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再表2019-176399医療用情報処理装置、医療用情報処理方法および手術室ネットワークシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年9月19日
【発行日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】医療用情報処理装置、医療用情報処理方法および手術室ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20210319BHJP
【FI】
   G16H40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2020-505683(P2020-505683)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年2月8日
(31)【優先権主張番号】特願2018-44637(P2018-44637)
(32)【優先日】2018年3月12日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉江 雄生
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山口 健太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】手術時に使用される複数の装置からの出力データを十分に活用することを可能にする。
【解決手段】手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得する取得部と、前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、医療用情報処理装置が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得する取得部と、
前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、
前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、
医療用情報処理装置。
【請求項2】
前記出力データは、手術成績を評価するデータを含む、
請求項1に記載の医療用情報処理装置。
【請求項3】
前記手術成績を評価するデータは、出血量に関するデータ、手術時間に関するデータ、入院期間に関するデータ、生存率または合併症発生率に関するデータを含む、
請求項2に記載の医療用情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の解析部は、前記出力データに基づいて、前記手術成績を評価するデータに影響を及ぼす事象であるイベントの検出を行う、
請求項2に記載の医療用情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の解析部は、前記出力データの時間変化に基づいて、前記イベントが発生した期間を特定する、
請求項4に記載の医療用情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の解析部は、前記期間における前記手術成績を評価するデータと前記出力データとの相関を抽出する、
請求項5に記載の医療用情報処理装置。
【請求項7】
前記解析の結果が統計的に有意でない場合、前記第1の解析部は、前記イベントの検出に用いられる閾値または前記出力データのサンプリング間隔を変更する、
請求項4に記載の医療用情報処理装置。
【請求項8】
前記出力データは、複数の病院から取得される、
請求項1に記載の医療用情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、術中に前記出力データを取得し、
前記第1の解析部は、術中に前記解析を行い、
前記出力制御部は、術中に前記出力を制御する、
請求項1に記載の医療用情報処理装置。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記解析の結果として手術成績を改善する方法に関する情報の出力を制御する、
請求項1に記載の医療用情報処理装置。
【請求項11】
前記出力制御部は、前記手術成績を改善する方法に関する情報の推奨度または信頼度に応じて、前記出力における表示内容、表示の大きさ、表示の色、表示位置、音声出力の内容、音声出力の大きさ、ランプの点灯もしくは点滅を制御する、
請求項10に記載の医療用情報処理装置。
【請求項12】
仕様が不明な装置の出力データを解析し、解析の結果を前記第1の解析部に提供する第2の解析部をさらに備える、
請求項1に記載の医療用情報処理装置。
【請求項13】
手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得することと、
前記出力データの相関に基づいて解析を行うことと、
前記解析の結果の出力を制御することと、を有する、
コンピュータにより実行される医療用情報処理方法。
【請求項14】
手術室ネットワークに接続された複数の装置と、
前記複数の装置の出力データを解析する医療用情報処理装置と、を備え、
前記医療用情報処理装置は、
前記出力データを取得する取得部と、
前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、
前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、
手術室ネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用情報処理装置、医療用情報処理方法および手術室ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
手術効率または手術成績の改善は、医療業界において大きな関心事であり、手術効率または手術成績を向上させる装置、方法またはシステムが盛んに開発されている。例えば、以下の特許文献1には、術者や補助者の行動分析を行い、医療事故を軽減することで手術効率または手術成績を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−157614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術をはじめとする従来技術では、術者や補助者の行動に基づく分析に留まる場合が多く、手術時に使用される複数の装置からの出力データを十分に活用することができていなかった。
【0005】
そこで、本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、手術時に使用される複数の装置からの出力データを十分に活用することが可能な、新規かつ改良された医療用情報処理装置、医療用情報処理方法および手術室ネットワークシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得する取得部と、前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、医療用情報処理装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得することと、前記出力データの相関に基づいて解析を行うことと、前記解析の結果の出力を制御することと、を有する、コンピュータにより実行される医療用情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、手術室ネットワークに接続された複数の装置と、前記複数の装置の出力データを解析する医療用情報処理装置と、を備え、前記医療用情報処理装置は、前記出力データを取得する取得部と、前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、手術室ネットワークシステムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、手術時に使用される複数の装置からの出力データを十分に活用することが可能になる。
