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再表2018-92370固体電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年5月24日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】固体電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0562 20100101AFI20191115BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20191115BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20191115BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20191115BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20191115BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   H01M10/0562
   H01M10/0585
   H01M4/13
   H01M4/62 Z
   H01M2/30 B
   H01M4/66 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
【出願番号】特願2018-551034(P2018-551034)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年8月18日
(31)【優先権主張番号】特願2016-223542(P2016-223542)
(32)【優先日】2016年11月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】清水 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 友裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正光
(72)【発明者】
【氏名】青木 則之
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 正浩
【テーマコード(参考)】
5H017
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA04
5H017AS02
5H017BB12
5H017HH01
5H017HH04
5H017HH08
5H017HH10
5H029AJ01
5H029AJ02
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AK05
5H029AK16
5H029AL01
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM12
5H029BJ03
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029BJ13
5H029DJ05
5H029DJ08
5H029DJ09
5H029EJ06
5H029EJ08
5H029HJ07
5H029HJ14
5H029HJ20
5H043AA12
5H043AA13
5H043AA15
5H043BA20
5H043CA08
5H043CA13
5H043EA01
5H043KA14E
5H050AA02
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA05
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA11
5H050CA20
5H050CA25
5H050CA26
5H050CB01
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB12
5H050DA13
5H050EA14
5H050FA04
5H050HA07
5H050HA14
5H050HA17
(57)【要約】
優れた電池特性や優れた信頼性を有する固体電池を提供すること。
正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、正極層、負極層、集電層、固体電解質層及び絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池。
【請求項2】
少なくとも前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層に含まれる前記500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有する、請求項1に記載の固体電池。
【請求項3】
保護層を更に備え、
該保護層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、請求項1に記載の固体電池。
【請求項4】
端子層を更に備え、
該端子層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、請求項1に記載の固体電池。
【請求項5】
正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該固体電解質層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料から構成され、
該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層が、該500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、
該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池。
【請求項6】
少なくとも前記正極層及び前記負極層に含まれる前記500℃以下にガラス転移点を有する材料、並びに前記固体電解質層を構成する前記500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有する、請求項5に記載の固体電池。
【請求項7】
保護層を更に備え、
該保護層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、請求項5に記載の固体電池。
【請求項8】
端子層を更に備え、
該端子層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、請求項5に記載の固体電池。
【請求項9】
請求項1に記載の固体電池と、
該固体電池の使用状態を制御する制御部と、
該制御部の指示に応じて該固体電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パック。
【請求項10】
請求項1に記載の固体電池と、
該固体電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、
該駆動力に応じて駆動する駆動部と
車両制御装置と、を備える、車両。
【請求項11】
請求項1に記載の固体電池を有する蓄電装置と、
該固体電池から電力が供給される電力消費装置と、
該固体電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、
該固体電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システム。
【請求項12】
請求項1に記載の固体電池と、
該固体電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具。
【請求項13】
請求項1に記載の固体電池を備え、
該固体電池から電力の供給を受ける電子機器。
【請求項14】
請求項5に記載の固体電池と、
該固体電池の使用状態を制御する制御部と、
該制御部の指示に応じて該固体電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パック。
【請求項15】
請求項5に記載の固体電池と、
該固体電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、
該駆動力に応じて駆動する駆動部と
車両制御装置と、を備える、車両。
【請求項16】
請求項5に記載の固体電池を有する蓄電装置と、
該固体電池から電力が供給される電力消費装置と、
該固体電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、
該固体電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システム。
【請求項17】
請求項5に記載の固体電池と、
該固体電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具。
【請求項18】
請求項5に記載の固体電池を備え、
該固体電池から電力の供給を受ける電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は固体電池に関する。より詳しくは、本技術は、固体電池、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(パーソナルコンピュータ)や携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、電池の需要が急速に拡大している。また、電気自動車などの普及も加速化し、ますます電池のニーズが高まっている。その中で、電解質を液体系から固体系に代えた固体電池の研究・開発が盛んに行われている。
【0003】
例えば、電解質グリーンシート及び正極グリーンシートを重ねて積層体を作製する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を含むリチウムイオン二次電池の製造方法において、前記電解質グリーンシート及び前記正極グリーンシートの少なくとも一方は、前記焼成工程においてリチウムイオン伝導性の結晶が析出する非晶質の酸化物ガラス粉末を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法が提案されている(特許文献1を参照)。
【0004】
また、例えば、少なくとも正極層と、固体電解質層と、負極層とが積層されて構成された全固体電池であって、前記正極層は、特定の結晶面がリチウムイオンの伝導方向に配向した正極活物質のみで構成され、前記負極層は、炭素質材料で構成され、前記負極層の体積中、70%以上が前記炭素質材料で占められていることを特徴とする全固体電池が提案されている(特許文献2を参照)。
【0005】
さらに、例えば、少なくとも正極活物質層を有する正極活物質層含有体の製造方法であって、正極活物質および固体電解質材料を含有し、前記正極活物質および前記固体電解質材料の合計に対する前記正極活物質の割合が50体積%より大きく、前記固体電解質材料に対する前記正極活物質の平均粒径比が、0.9以上である正極活物質層形成用材料を調製する調製工程と、前記固体電解質材料の軟化点以上の温度で、前記正極活物質層形成用材料を加熱プレスして正極活物質層含有体を形成する正極活物質層含有体形成工程と、を有することを特徴とする正極活物質層含有体の製造方法が提案されている(特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−206090号公報
【特許文献2】特開2015−32355号公報
【特許文献3】特開2013−196968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、当該技術分野では、特許文献1〜3で提案された技術による固体電池よりも、更に、電池特性及び信頼性を向上させた固体電池が望まれているのが現状である。
【0008】
そこで、本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、優れた電池特性や優れた信頼性を有する固体電池、並びにその固体電池を備える電池パック、車両、蓄電システム、電動工具及び電子機器を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、固体電池を構成する要素(例えば、正極層、負極層、集電層、固体電解質層、絶縁層等)中の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量に着目することによって、驚くべきことに、電池特性や信頼性を飛躍的に向上させることに成功し、本技術を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本技術では、正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池を提供する。
【0011】
また、本技術では、正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該固体電解質層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料から構成され、
該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層が、該500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、
該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池を提供する。
【0012】
本技術に係る固体電池において、少なくとも前記正極層及び前記負極層に含まれる前記500℃以下にガラス転移点を有する材料、並びに前記固体電解質層を構成する前記500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有してよい。
