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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年1月24日
【発行日】2020年5月28日
(54)【発明の名称】車体フレーム構造
(51)【国際特許分類】
   B62K 11/04 20060101AFI20200501BHJP
   B62K 19/08 20060101ALI20200501BHJP
【FI】
   B62K11/04 C
   B62K19/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】特願2019-530617(P2019-530617)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年7月20日
(31)【優先権主張番号】特願2017-141152(P2017-141152)
(32)【優先日】2017年7月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】井口 貴正
【テーマコード(参考)】
3D011
3D212
【Fターム(参考)】
3D011AC01
3D011AF02
3D011AH01
3D011AK03
3D011AK12
3D011AK13
3D011AK14
3D011AK16
3D011AK22
3D011AK23
3D011AK32
3D212BD01
3D212BE11
3D212BF21
(57)【要約】
この車体フレーム構造は、ヘッドパイプ(21)と、前記ヘッドパイプ(21)の後方に延びるメインフレーム(22)と、前記メインフレーム(22)の下方に延びるピボットフレーム(23)と、を備え、前記メインフレーム(22)および前記ピボットフレーム(23)の間には、前記メインフレーム(22)および前記ピボットフレーム(23)を互いに接続する接続部(47)を有し、前記接続部(47)は、前記メインフレーム(22)および前記ピボットフレーム(23)の一方の一部を、前記メインフレーム(22)および前記ピボットフレーム(23)の他方の閉断面構造(22cs,23cs)の外側から当接させて接合し、前記メインフレーム(22)および前記ピボットフレーム(23)の一方の残余の部位を、前記メインフレーム(22)および前記ピボットフレーム(23)の他方の閉断面構造(22cs,23cs)の内側から当接させて接合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプと、
前記ヘッドパイプの後方に延びるメインフレームと、
前記メインフレームの下方に延びるピボットフレームと、を備え、
前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの間には、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームを互いに接続する接続部を有し、
前記接続部は、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの一方の一部を、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの他方の閉断面構造の外側から当接させて接合し、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの一方の残余の部位を、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの他方の閉断面構造の内側から当接させて接合する、
車体フレーム構造。
【請求項2】
前記接続部は、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの少なくとも一方に、内周縁が接合箇所となる開口部を形成している、
請求項1に記載の車体フレーム構造。
【請求項3】
前記メインフレームは、複数の第一のプレスフレーム体の組み合わせで形成され、
前記複数の第一のプレスフレーム体は、互いに組み合わせた際に第一の閉断面構造を形成する第一の膨出形状部を有し、
前記複数の第一のプレスフレーム体同士を接合する接合部は、接合する前記第一のプレスフレーム体の前記第一の膨出形状部から屈曲して延びる接合フランジに設けられている、
請求項1又は2に記載の車体フレーム構造。
【請求項4】
前記ピボットフレームは、複数の第二のプレスフレーム体の組み合わせで形成され、
前記複数の第二のプレスフレーム体は、互いに組み合わせた際に第二の閉断面構造を形成する第二の膨出形状部を有し、
前記複数の第二のプレスフレーム体同士を接合する接合部は、接合する前記第二のプレスフレーム体の一方の前記第二の膨出形状部の内側に他方の前記第二の膨出形状部が入り込んで互いに重なり合う部位に設けられている、
請求項1から3の何れか一項に記載の車体フレーム構造。
【請求項5】
前記接続部は、前記ピボットフレームの一部を、前記メインフレームの前記第一の閉断面構造の車幅方向外側から当接させて接合するとともに、前記ピボットフレームの残余の部位を、前記メインフレームの前記第一の閉断面構造の内側から車両前後方向で当接させて接合する、
請求項3に記載の車体フレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレーム構造に関する。
本願は、2017年07月20日に、日本に出願された特願2017−141152号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、メインフレームとピボットフレームとを備える鞍乗型車両の車体フレーム構造がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特許第4630754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記車体フレーム構造においては、メインフレームおよびピボットフレームの一方が他方に対して差し込まれて完全に覆われるような構成となっている。しかし、この構成では、部品誤差や組付誤差の吸収が課題として挙げられる。
【0005】
