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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年8月15日
【発行日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】ドライヤー
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20201106BHJP
【FI】
   A45D20/12 Z
   A45D20/12 B
   A45D20/12 C
   A45D20/12 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2018-515677(P2018-515677)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月8日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセルホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】能勢 学
(72)【発明者】
【氏名】片山 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】若林 寿枝
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CF01
3B040CG00
3B040CH00
3B040CK00
(57)【要約】
放射熱線を利用して毛髪などの乾燥を行うドライヤーにおいて、リフレクタの反射効率を低減させることなく、リフレクタ内から排熱する。
リフレクタ(10)の後端部のみに吸込流路(70)を形成し、リフレクタの前端部のみに送出流路(71)を形成する。これにより、リフレクタの全体に亘って多数個の吸込流路や送出流路を形成する構成に比べてリフレクタの反射面積を大きくできるので、反射効率を向上できる。また、上流側に位置するリフレクタの吸込流路の形成領域における乾燥風流路(52)の流路内圧力よりも、下流側に位置するリフレクタの送出流路の形成領域における乾燥風流路の流路内圧力が小さくなるように設定する。これによりベンチュリー効果を利用して、吸込流路からリフレクタの内部を通って送出流路を介して乾燥風流路に至る空気の流れを作ることができるので、リフレクタ内の熱を効率的に排出できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方側の吸込口(8)から前方側の吹出口(9)に至る中空筒状の風導部(7)を有する本体ケース(1)と、
風導部(7)内に設けられて、吸込口(8)から吹出口(9)に向う空気流を発生させる送風ファン(3)と、
風導部(7)内の送風ファン(3)の前方側に配置されて、赤外線を含む放射熱線を放射する熱線性光源(4)と、
風導部(7)内の熱線性光源(4)の前方側に配置されて、熱線性光源(4)が放出する放射熱線を前方に向って反射案内するリフレクタ(10)と、
風導部(7)内のリフレクタ(10)の前方側に配置されて、リフレクタ(10)の前端から放射される光のうち放射熱線を透過させて可視光を減衰させる光学フィルター(11)と、
リフレクタ(10)の外周と本体ケース(1)の内面との間に形成された乾燥風流路(52)と、
リフレクタ(10)内の熱を外部へ排出するための排熱構造と、
を備え、
排熱構造は、リフレクタ(10)の後端部のみに形成されて、送風ファン(3)により発生された空気流の一部をリフレクタ(10)の内部に受け入れる吸込流路(70)と、リフレクタ(10)の前端部のみに形成されて、当該リフレクタ(10)内の空気を乾燥風流路(52)に向って送り出す送出流路(71)とで構成されており、
吸込流路(70)の形成領域における乾燥風流路(52)の流路内圧力よりも、送出流路(71)の形成領域における乾燥風流路(52)の流路内圧力が小さくなるように構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項2】
光学フィルター(11)の後端とリフレクタ(10)の後端とで規定される前後方向のリフレクタ(10)の長さをd1と規定し、光学フィルター(11)の後端と送出流路(71)の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、
d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路(71)が形成されている、請求項1記載のドライヤー。
【請求項3】
前後方向における送出流路(71)の開口長さ寸法(w1)が5mm以下に設定されている、請求項2記載のドライヤー。
【請求項4】
光学フィルター(11)の後端とリフレクタ(10)の前端との間に、送出流路(71)となる間隙(E)が形成されている、請求項1乃至3のいずれかひとつに記載のドライヤー。
【請求項5】
リフレクタ(10)が、前方側の前リフレクタ(80)と、後方側の後リフレクタ(81)とで構成されており、
前後のリフレクタ(80・81)の間に、送出流路(71)となる間隙(E)が形成されている、請求項1乃至3のいずれかひとつに記載のドライヤー。