【0013】
本技術に係る固体電池は保護層を更に備えてよく、
該保護層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含んでよい。
本技術に係る固体電池は端子層を更に備えてよく、
該端子層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含んでよい。
【0014】
さらに、本技術では、本技術に係る固体電池と、該固体電池の使用状態を制御する制御部と、
該制御部の指示に応じて該固体電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パックを提供し、
本技術に係る固体電池と、該固体電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、該駆動力に応じて駆動する駆動部と、車両制御装置と、を備える、車両を提供し、
本技術に係る固体電池を有する蓄電装置と、該固体電池から電力が供給される電力消費装置と、該固体電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、該固体電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システムを提供し、
本技術に係る固体電池と、該固体電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具を提供し、
本技術に係る固体電池を備え、該固体電池から電力の供給を受ける電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本技術によれば、電池特性や信頼性を向上させることができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果、または、それらと異質な効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本技術に係る固体電池の例の構成を表す図である。
図2】本技術に係る固体電池の適用例(電池パック)の構成を表すブロック図である。
図3】本技術に係る固体電池の適用例(車両)の構成を表すブロック図である。
図4】本技術に係る固体電池の適用例(蓄電システム)の構成を表すブロック図である。
図5】本技術に係る固体電池の適用例(電動工具)の構成を表すブロック図である。
図6】本技術に係る固体電池の適用例(電子機器)の構成を表すブロック図である。
図7】本技術に係る固体電池の応用例1(プリント回路基板)の構成を表す図である。
図8】本技術に係る固体電池の応用例2(ユニバーサルクレジットカード)の構成の一例を表す図である。
図9】本技術に係る固体電池の応用例3(リストバンド型活動量計)の構成の一例を表す図である。
図10】本技術に係る固体電池の応用例3(リストバンド型活動量計)の構成の一例を表す図である。
図11】本技術に係る固体電池の応用例3(リストバンド型電子機器)の構成を表す図である。
図12】本技術に係る固体電池の応用例4(スマートウオッチ)の構成を表す分解斜視図である。
図13】本技術に係る固体電池の応用例4(バンド型電子機器)の内部構成の一部を表す図である。
図14】本技術に係る固体電池の応用例4(バンド型電子機器)の回路構成を示すブロック図である。
図15】本技術に係る固体電池の応用例5(眼鏡型端末)の構成の具体例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行う。
1.本技術の概要
2.第1の実施形態(固体電池の例)
2−1.固体電池
2−2.500℃以下にガラス転移点を有する材料
2−3.固体電解質層
2−4.正極層
2−5.負極層
2−6.集電層
2−7.絶縁層
2−8.保護層
2−9.端子層
2−10.固体電池の製造方法
3.第2の実施形態(固体電池の変形例)
3−1.固体電池
4.固体電池の用途
4−1.固体電池の用途の概要
4−2.第3の実施形態(電池パックの例)
4−3.第4の実施形態(車両の例)
4−4.第5の実施形態(蓄電システムの例)
4−5.第6の実施形態(電動工具の例)
4−6.第7の実施形態(電子機器の例)
【0019】
<1.本技術の概要>
まず、本技術の概要について説明をする。
酸化物を固体電池材料として用いる固体電池は多くの場合、各構成要素(例えば、固体電解質層、正極層、負極層、集電層、絶縁層等)からなる積層構造を形成したのち、一括して焼結することで電池を作製している。このように異なる材料からなる積層体を一括焼結する際、焼結には主にガラスからなる結着材料をガラス転移温度以上に加熱・軟化させて電池全体として結着させる。そのため、電池の各構成要素におけるガラス成分の構成比は重要である。また、各構成要素中の体積比率、特に各電極中の活物質比率などが検討されている技術がある。電池として高容量を実現するためには、電極中の活物質比率をできる限り大きくする必要があり、負極中の炭素比率を50vol%以上にすることがあり、また、正極活物質の割合を50vol%以上とすることがある。
【0020】
このように、各電極層における活物質の比率は検討されているが、一体焼結型の電池においては、各構成要素からなる電池を一度に焼結するため、各構成要素における、ガラス成分の割合が異なると、焼結時に各構成要素の熱膨張などが大きく異なってしまうため、焼結後に電池の割れ、そりなどが生じてしまうことがある。
【0021】
以上のような状況下で、本技術は、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果の末になされたものである。本技術は、一体焼結される電池の各構成要素中に占める、500℃以下にガラス転移点を有する材料の成分の体積比率の差異を所定の割合以下にすることにより、焼結時における各構成要素の、膨張収縮や流動性などの挙動の差異を小さくすることができる。これにより、一体焼結後における、ひび、割れ、そり、内部ショートといった電池特性や信頼性に悪影響を及ぼす電池の変形や破損を抑制することができる。
【0022】
<2.第1の実施形態(固体電池の例)>
[2−1.固体電池]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、正極層、負極層、集電層、固体電解質層及び絶縁層のそれぞれの層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、正極層、負極層、集電層、固体電解質層及び絶縁層のそれぞれの層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池である。
【0023】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池によれば、優れた電池特性や優れた信頼性の効果が奏され、また、優れた電池特性と優れた信頼性との両方の効果が奏されて、優れた電池特性と優れた信頼性との効果を両立することができる。具体的には、本技術に係る第1の実施形態の固体電池によれば、ひび、割れ、そり、内部ショート等といった電池特性や信頼性に悪影響を及ぼす電池の変形や破損を抑制することができる。
【0024】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池において、500℃以下にガラス転移点を有する材料は、正極層、負極層、集電層、固体電解質層及び絶縁層のそれぞれの層に、10vol%以上60vol%以下で含まれるが、10vol%以上50vol%以下で含まれることが好ましい。
【0025】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池において、正極層、負極層、集電層、固体電解質層及び絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下であるが、20vol%以下であることが好ましく、10vol%以下であることがより好ましい。
【0026】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池において、少なくとも正極層、負極層及び固体電解質層に含まれる500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有することが好ましい。10−7S/cm以上のイオン伝導度を有することにより室温での電池動作が可能になる。ところで、さらに、集電層及び絶縁層、並びに後述する保護層及び端子層の少なくとも1つの層に含まれる500℃以下にガラス転移点を有する材料も、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有してよい。
【0027】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、例えば、固体電解質層が、正極層と負極層との間に設けられて、集電層が正極層と負極層との外側に設けられて、そして、2つの集電層のそれぞれの外側に絶縁層が設けられる。そして、絶縁層は、固体電解質層と正極層との間及び/又は固体電解質層と負極層との間に更に設けられてもよい。
【0028】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、いわゆる全固体電池でよく、電極反応物質であるリチウム(Li)の授受により電池容量が繰り返して得られる二次電池でよい。本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、例えば、リチウムイオンの吸蔵放出により負極の容量が得られるリチウムイオン二次電池が挙げられる。
【0029】
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、例えば、充電時において、正極層から放出されたリチウムイオンが固体電解質層を介して負極層に取り込まれると共に、放電時において、負極層から放出されたリチウムイオンが固体電解質層を介して正極層に取り込まれる。
【0030】
上述のとおり、電極反応物質としてリチウムを用いることを説明したが、本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、リチウムを用いることに限定されず、電極反応物質として、例えば、ナトリウム(Na)もしくはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)もしくはカルシウム(Mg)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウム(Al)もしくは銀(Ag)などのその他の金属を、本技術に係る第1の実施形態の固体電池に適用してもよい。
【0031】
[2−2.500℃以下にガラス転移点を有する材料]
500℃以下にガラス転移点を有する材料は、いわゆる低融性ガラス材料である。当該材料は、500℃以下にガラス転移点を有するが、300℃〜500℃にガラス転移点を有することが好ましい。
【0032】
また、500℃以下にガラス転移点を有する材料は、Li(リチウム)、Si(ケイ素)およびB(ホウ素)を含むリチウムイオン伝導性酸化物結晶化ガラスであることが好ましく、また、Li(リチウム)、Si(ケイ素)およびB(ホウ素)から選ばれる少なくとも1つを含むリチウムイオン伝導性酸化物結晶化ガラスであることも好ましい。
【0033】
さらに、500℃以下にガラス転移点を有する材料は、リチウム(Li)、ケイ素(Si)およびホウ素(B)を含む酸化物を含んでいることが好ましい。より具体的には、500℃以下にガラス転移点を有する材料は、LiO、SiOおよびBを含んでいる。LiO、SiOおよびBの総量に対するLiOの含有量は、40mol%以上73mol%以下であることが好ましい。LiO、SiOおよびBの総量に対するSiOの含有量は、8mol%以上40mol%以下であることが好ましい。LiO、SiOおよびBの総量に対するBの含有量は、10mol%以上50mol%以下であることが好ましい。またさらに、500℃以下にガラス転移点を有する材料は、リチウム(Li)を含む酸化物(例えば、LiO)、ケイ素(Si)を含む酸化物(例えば、SiO)およびホウ素(B)を含む酸化物(例えば、B)から選ばれる少なくとも1つの酸化物を含んでいることも好ましい。なお、これらの含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)などを用いて測定することが可能である。
【0034】
500℃以下にガラス転移点を有する材料は、好適には、酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35)や酸化物ガラス(Bi・B)が用いられる。
【0035】
500℃以下にガラス転移点を有する材料は、必要に応じて添加元素をさらに含んでいてもよい。添加元素としては、例えば、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、P(リン)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)、Se(セレン)、Rb(ルビジウム)、S(硫黄)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Ag(銀)、In(インジウム)、Sn(スズ)、Sb(アンチモン)、Cs(セシウム)、Ba(バナジウム)、Hf(ハフニウム)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Pb(鉛)、Bi(ビスマス)、Au(金)、La(ランタン)、Nd(ネオジム)およびEu(ユーロピウム)からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
【0036】
(500℃以下にガラス転移点を有する材料の製造方法)
