に、ロック状態からアンロック状態へと変化させるものでなくてよく、指標値が所定の閾値以下でありかつ他の条件が成立した場合に、ロック状態からアンロック状態へと変化させてよい。
【0031】
制御部114は、ドアミラーの開閉状態に応じて、所定の閾値を変化させる。具体的には、所定の閾値は、ドアミラーが開状態である場合の方がドアミラーが閉状態である場合よりも大きい。
【0032】
図5A及び図5Bは、ドアミラーの開閉状態に応じた所定の閾値の説明図である。図5A及び図5Bでは、代表として、右ドアミラーアンテナ41に関する所定の閾値を説明するが、左ドアミラーアンテナ43についても、左右対称で実質的に同様である。尚、図5A及び図5Bでは、上面視で、所定の閾値で規定される所定のユーザ検知領域が、右ドアミラーアンテナ41を中心とした円形で示されている。
【0033】
図5Aには、ドアミラーが閉状態であるときの所定のユーザ検知領域S1が示される。上述のように、所定のユーザ検知領域とは、当該エリア内に正当な携帯機46が位置する場合にドアの解錠が実行または許可されるエリアである。ドアミラーが閉状態であるときの所定のユーザ検知領域S1は、所定の閾値=Th1で規定される。従って、ドアミラーが閉状態であるときの所定のユーザ検知領域S1は、平面視で、実質的に、右ドアミラーアンテナ41を中心とした半径Th1の円内に画成される。
【0034】
図5Bには、ドアミラーが開状態であるときの所定のユーザ検知領域S2が実線(太線)で示される。ドアミラーが開状態であるときの所定のユーザ検知領域S2は、所定の閾値=Th2(>Th1)で規定される。また、図5Bには、参考用として、ドアミラーが開状態であるときの右ドアミラーアンテナ41から距離Th1の範囲S1'が点線で示され、ドアミラーが閉状態であるときの所定のユーザ検知領域S1が一点鎖線で示される。
【0035】
ここで、右ドアミラーアンテナ41は、上述のように右ドアミラー38に設けられるので、右ドアミラー38の開閉状態に応じて、右ドアミラーアンテナ41自体の空間的な位置が変化する。このため、図5A及び図5Bに示すように、右ドアミラーアンテナ41から距離Th1の範囲は、右ドアミラー38の開閉状態に応じて異なる。具体的には、ドアミラーが開状態であるとき、右ドアミラーアンテナ41から距離Th1の範囲S1'は、右ドアミラーアンテナ41の回動に伴い、所定のユーザ検知領域S1から変化するので、所定のユーザ検知領域S1とは同一でなくなる。ドアミラーが開状態であるときの右ドアミラーアンテナ41から距離Th1の範囲S1'は、実質的に、所定のユーザ検知領域S1よりも前方に移動する。従って、所定のユーザ検知領域S1と範囲S1'との差分領域R1(後方側の差分領域R1)が発生する。
【0036】
従って、ドアミラーの開閉状態とは無関係に、ユーザ検知領域をドアミラーアンテナからの一定距離で定める比較例では、かかる差分領域R1に起因して、ドアミラーの開閉状態に応じてユーザ検知領域が有意に変化してしまうという不都合が生じる。即ち、ドアミラーの閉状態ではユーザ検知領域であった領域(即ち差分領域R1)が、ドアミラーの開状態では、ユーザ検知領域とならない。このように、ドアミラーの開閉状態に応じてユーザ検知領域が有意に変化すると、ドアミラーの開状態において、ユーザが通常の態様で車両に近づいてもドアの解錠が実行または許可されず、ユーザに違和感を与える虞がある。
【0037】
この点、本実施例によれば、ドアミラーが開状態であるときの所定のユーザ検知領域S2は、所定の閾値=Th2(>Th1)で規定される。Th2はTh1よりも大きいので、所定のユーザ検知領域S2は、図5Bに示すように、差分領域R1をカバーできる。このため、本実施例によれば、ドアミラーの開閉状態に応じてユーザ検知領域が有意に変化せず、上述した比較例で生じる不都合を低減できる。尚、Th2は、Th1よりも有意に大きい値であれば任意であるが、例えば、図5Bに示すように、ユーザ検知領域S2によってユーザ検知領域S1がちょうどカバーされるように設定されてもよい。
【0038】
次に、図6を参照して、車両用ドア制御システム1の動作例について説明する。以下では、施錠や解錠の対象となるドアは、前席用のドアだけであってもよいし、前席用のドア及び後席用のドアの双方を含んでもよい。
【0039】
図6は、車両用ドア制御システム1の全体の動作の流れを概略的に示すフローチャートである。
