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再表2019-116968硬化性組成物、光学積層体及び画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年6月20日
【発行日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】硬化性組成物、光学積層体及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/02 20060101AFI20201218BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20201218BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20201218BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20201218BHJP
   C09J 201/02 20060101ALI20201218BHJP
   C08K 3/105 20180101ALI20201218BHJP
【FI】
   C08L101/02
   C08K5/09
   B32B27/00 D
   G02B5/30
   C09J201/02
   C08K3/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
【出願番号】特願2019-559567(P2019-559567)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年12月4日
(31)【優先権主張番号】特願2017-236955(P2017-236955)
(32)【優先日】2017年12月11日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小橋 亜依
(72)【発明者】
【氏名】淺津 悠司
(72)【発明者】
【氏名】阪上 智恵
【テーマコード(参考)】
2H149
4F100
4J002
4J040
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AA18
2H149AB13
2H149BA02
2H149CA02
2H149EA12
2H149EA22
2H149FA02X
2H149FA03W
2H149FA05X
2H149FA05Y
2H149FA66
4F100AA02B
4F100AA02D
4F100AH02B
4F100AH02D
4F100AJ03A
4F100AJ03E
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK01D
4F100AK01E
4F100AK02C
4F100AK21B
4F100AK21C
4F100AK21D
4F100AK25B
4F100AK25D
4F100AK51B
4F100AK51D
4F100AT00C
4F100BA05
4F100BA06
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100CA02B
4F100CA02D
4F100GB41
4F100JB12B
4F100JB12D
4F100JB16A
4F100JB16E
4F100JD06
4F100JN10C
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4J002BE022
4J002BG071
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4J002DD036
4J002DD076
4J002DD086
4J002DE106
4J002DE246
4J002DF028
4J002DF036
4J002DG046
4J002DG048
4J002DH028
4J002DK006
4J002EF067
4J002EF117
4J002EF127
4J002EG046
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4J002EV238
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4J002EZ006
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4J002GJ01
4J002GP00
4J002GQ00
4J040DF021
4J040GA19
4J040NA17
(57)【要約】
オキサゾリン基含有重合体(A)と、亜鉛化合物(B)と、カルボキシル基を有する化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つとを含む硬化性組成物、並びに、光学フィルムと該硬化性組成物の硬化物から構成される第1硬化物層とを含む光学積層体及びこれを含む画像表示装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキサゾリン基含有重合体(A)と、
亜鉛化合物(B)と、
カルボキシル基を有する化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つとを含む、硬化性組成物。
【請求項2】
オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と、カルボキシル基を有する化合物(C)のカルボキシル基との反応を促進させる化合物(D)をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
光学フィルムと、請求項1又は2に記載の硬化性組成物の硬化物から構成される第1硬化物層とを含む、光学積層体。
【請求項4】
前記光学フィルムと、前記第1硬化物層と、第1熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に含む、請求項3に記載の光学積層体。
【請求項5】
第2熱可塑性樹脂フィルムと、第2硬化物層と、前記光学フィルムと、前記第1硬化物層と、前記第1熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に含む、請求項4に記載の光学積層体。
【請求項6】
前記光学フィルムが偏光子である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光学積層体。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の光学積層体と、画像表示素子とを含む、画像表示装置。
【請求項8】
オキサゾリン基含有重合体(A)と、亜鉛化合物(B)とを含む、偏光板用接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性組成物に関する。また本発明は、該硬化性組成物の硬化物から構成される硬化物層を含む光学積層体、及び該光学積層体を含む画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置は、スマートフォンやタブレット型端末に代表されるモバイル機器用途やカーナビゲーションシステムに代表される車載用機器用途に展開されている。このような用途においては、従来の屋内用TV用途に比べて苛酷な環境にさらされる可能性があることから、装置の耐久性向上が課題となっている。
【0003】
液晶表示装置等を構成する光学部材、例えば光学積層体においても同様に耐久性が求められている。すなわち、液晶表示装置等に組み込まれた光学部材は、高温又は高温高湿環境下に置かれたり、高温と低温とが繰り返される環境下に置かれたりすることがあるが、光学部材には、これらの環境下においても、光学特性が劣化しないことが求められる。
【0004】
光学積層体としては、硬化性組成物の硬化物から構成される硬化物層を含む光学積層体が挙げられる。このような光学積層体の一例は偏光板である。例えば、特開2009−008860号公報(特許文献1)には、偏光子上に硬化物層(接着剤層)を介して透明保護フィルムが積層された偏光板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−008860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記のような苛酷な環境下においても良好な耐熱耐久性(耐熱性)を示す硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、硬化性組成物の硬化物から構成される硬化物層を含み、耐熱性が良好な光学積層体、及びこれを含む画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下に示す硬化性組成物、光学積層体、画像表示装置、及び偏光板用接着剤組成物を提供する。
【0009】
[1] オキサゾリン基含有重合体(A)と、
亜鉛化合物(B)と、
カルボキシル基を有する化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つとを含む、硬化性組成物。
【0010】
[2] オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と、カルボキシル基を有する化合物(C)のカルボキシル基との反応を促進させる化合物(D)をさらに含む、[1]に記載の硬化性組成物。
【0011】
[3] 光学フィルムと、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物の硬化物から構成される第1硬化物層とを含む、光学積層体。
【0012】
[4] 前記光学フィルムと、前記第1硬化物層と、第1熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に含む、[3]に記載の光学積層体。
【0013】
[5] 第2熱可塑性樹脂フィルムと、第2硬化物層と、前記光学フィルムと、前記第1硬化物層と、前記第1熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に含む、[4]に記載の光学積層体。
【0014】
[6] 前記光学フィルムが偏光子である、[3]〜[5]のいずれかに記載の光学積層体。
【0015】
[7] [3]〜[6]のいずれかに記載の光学積層体と、画像表示素子とを含む、画像表示装置。
【0016】
[8] オキサゾリン基含有重合体(A)と、亜鉛化合物(B)とを含む、偏光板用接着剤組成物。
【発明の効果】
【0017】
上記のような苛酷な環境下においても良好な耐熱性を示す硬化性組成物を提供することができる。
【0018】
硬化性組成物の硬化物から構成される硬化物層を含み、耐熱性が良好な光学積層体、及びこれを含む画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る光学積層体の一例を示す概略断面図である。
図2】本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
図3】本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
図4】本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
図5】本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
図6】本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<硬化性組成物>
本発明に係る硬化性組成物は、オキサゾリン基含有重合体(A)と、亜鉛化合物(B)とを含む。
