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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年9月12日
【発行日】2021年1月14日
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/74 20180101AFI20201211BHJP
   F24F 11/41 20180101ALI20201211BHJP
   F24F 11/42 20180101ALI20201211BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20201211BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
   F24F11/74ZAB
   F24F11/41 110
   F24F11/42
   F24F5/00 101Z
   F25B1/00 399Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2020-504544(P2020-504544)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月7日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 一毅
(72)【発明者】
【氏名】大越 靖
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】山野 善生
(72)【発明者】
【氏名】門脇 仁隆
(72)【発明者】
【氏名】秋月 隆宏
【テーマコード(参考)】
3L054
3L260
【Fターム(参考)】
3L054BF03
3L260AB04
3L260AB07
3L260BA01
3L260BA36
3L260CA12
3L260CB13
3L260CB22
3L260DA09
3L260EA06
3L260FA02
3L260FA07
3L260FB02
3L260FB09
3L260FB12
(57)【要約】
この発明に係るヒートポンプシステムは、圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、熱媒体熱交換器の熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、熱媒体搬送路と接続され、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、室内の室内温度を検出する室温センサと、室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、室内の設定温度と、室温センサが検出した室内温度と、熱媒体温度センサが検出した温度とを用いて、室温センサが検出する室内温度が設定温度から遠ざからないように冷媒回路または室内機の制御を行う制御装置とを有するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の前記冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、
前記熱媒体熱交換器の前記熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、
前記熱媒体搬送路と接続され、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、
前記室内の室内温度を検出する室温センサと、
前記室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、
前記室内の設定温度と、前記室温センサが検出した室内温度と、前記熱媒体温度センサが検出した温度とを用いて、前記室温センサが検出する室内温度が前記設定温度から遠ざからないように前記冷媒回路または前記室内機の制御を行う制御装置とを有する、ヒートポンプシステム。
【請求項2】
複数の前記冷媒回路を有する、
請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記熱媒体温度センサは、複数の前記熱媒体熱交換器のそれぞれから流出した熱媒体の温度を検出する、複数の流出温度センサを有する、
請求項2に記載のヒートポンプシステム。
【請求項4】
複数の前記冷媒回路は、前記熱媒体搬送路に互いに並列に接続されており、
前記熱媒体温度センサは、複数の前記熱媒体熱交換器の全てを通過し前記室内機に流入する前の熱媒体の温度を検出する、代表温度センサを有する、
請求項3に記載のヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、1つ以上の前記熱媒体熱交換器から流出した熱媒体の温度を用いて、該1つ以上の熱媒体熱交換器以外の前記熱媒体熱交換器から流出する熱媒体の目標温度を決定する、
請求項3または請求項4に記載のヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、1つ以上の前記熱源側熱交換器の除霜を行う除霜モード運転を実行する、
請求項2〜請求項5の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記除霜モード運転を実行するときに、前記除霜モード運転を行う前と比較して、除霜を行わない前記熱源側熱交換器と接続された前記圧縮機の回転数を高くする、
請求項6に記載のヒートポンプシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、当該ヒートポンプシステムが前記部屋の暖房を行う暖房モード運転を実行した後且つ前記除霜モード運転を実行する前に、前記暖房モード運転のときよりも熱媒体の温度を高くする蓄熱モード運転を実行する、
請求項6または請求項7に記載のヒートポンプシステム。
【請求項9】
前記熱源側熱交換器の着霜を検出する着霜検出センサを有し、
前記制御装置は、前記着霜検出センサの検出結果を利用して、前記熱源側熱交換器の着霜の量が第1の着霜量よりも多くなったと判断すると前記蓄熱モード運転を実行する、