【0010】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】手術室ネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】医療用情報処理装置100の処理の一例について説明する図である。
図3】医療用情報処理装置100の機能構成例を示すブロック図である。
図4】イベント判定部112による、出血というイベントの発生有無の判定に関する具体例を説明する図である。
図5】イベント区間解析部113によって生成されるテーブルの一例を示す図である。
図6】イベント区間解析部113による解析処理の一例を説明する図である。
図7】出力制御部114による出力制御の一例を説明する図である。
図8】医療用情報処理装置100による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】医療用情報処理装置100による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】データのサンプリング間隔の変更処理の一例を説明する図である。
図11】イベントの発生の予兆を解析する処理の一例を説明する図である。
図12】本開示に係る第2の実施例を説明する図である。
図13】医療用情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施例
1.1.概要
1.2.システム構成例
1.3.機能構成例
1.4.処理の流れ
1.5.処理のバリエーション
2.第2の実施例
3.第3の実施例
4.第4の実施例
5.その他の実施例
6.ハードウェア構成例
7.まとめ
【0014】
1.第1の実施例>
(1.1.概要)
まず、本開示に係る第1の実施例の概要について説明する。
【0015】
上記のとおり、手術効率または手術成績の改善は、医療業界において大きな関心事であり、手術効率または手術成績を向上させる装置、方法またはシステムが盛んに開発されている。
【0016】
例えば、各種学会にて手術手技の標準化が行われることで、各種疾患や各種病気に関する手術の改善および効率化が図られている。しかし、当該標準化に関しては、手術手技のノウハウの蓄積に相当の時間を要し、標準化する範囲にも限界がある(例えば、装置の配置、モニタまたは内視鏡システムの画質設定等は標準化の対象外となる場合が多い)。
【0017】
そこで、これを解決するために、自動的に手術に関するデータを収集し、当該データを分析することで手術の改善を促す装置、方法またはシステムが開発されている。その一つが上記の特許文献1に開示されている技術である。特許文献1には、術者や補助者の行動分析を行い、医療事故を軽減することで手術効率または手術成績を向上させる技術が開示されている。
【0018】
しかし、特許文献1の技術をはじめとする従来技術では、術者や補助者の行動に基づく分析に留まる場合が多く、手術時に使用される複数の装置からの出力データを十分に活用することができていなかった。
【0019】
また、特許文献1の技術は、予め計測する装置および計測する情報を規定しており、それらの情報を用いて行われる解析方法までが規定された状態で使用されることが想定されている。すなわち、特許文献1の技術は、予め相関があることが分かっている情報から、ユーザにとって有益な情報を提供することを目的としており、相関の有無が不明な情報から相関を抽出することでユーザにとって有益な情報を提供することができない。
【0020】
また、特許文献1の技術は、術中に取得された情報を解析することで、手術成績を改善する方法に関する情報を術中に出力することができなかった(以降、便宜的に「手術成績を改善する方法に関する情報を出力すること」または「手術成績を改善する方法に関する情報自体」を「フィードバック」と呼称する場合がある)。さらに、仕様(例えば、データ単位、データ形式、データの種類(例えば、データの次元等)、遅延情報、装置の種類または各種パラメータ等(例えば、解像度または画質パラメータ等))が不明な新たな装置(例えば、他社製品または新製品等)が手術に用いられた場合において、特許文献1の技術は、フィードバックを行うことができなかった。
【0021】
本件の開示者は上記事情に鑑み、本開示に係る技術を創作するに至った。本開示に係る医療用情報処理装置100は、手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データの相関に基づいて解析を行い、その解析結果を用いて術者や補助者に対して様々なフィードバックを行うことができる。
【0022】
以降では、本開示について詳細に説明していく。なお、以降では、本開示が医療用情報処理装置100に適用された場合の例について説明するが、本開示が適用される対象はこれに限定されない。例えば、本開示は、医療用情報処理方法または手術室ネットワークシステム等に適用されてもよい。
【0023】
(1.2.システム構成例)
上記では、本開示に係る第1の実施例の概要について説明した。続いて、図1を参照して、本実施例に係る手術室ネットワークシステムの構成例について説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施例に係る手術室ネットワークシステムは、医療用情報処理装置100と、手術室装置群200と、患者データサーバ300と、を備える。そして、医療用情報処理装置100と手術室装置群200は、ネットワーク400aによって接続され、医療用情報処理装置100と患者データサーバ300は、ネットワーク400bによって接続される。
【0025】
(医療用情報処理装置100)
医療用情報処理装置100は、手術室ネットワークに接続された複数の装置(手術室装置群200)の出力データを解析する装置である。より具体的には、医療用情報処理装置100は、手術室装置群200の出力データを、ネットワーク400aを介して取得し、当該出力データの相関に基づいて解析を行う。そして、医療用情報処理装置100は、解析結果を用いて術者や補助者に対して様々なフィードバックを行うことができる。
【0026】
ここで、図2を参照して、医療用情報処理装置100の処理の一例について説明する。例えば、医療用情報処理装置100は、手術室装置群200の出力データを取得し、解析することで手術を受けている患者が出血したことを認識する。そして、医療用情報処理装置100は、過去に行われた同一の術式(または類似の術式)の手術において出血が発生した際の各種出力データを解析することで、出血量と相関のある情報を探索する。
【0027】
例えば、図2には、執刀医Aと執刀医Bそれぞれが同一の術式の手術を行った場合における、総出血量、モニタの画質モードおよび使用器具の時系列変化が執刀医毎に示されている。医療用情報処理装置100は、これらの情報を解析し、赤枠10に示すように、総出血量とモニタの画質モードに相関があることを認識する。より具体的には、執刀医Bが、出血後ただちにモニタの画質モードをBからCへ変更した場合、執刀医Aのように出血後もモニタの画質モードをBのまま変更しなかった場合よりも、総出血量が抑えられることが示唆される。医療用情報処理装置100は、この相関を認識することで、出血が発生した場合の対処として、モニタの画質モードをCへ変更するよう提案するフィードバックを行うことができる。
【0028】
なお、図2の例では、医療用情報処理装置100が2例のみから相関を抽出しているが、より多くの症例から類似の相関が抽出された場合、医療用情報処理装置100は、より信頼度の高いフィードバックを行うことができる。また、医療用情報処理装置100は、相関を抽出できた場合に、その相関が手術成績に与える影響の度合いを判断することで、より効果的な提案を行ってもよい。例えば、医療用情報処理装置100は、手術成績を評価するデータ(指標)として、出血量に関するデータ、手術時間に関するデータ、入院期間に関するデータまたは生存率に関するデータ(例えば、5年生存率等)、合併症のように手術に起因する病状の発生率を示すデータを用い、それらとより大きな相関を有する出力データに関するフィードバックをより優先的に行ってもよい。なお、出血量に関するデータとは、出血量そのものだけでなく、出血量に関連する様々な要素(例えば、出血量を増減させる要素等)を含む概念であり、その他、手術時間に関するデータ等についても同様である。