【0021】
以下、本発明に係る硬化性組成物を「硬化性組成物(S)」ともいう。硬化性組成物(S)の硬化物から構成される硬化物層を「第1硬化物層」ともいう。
【0022】
〔1〕オキサゾリン基含有重合体(A)
オキサゾリン基含有重合体(A)は、分子内にオキサゾリン基を有する重合体であり、側鎖にオキサゾリン基を有する重合体であることが好ましい。
【0023】
オキサゾリン基含有重合体(A)の骨格構造は特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル骨格、スチレン骨格、オレフィン骨格、エステル骨格、カーボネート骨格等から選択される1種以上の骨格からなることができる。
【0024】
本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記についても同様である。
【0025】
オキサゾリン基含有重合体(A)は、上記骨格構造の側鎖にオキサゾリン基を有することができる。
【0026】
オキサゾリン基含有重合体(A)は、側鎖にオキサゾリン基を有する構成単位(オキサゾリン基含有モノマー由来の構成単位)と、オキサゾリン基を有しない構成単位とを含むものであってよい。
【0027】
オキサゾリン基含有重合体(A)の好ましい一例は、構成単位の主成分として(メタ)アクリル骨格からなる骨格構造を含み、共重合成分として側鎖にオキサゾリン基を有する構成単位(オキサゾリン基含有モノマー由来の構成単位)を導入したオキサゾリン基含有(メタ)アクリル系重合体である。
【0028】
オキサゾリン基含有重合体(A)としては、オキサゾリン基含有モノマーを共重合したもののほか、重合体の側鎖官能基を変性することでオキサゾリン基を含有させたものであってもよい。
【0029】
オキサゾリン基としては、例えば、2−オキサゾリン基、3−オキサゾリン基、4−オキサゾリン基等が挙げられる。オキサゾリン基は、好ましくは2−オキサゾリン基等である。
【0030】
上記オキサゾリン基含有モノマーとしては、2−イソプロぺニル−2−オキサゾリン、ビニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
【0031】
オキサゾリン基含有重合体(A)の重量平均分子量は、好ましくは5000以上であり、より好ましくは10000以上である。重量平均分子量が上記範囲であることは、光学積層体の耐熱性の向上、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性の観点から有利となり得る。
【0032】
オキサゾリン基含有重合体(A)の重量平均分子量は、通常1000000以下である。
【0033】
オキサゾリン基含有重合体(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
【0034】
オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基量(オキサゾリン基含有重合体(A)の固形分1gあたりのオキサゾリン基のモル数)は、好ましくは0.4mmol/g・solid以上である。オキサゾリン基量が上記の範囲より小さいと、光学積層体の耐熱性に不利となり得る。該観点から、オキサゾリン基含有重合体のオキサゾリン基量は、より好ましくは3mmol/g・solid以上、さらに好ましくは5mmol/g・solid以上9mmol/g・solid以下である。
【0035】
オキサゾリン基量の上限は特に制限されないが、通常は50mmol/g・solid以下である。
【0036】
オキサゾリン基含有重合体(A)は、水系、すなわち水溶性の重合体であるか、又は水分散性の重合体であることが好ましい。第1硬化物層の光学特性の観点から、オキサゾリン基含有重合体(A)は、好ましくは水溶性の重合体である。
【0037】
オキサゾリン基含有重合体(A)として、市販品を用いてもよい。具体的には、株式会社日本触媒製 エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700(いずれも商品名)等のオキサゾリン基含有アクリルポリマー;株式会社日本触媒製 エポクロスK−1000シリーズ、エポクロスK−2000シリーズ、エポクロスRPSシリーズ(いずれも商品名)等のオキサゾリン基含有アクリル/スチレンポリマーが挙げられる。
【0038】
オキサゾリン基含有重合体(A)は、2種以上を併用して使用することができる。
光学積層体の耐熱性や光学特性、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性、並びに第1硬化物層の耐水性の観点から、オキサゾリン基含有重合体(A)は、エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700等のオキサゾリン基含有アクリルポリマーであることが好ましい。
【0039】
オキサゾリン基含有重合体(A)の含有量は、硬化性組成物(S)の固形分濃度を100質量%とするとき、好ましくは5質量%以上95質量%以下、より好ましくは10質量%以上90質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上85質量%以下である。オキサゾリン基含有重合体(A)の含有量を上記の範囲内にすることは、光学積層体の耐熱性の向上、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性の観点から好ましい。
【0040】
固形分濃度とは、硬化性組成物(S)に含まれる溶剤以外の成分の合計濃度をいう。
〔2〕亜鉛化合物(B)
亜鉛化合物(B)は、亜鉛元素を含む化合物である。硬化性組成物(S)は、1種の亜鉛化合物(B)を含んでいてもよいし、2種以上の亜鉛化合物(B)を含んでいてもよい。
【0041】
亜鉛化合物(B)としては、例えば次のものが挙げられる。
a)無機亜鉛塩
フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛;
硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、硫酸亜鉛アルミニウム、硫酸亜鉛カリウム、クロム酸亜鉛、スズ酸亜鉛等
b)その他の無機亜鉛化合物
亜鉛の酸化物(酸化亜鉛);
無機系亜鉛錯体
c)有機亜鉛塩
蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、アジピン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヒドロキシ酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、リン酸エステル亜鉛塩等の有機酸亜鉛塩
d)その他の有機亜鉛化合物
ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等;
有機系亜鉛錯体
亜鉛化合物(B)の含有量は、光学積層体の耐熱性を高める観点から、オキサゾリン基含有重合体(A)100質量部に対して、通常1質量部以上300質量部以下であり、好ましくは2質量部以上250質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上200質量部以下であり、さらに好ましくは10質量部以上150質量部以下である。
【0042】
1つの実施形態において、亜鉛化合物(B)の含有量は、オキサゾリン基含有重合体(A)100質量部に対して、10質量部以上140質量部以下又は10質量部以上120質量部以下である。
【0043】
亜鉛化合物(B)の含有量が過度に少ないと、亜鉛化合物(B)を含有させることによる光学積層体の耐熱性を高める効果が得られにくい。また、亜鉛化合物(B)の含有量が過度に多いと、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、及び第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性の少なくともいずれかが低下しやすい傾向にある。
【0044】
〔3〕カルボキシル基を有する化合物(C)及び該化合物(C)の酸無水物
硬化性組成物(S)は、カルボキシル基を有する化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物から選択される少なくとも1つをさらに含むことができる。以下、カルボキシル基を有する化合物(C)を「化合物(C)」ともいう。
【0045】
化合物(C)は、オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と反応し得るカルボキシル基を有する化合物である。ここでいうカルボキシル基には、カルボキシル基の誘導体も含まれるが、化合物(C)の酸無水物は含まれない。
【0046】
カルボキシル基の誘導体としては、カルボキシレートアニオン基が挙げられる。カルボキシレートアニオン基の対イオンとなるカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の金属イオン;アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン等の有機カチオン等が挙げられる。
【0047】
硬化性組成物(S)は、1種の化合物(C)を含んでいてもよいし、2種以上の化合物(C)を含んでいてもよい。硬化性組成物(S)は、1種の化合物(C)の酸無水物を含んでいてもよいし、2種以上の化合物(C)の酸無水物を含んでいてもよい。硬化性組成物(S)は、1種以上の化合物(C)と、1種以上の化合物(C)の酸無水物とを含んでいてもよい。
【0048】
中でも、化合物(C)は、光学積層体の耐熱性、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性、並びに第1硬化物層の耐水性を高める観点から、分子内にカルボキシル基(又はその誘導体)を2以上有する化合物(多官能カルボン酸化合物)であることが好ましい。
【0049】
多官能カルボン酸化合物の一例は、ジカルボン酸化合物である。ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、オキサロ酢酸、メチルフマル酸、2,6−ピリジンジカルボン酸等が挙げられる。
【0050】
多官能カルボン酸化合物の他の一例は、トリカルボン酸化合物である。トリカルボン酸化合物としては、クエン酸、アコニット酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ビフェニル−3,4’,5−トリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等が挙げられる。
【0051】
多官能カルボン酸化合物のさらに他の一例は、テトラカルボン酸化合物である。テトラカルボン酸化合物としては、ピロメリット酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、チオフェンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−テトラキス(4−カルボキシフェニル)ベンゼン等が挙げられる。
【0052】
上で例示した多官能カルボン酸化合物において、少なくとも1つのカルボキシル基は、その誘導体であってもよい。
【0053】
化合物(C)は、カルボキシル基以外の他の官能基を有していてもよい。他の官能基の一例はヒドロキシ基である。
【0054】
光学積層体の耐熱性の観点から、化合物(C)が有するカルボキシル基の数は、好ましくは2又は3である。
【0055】
多官能カルボン酸化合物は、分子内にカルボキシル基(又はその誘導体)を2以上有する重合体であってもよい。該重合体の一例は、カルボキシル基変性重合体である。カルボキシル基変性重合体の一例は、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体である。
