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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年8月8日
【発行日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】脱硫システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/18 20060101AFI20201204BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
   B01D53/18ZAB
   B01D53/50 200
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
【出願番号】特願2019-568428(P2019-568428)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月30日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】飯井 伸也
(72)【発明者】
【氏名】野坂 浩之
(72)【発明者】
【氏名】片川 篤
(72)【発明者】
【氏名】石坂 浩
(72)【発明者】
【氏名】大倉 一
(72)【発明者】
【氏名】中本 隆則
(72)【発明者】
【氏名】今田 典幸
【テーマコード(参考)】
4D002
4D020
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002BA02
4D002CA01
4D020AA06
4D020BB05
4D020CB25
4D020CC04
4D020CC07
(57)【要約】
被処理ガスが流入する入口ダクト(6)と、入口ダクト(6)から導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し脱硫処理後の排ガスを排出する吸収塔(2)と、入口ダクト(6)と吸収塔(2)との接続部の近傍に配置され、入口ダクト(6)を流れるガスの流れを、吸収塔(2)の中心部に向けて偏らせる流れ制御部(11)とを備えたことを特徴とする脱硫システム(1)により、脱硫性能を確保しつつ、脱硫システムの吸収塔の初期コスト及びポンプ動力を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理ガスが流入する入口ダクトと、
前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し、脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、
前記被処理ガスの流れ方向の上流側で水平方向の幅が前記吸収塔の径より広く、且つ、下流端が前記吸収塔に接続された前記入口ダクトと、
を備えたことを特徴とする脱硫システム。
【請求項2】
前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の脱硫システム。
【請求項3】
被処理ガスが流入する入口ダクトと、
前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、
前記入口ダクトと前記吸収塔との接続部の近傍に配置され、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部と、
を備えたことを特徴とする脱硫システム。
【請求項4】
前記入口ダクトの水平方向の幅を、前記吸収塔の径と同等以上とし、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の脱硫システム。
【請求項5】
前記入口ダクトの内壁側に配置された整流板により構成された前記流れ制御部、
を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システム。
【請求項6】
前記整流板によってガスおよび吸収液に接触しない前記入口ダクト部分の材質が、前記整流板の材質とは異なる
ことを特徴とする請求項5に記載の脱硫システム。
【請求項7】
前記吸収塔の中央に向けて傾斜する内壁形状を有する前記入口ダクトの下流部により構成された前記流れ制御部、
を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システム。
【請求項8】
前記入口ダクトの水平方向の幅を前記吸収塔の径と同等以上にし、且つ、
前記流れ制御部で縮小される前の入口ダクトの幅と前記流れ制御部で縮小された後の入口ダクトの幅との長さの比率を、0.95以下とし、且つ、
前記入口ダクトを縮小させる流れ制御部の角度を45度以下とした
ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の脱硫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所や工場等に設置されるボイラー等の燃焼設備から排出される、排ガスを浄化するための脱硫システムに係り、脱硫装置の初期コスト及び運転に必要なポンプ消費動力を低減可能な脱硫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所におけるボイラー等から排出される排ガス中の硫黄酸化物を除去する手段として、湿式石灰石石膏法が広く用いられている。排ガス中の硫黄酸化物は、吸収スラリを循環しスプレしている吸収塔を通過し、スラリと接触することで排ガス中から除去される。
