特表-19167176IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年9月6日
【発行日】2021年1月14日
(54)【発明の名称】電子部品装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20201211BHJP
   G21F 7/00 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   H01L23/02 A
   G21F7/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
【出願番号】特願2020-503169(P2020-503169)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月28日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】加茂 宣卓
(57)【要約】
電子部品装置は、放射線を受けると電荷を発生させて放射線のエネルギーを失わせる部材で形成された筐体と、筐体に収納された電子部品と、を備える。上記部材は、PN接合を持つ半導体素子部材である。電子部品は、電源に接続する電源端子と、グランドに接続するグランド端子とを備えている。筐体の第一部位が電源と電源端子とを結ぶ電気経路に接続され、筐体の第二部位がグランドとグランド端子とを結ぶ電気経路に接続されてもよい。筐体に予め定めた判定値以上の大きさの電流が流れたときに電源から電子部品に供給される電源電圧を低下させる電源制御回路が、さらに備えられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PN接合を持つ半導体素子部材で形成された筐体と、
前記筐体に収納された電子部品と、
を備える電子部品装置。
【請求項2】
前記電子部品は、電源に接続する電源端子と、グランドに接続するグランド端子とを備え、
前記筐体の第一部位が、前記電源と前記電源端子とを結ぶ第一電気経路に接続され、
前記筐体の第二部位が、前記グランドと前記グランド端子とを結ぶ第二電気経路に接続され、
前記筐体が放射線を受けると前記電源、前記第一部位、前記筐体の表面および前記第二部位を介して電流を前記グランドへと流す短絡経路が生ずるように構築された請求項1に記載の電子部品装置。
【請求項3】
前記電子部品の電源と接続され、前記筐体に予め定めた判定値以上の大きさの電流が流れたときに前記電源から前記電子部品に供給される電源電圧を低下させるように構築された電源制御回路を、
さらに備える請求項1に記載の電子部品装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、電子部品装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば日本特開昭63−305100号に記載されているように、リジッド太陽電池アレイが衛星搭載機器を放射線等から保護することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開昭63−305100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術が対象とする宇宙空間、あるいは原子炉内の空間は、過酷な放射線環境である。これらの過酷な放射線環境下で使用される電子部品装置の開発が従来進められている。放射線環境下で使用される電子部品装置においては、放射線照射による部品破壊を防止するための対策として、放射線耐性を向上させる回路等が電子部品それぞれに組み込まれることがある。しかしながらこのような対策では、電子部品一つ一つに放射線対策用の特別の構造を付加しなければならないという煩雑さがあった。
【0005】
この出願は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電子部品装置全体の放射線耐性をなるべく簡単に向上させるように改善された電子部品装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この出願にかかる電子部品装置は、PN接合を持つ半導体素子部材で形成された筐体と、前記筐体に収納された電子部品と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
PN接合を持つ半導体素子部材は放射線のエネルギーを失わせることができるので、PN接合を持つ半導体素子部材によって筐体が形成することで、筐体の内部に設けられた電子部品を筐体によって一括保護することができる。筐体の構造を工夫したことで、電子部品それぞれの構造的対策の有無に関わらず電子部品装置全体の放射線耐性を簡単に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態にかかる電子部品装置の内部構造を示す模式図である。
図2】実施の形態の変形例にかかる電子部品装置の内部構造を示す模式図である。
図3】実施の形態の変形例にかかる電子部品装置の内部構造を示す模式図である。
