特表-19146402IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2019-146402電力変換装置及び電力変換装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年8月1日
【発行日】2021年1月14日
(54)【発明の名称】電力変換装置及び電力変換装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20201211BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20201211BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20201211BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   H01L23/36 D
   H01L25/04 C
   H05K7/20 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
【出願番号】特願2019-567962(P2019-567962)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年1月9日
(31)【優先権主張番号】特願2018-10635(P2018-10635)
(32)【優先日】2018年1月25日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清永 浩之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 健太
(72)【発明者】
【氏名】福田 智仁
(72)【発明者】
【氏名】若生 周治
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 弘
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA02
5E322AB02
5E322AB06
5E322FA04
5F136BC03
5F136BC05
5F136BC06
5F136DA27
5F136DA41
5F136EA12
5F136EA43
5F136EA66
5F136FA02
5F136FA03
5F136FA83
(57)【要約】
高い放熱性が得られ、かつ、組み立てが容易である電力変換装置及び電力変換装置の製造方法を提供する。電力変換装置100は、第1放熱体50と、第1放熱体50と対向する第2放熱体51と、第1回路パターン2aが形成されたプリント基板1と、第1放熱体50とプリント基板1との間に設けられた第1絶縁部材40と、第1接合部材30を介して第1回路パターン2aに電気的に接合された電極部10bを有するスイッチング素子10と、電極部10bの露出面に接合された第1固定部材32と、一端が第1固定部材32に接合され、他端がスイッチング素子10の第2放熱体51に対向する部位と第2放熱体51の間に設けられた放熱部材20と、第2放熱体51とスイッチング素子10との間に狭持された第2絶縁部材41と、第1放熱体50と第2放熱体51とを固定する据付部52と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1放熱体と、
前記第1放熱体と対向する第2放熱体と、
表面に第1回路パターンが形成され、裏面が前記第1放熱体と対向するプリント基板と、
前記第1放熱体と前記プリント基板との間に設けられた第1絶縁部材と、
裏面が第1接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合された金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、前記電極部の表面側の一部及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子と、
裏面が前記電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、
一端が第1固定部材を介して前記電極部の表面に接合され、他端が前記スイッチング素子の前記樹脂部の前記第2放熱体と対向する面と、前記第2放熱体との間に設けられた放熱部材と、
前記第2放熱体と、前記放熱部材との間に狭持された第2絶縁部材と、
一端が前記第1放熱体に、他端が前記第2放熱体にそれぞれ結合され、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを固定する据付部と、
を備える電力変換装置。
【請求項2】
前記第1放熱体と前記第2放熱体との間に充填され、前記第1絶縁部材、前記プリント基板、前記スイッチング素子、前記第1固定部材、前記放熱部材及び前記第2絶縁部材を封止する封止部材をさらに備える請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
第1放熱体と、
前記第1放熱体と対向する第2放熱体と、
表面に第1回路パターンが形成され、裏面が前記第1放熱体と対向するプリント基板と、
裏面が第1接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合された金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、前記電極部の表面側の一部及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子と、
裏面が前記電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、
一端が第1固定部材を介して前記電極部の表面に接合され、他端が前記スイッチング素子の前記樹脂部の前記第2放熱体と対抗する面と、前記第2放熱体との間に設けられた放熱部材と、
前記第1放熱体と前記第2放熱体との間に充填され、前記プリント基板、前記スイッチング素子、前記第1固定部材及び前記放熱部材を封止する封止部材と、
一端が前記第1放熱体に、他端が前記第2放熱体にそれぞれ結合され、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを固定する据付部と、
を備える電力変換装置。
【請求項4】
前記第1放熱体と前記プリント基板との間に第1絶縁部材が設けられた請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第2放熱体と前記放熱部材との間に第2絶縁部材が設けられた請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第1回路パターンに電気的に接合され、外部から前記スイッチング素子に電力を供給するハーネスをさらに備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子の前記樹脂部の前記第2放熱体に対向する面と、前記放熱部材との間に、熱伝導部材が設けられた請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記電極部は、貫通孔を有し、
前記放熱部材の一端は、突起部を有し、
前記突起部が前記貫通孔に嵌合された請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記放熱部材は、第2固定部材を介して前記第1回路パターンに接合された第2固定部をさらに備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記プリント基板は、
裏面に設けられた第2回路パターンと、
前記プリント基板内部に設けられ、一端が前記第1回路パターンに、他端が前記第2回路パターンにそれぞれ接合されたビアと、
を備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記第2回路パターン上に熱拡散板が接合された請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
プリント基板の表面に形成された第1回路パターン上に、第1接合部材及び第2接合部材をそれぞれ形成する接合部材形成工程と、
金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、一端がワイヤによって前記半導体チップに電気的に接合されたリード端子と、前記電極部の表面側の一部、前記リード端子の他端及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子を、前記電極部が前記第1接合部材上に、前記リード端子が前記第2接合部材上に、それぞれ位置するように配置し、前記スイッチング素子の前記電極部の表面側の露出面に、第1固定部材を配置し、前記放熱部材の一端が前記第1固定部材の表面に、前記放熱部材の他端が前記スイッチング素子の樹脂部表面に、それぞれ位置するように配置する配置工程と、
前記第1回路パターンへの前記電極部の電気的接合と、前記第1回路パターンへの前記リード端子の電気的接合と、前記電極部への前記放熱部材の一端の接合と、を前記第1接合部材及び前記第2接合部材のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けによって同時に行う接合工程と、
第1放熱体の表面に、第1絶縁部材を配置、前記第1絶縁部材の表面上に前記プリント基板を配置、前記放熱部材の他端の表面上に第2絶縁部材を配置、前記第2絶縁部材上に第2放熱体をそれぞれ配置して、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを据付部によって固定する固定工程と、
を備える電力変換装置の製造方法。
【請求項13】
金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、一端がワイヤによって前記半導体チップに電気的に接合されたリード端子と、前記電極部の表面側の一部、前記リード端子の他端及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子の前記電極部の表面側の露出面に、第1固定部材を配置して、前記第1固定部材の表面に放熱部材の一端が、前記スイッチング素子の表面に前記放熱部材の他端がそれぞれ位置するように前記放熱部材を配置する配置工程と、
前記第1固定部材によって、前記電極部に前記放熱部材の一端を接合する放熱部材接合工程と、