以下に、500℃以下にガラス転移点を有する材料の製造方法の一例について説明する。
【0037】
まず、原料として複数種の非晶質系材料を混合する。非晶質系材料としては、網目形成酸化物と、修飾酸化物と、必要に応じて中間酸化物とが用いられる。網目形成酸化物としては、SiOおよびBが用いられる。修飾酸化物としては、LiOが用いられる。中間酸化物としては、例えば、Na、Mg、Al、P、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、S、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Pb、Bi、Au、La、NdおよびEuからなる群より選ばれる1種以上の酸化物が用いられる。
【0038】
LiO、SiOおよびBの総量に対するLiOの配合量は、40mol%以上73mol%以下であることが好ましい。LiO、SiOおよびBの総量に対するLiOの配合量は、8mol%以上40mol%以下であることが好ましい。LiO、SiOおよびBの総量に対するBの配合量は、10mol%以上50mol%以下であることが好ましい。
【0039】
非晶質系材料として中間酸化物を用いる場合には、網目形成酸化物、修飾酸化物および中間酸化物の総量に対する中間酸化物の配合量は、10mol%以下であることが好ましい。
【0040】
一般的に非晶質系材料とは、網目形成酸化物(Network former:NWF)、修飾酸化物(Network modifier)、中間酸化物(Intermediate)である。網目形成酸化物(Network former:NWF)は、SiO、B、P、GeOなど、それ自身でガラス化することができるものである。修飾酸化物(Network modifier)は、それ自身では非晶質化できないが、上記の網目状酸化物の形成するネットワーク構造内では非晶質化が可能なもの、すなわち網目を修飾可能なものである。修飾酸化物は、例えばアルカリ金属類またはアルカリ土類金属類を含み、ガラスの網目構造の切断を行い、流動性を向上させる効果があることが知られている。中間酸化物(Intermediate)は、網目形成酸化物および修飾酸化物の中間的な性質を持つ原料であり、例えばガラスの熱特性のうち熱膨張係数を低下させるなどの効果を有する。
【0041】
最後に、原料をガラス化することで、500℃以下にガラス転移点を有する材料を作製することができる。原料をガラス化する方法として、例えば、原料を融液まで溶融し、放冷する方法、融液を金属板などでプレスする方法、水銀中に投下する方法、ストリップ炉、スプラット急冷、ロール法(シングル、ツイン)の他に、メカニカルミリング法、ゾル・ゲル法、蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーディポジッション)法、プラズマ法などが挙げられる。
【0042】
500℃以下にガラス転移点を有する材料のガラス転移点は、公知の方法で測定できるが、例えばTG測定(熱重量測定)の方法で測定することができる。
【0043】
[2−3.固体電解質層]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は固体電解質層を備える。
【0044】
固体電解質層には、上述したとおり、500℃以下にガラス転移点を有する材料が含まれる。そして、固体電解質層には固体電解質を更に含んでもよく、また、後述する結着剤を必要に応じて含んでもよい。
【0045】
固体電解質としては、例えば1種類または2種類以上の結晶性固体電解質が挙げられる。結晶性固体電解質の種類は、リチウムイオンを伝導可能である結晶性の固体電解質であれば特に限定されないが、例えば、無機材料または高分子材料などである。無機材料は、例えば、LiS−P、LiS−SiS−LiPO、Li11、Li3.25Ge0.250.75S、またはLi10GeP12などの硫化物や、LiLaZr12、Li6.75LaZr1.75Nb0.2512、LiBaLaTa12、Li1+xAlTi2−x(POまたはLa2/3−xLi3xTiOなどの酸化物である。高分子材料は、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)などである。
【0046】
[2−4.正極層]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は正極層を備える。
【0047】
正極層には、上述したとおり、500℃以下にガラス転移点を有する材料が含まれる。そして、正極層は、1種類または2種類以上の正極活物質を含み、必要に応じて結着剤、導電剤などの添加剤、及び上述した固体電解質を更に含んでいてもよい。
【0048】
正極活物質は、電極反応物質であるリチウムイオンを吸蔵放出可能である正極材料を含んでいる。この正極材料は、高いエネルギー密度が得られる観点から、リチウム含有化合物などであることが好ましいが、これに限定されるものではない。このリチウム含有化合物は、例えば、リチウムと遷移金属元素とを構成元素として含む複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)や、リチウムと遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸化合物(リチウム遷移金属リン酸化合物)などである。中でも、遷移金属元素は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)のいずれか1種類または2種類以上であることが好ましい。より高い電圧が得られるからである。
【0049】
リチウム遷移金属複合酸化物の化学式は、例えば、LiM1OまたはLiM2Oなどで表されると共に、リチウム遷移金属リン酸化合物の化学式は、例えば、LiM3POなどで表される。但し、M1〜M3は1種類または2種類以上の遷移金属元素であり、x〜zの値は任意である。
【0050】
リチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、LiCoO、LiNiO、LiVO、LiCrOまたはLiMnなどである。リチウム遷移金属リン酸化合物は、例えば、LiFePOまたはLiCoPOなどである。
【0051】
この他、正極活物質は、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物または導電性高分子などでもよい。酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムまたは二酸化マンガンなどである。二硫化物は、例えば、二硫化チタンまたは硫化モリブデンなどである。カルコゲン化物は、例えば、セレン化ニオブなどである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリンまたはポリチオフェンなどである。
【0052】
正極活物質は、正極活物質粒子の粉末を含んでいてもよい。正極活物質粒子の表面が、被覆剤により被覆されていてもよい。ここで、被覆は、正極活物質粒子の表面の全体に限定されるものではなく、正極活物質粒子の表面の一部であってもよい。被覆剤は、例えば、固体電解質および導電剤のうち少なくとも1種である。正極活物質粒子の表面を被覆剤で被覆することで、正極活物質と固体電解質との界面抵抗を低減することができる。また、正極活物質の構造の崩壊を抑制できるので、掃引電位幅を広げ、多くのリチウムを反応に使えるようになると共に、サイクル特性も向上できる。
【0053】
結着剤は、例えば、合成ゴムまたは高分子材料などのいずれか1種類または2種類以上である。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンまたはポリイミドなどである。なお、結着剤は正極活物質などの粒子を結着させるためのものであるが、正極が、500℃以下にガラス転移点を有する材料(ガラス材料)によって十分に結着される場合には、正極は結着剤を含んでいなくてもよい。
【0054】
導電剤は、例えば、炭素材料、金属、金属酸化物または導電性高分子などを単独でまたは2種以上含んでいる。炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックまたはカーボンファイバーなどである。金属酸化物は、例えば、SnOなどである。なお、導電剤は、導電性を有する材料であればよく、上述の例に限定されるものではない。
【0055】
[2−5.負極層]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は負極層を備える。
【0056】
負極層には、上述したとおり、500℃以下にガラス転移点を有する材料が含まれる。そして、負極層は、1種類または2種類以上の負極活物質を含み、必要に応じて結着剤および導電剤などの添加剤、及び上述した固体電解質を更に含んでいてもよい。
【0057】
負極活物質は、電極反応物質であるリチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料を含んでいる。この負極材料は、高いエネルギー密度が得られる観点から、炭素材料または金属系材料などであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0058】
炭素材料は、例えば、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)または高配向性グラファイト(HOPG)などである。
【0059】
金属系材料は、例えば、リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素を構成元素として含む材料である。より具体的には、金属系材料は、例えば、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)などの単体、合金または化合物のいずれか1種類または2種類以上である。但し、単体は、純度100%に限らず、微量の不純物を含んでいてもよい。この金属系材料は、例えば、Si、Sn、SiB、TiSi、SiC、Si、SiOv(0<v≦2)、LiSiO、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiSnOまたはMgSnなどである。
【0060】
この他、金属系材料は、リチウム含有化合物またはリチウム金属(リチウムの単体)でもよい。このリチウム含有化合物は、リチウムと遷移金属元素とを構成元素として含む複合酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)であり、例えば、LiTi12などである。
【0061】
負極活物質は、負極活物質粒子の粉末を含んでいる。負極活物質粒子の表面が、被覆剤で被覆されていてもよい。ここで、被覆は、負極活物質粒子の表面の全体に限定されるものではなく、負極活物質粒子の表面の一部であってもよい。被覆剤は、例えば、固体電解質および導電剤のうち少なくとも1種である。負極活物質粒子の表面を被覆剤で被覆することで、負極活物質と固体電解質との界面抵抗を低減することができる。また、負極活物質の構造の崩壊を抑制できるので、掃引電位幅を広げ、多くのリチウムを反応に使えるようになると共に、サイクル特性も向上できる。
【0062】
結着剤及び導電剤は上記で説明をしたとおりである。
【0063】
[2−6.集電層]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は集電層を備える。
【0064】
集電層には、上述したとおり、500℃以下にガラス転移点を有する材料が含まれる。集電層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料の他に、導電率が大きい材料を含んでもよい。正極用の集電層に含まれる材料としては、例えば、炭素、グラファイト、カーボンナノチューブなどの一般的な炭素系材料や、Cu、Mg、Ti、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Ge、In、Au、Pt、Ag、Pdなど、又はこれらの何れかを含む合金が挙げられる。負極用の集電層に含まれる材料としても、正極用の集電層と同様の材料を用いることができる。
【0065】
また、正極用の集電層を構成する材料は正極層を構成する材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、負極用の集電層を構成する材料は負極層を構成する材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0066】
また、正極用の集電層及び負極用の集電層は、それぞれ正極活物質及び負極活物質を含んでもよい。例えば、負極活物質である導電性炭素物質(グラファイト)が、負極用の集電層に含まれてもよい。含有比は、集電層として機能する限り特に限定はされないが、正極集電体/正極活物質、又は負極集電体/負極活物質が体積比率で90/10から70/30の範囲であることが好ましい。正極用の集電層及び負極用の集電層が、それぞれ正極活物質及び負極活物質を含むことにより、正極用の集電層と正極活物質層、及び負極用の集電層と負極活物質層との密着性が向上するため望ましい。
【0067】
集電層には、必要に応じて結着剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
【0068】
[2−7.絶縁層]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は絶縁層を備える。
【0069】
絶縁層には、上述したとおり、500℃以下にガラス転移点を有する材料が含まれる。絶縁層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料の他に、無機絶縁性材料及び/又は有機絶縁性材料を含んでもよい。無機絶縁材料としては、例えば、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ケイ素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)等が挙げられ、有機絶縁性材料としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等が挙げられる。