【0003】
図9は従来の脱硫システムの説明図(側面図)である。
図10図9の矢印X方向から見た図(正面図)である。
図11図10のXI−XI線断面図である。
図12図11における排ガスの流れの説明図である。
図13は従来の脱硫システムの説明図であり、図9とは入口ダクトの高さが異なる脱硫システムの説明図である。
図14図13の矢印XIV方向から見た図(正面図)である。
図15図14のXV−XV線断面図である。
図16図15における排ガスの流れの説明図である。
【0004】
図9図13において、従来の脱硫システム01では、排ガスは吸収塔02の下部に配置された吸収スラリタンク03の液面上部に接続したダクト06から導入され、鉛直上方に流れる。吸収塔02内では、吸収スラリが複数のノズル04からスプレされる。したがって、排ガスが吸収塔02内を流れる際に、吸収スラリと接触することで、硫黄酸化物が除去される。
図11図16において、排ガスを吸収塔02に導入するダクト06(以下、入口ダクト)部分については、流速を一定範囲(10〜15m/s程度)に保てるように、形状・大きさが決定されている。
【0005】
入口ダクト06の大きさについては、入口ダクト06の流路断面積が同一の場合、図10に示す構成に比べて、図14に示すように、水平方向の幅06aを広くすることで、高さ06bを低くすることができる。入口ダクト06の高さ06bを低くすることができれば、吸収塔02の全体の高さも低くすることができると共に、循環ポンプ07の揚程(吸収スラリを揚げる距離)を下げることができ、循環ポンプ07の動作に必要な動力を下げることができる。
そのため、入口ダクト06の断面積を変化させずに、入口ダクト06の高さ06bを下げる方法として、入口ダクト06の幅06aを吸収塔02の径02aと同等の大きさとした構成が考案されている。
【0006】
このような湿式石灰石石膏法の吸収塔構造として、特許文献1(特開昭55−73319号公報)に記載の脱硫システムが知られている。
特許文献1では、吸収塔に排ガスを導入する入口ダクトを吸収塔塔径と同等まで水平方向に拡大することで吸収塔内のガス流速の偏流を抑制できるとしている。
また,特許文献2(特開平9−47631号公報)においても、特許文献1と同様に入口ダクトの偏平率と吸収塔の塔径と入口ダクト幅との割合を規定することで、入口ダクト幅を広げ、入口高さを低くすることで吸収塔内のガス流速の偏流を抑制でき、吸収塔高さを低くできるとしている。
一方、特許文献3(特許第5725725号公報)では吸収塔の内周端部にガス吹き抜け防止部材を周方向に沿って不連続に設けることで、吸収塔の内壁近傍を未反応ガスがすり抜けることを防止できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭55−73319号公報
【特許文献2】特開平9−47631号公報
【特許文献3】特許第5725725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図17は吸収スラリのスプレ密度の説明図であり、図9に対応する側面図である。
図18は吸収スラリのスプレ密度の説明図であり、図11に対応する断面図である。
図17において、吸収塔02で複数のノズル04からスプレされる吸収スラリは、吸収塔02内を落下すると共に、水平方向に広がる。したがって、水平方向に並んだ複数のノズル04からスプレされた吸収スラリは、図17図18に示すように、円筒状の吸収塔02の中心部ほど密度が高く、吸収塔02の外縁部にいくにつれて密度が低くなる。
【0009】
ここで、図13図16に示す従来構成では、入口ダクト06の幅06aが吸収塔02の径02aと同等に設定されているので、図16に示すように、吸収塔02の外縁部にも排ガスが流れ込む。一方、図9図12に示す従来構成では、図12に示すように、吸収塔02の中央部に向けてガスが流れやすく、外縁部に向かうガスの流れは、図13図16に示す従来構成に比べれば、少なくなる。したがって、入口ダクト06の幅06aを広くした構成では、吸収スラリの密度が低い外縁部に排ガスが流れやすい。吸収スラリの密度が低い吸収塔02の外縁部では、硫黄酸化物の吸収性能(以下、脱硫性能)が悪いため、入口ダクト06の幅06aを広げることで、脱硫性能が悪化する懸念があった。
【0010】
特許文献1,2記載の構成では、吸収塔内の吸収液スプレの液密度が外周部ほど低くなっている点について考慮されておらず、スプレ液密度が低い吸収塔円周部壁面に排ガスが多く導入されるため、排ガスの吹き抜け(脱硫が不十分な状態で排ガスが吸収塔を上方に通過してしまう現象)が起こりやすく、脱硫性能が低下する恐れがあった。
また、特許文献3記載の構成のように,吸収塔壁面にガス吹き抜け防止部材を設置し、ガスの吹き抜けを防止する方法では、スプレ部の圧力損失が増加し、消費動力が大きくなる問題があった。
【0011】
さらに、脱硫性能低下の問題を考慮し、入口ダクト06の幅06aを狭くした場合には、入口ダクト06の高さ06bが高くなる。吸収塔02では、入口ダクト06の近傍は吸収スラリにより乾湿を繰り返すため、耐酸性、耐腐食性、耐摩耗性に優れたハステロイ鋼等の高価な材料を使用する必要がある。吸収塔02の高さが高くなると、高価な材料を使用する範囲が広くなり、吸収塔02の初期コストが増大する問題がある。また、吸収塔02の高さが高くなると、循環ポンプ07の揚程も長くなり、循環ポンプ07の動力が増加するという問題もあった。