請求項8に記載のヒートポンプシステム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記熱源側熱交換器の着霜の量が前記第1の着霜量よりも多い第2の着霜量よりも多くなったと判断すると前記除霜モード運転を実行する、
請求項9に記載のヒートポンプシステム。
【請求項11】
前記着霜検出センサは、前記熱源側熱交換器で熱交換された冷媒の温度を検出する熱交換器下流温度センサを有する、
請求項9または請求項10に記載のヒートポンプシステム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記除霜モード運転を実行するときに、前記熱媒体温度センサが検出する温度を、除霜運転時目標熱媒体温度以上に維持する、
請求項6〜請求項11の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項13】
前記除霜運転時目標熱媒体温度は、前記設定温度または前記室温センサが検出した室内温度以上の温度に設定される、
請求項12に記載のヒートポンプシステム。
【請求項14】
前記室内機は、熱媒体が流れる利用側熱交換器と前記利用側熱交換器に送風を行う室内送風機とを有し、
前記制御装置は、前記熱媒体温度センサが検出した温度が、前記設定温度および前記室温センサが検出した室内温度よりも高いとき、または前記設定温度および前記室温センサが検出した室内温度よりも低いときに、前記室内送風機の送風を止める、
請求項1〜請求項13の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項15】
前記冷媒回路は、前記熱媒体熱交換器が熱媒体を加熱する加熱運転と前記熱媒体熱交換器が熱媒体を冷却する冷却運転とで冷媒が流れる向きを変更する流路切替装置を有する、
請求項1〜請求項14の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項16】
圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の前記冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、
前記熱媒体熱交換器の前記熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、
前記熱媒体搬送路と接続され、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、
前記室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、
前記冷媒回路または前記室内機の制御を行う制御装置とを有し、
複数の前記冷媒回路を有するものであり、
前記熱媒体温度センサは、複数の前記熱媒体熱交換器のそれぞれから流出した熱媒体の温度を検出する、複数の流出温度センサを有し、
前記制御装置は、1つ以上の前記熱媒体熱交換器から流出した熱媒体の温度を用いて、該1つ以上の熱媒体熱交換器以外の前記熱媒体熱交換器から流出する熱媒体の目標温度を決定する、ヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷媒回路と熱媒体搬送路と室内機とを有するヒートポンプシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷媒回路と熱媒体搬送路と室内機とを有するヒートポンプシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のヒートポンプシステムは、2台以上のヒートポンプが同時期に除霜運転することを極力回避することで、水温の低下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2013/077167号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のヒートポンプシステムでは、除霜運転を行っているヒートポンプが水温を低下させるため、水温の低下によって、室内の快適性が悪化するおそれがある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を鑑みてなされたもので、室内の快適性を向上させることができるヒートポンプシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るヒートポンプシステムは、圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、熱媒体熱交換器の熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、熱媒体搬送路と接続され、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、室内の室内温度を検出する室温センサと、室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、室内の設定温度と、室温センサが検出した室内温度と、熱媒体温度センサが検出した温度とを用いて、室温センサが検出する室内温度が設定温度から遠ざからないように冷媒回路または室内機の制御を行う制御装置とを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明のヒートポンプシステムによれば、室温センサが検出する室内温度が設定温度から遠ざからないように冷媒回路または室内機の制御が行われるため、室内の快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係るヒートポンプシステムの一例を示す図である。
図2図1に記載のヒートポンプシステムのヒートポンプ装置の一例を示す図である。
図3図1に記載のヒートポンプシステムの室内機の一例を示す図である。
図4図1に記載のヒートポンプシステムの制御系統の一例を示す図である。
図5図1に記載のヒートポンプシステムの動作の一例を示す図である。