【0040】
ステップS600では、駐車状態において、携帯機46を検索する要求(以下、「携帯機検索要求」と称する)が発生する。携帯機検索要求は、例えばドアアウタハンドルに設けられるタッチセンサ(図示せず)が物体の接触を検知した場合に発生する。或いは、携帯機検索要求は、定期的に発生してもよい。或いは、携帯機検索要求は、所定の起動入力(例えばエンジンスタートスイッチの操作)が検出された場合に発生してもよい。或いは、携帯機検索要求は、ドアが開錠され、ドアの開閉が検出された場合に発生してもよい。尚、ドアの開閉は、ドアスイッチ(カーテシスイッチ)(図示せず)の状態の変化に基づいて検出できる。
【0041】
ステップS602では、制御装置31は、第1及び第2送信回路40,42を介して、応答要求信号Rw1を所定領域へ向けて送信する。
【0042】
ステップS604では、所定領域内に位置する携帯機46は、応答要求信号Rw1を受信する。
【0043】
ステップS606では、携帯機46は、応答要求信号Rw1の受信強度を算出し、算出した受信強度に応じた受信強度情報を含む応答信号Rw2を生成する。
【0044】
ステップS608では、携帯機46は、受信強度情報を含む応答信号Rw2を、外部に送信する。
【0045】
ステップS610では、制御装置31の指標値取得部112は、受信回路44を介して受信した応答信号Rw2に含まれる受信強度情報に基づき、指標値(ドアミラーと携帯機46との距離に応じた指標値)を算出する。
【0046】
ステップS612では、制御装置31のドアミラー状態検出部110は、ドアミラーが開状態であるか否かを判定する。ドアミラーが開状態である場合は、ステップS614に進み、ドアミラーが閉状態である場合は、ステップS616に進む。
【0047】
ステップS614では、制御装置31の制御部114は、ドアミラーが開状態であるときの所定の閾値(=Th2)を選択する。
【0048】
ステップS616では、制御装置31の制御部114は、ドアミラーが閉状態であるときの所定の閾値(=Th1)を選択する。
【0049】
ステップS618では、制御装置31の制御部114は、携帯機46が車内にあるか否かを判定する。例えば、制御部114は、第1及び第2送信回路40,42の少なくともいずれかからの応答信号Rw2に係る指標値が、ステップS614又はステップS616で選択した所定の閾値以下であり、かつ、車内アンテナ(図示せず)で携帯機46からの応答信号を受信した場合は、携帯機46が車内にあると判定してもよい。携帯機46が車内にあると判定した場合は、ステップS620に進み、携帯機46が車内に無いと判定した場合は、ステップS624に進む。
【0050】
ステップS620では、制御装置31の制御部114は、携帯機車内検知フラグを"1"にセットする。携帯機車内検知フラグが"1"であることは、車内に携帯機46が位置する状態が検出されていることを表す。
【0051】
携帯機車内検知フラグが"1"でありかつエンジンが停止中である場合は、制御装置31の制御部114は、エンジン始動装置33を通じてエンジンの始動を許可する。例えば、制御装置31の制御部114は、ステップS600で携帯機検索要求を発生させた所定の起動入力(例えばエンジンスタートスイッチの操作)に応答してエンジンを始動させる。尚、エンジンを搭載しない車両の場合は、主電源スイッチをオンすることを許可する。主電源スイッチは、バッテリ(図示せず)と車両駆動モータ(図示せず)とを電気的に導通させる際にオンするスイッチである。尚、エンジンの始動や、主電源スイッチをオンすることは、車両の起動の一例である。
【0052】
また、携帯機車内検知フラグが"1"でありかつエンジンが停止中である場合は、制御装置31の制御部114は、所定のユーザ入力(例えばドアアウタハンドルへのタッチ操作)に応答するドアの施錠を禁止する。この場合、制御装置31の制御部114は、所定のドアロック入力(例えばドアアウタハンドルのドアロックスイッチへの操作)があった場合でも、ドアの施錠を禁止する。これにより、携帯機46の車内に忘れた状態でのドアの施錠(即ち携帯機46の閉じ込め)が抑制される。
【0053】