図4】実施の形態の変形例にかかる電子部品装置の内部構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施の形態にかかる電子部品装置10の内部構造を示す模式図である。電子部品装置10は、外側筐体2と、外側筐体2に収納された内側筐体4と、内側筐体4に収納された回路基板5と、回路基板5に実装された複数の電子部品6と、外側筐体2の内側且つ内側筐体4の外側に設けられた第二電源3と、を備えている。外側筐体2の外側には、第一電源1が設けられている。
【0010】
外側筐体2は、内側筐体4の上下左右前後を含む全方位を覆っている。外側筐体2の形状は、一例では立方体としてもよく、任意の多面体または球体であってもよい。外側筐体2における予め定めた第一部位2aが、第一電源1に接続されている。外側筐体2の予め定めた第二部位2bが、グランドGNDに接続されている。内側筐体4の内部において、第二電源3と電子部品6の電源端子6aとが接続されている。第二電源3と電源端子6aとの接続方法には、実際には、回路基板5上における電源配線あるいはワイヤ等の各種の電源線を介した接続方法を用いることができる。回路基板5の回路グランド5aが、外側筐体2の第二部位2bを介してグランドGNDに接続されている。電子部品6のグランド端子6bは、回路基板5のグランド配線を介して、グランドGNDに接続されている。内側筐体4の材料は、鉄およびアルミ等の金属であってもよい。
【0011】
電子部品6は、宇宙環境または過酷な放射線環境において使用される種々の用途の機能部品を含んでいる。電子部品6の内部には半導体基板が含まれており、この半導体基板には例えばFETなどの半導体能動素子、キャパシタなどの受動素子、および配線などが設けられている。
【0012】
放射線40が電子部品6に直接入射すると、電子部品6に含まれる各種構造を通過し半導体基板まで達する場合がある。各種構造とは、一例として、半導体基板上に形成されたパッシベーション膜、ソースフィールドプレート、チャネル層、およびバッファ層などである。放射線40は、具体的には粒子放射線である。粒子放射線は、重粒子、プロトン、電子、中性子、ミュオンなどであり、これらは1keVから100GeV程度のエネルギーを持っている。放射線40が通過した軌跡周辺では多量の電子・正孔対が発生する。なんらの放射線対策が行われないと、電子部品6内に発生した電子・正孔対がデバイス内で拡散、ドリフト、再結合し消滅していく過程で半導体に大きなダメージを与え破壊又は劣化させてしまう。
【0013】
この点、外側筐体2は、「放射線40を受けると電荷を発生させて放射線40のエネルギーを失わせる部材」で形成されている。外側筐体2は、内側筐体4の上下左右前後を含む全方向からの放射線40を遮ることができる。外側筐体2によって、電子部品6を放射線40から保護することができる。なお、放射線40が注がれたときに電荷発生に応じて第一電源1とグランドGNDとの間の短絡が起きると、図1に模式的に示すような電流Iが流れる。
【0014】
外側筐体2を構成する部材は、PN接合を持つ半導体素子部材である。この場合には、電子部品装置10の外側表面全体を、PN接合を持つ半導体素子部材によって覆うことができる。PN接合を持つ半導体素子部材に放射線40が照射された場合、放射線40は電荷を発生させながらエネルギーを失う。PN接合を持つ半導体素子部材は、太陽電池パネルまたはダイオードであってもよい。半導体材料は、Siであってもよく、GaAsなどの化合物半導体であってもよい。Siは化合物半導体などと比べて安価であるという利点がある。宇宙空間で使用される機器には、発電用の太陽電池パネルが備えられていることが一般的であるから、電子部品装置10を宇宙空間で使用することが想定される場合には外側筐体2の太陽電池パネルを発電用としても用いてもよい。太陽電池パネルは大面積の製作が比較的容易であるという利点もあるので、外側筐体2をある程度の大きさの筐体にすることも容易である。
【0015】
放射線40は、上記の部材で構築された外側筐体2を通過する過程で、電荷を発生させながらエネルギーを失う。従って、高エネルギーを持つ粒子放射線が電子部品6に深刻なダメージを与えることを抑制することができるので、外側筐体2の内側に設けられた電子部品6を保護することができる。
【0016】
外側筐体2を設けることで、電子部品6それぞれの構造的対策の有無に関わらず、電子部品装置10全体の放射線40耐性を向上させることができるという利点もある。この利点について説明すると、例えば、電子部品6が化合物半導体デバイスである場合、FETに特別な回路を付加して耐性を向上させるという対策法もある。しかし特別な回路を付加する対策は電子部品6の電気的特性を低下させる場合もあり、信頼性と電気的特性のトレードオフが必要となるという弊害があった。この点、上述した実施の形態によれば、個々の電子部品6に対して放射線40へ対策を必要としないので、放射線照射対策が施されない一般部品を電子部品6として使用することができる。従って、実施の形態にかかる対策法では内部の電子部品6に制約はなく、様々な電子部品6を搭載することができる。
【0017】
なお、変形例として、内側筐体4が上述した外側筐体2のようにPN接合半導体部材で形成されてもよく、この場合には外側筐体2が鉄およびアルミ等の金属材料で形成されてもよい。この場合においても、内側筐体4に収納された電子部品6に対して確実に放射線40からの保護を行うことができる。外側筐体2と内側筐体4のいずれか一方あるいは両方を、PN接合を持つ半導体素子部材で構築すればよい。