プリント基板の表面に形成された第1回路パターン上に、第1接合部材及び第2接合部材をそれぞれ形成する接合部材形成工程と、
前記電極部が前記第1接合部材上に、リード端子が前記第2接合部材上に、それぞれ位置するように前記スイッチング素子を配置して、前記第1回路パターンへの前記電極部の電気的接合と、前記第1回路パターンへの前記リード端子の電気的接合と、を前記第1固定部材の融点未満の温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けによって同時に行う接合工程と、
第1放熱体の表面に、第1絶縁部材を配置、前記第1絶縁部材の表面上に前記プリント基板の裏面が位置するように前記プリント基板を配置、前記放熱部材の他端の表面上に第2絶縁部材を配置、前記第2絶縁部材上に第2放熱体をそれぞれ配置して、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを据付部によって固定する固定工程と、
を備える電力変換装置の製造方法。
【請求項14】
第1放熱体と、
前記第1放熱体と対向する第2放熱体と、
表面に第1回路パターンが形成され、裏面が前記第1放熱体と対向するプリント基板と、
前記第1放熱体と前記プリント基板との間に設けられた第1絶縁部材と、
裏面が第1接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合された電極部と、前記電極部の表面に電気的に接合された半導体チップと、一端が第2接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合されたリード端子と、前記電極部の表面側の一部、前記リード端子の他端及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、前記リード端子の他端と前記半導体チップとを電気的に接続するワイヤと、を有するスイッチング素子と、
裏面が前記電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、
一端に前記第1固定部材の表面に接合される接合部と、他端に前記スイッチング素子の前記樹脂部と前記第2放熱体の間に設けられた放熱部とを有する放熱部材と、
前記第2放熱体と前記スイッチング素子との間に狭持された第2絶縁部材と、
一端が前記第1放熱体に、他端が前記第2放熱体にそれぞれ結合され、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを固定する据付部と、
を備え、
前記放熱部は、平板であり、
前記接合部と前記放熱部とは、前記接合部に対して傾斜した平板である傾斜部により接続され、前記接合部と前記放熱部と前記傾斜部とは一体に形成されている電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置及び電力変換装置の製造方法に関し、特に、高い放熱性を有する電力変換装置及び電力変換装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電力変換装置には、電力変換装置の動作に伴い発熱するスイッチング素子が含まれる。近年、電力変換装置の小型化、高出力化に対する需要の高まりを受け、電力変換装置に搭載されるスイッチング素子の単位体積当たりの発熱量は増加している。スイッチング素子は、電力変換装置の動作に伴う発熱によって温度上昇するので、スイッチング素子の温度によって、周囲の電子部品の許容温度を超えないようにする必要があり、電力変換装置を小型化、高出力化するため、電力変換装置の放熱性を高めることが強く求められている。
【0003】
特許文献1には、電力変換装置の放熱性を高める冷却構造として、プリント基板に表面実装されたスイッチング素子の電極部の上に、金属などの高熱伝導材からなる熱拡散板を配置し、この熱拡散板を、熱伝導ゴムを介して冷却体に接触させる構造が記載されている。
【0004】
特許文献2には、プリント基板に実装されたスイッチング素子の電極部と冷却体の間に、弾性および粘着性を有するシリコーンゴムからなる放熱部材を押し潰すように配置する電力変換装置の構造について記載されている。放熱部材として、弾性と粘着性とを有するシリコーンゴムからなる放熱部材を用いるため、放熱部材が変形して電極部表面の微細な凹凸に入りこみ、電極部と放熱部材の接触熱抵抗を小さくできる。また、放熱部材が粘着性を有するため、スイッチング素子を実装したプリント基板と放熱部材と冷却体を組み合わせる際に、放熱部材がスイッチング素子の電極から外れる可能性を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−135937号公報
【特許文献2】特開平10−308484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の電力変換装置の冷却構造では、スイッチング素子の電極部に金属などの高熱伝導材からなる熱拡散板を接触させて配置するため、電極部表面と熱拡散板表面の粗さに起因して、電極部と熱拡散板の接触面に微小な隙間が形成される。この微小な隙間に、熱伝導率の極めて低い空気が入り込むため、電極部と熱拡散板の接触熱抵抗が大きくなり放熱性が低下するという課題がある。
【0007】
また、特許文献1に記載の冷却構造を製造する場合、熱拡散板がスイッチング素子の電極部に固定されていないため、スイッチング素子を表面実装したプリント基板と熱拡散板と熱伝導ゴムと冷却体を組み合わせる際に、熱拡散板がスイッチング素子の電極から外れるおそれがある。熱拡散版がスイッチング素子の電極から外れると、スイッチング素子で生じた熱を熱拡散板と熱伝導ゴムを介して冷却体に放熱できなくなり、スイッチング素子の温度が上昇するという課題がある。
【0008】
特許文献2には、放熱部材としてシリコーンゴムを用いる電力変換装置の放熱構造について記載されているが、シリコーンゴムの熱伝導率は、金属の熱伝導率の1/100以下程度しかなく、スイッチング素子の電極部と冷却体の間の放熱経路として、シリコーンゴムからなる放熱部材のみを配置すると、高い放熱性が得られないという課題がある。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、高い放熱性が得られ、かつ、組み立てが容易である電力変換装置及び電力変換装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る電力変換装置は、第1放熱体と、第1放熱体と対向する第2放熱体と、表面に第1回路パターンが形成され、裏面が第1放熱体と対向するプリント基板と、第1放熱体とプリント基板との間に設けられた第1絶縁部材と、裏面が第1接合部材を介して第1回路パターンに電気的に接合された金属板からなる電極部と、電極部に電気的に接合された半導体チップと、電極部の表面側の一部及び半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子と、裏面が電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、一端が第1固定部材を介して電極部の表面に接合され、他端がスイッチング素子の樹脂部の第2放熱体と対向する面と、第2放熱体との間に設けられた放熱部材と、第2放熱体と、放熱部材との間に狭持された第2絶縁部材と、一端が第1放熱体に、他端が第2放熱体にそれぞれ結合され、第1放熱体と第2放熱体とを固定する据付部と、を備える。
【0011】
本発明に係る電力変換装置の製造方法は、プリント基板の表面に形成された第1回路パターン上に、第1接合部材及び第2接合部材をそれぞれ形成する接合部材形成工程と、金属板からなる電極部と、電極部に電気的に接合された半導体チップと、一端がワイヤによって半導体チップに電気的に接合されたリード端子と、電極部の表面側の一部、リード端子の他端及び半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子を、電極部が第1接合部材上に、リード端子が第2接合部材上に、それぞれ位置するように配置し、スイッチング素子の電極部の表面側の露出面に、第1固定部材を配置し、放熱部材の一端が第1固定部材の表面に、放熱部材の他端がスイッチング素子の樹脂部表面に、それぞれ位置するように配置する配置工程と、第1回路パターンへの電極部の電気的接合と、第1回路パターンへのリード端子の電気的接合と、電極部への放熱部材の一端の接合と、を第1接合部材及び第2接合部材のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けによって同時に行う接合工程と、第1放熱体の表面に、第1絶縁部材を配置、第1絶縁部材の表面上にプリント基板を配置、放熱部材の他端の表面上に第2絶縁部材を配置、第2絶縁部材上に第2放熱体をそれぞれ配置して、第1放熱体と第2放熱体とを据付部によって固定する固定工程と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電力変換装置によれば、半導体チップで発生した熱を複数の放熱経路を用いて放熱体へ放熱することができるため、高い放熱性を得ることができる。
【0013】
本発明に係る電力変換装置の製造方法によれば、第1回路パターンへの電極部の電気的接合と、第1回路パターンへのリード端子の電気的接合と、電極部への第1固定部の接合とを、第1接合部材、第2接合部材及び第3接合部材のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けで同時に行うため、電力変換装置の組み立てを簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の斜視図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置のスイッチング素子と放熱部材の斜視図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置のスイッチング素子と放熱部材の斜視図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置のスイッチング素子と放熱部材の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態3に係る電力変換装置の断面図である。
図9】本発明の実施の形態4に係る電力変換装置の断面図である。