【0070】
絶縁層には、必要に応じて結着剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
【0071】
[2−8.保護層] 本技術に係る第1の実施形態の固体電池は保護層を更に備えていてもよい。保護層は、本技術に係る第1の実施形態の固体電池の最外層として配置されてよい。
【0072】
保護層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む。例えば、保護層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量は、正極層、負極層、集電層、及び絶縁層のそれぞれの層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0073】
保護層は、電気的、物理的、化学的に保護するためのものであり、固体電池の信頼性を向上することができる。保護層には、500℃以下にガラス転移点を有する材料の他に、絶縁性、耐久性、耐湿性に優れ、環境的に安全である材料が含まれてもよい。例えば、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が挙げられる。
【0074】
保護層には、必要に応じて結着剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
【0075】
[2−9.端子層]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池は端子層を更に備えていてもよい。正極層及び/又は負極層の電極取り出し部に配置されてよい。
【0076】
端子層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む。例えば、端子層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量は、例えば、正極層、負極層、集電層、及び絶縁層のそれぞれの層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0077】
端子層には、500℃以下にガラス転移点を有する材料の他に、導電率が大きい材料、例えば銀、金、プラチナ、アルミニウム、銅、スズ、ニッケルが含まれてもよい。
【0078】
端子層には、必要に応じて結着剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
【0079】
[2−10.固体電池の製造方法]
本技術に係る第1の実施形態の固体電池の製造方法について説明する。この製造方法は、塗布法を用いて正極層、負極層、固体電解質層、集電層及び絶縁層、並びに必要に応じて保護層及び端子層を形成する工程と、これらの層を積層して加熱処理する工程とを備える。なお、正極層、負極層、固体電解質層、集電層及び絶縁層並びに保護層及び端子層のすべての層がグリーンシートであってもよいし、正極層、負極層、固体電解質層、集電層及び絶縁層並びに保護層及び端子層のうちの少なくとも一つがグリーンシートでもよい。正極層、負極層、固体電解質層、集電層及び絶縁層並びに保護層及び端子層のうちの少なくとも一つがグリーンシートである場合、その少なくとも一つのグリーンシートに、グリーンシート以外の層(例えば、スラリー)を例えば、スクリーン印刷法等で形成してもよい。
【0080】
また、本技術に係る第1の実施形態の固体電池は、塗布法以外の方法で作製してもよい。塗布法以外の方法としては、例えば、プレス機などを用いて、活物質および500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む電極合剤の粉末を加圧成形する方法を用いてもよい。この加圧成形後の成形体の形状は特に限定されず、例えば、ペレット状(コイン型)などであってもよい。
【0081】
<3.第2の実施形態(固体電池の変形例)>
[3−1.固体電池]
本技術に係る第2の実施形態の固体電池は、正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、該固体電解質層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料から構成され、該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層が、該500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池である。
【0082】
本技術に係る第2の実施形態の固体電池によれば、優れた電池特性や優れた信頼性の効果が奏され、また、優れた電池特性と優れた信頼性との両方の効果が奏されて、優れた電池特性と優れた信頼性との効果を両立することができる。具体的には、本技術に係る第2の実施形態の固体電池によれば、ひび、割れ、そり、内部ショート等といった電池特性や信頼性に悪影響を及ぼす電池の変形や破損を抑制することができる。
【0083】
本技術に係る第2の実施形態の固体電池においては、固体電解質層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料から構成される。すなわち、固体電解質層は、100vol%の500℃以下にガラス転移点を有する材料からなる。
【0084】
そして、本技術に係る第2の実施形態の固体電池において、500℃以下にガラス転移点を有する材料は、正極層、負極層、集電層及び絶縁層のそれぞれの層に、10vol%以上60vol%以下で含まれるが、10vol%以上50vol%以下で含まれることが好ましい。
【0085】
本技術に係る第2の実施形態の固体電池において、正極層、負極層、集電層及び絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下であるが、20vol%以下であることが好ましく、10vol%以下であることがより好ましい。
【0086】
本技術に係る第2の実施形態の固体電池において、少なくとも正極層及び負極層に含まれる500℃以下にガラス転移点を有する材料、並びに固体電解質層を構成する500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有することが好ましい。10−7S/cm以上のイオン伝導度を有することにより室温での電池動作が可能になる。ところで、さらに、集電層及び絶縁層、並びに後述する保護層及び端子層の少なくとも1つの層に含まれる500℃以下にガラス転移点を有する材料も、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有してよい。
【0087】
本技術に係る第2の実施形態の固体電池は保護層を更に備えていてもよく、保護層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む。保護層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量は、正極層、負極層、集電層、及び絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0088】
また、本技術に係る第2の実施形態の固体電池は端子層を更に備えていてもよく、端子層は、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む。端子層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量は、正極層、負極層、集電層、及び絶縁層のそれぞれの層の500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
【0089】
本技術に係る第2の実施形態の固体電池について、上記で述べた内容の他は、本技術に係る第1の実施形態の固体電池ついての内容と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0090】
<4.固体電池の用途>
固体電池の用途について下記に詳細に説明する。
【0091】
<4−1.固体電池の用途の概要>
【0092】
固体電池の用途は、その固体電池を駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして利用可能な機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として使用される固体電池は、主電源(優先的に使用される電源)でもよいし、補助電源(主電源に代えて、または主電源から切り換えて使用される電源)でもよい。固体電池を補助電源として利用する場合には、主電源の種類は固体電池に限られない。
【0093】
固体電池の用途は、例えば、以下の通りである。ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォンなど)、携帯情報端末(Personal Digital Assistants:PDA)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、照明機器、玩具、医療機器、ロボットなどの電子機器(携帯用電子機器を含む)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに用いられる電池パックである。ペースメーカーおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などに用いられる車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの蓄電システムである。勿論、上記以外の用途でもよい。
【0094】
なかでも、固体電池は、電池パック、車両、蓄電システム、電動工具、及び電子機器に適用されることが有効である。優れた電池特性が要求されるため、本技術の固体電池を用いることで、有効に性能向上を図ることができるからである。なお、電池パックは、固体電池を用いた電源であり、いわゆる組電池などである。車両は、固体電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、固体電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。蓄電システムは、例えば、住宅用の蓄電システムが挙げられ、固体電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。蓄電システムでは、電力貯蔵源である固体電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して電力消費装置、例えば、家庭用の電気製品が使用可能になる。電動工具は、固体電池を駆動用の電源として可動部(例えばドリルなど)が可動する工具である。電子機器は、固体電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。
【0095】
ここで、固体電池のいくつかの適用例について具体的に説明する。なお、以下で説明する各適用例の構成はあくまで一例であるため、適宜変更可能である。
【0096】
<4−2.第3の実施形態(電池パック)>
本技術に係る第3の実施形態の電池パックは、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池と、固体電池の使用状態を制御する制御部と、制御部の指示に応じて、固体電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パックである。本技術に係る第3の実施形態の電池パックは、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池を備えているので、電池パックの性能や信頼性の向上につながる。
【0097】
以下に、本技術に係る第3の実施形態の電池パックについて、図面を参照しながら説明する。
【0098】
図2は、電池パックのブロック構成を表している。この電池パックは、例えば、プラスチック材料などにより形成された筐体60の内部に、制御部61と、電源62と、スイッチ部63と、電流測定部64と、温度検出部65と、電圧検出部66と、スイッチ制御部67と、メモリ68と、温度検出素子69と、電流検出抵抗70と、正極端子71および負極端子72とを備えている。
【0099】
制御部61は、電池パック全体の動作(電源62の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、中央演算処理装置(CPU)などを含んでいる。電源62は、1または2以上の固体電池(図示せず)を含んでいる。この電源62は、例えば、2以上の固体電池を含む組電池であり、それらの固体電池の接続形式は、直列でもよいし、並列でもよいし、双方の混合型でもよい。一例を挙げると、電源62は、2並列3直列となるように接続された6つの固体電池を含んでいる。
【0100】
スイッチ部63は、制御部61の指示に応じて電源62の使用状態(電源62と外部機器との接続の可否)を切り換えるものである。このスイッチ部63は、例えば、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオード(いずれも図示せず)などを含んでいる。充電制御スイッチおよび放電制御スイッチは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチである。
【0101】