【請求項6】
送出流路(71)が、リフレクタ(10)の前方開口縁に沿うように、当該リフレクタ(10)を構成する周壁の全周に亘って開設された周回状のスリット開口(84)として形成されている、請求項1乃至3のいずれかひとつに記載のドライヤー。
【請求項7】
送出流路(71)が、リフレクタ(10)の前方開口縁に沿うように、当該リフレクタ(10)を構成する周壁の全周に亘って列設された多数個の貫通孔(86)の一群で構成されている、請求項1乃至3のいずれかひとつに記載のドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線などの放射熱線を利用して毛髪などの乾燥を行うドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライヤーの分野において、乾燥風の加熱用の熱源としてハロゲンランプなどの熱線性光源を使用することは公知である。また、熱線性光源を熱源とするドライヤーにおいて、当該光源の周りに、集光用のリフレクタを設けることも公知である。特許文献1に記載のドライヤーは、ハンドル6を有するハウジング2の内部に、下流側から順に、空気送風機ユニット8、エアーヒーター10、ハロゲンランプ22、及びリフレクタ20が設けられている。リフレクタ20は、前方開口を有する凹面反射部と、その中央に連続して一体に設けられた円筒状のランプ取付部とで構成され、ランプ取付部に固定されたハロゲンランプ22から放出された光を凹面反射部により前方に指向させる。リフレクタ20の前方開口には、透光性を有するカバープレート24が装着されている。
【0003】
特許文献1の図3には、リフレクタ320の凹面部分に多数個の流路321が開設されるととともに、カバープレート324に多数個の流路325が開設されたドライヤーが開示されている。流路321は、後方寄りの基端部から前方寄りの先端部に至って、リフレクタ320の全面に開設されている。流路325はカバープレート324の全面に開設されている。このようにリフレクタ320とカバープレート324のそれぞれに多数個の流路321・325が開設されていると、下流側の流路321からリフレクタ320内を通って流路325を介して前方に至る空気流を形成することができるので、リフレクタ320内の空気を排出することができる。
【0004】
リフレクタに流路を形成することは特許文献2のドライヤーにも開示されている。特許文献2に記載のドライヤーの反射体13(リフレクタ)は、凹面状の第1反射部131と、円筒状の第2反射部132とで構成されており、第2反射部132には、反射体13の内部と外部との間で空気を流入、或いは流出させるための多数個の貫通孔133が設けられている。第1反射部131には開口部sが設けられており、この開口部sに熱線性光源11が組み付けられている。反射体13の前方には、熱線性光源11から放出された光のうち熱線性の赤外線のみを透過させるフィルタ15が配置されている。ファン19の回転により、第1反射部131の開口部sから反射体13の内部に送り込まれた空気は、第2反射部132の貫通穴133から反射体13の外部に流出され、反射体13の外周と筐体17との間の通気空間を流れる空気とともに、ノズル173から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第2950001号明細書
【特許文献2】国際公開第2016/072031号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者等は、より強力な赤外線を毛髪に照射できるドライヤーの開発に携わっている。すなわち、ハロゲンランプなどの熱線性光源を利用したドライヤーでは、ファンにより吹き出される空気を熱線性光源により加熱し、加熱された温風により毛髪を乾燥させる対流加熱方式と、熱線性光源から照射される赤外線などの放射熱線により毛髪を加熱して乾燥させる輻射加熱方式の2つの乾燥方法が採られているが、本発明者等は、後者の輻射加熱方式による乾燥能力の向上を図るべく、より強力な赤外線を毛髪に照射できるドライヤーの開発に携わっている。
【0007】
しかし、特許文献1、2のように、リフレクタに多数個の貫通穴が形成されている構成では、貫通穴を設けた分だけリフレクタの反射領域が小さくなり、放射熱線である赤外線の反射効率が低下するため、赤外線を毛髪に効率的に照射することができず、輻射加熱方式に由来するドライヤーの乾燥力の向上を図ることができない。上記の問題は、例えばリフレクタに設ける貫通穴の個数を減らすことで解消できるが、その場合にはリフレクタの内部空気の排気効率が低下してリフレクタの内部温度が上昇し、リフレクタの変形やフィルタの損壊といった不具合を招来するおそれがある。
【0008】