図6図1に記載のヒートポンプ装置の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさおよび配置等は、この発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
[ヒートポンプシステム]
図1は、この発明の実施の形態1に係るヒートポンプシステムの一例を示す図である。図2は、図1に記載のヒートポンプシステムのヒートポンプ装置の一例を示す図である。図3は、図1に記載のヒートポンプシステムの室内機の一例を示す図である。図1に記載のヒートポンプシステム100は、例えば、ヒートポンプ装置1が加熱または冷却した熱媒体を利用して、建物等の部屋の内部の室内の空調空間の空調を行うものである。
【0011】
ヒートポンプシステム100は、ヒートポンプ装置1と室内機5と熱媒体搬送装置7とが熱媒体配管3で接続されて形成された熱媒体搬送路30を有している。図2に示すように、ヒートポンプ装置1の熱媒体熱交換器13の熱媒体流路13bが熱媒体搬送路30と接続される。図1に示すように、熱媒体搬送路30は、例えば環状に形成されており熱媒体が循環する。熱媒体搬送路30は、熱媒体の少なくとも一部が循環しないものであってもよい。熱媒体搬送路30の循環しない熱媒体は、例えば給湯等に利用される。熱媒体は、例えば水である。熱媒体は、ブラインまたは二酸化炭素等であってもよい。なお、ヒートポンプシステム100は、熱媒体搬送路30に、熱媒体を貯留するタンク、または熱媒体を供給する熱媒体供給装置等が設けられたものであってもよい。
【0012】
熱媒体搬送装置7は、熱媒体を搬送するものであり、例えばポンプである。熱媒体搬送装置7は、熱媒体搬送路30の、全てのヒートポンプ装置1の下流且つ全ての室内機5の上流に設けられている。熱媒体搬送装置7は、熱媒体搬送路30の、全ての室内機5の下流且つ全てのヒートポンプ装置1の上流に設けられてもよい。熱媒体搬送装置7は、ヒートポンプ装置1に収容されていてもよい。図1のヒートポンプシステム100は、1台の熱媒体搬送装置7を有しているが、ヒートポンプシステム100は、2台以上の複数台の熱媒体搬送装置7を有するものであってもよい。複数台の熱媒体搬送装置7は、直列または並列に接続することができる。
【0013】
また、ヒートポンプシステム100は、室内機5に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサ2と、部屋の内部の室内の空気の温度である室内温度を検出する室温センサ51とを有している。
熱媒体温度センサ2は、例えば水配管等の表面に取り付けられたサーミスタ等を含んで形成されている。熱媒体温度センサ2は、水配管の内部に設けられた熱電対または測温抵抗体等を含んで形成されてもよい。熱媒体温度センサ2は、例えば、第1の流出温度センサ2aと第2の流出温度センサ2bと第3の流出温度センサ2cと第4の流出温度センサ2dと代表温度センサ20とを有している。なお、熱媒体温度センサ2は、室内機5に流入する熱媒体の温度を検出することができるように構成されていればよく、例えば第1の流出温度センサ2a〜第4の流出温度センサ2dおよび代表温度センサ20のうちの1つ以上を省略してもよい。例えば、第1の流出温度センサ2a〜第4の流出温度センサ2dの検出結果を利用して、室内機5に流入する熱媒体の温度を推定するときは、代表温度センサ20を省略することができる。
第1の流出温度センサ2aは、図2に示すように、第1のヒートポンプ装置1aの熱媒体熱交換器13で熱交換された熱媒体の温度を検出するものである。第2の流出温度センサ2bは、第2のヒートポンプ装置1bの熱媒体熱交換器13で熱交換された熱媒体の温度を検出するものである。第3の流出温度センサ2cは、第3のヒートポンプ装置1cの熱媒体熱交換器13で熱交換された熱媒体の温度を検出するものである。第4の流出温度センサ2dは、第4のヒートポンプ装置1dの熱媒体熱交換器13で熱交換された熱媒体の温度を検出するものである。第1の流出温度センサ2a〜第4の流出温度センサ2dのそれぞれは、第1のヒートポンプ装置1a〜第4のヒートポンプ装置1dの内部に収容されている。第1の流出温度センサ2a〜第4の流出温度センサ2dのそれぞれは、第1のヒートポンプ装置1a〜第4のヒートポンプ装置1dの外部の、例えば熱媒体配管3に取り付けられていてもよい。
図1に記載の代表温度センサ20は、複数のヒートポンプ装置1の熱媒体熱交換器13の全てを通過して室内機5に流入する前の熱媒体の温度を検出するものである。代表温度センサ20は、熱媒体搬送路30の複数のヒートポンプ装置1の下流且つ複数の室内機5の上流に設けられている。代表温度センサ20は、熱媒体搬送路30の、熱媒体搬送装置7の上流に設けられているが、熱媒体搬送装置7の下流に設けられてもよい。
室温センサ51は、第1の室内機5aの内部に設けられた第1の室温センサ51aと第2の室内機5bの内部に設けられた第2の室温センサ51bと第3の室内機5cの内部に設けられた第3の室温センサ51cとを有している。この実施の形態の理解を容易にするため、第1の室温センサ51aと第2の室温センサ51bと第3の室温センサ51cとを特に区別する必要がないときは、単に室温センサ51として説明を行う。室温センサ51は、室内の室内温度を検出することができるものであればよい。例えば、第1の室温センサ51a〜第3の室温センサ51cのうちの1つ以上を省略することができる。また、例えば、室温センサ51は、室内機5の内部に設けられているが、室内機5の外部の室内に設けられていてもよい。室温センサ51は、サーミスタ等を含んで形成されている。なお、室温センサ51は、室温センサ51を利用した制御を行わないときは、省略することができる。
【0014】
[ヒートポンプ装置]
ヒートポンプシステム100は、第1のヒートポンプ装置1aと第2のヒートポンプ装置1bと第3のヒートポンプ装置1cと第4のヒートポンプ装置1dとを有している。この実施の形態の理解を容易にするため、第1のヒートポンプ装置1aと第2のヒートポンプ装置1bと第3のヒートポンプ装置1cと第4のヒートポンプ装置1dとを特に区別する必要がないときは、単にヒートポンプ装置1として説明を行う。
【0015】