【0056】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体は、カルボキシル基又はその誘導体が側鎖に導入されることによって変性されたポリビニルアルコール系重合体である。
【0057】
カルボキシル基の誘導体としては、カルボキシレートアニオン基が挙げられる。カルボキシレートアニオン基の対イオンとなるカチオンの例は上述のとおりである。好ましいカチオンの一例は、ナトリウムイオンである。
【0058】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体の主鎖を構成するポリビニルアルコール系重合体は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマー(完全ケン化ポリビニルアルコール又は部分ケン化ポリビニルアルコール)であってもよいし、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体であってもよい。
【0059】
酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0060】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体のケン化度は、通常80モル%以上100モル%以下であり、好ましくは85モル%以上(例えば88モル%以上)である。
【0061】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体のケン化度は、JIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
【0062】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体のカルボキシル基(又はその誘導体)による変性度(変性量)は、通常0.1モル%以上である。カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体の変性度は、光学積層体の耐熱性、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性、並びに第1硬化物層の耐水性を高める観点から、好ましくは0.5モル%以上40モル%以下であり、より好ましくは1モル%以上20モル%以下である。変性度は、例えば、H−NMRによって測定することができる。
【0063】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体の平均重合度は、通常100以上3000以下である。
【0064】
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準じて測定することができる。
【0065】
1つの好ましい実施形態において化合物(C)は、分子量が1000以下である。この分子量は、化学構造式から算出される分子量であるが、化合物(C)が重合体である場合には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定される数平均分子量であってもよい。
【0066】
分子量が1000以下である化合物(C)を用いることは、光学積層体の耐熱性を高めるうえで有利となり得る。光学積層体の耐熱性の観点から、化合物(C)の分子量は、好ましくは800以下であり、より好ましくは500以下である。
【0067】
また、化合物(C)の分子量は、光学積層体の耐熱性、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、並びに第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性の観点から、好ましくは90以上であり、より好ましくは100以上である。
【0068】
化合物(C)の好ましい例は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸である。
化合物(C)の酸無水物としては、カルボン酸無水物が挙げられる。カルボン酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水安息香酸等が挙げられる。
【0069】
化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物から選択される少なくとも1つの含有量は、光学積層体の耐熱性を高める観点から、オキサゾリン基含有重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以上25質量部以下であり、さらに好ましくは0.2質量部以上20質量部以下であり、なおさらに好ましくは0.2質量部以上15質量部以下である。
【0070】
1つの実施形態において、化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物から選択される少なくとも1つの含有量は、オキサゾリン基含有重合体(A)100質量部に対して、0.3質量部以上10質量部以下、0.5質量部以上10質量部以下、又は0.5質量部以上8質量部以下、又は1質量部以上8質量部以下である。
【0071】
化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物から選択される少なくとも1つの含有量が過度に少ないと、化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物から選択される少なくとも1つを含有させることによる光学積層体の耐熱性を高める効果が得られにくい。また、化合物(C)及び化合物(C)の酸無水物から選択される少なくとも1つの含有量が過度に多いと、光学積層体の耐熱性を高める効果が低下しやすい傾向にある。
【0072】
〔4〕オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と、カルボキシル基を有する化合物(C)のカルボキシル基との反応を促進させる化合物(D)
硬化性組成物(S)は、オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と、カルボキシル基を有する化合物(C)のカルボキシル基との反応を促進させる化合物(D)をさらに含むことができる。以下、この化合物を「化合物(D)」ともいう。ここでいう促進には、該反応を開始させる場合も含まれる。
【0073】
硬化性組成物(S)が化合物(C)の酸無水物を含む場合、化合物(D)は、化合物(C)の酸無水物の少なくとも一部が加水分解されることにより生じるカルボン酸におけるカルボキシル基との反応を開始又は促進させる。
【0074】
化合物(D)の好適な例としては、酸化合物が挙げられる。酸化合物は、オキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と、化合物(C)のカルボキシル基及び/又は化合物(C)の酸無水物が加水分解されることにより生じるカルボキシル基との反応の触媒として機能する化合物であってもよい。
【0075】
上記酸化合物としては、硫酸、塩化水素、硝酸、リン酸、亜リン酸、ホウ酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フェニルリン酸、スルファニル酸、フェニルホスホン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸が挙げられる。
【0076】
硬化性組成物(S)は、1種の化合物(D)を含んでいてもよいし、2種以上の化合物(D)を含んでいてもよい。
【0077】
化合物(D)は、化合物(D)を含む溶液(例えば水溶液)として硬化性組成物(S)に配合されてもよい。
【0078】
中でも、化合物(D)は、光学積層体の耐熱性、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、比較的強い酸であることが好ましく、このような酸化合物として、硫酸、塩化水素(塩酸)、硝酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
【0079】
化合物(D)として上記のような強酸を用いると、とりわけ光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性や、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を向上させやすい傾向にある。
【0080】
硬化性組成物(S)における化合物(D)の含有量は、オキサゾリン基含有重合体(A)100質量部に対して、通常1質量部以上150質量部以下であり、光学積層体の耐熱性、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める観点から、好ましくは3質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上100質量部以下であり、さらに好ましくは10質量部以上100質量部以下である。
【0081】
1つの好ましい実施形態において化合物(D)の含有量は、光学積層体の耐熱性を高める観点から、オキサゾリン基含有重合体(A)100質量部に対して、10質量部以上80質量部以下又は10質量部以上50質量部以下である。
【0082】
化合物(D)の含有量が過度に少ないと、化合物(D)を含有させることによる光学積層体の耐熱性を高める効果が得られにくい。また、化合物(D)の含有量が過度に少ないと、化合物(D)を含有させることによる光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性を高める効果や、第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性を高める効果が得られにくい。
【0083】
化合物(D)の含有量が過度に多いと、光学積層体における光学フィルムと第1硬化物層との間の密着性、及び第1硬化物層と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間の密着性の少なくともいずれかが低下しやすい傾向にある。
【0084】
〔5〕その他の成分
硬化性組成物(S)は、オキサゾリン基含有重合体(A)、亜鉛化合物(B)、化合物(C)、化合物(C)の酸無水物及び化合物(D)以外のその他の成分を含むことができる。
【0085】
その他の成分としては、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、アジリジン化合物、グリオキザール、グリオキザール誘導体、水溶性エポキシ樹脂等の硬化性成分や架橋剤;カルボキシル基変性ポリビニルアルコール系重合体以外の変性ポリビニルアルコール系重合体;カップリング剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、加水分解防止剤等の添加剤が挙げられる。
【0086】
硬化性組成物(S)は、その他の成分を1種又は2種以上含むことができる。
硬化性組成物(S)は、溶剤を含むことが好ましい。溶剤としては、水、有機溶剤、又はこれらの混合物が挙げられる。溶剤は、好ましくは水を含むが、水と水溶性の有機溶剤とを併用してもよい。有機溶剤としては、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール溶剤が挙げられる。
【0087】
溶剤の主成分は、水であることが好ましい。主成分とは、全溶剤の50質量%以上を占めることを意味する。
【0088】