本発明は、以上のような従来の赤外線を利用したドライヤーの抱える問題を解決するためになされたものであり、リフレクタの反射効率を低減させることなく、しかもリフレクタ内から確実に排熱できるドライヤーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るドライヤーは、後方側の吸込口8から前方側の吹出口9に至る中空筒状の風導部7を有する本体ケース1と、風導部7内に設けられて、吸込口8から吹出口9に向う空気流を発生させる送風ファン3と、風導部7内の送風ファン3の前方側に配置されて、赤外線を含む放射熱線を放射する熱線性光源4と、風導部7内の熱線性光源4の前方側に配置されて、熱線性光源4が放出する放射熱線を前方に向って反射案内するリフレクタ10と、風導部7内のリフレクタ10の前方側に配置されて、リフレクタ10の前端から放射される光のうち放射熱線を透過させて可視光を減衰させる光学フィルター11と、リフレクタ10の外周と本体ケース1の内面との間に形成された乾燥風流路52と、リフレクタ10内の熱を外部へ排出するための排熱構造とを備える。排熱構造は、リフレクタ10の後端部のみに形成されて、送風ファン3により発生された空気流の一部をリフレクタ10の内部に受け入れる吸込流路70と、リフレクタ10の前端部のみに形成されて、当該リフレクタ10内の空気を乾燥風流路52に向って送り出す送出流路71とで構成されている。そして、吸込流路70の形成領域における乾燥風流路52の流路内圧力よりも、送出流路71の形成領域における乾燥風流路52の流路内圧力が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
光学フィルター11の後端とリフレクタ10の後端とで規定される前後方向のリフレクタ10の長さをd1と規定し、光学フィルター11の後端と送出流路71の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71が形成されている。
【0011】
前後方向における送出流路71の開口長さ寸法w1が5mm以下に設定されている。
【0012】
光学フィルター11の後端とリフレクタ10の前端との間に、送出流路71となる間隙Eが形成されている構成を採ることができる。
【0013】
リフレクタ10が、前方側の前リフレクタ80と、後方側の後リフレクタ81とで構成されており、前後のリフレクタ80・81の間に、送出流路71となる間隙Eが形成されている構成を採ることができる。
【0014】
送出流路71は、リフレクタ10の前方開口縁に沿うように、当該リフレクタ10を構成する周壁の全周に亘って開設された周回状のスリット開口84とすることができる。
【0015】
送出流路71は、リフレクタ10の前方開口縁に沿うように、当該リフレクタ10を構成する周壁の全周に亘って列設された多数個の貫通孔86の一群で構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
送風ファン3が回転されると、本体ケース1の風導部7内には吸込口8から吸込まれて乾燥風流路52を通って吹出口9に至るように乾燥風が流れる。このとき本発明のドライヤーにおいては、上流側に位置するリフレクタ10の吸込流路70の形成領域における乾燥風流路52の流路内圧力よりも、下流側に位置するリフレクタ10の送出流路71の形成領域における乾燥風流路52の流路内圧力が小さくなるように設定したので、送出流路71の形成領域における乾燥風の流速を、吸込流路70の形成領域における乾燥風の流速よりも増加させることができる。このように送出流路71の形成領域における乾燥風の流速を増加させると、ベンチュリー効果によりリフレクタ10の内部空気は送出流路71を介して乾燥風流路52に吸込まれるため、当該内部空気を乾燥風流路52に向って確実に送り出すことができる(図6参照)。加えて、リフレクタ10の内部空気が送出されると、リフレクタ10内の圧力と吸込流路70の形成領域における乾燥風流路52の流路内圧力との圧力差により、吸込流路70を介して乾燥風流路52からリフレクタ10の内部に本体ケース1の吸込口8から吸込まれた乾燥風が吸込まれる(図6参照)。このように本発明によれば、ベンチュリー効果を利用して、吸込流路70からリフレクタ10の内部を通って送出流路71を介して乾燥風流路52に至る空気の流れを作ることができるので、熱線性光源4によりリフレクタ10内の空気が加熱された場合でも、該空気をリフレクタ10の外部に送出するとともに、新たな空気をリフレクタ10の内部に送り込んで、リフレクタ10内の熱を効率的に排出して、リフレクタ10の内部が過熱状態に陥ることを防ぐことができる。以上より本発明によれば、熱線性光源4による加熱によりリフレクタ10が変形したり、光学フィルター11が破損したりすることを確実に防ぐことができるので、耐久性に優れたドライヤーを得ることができる。
【0017】
リフレクタ10の後端部のみに吸込流路70を形成し、リフレクタ10の前端部のみに送出流路71を形成したので、リフレクタ10の全体に亘って多数個の吸込流路や送出流路を形成する従来構成に比べてリフレクタ10の反射面積を大きくして、リフレクタ10による反射効率や集光効率の向上を図ることができる。従って本発明に係るドライヤーによれば、より強力な赤外線などの放射熱線を毛髪等に照射させることができるので、輻射加熱方式による乾燥能力に優れたドライヤーを得ることができる。
【0018】
以上より、本発明のドライヤーによれば、リフレクタ10の反射効率の向上と、リフレクタ10の確実な排熱という相反する課題を同時に解決することができる。また、送出流路71から送出された空気が乾燥風流路52を流れる乾燥風と混合することで、乾燥風の温度を高めることができるので、輻射加熱方式だけでなく、対流加熱方式による乾燥能力の向上を図ることができ、髪の加熱や乾燥などをより短時間で効果的に行うことができる。