【0018】
図2は、実施の形態の変形例にかかる電子部品装置110の内部構造を示す模式図である。図2の変形例では図1の第二電源3が省略されており、第一電源1が配線13を介して電子部品6の電源端子6aに接続されている。
【0019】
電子部品6の電源端子6aは、第一電源1に接続されている。外側筐体2の第一部位2aが、配線13に接続されている。これにより、第一部位2aが、第一電源1と電源端子6aとを結ぶ第一電気経路に接続されている。外側筐体2の第二部位2bが、回路基板5の回路グランド5aに接続されている。これにより、第二部位2bが、グランドGNDとグランド端子6bとを結ぶ第二電気経路に接続されている。
【0020】
放射線40の一部が、外側筐体2によるエネルギー減衰を免れて、外側筐体2の内部に侵入する場合がある。外側筐体2と内側筐体4とを電気的に並列に接続することで、放射線40が照射された際に第一電源1とグランドGNDとを短絡させる短絡経路を作り出すことができる。この短絡経路は、第一電源1、第一部位2a、外側筐体2の表面および第二部位2bを介して、電流IをグランドGNDへと流すものである。放射線40が注がれたときに第一電源1とグランドGNDとの間の短絡が起きると図2に示すように電流Iが流れるので、電子部品6に印加される電圧を低下もしくはゼロとすることができる。電子部品6への電源供給を十分に抑制することで、放射線40が照射されても電子部品6が破壊されにくい状況を作り出すことができる。
【0021】
全ての放射線40に応答して短絡が起きるようにすると、電子部品装置110の動作が高頻度に妨げられてしまうおそれがある。そこで、電子部品6の保護の観点から許容できる程度の放射線量では第一電源1とグランドGNDとの短絡が起きにくくなるように、短絡が起きる放射線量の閾値が設けられることが好ましい。この放射線量の閾値を超えるような放射線40が外側筐体2に注がれると第一電源1から電子部品6への供給電源が予め定めた電源抑制レベル以下まで低減されるように、外側筐体2が構築されることが好ましい。
【0022】
図3は、実施の形態の変形例にかかる電子部品装置210の内部構造を示す模式図である。電流計20および電源制御回路22が、外側筐体2に収納されている。電源制御回路22は、第二電源3と接続されている。電源電圧検出および制御には、一般的に用いられている集積回路を組み込むことが考えられる。例えば公知の低消費ボルテージディテクタを用いれば、外側筐体2の電圧降下量つまり検出したい電圧に応じた集積回路を選択することが可能である。この集積回路は電源電圧の低下を検出し、接続した他の集積回路へ電圧が降下したことを知らせる信号を送信できる。このような構成部品を用いることで、外側筐体2の電源電圧をモニタし、電圧が低下した時点で電子部品装置110の電源へ信号を送信し、電圧を低下させて電子部品破壊を回避する制御回路を構築することができる。
【0023】
放射線40が注がれたときに第一電源1とグランドGNDとの間の短絡が起きると図3に示すように電流Iが流れる。電源制御回路22は、外側筐体2に予め定めた判定値以上の大きさの電流Iが流れたときに、第二電源3から電子部品6に供給される電源電圧を低下させるように構築されている。具体的には、電流計20は、外側筐体2に流れた電流Iを検知することができる。電源制御回路22は、電流計20で検知された電流Iが判定値以上であるか否かを判定する。電源制御回路22は、検知した電流Iが判定値以上である場合には、電子部品6に供給される電源電力を予め定めた所定電力レベルまで低減する。
【0024】
放射線40の一部が、外側筐体2によるエネルギー減衰を免れて外側筐体2の内部に侵入する場合がある。外側筐体2の電気抵抗を検知すれば、外側筐体2に対する放射線40の照射状況を検知することができる。電源制御回路22は、外側筐体2の抵抗変化を検知することで、許容範囲を超える放射線40の照射があった場合に第二電源3の電圧を低下させることができる。これにより、外側筐体2の内部に侵入した放射線40の一部が電子部品6へと到達してしまった場合でも、電子部品6の電源電圧を十分に低下させることで電子部品6を確実に保護することができる。第二電源3の電圧を低下させる量は予め定めておけばよく、例えば通常動作電圧から20%ほどの割合を低下させるようにしてもよい。
【0025】
図4は、実施の形態の変形例にかかる電子部品装置310の内部構造を示す模式図である。実施の形態1にかかる電子部品装置10において、内側筐体4を省略して、筐体を外側筐体2のみにしてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 第一電源
2 外側筐体
2a 第一部位
2b 第二部位
3 第二電源
4 内側筐体
5 回路基板
5a 回路グランド
6 電子部品
6a 電源端子
6b グランド端子
10、110、210、310 電子部品装置
13 配線
20 電流計
22 電源制御回路
40 放射線
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】