【0012】
本発明は、脱硫性能を確保しつつ、脱硫システムの吸収塔の初期コスト及びポンプ動力を低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記技術的課題を解決する請求項1に記載の発明は、被処理ガスが流入する入口ダクトと、前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し、脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、前記被処理ガスの流れ方向の上流側で水平方向の幅が前記吸収塔の径より広く、且つ、下流端が前記吸収塔に接続された前記入口ダクトとを備えたことを特徴とする脱硫システムである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の脱硫システムである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、被処理ガスが流入する入口ダクトと、前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、前記入口ダクトと前記吸収塔との接続部の近傍に配置され、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部とを備えたことを特徴とする脱硫システムである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記入口ダクトの水平方向の幅を、前記吸収塔の径と同等以上とし、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の脱硫システムである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、前記入口ダクトの内壁側に配置された整流板により構成された前記流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システムである。
【0018】
請求項6に記載の発明は、前記整流板によってガスおよび吸収液に接触しない前記入口ダクト部分の材質が、前記整流板の材質とは異なることを特徴とする請求項5に記載の脱硫システムである。
【0019】
請求項7に記載の発明は、前記吸収塔の中央に向けて傾斜する内壁形状を有する前記入口ダクトの下流部により構成された前記流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システムである。
【0020】
請求項8に記載の発明は、前記入口ダクトの水平方向の幅を前記吸収塔の径と同等以上にし、且つ、前記流れ制御部で縮小される前の入口ダクトの幅と前記流れ制御部で縮小された後の入口ダクトの幅との長さの比率を、0.95以下とし、且つ、前記入口ダクトを縮小させる流れ制御部の角度を45度以下としたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の脱硫システムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、入口ダクトの水平方向の幅を吸収塔の径より広くし、吸収塔に接続することで、吸収塔の高さを低くすることができ、さらにガス流れも吸収塔の中央側に流れることとなり、脱硫システムの脱硫性能を確保できる。よって、脱硫性能を確保しつつ、脱硫システムの吸収塔の初期コスト及びポンプ動力を低減することができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、流れ制御部が入口ダクトを流れるガスの流れを吸収塔の中心部に向けて偏らせることで、入口ダクトの水平方向の幅を広げても、吸収塔内で吸収液の密度が高い領域にガスを送ることができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、流れ制御部が入口ダクトを流れるガスの流れを吸収塔の中心部に向けて偏らせることで、入口ダクトの水平方向の幅を広げても、吸収塔内で吸収液の密度が高い領域にガスを送ることができる。したがって、ガスを吸収塔の中心部に向けて偏らせない従来の構成に比べて、ガスの脱硫が十分に行われやすく、脱硫システムの脱硫性能を確保できる。また、入口ダクトの水平方向の幅を広げることができるので、入口ダクトの高さを短くすることができ、吸収塔の高さを低くすることができる。よって、吸収塔のコストを削減することができるとともに、吸収液の揚程を短くすることができ、必要な動力を低減することができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、入口ダクトの水平方向の幅を吸収塔の径と同等未満の場合に比べて、吸収塔のコストを削減でき、吸収液を汲み上げる動力も低減することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、整流板を使用することで、入口ダクトの構造の複雑化や強度問題の発生を防止できる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、整流板によってガスおよび吸収液に接触しない入口ダクト部分の材質を低コストの材質とすることができ、コストを削減できる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、入口ダクトの形状でガスの流れを制御することで、部品点数の増加を防止できる。