図10】本発明の実施の形態4に係る電力変換装置のスイッチング素子と放熱部材の斜視図である。
図11】本発明の実施の形態5に係る電力変換装置の断面図である。
図12】本発明の実施の形態5に係る電力変換装置のスイッチング素子と放熱部材の斜視図である。
図13】本発明の実施の形態5に係る電力変換装置のスイッチング素子と放熱部材の斜視図である。
図14】本発明の実施の形態6に係る電力変換装置の断面図である。
図15】本発明の実施の形態6に係る電力変換装置の断面図である。
図16】本発明の実施の形態7に係る電力変換装置の断面図である。
図17】本発明の実施の形態7に係る電力変換装置の断面図である。
図18】本発明の実施の形態7に係る電力変換装置の断面図である。
図19】本発明の実施の形態7に係る電力変換装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る電力変換装置100の斜視図である。図2、3は、本実施の形態1に係る電力変換装置100の変形例を示す斜視図である。図4は、図1のA−A断面図である。図1に示すように、電力変換装置100は、第1放熱体50と、第1放熱体50と対向するプリント基板1と、第1放熱体50とプリント基板1との間に設けられた第1絶縁部材40と、プリント基板1の上に電気的に接合されたスイッチング素子10と、スイッチング素子10の一部と第1固定部材32によって接合された放熱部材20と、第1放熱体50と対向する第2放熱体51と、放熱部材20と第2放熱体51との間に狭持された第2絶縁部材41と、第1放熱体50と第2放熱体51とを固定する据付部52と、によって構成される。
【0016】
電力変換装置100は、図1ないし図3に示すハーネス4によって外部電源へと接続されている。ハーネス4は、第1回路パターン2aあるいは第1回路パターン2bのいずれか一方に電気的に接続されており、ハーネス4を利用して、外部電源から電力変換装置100のスイッチング素子10へと電力が供給される。
【0017】
プリント基板1は、第1主面1aと第2主面1bとで構成される。プリント基板1は、第1絶縁部材40を介して第1放熱体50に固定されている。プリント基板1は、熱伝導率が低い材料で構成され、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等である。また、プリント基板1を構成する材料は、熱伝導率が低い材料として、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素等のセラミック等で構成されてもよい。
【0018】
図4に示すように、プリント基板1の第1主面1a上には、第1回路パターン2a,2bが形成されている。第1回路パターン2a,2bの厚さは1μm以上2000μm以下である。第1回路パターン2a,2bは、導電性材料から形成され、例えば、ニッケル、金、アルミニウム、銀、錫、あるいは、それらの合金等で構成される。なお、第1回路パターン2a,2bは、プリント基板1の第1主面1a上に限定されず、第2主面1b上、プリント基板1の内部等に設けられてもよい。
【0019】
スイッチング素子10は、プリント基板1の第1主面1a上に電気的に接合される。スイッチング素子10の個数とプリント基板1の第1主面1a上での配置は、適用する電力変換装置に応じて適宜選択される。
【0020】
スイッチング素子10は、トランジスタ、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオード等のパワー半導体素子である。
【0021】
図5は、実施の形態1に係る電力変換装置100のスイッチング素子10と放熱部材20の斜視図である。図4図5に示すように、スイッチング素子10は、半導体チップ10aと、電極部10bと、ワイヤ10dと、リード端子10cと、樹脂部10eとで構成される。半導体チップ10aは、電極部10bに電気的に接合されている。電極部10bは、例えば金属板である。電極部10bは、樹脂部10eの側面から突出している。また、半導体チップ10aは、ワイヤ10dによってリード端子10cと電気的に接続されている。リード端子10cは、樹脂部10eの電極部10bが突出した側面と反対側の側面から突出している。樹脂部10eは、半導体チップ10aと、電極部10b、ワイヤ10d及びリード端子10cのそれぞれ一部を内部に封止している。スイッチング素子10の電極部10bで第1回路パターンと電気的に接合される面を放熱面10f、放熱面10fの反対側で樹脂部10eに封止された面を封止面10gと呼ぶ。また、樹脂部10eの側面から突出した電極部10bの放熱面10fに対する反対側の表面を露出面と呼ぶ。
【0022】
半導体チップ10aは、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、ガリウムナイトライド、ガリウム砒素等によって構成されている。
【0023】
電極部10bと第1回路パターン2aは、第1接合部材30によって電気的に接合され、リード端子10cと第1回路パターン2bは、第2接合部材31によって電気的に接合される。
【0024】
プリント基板1の第1主面1aに、スイッチング素子10が複数配置されている場合、配置されたスイッチング素子10間の第1回路パターン2c上に、第3接合部材91を介して電子部品90が表面実装されていてもよい。電子部品90は、例えば、表面実装型のチップ抵抗、チップコンデンサ、IC(Integrated Circuit)部品等である。また、電子部品90が、スルーホール部品の場合、配置されたスイッチング素子10間には、スルーホール部品を実装するためのスルーホールと回路パターンが形成される。なお、電子部品90の個数と配置は、適用する電力変換装置に応じて適宜選択される。
【0025】
第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91は、導電性を有しており、例えば、はんだ、導電性接着剤等の接合材料によって構成されている。
【0026】
放熱部材20は、スイッチング素子10の電極部10bに、第1固定部材32によって接合される第1固定部20aと、スイッチング素子10の封止面10g上に機械的に固定された放熱部20bとによって構成されている。
【0027】
なお、放熱部20bは、スイッチング素子10の樹脂部10eの第2放熱体51と対向する面である封止面10gと、第2放熱体51との間に設けられていればよく、スイッチング素子10の封止面10g上に機械的に固定されていなくてもよい。また、放熱部20bの第2放熱体51と対向する面は、スイッチング素子10の封止面10gと同等、またはそれ以上の面積を有することが好ましい。
【0028】
図6は、実施の形態1に係る電力変換装置100のスイッチング素子10と放熱部材20の変形例を示す斜視図である。図6に示す、放熱部20bは、ウェーブ状に形成されている。
【0029】
放熱部材20は、高い熱伝導率を有しており、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、金、銀等の高熱伝導材料で構成される。また、放熱部材20は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金等のいずれかの表面に、ニッケルめっき膜、金めっき膜、錫めっき膜、銅めっき膜のいずれかがめっきされた高熱伝導材料を用いてもよい。また、放熱部材20として、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのセラミック材料の表面に、ニッケルめっき膜、金めっき膜、錫めっき膜、銅めっき膜のいずれかがめっきされた高熱伝導材料を用いてもよい。また、放熱部材20は、例えば、熱伝導率の高い樹脂の表面に、ニッケルめっき膜、金めっき膜、錫めっき膜、銅めっき膜のいずれかがめっきされた高熱伝導材料を用いてもよい。
放熱部材20は、厚さが0.1mmから3mmの間で、熱伝導率の高い板状の部材からなる。また、放熱部材20は、1.0W/(m・K)以上、好ましくは10.0W/(m・K)、さらに好ましくは100.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。
【0030】
第1固定部材32は、高い熱伝導率を有する材料から構成され、例えば、熱伝導性接着剤、導電性接着剤、はんだ等である。
【0031】
第1絶縁部材40は、第1放熱体50と、プリント基板1の第2主面1bと、によって狭持されている。なお、第1絶縁部材40が粘着性を有する材料で構成されている場合は、第1絶縁部材40は各部材と接合されている。
第2絶縁部材41は、第2放熱体51と、放熱部材20の放熱部20bと、によって狭持されている。なお、第2絶縁部材41が、粘着性を有する材料で構成されている場合は、第2絶縁部材41は各部材と接合されている。
【0032】
第1絶縁部材40と第2絶縁部材41は、電気絶縁性を有しており、かつ、0.1W/(m・K)以上、好ましくは1.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。第1絶縁部材40と第2絶縁部材41は、さらに、良好な弾性、つまり、1MPa以上100MPa以下のヤング率を有することが好ましい。
【0033】
第1絶縁部材40と第2絶縁部材41は、絶縁性に優れた材料で構成され、例えば、シリコン、ウレタン等のゴム材、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フェノール等の樹脂材である。また、第1絶縁部材40と第2絶縁部材41を構成する材料は、例えば、ポリイミド等の高分子材料を用いてもよい。また、第1絶縁部材40と第2絶縁部材41を構成する材料として、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック材料、あるいはシリコンを主原料とするフェイズチェンジマテリアル等のシリコン樹脂に、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の粒子のいずれかを混入させた材料等を用いてもよい。
【0034】
第1放熱体50と第2放熱体51とは対向しており、第1放熱体50の第2放熱体51と対向する面を第1放熱体50の表面とし、第2放熱体51の第1放熱体50と対向する面を第2放熱体51の裏面とする。第1放熱体50の表面上には、第1絶縁部材40を介してプリント基板1が設けられ、第2放熱体51の裏面は、第2絶縁部材41を介して放熱部20bの上に固定されている。第1放熱体50と第2放熱体51は、第1放熱体50及び第2放熱体51にそれぞれ結合された据付部52によって固定されている。