そこで本発明は、メインフレームおよびピボットフレームを一体に接続する車体フレーム構造において、組付誤差を吸収しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る車体フレーム構造は、ヘッドパイプと、前記ヘッドパイプの後方に延びるメインフレームと、前記メインフレームの下方に延びるピボットフレームと、を備え、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの間には、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームを互いに接続する接続部を有し、前記接続部は、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの一方の一部を、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの他方の閉断面構造の外側から当接させて接合し、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの一方の残余の部位を、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの他方の閉断面構造の内側から当接させて接合する。
【0007】
(2)上記(1)に記載の車体フレーム構造では、前記接続部は、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの少なくとも一方に、内周縁が接合箇所となる開口部を形成してもよい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の車体フレーム構造では、前記メインフレームは、複数の第一のプレスフレーム体の組み合わせで形成され、前記複数の第一のプレスフレーム体は、互いに組み合わせた際に第一の閉断面構造を形成する第一の膨出形状部を有し、前記複数の第一のプレスフレーム体同士を接合する接合部は、接合する前記第一のプレスフレーム体の前記第一の膨出形状部から屈曲して延びる接合フランジに設けられてもよい。
【0009】
(4)上記(1)から(3)の何れか一項に記載の車体フレーム構造では、前記ピボットフレームは、複数の第二のプレスフレーム体の組み合わせで形成され、前記複数の第二のプレスフレーム体は、互いに組み合わせた際に第二の閉断面構造を形成する第二の膨出形状部を有し、前記複数の第二のプレスフレーム体同士を接合する接合部は、接合する前記第二のプレスフレーム体の一方の前記第二の膨出形状部の内側に他方の前記第二の膨出形状部が入り込んで互いに重なり合う部位に設けられてもよい。
【0010】
(5)上記(3)に記載の車体フレーム構造では、前記接続部は、前記ピボットフレームの一部を、前記メインフレームの前記第一の閉断面構造の車幅方向外側から当接させて接合するとともに、前記ピボットフレームの残余の部位を、前記メインフレームの前記第一の閉断面構造の内側から車両前後方向で当接させて接合してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記(1)に記載の車体フレーム構造によれば、メインフレームおよびピボットフレームの一方を他方の閉断面構造の内側に差し込むいわゆるインロー嵌合とすると、組付誤差によって接続部にガタや干渉が生じた場合、フレーム接続が困難になる。そこで、一方のフレームの一部を他方のフレームの外側から当接させて接合し、一方のフレームの残余の部位を他方のフレームの内側から当接させて接合することで、組付誤差を吸収しやすくし、フレーム接続を容易かつ確実に行うことができる。
【0012】
本発明の上記(2)に記載の車体フレーム構造によれば、接合箇所の長さを増して接合強度を向上させることができる。
【0013】
本発明の上記(3)に記載の車体フレーム構造によれば、メインフレームを形成する複数のプレスフレーム体が、膨出形状部から屈曲して延びた接合フランジで接合されることで、複数のプレスフレーム体同士の接合による閉断面構造のひずみを抑えることができる。
【0014】
本発明の上記(4)に記載の車体フレーム構造によれば、メインフレームを形成する複数のプレスフレーム体が、膨出形状部同士の重複部分で接合されることで、膨出形状部から延びる接合フランジを設ける場合に比して、ピボットフレーム周辺のエンジンや電装部品等の配置スペースを確保しやすくなる。
【0015】
本発明の上記(5)に記載の車体フレーム構造によれば、メインフレームの前後に接合フランジが起立する構成でも、ピボットフレームと接合フランジとの干渉を避けつつ、ピボットフレームとメインフレームとを容易かつ確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。
図2】上記自動二輪車の車体フレームの左側面図である。
図3】上記車体フレームの平面図である。
図4】上記車体フレームのシートレールの要部を示す左側面図である。
図5図4のV−V断面図である。
図6】上記シートレールの一部断面を含む斜視図である。
図7】上記シートレール周辺の平面図である。
図8】上記車体フレームのメインフレームおよびピボットフレーム間の接続部周辺の左側面図である。
図9図8のIX−IX断面図である。
図10】上記接続部周辺を前側から見た斜視図である。
図11】上記接続部周辺を後側から見た斜視図である。
図12】上記シートレールのクロスメンバ周辺の平面図である。
図13】上記クロスメンバ周辺の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車体左右中心を示す線CLが示されている。
【0018】
図1に示すように、本実施形態は、鞍乗り型車両である自動二輪車1に適用される。自動二輪車1の前輪2は、左右一対のフロントフォーク3の下端部に支持されている。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム20の前端部のヘッドパイプ21に支持されている。ステアリングステム4の上部には、操向用のバーハンドル6が取り付けられている。
【0019】
自動二輪車1の後輪7は、スイングアーム8の後端部に支持されている。スイングアーム8の前端部は、車体フレーム20の前後中間部のピボットパイプ25に支持されている。なお、本実施形態で用いる「中間」とは、対象の両端間の中央のみならず、対象の両端間の内側の範囲を含むこととする。