請求項8記載の発明によれば、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、吸収塔の高さを削減できるとともに、圧力損失と壁面流速と平均流速との差も抑えることができ、渦の発生による圧力損失の増加や吸収液の付着も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は本発明の脱硫システムの一実施例の概略説明図である。
図2図2図1の矢印II方向から見た図(正面図)である。
図3図3は、図2のIII−III線断面図である。
図4図4は実施例1の脱硫システムにおけるガスの流れの説明図である。
図5図5は実施例1の脱硫システムにおいて整流板による絞り比と流速差や圧力損失との関係を示すグラフである。
図6図6は本発明の変更例1の説明図である。
図7図7は本発明の変更例2の説明図である。
図8図8は本発明の変更例3の説明図である。
図9図9は従来の脱硫システムの説明図(側面図)である。
図10図10図9の矢印X方向から見た図(正面図)である。
図11図11図10のXI−XI線断面図である。
図12図12図11における排ガスの流れの説明図である。
図13図13は従来の脱硫システムの説明図であり、図9とは入口ダクトの高さが異なる脱硫システムの説明図である。
図14図14図13の矢印XIV方向から見た図(正面図)である。
図15図15図14のXV−XV線断面図である。
図16図16図15における排ガスの流れの説明図である。
図17図17は吸収スラリのスプレ密度の説明図であり、図9に対応する側面図である。
図18図18は吸収スラリのスプレ密度の説明図であり、図11に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施の形態を示す。
【実施例1】
【0028】
図1は本発明の脱硫システムの一実施例の概略説明図である。
図1において、本発明の脱硫システム1は、吸収塔2を有する。吸収塔2は、内部が上下方向に延びる円筒状に形成されている。吸収塔2の下部には、吸収スラリ(吸収液)が収容される吸収スラリタンク3が配置されている。
吸収塔2の上部には、吸収スラリをスプレするノズル4が複数配置されている。ノズル4は、水平方向に間隔をあけて複数、また図示していないが複数段配置されている。ノズル4には、循環ポンプ7により、吸収スラリタンク3から吸収スラリが汲み上げられて供給される。なお、ノズル4の数や位置、数等の構成に関しては、従来公知の種々の構成を採用可能であり、例えば、特許第5725725号公報(特許文献3)等に記載されているため、図示や詳細な説明は省略する。
【0029】
図2図1の矢印II方向から見た図(正面図)である。
図3は、図2のIII−III線断面図である。
図4は実施例1の脱硫システムにおけるガスの流れの説明図である。
図1図3において、吸収スラリタンク3の上方且つノズル4の下方には、排ガス(被処理ガス)を吸収塔2に導入する入口ダクト6が接続されている。実施例1の入口ダクト6は、水平方向の幅6aが、吸収塔2の内径2aと同等の長さに形成されている。したがって、水平方向の幅6aが吸収塔2の内径2aよりも小さい場合(図9図12の場合)に比べて、入口ダクト6の高さ6bは短く設定されている。
【0030】
実施例1の脱硫システム1では、入口ダクト6と吸収塔2との接続部の近傍には、流れ制御部の一例としての整流板11が幅方向に間隔をあけて一対配置されている。すなわち、整流板11は、ガスの流れ方向に対して、入口ダクト6の下流端部に配置されている。図4に示すように、実施例1の整流板11は、入口ダクト6から吸収塔2に流入するガスを、水平方向の内側(吸収塔2の中心部2c側)に向けて偏らせるように形状および位置が設定されている。したがって、一対の整流板11の内端11aどうしの水平方向の距離11bは、入口ダクト6の幅6aよりも短く設定されている。
【0031】
また、実施例1では、整流板11の上流端11cは、吸収塔2の上流端2bよりも下流側に配置されている。したがって、実施例1のガスの流路は、整流部材11により、吸収塔2の入口(上流端2b)よりも内側で絞られている。
【0032】
前記構成を備えた実施例1の脱硫システム1では、排ガスが吸収塔2に流入する際に、排ガスが吸収塔2の中心部2cに向けて偏向される。よって、吸収塔2においてスプレされる吸収スラリの密度が低い領域(図4図17図18参照)に排ガスが流れにくくなる。したがって、入口ダクト6の幅6aを広げても、排ガスが、脱硫が不十分な状態で吸収塔2を通過することが低減され、脱硫性能が確保される。そして、入口ダクト6の幅6aを広げることで、入口ダクト6の高さ6bを短くすることができ、吸収塔2の全体の高さや、循環ポンプ7の揚程も短くすることができる。したがって、脱硫システム1の小型化や吸収塔2のコスト削減が可能であるとともに、循環ポンプ7の動力を低減することも可能である。特に、入口ダクト6の幅6aを広げるほど高さ6bを下げることができるため、入口ダクト6の幅6aは、吸収塔2の径2aと同等以上とすることが好ましい。
【0033】
図5は実施例1の脱硫システムにおいて整流板による絞り比と流速差や圧力損失との関係を示すグラフである。