【0035】
また、第1絶縁部材40は、第1放熱体50の表面とプリント基板1の間に挟持され、第2絶縁部材41は、第2放熱体51の裏面と放熱部20bの間に挟持され、第1放熱体50と第2放熱体51は、第1放熱体50及び第2放熱体51にそれぞれ結合された据付部52によって固定されてもよい。
【0036】
据付部52は、スペーサー52aと、締結部材52bとで構成される。スイッチング素子10は、据付部52による締め付けによって、第1放熱体50と第2放熱体51により押圧される。具体的には、締結部材52bによる締め付けによって、第1放熱体50と第2放熱体51とにより、スイッチング素子10が押圧される。
【0037】
スペーサー52aは、図1に示すように複数のスイッチング素子10を取り囲むように設けられる構成、図2に示すように第1放熱体50の対辺に設けられる構成、あるいは、図3に示すように第1放熱体50の頂点付近に設けられる構成とすることができる。すなわち、適用する電力変換装置の仕様に応じて適宜選択される。図1ないし図3では、スペーサー52aを第1放熱体50に設ける構成を示しているが、スペーサー52aは第2放熱体51に設けられてもよい。
【0038】
第1放熱体50と第2放熱体51とによるスイッチング素子10の方向への押圧によって、第1放熱体50内に設けられたプリント基板1、スイッチング素子10、放熱部材20、第1接合部材30、第2接合部材31、第1固定部材32、第1絶縁部材40及び第2絶縁部材41が押圧されることにより、電力変換装置100が構成される。なお、据付部52による第1放熱体50と第2放熱体51の固定は、上述に限られるものではなく、スペーサー52aと、第1放熱体50及び第2放熱体51との溶接、あるいは、図示されない弾性部材を用いて第1放熱体50及び第2放熱体51によってスペーサー52aが挟持される構成であってもよい。
【0039】
第1放熱体50と第2放熱体51は、1.0W/(m・K)以上、好ましくは10.0W/(m・K)、さらに好ましくは100.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する冷却体で構成される。第1放熱体50と第2放熱体51を構成する材料として、例えば、銅、鉄、アルミニウム、鉄合金、アルミニウム合等の金属材料、あるいは、熱伝導率の高い樹脂等が挙げられる。
【0040】
次に、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法について説明する。なお、第1放熱体50側を下部、第2放熱体51側を上部として説明する。
【0041】
実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法として、第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91がはんだであり、第1固定部材32の融点が、第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91の融点以下のはんだである場合(以下、条件1とする。)と、第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91がはんだであり、第1固定部材32が、第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91の融点を超過する耐熱性を有する熱伝導性接着剤または導電性接着剤である場合(以下、条件2とする。)について説明する。
【0042】
(条件1の場合)
接合部材形成工程では、第1回路パターン2a、2b、2cが形成されているプリント基板1の第1主面1a上に、印刷機を用いて第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91をそれぞれ塗布する。
【0043】
配置工程では、電極部10bと、電極部10b上に電気的に接合された半導体チップ10aと、一端がワイヤ10dによって半導体チップ10aに電気的に接合されたリード端子10cと、電極部10bの表面側の一部、リード端子10cの他端及び半導体チップ10aを封止する樹脂部10eと、を有するスイッチング素子10を、電極部10bが第1接合部材30上に、リード端子10cが第2接合部材31上に、それぞれ位置するように電子部品実装機を用いて配置する。また、第3接合部材91の上に電子部品90を、電子部品実装機を用いて配置して、スイッチング素子10の電極部10bの表面側の露出面に、電子部品実装機を用いて第1固定部材32を配置して、放熱部材20の第1固定部20aが第1固定部材32の表面に、放熱部材20の放熱部20bがスイッチング素子10の封止面10gに、それぞれ位置するように電子部品実装機を用いて放熱部材20を配置する。
【0044】
接合工程では、第1回路パターン2aへの電極部10bの電気的接合と、第1回路パターン2bへのリード端子10cの電気的接合と、第1回路パターン2cへの電子部品90の電気的接合と、電極部10bへの第1固定部20aの接合とを、第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けによって同時に行う。
【0045】
固定工程では、第1放熱体50の表面に、第1絶縁部材40を配置、第1絶縁部材40の表面上にプリント基板1の第2主面が位置するようにプリント基板1を配置、放熱部材20の放熱部20b上に第2絶縁部材41を配置、第2絶縁部材41上に第2放熱体51をそれぞれ配置して、第1放熱体50と第2放熱体51とを据付部52によって固定する。
【0046】
(条件2の場合)
配置工程では、電極部10bと、電極部10b上に電気的に接合された半導体チップ10aと、一端がワイヤ10dによって半導体チップ10aに電気的に接合されたリード端子10cと、電極部10bの表面側の一部、リード端子10cの他端及び半導体チップ10aを封止する樹脂部10eと、を有するスイッチング素子10の電極部10bの表面側の露出面に、電子部品実装機を用いて第1固定部材32を配置して、スイッチング素子10の封止面10g上に放熱部材20の第1固定部20aが、第1固定部材32の上に、放熱部材20の放熱部20bがそれぞれ位置するように電子部品実装機を用いて放熱部材20を配置する。
【0047】
放熱部材接合工程では、第1固定部材32によって、スイッチング素子10の電極部10bへ放熱部材20の第1固定部20aを接合する。
【0048】
接合部材形成工程では、第1回路パターン2a、2b、2cが形成されているプリント基板1の第1主面1a上に、印刷機を用いて第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91をそれぞれ塗布する。
【0049】
接合工程では、第1接合部材30の上に電極部10bが、第2接合部材31の上にリード端子10cがそれぞれ位置するようにスイッチング素子10を、電子部品実装機を用いて配置する。また、第3接合部材91の上に電子部品90を、電子部品実装機を用いて配置して、第1回路パターン2aへの電極部10bの電気的接合と、第1回路パターン2bへのリード端子10cの電気的接合と、第1回路パターン2cへの電子部品90の電気的接合を、第1固定部材32の融点未満の温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けで同時に行う。
【0050】
固定工程では、第1放熱体50の表面に、第1絶縁部材40を配置、第1絶縁部材40の表面上にプリント基板1の第2主面が位置するようにプリント基板1を配置、放熱部材20の放熱部20b上に第2絶縁部材41を配置、第2絶縁部材41上に第2放熱体51をそれぞれ配置して、第1放熱体50と第2放熱体51とを据付部52によって固定する。
【0051】
実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法では、条件1の場合、第1回路パターン2aへの電極部10bの電気的接合と、第1回路パターン2bへのリード端子10cの電気的接合と、第1回路パターン2cへの電子部品90の電気的接合と、電極部10bへの第1固定部20aの接合とを、第1接合部材30、第2接合部材31及び第3接合部材91のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けで同時に行うため、放熱部材20をスイッチング素子10の電極部10bへ接合するための新たな製造工程を設ける必要がなく、実施の形態1に係る電力変換装置100の組み立てを簡易化できる。
【0052】
条件2の場合、第1回路パターン2aへの電極部10bの電気的接合と、第1回路パターン2bへのリード端子10cの電気的接合と、第1回路パターン2cへの電子部品90の接合を、第1固定部材32の融点よりも低い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けで同時に行うため、スイッチング素子10を放熱部材20に接合した状態で製造工程に部品供給することができ、実施の形態1に係る電力変換装置100の組み立てを簡易化できる。
【0053】
また、スイッチング素子10の電極部10bの封止面10g側で樹脂部10eに覆われていない部分に放熱部材20を第1固定部材32で接合するため、電力変換装置100を組み立てる際に、スイッチング素子の電極部10bから放熱部材20が外れないよう注意する必要がなく、実施の形態1に係る電力変換装置100の組み立てを簡易化できる。
【0054】
従来の製造方法を用いて、実施の形態1に係る電力変換装置100を製造した場合、第1放熱体50と第2放熱体51とを、据付部52によって固定する際に、放熱部材20の加工精度に起因して、放熱部材20の放熱部20bと第2絶縁部材41との間、第2絶縁部材41と第2放熱体51との間に隙間ができ、半導体チップ10aで発生した熱を電極部10bと、第1固定部材32と、放熱部材20と、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱する放熱経路の放熱性が低下するおそれがある。
しかし、実施の形態1に係る電力変換装置100の製造方法では、条件2の場合、第1固定部材32として、一定の時間をかけて固まる熱伝導接着剤または導電性接着剤を用いることにより、第1固定部材32が固まる前に第1放熱体50と第2放熱体51とを、据付部52によって固定できるため、第1放熱体50と第2放熱体51によるスイッチング素子10の方向への押圧によって第1固定部材32が変形して、放熱部材20の放熱部20bと第2絶縁部材41との間、第2絶縁部材41と第2放熱体51との間に隙間ができるといった不具合の発生を抑制することができる。