【0029】
ここで、図2を参照して説明したように、医療用情報処理装置100は、取得された出力データの中から相関を抽出しているのであり、総出血量とモニタの画質モードに相関があることが予め判明している状態でこれらの情報に対する相関解析を行っているわけではない。したがって、本開示に係る医療用情報処理装置100は、前述した特許文献1に開示の装置とは明確に異なる。
【0030】
さらに、医療用情報処理装置100は、術中に取得された出力データを解析し、術中に上記のようなフィードバックを行うことができる。従来においては、術後に手術手技の振り返りを行うことでその後の手術手技を改善するという取り組みが行われることが一般的であったところ、本開示が適用されて、術中に上記のようなフィードバックが行われることで、術者は、手術手技をリアルタイムに改善していくことができ、手術の失敗を低減させることができる。なお、上記はあくまで一例であり、医療用情報処理装置100は、術中以外(例えば、術前または術後)に取得されたデータを解析し、術中以外(例えば、術前または術後)にフィードバックを行ってもよい。その他、医療用情報処理装置100は、様々な効果を創出することができる。医療用情報処理装置100の詳細については後述する。
【0031】
(手術室装置群200)
手術室装置群200は、手術室に設置され、手術に使用される複数の装置の集合である。例えば、手術室装置群200は、内視鏡システム、ウェアラブルデバイス(例えば、術者または患者が装着するウェアラブルデバイス等)、血液タンク、無影灯、モニタ、手術台または術野カメラ等を含む。なお、手術室装置群200に含まれる装置は、これらに限定されず、手術に用いられる装置(または手術に関する装置)であればいかなる装置であってもよい。また、手術室装置群200は、必ずしも手術室内に位置している必要はなく、手術室外に位置していてもよい。
【0032】
(患者データサーバ300)
患者データサーバ300は、患者に関する任意の情報を管理する装置である。より具体的には、患者データサーバ300は、患者の属性情報(例えば、氏名、性別、年齢、身長、体重、体脂肪率、BMI、血圧、視力、聴力または持病等)、入院に関する情報(例えば、入院期間、病室または担当者等)または各種履歴情報(例えば、診断履歴、治療履歴、手術履歴、投薬履歴、または、診断、治療、手術もしくは投薬の結果に関する情報等(例えば、手術の成否、手術時間、出血量または合併症の有無等))を管理する。なお、患者データサーバ300が管理する情報は、これらに限定されず、患者に関する情報であればいかなる情報であってもよい。
【0033】
(ネットワーク400aおよびネットワーク400b)
ネットワーク400aおよびネットワーク400bは、上記の各種装置によって通信される情報のための有線または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク400aおよびネットワーク400bは、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)や、インターネットなどの公衆回線網などを含んでもよい。また、ネットワーク400aおよびネットワーク400bは、IP−VPN(Internet
Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信網を含んでもよい。なお、ネットワーク400aおよびネットワーク400bは、ハブ、スイッチまたはルータ等の各種ネットワーク装置を当然に備えており、それらの台数や仕様は特に限定されない。また、本実施例において、ネットワーク400aおよびネットワーク400bは、「手術室ネットワーク」とも呼称される。
【0034】
以上、本実施例に係る手術室ネットワークシステムの構成例について説明した。なお、本実施例において、上記で説明した各種装置は、同一の病院(複数拠点がネットワークで接続される一の病院も含む)内に設置されることを想定している。各種装置が複数の病院内に設置される場合の例については後述する。
【0035】
また、図1を参照して説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施例に係る手術室ネットワークシステムの構成は係る例に限定されない。例えば、医療用情報処理装置100の機能の全部または一部は、外部装置(手術室装置群200または患者データサーバ300を含む)に備えられてもよい。例えば、手術室装置群200からのデータを蓄積する機能が、医療用情報処理装置100とは別の装置に実装されてもよい。また、上記の各種装置の台数は特に限定されない。本実施例に係る手術室ネットワークシステムの構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0036】
(1.3.機能構成例)
上記では、本実施例に係る手術室ネットワークシステムの構成例について説明した。続いて、図3を参照して、本実施例に係る医療用情報処理装置100の機能構成例について説明する。
【0037】
図3に示すように、医療用情報処理装置100は、解析部110と、通信部120と、記憶部130と、を備える。
【0038】
(解析部110)
解析部110は、手術室ネットワークに接続された複数の装置からの出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部として機能し、当該解析の結果の出力を制御する機能構成である。図3に示すように、解析部110は、遅延調整部111と、イベント判定部112と、イベント区間解析部113と、出力制御部114と、を備える。以降では、解析部110の備える各機能構成について説明していく。なお、以降では主に、解析部110が、術中に取得された出力データを解析し術中にフィードバックを行う場合を一例として説明するが、上記のとおり、解析部110は、術中以外(例えば、術前または術後)に取得されたデータを解析し、術中以外(例えば、術前または術後)にフィードバックを行ってもよい。
【0039】
(遅延調整部111)
遅延調整部111は、手術室装置群200からのデータについての遅延を調整する機能構成である。上記のとおり、手術室装置群200は複数の装置の集合であるところ、各装置がデータを出力するタイミング(換言すると、各装置がデータを出力する際の遅延量)は異なるため、医療用情報処理装置100が同一時刻で発生した事象をとらえるためには、各装置からの出力データについての遅延を調整することが求められる。そこで、遅延調整部111は、各装置の出力データについての遅延を調整する。
【0040】
遅延調整部111による遅延の調整方法は特に限定されない。例えば、手術室装置群200に含まれる装置が遅延量をメタデータとして出力可能である場合、遅延調整部111は、各装置からのメタデータに基づいて遅延を調整してもよい。また、各出力データの遅延量が過去の実績や経験則に基づいて判明している場合には、遅延調整部111は、ユーザによるマニュアル入力、または機械学習等に基づいて遅延を調整してもよい。
【0041】
遅延の調整についてより具体的に説明すると、遅延調整部111は、出力データに対応する時刻を遅延量だけ早める。例えば、遅延量が5[ms]である場合、遅延調整部111は、出力データに対応する時刻を5[ms]だけ早める。遅延調整部111は、各装置からの出力データに対してこの調整を施すことによって、後段の処理にて、各装置からの出力データの相関抽出の精度をより向上させることができる。なお、遅延調整部111による遅延の調整方法は上記に限定されない。
【0042】
(イベント判定部112)
イベント判定部112は、イベントの発生有無を判定する機能構成である。ここで、本実施例におけるイベントおよびイベント判定部112の機能について説明する前に、本実施例における「手術成績を評価するデータ」について説明する。