電流測定部64は、電流検出抵抗70を用いて電流を測定して、その測定結果を制御部61に出力するものである。温度検出部65は、温度検出素子69を用いて温度を測定して、その測定結果を制御部61に出力するようになっている。この温度測定結果は、例えば、異常発熱時において制御部61が充放電制御を行う場合や、制御部61が残容量の算出時において補正処理を行う場合などに用いられる。電圧検出部66は、電源62中における固体電池の電圧を測定して、その測定電圧をアナログ−デジタル変換して制御部61に供給するものである。
【0102】
スイッチ制御部67は、電流測定部64および電圧検出部66から入力される信号に応じて、スイッチ部63の動作を制御するものである。
【0103】
このスイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過充電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(充電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に充電電流が流れないように制御する。これにより、電源62では、放電用ダイオードを介して放電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、充電時に大電流が流れた場合に、充電電流を遮断するようになっている。
【0104】
また、スイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過放電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(放電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に放電電流が流れないようにする。これにより、電源62では、充電用ダイオードを介して充電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、放電時に大電流が流れた場合に、放電電流を遮断するようになっている。
【0105】
なお、固体電池では、例えば、過充電検出電圧は4.2V±0.05Vであり、過放電検出電圧は2.4V±0.1Vである。
【0106】
メモリ68は、例えば、不揮発性メモリであるEEPROMなどである。このメモリ68には、例えば、制御部61により演算された数値や、製造工程段階において測定された固体電池の情報(例えば初期状態の内部抵抗)などが記憶されている。なお、メモリ68に固体電池の満充電容量を記憶させておけば、制御部61が残容量などの情報を把握可能になる。
【0107】
温度検出素子69は、電源62の温度を測定すると共にその測定結果を制御部61に出力するものであり、例えば、サーミスタなどである。
【0108】
正極端子71および負極端子72は、電池パックを用いて稼働される外部機器(例えばノート型のパーソナルコンピュータなど)や、電池パックを充電するために用いられる外部機器(例えば充電器など)などに接続される端子である。電源62の充放電は、正極端子71および負極端子72を介して行われる。
【0109】
<4−3.第4の実施形態(車両)>
本技術に係る第4の実施形態の車両は、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は第2の実施形態の固体電池と、固体電池から供給された電力を駆動力に変換する駆動力変換装置と、駆動力に応じて駆動する駆動部と、車両制御装置と、を備える、車両である。本技術に係る第4の実施形態の車両は、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は第2の実施形態の固体電池を備えているので、車両の性能や信頼性の向上につながる。
【0110】
以下に、本技術に係る第4の実施形態の車両について、図3を参照しながら説明する。
【0111】
図3に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッドの車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
【0112】
このハイブリッド車両7200には、エンジン7201、発電機7202、電力駆動力変換装置7203、駆動輪7204a、駆動輪7204b、車輪7205a、車輪7205b、バッテリー7208、車両制御装置7209、各種センサ7210、充電口7211が搭載されている。バッテリー7208に対して、蓄電装置(不図示)が適用される。
【0113】
ハイブリッド車両7200は、電力駆動力変換装置7203を動力源として走行する。電力駆動力変換装置7203の一例は、モータである。バッテリー7208の電力によって電力駆動力変換装置7203が作動し、この電力駆動力変換装置7203の回転力が駆動輪7204a、7204bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置7203が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ7210は、車両制御装置7209を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ7210には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
【0114】
エンジン7201の回転力は発電機7202に伝えられ、その回転力によって発電機7202により生成された電力をバッテリー7208に蓄積することが可能である。
【0115】
図示しない制動機構によりハイブリッド車両が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置7203に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置7203により生成された回生電力がバッテリー7208に蓄積される。
【0116】
バッテリー7208は、ハイブリッド車両の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口211を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
【0117】
図示しないが、二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行なう情報処理装置を備えていても良い。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
【0118】
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本開示は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
【0119】
<4−4.第5の実施形態(蓄電システム)>
本技術に係る第5の実施形態の蓄電システムは、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池を有する蓄電装置と、固体電池から電力が供給される電力消費装置と、固体電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、固体電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システムである。本技術に係る第5の実施形態の蓄電システムは、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池を備えているので、蓄電システムの性能や信頼性の向上につながる。
【0120】
以下に、本技術に係る第5の実施形態の蓄電システムの1例である住宅用の蓄電システムについて、図4を参照しながら説明する。
【0121】
例えば、住宅9001用の蓄電システム9100においては、火力発電9002a、原子力発電9002b、水力発電9002c等の集中型電力系統9002から電力網9009、情報網9012、スマートメータ9007、パワーハブ9008等を介し、電力が蓄電装置9003に供給される。これと共に、家庭内発電装置9004等の独立電源から電力が蓄電装置9003に供給される。蓄電装置9003に供給された電力が蓄電される。蓄電装置9003を使用して、住宅9001で使用する電力が給電される。住宅9001に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
【0122】
住宅9001には、発電装置9004、電力消費装置9005、蓄電装置9003、各装置を制御する制御装置9010、スマートメータ9007、各種情報を取得するセンサ9011が設けられている。各装置は、電力網9009および情報網9012によって接続されている。発電装置9004として、太陽電池、燃料電池等が利用され、発電した電力が電力消費装置9005および/または蓄電装置9003に供給される。電力消費装置9005は、冷蔵庫9005a、空調装置9005b、テレビジョン受信機9005c、風呂9005d等である。さらに、電力消費装置9005には、電動車両9006が含まれる。電動車両9006は、電気自動車9006a、ハイブリッドカー9006b、電気バイク9006cである。
【0123】
蓄電装置9003に対して、上述した本開示のバッテリユニットが適用される。蓄電装置9003は、二次電池又はキャパシタから構成されている。例えば、リチウムイオン電池によって構成されている。リチウムイオン電池は、定置型であっても、電動車両9006で使用されるものでも良い。スマートメータ9007は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網9009は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせてもよい。
【0124】
各種のセンサ9011は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサ等である。各種センサ9011により取得された情報は、制御装置9010に送信される。センサ9011からの情報によって、気象の状態、人の状態等が把握されて電力消費装置9005を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置9010は、住宅9001に関する情報を、インターネットを介して外部の電力会社等に送信することができる。
【0125】
パワーハブ9008によって、電力線の分岐、直流交流変換等の処理がなされる。制御装置9010と接続される情報網9012の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transmitter:非同期シリアル通信用送受信回路)等の通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、Wi−Fi等の無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
【0126】
制御装置9010は、外部のサーバ9013と接続されている。このサーバ9013は、住宅9001、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていても良い。サーバ9013が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信しても良いが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機等)から送受信しても良い。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)等に、表示されてもよい。
【0127】
各部を制御する制御装置9010は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成され、この例では、蓄電装置9003に格納されている。制御装置9010は、蓄電装置9003、家庭内発電装置9004、電力消費装置9005、各種センサ9011、サーバ9013と情報網9012により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能等を備えていてもよい。
【0128】
以上のように、電力が火力9002a、原子力9002b、水力9002c等の集中型電力系統9002のみならず、家庭内発電装置9004(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置9003に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置9004の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置9003に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置9003に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置9003によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
【0129】
なお、この例では、制御装置9010が蓄電装置9003内に格納される例を説明したが、スマートメータ9007内に格納されてもよいし、単独で構成されていてもよい。さらに、蓄電システム9100は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
【0130】
<4−5.第6の実施形態(電動工具)>
本技術に係る第6の実施形態の電動工具は、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池と、固体電池から電力が供給される可動部とを備える、電動工具である。本技術に係る第6の実施形態の電動工具は、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は第2の実施形態の固体電池を備えているので、電動工具の性能や信頼性の向上につながる。
【0131】