後輪7は、自動二輪車1の原動機であるエンジン10に対し、例えば車体後部左側に配置されたチェーン式の伝動機構7aを介して連結されている。スイングアーム8の左右アームの後部には、左右一対のリアクッション9の下端部が連結されている。
【0020】
エンジン10は、車体フレーム20に搭載されている。エンジン10は、クランクケース11の前部上方にシリンダ12を起立させている。
シリンダ12の後部には、吸気通路13が接続されている。シリンダ12の前部には、排気管14が接続されている。排気管14は、エンジン10の前方から下方を通って後方に向けて延び、例えば車体後部右側に配置された排気マフラー(不図示)に接続されている。
【0021】
エンジン10の上方には、エンジン10の燃料を貯留する燃料タンク15が配置されている。燃料タンク15の後方には、運転者および後部同乗者が着座するシート16が配置されている。車体下部両側には、運転者の足を載せる左右一対のメインステップ17、および後部同乗者用が足を載せる左右一対のピリオンステップ18がそれぞれ配置されている。
【0022】
図2図3を参照し、車体フレーム20は、複数種の鋼材を溶接等により一体結合して構成されている。
車体フレーム20は、ヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21の後方へ車体左右中心に沿って後下方へ延びる単一のメインフレーム22と、メインフレーム22の後下端部48に接合されて上下方向に延びるピボットフレーム23と、を備えている。
【0023】
メインフレーム22は、側面視ではヘッドパイプ21から後方へ、後側ほど上下幅を狭めるように延びている。メインフレーム22は、平面視では前半部が僅かに左右外側に膨張し、その後に概ね左右幅を均一にして後方へ延びている。メインフレーム22は、側面視では全体的に後下方に向けて湾曲している。メインフレーム22の前部は比較的緩やかに湾曲するのに対し、メインフレーム22の後部は曲率を強めて湾曲している。このメインフレーム22の後部を湾曲部22wということがある。
【0024】
ピボットフレーム23は、メインフレーム22の後下端部48の下方に連続するように設けられている。ピボットフレーム23の上端部49は、メインフレーム22の後下端部48とともに接続部47を構成している。ピボットフレーム23の前下部には、エンジン10のクランクケース11の後部を支持する後ハンガーブラケット24が固定されている。ピボットフレーム23の上下中間部には、スイングアーム8の前端部を支持するピボットパイプ25が固定されている。ピボットパイプ25は、左右側部をピボットフレーム23の左右外側に突出させている。ピボットパイプ25の左右側部の外周面には、左右一対のサポートパイプ26の前下端部が接合されている。
【0025】
車体フレーム20は、ヘッドパイプ21の下部から後方へ車体左右中心に沿って後下方へ延びる単一のダウンフレーム27を備えている。ダウンフレーム27は、側面視でメインフレーム22よりも急傾斜をなして後下方へ延びている。ダウンフレーム27の下端部には、エンジン10のクランクケース11の前部を支持する前ハンガーブラケット28が一体形成されている。ダウンフレーム27の上部は、側面視で上側ほど前後幅を広げるように形成されている。ダウンフレーム27の上部は、メインフレーム22の前部下側に一体に接合されるガセット部27gを構成している。ダウンフレーム27の前縁部は、側面視で直線状に形成されるのに対し、ダウンフレーム27の後縁部は、側面視で前方に凸の湾曲状に形成されている。
【0026】
車体フレーム20は、メインフレーム22の後部に前端部が接合されるとともに、前端部から後方へ略水平に延びる左右一対のシートレール30と、ピボットパイプ25に前端部が接合されるとともに、前端部から上後方へ後上がりに延びる左右一対のサポートパイプ26と、を備えている。左右サポートパイプ26は、左右シートレール30の前後中間部を下方から支持している。左右シートレール30は、車体フレーム20の後端部まで延びている。左右シートレール30の後端部は、リアクロスメンバ34を介して互いに連結されている。左右シートレール30の前端部は、第一フロントクロスメンバ(クロスメンバ)31を介して互いに連結されている。左右シートレール30の前後中間部は、第二フロントクロスメンバ(クロスメンバ)32を介して互いに連結されている。左右シートレール30の前後中間部はさらに、第二フロントクロスメンバ32よりも後方でクロスパイプ33を介して互いに連結されている。
【0027】
図1を併せて参照し、車体フレーム20は、エンジン10をフレーム構造の一部として利用するいわゆるダイヤモンドフレーム構造とされている。エンジン10は、側面視でメインフレーム22、ダウンフレーム27及びピボットフレーム23に囲まれるように車体フレーム20に搭載されている。エンジン10のクランクケース11の前部は前ハンガーブラケット28に支持され、クランクケース11の後部は後ハンガーブラケット24に支持されている。エンジン10のクランクケース11を介して、ダウンフレーム27とピボットフレーム23とが互いに連結されている。
【0028】
燃料タンク15は、その下部がメインフレーム22を左右に跨ぐ鞍形に形成されている。燃料タンク15の後部は、前後方向で左右シートレール30の前部と重なるように後方へ延びている。燃料タンク15の後端部には、第二フロントクロスメンバ32にラバーマウントされる後マウント部15aが設けられている。燃料タンク15における鞍形の下部の左右内側面には、側面視で前方に開放するU字形状をなす受け部材15bが左右一対に設けられている。左右受け部材15bは、メインフレーム22の左右外側面に保持された円筒状のマウントラバー(不図示)に後方から係止し、燃料タンク15の前部が車体フレーム20にラバーマウントされる。
【0029】
メインフレーム22、ピボットフレーム23、ダウンフレーム27および左右シートレール30は、それぞれ鋼板にプレス加工を施して形成されたプレスフレーム体の組み合わせにより構成されている。
【0030】
図8図9に示すように、メインフレーム22は、左右一対のメインプレスフレーム体42L,42Rを一体に接合して構成されている。左右メインプレスフレーム体42L,42Rは、それぞれ一体の鋼板プレス成型部品である。左右メインプレスフレーム体(第一のプレスフレーム体)42L,42Rの各々は、車幅方向外側(左右方向外側)に臨む外側壁部42aと、外側壁部42aの上縁から車幅方向内側に起立する上壁部42bと、上壁部42bの先端縁から上方に起立する上接合フランジ42dと、外側壁部42aの下縁から車幅方向内側に起立する下壁部42cと、下壁部42cの先端縁から下方に起立する下接合フランジ42eと、を一体に有している。