ヒートポンプ装置1は、例えば空調空間の外部に設けられる室外機である。ヒートポンプ装置1は、空調空間を形成する部屋の外部となる、屋外または機械室等に設けられる。なお、ヒートポンプシステム100は、4台のヒートポンプ装置1を有するものに限定されず、1台以上のヒートポンプ装置1を有するものであればよい。複数台のヒートポンプ装置1は、熱媒体搬送路30に互いに並列に接続されている。なお、複数台のヒートポンプ装置1は、熱媒体搬送路30に直列に接続されてもよい。
【0016】
図2に示すように、ヒートポンプ装置1のそれぞれは、圧縮機11と流路切替装置12と熱媒体熱交換器13の冷媒流路13aと膨張弁14と熱源側熱交換器15とアキュムレータ19とが冷媒配管16で環状に接続されて形成された冷媒回路17を有している。冷媒回路17は、冷媒が循環するものである。冷媒回路17に適用される冷媒は、特に限定されるものではないが、例えば、R410AまたはR32等の地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒、プロパン等の自然冷媒、またはこれらのうちの少なくとも1つを含んだ混合冷媒である。なお、冷媒回路17に封入される冷媒は、複数のヒートポンプ装置1のうちの2つ以上で、異なっていてもよい。この実施の形態の例では、ヒートポンプ装置1のそれぞれで冷媒回路17が独立しているため、例えば1つのヒートポンプ装置1の冷媒回路17に異常が生じたときに、異常が生じたヒートポンプ装置1を停止し、他の正常なヒートポンプ装置1を利用して、ヒートポンプシステム100を動作させることができる。
【0017】
圧縮機11は、吸入した冷媒を圧縮して、冷媒を高温および高圧の状態にして吐出するものである。圧縮機11は、例えば、インバータで制御が行われるインバータ圧縮機であり、運転周波数を任意に変化させて、容量(単位時間あたりに冷媒を送り出す量)を変化させることができる。例えば、圧縮機11は、熱媒体の温度が目標の温度に近づくと、運転周波数を低下させて、小容量で運転を行う。なお、圧縮機11は、一定の運転周波数で動作する一定速圧縮機であってもよい。
【0018】
流路切替装置12は、例えば、四方弁等で形成されており、熱媒体熱交換器13が熱媒体を加熱する加熱運転と熱媒体熱交換器13が熱媒体を冷却する冷却運転とで冷媒が流れる向きを切り替えるものである。なお、図2の例では、冷却運転時は、流路切替装置12が実線の状態に切り替えられ、加熱運転時は、流路切替装置12が破線の状態に切り替えられる。
【0019】
熱媒体熱交換器13は、冷媒回路17の冷媒と熱媒体搬送路30の熱媒体とを熱交換させるものである。熱媒体熱交換器13は、冷媒回路17の冷媒が流れる冷媒流路13aと、熱媒体搬送路30の熱媒体が流れる熱媒体流路13bとを有する。熱媒体熱交換器13は、例えばプレート式の熱交換器で形成されている。膨張弁14は、冷媒を膨張させるものである。膨張弁14は、例えば開度を調整できる電子膨張弁、または温度式膨張弁等で形成されているが、開度を調整できないキャピラリーチューブ等で形成されてもよい。
【0020】
熱源側熱交換器15は、例えば、冷媒を空気と熱交換させる空気熱交換器であり、フィンおよびチューブで形成されたフィンチューブ式の熱交換器である。熱源側熱交換器15は、プレート式の熱交換器で形成され、冷媒と熱媒体とが熱交換を行うものであってもよい。熱源側熱交換器15の近傍には、熱源側送風機18が設けられている。熱源側送風機18は、熱源側熱交換器15に送風を行って、冷媒と空気との熱交換を促進させるものである。アキュムレータ19は、圧縮機11の吸入側に設けられている。アキュムレータ19は、冷媒を貯留する容器である。
【0021】
アキュムレータ19の入口には、熱交換器下流温度センサ191が設けられている。熱交換器下流温度センサ191は、熱源側熱交換器15が熱交換した冷媒の温度を検出するものである。熱交換器下流温度センサ191は、熱源側熱交換器15の下流からアキュムレータ19までの間に設けられていればよい。熱交換器下流温度センサ191は、例えばサーミスタ等を含んで形成されている。熱交換器下流温度センサ191は、この発明の「着霜検出センサ」に相当するものである。熱交換器下流温度センサ191が検出した温度を利用することで、熱源側熱交換器15の着霜を検出することができる。なぜなら、熱源側熱交換器15に着霜が生じると、熱源側熱交換器15の熱交換効率が低減するため、冷媒の温度が上昇しない。なお、「着霜検出センサ」は、熱交換器下流温度センサ191に限定されず、熱源側熱交換器15の着霜を検出することができるものであればよい。
【0022】
熱媒体熱交換器13が熱媒体を冷却する冷却運転を行うときの冷媒回路17の動作について説明する。冷却運転時は、流路切替装置12が実線の状態に切り替えられている。圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒は、熱源側熱交換器15で凝縮しながら放熱する。熱源側熱交換器15で凝縮した冷媒は、膨張弁14で膨張する。膨張弁14で膨張した冷媒は、熱媒体熱交換器13で蒸発しながら熱媒体から吸熱し、熱媒体を冷却する。熱媒体熱交換器13で蒸発した冷媒は、圧縮機11に吸入され、再び圧縮される。
熱媒体熱交換器13が熱媒体を加熱する加熱運転を行うときの冷媒回路17の動作について説明する。加熱運転時は、流路切替装置12が破線の状態に切り替えられている。圧縮機11で圧縮された高温高圧の冷媒は、熱媒体熱交換器13で凝縮しながら熱媒体に放熱し、熱媒体を加熱する。熱媒体熱交換器13で凝縮した冷媒は、膨張弁14で膨張する。膨張弁14で膨張した冷媒は、熱源側熱交換器15で蒸発する。熱源側熱交換器15で蒸発した冷媒は、圧縮機11に吸入され、再び圧縮される。
【0023】
[室内機]
図1に示すように、ヒートポンプシステム100は、第1の室内機5aと第2の室内機5bと第3の室内機5cとを有している。この実施の形態の理解を容易にするため、第1の室内機5aと第2の室内機5bと第3の室内機5cとを特に区別する必要がないときは、単に室内機5として説明を行う。
【0024】