【0019】
光学フィルター11の後端とリフレクタ10の後端とで規定される前後方向のリフレクタ10の長さをd1と規定し、光学フィルター11の後端縁と送出流路71の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71を形成することが望ましい。すなわち、本発明における送出流路71が形成される「リフレクタ10の前端部」とは、光学フィルター11の後端を始点として、送出流路71の後端側の開口縁が、リフレクタ10の前後方向の長さの5分の1以内に存在する位置とする。これは、送出流路71がリフレクタ10の前後方向の5分の1よりも後方側に配置されていると、リフレクタ10の前端側に空気が滞留して、空気流による排熱が行われないデッドスペースが生じるおそれがあること、および送出流路71が後方側に配置されていると、熱線性光源4と送出流路71との距離が近くなり、熱線性光源4から放出される放射熱線が直接的に送出流路71を介してリフレクタ10から漏出して、リフレクタ10による反射効率や集光率が低下することに拠る(図7B参照)。これに対して、送出流路71がリフレクタ10の前後方向の5分の1よりも前方側に配置されていると、リフレクタ10内に空気が滞留するおそれは少なく、リフレクタ10内の熱を効率的に排出することができる。熱線性光源4と送出流路71との距離を大きく採ることができるので、熱線性光源4から放出される放射熱線が直接的に送出流路71を介してリフレクタ10から漏出することを少なくして、リフレクタ10による反射効率や集光率の向上を図ることができる(図7A参照)。なお、本発明者等の知見によれば、排熱効率の向上やリフレクタ10の反射効率の向上を図るうえでは、d2≦d1/10の関係式を満たす位置に送出流路を形成すること、すなわち、光学フィルター11の後端を始点として、送出流路71の後端側の開口縁が、リフレクタ10の前後方向の長さの10分の1以内に存在することがより望ましい。
【0020】
前後方向における送出流路71の開口長さ寸法w1は5mm以下に設定することが望ましい。これは、送出流路71の開口長さ寸法w1が5mmを超えると、開口が大きくなりすぎるため、ベンチュリー効果が良好に発揮されず、送出流路71を介してリフレクタ10の内部から乾燥風流路52に送出される空気量が減少すること、およびリフレクタ10による反射効率や集光率の低下を招くことに拠る。
【0021】
送出流路71の具体的形態としては、光学フィルター11の後端とリフレクタ10の前端との間に、送出流路71となる間隙Eが形成されているもの(図2参照)、リフレクタ10が、前方側の前リフレクタ80と、後方側の後リフレクタ81とで構成されており、前後のリフレクタ80・81の間に、送出流路71となる間隙Eが形成されているもの(図8参照)、送出流路71が、リフレクタ10の前方開口縁に沿うように、当該リフレクタ10を構成する周壁の全周に亘って開設された周回状のスリット開口84として形成されているもの(図10参照)、送出流路71が、リフレクタ10の前方開口縁に沿うように、当該リフレクタ10を構成する周壁の全周に亘って列設された多数個の貫通孔86の一群で構成されているもの(図12参照)などを挙げることができる。これらのように、送出流路71はリフレクタ10の前端部の一箇所のみに、リフレクタ10の開口縁に沿って全周状に形成することが望ましい。これらのうち、光学フィルター11の後端とリフレクタ10の前端との間に送出流路71となる間隙Eを形成した場合には、リフレクタ10を二分割したり、リフレクタ10に貫通孔を設けたりする必要がないため、送出流路71を備えるドライヤーのコスト上昇を抑えることができる。また、送出流路71を周回状のスリット開口84として形成した場合、或いは多数個の貫通孔86の一群で構成した場合には、光学フィルター11の後端とリフレクタ10の前端との間に間隙Eを形成する場合に比べて、光学フィルター11の前端からリフレクタ10の後端までで規定されるリフレクタ10の前後の長さ寸法を、間隙Eを廃した分だけ小さくすることができるので、ドライヤーのコンパクト化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例1に係るドライヤー(ヘアードライヤー)の縦断側面図である。
図2図1のA−A線断面図(横断平面図)である。
図3】実施例1に係るヘアードライヤーの送出流路を示す拡大断面図である。
図4図2のB−B線断面図(縦断正面図)である。
図5】実施例1に係るヘアードライヤーのリフレクタに対するハロゲンランプの組み付け構造を説明するための斜視図である。
図6】本発明のドライヤーにおけるベンチュリー効果による空気の流れを説明するための図である。
図7A】送出流路の位置とリフレクタからの放射熱線の漏出量との関係を説明するための概念図であり、送出流路がリフレクタの前方に位置する場合を示している。
図7B】送出流路の位置とリフレクタからの放射熱線の漏出量との関係を説明するための概念図であり、送出流路がリフレクタの後方寄りに位置する場合を示している。