【0043】
手術成績を評価するデータとは、手術室装置群200(または、患者データサーバ300)からの出力データに含まれているデータであり、手術成績を評価する指標を指す。例えば、手術成績を評価するデータは、出血量に関するデータ、手術時間に関するデータ、入院期間に関するデータまたは生存率に関するデータ(例えば、5年生存率等)等を含む。なお、上記のとおり、出血量に関するデータとは、出血量そのものだけでなく、出血量に関連する様々な要素(例えば、出血量を増減させる要素等)を含む概念であり、その他、手術時間に関するデータ等についても同様である。また、手術成績を評価するデータはこれらの指標に限定されない。
【0044】
そして、本実施例におけるイベントは、これらの手術成績を評価するデータに影響を及ぼす事象を指す。例えば、手術成績を評価するデータが「出血量」である場合、イベントは、出血量に影響を及ぼす「出血(例えば、出血変化量が所定の閾値を超える出血等)」という事象であり得る。また、手術成績を評価するデータが「手術時間」である場合、イベントは、手術時間に影響を及ぼす「発煙(例えば、電気メス等のエナジーデバイスの使用によって発生する煙の変化量が所定の閾値を超える発煙等)」という事象であり得る。なお、これらはイベントの一例であり、イベントの内容はこれらに限定されない。
【0045】
また、イベント判定部112は、上記のようなイベントの発生有無を様々な方法で判定する。より具体的には、イベント判定部112は、術野カメラの撮像画像を解析することによって、イベントの発生有無を判定することができる。例えば、イベント判定部112は、過去の手術において取得された撮像画像から抽出された出血時の特徴量と、実施中の手術において取得された撮像画像の特徴量とを比較することで、実施中の手術における出血変化量を予測し、出血変化量が所定の閾値(以降、「出血変化量閾値」と呼称する場合がある)を超えた場合に出血というイベントが発生したと判定することができる。なお、出血変化量とは、単位時間あたりの総出血量の変化量を指す。
【0046】
ここで、図4を参照して、イベント判定部112による、出血というイベントの発生有無の判定に関する具体例を説明する。図4のAには、各時刻における総出血量が示されており、図4のBには、各時刻における出血変化量が示されている。図4のBに示すように、イベント判定部112は、出血変化量が出血変化量閾値以上となる区間(期間)を、イベントが発生していた区間(図中には「イベント発生区間」と表記)と判定する。
【0047】
また、イベント判定部112は、実施中の手術だけでなく、過去に実施された手術についてもイベントの発生有無を判定することができる。より具体的には、イベント判定部112は、記憶部130に記憶されている、過去の手術にて手術室装置群200から取得された各種データを解析することでイベントの発生有無を判定し、イベントが発生していた区間を出力することができる。なお、過去に実施された手術におけるイベントの発生有無の判定方法は上記と同様である。また、過去に実施された手術については、予めイベント判定部112がイベントの発生有無を判定し、判定結果を記憶部130に格納しておいてもよい。
【0048】
なお、イベント判定部112によるイベントの発生有無の判定方法はこれに限定されず、手術室装置群200から取得されたデータが用いられる方法であれば、イベント判定部112は任意の方法を用いてイベントの発生有無を判定することができる。例えば、血液タンクが蓄積している血液量を測定可能である場合、イベント判定部112は、当該血液タンクと通信を行うことで血液量(出血量)の増加スピードや総量等を認識し、これらの情報に基づいてイベントの発生有無を判定してもよい。
【0049】
また、イベント判定部112は、イベントの発生有無の判定処理で用いられた閾値(上記の例では、出血変化量閾値)を適宜変更することができる。より具体的には、後段の処理でイベント区間解析部113によって出力される解析結果が統計的に有意でない場合、イベント判定部112は、イベントの発生有無の判定処理に用いられる閾値を適宜変更する。これによって、イベントの発生区間が変化するため、イベント区間解析部113は、統計的に有意な解析結果を出力できる可能性が高くなる。
【0050】
イベント判定部112は、イベントが発生したと判定した場合には、実施中の手術および過去の手術における、イベントの発生区間に関する情報(例えば、イベントの発生時点と終了時点に関する情報等)をイベント区間解析部113に通知する。
【0051】
(イベント区間解析部113)
イベント区間解析部113は、イベントが発生した区間におけるデータの相関に基づいて解析を行う機能構成である。より具体的には、イベント区間解析部113は、イベント判定部112から通知されたイベントの発生区間に関する情報を用いて、イベントの発生区間における手術室装置群200のデータを記録する。より具体的には、実施中の手術については、イベント区間解析部113は、イベントの発生区間にて手術室装置群200から取得された各種データを記録する。また、過去の手術については、イベント区間解析部113は、イベントの発生区間にて手術室装置群200から取得された各種データを記憶部130から取得する。さらに、イベント区間解析部113は、実施中の手術および過去の手術の両方について、手術が実施された患者に関する情報を患者データサーバ300から取得する。
【0052】
これによって、イベント区間解析部113は、図5に示すようなテーブルを生成する。より具体的には、図5に示すように、イベント区間解析部113は、術者情報、患者術前情報、手術成績を評価するデータ、使用装置情報および詳細情報等を含むテーブルを生成する。図5のテーブルには、手術成績を評価するデータが「出血量」である場合に、実施中の手術と同様に「出血」が発生した過去の手術のデータが含まれている(術者1のデータが2レコード含まれている理由は、同一の手術にて出血が2回発生したからである)。
【0053】
術者情報、手術成績を評価するデータ、使用装置情報および詳細情報が手術室装置群200または記憶部130から取得され、患者術前情報が患者データサーバ300から取得されることを想定しているが、これに限定されない。なお、イベント区間解析部113は、過去の全手術を対象に上記の処理をするのではなく、患者、病状(症状の度合い等)、術者または手術内容等の類似度が高い手術を対象に上記の処理を行ってもよい。これによって、イベント区間解析部113は、解析精度を向上させ、解析処理の負荷を低減させることができる。
【0054】
そして、イベント区間解析部113は、手術成績を評価するデータと、その他の出力データ(手術室ネットワークに繋がれた複数の機器の出力データ含む)との相関を算出することで、手術成績を評価するデータに影響を及ぼしている要因を抽出する。例えば、イベント区間解析部113は、図5のテーブルに示した各データに基づいて以下の(式1)による重回帰分析を行う。より具体的には、手術成績を評価するデータ(例えば、出血量)を目的関数yとし、その他の出力データを示す値を説明変数xとしたとき、以下の(式1)が成立する。ここで、(式1)において、aは各説明変数の係数であり、pは因子の数であり、εは残差である。イベント区間解析部113は、重回帰分析によって得られる回帰直線に対する母重相関係数が0であることを帰無仮説とする分散分析(例えば、F検討等)を行い、偏回帰係数が0でないことを帰無仮説とする検定(例えば、t検定等)を行うことで、手術成績を評価するデータに影響を及ぼしている要因を抽出する。
【0055】
【数1】
【0056】
例えば、図6(または、図5の術者0および術者2のデータ)に示すように、過去の手術におけるイベントの発生区間にて、画質パラメータの周波数が「中域強調」から「低域強調」へ変更され、さらに、「低域強調」から「中域強調」へ戻された後にイベント「出血」が終了したとする。そして、画質パラメータの周波数以外のデータが大きく変化していない場合、イベント区間解析部113は、手術成績を評価するデータ(この例では、出血量)に対して最も大きく寄与した要因として、画質パラメータの周波数を出力する。