室内機5は、熱媒体の熱を利用して、空調空間の空調を行うものである。室内機5は、例えば空調空間の内部に設けられる。なお、ヒートポンプシステム100は3台の室内機5を有するものに限定されず、1台以上の複数台の室内機5を有するものであればよい。複数台の室内機5は、熱媒体搬送路30に互いに並列に接続されている。なお、複数台の室内機5は、熱媒体搬送路30に直列に接続されてもよい。複数台の室内機5は、例えば、同一の部屋の空調を行うものであるが、複数台の室内機5のうちの2台以上が、異なる部屋の空調を行ってもよい。
【0025】
図3に示すように、室内機5のそれぞれは、熱媒体が流れる利用側熱交換器52と利用側熱交換器52に送風を行う室内送風機53とを有している。利用側熱交換器52は、例えばフィンおよびチューブで形成されたフィンチューブ式の熱交換器である。室内送風機53が動作することで、利用側熱交換器52を通過して熱交換された空調空気が空調空間に吹き出される。なお、室内機5は、輻射方式の熱交換器、または給湯器等を有するものであってもよい。また、室内機5は、室温センサ51を有している。室温センサ51は、室内機5が吸入して、利用側熱交換器52を通過する前の空気の温度を検出することで、室内の室内温度を検出する。
【0026】
図1に示す熱媒体搬送路30の動作について説明する。熱媒体搬送装置7が動作することで、熱媒体搬送路30の熱媒体が搬送される。ヒートポンプ装置1に流入した熱媒体は、ヒートポンプ装置1の熱媒体熱交換器13で冷媒と熱交換を行う。熱媒体熱交換器13で熱交換された熱媒体は、室内機5に流入して、室内機5の利用側熱交換器52で室内の空気と熱交換を行う。利用側熱交換器52で熱交換された熱媒体は、再びヒートポンプ装置1に流入する。
【0027】
[ヒートポンプシステムの制御系統]
図4は、図1に記載のヒートポンプシステムの制御系統の一例を示す図である。図4に示すように、複数のヒートポンプ装置1と複数の室内機5と熱媒体搬送装置7と代表温度センサ20とは、伝送路60で接続されており通信を行うことができる。伝送路60は、例えば伝送線で形成された有線方式であるが、伝送線を用いない無線方式であってもよい。第1のヒートポンプ装置1aは、制御装置6を有している。制御装置6は、ヒートポンプシステム100の全体の制御を行うものである。制御装置6は、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されている。図4の例では、制御装置6が第1のヒートポンプ装置1aに設けられている。なお、制御装置6は、ヒートポンプ装置1の何れか、または室内機5の何れかに設けられていればよい。また、制御装置6は、ヒートポンプ装置1および室内機5の外部に設けられたリモートコントローラ(図示を省略)に設けられていてもよい。また、制御装置6は、ヒートポンプ装置1または室内機5のうちの複数に設けられ、協調してヒートポンプシステム100の全体の制御を行うものであってもよい。
【0028】
制御装置6は、例えば、熱媒体温度センサ2が検出した温度と、室温センサ51が検出した室内温度と、室内の設定温度とを利用して、それぞれのヒートポンプ装置1の圧縮機11、膨張弁14、もしくは熱源側送風機18、熱媒体搬送装置7、またはそれぞれの室内機5の室内送風機53等の制御を行う。室内の設定温度は、ヒートポンプシステム100が空調を行う室内の目標の温度であり、例えば、ユーザによってリモートコントローラ(図示を省略)から入力されており、制御装置6が記憶している。
【0029】
例えば、制御装置6は、室内の設定温度と、室温センサ51が検出した室内温度と、熱媒体温度センサ2が検出した温度とを利用することで、室温センサ51が検出する室内温度が設定温度から遠ざからないように冷媒回路17または室内機5の制御を行う。室温センサ51が検出する室内温度が設定温度から遠ざからないようにヒートポンプシステム100の制御を行うことで、空調空間の快適性が向上する。
【0030】
また、例えば、制御装置6は、1つ以上の熱媒体熱交換器13から流出した熱媒体の温度を用いて、他の熱媒体熱交換器13から流出する熱媒体の目標温度を決定する。複数のヒートポンプ装置1のそれぞれが協調して室内機5に流入する熱媒体の温度を制御することで、室内機5に流入する熱媒体の温度の制御を高精度化することができる。また、複数のヒートポンプ装置1のそれぞれが協調して室内機5に流入する熱媒体の温度を制御することで、過剰な冷却および加熱を抑制することができるため、低消費電力化を実現することができる。
【0031】
また、例えば、制御装置6は、熱媒体温度センサ2が検出した温度が、室内の設定温度および室温センサ51が検出した室内温度よりも高いとき、または室内の設定温度および室温センサ51が検出した室内温度よりも低いときに、室内送風機53の送風を止める制御を実行する。上記の場合は、室内送風機53の送風を止めることで、室温センサ51が検出する室内温度が設定温度から遠ざかることを抑制することができる。室温センサ51が検出する室内温度が、設定温度から遠ざかることを抑制することで、室内の快適性を向上することができる。
【0032】
また、例えば、熱媒体温度センサ2が検出した温度が、室内の設定温度よりも高く且つ室温センサ51が検出した室内温度よりも低いとき、または室内の設定温度よりも低く室温センサ51が検出した室内温度よりも高いときは、室内送風機53の送風を行う。上記の場合は、室内送風機53が送風を行うことで、室温センサ51が検出する室内温度が設定温度に近づくため、室内の快適性が向上する。
【0033】
ヒートポンプシステム100が室内の暖房を行う暖房モード運転を実行するときは、ヒートポンプ装置1が加熱運転を行う。ヒートポンプ装置1が加熱運転を行うときは、熱源側熱交換器15が蒸発器として機能するため、熱源側熱交換器15に着霜が生じることがある。熱源側熱交換器15に着霜が生じると、熱源側熱交換器15の熱交換効率が低下するため、熱源側熱交換器15の霜を溶かす除霜を行う。熱源側熱交換器15の除霜を行うときは、例えば、熱源側熱交換器15を凝縮器として機能させ、熱媒体熱交換器13を蒸発器として機能させる。熱媒体熱交換器13が蒸発器として機能することで、熱媒体が冷却される。熱媒体が冷却されて室内機5に流入する熱媒体の温度が低下すると、室内の快適性が悪化するおそれがある。そこで、この実施の形態のヒートポンプシステム100は以下の制御を行う。
【0034】