よって、放熱部材20の加工精度に起因する電力変換装置100の放熱性の低下を考慮した熱設計を不要にできる。
【0055】
次に、実施の形態1に係る電力変換装置100が奏する効果について説明する。
【0056】
電力変換装置100の動作に伴い、導通損失あるいはスイッチング損失として半導体チップ10aで発生した熱を、電極部10bと、第1固定部材32と、放熱部材20と、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱する。引用文献1に記載の電力変換装置では、第1固定部材32を用いないため、電極部10bと放熱部材20の表面粗さに起因して、電極部10bと放熱部材20の接触面に微小な隙間が形成され、かかる隙間に熱伝導率が極めて低い空気が入り込むため、電極部10bと放熱部材20の接触熱抵抗が大きくなるおそれがあった。
一方、実施の形態1に係る電力変換装置100では、電極部10bと放熱部材20とが第1固定部材32によって接合されるため微小な隙間は形成されず、空気の熱伝導率0.02W/(m・K)よりも熱伝導率の高い第1固定部材32を用いることによって、電極部10bと放熱部材20の接触熱抵抗を著しく小さくできる。
【0057】
また、第2絶縁部材41は、良好な弾性を有するため、スイッチング素子10の封止面10gと第2放熱体51の間で第2絶縁部材41が押し潰され、封止面10gと第2絶縁部材41の間、第2絶縁部材41と第2放熱体51の間に微小な隙間が形成されない。さらに、第2絶縁部材41として、空気の熱伝導率0.02W/(m・K)よりも熱伝導率の高い材料を用いることによって、封止面10g及び第2絶縁部材41の接触熱抵抗と、第2絶縁部材41及び第2放熱体51の接触熱抵抗とを小さくできる。
【0058】
また、放熱部材20を熱伝導率の高い材料を用いて構成することによって、電極部10bと第2絶縁部材41の間の熱抵抗を著しく小さくできる。この結果、電力変換装置100の放熱性を向上することができる。したがって、電力変換装置100の動作に伴うスイッチング素子10の温度上昇を抑制できる。この結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力での動作が可能となる。
【0059】
また、電力変換装置100は、半導体チップ10aで発生した熱を放熱する放熱経路として、電極部10bと、第1固定部材32と、放熱部材20と、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱する第1放熱経路に加え、封止面10gから放熱部20bと、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱する第2放熱経路と、電極部10bと、第1接合部材30と、第1回路パターン2aと、プリント基板1と、第1絶縁部材40とを経由して第1放熱体50へと放熱する第3放熱経路がある。複数の放熱経路を設けることで、半導体チップ10aで発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性を向上することでき、電力変換装置100の動作に伴うスイッチング素子10の温度上昇を抑制できる。この結果、実施の形態1に係る電力変換装置100は、高出力での動作が可能となる。
【0060】
また、放熱部材20の放熱部20bは、図6に示すようにウェーブ状の構造の場合、封止面10gと第2絶縁部材41の接触面積、および第2絶縁部材41と第2放熱体51の接触面積を広くすることができる。放熱部20bの形状をウェーブ状の構造とするため、電力変換装置100は、封止面10gと第2絶縁部材41の接触熱抵抗と、第2絶縁部材41と第2放熱体51の接触熱抵抗を更に小さくでき、第1放熱経路の放熱性を高めることができる。
【0061】
プリント基板1にスイッチング素子10と電子部品90とをリフロー方式ではんだ付けする際に、プリント基板1とスイッチング素子10間と、プリント基板1と電子部品90間との線膨張係数の違いにより、プリント基板1が反る場合がある。プリント基板1の反りによって、プリント基板1と第1絶縁部材40の間、あるいは第1絶縁部材40と第1放熱体50の表面との間に隙間ができると、半導体チップ10aで発生した熱を電極部10bと、第1接合部材30と、第1回路パターン2aと、プリント基板1と、第1絶縁部材40とを経由して第1放熱体50へと放熱する第3放熱経路の放熱性が低下する。
実施の形態1に係る電力変換装置100では、第1放熱体50の表面に、第1絶縁部材40を介してスイッチング素子10を備えたプリント基板1が設けられ、放熱部材20の放熱部20bの上に設けられた第2絶縁部材41を介して第2放熱体51が設けられている。第1放熱体50と第2放熱体51は、据付部52によって固定されている。このとき、プリント基板1のスイッチング素子10の配置されている箇所で、第1絶縁部材40と、放熱部材20と、スイッチング素子10と、第2絶縁部材41とを介して、プリント基板1が第2放熱体51と第1放熱体50の間で押圧される状態になるように、第1放熱体50と第2放熱体51は、据付部52によって固定されている。その結果、プリント基板1の反りによって生じるプリント基板1と第1絶縁部材40との間及び第1絶縁部材40と第1放熱体50の表面との間の隙間がなくなるように、プリント基板1の反りが抑制され、プリント基板1のスイッチング素子10が配置されている箇所では、プリント基板1の第2主面1bと第1絶縁部材40及び第1絶縁部材40と第1放熱体50の表面をそれぞれ安定に接触させることができる。したがって、プリント基板1の反りに起因する、半導体チップ10aで発生した熱に対する電力変換装置100の放熱性の低下を考慮した熱設計が不要となる。
【0062】
また、プリント基板1の第1主面1aにスイッチング素子10が複数配置されている場合、各スイッチング素子10が配置された箇所でプリント基板1の反りを抑制できるため、各スイッチング素子10の間に設けられた電子部品90が配置された箇所のプリント基板1の反りも抑制することができる。その結果、各スイッチング素子10の間に電子部品90を実装する場合、プリント基板1の反りにより加わる電子部品90への応力と、電子部品90を第1回路パターン2cに接合する第3接合部材91への応力を考慮した設計が不要となる。
【0063】
電極部10bと第1固定部20aとは、第1固定部材32によって接合されているため、特許文献1及び特許文献2にそれぞれ記載された電力変換装置よりも放熱部材20の機械的固定を強固にでき、その結果、電力変換装置100の耐振動性を向上できる。
【0064】
放熱部材20、第1放熱体50及び第2放熱体51が金属からなる場合、放熱部材20、第1放熱体50及び第2放熱体51が電磁シールドの役割を果たすため、電力変換装置100の周囲に配置される電子機器などから放出される電磁波ノイズと、半導体チップ10aから発生する電磁波ノイズの電力変換装置100の外部への放出とを遮断することが可能となり、電力変換装置100と電力変換装置100の周囲に配置される他の電子機器の誤動作を抑制できる。
【0065】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る電力変換装置200の構成について説明する。なお、実施の形態1と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
【0066】
図7は、実施の形態2に係る電力変換装置200のスイッチング素子10と放熱部材20の斜視図である。実施の形態2に係る電力変換装置200のスイッチング素子10は、電極部10bに貫通孔11aが設けられ、放熱部材20の放熱部20bは、突起部21aが設けられている。
【0067】
突起部21aは、例えば、金属板の絞り加工により形成される。なお、突起部21aの形成は上述に限定されるものではなく、例えば、鋳造による形成、セラミック材料の射出成形、鋳込成形による形成、金属やセラミックの切削加工による形成のいずれかを用いてもよい。
【0068】
実施の形態2に係る電力変換装置200では、突起部21aが電極部10bの貫通孔11aに嵌合されることで、第1固定部材32を介して放熱部材20をスイッチング素子10の電極部10b上に配置する際、放熱部材20が所定の位置からずれることを防止できる。
【0069】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る電力変換装置300の構成について説明する。なお、実施の形態1、2と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
【0070】
図8は、実施の形態3に係る電力変換装置300の断面図である。実施の形態3に係る電力変換装置300は、スイッチング素子10の封止面10gと、放熱部材20の放熱部20bとの間に熱伝導部材45を有している。
【0071】
熱伝導部材45は、スイッチング素子10の封止面10gと、放熱部材20の放熱部20bと、によって狭持されている。なお、熱伝導部材45が粘着性を有する材料で構成されている場合は、第1絶縁部材40は各部材と接合されている。
【0072】
熱伝導部材45は、0.1W/(m・K)以上、好ましくは1.0W/(m・K)、さらに好ましくは10.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。熱伝導部材45は、例えば、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤等である。
【0073】
実施の形態3に係る電力変換装置300では、スイッチング素子10の封止面10gと、放熱部材20の放熱部20bとを熱伝導部材45を介して接触させるため、封止面10gと放熱部20bとの表面粗さに起因する微小な隙間の形成を抑制でき、半導体チップ10aで発生した熱を、封止面10gから放熱部20bと、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱する第2放熱経路の放熱性を高めることができる。
【0074】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る電力変換装置400の構成について説明する。なお、実施の形態1、2、3と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