【0031】
左右メインプレスフレーム体42L,42Rは、互いに上下接合フランジ42d,42eを車幅方向で当接させている。上下接合フランジ42d,42eは、フランジ起立方向(上下方向)と直交するフランジ長さ方向(前後方向、メインフレーム22の長さ方向)に並ぶ複数のスポット溶接部(接合部)spによって一体に接合されている。
【0032】
これにより、左右の外側壁部22aならびに上下壁部22b,22cによる矩形状の閉断面構造(第一の閉断面構造)22csを持つ一体のメインフレーム22が構成されている。以下、左右メインプレスフレーム体42L,42Rにおける上下接合フランジ42d,42eを除く部位を、メインフレーム22の閉断面構造22csを形成する膨出形状部(第一の膨出形状部)42bsということがある。
【0033】
図8図9を参照し、ピボットフレーム23は、左右一対のピボットプレスフレーム体43L,43Rを一体に接合して構成されている。左右ピボットプレスフレーム体(第二のプレスフレーム体)43L,43Rは、それぞれ一体の鋼板プレス成型部品である。左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの各々は、車幅方向外側に臨む外側壁部43aと、外側壁部43aの前縁から車幅方向内側に起立する前壁部43bと、外側壁部43aの後縁から車幅方向内側に起立する後壁部43cと、を一体に有している。
【0034】
左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの一方(例えば左ピボットプレスフレーム体43L)における前壁部43bの先端部は、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの他方(例えば右ピボットプレスフレーム体43R)における前壁部43bの先端部の板厚分だけ前方へ段差状に変位している。これにより、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの他方における前壁部43bの先端部が、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの一方における断面の内側に入り込む。左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの前壁部43bの先端部は、互いに厚さ方向で重なり、これら先端部同士が例えばアーク溶接等により一体に接合されている。図中符号bdは溶接ビードを示している。
【0035】
同様に、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの一方(例えば左ピボットプレスフレーム体43L)における後壁部43cの先端部は、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの他方(例えば右ピボットプレスフレーム体43R)における後壁部43cの先端部の板厚分だけ後方へ段差状に変位している。これにより、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの他方における後壁部43cの先端部が、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの一方における断面の内側に入り込む。左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rの後壁部43cの先端部は、互いに厚さ方向で重なり、これら先端部同士が例えばアーク溶接等により一体に接合されている。
【0036】
これにより、左右の外側壁部23aならびに前後壁部23b,23cによる矩形状の閉断面構造(第二の閉断面構造)23csを有する一体のピボットフレーム23が構成されている。以下、左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rにおけるピボットフレーム23の閉断面構造23csを形成する部位を膨出形状部(第二の膨出形状部)43bsということがある。ピボットフレーム23の閉断面構造23cs内には補強部材49gが固定されている。
【0037】
図2を参照し、ダウンフレーム27は、左右一対のダウンプレスフレーム体を一体に接合して構成されている。左右ダウンプレスフレーム体は、それぞれ一体の鋼板プレス成型部品である。ダウンフレーム27の前縁部では、左右ダウンプレスフレーム体が左右ピボットプレスフレーム体43L,43Rと同様の手法で互いに接合されている。ダウンフレーム27の後縁部では、左右ダウンプレスフレーム体が左右メインプレスフレーム体42L,42Rと同様の手法で互いに接合されている。図中符号27hはダウンフレーム27の後接合フランジを示している。
【0038】
図4図7を参照し、左右シートレール30の各々は、車幅方向外側に位置する外シートプレスフレーム体45Oと車幅方向内側に位置する内シートプレスフレーム体45Iとを一体に接合して構成されている。内外シートプレスフレーム体(プレスフレーム体)45I,45Oは、それぞれ一体の鋼板プレス成型部品である。内外シートプレスフレーム体45I,45Oの各々は、車幅方向外側に臨む外側壁部45aと、外側壁部45aの上縁から車幅方向内側に起立する上壁部45bと、上壁部45bの先端縁から上方に起立する上接合フランジ45dと、外側壁部45aの下縁から車幅方向内側に起立する下壁部45cと、下壁部45cの先端縁から下方に起立する下接合フランジ(接合フランジ)45eと、を一体に有している。
【0039】
内外シートプレスフレーム体45I,45Oは、互いに上下接合フランジ45d,45eを車幅方向で当接させている。上下接合フランジ45d,45eは、フランジ起立方向(上下方向)と直交するフランジ長さ方向(前後方向、シートレール30の長さ方向でもある)に並ぶ複数のスポット溶接部(接合部)spによって一体に接合されている。
【0040】
これにより、左右の外側壁部30aならびに上下壁部30b,30cによる矩形状の閉断面構造30csを持つ一体のシートレール30が構成されている。以下、内外シートプレスフレーム体45I,45Oにおける上下接合フランジ45d,45eを除く部位を、シートレール30の閉断面構造30csを形成する膨出形状部45bsということがある。