図5は、図1に記載のヒートポンプシステムの動作の一例を示す図である。図5に示す時刻t1において、ヒートポンプシステム100は、暖房モード運転を行っており、例えば第1のヒートポンプ装置1a〜第4のヒートポンプ装置1dが熱媒体を加熱する加熱運転を行っている。第1のヒートポンプ装置1a〜第4のヒートポンプ装置1dは、例えば、第1の流出温度センサ2a〜第4の流出温度センサ2dが検出する熱媒体温度Tmが目標温度Tuとなるように制御されている。目標温度Tuは、例えば、室温センサ51が検出した室内温度と室内の設定温度とに基づいて決まるものであり、制御装置6が記憶している。
【0035】
時刻t2にて、ヒートポンプシステム100は、第1のヒートポンプ装置1aの除霜のタイミングが近づき、第1のヒートポンプ装置1aの除霜準備を行うことを検出する。例えば、制御装置6は、第1のヒートポンプ装置1aの熱源側熱交換器15の着霜量が、第1の着霜量Aよりも多くなると、第1のヒートポンプ装置1aの除霜準備を行うことを検出する。例えば、制御装置6は、図2に示す熱交換器下流温度センサ191の検出値Thが、閾値温度Taよりも低くなると、熱源側熱交換器15の着霜量が、第1の着霜量Aよりも多くなったと判断する。
【0036】
図5に示す時刻t3にて、ヒートポンプシステム100は、蓄熱モード運転を実行する。なお、時刻t2と時刻t3とは、実質的に同時刻である。すなわち、時刻t2で除霜準備を検出すると直ぐに時刻t3で蓄熱モード運転を実行する。ヒートポンプシステム100は、蓄熱モード運転において、暖房モード運転のときと比較して、熱媒体の温度を上昇させる。例えば、蓄熱モード運転のときは、暖房モード運転のときと比較して、圧縮機11の回転数を高くする。また、例えば、蓄熱モード運転のときは、暖房モード運転のときと比較して、加熱運転を行うヒートポンプ装置1の台数を増加する。蓄熱モード運転では、例えば第1のヒートポンプ装置1a〜第4のヒートポンプ装置1dは、第1の流出温度センサ2a〜第4の流出温度センサ2dが検出する熱媒体温度Tmが目標温度Tu+αとなるように制御される。補正値αは、例えば予め設定されており、制御装置6が記憶している。ヒートポンプシステム100が蓄熱モード運転を行っているときは、室内送風機53の送風量を小さくするとよい。なぜなら、蓄熱モード運転のときは、暖房モード運転のときと比較して、熱媒体の温度が高いため、室内の温度が室内の設定温度よりも上昇するおそれがある。
【0037】
時刻t4にて、ヒートポンプシステム100は、第1のヒートポンプ装置1aの除霜を開始することを検出する。例えば、制御装置6は、第1のヒートポンプ装置1aの熱源側熱交換器15の着霜量が、第1の着霜量Aよりも多い第2の着霜量Bよりも多くなると、第1のヒートポンプ装置1aの除霜を開始することを検出する。例えば、制御装置6は、図2に示す熱交換器下流温度センサ191の検出値Thが、閾値温度Taよりも低い温度に対応する閾値温度Tbよりも低くなると、熱源側熱交換器15の着霜量が、第2の着霜量よりも多くなったと判断する。
【0038】
時刻t5にて、ヒートポンプシステム100は、除霜モード運転を実行する。なお、時刻t4と時刻t5とは、実質的に同時刻である。すなわち、時刻t4で除霜開始を検出すると直ぐに時刻t5で除霜モード運転を実行する。ヒートポンプシステム100が第1のヒートポンプ装置1aの除霜運転を行うときは、第1のヒートポンプ装置1aが除霜運転を行い、例えば第2のヒートポンプ装置1b〜第4のヒートポンプ装置1dが加熱運転を行う。
除霜を行わない第2のヒートポンプ装置1b〜第4のヒートポンプ装置1dは、例えば、第2の流出温度センサ2b〜第4の流出温度センサ2dが検出する熱媒体温度Tmが目標温度Tu+αとなるように制御される。例えば、除霜モード運転を実行するときは、暖房モード運転のときと比較して、除霜を行わないヒートポンプ装置1の圧縮機11の回転数を高くする。また、例えば、除霜モード運転を実行するときは、暖房モード運転のときと比較して、加熱運転を行うヒートポンプ装置1の台数を増加する。
制御装置6は、除霜を行わない第2のヒートポンプ装置1b〜第4のヒートポンプ装置1dから流出した熱媒体の熱媒体温度Tmを用いて、除霜を行う第1のヒートポンプ装置1aから流出する熱媒体の目標温度Tu−βを決定する。例えば、除霜を行う第1のヒートポンプ装置1aから流出する熱媒体の目標温度Tu−βは、代表温度センサ20が検出する室内機流入温度Tiが除霜運転時目標熱媒体温度To以上となるように決定される。なお、除霜を行うヒートポンプ装置1の台数を低減し、または除霜を行うヒートポンプ装置1の圧縮機11の回転数を低くすることで、代表温度センサ20が検出する室内機流入温度Tiが上昇する。室内機5に流入する熱媒体の温度を除霜運転時目標熱媒体温度To以上とすることで、室内の温度の低下を抑制することができるため、室内の快適性を向上させることができる。
例えば、除霜運転時目標熱媒体温度Toは、室内の設定温度Tsまたは室温センサ51が検出した室内温度Tr以上である。室内機5に流入する熱媒体の温度を設定温度Ts以上とすることで、室内が設定温度Ts以上の温度の熱媒体で暖められるため、室内の快適性が向上する。室内機5に流入する熱媒体の温度を室温センサ51が検出した室内温度Tr以上とすることで、室温センサ51が検出する室内温度Trが低下しないため、室内の快適性の低下を抑制することができる。
なお、除霜運転時目標熱媒体温度Toは、室温センサ51が検出した室内温度Tr以上であることが好ましいが、除霜運転時目標熱媒体温度Toが、室温センサ51が検出した室内温度Tr未満となることがある。例えば、複数台のヒートポンプ装置1の除霜を同時に行うとき、または急速に除霜を行う必要性があるとき等である。除霜運転時目標熱媒体温度Toが室温センサ51の検出した室内温度Tr未満となるときは、室内送風機53を動作させることで室温が低下して室内の快適性が低下する。そこで、除霜運転時目標熱媒体温度Toが室温センサ51の検出した室内温度Tr未満となるときは、室内送風機53を停止して、室内の快適性の低下を抑制する。
【0039】