硬化性組成物(S)の固形分濃度は、通常0.5質量%以上20質量%以下であり、好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
【0089】
硬化性組成物(S)は、基材上に塗膜(コーティング層)を形成するための塗工液として用いることができる。例えば、硬化性組成物(S)を基材上に塗工し、塗工層を硬化させることによって塗膜を形成することができる。基材は、好ましくは光学フィルムである。光学フィルムについては後述する。この場合、光学積層体は、光学フィルムと、硬化性組成物(S)の硬化物から構成される第1硬化物層とを含む。
【0090】
硬化性組成物(S)は、接着剤組成物として用いることもできる。1つの実施形態において硬化性組成物(S)は、光学フィルムと第1熱可塑性樹脂フィルムとを貼合するための接着剤組成物である。この場合、光学積層体は、光学フィルムと、硬化性組成物(S)の硬化物から構成される第1硬化物層(接着剤層)と、第1熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に含む。この光学積層体は、光学フィルム及び第1熱可塑性樹脂フィルムの少なくともいずれか一方の貼合面に硬化性組成物(S)を塗工し、塗工層を介して光学フィルムと第1熱可塑性樹脂フィルムとを積層させて積層体を得た後、塗工層を硬化させることによって作製することができる。
【0091】
光学積層体は、光学フィルムが偏光子である偏光板であることが好ましい。偏光板とは、偏光子と、その少なくとも一方の面に積層される第1硬化物層(硬化性組成物(S)の硬化物から構成される硬化物層)とを含む光学積層体である。
【0092】
接着剤組成物である硬化性組成物(S)は、偏光板用接着剤組成物、すなわち、偏光板を作製するために用いられる接着剤組成物であることが好ましい。この場合、硬化性組成物(S)は、例えば偏光子と第1熱可塑性樹脂フィルムとを貼合するために用いられる。
【0093】
硬化性組成物(S)は、好ましくは水系組成物である。すなわち、硬化性組成物(S)は、水を含む溶剤に配合成分を溶解させた溶液であるか、水を含む溶剤に配合成分を分散させた分散体(例えばエマルション)であることが好ましい。
【0094】
硬化性組成物(S)の25℃における粘度は、50mPa・sec以下であることが好ましく、1mPa・sec以上30mPa・sec以下であることがより好ましく、2mPa・sec以上20mPa・sec以下であることがさらに好ましい。25℃における粘度が50mPa・secを超えると、均一に塗工することが難しくなって塗工ムラを生じる可能性があり、また、配管の目詰まり等の不具合が発生する可能性がある。
【0095】
硬化性組成物(S)の25℃における粘度は、E型粘度計によって測定することができる。
【0096】
<光学積層体>
本発明に係る光学積層体は、光学フィルムと、その少なくとも一方の面に積層される第1硬化物層(硬化性組成物(S)の硬化物から構成される硬化物層)とを含む。
【0097】
本発明によれば、光学積層体に含まれる硬化物層が硬化性組成物(S)の硬化物から構成されているので、光学積層体の耐熱性を良好なものとすることができる。
【0098】
〔1〕光学積層体の構成
光学積層体の層構成の例を図1図5に示す。
【0099】
図1に示される光学積層体は、光学フィルム30と、その一方の面に積層される第1硬化物層15とを含む。第1硬化物層15は、光学フィルム30の表面を被覆して保護するオーバーコート層、光学フィルム30に追加的に光学機能を付与する光学機能層等として機能することができる。
【0100】
光学フィルム30と第1硬化物層15とは直接接していることが好ましい。
図2に示される光学積層体は、光学フィルム30と、その一方の面に第1硬化物層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10とを含む。第1硬化物層15は、光学フィルム30と第1熱可塑性樹脂フィルム10とを接着する接着剤層として機能することができる。
【0101】
第1硬化物層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とは直接接していることが好ましい。
【0102】
光学フィルム30と第1硬化物層15とは直接接していることが好ましい。
図3に示される光学積層体は、光学フィルム30と、その一方の面に第1硬化物層15を介して積層貼合される第1熱可塑性樹脂フィルム10と、光学フィルム30の他方の面に第2硬化物層25を介して積層貼合される第2熱可塑性樹脂フィルム20とを含む。すなわち、本発明に係る光学積層体は、第2熱可塑性樹脂フィルム20と第2硬化物層25と光学フィルム30と第1硬化物層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とをこの順に含むものであってもよい。第1硬化物層15及び第2硬化物層25はそれぞれ、光学フィルム30と第1熱可塑性樹脂フィルム10とを接着する接着剤層、光学フィルム30と第2熱可塑性樹脂フィルム20とを接着する接着剤層として機能することができる。
【0103】
第1硬化物層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とは直接接していることが好ましい。
【0104】
光学フィルム30と第1硬化物層15とは直接接していることが好ましい。
第2硬化物層25と第2熱可塑性樹脂フィルム20とは直接接していることが好ましい。
【0105】
光学フィルム30と第2硬化物層25とは直接接していることが好ましい。
図4に示される光学積層体は、光学フィルム30と、その一方の面に積層される第1硬化物層15と、光学フィルム30の他方の面に第2硬化物層25を介して積層貼合される第2熱可塑性樹脂フィルム20とを含む。第1硬化物層15は、光学フィルム30の表面を被覆して保護するオーバーコート層、光学フィルム30に追加的に光学機能を付与する光学機能層等として機能することができる。第2硬化物層25は、光学フィルム30と第2熱可塑性樹脂フィルム20とを接着する接着剤層として機能することができる。
【0106】
光学フィルム30と第1硬化物層15とは直接接していることが好ましい。
第2硬化物層25と第2熱可塑性樹脂フィルム20とは直接接していることが好ましい。
【0107】
光学フィルム30と第2硬化物層25とは直接接していることが好ましい。
図5に示される光学積層体は、光学フィルム30と、その一方の面に積層される第1硬化物層15と、光学フィルム30の他方の面に積層される第2硬化物層25とを含む。第1硬化物層15及び第2硬化物層25は、光学フィルム30の表面を被覆して保護するオーバーコート層、光学フィルム30に追加的に光学機能を付与する光学機能層等として機能することができる。
【0108】
光学フィルム30と第1硬化物層15とは直接接していることが好ましい。
光学フィルム30と第2硬化物層25とは直接接していることが好ましい。
【0109】
光学フィルム30は、液晶表示装置等の画像表示装置に組み込まれ得る各種の光学フィルム(光学特性を有するフィルム)であってよい。光学フィルム30としては、例えば、偏光子、位相差フィルム、輝度向上フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム、集光フィルム等が挙げられる。
【0110】
光学積層体は、上記以外の他の層(又はフィルム)を含むことができる。他の層としては、例えば、第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20、第1硬化物層15、第2硬化物層25及び/又は光学フィルム30の外面に積層される粘着剤層;該粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルム(「剥離フィルム」とも呼ばれる。);第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20、第1硬化物層15、第2硬化物層25及び/又は光学フィルム30の外面に積層されるプロテクトフィルム(「表面保護フィルム」とも呼ばれる。);第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20、第1硬化物層15、第2硬化物層25及び/又は光学フィルム30の外面に接着剤層や粘着剤層を介して積層される光学機能性フィルム(又は層)等が挙げられる。
【0111】
〔2〕偏光子
偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有する層又はフィルムである。
【0112】
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着・配向させたフィルムが挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素、二色性有機染料等が挙げられる。
【0113】
また、偏光子は、リオトロビック液晶状態の二色性染料を基材フィルムにコーティングし、配向・固定化した塗布型偏光フィルムであってもよい。
【0114】
以上の偏光子は、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収するため吸収型偏光子と呼ばれている。
【0115】
偏光子は、吸収型偏光子に限定されず、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を反射する反射型偏光子、又はもう一方向の直線偏光を散乱する散乱型偏光子でも構わないが、視認性に優れる点から吸収型偏光子が好ましい。中でも、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成されるポリビニルアルコール系偏光フィルムがより好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性色素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光フィルムがさらに好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着・配向させたポリビニルアルコール系偏光フィルムが特に好ましい。
【0116】
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0117】
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は通常、85モル%以上100モル%以下であり、98モル%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール又はポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1000以上10000以下であり、1500以上5000以下が好ましい。
【0118】
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準拠して求めることができる。
【0119】
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成された偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは、例えば150μm以下であり、好ましくは100μm以下(例えば50μm以下)であり、5μm以上である。
【0120】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムで構成された偏光フィルムは、公知の方法によって製造できる。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理(架橋処理)する工程;及び、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