図5において、整流板11で絞る前の幅(6a)と、絞った後の幅(11b)との比率(11b/6a)(以下、絞り比)と圧力損失、吸収塔2内の側壁ガス流速と平均流速との差の関係を確認した。絞り比が小さくなると(整流板11の内端11aの幅11bが短くなると)、側壁ガス流速と平均流速との差がほとんど変わらないのに対して、圧力損失が大きくなっている。したがって、図5のグラフでは、絞り比が0.7を下回ると、それ以上幅11bを短くしても、圧力損失が増えるだけで、脱硫性能としてはほとんど変わらなくなる。
【0034】
一方、図5において、絞り比が0.95を上回ると、側壁ガス流速と平均流速との差が急激に大きくなる。したがって、吸収スラリの密度が低い領域にガスが流れ込みやすくなって、排ガス中のSO吸収に偏りが生じる恐れがある。
したがって、本構成を採用する際には、絞り比を0.95以下とすることが好ましく、より好適には絞り比を0.7〜0.95の範囲とすることが好ましい。
【0035】
さらに、入口ダクト6の幅6aを整流板11で急角度で縮小させると、内端11aよりも下流側で渦が発生しやすくなる。渦が発生すると、圧力損失が増加したり、吸収スラリが付着する等の問題が発生する。したがって、幅6aを縮小させる整流板11の角度θは、渦が発生しにくい低角度とすることが望ましい。特に、入口ダクト6の上流側の壁面に対する整流板11の上流部の内面との傾斜角度θを、45度以下とすることが好ましい。
また、実施例1のガスの流路は、整流板11により、吸収塔2の入口(上流端2b)よりも内側で絞られているので、整流板11でガスが中心部2cに向けて偏る(絞られる)際には、ガスの一部が吸収塔2に沿って上下方向に移動可能な状態となっている。したがって、整流板11でガス流路が絞られる際に、ガスの一部が上下方向に抜けることで、ガスの流速が過剰に高速になることが抑制される。よって、整流板11でガスの流れが絞られても、ガスの流速を一定範囲(10〜15m/s程度)に保つことが可能である。
【0036】
図6は本発明の変更例1の説明図である。
図6において、実施例1の脱硫システム1において、整流板11に変えて、入口ダクト6の下流端部6d(流れ制御部の一例)の形状を、ガス流路が縮小するように構成することも可能である。図6のように構成することで、部品点数を削減することが可能であるが、入口ダクト6の構造が複雑化し、強度を確保する必要がある点に気を付ける必要がある。
図6に示す変更例1の構成でも、実施例1と同様に、脱硫性能を確保しつつコストや動力を削減することができる。
【0037】
図7は本発明の変更例2の説明図である。
図7において、実施例1の脱硫システム1において、整流板11を設置することで、入口ダクト6には、排ガスやスプレされる吸収スラリに接触しない領域6eが発生する。従来の入口ダクト6では、排ガスや吸収スラリに接触するため、耐酸性、耐腐食性、耐摩耗性の材料を使用する必要があったが、整流板11が設置される領域6eについては、材料を廉価な材料を使用することも可能である。
このように構成することで、脱硫システム1のコストをさらに削減することが可能である。
【0038】
図8は本発明の変更例3の説明図である。図8において、入口ダクト6の水平方向の幅6aは、吸収塔の径2aより広く設定している。そして、入口ダクト6の下流端部では入口ダクト6の幅が、吸収塔2の径2aに縮小して、入口ダクト6が吸収塔2に接続されるように構成されている。この場合でも、吸収塔2との接続部でガス流れを吸収塔2の中心部2cに向かうように整流板11を介して接続することで、吸収塔2の脱硫性能を確保することができる。
【0039】
(その他の変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、例示した具体的な数値は、設計や仕様等に応じて適宜変更可能である。
(H02)前記実施例において、流れ制御部の形状は、略三角形状(楔状)の整流板11や下流端部6dを例示したが、これに限定されない。整流板11等の形状は、曲線あるいは台形状等、制御したいガスの流れの向きや方向等に応じて、任意の形状に変更可能である。また、整流板11を幅方向の両側に一対設ける構成を例示したが、これに限定されず、吸収塔2の中心部2cに向けて流れを偏らせることが可能であれば、1つまたは3つ以上設置する構成とすることも可能である。
【0040】
(H03)前記実施例において、整流板11の上流端11cの位置は、吸収塔2の上流端2bよりも下流側に配置することが望ましいがこれに限定されない。例えば、内端11aが上流端2bよりも下流側であれば、整流板11の上流端11cは、上流端2bより、同一または上流側に配置することも可能である。
(H04)前記実施例において、整流板11の内端11aの位置は、吸収塔の最外周位置(図7の11d)より上流側に配置することが望ましいが、これに限定されない。例えば、図8に示すように入口ダクトの幅6aを吸収塔の内径2aよりも大きくする場合は、整流板11の内端11aの位置を吸収塔の最外周位置に配置することも可能である。
(H05)前記実施例において、整流板11の材質は、耐酸性、耐腐食性、耐摩耗性に優れたハステロイ鋼等が望ましいが、上記の性能に準ずる他の合金鋼やライニングおよび塗布材料を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…脱硫システム、
2…吸収塔、
2a…吸収塔の径、
2c…吸収塔の中心部、
6…入口ダクト、
6a…入口ダクトの水平方向の幅、
6d…内壁形状、
6e…ガスおよび吸収液に接触しない入口ダクト部分、
11…整流板、