以下に、本技術に係る第6の実施形態の電動工具について、図5を参照しながら説明する。
【0132】
図5は、電動工具のブロック構成を表している。この電動工具は、例えば、電動ドリルであり、プラスチック材料などにより形成された工具本体98の内部に、制御部99と、電源100とを備えている。この工具本体98には、例えば、可動部であるドリル部101が稼働(回転)可能に取り付けられている。
【0133】
制御部99は、電動工具全体の動作(電源100の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源100は、1または2以上の固体電池(図示せず)を含んでいる。この制御部99は、図示しない動作スイッチの操作に応じて、電源100からドリル部101に電力を供給するようになっている。
【0134】
<4−6.第7の実施形態(電子機器)>
本技術に係る第7の実施形態の電子機器は、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池を備え、固体電池から電力の供給を受ける、電子機器である。上述したように、本技術に係る第7の実施形態の電子機器は、固体電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。本技術に係る第7の実施形態の電子機器は、優れた電池特性や優れた信頼性を有する本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池を備えているので、電子機器の性能や信頼性の向上につながる。
【0135】
以下に、本技術に係る第7の実施形態の電子機器について、図6を参照しながら説明する。
【0136】
本技術の第7の実施形態に係る電子機器400の構成の一例について説明する。電子機器400は、電子機器本体の電子回路401と、電池パック300とを備える。電池パック300は、正極端子331aおよび負極端子331bを介して電子回路401に対して電気的に接続されている。電子機器400は、例えば、ユーザにより電池パック300を着脱自在な構成を有している。なお、電子機器400の構成はこれに限定されるものではなく、ユーザにより電池パック300を電子機器400から取り外しできないように、電池パック300が電子機器400内に内蔵されている構成を有していてもよい。
【0137】
電池パック300の充電時には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、充電器(図示せず)の正極端子、負極端子に接続される。一方、電池パック300の放電時(電子機器400の使用時)には、電池パック300の正極端子331a、負極端子331bがそれぞれ、電子回路401の正極端子、負極端子に接続される。
【0138】
電子機器400としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話(例えばスマートフォンなど)、携帯情報端末(PDA)、撮像装置(例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなど)、オーディオ機器(例えばポータブルオーディオプレイヤー)、ゲーム機器、コードレスフォン子機、電子書籍、電子辞書、ラジオ、ヘッドホン、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、照明機器、玩具、医療機器、ロボットなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体例として、頭部装着型ディスプレイ及びバンド型電子機器を説明すると、頭部装着型ディスプレイは、画像表示装置、画像表示装置を観察者の頭部に装着するための装着装置、及び画像表示装置を装着装置に取り付けるための取付け部材を備え、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池を駆動用の電源とした電子機器であり、バンド型電子機器は、バンド状に連結される複数のセグメントと、複数のセグメント内に配置される複数の電子部品と、複数のセグメント内の複数の電子部品を接続し、少なくとも1つのセグメント内に蛇行形状で配置されるフレキシブル回路基板と、を備え、上記電子部品として、例えば、本技術に係る第1の実施形態の固体電池又は本技術に係る第2の実施形態の固体電池が、上記セグメントに配される電子機器である。
【0139】
電子回路401は、例えば、CPU、周辺ロジック部、インターフェース部および記憶部などを備え、電子機器400の全体を制御する。
【0140】
電池パック300は、組電池301と、充放電回路302とを備える。組電池301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続して構成されている。複数の二次電池301aは、例えばn並列m直列(n、mは正の整数)に接続される。なお、図6では、6つの二次電池301aが2並列3直列(2P3S)に接続された例が示されている。二次電池301aとしては、第1の実施形態またはその変形例に係る二次電池が用いられる。
【0141】
充電時には、充放電回路302は、組電池301に対する充電を制御する。一方、放電時(すなわち電子機器400の使用時)には、充放電回路302は、電子機器400に対する放電を制御する。
【実施例】
【0142】
以下に、実施例を挙げて、本技術の効果について具体的に説明をする。なお、本技術の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0143】
<実験方法>
(固体電解質層の作製)
ガーネット型酸化物結晶電解質(LiBaLaTa12)と酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35、ガラス転移温度:380℃)とを、下記の表1に示される体積分率(体積%(vol%))になるように所定の質量比(例えば、ガーネット型酸化物結晶電解質:酸化物ガラス=70:30の質量比(体積比50:50vol%)の場合)で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(ガーネット型酸化物結晶電解質+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを酢酸ブチルに固形分が30質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに、4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布し、80℃で10分乾燥して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる固体電解質層を作製した。
【0144】
(正極層の作製)
Aldrich社製コバルト酸リチウム(LiCoO)と、酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35、ガラス転移温度:380℃)とを、下記の表1に示される体積分率(体積%(vol%))になるように所定の質量比(例えば、コバルト酸リチウム:酸化物ガラス=80:20の質量比(体積比60:40vol%)の場合)で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(コバルト酸リチウム+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを、酢酸ブチルに固形分が30質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに、4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布し、80℃で10分乾燥して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる正極層を作製した。
【0145】
(負極層の作製)
球状天然黒鉛と、酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35、ガラス転移温度:380℃)とを、下記の表1に示される体積分率(体積%(vol%))になるように所定の質量比(例えば、球状天然黒鉛:酸化物ガラス=80:20の質量比(体積比80:20vol%)の場合)で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(球状天然黒鉛+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを、酢酸ブチルに固形分が30質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布し、80℃で10分乾燥して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる負極層を作製した。
【0146】
(集電層の作製)
TIMCAL社製KS6と、酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35、ガラス転移温度:380℃)とを、下記の表1に示される体積分率(体積%(vol%))になるように所定の質量比(例えば、KS6:酸化物ガラス=70:30の質量比(体積比70:30vol%)の場合)で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(KS6+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを、酢酸ブチルに固形分が30質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに、4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布し、80℃で10分乾燥して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる集電層を作製した。
【0147】
(絶縁層の作製)
アルミナ粒子(AHP300 日本軽金属)と、酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35)とを、下記の表1に示される体積分率(体積%(vol%))になるように所定の質量比(例えば、アルミナ粒子:酸化物ガラス=75:25の質量比(体積比60:40vol%)の場合)で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(アルミナ粒子+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを、酢酸ブチルに固形分が30質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに、4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布し、80℃で10分乾燥して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる絶縁層を作製した。
【0148】
(保護層の作製)
アルミナ粒子(AHP300 日本軽金属)と、酸化物ガラス(LiO:SiO:B=54:11:35)とを、下記の表1に示される体積分率(体積%(vol%))になるように所定の質量比(例えば、アルミナ粒子:酸化物ガラス=65:35の質量比(体積比50:50vol%)の場合)で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(アルミナ粒子+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを、酢酸ブチルに固形分が30質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに、4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布し、80℃で10分乾燥して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる保護層を作製した。
【0149】
[固体電池の作製]
上記で得られたそれぞれの固体電解質層、正極層、負極層、集電層及び絶縁層、保護層を、図1Aに示される形状に加工して(絶縁層14、18、保護層11、19、集電層12,17、正極層13、負極層16)、その後、離型フィルムから離型して、図1B又は図1Cに示される積層順で積層した後、100℃10分間で圧着して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる積層構造体を得た。なお、積層構造に関しては、バイポーラ型に積層してもよい。また、電解質層、正極層、負極層、集電層及び絶縁層の各層の全てをグリーンシート層にするのではなく、ある特定のグリーンシート層に印刷等で、直接積層構造を形成してもよい。
【0150】
100℃10分間で圧着後、固体電解質層、正極層、負極層、集電層及び絶縁層の積層構造体を300℃10時間で加熱してアクリルバインダを除去した。その後、積層構造体を400℃30分で焼結した。
【0151】
(端子層の作製)
Ag粉末(大研化学工業)と、酸化物ガラス(Bi−B系ガラス 旭硝子社製ASF1096)とを所定の質量比(例えば、Ag粉末:酸化物ガラス=60:40の質量比(体積比50:50vol%の場合))で混合したのち、前記混合物とアクリルバインダとを、(Ag粉末+酸化物ガラス):アクリルバインダ=70:30の質量比で混合し、その混合したものを、テルピネオールに固形分が50質量%になるように混合し、5mmφのジルコニアボールとともに、4時間攪拌した。それを離形フィルム上に塗布したのち、電極が露出した端面を上記の積層構造体に付着させ、400℃1時間で焼結して、端子電極を形成した。
【0152】
上記で得られた端子層(端子電極)(不図示)に電流リードを設置して、実施例1〜13及び比較例1〜10で用いられる固体電池(固体電池1、2)を作製した。