【0121】
偏光子の厚みは、40μm以下とすることができ、好ましくは30μm以下(例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下又は8μm以下)である。特開2000−338329号公報や特開2012−159778号公報に記載の方法によれば、薄膜の偏光子をより容易に製造することができ、偏光子の厚みを、例えば20μm以下、さらには15μm以下、なおさらには10μm以下又は8μm以下とすることがより容易になる。偏光子の厚みは、通常2μm以上である。偏光子の厚みを小さくすることは、光学積層体(偏光板)、及びこれを含む画像表示装置の薄型化に有利である。
【0122】
〔3〕位相差フィルム
位相差フィルムとしては、透光性を有する熱可塑性樹脂を一軸延伸又は二軸延伸した延伸フィルム;ディスコティック液晶又はネマチック液晶等の液晶性化合物が配向固定されたフィルム;基材フィルム上に上記の液晶層が形成されたもの等が挙げられる。また、本明細書においては、ゼロレタデーションフィルムも位相差フィルムに含まれる。
【0123】
基材フィルムは通常、熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、熱可塑性樹脂の一例は、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂である。
【0124】
透光性を有する熱可塑性樹脂としては、後述する第1熱可塑性樹脂フィルム10を構成する樹脂等が挙げられる。
【0125】
ゼロレタデーションフィルムとは、面内位相差値R及び厚み方向位相差値Rthがともに−15〜15nmであるフィルムをいう。この位相差フィルムは、IPSモードの液晶表示装置に好適に用いられる。面内位相差値R及び厚み方向位相差値Rthは、好ましくはともに−10〜10nmであり、より好ましくはともに−5〜5nmである。ここでいう面内位相差値R及び厚み方向位相差値Rthは、波長590nmにおける値である。
【0126】
面内位相差値Re及び厚み方向位相差値Rthは、それぞれ下記式:
=(n−n)×d
th=〔(n+n)/2−n〕×d
で定義される。式中、nはフィルム面内の遅相軸方向(x軸方向)の屈折率であり、nはフィルム面内の進相軸方向(面内でx軸に直交するy軸方向)の屈折率であり、nはフィルム厚み方向(フィルム面に垂直なz軸方向)の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
【0127】
ゼロレタデーションフィルムには、例えば、セルロース系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂又は(メタ)アクリル系樹脂からなる樹脂フィルムを用いることができる。特に、位相差値の制御が容易で、入手も容易であることから、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又は(メタ)アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
【0128】
液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムとしては、
第一の形態:棒状液晶化合物が支持基材に対して水平方向に配向した位相差フィルム、
第二の形態:棒状液晶化合物が支持基材に対して垂直方向に配向した位相差フィルム、
第三の形態:棒状液晶化合物が面内で螺旋状に配向の方向が変化している位相差フィルム、
第四の形態:円盤状液晶化合物が傾斜配向している位相差フィルム、
第五の形態:円盤状液晶化合物が支持基材に対して垂直方向に配向した二軸性の位相差フィルムが挙げられる。
【0129】
例えば、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに用いられる光学フィルムとしては、第一の形態、第二の形態、第五の形態が好適に用いられる。またはこれらを積層させて用いてもよい。
【0130】
位相差フィルムが、重合性液晶化合物の配向状態における重合体からなる層(以下、「光学異方性層」と称する場合がある)である場合、位相差フィルムは逆波長分散性を有することが好ましい。逆波長分散性とは、短波長での液晶配向面内位相差値の方が長波長での液晶配向面内位相差値よりも小さくなる光学特性であり、好ましくは、位相差フィルムが下記式(1)及び式(2)を満たすことである。なお、R(λ)は波長λnmの光に対する面内位相差値を表す。
【0131】
(450)/R(550)≦1 (1)
1≦R(630)/R(550) (2)
位相差フィルムが第一の形態でかつ逆波長分散性を有する場合、表示装置での黒表示時の着色が低減するため好ましく、式(1)において0.82≦R(450)/R(550)≦0.93であればより好ましい。さらに120≦R(550)≦150が好ましい。
【0132】
位相差フィルムが、光学異方性層を有するフィルムである場合の重合性液晶化合物としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、並びに、特開2010−31223号公報、特開2010−270108号公報、特開2011−6360号公報、特開2011−207765号公報、特開2016−81035号公報、国際公開第2017/043438号及び特表2011−207765号公報に記載の重合性液晶化合物が挙げられる。
【0133】
重合性液晶化合物の配向状態における重合体から位相差フィルムを製造する方法は、例えば、特開2010−31223号公報に記載の方法が挙げられる。
【0134】
第2の形態の場合、面内位相差値R(550)は0〜10nmの範囲に、好ましくは0〜5nmの範囲に調整すればよく、厚み方向の位相差値Rthは、−10〜−300nmの範囲に、好ましくは−20〜−200nmの範囲に調整すればよい。
【0135】
厚み方向の屈折率異方性を意味する厚み方向の位相差値Rthは、面内の進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定される位相差値R50と面内位相差値Rとから算出できる。すなわち、厚み方向の位相差値Rthは、面内の位相差値R、進相軸を傾斜軸として50度傾斜させて測定した位相差値R50、位相差フィルムの厚みd、及び位相差フィルムの平均屈折率nから、以下の式(4)〜(6)によりn、n及びnを求め、これらを式(3)に代入して、算出することができる。
【0136】
th=[(n+n)/2−n]×d (3)
=(n−n)×d (4)
50=(n−n’)×d/cos(φ) (5)
(n+n+n)/3=n (6)
ここで、
φ=sin−1〔sin(40°)/n
’=n×n/〔n×sin(φ)+n×cos(φ)〕1/2
位相差フィルムは、二以上の層を有する多層フィルムであってもよい。例えば、位相差フィルムの片面又は両面に保護フィルムが積層されたものや、二以上の位相差フィルムが粘着剤又は接着剤を介して積層されたものが挙げられる。
【0137】
〔4〕第1硬化物層
第1硬化物層15は、硬化性組成物(S)の硬化物から構成される硬化物層である。硬化性組成物(S)については上述のとおりである。硬化性組成物(S)は、例えば、熱によって硬化させることができる。
【0138】
〔5〕熱可塑性樹脂フィルム
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。
【0139】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、延伸されていないフィルム、又は一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、第1方向に延伸した後でこれとは異なる第2方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。
【0140】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、光学フィルム30を保護する役割を担う保護フィルムであってもよいし、位相差フィルム等の光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。
【0141】
位相差フィルムについては、上記〔4〕の記載が引用される。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
【0142】
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンやテトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)又はそれらの誘導体を代表例とする環状オレフィンを重合単位として含む樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂としては、環状オレフィンの開環(共)重合体及びその水素添加物、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等の鎖状オレフィン又はビニル基を有する芳香族化合物との共重合体、並びにこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した変性(共)重合体等が挙げられる。
【0143】
中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体等のノルボルネン系単量体を用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
【0144】
セルロースエステル系樹脂は、セルロースにおけるヒドロキシル基の少なくとも一部が酢酸エステル化されている樹脂であり、一部が酢酸エステル化され、一部が他の酸でエステル化されている混合エステルであってもよい。セルロースエステル系樹脂は、好ましくはアセチルセルロース系樹脂である。
【0145】
アセチルセルロース系樹脂としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。
【0146】
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。
【0147】
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレート等が挙げられる。
【0148】
中でも、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コスト等の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。ポリエチレンテレフタレートとは、繰返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂をいい、他の共重合成分(イソフタル酸等のジカルボン酸成分;プロピレングリコール等のジオール成分等)に由来する構成単位を含んでいてもよい。
【0149】
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又はビスフェノールとから形成されるポリエステルである。中でも、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐候性及び耐酸性の観点から好ましく使用される。
【0150】
ポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが挙げられる。
【0151】
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位を含む重合体であり、(メタ)アクリル系単量体としては、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルが挙げられる。