11,6d…流れ制御部、
11b…流れ制御部で縮小された後の入口ダクトの幅、
11b/6a…比率、
θ…流れ制御部の角度。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18

【手続補正書】
【提出日】2019年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理ガスが流入する入口ダクトと、
前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し、脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、
前記被処理ガスの流れ方向の上流側で水平方向の幅が前記吸収塔の径より広く、且つ、下流端が前記吸収塔に接続された前記入口ダクトと、
を備えたことを特徴とする脱硫システム。
【請求項2】
前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の脱硫システム。
【請求項3】
被処理ガスが流入する入口ダクトと、
前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、
前記入口ダクトと前記吸収塔との接続部の近傍に配置され、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の水平方向外側から中心部に向けて偏らせる流れ制御部と、
を備えたことを特徴とする脱硫システム。
【請求項4】
前記入口ダクトの水平方向の幅を、前記吸収塔の径と同等以上とし、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の水平方向外側から中心部に向けて偏らせる流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の脱硫システム。
【請求項5】
前記入口ダクトの内壁側に配置された整流板により構成された前記流れ制御部、
を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システム。
【請求項6】
前記整流板によってガスおよび吸収液に接触しない前記入口ダクト部分の材質が、前記整流板の材質とは異なる
ことを特徴とする請求項5に記載の脱硫システム。
【請求項7】
前記吸収塔の中央に向けて傾斜する内壁形状を有する前記入口ダクトの下流部により構成された前記流れ制御部、
を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システム。
【請求項8】
前記入口ダクトの水平方向の幅を前記吸収塔の径と同等以上にし、且つ、
前記流れ制御部で縮小される前の入口ダクトの幅と前記流れ制御部で縮小された後の入口ダクトの幅との長さの比率を、0.95以下とし、且つ、
前記入口ダクトを縮小させる流れ制御部の角度を45度以下とした
ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の脱硫システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
加し、消費動力が大きくなる問題があった。
[0011]
さらに、脱硫性能低下の問題を考慮し、入口ダクト06の幅06aを狭くした場合には、入口ダクト06の高さ06bが高くなる。吸収塔02では、入口ダクト06の近傍は吸収スラリにより乾湿を繰り返すため、耐酸性、耐腐食性、耐摩耗性に優れたハステロイ鋼等の高価な材料を使用する必要がある。吸収塔02の高さが高くなると、高価な材料を使用する範囲が広くなり、吸収塔02の初期コストが増大する問題がある。また、吸収塔02の高さが高くなると、循環ポンプ07の揚程も長くなり、循環ポンプ07の動力が増加するという問題もあった。
[0012]
本発明は、脱硫性能を確保しつつ、脱硫システムの吸収塔の初期コスト及びポンプ動力を低減することを技術的課題とする。
課題を解決するための手段
[0013]
前記技術的課題を解決する請求項1に記載の発明は、被処理ガスが流入する入口ダクトと、前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し、脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、前記被処理ガスの流れ方向の上流側で水平方向の幅が前記吸収塔の径より広く、且つ、下流端が前記吸収塔に接続された前記入口ダクトとを備えたことを特徴とする脱硫システムである。
[0014]
請求項2に記載の発明は、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の中心部に向けて偏らせる流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の脱硫システムである。
[0015]
請求項3に記載の発明は、被処理ガスが流入する入口ダクトと、前記入口ダクトから導入される被処理ガスを吸収液と接触させて、ガス中の硫黄酸化物を除去し脱硫処理後のガスを排出する吸収塔と、前記入口ダクトと前記吸収塔との接続部の近傍に配置され、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の水平方向外側から中心部に向けて偏らせる流れ制御部とを備えたことを特徴とする脱硫システムである。
[0016]
請求項4に記載の発明は、前記入口ダクトの水平方向の幅を、前記吸収塔