図8】本発明の実施例2に係るヘアードライヤーの要部の横断平面図である。
図9】実施例2に係るヘアードライヤーを構成するリフレクタの斜視図である。
図10】本発明の実施例3に係るヘアードライヤーの要部の横断平面図である。
図11】実施例3に係るヘアードライヤーを構成するリフレクタの斜視図である。
図12】本発明の実施例4に係るヘアードライヤーの要部の横断平面図である。
図13】実施例4に係るヘアードライヤーを構成するリフレクタの斜視図である。
図14】本発明の実施例5に係るヘアードライヤーの要部の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施例1)
図1から図7に、本発明のドライヤーをヘアードライヤーに適用した実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図1図2、および図5に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図1においてヘアードライヤーは、グリップを兼ねる前後に長い本体ケース1の内部に、ファンモータ2で回転駆動される軸流型の送風ファン3と、赤外光と可視光とを放射する熱線性光源としてのハロゲンランプ(熱線性光源)4などを収容して構成される。本体ケース1は、樋状に形成される上下一対の半割体5・6を接合して形成されており、その内部に円筒状の風導部7が形成されている。風導部7の後端に空気の吸込口8が形成され、前端に空気の吹出口9が形成されている。
【0024】
送風ファン3は本体ケース1内の風導部7内の後半部に配置されており、吸込口8から吸い込んだ空気を加圧して吹出口9へ向かって送給する。ハロゲンランプ4は本体ケース1の風導部7内の前半部に配置されており、その周囲にハロゲンランプ4から放射された光を吹出口9の側へ向かって反射案内するリフレクタ10が固定されている。リフレクタ10と吹出口9の間の光放射経路には光学フィルター11が配置されている。吹出口9は、乾燥風の吹出口と、ハロゲンランプ4から放射される赤外線(熱線)をユーザーの毛髪へ向けて照射する照射口を兼ねている。
【0025】
本体ケース1の周面の大部分は、人体の接触を検知するタッチセンサ12で覆われており、タッチセンサ12の上部に形成した操作部に臨んで、電源スイッチ14の操作ノブ15が配置されている。操作ノブ15を本体ケース1の表面に沿って前後にスライド操作すると、電源スイッチ14をオン状態とオフ状態に切換えることができる。電源スイッチ14は、本体ケース1の上部に形成された収容凹部17に収容されており、本体ケース1の下部に形成した収容凹部18には、ファンモータ2やハロゲンランプ4の駆動状態を制御する制御基板19が収容されている。
【0026】
本体ケース1の吸込口8には吸込グリル22が装着されており、吸込グリル22の中央には、給電プラグ24を着脱可能に接続するためのソケット25が設けられている。本体ケース1の吹出口9には、アルミニウムなどの金属材からなる吹出グリル23が装着されている。吹出グリル23は、円筒状の外筒体26と、外筒体26よりも小径の内筒体27と、両筒体26・27を放射状に繋ぐ複数個の整流翼28などを一体に備えている。
【0027】
ファンモータ2と送風ファン3はファンケース29で支持されている。ファンケース29は、送風ファン3の周囲を囲む円筒状の外筒体30と、ファンモータ2の後端部が装着されるホルダ部31と、ホルダ部31の周囲を囲む円筒状の内筒体32と、外筒体30と内筒体32を放射状に繋ぐ複数個の整流翼33などを一体に備えている。外筒体30の前端にはフランジ34が外向きに張り出し形成されており、フランジ34を半割体5・6の内面に形成した係合溝35で係合保持することにより、ファンケース29が本体ケース1に固定されている。
【0028】
図2及び図5に示すように、ハロゲンランプ4は、前方側のバルブ38と、後方側のソケット39とを前後に接続して構成される。バルブ38は、中空容器状に形成された石英ガラス製のグローブ40と、グローブ40の後方に形成された給電用のプラグ41とで構成され、グローブ40の内部に、発光体となるフィラメントのほか、不活性ガス、ハロゲンガスなどが封入される。グローブ40は、球殻状のグローブ本体42と、グローブ本体42の前端に形成された排気管残部43と、グローブ本体42の後方に形成されたホルダ部44とを一体に有しており、その後部にプラグ41が装着されている。ホルダ部44は前方に向って拡開する半球殻状に形成されており、その外形寸法はグローブ本体42の外形寸法よりも小さく設定されている。プラグ41は、左右の厚み寸法の小さな扁平角柱状に形成されている。ソケット39は、プラグ41を受け入れる縦長の開口からなるソケット穴45を有するコネクタ46と、コネクタ46の後方に設けられたハウジング47とで構成される。コネクタ46の前端面は、バルブ38のホルダ部44の外形形状と略一致する凹湾曲状に形成されており、バルブ38のプラグ41をソケット穴45に挿入したとき、ホルダ部44の凸弧面がコネクタ46の前端面で受け止められる。
【0029】