【0057】
上記の重回帰分析によって、統計的に有意な要因が抽出された場合、イベント区間解析部113は要因の抽出処理を終了する。一方、統計的に有意な要因が抽出されなかった場合には、イベント判定部112が、上記のとおり、イベントの発生有無の判定処理に用いられる閾値を適宜変更することでイベントの発生区間を変更し、イベント区間解析部113が変更後の区間のデータに対して再び重回帰分析を行うという一連の処理が所定の回数繰り返される。なお、上記の処理でイベント区間解析部113が抽出する要因は複数あってもよい。また、イベント区間解析部113による、手術成績を評価するデータと、その他の出力データとの相関の解析手法は、相関を分析可能な手法であればよく、重回帰分析に限られない。例えば、イベント区間解析部113による相関の解析手法は、主成分分析、クラスター分析、または機械学習等による分析であってもよい。
【0058】
ここで、イベント区間解析部113における機械学習による分析は、例えば、ニューラルネットワークを用いて、手術成績を評価するデータと手術室ネットワークに繋がれた複数の機器の出力データとが紐づけられた学習データによって学習された分類器または推定器を生成し、手術中における手術室ネットワークに繋がれた複数の機器の出力データをその分類器または推定器に入力することで、将来的な手術成績を予測して出力することができる。また、予測される手術成績よりも手術成績が良い過去の類似手術を算出し、それらの手術における複数の機器の出力値の差を統計的または回帰的に分析し、分析結果に基づいて手術成績を改善する方法が出力されてもよい。
【0059】
そして、イベント区間解析部113は、手術成績を評価するデータ(この例では、出血量)に対して大きく寄与した要因(統計的に有意な要因)に基づいて、手術成績を改善する方法を出力することができる。例えば、手術成績を評価するデータに対して大きく寄与した要因が画質パラメータの周波数である場合、イベント区間解析部113は、過去の手術時に取得されたデータに基づいて最適であると判断され得る画質パラメータの周波数を、実施中の手術においても適用する。手術成績を改善する方法(例えば、画質パラメータの周波数の最適な設定値等)の導出方法については特に限定されない。例えば、イベント区間解析部113は、手術成績が最も良い過去の類似手術と同様の方法(例えば、出血量が最も少ない過去の類似手術の設定値等)を採用してもよい。
【0060】
イベント区間解析部113は、手術成績を改善する方法に関する情報を出力制御部114へ提供する。なお、イベント区間解析部113は、解析結果(統計的な有意性の高さ等)に基づいて推奨度(または、信頼度)を算出し、手術成績を改善する方法に関する情報に当該推奨度に関する情報を含めることで出力制御部114へ提供してもよい。
【0061】
ここで、フィードバックの対象となる手術の実績が十分に多い場合、適切な手術手技が既に決められている(換言すると、手術手技が既に標準化されている)場合が多いため、解析結果の推奨度(または、信頼度)は、既存の手術手技に比べて相対的に低くなる。一方、フィードバックの対象となる手術の実績が少ないほど、適切な手術手技が決められていない(換言すると、手術手技が標準化されていない)場合が多いため、解析結果の推奨度(または、信頼度)は、既存の手術手技に比べて相対的に高くなる。以上から、イベント区間解析部113は、フィードバックの対象となる手術の実績等に基づいて推奨度(または、信頼度)を算出してもよい。なお、イベント区間解析部113による処理の内容は上記に限定されない。
【0062】
(出力制御部114)
出力制御部114は、手術成績を改善する方法に関する情報の出力を制御する(換言すると、フィードバックを制御する)機能構成である。より具体的には、出力制御部114は、イベント区間解析部113から提供される、手術成績を改善する方法に関する情報に基づいて外部装置(例えば、手術室装置群200に含まれる装置等)を制御する制御情報を生成し、当該制御情報を外部装置へ提供することで、フィードバックを制御する。例えば、出力制御部114は、術中に、手術室装置群200に含まれるモニタに制御情報を提供することで、当該モニタにフィードバックを表示させることができる。
【0063】
ここで、出力制御部114によるフィードバックの制御を説明するにあたり、本実施例における「フェーズ」について説明する。手術には、標準手技があり、手順(または推奨される手順)が決められている場合が多い。本実施例における「フェーズ」は、この手順の区切りを指すとする。出力制御部114は、手術室装置群200から提供される各種データの解析によって手術におけるフェーズを認識する。例えば、出力制御部114は、術野カメラから提供された撮像画像を解析することで、手術におけるフェーズを認識することができる。なお、出力制御部114は、ユーザによるマニュアル入力によって手術におけるフェーズを認識してもよい。例えば、ユーザが、フェーズが変わるタイミングで所定の入力(例えば、所定のボタンの押下等)を行うことで、出力制御部114が手術におけるフェーズを認識してもよい。
【0064】
そして、出力制御部114は、手術におけるフェーズを認識した上で適切なフェーズ(または適切なタイミング)で外部装置にフィードバックを出力させる。例えば、「フェーズ2にて出血が発生した場合には、画質パラメータの周波数を中域強調に設定することを推奨する」という解析結果が得られた場合、出力制御部114は、図7に示すように、手術のフェーズが「フェーズ1」から「フェーズ2」に変わり、出血が発生したタイミングで外部装置にフィードバック20を出力させる(すなわち、フェーズ1にて出血が発生してもフィードバックは出力されない)。これによって、術者は、適切なタイミングでフィードバックを確認することができる。
【0065】
また、出力制御部114は、図7のフィードバック20に示すように、当該フィードバック20があくまで推奨事項であることを示してもよい。より具体的には、図7のフィードバック20に「Recommend」という文字列が表記されることによって、当該フィードバック20があくまで推奨事項であることが示されている。これによって、術者は、フィードバックで示された処置が強制されていないことを認識し、当該フィードバックを採用するか否かを自ら判断することができる。
【0066】
また、イベント区間解析部113から提供される手術成績を改善する方法に関する情報に推奨度(または、信頼度)に関する情報が含まれる場合、出力制御部114は、当該推奨度をフィードバックに反映させてもよい。より具体的には、出力制御部114は、当該推奨度に応じてフィードバックにおける表示内容(例えば、数値、図形、記号または文字列等)、表示の大きさ、表示の色(例えば、文字列等の色または背景の色等)、表示位置、音声出力の内容、音声出力の大きさ、ランプの点灯もしくは点滅等を制御してもよい。例えば、推奨度が所定の閾値より高い場合、出力制御部114は、フィードバックの配色を緑色にし、推奨度が所定の閾値以下である場合、出力制御部114は、フィードバックの配色を赤色にしてもよい。これによって、術者は、直感的にフィードバックの推奨度を認識することができる。
【0067】
また、医療用情報処理装置100が手術室装置群200を制御できる機能(例えば、手術室装置群200に含まれる装置の設定を変更できる機能等)を有している場合、出力制御部114は、手術室装置群200を制御するか否かのガイド21のフィードバックを行ってもよい。図7のガイド21には、「出血検出時に自動切替えしますか? yes(決定ボタン) no(戻るボタン)」という文字列と共に切替え後の画像(推奨画像)が表示されている。これによって、術者は、より視認し易い設定を容易に選択することができる。仮に、術者が、決定ボタンを押下することで出血時の自動切替えを有効化した場合、医療用情報処理装置100は、出血の検出時に対象の装置に対して制御情報を提供することで自動切替えを実現する。
【0068】