【0041】
左右サポートパイプ26は、それぞれ丸形鋼管により一体形成されている。左右サポートパイプ26の後上端部は、それぞれ左右シートレール30の前後中間部に接続されている。
【0042】
シートレール30は、サポートパイプ26を接続する前後中間部において、側面視で下方に凸の三角形状をなす下方突出部35を形成している。下方突出部35の前傾斜部35aには、サポートパイプ26の後上端部が前下方から差し込まれている。下方突出部35には、後傾斜部35bに沿うように延びる円筒状の差込部35cが形成されている。例えば、差込部35cの側壁には、長円形状の溶接孔35dが形成されている。この溶接孔35dの内周縁に沿って例えばアーク溶接が施されて、差込部35cとサポートパイプ26とが接合されている。下方突出部35の後傾斜部35bは、側面視においてサポートパイプ26の傾斜と略平行、かつシートレール30の後部の後上がりの傾斜と略平行をなしている。
【0043】
シートレール30は、側面視において前後方向に直線状に延びる前半部36に対し、下方突出部35を形成する前後中間部が湾曲部37を介して連なっている。下接合フランジ45eは、シートレール30の前半部36に沿う第一の直線部位45e1と、下方突出部35の前傾斜部35aに沿う第二の直線部位45e2と、両直線部位45e1,45e2の間に形成される側面視円弧状の湾曲部位45e3と、を含んでいる。湾曲部位45e3はシートレール30の湾曲部37に含まれている。
【0044】
下接合フランジ45eの湾曲部位45e3のフランジ長さ方向の中央部には、湾曲部位45e3を除いた部位に対してフランジ起立高さを増した拡幅部45e4が形成されている。拡幅部45e4は、例えばフランジ長さ方向に並ぶ二箇所のスポット溶接部spを有している。これらのスポット溶接部spは、湾曲部位45e3を除いた例えば両直線部位45e1,45e2のスポット溶接部spに比して、下接合フランジ45eのフランジ基端から離れている。
【0045】
下接合フランジ45eのフランジ基端には、内外シートプレスフレーム体45I,45Oにおける下接合フランジ45eと下壁部45cとの間のパネル屈曲部45e5が形成されている。このパネル屈曲部45e5は、フランジ長さ方向(シートレール30の長さ方向)に沿うように形成されている。下接合フランジ45eの先端縁は、フランジ長さ方向に沿うように形成されているが、拡幅部45e4の先端縁は、両直線部位45e1,45e2の先端縁よりも台形状に突出するように形成されている。
【0046】
シートレール30は、その後部に着座荷重が加わったり車体後部を支える際の上向き荷重が加わったりすると、シートレール30の断面が大きく変化する湾曲部37に応力が集中しやすい。特に、湾曲部37における種々パネル屈曲部45e5にはひずみが生じやすい。そこで、特に湾曲部37の中央部(下接合フランジ45eの湾曲部位45e3の中央部)において、パネル屈曲部45e5からスポット溶接部spを遠ざけるように設定することで、パネル屈曲部45e5のひずみの影響によるスポット溶接部spへの負荷が抑えられる。
【0047】
図7を参照し、シートレール30は、前後方向で湾曲部37と同位置に、湾曲部37を除いたフレーム一般部に対して車幅方向の幅を増加させたフレーム拡幅部38を有している。このフレーム拡幅部38によって、湾曲部37の剛性が高まりそのひずみが抑えられる。また、シートレール30は、前後方向で湾曲部37と同位置に、平面視で車幅方向に屈曲したフレーム屈曲部39を有している。上下方向の湾曲部37と車幅方向のフレーム屈曲部39とが存在する前後中間位置において、フレーム拡幅部38によってフレーム剛性を高めることは、ひずみを抑える効果が高い。
【0048】
シートレール30の下方突出部35は、サポートパイプ26用の差込部35cの前上方の領域において、シートレール30の車幅方向の両側部をフレーム内側に変位させた挟幅部(断面縮小部)35eを形成している。挟幅部35eは、差込部35cの前上方の領域において、シートレール30のフレーム幅を減らして断面形状を縮小している。この挟幅部35eにより、シートレール30への荷重入力時における湾曲部37への応力集中が緩和される。すなわち、シートレール30への荷重入力時には、湾曲部37とともに挟幅部35eに応力および変形が分散し、湾曲部37のスポット溶接部spに対する負荷が抑えられる。
【0049】
スポット溶接部spをパネル屈曲部45e5から離間させる対応、および湾曲部37に隣接して挟幅部35eを設ける対応は、凹状の湾曲部37への適用に限らず、凸状の湾曲部に適用してもよい。さらに、シートレール30の湾曲部37への適用に限らず、メインフレーム22の湾曲部22wに適用してもよい。
【0050】
このように、本実施形態における車体フレーム構造は、ヘッドパイプ21と、上記ヘッドパイプ21の後方に延びるメインフレーム22と、上記メインフレーム22の後方に延びるシートレール30と、を備えている。上記メインフレーム22および上記シートレール30の少なくとも一方(例えばシートレール30)は、第一の方向(車幅方向)から見て湾曲した湾曲部37を有し、かつ複数のプレスフレーム体45I,45Oの組み合わせで形成されている。上記複数のプレスフレーム体45I,45Oは、互いに組み合わせた際に閉断面構造30csを形成する膨出形状部45bsを有している。上記複数のプレスフレーム体45I,45O同士を接合する接合部(スポット溶接部sp)は、接合する上記プレスフレーム体45I,45Oの上記膨出形状部45bsから延びる接合フランジ45eに設けられている。上記接合フランジ45eの基端における上記膨出形状部45bsを立ち上げるパネル屈曲部45e5から上記接合部(スポット溶接部sp)までの距離は、上記湾曲部37を除いたフレーム一般部に対し、上記湾曲部37において長い。
【0051】
この構成によれば、第一の方向から見て湾曲する湾曲部37を有するシートレール30において、シートレール30に荷重が加わった際には湾曲部37に応力が集中しやすい。特に、湾曲部37におけるパネル屈曲部45e5には変形が生じやすい。そこで、シートレール30の湾曲部37における接合部をパネル屈曲部45e5から離し、パネル屈曲部45e5から接合部までの距離を長くすることで、パネル屈曲部45e5に生じる変形の接合部への影響を抑制することができる。