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
の径と同等以上とし、前記入口ダクトを流れるガスの流れを、前記吸収塔の水平方向外側から中心部に向けて偏らせる流れ制御部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の脱硫システムである。
[0017]
請求項5に記載の発明は、前記入口ダクトの内壁側に配置された整流板により構成された前記流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システムである。
[0018]
請求項6に記載の発明は、前記整流板によってガスおよび吸収液に接触しない前記入口ダクト部分の材質が、前記整流板の材質とは異なることを特徴とする請求項5に記載の脱硫システムである。
[0019]
請求項7に記載の発明は、前記吸収塔の中央に向けて傾斜する内壁形状を有する前記入口ダクトの下流部により構成された前記流れ制御部を備えたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の脱硫システムである。
[0020]
請求項8に記載の発明は、前記入口ダクトの水平方向の幅を前記吸収塔の径と同等以上にし、且つ、前記流れ制御部で縮小される前の入口ダクトの幅と前記流れ制御部で縮小された後の入口ダクトの幅との長さの比率を、0.95以下とし、且つ、前記入口ダクトを縮小させる流れ制御部の角度を45度以下としたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の脱硫システムである。
発明の効果
[0021]
請求項1記載の発明によれば、入口ダクトの水平方向の幅を吸収塔の径より広くし、吸収塔に接続することで、吸収塔の高さを低くすることができ、さらにガス流れも吸収塔の中央側に流れることとなり、脱硫システムの脱硫性能を確保できる。よって、脱硫性能を確保しつつ、脱硫システムの吸収塔の初期コスト及びポンプ動力を低減することができる。
[0022]
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、流れ制御部が入口ダクトを流れるガスの流れを吸収塔の中心部に向けて偏らせることで、入口ダクトの水平方向の幅を広げても、吸収塔内で吸収液の密度が高い領域にガスを送ることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
[0023]
請求項3記載の発明によれば、流れ制御部が入口ダクトを流れるガスの流れを吸収塔の水平方向外側から中心部に向けて偏らせることで、入口ダクトの水平方向の幅を広げても、吸収塔内で吸収液の密度が高い領域にガスを送ることができる。したがって、ガスを吸収塔の水平方向外側から中心部に向けて偏らせない従来の構成に比べて、ガスの脱硫が十分に行われやすく、脱硫システムの脱硫性能を確保できる。また、入口ダクトの水平方向の幅を広げることができるので、入口ダクトの高さを短くすることができ、吸収塔の高さを低くすることができる。よって、吸収塔のコストを削減することができるとともに、吸収液の揚程を短くすることができ、必要な動力を低減することができる。
[0024]
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、入口ダクトの水平方向の幅を吸収塔の径と同等未満の場合に比べて、吸収塔のコストを削減でき、吸収液を汲み上げる動力も低減することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、整流板を使用することで、入口ダクトの構造の複雑化や強度問題の発生を防止できる。
請求項6記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、整流板によってガスおよび吸収液に接触しない入口ダクト部分の材質を低コストの材質とすることができ、コストを削減できる。
[0025]
請求項7記載の発明によれば、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、入口ダクトの形状でガスの流れを制御することで、部品点数の増加を防止できる。
請求項8記載の発明によれば、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、吸収塔の高さを削減できるとともに、圧力損失と壁面流速と平均流速との差も抑えることができ、渦の発生による圧力損失の増加や吸収液の付着も抑えることができる。
図面の簡単な説明
[0026]
図1図1は本発明の脱硫システムの一実施例の概略説明図である。
図2図2図1の矢印II方向から見た図(正面図)である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
[0032]
前記構成を備えた実施例1の脱硫システム1では、排ガスが吸収塔2に流入する際に、排ガスが吸収塔2の水平方向外側から中心部2cに向けて偏向される。よって、吸収塔2においてスプレされる吸収スラリの密度が低い領域(図4図17図18参照)に排ガスが流れにくくなる。したがって、入口ダクト6の幅6aを広げても、排ガスが、脱硫が不十分な状態で吸収塔2を通過することが低減され、脱硫性能が確保される。そして、入口ダクト6の幅6aを広げることで、入口ダクト6の高さ6bを短くすることができ、吸収塔2の全体の高さや、循環ポンプ7の揚程も短くすることができる。したがって、脱硫システム1の小型化や吸収塔2のコスト削減が可能であるとともに、循環ポンプ7の動力を低減することも可能である。特に、入口ダクト6の幅6aを広げるほど高さ6bを下げることができるため、入口ダクト6の幅6aは、吸収塔2の径2aと同等以上とすることが好ましい。