なお、出力制御部114は、手術に悪影響のないようにガイド21を出力する。例えば、出力制御部114は、緊急事態(例えば、大量の出血の発生等)が生じていない場合、鉗子が静止している場合、または、スコープの動きが安定している場合等にガイド21を出力する。出力制御部114によるフィードバックの制御内容は上記に限定されない。
【0069】
(通信部120)
通信部120は、取得部として機能する機能構成であり、手術室装置群200または患者データサーバ300と通信を行うことで各種データを取得する。例えば、通信部120は、手術室装置群200から手術に関する各種データを受信する。また、通信部120は、患者データサーバ300から患者に関する各種データを受信する。そして、通信部120は、フィードバックにあたり、手術室装置群200(例えば、モニタ等)を制御する制御情報を手術室装置群200へ送信する。なお、通信部120による通信の内容やそのタイミングはこれらに限定されない。
【0070】
(記憶部130)
記憶部130は、各種情報を記憶する機能構成である。例えば、記憶部130は、過去の手術にて手術室装置群200から取得された各種データ、イベントの発生有無の判定結果、イベントの発生区間の解析結果またはフィードバックに関する情報等を記憶してもよい。また、記憶部130は、医療用情報処理装置100の各機能構成によって使用されるプログラムまたはパラメータ等を記憶してもよい。なお、記憶部130によって記憶される情報はこれらに限定されない。
【0071】
以上、医療用情報処理装置100の機能構成例について説明した。なお、図3を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、医療用情報処理装置100の機能構成は係る例に限定されない。例えば、医療用情報処理装置100は、図3に示す機能構成の全てを必ずしも備えなくてもよい。また、医療用情報処理装置100の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0072】
(1.4.処理の流れ)
上記では、本実施例に係る医療用情報処理装置100の機能構成例について説明した。続いて、図8および図9を参照して、本実施例に係る医療用情報処理装置100による処理の流れの一例について説明する。
【0073】
図8は、医療用情報処理装置100によって行われる処理の全体の流れを示すフローチャートである。ステップS1000では、医療用情報処理装置100の通信部120が、手術室装置群200または患者データサーバ300と通信を行うことで各種データを取得する。ステップS1004では、解析部110が、これらの各種データを解析する。そして、ステップS1008では、出力制御部114が、解析部110による解析結果に基づいて手術成績を改善する方法に関する情報の出力を制御する(換言すると、フィードバックを制御する)。
【0074】
図9は、図8のステップS1004(解析部110による各種データの解析処理)における、より詳細な処理の流れを示すフローチャートである。ステップS1100では、遅延調整部111が、手術室装置群200から取得されたデータについての遅延を調整する。ステップS1104では、イベント判定部112が、手術室装置群200からのデータを用いてイベントの発生有無を判定し、イベントの発生を検出した場合には当該イベントの発生区間に関する情報を出力する。ステップS1108では、イベント区間解析部113が、イベントの発生区間に取得されたデータに対して重回帰分析等を行うことによって、手術成績を評価するデータに影響を及ぼしている要因を抽出する。ステップS1112では、イベント区間解析部113が、解析結果の統計的な有意性を判定する。解析結果が統計的に有意でないと判定された場合においてイタレ―ション数が所定値以下である場合(ステップS1116/No)、ステップS1104〜ステップS1112の処理が再び行われる。解析結果が統計的に有意であると判定された場合、または、解析結果が統計的に有意でないと判定された場合においてイタレ―ション数が所定値より大きい場合(ステップS1116/Yes)、一連の処理が終了する。
【0075】
なお、図8および図9に示したフローチャートにおける各ステップは、必ずしも記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。すなわち、フローチャートにおける各ステップは、記載された順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0076】
(1.5.処理のバリエーション)
上記では、本実施例に係る医療用情報処理装置100による処理の流れの一例について説明した。続いて、上記で説明してきた医療用情報処理装置100による処理のバリエーションについて説明する。
【0077】
上記にて、イベント判定部112が、イベントの発生有無の判定処理で用いられる閾値を適宜変更することで、より適切な要因を抽出可能にする旨を説明した。ここで、イベント判定部112は、閾値ではなく、取得したデータのサンプリング間隔(または、サンプリング周波数)を変更することで、より適切な要因を抽出可能にしてもよい。
【0078】
より具体的には、イベント区間解析部113が統計的に有意な要因を抽出できなかった場合、イベント判定部112は、図10のAからBへ変更するように、取得したデータのサンプリング間隔をより短く変更する(または、サンプリング周波数をより高く変更する)。これによって、イベント判定部112は、総出血量および出血変化量を、図10のAよりも細かく認識することができるため、イベントの発生区間をより細かく出力することができる。例えば、図10のBに示すように、イベント判定部112は、イベントの発生区間をサンプリング間隔の変更前よりも多く抽出できる場合がある。そのため、イベント区間解析部113は、統計的に有意な要因を抽出し易くなる場合がある。なお、サンプリング間隔を短くし過ぎると統計的に有意な要因を抽出できない場合も想定される。そこで、イベント判定部112は、サンプリング間隔を数種類設定し、それぞれのサンプリング間隔でイベントの発生区間を抽出することで、より精度の高い出力を試みてもよい。
【0079】
また、上記において、医療用情報処理装置100は、主に、実施中の手術を改善するために術中にフィードバックを行っていた。これに限らず、医療用情報処理装置100は、その後の手術を改善するためにフィードバックを行ってもよい。
【0080】
より具体的には、図11に示すように、イベント区間解析部113が、イベントの発生前(例えば、図11に示すように、一つ前のイベントの開始点から当該イベントの開始点までの区間)を解析区間とし、イベントの発生の予兆を解析する。例えば、イベント区間解析部113は、イベントの発生前の解析区間における各種データに対して重回帰分析等を行うことで、イベントの発生の予兆として最も適当な因子を出力する。これによって、イベント区間解析部113は、その後の手術においてイベントの発生を予防するためのフィードバックを行うことができる。なお、当該処理においても、イベントの発生有無の判定処理で用いられる閾値や、取得したデータのサンプリング間隔(または、サンプリング周波数)が適宜変更されてもよい。
【0081】
<2.第2の実施例>
上記では、本開示に係る第1の実施例について説明した。続いて、本開示に係る第2の実施例について説明する。上記の実施例では、主に、出血量と画質パラメータの相関に基づいて医療用情報処理装置100がフィードバックを行う場合の例について説明した。続いて、第2の実施例として、術前情報であるBMI、術中情報である手術に使用された内視鏡システムメーカー、術後情報である入院日数の相関に基づいて医療用情報処理装置100がフィードバックを行う場合の例について説明する。
【0082】
図12には、A社製内視鏡システムが使用された手術またはB社製内視鏡システムが使用された手術それぞれにおける、患者のBMIと入院日数との関係が示されている。なお、図12の各プロットは1回の手術に関するデータを示している。図12に示すように、A社製内視鏡システムが使用された場合には、患者のBMIと入院日数に正の相関が確認される。一方、B社製内視鏡システムが使用された場合には、患者のBMIと入院日数に相関は確認されず、BMIによらずに入院日数がほぼ一定である(または、入院日数がある範囲に収まる)ことが分かる。