【0052】
また、上記車体フレーム構造において、上記湾曲部37は、上記第一の方向と交差する第二の方向(前後方向)で、上記フレーム一般部に対して厚さを増している。
この構成によれば、湾曲部37の剛性を増して変形を抑えることができる。
【0053】
また、上記車体フレーム構造において、上記湾曲部37は、上記第一の方向および第二の方向と交差する第三の方向(上下方向)から見て屈曲している。
この構成によれば、フレームの屈曲箇所にはより剛性が求められることから、湾曲部37の厚さを増すことの効果が高まる。
【0054】
また、上記車体フレーム構造において、上記メインフレーム22および上記シートレール30の少なくとも一方は、上記湾曲部37を有するとともに、上記湾曲部37の周囲にフレーム断面形状を縮小させる挟幅部35eを有している。
この構成によれば、湾曲部37の周囲に設けた挟幅部35eにより、フレームへの荷重入力時には応力が分散し、湾曲部37とともに挟幅部35eが良好に変形することで、湾曲部37の接合部に対する負荷を抑えることができる。
【0055】
図8図11に示すように、メインフレーム22の後下端部48とピボットフレーム23の上端部49とにより、メインフレーム22およびピボットフレーム23を互いに一体に接続する接続部47が構成されている。接続部47は、メインフレーム22における断面矩形状の後下端部48の左右外側壁部48aおよび後壁部48cの外側に、ピボットフレーム23における断面矩形状の上端部49の左右外側壁部49aおよび後壁部49cを重ねて接合する。また、接続部47は、メインフレーム22の後下端部48の前壁部48bの内側に、ピボットフレーム23の上端部49の前壁部49bを重ねて溶接する。メインフレーム22とピボットフレーム23とは、例えばアーク溶接によって一体に接合されている。
【0056】
例えば、ピボットフレーム23の上端部49の左右外側壁部49aには、長円形状の溶接孔(開口部)49dが形成されている。この溶接孔49dの内周縁に沿って例えばアーク溶接が施されて、ピボットフレーム23の上端部49の左右外側壁部49aとその内側に重なるメインフレーム22の後下端部48の左右外側壁部48aとが接合されている。
【0057】
ピボットフレーム23の上端部49の左右前側のコーナー部には、左右外側壁部49aと前壁部49bとを分離させる切欠き49eが設けられている。これら左右切欠き49eによって、前壁部49bが左右外側壁部49aから独立してメインフレーム22の内側に差し込まれる。
【0058】
例えば、メインフレーム22の後下端部48の前壁部48bには、長円形状の溶接孔(開口部)48dが左右一対に形成されている。これら左右溶接孔48dの内周縁に沿って例えばアーク溶接が施されて、メインフレーム22の後下端部48の前壁部48bとその内側に重なるピボットフレーム23の上端部49の前壁部49bとがプレスフレーム体毎に接合されている。
【0059】
メインフレーム22の後下端部48の下接合フランジ42eの基端側には、ピボットフレーム23の上端部49の前側の溶接ビードbdを避けるための膨出部48eが形成されている。この膨出部48eと同一高さにある下接合フランジ42eには、フランジ高さを増加させる拡幅部48fが形成されている。この拡幅部48fにより、膨出部48eを避けてスポット溶接部spを設けることが容易である。
【0060】
ピボットフレーム23の上端部49の後部は、前壁部49bおよび左右外側壁部49aに比して、上端高さが低くなるよう切除されている。ピボットフレーム23の上端部49の後壁部49cは、前壁部49bおよび左右外側壁部49aに比して少ないラップ代で、メインフレーム22の後下端部48の後壁部48cに後方から重なる。この状態で、ピボットフレーム23の上端部49の後壁部49cとメインフレーム22の後下端部48の後壁部48cとが例えばアーク溶接によって接合されている。ピボットフレーム23の上端部49の後壁部49cには、メインフレーム22の上接合フランジ42dを避ける切欠き49fが形成されている。
【0061】
ピボットフレーム23の上端部49の左右外側壁部49aおよび後壁部49cが、メインフレーム22の後下端部48の左右外側壁部48aおよび後壁部48cの外側に重なって接合され、ピボットフレーム23の上端部49の前壁部49bがメインフレーム22の後下端部48の前壁部48bの内側に重なって接合される構成に限らない。例えば、互いに重なる壁部をメインフレーム22とピボットフレーム23とで入れ替えたり、互いに重なる壁部の内外を逆にしたり、上記と異なるパターンで壁部を重ねた構成としてもよい。
【0062】
メインフレーム22およびピボットフレーム23の一方を他方の断面内に全て差し込む構成では、部品バラツキ等による組付誤差の吸収が困難である。すなわち、メインフレーム22およびピボットフレーム23をいわゆるインロー嵌合させる構成では、両者の間に隙間や干渉が生じることがある。
【0063】
本実施形態では、ピボットフレーム23の上端部49の左右外側壁部49aおよび前壁部49bを個々に独立させ、上端を自由端とした片持ち片とするので、左右方向および前後方向の誤差を吸収しやすくなる。ピボットフレーム23の上端部49の左右外側壁部49aおよび前壁部49bは、メインフレーム22の後下端部48の左右外側壁部49aおよび前壁部48bを押圧して重なる設定とすることで、相互間の隙間を抑えて接合することが可能となる。
【0064】
このように、本実施形態における車体フレーム構造は、ヘッドパイプ21と、上記ヘッドパイプ21の後方に延びるメインフレーム22と、上記メインフレーム22の下方に延びるピボットフレーム23と、を備えている。上記メインフレーム22およびピボットフレーム23の間には、上記メインフレーム22およびピボットフレーム23を互いに接続する接続部47を有している。上記接続部47は、上記メインフレーム22およびピボットフレーム23の一方の一部を、上記メインフレーム22およびピボットフレーム23の他方の閉断面構造22cs,23csの外側から当接させて接合し、上記メインフレーム22およびピボットフレーム23の一方の残余の部位を、上記メインフレーム22およびピボットフレーム23の他方の閉断面構造22cs,23csの内側から当接させて接合する。
【0065】