【0152】
メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−、i−又はt−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0153】
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0154】
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリルモノマー由来の構成単位のみからなる重合体であってもよいし、その他の構成単位を含んでいてもよい。
【0155】
1つの好ましい実施形態において(メタ)アクリル系樹脂は、共重合成分としてメタクリル酸メチルを含むか、又はメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとを含む。
【0156】
1つの好ましい実施形態において(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステルを主たる単量体とする(50質量%以上含有する)重合体であることができ、メタクリル酸エステルと他の共重合成分とが共重合されている共重合体であることが好ましい。
【0157】
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上160℃以下である。ガラス転移温度は、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体との重合比、それぞれのエステル基の炭素鎖長及びそれら有する官能基の種類、並びに単量体全体に対する多官能単量体の重合比の調整によって制御可能である。
【0158】
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めるための手段として、高分子の主鎖に環構造を導入することも有効である。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造及びラクトン構造等の複素環構造であることが好ましい。具体的には、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造等の環状酸無水物構造;グルタルイミド構造、コハクイミド構造等の環状イミド構造;ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン環構造が挙げられる。
【0159】
主鎖中の環構造の含有量を大きくするほど(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高くすることができる傾向にある。
【0160】
環状酸無水物構造、環状イミド構造は、無水マレイン酸、マレイミド等の環状構造を有する単量体を共重合させることによって導入する方法;重合後脱水・脱メタノール縮合反応により環状酸無水物構造を導入する方法;アミノ化合物を反応させて環状イミド構造を導入する方法等によって導入することができる。
【0161】
ラクトン環構造を有する樹脂(重合体)は、高分子鎖にヒドロキシル基とエステル基とを有する重合体を調製した後、得られた重合体におけるヒドロキシル基とエステル基とを、加熱により、必要に応じて有機リン化合物等の触媒の存在下に環化縮合させてラクトン環構造を形成する方法によって得ることができる。
【0162】
(メタ)アクリル系樹脂及びそれから形成される熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、界面活性剤等を挙げることができる。
【0163】
これらの添加剤は、熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂として、(メタ)アクリル系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を用いる場合にも使用することができる。
【0164】
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、衝撃性改良剤であるアクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、この弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。
【0165】
上記弾性重合体の例として、アクリル酸アルキルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニル系単量体及び架橋性単量体を共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。
【0166】
弾性重合体の主成分となるアクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等、アルキル基の炭素数が1以上8以下程度のものが挙げられ、炭素数4以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルが好ましく用いられる。
【0167】
上記アクリル酸アルキルに共重合可能な他のビニル系単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個有する化合物を挙げることができ、より具体的には、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル等のビニルシアン化合物等が挙げられる。
【0168】
上記架橋性単量体としては、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有する架橋性の化合物を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0169】
ゴム粒子を含まない(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムと、ゴム粒子を含む(メタ)アクリル系樹脂からなるフィルムとの積層体を、光学フィルム30に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。また、(メタ)アクリル樹脂とは異なる樹脂からなる位相差発現層の片面又は両面に、(メタ)アクリル系樹脂層が形成され、位相差が発現されたものを、光学フィルム30に貼合される熱可塑性樹脂フィルムとすることもできる。
【0170】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20はそれぞれ、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される1以上の熱可塑性樹脂を含むフィルムであることが好ましく、セルロースエステル系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、又は環状ポリオレフィン系樹脂フィルムであることがより好ましい。
【0171】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、有機系染料、顔料、無機色素、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、滑剤、分散剤、熱安定化剤等を含有していてもよい。光学積層体を画像表示装置に適用する場合、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムを画像表示素子(例えば液晶セルや有機EL表示素子等)の視認側に配置することで、画像表示素子の紫外線による劣化を抑制することができる。
【0172】
紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
【0173】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、同じ熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよいし、互いに異なる熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20は、厚み、添加剤の有無やその種類、位相差特性等において同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0174】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20は、その外面(光学フィルム30とは反対側の表面)にハードコート層、防眩層、反射防止層、光拡散層、帯電防止層、防汚層、導電層等の表面処理層(コーティング層)を備えていてもよい。
【0175】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、通常5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上120μm以下、より好ましくは10μm以上85μm以下、さらに好ましくは15μm以上65μm以下である。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みはそれぞれ、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の厚みを小さくすることは、光学積層体(偏光板)、及びこれを含む画像表示装置の薄型化に有利である。
【0176】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の硬化性組成物が塗布される面においては、密着性向上の観点より、ケン化処理、プラズマ処理、コロナ処理、プライマー処理等の表面改質処理を行ってもよいし、工程の簡素化の観点より、表面改質処理を実施しなくてもよい。表面改質処理は、熱可塑性樹脂フィルムの貼合面の代わりに、あるいは該貼合面とともに、光学フィルム30の貼合面に行ってもよい。
【0177】
第1熱可塑性樹脂フィルム10又は第2熱可塑性樹脂フィルム20がセルロースエステル系樹脂フィルムである場合は、密着性向上の観点から、ケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
【0178】
〔6〕第2硬化物層
第2硬化物層25を形成する硬化性組成物は、上述の硬化性組成物(S)であってもよいし、これとは異なる他の硬化性組成物であってもよい。第2硬化物層25は、光学積層体の耐熱性等の観点から、硬化性組成物(S)の硬化物層であることが好ましい。
【0179】
第1硬化物層15及び第2硬化物層25が硬化性組成物(S)から形成される場合において、これらの硬化性組成物は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
【0180】
他の硬化性組成物としては、硬化性の樹脂成分を水に溶解又は分散させた公知の水系組成物(水系接着剤を含む。)及び活性エネルギー線硬化性化合物を含有する公知の活性エネルギー線硬化性組成物(活性エネルギー線硬化性接着剤を含む。)等が挙げられる。
【0181】
水系組成物に含有される樹脂成分としては、ポリビニルアルコール系樹脂やウレタン樹脂等が挙げられる。
【0182】
ポリビニルアルコール系樹脂を含む水系組成物は、密着性や接着性を向上させるために、多価アルデヒド、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキザール、グリオキザール誘導体、水溶性エポキシ樹脂等の硬化性成分や架橋剤をさらに含有することができる。
【0183】