【0083】
医療用情報処理装置100の解析部110は、手術室装置群200および患者データサーバ300から取得した情報を解析することで、この特徴を認識する。そして、解析部110は、新たな手術の対象となる患者のBMIに基づいて当該手術に使用される内視鏡システムメーカーを提案するフィードバックを手術前に行う。これによって、術者は、手術の計画または準備段階で、手術に使用する内視鏡システムのメーカーを適切に決定することができ、患者の入院日数をより短くすることができると考えられる。なお、上記はあくまで一例であり、第2の実施例の内容は適宜変更され得る。例えば、相関が抽出される情報は、BMI、内視鏡システムメーカーおよび入院日数に限定されない。
【0084】
<3.第3の実施例>
続いて、本開示に係る第3の実施例について説明する。上記の実施例では、医療用情報処理装置100、手術室装置群200および患者データサーバ300が同一の病院内に設置される場合について説明した。第3の実施例では、医療用情報処理装置100がクラウドネットワーク上に位置するクラウドサーバとして実装され、手術室装置群200および患者データサーバ300が複数の病院内に設置された場合について考える。
【0085】
クラウドサーバとして実装された医療用情報処理装置100は、複数の病院から、より多くの手術に関するデータを取得することができる。そのため、医療用情報処理装置100は、イベントの発生区間の解析処理に用いるデータ量を充実させることができるため、解析処理の精度を向上させることができる。また、複数の病院が、医療用情報処理装置100の解析処理によるフィードバックを受けることができる。なお、具体的な実装方法等は特に限定されない。例えば、クラウドサーバとして実装される医療用情報処理装置100が用いられるだけでなく、各病院内にも医療用情報処理装置100が設置されることで、これらの医療用情報処理装置100が処理を分担するように実装されてもよい。
【0086】
<4.第4の実施例>
続いて、本開示に係る第4の実施例について説明する。本開示のポイントは、上記のとおり、予め判明していないデータ間の相関を抽出することにある。仮に、仕様(例えば、データ単位、データ形式、データの種類(例えば、データの次元等)、遅延情報、装置の種類または各種パラメータ等(例えば、解像度または画質パラメータ等))が不明な新たな装置(例えば、他社製品または新製品等)が手術室ネットワークシステムに接続される場合には、通常、当該新たな装置や医療用情報処理装置100を改修することで、医療用情報処理装置100が当該新たな装置から出力されるデータを処理可能にすることが求められる。しかし、この改修には大きな負荷がかかる。
【0087】
そこで、本実施例においては、手術室装置群200または患者データサーバ300として新たな装置が手術室ネットワークシステムに接続される場合、当該新たな装置からの出力データの解析を行う装置(以降、便宜的に「解析装置」と呼称する。当該解析装置は、第2の解析部として機能する)が、別途、当該新たな装置と医療用情報処理装置100との間に設置される。例えば、手術室装置群200として新たな他社製内視鏡システムが手術室ネットワークシステムに接続される場合、当該新たな他社製内視鏡システムからの出力データの解析を行うIPコンバータが当該新たな他社製内視鏡システムと医療用情報処理装置100との間に設置されてもよい。
【0088】
解析装置は、手術室ネットワークシステムに接続された新たな装置から出力される符号化前のベースバンド信号等の解析(例えば、周波数等の解析)を行うことで、新たな装置の仕様(例えば、データ単位、データ形式、データの種類(例えば、データの次元等)、遅延情報、装置の種類または各種パラメータ等(例えば、解像度または画質パラメータ等))を認識する。そして、解析装置は、解析結果を医療用情報処理装置100に提供することによって、医療用情報処理装置100は、改修等が行われなくても、新たな装置から出力されるデータを用いて上記で説明してきた解析処理やフィードバック等を行うことができる。なお、解析装置は、新たな装置から出力されるデータの解析だけでなく、新たな装置から出力されるデータを医療用情報処理装置100が処理可能なデータに変換する処理等を行ってもよい。
【0089】
<5.その他の実施例>
上記では、本開示に係る様々な実施例について説明してきた。しかし、上記はあくまで例であり、本開示が適用される実施例は上記に限定されない。そこで、以降では、本開示が適用されるその他の実施例について説明する。
【0090】
例えば、電気メス等のエナジーデバイスと、エナジーデバイスの使用により発生した煙を排出する排煙装置が手術室装置群200として使用される場合において、本開示が適用されてもよい。より具体的に説明すると、本開示が適用されることによって、解析部110は、発煙というイベントの発生有無を判定し、イベントが発生した区間における各種データ(例えば、エナジーデバイスの通電パターンまたは排煙装置の動作状況等(例えば、排煙状況等))を解析することで、術中に使用されている排煙装置と、他の排煙装置との性能を比較することができる。これによって、手術時間の短縮化が求められている場合、解析部110は、より早急に排煙を行うことが可能な排煙装置を選定し、術中にフィードバックすることができる。
【0091】
また、電気メス等のエナジーデバイスと、血液タンクを撮像する術野カメラ(または、血液タンク自体)が手術室装置群200として使用される場合において、本開示が適用されてもよい。より具体的には、解析部110は、術野カメラの撮像画像を解析することによって出血というイベントの発生有無を判定し、イベントが発生した区間における各種データ(例えば、エナジーデバイスの通電パターンまたは血液タンクにおける血液の蓄積量等)を解析することで、術中に使用されているエナジーデバイスと、他のエナジーデバイスとの性能を比較することができる。これによって、出血量の抑制(または、止血時間の短縮化)が求められている場合、解析部110は、出血量を抑制可能なエナジーデバイスを選定し、術中にフィードバックすることができる。
【0092】
上記で説明した、エナジーデバイスおよび排煙装置が使用される例と、エナジーデバイスおよび術野カメラ(または、血液タンク自体)が使用される例においては、装置が経年劣化し易い場合(または装置が故障し易い場合)、または、装置の性能に固体差がある場合等に本開示が特に有効である。例えば、排煙装置については、経年劣化等によってその性能が大きく変化するため、カタログに開示されたスペックからは、排煙装置の性能を予測することが難しい場合がある。したがって、術者は、排煙装置を実際に使用することでその性能を確認していくことになる。以上から、排煙装置の性能を定量的に測定し、他の排煙装置との比較を行うことは困難であるところ、本開示は、より適切な排煙装置を選定し、術中にフィードバックすることが可能となるため、特に有効である。
【0093】
<6.ハードウェア構成例>
上記では、本開示に係る様々な実施例について説明してきた。続いて、図13を参照して、医療用情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
【0094】
図13は、医療用情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。医療用情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only
Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置(HDD)910と、ドライブ911と、通信装置912とを備える。
【0095】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って医療用情報処理装置100内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904により相互に接続されている。当該CPU901、ROM902およびRAM903の協働により、医療用情報処理装置100の解析部110の機能が実現される。