ステップS624では、制御装置31の制御部114は、携帯機車内検知フラグを"0"にセットする。携帯機車内検知フラグが"0"であることは、車内に携帯機46が位置する状態が検出されていないことを表す。この場合、エンジンの始動は許可されない(即ちエンジンの始動は禁止状態のままである)。具体的には、携帯機車内検知フラグが"0"である場合は、制御装置31の制御部114は、エンジンの始動を禁止する。また、エンジンを搭載しない車両の場合は、主電源スイッチをオンすることが許可されない。
【0054】
ステップS626では、制御装置31の制御部114は、ステップS610で得た指標値が、ステップS614又はステップS616で選択した所定の閾値以下であるか否かを判定する。ステップS610で得た指標値が所定の閾値以下である場合は、ステップS628に進み、それ以外の場合は、ステップS630に進む。
【0055】
ステップS628では、制御装置31の制御部114は、携帯機車外検知フラグを"1"にセットする。携帯機車外検知フラグが"1"であることは、所定のユーザ検知領域(ユーザ検知領域S1又はS2)内かつ車外に携帯機46が位置する状態が検出されていることを表す。
【0056】
ステップS630では、制御装置31の制御部114は、携帯機車外検知フラグを"0"にセットする。携帯機車外検知フラグが"0"であることは、所定のユーザ検知領域(ユーザ検知領域S1及びS2)内に携帯機46が位置する状態が検出されていないことを表す。
【0057】
携帯機車外検知フラグが"1"でありかつドアが施錠状態である場合は、制御部114は、ドアの解錠を実行または許可する。例えば、制御装置31の制御部114は、ステップS600で携帯機検索要求を発生させた所定のユーザ入力(例えばドアアウタハンドルへのタッチ操作)に応じてドアの解錠を実行する。他方、携帯機車外検知フラグが"0"でありかつドアが施錠状態である場合は、制御部114は、ドアの解錠を実行しない。このようにして、制御部114は、携帯機車外検知フラグが"1"であるときは、ドアの解錠を実行または許可し、携帯機車外検知フラグが"0"であるときは、ドアの解錠を禁止する(即ち施錠状態を維持する)。
【0058】
また、携帯機車外検知フラグが"1"でありかつドアが解錠状態である場合は、制御部114は、ドアの施錠を実行または許可する。この場合、制御装置31の制御部114は、所定のドアロック入力(例えばドアアウタハンドルのドアロックスイッチへの操作)があった場合、ドアを施錠する。また、携帯機車外検知フラグが"0"でありかつドアが解錠状態である場合は、制御部114は、ドアの施錠を禁止する。この場合、制御装置31の制御部114は、所定のドアロック入力(例えばドアアウタハンドルのドアロックスイッチへの操作)があった場合でも、ドアの施錠を禁止する。このようにして、制御部114は、携帯機車外検知フラグが"1"であるときは、所定のドアロック入力に応じたドアの施錠を実行し、携帯機車外検知フラグが"0"であるときは、所定のドアロック入力に応じたドアの施錠を禁止する(即ち解錠状態を維持する)。
【0059】
図6に示す動作例によれば、ドアミラーが開状態であるか否かに応じて、所定の閾値が変更されるので、ドアミラーの開閉状態に応じて適切なユーザ検知領域を設定できる。これにより、上述の通り、ドアミラーが開状態であるか否かに関係なく、ドアへの携帯機46の接近や車内の携帯機46の有無を精度良く検出できる。
【0060】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0061】
本国際出願は2017年6月20日に出願された日本国特許出願2017−120550号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。
【符号の説明】
【0062】
1 車両用ドア制御システム
8 周辺機器
31 制御装置
32 ドアロック装置
33 エンジン始動装置
34 右ミラー駆動モータ
35 左ミラー駆動モータ
38 右ドアミラー
39 左ドアミラー
40 第1送信回路
41 右ドアミラーアンテナ
42 第2送信回路
43 左ドアミラーアンテナ
44 受信回路
45 受信アンテナ
46 携帯機
74 補助記憶装置
77 通信インターフェース
85 有線送受信部
86 無線送受信部
110 ドアミラー状態検出部
112 指標値取得部
114 制御部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】