【0075】
図9は、実施の形態4に係る電力変換装置400の断面図である。実施の形態4に係る電力変換装置400は、スイッチング素子10の封止面10gと、放熱部材20の放熱部20bとの間に間隙を設けている。
【0076】
封止面10gと放熱部20bとの間に間隙を設けているため、第2放熱経路による放熱はなくなり、放熱効果が低減されてしまうものの、第2放熱経路は、第1放熱経路あるいは第3放熱経路と比較して放熱量が小さいため、電力変換装置の放熱性向上を阻害しない。
【0077】
実施の形態4に係る電力変換装置400では、放熱部20bと、封止面10gとの間に間隙を設けているため、第1放熱体50と第2放熱体51とを、据付部52によって固定する際に、第2絶縁部材41を介して、放熱部材20の放熱部20bからスイッチング素子10の樹脂部10eに加わる応力を緩和できる。したがって、スイッチング素子10の樹脂部10eに加わる応力を考慮した設計を不要にできる。
【0078】
図10は、実施の形態4に係る電力変換装置400のスイッチング素子10と放熱部材20の変形例を示す斜視図である。図10に示す、放熱部材20は、バネ部20cを有する。
【0079】
放熱部材20がバネ部20cを有する場合、第1放熱体50と第2放熱体51とを、据付部52によって固定する際に、第2絶縁部材41を介して、放熱部材20が第2放熱体51に押圧され、第1固定部20aと第1固定部材32の接合面に加わる応力を緩和できる。したがって、第1固定部20aと第1固定部材32の接合面に加わる応力を考慮した設計を不要にできる。
【0080】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る電力変換装置500の構成について説明する。なお、実施の形態1、2、3、4と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
【0081】
図11は、実施の形態5に係る電力変換装置500の断面図である。図12は、実施の形態5に係る電力変換装置500のスイッチング素子10と放熱部材20の斜視図である。図13は、実施の形態5に係る電力変換装置500のスイッチング素子10と放熱部材20の変形例を示す斜視図である。なお、実施の形態5に係る電力変換装置500では、第1回路パターン上に接合された固定部材を第2固定部材33と称する。
【0082】
実施の形態5に係る電力変換装置500の放熱部材20は、第2固定部材33を介してプリント基板1の第1主面1a上に形成される第1回路パターン2cに接合された第2固定部22aをさらに有している。なお、第1回路パターン2cは、電力変換装置500の動作に伴い通電されてもよいし、されなくてもよい。また、第1回路パターン2dは、第1回路パターン2aと熱結合され、第1回路パターン2aと一体に形成する構成としてもよい。
【0083】
第2固定部材33は、高い熱伝導率を有する材料から構成され、例えば、熱伝導性接着剤、導電性接着剤、はんだ等が挙げられる。
【0084】
実施の形態5に係る電力変換装置500では、放熱部材20は、第1固定部20aとスイッチング素子10の電極部10bとの電気的接合に加え、第2固定部22aとプリント基板1の第1主面1aに形成される第1回路パターン2cとも接合されるため、放熱部材20の機械的固定を強固にでき、この結果、実施の形態5に係る電力変換装置500の耐振動性を向上できる。
【0085】
また、第1回路パターン2a、2cが熱結合されている場合、半導体チップ10aで発生した熱を、電極部10bと、第1回路パターン2aと、第1回路パターン2cと、第2固定部材33と、放熱部材20と、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱することができる。したがって、半導体チップ10aで発生した熱を放熱する放熱経路を増やすことができ、半導体チップ10aで発生した熱に対する電力変換装置500の放熱性を高めることができる。
【0086】
さらに、図13に示すように、放熱部材20は、第2固定部22aに加え、第2固定部22bと、第2固定部22cとをさらに有する構成としてもよい。第2固定部22bと第2固定部22cは、固定部材によって、プリント基板1の第1主面1aに接合される。図13に示された放熱部材20の構成の場合、放熱部材20を複数の固定部によってプリント基板1の第1主面1aに接合できるため、放熱部材20の機械的固定をさらに強固にできる。また、放熱部材20が金属で形成される場合、放熱部材20が電磁シールドの役割を果たし、スイッチング素子10の動作により周囲に放出される電磁波によって、スイッチング素子10の周辺に配置された電子部品90等の誤動作を防止できる。
【0087】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る電力変換装置600の構成について説明する。なお、実施の形態1、2、3、4、5と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
【0088】
図14は、実施の形態6に係る電力変換装置600の断面図である。実施の形態6に係る電力変換装置600は、プリント基板1の第2主面1bに設けられた第2回路パターン3と、プリント基板1の内部に、一端が第1回路パターン2aと、他端が第2回路パターン3と接している複数のビア60が設けられている。
【0089】
第2回路パターン3は、電力変換装置600の動作に伴い通電されてもよいし、されなくてもよい。
【0090】
ビア60は、プリント基板1の第1主面1aから第2主面1bまで貫通した孔で、円柱形上であり、その直径は0.1mm以上3.0mm以下である。ビア60は、一端がプリント基板1の第1主面1aに、他端がプリント基板1の第2主面1bにそれぞれ接合されている。また、ビア60の内壁面には導体膜が形成されていてもよい。ビア60の内壁面に導体膜が形成される場合、その導体膜の厚さは0.01mm以上0.1mm以下である。なお、ビア60は、ビア60の内部の一部または全部が、熱伝導性接着剤、導電性接着剤、あるいは、はんだにより充填されていてもよい。
【0091】
プリント基板1のスイッチング素子10が配置される部分において、ビア60により、第1主面1aと第2主面1bの間の熱抵抗を低減できる。例えば、プリント基板1がガラス繊維強化エポキシ樹脂からなる場合、プリント基板1の熱伝導率は0.5W/(m・K)程度である。一方、ビア60の内壁面上に形成される導体膜が銅からなり、ビア60の内部がはんだにより充填されている場合、銅の熱伝導率は370W/(m・K)程度で、はんだの熱伝導率は50W/(m・K)程度であるため、プリント基板1の熱伝導率と比べ非常に高い。したがって、半導体チップ10aで発生した熱を、電極部10bと、第1回路パターン2aと、ビア60と、第2回路パターン3と、第1絶縁部材40とを経由して第1放熱体50へと放熱する第3放熱経路の放熱性を高めることができる。
【0092】
図15は、実施の形態6に係る電力変換装置600の変形例を示す断面図である。図15では、プリント基板1の第2主面1bに設けられた第2回路パターン3上に、熱拡散板61を設けた構成を示している。熱拡散板61は、図示されない固定部材によって第2回路パターン3に接合されている。熱拡散板61を第2回路パターン3上配置することによって、半導体チップ10aで発生した熱を、電極部10bと、第1回路パターン2aと、ビア60と、第2回路パターン3と、熱拡散板61と、第1絶縁部材40とを経由して第1放熱体50へと放熱する第3放熱経路において、半導体チップ10aで発生した熱を熱拡散板61の広い面積に拡散することができ、第2回路パターン3と第1絶縁部材40との間の熱抵抗を小さくできる。したがって、電力変換装置600の放熱性を高めることができる。
【0093】
熱拡散板61は、1.0W/(m・K)以上、好ましくは10.0W/(m・K)、さらに好ましくは100.0W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。熱拡散板61の厚さは、0.1mm以上100mm以下である。熱拡散板61は、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、金、銀等の金属材料によって構成される。また、熱拡散板61は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金のいずれかの表面に、ニッケルめっき膜、金めっき膜、錫めっき膜、銅めっき膜のいずれかがめっきされた金属材料を用いてもよい。また、熱拡散板61は、例えば、熱伝導率の高い樹脂の表面に、ニッケルめっき膜、金めっき膜、錫めっき膜、銅めっき膜のいずれかがめっきされた材料を用いてもよい。
【0094】
実施の形態6に係る電力変換装置600は、プリント基板1の第2主面に設けられた第2回路パターン3と、プリント基板1の内部に、一端が第1回路パターン2aと、他端が第2回路パターン3と接合されている複数のビア60を有するため、半導体チップ10aで発生した熱を、電極部10bと、第1回路パターン2aと、ビア60と、第2回路パターン3と、第1絶縁部材40とを経由して、第1放熱体50へと放熱する第3放熱経路の放熱性を高めることができる。
【0095】
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係る電力変換装置700の構成について説明する。なお、実施の形態1、2、3、4、5、6と同一または対応する構成については、その説明を省略し、構成の異なる部分のみを説明する。
【0096】
図16は、実施の形態7に係る電力変換装置700の断面図である。図16に示すように電力変換装置700は、第1放熱体50と第2放熱体51との間に封止部材70が充填され、プリント基板1、スイッチング素子10、第1固定部材32及び放熱部材20を封止している構成である。
【0097】
封止部材70は、0.1W/(m・K)以上、好ましくは1.0W/(m・K)の熱伝導率を有する材料である。また、封止部材70は、電気的絶縁性を有し、かつ、1MPa以上のヤング率を有する。封止部材70は、例えば、熱伝導性フィラーを含有するポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂材料で構成されている。また、封止部材70を形成する材料は、例えば、シリコン、ウレタン等のゴム材料を用いてもよい。
【0098】