時刻t6までに第1のヒートポンプ装置1aの除霜が完了し、時刻t6にて、暖房モード運転を再開する。すなわち、除霜運転を行っていた第1のヒートポンプ装置1aの運転が、時刻t6にて暖房運転に切り替えられる。なお、第1のヒートポンプ装置1aの除霜完了は、例えば、図2に示す熱交換器下流温度センサ191の検出値Thが、閾値温度Tfよりも低くなると、熱源側熱交換器15の着霜がなくなったと判断する。
【0040】
図6は、図1に記載のヒートポンプ装置の動作の一例を示す図である。ステップS02にて、ヒートポンプ装置1は、熱媒体を加熱する加熱運転を実行している。ステップS04にて、熱源側熱交換器15の着霜量が第1の着霜量以下であるときは、ステップS02にて、加熱運転を継続する。ステップS04にて、着霜量が第1の着霜量よりも多くなると、ステップS06にて、ヒートポンプ装置1は、蓄熱運転を実行する。ステップS08にて、熱源側熱交換器15の着霜量が第2の着霜量以下であるときは、ステップS04に戻る。ステップS08にて、熱源側熱交換器15の着霜量が第2の着霜量よりも多くなると、ステップS10にて、ヒートポンプ装置1は、除霜運転を実行する。除霜運転が完了すると、ステップS02に戻り、ヒートポンプ装置1は、加熱運転を再開する。
【0041】
上記のように、この実施の形態の例のヒートポンプシステム100は、暖房モード運転を実行した後且つ除霜モード運転を実行する前に、暖房モード運転のときよりも熱媒体の温度を高くする蓄熱モード運転を実行する。この実施の形態の例では、除霜モード運転を実行する前の蓄熱モード運転で、熱媒体を暖めておくため、除霜モード運転時に熱媒体の温度の低下を抑制することができる。除霜モード運転時の熱媒体の温度の低下を抑制することで、除霜モード運転時の室内の温度低下を抑制することができるため、室内の快適性が向上する。
【0042】
この発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々に改変することができる。すなわち、上記の実施の形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施の形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【0043】
例えば、上記では、第1のヒートポンプ装置1aの除霜運転を行う例の説明を行ったが、第2のヒートポンプ装置1b〜第4のヒートポンプ装置1dに着霜が生じたときは、第2のヒートポンプ装置1b〜第4のヒートポンプ装置1dの除霜運転を行うことができる。また、上記では、1台のヒートポンプ装置1の除霜を行う例の説明を行ったが、2台以上のヒートポンプ装置1の除霜を同時に行うことができる。
【0044】
また、例えば、上記では、熱源側熱交換器15を凝縮器として機能させ熱媒体熱交換器13を蒸発器として機能させてヒートポンプ装置1の除霜運転を行う例の説明を行ったが、熱源側熱交換器15を凝縮器として機能させ熱媒体熱交換器13に冷媒を流さないで除霜運転を行う構成とすることができる。また、ヒートポンプ装置1は、電気ヒータ等を利用して除霜を行う構成とすることができる。
【0045】
また、上記では、熱源側熱交換器15の着霜の量を検出して、蓄熱モード運転および除霜モード運転を実行する例の説明を行ったが、ヒートポンプシステム100は、予め設定されたスケジュールにしたがって蓄熱モード運転および除霜モード運転を実行するものであってもよい。例えば、ヒートポンプシステム100は、予め設定された時刻になると蓄熱モード運転を実行し、予め設定された時刻になると除霜モード運転を実行する構成とすることができる。また、例えば、ヒートポンプシステム100は、熱源側熱交換器15の着霜を検出すると、予め設定された設定時間の間、蓄熱モード運転を実行し、予め設定された設定時間の間、除霜モード運転を実行する構成とすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ヒートポンプ装置、1a 第1のヒートポンプ装置、1b 第2のヒートポンプ装置、1c 第3のヒートポンプ装置、1d 第4のヒートポンプ装置、2 熱媒体温度センサ、2a 第1の流出温度センサ、2b 第2の流出温度センサ、2c 第3の流出温度センサ、2d 第4の流出温度センサ、3 熱媒体配管、5 室内機、5a 第1の室内機、5b 第2の室内機、5c 第3の室内機、6 制御装置、7 熱媒体搬送装置、11 圧縮機、12 流路切替装置、13 熱媒体熱交換器、13a 冷媒流路、13b 熱媒体流路、14 膨張弁、15 熱源側熱交換器、16 冷媒配管、17 冷媒回路、18 熱源側送風機、19 アキュムレータ、20 代表温度センサ、30 熱媒体搬送路、51 室温センサ、51a 第1の室温センサ、51b 第2の室温センサ、51c 第3の室温センサ、52 利用側熱交換器、53 室内送風機、60 伝送路、100 ヒートポンプシステム、191 熱交換器下流温度センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6

【手続補正書】
【提出日】2020年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この発明に係るヒートポンプシステムは、圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の前記冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、前記熱媒体熱交換器の前記熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、前記熱媒体搬送路と接続され、室内送風機を有し、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、前記室内の室内温度を検出する室温センサと、前記室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、前記室内の設定温度と、前記室温センサが検出した室内温度と、前記熱媒体温度センサが検出した温度とを用いて、前記室温センサが検出する室内温度が前記設定温度から遠ざからないように前記室内送風機の送風量の制御を行う制御装置とを有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の前記冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、