バルブ38の周囲には集光用のリフレクタ10が配置されている。リフレクタ10は、アルミニウムなどの金属を素材として、吹出口9に向かって開口する丸底円筒状に形成されており、その内面に赤外光と可視光とを反射する反射面が形成されている。図2において、符号50はリフレクタ10の後端に形成されて、前方に向って拡開する半球殻状の円錐部を、符号51は円錐部の前端縁に連続して前方に向って伸びる、径寸法が均一なストレート状の直筒部を示す。リフレクタ10の外径寸法は、本体ケース1の内径寸法よりも小さく設定されており、リフレクタ10の外周と本体ケース1の内面との間には、吹出口9に至る乾燥風流路52が形成されている。送風ファン3により吸込口8から風導部7内に吸込まれた空気の大部分は、リフレクタ10の円錐部50に沿って乾燥風流路52に流れたのち、吹出口9から送出される。
【0030】
リフレクタ10の後部中央、即ち円錐部50の突端には、バルブ38をリフレクタ10の内部に臨ませるための挿通孔53が形成されている。図4及び図5に示すように、挿通孔53は、円錐部50の突端の中央に形成された丸孔状の第1挿通孔54と、第1挿通孔54を貫通するように上下方向に長く形成された長孔状の第2挿通孔55とからなる正面視で鍵穴状に形成されている。ソケット39のコネクタ46を挿通孔53の周囲に臨ませたのち、バルブ38のホルダ部44とプラグ41とを挿通孔53に挿通させて、プラグ41をコネクタ46のソケット穴45に差し込む。これにより、前方側のバルブ38と後方側のソケット39とをリフレクタ10の挿通孔53を介して連結することができる。このとき、ホルダ部44の外周面と第1挿通孔54の内周面との間、およびソケット39のコネクタ46と第2挿通孔55の内周面との間には、僅かな隙間が形成される。この隙間は、後述する排熱構造の吸込流路70となる。
【0031】
風導部7の内部には、送風ファン3が生成する風を整流するとともに、リフレクタ10、ハロゲンランプ4などを支持する支持枠57が配置されている。支持枠57は、水平姿勢と縦姿勢に配設された一対のマイカ板58・58を十字状に組んで構成される。マイカ板58・58の後端部はファンケース29の前端部に形成されたスリット59に係合されており、これにより本体ケース1に対する支持枠57の回転が規制されている。図1乃至図4に示すように、リフレクタ10の前縁(開口周縁)の外周面の上下左右の4箇所には係合凹部60を有する一対のリブ61・61が外向きに張り出し形成されており、これら係合凹部60にマイカ板58・58を係合させることにより、リフレクタ10は四方(上下左右)から支持されている。図5に示すように、ハロゲンランプ4のソケット39の上下面には係合溝62が形成されており、これら係合溝62にマイカ板58を係合させることにより、ソケット39は上下方向から支持されている。本体ケース1の前端部の内面には、浅い装着溝63が周回状に凹み形成されており、この装着溝63に吹出グリル23の外筒体26が嵌まり込むことにより、吹出グリル23の本体ケース1に対する前後方向(軸方向)と径方向のズレ動きが規制されている。
【0032】
光学フィルター11は、赤外線を透過させて可視光を遮蔽することを目的としてリフレクタ10と吹出口9の間の光放射経路に配置されている。このように光学フィルター11を光放射経路に配置することにより、ヘアードライヤーの使用時に、可視光がドライヤーの吹出口9から照射されるのを防止して、髪乾燥時等にユーザーの目に眩しい光が入るのを解消できる。これにより、ユーザーは眩しさを感じることなく、整髪作業を円滑に行うことができる。光学フィルター11は、熱膨張係数が小さな黒色結晶化ガラスなどの低膨張性ガラスを素材とする円板状のガラス体であり、内筒体27に内嵌状に装着されている。
【0033】
熱線性光源であるハロゲンランプ4を備えるヘアードライヤーにおいては、ハロゲンランプ4から放出される赤外線によりリフレクタ10が加熱される。また、ハロゲンランプ4からの発熱がリフレクタ10内部に蓄積され、リフレクタ10内部の温度が上昇する。このため、リフレクタ10の内部の熱を排出するための排熱構造が必要となる。本実施例に係るヘアードライヤーの排熱構造は、リフレクタ10の後端部のみに形成されて、送風ファン3により発生された空気流の一部をリフレクタ10の内部に受け入れる吸込流路70と、リフレクタ10の前端部のみに形成されて、リフレクタ10内の空気を乾燥風流路52に向って送り出す送出流路71とで構成される。
【0034】
より詳しくは、図2に示すように、ハロゲンランプ4を構成するバルブ38とリフレクタ10の後端に形成された挿通孔53との間には僅かな隙間が形成されており、この隙間が送風ファン3により発生された空気流の一部をリフレクタ10の内部に受け入れる吸込流路70とされている。一方、光学フィルター11の後端とリフレクタ10の前端とは接触しておらず、両者は僅かな間隙E(本実施形態では2mm(w1=2mm))を挟んで近接配置されており、この間隙Eがリフレクタ10内の空気を乾燥風流路52に向って送り出す送出流路71とされている。本体ケース1の内径寸法と直筒部51の外径寸法との差分により得られるリフレクタ10の前端部における乾燥風流路52(以下「下流側流路72」と記す。)の流路断面積は、リフレクタ10の後端部における乾燥風流路52(以下「上流側流路73」と記す)の流路断面積よりも小さく設定されており、換言すれば、送出流路71の形成領域における下流側流路72の流路断面積は、吸込流路70の形成領域における上流側流路73の流路断面積よりも小さく設定されている。このため、上流側流路73の流路内圧力よりも下流側流路72の流路内圧力を小さくして、下流側流路72に流れる乾燥風の流速を、上流側流路73を流れる乾燥風の流速よりも増加させることができるようになっている。