実施の形態7に係る電力変換装置700では、半導体チップ10aで発生した熱を、封止部材70を経由して、第1放熱体50と第2放熱体51へと放熱する経路をさらに有する。したがって、半導体チップ10aで発生した熱に対する電力変換装置700の放熱性を向上できる。
【0099】
図17、18、19は、実施の形態7に係る電力変換装置700の変形例を示す断面図である。図17では、放熱部材20の放熱部20bと第2放熱体51との間を封止部材70で充填した構成を示している。図18では、プリント基板1と第1放熱体50との間を封止部材70で充填した構成を示している。図19では、放熱部材20の放熱部20bと第2放熱体51との間と、プリント基板1と第1放熱体50との間の両方を封止部材70で充填した構成を示している。
【0100】
図17に示す構成では、第2絶縁部材41が不要になる。図18に示す構成では、第1絶縁部材40が不要になる。図19に示す構成では、第1絶縁部材40と第2絶縁部材41とが不要になる。
【0101】
第1放熱体50と第2放熱体51との間に封止部材70を充填する方法を説明する。
【0102】
スペーサー52aが、図1に示す形状の場合は、第1放熱体50と第2放熱体51とを据付部52によって固定する前に、封止部材70を充填する。
【0103】
スペーサー52aが、図2、3に示す形状の場合は、第1放熱体50と第2放熱体51とを据付部52によって固定して、電力変換装置を製造した後に、製造された電力変換装置を収容可能な筐体内に配置して、封止部材70を充填する。また、予め封止部材70が充填された筐体内に電力変換装置を配置してもよい。筐体内に電力変換装置を配置して封止部材70を充填する場合、複数の電力変換装置と電子部品等を筐体内に配置することによって、より高性能な電力変換装置を製造することができる。
【0104】
実施の形態7に係る電力変換装置700が、図19に示す構成の場合は、封止部材70をプリント基板1の第2主面1bの位置まで充填して硬化させる。次に、硬化させた封止部材70の上にさらに封止部材70を充填して、組み立てられた各部材を封止部材70内部へ配置した後に、封止部材70を硬化させる。また、封止部材70をプリント基板1の第2主面1bの位置まで充填して硬化させ、硬化した封止部材70上に組み立てられた各部材を配置して、封止部材70を充填してもよい。
【0105】
実施の形態7に係る電力変換装置700は、第1放熱体50と第2放熱体51との間が封止部材70によって充填されているため、半導体チップ10aで発生した熱を、封止部材70を経由して、第1放熱体50または第2放熱体51へと放熱する経路をさらに有する。したがって、半導体チップ10aで発生した熱に対する電力変換装置700の放熱性を向上できる。また、封止部材70を、第1絶縁部材40および第2絶縁部材41として用いることができるため、電力変換装置700を構成する部品コストを削減できる。さらに、第1放熱体50と第2放熱体51間の空間を封止部材70によって充足できるため、各部品の機械的固定を一層強固にでき、電力変換装置700の耐振動性を向上できる。
【0106】
上述した各実施の形態では、放熱部材を厚さが0.1mmから3mmの間の熱伝導率の高い板状の部材としたが、放熱部材の形状は板材に限定されるものではなく、また、放熱部材の厚さは0.1mmから3mmの間に限定されるものではない。放熱部材は、請求項に記載された特徴を備えるなら、任意の形状と寸法を有することができる。
【0107】
本発明は、実施の形態1ないし7で説明した形状に限定されるものでなく、発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【0108】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲のすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
100,200,300,400,500,600,700 電力変換装置、
1 プリント基板、1a 第1主面、1b 第2主面、
2a,2b,2c,2d 第1回路パターン、3 第2回路パターン、4 ハーネス、
10 スイッチング素子、10a 半導体チップ、10b 電極部、
10c リード端子10c ワイヤ、10e 樹脂部、10f 放熱面、
10g 封止面、11a 貫通孔、
20 放熱部材、20a 第1固定部、20b 放熱部、20c バネ部、
21a 突起部、22a,22b,22c 第2固定部、
30 第1接合部材、31 第2接合部材、32 第1固定部材、33 第2固定部材、40 第1絶縁部材、41 第2絶縁部材、
50 第1放熱体、51 第2放熱体、52 据付部、
52a スペーサー、52b 締結部材、
60 ビア、61 熱拡散板、
70 封止部材、
90 電子部品、91 第3接合部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19

【手続補正書】
【提出日】2020年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1放熱体と、
前記第1放熱体と対向する第2放熱体と、
表面に第1回路パターンが形成され、裏面が前記第1放熱体と対向するプリント基板と、
前記第1放熱体と前記プリント基板との間に設けられた第1絶縁部材と、
裏面が第1接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合された金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、前記電極部の表面側の一部及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子と、
裏面が前記電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、
第1固定部である一端が前記第1固定部材を介して前記電極部の表面に接合され、放熱部である他端が前記スイッチング素子の前記樹脂部の前記第2放熱体と対向する面と、前記第2放熱体との間に設けられた放熱部材と、
前記第2放熱体と、前記放熱部材との間に狭持された第2絶縁部材と、
一端が前記第1放熱体に、他端が前記第2放熱体にそれぞれ結合され、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを固定する据付部と、
を備え
前記放熱部材は、第2固定部材を介して前記第1回路パターンに接合された第2固定部をさらに備える電力変換装置。
【請求項2】
前記第1放熱体と前記第2放熱体との間に充填され、前記第1絶縁部材、前記プリント基板、前記スイッチング素子、前記第1固定部材、前記放熱部材及び前記第2絶縁部材を封止する封止部材をさらに備える請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
第1放熱体と、
前記第1放熱体と対向する第2放熱体と、
表面に第1回路パターンが形成され、裏面が前記第1放熱体と対向するプリント基板と、
裏面が第1接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合された金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、前記電極部の表面側の一部及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子と、
裏面が前記電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、
第1固定部である一端が前記第1固定部材を介して前記電極部の表面に接合され、放熱部である他端が前記スイッチング素子の前記樹脂部の前記第2放熱体と対抗する面と、前記第2放熱体との間に設けられた放熱部材と、
前記第1放熱体と前記第2放熱体との間に充填され、前記プリント基板、前記スイッチング素子、前記第1固定部材及び前記放熱部材を封止する封止部材と、
一端が前記第1放熱体に、他端が前記第2放熱体にそれぞれ結合され、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを固定する据付部と、
を備え
前記放熱部材は、第2固定部材を介して前記第1回路パターンに接合された第2固定部をさらに備える電力変換装置。
【請求項4】
前記第1放熱体と前記プリント基板との間に第1絶縁部材が設けられた請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第2放熱体と前記放熱部材との間に第2絶縁部材が設けられた請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第1回路パターンに電気的に接合され、外部から前記スイッチング素子に電力を供給するハーネスをさらに備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子の前記樹脂部の前記第2放熱体に対向する面と、前記放熱部材との間に、熱伝導部材が設けられた請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記電極部は、貫通孔を有し、
前記放熱部材の一端は、突起部を有し、
前記突起部が前記貫通孔に嵌合された請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記プリント基板は、
裏面に設けられた第2回路パターンと、
前記プリント基板内部に設けられ、一端が前記第1回路パターンに、他端が前記第2回路パターンにそれぞれ接合されたビアと、
を備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記第2回路パターン上に熱拡散板が接合された請求項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
プリント基板の表面に形成された第1回路パターン上に、第1接合部材及び第2接合部材をそれぞれ形成する接合部材形成工程と、
金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、一端がワイヤによって前記半導体チップに電気的に接合されたリード端子と、前記電極部の表面側の一部、前記リード端子の他端及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子を、前記電極部が前記第1接合部材上に、前記リード端子が前記第2接合部材上に、それぞれ位置するように配置し、前記スイッチング素子の前記電極部の表面側の露出面に、第1固定部材を配置し、放熱部材の一端が前記第1固定部材の表面に、前記放熱部材の他端が前記スイッチング素子の樹脂部表面に、それぞれ位置するように配置する配置工程と、