前記熱媒体熱交換器の前記熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、
前記熱媒体搬送路と接続され、室内送風機を有し、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、
前記室内の室内温度を検出する室温センサと、
前記室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、
前記室内の設定温度と、前記室温センサが検出した室内温度と、前記熱媒体温度センサが検出した温度とを用いて、前記室温センサが検出する室内温度が前記設定温度から遠ざからないように前記室内送風機の送風量の制御を行う制御装置とを有する、ヒートポンプシステム。
【請求項2】
複数の前記冷媒回路を有する、
請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記熱媒体温度センサは、複数の前記熱媒体熱交換器のそれぞれから流出した熱媒体の温度を検出する、複数の流出温度センサを有する、
請求項2に記載のヒートポンプシステム。
【請求項4】
複数の前記冷媒回路は、前記熱媒体搬送路に互いに並列に接続されており、
前記熱媒体温度センサは、複数の前記熱媒体熱交換器の全てを通過し前記室内機に流入する前の熱媒体の温度を検出する、代表温度センサを有する、
請求項3に記載のヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記制御装置は、1つ以上の前記熱媒体熱交換器から流出した熱媒体の温度を用いて、該1つ以上の熱媒体熱交換器以外の前記熱媒体熱交換器から流出する熱媒体の目標温度を決定する、
請求項3または請求項4に記載のヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、1つ以上の前記熱源側熱交換器の除霜を行う除霜モード運転を実行する、
請求項2〜請求項5の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記除霜モード運転を実行するときに、前記除霜モード運転を行う前と比較して、除霜を行わない前記熱源側熱交換器と接続された前記圧縮機の回転数を高くする、
請求項6に記載のヒートポンプシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、当該ヒートポンプシステムが前記部屋の暖房を行う暖房モード運転を実行した後且つ前記除霜モード運転を実行する前に、前記暖房モード運転のときよりも熱媒体の温度を高くする蓄熱モード運転を実行する、
請求項6または請求項7に記載のヒートポンプシステム。
【請求項9】
前記熱源側熱交換器の着霜を検出する着霜検出センサを有し、
前記制御装置は、前記着霜検出センサの検出結果を利用して、前記熱源側熱交換器の着霜の量が第1の着霜量よりも多くなったと判断すると前記蓄熱モード運転を実行する、
請求項8に記載のヒートポンプシステム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記熱源側熱交換器の着霜の量が前記第1の着霜量よりも多い第2の着霜量よりも多くなったと判断すると前記除霜モード運転を実行する、
請求項9に記載のヒートポンプシステム。
【請求項11】
前記着霜検出センサは、前記熱源側熱交換器で熱交換された冷媒の温度を検出する熱交換器下流温度センサを有する、
請求項9または請求項10に記載のヒートポンプシステム。
【請求項12】
前記制御装置は、前記除霜モード運転を実行するときに、前記熱媒体温度センサが検出する温度を、除霜運転時目標熱媒体温度以上に維持する、
請求項6〜請求項11の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項13】
前記除霜運転時目標熱媒体温度は、前記設定温度または前記室温センサが検出した室内温度以上の温度に設定される、
請求項12に記載のヒートポンプシステム。
【請求項14】
前記室内機は、熱媒体が流れる利用側熱交換器を有し、前記室内送風機は、前記利用側熱交換器に送風を行ない
前記制御装置は、
前記熱媒体温度センサが検出した温度が、前記設定温度および前記室温センサが検出した室内温度よりも高いとき、または前記設定温度および前記室温センサが検出した室内温度よりも低いときに、前記室内送風機の送風を止め
前記熱媒体温度センサが検出した温度が、前記設定温度よりも高くおよび前記室温センサが検出した室内温度よりも低いとき、または前記設定温度よりも低くおよび前記室温センサが検出した室内温度よりも高いときに、前記室内送風機の送風を行う
請求項1〜請求項13の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項15】
前記冷媒回路は、前記熱媒体熱交換器が熱媒体を加熱する加熱運転と前記熱媒体熱交換器が熱媒体を冷却する冷却運転とで冷媒が流れる向きを変更する流路切替装置を有する、 請求項1〜請求項14の何れか一項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項16】
圧縮機と、冷媒流路と熱媒体流路とを有する熱媒体熱交換器の前記冷媒流路と、膨張弁と、熱源側熱交換器とが接続された冷媒回路と、
前記熱媒体熱交換器の前記熱媒体流路と接続された熱媒体搬送路と、
前記熱媒体搬送路と接続され、部屋の内部の室内の空調を行う室内機と、
前記室内機に流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサと、
前記冷媒回路または前記室内機の制御を行う制御装置とを有し、
複数の前記冷媒回路を有するものであり、
前記熱媒体温度センサは、複数の前記熱媒体熱交換器のそれぞれから流出した熱媒体の温度を検出する、複数の流出温度センサを有し、
前記制御装置は、1つ以上の前記熱媒体熱交換器から流出した熱媒体の温度を用いて、該1つ以上の熱媒体熱交換器以外の前記熱媒体熱交換器から流出する熱媒体の目標温度を決定する、ヒートポンプシステム。
【国際調査報告】