【0153】
[充放電評価]
上記で作製された固体電池を用いて充放電評価を行った。充放電条件は、充電:4.2V、0.1C−CCCV 0.01C cutで、放電:0.1C 2.0Vで放電容量を評価した。セル状態及び放電容量の結果を下記の表1に示す。
【0154】
【表1】
【0155】
上記の表1に示されるように、各構成要素(固体電解質層、正極層、負極層、集電層及び絶縁層)中の酸化物ガラス成分の割合の差異が、体積分率で30vol%以下になっている場合(実施例1〜12)は、固体電池は安定に動作することを確認した。また、固体電解質層の酸化物ガラス成分の割合が、体積分率で100vol%であって、固体電解質層以外の各構成要素(正極層、負極層、集電層及び絶縁層)中の酸化物ガラス成分の割合の差異が、体積分率で30vol%以下になっている場合(実施例13)も、固体電池が安定に動作することを確認した。
【0156】
一方、各構成要素(固体電解質層、正極層、負極層、集電層及び絶縁層)中の酸化物ガラス成分の割合の差異が、体積分率で40vol%以上(30vol%超)になると、固体電池に割れが生じたり、充放電時(特に、充電時)にショートが生じたりした。ショートは外観からはわからない電池内部の構造異常(欠陥、ひびなど)が原因と考えられる。
【0157】
固体電池を構成する、正極層、負極層、集電層、固体電解質層、絶縁層、保護層及び端子層中に含まれる500℃以下にガラス転移点を有するガラス材料の体積分率の差を30%以下にすること、又は、固体電解質層を除いた正極層、負極層、集電層、絶縁層、保護層及び端子層中に含まれる500℃以下にガラス転移点を有するガラス材料の体積分率の差を30%以下にすることで、焼結時のクラックや変形を抑制することができることを確認した。また、充放電時(特に、充電時の内部ショートを防止することができることを確認した。
【0158】
実施例1〜13の結果より、市販の小型リチウムイオン電池と比較して、小型サイズで高いエネルギー密度が実現できると考える。
【0159】
<応用例1:プリント回路基板>
上述した固体電池は、図7に示すように、プリント回路基板1202(Print circuit board、以下「PCB」と称する。)上に充電回路等と共に実装することができる。例えば、PCB1202上に固体電池1203及び充電回路等の電子回路をリフロー工程でもって実装することができる。PCB1202上に固体電池1203及び充電回路等の電子回路が実装されたものを電池モジュール1201と称する。電池モジュール1201は、必要に応じてカード型の構成とされ、携帯可能なカード型モバイルバッテリとして構成することができる。
【0160】
PCB1202上には、また、充電制御IC(Integrated Circuit)1204、電池保護IC1205及び電池残量監視IC1206が形成されている。電池保護IC1205は、充放電時に充電電圧が過大となったり、負荷短絡によって過電流が流れたり、過放電が生じることがないように充放電動作を制御する。
【0161】
PCB1202に対してUSB(Universal Serial Bus)インターフェース1207が取り付けられている。USBインターフェース1207を通じて供給される電力によって固体電池1203が充電される。この場合、充電制御IC1204によって充電動作が制御される。さらに、PCB1202に取り付けられている負荷接続端子1208a及び1208bから負荷1209に対して所定の電力(例えば電圧が4.2V)が供給される。固体電池1203の電池残量が電池残量監視IC1206によって監視され、電池残量を表す表示(図示しない)が外部から分かるようになされる。なお、負荷接続のためにUSBインターフェース1207を使用してもよい。
【0162】
上述した負荷1209の具体例は以下のようなものである。
A.ウェアラブル機器(スポーツウオッチ、時計、補聴器等)、
B.IoT端末(センサネットワーク端末等)、
C.アミューズメント機器(ポータブルゲーム端末、ゲームコントローラ)、
D.IC基板埋め込み電池(リアルタイムクロックIC)、
E.環境発電機器(太陽光発電、熱電発電、振動発電等の発電素子用の蓄電素子)。
【0163】
<応用例2:ユニバーサルクレジットカード>
現在、複数枚のクレジットカードを持ち歩いている人が多い。しかしながら、クレジットカードの枚数が多くなるほど、紛失、盗難等の危険性が増す問題がある。そこで、複数枚のクレジットカードやポイントカードなどの機能を1枚のカードに集約した、ユニバーサルクレジットカードと呼ばれるカードが実用化されている。このカードの中には、例えば、様々なクレジットカードやポイントカードの番号や有効期限等の情報を取り込むことができるので、そのカード1枚を財布等の中の入れておけば、好きな時に好きなカードを選択して利用することができる。
【0164】
図8はユニバーサルクレジットカード1301の構成の一例を示す。カード型形状を有し、ICチップ及び本技術に係る固体電池(不図示)が内蔵されている。さらに、小電力消費のディスプレイ1302及び操作部例えば方向キー1303a及び1303bが設けられている。さらに、充電用端子1304がユニバーサルクレジットカード1301の表面に設けられている。
【0165】
例えば、ユーザはディスプレイ1302を見ながら方向キー1303a及び1303bを操作して予めユニバーサルクレジットカード1301にロードされているクレジットカード等を特定することができる。複数のクレジットカードが予めロードされている場合には、ディスプレイ1302に各クレジットカードを示す情報が表示され、ユーザが方向キー1303a及び1303bを操作して所望のクレジットカードを指定することができる。その後は、従来のクレジットカードと同様に使用することができる。なお、上記は一例であって、本技術による固体電池は、ユニバーサルクレジットカード1301以外のあらゆる電子カードに適用可能であることは言うまでもない。
【0166】
<応用例3:リストバンド型電子機器>
ウェアラブル端末の一例として、リストバンド型電子機器がある。その中でも、リストバンド型活動量計は、スマートバンドとも呼ばれ、腕に巻き付けておくのみで、歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠量、心拍数などの人の活動に関するデータを取得することができるものである。さらに、取得されたデータをスマートフォンで管理することもできる。さらに、メールの送受信機能を備えることもでき、例えば、メールの着信をLED(Light Emitting Diode)ランプ及び/又はバイブレーションでユーザに知らせる通知機能を有するものが使用されている。
【0167】
図9及び図10は、例えば脈拍を計測するリストバンド型活動量計の一例を示す。図9は、リストバンド型活動量計1501の外観の構成例を示している。図10は、リストバンド型活動量計1501の本体部1502の構成例を示している。
【0168】
リストバンド型活動量計1501は、光学方式により被験者の例えば脈拍を計測するリストバンド型の計測装置である。図9に示されるように、リストバンド型活動量計1501は、本体部1502とバンド1503により構成され、腕時計のようにバンド1503が被験者の腕(手首)1504に装着される。そして、本体部1502が、所定の波長の計測光を被験者の腕1504の脈を含む部分に照射し、戻ってきた光の強度に基づいて、被験者の脈拍の計測を行う。
【0169】
本体部1502は、基板1521、LED1522、受光IC1523、遮光体1524、操作部1525、演算処理部1526、表示部1527、及び無線装置1528を含むように構成される。LED1522、受光IC1523、及び、遮光体1524は、基板1521上に設けられている。LED1522は、受光IC1523の制御の下に、所定の波長の計測光を被験者の腕1504の脈を含む部分に照射する。
【0170】
受光IC1523は、計測光が腕1504に照射された後に戻ってきた光を受光する。受光IC1523は、戻ってきた光の強度を示すデジタルの計測信号を生成し、生成した計測信号を演算処理部1526に供給する。
【0171】
遮光体1524は、基板1521上においてLED1522と受光IC1523の間に設けられている。遮光体1524は、LED1522からの計測光が、受光IC1523に直接入射されることを防止する。
【0172】
操作部1525は、例えば、ボタン、スイッチ等の各種の操作部材により構成され、本体部1502の表面等に設けられる。操作部1525は、リストバンド型活動量計1501の操作に用いられ、操作内容を示す信号を演算処理部1526に供給する。
【0173】
演算処理部1526は、受光IC1523から供給される計測信号に基づいて、被験者の脈拍を計測するための演算処理を行う。演算処理部1526は、脈拍の計測結果を表示部1527及び無線装置1528に供給する。
【0174】
表示部1527は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置により構成され、本体部1502の表面に設けられる。表示部1527は、被験者の脈拍の計測結果等を表示する。
【0175】
無線装置1528は、所定の方式の無線通信により、被験者の脈拍の計測結果を外部の装置に送信する。例えば、図10に示されるように、無線装置1528は、被験者の脈拍の計測結果をスマートフォン1505に送信し、スマートフォン1505の画面1506に計測結果を表示させる。さらに、計測結果のデータがスマートフォン1505によって管理され、計測結果をスマートフォン1505によって閲覧したり、ネットワーク上のサーバに保存することが可能とされている。なお、無線装置1528の通信方式には、任意の方式を採用することができる。なお、受光IC1523は、被験者の腕1504以外の部位(例えば、指、耳たぶ等)において脈拍の計測を行う場合にも用いることができる。
【0176】
上述したリストバンド型活動量計1501は、受光IC1523における信号処理によって、体動の影響を除去して、正確に被験者の脈波及び脈拍を計測することができる。例えば、被験者がランニング等の激しい運動を行っても、正確に被験者の脈波及び脈拍を計測することができる。また、例えば、被験者がリストバンド型活動量計1501を長時間装着して計測を行う場合にも、被験者の体動の影響を除去して、正確に脈波及び脈拍を計測し続けることができる。
【0177】
また、演算量を削減することにより、リストバンド型活動量計1501の消費電力を下げることができる。その結果、例えば、充電や電池の交換を行わずに、リストバンド型活動量計1501を被験者に長時間装着して、計測を行うことが可能になる。
【0178】
なお、電源として例えば薄型の電池がバンド1503内に収納されている。リストバンド型活動量計1501は、本体の電子回路と、電池パックを備える。例えばユーザにより電池パックが着脱自在な構成を有している。電子回路は、上述した本体部1502に含まれる回路である。電池として全固体電池を使用する場合に本技術を適用することができる。
【0179】
図11にリストバンド型電子機器1601(以下、単に「電子機器1601」と称する。)の外観の構成例を示す。
【0180】
電子機器1601は、例えば、人体に着脱自在とされる時計型のいわゆるウェアラブル機器である。電子機器1601は、例えば、腕に装着されるバンド部1611と、数字や文字、図柄等を表示する表示装置1612と、操作ボタン1613とを備えている。バンド部1611には、複数の孔部1611aと、内周面(電子機器1601の装着時に腕に接触する側の面)側に形成される突起1611bとが形成されている。
【0181】
電子機器1601は、使用状態においては、図11に示すようにバンド部1611が略円形となるように折り曲げられ、孔部1611aに突起1611bが挿入されて腕に装着される。突起1611bを挿入する孔部1611aの位置を調整することにより、腕の太さに対応して径の大きさを調整することができる。電子機器1601は、使用されない状態では、孔部1611aから突起1611bが取り外され、バンド部1611が略平坦な状態で保管される。本技術の一実施形態に係るセンサは、例えば、バンド部1611の全体にわたって設けられている。
【0182】
<応用例4:スマートウオッチ>
スマートウオッチは、既存の腕時計のデザインと同様ないし類似の外観を有し、腕時計と同様にユーザの腕に装着して使用するものであり、ディスプレイに表示される情報で、電話や電子メールの着信などの各種メッセージをユーザに通知する機能を有する。さらに、電子マネー機能、活動量計等の機能を有するスマートウオッチも提案されている。スマートウオッチは、電子機器の本体部分の表面にディスプレイが組み込まれ、ディスプレイに様々な情報が表示される。また、スマートウオッチは、例えば、通信端末(スマートフォン等)とBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を行うことによって、通信端末等の機能やコンテンツ等と連携することも可能である。
【0183】
スマートウオッチの一つとして、バンド状に連結される複数のセグメントと、複数のセグメント内に配置される複数の電子部品と、複数のセグメント内の複数の電子部品を接続し少なくとも1つのセグメント内に蛇行形状で配置されるフレキシブル回路基板とを備えるものが提案されている。このような蛇行形状を有することで、フレキシブル回路基板は、バンドが屈曲しても、ストレスが加わらず、回路の切断が防止される。また、ウオッチ本体を構成する筐体ではなく、そのウオッチ本体に取り付けられるバンド側のセグメントに、電子回路部品を内蔵させることが可能になり、ウオッチ本体側には変更を加える必要がなくなり、従来の時計のデザインと同様のデザインのスマートウオッチを構成することが可能となる。また、本応用例のスマートウオッチは、電子メールや着信などの通知、ユーザの行動履歴などのログの記録、通話などを行うことができる。また、スマートウオッチは、非接触式ICカードとしての機能を備え、非接触で決済や認証等を行うことができる。
【0184】