【0035】
図6の概念図に示すように、上記のように下流側流路72における乾燥風の流速を増加させると、ベンチュリー効果によりリフレクタ10の内部空気を、送出流路71を介して乾燥風流路52に吸込ませることができる。従って、リフレクタ10の内部空気を乾燥風流路52(下流側流路72)に向って確実に送り出して、リフレクタ10内の熱を排出することができる。加えて、このように送出流路71を介してリフレクタ10の内部空気が送出されると、リフレクタ10内の圧力と上流側流路73の流路内圧力との圧力差により、吸込流路70を介して乾燥風流路(上流側流路73)からリフレクタ10の内部に乾燥風を吸込ませることができる。
【0036】
このように、本実施例に係るヘアードライヤーによれば、ベンチュリー効果を利用して、吸込流路70からリフレクタ10の内部を通って送出流路71を介して乾燥風流路52に至る空気の流れを形成することができるので(図6参照)、ハロゲンランプ4からの放熱によりリフレクタ10内の空気が加熱された場合でも、当該空気を送出流路71を介してリフレクタ10の外部に送出するとともに、吸込流路70を介して新たな空気をリフレクタ10内に送り込んで排熱することができる。以上より、本実施例に係るヘアードライヤーによれば、リフレクタ10内を効率的に排熱して、リフレクタ10の内部が過熱状態に陥ることを確実に防ぐことができる。
【0037】
上記のように実施例1に係るヘアードライヤーにおいては、光学フィルター11の後端とリフレクタ10の前端との間に間隙Eを形成して、この間隙Eを送出流路71としており、リフレクタ10の最前端に内部空気を送出するための送出流路71を形成している。従って、実施例1に係るヘアードライヤーによれば、リフレクタ10内に空気が滞留するデッドスペースが形成されることはなく、リフレクタ10内の空気を満遍なく排出することができるので、リフレクタ10内の熱を確実、且つ効率的に送出流路71を介して乾燥風流路52に排出することができる。また、このようにリフレクタ10内の熱を効率的に乾燥風流路52に排出することができると、乾燥風流路52を流れる乾燥風の温度を高めて、吹出口9から前部に向って吹出される乾燥風を効率的に加熱することができるので、赤外線に由来する輻射加熱方式の乾燥能力だけでなく、加熱乾燥風に由来する対流加熱方式による乾燥能力の向上を図ることができ、髪の加熱や乾燥などをより短時間で効果的に行うことができる。尤も、輻射加熱方式に由来する乾燥能力の大幅な向上を図ったヘアードライヤーでは、対流加熱方式に由来する乾燥能力は付属的なものであってもよく、その場合には、髪や肌に乾燥風が当たったときに、冷たさや不快感を与えない程度に乾燥風が暖められていればよい。
【0038】
加えて、図7Aに示すようにリフレクタ10の最先端に送出流路71を形成すると、図7Bに示すようにリフレクタ10の後部寄りに送出流路71を形成する場合に比べて、ハロゲンランプ4(より詳しくはハロゲンランプ4のグローブ40の中心点)と送出流路71とで規定される方向を、前後の水平方向に近付けることができるので、ハロゲンランプ4から放出される赤外線が送出流路71を介してリフレクタ10の外部に漏出され難くすることができる。従って、送出流路71を形成したことに伴って、リフレクタ10の反射効率や集光率が低下することを確実に防ぐことができる。
【0039】
上記のような知見から、光学フィルター11の後端縁とリフレクタ10の後端縁とで規定される前後方向のリフレクタ10の長さをd1と規定し、光学フィルター11の後端縁と送出流路71の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71を形成することが望ましい(図2参照)。すなわち、排熱効率の向上や反射効率の向上といった観点からは、本実施形態のようにリフレクタ10の最前端に送出流路71を形成することが最適であるが、後述の実施例2〜4に示すようにリフレクタ10の前端部に送出流路71を形成する場合には、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71を形成することが望ましい。これは、送出流路71がリフレクタ10の前後方向の5分の1よりも後方側に配置されていると、リフレクタ10の前端側に空気が滞留して、空気流による排熱が行われないデッドスペースが生じるおそれがあること、および送出流路71が後方側に配置されていると、ハロゲンランプ4(より詳しくはハロゲンランプ4のグローブ40の中心点)と送出流路71とで規定される方向が前後方向に対して直交する方向に近づくため(図7B参照)、ハロゲンランプ4から放出される赤外線が直接的に送出流路71を介してリフレクタ10から漏出して、リフレクタ10による反射効率や集光率が低下することに拠る。
【0040】