ウレタン樹脂を含む水系組成物としては、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物とを含む水系組成物が挙げられる。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。
【0184】
活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線、可視光、電子線、X線等の活性エネルギー線の照射によって硬化する組成物である。活性エネルギー線硬化性組成物を用いる場合、第2硬化物層25は、当該組成物の硬化物層である。
【0185】
活性エネルギー線硬化性組成物は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する組成物であることができ、好ましくは、かかるエポキシ系化合物を硬化性成分として含有する紫外線硬化性組成物である。エポキシ系化合物とは、分子内に平均1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物を意味する。エポキシ系化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0186】
エポキシ系化合物としては、芳香族ポリオールの芳香環に水素化反応を行って得られる脂環式ポリオールに、エピクロロヒドリンを反応させることにより得られる水素化エポキシ系化合物(脂環式環を有するポリオールのグリシジルエーテル);脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ系化合物;脂環式環に結合したエポキシ基を分子内に1個以上有するエポキシ系化合物である脂環式エポキシ系化合物等が挙げられる。
【0187】
活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化性成分として、上記エポキシ系化合物の代わりに、又はこれとともにラジカル重合性である(メタ)アクリル系化合物を含有することができる。(メタ)アクリル系化合物としては、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー;官能基含有化合物を2種以上反応させて得られ、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を挙げることができる。
【0188】
活性エネルギー線硬化性組成物は、カチオン重合によって硬化するエポキシ系化合物を硬化性成分として含む場合、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩;鉄−アレン錯体等を挙げることができる。
【0189】
活性エネルギー線硬化性組成物は、(メタ)アクリル系化合物等のラジカル重合性成分を含む場合、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、ベンゾインエーテル系開始剤、チオキサントン系開始剤、キサントン、フルオレノン、カンファーキノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン等を挙げることができる。
【0190】
光学積層体は、第2硬化物層25の代わりに粘着剤層を含むものであってもよい。すなわち、第2熱可塑性樹脂フィルム20を粘着剤層を介して光学フィルム30に貼合してもよい。該粘着剤層については、後述する粘着剤層についての記載が引用される。
【0191】
〔7〕光学積層体の製造
光学フィルム30の一方の面に第1硬化物層15を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10を積層接着することにより、図2に示される構成の光学積層体を得ることができ、光学フィルム30の他方の面に第2硬化物層25を介して第2熱可塑性樹脂フィルム20をさらに積層接着することにより、図3に示される構成の光学積層体を得ることができる。
【0192】
第1熱可塑性樹脂フィルム10及び第2熱可塑性樹脂フィルム20の双方を有する光学積層体を製造する場合、これらのフィルムは、段階的に片面ずつ積層接着してもよいし、両面のフィルムを同時に積層接着してもよい。
【0193】
光学フィルム30と第1熱可塑性樹脂フィルム10とを接着させる方法としては、硬化性組成物(S)を光学フィルム30及び第1熱可塑性樹脂フィルム10の貼合面のいずれか一方又はその両方に塗工し、これにもう一方の貼合面を積層し、例えば貼合ロール等を用いて上下から押圧して貼合する方法が挙げられる。
【0194】
硬化性組成物(S)の塗工には、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が利用できる。また、光学フィルム30及び第1熱可塑性樹脂フィルム10を両者の貼合面が内側となるように連続的に供給しながら、その間に硬化性組成物(S)を流延させる方式であってもよい。
【0195】
光学フィルム30と第1熱可塑性樹脂フィルム10とを貼合した後、光学フィルム30と第1硬化物層15と第1熱可塑性樹脂フィルム10とを含む積層体に対して、加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理の温度は、例えば40℃以上100℃以下であり、好ましくは50℃以上90℃以下である。加熱処理によって硬化性組成物層に含まれる溶剤を除去することができる。また、該加熱処理によって硬化性組成物の硬化・架橋反応を進行させることができる。
【0196】
以上の接着方法は、光学フィルム30と第2熱可塑性樹脂フィルム20との接着にも適用することができる。
【0197】
第2硬化物層を構成する硬化性組成物として活性エネルギー線硬化性組成物を用いる場合、必要に応じて硬化性組成物層の乾燥を行った後、活性エネルギー線を照射して硬化性組成物層を硬化させる。
【0198】
活性エネルギー線を照射するために用いる光源は、紫外線、電子線、X線等を発生できるものであればよい。特に波長400nm以下に発光分布を有する、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好適に用いられる。
【0199】
図1に示すような、第1硬化物層15上に第1熱可塑性樹脂フィルムを有しない光学積層体は、光学フィルム30の表面に硬化性組成物(S)を塗工し、得られた積層体に対して、例えば熱風乾燥機で80℃、300秒間の加熱処理を施すことによって製造することができる。また、セパレートフィルム/硬化性組成物(S)/光学フィルム30からなる積層体を製造した後、セパレートフィルムを剥離し、その後、加熱処理を施すことによっても図1に示す光学積層体を製造することができる。
【0200】
硬化性組成物(S)から形成される第1硬化物層15の厚みは、例えば1nm以上20μm以下であり、好ましくは5nm以上10μm以下であり、より好ましくは10nm以上5μm以下であり、さらに好ましくは20nm以上1μm以下である。上述の公知の水系組成物から形成される硬化物層もこれと同程度の厚みを有することができる。
【0201】
活性エネルギー線硬化性組成物から形成される硬化物層の厚みは、例えば10nm以上20μm以下、好ましくは100nm以上10μm以下、より好ましくは500nm以上5μm以下である。
【0202】
第1硬化物層15と第2硬化物層25とは、厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0203】
〔8〕光学積層体のその他の構成要素
〔8−1〕光学機能性フィルム
光学積層体は、所望の光学機能を付与するための、光学フィルム30(例えば偏光子)以外の他の光学機能性フィルムを備えることができ、その好適な一例は位相差フィルムである。
【0204】
上述のように、第1熱可塑性樹脂フィルム10及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム20が位相差フィルムを兼ねることもできるが、これらのフィルムとは別途に位相差フィルムを積層することもできる。後者の場合、位相差フィルムは、粘着剤層や接着剤層を介して第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20、第1硬化物層15及び/又は第2硬化物層25の外面に積層することができる。位相差フィルムについては、上記〔4〕の記載が引用される。
【0205】
偏光板等の光学積層体に含まれ得る他の光学機能性フィルム(光学部材)の例は、集光板、輝度向上フィルム、反射層(反射フィルム)、半透過反射層(半透過反射フィルム)、光拡散層(光拡散フィルム)等である。
【0206】
集光板は、光路制御等を目的に用いられるもので、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、ドット付設シート等であることができる。
【0207】
輝度向上フィルムは、偏光板等の光学積層体を適用した画像表示装置における輝度を向上させる目的で使用される。具体的には、屈折率の異方性が互いに異なる薄膜フィルムを複数枚積層して反射率に異方性が生じるように設計された反射型偏光分離シート、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層を基材フィルム上に支持した円偏光分離シート等が挙げられる。
【0208】
反射層、半透過反射層、光拡散層は、偏光板を反射型、半透過型、拡散型の光学部材とするためにそれぞれ設けられる。反射型の偏光板は、視認側からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置に用いられ、バックライト等の光源を省略できるため、液晶表示装置を薄型化しやすい。半透過型の偏光板は、明所では反射型として、暗所ではバックライトからの光で表示するタイプの液晶表示装置に用いられる。また拡散型の偏光板は、光拡散性を付与してモアレ等の表示不良を抑制した液晶表示装置に用いられる。反射層、半透過反射層及び光拡散層は、公知の方法により形成することができる。
【0209】
〔8−2〕粘着剤層
光学積層体は、粘着剤層を含むことができる。粘着剤層としては、光学積層体を液晶セルや有機EL表示素子等の画像表示素子、又は他の光学部材に貼合するための粘着剤層が挙げられる。該粘着剤層は、図1及び2に示される構成の光学積層体においては光学フィルム30の外面、図3に示される構成の光学積層体においては第1熱可塑性樹脂フィルム10又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面、図4に示される構成の光学積層体においては第1硬化物層15又は第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面、図5に示される構成の光学積層体においては第1硬化物層15又は第2硬化物層25の外面に積層することができる。
【0210】
図3に示される構成の光学積層体の第2熱可塑性樹脂フィルム20の外面に粘着剤層40を積層した例を図6に示す。
【0211】
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂や、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂等をベースポリマーとするものを用いることができる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、耐候性、耐熱性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
【0212】
(メタ)アクリル系粘着剤には、メチル基やエチル基やn−、i−又はt−ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上の(メタ)アクリル系樹脂がベースポリマーとして有用である。
【0213】