前記第1回路パターンへの前記電極部の電気的接合と、前記第1回路パターンへの前記リード端子の電気的接合と、前記電極部への前記放熱部材の一端の接合と、を前記第1接合部材及び前記第2接合部材のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けによって同時に行う接合工程と、
第1放熱体の表面に、第1絶縁部材を配置、前記第1絶縁部材の表面上に前記プリント基板を配置、前記放熱部材の他端の表面上に第2絶縁部材を配置、前記第2絶縁部材上に第2放熱体をそれぞれ配置して、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを据付部によって固定する固定工程と、
を備える電力変換装置の製造方法。
【請求項12】
金属板からなる電極部と、前記電極部に電気的に接合された半導体チップと、一端がワイヤによって前記半導体チップに電気的に接合されたリード端子と、前記電極部の表面側の一部、前記リード端子の他端及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、を有するスイッチング素子の前記電極部の表面側の露出面に、第1固定部材を配置して、前記第1固定部材の表面に放熱部材の一端が、前記スイッチング素子の表面に前記放熱部材の他端がそれぞれ位置するように前記放熱部材を配置する配置工程と、
前記第1固定部材によって、前記電極部に前記放熱部材の一端を接合する放熱部材接合工程と、
プリント基板の表面に形成された第1回路パターン上に、第1接合部材及び第2接合部材をそれぞれ形成する接合部材形成工程と、
前記電極部が前記第1接合部材上に、前記リード端子が前記第2接合部材上に、それぞれ位置するように前記スイッチング素子を配置して、
前記第1回路パターンへの前記電極部の電気的接合と、前記第1回路パターンへの前記リード端子の電気的接合と、を前記第1固定部材の融点未満の温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けによって同時に行う接合工程と、
第1放熱体の表面に、第1絶縁部材を配置、前記第1絶縁部材の表面上に前記プリント基板の裏面が位置するように前記プリント基板を配置、前記放熱部材の他端の表面上に第2絶縁部材を配置、前記第2絶縁部材上に第2放熱体をそれぞれ配置して、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを据付部によって固定する固定工程と、
前記放熱部材の第2固定部が第2固定部材を介して前記第1回路パターンに接合される工程と、
を備える電力変換装置の製造方法。
【請求項13】
第1放熱体と、
前記第1放熱体と対向する第2放熱体と、
表面に第1回路パターンが形成され、裏面が前記第1放熱体と対向するプリント基板と、
前記第1放熱体と前記プリント基板との間に設けられた第1絶縁部材と、
裏面が第1接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合された電極部と、前記電極部の表面に電気的に接合された半導体チップと、一端が第2接合部材を介して前記第1回路パターンに電気的に接合されたリード端子と、前記電極部の表面側の一部、前記リード端子の他端及び前記半導体チップを封止する樹脂部と、前記リード端子の他端と前記半導体チップとを電気的に接続するワイヤと、を有するスイッチング素子と、
裏面が前記電極部の表面側の露出面に接合された第1固定部材と、
一端に前記第1固定部材の表面に接合される接合部と、他端に前記スイッチング素子の 前記樹脂部と前記第2放熱体の間に設けられた放熱部とを有する放熱部材と、
前記第2放熱体と前記スイッチング素子との間に狭持された第2絶縁部材と、
一端が前記第1放熱体に、他端が前記第2放熱体にそれぞれ結合され、前記第1放熱体と前記第2放熱体とを固定する据付部と、
を備え、
前記放熱部は、平板であり、
前記接合部と前記放熱部とは、前記接合部に対して傾斜した平板である傾斜部により接続され、前記接合部と前記放熱部と前記傾斜部とは一体に形成され
前記放熱部材は、第2固定部材を介して前記第1回路パターンに接合された第2固定部をさらに備える電力変換装置。
【請求項14】
前記放熱部材の前記放熱部は、平板であり、
前記第1固定部と前記放熱部とは、前記第1固定部に対して傾斜した平板である傾斜部により接続され、前記第1固定部と前記放熱部と前記傾斜部とは一体に形成されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
一般に電力変換装置には、電力変換装置の動作に伴い発熱するスイッチング素子が含まれる。近年、電力変換装置の小型化、高出力化に対する需要の高まりを受け、電力変換装置の単位体積当たりの発熱量は増加している。スイッチング素子は、電力変換装置の動作に伴う発熱によって温度上昇するので、スイッチング素子の温度によって、周囲の電子部品の許容温度を超えないようにする必要があり、電力変換装置を小型化、高出力化するため、電力変換装置の放熱性を高めることが強く求められている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る電力変換装置の製造方法によれば、第1回路パターンへの電極部の電気的接合と、第1回路パターンへのリード端子の電気的接合と、電極部への第1固定部の接合とを、第1接合部材、第2接合部材及び第1固定部材のいずれの融点よりも高い温度で加熱するリフロー方式のはんだ付けで同時に行うため、電力変換装置の組み立てを簡易化できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
第1絶縁部材40と第2絶縁部材41は、絶縁性に優れた材料で構成され、例えば、シリコン、ウレタン等のゴム材、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フェノール等の樹脂材である。また、第1絶縁部材40と第2絶縁部材41を構成する材料は、例えば、ポリイミド等の高分子材料を用いてもよい。また、第1絶縁部材40と第2絶縁部材41を構成する材料として、例えば酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の粒子のいずれかを混入させたセラミック材料、または、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の粒子のいずれかを混入させたシリコン樹脂を用いてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
また、第2絶縁部材41は、良好な弾性を有するため、放熱部20bと第2放熱体51の間で第2絶縁部材41が押し潰され、放熱部20bと第2絶縁部材41の間、第2絶縁部材41と第2放熱体51の間に微小な隙間が形成されない。さらに、第2絶縁部材41として、空気の熱伝導率0.02W/(m・K)よりも熱伝導率の高い材料を用いることによって、放熱部20b及び第2絶縁部材41の接触熱抵抗と、第2絶縁部材41及び第2放熱体51の接触熱抵抗とを小さくできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
また、放熱部材20の放熱部20bは、図6に示すようにウェーブ状の構造の場合、放熱部20bと第2絶縁部材41の接触面積を広くすることができる。放熱部20bの形状をウェーブ状の構造とするため、電力変換装置100は、放熱部20bと第2絶縁部材41の接触熱抵抗を更に小さくでき、第1放熱経路の放熱性を高めることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
実施の形態5に係る電力変換装置500の放熱部材20は、第2固定部材33を介してプリント基板1の第1主面1a上に形成される第1回路パターン2dに接合された第2固定部22aをさらに有している。なお、第1回路パターン2dは、電力変換装置500の動作に伴い通電されてもよいし、されなくてもよい。また、第1回路パターン2dは、第1回路パターン2aと熱結合され、第1回路パターン2aと一体に形成する構成としてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
実施の形態5に係る電力変換装置500では、放熱部材20は、第1固定部20aとスイッチング素子10の電極部10bとの電気的接合に加え、第2固定部22aとプリント基板1の第1主面1aに形成される第1回路パターン2dとも接合されるため、放熱部材20の機械的固定を強固にでき、この結果、実施の形態5に係る電力変換装置500の耐振動性を向上できる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
また、第1回路パターン2a、2dが熱結合されている場合、半導体チップ10aで発生した熱を、電極部10bと、第1回路パターン2aと、第1回路パターン2dと、第2固定部材33と、放熱部材20と、第2絶縁部材41とを経由して第2放熱体51へと放熱することができる。したがって、半導体チップ10aで発生した熱を放熱する放熱経路を増やすことができ、半導体チップ10aで発生した熱に対する電力変換装置500の放熱性を高めることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
100,200,300,400,500,600,700 電力変換装置、
1 プリント基板、1a 第1主面、1b 第2主面、
2a,2b,2c,2d 第1回路パターン、3 第2回路パターン、4 ハーネス、
10 スイッチング素子、10a 半導体チップ、10b 電極部、
10c リード端子、10d ワイヤ、10e 樹脂部、10f 放熱面、
10g 封止面、11a 貫通孔、
20 放熱部材、20a 第1固定部、20b 放熱部、20c バネ部、
21a 突起部、22a,22b,22c 第2固定部、
30 第1接合部材、31 第2接合部材、32 第1固定部材、33 第2固定部材、
40 第1絶縁部材、41 第2絶縁部材、
50 第1放熱体、51 第2放熱体、52 据付部、
52a スペーサー、52b 締結部材、
60 ビア、61 熱拡散板、
70 封止部材、
90 電子部品、91 第3接合部材。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【国際調査報告】