加えて、前後方向における送出流路71の開口長さ寸法(w1)は5mm以下に設定することが望ましい。これは、送出流路71の長さ幅寸法(w1)が5mmを超えると、開口が大きくなりすぎるため、ベンチュリー効果が良好に発揮されず、送出流路71を介して乾燥風流路52に送出される空気量が減少すること、およびリフレクタ10の反射効率や集光率が低下することに拠る。
【0041】
(実施例2)
図8及び図9に、送出流路71の構造を変更した、本発明に係るドライヤー(ヘアードライヤー)の実施例2を示す。実施例2においては、リフレクタ10を、前後の長さ寸法が小さな短筒状の前リフレクタ80と、直筒部51と円錐部50とを有する後リフレクタ81とに二分割して、両リフレクタ80・81の間に間隙Eを形成して、これを送出流路71としている点が先の実施例1と相違する。前リフレクタ80は、一対のリブ61・61によりマイカ板58・58で支持されている。前リフレクタ80、間隙E、及び後リフレクタ81を含むリフレクタ10の全長をd1と規定し、光学フィルター11の後端縁と送出流路71の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71は形成されている。間隙Eの前後方向における長さ寸法は5mm以下に設定されている(w1≦5mm)。それ以外の点は先の実施例1と同様であるので、同じ部材には同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様である。
【0042】
このように、リフレクタ10を前リフレクタ80と後リフレクタ81とで構成し、両リフレクタ80・81を間隙Eを挟んで対向配置して、この間隙Eを送出流路71としていると、実施例1のように光学フィルター11の後端縁とリフレクタ10の前端縁との間に間隙Eを形成する場合に比べて、リフレクタ10の後端縁から光学フィルター11の前端縁までの前後の長さ寸法を、間隙Eの分だけ小さくすることができ、ヘアードライヤーのコンパクト化に貢献できる。以下の実施例3、4においても同様である。
【0043】
(実施例3)
図10及び図11に、送出流路71の構造を変更した、本発明に係るドライヤー(ヘアードライヤー)の実施例3を示す。実施例3においては、送出流路71をリフレクタ10の前方開口縁に沿うように、リフレクタ10を構成する周壁の全周に亘って開設された周回状のスリット開口84として形成している点が、先の第1実施例と相違する。リフレクタ10の長さをd1と規定し、光学フィルター11の後端縁と送出流路71(スリット開口84)の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71は形成されている。スリット開口84の前後方向における長さ寸法(w1)は5mm以下に設定されている。スリット開口84は四つに等分割されており、隣り合うスリット開口84どうしの間には、連結リブ85が形成されている。
【0044】
(実施例4)
図12及び図13に、送出流路71の構造を変更した、本発明に係るドライヤー(ヘアードライヤー)の実施例4を示す。実施例4においては、送出流路71を、リフレクタ10の前方開口縁に沿うように、リフレクタ10を構成する周壁の全周に亘って列設された多数個の貫通孔86の一群で構成している点が、先の第1実施例と相違する。リフレクタ10の長さをd1と規定し、光学フィルター11の後端縁と送出流路71(貫通孔86)の後端側の開口縁とで規定される距離をd2と規定したとき、d2≦d1/5の関係式を満たす位置に送出流路71は形成されている。貫通孔86の前後方向における長さ寸法(w1)は5mm以下に設定されている。
【0045】
(実施例5)
図14に、リフレクタ10の構造を変更した、本発明に係るドライヤー(ヘアードライヤー)の実施例5を示す。この実施例5においては、リフレクタ10の全体を半球殻状としている点が先の実施例1と相違する。より詳しくは、リフレクタ10の反射部を前方向に行くに従って漸次径寸法が大きくなる、前拡がりテーパー状に形成している。リフレクタ10の前端と光学フィルター11の後端との間には、送出流路71となる間隙Eが形成されている。
【0046】
上記の各実施例では、熱線性光源はハロゲンランプ4以外に、白熱ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどで構成することができる。タッチセンサ12は省略することができ、その場合には電源スイッチ14を切換えて、送風ファン3のみを駆動する冷風モードと、送風ファン3と熱線性光源4を同時に駆動する低温弱風モードと、弱風モードより高温で風量が大きな高温強風モードに切換えることができる。本体ケース1は円筒状以外に、楕円筒状や多角形筒状などに形成することができ、必要に応じて本体ケース1の下面側に、折畳み可能なグリップが設けてあってもよい。本発明は、人用に限らず犬や猫など動物用のドライヤーにも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 本体ケース
3 送風ファン
4 熱線性光源(ハロゲンランプ)
7 風導部
10 リフレクタ
11 光学フィルター
52 乾燥風流路
70 吸込流路
71 送出流路
80 前リフレクタ
81 後リフレクタ
84 スリット開口
86 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】