光学積層体への粘着剤層の形成は、例えば、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤に粘着剤組成物を溶解又は分散させて粘着剤液を調製し、これを光学積層体の対象面に直接塗工して粘着剤層を形成する方式や、離型処理が施されたセパレートフィルム上に粘着剤層をシート状に形成しておき、それを光学積層体の対象面に移着する方式等により行うことができる。
【0214】
粘着剤層の厚みは、その接着力等に応じて決定されるが、1μm以上50μm以下の範囲が適当であり、好ましくは2μm以上40μm以下である。
【0215】
光学積層体は、上記のセパレートフィルムを含み得る。セパレートフィルムは、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
【0216】
粘着剤層は、必要に応じて、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉や他の無機粉末からなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含むことができる。
【0217】
〔8−3〕プロテクトフィルム
光学積層体は、その表面(典型的には、第1熱可塑性樹脂フィルム10、第2熱可塑性樹脂フィルム20、第1硬化物層15及び/又は第2硬化物層25の表面)を保護するためのプロテクトフィルムを含むことができる。プロテクトフィルムは、例えば画像表示素子や他の光学部材に光学積層体が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。
【0218】
プロテクトフィルムは、例えば、基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記述が引用される。
【0219】
基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
【0220】
<画像表示装置>
本発明に係る光学積層体は、画像表示装置に適用することができる。この場合、画像表示装置は、光学積層体と、画像表示素子とを含む。画像表示素子としては、液晶セル、有機EL表示素子等が挙げられる。これらの画像表示素子としては、従来公知のものを使用することができる。
【0221】
偏光板である光学積層体が液晶表示装置に適用される場合、光学積層体は、液晶セルのバックライト側(背面側)に配置されてもよいし、視認側に配置されてもよいし、それらの両方に配置されてもよい。偏光板である光学積層体が有機EL表示装置に適用される場合、光学積層体は通常、有機EL表示素子の視認側に配置される。
【実施例】
【0222】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
【0223】
表1において、オキサゾリン基含有重合体(A)、亜鉛化合物(B)、カルボキシル基を有する化合物(C)、及びオキサゾリン基含有重合体(A)のオキサゾリン基と化合物(C)のカルボキシル基との反応を促進させる化合物(D)はそれぞれ(A)、(B)、(C)、(D)と略記されている。
【0224】
(製造例:偏光子の作製)
厚さ60μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度:約2,400、ケン化度:99.9モル%以上)を30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100である30℃の水溶液に浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100である56.5℃の水溶液に浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥させて、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み23μmの偏光子を得た。延伸は、主にヨウ素染色及びホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.5倍であった。
【0225】
<実施例1〜5、比較例1>
(1)硬化性組成物の調製
表1に示される成分を表1に示される配合量で、溶剤としての純水とともに混合して、硬化性組成物(接着剤水溶液)を調製した。表1に示される各成分の配合量の単位は質量部であり、各成分の配合量は固形分換算での量である。実施例1及び実施例2において、得られた硬化性組成物における(A)の濃度は7.0質量%とし、実施例3の硬化性組成物における(A)の濃度は6.0質量%とし、実施例4の硬化性組成物における(A)の濃度は5.0質量%とし、実施例5の硬化性組成物における(A)の濃度は4.0質量%とした。比較例1において、硬化性組成物における(X)の濃度は3.0質量%とした。
【0226】
(2)偏光板の作製
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製の商品名「KC4UAW」、厚み:40μm〕の片面にケン化処理を施した後、そのケン化処理面に上記(1)で調製した硬化性組成物をバーコータを用いて塗工するとともに、環状ポリオレフィン系樹脂からなるゼロ位相差フィルム〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」、厚み:23μm〕の片面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理面に上記(1)で調製した硬化性組成物をバーコータを用いて塗工した。硬化性組成物層が偏光子側となるように、偏光子の一方の面にケン化処理済みTACフィルムを積層し、他方の面にコロナ処理済みゼロ位相差フィルムを積層して、ゼロ位相差フィルム/硬化性組成物層/偏光子/硬化性組成物層/TACフィルムの層構成を有する積層体を得た。この積層体に対して、熱風乾燥機で80℃、300秒間の加熱処理を行うことにより、ゼロ位相差フィルム/硬化物層/偏光子/硬化物層/TACフィルムの層構成を有する偏光板を作製した。作製した偏光板中の硬化物層の厚みは、一層につき20〜60nmであった。
【0227】
(3)光学耐久性(耐熱性)の評価
(3−1)ΔTy変化率の測定
得られた偏光板を30mm×30mmの大きさに裁断した後、ゼロ位相差フィルム側に(メタ)アクリル系粘着剤を介してガラス基板に貼合し、測定サンプルを得た。測定サンプルの層構成は、ガラス基板/(メタ)アクリル系粘着剤層/ゼロ位相差フィルム/硬化物層/偏光子/硬化物層/TACフィルムである。ガラス基板には、無アルカリガラス基板〔コーニング社製の商品名「Eagle XG」〕を使用した。
【0228】
得られた測定サンプルについて、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の製品名「V7100」〕を用いて波長380〜780nmの範囲におけるMD透過率とTD透過率を測定し、各波長における単体透過率を算出した。算出した単体透過率について、JIS Z 8701:1999「色の表示方法−XYZ表色系及びX101010表色系」の2度視野(C光源)により視感度補正を行い、耐熱試験前の視感度補正単体透過率Tyを求めた。なお、測定サンプルは、偏光板のTACフィルム側をディテクター側とし、ガラス基板側から光が入光するように積分球付き分光光度計にセットした。
【0229】
単体透過率(%)は、下記式:
単体透過率(λ)=(Tp(λ)+Tc(λ))/2
で定義される。
【0230】
Tp(λ)は、入射する波長λ(nm)の直線偏光とパラレルニコルの関係で測定した測定サンプルの透過率(%)である。
【0231】
Tc(λ)は、入射する波長λ(nm)の直線偏光とクロスニコルの関係で測定した測定サンプルの透過率(%)である。
【0232】
次いで、この測定サンプルを温度105℃のドライ環境下に750時間置いた後、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間置く耐熱試験に供した。耐熱試験後、耐熱試験前と同様の方法によって視感度補正単体透過率Tyを求めた。
【0233】
耐熱試験後の視感度補正単体透過率Tyと耐熱試験前の視感度補正単体透過率Tyとの差の絶対値(|ΔTy|)を算出した。
【0234】
次に、得られた|ΔTy|の値から、下記式に基づいて、比較例1の|ΔTy|を基準とする各例の「ΔTy変化率」(%)を求めた。ΔTy変化率の算出値を表1に示す。ΔTy変化率が大きいほど、耐熱性に優れる。
【0235】
各例のΔTy変化率(%)
=|{(各例の|ΔTy|)−(比較例1の|ΔTy|)}|/(比較例1の|ΔTy|)
なお、いずれの実施例及び比較例においても、ΔTyは負の値を示した。
【0236】
(3−2)Δab変化率の測定
得られた偏光板を30mm×30mmの大きさに裁断した後、ゼロ位相差フィルム側に(メタ)アクリル系粘着剤を介してガラス基板に貼合し、測定サンプルを得た。測定サンプルの層構成は、ガラス基板/(メタ)アクリル系粘着剤層/ゼロ位相差フィルム/硬化物層/偏光子/硬化物層/TACフィルムである。ガラス基板には、無アルカリガラス基板〔コーニング社製の商品名「Eagle XG」〕を使用した。
【0237】
得られた測定サンプルについて、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の製品名「V7100」〕を用いて波長380〜780nmの範囲におけるMD透過率とTD透過率を測定し、各波長における単体透過率を算出した。算出した単体透過率を用いて、透過色相のa値及びb値をについて、CIE(国際照明委員会)により規定されるLab表示系に基づく透過色相のa値及びb値を算出した。
【0238】
次いで、この測定サンプルを温度105℃のドライ環境下に750時間置いた後、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に24時間置く耐熱試験に供した。耐熱試験後、耐熱試験前と同様の方法によって透過色相のa値及びb値を求めた。測定した耐久前後のa値およびb値を用いて、下記式より耐熱試験による色相変化の指標となるΔab値の絶対値(|Δab|)を計算した。
【0239】
|Δab|=|{(a(耐久試験後)−a(耐久試験前))+(b(耐久試験後)−b(耐久試験前))1/2
次に、得られた|Δab|の値から、下記式に基づいて、比較例1の|Δab|を基準とする各例の「Δab変化率」(%)を求めた。Δab変化率の算出値を表1に示す。Δab変化率が大きいほど、耐熱性に優れる。
【0240】
各例のΔab変化率(%)
=100×|{(各例の|Δab|)−(比較例1の|Δab|)}|/(比較例1の|Δab|)
なお、いずれの実施例及び比較例においても、Δabは正の値を示した。
【0241】
【表1】
【0242】
表1に示される各成分の詳細は次のとおりである。
a1:株式会社日本触媒製の商品名「エポクロス WS−300」〔2−オキサゾリン基を側鎖として有するオキサゾリン基含有アクリル系重合体の水溶液、固形分濃度:10質量%、オキサゾリン価(理論値):130g solid/eq.、オキサゾリン基量(理論値):7.7mmol/g,solid、数平均分子量:4×10、重量平均分子量:12×10)〕
b1:塩化亜鉛(ZnCl
b2:ヨウ化亜鉛(ZnI
c1:クエン酸
d1:硫酸
x1:日本合成化学工業株式会社製の商品名「ゴーセファイマー Z−200」〔アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、平均重合度:1100、ケン化度:98.5モル%以上〕
y1:グリオキザール
【符号の説明】
【0243】
10 第1熱可塑性樹脂フィルム、15 第1硬化物層、20 第2熱可塑性樹脂フィルム、25 第2硬化物層、30 光学フィルム、40 粘着剤層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】