この構成によれば、メインフレーム22およびピボットフレーム23の一方を他方の閉断面構造22cs,23csの内側に差し込むいわゆるインロー嵌合とすると、組付誤差によって接続部47にガタや干渉が生じた場合、フレーム接続が困難になる。そこで、一方のフレームの一部を他方のフレームの外側から当接させて接合し、一方のフレームの残余の部位を他方のフレームの内側から当接させて接合することで、組付誤差を吸収しやすくし、フレーム接続を容易かつ確実に行うことができる。
【0066】
また、上記車体フレーム構造において、上記接続部47は、上記メインフレーム22およびピボットフレーム23の少なくとも一方に、内周縁が接合箇所となる開口部(溶接孔48d,49d)を形成している。
この構成によれば、接合箇所の長さを増して接合強度を向上させることができる。
【0067】
また、上記車体フレーム構造において、上記メインフレーム22は、複数のプレスフレーム体42L,42Rの組み合わせで形成される。上記複数のプレスフレーム体42L,42Rは、互いに組み合わせた際に閉断面構造22csを形成する膨出形状部42bsを有する。上記複数のプレスフレーム体42L,42R同士を接合する接合部(スポット溶接部sp)は、接合する上記プレスフレーム体42L,42Rの上記膨出形状部42bsから屈曲して延びる接合フランジ42d,42eに設けられている。
この構成によれば、メインフレーム22を形成する複数のプレスフレーム体42L,42Rが、膨出形状部42bsから屈曲して延びた接合フランジ42d,42eで接合されることで、複数のプレスフレーム体42L,42R同士の接合による閉断面構造22csのひずみを抑えることができる。
【0068】
また、上記車体フレーム構造において、上記ピボットフレーム23は、複数のプレスフレーム体43L,43Rの組み合わせで形成される。上記複数のプレスフレーム体43L,43Rは、互いに組み合わせた際に閉断面構造23csを形成する膨出形状部43bsを有する。上記複数のプレスフレーム体43L,43R同士を接合する接合部(スポット溶接部sp)は、接合する上記プレスフレーム体43L,43Rの一方の膨出形状部43bsの内側に他方の膨出形状部43bsが入り込んで互いに重なり合う部位に設けられている。
この構成によれば、メインフレーム22を形成する複数のプレスフレーム体43L,43Rが膨出形状部43bs同士の重複部分で接合されることで、膨出形状部43bsから延びる接合フランジを設ける場合に比して、ピボットフレーム23周辺のエンジン10や電装部品等の配置スペースを確保しやすくなる。
【0069】
また、上記車体フレーム構造において、上記接続部47は、上記ピボットフレーム23の一部を、上記メインフレーム22の閉断面構造22csの車幅方向外側から当接させて接合するとともに、上記ピボットフレーム23の残余の部位を、上記メインフレーム22の閉断面構造22csの内側から車両前後方向で当接させて接合する。
この構成によれば、メインフレーム22の前後に接合フランジが起立する構成でも、ピボットフレーム23と接合フランジとの干渉を避けつつ、ピボットフレーム23とメインフレーム22とを容易かつ確実に接続することができる。
【0070】
図12図13を参照し、左右シートレール30の前端部を相互に連結する第一フロントクロスメンバ31は、前方に延びてメインフレーム22の上壁部22bに当接するステー部31aを形成している。この第一フロントクロスメンバ31を介して、左右シートレール30の前端部とメインフレーム22の上壁部22bとが一体に接合されている。第一フロントクロスメンバ31には、メインフレーム22の上接合フランジ42dを避ける切欠き31bが設けられている。
【0071】
左右シートレール30の前端部は、メインフレーム22の左右外側壁部22aに対する溶接長さを確保するために、前延出部30e1および下延出部30e2を形成している。前延出部30e1および下延出部30e2は、シートレール30の上下接合フランジ45d,45eと面一状に設けられ、それぞれ下端縁がメインフレーム22の左右外側壁部22aに例えばアーク溶接により一体に接合されている。これら前延出部30e1および下延出部30e2がメインフレーム22に接合されることで、シートレール30前端部の溶接強度が高まる。これにより、シートレール30への荷重入力によってシートレール30にその前端部中心で上下揺動させようとするモーメントが作用しても、上記モーメントに抗する接合強度が確保される。
【0072】
左右シートレール30の前後中間部を相互に連結する第二フロントクロスメンバ32は、第一フロントクロスメンバ31の後方に離間して設けられている。第二フロントクロスメンバ32には、燃料タンク15の後端部を支持するタンク支持部32aが設けられている。第一フロントクロスメンバ31と第二フロントクロスメンバ32とは、左右シートレール30間に配置された連結部40を介して一体化されている。連結部40は、左右シートレール30の上接合フランジ45dに沿うように延びる左右一対の連結片40aを有している。左右連結片40aの間は開口部40bとされている。第一フロントクロスメンバ31、第二フロントクロスメンバ32および連結部40(左右連結片40a)は、一体のクロスメンバ部材40Cとして構成されている。
【0073】
左右連結片40aは、左右シートレール30との間に隙間を有しており、左右シートレール30に対して非接合である。これにより、溶接コストが削減されるとともに、第一および第二フロントクロスメンバ31,32に対する溶接ひずみの影響が抑えられる。第一および第二フロントクロスメンバ31,32は、シートレール30に対する非接合領域R1を介して離間しつつ相互に一体化されている。
【0074】
連結部40の構成は、左右シートレール30の車幅方向内側に沿って延びる一対の連結片40aを有する構成に限らず、例えば左右シートレール30間の車幅方向内側に離間して前後に延びる単一の連結片を有する構成等、第一および第二フロントクロスメンバ31,32を連結する種々の構成であってもよい。
【0075】
このように、本実施形態における車体フレーム構造は、ヘッドパイプ21と、上記ヘッドパイプ21の後方に延びるメインフレーム22と、上記メインフレーム22の後方に延びる複数のシートレール30と、上記複数のシートレール30の間を連結する複数のクロスメンバ31,32と、を備えている。上記複数のクロスメンバ31,32は、上記シートレール30に対する非接合領域R1を介して離間するとともに、上記非接合領域R1に配置された連結部40を介して互いに一体化されている。