[0033]
図5は実施例1の脱硫システムにおいて整流板による絞り比と流速差や圧力損失との関係を示すグラフである。
図5において、整流板11で絞る前の幅(6a)と、絞った後の幅(11b)との比率(11b/6a)(以下、絞り比)と圧力損失、吸収塔2内の側壁ガス流速と平均流速との差の関係を確認した。絞り比が小さくなると(整流板11の内端11aの幅11bが短くなると)、側壁ガス流速と平均流速との差がほとんど変わらないのに対して、圧力損失が大きくなっている。したがって、図5のグラフでは、絞り比が0.7を下回ると、それ以上幅11bを短くしても、圧力損失が増えるだけで、脱硫性能としてはほとんど変わらなくなる。
[0034]
一方、図5において、絞り比が0.95を上回ると、側壁ガス流速と平均流速との差が急激に大きくなる。したがって、吸収スラリの密度が低い領域にガスが流れ込みやすくなって、排ガス中のSO吸収に偏りが生じる恐れがある。
したがって、本構成を採用する際には、絞り比を0.95以下とすることが好ましく、より好適には絞り比を0.7〜0.95の範囲とすることが好
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
ましい。
[0035]
さらに、入口ダクト6の幅6aを整流板11で急角度で縮小させると、内端11aよりも下流側で渦が発生しやすくなる。渦が発生すると、圧力損失が増加したり、吸収スラリが付着する等の問題が発生する。したがって、幅6aを縮小させる整流板11の角度θは、渦が発生しにくい低角度とすることが望ましい。特に、入口ダクト6の上流側の壁面に対する整流板11の上流部の内面との傾斜角度θを、45度以下とすることが好ましい。
また、実施例1のガスの流路は、整流板11により、吸収塔2の入口(上流端2b)よりも内側で絞られているので、整流板11でガスが水平方向外側から中心部2cに向けて偏る(絞られる)際には、ガスの一部が吸収塔2に沿って上下方向に移動可能な状態となっている。したがって、整流板11でガス流路が絞られる際に、ガスの一部が上下方向に抜けることで、ガスの流速が過剰に高速になることが抑制される。よって、整流板11でガスの流れが絞られても、ガスの流速を一定範囲(10〜15m/s程度)に保つことが可能である。
[0036]
図6は本発明の変更例1の説明図である。
図6において、実施例1の脱硫システム1において、整流板11に変えて、入口ダクト6の下流端部6d(流れ制御部の一例)の形状を、ガス流路が縮小するように構成することも可能である。図6のように構成することで、部品点数を削減することが可能であるが、入口ダクト6の構造が複雑化し、強度を確保する必要がある点に気を付ける必要がある。
図6に示す変更例1の構成でも、実施例1と同様に、脱硫性能を確保しつつコストや動力を削減することができる。
[0037]
図7は本発明の変更例2の説明図である。
図7において、実施例1の脱硫システム1において、整流板11を設置することで、入口ダクト6には、排ガスやスプレされる吸収スラリに接触しない領域6eが発生する。従来の入口ダクト6では、排ガスや吸収スラリに接触するため、耐酸性、耐腐食性、耐摩耗性の材料を使用する必要があったが、整流板11が設置される領域6cについては、材料を廉価な材料を使用す
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
ることも可能である。
このように構成することで、脱硫システム1のコストをさらに削減することが可能である。
[0038]
図8は本発明の変更例3の説明図である。図8において、入口ダクト6の水平方向の幅6aは、吸収塔の径2aより広く設定している。そして、入口ダクト6の下流端部では入口ダクト6の幅が、吸収塔2の径2aに縮小して、入口ダクト6が吸収塔2に接続されるように構成されている。この場合でも、吸収塔2との接続部でガス流れを吸収塔2の水平方向外側から中心部2cに向かうように整流板11を介して接続することで、吸収塔2の脱硫性能を確保することができる。
[0039]
(その他の変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、例示した具体的な数値は、設計や仕様等に応じて適宜変更可能である。
(H02)前記実施例において、流れ制御部の形状は、略三角形状(楔状)の整流板11や下流端部6dを例示したが、これに限定されない。整流板11等の形状は、曲線あるいは台形状等、制御したいガスの流れの向きや方向等に応じて、任意の形状に変更可能である。また、整流板11を幅方向の両側に一対設ける構成を例示したが、これに限定されず、吸収塔2の水平方向外側から中心部2cに向けて流れを偏らせることが可能であれば、1つまたは3つ以上設置する構成とすることも可能である。
[0040]
(H03)前記実施例において、整流板11の上流端11cの位置は、吸収塔2の上流端2bよりも下流側に配置することが望ましいがこれに限定されない。例えば、内端11aが上流端2bよりも下流側であれば、整流板11の上流端11cは、上流端2bより、同一または上流側に配置することも可能
【国際調査報告】