本応用例のスマートウオッチは、金属製のバンド内に、通信処理や通知処理を行う回路部品を内蔵している。金属製のバンドを薄型化しながら、電子機器として機能するようにするために、バンドが複数のセグメントを連結した構成とされ、各セグメントに回路基板,振動モータ、電池,加速度センサが収納される。各セグメントの回路基板,振動モータ,電池,加速度センサなどの部品は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)で接続されている。
【0185】
図12にスマートウオッチの全体構成(分解斜視図)を示す。バンド型電子機器2000は、時計本体3000に取り付けられる金属製のバンドであり、ユーザの腕に装着される。時計本体3000は、時刻を表示する文字盤3100を備える。時計本体3000は、文字盤3100の代わりに、液晶ディスプレイなどで電子的に時刻を表示してもよい。
【0186】
バンド型電子機器2000は、複数のセグメント2110〜2230を連結した構成である。時計本体3000の一方のバンド取付孔にセグメント2110が取り付けられ、時計本体3000の他方のバンド取付孔にセグメント2230が取り付けられる。本例では、それぞれのセグメント2110〜2230は金属で構成される。
【0187】
(セグメントの内部の概要)
図13は、バンド型電子機器2000の内部構成の一部を示す。例えば3個のセグメント2170,2180,2190、2200、2210の内部を示す。バンド型電子機器2000では、連続した5個のセグメント2170〜2210の内部にフレキシブル回路基板2400が配置される。セグメント2170内には、種々の電子部品が配置され、セグメント2190,2210には本技術に係るバッテリ2411,2421が配置され、これらの部品がフレキシブル回路基板2400で電気的に接続される。セグメント2170とセグメント2190との間のセグメント2180は、比較的小さなサイズであり、蛇行状態のフレキシブル回路基板2400が配置される。セグメント2180の内部では、防水部材に挟まれた状態でフレキシブル回路基板2400が配置される。なお、セグメント2170〜2210の内部は、防水構造とされている。
【0188】
(スマートウオッチの回路構成)
図14は、バンド型電子機器2000の回路構成を示すブロック図である。バンド型電子機器2000の内部の回路は、時計本体3000とは独立した構成である。時計本体3000は、文字盤3100に配置された針を回転させるムーブメント部3200を備える。ムーブメント部3200には、バッテリ3300が接続されている。これらのムーブメント部3200やバッテリ3300は、時計本体3000の筐体内に内蔵されている。
【0189】
時計本体3000に接続されたバンド型電子機器2000は、3つのセグメント2170,2190,2210に、電子部品が配置される。セグメント2170には、データ処理部4101と無線通信部4102とNFC通信部4104とGPS部4106とが配置される。無線通信部4102,NFC通信部4104,GPS部4106には、それぞれアンテナ4103,4105,4107が接続されている。それぞれのアンテナ4103,4105,4107は、セグメント2170の後述するスリット2173の近傍に配置される。
【0190】
無線通信部4102は、例えばBluetooth(登録商標)の規格で他の端末と近距離無線通信を行う。NFC通信部4104は、NFCの規格で、近接したリーダー/ライタと無線通信を行う。GPS部4106は、GPS(Global Positioning System)と称されるシステムの衛星からの電波を受信して、現在位置の測位を行う測位部である。これらの無線通信部4102,NFC通信部4104,GPS部4106で得たデータは、データ処理部4101に供給される。
【0191】
また、セグメント2170には、ディスプレイ4108とバイブレータ4109とモーションセンサ4110と音声処理部4111とが配置されている。ディスプレイ4108とバイブレータ4109は、バンド型電子機器2000の装着者に通知する通知部として機能するものである。ディスプレイ4108は、複数個の発光ダイオードで構成され、発光ダイオードの点灯や点滅でユーザに通知を行う。複数個の発光ダイオードは、例えばセグメント2170の後述するスリット2173の内部に配置され、電話の着信や電子メールの受信などが点灯又は点滅で通知される。ディスプレイ4108としては、文字や数字などを表示するタイプのものが使用されてもよい。バイブレータ4109は、セグメント2170を振動させる部材である。バンド型電子機器2000は、バイブレータ4109によるセグメント2170の振動で、電話の着信や電子メールの受信などを通知する。
【0192】
モーションセンサ4110は、バンド型電子機器2000を装着したユーザの動きを検出する。モーションセンサ4110としては、加速度センサ、ジャイロセンサ、電子コンパス、気圧センサなどが使用される。また、セグメント2170は、モーションセンサ4110以外のセンサを内蔵してもよい。例えば、バンド型電子機器2000を装着したユーザの脈拍などを検出するバイオセンサが内蔵されてもよい。音声処理部4111には、マイクロホン4112とスピーカ4113とが接続され、音声処理部4111が、無線通信部4102での無線通信で接続された相手と通話の処理を行う。また、音声処理部4111は、音声入力操作のための処理を行うこともできる。
【0193】
そして、セグメント2190にはバッテリ2411が内蔵され、セグメント2210にはバッテリ2421が内蔵される。バッテリ2411,2421は、本技術に係る固体電池によって構成することができ、セグメント2170内の回路に駆動用の電源を供給する。セグメント2170内の回路とバッテリ2411,2421は、フレキシブル回路基板2400(図13)により接続されている。なお、図14には示さないが、セグメント2170は、バッテリ2411,2421を充電するための端子を備える。また、セグメント2190,2210には、バッテリ2411,2421以外の電子部品が配置されてもよい。例えば、セグメント2190,2210は、バッテリ2411,2421の充放電を制御する回路を備えるようにしてもよい。
【0194】
<応用例5:眼鏡型端末>
以下に説明するメガネ型端末は、目の前の風景にテキスト、シンボル、画像等の情報を重畳して表示することができるものである。すなわち、透過式メガネ型端末専用の軽量且つ薄型の画像表示装置ディスプレイモジュールを搭載している。代表的なものとして、頭部装着型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ(HMD)がある。
【0195】
この画像表示装置は、光学エンジンとホログラム導光板からなる。光学エンジンは、マイクロディスプレイレンズを使用して画像、テキスト等の映像光を出射する。この映像光がホログラム導光板に入射される。ホログラム導光板は、透明板の両端部にホログラム光学素子が組み込まれたもので、光学エンジンからの映像光を厚さ1mmのような非常に薄い透明板の中を伝搬させて観察者の目に届ける。このような構成によって、透過率が例えば85%という厚さ3mm(導光板前後の保護プレートを含む)レンズを実現している。かかるメガネ型端末によって、スポーツ観戦中にプレーヤ、チームの成績等をリアルタイムで見ることができたり、旅先での観光ガイドを表示したりできる。
【0196】
メガネ型端末の具体例は、図15に示すように、画像表示部が眼鏡型の構成とされている。すなわち、通常の眼鏡と同様に、眼前に右画像表示部5001及び左画像表示部5002を保持するためのフレーム5003を有する。フレーム5003は、観察者の正面に配置されるフロント部5004と、フロント部5004の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部5005,5006から成る。フレーム5003は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から作製されている。なお、ヘッドホン部を設けるようにしてもよい。
【0197】
右画像表示部5001および左画像表示部5002は、利用者の右の眼前と、左の眼前とにそれぞれ位置するように配置されている。テンプル部5005,5006が利用者の頭部に画像表示部5001および5002を保持する。フロント部5004とテンプル部5005の接続箇所において、テンプル部5005の内側に右表示駆動部5007が配置されている。フロント部5004とテンプル部5006の接続箇所において、テンプル部5006の内側に左表示駆動部5008が配置されている。
【0198】
図15では省略されているが、フレーム5003には、本技術に係る固体電池、加速度センサ、ジャイロ、電子コンパス、マイクロホン/スピーカ等が搭載されている。さらに、撮像装置が取り付けられ、静止画/動画の撮影が可能とされている。さらに、メガネ部と例えば無線又は有線のインターフェースでもって接続されたコントローラを備えている。コントローラには、タッチセンサ、各種ボタン、スピーカ、マイクロホン等が設けられている。さらに、スマートフォンとの連携機能を有している。例えばスマートフォンのGPS機能を活用してユーザの状況に応じた情報を提供することが可能とされている。
【0199】
本技術は、上記各実施形態、各実施例、各応用例に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更することが可能である。
【0200】
なお、本技術の効果は、固体電池に用いられる電極反応物質であれば電極反応物質の種類に依存せずに得られるはずであるため、その電極反応物質の種類を変更しても同様の効果を得ることができる。また、化合物等の化学式は代表的なものであって、同じ化合物の一般名称であれば、記載された価数等に限定されない。
【0201】
また、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
[1] 正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、
該正極層、該負極層、該集電層、該固体電解質層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池。
[2] 少なくとも前記正極層、前記負極層及び前記固体電解質層に含まれる前記500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有する、[1]に記載の固体電池。
[3]
保護層を更に備え、
該保護層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、[1]又は[2]に記載の固体電池。
[4]
端子層を更に備え、
該端子層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、[1]から[3]のいずれか1つに記載の固体電池。
[5]
正極層と、負極層と、集電層と、固体電解質層と、絶縁層とを備え、
該固体電解質層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料から構成され、
該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層が、該500℃以下にガラス転移点を有する材料を10vol%以上60vol%以下で含み、
該正極層、該負極層、該集電層及び該絶縁層のそれぞれの層の該500℃以下にガラス転移点を有する材料の含有量の中で、最大含有量と最小含有量との差が30vol%以下である、固体電池。
[6]
少なくとも前記正極層及び前記負極層に含まれる前記500℃以下にガラス転移点を有する材料、並びに前記固体電解質層を構成する前記500℃以下にガラス転移点を有する材料が、10−7S/cm以上のイオン伝導度を有する、[5]に記載の固体電池。
[7]
保護層を更に備え、
該保護層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、[5]又は[6]に記載の固体電池。
[8]
端子層を更に備え、
該端子層が、500℃以下にガラス転移点を有する材料を含む、[5]から[7]のいずれか1つに記載の固体電池。
[9]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の固体電池と、
該固体電池の使用状態を制御する制御部と、
該制御部の指示に応じて該固体電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と、を備える、電池パック。
[10]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の固体電池と、
該固体電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する駆動力変換装置と、
該駆動力に応じて駆動する駆動部と
車両制御装置と、を備える、車両。
[11]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の固体電池を有する蓄電装置と、
該固体電池から電力が供給される電力消費装置と、
該固体電池からの該電力消費装置に対する電力供給を制御する制御装置と、
該固体電池を充電する発電装置と、を備える、蓄電システム。
[12]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の固体電池と、
該固体電池から電力が供給される可動部と、を備える、電動工具。
[13]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の固体電池を備え、
該固体電池から電力の供給を受ける電子機器。
【符号の説明】
【0202】
1、2…固体電池、14、18…絶縁層、11,19…保護層、12,17…集電層、13…正極層、16…負極層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】