【0076】
この構成によれば、互いに離間する複数のクロスメンバ31,32を連結部40を介して一体化するので、部品点数および組付工数を削減することができる。また、複数のクロスメンバ31,32および連結部40を一体の部材として一体形成することが可能となり、複数のクロスメンバ31,32間の相対位置の精度を高めることができる。
【0077】
また、上記車体フレーム構造において、上記連結部40は、上記複数のシートレール30に沿う複数の連結片40aと、複数の上記連結片40aの間に形成される開口部40bと、を有している。
この構成によれば、複数のクロスメンバ31,32および連結部40を一体の部材とした際の軽量化を図るとともに、連結片40aでシートレール30の補強を図ることができる。
【0078】
また、上記車体フレーム構造において、上記複数のクロスメンバ31,32は、上記複数のシートレール30の前端部の間および前後中間部の間にそれぞれ配置されている。
この構成によれば、複数のシートレール30におけるメインフレーム22に接続される前端部をクロスメンバ31で固めるとともに、シートレール30における曲げ応力が生じやすい前後中間部をクロスメンバ32で補強することができる。
【0079】
また、上記車体フレーム構造において、上記複数のシートレール30の前端部の間に設けたクロスメンバ31は、上記メインフレーム22に接合されるステー部31aを有している。
この構成によれば、シートレール30の前端部のメインフレーム22との接合強度を高めることができる。また、ステー部31aによりシートレール30とメインフレーム22とを容易に位置決めすることができる。
【0080】
また、上記車体フレーム構造において、上記複数のシートレール30の前後中間部の間に設けたクロスメンバ32は、燃料タンク15を支持するタンク支持部32aを有している。
この構成によれば、シートレール30の前後中間部に燃料タンク15用のタンク支持部32aを設けることで機能性を向上させることができる。
【0081】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、上記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
15 燃料タンク
20 車体フレーム
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム
23 ピボットフレーム
30 シートレール
31 第一フロントクロスメンバ(クロスメンバ)
31a ステー部
32 第二フロントクロスメンバ(クロスメンバ)
32a タンク支持部
22cs 閉断面構造(第一の閉断面構造)
23cs 閉断面構造(第二の閉断面構造)
30cs 閉断面構造
35e 挟幅部(断面縮小部)
37 湾曲部
40 連結部
40a 連結片
40b 開口部
42bs 膨出形状部(第一の膨出形状部)
43bs 膨出形状部(第二の膨出形状部)
45bs 膨出形状部
42d,42e 接合フランジ
42L,42R 左右メインプレスフレーム体(第一のプレスフレーム体)
43L,43R 左右ピボットプレスフレーム体(第二のプレスフレーム体)
45I,45O 内外シートプレスフレーム体(プレスフレーム体)
45e 下接合フランジ(接合フランジ)
45e5 パネル屈曲部
47 接続部
48d,49d 溶接孔(開口部)
R1 非接合領域
sp スポット溶接部(接合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13

【手続補正書】
【提出日】2018年12月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプと、
前記ヘッドパイプの後方に延びるメインフレームと、
前記メインフレームの下方に延びるピボットフレームと、を備え、
前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの間には、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームを互いに接続する接続部を有し、
前記接続部は、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの一方の一部を、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの他方の閉断面構造の外側から当接させて接合し、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの一方の残余の部位を、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの他方の閉断面構造の内側から当接させて接合し、
前記接続部は、前記メインフレームおよび前記ピボットフレームの少なくとも一方に、内周縁が接合箇所となる開口部を形成している、
車体フレーム構造。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記メインフレームは、複数の第一のプレスフレーム体の組み合わせで形成され、
前記複数の第一のプレスフレーム体は、互いに組み合わせた際に第一の閉断面構造を形成する第一の膨出形状部を有し、
前記複数の第一のプレスフレーム体同士を接合する接合部は、接合する前記第一のプレスフレーム体の前記第一の膨出形状部から屈曲して延びる接合フランジに設けられている、
請求項1に記載の車体フレーム構造。
【請求項4】
前記ピボットフレームは、複数の第二のプレスフレーム体の組み合わせで形成され、
前記複数の第二のプレスフレーム体は、互いに組み合わせた際に第二の閉断面構造を形成する第二の膨出形状部を有し、
前記複数の第二のプレスフレーム体同士を接合する接合部は、接合する前記第二のプレスフレーム体の一方の前記第二の膨出形状部の内側に他方の前記第二の膨出形状部が入り込んで互いに重なり合う部位に設けられている、
請求項1又は3に記載の車体フレーム構造。
【請求項5】
前記接続部は、前記ピボットフレームの一部を、前記メインフレームの前記第一の閉断面構造の車幅方向外側から当接させて接合するとともに、前記ピボットフレームの残余の部位を、前記メインフレームの前記第一の閉断面構造の内側から車両前後方向で当接させて接合する、
請求項3に記載の車体フレーム構造。
【国際調査報告】