【0096】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0097】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。医療用情報処理装置100を使用するユーザは、該入力装置908を操作することにより、医療用情報処理装置100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0098】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置909は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置909は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報を文字列またはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
【0099】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。当該ストレージ装置910によって、医療用情報処理装置100の記憶部130の機能が実現される。
【0100】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、医療用情報処理装置100に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ911は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体913に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体913に情報を書き込むこともできる。
【0101】
通信装置912は、例えば、通信網914に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。通信装置912によって、医療用情報処理装置100の通信部120の機能が実現される。
【0102】
<7.まとめ>
以上で説明してきたように、本開示に係る医療用情報処理装置100は、手術室ネットワークに接続された複数の装置(例えば、手術室装置群200に含まれる複数の装置等)の出力データを取得し、当該出力データを解析することで適切なフィードバックを行うことができる。したがって、医療用情報処理装置100は、特許文献1に開示の装置等と異なり、手術時に使用される複数の装置からの出力データを十分に活用することができる。
【0103】
また、医療用情報処理装置100は、手術室ネットワークに接続された複数の装置から取得した出力データについて、手術成績を評価するデータとその他の出力データとの相関を算出し、当該相関に基づいて適切なフィードバックを行うことができる。すなわち、医療用情報処理装置100は、予め相関があることが判明しているデータからフィードバックを行う特許文献1に開示の装置等とは明確に異なる利点を有している。
【0104】
さらに、医療用情報処理装置100は、術中に取得された出力データを解析することで、術中に適切なフィードバックを行うことができる。これによって、医療用情報処理装置100は、手術手技をリアルタイムに改善していくことができ、手術の失敗を低減させることができる。なお、上記のとおり、医療用情報処理装置100は、術中以外(例えば、術前または術後)に取得された出力データを解析し、術中以外(例えば、術前または術後)にフィードバックを行ってもよい。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施例について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0106】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0107】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得する取得部と、
前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、
前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、
医療用情報処理装置。
(2)
前記出力データは、手術成績を評価するデータを含む、
前記(1)に記載の医療用情報処理装置。
(3)
前記手術成績を評価するデータは、出血量に関するデータ、手術時間に関するデータ、入院期間に関するデータ、生存率または合併症発生率に関するデータを含む、
前記(2)に記載の医療用情報処理装置。
(4)
前記第1の解析部は、前記出力データに基づいて、前記手術成績を評価するデータに影響を及ぼす事象であるイベントの検出を行う、
前記(2)または(3)に記載の医療用情報処理装置。
(5)
前記第1の解析部は、前記出力データの時間変化に基づいて、前記イベントが発生した期間を特定する、
前記(4)に記載の医療用情報処理装置。
(6)
前記第1の解析部は、前記期間における前記手術成績を評価するデータと前記出力データとの相関を抽出する、
前記(5)に記載の医療用情報処理装置。
(7)
前記解析の結果が統計的に有意でない場合、前記第1の解析部は、前記イベントの検出に用いられる閾値または前記出力データのサンプリング間隔を変更する、
前記(4)から(6)のいずれか1項に記載の医療用情報処理装置。
(8)
前記出力データは、複数の病院から取得される、
前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の医療用情報処理装置。
(9)
前記取得部は、術中に前記出力データを取得し、
前記第1の解析部は、術中に前記解析を行い、
前記出力制御部は、術中に前記出力を制御する、
前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の医療用情報処理装置。
(10)
前記出力制御部は、前記解析の結果として手術成績を改善する方法に関する情報の出力を制御する、
前記(1)から(9)のいずれか1項に記載の医療用情報処理装置。
(11)
前記出力制御部は、前記手術成績を改善する方法に関する情報の推奨度または信頼度に応じて、前記出力における表示内容、表示の大きさ、表示の色、表示位置、音声出力の内容、音声出力の大きさ、ランプの点灯もしくは点滅を制御する、
前記(10)に記載の医療用情報処理装置。
(12)
仕様が不明な装置の出力データを解析し、解析の結果を前記第1の解析部に提供する第2の解析部をさらに備える、
前記(1)から(11)のいずれか1項に記載の医療用情報処理装置。
(13)
手術室ネットワークに接続された複数の装置の出力データを取得することと、
前記出力データの相関に基づいて解析を行うことと、
前記解析の結果の出力を制御することと、を有する、
コンピュータにより実行される医療用情報処理方法。
(14)
手術室ネットワークに接続された複数の装置と、
前記複数の装置の出力データを解析する医療用情報処理装置と、を備え、
前記医療用情報処理装置は、
前記出力データを取得する取得部と、
前記出力データの相関に基づいて解析を行う第1の解析部と、
前記解析の結果の出力を制御する出力制御部と、を備える、
手術室ネットワークシステム。
【符号の説明】
【0108】
100 医療用情報処理装置
110 解析部
111 遅延調整部
112 イベント判定部
113 イベント区間解析部
114 出力制御部
120 通信部
130 記憶部
200 手術室装置群
300 患者データサーバ
400a、400b ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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【国際調査報告】